説明

タッチ感知装置とその出力補正方法

【課題】本発明はタッチ感知装置を提供する。
【解決手段】多数のタッチセンサーを含むタッチセンサーアレイと、前記タッチセンサーアレイの出力をデジタルデータに変換してローデータを発生する多数の集積回路と、前記集積回路から入力される前記ローデータで隣り合うローデータの間の差の値で補正値を発生して、前記補正値の内で、しきい値以上の値を持つ補正値の連続する個数が基準値未満である場合に当該補正値をとり除くデータ補正部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサーの感度及び正確度を高めるようにしたタッチ感知装置とその出力補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家電器機やポータブル情報器機の軽量化、スリム化の傾向により、ユーザー入力手段がボタン型スイッチからタッチセンサーに取り替えられている。
【0003】
タッチセンサーは、静電容量方式、抵抗方式、圧力方式、光学方式、超音波方式などが知られている。タッチスクリーンは、ディスプレイ素子上に形成されたタッチセンサーから構成される。
【0004】
ディスプレイ素子に形成されるタッチセンサーは、電源配線と接続されてディスプレイ素子の信号配線と電気的にカップリングされている。これによって、タッチセンサーの出力には、多くのノイズが混入される。また、タッチ入力がない時にも、隣り合うタッチセンサーの出力の間に偏差が大きく存在する。このような偏差をタッチデータのスイングレベルと言う。タッチ信号処理回路は、タッチデータにスイングレベルとノイズの影響が含まれている状態で、所定のしきい値以上のタッチデータが入力される時、タッチを認識する。タッチデータに含まれるノイズとスイングレベルが大きいほどタッチセンサーの感度は低くなる。特に、ノイズよりもスイングレベルが、タッチデータの感度にさらに大きい影響を及ぼす。したがって、タッチセンサーの感度を高めるためには、タッチデータのスイングレベルを減らさなければならない。
【0005】
また、タッチ信号処理回路は、多数の集積回路を含むことができる。しかしながら、このような集積回路の間の偏差が、集積回路の間の出力に悪影響を与えるようになる。その結果、タッチ認識間違いが発生する。
【0006】
タッチ信号処理回路は、タッチデータを補正するために、以前のフレームデータと現在のフレームデータを比べて、その比較結果によってタッチデータを補正することができる。しかしながら、この場合には、フレームメモリーが必要となり、タッチ信号処理回路のコストが増加するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、タッチセンサーの感度と正確度を高めるようにしたタッチ感知装置とその出力補正方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の実施の形態に係るタッチ感知装置は、多数のタッチセンサーを含むタッチセンサーアレイと、前記タッチセンサーアレイの出力をデジタルデータに変換してローデータを発生する多数の集積回路と、前記集積回路から入力される前記ローデータで隣り合うローデータの間の差の値で補正値を発生して、前記補正値の内で基準値未満で連続するしきい値以上の補正値をとり除くデータ補正部を備える。
【0009】
本発明の実施の形態に係るタッチ感知装置の出力補正方法は、多数のタッチセンサーと接続された集積回路で前記タッチセンサーの出力をデジタルデータに変換してローデータを発生する段階と、前記集積回路から入力される前記ローデータで隣り合うローデータの間の差の値で補正値を発生する段階と、前記補正値の内で基準値未満で連続するしきい値以上の補正値をとり除く段階を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施の形態に係るタッチ感知装置とその出力補正方法によれば、隣り合うタッチデータとミラーデータを利用してタッチデータの補正値を発生して、その補正値で欠陥タッチセンサーの出力をとり除いてタッチデータのノイズ、シフトレベル、及びタッチセンサー集積回路の間の偏差を補正する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係るタッチセンサー及びディスプレイ装置を示すブロック図である。
【図2】タッチセンサーと表示パネルの多様な実施の形態を示す図である。
【図3】タッチセンサーと表示パネルの多様な実施の形態を示す図である。
【図4】タッチセンサーと表示パネルの多様な実施の形態を示す図である。
【図5】図4のように表示パネルの画素アレイに内蔵したタッチセンサーの一つの例を示す断面図である。
【図6】図4のように表示パネルの画素アレイに内蔵したタッチセンサーの一つの例を示す等価回路図である。
【図7】図4のように表示パネルの画素アレイに内蔵したタッチセンサーとTSICの一つの例を示す等価回路図である。
【図8】図1に示されたタッチセンサー及びタッチセンサーの出力をイメージで見せてくれる実験装置を示す図である。
【図9】タッチデータ補正回路の回路構成を示すブロック図である。
【図10A】図1に示された表示パネルに表示されるテストデータの一つの例を示す図である。
【図10B】図8のようなタッチデータの実験装置を通じてモニター53に表示されたタッチセンサー出力イメージをキャプチャーした写真である。
【図11】図10Bのようなタッチセンサーの出力レベルを3次元グラフで示したカラーイメージである。
【図12】タッチセンサーの出力に含まれるノイズ及びTSICの間の偏差を示す波形図である。
【図13】タッチデータの電圧とデジタル値を示す図である。
【図14】タッチ領域のタッチデータ電圧及びデジタル値と、非タッチ領域のタッチデータ電圧及びデジタル値を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係るミラーデータを示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係るミラーデータを示す図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係るミラーデータを示す図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係るミラーデータを示す図である。
【図19】タッチセンサー集積回路(TSICs)の使用チャンネル数を例示する図である。
【図20】タッチデータの補正値とミラーデータを示す図である。
【図21】タッチデータの補正値とミラーデータを示す図である。
【図22】欠陥があるタッチセンサーの出力補正方法を説明するための図である。
【図23】欠陥があるタッチセンサーの出力補正方法を説明するための図である。
【図24】図15乃至図23のような補正方法に補正された図11のタッチデータそれぞれにオフセット値‘512’を加算した結果を3次元グラフで示したカラーイメージである。
【図25】本発明の第2の実施の形態に係るミラーデータを示す図である。
【図26】本発明の第2の実施の形態に係るミラーデータを示す図である。
【図27】ローデータの平均値に算出されたミラーデータとこれを利用した補正値、及び補正値にオフセット値を加えた最終補正値の一つの例を示す図である。
【図28】ローデータの平均値に算出されたミラーデータとこれを利用した補正値、及び補正値にオフセット値を加えた最終補正値の一つの例を示す図である。
【図29】ローデータの平均値に算出されたミラーデータとこれを利用した補正値、及び補正値にオフセット値を加えた最終補正値の一つの例を示す図である。
【図30】図25乃至図29のような補正方法の前のローデータと補正データを示す実験結果グラフである。
【図31】図25乃至図29のような補正方法の前のローデータと補正データを示す実験結果グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
前記目的外に本発明の他の目的及び特徴は、添付した図面を参照した実施の形態の説明を通じて明白に現われるようになる。
【0013】
以下に、添付図面の図1乃至図31を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより、重複説明を省略する。
【0014】
図1乃至図7を参照すれば、本発明の実施の形態に係るタッチセンサー及びディスプレイ装置は、タッチ感知装置とディスプレイ装置を備える。
【0015】
タッチ感知装置は、タッチセンサーアレイ14と、タッチセンサーアレイ14の出力信号を処理するためのタッチ信号処理回路15を含む。タッチセンサーアレイ14は、リードアウトライン(R1〜Ri)に接続された多数のタッチセンサーを含む。タッチセンサーアレイ14は、図1乃至図4のように、ディスプレイ装置の表示パネル10上に積層されるか、表示パネル10の内部に挿入されるか、あるいは、表示パネル10の画素TFTアレイ内に形成されて表示パネル10と一体化されることができる。タッチ信号処理回路15は、図8のように、多数のタッチセンサー集積回路(Touch sensor integrated circuit、以下”TSIC”と称す)を含む。このタッチ信号処理回路15は、タッチセンサーアレイ14のタッチセンサーに駆動電圧を供給してリードアウトライン(R1〜Ri)を通じてタッチセンサーから出力されたタッチデータ電圧と基準電圧との差電圧をデジタルデータに変換する。
【0016】
本発明の実施の形態に係るタッチ感知装置は、タッチデータのスイングレベルを平準化して、TSICの間の偏差を補正するタッチデータ補正回路をさらに備える。タッチデータ補正回路に対する詳細な説明は、後述する。
【0017】
ディスプレイ装置は、表示パネル10、データ駆動回路12、スキャン駆動回路13、及びタイミングコントローラ11を備える。このディスプレイ装置は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)、電界放出表示装置(Field Emission Display:FED)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)及びOLED(Organic Light Emitting Diode)のような電界発光素子(Electroluminescence Device:EL)などの平板表示装置に具現されることができる。以下の実施の形態では、液晶表示装置を中心にディスプレイ装置を説明する。
【0018】
液晶表示装置は、図5のように、表示パネル10に光を照射するためのバックライトユニット(Back Light Unit:BLU)をさらに備えることができる。バックライトユニット(BLU)は、光源が導光板の側面と対向するように配置されるエッジ型バックライトユニットに具現されることができ、また、光源が拡散板の下に配置される直下型バックライトユニットに具現されることもできる。
【0019】
表示パネル10は、二枚のガラス基板(GLS1、GLS2)の間に液晶層が形成される。表示パネル10の下部ガラス基板(GLS2)には、図1乃至図6のように多数のデータライン(D1〜Dm)、データライン(D1〜Dm)と交差される多数のゲートライン(G1〜Gn)、データライン(D1〜Dm)とゲートライン(G1〜Gn)の交差部に形成される多数のTFT(Thin Film Transistor)、液晶セル(Clc)にデータ電圧を充電させるための多数の画素電極、及び画素電極に接続されて液晶セル(Clc)の電圧を維持させるためのストレージキャパシター(Storage Capacitor:Cst)などが形成される。データライン(D1〜Dm)とゲートライン(G1〜Gn)の交差構造によって、液晶セルがマトリックス形態に配置される。表示パネル10の上部ガラス基板(GLS1)には、ブラックマットリックス(BM)、カラーフィルター(CF)、共通電極などが形成される。共通電極は、TN(Twisted Nematic)モードと、VA(Vertical Alignment)モードのような垂直電界駆動方式では、上部ガラス基板(GLS1)に形成され、IPS(In Plane Switching)モードとFFS(Fringe Field Switching)モードのような水平電界駆動方式では、画素電極とともに下部ガラス基板(GLS2)上に形成される。表示パネル10の上部ガラス基板(GLS1)と下部ガラス基板(GLS2)それぞれには、偏光板(POL1、 POL2)が附着して、液晶と接する内面に液晶のフリーチルト角を設定するための配向膜が形成される。表示パネル10の上部ガラス基板(GLS1)と下部ガラス基板(GLS2)との間には、液晶セルのセルギャップ(Cell gap)を維持するためのカラムスペーサー(CS)を形成することができる。
【0020】
タイミングコントローラ11は、データイネーブル信号(Data Enable、DE)、ドットクロック(CLK)などのタイミング信号の入力を受けて、データ駆動回路12とスキャン駆動回路13の動作タイミングを制御するための制御信号を発生する。スキャン駆動回路13を制御するための制御信号は、ゲートスタートパルス(Gate Start Pulse:GSP)、ゲートシフトクロック(Gate Shift Clock:GSC)、ゲート出力イネーブル信号(Gate Output Enable:GOE)、シフト方向制御信号(DIR)などを含む。データ駆動回路12を制御するための制御信号は、ソースサンプリングクロック(Source Sampling Clock:SSC)、極性制御信号(Polarity:POL)、及びソース出力イネーブル信号(Source Output Enable:SOE)などを含む。このタイミングコントローラ11は、データ駆動回路12とスキャン駆動回路13を制御することと共に、タッチ信号処理回路15の入/出力動作タイミングを制御するための制御信号を発生して、タッチ信号処理回路15を制御することもできる。例えば、タイミングコントローラ11は、図7のように、TSICの動作タイミングを制御するためのリセット信号(RST)、基準電圧サンプリング信号(SH0)、タッチ電圧サンプリング信号(SH1)などを発生することができる。
【0021】
データ駆動回路12は、多数のソースドライブIC(Source Integrated Circuit)を含み、タイミングコントローラ11の制御の下にデジタルビデオデータ(RGB)をラッチする。そして、データ駆動回路12は、デジタルビデオデータ(RGB)をアナログ正極性/負極性ガンマ補償電圧に変換することで、アナログ正極性/負極性画素電圧を発生して、データライン(D1乃至Dm)に供給する。
【0022】
スキャン駆動回路13は、一つ以上のスキャンドライブICを含み、スキャンパルス(またはゲートパルス)をゲートライン(G1乃至Gn)に順次、供給する。
【0023】
図2乃至図4は、タッチセンサーアレイ14と表示パネル10の多様な実施の形態を示す。
【0024】
タッチセンサーアレイ14は、図2のように、表示パネル10の上部偏光板(POL1)上に積層されるタッチセンサー(TS)を含むことができる。また、タッチセンサーアレイ14は、図3のように、表示パネル10内に内蔵することができる。タッチセンサーアレイ14は、上部偏光板(POL1)と上部ガラス基板(GLS1)との間に狭持されるタッチセンサー(TS)を含むことができる。図2及び図3のようなタッチセンサーアレイ14は、抵抗膜方式のタッチセンサー、静電容量方式のタッチセンサー、表面弾性波方式のタッチセンサー、赤外線方式のタッチセンサーの内で何れかの一つで具現されることができる。
【0025】
タッチセンサーアレイ14は、図4のように、表示パネル10の画素TFTアレイ内に形成されるタッチセンサー(TS)を含むことができる。表示パネル10の画素TFTアレイは、下部ガラス基板(GLS2)上に形成されて、データライン(D1〜Dm)、ゲートライン(G1〜Gn)、画素スイッチング用TFT、画素電圧維持用ストレージキャパシター(Cst)、及び液晶セル(Clc)の画素電極1などを含む。図4のタッチセンサー(TS)は、画素TFTアレイの画素スイッチング用TFTと共に形成されるTFT、画素電圧維持用ストレージキャパシターと共に形成されるセンサー電圧検出用キャパシターなどを含むことができる。
【0026】
図5乃至図7は、図4のようにタッチセンサーが表示パネル10の画素アレイ内に内蔵される例を示す。画素アレイ内蔵タッチセンサーは、図5乃至図7に限定されず、多様な形態で変形されることができる。
【0027】
図5乃至図7を参照すれば、タッチセンサー(TS)それぞれは、センサーTFT(Tss)、ストレージキャパシター(CSTO)、及びスイッチTFT(Tsw)などを備えることができる。
【0028】
センサーTFT(Tss)は、上部ガラス基板(GLS1)の透明ウィンドウ(W)と対向する。センサーTFT(Tss)のゲート電極は、ストレージ基準電圧ライン(STOL)とストレージキャパシター(CSTO)の一側端子に接続される。そして、センサーTFT(Tss)のドレーン電極は、バイアス電圧(Vbias)が供給されるバイアス電圧供給ライン(BL)と接続されて、センサーTFT(Tss)のソース電極は、第1ノード(n1)を経由してストレージキャパシター(CSTO)の他側端子とスイッチTFT(Tsw)のドレーン電極に接続される。センサーTFT(Tss)と対向する上部ガラス基板(GLS1)上に指やスタイラスペンなどのタッチ物体が置かれれば、バックライトユニット(BLU)からの光は、下部ガラス基板(GLS2)、液晶層及び上部ガラス基板(GLS1)を透過した後に、タッチ物体に反射してセンサーTFT(Tss)の半導体層に入射される。センサーTFT(Tss)は、自身の半導体層に入射される入射光量によって電流を発生する。
【0029】
ストレージキャパシター(CSTO)は、スイッチTFT(Tsw)がオフ状態を維持する間、センサーTFT(Tss)からの電流を充電した後、スイッチTFT(Tsw)がターン−オンされる時放電する。
【0030】
スイッチTFT(Tsw)は、自分に光が照射されないように、上部ガラス基板(GLSU)のブラックマトリックス(BM)と対向する。スイッチTFT(Tsw)は、ゲートライン(G1〜Gn)からのスキャンパルスに応答してターン−オンされる。このスイッチTFT(Tsw)は、ストレージキャパシター(CSTO)から放電する電圧を、リードアウトライン(R1〜Ri)に供給する。スイッチTFT(Tsw)のゲート電極は、ゲートライン(G1〜Gn)に接続される。スイッチTFT(Tsw)のドレーン電極は、第1ノード(n1)を経由してセンサーTFT(Tss)のソース電極とストレージキャパシター(CSTO)の他側端子に接続され、スイッチTFT(Tsw)のソース電極は、リードアウトライン(R1〜Ri)に接続される。
【0031】
図7に示されたTSICは、図6のようなタッチセンサーに接続されたタッチ信号処理回路の一つの例としてここに限定されるのではなく、TFTとストレージキャパシターを含む多様な形態に具現されることができる。図7のようなTSICは、リードアウトライン(R1〜Ri)に接続される。TSICは、演算増幅器(OPamp)、第1及び第2出力スイッチ素子(SH0、SH1)、出力バッファー、アナログ−デジタル変換器(Analog to Digital Convertor:ADC)などを備える。演算増幅器(OPamp)の非反転入力端子と出力端子には、リセットスイッチ素子(RST)とフィードバックキャパシター(Cfb)が接続される。演算増幅器(OPamp)の反転端子には、2Vの基準電圧(VO)が供給される。演算増幅器(OPamp)は、リードアウトライン(R1乃至Ri)からの出力と基準電圧を差動増幅して、第1及び第2出力スイッチ素子(SH0、SH1)に供給する。第1出力スイッチ素子(SH0)は、スイッチTFT(Tsw)がターン−オンされる前にターン−オンされて基準電圧(V0)を出力する。第2出力スイッチ素子(SH1)は、スイッチTFT(Tsw)がターン−オンした後にターン−オンされて、リードアウトライン(R1〜Ri)を経由して入力されるタッチセンサー出力電圧(V1)を出力する。TSICは、基準電圧(V0)とタッチセンサー出力電圧(V1)との差分をアナログ−デジタル変換器(ADC)を通じてデジタルデータに変換してコントロールボード50に送る。
【0032】
図8及び図9は、タッチデータ補正回路を含んだタッチ感知装置とタッチ感知装置に繋がれたタッチデータの実験装置を示す。
【0033】
図8及び図9を参照すれば、コントロールボード50は、タイミングコントローラ11とタッチデータ補正回路を備える。タイミングコントローラ11は、データ駆動回路12にデジタルビデオデータを供給して、データ駆動回路12とスキャン駆動回路13の動作タイミングを制御する。また、タイミングコントローラ11は、タッチ信号処理回路15の動作タイミングを制御する。
【0034】
タッチデータ補正回路は、タッチデータ補正回路データ補正部61、ノイズ除去部62及び座標検出部63を備える。このタッチデータ補正回路は、コントロールボード50と分離して、TSICそれぞれに内蔵することができる。
【0035】
データ補正部61は、TSICそれぞれから出力されるデジタルデータの内で、TSICそれぞれのミラーデータを発生する。データ補正部61は、ミラーデータと隣り合うデジタルデータを利用して、TSICそれぞれの補正値を算出して、スイングレベルとTSICの間の出力偏差を補正する。また、データ補正部61は、図22のように、所定のしきい値以上に大きい値を持つ補正値の連続された個数を算出し、その個数が所定の基準値未満であると、その補正値を非正常的なタッチセンサー、すなわち、欠陥あるタッチセンサーの出力と判断してその補正値をとり除く。TSICの間偏差とタッチセンサーの出力でスイングレベルが補正された補正値には、所定のオフセット値を加算することができる。オフセット値は、補正されたデジタルデータが正の定数に表現されることができるように、補正値に加算される。オフセット値は、正の定数として実験的に決めることができるし、タッチ感度設定によって調整することができる。
【0036】
ノイズ除去部62は、公知のノイズ除去アルゴリズムを利用してタッチセンサーの出力に混入されたノイズをとり除く。座標検出部63は、TSICの間の偏差、スイングレベル補正及びノイズ除去を経たデジタルデータの内で、所定のしきい値以上のデジタルデータを有効タッチ位置として検出して、そのタッチ位置のxy座標値を算出する。
【0037】
タッチデータの実験装置は、コントロールボード50に接続されたインターフェースボード51、コンピューター52及びモニター53を備える。このタッチデータの実験装置は、タッチセンサーの動作及び感度を肉眼で確認するように、TSICを通じて出力されたタッチセンサーの出力信号をイメージ信号で変換して、モニター53に表示する。したがって、タッチデータの実験装置は、タッチセンサー及びディスプレイ装置が完成された後に、コントロールボード50と分離することができる。インターフェースボード51は、SPI(serial peripheral interface)、RS232、I2Cなどのようなインターフェースを利用して、タッチデータ補正回路からのタッチデータと座標値をコンピューター52に送る。インターフェースボード51は、コンピューター52のPCI(peripheral component interconnect)スロットに挿入される。コンピューター52は、PCIスロットを通じて入力されるタッチデータをモニター53に供給する。モニター53は、コンピューター52からのタッチデータを表示する。
【0038】
図10Aは、表示パネル10に表示されるテストデータの一つの例である。図10Bは、図10Aのようなテストデータが表示パネル10に表示される時、TSICの出力をモニター53に表示した際の、その表示イメージを示す写真である。このテストデータでは、それぞれ一定な大きさを持つホワイトパターンとブラックパターンが上下左右に交互に配置される。このようなテストパターンが表示パネル10に表示される時、TSICの出力には、図10Bと表示パネル10との電気的なカップリングによって、テストデータのパターンの残像のように見えるノイズを含む。また、隣り合うTSICの出力の間には、図10BのようにTSICの間の偏差によって、その出力レベルの差が現われる。図10Bで”Defect line”は、TSICの出力の内で出力が非正常的な欠陥列のタッチセンサー出力である。図11は、図10Bのようなタッチセンサーの出力レベルを3次元グラフで示すカラーイメージである。図10B及び図11のように、タッチセンサーの出力には望ましくない多くのノイズが混入されており、TSIC間のタッチセンサーの出力偏差が比較的大きい。言い換えると、図12のように、タッチセンサーの出力には、ノイズ成分、表示パネル10に表示される映像によるカップリング成分、TSIC間の出力偏差、スイングレベルが含まれている。このような成分によって、タッチセンサーの感度と正確度が落ちる。
【0039】
図13及び図14は、タッチセンサーアレイ14上からタッチ入力がない非タッチ期間(NTP)とタッチ入力が発生するタッチ期間(TP)でのタッチデータ変化を示す図である。
【0040】
図13及び図14を参照すれば、タッチ信号処理回路15は、所定の基準電圧(VO)とタッチセンサー出力電圧(V1)との差電圧(V0−V1)をデジタルデータに変換して、タッチデータを発生する。非タッチ期間(NTP)の間で、基準電圧(V0)が2.0Vで発生し、タッチセンサー出力電圧(V1)が2.5Vで発生した場合には、タッチ信号処理回路15は、−0.5Vの差電圧(V0−V1)をデジタル値‘256’で変換して、タッチセンサー出力を発生する。非タッチ期間(NTP)の間、タッチ信号処理回路15は、タッチセンサー出力電圧(V1)がタッチ圧力によって変わるので、−0.5V〜0.0V間の差電圧(V0−V1)をデジタル値‘256〜512’の間の値で発生する。
【0041】
図15乃至図18は、本発明の第1の実施の形態に係るデータ補正部61のミラーデータ発生方法を図式的に示す図である。ミラーデータは、タッチセンサーアレイ14で同時に出力される1ラインのタッチデータの内から選択される。ここで、1ラインのタッチデータは、補正前のローデータ(Raw data:生データ)としてTSICによって変換されたデジタルデータである。ミラーデータは、タッチセンサーアレイ14の一側端または他側端に位置した端部のタッチセンサーから出力されるタッチデータと差演算される擬似データである。タッチセンサーアレイ14で同時に出力される1ラインのタッチデータは、一側端に位置するタッチセンサーの出力から他側端に位置するタッチセンサーの出力まで一定な方向性について補正される。タッチデータの補正が始まる一側端または他側端に位置するタッチセンサーの出力は、ミラーデータとの差演算結果(Δ1)に補正される。
【0042】
タッチ信号処理回路15のTSICそれぞれは、タッチセンサーから入力されたタッチデータの電圧(V1)と所定の基準電圧(V0)との差電圧を発生して、その差電圧をアナログ−デジタル変換器(ADC)を通じてデジタルデータに変換する。データ補正部61の第1の実施の形態は、図15乃至図18のように、デジタルデータに変換されたローデータ(1st RD、2nd RD...Nth RD)の中から以下の4種の場合を考慮して、ミラーデータを選択する。
【0043】
CASE1(図15)
【0044】
2nd RD − 1st RD = Δ2、 3rd RD − 2nd RD = Δ3、...、N(Nは正の定数)th RD −(N−1)th RD = ΔNの時、Δ2、Δ3、...、ΔNの全てが所定のしきい値を超えない場合に、データ補正部61は、ミラーデータを第1ローデータ(1st RD)と一番外部条件が類似の第2ローデータ(2nd RD)として選択する。所定のしきい値は、実験的に求められる正の定数値である。第1ローデータ(1st RD)は、タッチセンサーアレイ14で任意のラインから同時に出力されるローデータの内で、最左側に存在する第1タッチセンサー出力である。第2タッチデータ(2nd RD)は、前記任意のラインから同時に出力されるローデータの内で第1タッチセンサーの右側に隣り合う第2タッチセンサーの出力である。第Nローデータ(Nth RD)は、任意のラインから同時に出力されるローデータの内で第Nタッチセンサーから出力される。
【0045】
CASE2(図16)
【0046】
2nd RD − 1st RD = Δ2、3rd RD − 2nd RD = Δ3、...、M(MはNより小さな正の定数)th RD−(M−1)th RD =ΔM、...、Nth RD −(N−1)th RD =ΔNのとき、ΔMのように所定のしきい値を超える差値が存在すれば、データ補正部61は、しきい値を超える差値の個数を許容基準個数と比べる。その比較を行った結果、しきい値を超える差値の個数が許容基準個数より小さければ、データ補正部61は、しきい値を超える差値を無視して、しきい値未満のタッチデータの内で第1ローデータ(1st RD)と一番外部条件が類似の第2ローデータ(2nd RD)をミラーデータとして選択する。しきい値と許容基準個数は、それぞれ実験的に決定でき、ローデータ抽出ラインに存在するタッチセンサーやタッチセンサー感度設定によって可変させることができる正の定数である。
【0047】
CASE3(図17)
【0048】
2nd RD − 1st RD=Δ2、3rd RD − 2nd RD=Δ3、...、Mth RD −(M−1)th RD = ΔM、(M+1)th RD−(M−1)th RD =ΔM+1、(M+2)th RD − (M−1)th RD = ΔM+2、...、Nth RD − (N−1)th RD = ΔNの時、ΔM、ΔM+1、ΔM+2のように、所定のしきい値を超える差値が多数連続的に存在する場合には、データ補正部61は、しきい値を超える差値の個数を許容基準個数と比べる。その比較を行った結果、しきい値を超える差値の個数が許容基準個数より小さければ、データ補正部61は、しきい値を超える差値を無視して、しきい値以下のタッチデータの内で第1ローデータ(1st RD)と一番外部条件が類似の第2ローデータ(2nd RD)をミラーデータとして選択する。この場合には、しきい値を超えるタッチデータの連続する個数が少ないため、タッチ領域とみないこととなる。
【0049】
CASE4(図18)
【0050】
2nd RD−1st RD = Δ2、3rd RD−2nd RD = Δ3、...、Mth RD −(M−1)th RD = ΔM、(M+1)th RD − Mth RD=ΔM+1、(M+2)th RD − Mth RD = ΔM+2、...、Nth RD −(N−1)th RD=ΔNの時、ΔM、ΔM+1、ΔM+2のように所定のしきい値を超える負の偏差を持つ差値が連続的に存在する場合には、データ補正部61は、しきい値を超える差値の個数を許容基準個数と比べる。その比較を行った結果、しきい値を超える差値の個数が許容基準個数以上である場合には、データ補正部61は、図18における第1タッチセンサー近辺を実際にタッチ入力が発生したタッチ領域と判断し、しきい値を超えるが負の偏差を持つ連続された差値を発生するローデータの内で第1ローデータ(1st RD)と一番外部条件が類似の第Mローデータ(Mth RD)をミラーデータとして選択する。
【0051】
図19は、タッチセンサーアレイ14の出力端子に接続された第1乃至第3TSICを示す図である。
【0052】
図19を参照すれば、第1TSIC(TSIC#1)の使用チャンネル数は、N1個であり、1ラインのタッチセンサーから出力されるローデータの内で、1st RD〜N1th RDの入力を受けて、デジタルデータに変換する。第2TSIC(TSIC#2)の使用チャンネル数は、N2個であり、1ラインのタッチセンサーから出力されるローデータの内で(N1+1)th RD〜(N1+N2)th RDの入力を受けて、デジタルデータに変換する。第3TSIC(TSIC#3)の使用チャンネル数は、N3個であり、1ラインのタッチセンサーから出力されるローデータの内で(N1+N2+1)th RD〜(N1+N2+N3)th RDの入力を受けて、デジタルデータに変換する。TSIC(TSIC#1、TSIC#2、TSIC#3)の使用チャンネル数は、タッチセンサーの個数及び解像度によって変えることができる。
【0053】
図20は、図10B及び図11のようなタッチデータが、図15乃至図18のような差演算を通じて補正された補正値を示している。図20で、”TSIC#1ミラーデータ”は、図15のような方法で選択された第1TSICのミラーデータであり、”TSIC#2ミラーデータ”は、図15のような方法で選択された第2TSICのミラーデータである。データ補正部61は、第1 TSICから入力される第1タッチデータの補正値(Δ1)を、Δ1 = 1st RD − TSIC#1ミラーデータから算出して、第1TSICから入力される第2乃至第N1タッチデータそれぞれの補正値(ΔN1)を、ΔN1 = N1th RD − (N1−1)th RDから算出する。そして、データ補正部61は、第2TSICから入力される第1タッチデータの補正値(Δ1)をΔ1 = 1st RD − TSIC#2ミラーデータから算出して、第2TSICから入力される第2乃至第N2タッチデータそれぞれの補正値(ΔN2)を、ΔN2 = N2th RD −(N2−1)th RDから算出する。その結果、図21のように、第1及び第2TSICから発生されたタッチデータは、基準レベル(点線)に近接した補正値に補正される。図21の補正値から分かるとおり、タッチデータのスイングレベル成分とTSICの間の偏差成分が除去されている。
【0054】
データ補正部61は、図22のように、所定のしきい値以上に大きい値を持つタッチデータの補正値の連続された個数を判断する。データ補正部61は、しきい値以上の補正値の連続された個数が所定の基準値未満であると、その補正値を欠陥あるタッチセンサーの出力と判断して、タッチデータで欠陥あるタッチセンサーの出力をとり除くために、前記しきい値以上の補正値に加重値”0”を掛ける。その結果、タッチデータの補正値で欠陥タッチセンサーから発生された異常出力が、図23の円で示した部分のように除去される。一方、データ補正部61は、しきい値未満の補正値に加重値”1”を掛けて、連続された個数が基準値以上のしきい値以上の補正値に加重値”1”を掛ける。連続された個数が基準値以上のしきい値以上の補正値は、タッチ領域のデータである。
【0055】
図24は、図15乃至図23のような補正方法に補正された補正値それぞれに、オフセット値‘512’を加算した結果を3次元グラフで示すカラーイメージである。図24の補正後タッチデータでしきい値以上のタッチデータは、実際のタッチ領域のタッチセンサー出力である。図24で確認することができるように、図11のタッチデータに含まれたノイズ、スイングレベル及びTSIC間の偏差が除去される。
【0056】
本発明の第2の実施の形態に係るデータ補正部61のミラーデータ発生方法は、TSICから出力された任意の1ラインローデータの平均値でミラーデータを算出して、そのミラーデータを利用して隣り合うローデータの差の値でローデータを補正する。ミラーデータは、TSICそれぞれで算出される。すなわち、ミラーデータの個数は、TSICの個数と同じである。
【0057】
図19で第1TSIC(TSIC#1)のミラーデータを”MD1”、第2TSIC(TSIC#2)のミラーデータを”MD2”、第3TSIC(TSIC#3)のミラーデータを”MD3”であるとすると、ミラーデータ(MD1、MD2、MD3)それぞれは、MD1=[SUM(1st RD 〜 N1th RD)]/N1、MD2={SUM[(N1+1)th RD 〜 (N1+N2)th RD]}}/N2、MD3={SUM[(N1+N2+1)th RD 〜 (N1+N2+N3)th RD]}}/N3等のように平均値として算出される。
【0058】
第1TSICのミラーデータを”MD1”であるとし、第2TSICのミラーデータを”MD2”であるとすれば、MD1とMD2それぞれは、下記のように平均値として算出される。第1TSICの第1ローデータ(1st RD)は、第1ミラーデータ(MD1)との差値+オフセット値に補正され、第2TSICの第1ローデータ(1st RD)は、第2ミラーデータ(MD1)との差値+オフセット値に補正される。1ラインから抽出されたローデータの補正方法は、図25及び図26のような条件を考慮して補正される。
【0059】
図25を参照すれば、ミラーデータと第1ローデータの差値を含み、隣り合うローデータの差値が所定のしきい値を超えない場合に、補正値(Δ1、Δ2、...ΔN)は、Δ1=MD1(又は MD2)−1st RD、Δ2=2nd RD −1st RD、...、ΔN=Nth RD−(N−1)th RDなどのように隣り合うローデータの差値として算出される。
【0060】
図26を参照すれば、隣り合うローデータの間の差値の内で一つ以上の差値が所定のしきい値を超過する場合に、これらの内でしきい値以下の差値は、前述のように、Δ1=MD1(又は MD2)−1st RD、Δ2=2nd RD −1st RD、...、Δ6=6th RD−5th RD等のように、隣り合うローデータの差値として算出される一方、しきい値を超過する差値が存在する区間では、次のように計算される。
【0061】
Δ7=7th RD −6th RD(しきい値超過)、Δ8=8th RD−6th RD(アップデートをしない)、Δ9=9th RD−6th RD(アップデートをしない)、...、Δ12=12th RD−6th RD(しきい値以下)、Δ13=13th RD−12th RD。
【0062】
このように、隣り合うローデータの間の差値が所定のしきい値を超過するのが現われれば、差値がしきい値以下になるまで平準化基準データをアップデートしない。ここで、平準化基準データとは、所定のしきい値を超過する直前のローデータとして、上の例で6th RDを意味する。
【0063】
図27は、ローデータ(1st RD 〜 8th RD)の平均値でミラーデータ(MD)を算出した例である。図28は、図27のようなミラーデータ(MD)との差値として算出された第1ローデータの補正値(Δ1)と、図26のような隣り合うローデータの差値に補正された補正値(Δ2〜Δ8)である。図29は、図27のような補正値(Δ1〜Δ8)それぞれにオフセット値‘512’を加算して得た最終補正値である。図29でハッチングされた部分は、実際にタッチ入力が発生した部分のデータであり、その以外の部分は、タッチ入力がないデータである。
【0064】
図30は、補正前TSICから出力される第1乃至第5ライン(Y1〜Y6)であり、図31は、図30のようなローデータを図26乃至図29のような補正方法で補正した実験結果である。
【0065】
図30から分かるように、図29のローデータに含まれたノイズ、スイングレベルが平準化されて、TSICの間の偏差も除去される。図25乃至図29のような補正過程に加えて、前述のように、しきい値以上の補正値の連続された個数が所定の基準値未満であると、タッチデータから欠陥あるタッチセンサーの出力をとり除くため、前記しきい値以上の補正値に加重値”0”を掛ける。一方、しきい値未満の補正値に加重値”1”を掛けて、連続された個数が基準値以上のしきい値以上の補正値に加重値”1”を掛ける。
【符号の説明】
【0066】
10 表示パネル、11 タイミングコントローラ、12 データ駆動回路、13 スキャン駆動回路、14 タッチセンサーアレイ、15 タッチ信号処理回路、50 コントロールボード、51 インターフェースボード、52 コンピューター、53 モニター、61 タッチデータ補正回路データ補正部、61 データ補正部、62 ノイズ除去部、63 座標検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のタッチセンサーを含むタッチセンサーアレイと、
前記タッチセンサーアレイの出力をデジタルデータに変換してローデータを発生する多数の集積回路と、
前記集積回路から入力される前記ローデータで隣り合うローデータの間の差の値で補正値を発生して、前記補正値の内で、しきい値以上の値を持つ補正値の連続する個数が基準値未満である場合に当該補正値をとり除くデータ補正部と
を備えることを特徴とするタッチ感知装置。
【請求項2】
前記データ補正部は、
前記補正値それぞれにオフセット値を加算することを特徴とする請求項1記載のタッチ感知装置。
【請求項3】
前記タッチセンサーは、表示パネルの画素アレイ内に形成されることを特徴とする請求項1記載のタッチ感知装置。
【請求項4】
前記表示パネルは、液晶表示装置、電界放出表示装置、プラズマディスプレイパネル及び電界発光素子の内何れかの一つの平板表示装置の表示パネルであることを特徴とする請求項1記載のタッチ感知装置。
【請求項5】
前記データ補正部は、
前記集積回路それぞれで第1ローデータと差演算されるミラーデータを発生して、
前記ミラーデータそれぞれは、前記集積回路から出力されるローデータの内から選択されることを特徴とする請求項1記載のタッチ感知装置。
【請求項6】
前記データ補正部は、
隣り合う前記ローデータの間の差値が全て所定のしきい値以下の時、前記ミラーデータを前記第1ローデータと隣り合う第2ローデータとして選択することを特徴とする、請求項5記載のタッチ感知装置。
【請求項7】
前記データ補正部は、
隣り合う前記ローデータの間の差値の内で、所定のしきい値より大きい差値が存在する場合には、前記しきい値を超える差値の個数を所定の許容基準個数と比べて、その比較を行った結果、前記しきい値より大きい差値の個数が前記許容基準個数未満である場合には、前記ミラーデータを前記第1ローデータと隣り合う第2ローデータとして選択することを特徴とする請求項5記載のタッチ感知装置。
【請求項8】
前記データ補正部は、
隣り合う前記ローデータの間の差値の内で、所定のしきい値を超える負の偏差を持つ差値が連続的に存在する場合には、前記しきい値を超える差値の個数を所定の許容基準個数と比べて、その比較を行った結果、前記しきい値を超える差値の個数が許容基準個数以上である場合には、前記負の偏差を持つ連続された差値を発生するローデータの内で前記第1ローデータと一番類似なローデータを前記ミラーデータとして選択することを特徴とする請求項5記載のタッチ感知装置。
【請求項9】
前記データ補正部は、
前記集積回路それぞれで第1ローデータと差演算されるミラーデータを発生して、
前記ミラーデータそれぞれは、前記集積回路から出力されるローデータの平均値として算出される
ことを特徴とする請求項1記載のタッチ感知装置。
【請求項10】
前記データ補正部は、
前記タッチセンサーから出力される前記第1ローデータから前記ミラーデータを引くことで前記第1ローデータの補正値を算出するとともに、前記第1ローデータ以外の補正値は、隣り合うローデータの差の値として算出して、
前記補正値それぞれにあらかじめ設定されたオフセット値を加算することを特徴とする請求項5記載のタッチ感知装置。
【請求項11】
前記データ補正部は、
前記タッチセンサーから出力される前記第1ローデータから前記ミラーデータを引くことで前記第1ローデータの補正値を算出するとともに、前記第1ローデータ以外の補正値は、隣り合うローデータの差の値として算出して、
前記補正値それぞれにあらかじめ設定されたオフセット値を加算することを特徴とする請求項9記載のタッチ感知装置。
【請求項12】
前記データ補正部は、
前記しきい値以上の値を持つ補正値の連続する個数が前記基準値未満である場合には、当該補正値のそれぞれに‘0’を掛けて、
前記しきい値未満の値を持つ補正値、および前記しきい値以上の値を持つ補正値の連続する個数が前記基準値以上である場合の当該補正値のそれぞれに‘1’を掛ける
ことを特徴とする請求項1記載のタッチ感知装置。
【請求項13】
多数のタッチセンサーと接続された集積回路で前記タッチセンサーの出力をデジタルデータに変換してローデータを発生する段階と、
前記集積回路から入力される前記ローデータで隣り合うローデータの間の差の値で補正値を発生する段階と、
前記補正値の内で、しきい値以上の値を持つ補正値の連続する個数が基準値未満である場合に当該補正値をとり除く段階と
を含むことを特徴とするタッチ感知装置の出力補正方法。
【請求項14】
前記補正値それぞれにオフセット値を加算する段階をさらに含むことを特徴とする請求項13記載のタッチ感知装置の出力補正方法。
【請求項15】
前記補正値を発生する段階は、
前記集積回路それぞれで第1ローデータと差演算されるミラーデータを発生する段階を含み、
前記ミラーデータそれぞれは、前記集積回路から出力されるローデータの内から選択されて、
前記集積回路それぞれで第1ローデータと差演算されるミラーデータを発生する段階は、
前記ミラーデータを前記第1ローデータと隣り合う第2ローデータとして選択する
ことを特徴とする請求項13記載のタッチ感知装置の出力補正方法。
【請求項16】
前記集積回路それぞれで第1ローデータと差演算されるミラーデータを発生する段階は、
隣り合う前記ローデータの間の差値の内で所定のしきい値を超える負の偏差を持つ差値が連続的に存在する場合には、前記しきい値より大きい値を持つ差値の個数を所定の許容基準個数と比べる段階と、
前記しきい値を超える差値の個数が許容基準個数以上である場合には、前記負の偏差を持つ連続された差値を発生するローデータの内で前記第1ローデータと一番類似なローデータを前記ミラーデータとして選択する段階と
を含むことを特徴とする請求項15記載のタッチ感知装置の出力補正方法。
【請求項17】
前記補正値を発生する段階は、
前記集積回路それぞれで第1ローデータを補正するためのミラーデータを発生して、
前記ミラーデータそれぞれは、前記集積回路から出力されるローデータの平均値として算出される
ことを特徴とする請求項13記載のタッチ感知装置の出力補正方法。
【請求項18】
前記補正値を発生する段階は、
前記タッチセンサーから出力される前記第1ローデータから前記ミラーデータを引くことで前記第1ローデータの補正値を算出するとともに、前記第1ローデータ以外の補正値は、隣り合うローデータの差の値として算出する
ことを特徴とする請求項15記載のタッチ感知装置の出力補正方法。
【請求項19】
前記補正値を発生する段階は、
前記タッチセンサーから出力される前記第1ローデータから前記ミラーデータを引くことで前記第1ローデータの補正値を算出するとともに、前記第1ローデータ以外の補正値は、隣り合うローデータの差の値として算出する
ことを特徴とする請求項17記載のタッチ感知装置の出力補正方法。
【請求項20】
前記補正値をとり除く段階は、
前記しきい値以上の値を持つ補正値の連続する個数が前記基準値未満である場合には、当該補正値のそれぞれに‘0’を掛ける段階と、
前記しきい値未満の値を持つ補正値、および前記しきい値以上の値を持つ補正値の連続する個数が前記基準値以上である場合の当該補正値のそれぞれに‘1’を掛ける段階と
を含むことを特徴とする請求項13記載のタッチ感知装置の出力補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2010−97585(P2010−97585A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−64936(P2009−64936)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】