説明

タッチ検出機能付き表示装置、タッチ検出装置、および電子機器

【課題】外部から光が入射した場合でも、電極による表示画面の視認性の低下を抑えることができるタッチ検出機能付き表示装置を得る。
【解決手段】一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分(開口部36A,36B)を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力する複数のタッチ検出電極TDLと、タッチ検出電極が形成された層と異なる層に形成され、タッチ検出電極に対応する領域においてその幅方向に所定数配置された複数の表示素子と複数のタッチ検出電極の検出電極間領域Rdに複数配置されたダミー電極37とを備える。上記開口部分は、タッチ検出電極の電極配置面積率が、検出電極間領域におけるダミー電極の電極配置面積率と略一致するように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ検出装置に係り、特に外部近接物体による静電容量の変化に基づいてタッチを検出するタッチ検出装置、およびそのようなタッチ検出装置を備えたタッチ検出機能付き表示装置、ならびに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置を液晶表示装置等の表示装置上に装着し、あるいはタッチパネルと表示装置とを一体化し、その表示装置に各種のボタン画像等を表示させることにより、通常の機械式ボタンの代わりとして情報入力を可能とした表示装置が注目されている。このようなタッチパネルを有する表示装置は、キーボードやマウス、キーパッドのような入力装置を必要としないため、コンピュータのほか、携帯電話のような携帯情報端末などでも、使用が拡大する傾向にある。
【0003】
タッチ検出方式にはいくつかの方式が存在するが、その一つとして静電容量式がある。例えば、特許文献1には、複数のX方向電極と、これらと対向配置された複数のY方向電極とを備え、それらの交差部に形成された静電容量が外部近接物体により変化することを利用してタッチを検出するタッチパネルが開示されている。これらの電極は、透光性のある材料を用いて形成されるが、電極のある場所と無い場所とでは、光透過率が異なるため、これらの電極が見えてしまうおそれがある。そこで、このタッチパネルでは、X方向電極の電極間や、Y方向電極の電極間にダミー電極を設けることにより、X方向電極およびY方向電極が形成された電極領域と、ダミー電極が配置された電極間領域とで、光透過率の差を小さくして、X方向電極およびY方向電極が見えにくいようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−129708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このX方向電極およびY方向電極は、上述した光の透過だけでなく、例えば外部から入射した光がこれらの電極で反射されることによっても見えてしまうおそれがあるが、特許文献1には、反射については一切記載がない。この反射によって、X方向電極およびY方向電極が見えてしまう場合には、表示装置に表示された画面の視認性が低下するおそれがある。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、外部から光が入射した場合でも、電極による表示画面の視認性の低下を抑えることができる、タッチ検出機能付き表示装置、タッチ検出装置、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1のタッチ検出機能付き表示装置は、複数のタッチ検出電極と、複数の表示素子と、ダミー電極とを備えている。複数のタッチ検出電極は、一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力するものである。複数の表示素子は、タッチ検出電極が形成された層と異なる層に形成され、タッチ検出電極に対応する領域においてその幅方向に所定数配置されたものである。ダミー電極は、複数のタッチ検出電極の検出電極間領域に複数配置されたものである。上記開口部分は、タッチ検出電極の電極配置面積率が、検出電極間領域におけるダミー電極の電極配置面積率と略一致するように設けられている。ここで、「略一致」するように設けるとは、完全に一致しなくとも、できる限り近づけるように設けることを意味するものである。
【0008】
本発明の第2のタッチ検出機能付き表示装置は、複数のタッチ検出電極と、複数の表示素子と、ダミー電極とを備えている。複数のタッチ検出電極は、一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力するものである。複数の表示素子は、タッチ検出電極が形成された層と異なる層に形成され、タッチ検出電極に対応する領域においてその幅方向に所定数配置されたものである。ダミー電極は、複数のタッチ検出電極の検出電極間領域に複数配置されたものである。上記開口部分は、単位面積あたりの開口部分の全辺の長さが、単位面積あたりのダミー電極の全辺の長さと略一致するように設けられている。
【0009】
本発明のタッチ検出装置は、複数のタッチ検出電極と、ダミー電極とを備えている。複数のタッチ検出電極は、一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力するものである。ダミー電極は、複数のタッチ検出信号線の検出電極間領域に複数配置されたものである。上記開口部分は、タッチ検出電極の電極配置面積率が、検出電極間領域におけるダミー電極の電極配置面積率と略一致するように設けられている。
【0010】
本発明の電子機器は、上記タッチ検出機能付き表示装置を備えたものであり、例えば、テレビジョン装置、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラあるいは携帯電話等の携帯端末装置などが該当する。
【0011】
本発明の第1のタッチ検出機能付き表示装置、タッチ検出装置、および電子機器では、タッチ検出電極に設けられた開口部分により、タッチ検出電極の電極配置面積率と検出電極間領域におけるダミー電極の電極配置面積率とがほぼ同じとなる。これにより、外部から光が入射した場合において、タッチ検出電極における反射率と、検出電極間領域における反射率とが、ほぼ一致するようになる。
【0012】
本発明の第2のタッチ検出機能付き表示装置では、タッチ検出電極に設けられた開口部分により、単位面積あたりの開口部分の全辺の長さと、単位面積あたりのダミー電極の全辺の長さとが、ほぼ同じとなる。電極配置面積率と検出電極間領域におけるダミー電極の電極配置面積率とがほぼ同じとなる。これにより、外部から光が入射した場合において、タッチ検出電極における反射率と、検出電極間領域における反射率とが、ほぼ一致するようになる。
【0013】
本発明の第1のタッチ検出機能付き表示装置では、例えば、開口部分は、単位面積あたりの開口部分の全辺の長さが、単位面積あたりのダミー電極の全辺の長さと略一致するように設けることが望ましい。
【0014】
例えば、タッチ検出電極は、開口部分を有する複数の検出電極単位セルにより構成されるのが望ましく、検出電極間領域は、ダミー電極を有する複数のダミー電極単位セルにより構成されるのが望ましい。例えば、検出電極単位セルおよびダミー電極単位セルの大きさは、500μm四方以下にすることが望ましい。例えば、検出電極単位セルの大きさは、ダミー電極単位セルの大きさに対応しているものであってもよい。例えば、検出電極単位セルおよびダミー電極単位セルは、個々の表示素子に対応した位置に配置されていてもよい。
【0015】
表示素子は、例えば、少なくとも赤色表示素子、緑色表示素子、および青色表示素子を含む表示画素を構成し、検出電極単位セルの大きさは、表示画素の大きさの1または整数倍に対応したものにすることができる。また、例えば、ダミー電極単位セルの大きさは、表示画素の大きさの1または整数倍に対応したものにすることができる。
【0016】
開口部分は、例えば、赤色表示素子、緑色表示素子、および青色表示素子のうち、その電極部分に対する透過率が最も低い色光のための表示素子に対応する位置に少なくとも配置されていてもよい。この場合、例えば、開口部分は、青色表示素子に対応する位置に配置されていてもよい。また、ダミー電極は、互いに隣接するそのダミー電極の隙間のうち、赤色表示素子、緑色表示素子、および青色表示素子の配列方向と交差する方向に延びる隙間が、青色表示素子に対応する位置になるように配置されていてもよい。
【0017】
例えば、表示動作を行う表示素子を選択するための選択線をさらに備え、開口部分は、選択線に対応した位置に配置されていてもよい。
【0018】
例えば、タッチ検出電極は、支持するためのガラス基板上に直接形成されてもよい。また、例えば、タッチ検出電極は、支持するためのガラス基板上に透光層を介して形成され、あるいは、ガラス基板と透光層の間に形成され、透光層の屈折率は、ガラス基板とタッチ検出電極の屈折率の間の値を有するようにしてもよい。
【0019】
また、ダミー電極は電気的にフローティング状態であってもよい。
【0020】
例えば、複数のタッチ検出電極と交差する方向に延在するように並設された複数の駆動電極を備え、静電容量は、複数のタッチ検出電極と複数の駆動電極との各交差部分に形成されるようにしてもよい。
【0021】
例えば、表示素子は、液晶層と、液晶層を挟んで駆動電極と対向するように配置された画素電極とを含んで構成されるようにしてもよいし、液晶層と、液晶層と駆動電極の間に形成された画素電極とを含んで構成されるようにしてもよい。この場合、表示素子は、例えば、円偏光板または楕円偏光板からなる2枚の偏光板に挟まれて構成されるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の第1のタッチ検出機能付き表示装置、タッチ検出装置、および電子機器によれば、タッチ検出電極に開口部分を設け、タッチ検出電極の配置面積率と検出電極間領域におけるダミー電極の配置面積率とをほぼ同じにするようにしたので、タッチ検出電極による反射率とダミー電極による反射率をほぼ同じにすることができ、外部から光が入射した場合でも、タッチ検出電極による表示画面の視認性の低下を抑えることができる。
【0023】
また、本発明の第2のタッチ検出機能付き表示装置によれば、タッチ検出電極に開口部分を設け、単位面積あたりの開口部分の全辺の長さと、単位面積あたりのダミー電極の全辺の長さとをほぼ同じにするようにしたので、タッチ検出電極による反射率とダミー電極による反射率をほぼ同じにすることができ、外部から光が入射した場合でも、タッチ検出電極による表示画面の視認性の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接していない状態を表す図である。
【図2】本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接した状態を表す図である。
【図3】本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、駆動信号およびタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すブロック図である。
【図5】実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【図6】実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの画素配列を表す回路図および平面図である。
【図7】実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの駆動電極およびタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。
【図8】第1の実施の形態に係るタッチ検出電極およびダミー電極の一構成例を表す平面図である。
【図9】電極面積比および電極エッジ長比を説明するための平面図である。
【図10】反射率の測定を説明するための模式図である。
【図11】反射率比の電極面積比依存性および電極エッジ長比依存性の一例を表す特性図である。
【図12】実施の形態に係るアライメントマークを表す図である。
【図13】第1の実施の形態の変形例に係るタッチ検出電極およびダミー電極の一構成例を表す平面図である。
【図14】第2の実施の形態に係るタッチ検出電極およびダミー電極の一構成例を表す平面図である。
【図15】第2の実施の形態に係る縦方向電極エッジ長を説明するための平面図である。
【図16】第2の実施の形態の変形例に係るタッチ検出電極およびダミー電極の一構成例を表す平面図である。
【図17】第2の実施の形態の変形例に係る横方向電極エッジ長を説明するための平面図である。
【図18】第3の実施の形態に係るタッチ検出電極およびダミー電極の一構成例を表す平面図である。
【図19】実施の形態に係る実施例を表す表である。
【図20】実施の形態を適用したタッチ検出機能付き表示装置のうち、適用例1の外観構成を表す斜視図である。
【図21】適用例2の外観構成を表す斜視図である。
【図22】適用例3の外観構成を表す斜視図である。
【図23】適用例4の外観構成を表す斜視図である。
【図24】適用例5の外観構成を表す正面図、側面図、上面図および下面図である。
【図25】本発明の実施の形態の変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【図26】本発明の実施の形態の他の変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.静電容量式タッチ検出の基本原理
2.第1の実施の形態
3.第2の実施の形態
4.第3の実施の形態
5.実施例
6.適用例
【0026】
<1.静電容量式タッチ検出の基本原理>
まず最初に、図1〜図3を参照して、本発明のタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出の基本原理について説明する。このタッチ検出方式は、静電容量式のタッチセンサとして具現化されるものであり、例えば図1(A)に示したように、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極(駆動電極E1およびタッチ検出電極E2)を用い、容量素子を構成する。この構造は、図1(B)に示した等価回路として表される。駆動電極E1、タッチ検出電極E2および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されると共に、電圧検出器(タッチ検出部)DETに接続される。交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数十kHz程度)の交流矩形波Sg(図3(B))を印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端P)に、図3(A)に示したような出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述する駆動信号Vcomに相当するものである。
【0027】
指が接触(または近接)していない状態では、図1に示したように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V0のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。
【0028】
一方、指が接触(または近接)した状態では、図2に示したように、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V1のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。電圧検出器DETは、検出した電圧を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態と判断する一方、しきい値電圧未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。
【0029】
<2.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すものである。尚、本発明の実施の形態に係るタッチ検出装置は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。このタッチ検出機能付き表示装置は、表示素子として液晶表示素子を用いており、その液晶表示素子により構成される液晶表示デバイスと静電容量式のタッチ検出デバイスとを一体化した、いわゆるインセルタイプの装置である。
【0030】
このタッチ検出機能付き表示装置1は、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動電極ドライバ14と、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、タッチ検出部40とを備えている。
【0031】
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。
【0032】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。具体的には、ゲートドライバ12は、後述するように、走査信号Vscanを、走査信号線GCLを介して、画素PixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20にマトリックス状に形成されている画素Pixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択するようになっている。
【0033】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の各画素Pix(後述)に画素信号Vpixを供給する回路である。具体的には、ソースドライバ13は、後述するように、画素信号Vpixを、画素信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される1水平ラインを構成する各画素Pixにそれぞれ供給するものである。そして、これらの画素Pixでは、供給される画素信号Vpixに応じて、1水平ラインの表示が行われるようになっている。
【0034】
駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の駆動電極COML(後述)に駆動信号Vcomを供給する回路である。具体的には、駆動電極ドライバ14は、駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcomを時分割的に順次印加する。そして、タッチ検出デバイス30は、複数のタッチ検出電極TDL(後述)から、その駆動信号Vcomに基づくタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出部40に供給するようになっている。
【0035】
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、タッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、液晶表示デバイス20と、タッチ検出デバイス30とを有する。液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。タッチ検出デバイス30は、上述した静電容量式タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力するものである。このタッチ検出デバイス30は、後述するように、駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcomに従って順次走査を行い、タッチ検出を行うようになっている。
【0036】
タッチ検出部40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給されるタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標などを求め、出力信号Outとして出力する回路である。
【0037】
(タッチ検出機能付き表示デバイス10)
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。
【0038】
図5は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の要部断面構造の例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示デバイス10は、画素基板2と、この画素基板2に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
【0039】
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上にマトリックス状に配設された複数の画素電極22とを有する。TFT基板21には、図示していないものの、各画素の薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)や、各画素電極22に画像信号Vpixを供給する画素信号線SGL、各TFTを駆動する走査信号線GCL等の配線が形成されている。
【0040】
対向基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32と、このカラーフィルタ32の上に形成された複数の駆動電極COMLとを有する。カラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、各表示画素にR、G、Bの3色が1組として対応付けられている。駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の共通駆動電極として機能するとともに、タッチ検出デバイス30の駆動電極としても機能するものである。なお、この例では駆動電極を表示とタッチ検出とで共用するようにしたが、別体としてそれぞれ設けるようにしてもよい。駆動電極COMLは、図示しないコンタクト導電柱によってTFT基板21と連結され、このコンタクト導電柱を介して、TFT基板21から駆動電極COMLに交流矩形波形の駆動信号Vcomが印加されるようになっている。ガラス基板31の他方の面には、透光層33が形成され、その上にタッチ検出デバイス30の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成されている。タッチ検出電極TDLは、例えばITO(Indium Tin Oxide)、IZO、SnOなどにより構成されるものであり、透光性のある電極である。タッチ検出電極TDLは、後述するように、複数の開口部を有している。透光層33は、例えばSiN,SiCなど絶縁性の材料によって構成されるものであり、透光層33の屈折率は、視感度が高い波長550nm付近において、ガラス基板31の屈折率(例えば1.5程度)とタッチ検出電極TDLの屈折率(例えば1.8程度)の間の値(例えばSiNでは1.75程度、SiCでは1.6程度)になっている。この透光層33は、ガラス基板31とタッチ検出電極TDLの間における反射を低減するためのインデックスマッチング層として設けられたものである。さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
【0041】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶が用いられる。
【0042】
なお、液晶層6と画素基板2との間、および液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設され、また、画素基板2の下面側には入射側偏光板が配置されるが、ここでは図示を省略している。偏光板35およびこの入射側偏光板(図示せず)は、円偏光板または楕円偏光板が用いられる。
【0043】
図6は、液晶表示デバイス20における画素構造の構成例を表すものであり、(A)は回路図を示し、(B)は平面図を示す。液晶表示デバイス20は、マトリックス状に配列した複数の画素Pixを有している。各画素Pixは、3つのサブ画素SPixにより構成される。この3つのサブ画素SPixは、図5に示したカラーフィルタ32の3色(RGB)にそれぞれ対応するように配置されている。サブ画素SPixは、TFT素子Trおよび液晶素子LCを有している。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソースは画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査信号線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
【0044】
サブ画素SPixは、走査信号線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、サブ画素SPixは、画素信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。
【0045】
画素信号線SGLおよび走査信号線GCLは、図6(B)に示したように、互いに隣接するサブ画素SPixの間の境界に配置されている。具体的には、画素信号線SGLは、横方向に隣接するサブ画素SPixの間の境界に配置され、走査信号線GCLは、縦方向に隣接するサブ画素SPixの間の境界に配置されている。画素信号線SGLおよび走査信号線GCLは、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、モリブデン、チタンなどの単層または多層膜などより構成される。これにより、画素信号線SGLおよび走査信号線GCLの部分では光が通らないようになっている。
【0046】
さらに、サブ画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14と接続され、駆動電極ドライバ14より駆動信号Vcomが供給される。
【0047】
この構成により、液晶表示デバイス20では、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択され、その1水平ラインに属する画素Pixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われるようになっている。
【0048】
図7は、タッチ検出デバイス30の一構成例を斜視的に表すものである。タッチ検出デバイス30は、対向基板3に設けられた、駆動電極COMLおよびタッチ検出電極TDLにより構成されている。駆動電極COMLは、図の左右方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出動作を行う際は、各電極パターンには、駆動電極ドライバ14によって駆動信号Vcomが順次供給され、時分割的に順次走査駆動が行われるようになっている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と交差する方向に延びる電極パターンから構成されている。タッチ検出電極TDL間(検出電極間領域)には、後述するように、ダミー電極37(図示せず)が配置されている。タッチ検出電極TDLのそれぞれは、後述するように、タッチ検出電極TDLとダミー電極37とで、反射率を同じにするための複数の開口部分を含む電極パターンを有している。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出部40にそれぞれ接続されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を形成している。
【0049】
この構成により、タッチ検出デバイス30では、駆動電極ドライバ14が駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを印加することにより、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極COMLは、図1〜図3に示したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチ検出デバイス30はこの基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。図7に示したように、互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体にわたって走査することにより、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となっている。
【0050】
図8は、タッチ検出電極TDLの一構成例を表すものである。タッチ検出電極TDLは、画素Pixが配置された表示領域Sdにおいて、複数の開口部36(開口部36A,36B)を有している。これらの開口部36は、画素Pixと対応するように形成されている。具体的には、開口部36Aは、青(B)のサブ画素SPixに対応する部分に形成され、開口部36Bは、図の縦方向に隣接する画素Pixの境界に対応する位置に配置されている。すなわち、開口部36Bは、画素基板2に形成された走査信号線GCLに対応する位置、つまり、光を通さない位置に配置されている。このように、これらの開口部36は、画素Pixの周期で形成されている。言い換えれば、タッチ検出電極TDLは、画素Pixを単位セルUCとして形成されている。この単位セルUCは、人間の目で認識できない大きさであることが望ましく、例えば500μm以下であることが望ましい。タッチ検出電極TDLは、表示領域Sdの外側の額縁領域Sfへ延びて形成されており、タッチ検出部40と接続されている。
【0051】
互いに隣接するタッチ検出電極TDLの間の領域(検出電極間領域Rd)には、複数のダミー電極37が形成されている。ダミー電極37は、タッチ検出電極TDLと同様にITOにより構成される。ダミー電極37もまた、画素Pixと対応するように形成されている。具体的には、図8において、ダミー電極37は、図の横方向に隣接するダミー電極37の間の隙間が、画素Pixにおける青(B)のサブ画素SPixに対応するように配置されている。さらに、ダミー電極37は、図の縦方向に隣接するダミー電極37の間の隙間が、画素Pixの境界に対応するように配置されている。このように、ダミー電極37もまた、画素Pixの周期で形成されている。このダミー電極37は、単位セルUCと同様に、人間の目で認識できない大きさであることが望ましく、例えば500μm以下であることが望ましい。ダミー電極37のそれぞれは、電気的に他の部分と接続されておらず、フローティング状態になっている。
【0052】
タッチ検出電極TDLにおける開口部36A、および横方向に隣接するダミー電極37の間の隙間が、青(B)のサブ画素SPixに対応するように配置されているのは、これらの電極における光透過率が、赤(R)、緑(G)、青(B)のうち、青(B)で最も低いことに対応している。すなわち、青(B)のサブ画素SPixを開口部36Aやダミー電極37の隙間の位置に配置することにより、青色の光の強度がこれらの電極で低下し、白色の色度が黄変化するのを抑えるようになっている。
【0053】
図9(A)は、タッチ検出電極TDLの単位セルUCの一構成例を表すものであり、図9(B)は、ダミー電極37の一構成例を表すものである。タッチ検出機能付き表示装置1では、図9(A)に示した、タッチ検出電極TDLの単位セルUCにおいて電極が配置されている部分の面積(斜線部)が、図9(B)に示したダミー電極37の面積(斜線部)とほぼ一致するようになっている。言い換えれば、タッチ検出電極TDLにおける電極の配置面積率が、検出電極間領域Rdにおける電極の配置面積率とほぼ一致するようになっている。
【0054】
ここで、サブ画素SPixは、本発明における「表示素子」の一具体例に対応する。開口部36A,36Bは、本発明における「開口部分」の一具体例に対応する。単位セルUCは、本発明における「検出電極単位セル」の一具体例に対応する。画素Pixは、本発明における「表示画素」の一具体例に対応する。走査信号線GCLは、本発明における「選択線」の一具体例に対応する。
【0055】
[作用および効果]
続いて、本実施の形態のタッチ検出機能付き表示装置1の作用および効果について説明する。
【0056】
(全体動作概要)
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。ゲートドライバ12は、液晶表示デバイス20に走査信号Vscanを供給し、表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する。ソースドライバ13は、ゲートドライバ12により選択された1水平ラインを構成する各画素Pixに、画素信号Vpixを供給する。駆動電極ドライバ14は、駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを順次印加する。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示動作を行うとともに、駆動信号Vcomに基づいてタッチ検出動作を行い、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力する。タッチ検出部40は、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無およびタッチ座標を求め、その結果を出力信号Outとして出力する。
【0057】
タッチ検出機能付き表示装置1では、タッチ検出電極TDLと、検出電極間領域Rdとで、単位セルUC(画素Pix)あたりの電極面積がほぼ同じになるようにタッチ検出電極TDLおよびダミー電極を形成している。これにより、外部から光が入射した場合において、タッチ検出電極TDLにおける反射率と検出電極間領域Rdにおける反射率とが近い値になり、タッチ検出電極TDLが見えにくくなり、表示画面の視認性が改善する。以下に、その詳細を説明する。
【0058】
(反射率比)
図10は、反射率の測定を模式的に示したものであり、(A)はタッチ検出電極TDLにおける測定を示し、(B)は検出電極間領域Rdにおける測定を示す。この測定では、タッチ検出電極TDLと検出電極間領域Rdのそれぞれに対して光を照射し、そのときの直径600μmの円の範囲(測定エリアM)における反射率をそれぞれ求めた。そして、検出電極間領域Rdにおける反射率を、タッチ検出電極TDLにおける反射率で割ったものを反射率比Rrefとした。この反射率比Rrefは、この定義から明らかなように、“100%”に近いほど検出電極間領域Rdの反射率とタッチ検出電極TDLにおける反射率が近いことを意味している。すなわち、反射率比Rrefが“100%”に近いほど、外部から光が入射した場合でもタッチ検出電極TDLが見えにくくなる。
【0059】
光の反射は、電極の上面による寄与(例えば図9の斜線部)のほか、電極の側面による寄与(例えば図9のエッジ部E)があると考えられる。そこで、斜線部の面積(電極面積S)、およびエッジ部Eの合計の長さ(電極エッジ長LE)が異なる複数のサンプルを試作し、反射率比Rrefを測定した。
【0060】
図11は、反射率比Rrefの測定結果を表すものであり、(A)は電極面積比RS依存性を示し、(B)は電極エッジ長比RLE依存性を示す。ここで、電極面積比RSは、検出電極間領域Rdにおける単位セルUC(画素Pix)あたりの電極面積を、タッチ検出電極TDLにおける単位セルUCあたりの電極面積で割ったものである。また、電極エッジ長比RLEは、検出電極間領域Rdにおける単位セルUC(画素Pix)あたりの電極エッジ長を、タッチ検出電極TDLにおける単位セルUCあたりの電極エッジ長で割ったものである。
【0061】
反射率比Rrefは、図11(A)に示したように、電極面積比RSと強い相関があり、電極面積比RSが大きいほど反射率比Rrefが大きくなる。また、反射率比Rrefは、図11(B)に示したように、電極エッジ長比RLEと弱い相関があり、電極エッジ長比RLEが長いほど反射率比Rrefが大きくなる。
【0062】
タッチ検出機能付き表示装置1では、反射率比Rrefが電極面積比RSと強い相関を有することに着目し、タッチ検出電極TDLと、検出電極間領域Rdとで、単位セルUC(画素Pix)あたりの電極面積がほぼ同じになるようにタッチ検出電極TDLおよびダミー電極37を形成している。これは、タッチ検出電極TDLに開口部36を設けることにより実現できる。具体的には、例えば、開口部36Aの開口幅Waおよび開口部36Bの開口幅Wbを、互いに隣接するダミー電極37の間の間隔よりも広くなるように調整することにより、これらの電極面積がほぼ一致するようにしている。これにより、タッチ検出電極TDLにおける反射率と検出電極間領域Rdにおける反射率とを近い値にすることができ、外部から光が入射した場合でも、タッチ検出電極TDLを見えにくくして、表示画面の視認性を改善することができる。
【0063】
また、図5に示したように、タッチ検出機能付き表示装置1の表示面には偏光板35が形成されている。これにより、タッチ検出電極TDLやダミー電極37からの反射光自体を少なくすることができるため、タッチ検出電極TDLを見えにくくすることができる。
【0064】
実施例については、後ほど図19において詳細に説明するが、電極面積比RSを100%に近づけることにより、反射率比Rrefを100%に近づけることができ、外部から光が入射した場合でも表示画面の視認性が改善することを確認した。
【0065】
(アライメントマーク)
図8に示したように、タッチ検出機能付き表示装置1では、画素Pixに対応するように、開口部36や、ダミー電極37を設けている。このことは、対向基板3にタッチ検出電極TDLやダミー電極37を形成する際に、画素Pixとのアライメントをとる必要があることを意味している。以下に、このアライメントの際に使用するアライメントマークについて詳細に説明する。
【0066】
タッチ検出機能付き表示装置1の製造工程では、例えば、画素基板製造工程において製造された大判の画素基板102と、対向基板製造工程において製造された大判の対向基板103とを重ね合わせて、その後に必要に応じて重ね合わせたガラスを研磨またはエッチングして薄板化を行ない、その後に対向基板103にタッチ検出電極TDLおよびダミー電極37などを形成する。そしてこれらの電極などを形成後に、この重ね合わせた大判の基板を切断し、その切断された各基板に対して様々な部品を取り付けてタッチ検出機能付き表示装置1を組み立てる。
【0067】
この製造工程の例では、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37は、大判の画素基板102と大判の対向基板103を重ね合わせた後に形成される。よって、これらの電極を形成する際に使用するアライメントマークは、画素基板製造工程において使用したアライメントマーク、および対向基板製造工程において使用したアライメントマークのどちらも使用することができる。
【0068】
図12(A)は、大判の画素基板102のアライメントマークの一例を表し、図12(B)は、大判の対向基板103のアライメントマークの一例を表すものである。図12(A)に示した大判の画素基板102のアライメントマークは、画素基板製造工程において、TFT基板21に、TFT素子Tr、画素電極22、画素信号線SGL、走査信号線GCLなどを形成し、あるいはそれらを検査する際に用いられるものである。図12(B)に示した大判の対向基板103のアライメントマークは、対向基板製造工程において、ガラス基板31に、カラーフィルタ32、駆動電極COMLなどを形成し、あるいはそれらを検査する際に用いられるものである。
【0069】
これらのアライメントマークを、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37を形成する際に使用するためには、大判の画素基板102と大判の対向基板103を重ね合わせた際に、これらのアライメントマークが外部から検出できるようになっている必要がある。具体的には、例えば、図12(A)に示した、大判の画素基板102のアライメントマークA1をタッチ検出電極TDLなどを形成する際に使用する場合には、大判の対向基板103における、アライメントマークA1の位置に対応する位置には、パターンがない必要がある。また、例えば、図12(B)に示した、大判の対向基板103のアライメントマークA2をタッチ検出電極TDLなどを形成する際に使用する場合には、大判の画素基板102における、アライメントマークA2の位置に対応する位置には、パターンがない必要がある。このようにすることにより、大判の画素基板102と大判の対向基板103を重ね合わせた際でも、タッチ検出電極TDLなどを形成する際に使用するアライメントマーク(例えばアライメントマークA1,A2)が検出できるため、装置の誤認識や読み取りエラーを防止することが可能となる。
【0070】
以上の説明では、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37は、大判の画素基板102と大判の対向基板103を重ね合わせた後に形成されるようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、対向基板製造工程において大判の対向基板にタッチ検出電極TDLおよびダミー電極37を形成した後に、大判の画素基板102と重ね合わせてもよい。この場合、例えば、対向基板製造工程では、カラーフィルタなどの対向基板パターンを形成したのちにタッチ検出電極TDLおよびダミー電極37を形成してもよいし、タッチ検出電極TDLおよびダミー電極37を形成したのちに対向基板パターンを形成してもよい。この場合、タッチ検出電極TDLなどは、対向基板製造工程において、大判の対向基板のアライメントマークを用いて形成される。
【0071】
(効果)
以上のように本実施の形態では、タッチ検出電極に開口部を設けるようにしたので、タッチ検出電極と検出電極間領域とで、単位セルUC(画素Pix)あたりの電極面積をほぼ同じにすることができ、各領域における反射率をほぼ同じにすることにより、外部から光が入射した場合でも表示画面の視認性を改善することができる。
【0072】
本実施の形態では、タッチ検出電極の開口部の一部を走査信号線に対応する位置に設けるようにしたので、その開口部に起因する輝度の変化の影響を低減することができる。
【0073】
本実施の形態では、タッチ検出電極の開口部の一部を青のサブ画素領域に設けるようにしたので、青色の光の強度がタッチ検出電極で低下することに起因する白色の色度ずれを抑えることができる。
【0074】
本実施の形態では、画素基板や対向基板を製造する際に使用するアライメントマークを共用してタッチ検出電極やダミー電極を形成するようにしたので、画素とタッチ検出電極の位置を高い精度で合わせることができるため、表示装置における表示物をタッチしたときの表示物の位置とタッチ検出位置とのずれを低減することができ、高い位置検出精度を実現することができる。また、タッチ検出電極やダミー電極を形成するための専用のアライメントマークを設ける必要がないため、パターンをシンプルにすることができる。
【0075】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、ダミー電極は画素Pixの周期で形成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、複数の画素Pixの周期で形成してもよい。以下に、ダミー電極を4つの画素Pixの周期で形成した場合の例を示す。
【0076】
図13は、本変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1Bのダミー電極37Bの構成例を表すものである。ダミー電極37Bは、図8における、隣接する4つのダミー電極37を互いに接続した形状になっている。ダミー電極37Bは、図8における、その4つのダミー電極37の間の隙間に対応する位置に、開口部38,39を有している。このダミー電極37Bは、ダミー電極37などと同様に、人間の目で認識できない大きさであることが望ましく、例えば500μm以下であることが望ましい。この場合でも、例えば、開口部36Aの開口幅Waおよび開口部36Bの開口幅Wbを調整することにより、タッチ検出電極TDLにおける電極の配置面積率が、検出電極間領域Rdにおける電極の配置面積率とほぼ一致するようにすることができ、外部から光が入射した場合でも表示画面の視認性を改善することができる。
【0077】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、単位セルUCは画素Pixの大きさに対応するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の画素Pixの大きさに対応するようにしてもよい。具体的には、図8において、例えば、図の縦方向に並んで配置された開口部36Bのうちの2つに1つを削除することにより、単位セルUCを2つの画素Pixの大きさに対応させることができる。
【0078】
<3.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置5について説明する。本実施の形態は、タッチ検出電極の開口部を、電極面積だけでなく電極エッジ長にも基づいて形成したものである。すなわち、タッチ検出機能付き表示装置5は、このような開口部を有するタッチ検出機能付き表示デバイス50を用いて構成されたものである。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図4など)と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0079】
図14は、タッチ検出機能付き表示装置5に係るタッチ検出電極TDL2の一構成例を表すものである。タッチ検出電極TDL2は、画素Pixが配置された表示領域Sdにおいて、開口部36C,36D,36Eを有している。開口部36C,36Dは、青(B)のサブ画素SPixに対応する部分に並んで形成され、開口部36Eは、図の縦方向に隣接する画素Pixの境界に対応する位置に配置されている。
【0080】
図15は、タッチ検出機能付き表示装置5における電極面積比RSおよび電極エッジ長比RLEを説明する平面図を表すものであり、(A)はタッチ検出電極TDL2の単位セルUCを示し、(B)はダミー電極37を示す。
【0081】
タッチ検出機能付き表示装置5では、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1などと同様に、タッチ検出電極TDL2の単位セルUCにおける電極面積(図15(A)の斜線部)は、ダミー電極37の電極面積(図15(B)の斜線部)とほぼ一致するようにしている。具体的には、例えば、開口部36C,36Dの開口幅Waおよび開口部36Eの開口幅Wbを調整することにより、これらの電極面積がほぼ一致するようにしている。なお、開口幅Waおよび開口幅Wbは同じにしても良いし、互いに異なるようにしてもよい。
【0082】
さらに、タッチ検出機能付き表示装置5では、図15において、縦方向の電極エッジ長が、タッチ検出電極TDL2と検出電極間領域Rdとでほぼ一致するようにしている。具体的には、図15(A)における、電極の左辺に係る4箇所の縦方向エッジ部ETの合計の長さ(縦方向の電極エッジ長)は、図15(B)における、ダミー電極37の左辺に係る縦方向エッジ部ETの長さとほぼ一致するようになっている。
【0083】
タッチ検出機能付き表示装置5では、タッチ検出電極TDL2と検出電極間領域Rdとで、単位セルUC(画素Pix)あたりの電極面積だけでなく、縦方向の電極エッジ長もほぼ等しくなるように、タッチ検出電極TDL2およびダミー電極37を形成している。これにより、タッチ検出電極TDL2における反射率と検出電極間領域Rdにおける反射率とを近い値にすることができる。
【0084】
実施例については、後ほど図19において詳細に説明するが、電極面積比RSおよび電極エッジ長RLEを100%に近づけることにより、反射率比Rrefを100%に近づけることができ、外部から光が入射した場合でも表示画面の視認性が改善することを確認した。
【0085】
以上のように本実施の形態では、タッチ検出電極と検出電極間領域とで、電極面積に加えて、縦方向の電極エッジ長もほぼ等しくなるようにしたので、各領域における反射率をほぼ同じにすることにより、外部から光が入射した場合でも、表示画面の視認性を改善することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0086】
[変形例2]
上記実施の形態では、縦方向の電極エッジ長が同じになるように開口部を構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、横方向の電極エッジ長が同じになるように開口部を構成してもよい。以下に、その例を説明する。
【0087】
図16は、本変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置5Bにおけるタッチ検出電極TDL2Bの一例を表すものである。タッチ検出電極TDL2Bは、開口部36F,36Gを有している。開口部36Fは、青(B)のサブ画素SPixに対応する部分に形成され、開口部36Gは、図の縦方向に隣接する画素Pixの境界に対応する位置に配置されている。開口部36Fは、アルファベットの“I”のような形状を有しており、これにより、横方向の電極エッジ長を調整できるようにしている。
【0088】
図17は、タッチ検出機能付き表示装置5Bにおける電極面積比RSおよび電極エッジ長比RLEを説明する平面図を表すものであり、(A)はタッチ検出電極TDL2Bの単位セルUCを示し、(B)はダミー電極37を示す。タッチ検出機能付き表示装置5Bでは、本実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置5と同様に、タッチ検出電極TDL2Bの単位セルUCにおける電極面積(図17(A)の斜線部)は、ダミー電極37の電極面積(図17(B)の斜線部)とほぼ一致するようにしている。具体的には、例えば、開口部36Fの開口幅Waおよび開口部36Gの開口幅Wbを調整することにより、これらの電極面積がほぼ一致するようにしている。また、タッチ検出機能付き表示装置5Bでは、図17において、横方向の電極エッジ長が、タッチ検出電極TDL2Bと検出電極間領域Rdとでほぼ一致するようにしている。具体的には、図17(A)における、電極の上辺に係る4箇所の横方向エッジ部EYの合計の長さ(横方向の電極エッジ長)は、図17(B)における、ダミー電極37の上辺に係る横方向エッジ部EYの長さとほぼ一致するようにしている。
【0089】
<4.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置7について説明する。本実施の形態は、タッチ検出電極と検出電極間領域とで、電極面積と電極エッジ長の両方がほぼ一致するように、タッチ検出電極の開口部を構成したものである。すなわち、タッチ検出機能付き表示装置7は、このような開口部を有するタッチ検出機能付き表示デバイス70を用いて構成されたものである。その他の構成は、上記第1の実施の形態など(図4など)と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1などと実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0090】
図18は、タッチ検出機能付き表示装置7に係るタッチ検出電極TDL3の一構成例を表すものである。タッチ検出電極TDL3は、画素Pixが配置された表示領域Sdにおいて、開口部36H,36Iを有している。開口部36Hは、青(B)のサブ画素SPixに対応する部分に形成され、開口部36Iは、図の縦方向に隣接する画素Pixの境界に対応する位置に配置されている。開口部36Hは、矩形の輪の形状を有しており、これにより、横方向の電極エッジ長と縦方向の電極エッジ長を独立して調整できるようにしている。
【0091】
タッチ検出機能付き表示装置7では、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1などと同様に、タッチ検出電極TDL3の単位セルUCにおける電極面積は、ダミー電極37の電極面積とほぼ一致するようにしている。具体的には、例えば、開口部36Hの開口幅Waおよび開口部36Iの開口幅Wbを調整することにより、これらの電極面積がほぼ一致するようにしている。
【0092】
さらに、タッチ検出機能付き表示装置7では、上記第2の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置5,5Bと同様に、縦方向の電極エッジ長および横方向の電極エッジ長が、タッチ検出電極TDL3と検出電極間領域Rdとでほぼ一致するようにしている。特に、タッチ検出機能付き表示装置7では、縦方向の電極エッジ長と横方向の電極エッジ長の両方を独立して設定することができる。
【0093】
タッチ検出機能付き表示装置7では、タッチ検出電極TDL3と検出電極間領域Rdとで、単位セルUC(画素Pix)あたりの電極面積、縦方向および横方向の電極エッジ長がほぼ等しくなるように、タッチ検出電極TDL3およびダミー電極37を形成している。これにより、タッチ検出電極TDL3における反射率と検出電極間領域Rdにおける反射率とを近い値にすることができ、表示画面の視認性を改善することができる。
【0094】
実施例については、後ほど図19において詳細に説明するが、電極面積比RSおよび電極エッジ長RLEを100%に近づけることにより、反射率比Rrefを100%に近づけることができ、外部から光が入射した場合でも表示画面の視認性が改善することを確認した。
【0095】
以上のように本実施の形態では、タッチ検出電極と検出電極間領域とで、電極面積、縦方向および横方向の電極エッジ長がほぼ等しくなるようにしたので、各領域における反射率をほぼ同じにすることにより、外部から光が入射した場合でも表示画面の視認性を改善することができる。その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0096】
<5.実施例>
上記第1〜第3の実施の形態およびその変形例として述べたタッチ検出機能付き表示装置1,1B,5,5B,7を試作し、それぞれに対して評価を行った。以下にその詳細を説明する。
【0097】
図19は、試作したタッチ検出機能付き表示装置1,1B,5,5B,7とその評価結果を表すものである。試作したタッチ検出機能付き表示装置1,1B,5,5B,7の電極面積比RSおよび電極エッジ長比RLEは、図19に示したように様々な値に設定されている。なお、電極(タッチ検出電極およびダミー電極)の厚さは全て同じにしている。評価は、反射率比Rref、反射視認性、および透過視認性の3項目について行った。反射視認性の評価では、“太陽光下太陽”、“太陽光下青空”、“蛍光灯下蛍光灯”、“蛍光灯下その他”の4条件において、タッチ検出電極が見えてしまうかどうかを評価した。ここで、“太陽光下太陽”条件は、太陽の下で太陽を正反射させた場合を示し、“太陽光下青空”条件は、太陽の下で光源(太陽)以外(例えば青空)を反射方向とした場合を示し、“蛍光灯下蛍光灯”条件は、蛍光灯を正反射させた場合を示し、“蛍光灯下その他”条件は、蛍光灯の下で光源(蛍光灯)以外を反射方向とした場合を示すものである。これらの条件での評価では、タッチ検出電極がどの方向からも見えない場合には“○”とし、どの方向からも見えてしまう場合には“×”とした。また、タッチ検出電極がある特定の方向からは見えてしまうものの、表示面の正面からは見えない場合には“△”とした。また、透過視認性の評価では、表示画面を見たときにタッチ検出電極が見えてしまうかどうかを評価した。この評価では、タッチ検出電極がどの方向からも見えない場合には“○”とした。
【0098】
上記第1〜第3の実施の形態で説明したタッチ検出機能付き表示装置1,1B,5,5B,7では、タッチ検出電極TDLにおける電極の配置面積率が、検出電極間領域Rdにおける電極の配置面積率とほぼ一致するように、タッチ検出電極およびダミー電極を形成しており、電極面積比RSは、いずれも100%に近い値になっている。また、上記第2及び第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置5,5B,7では、電極エッジ長比RLEが100%に近い値になるようにタッチ検出電極およびダミー電極を形成しており、特に第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置7では、電極エッジ長比RLEが100%に極めて近い値になるように調整されている。これにより、反射率比Rrefは、どのタッチ検出機能付き表示装置でも100%に近い値になっている。反射視認性の測定結果では、若干の差はあるものの、どのタッチ検出機能付き表示装置でもおおむね良好な特性が得られた。特に、第3の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置7では、“太陽光下太陽”条件、および“蛍光灯下蛍光灯”条件において、他のものよりも良い特性が得られた。
【0099】
図19に示したように、良好な反射視認性を得る為には、電極面積比RSを98%から102%の範囲内に設定するのが望ましい。好ましくは、電極面積比RSを99%から101%の範囲内に設定するのがよい。
【0100】
また、タッチ検出機能付き表示装置1,1B,5,5B,7の効果を確認するために、いくつかのタッチ検出機能付き表示装置(比較例1〜4)を試作した。この比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置は、上記第1の実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1(図8)と同様の開口部36を有するものであるが、これらの比較例では、タッチ検出機能付き表示装置1とは異なり、図19に示したように、この開口部36の幅が、互いに隣接するダミー電極37の間隔と同じであり、これにより電極面積比RSが100%から離れ、さらに反射率比Rrefも100%から離れている。これにより、これらの比較例に係る反射視認性の測定結果では、図19に示したように、上記実施の形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1,1B,5,5B,7に比べて劣る特性が得られた。
【0101】
なお、透過視認性については、上記第1〜第3の実施の形態で説明したタッチ検出機能付き表示装置1,1B,5,5B,7、および比較例に係るタッチ検出機能付き表示装置(比較例1〜4)のいずれにおいても、良好な特性が得られた。
【0102】
<6.適用例>
次に、図20〜図24を参照して、上記実施の形態および変形例で説明したタッチ検出機能付き表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0103】
(適用例1)
図20は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0104】
(適用例2)
図21は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表すものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523およびシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0105】
(適用例3)
図22は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表すものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体531、文字等の入力操作のためのキーボード532および画像を表示する表示部533を有しており、その表示部533は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0106】
(適用例4)
図23は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部541、この本体部541の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ542、撮影時のスタート/ストップスイッチ543および表示部544を有している。そして、その表示部544は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0107】
(適用例5)
図24は、上記実施の形態等のタッチ検出機能付き表示装置が適用される携帯電話機の外観を表すものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740、サブディスプレイ750、ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係るタッチ検出機能付き表示装置により構成されている。
【0108】
以上、いくつかの実施の形態、変形例、実施例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0109】
例えば、上記の各実施の形態等では、透光層33を、ガラス基板31とタッチ検出電極TDLの間に形成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、図25に示したように、タッチ検出電極TDLの上に形成してもよい。
【0110】
例えば、上記各実施の形態等では、透光層33を設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、透光層33を省いてもよい。
【0111】
例えば、上記各実施の形態等では、タッチ検出電極の電極配置面積率とダミー電極の電極配置面積率とをほぼ同じにしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、単位面積あたりの開口部分の全辺の長さと単位面積あたりのダミー電極の全辺の長さとをほぼ同じにしてもよい。この場合でも、タッチ検出電極による反射率とダミー電極による反射率をほぼ同じにすることができ、外部から光が入射した場合でも、タッチ検出電極による表示画面の視認性の低下を抑えることができる。
【0112】
例えば、上記の各実施の形態等では、TNやVA、ECB等の各種モードの液晶を用いた液晶表示デバイス20とタッチ検出デバイス30とを一体化してタッチ検出機能付き表示デバイス10を構成したが、これに代えて、FFS(フリンジフィールドスイッチング)やIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化しても良い。例えば、横電界モードの液晶を用いた場合には、タッチ検出機能付き表示デバイス90を、図26に示したように構成可能である。この図は、タッチ検出機能付き表示デバイス90の要部断面構造の一例を表すものであり、画素基板2Bと対向基板3Bとの間に液晶層6Bを挟持された状態を示している。その他の各部の名称や機能等は図5の場合と同様なので、説明を省略する。この例では、図5の場合とは異なり、表示用とタッチ検出用の双方に兼用される駆動電極COMLは、TFT基板21の直ぐ上に形成され、画素基板2Bの一部を構成する。駆動電極COMLの上方には、絶縁層23を介して画素電極22が配置される。この場合、駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLとの間の、液晶層6Bをも含むすべての誘電体が容量C1の形成に寄与する。
【0113】
例えば、上記各実施の形態等では、液晶表示デバイス20とタッチ検出デバイス30とを一体化したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、タッチ検出デバイス(タッチ検出装置)を液晶表示デバイスと別体として構成してもよい。この場合でも、タッチ検出デバイスでは、タッチ検出電極TDLにおける電極の配置面積率が、検出電極間領域Rdにおける電極の配置面積率とほぼ一致するようにして、各領域における反射率をほぼ同じにすることができる。これにより、このタッチ検出デバイスを表示装置上に装着した場合には、その表示画面の視認性を改善することができる。
【符号の説明】
【0114】
1,5,7…タッチ検出機能付き表示装置、2…画素基板、3…対向基板、6…液晶層、10,50,70,80,90…タッチ検出機能付き表示デバイス、11…制御部、12…ゲートドライバ、13…ソースドライバ、14…駆動電極ドライバ、20…液晶表示デバイス、21…TFT基板、22…画素電極、30…タッチ検出デバイス、31…ガラス基板、32…カラーフィルタ、33…透光層、35…偏光板、36,36A,36B,36C,36D,36E,36F,36G,36H,36I…開口部、37,37B…ダミー電極、40…タッチ検出部、102…大判の画素基板、103…大判の対向基板、A1,A2…アライメントマーク、COML…駆動電極、E…エッジ部、ET…縦方向エッジ部、EY…横方向エッジ部、GCL…走査信号線、Out…出力信号、Pix…画素、Rd…検出電極間領域、RLE…電極エッジ長比、Rref…反射率比、RS…電極面積比、Sd…表示領域、Sf…額縁領域、SGL…画素信号線、SPix…サブ画素、TDL,TDL2,TDL2B,TDL3…タッチ検出電極、UC…単位セル、Vcom…駆動信号、Vdet…タッチ検出信号、Vdisp…映像信号、Vpix…画素信号、Vscan…走査信号、Wa,Wb…開口幅。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力する複数のタッチ検出電極と、
前記タッチ検出電極が形成された層と異なる層に形成され、前記タッチ検出電極に対応する領域においてその幅方向に所定数配置された複数の表示素子と、
前記複数のタッチ検出電極の検出電極間領域に複数配置されたダミー電極と
を備え、
前記開口部分は、前記タッチ検出電極の電極配置面積率が、前記検出電極間領域における前記ダミー電極の電極配置面積率と略一致するように設けられている
タッチ検出機能付き表示装置。
【請求項2】
さらに、前記開口部分は、単位面積あたりの前記開口部分の全辺の長さが、単位面積あたりの前記ダミー電極の全辺の長さと略一致するように設けられている
請求項1に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項3】
前記タッチ検出電極は、前記開口部分を有する複数の検出電極単位セルにより構成されている
請求項1に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項4】
前記検出電極間領域は、前記ダミー電極を有する複数のダミー電極単位セルにより構成されている
請求項3に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項5】
前記検出電極単位セルおよび前記ダミー電極単位セルの大きさは、500μm四方以下である
請求項4に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項6】
前記検出電極単位セルの大きさは、前記ダミー電極単位セルの大きさに対応している
請求項5に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項7】
前記検出電極単位セルおよび前記ダミー電極単位セルは、個々の前記表示素子に対応した位置に配置されている
請求項4に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項8】
前記表示素子は、少なくとも赤色表示素子、緑色表示素子、および青色表示素子を含む表示画素を構成し、
前記検出電極単位セルの大きさは、前記表示画素の大きさの1または整数倍に対応したものである
請求項7に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項9】
前記表示素子は、少なくとも赤色表示素子、緑色表示素子、および青色表示素子を含む表示画素を構成し、
前記ダミー電極単位セルの大きさは、前記表示画素の大きさの1または整数倍に対応したものである
請求項7に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項10】
前記開口部分は、前記赤色表示素子、前記緑色表示素子、および前記青色表示素子のうち、その電極部分に対する透過率が最も低い色光のための表示素子に対応する位置に少なくとも配置されている
請求項8に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項11】
前記開口部分は、前記青色表示素子に対応する位置に配置されている
請求項10に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項12】
前記ダミー電極は、互いに隣接するそのダミー電極の隙間のうち、前記赤色表示素子、前記緑色表示素子、および前記青色表示素子の配列方向と交差する方向に延びる隙間が、前記青色表示素子に対応する位置になるように配置されている
請求項9に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項13】
表示動作を行う前記表示素子を選択するための選択線をさらに備え、
前記開口部分は、前記選択線に対応した位置に配置されている
請求項3に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項14】
前記タッチ検出電極は、支持するためのガラス基板上に直接形成されている
請求項3に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項15】
前記タッチ検出電極は、支持するためのガラス基板上に透光層を介して形成され、あるいは、ガラス基板と透光層の間に形成され、
前記透光層の屈折率は、前記ガラス基板と前記タッチ検出電極の屈折率の間の値を有する
請求項3に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項16】
前記ダミー電極は電気的にフローティング状態である
請求項3に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項17】
前記複数のタッチ検出電極と交差する方向に延在するように並設された複数の駆動電極を備え、
前記静電容量は、前記複数のタッチ検出電極と前記複数の駆動電極との各交差部分に形成されている
請求項3に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項18】
前記表示素子は、
液晶層と、
前記液晶層を挟んで前記駆動電極と対向するように配置された画素電極と
を含んで構成される
請求項17に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項19】
前記表示素子は、
液晶層と、
前記液晶層と前記駆動電極の間に形成された画素電極と
を含んで構成される
請求項17に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項20】
前記表示素子は、円偏光板または楕円偏光板からなる2枚の偏光板に挟まれて構成されている
請求項18または請求項19に記載のタッチ検出機能付き表示装置。
【請求項21】
一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力する複数のタッチ検出電極と、
前記タッチ検出電極が形成された層と異なる層に形成され、前記タッチ検出電極に対応する領域においてその幅方向に所定数配置された複数の表示素子と、
前記複数のタッチ検出電極の検出電極間領域に複数配置されたダミー電極と
を備え、
前記開口部分は、単位面積あたりの前記開口部分の全辺の長さが、単位面積あたりの前記ダミー電極の全辺の長さと略一致するように設けられている
タッチ検出機能付き表示装置。
【請求項22】
一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力する複数のタッチ検出電極と、
前記複数のタッチ検出信号線の検出電極間領域に複数配置されたダミー電極と
を備え、
前記開口部分は、前記タッチ検出電極の電極配置面積率が、前記検出電極間領域における前記ダミー電極の電極配置面積率と略一致するように設けられている
タッチ検出装置。
【請求項23】
タッチ検出機能付き表示装置と、
前記タッチ検出機能付き表示装置を利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
一方向に延在するように並設され、電極部分および開口部分を有する所定の電極パターンで形成され、外部近接物体に応じた静電容量の変化に基づく検出信号をそれぞれ出力する複数のタッチ検出電極と、
前記タッチ検出電極が形成された層と異なる層に形成され、前記タッチ検出電極に対応する領域においてその幅方向に所定数配置された複数の表示素子と、
前記複数のタッチ検出電極の検出電極間領域に複数配置されたダミー電極と
を有し、
前記開口部分は、前記タッチ検出電極の電極配置面積率が、前記検出電極間領域における前記ダミー電極の電極配置面積率と略一致するように設けられている
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−43354(P2012−43354A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186197(P2010−186197)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】