説明

タムスロシン、及び関連するアリル基派生物の製造方法

【課題】総収率が高く、かつ反応のステップが少なく、効率のよい製造が得られ、薬物に含まれる不純物の含有率を規範内に押さえることができるタムスロシン、及び関連するアリル基派生物の製造方法を提供する。
【解決手段】式2のスルフォンアミド化合物の塩酸塩と式21のエーテル化合物とを反応させて式1のタムスロシンを得る。但し、R,RはC〜Cアルキル基を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タムスロシン化合物の新規な製造方法と、その塩基塩、及び各種医薬に使用できる塩類に関する。
【背景技術】
【0002】
アメリカ合衆国特許第5,447,958号にはタムスロシン化合物が高血圧、心臓衰弱、心臓の痛み、前立腺肥大に対して極めて好ましい医療効果を有すると記載されている。また、該特許に開示するタムスロシン化合物は、以下の式2Aのスルフォ化合物の塩基塩、及び以下の式3の臭化物を反応させて得る。
【化12】

【0003】
以下に掲げる式2Bのスルフォ塩(式2Aのスルフォ化合物の塩基塩)は、以下の工程1の製法で合成する。該工程1は式4のベンゼン基アミノ化合物から生成し、式5Aのスルフォ化合物を得てから式6Aのスルフォンアミド化合物の中間生成物を得て、最終的に式2Bのスルフォ塩を得る。
【化13】

【0004】
式4Aのフェニル基アミノ化合物の合成は、アメリカ合衆国特許第4,000,197号、及びJ.Med.Chem.1972,16,480−483に開示される。即ち、4−メトキシベンゼンアセトンと、(R)−α−メチルベンジルアミノとによって縮合し、次いでN=Nの二重連結を水素化し、還元性の脱ベンジル反応を行う。式4Aのフェニル基アミン化合物の総産出率は25%であって、かつ対掌体の純度は99%を超える。
【0005】
Synth,Commun.1998,28,1935−1945においてYamadaなどの人士が述べるところによれば、式4のフェニル基アミン化合物を合成する方法は、光学上純質のL―チロシン酸を初期材料とする。この反応の特徴は形成される産物が旋光純度を具える点にある。中間物である式4Bのフェニルアミド塩(式4のフェニルアミド化合物の塩基塩)の製造は8つのステップによってなり、中間物である式5Aのアミド化合物に延伸させるとステップは9つになる。上述のYamada氏の述べる製造方法を工程2に開示する。
【0006】
【化14】

【0007】
工程2においては、式7のチロシン酸化合物から生成を開始し、式8のアミノエステル化合物、式9のフェノールアミターゼ化合物、式10のエーテルアミターゼエステル化合物、式11のアルコールエーテルアミターゼ化合物、式12のベンゼンスルフォンアミターゼ化合物、式13のヨウ素化合物、式14のエーテルアミターゼ化合物の順に生成して、最終的に式4Bのフェニル基アミノ塩を得る。
【特許文献1】アメリカ合衆国特許第5,447,958号公報
【特許文献2】アメリカ合衆国特許第4,000,197号公報
【非特許文献1】J.Med.Chem.1972,16,480−483
【非特許文献2】Synth,Commun.1998,28,1935−1945
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、総収率が高く、反応のステップが少なく、効率のよい製造が得られるタムスロシン、及び関連するアリル基派生物の製造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者は、従来の技術に鑑み鋭意研究を重ねた結果、スルフォンアミド化合物の塩酸塩とエーテル化合物とを反応させてタムスロシンを得る方法によって課題を解決できる点に着眼し、係る知見に基づき本発明を完成させた。
以下、この発明について具体的に説明する。
【0010】
請求項1に記載するタムスロシンの製造方法は、次に掲げる式1の分子式を含むタムスロシンの製造方法であって、式1におけるR及びRがC−Cアルキル基及びその塩酸塩、各種医薬上使用可能な塩類を表し、
該方法は、次に掲げる式2のスルフォンアミド化合物の塩酸塩と次に掲げる式21のエーテル化合物とを反応させて式1のタムスロシンを得るものであって、
式2におけるRはC−Cのアルキル基を表し、式21におけるエーテル化合物のR’はC−Cのアルキル基を表し、R’’がパラトルエンスルフィン酸根(MeCSO)か、もしくはメチルスルフォン(MeSO)を表す。
【化15】

【0011】
請求項2に記載するタムスロシンの製造方法は、請求項1における式1のタムスロシンのRがエチル基であって、Rがメチル基である場合、次に掲げる式2Aに開示するように該式2のRがMeを表し、その塩酸塩は次に掲げる式2Bに開示する通りであって、次に掲げる式21Aのエーテルベンゼンスルフォン化合物に開示するように、該式21におけるエーテル化合物のR’がEtを表し、R’’がOTsを表す。
【化16】

【0012】
請求項3に記載するタムスロシンの製造方法は、請求項2における式2Bのスルフォンアミド化合物の塩基塩の製造方法が、次に掲げる工程に開示するように、該工程における式5Aのアミド化合物を予め次に該工程における6Aのスルフォンアミド化合物に転換し、さらに酸性の条件下において該式2Bのスルフォンアミド化合物の塩酸塩を得る。
【化17】

【0013】
請求項4に記載するタムスロシンの製造方法は、請求項3における式5Aのアミド化合物の製造方法が、中間物である次に掲げる式15のフェニルアミド酸化合物と、次に掲げる式16のフェニルアミドエステル化合物と、次に掲げる式17のエチルアミドエステル化合物と、次に掲げる8式18のアルコールエーテルアミド化合物を使用し、
該式15におけるRがアルキル基、もしくはアリル基を表し、該式16におけるR、R’がアルキル基、もしくはアリル基を表し、該式17におけるR、R’、R’’がアルキル基、もしくはアリル基を表し、該式18におけるR、R’がアルキル基、もしくはアリル基を表す。
【化18】

【0014】
請求項5に記載するタムスロシンの製造方法は、請求項1に記載する式21のエーテルベンゼンスルフォン化合物(R’’がパラトルエンスルフィン酸根(MeCSO)か、もしくはメチルスルフォン(MeSO)を表す)の製造方法が、次に掲げる式19のエーテルフェニル化合物を次に掲げる式20のエーテルベンゼンアルコール化合物に転換し、さらに該式21のエーテルベンゼンスルフォン化合物を製造する方法であって、該式19、20におけるRがアクリル基か、アリル基を表す。
【化19】

【0015】
請求項6に記載するフェニルアミド酸化合物の製造方法は、初期原料である以下の式7のチロシン酸から以下の式15のフェニルアミド酸化合物を生成する方法であって、次に掲げる工程を含んでなり、
該生成方法は、アシル剤及び溶剤を使用し、該アシル剤がRCOX、(RCOX)Oか、もしくはその組み合わせであって、該Rがアルキル基か、もしくはアリル基であり、該Xがハロゲン素か、もしくは脱離基であって、該溶剤がアルカンか、エーテルか、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、ケトン類か、尿素か、もしくはその任意の組み合わせである。
【化20】

【0016】
請求項7に記載するフェニルアミドエステル化合物の製造方法は、次に掲げる式15のフェニルアミド酸化合物から次に掲げる式16のフェニルアミドエステル化合物を生成する方法であって、次に掲げる工程を含んでなり、
該方法には酸塩化物及びR’OHを使用し、該酸塩化物は三塩化燐か、五塩化燐か、燐酸五塩素(POCl)か、塩化チオニルか、エチルチオニルか、もしくはその組み合わせであって、該R、R’はアルキル基かアリル基を代表する。
【化21】

【0017】
請求項8に記載するエチルアミドエステル化合物の製造方法は、次に掲げる式16のフェニルアミドエステルから次に掲げる式17のエチルアミドエステル化合物を生成する方法であって、次に掲げる工程を含み、
該方法にはアルキル化剤と、アルカリと、溶剤を使用し、該アルキル化剤が硫酸ジエチルか、ヨウ化メチルか、臭化アルカンか、もしくはその組み合わせから選択され、該アルカリがアミド化物か、炭酸塩か、炭酸水素塩か、アミドか、アルコキシドか、もしくはその組み合わせから選択され、該溶剤が水か、ケトン類か、アルカンか、エーテル類か、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、尿素か、もしくはその組み合わせから選択される。
【化22】

【0018】
請求項9に記載するアルコールエーテルアミド化合物の製造方法は、次に掲げる式17のエチルアミドエステル化合物から次に掲げる式18のアルコールエーテルアミド化合物を生成する方法であって、次に掲げる工程を含んでなり、
該方法は還元剤と溶剤を使用し、該還元剤が水酸化アルミリチウム(LiAlH)か、水素化イソブチルアルミニウム(DIBAL)か、K−セレクトレイド(K−selectride)か、L−セレクトレイド(L−selectride)か、水酸化ホウ素(BH)か、四水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)か、もしくはこれらの組み合わせから選択され、該溶剤がエーテル類か、アルコール類か、水か、アルカンか、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、尿素か、もしくはこれらの組み合わせから選択される。
【化23】

【0019】
請求項10に記載するアミド化合物の製造方法は、次に掲げる式18のアルコールエーテルアミド化合物から次に掲げる式5のアミド化合物を生成する方法であって、
該方法は酸化ハロゲンと、溶剤と、有機酸化合物と、MXnと、Mを使用し、該酸化ハロゲンが塩化トルエンスルフォニル(TsCl)か、塩化メチルスルフォニル(MsCl)か、塩化スルフリル(SOCl)か、塩化チオニル(SOCl)か、三塩化燐(PCl)か、五塩化燐(PCl)か、POClか、エチルチオニルか、もしくはこれらの組み合わせから選択され、該溶剤がテトラヒドロフランか、ケトン類か、アルカンか、エーテル類か、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、塩化メチレンか、クロロホルムか、四クロロメタンか、尿素か、もしくはこれらの組み合わせから選択され、該有機酸化合物がシュウ酸((COOH))か、RCOOHか、もしくはこれらの組み合わせから選択され、且つ該Rが水素か、アルキル基か、もしくはアリル基であって、該Mがリチウムか、ナトリウムか、カリウムか、マグネシウムか、カルシウムか、亜鉛か、プラチナか、パラジウムか、銅か、コバルトか、マンガンか、鉄か、ニッケルか、もしくはカドミウムから選択され、該Xが、塩素か、臭素か、ヨウ素か、もしくは酢酸根であって、nの数値が金属の価数に基づき1〜3である。
【化24】

【0020】
請求項11に記載するエーテルベンゼンスルフォン化合物の製造方法は、次に掲げる式20のエーテルベンゼンアルコーツ化合物から式21のエーテルベンゼンスルフォン化合物を生成する方法であって、次に掲げる工程を含んでなり、
【化25】

該方法はR’Cl、アルカリ、及び溶剤を使用し、該R’Clがトルエンスルフィン酸塩素(MeCSOCl)か、もしくはメチルスルフォン塩素(MeSOCl)か、もしくはその組み合わせであって、該アルカリがトリエチル窒素か、トリメチル窒素か、ピリジンか、もしくはその組み合わせから選択され、該溶剤がジクロルメタンか、アセトンか、テトラヒドフランか、エーテル類か、酢酸エチルか、もしくはその組み合わせから選択される。
【発明の効果】
【0021】
本発明のタムスロシン、及び関連するアリル基派生物の製造は、総収率が高く、かつ反応のステップが少なく、効率のよい製造が得られるとともに、得られる薬物に含まれる不純物の含有率を規範内に押さえることができるという利点がある。さらに、光学的純度を具える初期原料を用いることによって、特定の規格の原料産物の化合物が得られ、医薬の要求に適合させることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明は、アミノスルフォンアシルを合成して代替とするフェネチルアミノ派生物、及びタムスロシンの製造方法に関し、特に、次に掲げる式1の分子式を含むタムスロシン化合物(式1におけるR及びRがC−Cアルキル基を表す)及びその塩酸塩、各種医薬上使用可能な塩類の製造方法を提供するものである。
該方法は、次に掲げる式2のスルフォンアミド化合物の塩酸塩と次に掲げる式21のエーテル化合物とを反応させて式1のタムスロシンを得るものであって、
【化26】

【0023】
上述するように、式1のタムスロシン化合物(式1におけるR及びRがC−Cアルキル基を表す)の合成は、キー中間物である次の式5Aのアミド化合物に関連する。そこで、ホン発明においては、次に掲げる工程3に開示するように、中間物である式5Aのアミド化合物を生成する新規な方法を開示する。該方法には次の式15Aのフェニルアミド酸化合物、式16Aのフェニルアミドエステル化合物、式18のアルコールエーテルアミド化合物などの中間物を含み、かつこれら化合物は、いずれも新規に生成した新型の中間物である。
【化27】

【0024】
本発明のタムスロシン化合物は、従来の方法に比して総収率が高く、かつ反応のステップが少なく、効率のよい製造が得られるとともに、得られる薬物に含まれる不純物の含有率を規範の上限内に押さえることができる。さらに、光学的純度を具える初期原料を用いることによって、特定の規格の原料産物の化合物が得られ、医薬の要求に適合させることができる。
【0025】
また、この発明では新規な、キー中間物である次の式21のエーテルベンゼンスルフォン化合物を開示する。該エーテルベンゼンスルフォンを式3の臭化物の代替としてタムスロシン化合物を生成する。エトキシベンゼン(19A)を初期原料とし、クロルアセチルアルコールと式19Aのエーテルフェニル化合物とを反応させ。式20Aのエーテルフェニルアルコール化合物を得て、さらにトルエンスルフォンに作用させて、キー中間物である式21Aのエーテルベンゼンスルフォン化合物を得る。
【0026】
式21Aのエーテルベンゼンスルフォン化合物を式3の臭化物に変えて使用する利点は、反応の操作のステップが簡略化できるとともに、危険なハロゲン化廃棄物が招く汚染を防ぐことができるという点にある。式21Aのエーテルベンゼンスルフォン化合物の生成方法は下記の工程4に開示するように、式19Aのエーテルフェニル化合物を式20Aのエーテルフェニルアルコール化合物に転換した後、式21Aのエーテルベンゼンスルフォン化合物を生成する。
【化28】

【0027】
この発明の方法では、中間物の式5Aのアミド化合物を式6Aのスルフォンアミド化合物に転換し、酸性の条件の下において式2Bのスルフォンアミド塩を得る。式2Bのスルフォンアミド塩と式21Aのエーテルベンゼンスルフォン化合物とを反応させてタムスロシン(tamsulosin、式1、R=乙基、R=甲基)を生成する。式1のタムスロシン化合物を部分的に合成するステップは工程5に開示する通りである。
【化29】

【実施例1】
【0028】
この発明はアミノスルフォンアシルで代替とするフェネチルアミノ派生物、及びその酸化した後に生成するアミノ塩を製造する新規な方法に関し、初期原料である式7のチロシン酸(L−Tyrosine)から式15のフェニルアミド酸化合物を生成する方法を次に掲げる工程6に開示する。
【化30】

【0029】
前記生成方法は、アシル剤及び溶剤を使用する。アシル化剤はRCOX、(RCOX)O、もしくはその組み合わせであって、該Rはアルキル基か、もしくはアリル基であり、Xはハロゲン素か、もしくはダ脱離基であって、溶剤はアルカンか、エーテルか、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、ケトン類か、尿素か、もしくはその任意の組み合わせである。
【0030】
式15のフェニルアミド酸化合物から式16のフェニルアミドエステル化合物を生成する方法は、次に掲げる工程7のとおりである。
【化31】

【0031】
この方法には酸塩化物及びR’OHを使用する。酸塩化物は三塩化燐か、五塩化燐か、POCLか、塩化チオニルか、エチルチオニルか、もしくはその組み合わせであって、該R、R’はアルキル基かアリル基を代表する。
【0032】
さらに、式16のフェニルアミドエステルから式17のエチルアミドエステル化合物を生成する方法は、次に掲げる工程8のとおりである。
【化32】

【0033】
前記方法にはアルキル化剤、アルカリと溶剤を使用する。該アルキル化剤は硫酸ジエチルか、ヨウ化メチルか、臭化アルカンか、もしくはその組み合わせであって、アルカリはアミド化物か、炭酸塩か、炭酸水素塩か、アミドか、アルコキシドか、もしくはその組み合わせであって、溶剤は水か、ケトン類か、アルカンか、エーテル類か、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、尿素か、もしくはその組み合わせである。
【0034】
式17のエチルアミドエステル化合物から式18のアルコールエーテルアミド化合物を生成する方法は、次に掲げる工程9のとおりである。
【化33】

【0035】
前記方法は還元剤と溶剤を使用する。該還元剤は水酸化アルミリチウム(LiAlH)か、水素化イソブチルアルミニウム(DIBAL)か、K−セレクトレイド(K−selectride)か、L−セレクトレイド(L−selectride)か、水酸化ホウ素(BH)か、四水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)か、もしくはこれら組み合わせであって、溶剤はエーテル類か、アルコール類か、水か、アルカンか、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、尿素か、もしくはこれらの組み合わせである。
【0036】
次に掲げる工程10に開示する方法は、式18のアルコールエーテルアミド化合物をアシル化する方法、即ち、式5のアミド化合物を生成する方法である。
【化34】

【0037】
前記方法は酸化ハロゲン、溶剤、有機酸化合物、MXnとMを使用する。該酸化ハロゲンは塩化トルエンスルフォニル(TsCl)か、塩化メチルスルフォニル(MsCl)か、塩化スルフリル(SOCl)か、塩化チオニル(SOCl)か、三塩化燐(PCl)か、五塩化燐(PCl)か、POClか、エチルチオニルか、もしくはこれらの組み合わせであって、溶剤はテトラヒドロフランか、ケトン類か、アルカンか、エーテル類か、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、塩化メチレンか、クロロホルムか、四クロロメタンか、尿素か、もしくはこれらの組み合わせであり、該有機酸化合物はシュウ酸((COOH))か、RCOOHか、もしくはこれらの組み合わせであって、該Rは水素、アルキル基、もしくはアリル基であり、該Mはリチウムか、ナトリウムか、カリウムか、マグネシウムか、カルシウムか、亜鉛か、プラチナか、パラジウムか、銅か、コバルトか、マンガンか、鉄か、ニッケルか、もしくはカドミウムであって、該xは、塩素か、臭素か、ヨウ素か、もしくは酢酸根であって、かつnの数値が金属の価数に基づき1〜3である。
【0038】
上述の内容を受けて、式1のタムスロシン化合物の生成は、キーポイントの中間物である式5のホルムアミド化合物と相関関係がある。上述の生成方法によって得られた式5のホルムアミド化合物によって、式1のタムソロシン化合物が合成される。
【0039】
この発明は、以下に記載する実例によって詳しく理解することができるが、但し、この発明は実例の範囲だけに限られるものではない。
【化35】

【0040】
式7のチロシン酸化合物(20.01g、110.4mmol)の水溶液(120ml)を無水酢酸(13.51g、132.4mmol)に加えた。4〜5時間加熱して回流後、蒸留法により該溶液を濃縮すると、淡い黄色の粘着性を具えた残留物が得られた。残留物はアセトン(80ml)で溶解して、未反応の式7のチロシン化合物をろ過により取り除いた。減圧により、ろ過による抽出物を濃縮し、残留物を再び酢酸エチル(100ml)で溶解し、水(50ml)で洗浄した。硫酸マグネシウムを乾燥し、減圧により濃縮して71%の収率のコロイド状の半固形の式15Aのフェニルアミドエステル化合物(17.62g、78.93mmol)を得た。
【0041】
mp(メチルアルコールから再結晶)152−153℃;施光率

=+50.9720°;HNMR(D2O,400MHz)δ2.07(s.3H,COCH3),
1.82-2.86(m,1H,ArCHH),2.96-3.01(m,1H,ArCHH),3.67-3.70(m,1H,CHCOO),6.70(d,j=8.0Hz,2H,ArH),7.01(d,j=8.0Hz,2H,ArH);IR(neat)3207(s),2961(m),1609(s),1591(s),1513(s),1455(s),1417(s),1363(s),1331(s),1267(m),1245(s),1214(m),1154(m),1112(m),1099(m),1042(m),984(w),939(w),897(w),877(m),841(s),794(m),740(m),713(w),640(m),575(s),529(s),493(m),433(m)cm-1
【0042】
【化36】

式15Aのフェニルアミドエステル化合物(10.01g、44.84mmol)のエーテルアルコール溶液(300ml)は、冷却(5℃)して60分間に三塩化リン(18.46g、134.4mmol)を1滴ずつ加えた。室温で1晩攪拌後、減圧により反応化合物を濃縮した。残留物は酢酸エチル(50ml)で溶解し、水と飽和重曹ナトリウム(25ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム内で乾燥させ、減圧濃縮して73%の収率の式16Aのフェニルアミドエステル化合物の濃い黄色をした固体を得た。
【0043】
16A(8.225g、32.73mmol):mp(50%の酢酸エチルをヘキサンで再結晶した)126.0−128.0℃;施光率

=−1.7632°;HNMR(CDCl3,400MHz)δ1.24(t,J=6.8Hz,3H,CH2CH3),
1.97(s,3H,CHCH3)2.95-3.08(m,2H,ArCH2),4.16(q,J+8.0Hz,2H,ArH);IR(neat)3384(br).3020(m)2729(m),2851(m),1733(s)1652(s),1615(s),1542(m),1516(s),1446(m),1376(m),1219(s),1125(w),1026(w),828(w),769(s),668(m),518(m)cm-1
【0044】
【化37】

16Aのフェニルアミドエステル化合物(8.021g、31.92mmol)を含むアセトン溶液にトリエチルアミノ7.365g、72.78mmol)と、ジメチル硫酸塩を加え、25℃の温度条件で20時間攪拌し、水(50ml)を溶液に加えて反応を停止し、さらにトルエン(50ml)で抽出する。
【0045】
有機層は、10%の水酸化ナトリウム水溶液(25ml)と塩水(25ml)で洗浄し、さらに硫酸マグネシウム内で乾燥させる。ろ過した後、減圧下において濃縮し、薄い褐色の半固態で粗収率84%の式17Aに記載するエーテルアミドエステル化合物(7.113g、26.81mmol)を得た。
【0046】
mp(エチルアセテートの再結晶から)140−142℃、旋光率

=−1.6950°;HNMR(CDCl3,400MHz)δ1.21(t,J=6.8Hz,3H,CH2CH3),1.92(s,3H,COCH3),3.02-3.09(m,2H,ArCH2),
3.95(s,3H,OCH3),4.14(q,J=6.8Hz,2H,COCH2),4.76-4.81(m,1H,CHCOO),6.76(d,J=8.0Hz,2H,ArH),7.02(d,J=8.0Hz,2H,ArH);IR(neat),3282(m),3075(w),2968(m),2933(m),2837(w),1716(w),1651(s),1614(s),1557(s),1514(s),1456(s),1374(s),1300(m),1248(s),1178(m),1146(w),1114(w),1035(m),975(w),815(w),775(w),608(w),562(w),523(w),419(w)cm-1
【0047】
【化38】

10℃の水で冷却する条件下において、攪拌中の水酸化アルミリチウム(LiAlH、1.014g、26.72mmol)を含むエチルエーテル溶液(140ml)に式17のエーテルアミドエステル化合物(7.088g、26.72mmol)を含むエチルエーテル溶液(50ml)を加え、かかる溶液を25℃の温度条件で10時間攪拌したあと、反応させた混合物を塩酸(12N、10ml)で中和してろ過し、ろ過物を減圧下で濃縮した。残余物はエチルアセテート(200ml)内で再度溶解し、水(20ml)、10%の水酸化ナトリウム水溶液(20ml)、塩水(20ml)で洗浄した後、さらに硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した後、減圧下で濃縮し、粗収率60%の式18Aに記載するアルコールエーテルアミド化合物の白色の固体(3.57g、16.03mol)を得た。
【0048】
mp(エチルアセテート及びヘキサンの再結晶から)140−142℃、旋光率

=−10.9440°; HNMR(CDCl3,400MHz) δ1.95(s,3H, NCOCH3),2.40(br,1H,OH,),2.75-2.85(m,2H,ArCH2),
3.57-3.67(m,2H,CH2O),3.74(s,3H,OCH3),4.08-4.14(m,1H,CHN),6.84(d,J=8.4Hz,2H,ArH),7.12(d,J=8.4Hz,2H,ArH);IR(neat),3512(br),3002(w),2984(m),2834(m),1892(w),1645(s),1577(m),1551(m),1441(m),1377(m),1300(s),1245(s),1177(s),1083(m),1041(s),821(m),614(m)cm-1
【0049】
【化39】

18Aのアルコールエーテルアミド化合物(10.01グラム、44.83mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液(50ml)にトルエンスルフォンアミドクロライド(15.67g、82.19mmol)を加えた。回流の中で1.5時間攪拌した後、反応した混合物を飽和炭酸カリウム水溶液にゆっくり投入した。水層に酢酸エチル(3×20ml)で抽出行い、合併した有機層を水(80ml)で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧により濃縮した。残留物は、シュウ酸(20g)のテトラヒドロフランで溶解し、臭化リチウム(8.118g、93.47mmol)を加えた。回流において10分間攪拌後、溶液中にリチウム(金属片、1.488g、214.4mmol)を加えた。このように形成した溶液を同様の温度で2.0時間攪拌し、珪藻土でろ過し、酢酸エチルで洗浄し、減圧して濃縮した。残留物は水(50ml)内で溶解し、炭酸カリウムの固体で中和(20.01g)させて、酢酸エチル(5×80ml)により抽出した。有機層は水(40ml)で洗浄し、減圧して濃縮し、残留物に水(20ml)を加えて、1晩置いてろ過した後、真空状態で乾燥して収率72%の式5Aホルムアミド化合物の白色の固体(6.711g、32.37mmol)を得た。
【0050】
mp(酢酸エチルから再結晶)90−91℃;施光率

=+9.9083°;HNMR(CDCl3,300MHz) δ1.08(d,J,5.4Hz,3H,CCH3),1.92(s,3H,COCH3,),2.60-2.77(m,2H,ArCH2),3.76(s,3H,OCH3),4.10-4.25(m,1H,CHMe),6.81(d,J=7.8Hz,2H,ArH),7.06(d,J=7.8Hz,2H,ArH),IR(neat),3276(br),3077(m),2969(m),2933(m),2836(m),1716(m),1647(s),1615(s),1542(s),1513(s),1456(m),1374(m),1300(m),1247(s),1178(m),1035(m),814(m),755(w),518(w),420(w) cm-1
【0051】
【化40】

温度が0−10℃以下の状態で式5Aのホルムアミド化合物(1.01g、4.81mmol)に塩化スルフォン酸(10.1g、85.8mmol)を加えた。溶液は5.0℃以下で1.0時間攪拌し、反応した混合物をゆっくりと氷水の中に投入して、油状の酢酸エチル(100ml)を抽出した。有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(25ml)と水(10ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した後、減圧により濃縮した。残留物はテトラヒドロフラン(20ml)の中で再度溶解し、濃縮したアンモニア水溶液(15N、30ml)を投入し、温度25℃の状態で1.0時間攪拌した。溶液を減圧して濃縮し、残留物を水(2.0ml)で洗浄し、減圧状態で乾燥して44%の収率の式6Aのスルフォムアミド化合物の白色の固体(602.1mg、2.102mmol)を得た。
【0052】
mp(メチルアルコールから再結晶)198−199℃;施光率

=+13.2634°;HNMR(D2O,400MHz) δ0.99(d,J,6.8Hz,3H,CCH3),1.68(s,3H,COCH3,),2.43-2.49(m,1H,ArCHH),2.69-2.74(m,1H, ArCHH),3.72(s,3H,OCH3),3.80-3.86(m,1H,CHMe),7.01(d,J=8.8Hz,1H,ArH),7.33(d,J=8.8Hz,1H,ArH),7.48(s,1H,ArH);IR(neat),3132(br),1654(s),1609(m),1536(m),1496(m),1401(s),1320(m),1283(m),1253(m),1176(w),1148(s),1070(m),1024(m),977(w),927(w),860(w),838(w),828(w),761(m),701(w),669(w),614(m),599(m),572(m),535(m),505(m),450(m)cm-1;ESI-MSm/Z287.27(M+H+).
【0053】
【化41】

6Aのスルフォムアミド化合物(0.541g、1.88mmol)の塩酸水溶液(5.0%、25ml)を回流で16時間加熱した。溶液を減圧し濃縮後、熱したメチルアルコール(3.0ml)内で溶解し、ゆっくりと酢酸エチル(10ml)を投入した。沈殿物を収集し、真空状態で乾燥させて85%の収率の式2Bのスルファミド塩の白色の固体(0.449g、1.60mmol)を得た。
【0054】
mp(メチルアルコールから再結晶)272−273℃(分解);施光率
【0055】
【化42】

19Aのエーテルフェノール化合物(13.82g、100.1mmol)の水酸化ナトリウム水溶液(1.0N、300ml)中に塩化エチルアルコール(33.12ml、500.1mmol)を加えた。温度25℃の状態で48時間攪拌した後、反応化合物を酢酸エチル(3×100ml)で抽出した。有機層は硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後、減圧により濃縮し、77%の収率の式20Aのエーテルフェニルアルコール化合物の黄色の液体(14.02g、76.94mmol)を得た。
【0056】
HNMR(CDCl3,400MHz)δ1.44(t,J,7.2Hz,3H,O CH2CH3),3.85(t,J=7.2Hz,2H,CH2,OH),4.05-4.12(m,4H,OCH2CH3+OCH2CH2OH),6.88-6.97(m,4H,ArH);IR(neat),3547(br),3066(m),2977(s),2931(s),2877(s),1739(m),1649(m),1593(s),1503(s),1455(s),1393(m),1324(m),1253(s),1219(s),1123(s),1041(s),922(s)cm-1
【0057】
【化43】

温度5−10℃の状態で20Aのエーテルフェニルアルコール化合物(501.2mg、2.751mmol)のジクロメチレン溶液(20ml)にトリエチルアミル(509mg、5.03mmol)と塩化トルエンスルフォニー(623mg、3.27mmol)投入した。該溶液は温度25℃で30分間攪拌後、飽和炭酸ナトリウム水溶液(20ml)で反応を中止させて、酢酸エチル(3×50ml)により抽出した。合併した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧濃縮して92%収率の式21Aのエーテルベンゼンスルホン化合物の白色の固体を得た。
【0058】
mp(ジクロメチレンと四クロロメタンから再結晶)82−83℃;HNMR(CDCl3,300MHz)δ1.43(t,J=10.2Hz,3H,O CH2CH3),2.51(s,3H,ArCH3,),4.04(q,J=10.2Hz,2H,OCH2CH3),4.36(t,J=6.9Hz,2H,OCH2CH2),4.59(t,J=6.9Hz,2H,OCH2CH2),6.86-6.97(m,4H,ArH),7.10-7.22(m,4H,ArH):IR(neat)3446(br),2982(m),2934(m),2884(m),1591(s),1558(w),1509(s),1478(s),1454(s),1407(s),1394(s),1371(s),1354(s),1279(m),1259(s),1247(s),1217(s),1178(s),1127(s),1066(s),1043(s),1031(s),977(s),929(s),905(s),809(s),776(s),749(s),776(m)cm-1
【0059】
【化44】

2Bのスルファミド塩(1.12g、4.00mmol)のエチルアルコール溶液(40ml)に炭酸水素ナトリウム(672mg、8.00mmol)を投入した。該溶液は室温で5.0分間攪拌後、21Aのエーテルベンゼンツルホン化合物(1.34g、4.00mmol)を投入した。溶液は90−100℃で22時間攪拌後、反応化合物を冷却してから室温に戻し、ろ過後、減圧し濃縮してから真空状態で乾燥した。形成した半固体を塩化メチレン(50ml)で溶解し、ろ過した後、固体用の塩化メチレン(3×5.0ml)で洗浄し、残留物の固体から未反応の式2Aのスルファミド化合物を回収した。ろ過した物を減圧して濃縮し、残留物をクロロフォルム(50ml)で溶解した後、水(3×25ml)で洗浄した。水槽中に食塩を投入して飽和させ、酢酸エチルを抽出後、2Aのスルファミド化合物を抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過後、減圧して濃縮し、残留物を真空状態で乾燥し、固体を四クロロメタン(3×20ml)で洗浄し、濃縮した四クロロメタン溶液により式19のエーテルフェノール化合物を抽出した。シリカゲル(37%のメチルアルコールをクロロフォルムで溶離した)のカラムクロマトグラフィーにより、純化固体を加えて収率35%の式1のタムスロシン(tamusulosin)の白色固体(571mg、1.40mmol)を抽出した。
【0060】
mp(塩化メチレンと酢酸エチルで再結晶)129−131℃;施光率

=−14.7240°;HNMR(CD3OD,400MHzδ0.99(d,J,6.4Hz,3H,NCHCH3),1.28(t,J=7.2Hz,3H,OCH2CH3),2.49-2.54(m,1H,ArCHH,),2.2.77-2.82(m,1H,ArCHH),2.89-2.98(m,3H,NCH2+NCH),3.88(s,3H,OCH3),3.93-4.57(m,4H,CH2CH2O+CH3CH2O),6.81-6.89(m,4H,ArH),7.03(d,J,8.4Hz,1H,ArH),7.36(d,J=804Hz,1H.ArH),7.63(s,1H,ArH);IR(neat)3284(m),2973(m),2939(m),1592(m),1504(s),1442(m),1324(s),1282(m),1249(s),1214(m),1154(s),1125(m),1073(m),1046(m),971(w),925(m),753(m)cm-1; ESI-MSm/Z409.40(M+H+).
【0061】
【化45】

温度0−5℃の状態で、式1タムスロシン(2.011g、4.917mmol)の塩化メチレン溶液(50ml)を過量で乾燥した塩化水素の気体によって泡状にして1.0時間置いた。形成した沈殿物をろ過して室温で真空乾燥して収率96%のタムスロシン塩酸塩(tamusulosin・HC1)の白色固体(2.091g、4.699mmol)を抽出した。
【0062】
mp(50%のメチルアルコールをエチルアルコールで再結晶)230−231℃;施光率

=-5.3843°;HNMR(CD3OD,400MHz)δ1.44-1.17 (m,6H,NCHCH3+OCH2CH2),2.71-2.76(m,1H,ArCHH),3.36-3.43(m,2H,NCH2),3.53-3.55(m,1H,NCH),3.75(s,3H,OCH3),3.94-3.97(m,2H,MeCH2O),4.04-4.19(m,2H,OCH2CH),6.84-6.96(m,5H,ArH),7.35(d,J=8.8Hz,1H,ArH),7.54(s,1H,ArH):IR(neat)3304(m),3168(m),2981(m),1610(m),1589(m),1500(s)1458(m),1392(m),1339(s),1251(s),1215(s),1160(s),1128(s),1072(m),1046(m),1018(m),820(m),749(s),718(m) cm-1
【0063】
この発明では、タムスロシン(tamusulosin)と関連するアラキルアミン派生物の生成方法を開示した。タムスロシン化合物は、原料のL−チロシン酸を合成するステップは従来の方法に比べて簡単で短く、比較的高い収率が得られる。また、生成式1のタムスロシンを生成するために必要なキー中間物式1Aから18Aは、この発明における代表的な中間物である。
【0064】
以上はこの発明の好ましい実施例であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有するものは、いずれも本発明の特許請求の範囲に属するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次に掲げる式1の分子式を含むタムスロシンの製造方法であって、式1におけるR及びRがC−Cアルキル基及びその塩酸塩、各種医薬上使用可能な塩類を表し、
該方法は、次に掲げる式2のスルフォンアミド化合物の塩酸塩と次に掲げる式21のエーテル化合物とを反応させて式1のタムスロシンを得るものであって、
式2におけるRはC−Cのアルキル基を表し、式21におけるエーテル化合物のR’はC−Cのアルキル基を表し、R’’がパラトルエンスルフィン酸根(MeCSO)か、もしくはメチルスルフォン(MeSO)を表すことを特徴とするタムスロシンの製造方法。
【化1】

【請求項2】
前記式1のタムスロシンのRがエチル基であって、Rがメチル基である場合、次に掲げる式2Aに開示するように該式2のRがMeを表し、その塩酸塩は次に掲げる式2Bに開示する通りであって、次に掲げる式21Aのエーテルベンゼンスルフォン化合物に開示するように、該式21におけるエーテル化合物のR’がEtを表し、R’’がOTsを表すことを特徴とする請求項1に記載のタムスロシンの製造方法。
【化2】

【請求項3】
前記式2Bのスルフォンアミド化合物の塩基塩の製造方法が、次に掲げる工程に開示するように、該工程における式5Aのアミド化合物を予め次に該工程における6Aのスルフォンアミド化合物に転換し、さらに酸性の条件下において該式2Bのスルフォンアミド化合物の塩酸塩を得ることを特徴とする請求項2に記載のタムスロシンの製造方法。
【化3】

【請求項4】
前記式5Aのアミド化合物の製造方法が、中間物である次に掲げる式15のフェニルアミド酸化合物と、次に掲げる式16のフェニルアミドエステル化合物と、次に掲げる式17のエチルアミドエステル化合物と、次に掲げる8式18のアルコールエーテルアミド化合物を使用し、
該式15におけるRがアルキル基、もしくはアリル基を表し、該式16におけるR、R’がアルキル基、もしくはアリル基を表し、該式17におけるR、R’、R’’がアルキル基、もしくはアリル基を表し、該式18におけるR、R’がアルキル基、もしくはアリル基を表すことを特徴とする請求項3に記載のタムスロシンの製造方法。
【化4】

【請求項5】
前記式21のエーテルベンゼンスルフォン化合物(R’’がパラトルエンスルフィン酸根(MeCSO)か、もしくはメチルスルフォン(MeSO)を表す)の製造方法が、次に掲げる式19のエーテルフェニル化合物を次に掲げる式20のエーテルベンゼンアルコール化合物に転換し、さらに該式21のエーテルベンゼンスルフォン化合物を製造する方法であって、該式19、20におけるRがアクリル基か、アリル基を表すことを特徴とする請求項1に記載のタムスロシンの製造方法。
【化5】

【請求項6】
初期原料である以下の式7のチロシン酸から以下の式15のフェニルアミド酸化合物を生成する方法であって、次に掲げる工程を含んでなり、
該生成方法は、アシル剤及び溶剤を使用し、該アシル剤がRCOX、(RCOX)Oか、もしくはその組み合わせであって、該Rがアルキル基か、もしくはアリル基であり、該Xがハロゲン素か、もしくは脱離基であって、該溶剤がアルカンか、エーテルか、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、ケトン類か、尿素か、もしくはその任意の組み合わせであることを特徴とするフェニルアミド酸化合物の製造方法。
【化6】

【請求項7】
次に掲げる式15のフェニルアミド酸化合物から次に掲げる式16のフェニルアミドエステル化合物を生成する方法であって、次に掲げる工程を含んでなり、
該方法には酸塩化物及びR’OHを使用し、該酸塩化物は三塩化燐か、五塩化燐か、燐酸五塩素(POCl)か、塩化チオニルか、エチルチオニルか、もしくはその組み合わせであって、該R、R’はアルキル基かアリル基を代表することを特徴とするフェニルアミドエステル化合物の製造方法。
【化7】

【請求項8】
次に掲げる式16のフェニルアミドエステルから次に掲げる式17のエチルアミドエステル化合物を生成する方法であって、次に掲げる工程を含み、
該方法にはアルキル化剤と、アルカリと、溶剤を使用し、該アルキル化剤が硫酸ジエチルか、ヨウ化メチルか、臭化アルカンか、もしくはその組み合わせから選択され、該アルカリがアミド化物か、炭酸塩か、炭酸水素塩か、アミドか、アルコキシドか、もしくはその組み合わせから選択され、該溶剤が水か、ケトン類か、アルカンか、エーテル類か、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、尿素か、もしくはその組み合わせから選択されることを特徴とするエチルアミドエステル化合物の製造方法。
【化8】

【請求項9】
次に掲げる式17のエチルアミドエステル化合物から次に掲げる式18のアルコールエーテルアミド化合物を生成する方法であって、次に掲げる工程を含んでなり、
該方法は還元剤と溶剤を使用し、該還元剤が水酸化アルミリチウム(LiAlH)か、水素化イソブチルアルミニウム(DIBAL)か、K−セレクトレイド(K−selectride)か、L−セレクトレイド(L−selectride)か、水酸化ホウ素(BH)か、四水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)か、もしくはこれらの組み合わせから選択され、該溶剤がエーテル類か、アルコール類か、水か、アルカンか、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、尿素か、もしくはこれらの組み合わせから選択されることを特徴とするアルコールエーテルアミド化合物の製造方法。
【化9】

【請求項10】
次に掲げる式18のアルコールエーテルアミド化合物から次に掲げる式5のアミド化合物を生成する方法であって、
該方法は酸化ハロゲンと、溶剤と、有機酸化合物と、MXnと、Mを使用し、該酸化ハロゲンが塩化トルエンスルフォニル(TsCl)か、塩化メチルスルフォニル(MsCl)か、塩化スルフリル(SOCl)か、塩化チオニル(SOCl)か、三塩化燐(PCl)か、五塩化燐(PCl)か、POClか、エチルチオニルか、もしくはこれらの組み合わせから選択され、該溶剤がテトラヒドロフランか、ケトン類か、アルカンか、エーテル類か、ジメチルホルムアミドか、ジメチルスルフォキシドか、塩化メチレンか、クロロホルムか、四クロロメタンか、尿素か、もしくはこれらの組み合わせから選択され、該有機酸化合物がシュウ酸((COOH))か、RCOOHか、もしくはこれらの組み合わせから選択され、且つ該Rが水素か、アルキル基か、もしくはアリル基であって、該Mがリチウムか、ナトリウムか、カリウムか、マグネシウムか、カルシウムか、亜鉛か、プラチナか、パラジウムか、銅か、コバルトか、マンガンか、鉄か、ニッケルか、もしくはカドミウムから選択され、該Xが、塩素か、臭素か、ヨウ素か、もしくは酢酸根であって、nの数値が金属の価数に基づき1〜3であることを特徴とするアミド化合物の製造方法。
【化10】

【請求項11】
次に掲げる式20のエーテルベンゼンアルコーツ化合物から式21のエーテルベンゼンスルフォン化合物を生成する方法であって、次に掲げる工程を含んでなり、
【化11】

該方法はR’Cl、アルカリ、及び溶剤を使用し、該R’Clがトルエンスルフィン酸塩素(MeCSOCl)か、もしくはメチルスルフォン塩素(MeSOCl)か、もしくはその組み合わせであって、該アルカリがトリエチル窒素か、トリメチル窒素か、ピリジンか、もしくはその組み合わせから選択され、該溶剤がジクロルメタンか、アセトンか、テトラヒドフランか、エーテル類か、酢酸エチルか、もしくはその組み合わせから選択されることを特徴とするエーテルベンゼンスルフォン化合物の製造方法。

【公開番号】特開2007−15975(P2007−15975A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−198613(P2005−198613)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(505257833)国際威林生化科技股▲ふん▼有限公司 (2)
【出願人】(505257844)信東生技股▲ふん▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】