説明

タムスロシンの放出制御薬剤組成物

本発明は、タムスロシンあるいはその薬剤学的に許容される塩の放出を制御された薬剤組成物に関する。特に本発明は、放出制御製剤をタムスロシンと球体化剤の混合物に加えることで得られる球体核を含んだ放出制御性を有する個別薬剤あるいは複合薬剤の製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は放出制御されたタムスロシン(tamsulosin)の薬剤組成物あるいはその薬剤学的に利用可能な塩に関する。特に本発明は、タムスロシンと球体化剤との混合物に放出制御剤を加えることによって得られる球体核を含む放出制御された個別あるいは複合薬剤に関する。本発明はまたこのような薬剤の製造にも関する。
【背景技術】
【0002】
改良放出薬剤の臨床結果の改善の必要性については従来技術にて説明されている。これは、短い半減期、特定領域吸収性、胃腸障害、あるいは高血漿濃度でのその他の副作用を有する薬剤において特に重要である。通常の改良薬剤放出方法の1つは、改良放出特性を有するように設計されたモノリシック構造の使用である。モノリシック構造には浸透性薬剤デリバリーシステム、生物学的浸食性あるいは非浸食性マトリックス構造等がある。
【0003】
現在、処方されている改良放出薬剤の大部分はモノリシック構造であるが、これは重大な欠点を有する。意図的あるいは事故によるデリバリーシステムの不調によって過剰供給が引き起こされることがある。過剰供給は、化合物によっては中毒症状や致命的な結果につながることがある。さらに、比較的多くのモノリシック構造の胃内からの放出は、食物の存在や非存在、及び摂取した食物の種類によって影響される。
【0004】
このような不都合があるため、モノリシック構造から、個別の薬剤が改良放出特性を有する複合薬剤への変換が進められている。最終投薬形態は錠剤形に押圧されているか、カプセルや袋体に詰めた状態の複合薬剤から成る。投与されると、個々の薬剤成分は胃腸内で自由に分散し、胃腸粘膜の炎症を引き起こす虞がある薬剤の部分的集中を防止する。また、この構造体を構成するそれぞれの成分単位が小さいため、投薬形態は患者の胃からの排出時間の変動とは無関係である。
【0005】
複合投薬形態物の表面積は大きいので、完全で均一な吸収を促進し、最高血漿変動を最小限に抑制し、副作用の可能性を減少させる。さらなる利点は、薬剤は消化管を通って自由に配分されるため、吸収変化性が減少し、溶解特性に再現性があり、胃腸における活性物質の高部分集中を防止することができる。
【0006】
このような放出制御性を有する複合薬剤からの薬剤放出は、酵素またはpHプロセスによるコーティングの溶解あるいは浸食のいずれかによって制御される。浸食性コーティングは腸内で溶ける腸溶性ポリマーの使用を含む。
【0007】
複合薬剤の製造方法には以下の方法が含まれる:

(a)押出球状化方法
(b)湿潤顆粒化方法
(c)乾燥顆粒化方法:乾燥顆粒化方法には主に以下の2工程がある:
1. 殴打工程
2. ローラ押圧工程
【0008】
押出/球状化方法は、均一サイズの微粒子を製造するための複数段階工程である。主に制御放出または遅延放出に適した複微粒子の製造に使用される。この工程は容積密度を高め、流体特性を向上させ、低密度の微細分割された流動的な賦形剤粉末によるダスト問題を減少させる。一般的な工程には、湿潤塊化工程、その後の湿潤塊体を円筒形体に押し出す工程、引き続きこの円筒形体を球状化する工程の別々の工程が含まれる。押出工程は、湿潤塊体を型に通し、均一直径の筒体へ形成する工程を含んでいる。押出された筒体は同程度の長さで切れる。これら筒体は、固定側壁と高速回転する底板またはディスクを備えたボウルを含む装置内で球状粒体化される。この球体化は微粒子同士と、微粒子と装置との衝突によって生じる摩擦によるものである。この工程は、球体化を補助する球体化剤を必要とする。
【0009】
タムスロシン、5−[(2R)−2−[[2−(2―エトキシ―フェノキシ)エチル]アミノ]プロピル]−2−メトキシベンゼンスルフォンアミドは、人体の前立腺内のα1レセプターに選択性を示すα1−アドレノセプターブロッカーである。EP34432及び米国特許4731478号において、心臓不全及び良性前立腺過形成の治療に有効なアルファ−アドレナリン性ブロック活性を有する薬学的に活性な物質として開示されている。
【0010】
タムスロシンの薬物動力学的研究によれば、腸から吸収され、ほぼ完全に生物学的に活性である。
【0011】
米国特許第4772475号は、個々の薬剤が放出制御剤、生理学的活性物質及び薬剤形成物質の顆粒製品を含む経口薬剤放出制御複合薬剤を開示する。この特許では、薬剤を形成する物質(結晶性セルロース)は少なくとも50重量%以上でなければならないことを強調している。本発明の薬剤は高度な物理強度性を有しており、腸溶性コーティングが無くとも溶解速度を制御することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、タムスロシンは腸から吸収されるため、目的は薬剤が完全に吸収される腸内で徐々に薬剤を放出できる組成物の開発である。
【0013】
腸溶性コーティングされたタムスロシン放出制御性薬剤は所望の部位において放出を提供できることが発見された。放出制御性組成物は50%w/w以下の球体化剤で製造できる。
【0014】
球体核を含むタムスロシンの放出制御性薬剤組成物が提供される。核は、タムスロシン、略10%〜45%w/wの球体化剤、速度制御ポリマー及び腸溶性コーティング外層等を含んでいる。腸溶性コーティングは核を覆うように提供される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
核は糖、ノン−パレイユ シード(non-pareil seed)、微晶質セルロース、セルフェアー(celphere)、二酸化シリコン砂、ガラス、プラスチック、ポリスチレン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を含むことができる。糖はグルコース、マンニトール、ラクトース、キシリトール、デキストロース及びスクロースを含むことができる。核は非溶解性物質、溶解性物質及び膨張性物質を含むことができる。
【0016】
薬剤組成物の実施例は球体化工程によって製造される。球体化剤には微晶質セルロースがある。タムスロシンとは遊離基、薬剤学的に利用可能な塩及びタムスロシンの異性体を含むことができる。タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩とは塩酸塩、ヨウ化水素塩、臭化水素酸塩、フマール酸水素を含むことができる。例えば、タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩は塩酸塩でよい。薬剤組成物は略0.03重量%から略0.33重量%のタムスロシンの濃縮物を含むことができる。
【0017】
速度制御ポリマーとは腸溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、水溶性ポリマー、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、ワックス及びこれらの混合物を含むことができる。速度制御ポリマーは薬剤組成物中に略20重量%から90重量%の濃度で存在することができる。
【0018】
腸溶性ポリマーとはヒロドキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、メタアクリル酸及びエチルアクリレートコポリマーを含むことができる。特に、腸溶性ポリマーとはメタアクリル酸及びエチルアクリレートコポリマーを含むことができる。
【0019】
ワックスとは、水酸化植物油、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びこれらの混合物を含むことができる。ワックスはモノステアリン酸グリセリン及びステアリン酸を含むことができる。
【0020】
水溶性ポリマーとは、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースソジウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びこれらの混合物を含むことができる。
【0021】
非水溶性ポリマーとはエチルセルロース、セルロースアセテート、第4級アンモニア基を有するメタアクリル酸−アクリル酸コポリマー及びこれらの混合物を含むことができる。
【0022】
高級脂肪酸のアルカリ金属塩とはマグネシウムステアレート、亜鉛ステアレート、カルシウムステアレート及びこれらの混合物を含むことができる。特に、高級脂肪酸のアルカリ金属塩はマグネシウムステアレートを含むことができる。
【0023】
球体核は1種以上の薬剤利用可能賦形剤を含むことができる。薬剤利用可能賦形剤とは可塑剤、希釈剤、着色剤及び香料を含むことができる。
【0024】
腸溶性コーティングとはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルフタレート、セルロースアセテートフタレート、アクリル酸とメタアクリル酸とのコポリマー及びこれらの混合物を含むことができる。腸溶性コーティングとはアルカリ化剤、可塑剤、粘着修正剤及び乳白剤を含むこともできる。
【0025】
薬剤組成物はカプセル状、袋体状及び錠剤状に製剤される。
【0026】
別の実施例によって、タムスロシンの放出制御性薬剤組成物の製造工程が提供される。本工程は、タムスロシン、球体化剤、及び1種以上の速度制御ポリマーを含む球体核を提供するステップ、及び球体核を腸溶性ポリマーでコーティング処理するステップ含む。核は押出球体化法で製造することができる。押出球体化工程は、タムスロシン、球体化剤及び速度制御ポリマーの顆粒化ステップ、顆粒化混合物の押出ステップ、得られた押出物の球体化ステップ、得られた球体核の乾燥ステップ、これらの球体核を腸溶性ポリマーでコーティング処理するステップを含んでいる。
【0027】
タムスロシンとはタムスロシンの遊離基、薬剤学的に利用可能な塩及び異性体を含むことができる。タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩とは塩酸塩、ヨウ化水素塩、臭化水素酸塩、フマール酸水素でよい。1例では、タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩は塩酸塩でよい。薬剤組成物は略0.03重量%から略0.33重量%のタムスロシンの濃縮物を含むことができる。
【0028】
速度制御剤とは腸溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、水溶性ポリマー、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、ワックス及びこれらの混合物を組成物の略20重量%から90重量%の濃度で含むことができる。
【0029】
腸溶性ポリマーとは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、メタアクリル酸及びエチルアクリレートコポリマーを含むことができる。特に、腸溶性ポリマーとはメタアクリル酸及びエチルアクリレートコポリマーを含むことができる。
【0030】
ワックスとは水酸化植物油、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びこれらの混合物を含むことができる。特にワックスは、モノステアリン酸グリセリン及びステアリン酸を含むことができる。
【0031】
水溶性ポリマーとはポリビニルピロリドン、ヒロドキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースソジウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びこれらの混合物を含むことができる。
【0032】
非水溶性ポリマーとはエチルセルロース、セルロースアセテート、第4級アンモニア基を有するメタアクリル酸−アクリル酸コポリマー及びこれらの混合物を含むことができる。
【0033】
高級脂肪酸のアルカリ金属塩とはマグネシウムステアレート、亜鉛ステアレート、カルシウムステアレート及びこれらの混合物を含むことができる。特に、高級脂肪酸のアルカリ金属塩はマグネシウムステアレートを含むことができる。
【0034】
球体核は1種以上の薬剤利用可能賦形剤を含むことができる。薬剤利用可能賦形剤とは可塑剤、希釈剤、着色剤及び香料を含むことができる。
【0035】
腸溶性ポリマーとはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルフタレート、セルロースアセテートフタレート、アクリル酸及びメタアクリル酸のコポリマー及びこれらの混合物を含むことができる。腸溶性コーティングはアルカリ化剤、可塑剤、粘度修正剤及び乳白剤を含むこともできる。
【0036】
薬剤組成物はカプセル状、袋体状及び錠剤状に製剤される。
【0037】
さらに別の実施例によって、タムスロシンの放出制御性薬剤組成物の製造工程が提供される。この工程は、拡散された1種以上の速度制御ポリマーを有するタムスロシン及び球体化剤の顆粒化ステップ、押出装置を使用して顆粒化物を押出すステップ、得られた押出物を球体核が形成されるまで球体化するステップ及び得られた球体核をコーティング処理するステップを含む。
【0038】
タムスロシンとは、遊離基、タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩及び異性体を含むことができる。タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩とは塩酸塩、ヨウ化水素塩、臭化水素酸塩、フマール酸水素を含むことができる。例えば、タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩は塩酸塩でよい。薬剤組成物は略0.03重量%から略0.33重量%のタムスロシンの濃縮物を含むことができる。
【0039】
速度制御剤とは腸溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、水溶性ポリマー、高級脂肪酸のアルカリ金属塩、ワックス、及びこれらの混合物を組成物の略20重量%から90重量%の濃度で含むことができる。
【0040】
腸溶性ポリマーとは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、メタアクリル酸及びエチルアクリレートコポリマーを含むことができる。特に、腸溶性ポリマーとはメタアクリル酸及びエチルアクリレートコポリマーを含むことができる。
【0041】
ワックスとは水酸化植物油、長鎖脂肪酸エステル、長鎖脂肪酸及びこれらの混合物を含むことができる。特に、ワックスはモノステアリン酸グリセリン及びステアリン酸を含むことができる。
【0042】
水溶性ポリマーとはポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースソジウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びこれらの混合物を含むことができる。
【0043】
非水溶性ポリマーとはエチルセルロース、セルロースアセテート、第4級アンモニア基を有するメタアクリル酸−アクリル酸コポリマー及びこれらの混合物を含むことができる。
【0044】
高級脂肪酸のアルカリ金属塩とはマグネシウムステアレート、亜鉛ステアレート、カルシウムステアレート及びこれらの混合物を含むことができる。特に、高級脂肪酸のアルカリ金属塩はマグネシウムステアレートを含むことができる。
【0045】
球体核は1種以上の薬剤利用可能賦形剤を含むことができる。薬剤利用可能賦形剤とは可塑剤、希釈剤、着色剤及び香料を含むことができる。
【0046】
腸溶性コーティングとは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルフタレート、セルロースアセテートフタレート、アクリル酸及びメタアクリル酸のコポリマー及びこれらの混合物を含むことができる。腸溶性コーティングはアルカリ化剤、可塑剤、粘着修正剤及び乳白剤も含むことができる。
【0047】
薬剤組成物はカプセル状、袋体状及び錠剤状に製剤される。
【0048】
さらに別の実施例では、放出制御性薬剤組成物の製造方法は、コーティングを有する核の提供ステップ、個別薬剤形成ステップ、及び1個以上の個別薬剤の組み合わせによる投与形態物形成ステップを含む。
【0049】
放出制御性複合薬剤投与形態物の製造方法の実施例は、1以上の後述する特徴を含むことができ、前述のいずれか1以上の特徴を含むことができる。1個以上の個別薬剤の組み合わせステップは、個別薬剤をカプセル体または袋体に詰めるステップあるいは、個別薬剤を錠剤に押圧するステップを含むことができる。
【0050】
さらに別の実施例では、良性前立腺過形成症の治療方法が提供される。この方法は球体核を含むタムスロシンの放出制御性薬剤組成物の投薬ステップを含む。この核はタムスロシン、略10%w/wから略45%w/wの球体化剤、及び1種以上の速度制御ポリマーを含む。核はその後腸溶性コーティングでコーティング処理される。
【0051】
実施例は、1以上の前述の特徴を含むことができる。発明の実施例の詳細は次で説明する。本発明のその他の特性、目的及び利点は明細書の説明と請求の範囲から明らかになるであワックス。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
本発明は、核がタムスロシン、略10%w/wから略45%w/wの球体化剤及び速度制御ポリマーを含んだ腸溶性コーティング球体核を含んだ放出制御性個別薬剤または複合薬剤に関する。
【0053】
「球体」は薬剤技術において一般的な用語であり、略0.1mmから2.5mmの直径を有する球体顆粒物を意味する。
【0054】
タムスロシンとはタムスロシンの遊離基、薬剤学的に利用可能な塩あるいは異性体を含むことができる。薬剤学的に利用可能な塩とは塩酸塩、ヨウ化水素塩、臭化水素酸塩、フマール酸水素を含むことができる。タムスロシンは組成物の略0.03重量%から略0.33重量%を構成する。
【0055】
球体化剤は、活性物質球と共に球体化されて球体核を形成するあらゆる薬剤利用可能物質を含むことができる。最も一般的な球体化剤は微晶質セルロースである。利用できる微晶質セルロースには例えばFMCコーポレーションのアビセル(Avicel)PH101またはアビセルPH102がある。球体化剤は製剤物の略10重量%から略45重量%の範囲で存在することができる。
【0056】
速度制御剤とは腸溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、水溶性ポリマー、高級脂肪酸のアルカリ性金属塩、ワックス、及びこれらの混合物を含むことができる。
【0057】
適切な腸溶性ポリマーとは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、ポリメチルラクリレート及びアクリル酸とメタアクリル酸のコポリマー(Eudragitの商標で販売されている)、例えば、Eudragit L30D−55(メタアクリル酸−エチルアクリレートコポリマーの拡散された陰イオン水性ポリマー)、EudragitL100−55(水性拡散物として還元されることができるスプレー乾燥させたEudragitL30D−55)、EudragitL100(pH6.0以上で溶解する陰イオンポリマー粉末)及びEudragitS100(pH7.0以上で溶解する陰イオンポリマー粉末)の従来のものを含む。
【0058】
適切なワックスとは、水酸化植物油、長鎖脂肪酸エステル、ステアリン酸及びオレイン酸、これらの混合物の長鎖脂肪酸等を含む。
【0059】
適切な非水溶性ポリマーとは、エチルセルロース、セルロースアセテート、ポリエチレンとビニルアセテートのコポリマー、Eudragit RL、Eudragit RS及びEudragit NE等の商標で販売されている第4級アンモニア基を有するメタアクリル酸メチルメタアクリレートコポリマーを含む。
【0060】
適切な高級脂肪酸のアルカリ性金属塩とはマグネシウムステアレート、亜鉛ステアレート、カルシウムステアレートを含む。
【0061】
適切な水溶性ポリマーとはポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースソジウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びこれらの混合物を含むことができる。
【0062】
速度制御ポリマーは、製剤物の略20重量%から略90重量%を構成することができる。本発明の速度制御ポリマーは結合剤として作用することもでき、適切な溶媒システムに追加、溶解あるいは拡散されることができ、得られた溶液または拡散物はその後活性剤を顆粒処理するために使用される。得られた顆粒塊はその後押出ステップまたは球体化ステップで処理される。この方法によって、速度制御ポリマーに薬剤放出をより効果的に遅延させることができる。
【0063】
選択的に、活性物質、球体化剤及び速度制御ポリマーに加えて、球体核はその他の薬剤利用可能賦形剤をも含むことができる。ここで使用するその他の薬剤利用可能賦形剤は可塑剤、希釈剤、着色剤及び香料を含む。
【0064】
適切な希釈剤とは、ラクトース、澱粉、糖アルコール、スクロース及びこれらの混合物を含む。
【0065】
本発明による放出制御性組成物は次のステップで製造される。
a.タムスロシン、球体化剤及び速度制御ポリマーを水で顆粒化処理する。
b.得られた顆粒混合物を押出処理する。
c.得られた押出物を球体核が形成されるまで球体化処理する。
【0066】
または、ステップa)による顆粒化処理は速度制御ポリマーを拡散させながら行ってもよい。
【0067】
押出処理は、スクリューフィード押出装置、円筒形ロールまたはギヤロール等のグラビティ−フィード押出装置、及びピストン−フィード押出装置等あらゆる押出装置で行うことができる。
【0068】
本発明による薬剤組成物はさらに球体核を覆うように腸溶性コーティングを含んでいる。コーティングは胃の酸性環境内おいては実質的に溶解せず、腸内で放出制御状態で長時間かけて充分に溶解する。
【0069】
腸溶性コーティングの例には、中和ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)コーティング、蜜蝋、モノステアリン酸グリセリン、シェラック及びセルロース、シェラック及びステアリン酸;メタアクリル酸及びメタアクリル酸メチルエステル(Eudragit、商品名)の中和コポリマーあるいはメタリックステアレートを含むポリメタアクリル酸エステルの中和コポリマーがある。
【0070】
ポリビニルアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートサクシネート等の従来の腸溶性コーティングを利用してもよい。
【0071】
腸溶性コーティングの大部分の物質は酸性であるため、活性物質と接触すると化学的に不安定になる。これは、水酸化ナトリウム、水酸化ポタシウム、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースソジウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムの適切なアルカリ化剤を使用することで防止できる。腸溶性コーティングは、シトレート、トリアセチン、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリブチルシトレートの可塑剤を含むこともできる。腸溶性コーティングは抗接着剤あるいは粘着修正剤をコーティング工程を安定させるための不活性補助剤として含むこともできる。適切な粘着修正剤はタルク、カオリンまたは無水コロイドシリカを含むことができる。コーティングは二酸化チタニウム等の乳白剤を含むことができる。
【0072】
腸溶性コーティング層は、流動化コーティングあるいはパンコーティング等の従来のコーティング方法で球体核の表面に形成できる。
【0073】
本発明による組成物はカプセル体、袋体に詰められるか、従来の薬学技術を用いて錠剤に押圧されることができる。前述の改良型複合薬剤システムを次の実施例でさらに説明する。これらの例は本明細書に記載の技術、組成物及び概念の説明であり、発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0074】
【表1】

【実施例2】
【0075】
【表2】

【実施例3】
【0076】
【表3】

【0077】
製造ステップ:
1. タムスロシンハイドロクロライドを水に溶解させて、得られる溶液をミキサー内で微晶質セルロースの顆粒化処理に使用する。
2. ステップ1の顆粒物を液床乾燥器内で60℃で乾燥させ、篩にかけて大きさが略600μ以下の微粒子を得る。
3. ステアリン酸マグネシウム/モノステアリン酸グリセリン/ステアリン酸及び澱粉を篩にかけ大きさが600μ以下の微粒子を得、ステップ2の顆粒物と共にミキサー中で混合する。
4. ステップ3の混合物を、拡散させたメタアクリル酸−エチルアクリレートコポリマー(Eudragit L30D55)と共にロータリーミキサーグラインダー中で顆粒化処理する。実施例3では、同じ混合物を水中でポビドンの10%溶液でさらに顆粒化処理する。
5. ステップ4の顆粒化物を内径1mmの管で押出処理する。
6. ステップ5の押出物を3.25mmピッチのプレートを備えた球体化器で球体化処理する。
7. ステップ6で得られた球体核を液床乾燥機内にて60℃で1時間乾燥させる。
8. 腸溶性コーティング物質を水中で拡散させてEudragit L100:55の拡散腸溶性コーティングを製造する。
9. ステップ7の球体核をステップ8の拡散物で略3.33%w/wの重量を追加するようにコーティングする。
10. ステップ9のコーティングされた核をカプセルに詰める。
【0078】
タムスロシンの体外放出性を調べるため、実施例1で得られたカプセルとFLOMAXカプセル(Boehringer Ingelheim製0.4mgタムスロシン含有)とを比較した。溶解実験は50rpm、pH6.8燐酸バッファ500ml中でUSP装置IIを使用して行った。結果は表1に示す。
【0079】
【表4】

表4:USP溶解装置II/500ml・pH6.8燐酸バッファ/50rpmを使用した、カプセルからのタムスロシン体外放出性データ(実施例1のもの)と、FLOMAXカプセル(Boehringer Ingelheim製)との比較
【0080】
本発明の特徴について実施例を利用して説明してきたが、本発明の本質から逸脱しない範囲でそれらの改良及び組み合わせが可能であることは言うまでもない。さらに、それら具体的な組み合わせは請求の範囲には記載されていないが、本発明の範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タムスロシンの放出制御性薬剤組成物であって、本組成物は
(a)i.タムスロシン
ii.略10%w/wから45%w/wの球体化剤
iii.1種以上の速度制御ポリマー
を含む球体核と、
(b)該球体核を覆う腸溶性コーティングと、
を含んでいることを特徴とする薬剤組成物。
【請求項2】
タムスロシンとはタムスロシンの遊離基、薬剤学的に利用可能な塩及び異性体を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩とは、塩酸塩、ヨウ化水素塩、臭化水素酸及びフマール酸水素を含むことを特徴とする請求項2記載の組成物。
【請求項4】
タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩は塩酸塩であることを特徴とする請求項3記載の組成物。
【請求項5】
組成物は略0.03%重量%から略0.33重量%のタムスロシンの濃縮物を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項6】
球体化剤は微晶質セルロースであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項7】
速度制御ポリマーとは、腸溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、水溶性ポリマー高級脂肪酸のアルカリ性金属塩、ワックス、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項8】
組成物は、略20重量%から略90重量%の速度制御ポリマーを含んでいることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項9】
腸溶性ポリマーとは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、メタアクリル酸とエチルアクリレートのコポリマーを含むことを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項10】
腸溶性ポリマーとは1種以上のメタアクリル酸とエチルアクリレートのコポリマーを含むことを特徴とする請求項9記載の組成物。
【請求項11】
ワックスとは、水酸化植物油、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項12】
ワックスは、モノステアリン酸グリセリンであることを特徴とする請求項11記載の組成物。
【請求項13】
ワックスは、ステアリン酸であることを特徴とする請求項11記載の組成物。
【請求項14】
水溶性ポリマーとは、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースソジウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項15】
非水溶性ポリマーとは、エチルセルロース、セルロースアセテート、第4級アンモニア基を有するメタアクリル酸−アクリル酸コポリマー、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項16】
高級脂肪酸のアルカリ性金属塩とは、マグネシウムステアレート、亜鉛ステアレート、カルシウムステアレート、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項17】
高級脂肪酸のアルカリ性金属塩は、マグネシウムステアレートであることを特徴とする請求項16記載の組成物。
【請求項18】
球体核は、1種以上の薬剤学的に利用可能な賦形剤を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項19】
薬剤学的に利用可能な賦形剤とは、可塑剤、希釈剤、着色剤及び香料を含むことを特徴とする請求項18記載の組成物。
【請求項20】
腸溶性コーティング層とは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルフタレート、セルロースアセテートフタレート、アクリル酸とメタアクリル酸のコポリマー、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項21】
腸溶性コーティングとは、アルカリ化剤、可塑剤、粘度修正剤及び乳白剤を含むことを特徴とする請求項20記載の組成物。
【請求項22】
組成物とはカプセル体、袋体及び錠剤形状であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項23】
タムスロシンの放出制御性薬剤組成物の製造方法であって、本方法は、
(a)タムスロシン、球体化剤及び1種以上の速度制御ポリマーを顆粒化処理して顆粒混合物を得るステップと、
(b)該顆粒混合物を押出処理して押出物を得るステップと、
(c)該押出物を球体化処理して球体核を得るステップと、
(d)該球体核を乾燥させるステップと、
(e)該球体核を腸溶性ポリマーでコーティング処理するステップと、
を含むことを特徴とする薬剤組成物の製造方法。
【請求項24】
タムスロシンとは、タムスロシンの遊離基、薬剤学的に利用可能な塩及び異性体を含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項25】
タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩とは、塩酸塩、ヨウ化水素塩、臭化水素酸塩及びフマール酸水素を含むことを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩は塩酸塩であることを特徴とすることを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
薬剤組成物は、略0.03重量%から略0.33重量%のタムスロシンの濃縮物を含むことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項28】
球体剤は微晶質セルロースであることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項29】
速度制御ポリマーとは、腸溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、水溶性ポリマー、高級脂肪酸のアルカリ性金属塩、ワックス、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項30】
薬剤組成物は、略20重量%から略90重量%の速度制御ポリマーの濃縮物を含むことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項31】
腸溶性ポリマーとは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、メタアクリル酸とエチルアクリレートのコポリマーを含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項32】
腸溶性ポリマーとは、メタアクリル酸及びエチルアクリレートのコポリマーを含むことを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項33】
ワックスとは、水酸化植物油、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項34】
ワックスは、モノステアリン酸グリセリンであることを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項35】
ワックスは、ステアリン酸であることを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項36】
水溶性ポリマーとは、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースソジウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項37】
非水溶性ポリマーとは、エチルセルロース、セルロースアセテート、第4級アンモニウム基を有するメタアクリル酸−アクリル酸コポリマー、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項38】
高級脂肪酸のアルカリ性金属塩とは、マグネシウムステアレート、亜鉛ステアレート、カルシウムステアレート及びこれらの混合物であることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項39】
高級脂肪酸のアルカリ性金属塩はマグネシウムステアレートであることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項40】
球体核は1種以上の薬剤学的に利用可能な賦形剤を含むことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項41】
薬剤学的に利用可能な賦形剤とは、可塑剤、希釈剤、着色剤あるいは香料を含むことを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項42】
腸溶性コーティングは、腸溶性ポリマーを含むことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項43】
腸溶性ポリマーとは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルフタレート、セルロースアセテートフタレート、アクリル酸とメタアクリル酸のコポリマー、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項44】
腸溶性コーティングとは、アルカリ化剤、可塑剤、粘度修正剤及び乳白剤を含むことを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項45】
組成物とは、カプセル体、袋体あるいは錠剤であることを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項46】
タムスロシンの放出制御性薬剤組成物の製造方法であって、本方法は、
(a)タムスロシンと球体化剤を拡散された1種以上の速度制御ポリマーと共に顆粒化処理し、顆粒物を得るステップと、
(b)押出装置で前記顆粒物を押出処理し、押出物を形成するステップと、
(c)該押出物を球体核が形成されるまで球体化処理するステップと、
(d)前記球体核を腸溶性ポリマーでコーティング処理するステップと、
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項47】
タムスロシンとは、タムスロシンの遊離基、薬剤学的に利用可能な塩及び異性体を含むことを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項48】
タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩とは、塩酸塩、ヨウ化水素塩、臭化水素酸塩、及びフマール酸水素を含むことを特徴とする請求項47記載の方法。
【請求項49】
タムスロシンの薬剤学的に利用可能な塩は塩酸塩であることを特徴とする請求項48記載の方法。
【請求項50】
薬剤組成物は、略0.03重量%から略0.33重量%のタムスロシンの濃縮物を含むことを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項51】
球体化剤は微晶質セルロースであることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項52】
速度制御ポリマーとは、腸溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、水溶性ポリマー、高級脂肪酸のアルカリ性金属塩、ワックス、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項53】
薬剤組成物は、略20重量%から略90重量%の速度制御ポリマーの濃縮物を含むことを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項54】
腸溶性ポリマーとは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、メタアクリル酸とエチルアクリレートのコポリマーを含むことを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項55】
腸溶性ポリマーとは、メタアクリル酸とエチルアクリレートのコポリマーを含むことを特徴とする請求項54記載の方法。
【請求項56】
ワックスとは、水酸化植物油、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項57】
ワックスは、モノステアリン酸グリセリンであることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
ワックスは、ステアリン酸であることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項59】
水溶性ポリマーとは、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースソジウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項60】
非水溶性ポリマーとは、エチルセルロース、セルロースアセテート、第4級アンモニウム基を有するメタアクリル酸とアクリル酸のコポリマー、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項61】
高級脂肪酸のアルカリ性金属塩とは、マグネシウムステアレート、亜鉛ステアレート、カルシウムステアレート、及びこれらの混合物であることを特徴とする請求項52記載の方法。
【請求項62】
高級脂肪酸のアルカリ性金属塩はマグネシウムステアレートであることを特徴とする請求項61記載の方法。
【請求項63】
球体核は、1種以上の薬剤学的に利用可能な賦形剤を含むことを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項64】
薬剤学的に利用可能な賦形剤とは、可塑剤、希釈剤、着色剤及び香料を含むことを特徴とする請求項63記載の方法。
【請求項65】
腸溶性コーティングは腸溶性ポリマーを含むことを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項66】
腸溶性ポリマーとは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリビニルフタレート、セルロースアセテートフタレート、アクリル酸とメタアクリル酸のコポリマー、及びこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項65記載の方法。
【請求項67】
腸溶性コーティングとは、アルカリ化剤、可塑剤、粘度修正剤及び乳白剤を含むことを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項68】
組成物とは、カプセル体、袋体あるいは錠剤であることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項69】
良性前立腺過形成の治療方法であって、タムスロシンの放出制御性薬剤組成物の投与ステップを含んでおり、該組成物は、
(a)i.タムスロシン
ii.略10%w/wから略45%w/wの球体化剤
iii.速度制御ポリマーと、
を含む球体核と、
(b)該球体核を覆う腸溶性コーティングと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項70】
1個以上の個別薬剤を含む放出制御性薬剤組成物であって、前記個別薬剤は、
(a)i.タムスロシンと、
ii.略10%w/wから略45%w/wの球体化剤と、
iii.速度制御ポリマー、
とを含む球体核と、
(b)該球体核を覆う腸溶性コーティングと、
を含んでいることを特徴とする薬剤組成物。
【請求項71】
組成物とは、カプセル体、袋体あるいは錠剤であることを特徴とする請求項70記載の組成物。

【公表番号】特表2006−512358(P2006−512358A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561893(P2004−561893)
【出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【国際出願番号】PCT/IB2003/006072
【国際公開番号】WO2004/056354
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(303055305)ランバクシー ラボラトリーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】