説明

タンク

【課題】本発明は、温度センサを備えるタンクにおいて、ガスの充填時におけるタンク内部のガスの温度を容易に検出すること、および、タンク全体のコストの抑制を図ることを目的とする。
【解決手段】タンクは、タンクの内部に充填されるガスが充填時に通過する第1の流路と、第1の流路の一部の断面積が他の部分の断面積よりも相対的に小さくなるように、第1の流路上に形成されている絞り部と、一方の端部が第1の流路に接続され、他方の端部がタンクの内部に開放されている第2の流路であって、一方の端部は、絞り部の下流側において絞り部に隣接して第1の流路に接続されている第2の流路と、第2の流路に配置され、第2の流路を流通するガスの温度を検出する温度検出部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを貯蔵するためのタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、水素ガスを貯蔵するためのタンクにおいて、外部から供給される水素ガスの温度を検出するための温度センサを備えたタンクが知られている(特許文献1)。また、タンク内部の水素ガスの温度を検出するための温度センサがバルブアセンブリに設置されているタンクが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−89793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、温度センサをバルブアセンブリに設置した場合、バルブやセンサなどを集約することができる反面、バルブアセンブリの小型化を図ると、水素ガスの充填中に温度センサにより検出される温度は、タンクに供給される水素ガスの温度の影響を受ける虞があった。すなわち、水素ガスが予め冷却された状態でタンクに供給されると、温度センサによりタンク内部の水素ガスの温度を正確に測れない虞があった。そのため、ガスの充填時にタンクに充填されている水素量を温度センサにより検出された温度から正確に推定できない虞があった。一方、バルブアセンブリにおいて、温度センサと、外部から流入する水素ガスの流路とを離すように構成するとバルブアセンブリの小型化が図れず、タンク全体のコストが抑制できないなどの問題があった。このように、タンク内部の水素ガスの温度を検出する温度センサを備えるタンクの形状や構成については、なお改善の余地があった。
【0005】
なお、このような課題は、水素ガスを貯蔵するタンクに限定されず、圧縮天然ガス(CNGガス)やプロパンガスを貯蔵するタンクについての共通の課題でもあった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、温度センサを備えるタンクにおいて、ガスの充填時におけるタンク内部のガスの温度を容易に検出することを第1の目的とする。また、タンク全体のコストの抑制を図ることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本願発明は、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]
タンクであって、
前記タンクの内部に充填されるガスが充填時に通過する第1の流路と、
前記第1の流路の一部の断面積が他の部分の断面積よりも相対的に小さくなるように、前記第1の流路上に形成されている絞り部と、
一方の端部が前記第1の流路に接続され、他方の端部が前記タンクの内部に開放されている第2の流路であって、前記一方の端部は、前記絞り部の下流側において前記絞り部に隣接して前記第1の流路に接続されている第2の流路と、
前記第2の流路に配置され、前記第2の流路を流通するガスの温度を検出する温度検出部と、を備えるタンク。
【0009】
この構成によれば、温度検出部が配置されている第2の流路は、一方の端部が第1の流路において断面積が他の部分の断面積よりも相対的に小さい部分に隣接して接続され、他方の端部がタンクの内部に開放されているため、ガスの充填時であっても、温度検出部によりタンク内部のガスの温度を容易に検出することができる。また、タンク全体のコストの抑制を図ることができる。
【0010】
[適用例2]
適用例1に記載のタンクにおいて、
前記絞り部は、平板状の部材が前記第1の流路上に配置されることにより形成されている、タンク。
【0011】
この構成によれば、平板状の部材を第1の流路上に配置することにより、第1の流路において断面積が他の部分の断面積よりも相対的に小さい絞り部を容易に構成することができる。
【0012】
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載のタンクはさらに、
前記第2の流路を流通するガスを保温するための断熱材を備えているタンク。
【0013】
この構成によれば、第2の流路を流通するガスの温度とタンク内部のガスの温度との差異を抑制することができる。
【0014】
[適用例4]
タンクの開口部に接続されるバルブアセンブリであって、
前記タンクの内部に充填されるガスが充填時に通過する第1の流路と、
前記第1の流路の一部の断面積が他の部分の断面積よりも相対的に小さくなるように、前記第1の流路上に形成されている絞り部と、
一方の端部が前記第1の流路に接続され、他方の端部が前記タンクの内部に開放されている第2の流路であって、前記一方の端部は、前記絞り部の下流側において前記絞り部に隣接して前記第1の流路に接続されている第2の流路と、
前記第2の流路に配置され、前記第2の流路を流通するガスの温度を検出する温度検出部と、を備えるバルブアセンブリ。
【0015】
この構成によれば、バルブアセンブリにおいて、温度検出部が配置されている第2の流路は、一方の端部が第1の流路において断面積が他の部分の断面積よりも相対的に小さい部分に隣接して接続され、他方の端部がタンクの内部に開放されているため、ガスの充填時であっても、温度検出部によりタンク内部のガスの温度を容易に検出することができる。また、バルブアセンブリのコストの抑制を図ることができる。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、タンクを含んで構成される燃料電池システムや燃料電池車両のほか、タンク内部のガスの温度の検出方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施例におけるタンクの断面構成を説明するための説明図である。
【図2】温度検出流路に生じるベンチュリ効果を説明するための説明図である。
【図3】比較例1におけるタンクの断面構成を説明するための説明図である。
【図4】比較例2におけるタンクの断面構成を説明するための説明図である。
【図5】変形例1におけるタンクの断面構成を説明するための説明図である。
【図6】変形例2におけるタンクの断面構成を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0019】
A.第1実施例:
A−1.タンクの構成:
図1は、第1実施例におけるタンクの断面構成を説明するための説明図である。タンク100は、圧縮された状態の水素ガスを貯蔵するためのガスボンベである。タンク100には、例えば、2M〜85M[Pa]程度の高圧の水素ガスが貯蔵される。タンク100は、ライナ110と、補強層120と、口金130と、バルブアセンブリ140と、を備えている。タンク100は、バルブアセンブリ140を介して、ガス供給用管路210とガス充填用管路220にそれぞれ接続されている。タンク100は、内部に貯蔵している水素ガスをガス供給用管路210からレギュレータ211を介して図示しない燃料電池等に供給する。また、タンク100は、ガス充填用管路220のレセプタクル221に図示しないガス供給装置のノズルが接続されることにより、ガス供給装置からガス充填用管路220を介して水素ガスの供給を受け、内部に水素ガスが充填される。
【0020】
ライナ110は、略円筒形の外形を備え、内側に水素ガスを貯蔵するための樹脂製の容器である。ライナ110は、端部に口金130やバルブアセンブリ140を配置するための開口部110pを備えている。ライナ110は、例えば、ポリアミド、ナイロン、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレン等の樹脂により形成されている。なお、ライナ110は、アルミニウム合金などの金属により形成されていてもよい。
【0021】
補強層120は、ライナ110の外周面上に形成され、タンク100の耐圧殻として機能する。補強層120は、ライナ110の開口部110pと対応する位置に開口部120pを備えている。補強層120は、例えば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)により形成されている。ライナ110の開口部110pと補強層120の開口部120pは、後述する口金130の鍔部130aを両側から挟むようにして鍔部130aと密着し、口金130とライナ110との接合部からの水素ガスのリークを抑制している。
【0022】
口金130は、ステンレスやアルミなどの金属で形成され、略円筒形の外形を有している。口金130の外周部には、鍔部130aが形成されている。口金130は、ライナ110の開口部110pに挿入されている。また、口金130は、開口部の内周面に雌ねじ130sが形成されている。口金130の開口部には、バルブアセンブリ140がねじ込まれて固定されている。
【0023】
バルブアセンブリ140は、タンク100の内部に貯蔵されている水素ガスの出し入れをおこなうためガス流路や弁などを含んで構成されるモジュールである。バルブアセンブリ140は、ガス充填流路141と、仕切板142と、温度検出流路143と、温度センサ144と、を備えている。本実施例では図示を省略するが、バルブアセンブリ140は、ほかに、タンク100の内部に貯蔵されている水素ガスをタンク100のガス供給用管路210に放出するためのガス放出流路や、タンク100の内部の圧力が所定以上になったときにタンク内部の水素ガスを外部に放出するための安全流路や、手動の開閉弁や電磁弁などを備えている。
【0024】
ガス充填流路141は、タンク100の内部に充填される水素ガスが充填時に通過する流路であり、一方の端部141e1がガス充填用管路220と接続され、他方の端部141e2がタンク100の内部に開放されている。ガス充填流路141の経路上には、図示しない開閉弁が配置されている。また、ガス充填流路141の経路上には、図示しない安全流路が接続されている。なお、ガス充填流路141は、水素ガスの充填時に充填されるガスが通過する流路としての機能のみを備えていてもよいし、経路上に図示しないガス放出流路の端部が接続されることにより、ガス供給用管路210に放出される水素ガスが流通するガス放出流路としての機能も併せて備えていてもよい。以後、本実施例では、ガス充填流路141について、ガス充填用管路220に接続されている端部141e1側を流路の上流側、タンク100の内部に開放されている端部141e2側を流路の下流側として説明する。
【0025】
仕切板142は、平板状の外形を備え、主面である平面部がガス充填流路141を流通するガスの流通方向と沿うようにして、端面がガス充填流路141上に固定されている。仕切板142がガス充填流路141に配置されることにより、仕切板142が配置された部分のガス充填流路141の断面積は、他の部分の断面積より相対的に小さくなっている。
【0026】
温度検出流路143は、タンク100の内部に充填されている水素ガスを流通させてタンク内部の水素ガスの温度を検出するための流路である。温度検出流路143は、一方の端部143e1が、ガス充填流路141において仕切板142の下流側で仕切板142と隣接するようにガス充填流路141に接続され、他方の端部143e2が、タンク100の内部に開放されている。温度検出流路143は、ガス充填流路141の下流側において仕切板142に隣接するように接続されているため、ベンチュリ効果により、タンク100の内部に充填されている水素ガスを端部143e2から取り入れ、温度検出流路143の内部を流通させた後に端部143e1を介してガス充填流路141に排出する。温度検出流路143に生じるベンチュリ効果の詳細については後述する。
【0027】
温度センサ144は、温度検出流路143に配置され、温度検出流路143を流通するガスの温度を検出する。本実施例では、温度検出流路143には、タンク100の内部に充填されている水素ガスが流通するため、温度センサ144は、タンク100の内部に充填されている水素ガスの温度を検出する。
【0028】
A−2.効果例:
図2は、温度検出流路に生じるベンチュリ効果を説明するための説明図である。本実施例のバルブアセンブリ140は、ガス充填流路141と温度検出流路143により、アスピレータが構成されている。具体的には、ガス充填流路141は、流路の一部に他の部分より相対的に断面積が小さい部分(仕切板142が配置された部分)を有するとともに、この部分に隣接して温度検出流路143が接続されている。この構成により、タンク100への水素ガスの充填時に、充填される水素ガスGhsがガス充填流路141を通過すると、ベンチュリ効果によって仕切板142の下流側が低圧化する。すなわち、水素ガスGhsがガス充填流路141を通過すると、温度検出流路143の端部143e1側が低圧となり、タンク100の内部の水素ガスGhcは、端部143e2から温度検出流路143に流入し、端部143e1を介して温度検出流路143からガス充填流路141に移動する。そのため、温度検出流路143に配置されている温度センサ144は、タンク100の内部から温度検出流路143に流入した水素ガスGhcの温度、すなわち、タンク100の内部に充填されている水素ガスの温度を検出することができる。
【0029】
本実施例におけるガス充填流路141は、特許請求の範囲における「第1の流路」に該当する。本実施例における仕切板142は、特許請求の範囲における「絞り部」に該当する。本実施例における温度検出流路143は、特許請求の範囲における「第2の流路」に該当する。
【0030】
以上説明した、本実施例のバルブアセンブリ140によれば、温度検出流路143は、一方の端部143e2がガス充填流路141において、断面積が他の部分の断面積よりも相対的に小さい部分に隣接して接続され、他方の端部143e1がタンク100の内部に開放されているため、温度センサ144によりタンク内部のガスの温度を容易に検出することができる。具体的には、本実施例のバルブアセンブリ140は、ガス充填流路141と温度検出流路143により、アスピレータが構成されている。そのため、タンク100への水素ガスの充填時に、充填される水素ガスがガス充填流路141を通過すると、ベンチュリ効果によって、温度検出流路143の端部143e1側が低圧となり、タンク100の内部の水素ガスは、端部143e2から温度検出流路143に流入し、端部143e1を介して温度検出流路143からガス充填流路141に移動する。よって、温度検出流路143に配置されている温度センサ144は、タンク100の内部から温度検出流路143に流入した水素ガスの温度、すなわち、タンク100の内部に充填されている水素ガスの温度を検出することができる。
【0031】
本実施例のタンク100によれば、タンク100は、ガス充填流路141と温度検出流路143によってアスピレータが構成されているバルブアセンブリ140を備えているため、バルブアセンブリ140に配置された温度センサ144によりタンク内部に充填されているガスの温度を容易に検出することができる。
【0032】
図3は、比較例1におけるタンクの断面構成を説明するための説明図である。図4は、比較例2におけるタンクの断面構成を説明するための説明図である。図3に示すタンク100xは、従来例1としてのバルブアセンブリ140xを備えている。また、図4に示すタンク100yは、従来例2としてのバルブアセンブリ140yを備えている。
【0033】
従来から、図3に示すように、温度センサ144を備えたバルブアセンブリ140xが知られている。温度センサ144をバルブアセンブリ140xやバルブアセンブリ140xの近傍に配置することにより、温度センサ144の電気配線を図示しない電磁弁などの電気配線と集約することができるほか、温度センサを設置するための加工をライナ110や補強層120におこなう必要がないため、ライナ110や補強層120の気密性の低下を抑制することができる。これらのことから、温度センサをバルブアセンブリに配置することにより、タンクのコストの抑制を図ることができる。
【0034】
温度センサがバルブアセンブリに配置されたタンクについて、コストのさらなる抑制を図るために、バルブアセンブリの小型化を図りたいという要望があった。しかし、バルブアセンブリを小型化した場合、図4に示すように、温度センサ144は、ガス充填流路141の端部141e2を介して供給される水素ガスGhsの温度の影響を受けることにより、タンク内部に充填されている水素ガスの温度を正確に検出できない問題があった。例えば、ガス充填流路141から供給される水素ガスGhsが予め冷却された状態でタンク100に供給されると、温度センサ144により検出される温度は、タンク内部に充填されている水素ガスの温度よりも低くなる虞があった。
【0035】
一方、本発明に係るバルブアセンブリ140によれば、バルブアセンブリの小型化を図った場合であっても、ガス充填流路141と温度検出流路143によってアスピレータが構成されているため、ベンチュリ効果によって、タンク内部に充填されている水素ガスを温度検出流路143の内部に取り入れることができ、温度検出流路143の内部に配置されている温度センサ144によりタンク内部に充填されているガスの温度を正確に検出することができる。すなわち、本発明に係るバルブアセンブリ140によれば、温度センサを備えるバルブアセンブリの小型化を図りつつ、タンク内部に充填されているガスの温度を正確に検出することができる。
【0036】
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0037】
B1.変形例1:
図5は、変形例1におけるタンクの断面構成を説明するための説明図である。図5に示すように、バルブアセンブリ140aは、バルブアセンブリ140aから口金130への熱伝達を抑制するための断熱層を備えていてもよい。具体的には、バルブアセンブリ140aは、口金130と接触する外周面に断熱層145が形成されていてもよい。これにより、バルブアセンブリ140から口金130への熱伝達を抑制することができる。これは、ガス充填流路141から供給される水素ガスが予め冷却されている場合には、バルブアセンブリ140aからの熱伝達により口金130が冷却され、さらに口金130により口金130の周囲の水素ガスが冷却される。口金130の周囲の水素ガスが冷却されると、温度センサ144はタンク内部に充填されている水素ガスの温度を正確に検出できない虞があった。しかし、バルブアセンブリ140aから口金130への熱伝達を抑制することにより、口金130の周囲の水素ガスが口金130により冷却される不具合を抑制することができ、温度センサ144によるタンク内部に充填されている水素ガスの温度を検出する精度の向上を図ることができる。
【0038】
また、バルブアセンブリ140aは、温度検出流路143の内側に断熱層146が形成されていてもよい。これにより、温度検出流路143から温度検出流路143を流通する水素ガスへの熱伝達を抑制することができる。具体的には、ガス充填流路141から供給される水素ガスが予め冷却されている場合には、熱伝導により温度検出流路143が冷却され、温度検出流路143が温度検出流路143を流通する水素ガスを冷却する虞があった。しかし、温度検出流路143から温度検出流路143を流通する水素ガスへの熱伝達を抑制することにより、温度検出流路143を流通する水素ガスが温度検出流路143により冷却される不具合を抑制することができ、温度センサ144によるタンク内部に充填されている水素ガスの温度を検出する精度の向上を図ることができる。
【0039】
なお、断熱層145、146は、口金130やバルブアセンブリ140aよりも熱伝達率が低い材料であれば特に限定はなく、例えば、EPDMやシリコーンなどにより形成することができる。また、バルブアセンブリ140aは、断熱層145、146の両方を備えている必要はなく、いずれか一方のみを備えていてもよい。
【0040】
また、本実施例では、ガス充填流路141や温度検出流路143は、バルブアセンブリ140の他の構成部と一体的に形成されているが、ガス充填流路141や温度検出流路143は、バルブアセンブリ140の他の構成部と異なる部材により形成されていてもよい。例えば、バルブアセンブリ140は、弁やガス充填流路141の一部が形成されている第1のアセンブリと、ガス充填流路141の残部と温度検出流路143が形成されている第2のアセンブリにより構成されていてもよい。このとき、第1のアセンブリと第2のアセンブリは異なる材料により形成されていてもよい。例えば、第2のアセンブリは第1のアセンブリよりも熱伝導率が低い材料により形成されていてもよい。
【0041】
B2.変形例2:
図6は、変形例2におけるタンクの断面構成を説明するための説明図である。本実施例では、バルブアセンブリ140は、仕切板142により、ガス充填流路141の一部に他の部分より相対的に断面積が小さい部分が形成されるものとして説明したが、バルブアセンブリ140は、ガス充填流路141の一部に他の部分より相対的に断面積が小さい部分が形成されていれば、仕切板142を備えていなくてもよい。例えば、図6に示すように、バルブアセンブリ140bは、ガス充填流路141の一部に流路面が他の部分よりも隆起している隆起部142bを備えることにより、ガス充填流路141の一部に他の部分より相対的に断面積が小さい部分が形成されていてもよい。この場合であっても本実施例と同様の効果を奏することができる。
【0042】
B3.変形例3:
本実施例では、タンク100は、水素ガスを貯蔵するための容器として説明しているが、本発明は、水素ガスを貯蔵するためのタンクに限定されず、種々のタンクに適用することが可能である。例えば、圧縮天然ガス(CNGガス)やプロパンガスを貯蔵するタンクに本発明を適用した場合であっても、上記実施例で示した効果と同様の効果を奏することができる。
【0043】
B4.変形例4:
本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、タンクを含んで構成される燃料電池システムや燃料電池車両のほか、タンク内部のガスの温度の検出方法等の形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0044】
100…タンク
110…ライナ
110p…開口部
120…補強層
120p…開口部
130…口金
130a…鍔部
140…バルブアセンブリ
141…ガス充填流路
142…仕切板
143…温度検出流路
144…温度センサ
145,146…断熱層
210…ガス供給用管路
211…レギュレータ
220…ガス充填用管路
221…レセプタクル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクであって、
前記タンクの内部に充填されるガスが充填時に通過する第1の流路と、
前記第1の流路の一部の断面積が他の部分の断面積よりも相対的に小さくなるように、前記第1の流路上に形成されている絞り部と、
一方の端部が前記第1の流路に接続され、他方の端部が前記タンクの内部に開放されている第2の流路であって、前記一方の端部は、前記絞り部の下流側において前記絞り部に隣接して前記第1の流路に接続されている第2の流路と、
前記第2の流路に配置され、前記第2の流路を流通するガスの温度を検出する温度検出部と、を備えるタンク。
【請求項2】
請求項1に記載のタンクにおいて、
前記絞り部は、平板状の部材が前記第1の流路上に配置されることにより形成されている、タンク。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のタンクはさらに、
前記第2の流路を流通するガスを保温するための断熱材を備えているタンク。
【請求項4】
タンクの開口部に接続されるバルブアセンブリであって、
前記タンクの内部に充填されるガスが充填時に通過する第1の流路と、
前記第1の流路の一部の断面積が他の部分の断面積よりも相対的に小さくなるように、前記第1の流路上に形成されている絞り部と、
一方の端部が前記第1の流路に接続され、他方の端部が前記タンクの内部に開放されている第2の流路であって、前記一方の端部は、前記絞り部の下流側において前記絞り部に隣接して前記第1の流路に接続されている第2の流路と、
前記第2の流路に配置され、前記第2の流路を流通するガスの温度を検出する温度検出部と、を備えるバルブアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−97815(P2012−97815A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245943(P2010−245943)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】