説明

タンデムプレス装置とその金型交換方法

【課題】直列に配置された複数のプレス装置を備え、隣接するプレス装置間にワークが通過できるスペースを設けることができ、かつプレスライン全長を短縮することができ、金型交換をスムースに短時間にできるタンデムプレス装置とその金型交換方法を提供する。
【解決手段】プレスライン1に沿って直列に配置された複数のプレス装置26A,26Bを備え、隣接するプレス装置間に所定の間隔Aを隔てたタンデムプレス装置。プレスライン方向に各プレス装置内にそれぞれの金型を搬入・搬出し、プレスラインに直交する方向に間隔Aを通してプレス装置外とプレスラインの間で金型を搬送する金型交換装置20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンデムプレス装置とその金型交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレス機械は、下金型が固定されたボルスタに対して、上金型が固定されたスライドを上下動させ、下金型と上金型の間でワーク(薄板等)を挟んで成形加工する装置である。
このようなプレス機械において、金型を交換する際には、水平移動可能に構成された金型交換装置の上にボルスタ及び金型(下金型及び上金型)を載せた状態で、金型交換装置を水平移動させて、プレス機械内から金型を搬出・搬入する。
この金型交換をスムースに短時間で行うために、例えば特許文献1〜3が既に提案されている。
【0003】
特許文献1の「プレスのボルスタ走行装置」は、トライアウトプレスシステム等において、プレス稼働効率を向上させることを目的とする。
そのため、この装置では、図4に示すように、所定間隔をおいて並べられた2つのプレス51、52の間に中間待機ステーションSmを設け、中間待機ステーションSmの側方に末端待機ステーションSeを設け、縦方向ボルスタ走行レール53を一方のプレス51から中間待機ステーションSmを経由して他方のプレス52までのびるように設け、横方向ボルスタ走行レール54を中間待機ステーションSmから末端待機ステーションSeまでのびるように設け、縦方向ボルスタ走行レール53および横方向ボルスタ走行レール54に2つの縦横双方向走行ボルスタ55をのせたものである。
【0004】
特許文献2の「トランスファプレスの金型交換方法」は、金型交換の作業時間を短縮することを目的とする。
そのため、この方法では、図5に示すように、金型61Aと、前後にフィードバー受け65とスクラップシュート66を一体としたフィードバー受けユニット67Aを設けたムービングボルスタ60Aの、トランスファプレス62後方の引き出し位置63から右定位置64Aへの横走行に同調して、左定位置64Bで金型61Bとフィードバー受けユニット67Bを搭載して待機するムービングボルスタ60Bが引き出し位置63を経てトランスファプレス62内に着床する。
ムービングボルスタ60Aは、右定位置64Aでフィードバー受けユニット67Aを取り外し、引き出し位置63で金型交換台車68で金型61Aを取り外し、金型を搭載後、右定位置64Aに戻り、フィードバー受けユニットを取り付けて待機するものである。
【0005】
特許文献3の「プレス金型搬送台車」は、プレスの前部位置付近でのクレーン作業を行うことなく、プレス金型を能率よく交換できるようにすることを目的とする。
そのため、この装置では、図6に示すように、台車フレーム71の前後方向の一端部左右位置と他端部左右位置に、走行車輪73aと73bを配置する。台車フレーム71の左右方向の一端部前後位置と他端部前後位置に、横行車輪76aと76bを配置する。走行車輪73aと73bを昇降可能とし、台車全体の荷重を走行車輪73a,73b又は横行車輪76a,76bに選択的に受けもたせるようにする。走行車輪73a,73bと横行車輪76a,76bを電動モータ75で駆動できるようにし、電動モータ75へ給電を行うバッテリー72を台車フレーム71上に搭載するものである。
【0006】
【特許文献1】特開2002−160027号公報、「プレスのボルスタ走行装置」
【特許文献2】特開平9−85360号公報、「トランスファプレスの金型交換方法」
【特許文献3】特開2004−50259号公報、「プレス金型搬送台車」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図7は、従来のタンデムプレス装置の模式図であり、上方から見た平面図である。タンデムプレス装置は、複数(この図では2台)のプレス装置80A,80Bが直列に配置され、ワーク81をこの図で左から右に順次搬送しながらプレス加工する装置である。以下、この図で左側を「前」、右側を「後」と呼ぶ。
この図において、各プレス装置80A,80Bは、ボルスタが載るベッド(図示せず)と、スライドを上下動させる駆動機構を内蔵したクラウン82とが4本の柱(アプライト84)により連結された構造を有する。下金型と上金型の間でワークを成形加工する成形力の反力は、下金型が固定されたボルスタと上金型が固定されたスライドを介して、上下のクラウン82とベッドに伝達され、アプライト84に引張力と曲げモーメントが作用する。
【0008】
図8において、86は使用中の金型交換装置、88は交換する金型交換装置である。
使用中の金型交換装置86は、金型交換のために、ボルスタ及び使用中の金型(下金型及び上金型)を載せた状態にある。以下、ボルスタ及び使用中の金型を含めて使用中の金型交換装置86を「旧金型装置」と呼ぶ。
また、交換する金型交換装置88は、金型交換のために、ボルスタ及び交換する金型(下金型及び上金型)を載せた状態にある。以下、ボルスタ及び交換する金型を含めて交換する金型交換装置88を「新金型装置」と呼ぶ。
【0009】
従来のタンデムプレス装置では、各プレス装置80A,80Bの左右(この図で上下)に金型交換装置86,88が通過する開口を設け、金型交換装置86,88を左右方向に移動して金型を交換していた。以下、この図で下側を「左」、上側を「右」と呼ぶ。
そのため、従来の各プレス装置80A,80Bでは、ワーク81を前後方向に通す開口と、金型交換装置86,88を左右方向に通す開口とが不可欠であった。そのため、特に前後方向の間隔が広くなり、4本のアプライト84に作用する曲げモーメントも大きくなるので、アプライトの断面積が大きくなり、かつ各プレス装置の前後方向の長さが大きくなる問題点があった。
さらに、隣接するプレス装置80A,80Bの間に、ワークが通過できるスペースA(例えば約2m)が求められる場合があり、その結果、タンデムプレス装置のプレスラインが長くなる問題点があった。
【0010】
上述した特許文献1の装置は、トライアウトプレスを前提としており、特許文献2の装置は、複数の金型を1台のボルスタに載せたトランスファプレスを前提としている。そのため、従来のタンデムプレス装置への適用は困難であった。
【0011】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。
すなわち、本発明の目的は、直列に配置された複数のプレス装置を備え、隣接するプレス装置間にワークが通過できるスペースを設けることができ、かつプレスライン全長を短縮することができ、金型交換をスムースに短時間にできるタンデムプレス装置とその金型交換方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、プレスラインに沿って直列に配置された複数のプレス装置を備え、隣接するプレス装置間に所定の間隔を隔てたタンデムプレス装置であって、
プレスライン方向に各プレス装置内にそれぞれの金型を搬入・搬出し、プレスラインに直交する方向に前記間隔を通してプレス装置外とプレスラインの間で金型を搬送する金型交換装置を備える、ことを特徴とするタンデムプレス装置が提供される。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記金型交換装置は、複数のプレス装置を通してプレスライン方向に水平に延びる前後方向レールと、
前記プレス装置間の間隔に設けられプレスラインに直交する水平方向に延びる複数の左右方向レールと、
前記前後方向レールと左右方向レールとの間で乗り換え可能であり、すべてのプレス装置に対応してそれぞれ設けられた2台の金型搬送台車とを備え、
該金型搬送台車により、ボルスタ及び金型を搬送する。
【0014】
前記左右方向レールは、プレスライン方向に直交する一方向又は両方向に延び、
該左右方向レールに沿って、金型搬送台車をプレス装置外からプレスラインまで搬送し、
次いで、前記前後方向レールに沿って、金型搬送台車をプレスライン方向に移動させ、
次いで、左右方向レールに沿って、金型搬送台車をプレスラインからプレス装置外まで移動させる。
【0015】
また、本発明によれば、プレスラインに沿って直列に配置された複数のプレス装置を備え、隣接するプレス装置間に所定の間隔を隔てたタンデムプレス装置の金型交換方法であって、
プレスライン方向に各プレス装置内にそれぞれの金型を搬入・搬出し、プレスラインに直交する方向に前記間隔を通してプレス装置外とプレスラインの間で金型を搬送する金型交換装置を備え、
すべてのプレス装置に対応してそれぞれ設けられ交換前の金型を搬送する第1金型搬送台車と、すべてのプレス装置に対応してそれぞれ設けられ交換後の金型を搬送する第2金型搬送台車とを、プレスラインに沿って同期して移動させて、各プレス装置内にそれぞれの金型を搬入・搬出する、ことを特徴とするタンデムプレス装置の金型交換方法が提供される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、複数のプレス装置を通してプレスライン方向に水平に延びる前後方向レールと、
前記プレス装置間の間隔に設けられプレスラインに直交する水平方向に延びる複数の左右方向レールと、
前記前後方向レールと左右方向レールとの間で乗り換え可能な複数の金型搬送台車とを備え、
前記すべての第2金型搬送台車を、左右方向レールに沿ってプレス装置外からプレスライン上まで移動させる第1ステップと、
次いで、すべての第1金型搬送台車と第2金型搬送台車を、前記前後方向レールに沿って、第1金型搬送台車がプレス装置間、第2金型搬送台車がプレス装置内に位置するまで、同期して移動させる第2ステップと、
次いで、すべての第1金型搬送台車を左右方向レールに沿って、プレスラインからプレス装置外まで移動させる第3ステップからなる。
【発明の効果】
【0017】
上記本発明の装置構成によれば、プレスライン方向に各プレス装置内にそれぞれの金型を搬入・搬出し、プレスラインに直交する方向に前記間隔を通してプレス装置外とプレスラインの間で金型を搬送する金型交換装置を備えるので、各プレス装置の左右には金型交換装置が通過するための開口が不要となる。
従って、各プレス装置の4本の鉛直なアプライトのうちプレスライン方向に隣接する2本ずつをボルスタのプレスライン方向長さより短く構成することができ、プレス装置間に、ワークが通過できるスペースA(例えば約2m)を設けても、タンデムプレス装置のプレスライン全長を短縮することができ。
【0018】
また、上記本発明の金型交換方法によれば、交換前の金型を搬送するすべての第1金型搬送台車と、交換後の金型を搬送するすべての第2金型搬送台車とを、プレスラインに沿って同期して移動させて、各プレス装置内にそれぞれの金型を搬入・搬出するので、金型交換をスムースに短時間にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0020】
図1は、本発明のタンデムプレス装置の第1実施形態図であり、上方から見た平面図である。
【0021】
本発明のタンデムプレス装置は、複数(この図では2台)のプレス装置10A,10Bがプレスライン1に沿って直列に配置され、ワーク2をこの図で左から右に順次搬送しながらプレス加工する装置である。以下、この図で左側を「前」、右側を「後」と呼ぶ。
【0022】
この図において、各プレス装置10A,10Bは、ボルスタが載るベッド(図示せず)と、スライドを上下動させる駆動機構を内蔵したクラウン12とが4本の柱(アプライト14)により連結された構造を有する。下金型と上金型の間でワークを成形加工する成形力の反力は、下金型が固定されたボルスタと上金型が固定されたスライドを介して、上下のクラウン12とベッドに伝達され、アプライト14に引張力と曲げモーメントが作用する。
【0023】
プレス装置10A,10Bは、その間に所定の間隔Aを隔てている。間隔Aは、例えば、ワークが通過できるスペース(例えば約2m)である。この間隔Aは、後述する金型交換装置20が通過できる限りで、任意であり、2m以下でも、2m以上でもよい。
【0024】
本発明のタンデムプレス装置は、さらに金型交換装置20を備える。
この金型交換装置20は、前後方向レール22、複数の左右方向レール24、及び金型搬送台車26からなる。
前後方向レール22は、この例では左右方向に間隔を隔てた2本のレールからなり、複数(この例で2台)のプレス装置10A,10Bを通してプレスライン方向に水平に延びる。
複数の左右方向レール24は、プレス装置10A,10Bの間隔Aの間に設けられ、隣接するプレス装置間をプレスライン1に直交する水平方向に延びる。
前後方向レール22と左右方向レール24が交差する箇所は、金型搬送台車26が通過できるように、切欠け等が設けられている。
【0025】
金型搬送台車26は、すべてのプレス装置に対応してそれぞれ2台が設けられる。
すなわち、金型搬送台車26は、すべてのプレス装置に対応してそれぞれ設けられ
交換前の金型を搬送する第1金型搬送台車26Aと、すべてのプレス装置に対応してそれぞれ設けられ交換後の金型を搬送する第2金型搬送台車26Bとからなる。
各金型搬送台車26(26A,26B)は、前後方向用と左右方向用の車輪を有し、少なくともいずれかを昇降させて、前後方向レール22と左右方向レール24との間で乗り換え可能に構成されている。この構成として、例えば特許文献3の台車を用いることができる。
【0026】
また、この金型搬送台車26は、蓄電池及び無線装置を内蔵し、その上に載せたボルスタ及び金型を各レール22,24に沿ってワイヤレスで搬送するようになっている。
なお本発明はこの構成に限定されず、金型交換装置への電力ケーブル等が、アプライトの内側を通過するようにしてもよい。これによりケーブルの引き回しを成立させることができる。
さらに、金型搬送台車26は、ボルスタ及び金型を昇降させるリフター装置(図示せず)を備え、プレス装置10A,10B内においてボルスタ及び金型をベッド上に載せ、或いはベッド上のボルスタ及び金型を上昇させることができる。
【0027】
上述した構成により、プレスライン方向に、各プレス装置10A,10B内にそれぞれの金型を搬送し、かつ搬出する金型交換装置20を備えるので、各プレス装置10A,10Bの左右には金型交換装置が通過するための開口が不要となる。
従って、各プレス装置10A,10Bの4本の鉛直なアプライト14のうちプレスライン方向に隣接する2本ずつをボルスタのプレスライン方向長さより短く構成することができ、プレス装置間に、ワークが通過できるスペースA(例えば約2m)を設けても、タンデムプレス装置のプレスライン全長を短縮することができる。
なお、プレス装置のこの構成は、必須ではなく、従来のプレス装置をそのまま用いてもよく、あるいは左右に1本ずつアプライトを有するプレス装置を用いてもよい。
【0028】
また、図1の構成では、左右方向レール24は、プレスライン方向に直交する1方向(左方向)のみに延びているので、両方向に金型を取出す従来のタンデムプレス装置と比較して、左右方向の全幅を大幅に短くできる。
この場合、金型の保管エリアもプレスラインの左右片側に集約でき、効率的である。
さらに、金型引出の左右反対側にて、プレスオペレータがより安全に作業できる。
【0029】
図2は、図1のタンデムプレス装置の金型交換方法を示す図である。この図において、本発明のタンデムプレス装置は、4台のプレス装置10A,10B,10C,10Dからなる。
また、この例で、5列の左右方向レール24が、プレスライン方向に直交する一方向(左方向)に延びている。
金型搬送台車26は、交換前の金型を搬送する第1金型搬送台車26Aと、交換後の金型を搬送する第2金型搬送台車26Bとからなる。以下、第1金型搬送台車26Aを「No.1」、第2金型搬送台車26Bを「No.2」と略称する。
【0030】
図2において、(A)は金型交換時の初期姿勢、(B)は第1ステップ後、(C)は第2ステップ後、(D)は第3ステップ後を示している。
【0031】
図2(A)において、すべてのプレス装置に対応してそれぞれ設けられた交換前の金型を搬送する第1金型搬送台車26A(No.1)は、プレス運転中、停止中、停止後のいずれかであり、すべてのプレス装置に対応してそれぞれ設けられた交換後の金型を搬送する第2金型搬送台車26B(No.2)は、左右方向レール24上の運転に干渉しない位置で事前待機している。なお、この事前待機は、必須ではないが、金型交換時間の短縮の上で効果がある。
【0032】
第1ステップでは、すべての第2金型搬送台車26B(No.2)を、左右方向レール24に沿って、プレス装置外からプレスライン上まで移動させる。この結果、図2(B)の状態となる。
【0033】
次に、第2ステップでは、すべての第1金型搬送台車26A(No.1)と第2金型搬送台車26B(No.2)を、前後方向レール22に沿って、第1金型搬送台車26A(No.1)が隣接するプレス装置の間、第2金型搬送台車26B(No.2)がプレス装置10A,10B,10C,10D内に位置するまで、同期して移動させる。この結果、図2(C)の状態となる。
すべての第1金型搬送台車26A(No.1)と第2金型搬送台車26B(No.2)の同期は、干渉を回避し、かつ金型交換をスムースに短時間で行うために必要である。
【0034】
次に、第3ステップでは、すべての第1金型搬送台車26A(No.1)を左右方向レール24に沿って、プレスラインからプレス装置外まで移動させる。この結果、図2(D)の状態となり、交換後の金型を搬送する第2金型搬送台車26B(No.2)を用いて、プレス装置を運転することができる。
【0035】
従って、本発明の金型交換方法によれば、交換前の金型を搬送するすべての第1金型搬送台車26A(No.1)と、交換後の金型を搬送するすべての第2金型搬送台車26B(No.2)とを、プレスラインに沿って同期して移動させて、各プレス装置内にそれぞれの金型を搬入・搬出するので、金型交換をスムースに短時間にできる。
【0036】
図3は、本発明のタンデムプレス装置の第2実施形態図である。
この例において、左右方向レール24は、プレスライン方向に直交する左右の両方向に延びている。その他の構成は、図1と同様である。
【0037】
この構成により、第1実施形態と同様に、各プレス装置10A,10B,10C,10Dの4本の鉛直なアプライト14のうちプレスライン方向に隣接する2本ずつをボルスタのプレスライン方向長さより短く構成することができ、プレス装置間に、ワークが通過できるスペースA(例えば約2m)を設けても、タンデムプレス装置のプレスライン全長を短縮することができる。
【0038】
また、この構成の場合も、本発明の金型交換方法によれば、交換前の金型を搬送するすべての第1金型搬送台車26A(No.1)と、交換後の金型を搬送するすべての第2金型搬送台車26B(No.2)とを、プレスラインに沿って同期して移動させて、各プレス装置内にそれぞれの金型を搬入・搬出するので、金型交換をスムースに短時間にできる。
【0039】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のタンデムプレス装置の第1実施形態図である。
【図2】図1のタンデムプレス装置の金型交換方法を示す図である。
【図3】本発明のタンデムプレス装置の第2実施形態図である。
【図4】特許文献1の「「プレスのボルスタ走行装置」」の模式図である。
【図5】特許文献2の「トランスファプレスの金型交換方法」の模式図である。
【図6】特許文献3の「プレス金型搬送台車」の模式図である。
【図7】従来のタンデムプレス装置の模式図である。
【符号の説明】
【0041】
1 プレスライン、2 ワーク、
10A,10B,10C,10D プレス装置、
12 クラウン、14 アプライト、
20 金型交換装置、22 前後方向レール、
24 左右方向レール、26 金型搬送台車、
26A 第1金型搬送台車、26B 第2金型搬送台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレスラインに沿って直列に配置された複数のプレス装置を備え、隣接するプレス装置間に所定の間隔を隔てたタンデムプレス装置であって、
プレスライン方向に各プレス装置内にそれぞれの金型を搬入・搬出し、プレスラインに直交する方向に前記間隔を通してプレス装置外とプレスラインの間で金型を搬送する金型交換装置を備える、ことを特徴とするタンデムプレス装置。
【請求項2】
前記金型交換装置は、複数のプレス装置を通してプレスライン方向に水平に延びる前後方向レールと、
前記プレス装置間の間隔に設けられプレスラインに直交する水平方向に延びる複数の左右方向レールと、
前記前後方向レールと左右方向レールとの間で乗り換え可能であり、すべてのプレス装置に対応してそれぞれ設けられた2台の金型搬送台車とを備え、
該金型搬送台車により、ボルスタ及び金型を搬送する、ことを特徴とする請求項1に記載のタンデムプレス装置。
【請求項3】
前記左右方向レールは、プレスライン方向に直交する一方向又は両方向に延び、
該左右方向レールに沿って、金型搬送台車をプレス装置外からプレスラインまで搬送し、
次いで、前記前後方向レールに沿って、金型搬送台車をプレスライン方向に移動させ、
次いで、左右方向レールに沿って、金型搬送台車をプレスラインからプレス装置外まで移動させる、ことを特徴とする請求項2に記載のタンデムプレス装置。
【請求項4】
プレスラインに沿って直列に配置された複数のプレス装置を備え、隣接するプレス装置間に所定の間隔を隔てたタンデムプレス装置の金型交換方法であって、
プレスライン方向に各プレス装置内にそれぞれの金型を搬入・搬出し、プレスラインに直交する方向に前記間隔を通してプレス装置外とプレスラインの間で金型を搬送する金型交換装置を備え、
すべてのプレス装置に対応してそれぞれ設けられ交換前の金型を搬送する第1金型搬送台車と、すべてのプレス装置に対応してそれぞれ設けられ交換後の金型を搬送する第2金型搬送台車とを、プレスラインに沿って同期して移動させて、各プレス装置内にそれぞれの金型を搬入・搬出する、ことを特徴とするタンデムプレス装置の金型交換方法。
【請求項5】
複数のプレス装置を通してプレスライン方向に水平に延びる前後方向レールと、
前記プレス装置間の間隔に設けられプレスラインに直交する水平方向に延びる複数の左右方向レールと、
前記前後方向レールと左右方向レールとの間で乗り換え可能な複数の金型搬送台車とを備え、
前記すべての第2金型搬送台車を、左右方向レールに沿ってプレス装置外からプレスライン上まで移動させる第1ステップと、
次いで、すべての第1金型搬送台車と第2金型搬送台車を、前記前後方向レールに沿って、第1金型搬送台車がプレス装置間、第2金型搬送台車がプレス装置内に位置するまで、同期して移動させる第2ステップと、
次いで、すべての第1金型搬送台車を左右方向レールに沿って、プレスラインからプレス装置外まで移動させる第3ステップからなる、ことを特徴とする請求項4に記載のタンデムプレス装置の金型交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−42427(P2010−42427A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208506(P2008−208506)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】