タンパク質分解抗体および共有結合抗体
触媒抗体および共有結合抗体の産生、選択、および阻害のための改良された方法を開示する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物において、下記の式(1)の共有結合反応性ポリペプチド抗原アナログ(pCRA)に対する抗体を産生させることを含む、共有結合抗体または触媒抗体を調製する方法:
【化1】
[式中、L1...Lx...Lmは抗原決定基を規定する構成要素であり、
Lxは、アミノ酸残基、糖残基、脂肪酸残基およびヌクレオチドからなる群から選択される抗原決定基の構成要素ユニットであり、
L'はLxの官能基であり、
Y"は原子、共有結合またはリンカーであり、
Y'は場合によっては荷電した基または中性基であり、
Yは前記抗原決定基に結合する抗体と特異的に反応する共有結合反応性求電子基であり、
場合によっては、Y"、Y'またはYは末端構成要素または内部構成要素として水結合基を含み、
nは1から1000の整数であり、かつ
mは4から30である]。
【請求項2】
下記の式(1)の水結合性、共有結合反応性ポリペプチド抗原アナログ(pCRAW):
【化2】
[式中、L1...Lx...Lmは抗原決定基を規定する構成要素であり、
Lxは、アミノ酸残基、糖残基、脂肪酸残基およびヌクレオチドからなる群から選択される抗原決定基の構成要素ユニットであり、
L'はLxの官能基であり、
Y"は原子、共有結合またはリンカーであり、
Y'は場合によっては荷電した基または中性基であり、
Yは前記抗原決定基に結合する抗体と特異的に反応する共有結合反応性求電子基であり、
Y"、Y'またはYは末端構成要素または内部構成要素として水結合基を含み、
nは1から1000の整数であり、かつ
mは4から30である]。
【請求項3】
前記水結合基が、1つまたは複数の水分子をキレート結合する金属イオンと結合する部位から構成される、請求項2に記載のpCRAW。
【請求項4】
前記金属が亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、カルシウムまたはマグネシウムである、請求項3に記載のpCRAW。
【請求項5】
前記金属結合基が(His)n-(ここでn=2以上)、-Cys-X-Cys-Cys-または-Cys-X-Cys-(ここでXはアミノ酸残基、エチレンジアミン四酢酸またはジアミノメチルピリジンである)から選択される、請求項2に記載のpCRAW。
【請求項6】
ポリペプチド抗原に対する前記抗体の結合が非共有結合性抗原結合を破壊する変性剤による解離に耐性である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ポリペプチド抗原に対する前記抗体の結合が2%ドデシル硫酸ナトリウムによる解離に耐性である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリペプチド抗原がHIV-1 gp120である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記抗体がポリペプチド抗原におけるペプチド結合の開裂を触媒する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリペプチド抗原がHIV-1 gp120である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記抗体が、
a)共有結合する抗体についてのスクリーニングおよび選択、ならびに
b)触媒活性についてのスクリーニングおよび選択
によって、前記生物の血清において同定されるポリクローナル抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記抗体が、
a)ハイブリドーマ細胞系、ウイルス形質転換細胞系、またはベクターから発現される免疫グロブリンフラグメント遺伝子、のライブラリーを調製すること、
b)抗原pCRAまたはポリペプチドに対する抗体または抗体フラグメントの結合によって、それらの共有結合活性についてスクリーニングすること、
c)ステップa)およびステップb)の抗体または抗体フラグメントによるポリペプチドの触媒的加水分解についてスクリーニングすること、ならびに
d)前記抗体または抗体フラグメントを精製すること
を含むステップにより前記生物のリンパ球から得られるモノクローナル抗体または抗体フラグメントである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記抗原性pCRAがgp120、VIP、第VIII因子、上皮増殖因子レセプター、CD4、βアミロイドペプチド1-40またはβアミロイドペプチド1-42のCRA誘導体である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ポリペプチドがgp120、VIP、第VIII因子、上皮増殖因子レセプター、CD4、βアミロイドペプチド1-40またはβアミロイドペプチド1-42である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記生物がヒト抗体遺伝子を発現するトランスジェニックマウスである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記生物がマウスである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記ベクターがファージディスプレイベクター、レトロウイルスディスプレイベクター、酵母ディスプレイベクター、細菌ディスプレイベクターおよび哺乳動物ディスプレイベクターからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記抗体フラグメントが、
a)逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応による免疫グロブリンVLおよびVHのcDNAの調製、
b)ディスプレイベクターの表面に発現される単鎖FvフラグメントとしてVLおよびVHのcDNAの発現を可能にする形のベクターにそれらcDNAをクローニングすること、
c)前記ベクターの粒子を請求項1に記載の固定化pCRAと接触させること、洗浄による未結合ベクター粒子の除去、および原核細胞または真核細胞においてpCRA結合ベクター粒子から可溶型としてFv遺伝子を発現させること、
d)共有結合抗原結合活性について可溶性Fv構築体をスクリーニングすること、
e)触媒活性について可溶性Fv構築体をスクリーニングすること
を含むステップによって単離される、共有結合活性または触媒活性を発現する単鎖Fvフラグメントである、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
リンパ球が、
a)前記リンパ球をpCRAと接触させること、
b)前記pCRAに結合していないリンパ球から前記pCRAに結合しているリンパ球を分離すること
を含むステップによって得られる、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記pCRAが蛍光基を含むかまたは蛍光プローブを用いて検出され、かつpCRA結合リンパ球がフローサイトメトリーにより分離される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記抗体がIgG、IgM、IgD、IgAまたはIgEクラスに属する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記抗体がIgG、IgM、IgD、IgAまたはIgEのフラグメントである、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
[L1...Lx...Lm]が微生物タンパク質の抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
[L1...Lx...Lm]がHIV-1タンパク質gp12Oの抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
[L1...Lx...Lm]がヒト、動物または植物タンパク質の抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
[L1...Lx...Lm]が血管作用性腸管ペプチドの抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
[L1...Lx...Lm]が癌細胞上に過剰発現している抗原の抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
[L1...Lx...Lm]が上皮増殖因子レセプターの抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
nが1から23である、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記pCRAがLys側鎖アミノ基を23mol/molタンパク質の密度で
【化3】
で誘導体化されたgp120である、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記pCRAが下記のgp120ペプチジル誘導体である、請求項1に記載の方法。
【化4】
【請求項32】
前記pCRAがLys20側鎖を
【化5】
で誘導体化された血管作用性腸管ペプチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記免疫原性決定基がそれぞれLys側鎖を
【化6】
で誘導体化された、上皮増殖因子レセプターの可溶性細胞外ドメイン、CD4の可溶性細胞外ドメイン、第VIII因子、βアミロイドペプチド1-40またはβアミロイドペプチド1-42に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
gp120の開裂を触媒するモノクローナルIgG抗体クローンYZ-18、YZ-20またはYZ-24。
【請求項35】
請求項30に記載のgp120-CRAと結合し、前記結合が2%SDSを用いた解離に耐性であるモノクローナルIgG抗体クローンYZ-18、YZ-19、YZ-20、YZ-21、YZ-22、YZ-23またはYZ-24。
【請求項36】
gp120と結合し、前記結合が2%SDSを用いた解離に耐性であるモノクローナルIgG抗体クローンYZ-18、YZ-19、YZ-20、YZ-21、YZ-22、YZ-23またはYZ-24。
【請求項37】
請求項12に記載の抗体フラグメントから調製される全長IgG、IgMおよびIgA抗体であって、
a)核酸分解消化および連結手順による、発現ベクターに含まれるIg定常ドメイン5'側へのVLおよびVHドメインcDNAの挿入、
b)原核または真核宿主細胞における前記ベクターの増殖、培地または細胞内容物からの全長抗体の抽出、および前記抗体の精製
を含むステップによって調製される抗体。
【請求項38】
自己免疫疾患を有する生物、同種免疫病を有する生物、公知の疾患を有さない生物またはヒト抗体遺伝子を発現するトランスジェニックマウスのリンパ球からモノクローナル共有結合抗体、触媒抗体、共有結合抗体フラグメントまたは触媒抗体フラグメントを得る方法であって、
a)ハイブリドーマ細胞系、ウイルス形質転換細胞系、またはベクターにクローニングされそのベクターから発現する免疫グロブリンフラグメント遺伝子のライブラリーを調製するステップ、
b)請求項1に記載の抗原性pCRAまたはポリペプチドに対する結合によって抗体または抗体フラグメントの共有結合活性についてスクリーニングおよび選択するステップ、
c)前記抗体または抗体フラグメントによるポリペプチドの触媒加水分解についてスクリーニングおよび選択するステップ、ならびに
d)前記抗体または抗体フラグメントを精製するステップ
を含む方法。
【請求項39】
前記抗体がペプチド結合を加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記抗体がスーパー抗原ポリペプチドにおけるペプチド結合を加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記抗体がgp120を加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記抗体がCD4を加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記抗体がβアミロイドペプチドを加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記抗体がβアミロイドペプチド1-40および1-42を加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
前記自己免疫疾患が全身性エリテマートーデスである、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
前記免疫グロブリンフラグメントがペプチドリンカーにより連結されるVLおよびVHドメインである、請求項38に記載の方法。
【請求項47】
前記免疫グロブリンフラグメントが軽鎖サブユニットである、請求項38に記載の方法。
【請求項48】
前記ベクターがファージディスプレイベクター、レトロウイルスディスプレイベクター、酵母ディスプレイベクター、細菌ディスプレイベクターおよび哺乳動物ディスプレイベクターからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項49】
前記ディスプレイベクターがM13ファージミドベクターpHEN2またはpCANTAB5his6である、請求項38に記載の方法。
【請求項50】
前記抗体フラグメントが、
a)リンパ球からのRNAをテンプレートとして用いた逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応によって免疫グロブリンVL cDNA、VH cDNAおよび軽鎖cDNAを調製すること、
b)ディスプレイベクターの表面に発現した単鎖Fvフラグメントとして、VLおよびVH cDNAの発現を可能にする形でそれらのcDNAをクローニングすること、
c)ディスプレイベクターの表面上に発現した軽鎖として軽鎖cDNAの発現を可能にする形でベクターにそれらのcDNAをクローニングすること、
d)前記ベクターの粒子を請求項1に記載の固定化pCRAと接触させること、洗浄による未結合のベクター粒子の除去、およびpCRA結合ベクター粒子から原核細胞または真核細胞において可溶型としてFv cDNAまたは軽鎖cDNAを発現させること、
e)共有結合抗原結合活性について前記可溶性Fv構築体または軽鎖構築体をスクリーニングすること、
f)触媒活性について前記可溶性Fv構築体または軽鎖構築体をスクリーニングすること
を含むステップによって単離される、共有結合活性または触媒活性を発現する単鎖Fvフラグメントまたは軽鎖である、請求項38に記載の方法。
【請求項51】
請求項38に記載のFvフラグメントから調製される全長IgG、IgMおよびIgA抗体であって、
a)核酸分解消化および連結手順による、発現ベクターに含まれるIg定常ドメイン5'側へのVHおよびVLドメインcDNAの挿入、
b)原核または真核宿主細胞における前記ベクターの増殖、培地または細胞内容物からの全長抗体の抽出および前記抗体の精製
を含むステップによって調製される抗体。
【請求項52】
請求項38に記載の軽鎖フラグメントから調製される全長IgG、IgMおよびIgA抗体であって、
a)核酸分解消化および連結手順による、発現ベクターへの軽鎖cDNAの挿入、
b)核酸分解消化および連結手順による、発現ベクターに含まれるIgG重鎖定常ドメイン5'側へのgp120結合抗体のVHドメインの挿入、
c)原核または真核宿主細胞における前記ベクターの増殖、培地または細胞内容物からの全長抗体の抽出および前記抗体の精製
を含むステップにより調製される抗体。
【請求項53】
リンパ球が、
a)前記リンパ球をpCRAと接触させること、
b)前記pCARに結合していないリンパ球から前記pCRAに結合しているリンパ球を分離すること
を含むステップによって得られる、請求項38に記載の方法。
【請求項54】
前記pCRAが蛍光基を含むかまたは蛍光プローブを用いて検出され、pCRA結合リンパ球がフローサイトメトリーによって分離される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記抗体がIgG、IgM、IgD、IgAまたはIgEクラスに属する、請求項38に記載の方法。
【請求項56】
pCRAの[L1...Lx...Lm]が微生物タンパク質の抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項57】
pCRAの[L1...Lx...Lm]がHIV-1タンパク質gp12Oの抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項58】
pCRAの[L1...Lx...Lm]がヒト、動物または植物タンパク質の抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項59】
pCRAの[L1...Lx...Lm]が血管作用性腸管ペプチドの抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項60】
pCRAの[L1...Lx...Lm]が癌細胞上で過剰発現している抗原の抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項61】
pCRAの[L1...Lx...Lm]が上皮増殖因子レセプターの抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項62】
nが1から23である、請求項38に記載の方法。
【請求項63】
前記pCRAがLys側鎖アミノ基を23mol/molタンパク質の密度で
【化7】
で誘導体化されたgp120である、請求項38に記載の方法。
【請求項64】
前記pCRAが下記のgp120ペプチジル誘導体である、請求項38に記載の方法。
【化8】
【請求項65】
前記pCRAがLys20側鎖を
【化9】
で誘導体化された血管作用性腸管ペプチドである、請求項38に記載の方法。
【請求項66】
前記免疫原性決定基が、それぞれLys側鎖を
【化10】
で誘導体化された、上皮増殖因子レセプターの可溶性細胞外ドメイン、CD4の可溶性細胞外ドメイン、第VIII因子、βアミロイドペプチド1-40またはβアミロイドペプチド1-42に由来する、請求項38に記載の方法。
【請求項67】
a)VLおよびVHドメインに突然変異を導入するステップ、
b)その結果として生じる抗体フラグメントをディスプレイベクターの表面に提示させるステップ、
c)前記ベクターの粒子を前記pCRAWと接触させ、未結合のベクター粒子を除去するステップ、
d)原核または真核細胞に可溶型の前記抗体フラグメントを発現させるステップ、
e)共有結合性抗原結合活性について前記抗体フラグメントをスクリーニングするステップ、
f)触媒活性について前記抗体フラグメントをスクリーニングするステップ
を含む、請求項12に記載の抗体フラグメントの共有結合活性または触媒活性を改良する方法。
【請求項68】
a)VLおよびVHドメインに突然変異を導入するステップ、
b)その結果として生じる抗体フラグメントをディスプレイベクターの表面に提示させるステップ、
c)前記ベクターの粒子を前記pCRAWと接触させ、未結合のベクター粒子を除去するステップ、
d)原核または真核細胞に可溶型の前記抗体フラグメントを発現させるステップ、
e)共有結合性抗原結合活性について前記抗体フラグメントをスクリーニングするステップ、
f)触媒活性について前記抗体フラグメントをスクリーニングするステップ
を含む、請求項38に記載の抗体フラグメントの共有結合活性または触媒活性を改良する方法。
【請求項69】
a)患者における医学障害に関連する抗原に特異的な共有結合活性または触媒活性を有する抗体を治療有効量投与すること、および
b)維持治療のために、必要に応じステップa)を繰り返すこと、
を含む、疾患の受動免疫治療のための方法であって、前記抗体が請求項1に記載の方法によって産生されたものである、方法。
【請求項70】
a)患者における医学障害に関連する抗原に特異的な共有結合活性または触媒活性を有する治療有効量の抗体を投与すること、および
b)維持治療のために、必要に応じてステップa)を繰り返すこと
を含む、疾患の受動免疫治療のための方法であって、前記抗体が請求項38に記載の方法によって産生されたものである、方法。
【請求項71】
前記抗体がHIV-1感染の免疫治療のためにgp120に対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項72】
前記抗体が肝炎感染の免疫治療のためにC型肝炎ウイルスタンパク質gp120に対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項73】
前記抗体がアルツハイマー病の免疫治療のためにβアミロイドペプチドに対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項74】
前記抗体が癌の免疫治療のために上皮増殖因子レセプターに対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項75】
前記抗体が血液凝固障害の免疫治療のための第VIII因子に対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項76】
生物における予防抗体の産生を刺激するための方法であって、前記抗体が前記生物における医学的状態に関連する抗原に特異的な共有結合活性または触媒活性を有し、前記方法が、
a)前記抗原から請求項1に記載の通り調製された免疫原性量のpCRAを含むワクチンを生物に投与するステップ、
b)効果的な抗体産生を確実にするために、必要に応じてステップa)を繰り返すステップ
を含む方法。
【請求項77】
前記医学障害が微生物疾患であって、前記pCRAが前記微生物の構成タンパク質から調製される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記医学障害がHIV-1感染であって、前記pCRAがgp120から調製される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
触媒抗体の作用を阻害することによって患者における医学障害を治療する方法であって、前記方法が、
a)抗原決定基が前記触媒抗体によって不可逆的に結合されたエピトープに由来するpCRAを治療量前記患者に投与するステップ、
b)前記触媒抗体の不活性化について前記患者を評価するステップ、および
c)前記触媒抗体の前記作用の阻害を維持するために、必要に応じてステップa)を繰り返すステップ
を含む方法。
【請求項80】
前記疾患状態が自己免疫疾患である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記自己免疫疾患が自己免疫性甲状腺炎、全身性エリテマートーデス、全身性硬化症、喘息、慢性関節リウマチ、混合性結合病、ライター症候群、シェーグレン症候群、血管炎および散弾網膜症からなる群から選択される、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記医学障害がリンパ増殖性障害である、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記リンパ増殖性障害が多発性骨髄腫、急性リンパ芽球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、リンパ形質細胞リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、濾胞中心リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、ヘアリーセル白血病、びまん性大B細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、および節性単球様リンパ腫からなる群から選択される、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記生物がB細胞において欠損したB細胞レセプター仲介膜貫通シグナル伝達を生ずる遺伝子欠損を発現する、請求項12に記載の方法。
【請求項85】
前記欠損したB細胞レセプター仲介膜貫通シグナル伝達がCD19、CD22またはLynの発現の改変によって引き起こされる、請求項84に記載の方法。
【請求項1】
生物において、下記の式(1)の共有結合反応性ポリペプチド抗原アナログ(pCRA)に対する抗体を産生させることを含む、共有結合抗体または触媒抗体を調製する方法:
【化1】
[式中、L1...Lx...Lmは抗原決定基を規定する構成要素であり、
Lxは、アミノ酸残基、糖残基、脂肪酸残基およびヌクレオチドからなる群から選択される抗原決定基の構成要素ユニットであり、
L'はLxの官能基であり、
Y"は原子、共有結合またはリンカーであり、
Y'は場合によっては荷電した基または中性基であり、
Yは前記抗原決定基に結合する抗体と特異的に反応する共有結合反応性求電子基であり、
場合によっては、Y"、Y'またはYは末端構成要素または内部構成要素として水結合基を含み、
nは1から1000の整数であり、かつ
mは4から30である]。
【請求項2】
下記の式(1)の水結合性、共有結合反応性ポリペプチド抗原アナログ(pCRAW):
【化2】
[式中、L1...Lx...Lmは抗原決定基を規定する構成要素であり、
Lxは、アミノ酸残基、糖残基、脂肪酸残基およびヌクレオチドからなる群から選択される抗原決定基の構成要素ユニットであり、
L'はLxの官能基であり、
Y"は原子、共有結合またはリンカーであり、
Y'は場合によっては荷電した基または中性基であり、
Yは前記抗原決定基に結合する抗体と特異的に反応する共有結合反応性求電子基であり、
Y"、Y'またはYは末端構成要素または内部構成要素として水結合基を含み、
nは1から1000の整数であり、かつ
mは4から30である]。
【請求項3】
前記水結合基が、1つまたは複数の水分子をキレート結合する金属イオンと結合する部位から構成される、請求項2に記載のpCRAW。
【請求項4】
前記金属が亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、カルシウムまたはマグネシウムである、請求項3に記載のpCRAW。
【請求項5】
前記金属結合基が(His)n-(ここでn=2以上)、-Cys-X-Cys-Cys-または-Cys-X-Cys-(ここでXはアミノ酸残基、エチレンジアミン四酢酸またはジアミノメチルピリジンである)から選択される、請求項2に記載のpCRAW。
【請求項6】
ポリペプチド抗原に対する前記抗体の結合が非共有結合性抗原結合を破壊する変性剤による解離に耐性である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ポリペプチド抗原に対する前記抗体の結合が2%ドデシル硫酸ナトリウムによる解離に耐性である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリペプチド抗原がHIV-1 gp120である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記抗体がポリペプチド抗原におけるペプチド結合の開裂を触媒する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリペプチド抗原がHIV-1 gp120である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記抗体が、
a)共有結合する抗体についてのスクリーニングおよび選択、ならびに
b)触媒活性についてのスクリーニングおよび選択
によって、前記生物の血清において同定されるポリクローナル抗体である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記抗体が、
a)ハイブリドーマ細胞系、ウイルス形質転換細胞系、またはベクターから発現される免疫グロブリンフラグメント遺伝子、のライブラリーを調製すること、
b)抗原pCRAまたはポリペプチドに対する抗体または抗体フラグメントの結合によって、それらの共有結合活性についてスクリーニングすること、
c)ステップa)およびステップb)の抗体または抗体フラグメントによるポリペプチドの触媒的加水分解についてスクリーニングすること、ならびに
d)前記抗体または抗体フラグメントを精製すること
を含むステップにより前記生物のリンパ球から得られるモノクローナル抗体または抗体フラグメントである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記抗原性pCRAがgp120、VIP、第VIII因子、上皮増殖因子レセプター、CD4、βアミロイドペプチド1-40またはβアミロイドペプチド1-42のCRA誘導体である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ポリペプチドがgp120、VIP、第VIII因子、上皮増殖因子レセプター、CD4、βアミロイドペプチド1-40またはβアミロイドペプチド1-42である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記生物がヒト抗体遺伝子を発現するトランスジェニックマウスである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記生物がマウスである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記ベクターがファージディスプレイベクター、レトロウイルスディスプレイベクター、酵母ディスプレイベクター、細菌ディスプレイベクターおよび哺乳動物ディスプレイベクターからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記抗体フラグメントが、
a)逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応による免疫グロブリンVLおよびVHのcDNAの調製、
b)ディスプレイベクターの表面に発現される単鎖FvフラグメントとしてVLおよびVHのcDNAの発現を可能にする形のベクターにそれらcDNAをクローニングすること、
c)前記ベクターの粒子を請求項1に記載の固定化pCRAと接触させること、洗浄による未結合ベクター粒子の除去、および原核細胞または真核細胞においてpCRA結合ベクター粒子から可溶型としてFv遺伝子を発現させること、
d)共有結合抗原結合活性について可溶性Fv構築体をスクリーニングすること、
e)触媒活性について可溶性Fv構築体をスクリーニングすること
を含むステップによって単離される、共有結合活性または触媒活性を発現する単鎖Fvフラグメントである、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
リンパ球が、
a)前記リンパ球をpCRAと接触させること、
b)前記pCRAに結合していないリンパ球から前記pCRAに結合しているリンパ球を分離すること
を含むステップによって得られる、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記pCRAが蛍光基を含むかまたは蛍光プローブを用いて検出され、かつpCRA結合リンパ球がフローサイトメトリーにより分離される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記抗体がIgG、IgM、IgD、IgAまたはIgEクラスに属する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記抗体がIgG、IgM、IgD、IgAまたはIgEのフラグメントである、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
[L1...Lx...Lm]が微生物タンパク質の抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
[L1...Lx...Lm]がHIV-1タンパク質gp12Oの抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
[L1...Lx...Lm]がヒト、動物または植物タンパク質の抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
[L1...Lx...Lm]が血管作用性腸管ペプチドの抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
[L1...Lx...Lm]が癌細胞上に過剰発現している抗原の抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
[L1...Lx...Lm]が上皮増殖因子レセプターの抗原決定基を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
nが1から23である、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記pCRAがLys側鎖アミノ基を23mol/molタンパク質の密度で
【化3】
で誘導体化されたgp120である、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記pCRAが下記のgp120ペプチジル誘導体である、請求項1に記載の方法。
【化4】
【請求項32】
前記pCRAがLys20側鎖を
【化5】
で誘導体化された血管作用性腸管ペプチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記免疫原性決定基がそれぞれLys側鎖を
【化6】
で誘導体化された、上皮増殖因子レセプターの可溶性細胞外ドメイン、CD4の可溶性細胞外ドメイン、第VIII因子、βアミロイドペプチド1-40またはβアミロイドペプチド1-42に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
gp120の開裂を触媒するモノクローナルIgG抗体クローンYZ-18、YZ-20またはYZ-24。
【請求項35】
請求項30に記載のgp120-CRAと結合し、前記結合が2%SDSを用いた解離に耐性であるモノクローナルIgG抗体クローンYZ-18、YZ-19、YZ-20、YZ-21、YZ-22、YZ-23またはYZ-24。
【請求項36】
gp120と結合し、前記結合が2%SDSを用いた解離に耐性であるモノクローナルIgG抗体クローンYZ-18、YZ-19、YZ-20、YZ-21、YZ-22、YZ-23またはYZ-24。
【請求項37】
請求項12に記載の抗体フラグメントから調製される全長IgG、IgMおよびIgA抗体であって、
a)核酸分解消化および連結手順による、発現ベクターに含まれるIg定常ドメイン5'側へのVLおよびVHドメインcDNAの挿入、
b)原核または真核宿主細胞における前記ベクターの増殖、培地または細胞内容物からの全長抗体の抽出、および前記抗体の精製
を含むステップによって調製される抗体。
【請求項38】
自己免疫疾患を有する生物、同種免疫病を有する生物、公知の疾患を有さない生物またはヒト抗体遺伝子を発現するトランスジェニックマウスのリンパ球からモノクローナル共有結合抗体、触媒抗体、共有結合抗体フラグメントまたは触媒抗体フラグメントを得る方法であって、
a)ハイブリドーマ細胞系、ウイルス形質転換細胞系、またはベクターにクローニングされそのベクターから発現する免疫グロブリンフラグメント遺伝子のライブラリーを調製するステップ、
b)請求項1に記載の抗原性pCRAまたはポリペプチドに対する結合によって抗体または抗体フラグメントの共有結合活性についてスクリーニングおよび選択するステップ、
c)前記抗体または抗体フラグメントによるポリペプチドの触媒加水分解についてスクリーニングおよび選択するステップ、ならびに
d)前記抗体または抗体フラグメントを精製するステップ
を含む方法。
【請求項39】
前記抗体がペプチド結合を加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記抗体がスーパー抗原ポリペプチドにおけるペプチド結合を加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記抗体がgp120を加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記抗体がCD4を加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記抗体がβアミロイドペプチドを加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記抗体がβアミロイドペプチド1-40および1-42を加水分解する、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
前記自己免疫疾患が全身性エリテマートーデスである、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
前記免疫グロブリンフラグメントがペプチドリンカーにより連結されるVLおよびVHドメインである、請求項38に記載の方法。
【請求項47】
前記免疫グロブリンフラグメントが軽鎖サブユニットである、請求項38に記載の方法。
【請求項48】
前記ベクターがファージディスプレイベクター、レトロウイルスディスプレイベクター、酵母ディスプレイベクター、細菌ディスプレイベクターおよび哺乳動物ディスプレイベクターからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項49】
前記ディスプレイベクターがM13ファージミドベクターpHEN2またはpCANTAB5his6である、請求項38に記載の方法。
【請求項50】
前記抗体フラグメントが、
a)リンパ球からのRNAをテンプレートとして用いた逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応によって免疫グロブリンVL cDNA、VH cDNAおよび軽鎖cDNAを調製すること、
b)ディスプレイベクターの表面に発現した単鎖Fvフラグメントとして、VLおよびVH cDNAの発現を可能にする形でそれらのcDNAをクローニングすること、
c)ディスプレイベクターの表面上に発現した軽鎖として軽鎖cDNAの発現を可能にする形でベクターにそれらのcDNAをクローニングすること、
d)前記ベクターの粒子を請求項1に記載の固定化pCRAと接触させること、洗浄による未結合のベクター粒子の除去、およびpCRA結合ベクター粒子から原核細胞または真核細胞において可溶型としてFv cDNAまたは軽鎖cDNAを発現させること、
e)共有結合抗原結合活性について前記可溶性Fv構築体または軽鎖構築体をスクリーニングすること、
f)触媒活性について前記可溶性Fv構築体または軽鎖構築体をスクリーニングすること
を含むステップによって単離される、共有結合活性または触媒活性を発現する単鎖Fvフラグメントまたは軽鎖である、請求項38に記載の方法。
【請求項51】
請求項38に記載のFvフラグメントから調製される全長IgG、IgMおよびIgA抗体であって、
a)核酸分解消化および連結手順による、発現ベクターに含まれるIg定常ドメイン5'側へのVHおよびVLドメインcDNAの挿入、
b)原核または真核宿主細胞における前記ベクターの増殖、培地または細胞内容物からの全長抗体の抽出および前記抗体の精製
を含むステップによって調製される抗体。
【請求項52】
請求項38に記載の軽鎖フラグメントから調製される全長IgG、IgMおよびIgA抗体であって、
a)核酸分解消化および連結手順による、発現ベクターへの軽鎖cDNAの挿入、
b)核酸分解消化および連結手順による、発現ベクターに含まれるIgG重鎖定常ドメイン5'側へのgp120結合抗体のVHドメインの挿入、
c)原核または真核宿主細胞における前記ベクターの増殖、培地または細胞内容物からの全長抗体の抽出および前記抗体の精製
を含むステップにより調製される抗体。
【請求項53】
リンパ球が、
a)前記リンパ球をpCRAと接触させること、
b)前記pCARに結合していないリンパ球から前記pCRAに結合しているリンパ球を分離すること
を含むステップによって得られる、請求項38に記載の方法。
【請求項54】
前記pCRAが蛍光基を含むかまたは蛍光プローブを用いて検出され、pCRA結合リンパ球がフローサイトメトリーによって分離される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記抗体がIgG、IgM、IgD、IgAまたはIgEクラスに属する、請求項38に記載の方法。
【請求項56】
pCRAの[L1...Lx...Lm]が微生物タンパク質の抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項57】
pCRAの[L1...Lx...Lm]がHIV-1タンパク質gp12Oの抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項58】
pCRAの[L1...Lx...Lm]がヒト、動物または植物タンパク質の抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項59】
pCRAの[L1...Lx...Lm]が血管作用性腸管ペプチドの抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項60】
pCRAの[L1...Lx...Lm]が癌細胞上で過剰発現している抗原の抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項61】
pCRAの[L1...Lx...Lm]が上皮増殖因子レセプターの抗原決定基を表す、請求項38に記載の方法。
【請求項62】
nが1から23である、請求項38に記載の方法。
【請求項63】
前記pCRAがLys側鎖アミノ基を23mol/molタンパク質の密度で
【化7】
で誘導体化されたgp120である、請求項38に記載の方法。
【請求項64】
前記pCRAが下記のgp120ペプチジル誘導体である、請求項38に記載の方法。
【化8】
【請求項65】
前記pCRAがLys20側鎖を
【化9】
で誘導体化された血管作用性腸管ペプチドである、請求項38に記載の方法。
【請求項66】
前記免疫原性決定基が、それぞれLys側鎖を
【化10】
で誘導体化された、上皮増殖因子レセプターの可溶性細胞外ドメイン、CD4の可溶性細胞外ドメイン、第VIII因子、βアミロイドペプチド1-40またはβアミロイドペプチド1-42に由来する、請求項38に記載の方法。
【請求項67】
a)VLおよびVHドメインに突然変異を導入するステップ、
b)その結果として生じる抗体フラグメントをディスプレイベクターの表面に提示させるステップ、
c)前記ベクターの粒子を前記pCRAWと接触させ、未結合のベクター粒子を除去するステップ、
d)原核または真核細胞に可溶型の前記抗体フラグメントを発現させるステップ、
e)共有結合性抗原結合活性について前記抗体フラグメントをスクリーニングするステップ、
f)触媒活性について前記抗体フラグメントをスクリーニングするステップ
を含む、請求項12に記載の抗体フラグメントの共有結合活性または触媒活性を改良する方法。
【請求項68】
a)VLおよびVHドメインに突然変異を導入するステップ、
b)その結果として生じる抗体フラグメントをディスプレイベクターの表面に提示させるステップ、
c)前記ベクターの粒子を前記pCRAWと接触させ、未結合のベクター粒子を除去するステップ、
d)原核または真核細胞に可溶型の前記抗体フラグメントを発現させるステップ、
e)共有結合性抗原結合活性について前記抗体フラグメントをスクリーニングするステップ、
f)触媒活性について前記抗体フラグメントをスクリーニングするステップ
を含む、請求項38に記載の抗体フラグメントの共有結合活性または触媒活性を改良する方法。
【請求項69】
a)患者における医学障害に関連する抗原に特異的な共有結合活性または触媒活性を有する抗体を治療有効量投与すること、および
b)維持治療のために、必要に応じステップa)を繰り返すこと、
を含む、疾患の受動免疫治療のための方法であって、前記抗体が請求項1に記載の方法によって産生されたものである、方法。
【請求項70】
a)患者における医学障害に関連する抗原に特異的な共有結合活性または触媒活性を有する治療有効量の抗体を投与すること、および
b)維持治療のために、必要に応じてステップa)を繰り返すこと
を含む、疾患の受動免疫治療のための方法であって、前記抗体が請求項38に記載の方法によって産生されたものである、方法。
【請求項71】
前記抗体がHIV-1感染の免疫治療のためにgp120に対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項72】
前記抗体が肝炎感染の免疫治療のためにC型肝炎ウイルスタンパク質gp120に対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項73】
前記抗体がアルツハイマー病の免疫治療のためにβアミロイドペプチドに対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項74】
前記抗体が癌の免疫治療のために上皮増殖因子レセプターに対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項75】
前記抗体が血液凝固障害の免疫治療のための第VIII因子に対するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項76】
生物における予防抗体の産生を刺激するための方法であって、前記抗体が前記生物における医学的状態に関連する抗原に特異的な共有結合活性または触媒活性を有し、前記方法が、
a)前記抗原から請求項1に記載の通り調製された免疫原性量のpCRAを含むワクチンを生物に投与するステップ、
b)効果的な抗体産生を確実にするために、必要に応じてステップa)を繰り返すステップ
を含む方法。
【請求項77】
前記医学障害が微生物疾患であって、前記pCRAが前記微生物の構成タンパク質から調製される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記医学障害がHIV-1感染であって、前記pCRAがgp120から調製される、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
触媒抗体の作用を阻害することによって患者における医学障害を治療する方法であって、前記方法が、
a)抗原決定基が前記触媒抗体によって不可逆的に結合されたエピトープに由来するpCRAを治療量前記患者に投与するステップ、
b)前記触媒抗体の不活性化について前記患者を評価するステップ、および
c)前記触媒抗体の前記作用の阻害を維持するために、必要に応じてステップa)を繰り返すステップ
を含む方法。
【請求項80】
前記疾患状態が自己免疫疾患である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記自己免疫疾患が自己免疫性甲状腺炎、全身性エリテマートーデス、全身性硬化症、喘息、慢性関節リウマチ、混合性結合病、ライター症候群、シェーグレン症候群、血管炎および散弾網膜症からなる群から選択される、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記医学障害がリンパ増殖性障害である、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記リンパ増殖性障害が多発性骨髄腫、急性リンパ芽球性白血病、リンパ芽球性リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、リンパ形質細胞リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、濾胞中心リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、ヘアリーセル白血病、びまん性大B細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫、および節性単球様リンパ腫からなる群から選択される、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記生物がB細胞において欠損したB細胞レセプター仲介膜貫通シグナル伝達を生ずる遺伝子欠損を発現する、請求項12に記載の方法。
【請求項85】
前記欠損したB細胞レセプター仲介膜貫通シグナル伝達がCD19、CD22またはLynの発現の改変によって引き起こされる、請求項84に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【公表番号】特表2007−524601(P2007−524601A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509375(P2006−509375)
【出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/009398
【国際公開番号】WO2004/087735
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(505359366)ザ ユニバーシティー オブ テキサス (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/009398
【国際公開番号】WO2004/087735
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(505359366)ザ ユニバーシティー オブ テキサス (6)
【Fターム(参考)】
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