タービンシュラウド用の軸方向に配向されたセル状シール構造体及び関連方法
【課題】シュラウド温度を下げ、バケット寿命を高める。
【解決手段】機械ロータ上に支持されたバケット列112と、周囲の固定ケーシング又はステータとの間のシールシステムは、各々のバケットの半径方向外側先端に固定され、半径方向突出レール116が形成された先端シュラウド114を含む。セル状シール構造体120は、先端シュラウド及びレールと半径方向反対に固定ステータ内に支持される。シール構造体120は、その実質的に全軸方向長さ寸法に沿っていかなる半径方向障害もない連続的な略水平方向流路を提供して、先端シュラウドの周囲の流れが半径方向内方に向きを変えるのが妨げられるように形成された個別セルの環状配列を有する。
【解決手段】機械ロータ上に支持されたバケット列112と、周囲の固定ケーシング又はステータとの間のシールシステムは、各々のバケットの半径方向外側先端に固定され、半径方向突出レール116が形成された先端シュラウド114を含む。セル状シール構造体120は、先端シュラウド及びレールと半径方向反対に固定ステータ内に支持される。シール構造体120は、その実質的に全軸方向長さ寸法に沿っていかなる半径方向障害もない連続的な略水平方向流路を提供して、先端シュラウドの周囲の流れが半径方向内方に向きを変えるのが妨げられるように形成された個別セルの環状配列を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、タービン及びタービン翼に関し、より詳細には、先端シュラウド付きタービン翼及び関連するセル状シール構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
軸流ガスタービン段は、タービンケーシング又はステータによって規定される環状部内の固定翼列と、回転翼又はバケット列とからなる。流れは、流れを回転翼に向ける羽根において部分的に膨張して、回転翼において更に膨張して必要な出力を生成する。安全な機械的操作のために、回転翼の先端とケーシング又はステータ壁との間に最小限の物理的隙間が必要である。ケーシング壁上のハニカムストリップは、一般的に、全ての運転条件において回転バケットの先端隙間が広がるのを最小限に抑えるために使用される。より小さな隙間を得るために、先端シュラウド上のレールは、過渡運転中にハニカムストリップ内の溝をこすって切削することが許されている。この溝の形状及び深さは、ロータダイナミクス及び温度特性、即ち、ロータ及びケーシングの半径方向及び軸方向の熱膨張差に左右される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4214851号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バケット先端を超えて漏れる高エネルギー流と、下流の主流とのその後の相互作用が、タービン段における損失の主な原因の1つである。一般的に、タービンにおけるこれらの先端隙間損失は、所定の段の内部の全損失の20〜25パーセントを構成する。ハニカムシール構造体に切削された溝の固有の形状によって、先端上漏れ流れは、下方(即ち、半径方向内方)に向きを変え、主流路に深く浸透して、過度の混合損失の原因となる。従って、この混合損失を最小化するあらゆる設計は、タービン段効率を向上させる。加えて、溝形状及びハニカムシール構造による高温の先端上漏れ流れの内方への転向によって、先端漏れ流れがバケット先端シュラウドの後方側に接触するようになり、バケット先端シュラウドが溝のないシール構造と比べて比較的高温の動作環境にさらされる。バケットシュラウドはタービン機械の致死的な構成部品の1つであるため、シュラウド温度を下げるあらゆる設計は、バケット寿命を高める。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的だが非限定的な実施形態によると、本発明は、機械ロータ上に支持されたバケット列と、周囲の固定ケーシングとの間のシールシステムであって、各々のバケットの半径方向外側先端に固定され、半径方向突出レールが形成された先端シュラウドと、先端シュラウド及びレールと半径方向反対に固定ケーシング内に支持されたセル状シール構造体であって、その実質的に全軸方向長さ寸法に沿っていかなる半径方向障害もない連続的な略水平方向流路を提供するように形成された個別セルの環状配列を有するセル状シール構造体とからなる、シールシステムを提供する。
【0006】
別の例示的だが非限定的な態様によると、本発明は、機械ロータ上に支持されたバケット列と、周囲の固定ケーシングとの間のシールシステムであって、各々のバケットの半径方向外側先端に固定され、半径方向突出レールが形成された先端シュラウドと、先端シュラウド及びレールと半径方向反対に固定ケーシング内に支持されたセル状シール構造体であって、その前方及び後方端の間に連続的に延在する略水平方向の密閉周辺流路を提供するように形成された、ロータの回転軸に対して略平行、プラスマイナス45度に配向された個別セルの環状配列を有するセル状シール構造体とからなるシールシステムを提供する。
【0007】
また別の例示的だが非限定的な態様において、本発明は、バケット先端/シュラウド・ステータのシール界面における先端漏れ流れとタービンエンジン内の燃焼ガスの主流との混合によって生じる混合損失を削減する方法であって、環状バケット先端シュラウドを取り囲むステータ表面にセル状シール構造体を設けるステップと、バケット先端シュラウドの半径方向外面上に、ロータ及びステータの熱膨張差特性によってタービンエンジンの過渡運転状態中にセル状シール構造体を貫通するように構成されるレールを設けるステップと、シール構造体の前方及び後方端の間に連続的に遮られずに延在する略水平方向密閉周辺流路を提供するように配列された個別セルの環状配列を含むことによって、レールのシール構造体への貫通により、先端シュラウドの周囲の先端漏れ流れが略水平方向の密閉周辺流路に閉じ込められ、それによってシール構造体の全軸方向長さ寸法に沿って主流へと半径方向内方に向きを変えるのが妨げられることになるようにセル状シール構造体を形成するステップとからなる、方法を提供する。
【0008】
次に、以下で特定する図面に関連して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】先端シュラウド付きバケット及び周囲の固定シュラウド上の既知のハニカムシール構造体を示す概略側面図である。
【図2】図1と同様だが、本発明の例示的だが非限定的な第1実施形態に従った、セル状シール構造体を組み込んだ概略側面図である。
【図2A】図2の矢印A方向に見た図2のセル状シール構造体の概略平面投影図である。
【図3】図2と同様だが、下流ディフューザ構成部品と整合する出口端を有する代替的なセル状シール構造体を示す概略側面図である。
【図4】図2と同様だが、本発明の別の例示的実施形態に従った、シール構造体に冷却剤が供給される変形例を示す概略側面図である。
【図5】本発明の範囲内のセル状構造体の図2Aと同じ観点からの概略平面投影図を示す。
【図6】本発明の範囲内のセル状構造体の図2Aと同じ観点からの概略平面投影図を示す。
【図7】本発明の範囲内のセル状構造体の図2Aと同じ観点からの概略平面投影図を示す。
【図8】本発明の範囲内のセル状構造体の図2Aと同じ観点からの概略平面投影図を示す。
【図9】本発明の範囲内のセル状構造体の図2Aと同じ観点からの概略平面投影図を示す。
【図10】ロータ軸に対して異なる軸配向のセル状構造体の概略図を示す。
【図11】ロータ軸に対して異なる軸配向のセル状構造体の概略図を示す。
【図12】ロータ軸に対して異なる軸配向のセル状構造体の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図1を参照すると、一般的な先端シュラウド付きタービンバケット10は、ガス流を遮断し、ガスのエネルギーを接線運動に変換する能動部品である翼形12を含む。この運動により、続いて、バケット10が取り付けられているロータが回転する。
【0011】
シュラウド14(本明細書では「先端シュラウド」とも呼ばれる)は、各翼形12の先端に配置され、翼形12によってその中心に向かって支持されるプレートを含む。先端シュラウドは、当業者には理解されるように様々な形状を有して良く、ここに示すような例示的な先端シュラウド14を限定とみなすべきではない。先端シュラウド14の上部に沿って、先端シュラウドと周囲の構成部品の内面との間の隙間を通るガスの流路の通過を最小限に抑えるシールレール16が配置される。レール16は、一般的に、後述する目的のために切刃(図示せず)を備える。
【0012】
図1に示すように、周囲の固定ステータシュラウド18は、壁面22,24及び26によって規定されるような固定シュラウドの陥凹部内に制限されたハニカムシール構造体20を備える。
【0013】
過渡条件での運転中(例えば、運転開始中、重要な負荷変動中、及び運転停止中)、且つタービンの高温ガス経路部品の中で熱平衡状態に達する前、ステータに対するバケット又は翼10の軸方向及び半径方向の熱膨張差特性によって、レール16及びその切刃がハニカムシール構造体20を切削して、略C字状溝30を形成することになる。ハニカムシール構造体はロータ軸に対して半径方向且つ略直角に延在する半径方向延在壁面28によって少なくとも部分的に形成されるので、レール16上を横切る燃焼ガス漏れ流れは、ハニカムシール構造体に切削された溝30に出入りするときに主流路(流れ矢印Fで示す)へ半径方向内方に向きを変える。この内方への転向によって、漏れ流れと主流が32で表される領域において相互に作用し、それによって比較的大きな混合損失が生じる。
【0014】
この現象をより十分に理解するために、ハニカムシール構造体20の構造は、環状(又は一部環状)の、半径方向に延在する、軸方向に離間配置された壁28に加えて、壁28と組み合わさって個別セルを形成する複数の、軸方向に延在する、円周方向に離間配置された壁を含む。壁28及び34の形状及び構成は変えても良いが、全ての場合において、ロータ軸に対して略直角であり、軸方向に離間配置された、半径方向に延在する、環状又は一部環状の壁部分28が個別セルに存在し、それらはレール16の周囲の先端漏れ流れを半径方向内方に向きを変えさせて、前述したように主流と相互に作用させる。
【0015】
次に、図2を参照すると、本発明の例示的だが非限定的な実施形態が示されている。便宜のために、図1で用いられている参照番号は、図2において前に「1」を付けて、対応する構成部品を表すために用いられる。セル状構造体120の構造に違いがある。まず、上記の従来の構成においては、シール構造体は「ハニカム」構造として正確に描写されていることに注意されたい。しかしながら、以下で明らかになるように、シール構造体はハニカム構造である必要はなく、実際には、後述するように一定の基準を満たす限り、いかなる数のセル状構造をとっても良い。
【0016】
より詳細には、図1のハニカム構造体20は、図2に示すようなセル状シール構造体120を選んだために不要になっている。修正設計にとって重要なのは、ロータ軸に対して略直角であり、さもなければ先端漏れ流れを遮って半径方向内方に向きを変えさせることになる、軸方向に離間配置された、半径方向内方に延在する、環状又は一部環状の壁がないことである。図2Aは、図2の矢印A方向に見た新しいセル状(又はセル)構造体120の概略参照図である。構造体は平面投影図で示されているが、実際には、その弓形長さがシールを支持するステータセグメントの弓形長さによって決まる弓形断面を有することが分かるであろう。セル状構造体120は、円周方向に離間配置された、軸方向に延在する、半径方向隔壁134と、複数の、ほぼ同心状の、半径方向に離間配置された、軸方向に延在する環状壁136とからなる。壁134及び136を組み合わせることによって、障害もなく、壁122のシール構造体の一端から壁126に示すシール構造体の他端までセル状シール構造体120に沿って連続的に略水平方向(又は軸方向)に延在する個別セル又は通路138が形成される。このことは、溝130がレール116(及び、特に、図示しないレールの切刃)によってセル状構造体120に切削された場合、先端漏れ流れは、バケット先端レール116を超えると、障害もなく、同心状の、半径方向に離間配置された壁136によって、軸方向に流れることになり、先端漏れ流れが主流へと半径方向に向きを変えるのが妨げられるため、前述の混合損失が回避又は少なくとも最小化されることを意味する。
【0017】
上記のセル状構造体の更なる利点を、図3及び4に示す。図3では、同様の参照番号が、前に「2」を付けて、該当する場合に対応する構成部品を表すのに用いられる。最終段のバケット列では、先端漏れ流れを排気ディフューザの角度と整合させ、それによって流れをディフューザにつなぐように、セル状構造体220の下流端(及びバケットの後縁の下流)でセル壁242の出口角を変更することによって、高エネルギーの先端漏れ流れを排気ディフューザ240と整合させることができる。これにより、混合損失を削減する段性能の向上とは別に、ディフューザの性能を向上させることができる。
【0018】
図4は、固定シュラウド又はステータの高温ガス経路からの比較的良好な断熱を提供するという、軸方向に配向されたセル構造体のまた別の利点を示す。これは、固定シュラウド用の改良型冷却回路として利用することもできる。ここでもまた、図2及び3で適用されたのと同様の参照番号が、前に「3」を付けて、やはり該当する場合には、対応する構成部品を表すために用いられている。より詳細には、冷却剤流れ導管344及び適切な供給手段を使用して、ステータ壁348に最も近いセル状構造体320の通路346に冷却剤を供給することで、対流によってステータ又はシュラウド壁348を冷却する。冷却空気はそれから、ほとんど悪影響を及ぼす混合もなく、円滑な移行で主流と合流する。
【0019】
図5〜9は、本発明の範囲内の例示的だが非限定的の代替的なセル構造を示す。これらの代替的なセル構造は、図2Aと同じ観点から見ている。いずれの場合も、遮られていない、軸方向に配向されたセルの配列が内部構造体によって形成されて、主流へと半径方向内方に向きを変えるのが妨げられるように、先端漏れ流れを略軸方向又は水平方向の配向に留まらせる。従って、図5では、「波状」壁410と、半径方向に離間配置された環状の同心状壁412とを交互に組み合わせることにより、固定シュラウド118(図2)の半径方向壁122及び126の間の軸方向又は水平方向に障害もなく連続的に延在する複数の三角形セル414が形成される。
【0020】
図6に示すセル状構造体では、交互の波状壁510,512が互いに対して逆であるため、半径方向に離間配置された環状の同心状壁514と組み合わせると、三角形セル516が図5の構造において形成されたものと実質的に同一となるが、セルは隣接する列のセルと異なって整列するようになる。
【0021】
図7は、別の例示的実施形態を示し、個別セル610が、相対的に配向された傾斜(又は十字)壁612,614の配列によって形成され、軸方向又は水平方向に延在するダイヤモンド状(だが、図示のように縁辺に沿って少し異なる)セル616を形成する。
【0022】
図8では、セル710が、軸方向又は水平方向に延在する管712の配列によって形成され、各々の管が多角形状を有し、それらが円周方向及び半径方向において同様の管と係合する。
【0023】
図9は、概して図8に示すものと同様の構造を示し、セル810は、やはり円周方向及び半径方向に係合する円形管812の配列によって規定されるので形状が円形である。図8及び9に示す実施形態では、管712,812の間の間隔に、更なる軸方向セル714,814がそれぞれ形成される。
【0024】
その他のセル構造も本発明で考えられ、重要な設計特徴は、半径方向内方への転向と、先端漏れ流れと主燃焼ガス流とのその後の混合を防止するように、先端漏れ流れを略軸方向に留まらせるための、軸方向に延在する、遮られていないセルを形成することである。この点に関して、所定のどのセル状構造体においても、前述の設計特徴が満たされる限りは、個別セルは均一の寸法及び形状である必要はない。
【0025】
この点に関して、ロータの回転軸に対して略平行に延在する様々なセル構造が示されている。しかしながら、図10,11及び12に示すように、セル配列(一例としてセル138を用いる)は、ロータ軸の片側に対して最大約45°の角度をなして軸方向に傾斜しても(図10)、ロータ軸に対して平行であっても(図11)、反対側に対してやはり最大約45°傾斜しても(図12)良い。配向は、主燃焼ガス流の方向に左右される。先端漏れ流れを主ガス流と並べることによって、空気混合損失がより一層削減することが期待される。
【0026】
現時点で最も実用的且つ好適な実施形態であると考えられるものに関連して本発明を説明したが、本発明は、開示された実施形態に限定されるのではなく、むしろ添付の特許請求の範囲の技術的思想及び技術的範囲内に含まれる種々の変形及び等価の構成を含むことが意図されると理解されたい。
【符号の説明】
【0027】
112 シュラウド
114 シュラウド
116 突出レール
118 ケーシング
120 シール構造体
122,126 後方半径方向肩部
124 軸方向面
136,348 壁
138,414,616 セル
226 半径方向肩部
240 ディフューザ構成部品
242 壁部分
324 軸方向面
344 手段
410,412 環状シート
612,614 複数の壁
346,710,714 流路
712 軸方向に延在する管
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、タービン及びタービン翼に関し、より詳細には、先端シュラウド付きタービン翼及び関連するセル状シール構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
軸流ガスタービン段は、タービンケーシング又はステータによって規定される環状部内の固定翼列と、回転翼又はバケット列とからなる。流れは、流れを回転翼に向ける羽根において部分的に膨張して、回転翼において更に膨張して必要な出力を生成する。安全な機械的操作のために、回転翼の先端とケーシング又はステータ壁との間に最小限の物理的隙間が必要である。ケーシング壁上のハニカムストリップは、一般的に、全ての運転条件において回転バケットの先端隙間が広がるのを最小限に抑えるために使用される。より小さな隙間を得るために、先端シュラウド上のレールは、過渡運転中にハニカムストリップ内の溝をこすって切削することが許されている。この溝の形状及び深さは、ロータダイナミクス及び温度特性、即ち、ロータ及びケーシングの半径方向及び軸方向の熱膨張差に左右される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4214851号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バケット先端を超えて漏れる高エネルギー流と、下流の主流とのその後の相互作用が、タービン段における損失の主な原因の1つである。一般的に、タービンにおけるこれらの先端隙間損失は、所定の段の内部の全損失の20〜25パーセントを構成する。ハニカムシール構造体に切削された溝の固有の形状によって、先端上漏れ流れは、下方(即ち、半径方向内方)に向きを変え、主流路に深く浸透して、過度の混合損失の原因となる。従って、この混合損失を最小化するあらゆる設計は、タービン段効率を向上させる。加えて、溝形状及びハニカムシール構造による高温の先端上漏れ流れの内方への転向によって、先端漏れ流れがバケット先端シュラウドの後方側に接触するようになり、バケット先端シュラウドが溝のないシール構造と比べて比較的高温の動作環境にさらされる。バケットシュラウドはタービン機械の致死的な構成部品の1つであるため、シュラウド温度を下げるあらゆる設計は、バケット寿命を高める。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的だが非限定的な実施形態によると、本発明は、機械ロータ上に支持されたバケット列と、周囲の固定ケーシングとの間のシールシステムであって、各々のバケットの半径方向外側先端に固定され、半径方向突出レールが形成された先端シュラウドと、先端シュラウド及びレールと半径方向反対に固定ケーシング内に支持されたセル状シール構造体であって、その実質的に全軸方向長さ寸法に沿っていかなる半径方向障害もない連続的な略水平方向流路を提供するように形成された個別セルの環状配列を有するセル状シール構造体とからなる、シールシステムを提供する。
【0006】
別の例示的だが非限定的な態様によると、本発明は、機械ロータ上に支持されたバケット列と、周囲の固定ケーシングとの間のシールシステムであって、各々のバケットの半径方向外側先端に固定され、半径方向突出レールが形成された先端シュラウドと、先端シュラウド及びレールと半径方向反対に固定ケーシング内に支持されたセル状シール構造体であって、その前方及び後方端の間に連続的に延在する略水平方向の密閉周辺流路を提供するように形成された、ロータの回転軸に対して略平行、プラスマイナス45度に配向された個別セルの環状配列を有するセル状シール構造体とからなるシールシステムを提供する。
【0007】
また別の例示的だが非限定的な態様において、本発明は、バケット先端/シュラウド・ステータのシール界面における先端漏れ流れとタービンエンジン内の燃焼ガスの主流との混合によって生じる混合損失を削減する方法であって、環状バケット先端シュラウドを取り囲むステータ表面にセル状シール構造体を設けるステップと、バケット先端シュラウドの半径方向外面上に、ロータ及びステータの熱膨張差特性によってタービンエンジンの過渡運転状態中にセル状シール構造体を貫通するように構成されるレールを設けるステップと、シール構造体の前方及び後方端の間に連続的に遮られずに延在する略水平方向密閉周辺流路を提供するように配列された個別セルの環状配列を含むことによって、レールのシール構造体への貫通により、先端シュラウドの周囲の先端漏れ流れが略水平方向の密閉周辺流路に閉じ込められ、それによってシール構造体の全軸方向長さ寸法に沿って主流へと半径方向内方に向きを変えるのが妨げられることになるようにセル状シール構造体を形成するステップとからなる、方法を提供する。
【0008】
次に、以下で特定する図面に関連して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】先端シュラウド付きバケット及び周囲の固定シュラウド上の既知のハニカムシール構造体を示す概略側面図である。
【図2】図1と同様だが、本発明の例示的だが非限定的な第1実施形態に従った、セル状シール構造体を組み込んだ概略側面図である。
【図2A】図2の矢印A方向に見た図2のセル状シール構造体の概略平面投影図である。
【図3】図2と同様だが、下流ディフューザ構成部品と整合する出口端を有する代替的なセル状シール構造体を示す概略側面図である。
【図4】図2と同様だが、本発明の別の例示的実施形態に従った、シール構造体に冷却剤が供給される変形例を示す概略側面図である。
【図5】本発明の範囲内のセル状構造体の図2Aと同じ観点からの概略平面投影図を示す。
【図6】本発明の範囲内のセル状構造体の図2Aと同じ観点からの概略平面投影図を示す。
【図7】本発明の範囲内のセル状構造体の図2Aと同じ観点からの概略平面投影図を示す。
【図8】本発明の範囲内のセル状構造体の図2Aと同じ観点からの概略平面投影図を示す。
【図9】本発明の範囲内のセル状構造体の図2Aと同じ観点からの概略平面投影図を示す。
【図10】ロータ軸に対して異なる軸配向のセル状構造体の概略図を示す。
【図11】ロータ軸に対して異なる軸配向のセル状構造体の概略図を示す。
【図12】ロータ軸に対して異なる軸配向のセル状構造体の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図1を参照すると、一般的な先端シュラウド付きタービンバケット10は、ガス流を遮断し、ガスのエネルギーを接線運動に変換する能動部品である翼形12を含む。この運動により、続いて、バケット10が取り付けられているロータが回転する。
【0011】
シュラウド14(本明細書では「先端シュラウド」とも呼ばれる)は、各翼形12の先端に配置され、翼形12によってその中心に向かって支持されるプレートを含む。先端シュラウドは、当業者には理解されるように様々な形状を有して良く、ここに示すような例示的な先端シュラウド14を限定とみなすべきではない。先端シュラウド14の上部に沿って、先端シュラウドと周囲の構成部品の内面との間の隙間を通るガスの流路の通過を最小限に抑えるシールレール16が配置される。レール16は、一般的に、後述する目的のために切刃(図示せず)を備える。
【0012】
図1に示すように、周囲の固定ステータシュラウド18は、壁面22,24及び26によって規定されるような固定シュラウドの陥凹部内に制限されたハニカムシール構造体20を備える。
【0013】
過渡条件での運転中(例えば、運転開始中、重要な負荷変動中、及び運転停止中)、且つタービンの高温ガス経路部品の中で熱平衡状態に達する前、ステータに対するバケット又は翼10の軸方向及び半径方向の熱膨張差特性によって、レール16及びその切刃がハニカムシール構造体20を切削して、略C字状溝30を形成することになる。ハニカムシール構造体はロータ軸に対して半径方向且つ略直角に延在する半径方向延在壁面28によって少なくとも部分的に形成されるので、レール16上を横切る燃焼ガス漏れ流れは、ハニカムシール構造体に切削された溝30に出入りするときに主流路(流れ矢印Fで示す)へ半径方向内方に向きを変える。この内方への転向によって、漏れ流れと主流が32で表される領域において相互に作用し、それによって比較的大きな混合損失が生じる。
【0014】
この現象をより十分に理解するために、ハニカムシール構造体20の構造は、環状(又は一部環状)の、半径方向に延在する、軸方向に離間配置された壁28に加えて、壁28と組み合わさって個別セルを形成する複数の、軸方向に延在する、円周方向に離間配置された壁を含む。壁28及び34の形状及び構成は変えても良いが、全ての場合において、ロータ軸に対して略直角であり、軸方向に離間配置された、半径方向に延在する、環状又は一部環状の壁部分28が個別セルに存在し、それらはレール16の周囲の先端漏れ流れを半径方向内方に向きを変えさせて、前述したように主流と相互に作用させる。
【0015】
次に、図2を参照すると、本発明の例示的だが非限定的な実施形態が示されている。便宜のために、図1で用いられている参照番号は、図2において前に「1」を付けて、対応する構成部品を表すために用いられる。セル状構造体120の構造に違いがある。まず、上記の従来の構成においては、シール構造体は「ハニカム」構造として正確に描写されていることに注意されたい。しかしながら、以下で明らかになるように、シール構造体はハニカム構造である必要はなく、実際には、後述するように一定の基準を満たす限り、いかなる数のセル状構造をとっても良い。
【0016】
より詳細には、図1のハニカム構造体20は、図2に示すようなセル状シール構造体120を選んだために不要になっている。修正設計にとって重要なのは、ロータ軸に対して略直角であり、さもなければ先端漏れ流れを遮って半径方向内方に向きを変えさせることになる、軸方向に離間配置された、半径方向内方に延在する、環状又は一部環状の壁がないことである。図2Aは、図2の矢印A方向に見た新しいセル状(又はセル)構造体120の概略参照図である。構造体は平面投影図で示されているが、実際には、その弓形長さがシールを支持するステータセグメントの弓形長さによって決まる弓形断面を有することが分かるであろう。セル状構造体120は、円周方向に離間配置された、軸方向に延在する、半径方向隔壁134と、複数の、ほぼ同心状の、半径方向に離間配置された、軸方向に延在する環状壁136とからなる。壁134及び136を組み合わせることによって、障害もなく、壁122のシール構造体の一端から壁126に示すシール構造体の他端までセル状シール構造体120に沿って連続的に略水平方向(又は軸方向)に延在する個別セル又は通路138が形成される。このことは、溝130がレール116(及び、特に、図示しないレールの切刃)によってセル状構造体120に切削された場合、先端漏れ流れは、バケット先端レール116を超えると、障害もなく、同心状の、半径方向に離間配置された壁136によって、軸方向に流れることになり、先端漏れ流れが主流へと半径方向に向きを変えるのが妨げられるため、前述の混合損失が回避又は少なくとも最小化されることを意味する。
【0017】
上記のセル状構造体の更なる利点を、図3及び4に示す。図3では、同様の参照番号が、前に「2」を付けて、該当する場合に対応する構成部品を表すのに用いられる。最終段のバケット列では、先端漏れ流れを排気ディフューザの角度と整合させ、それによって流れをディフューザにつなぐように、セル状構造体220の下流端(及びバケットの後縁の下流)でセル壁242の出口角を変更することによって、高エネルギーの先端漏れ流れを排気ディフューザ240と整合させることができる。これにより、混合損失を削減する段性能の向上とは別に、ディフューザの性能を向上させることができる。
【0018】
図4は、固定シュラウド又はステータの高温ガス経路からの比較的良好な断熱を提供するという、軸方向に配向されたセル構造体のまた別の利点を示す。これは、固定シュラウド用の改良型冷却回路として利用することもできる。ここでもまた、図2及び3で適用されたのと同様の参照番号が、前に「3」を付けて、やはり該当する場合には、対応する構成部品を表すために用いられている。より詳細には、冷却剤流れ導管344及び適切な供給手段を使用して、ステータ壁348に最も近いセル状構造体320の通路346に冷却剤を供給することで、対流によってステータ又はシュラウド壁348を冷却する。冷却空気はそれから、ほとんど悪影響を及ぼす混合もなく、円滑な移行で主流と合流する。
【0019】
図5〜9は、本発明の範囲内の例示的だが非限定的の代替的なセル構造を示す。これらの代替的なセル構造は、図2Aと同じ観点から見ている。いずれの場合も、遮られていない、軸方向に配向されたセルの配列が内部構造体によって形成されて、主流へと半径方向内方に向きを変えるのが妨げられるように、先端漏れ流れを略軸方向又は水平方向の配向に留まらせる。従って、図5では、「波状」壁410と、半径方向に離間配置された環状の同心状壁412とを交互に組み合わせることにより、固定シュラウド118(図2)の半径方向壁122及び126の間の軸方向又は水平方向に障害もなく連続的に延在する複数の三角形セル414が形成される。
【0020】
図6に示すセル状構造体では、交互の波状壁510,512が互いに対して逆であるため、半径方向に離間配置された環状の同心状壁514と組み合わせると、三角形セル516が図5の構造において形成されたものと実質的に同一となるが、セルは隣接する列のセルと異なって整列するようになる。
【0021】
図7は、別の例示的実施形態を示し、個別セル610が、相対的に配向された傾斜(又は十字)壁612,614の配列によって形成され、軸方向又は水平方向に延在するダイヤモンド状(だが、図示のように縁辺に沿って少し異なる)セル616を形成する。
【0022】
図8では、セル710が、軸方向又は水平方向に延在する管712の配列によって形成され、各々の管が多角形状を有し、それらが円周方向及び半径方向において同様の管と係合する。
【0023】
図9は、概して図8に示すものと同様の構造を示し、セル810は、やはり円周方向及び半径方向に係合する円形管812の配列によって規定されるので形状が円形である。図8及び9に示す実施形態では、管712,812の間の間隔に、更なる軸方向セル714,814がそれぞれ形成される。
【0024】
その他のセル構造も本発明で考えられ、重要な設計特徴は、半径方向内方への転向と、先端漏れ流れと主燃焼ガス流とのその後の混合を防止するように、先端漏れ流れを略軸方向に留まらせるための、軸方向に延在する、遮られていないセルを形成することである。この点に関して、所定のどのセル状構造体においても、前述の設計特徴が満たされる限りは、個別セルは均一の寸法及び形状である必要はない。
【0025】
この点に関して、ロータの回転軸に対して略平行に延在する様々なセル構造が示されている。しかしながら、図10,11及び12に示すように、セル配列(一例としてセル138を用いる)は、ロータ軸の片側に対して最大約45°の角度をなして軸方向に傾斜しても(図10)、ロータ軸に対して平行であっても(図11)、反対側に対してやはり最大約45°傾斜しても(図12)良い。配向は、主燃焼ガス流の方向に左右される。先端漏れ流れを主ガス流と並べることによって、空気混合損失がより一層削減することが期待される。
【0026】
現時点で最も実用的且つ好適な実施形態であると考えられるものに関連して本発明を説明したが、本発明は、開示された実施形態に限定されるのではなく、むしろ添付の特許請求の範囲の技術的思想及び技術的範囲内に含まれる種々の変形及び等価の構成を含むことが意図されると理解されたい。
【符号の説明】
【0027】
112 シュラウド
114 シュラウド
116 突出レール
118 ケーシング
120 シール構造体
122,126 後方半径方向肩部
124 軸方向面
136,348 壁
138,414,616 セル
226 半径方向肩部
240 ディフューザ構成部品
242 壁部分
324 軸方向面
344 手段
410,412 環状シート
612,614 複数の壁
346,710,714 流路
712 軸方向に延在する管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械ロータ上に支持されたバケット列(112)と、周囲の固定ケーシング(118)との間のシールシステムであって、
各々のバケットの半径方向外側先端に固定され、半径方向突出レール(116)が形成された先端シュラウド(114)と、
前記先端シュラウド及び前記レールと半径方向反対に前記固定ケーシング内に支持されたセル状シール構造体(120)であって、その実質的に全軸方向長さ寸法に沿っていかなる半径方向障害もない連続的な略水平方向流路を提供するように形成された個別セル(138)の環状配列を有する前記セル状シール構造体(120)とからなる、シールシステム。
【請求項2】
前記セル(138)の各々は、前記ロータの回転軸に対して略平行に延在する、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項3】
前記セル(138)の各々は、前記ロータの回転軸に対してプラスマイナス45度の範囲で軸方向に延在する、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項4】
前記個別セル(138)の環状配列は、複数の、円周方向に離間配置された、半径方向に延在する隔壁(134)が交差する、複数の、略同心状の、半径方向に離間配置された、軸方向に延在する環状壁(136)によって形成される、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項5】
前記個別セル(414)の環状配列は、複数の、半径方向に積み重ねられた、交互の、波状及び平滑な環状シート(410,412)によって形成される、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項6】
前記個別セル(616)の環状配列は、前記個別セルの横断面が略ダイヤモンド形状であるように、ほぼ45度の角度で交差する複数の壁(612,614)によって形成される、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項7】
前記個別セルの環状配列は、隣接する管と係合し、それによって前記管内の第1群の前記流路(710)と、係合した隣接する管の間の間隔内の第2群の前記流路(714)とを形成する、軸方向に延在する管(712)の、環状の、半径方向に積み重ねられた配列によって形成される、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項8】
前記固定ケーシング(318)の壁(348)に隣接する少なくとも半径方向外側の前記流路(346)に冷却剤を供給することによって、対流冷却によって前記壁を冷却するための手段(344)を更に備える、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項9】
前記バケットの下流の少なくとも一部のセル壁部分(242)は、下流方向に延在する機械構成部品(240)の表面と実質的に整合するように、半径方向外方に角度をなす、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項10】
前記機械構成部品(240)はタービンディフューザである、請求項9に記載のシールシステム。
【請求項11】
機械ロータ上に支持されたバケット列(112)と、周囲の固定ケーシング(118)との間のシールシステムであって、
各々のバケットの半径方向外側先端に固定され、半径方向突出レール(116)が形成された先端シュラウド(114)と、
前記先端シュラウド及び前記レールと半径方向反対に前記固定ケーシング内に支持されたセル状シール構造体(120)であって、その前方及び後方端の間に連続的に延在する略水平方向の密閉周辺流路を提供するように形成された、前記ロータの回転軸に対して略平行、プラスマイナス45度に配向された個別セル(138)の環状配列を有する前記セル状シール構造体(120)とからなる、シールシステム。
【請求項12】
前記シール構造体(120)は、前記固定ケーシング(118)に形成され、オフセット軸方向面(124)によって接続される前方及び後方半径方向肩部(122,126)によって形成された環状凹部(124)内に少なくとも部分的に配置されている、請求項11に記載のシールシステム。
【請求項13】
前記オフセット軸方向面(324)に隣接する少なくとも半径方向外側の前記流路(346)に冷却剤を供給することによって、対流冷却によって前記オフセット軸方向面を冷却するための手段(344)が設けられている、請求項12に記載のシールシステム。
【請求項14】
前記後方半径方向肩部(226)の下流の少なくとも一部のセル壁部分(242)は、下流方向に延在するディフューザ構成部品(240)の表面と実質的に整合するように、半径方向外方に角度をなす、請求項11または12に記載のシールシステム。
【請求項1】
機械ロータ上に支持されたバケット列(112)と、周囲の固定ケーシング(118)との間のシールシステムであって、
各々のバケットの半径方向外側先端に固定され、半径方向突出レール(116)が形成された先端シュラウド(114)と、
前記先端シュラウド及び前記レールと半径方向反対に前記固定ケーシング内に支持されたセル状シール構造体(120)であって、その実質的に全軸方向長さ寸法に沿っていかなる半径方向障害もない連続的な略水平方向流路を提供するように形成された個別セル(138)の環状配列を有する前記セル状シール構造体(120)とからなる、シールシステム。
【請求項2】
前記セル(138)の各々は、前記ロータの回転軸に対して略平行に延在する、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項3】
前記セル(138)の各々は、前記ロータの回転軸に対してプラスマイナス45度の範囲で軸方向に延在する、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項4】
前記個別セル(138)の環状配列は、複数の、円周方向に離間配置された、半径方向に延在する隔壁(134)が交差する、複数の、略同心状の、半径方向に離間配置された、軸方向に延在する環状壁(136)によって形成される、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項5】
前記個別セル(414)の環状配列は、複数の、半径方向に積み重ねられた、交互の、波状及び平滑な環状シート(410,412)によって形成される、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項6】
前記個別セル(616)の環状配列は、前記個別セルの横断面が略ダイヤモンド形状であるように、ほぼ45度の角度で交差する複数の壁(612,614)によって形成される、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項7】
前記個別セルの環状配列は、隣接する管と係合し、それによって前記管内の第1群の前記流路(710)と、係合した隣接する管の間の間隔内の第2群の前記流路(714)とを形成する、軸方向に延在する管(712)の、環状の、半径方向に積み重ねられた配列によって形成される、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項8】
前記固定ケーシング(318)の壁(348)に隣接する少なくとも半径方向外側の前記流路(346)に冷却剤を供給することによって、対流冷却によって前記壁を冷却するための手段(344)を更に備える、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項9】
前記バケットの下流の少なくとも一部のセル壁部分(242)は、下流方向に延在する機械構成部品(240)の表面と実質的に整合するように、半径方向外方に角度をなす、請求項1に記載のシールシステム。
【請求項10】
前記機械構成部品(240)はタービンディフューザである、請求項9に記載のシールシステム。
【請求項11】
機械ロータ上に支持されたバケット列(112)と、周囲の固定ケーシング(118)との間のシールシステムであって、
各々のバケットの半径方向外側先端に固定され、半径方向突出レール(116)が形成された先端シュラウド(114)と、
前記先端シュラウド及び前記レールと半径方向反対に前記固定ケーシング内に支持されたセル状シール構造体(120)であって、その前方及び後方端の間に連続的に延在する略水平方向の密閉周辺流路を提供するように形成された、前記ロータの回転軸に対して略平行、プラスマイナス45度に配向された個別セル(138)の環状配列を有する前記セル状シール構造体(120)とからなる、シールシステム。
【請求項12】
前記シール構造体(120)は、前記固定ケーシング(118)に形成され、オフセット軸方向面(124)によって接続される前方及び後方半径方向肩部(122,126)によって形成された環状凹部(124)内に少なくとも部分的に配置されている、請求項11に記載のシールシステム。
【請求項13】
前記オフセット軸方向面(324)に隣接する少なくとも半径方向外側の前記流路(346)に冷却剤を供給することによって、対流冷却によって前記オフセット軸方向面を冷却するための手段(344)が設けられている、請求項12に記載のシールシステム。
【請求項14】
前記後方半径方向肩部(226)の下流の少なくとも一部のセル壁部分(242)は、下流方向に延在するディフューザ構成部品(240)の表面と実質的に整合するように、半径方向外方に角度をなす、請求項11または12に記載のシールシステム。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−220334(P2011−220334A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71533(P2011−71533)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】
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