説明

ダイレクトメールポイントシステム

【目的】 ダイレクトメールの開封を促進さえることが可能な、ダイレクトメールポイントシステムの実現を課題とする。
【構成】 ダイレクトメール12は、封書又は圧着はがきの内部にダイレクトメール本文と共に封入された所定の開封ポイント数と第1のバーコードが記載された開封ポイント券と、表面に印刷された開封ポイント券が封入されていることを示すポイント封入マークとを有し、受取人13は開封ポイント券をポイント事務局11に郵送するか、又は、開封ポイント券表面の第1のバーコードをカメラ付き携帯電話器16で読み取ることにより、受取人別に開封ポイントが集計積算され、集計積算された開封ポイントの数に応じてポイント事務局11から所定の景品が受取人に送られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイレクトメール(以下DMと略す)のポイントシステムに関し、特にDMの開封を促すことができるダイレクトメールポイントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
DMはインターネットを用いた電子メール広告に比べて費用がかかる反面、読み易く、視覚、触覚、嗅覚、味覚に訴える広告が可能であるなどの利点を持っている。また、電子メール広告ではスパムメールが社会問題になっている中、DMには電子メールのような手軽さがない分、いいかげんなものが少なく、長い歴史の中で認知されて受け入れられてきている。
ところで、DMを出す各社は、開封率・精読率・レスポンス率を向上させるように工夫を凝らしているが、単独の実施ではコスト面と企画面ですでに限界にきている。またDMの効果を確認することもなかなか難しい。
DMを出す各社が独自でキャンペーンを行う場合は、単発的なものが多く、キャンペーンを行なうとなると、その企画や告知、プレゼントの準備などに手間と費用が多くかかり、そのわりに、期待している効果があまり出ないのが現状である。また、単発的なプレゼントキャンペーンでは、実際にDMに示された通りの当選率があり、それだけのプレゼントが配られたかどうかを確かめることができない。
インターネット上のDMに関するものでは、DMメールサーバ装置からDMを発送した後、このDMが閲覧されたか否かを判定し、この判定結果に基づいて商品購買に特典を与えるようにした例が報告されている(特許文献1参照。)。
また、顧客の購入履歴を含むデータを顧客ごとに収録し、商品に応じてつけられたIDにしたがって検索して、商品ごとの顧客の購入履歴を集計して、顧客を決定し、DMの効果を確認するなどの方法も提唱されている(特許文献2参照。)。
しかしながら、送付されるDMの開封を促進させ、広告としての効果を上げる有効な方法が提案された例はない。
【特許文献1】特開2002−15224号公報
【特許文献2】特開2002−133277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上に述べたように、送付されるDMの効果を上げるためには、まずその開封率を向上させることが必要であるが、コスト面と企画面ですでに限界にきている。
本発明は、この点を解決して、DMに各社に共通のポイントシールを封入するという方法で、DMの開封を促進させることが可能な、ダイレクトメールポイントシステムの実現を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1は、ダイレクトメールに封入される開封ポイントを収集し、収集されたポイント数に応じた便宜を提供する開封ポイントシステムにおいて、前記ダイレクトメールは、内部にダイレクトメール本文と共に封入された所定の開封ポイント数と第1のバーコードが記載された開封ポイント券と、前記ダイレクトメールの表面又は裏面に設けられた前記開封ポイント券が封入されていることを示すポイント封入マークとを有し、前記ダイレクトメールの受取人が前記開封ポイント券をポイント事務局のポイント回収センターに送付するか、又は、前記開封ポイント券表面の前記第1のバーコードを画像情報入力装置付き情報端末で読み取ることにより、前記受取人別に前記開封ポイント券の開封ポイントが前記回収センターで集計積算され、前記集計積算された開封ポイントの数に応じて前記ポイント事務局から所定の景品が前記受取人に送られることを特徴とする。
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の請求項2は、請求項1に記載の開封ポイントシステムにおいて、前記ダイレクトメールは封書又は圧着はがきで構成されていることを特徴とする。
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の請求項3は、請求項1又は請求項2に記載の開封ポイントシステムにおいて、前記ポイント事務局は協賛企業に対して前記開封ポイント券を販売し、前記協賛企業は自社が送付する前記ダイレクトメールに前記開封ポイント券を封入して送付することを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の請求項4は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の開封ポイントシステムにおいて、前記第1のバーコードには、前記回収センターの電子メールアドレス、前記ダイレクトメールを発送した協賛企業の名称を含むダイレクトメールの内容を示すデータ、前記開封ポイント数、発券年月日、識別番号の情報が含まれていることを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の請求項5は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の開封ポイントシステムにおいて、前記第1のバーコードに含まれる前記情報を基に、前記回収センターは前記開封ポイントを前記受取人別に重複なく集計積算すると共に、前記情報を前記開封ポイント券の発行年月別、協賛企業別あるいはダイレクトメールの内容別に分析することを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の請求項6は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の開封ポイントシステムにおいて、前記ポイント封入マークには、前記ダイレクトメール本文のインデックスと封入された前記開封ポイント券のポイント数を示す情報を表した第2のバーコードが記載されており、前記第2のバーコードをカメラ付き情報通信端末で読み取ることにより、封入されている前記開封ポイント券のポイント数と前記ダイレクトメール本文のおよその内容などの情報が前記カメラ付き情報通信端末に表示されることを特徴とする。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の請求項7は、請求項1乃至請求項5のいずれかにに記載の開封ポイントシステムにおいて、前記第1のバーコードは2次元バーコードであることを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の請求項8は、請求項6に記載の開封ポイントシステムにおいて、前記第1のバーコード及び前記第2のバーコードは2次元バーコードであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上に述べたように、本発明のダイレクトメールポイントシステムでは、DMに各社共通の開封ポイント券を封入し、収集したポイント数に応じて商品を提供するようにしたので、DMの開封率を向上することができる。ポイント券は、郵送でも宅配メール便でも電子メールでも送ることが可能なので、ポイント収集に際して受取人の負担は少ない。
これにより、封書で送られるDMの開封率を上げ、ひいては、DMに対する精読率、レスポンス率を上げることができ、さらにDMが単なる広告ではなく一定の価値を有するものとなるため、受取人がこれをすぐにごみとして捨てないで大事にするようになり、広告としての効果が大きくなる。
また、受取人は偽りのないキャンペーンメリットを受け取ることができるので、DMに対する信頼感が上がり、この点からも広告効果が高くなる。また、DMは封書又は圧着はがきで送られるためポイントが盗用されることはなく、この点でも信頼感が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に、本発明のダイレクトメールポイントシステムの一実施の形態の基本構成を示すブロック図である。図1において、符号11はポイント事務局、符号12は各社のDM、符号13は受取人、符号14はポイント券の台紙、符号15は郵便ポスト、符号16はカメラ付き携帯電話、符号17はインターネットなどのネットワークである。また、図2は、本発明のダイレクトメールポイントシステムの運用過程をしめすフローチャートである。
【0014】
図1及び図2にそって、本実施の形態の運用過程を説明する。
ダイレクトメールポイントシステムに加入した企業(以下協賛企業と呼ぶ。)はポイント事務局11に参加料を支払う(図2のステップ1)。これに応じてポイント事務局11は協賛企業が使用できるポイントをその合計点数で提供する(図2のステップ2)。ポイント事務局11からポイントの提供を受けた協賛企業は、自社のDM12に開封ポイント券を印刷するか開封ポイント券を同封して消費者13に向けてDM12を発送する(図2のステップ3)。
【0015】
図3に開封ポイント券の例を示す。開封ポイント券は、予め「開封ポイント券○点」というような共通文字と共通の表示形式を決めておき、協賛企業がそれぞれのDM12の所定の位置に印刷するなどして発送する。
図4に、開封ポイント券を封入したDM12の封筒又は圧着はがきの表面の例を示す。封筒又は圧着はがきには開封ポイント券が封入されていることを示すポイント封入マークが印刷されている。このポイント封入マークには封入されているポイント数が記載されていることが望ましい。さらに、このポイント封入マークにバーコードを付しておき、このバーコードを、画像情報入力装置付き情報端末、例えばカメラ付き携帯電話16で読み取ると、DM内容のインデックスと封入ポイント数がカメラ付き携帯電話16に表示されて読み取りが可能なようにすることもできる。このときのバーコードはより多くの情報を所定の面積内に書ける2次元バーコードが好ましい。また、DM12は封書又は圧着はがきであるため、封入されたポイントが他人に盗用されることはない。
【0016】
DM12の配達を受けた消費者13(以下受取人と呼ぶ。)は、DM12を受け取り(図2のステップ4)、そのまま廃棄する(図2のステップ16)ことが従来は多かったが、ポイント封入マークを見て受取人13にDM12に対する関心が生まれる。関心が生まれた受取人12は、ポイント封入マークのバーコードを読み取ってDM12の内容を判断して(図2のステップ5)、その後開封するか、そのまま、開封して(図2のステップ6)、ポイント券を受け取る。これによって、まず、DM12を開封させるという当初の目的を達成することができる。
【0017】
開封ポイント券を受け取った受取人13は、送付された場合は、その開封ポイント券を台紙14に貼り付けて(図2のステップ7)、集めた開封ポイント券を貼った台紙14をポスト15に投函して送付する(図2のステップ6)。図5に開封ポイント券を貼り付ける台紙14の一例を示す。この場合、景品の商品に相当するポイント分を集めて送っても良いし、適当なポイント数を送ってポイント事務局11で集計してもらうようにしても良い。
メール送信の場合は、カメラ付き携帯電話16のような画像情報入力装置付き情報端末で開封ポイント券を読み取り、加入者番号などと共にネットワーク17を介してメール送信する(図2のステップ9)。
送付された開封ポイント券、及びメール送信されたポイントは、ポイント事務局11でポイント券ごとに付された識別番号を手がかりに重複を避けて受取人13ごとに集計される(図2のステップ10)。識別番号は、基本的には開封ポイントの偽造防止とポイント集計時の重複を避ける目的のものであるが、識別番号にダイレクトメールを発送した協賛企業の名称、ダイレクトメールの内容、開封ポイント数、発券年月日などの情報を含ませることもできる。このようにすれば識別番号を読み取るだけで事後の集計を効率よく実施することもできる。
【0018】
集計されたポイント数はポイント事務局11より受取人13に通知され、受取人13は現在の集計ポイントから交換できる商品を指定してポイント事務局11に通知する(図2のステップ11)。ポイント事務局11は受取人13の集計ポイントから指定商品分のポイント数を引いて指定商品を受取人13に送る。
ポイント事務局11では、また、識別番号を手がかりに協賛企業別、DM12の種類別にポイントを集計し分析して協賛企業に通知する(図2のステップ14)。協賛企業は、この結果を基にDM12のマーケティング効果を分析することができる(図2のステップ15)。
【0019】
このようなダイレクトメールポイントシステムを展開すると、受取人13である消費者は、各社のDMのポイントを集めることによって希望の商品を手に入れるチャンスがあるので、いつも受け取るDMに付加価値がつくことで利益を得る。
協賛企業は、複数社が共同の開封ポイント券を利用することで一企業でこのようなシステムを行なうよりもはるかに大きな相乗効果が期待できる。また、従来、開封率の低かった商品のDMほど高いポイントを付すようにすることで、開封率ひいてはレスポンス率を向上することができる。また、協賛企業ではポイント集計からDMの効果を計ることができるので、この面でも収穫が大きい。
また、DMにポイントを付けることで、受取人が待ち遠しくなるような仕組みが出来上がれば、もっとDMを用いる企業が増えることになり、印刷業者、宅配業者、郵政公社など関連企業にメリットが生まれ、DMに気遣いするようになれば他の郵便物や宅配にも関心が大きくなって、郵便、宅配全体のレスポンス率の向上が望める。
【0020】
開封ポイント券はデジタル印刷技術を用いると共に、識別番号をつけることで、複写などによる偽造を防止することができる。
開封ポイントの製造、集計、情報管理を一括してポイント事務局で厳重な管理にもとに行なっているので、個人情報が外部に漏れることがなく、個人情報のセキュリティが保たれる。
開封ポイントを複数の企業に共通に行なうため、協賛企業として大掛かりなDM予算を持たない中小企業でも参加することが可能になり、広い産業分野の広範囲な企業の参加が期待できる。
また、DMを受け取る消費者も全国一律で応募ができるため、都市部から離れた離島や山間部でも開封ポイントの収集が楽しめ、高い汎用性が望める。
お年玉くじ付き年賀はがきが幅広い層で支持されているように、開封ポイントが世の中に受け入れられ普及すれば、年賀はがきと違って一年中参加できるので、さらに大きな市場性が期待できる。しかも、従来の懸賞などのように一時的なものでないので、市場性が長続きすることが望める。
【産業上の利用可能性】
【0021】
以上述べたように、本発明のダイレクトメールポイントシステムによると、開封ポイントによって受取人にDMの開封を促す効果があるので、DMを用いた宣伝の価値を高めることになり、産業上の広い分野における広告宣伝に利用の可能性が高く、広い分野に用いられる可能性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のダイレクトメールポイントシステムの基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のダイレクトメールポイントシステムの運用過程をしめすフローチャートである。
【図3】開封ポイント券の一例を示す図である。
【図4】開封ポイント券を封入したダイレクトメールの封筒の表面の一例を示す図である。
【図5】開封ポイント券を貼り付ける台紙の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
11 ポイント事務局
12 各社のDM
13 受取人
14 ポイント券の台紙
15 郵便ポスト
16 カメラ付き携帯電話
17 ネットワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイレクトメールに封入される開封ポイントを収集し、収集されたポイント数に応じた便宜を提供する開封ポイントシステムにおいて、
前記ダイレクトメールは、内部にダイレクトメール本文と共に封入された所定の開封ポイント数と第1のバーコードが記載された開封ポイント券と、前記ダイレクトメールの表面又は裏面に設けられた前記開封ポイント券が封入されていることを示すポイント封入マークとを有し、
前記ダイレクトメールの受取人が前記開封ポイント券をポイント事務局のポイント回収センターに送付するか、又は、前記開封ポイント券表面の前記第1のバーコードを画像情報入力装置付き情報端末で読み取ることにより、前記受取人別に前記開封ポイント券の開封ポイントが前記回収センターで集計積算され、
前記集計積算された開封ポイントの数に応じて前記ポイント事務局から所定の景品が前記受取人に送られることを特徴とするダイレクトメールの開封ポイントシステム。
【請求項2】
前記ダイレクトメールは封書又は圧着はがきで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイレクトメールの開封ポイントシステム。
【請求項3】
前記ポイント事務局は協賛企業に対して前記開封ポイント券を販売し、前記協賛企業は自社が送付する前記ダイレクトメールに前記開封ポイント券を封入して送付することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイレクトメールの開封ポイントシステム。
【請求項4】
前記第1のバーコードには、前記回収センターの電子メールアドレス、前記ダイレクトメールを発送した協賛企業の名称を含むダイレクトメールの内容を示すデータ、前記開封ポイント数、発券年月日、識別番号の情報が含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の開封ポイントシステム。
【請求項5】
前記第1のバーコードに含まれる前記情報を基に、前記回収センターは前記開封ポイントを前記受取人別に重複なく集計積算すると共に、前記情報を前記開封ポイント券の発行年月別、協賛企業別あるいはダイレクトメールの内容別に分析することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の開封ポイントシステム。
【請求項6】
前記ポイント封入マークには、前記ダイレクトメール本文のインデックスと封入された前記開封ポイント券のポイント数を示す情報を表した第2のバーコードが記載されており、前記第2のバーコードをカメラ付き情報通信端末で読み取ることにより、封入されている前記開封ポイント券のポイント数と前記ダイレクトメール本文のおよその内容などの情報が前記カメラ付き情報通信端末に表示されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の開封ポイントシステム。
【請求項7】
前記第1のバーコードは2次元バーコードであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の開封ポイントシステム。
【請求項8】
前記第1のバーコード及び前記第2のバーコードは2次元バーコードであることを特徴とする請求項6に記載の開封ポイントシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−171874(P2006−171874A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−360022(P2004−360022)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(503418586)ageUN株式会社 (1)
【Fターム(参考)】