説明

ダビガトランエテキシラートを含有する経口用医薬組成物

本発明は、ダビガトランエテキシラートまたはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する経口用医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダビガトランエテキシラートまたはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する経口用医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ダビガトランエテキシラート(3−[(2−{[4−(ヘキシロキシカルボニルアミノ−イミノ−メチル)−フェニルアミノ]−メチル}−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニル)−ピリジン−2−イル−アミノ]−プロピオン酸エチルエステル)は以下の化学式で表される。
【化1】

【0003】
この活性物質は、国際公開第98/37075号により既に公知であり、その主要な適応領域は、術後の深部静脈血栓症の予防および脳卒中の予防である。
【0004】
この活性物質の水への溶解度は、わずか1.8mg/mlである。また、この活性物質の溶解度はpH依存性が強く、酸性環境で大幅に増大する。したがって、従来の経口用医薬組成物には、この活性物質の溶解度が患者の胃内pH値に依存するため生物学的利用率が大きく変動するという問題がある。このことは、生理的変動、病気または前投薬(例えばPP阻害剤)により胃内pH値が変化する患者において特に問題となる。したがって、胃内pH値に非依存的な放出特性を有しひいては有効成分の生体内利用に適した、活性物質ダビガトランエテキシラートの経口用医薬組成物が必要とされている。
【0005】
国際公開第03/074056号では、ダビガトランエテキシラートに加えて、20℃の水溶解度が1g/250mlより高い薬学的に許容される有機酸を1以上含む、経口で用いられる医薬組成物が示唆されている。しかし、このような医薬組成物は患者に対して禁忌となる可能性がある。さらに、有機酸の配合により、適切な錠剤またはカプセル剤に含有させることの可能な有効成分量は制限される。この問題は、有機酸の緩衝能が一般に低く、適切な錠剤の溶出時に周囲環境のpH値に影響を及ぼすには比較的多くの量を配合しなくてはならないという事実によって、さらに厄介なものとなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、ダビガトランエテキシラートを含有する経口用医薬組成物に無機酸添加剤を配合することにより、上述した問題だけでなくその他の問題も解決できることが分かった。したがって、本発明は、ダビガトランエテキシラートまたはその薬学的に許容される塩と無機酸添加剤とを含有する経口用医薬組成物に関する。
【発明の効果】
【0007】
上記の無機酸添加剤は既に体内に存在する酸または塩をベースとするものであるので、理論に縛られることなく、本発明の経口用医薬組成物は先行技術において公知の当該組成物よりも忍容性が良好であると考えられる。さらに、無機酸添加剤は、多くの場合モル重量が小さいため、従来の当該医薬組成物より、剤形サイズを小さくすることも有効成分の充填量を増やすことも可能である。この効果は、無機酸添加剤は緩衝能が高いことにより少量で胃内pH値の大きな個体内変動を吸収することができ、それによって有効成分の均一な溶出および流入を保証するという事実によってさらに増強される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の経口用医薬組成物に用いられる無機酸添加剤は、1%水溶液のpH値が6未満であることが必須であり、好ましいpH値は1〜4である。
【0009】
好適な無機酸添加剤は、任意の薬学的に許容される添加剤であってよく、特に無機酸または無機酸の塩であってもよい。無機酸添加剤の使用量は、経口用医薬組成物の溶出時に有効成分の周囲環境のpH値が酸性に調整されるように、当業者が選択することができる。例えば、有効成分と無機酸添加剤との重量比としては、1:10〜10:1の範囲が挙げられる。
【0010】
特に好適な無機酸添加剤は、塩酸、硫酸およびリン酸などの無機酸である。特に、塩酸などの揮発性の高い酸においては、マイクロカプセルに封入された状態、結合剤表面に吸着した状態、または結合剤内に吸収された状態で存在している場合、有利であることが分かっている。この場合に好適な結合剤としては、具体的にはポリマーおよびケイ酸、特にアエロジル(aerosil)などの発熱性ケイ酸が挙げられる。ポリマーとしては、親水性ポリマー、具体的には水溶解度が0.01mg/mlより高い水溶性ポリマーが有利に用いられる。微結晶セルロースもまた好適である。
【0011】
一般に、「親水性ポリマー」の定義には、極性基を有するポリマーが包含される。極性基の例としては、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、カルボニル基、エーテル基、エステル基およびスルホン酸基が挙げられるが、ヒドロキシ基が特に好ましい。
【0012】
親水性ポリマーの平均分子量は、通常1,000〜250,000g/mol、好ましくは2,000〜100,000g/mol、特に好ましくは4,000〜85,000g/molである。さらに、親水性ポリマーを純水に溶解した2%(w/w)溶液の粘度は、25℃において2〜8mPasであることが好ましい。この粘度は、欧州薬局方(Ph.Eur.)、第6版、2.2.10章に従って測定されるものである。
【0013】
さらに、親水性ポリマーのガラス転移点(Tg)は、20〜220℃であることが好ましく、25〜160℃であることがさらに好ましい。ガラス転移点(Tg)とは、親水性ポリマーがこの温度を境にして低温では脆性になり、高温では柔軟性を有する温度のことを言う。このことは、親水性ポリマーはガラス転移点を超える温度では柔らかくなり、分断されることなく可塑的に変形し得ることを意味する。このガラス転移点は、昇温速度10℃/分および降温速度15℃/分の条件下、メトラートレド(登録商標)社製の示差走査熱量測定装置DSC 1を用いて測定されるものである。
【0014】
好適な親水性ポリマーの例として、セルロース誘導体、具体的にはセルロースの親水性誘導体(例えばHPMC、HPC、カルボキシメチルセルロース(好ましくはナトリウム塩またはカルシウム塩)、ヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース)、ポリビニルピロリドン(PVP)、好ましくは分子量が10,000〜60,000g/molであるPVP、PVPの共重合体、好ましくは構成単位としてビニルピロリドンと酢酸ビニルとを含む共重合体(例えばポビドン、VA64、BASF)であって、分子量が40,000〜70,000g/molである共重合体、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック共重合体(ポロキサマー、プルロニック)、ポリメタクリレート誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコール誘導体が挙げられる。
【0015】
無機酸および結合剤から適切な吸着物または吸収物を調製するために、例えば無機酸を結合剤表面に噴霧して、さらに厳密にいえば、粒状にしてもよく、あるいは結合剤を無機酸の溶液に分散してもよい。あるいは、例えば、無機酸と結合剤とで構成される溶液/懸濁液を一般的な方法で噴霧乾燥または凍結乾燥することもできる。
【0016】
無機酸の代わりに、無機酸の塩を無機酸添加剤として使用してもよい。無機酸の塩は、任意の薬学的に許容される塩であってよく、例えば、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、硫酸水素塩、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化カルシウムおよび硫酸カルシウムが好適である。リン酸水素塩、リン酸二水素塩および硫酸水素塩は、具体的にはアルカリ塩またはアンモニウム塩、特にナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩である。上述の塩は、例えば塩化マグネシウム六水和物、塩化カルシウム一水和物、塩化カルシウム二水和物、硫酸カルシウム二水和物、硫酸マグネシウム一水和物、塩化第二鉄六水和物など、塩の溶媒和物、特に水和物も包含する。
【0017】
上記の無機塩は、溶解度が0.01mg/mlより高い水溶性の塩であることが必須である。また、本発明の経口用医薬組成物において、1以上の無機酸および/または1以上の無機酸の塩で構成される混合物を使用することもできる。
【0018】
無機酸の塩を直接有効成分と混合して適切な医薬組成物に加工してもよく、また、医薬組成物の調製中に酸と塩基を加えて無機酸の塩を調製することもできる。例えば、適量のリン酸と、適量の水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムとを加えて、無機酸の塩としてリン酸カリウム緩衝剤を得てもよい。
【0019】
無機酸の塩もまた、結合剤表面に吸着した状態、または結合剤内に吸収された状態で存在してもよい。好適な結合剤としては、無機酸に関連して記載した前述の結合剤が挙げられ、適切な吸着物および吸収物も、無機酸に関連して記載した前述の方法に従って得てもよい。
【0020】
ダビガトランエテキシラートの薬学的に許容される塩として特に好適な塩は、メシル酸塩、すなわちメタンスルホン酸の塩である。
【0021】
本発明で用いられる無機酸添加剤は緩衝能が高くかつモル質量が小さいため、有効成分充填量の高い経口用医薬組成物を調製することができる。したがって、特に好ましい実施形態において、本発明の経口用医薬組成物におけるダビガトランエテキシラートまたはその薬学的に許容される塩の含有量は、該組成物の総重量に対して、45重量%より高く、好ましくは50重量%より高い。
【0022】
本発明で用いられる無機酸添加剤の中には、その酸性の性質により、本発明の医薬組成物内で無機酸添加剤と有効成分とを空間的に分離させることが有利なものもある。これは、例えば無機酸のマイクロカプセルへの封入により達成することができる。別の実施形態においては、無機酸添加剤からなるコア物質を存在させるか、無機酸添加剤を含むコア物質を存在させて、コア物質の周囲に有効成分含有層を設けてもよい。さらに、中間層を設けて、コア物質と有効成分含有層とを互いに分離させてもよい。同様に構成された医薬組成物は、国際公開第03/074056号に、より詳細に記載されている。
【0023】
本発明の経口用医薬組成物は、例えばカプセル剤の形態であってもよく、錠剤の形態であってもよい。
【0024】
本発明の医薬組成物は、任意で配合してもよい親水性ポリマー以外に、例えば増量剤、滑沢剤、流動調整剤、離型剤および崩壊剤などの薬学的に許容される添加剤を1以上さらに含むことができる(“Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie,Kosmetik und angrenzende Gebiete(医薬品、化粧品及び関連分野のための補助剤辞典)” H.P.Fiedler編、第4版;ならびに“Handbook of Pharmaceutical Excipients(医薬品添加物ハンドブック)” 第3版、Arthur H.Kibbe編、American Pharmaceutical Association,Washington,USAおよびPharmaceutical Press,Londonを参照のこと)。
【0025】
増量剤:本発明の医薬組成物は1以上の増量剤を含むことができる。一般に増量剤は、混合物のかさ容積を増やして、得られる剤形のサイズを増大させる物質である。増量剤の好ましい例としては、ラクトースおよびリン酸水素カルシウムが挙げられる。増量剤の含有量は、本発明の組成物の総重量に対して、0〜80重量%であってよく、10〜60重量%であることが好ましい。
【0026】
滑沢剤:滑沢剤の機能は、ペレットの成形および排出における固形物とダイ壁との摩擦を低減することである。滑沢剤は、アルカリ土類金属のステアリン酸塩、またはステアリン酸などの脂肪酸であることが好ましい。滑沢剤の含有量は、本発明の医薬組成物の総重量に対して、通常0〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%である。
【0027】
崩壊剤:通常、崩壊剤とは、液体と接した錠剤を速やかに細かく分散させることのできる物質のことを言う。好ましい崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)またはナトリウムカルボキシメチルグリコラート(例えばエキスプロタブ)および炭酸水素ナトリウムが挙げられる。崩壊剤の含有量は、本発明の組成物の総重量に対して、通常0〜20重量%、好ましくは1〜15重量%である。
【0028】
流動調整剤:流動調整剤としては、例えばコロイドシリカを使用することができる。流動調整剤の含有量は、本発明の組成物の総重量に対して、好ましくは0〜8重量%、より好ましくは0.1〜3重量%である。
【0029】
離型剤:離型剤は、例えば滑石であってよく、その含有量は、本発明の組成物の重量に対して、0〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%である。
【0030】
さらに本発明は、上述した経口用医薬組成物の調製方法に関し、該方法は、有効成分を無機酸添加剤と混合すること、およびさらなる加工工程の後に任意で、得られた混合物を圧縮成形して錠剤とするか、得られた混合物を充填してカプセル剤とすることを含む。この方法において、有効成分を無機酸添加剤と混合する前に、無機酸添加剤をマイクロカプセルに封入するか、結合剤表面に吸着させるか、または結合剤内に吸収させることが好ましい。そのために、例えば、溶液中で無機酸添加剤と結合剤とを混合するか、結合剤を前記緩衝液に溶解するかした後、得られた混合物を乾燥させてもよい。乾燥は、噴霧乾燥、凍結乾燥または担体表面に付着させる形での造粒により行うことができる。
【実施例】
【0031】
これより、下記の実施例を参照しつつ、本発明についてより詳細に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0032】
<実施例1>
ダビガトランエテキシラートメシル酸塩 86.55mg
アビセル 102 78mg
リン酸二水素ナトリウム 55.00mg
リン酸 適量
HPMC 18mg
コリドン CL 8mg
アエロジル 1mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
【0033】
<実施例2>
ダビガトランエテキシラートメシル酸塩 86.55mg
Dicafos 20mg
リン酸二水素アンモニウム 70.00mg
リン酸 適量
ポビドン 25 5mg
コリドン CL 8mg
アエロジル 1mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
【0034】
実施例1および2では、無機酸の塩を水に溶解し、リン酸を加えてpH値を3未満に調整する。これにポリマーを溶解して得られた溶液を噴霧乾燥または凍結乾燥させる。このようにして調製した中間製造物に有効成分、増量剤、崩壊剤および流動促進剤を加えてタンブラーで15分間混合する。滑沢剤を加えてさらに5分間混合する。得られた最終混合物は、圧縮成形して錠剤にすることも、充填してカプセル剤にすることもできる。
【0035】
別法として、中間製造物の製造工程で有効成分を添加しておいてもよく、また、調製を造粒法によって行ってもよい。ここでは、pHを調整したポリマー溶液を用いて、増量剤および有効成分を粒状に加工した。乾燥した粒状物を目開き0.71mmのふるいで篩過した後、崩壊剤および流動促進剤を加えて、タンブラーで15分間混合した。滑沢剤を加えてさらに5分間混合した。得られた最終混合物は、圧縮成形して錠剤にすることも、充填してカプセル剤にすることもできる。
【0036】
<実施例3>
ダビガトランエテキシラートメシル酸塩 86.55mg
ラクトース一水和物 60mg
リン酸二水素カリウム 65.00mg
リン酸 適量
クロスカルメロース 8mg
アエロジル 1mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
【0037】
無機酸の塩を水に溶解し、リン酸を加えてpH値を3未満に調整する。次いで、この溶液を噴霧乾燥または凍結乾燥させる。このようにして調製した中間製造物に増量剤、崩壊剤および流動促進剤を加えてタンブラーで15分間混合する。滑沢剤を加えてさらに5分間混合する。得られた最終混合物は、圧縮成形して錠剤にすることも、充填してカプセル剤にすることもできる。
【0038】
別法として、中間製造物の製造工程で有効成分を添加しておいてもよい。
【0039】
<実施例4>
ダビガトランエテキシラートメシル酸塩 86.55mg
ラクトース無水物 55mg
塩化マグネシウム六水和物 55.00mg
クロスカルメロース 8mg
アエロジル 1mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
【0040】
ステアリン酸マグネシウム以外のすべての成分をタンブラーで15分間混合する。ステアリン酸マグネシウムを加えてさらに5分間混合する。得られた最終混合物は、圧縮成形して錠剤にすることも、充填してカプセル剤にすることもできる。
【0041】
<実施例5>
ダビガトランエテキシラートメシル酸塩 86.55mg
微結晶セルロース(MCC) 80mg
ポビドン 25 15.00mg
塩酸 適量
コリドン CL 8mg
アエロジル 1mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
【0042】
ポビドン 25の水溶液に塩酸を加えて、pHを1に調整する。この造粒用溶液を用いて、MCCを流動層造粒機により粒状に加工する。乾燥した粒状物にコリドン CLおよびアエロジルを加えてタンブラーで10分間混合する。ステアリン酸マグネシウムを加えてさらに5分間混合する。得られた最終混合物は、圧縮成形して錠剤にすることも、充填してカプセル剤にすることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダビガトランエテキシラートまたはその薬学的に許容される塩と無機酸添加剤とを含有する経口用医薬組成物。
【請求項2】
前記無機酸添加剤の1%水溶液におけるpH値が6未満である、請求項1に記載の経口用医薬組成物。
【請求項3】
前記無機酸添加剤が無機酸および/または無機酸の塩である、先行する請求項のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
【請求項4】
前記無機酸が塩酸、硫酸およびリン酸から選択される、請求項3に記載の経口用医薬組成物。
【請求項5】
前記無機酸が、マイクロカプセルに封入された状態、結合剤表面に吸着した状態、または結合剤内に吸収された状態で存在する、請求項4に記載の経口用医薬組成物。
【請求項6】
前記結合剤がポリマー、具体的には親水性ポリマー、およびケイ酸から選択される、請求項5に記載の経口用医薬組成物。
【請求項7】
前記無機酸の塩がリン酸水素塩、リン酸二水素塩、硫酸水素塩、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化カルシウムおよび硫酸カルシウムから選択される、請求項3に記載の経口用医薬組成物。
【請求項8】
前記リン酸水素塩、リン酸二水素塩および硫酸水素塩が、アルカリ塩またはアンモニウム塩である、請求項7に記載の経口用医薬組成物。
【請求項9】
前記無機酸の塩が、結合剤表面に吸着した状態、または結合剤内に吸収された状態で存在する、請求項7または8に記載の経口用医薬組成物。
【請求項10】
前記結合剤がポリマー、具体的には親水性ポリマー、およびケイ酸から選択される、請求項9に記載の経口用医薬組成物。
【請求項11】
前記有効成分がメシル酸塩として存在する、先行する請求項のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
【請求項12】
ダビガトランエテキシラートまたはその薬学的に許容される塩の含有量が、組成物の総重量に対して45重量%より高い、先行する請求項のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
【請求項13】
前記無機酸添加剤を含むか該無機酸添加剤からなるコア物質と、該コア物質の周囲に形成された有効成分含有層とを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
【請求項14】
カプセル剤または錠剤である、先行する請求項のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物。
【請求項15】
前記有効成分を前記無機酸添加剤と混合すること、およびさらなる加工工程の後に任意で、得られた混合物を圧縮成形して錠剤とするか、得られた混合物を充填してカプセル剤とすることを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の経口用医薬組成物を調製する方法。
【請求項16】
前記混合の前に、前記無機酸添加剤をマイクロカプセルに封入するか、結合剤表面に吸着させるか、または結合剤内に吸収させる、請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2013−521244(P2013−521244A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555381(P2012−555381)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052919
【国際公開番号】WO2011/107427
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(501249043)ラティオファルム ゲー・エム・ベー・ハー (7)
【Fターム(参考)】