説明

ダンコウバイ抽出物を含む心血管系疾患の予防および治療用の組成物

本発明は、ダンコウバイ抽出物を含む、心血管系疾患の治療用および予防用の組成物に関するものである。具体的には、ダンコウバイ抽出物は、血管疾患の主要原因であるNAD(P)Hオキシダーゼを強力に阻害すると同時に、血管平滑筋の収縮と弛緩を調節して強力な血管弛緩効果を示すことで血圧調節および血管内皮細胞機能障害を改善させる。従って、これを有効成分として含有する組成物は、心血管系疾患の予防および治療のための医薬品または健康機能食品として有用に利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンコウバイ(Lindera obtusiloba)抽出物を含む心血管疾患の予防および治療用の組成物および健康機能食品に関するものである。詳しくは、本発明は、NAD(P)Hオキシダーゼを直接的に阻害して酸化ストレスを抑制し、同時に内皮型一酸化窒素合成酵素を活性化させて血管平滑筋細胞の収縮および弛緩を調節することによって心血管系疾患を治療および予防する効果を有するダンコウバイ抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
世界保健機関(WHO)の統計によると、1999年の心血管疾患による世界の死亡率が30%以上であり、心血管疾患は2010年には先進国の死亡率1位の疾患になるとされ 、特に日本、韓国などアジアの国々での増加率が高いと報告されている。これは高齢化社会の到来、食事習慣の変化などによる冠動脈疾患危険因子の増加によるものと推定される。
【0003】
内皮細胞機能障害は、1990年の高血圧患者の血管の異常弛緩の発見(非特許文献1)以来、高血圧、動脈硬化、高脂血症、糖尿、肥満など広範囲にわたる心血管系疾患を誘発する主なメカニズムである(非特許文献2)。内皮細胞は血管およびリンパ管の空洞に沿って並ぶ上皮細胞であって、その主な機能は血管拡張因子および血管拡張因子メディエーターを生産して血管緊張度および構造を調節する。
【0004】
心血管系疾患は、初期内皮細胞機能障害に始まり最終的に心臓および血管系に異常をきたす疾患である。この名称は、動脈硬化、高血圧、高脂血症、冠動脈疾患(心臓発作)、脳血管系疾患(脳卒中、認知症)、末梢血管疾患、不整脈、心不全、鬱血性心臓病、心筋疾患などを含むがそれらに限定されるものではない心臓および血管の一群の異常の総称である。
【0005】
心血管系疾患発現の主要因子としては遺伝要因、生活習慣、糖尿病の合併症など様々な要因が知られている。現代医学の観点から、NADPHオキシダーゼの活性増加に伴う活性酸素種(ROS)および血管内酸化ストレスの増加、ならびに内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の活性の減少による一酸化窒素の減少が主要因子として知られている。内皮型一酸化窒素合成酵素により生成される一酸化窒素は、強力な血管弛緩因子であると同時に、血小板凝集、血管筋肉細胞の増殖、単球の血管接着および動脈硬化関連タンパク質の発現を阻害して全体的な心血管系の恒常性調節において非常に重要な役割を果たす(非特許文献3)。しかし、多くの要因によって引き起こされる、血管内活性酸素種の生成を担うNADPHオキシダーゼの活性増加は、一酸化窒素の生成を減少させ[非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6]、また、このようにして生じた活性酸素種は、接着分子発現の調節[非特許文献7]、血管平滑筋細胞(VSMC)の増殖および移動の刺激[非特許文献8]、酸化力のあるリポタンパク質の調節などをもたらして、心血管系疾患を引き起こす[非特許文献9]。さらにまた、NAD(P)Hオキシダーゼによる血管内活性酸素種の生成の増加は、アテローム性動脈硬化および冠動脈疾患の臨床的危険因子を有する患者における内皮細胞由来の一酸化窒素(NO)の機能障害と関連がある。基本的には、活性酸素種の生成は血管の収縮をもたらす[非特許文献10]。
【0006】
一般に、NAD(P)Hオキシダーゼの直接的な阻害による、活性酸素種の減少、活性酸素種の下流発生抑制および内皮型一酸化窒素合成酵素の活性誘導は、心血管疾患の予防および治療において非常に重要なターゲットとして認識されている[非特許文献3;非特許文献11;非特許文献12;非特許文献13]。
【0007】
現在まで、NAD(P)Hオキシダーゼを阻害する物質としてはジフェニレンヨードニウム(DPI)および4−ヒドロキシ−3−メトキシアセトフェノン(Apocynin)[Holland J.ら、特許文献1]が知られている。しかし、これらの物質は毒性および特異性の問題のため商業化および臨床に用いられていない。また、一酸化窒素調節剤としては、ニトロプルシド、ニトログリセリンが入手可能である。しかし、これらの物質も臨床的使用で耐性および毒性の問題があって心臓発作などの応急時にしか使用されない。
【0008】
一方、ダンコウバイは、クスノキ科の落葉性潅木である。2〜3mほどの高さに成長し、開花期は3〜4月であり、結実期は9月である。実を圧搾して得られた油は女性の頭髪油として使用されている。この植物は、葉や枝を摘むとショウガのような匂いがするのでジンジャーツリー(Ginger Tree)と呼ばれ、また、Fool’s CamelliaまたはJapanese spicebushとしても知られている。この植物は、活血、舒筋、消腫などの効能があって、打撲傷ならびに溢血による腫脹および疼痛を治療することが知られており、通常押し潰して創傷部位に付ける。この植物は、主に胃痛に用いられ、解熱剤または鎮咳薬としても使用される。民間では解熱剤または鎮咳薬としてこの植物の葉と芽を茶のように煎じて飲む[非特許文献14;非特許文献15]。
【0009】
ダンコウバイの成分に関する研究としては、Park,Jong-Chulら(非特許文献16)が葉からクエルシトリンを、枝からヒペロシドを単離し、一方、Kwon,Hak-Cheolら(非特許文献17)がアクチフォリン(actifolin)、パルビアチロール(pulviatilol)、5,6−ジヒドロマタイレシノール、(+)−シリンガレシノール、9−O−トランス−フェルロイル−5,5−ジメトキシラリシレシノールなどを単離した。単離された各成分の効能としては殺癌作用、抗炎症作用などを含むことが報告された(非特許文献18;非特許文献17)。
【0010】
しかしながら、前記文献中には、ダンコウバイの抽出物がNADPHオキシダーゼの阻害による血管内酸化ストレス抑制効果、血管弛緩効果および血圧調節効果を及ぼすという点についてはいかなる開示も教示も行われてない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第609051号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Panza JA et al., New England Journal of Medicine, 323:22-27, 1990
【非特許文献2】Brunner H. et al., J. Hypertens, 2005, 23:233-246
【非特許文献3】Forstermann et al., Circulation, 113:1708-1714, 2006
【非特許文献4】Gryglewski et al., Nature, 320:454-456, 1986
【非特許文献5】Paravicini et al., Circulation Research, 91:54-61, 2002
【非特許文献6】Dusting et al., Clinical and Experimental Pharmacology and Physiology, 25:S34-41, 1998
【非特許文献7】Lo et al., Am. J. Physiol., 264:L406-412, 1993
【非特許文献8】Griendling and Ushio-Fukai, J. Lab. Clin. Med., 132:9-15, 1998
【非特許文献9】Lynch and Frei, J. Lipid Res., 34:1745-1753, 1993
【非特許文献10】Guzik et al., Cir.Res., 86:E85-90, 2000
【非特許文献11】Boggrell SA et al., Drug News Perspect., 17(9)615-632, 2005
【非特許文献12】Inoguchi T., Curr.Drug Targets, 6(4):495-501, 2005
【非特許文献13】Muzaffar S.et al., Trends Cardiovasc Med., 15(8):278-282
【非特許文献14】Illustrated Book of Korean Plants, by Chang-Bol Lee, 1980
【非特許文献15】Illustrated Boof of Korean Folk Medicines, by Jong-Hee Park, 2005, Encyclopedia of Local Medicines
【非特許文献16】Park, Jong-Chul et al., Korean Journal of Food Science and Technology, 25, p.76-79, 1996
【非特許文献17】Kwon, Hak-Cheol et al., Archives of Pharmacal Research, 22, p.417-422, 1999
【非特許文献18】Planta Medica, 69, 610-616, 2003
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者らは多数の植物抽出物を対象にしてNAD(P)Hオキシダーゼ活性阻害および血管弛緩効果を検索した結果、NAD(P)Hオキシダーゼの活性の強力な阻害効果、血管内酸化ストレスの減少効果、内皮型一酸化窒素合成酵素の活性の直接的な増強効果、血管弛緩効果および血圧調節効果を確認して本発明を完成した。
【0014】
本発明は前記のような問題点を解決するために案出されたものであって、ダンコウバイ抽出物を有効成分として含有する、心血管系疾患の予防および治療用組成物を提供することをその目的とする。
【0015】
また、本発明はダンコウバイ抽出物を有効成分として含有する、心血管系疾患予防用の健康機能食品を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る心血管系疾患の予防および治療用組成物は、上述した目的を達成するために、ダンコウバイ抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
【0017】
該ダンコウバイ抽出物は、枝、葉、または枝および葉から抽出したものが好ましい。
【0018】
該ダンコウバイ抽出物は、水、C〜Cの低級アルコールおよびその混合物からなる群から選択された溶媒により抽出したものが好ましい。
【0019】
該ダンコウバイ抽出物は、30〜95重量%のエタノール水溶液により抽出したものが好ましい。
【0020】
該ダンコウバイ抽出物は、水、C〜Cの低級アルコールおよびその混合物からなる群から選択された溶媒により抽出し、それをブタノールにより再抽出したものが好ましい。
【0021】
該ダンコウバイ抽出物は、NAD(P)Hオキシダーゼ阻害活性を有することを特徴とする。
【0022】
該ダンコウバイ抽出物は、血管弛緩効果を有することを特徴とする。
【0023】
該ダンコウバイ抽出物は、内皮型一酸化窒素合成酵素の活性の増加効果を有することを特徴とする。
【0024】
該ダンコウバイ抽出物は、血圧降下効果および血管内酸化ストレス減少効果を有することを特徴とする。
【0025】
心血管系疾患は、鬱血性心臓病、冠動脈疾患(心臓発作)、虚血性心臓病(心筋虚血)、高脂血症、動脈硬化、高血圧、低血圧、不整脈、心不全、血管再狭窄、脳血管疾患(脳卒中、認知症)、末梢血管疾患および代謝性疾患からなる群から選択されたものである。
【0026】
一方、本発明に係る心血管系疾患の予防用健康機能食品は、ダンコウバイ抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
上述したように、本発明に係るダンコウバイ抽出物は、NAD(P)Hオキシダーゼの活性を強力に阻害すると同時に血管弛緩効果を示すので、心血管系疾患の予防および治療のための医薬組成物または健康機能食品として有用に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ブタの冠動脈に対するダンコウバイ抽出物の血管弛緩活性の測定を示す図である。
【図2】シロネズミの大動脈に対するダンコウバイ抽出物の血管弛緩活性の測定を示す図である。
【図3】ダンコウバイ抽出物の作用による内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)とAktタンパク質の活性度の測定を示す図である。
【図4】ダンコウバイ抽出物の心拍数への影響度の測定を示す図である。
【図5】ダンコウバイ抽出物の作用による血管内酸化ストレスの減少度の測定を示す図である。
【図6】ダンコウバイ抽出物の細胞毒性度の測定を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の好ましい実施態様に関して詳細に説明する。また、下記の説明では具体的な構成要素など多数の特定事項が明示されているが、これは本発明のより全般的な理解のためだけに提供されたものであり、このような特定事項がなくても本発明を実施できることは、当該技術分野における当業者であれば自明のことである。そして、本発明の説明において、関連の公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に不明瞭にすると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0030】
本発明に係るダンコウバイ抽出物は下記のように得ることができる。
【0031】
ダンコウバイの地上部、より詳しくは、葉と枝は、自然から採取したもの、栽培したもの、または、市販のもの等、制限なく使用することができる。そして、抽出のための溶媒は、水、C〜Cの低級アルコールおよびその混合物からなる群から選択される。本発明者らはダンコウバイの枝と葉を水洗して不純物および塩分を除去し、乾燥させた。次いで、ダンコウバイ試料重量の約5〜50倍、好ましくは10〜30倍に達する体積の水またはメタノール、エタノールもしくはブタノールのようなC〜Cの低級アルコールの如き極性溶媒、またはこれらの約1:0.1〜1:10の混合比を有する混合溶媒により、好ましくは30〜95重量%のエタノール水溶液により50〜95℃で1時間〜7日間抽出した。前記抽出過程を2〜5回、好ましくは3回繰り返し行った後、減圧濃縮および/又は凍結乾燥してダンコウバイ粗抽出物を得た。
【0032】
また、本発明の抽出物中の非極性溶媒可溶性抽出物は、前記粗抽出物を蒸留水に懸濁した後、それを懸濁液の約0.1〜100倍、好ましくは約1〜5倍の体積のヘキサン、酢酸エチルまたはクロロホルムのような非極性溶媒を加え、1回〜10回、好ましくは2回〜5回、抽出および分離することで得ることができる。さらにまた、加えて、通常の分画工程を行うこともできる(Harborne. J. B., Phytochemical medthods: A guide to modern techniques of plant analysis, 3rd Ed., pp.6-7, 1998)。
【0033】
より好ましくは、前記工程により得られたダンコウバイ粗抽出物、好ましくはエタノール水溶液中のダンコウバイ抽出物にn−ブタノール、ヘキサンおよび酢酸エチルなどの有機溶媒を極性の低い溶媒から極性の高い溶媒の順に、好ましくは、ヘキサン、酢酸エチルおよびn−ブタノールの順に順次的に溶媒分画し、減圧濃縮してダンコウバイのヘキサン、酢酸エチルおよびn−ブタノールの画分を得ることができる。
【0034】
本発明は前記の製法により得られたダンコウバイ粗抽出物または非極性溶媒可溶性抽出物を有効成分として含有する心血管系疾患の予防および治療用組成物を提供する。
【0035】
本発明に係る心血管系疾患の予防および治療用組成物は、前記抽出物を、組成物の総重量に対して0.1〜99重量%含む。
【0036】
本発明のダンコウバイ抽出物を含む組成物は、組成物の製造に通常使用する適切な担体、賦形剤および希釈剤をさらに含むことができる。
【0037】
本発明に係る抽出物の薬学的投与形態は、これらの医薬上許容される塩の形態で用いることも可能であり、また、単独で、または他の医薬活性化合物と一緒にならびに適当なアセンブリーとして使用することができる。
【0038】
本発明に係る抽出物を含む医薬組成物は、それぞれ通常の方法によって散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤およびエアゾール剤などの経口製剤、ならびに局所製剤、坐剤および滅菌注射剤に製剤化して使用することができる。
【0039】
当該抽出物を含む組成物に含まれ得る担体、賦形剤および希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、シュークロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、デンプン、アカシアガム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油を挙げることができる。
【0040】
製剤化する場合は、該製剤は、通常使用される希釈剤または賦形剤、例えば、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤および界面活性剤を使用して調製される。
【0041】
経口投与のための固形製剤の例としては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが挙げられ、このような固形製剤は前記抽出物に少なくとも一つの賦形剤、例えば、デンプン、炭酸カルシウム、シュークロースまたはラクトース、ゼラチンなどを混ぜて調製される。また、単純賦形剤以外にステアリン酸マグネシウム、タルクのような潤滑剤なども用いられる。
【0042】
経口投与のための液剤の例としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが挙げられる。これらの液剤は、よく使用される単純希釈剤である水および流動パラフィンに加えて、様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などを含むことができる。
【0043】
非経口投与のための製剤の例としては、滅菌水性液剤、非水性液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤および坐剤が挙げられる。非水性液剤または懸濁剤としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物性油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどを使用することができる。坐剤の基剤としては、ウイテプゾール、マクロゴール、ツイーン、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどを使用することができる。
【0044】
本発明の抽出物の好ましい投与量は、患者の状態および体重、疾患の重篤度、薬物の剤形、投与経路および期間によって相違するが、当業者により適切に選択することができる。しかし、好ましい効果のために本発明の抽出物を1日0.0001〜100mg/kg、好ましくは0.001〜100mg/kg投与することが好ましい。投与は一日に一回行っても、数回に分けて行ってもよい。該投与量はいかなる場合でも本発明の範囲を限定するものではない。
【0045】
本発明は心血管系疾患の予防効果を示す前記抽出物および食品学的に許容される食品添加剤を含む健康機能食品を提供する。
【0046】
ダンコウバイ抽出物を添加することができる健康機能食品としては、例えば、各種一般食品類、飲料、チューインガム、茶、ビタミン複合剤などがある。
【0047】
また、前記ダンコウバイ抽出物は、心血管系疾患の予防効果を得ることを目的に食品または飲料に添加することができる。この場合、食品または飲料中の当該抽出物の量は、食品の総重量の0.01〜15重量%である。健康飲料組成物中の当該抽出物の量は、飲料の総重量100gに対して0.02〜5g、好ましくは0.3〜1gの割合である。
【0048】
本発明の健康機能性飲料組成物は、指示された割合で必須成分として当該抽出物を含有する以外は他の成分の含有には特別な制限がなく、通常の飲料と同様に種々の矯味矯臭剤または天然炭水化物などの追加成分を含有することができる。前記の天然炭水化物の例としては、単糖類、例えば、グルコース、フルクトースなど;二糖類、例えば、マルトース、シュークロースなど;および多糖類、例えば、デキストリン、シクロデキストリンなどのような通常の糖、およびキシリトール、ソルビトール、エリトリトールなどの糖アルコールが挙げられる。前記の剤に加えて矯味矯臭剤としてタウマチン、ステビア抽出物、例えば、レバウディオサイドA、グリシルリジンなど;および合成矯味矯臭剤、例えば、サッカリン、アスパルテームなどを有効に使用することができる。天然炭水化物の割合は、一般に、本発明の組成物100g当たり約1〜20g、好ましくは約5〜12gである。
【0049】
これらに加えて、本発明の抽出物は、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成および天然矯味矯臭剤、着色剤および増量剤(チーズ、チョコレート等)、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護コロイド増粘剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有することができる。その他に本発明の抽出物は天然果汁、ならびに果汁飲料および野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。これらの成分は個々にまたは組み合わせて使用することができる。この場合、添加剤の割合は重要ではないが、本発明の抽出物100重量部当たり0.01〜約20重量部の範囲から選択されることが一般的である。
【0050】
以下、本発明を下記実施例および試験例に基づいてより具体的に説明する。
【実施例】
【0051】
実施例1:ダンコウバイ粗抽出物の製造
江原道地域(Kangwon-do Province)で採取したダンコウバイの枝と葉を水で洗浄して不純物および塩分を除去した後、乾燥し粉砕した。抽出容器に粉砕されたダンコウバイの枝および葉25gずつおよび70重量%のエタノール水溶液を総500mL加え、還流冷却しながら70℃で3時間ずつ3回反復して加熱抽出した。これを濾紙で濾過し、濾液を40℃の水浴中で減圧濃縮し、凍結乾燥した。その結果、ダンコウバイの枝の粗抽出物6.4gおよびダンコウバイの葉の粗抽出物7.0gを得た。
【0052】
実施例2:ダンコウバイ粗抽出物の画分製造
実施例1で得たダンコウバイの葉と枝の粗抽出物5gずつをそれぞれ50mLの精製水に懸濁した。これを50mLのヘキサン、酢酸エチルおよびn−ブタノールの順に順次的に各3回溶媒分画して各溶媒画分を得、これを減圧濃縮した。その結果、ダンコウバイのヘキサン画分、酢酸エチル画分およびn−ブタノール画分を得た。
【0053】
試験例1:ダンコウバイ抽出物のNAD(P)Hオキシダーゼ活性阻害効果の測定
前記実施例1および実施例2にて製造されたダンコウバイ粗抽出物および画分の、心血管系疾患発症指標酵素であるNAD(P)Hオキシダーゼの活性の阻害効果を測定した。そのために、シロネズミの動脈平滑筋細胞(ラット大動脈平滑筋細胞、RASMC)および子牛血管内皮細胞(ウシ大動脈内皮細胞、BAECs)を使用してNADPHオキシダーゼ活性の変化を比較し、その結果を下記表1に示す。まず、動脈平滑筋細胞および血管内皮細胞をそれぞれMEM(最小必須培地)とDMEM(ダルベッコ最小必須培地)および10%FBS(ウシ胎仔血清)溶液と混合し、細胞を、5%CO/37℃の条件下、96ウェルプレートで24時間の間培養した。次いで、該細胞を、FBSが除外された培養液で再度24時間インキュベートした。細胞が安定化された後、該細胞をHBSS(ハンクス平衡塩類溶液)で洗浄した。これらの細胞を実施例1で得たダンコウバイの葉抽出物および枝抽出物と一緒に振盪させ、該混合物を15分間反応させた後、HBSSで再度洗浄した。次いで、該反応液に100mMのNAD(P)Hおよび5μMのルシゲニンを添加し、発光読み取り装置(Victor Light、PerkinElmer)を利用してNAD(P)Hオキシダーゼの活性を1時間測定した。試験は3回操作し、各操作を2〜7回繰り返した。その後、対照群の活性と試料処理群の活性を比較し、IC50値を算出した。IC50値は、NADPHオキシダーゼ活性の50%を阻害する試験物質の濃度(μg/ml)である。
【0054】
【表1】

【0055】
表1から分かるように、本発明のダンコウバイ抽出物は、血管細胞のNADPHオキシダーゼ活性を阻害する程度が非常に優れていることが分かる。また画分の中ではn−ブタノール抽出物の効果が優れていることが分かる。
【0056】
試験例2:ダンコウバイ抽出物の血管弛緩効果の測定(冠動脈および大動脈)
実施例1および実施例2により製造されたダンコウバイ粗抽出物および画分の血管弛緩効果を確認した。そのために、ブタ心臓の冠動脈およびマウスの大動脈の弛緩効果を比較し、その結果を図1、図2、表2(冠動脈)および表3(大動脈)に示す。屠殺場で屠殺直後に購入したブタ心臓から冠動脈摘出した。雄性SD(スプラーグドーリー)系シロネズミから大動脈を摘出し、18mMのNaCl、4.7mMのKCl、1.1mMのMgSO、1.2mMのKHPO、1.5mMのCaCl、25mMのNaHCO、10mMのグルコースが入っているクレブス液(pH7.4)中に浸漬して結合組織と脂肪を除去した後、約3mmの長さの切片に切断した。
【0057】
作成した冠動脈および大動脈切片を95%Oおよび5%CO気体で飽和させた37℃のクレブス液中にて固定させた。力−変位変換器(Hugo Sachs、Germany)を装着したGrass physiograph(Hugo Sachs、Germany)で切片の等尺性張力を測定した。冠動脈の場合、該動脈を、まず、トロンボキサン誘導体であるU46619(1〜60nM)で血管最大収縮の80%に収縮させた。それから10分後、該動脈を300nMのブラジキニンで弛緩させ、血管内皮細胞の安全性を測定した後、クレブス溶液で3回洗浄して実験を行った。血管弛緩効果の変化測定は、まず、該動脈を薬物U46619で収縮させ、その後、ダンコウバイ抽出物による弛緩反応を濃度依存的に試験した。
【0058】
シロネズミの大動脈の場合、該大動脈をフェニレフリンにより血管最大収縮の80%に収縮させた。それから15分後、該大動脈を10μMのアセチルコリンにより弛緩させ、血管内皮細胞の安全性を測定した後、クレブス溶液で3回洗浄して実験を行った。血管弛緩効果の変化測定は、まず、該大動脈を薬物フェニレフリンで収縮させ、次いで、ダンコウバイ粗抽出物および画分抽出物により引き起こされる弛緩反応を濃度依存的に試験した。この試験は5〜10個の種々の個体から摘出した血管を利用して繰り返し行った。ED50値は収縮された血管が試料処理により50%の血管弛緩を示す試料の濃度(μg/ml)を示す。
【0059】
【表2】

【0060】
【表3】

【0061】
試験の結果、図1および図2に示すように、本発明のダンコウバイ抽出物は、1〜10μg/mlの濃度から有意に弛緩を開始し、濃度30μg/mlでは94±2%弛緩した。表1および表2に示したとおり、ダンコウバイ抽出物は冠動脈および大動脈の血管を弛緩させる程度が非常に優れていることが分かる。また、画分の中ではn−ブタノール抽出物の効果が優れていることが分かる。
【0062】
試験例3:ダンコウバイ抽出物による内皮型一酸化窒素合成酵素活性テスト
前記実施例1および実施例2により製造されたダンコウバイ粗抽出物の内皮型一酸化窒素合成酵素の活性増強に対する効果を観察した。前記効果はウシ大動脈内皮細胞の内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の1177番セリン残基とAktの473セリン残基のリン酸化度をもって比較した。その結果は図3に示される。
【0063】
まず、血管内皮細胞をDMEM(ダルベッコ最小必須培地)および10%のFBS(ウシ胎仔血清)溶液と混合し、インキュベートした後、FBSが除外された培養液中にてさらに24時間インキュベートした。細胞が安定化された後、該細胞を各濃度の試料で処理した後、30分間反応させた。次いで、タンパク質を抽出し、遠心分離し、上清を回収して細胞の破片を除去した。抽出したタンパク質はSDS−ポリアクリルアミドゲルにて電気泳動させた後、ニトロセルロース膜でゲルのタンパク質をブロットさせた。3%のBSAで1時間遮断した後、1:1000の割合でphospho−eNOSおよびphospho−Akt抗体(Cell Signaling、米国)を一夜4℃でインキュベートした。次いで、1:2000の割合に希釈した二次抗体を処理し、周囲温度で1時間培養した後、該二次抗体を化学発光法で現像した。
【0064】
その結果、図3に示したように、ダンコウバイ抽出物は一酸化窒素を生成させる内皮型一酸化窒素合成酵素の活性化(phospho−eNOS)の増強効果およびその上流調節因子であるAktの活性化(phospho−Akt)の増強の程度が大きいことが分かる。
【0065】
試験例4:心血管系疾患動物モデルにおけるダンコウバイ抽出物の効果テスト
実施例2で得たダンコウバイ抽出物が疾患動物における血圧降下効果、血管内酸化ストレス改善効果、内皮細胞機能障害改善効果を発揮することを確認した。そのためにアンギオテンシン2により引き起こされた疾患モデルで効果の程度を比較し、その結果を図4、図5、図6および表4に示す。
【0066】
雄性SD(スプラーグドーリー、6週齢)系のシロネズミをOrientbio Inc.から購入し、12時間の明暗周期に調節された小動物飼育室で固形飼料と水を自由に供給して1週間順化させた。次いで、該ラットを任意的に対照群とアンギオテンシン2処理群とにそれぞれ6匹ずつグループ分けした。アンギオテンシン2で処理する3日前から、実施例2で得たダンコウバイ抽出物を100mg/kgの濃度で0.5%CMC(カルボキシメチルセルロース)に懸濁し、該懸濁液を1日2回経口投与した。対照群は0.5%のCMCだけを投与した。アンギオテンシン2を65ng/min/kgの濃度で生理食塩水に溶かし、ミニ浸透性ポンプ(Alzet Model 2002)に入れた。前記シロネズミに麻酔をかけ、皮膚を切開し、肩甲骨間領域にミニポンプを挿入することによりアンギオテンシン2処理を行った。血圧測定は経口投与開始と同時に実施し、2日に1回、2週間、午前中の経口投与の1時間後に測定した。検体をあらかじめ45〜50℃で約10分間加熱した後、自動血圧記録計を使用して尾部−腱板プレスチモグラフィー法により尾動脈の最高血圧(収縮期血圧)を非観血的に測定した。同時に心拍数も測定した。
【0067】
試験例2と同様に大動脈を摘出し、DHE(ジヒドロエチジウム)による染色の程度およびアセチルコリンによる弛緩の程度を特定して血管内酸化ストレスと血管内皮細胞機能障害の程度を測定した。結果を対照群の結果と比較した。
【0068】
【表4】

【0069】
試験の結果、表4に示したようにアンギオテンシン2により引き起こされる試験動物の血圧上昇は、ダンコウバイ抽出物の投与によって有意に阻害されたことが分かる。
【0070】
また、心拍数の増加を測定した結果、図4に示すように、ダンコウバイ抽出物は頻脈など心臓に対して副作用を起こさないことを確認した。
【0071】
また、図5に示すように、アンギオテンシン2により引き起こされる血管内酸化ストレスの増加がダンコウバイ抽出物の投与により強力に阻害されることが分かる(図5は、背景が黒色であり、対象が赤色に表示された写真を白黒変換したものであって、変換時、対象を明瞭に区分するために背景を白色に処理した)。
【0072】
また、アンギオテンシン2で処理した動物における0.01μMのアセチルコリンにより引き起こされる弛緩を対照群と比較した場合、血管内皮細胞機能障害が起こり、弛緩が円滑に生じなかった(対照群 − 27%、アセチルコリン − 8%)。このような血管内皮細胞機能障害は、ダンコウバイの枝の抽出物(20%)および葉の抽出物(19%)の投与により改善されることが分かる。
【0073】
試験例5:ダンコウバイ抽出物の細胞毒性試験
実施例1および実施例2により製造されたダンコウバイ粗抽出物の細胞毒性の程度を比較した結果を図6に示す。
【0074】
動脈平滑筋細胞をMEM(最小必須培地)および10%のFBS(ウシ胎児血清)溶液と混合し、5%CO/37℃の条件下で24時間インキュベートした。細胞が安定化された後、実施例2で得たダンコウバイの抽出物で処理し、振盪し、24時間反応させた。次いで、MTS溶液(CellTiter 96 Aqueous One Solution、Promega)の存在下で1時間インキュベートした後、490nmで吸光度を測定した。
【0075】
図6に示すように、本発明に係るダンコウバイ抽出物は、細胞の生存にいかなる影響も与えなかったことが判明し、非常に安全な薬物であることが分かる。
【0076】
試験例6:統計処理
試験結果の有意性は、実験結果をスチューデントt−検定および一元分散分析法を通してpが0.05以下である場合に有意な差があると判定した。
【0077】
以下に本発明の抽出物を含む医薬組成物および健康機能食品の調製例を説明するが、これらは本発明を限定するものでなく具体的に説明しようとするものである。
【0078】
製剤例1:散剤の製造
ダンコウバイ抽出物粉末 20mg
ラクトース 100mg
タルク 10mg
これらの成分を混合し、シール・パッケージに充填して散剤を製造した。
【0079】
製剤例2:錠剤の製造
ダンコウバイ抽出物粉末 10mg
コーンスターチ 100mg
ラクトース 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
これらの成分を混合した後、通常の錠剤製造方法に従って打錠して錠剤を製造した。
【0080】
製剤例3:カプセル剤の製造
ダンコウバイ抽出物粉末 10mg
結晶性セルロース 3mg
ラクトース 14.8mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
通常のカプセル剤製造方法に従って、これらの各成分を混合し、ゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。
【0081】
製剤例4:注射剤の製造
ダンコウバイ抽出物粉末 10mg
マンニトール 180mg
注射用の滅菌蒸留水 2794mg
NaHPO・12HO 26mg
通常の注射剤製造方法によって、1アンプル(2mL)当たり前記の成分含量にて注射剤を製造した。
【0082】
製剤例5:液剤の製造
ダンコウバイ抽出物粉末 10mg
異性化糖 10g
マンニトール 5g
精製水 適当量
通常の液剤製造方法によって、これらの成分を精製水に加えて溶解させ、レモン香を適量加えた後、成分を混合し、精製水を加えて総量を100mLに調節した。それを茶色の瓶に充填し、滅菌して液剤を製造した。
【0083】
製剤例6:健康飲料の製造
ダンコウバイ抽出物粉末 10mg
ビタミンC 15g
ビタミンE(粉末) 100g
乳酸鉄 19.75g
酸化亜鉛 3.5g
ニコチン酸アミド 3.5g
ビタミンA 0.2g
ビタミンB1 0.25g
ビタミンB2 0.3g
水 適当量
通常の健康飲料製造方法によって、これらの成分を混合し、85℃で約1時間、撹拌しながら加熱した後、形成された溶液をろ過した。濾液を2リットルの滅菌容器に入れて密封し、滅菌した後、冷蔵保存し、本発明に係る健康飲料組成物の製造に使用した。前記組成比で、嗜好飲料に比較的適した成分を好ましい実施例として混合し、組成したが、消費者階級や消費国、用途など地域的および民族的嗜好に応じてその配合比を適切に変更することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンコウバイ抽出物を有効成分として含有する、心血管系疾患の予防用および治療用組成物。
【請求項2】
ダンコウバイが、枝、葉およびその混合物からなる群から選択されるものである、請求項1記載の心血管系疾患の予防用および治療用組成物。
【請求項3】
ダンコウバイ抽出物が、水、C〜Cの低級アルコールおよびその混合物からなる群から選択された溶媒で抽出されたものである、請求項1記載の心血管系疾患の予防用および治療用組成物。
【請求項4】
ダンコウバイ抽出物が、30〜95重量%のエタノール水溶液で抽出されたものである、請求項3記載の心血管系疾患の予防用および治療用組成物。
【請求項5】
ダンコウバイ抽出物が、水、C〜Cの低級アルコールおよびその混合物からなる群から選択された溶媒で抽出されたものがブタノールで再抽出されたものである、請求項3記載の心血管系疾患の予防用および治療用組成物。
【請求項6】
ダンコウバイ抽出物がNAD(P)Hオキシダーゼ阻害活性を有する、請求項1記載の心血管系疾患の予防用および治療用組成物。
【請求項7】
ダンコウバイ抽出物が血管弛緩効果を有する、請求項1記載の心血管系疾患の予防用および治療用組成物。
【請求項8】
ダンコウバイ抽出物が内皮型一酸化窒素合成酵素の活性の増加効果を有する、請求項1記載の心血管系疾患の予防用および治療用組成物。
【請求項9】
心血管系疾患が、鬱血性心臓病、冠動脈疾患(心臓発作)、虚血性心臓病(心筋虚血)、高脂血症、動脈硬化、高血圧、低血圧、不整脈、心不全症、血管再狭窄、脳血管疾患(脳卒中、認知症)、末梢血管疾患および代謝性疾患からなる群から選択される、請求項1〜8いずれか1項記載の心血管系疾患の予防用および治療用組成物。
【請求項10】
ダンコウバイ抽出物を有効成分として含有する、心血管系疾患予防用健康機能食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−509996(P2011−509996A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543045(P2010−543045)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【国際出願番号】PCT/KR2008/007484
【国際公開番号】WO2009/091120
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(598076144)ヤン ジ ケミカル カンパニー リミテッド (4)
【出願人】(510198468)ハン・ワ・ファーマ・カンパニー・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】HAN WHA PHARMA CO., LTD.
【Fターム(参考)】