説明

チェーンガイド及びチェーンテンショナ装置

【課題】 チェーンとの接触面の強度が高くて摺動抵抗が小さく、高速で走行するチェーンがローラに対して安定的に接触して、走行安定性が高いチェーンガイド並びにそれを用いたチェーンテンショナ装置を提供する。
【解決手段】 チェーン1と接触するローラ12を、チェーン1の走行方向に沿って設けられた対向する側板部材9に支持される支持軸13と、支持軸13の外周面に設けられた、両端に内向きの鍔部を有するチェーン1に接触する鋼製の外輪12a、この外輪12a内に組込まれる保持器12b付きのころ12cを備えるころ軸受とによって構成し、外輪12aの肉厚tよりも鍔部の肉厚tを薄く形成し、外輪12aの端面Rを小さくし、高速で走行するチェーン1がローラ12に対して安定的に接触するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無端状に架け渡されたチェーンを押圧してチェーンに弛みが生じないように張力を付与するチェーンガイドおよびチェーンテンショナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
チェーンテンショナ装置は、駆動スプロケットと従動スプロケットに無端状に架け渡されたチェーンの途中部分に、チェーンに接触するチェーンガイドを設置し、チェーンガイドの少なくとも一つをチェーンの走行方向と略直角方向に押し付けることによって、高速で走行するチェーンに弛みが生じないように張力を付与するものであり、エンジンの動弁駆動装置のタイミングチェーン等に使用されている。
【0003】
チェーンガイドは、チェーンと接触しながら案内するものであるから、チェーンとの間で摩擦による摺動抵抗が発生し、騒音やメカニカルロスが大きくなるという問題が生じる。
【0004】
このチェーンガイドの騒音やメカニカルロスを抑制する技術として、特許文献1あるいは特許文献2に記載のものが知られている。これらの文献に記載のチェーンガイドは、チェーンの走行方向に沿って湾曲形状に形成され、チェーンと接触する摺動面部にローラを配設し、高速で走行するチェーンをローラが転がりながら押圧することによって、摺動抵抗を減少させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−236157号公報
【特許文献2】特開2010−180900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、これらの文献に記載されたチェーンガイドにおいては、チェーンとの接触面の強度が高くて摺動抵抗が小さく、しかもチェーンとローラとが安定的に接触し、チェーンの走行安定性が高いことが要求される。
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するために、チェーンとの接触面の強度が高くて摺動抵抗が小さく、高速で走行するチェーンがローラに対して安定的に接触して、走行安定性が高いチェーンガイド並びにそれを用いたチェーンテンショナ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、この発明は、無端状に架け渡されたチェーンと接触する複数のローラと、この複数のローラの支持軸の両端を支持するチェーンの走行方向に沿って設けられた対向する側板部材とからなるチェーンガイドにおいて、前記ローラが、前記支持軸の外周面に設けられた、両端に内向きの鍔部を有する鋼製の外輪と、この外輪内に組込まれる保持器付きのころを備えるころ軸受からなり、外輪の肉厚よりも鍔部の肉厚を薄く形成したことを特徴とするものである。以下、この発明において、ころ軸受とは、針状ころ、円筒ころ軸受を含む概念で使用する。
【0009】
前記ころ軸受は、外輪の肉厚よりも鍔部の肉厚を薄く形成することにより、端面Rを小さくできるので、チェーンと接触する外輪幅が広くなり、高速で走行するチェーンがローラに対して安定的に接触して、チェーンの走行安定性を高めることができる。
【0010】
また、外輪の幅を、外輪径の80%以上にすることにより、チェーンの走行安定性を高めることができる。
【0011】
さらに、鍔部の肉厚を薄くすることにより、保持器幅を広げることができるため、ころ軸受の負荷容量を向上させることができる。
【0012】
また、鍔部の肉厚を薄くすることにより、ローラ全体の軽量化が図れる。
【0013】
前記鋼製の外輪は、プレス成形によって形成されるが、削り出し成形によって形成してもよい。
【0014】
前記外輪の硬度は、高速で走行するチェーンが接触しても摩耗しにくいように、チェーンの硬度よりも高いものを使用することが好ましい。
【0015】
前記外輪の母線形状は、チェーンとの点接触による局部高面圧を避けるために、太鼓状又はストレート形状が望ましい。
【0016】
前記外輪の表面には、潤滑油の保持性能を向上させるために、微小な凹凸を形成することが好ましい。
【0017】
また、前記外輪の表面は、窒化処理を施して強度を向上させてもよい。
【0018】
前記外輪の真円度は、振動を軽減し、静粛性を図るために、20μm以下が望ましい。
【0019】
この発明に係るチェーンガイドを、無端状に架け渡されたチェーンの途中部分に、少なくとも2個配置し、一個のチェーンガイドを、一端側が回転軸によって支持され、他端側が押圧装置によって揺動してチェーンに張力を付与するように構成し、他の一個のチェーンガイドを、両端が固定されてチェーンに押し付けられるように構成することにより、メカニカルロスの少ない優れたチェーンテンショナ装置にすることができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明のチェーンガイドは、外輪の肉厚よりも鍔部の肉厚を薄く形成することにより、端面Rを小さくできるので、チェーンと接触する外輪幅が広くなり、高速で走行するチェーンがローラに対して安定的に接触して、チェーンの走行安定性を高めることができる。
【0021】
また、鍔部の肉厚を薄くすることにより、保持器の幅ところ長さを広げることができるため、ころ軸受の負荷容量を向上させることができ、軽量化も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係るチェーンガイドの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のチェーンガイドをチェーン側から見た平面図である。
【図3】図1のチェーンガイドの正面図である。
【図4】図1のチェーンガイドからローラを取り除いた状態を示す平面図の実施形態を示す正面図である。
【図5】図4のA−A線の断面図である。
【図6】図5の部分拡大図である。
【図7】この発明に係るチェーンガイドの一実施形態を示す横断面図である。
【図8】この発明に係るチェーンガイドの他の実施形態を示す横断面図である。
【図9】この発明に係るチェーンガイドを使用するチェーンテンショナ装置の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0024】
この発明の実施形態にかかるチェーンガイドは、例えば、エンジンの動弁駆動系のタイミングチェーンに張力を付与するために使用される。
【0025】
タイミングチェーン1は、図9に示すように、クランク軸に取付けられるクランクスプロケット2と、動弁機構の第1カムシャフトに取り付けられる第1カムスプロケット3及び第2カムシャフトに取り付けられる第2カムスプロケット4の間に無端状に巻き掛けられている。
【0026】
クランクスプロケット2と第1カムスプロケット3間、及びクランクスプロケット2と第2カムスプロケット4の間のタイミングチェーン1には、それぞれタイミングチェーン1が緩まないように第1チェーンガイド5aと第2チェーンガイド5bを配設している。
【0027】
第1チェーンガイド5aは、長手方向の一端側が回転軸6によってエンジンに回転自在に支持され、他端側を押圧装置7によって揺動するように構成され、タイミングチェーン1に張力を付与している。
【0028】
第2チェーンガイド5bは、長手方向の両端が取付け軸8によってエンジンに対して固定され、張力が付与されたタイミングチェーン1が弛まないように案内している。
【0029】
第1チェーンガイド5aと第2チェーンガイド5bは、第1チェーンガイド5aが押圧装置7によって揺動するのに対し、第2チェーンガイド5bが揺動しないでエンジンに対して固定される点で相違するのみで、タイミングチェーン1を案内する基本構造は同一であるので、以下、チェーンガイド5と総称して説明することにする。なお、チェーンガイド5は、チェーンレバーとも称される。
【0030】
チェーンガイド5は、タイミングチェーン1に沿うように湾曲形状に形成された一対の側板部材9と、この側板部材間をつなぐ柱部材10を備える。
【0031】
さらに、前記側板部材9の長手方向両端には、貫通孔11が設けられている。この貫通孔11に軸(図示しない)を挿入し、例えば、エンジンカバーの内壁に取り付けられる。
【0032】
なお、前記第1チェーンガイド5aのように、長手方向の一端側を回転軸によってエンジンに回転自在に支持し、他端側を押圧装置7によって揺動させて、タイミングチェーン1に張力を付与する場合には、側板部材9の貫通孔11は、長手方向の一端側にのみ設ければよい。
【0033】
第1チェーンガイド5aを押圧する押圧装置7は、バネやネジにより押圧するメカニカル方式のものでも、油圧により押圧する油圧式でもよい。
【0034】
前記一対の側板部材9は、幅方向に所定の間隔を有し、側板部材9間にタイミングチェーン1と接触する複数のローラ12が配列される。このローラ12の配列は、湾曲形状の側板部材9に対して、均一なピッチでもよいし、タイミングチェーン1の走行方向の入口側にローラ12が多く配列されるように、ピッチを異ならせてもよい。
【0035】
側板部材9の対向壁面には、ローラ12の支持軸13の両端を支持する支持凹所14が設けられている。
【0036】
支持凹所14は、図4、図5及び図6に示すように、前記タイミングチェーン1側の端面に開口する挿入凹所14aと、この挿入凹所14aに連続し、前記支持軸13の端部が嵌まる円弧形状の固定凹所14bとからなり、前記ローラ12の支持軸13の両端を、前記挿入凹所14aから前記固定凹所14b内に挿入して、前記側板部材9の両端を支持している。
【0037】
前記支持凹所14は、図5に示すように、側板部材9の湾曲形状に沿って複数配列され、支持凹所14と支持凹所14の間に柱部材10が配置されている。
【0038】
前記挿入凹所14aは、図6の拡大図に示すように、開口部aが広く、固定凹所14bに至る位置まで徐々に狭くなって行くテーパ状に形成され、挿入凹所14aと固定凹所14bとが連なる位置の挿入口bの幅寸法が、円弧形状の固定凹所14bの径φより小さく形成されている。
【0039】
前記円弧形状の固定凹所14bの径φは、前記支持軸13の径より小さく形成され、前記支持軸13が固定凹所14bに圧入固定されるようになっている。
【0040】
また、この支持凹所14は、図1及び図2に示すように、側板部材9に非貫通状態で形成されている。これにより、挿入された支持軸13の軸方向の移動が規制されている。
【0041】
前記側板部材9及び柱部材10は、この実施形態では、例えば、ジアミノンブタンとアジピン酸の重縮合によるポリマーであるポリアミド(PA)46やポリアミド(PA)66を用いた樹脂成形により一体に成形される。また、機械的強度を増すために、ガラス繊維や炭素繊維をPA46、PA66に複合させたものを用いることもできる。
【0042】
側板部材9と柱部材10を樹脂で形成することにより、軽量化が図れる。また、側板部材9と柱部材10と形成する樹脂は、摩擦熱を放熱するために、高熱伝導性のものを用いることもできる。
【0043】
なお、側板部材9と柱部材10は、樹脂以外でも、例えば、アルミニウム、マグネシウムなどの軽金属を用いて鋳造やダイカストによって形成することもできる。
【0044】
前記ローラ12は、図7に示すように、前記支持軸13と、タイミングチェーン1と接触する鋼製の外輪12aを有するころ軸受とからなる。
【0045】
前記ころ軸受は、両端に内向きの鍔部を有する鋼製の外輪12aと、この外輪12a内に組込まれる保持器12b付きのころ12cとからなるラジアルころ軸受である。
【0046】
図7に示すように、外輪12の肉厚tと、鍔部の肉厚tとを対比すると、外輪の肉厚tよりも鍔部の肉厚tを薄く形成している。外輪の肉厚よりも鍔部の肉厚を薄く形成することにより、端面Rを小さくできるので、チェーン1と接触する外輪幅Wが広くなり、高速で走行するチェーン1がローラ12に対して安定的に接触して、チェーン1の走行安定性を高めることができる。
【0047】
また、外輪の幅Wと、外輪径Hとの関係は、外輪の幅Wを外輪径Hの80%以上にすることにより、チェーンの走行安定性を高めることができる。
【0048】
また、鍔部の肉厚tを薄くすることにより、保持器12bの幅ところ12cの長さを広げることができるため、ころ軸受の負荷容量を向上させることができる。WがHに比べて80%以下になると、ころ長さが短くなり、チェーンが軸受軸方向にずれた際に軸受が傾き走行が不安定となる。
【0049】
タイミングチェーン1と接触する外輪12aは、鋼製であるので、高強度である。
【0050】
また、鋼製の外輪12aの硬度は、タイミングチェーン1の硬度よりも高い方が摩耗を防止することができる。
【0051】
外輪12aの材質としては、SUJ2、SCM等、熱処理により硬化処理が行えるものを使用している。
【0052】
外輪12aを熱処理によって硬化させる場合、硬化深さは0.05μm以上あることが好ましい。
【0053】
外輪12aの表面には、潤滑油の保持性能を向上させるために、微小な凹凸を形成してもよい。
【0054】
また、外輪12aの表面は、窒化処理を施して強度を向上させてもよい。
【0055】
前記外輪12aの表面の母線形状は、タイミングチェーン1との点接触による局部面圧を避けるために、太鼓状又はストレート形状が望ましい。
【0056】
前記外輪12aは、プレス成形あるいは削り出し成形によって形成することができる。
【0057】
プレス成形によって外輪12aを形成する場合には、両端の内向きの鍔部は、保持器12bところ12cを組み込んだ後に、縁曲げ加工を行い、組立後に熱処理することが好ましい。
【0058】
前記外輪12aの真円度は、振動を軽減し、静粛性を図るために、20μm以下が望ましい。
【0059】
また、外輪12aの肉厚は、1mm以上が強度的に好ましい。
【0060】
ころ12cは、保持器12bにより周方向に対して所定間隔に保持されている。保持器12bとしては、柱部の形状がV型をしているV型保持器を使用している。保持器12bを用いることにより、ころ12cのスキューを防ぐとともに、ころ12cの端面が外輪12aの鍔部と直接触れることを避け、また、側板部材9の摩耗を防ぐことができる。なお、保持器12bを用いない総ころ構造の転がり軸受で構成してもよい。
【0061】
次に、ローラ12を対向する側板部材9に対して組み付けるには、まず、図5に示すように、支持軸13の外周面に針状ころを設けたローラ12を用意する。そして、ローラ12の支持軸13の両端を、側板部材9の対向壁面に形成した支持凹所の挿入凹所14aに臨ませて、挿入凹所14a内に落とし込むことにより、挿入凹所14aから固定凹所14b内に挿入する。この実施形態では、開口部aは広く、挿入凹所14aはテーパ状に形成されているので、支持軸13を挿入する際には、容易に支持軸13を開口部aから挿入口bを経て円弧状の固定凹所14bに案内することができる。
【0062】
そして、前記の実施形態によれば、円弧状の固定凹所14bの径φは、支持軸13の径より小さく形成しているので、支持軸13は圧入されて固定凹所14bに取り付けられる。この結果、支持軸13の回転を抑制することができる。また、固定凹所14bに連なる挿入口bの幅は、円弧状の固定凹所14bの径φより小さく形成されているので、挿入口bが支持軸13の抜け止め機能をはたしている。更に、支持凹所14は側板部材9を非貫通状態で形成されているので、挿入される支持軸13の軸方向の移動を規制することができる。
【0063】
次に、対向する側板部材9の支持凹所14に、ローラ12の支持軸13を嵌め入れた状態で、図1、図3、図4及び図7に示すように、ローラ12を構成するころ軸受の外輪
12aが、側板部材9の端面よりも低い。これにより、タイミングチェーン1が、ローラ12を構成するころ軸受の外輪12aに接触しながら側板部材9の対向壁面間で案内されて、走行するタイミングチェーン1が側板部材9の対向壁面から外れることを防止している。
【0064】
また、前記ローラ12を構成するころ軸受の外輪12aと側板部材9の端面までの高さは、図7に示すように、タイミングチェーン1を構成するプレート1aを連結する連結ピン1bの位置よりも低くすることが望ましい。外輪12aと側板部材9の端面までの高さが、タイミングチェーン1を構成するプレート1aを連結する連結ピン1bの位置よりも高い位置にあると、連結ピン1bが側板部材9の対向壁面に当たるので、好ましくない。
【0065】
次に、図8は、この発明の他の実施形態のチェーンガイド5を示す横断面図である。この実施形態につき、上述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。この実施形態では、図8に示すように、支持軸13の中心部に油穴15を設け、タイミングチェーン1と反対側の位置に油が排出される排出穴15aを設ける。そして、側板部材9に油穴15と連なる穴16を設ける。このように、油穴15を設けることにより、軸受内部に油が供給できる。また、熱を逃がすこともできる。油穴15の排出穴15aの方向は、上記のように、タイミングチェーン1と反対方向にするのが好ましく、これにより、軸受け内部へ油の供給がスムーズに行われる。さらに、油穴15aにより支持軸13が中空になることにより、軽量化も図れる。
【0066】
また、この発明の各実施形態のチェーンガイド5は、エンジンのタイミングチェーンの他、様々な駆動チェーンに張力を付与することができ、しかもメカニカルロスを低減することができる。
【0067】
そして、この発明のチェーンガイド5を使用するチェーンテンショナ装置は、図9に示すように、一端の貫通孔11に回転軸6を挿通し、他端側を押圧装置7によって揺動する第1チェーンガイド5aと、両端が取付け軸8によってエンジンに対して固定した第2チェーンガイド5bとによって構成される。このチェーンテンショナ装置によれば、エンジンのタイミングチェーンのメカニカルロスの低減並びに軽量化が図られ、燃料消費率を向上させることができる。
【0068】
なお、タイミングチェーン1は、ローラーチェーンでも、サイレントチェーンのいずれでも使用することができる。
【0069】
また、以上の実施形態では、側板部材9と柱部材10とを一体に形成した例を示したが、両者を分割して別体に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
この発明によるチェーンガイドは、エンジンなど駆動チェーンに張力を与える機構において有効に利用される。
【符号の説明】
【0071】
1 タイミングチェーン
2 クランクスプロケット
3 第1カムスプロケット
4 第2カムスプロケット
5 チェーンガイド
5a 第1チェーンガイド
5b 第2チェーンガイド
6 回転軸
7 押圧装置
8 取付け軸
9 側板部材
10 柱部材
11 貫通孔
12 ローラ
12a 外輪
12b 保持器
12c ころ
13 支持軸
14 支持凹所
14a 挿入凹所
14b 固定凹所
15 油穴
15a 排出穴
16 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に架け渡されたチェーンと接触する複数のローラと、この複数のローラの支持軸の両端を支持するチェーンの走行方向に沿って設けられた対向する側板部材とからなるチェーンガイドにおいて、前記ローラが、前記支持軸の外周面に設けられた、両端に内向きの鍔部を有する鋼製の外輪と、この外輪内に組込まれる保持器付きのころを備えるころ軸受からなり、外輪の肉厚よりも鍔部の肉厚を薄く形成したことを特徴とするチェーンガイド。
【請求項2】
前記外輪の幅が、外輪径の80%以上である請求項1に記載のチェーンガイド。
【請求項3】
前記鋼製の外輪が、プレス成形によって形成されている請求項1又は2に記載のチェーンガイド。
【請求項4】
前記鋼製の外輪が、削り出し成形によって形成されている請求項1又は2に記載のチェーンガイド。
【請求項5】
前記外輪の硬度が、チェーンの硬度よりも高い請求項1〜4のいずれかに記載のチェーンガイド。
【請求項6】
前記外輪の母線形状が、太鼓状又はストレート形状である請求項1〜5のいずれかに記載のチェーンガイド。
【請求項7】
前記外輪の表面に、潤滑油の保持性能を向上させる微小な凹凸が形成されている請求項1〜6のいずれかに記載のチェーンガイド。
【請求項8】
前記外輪の表面に窒化処理を施している請求項1〜7のいずれかに記載のチェーンガイド。
【請求項9】
前記外輪の真円度が20μm以下である請求項1〜8のいずれかに記載のチェーンガイド。
【請求項10】
無端状に架け渡されたチェーンの途中部分に、請求項1〜9のいずれかに記載のチェーンガイドが配置されたチェーンテンショナ装置。
【請求項11】
無端状に架け渡されたチェーンの途中部分に、請求項1〜9のいずれかに記載のチェーンガイドが少なくとも2個配置され、一個のチェーンガイドが、一端側が回転軸によって支持され、他端側が押圧装置によって揺動してチェーンに張力を付与するように構成され、他の一個のチェーンガイドが、両端が固定されてチェーンに押し付けられるように構成されているチェーンテンショナ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−2467(P2013−2467A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131231(P2011−131231)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】