説明

チェーン式駆動機構におけるテンション装置

【課題】スプロケットに巻回したチェーンに弾性的にテンションを付与することができ、また所定位置への装着も容易であるばかりでなく、スプロケットが非円形である場合にも適用することが可能なチェーン式駆動機構におけるテンション装置を提供する。
【解決手段】スプロケット8,9に巻回したチェーン10に弾性的にテンションを付与するチェーン式駆動機構7におけるテンション装置11であって、取付部材を兼ねたガイド部材29に対して摺動部材30をスライド可能に係合し、摺動部材30の内側端部を弾性付勢手段31にてガイド部材29に対して突出する方向に弾性付勢し、ガイド部材29をチェーン式駆動機構7の固定部に取付け、摺動部材30の先端でチェーン10を側方から弾性圧接する。ガイド部材29の両側部に一対の摺動部材30,30を装着し、両摺動部30にそれぞれ圧縮コイルばね31の端部を係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーン式駆動機構におけるテンション装置に係わり、更に詳しくはスプロケットに巻回したチェーンにテンションを付与するためのチェーン式駆動機構におけるテンション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から手動によって回転駆動される車輪を有する複数台の移動棚を、それらの出入面に対して直交する方向に敷設したレールに沿って移動可能に配置し、移動棚の移動でそれらの間に所定幅の通路が形成される手動式移動棚装置は各種提供されている。そして、各移動棚の正面に設けた操作ハンドルを使用者が操作し、操作ハンドルの回転力を駆動伝達系を介して車輪を回転駆動して所定の移動棚間又は側端部に配置した固定棚と移動棚間に通路を形成し、その通路内に使用者が入って該通路に面した出入面から書籍やファイル等の物品を出し入れするのである。
【0003】
そして、特許文献1には、移動棚の台車において、車輪の回転軸と手動にて回転させる動力軸とを減速機構にて連係させ、前記動力軸の前端部に大径のスプロケットを固定するとともに、移動棚の前面パネル中段に設けた操作ハンドルの駆動軸に小径のスプロケットを連係し、この両スプロケットにチェーンを巻回し、操作ハンドルを回転させることにより、該回転と同方向に車輪を回転させて移動させる構造となっている。そして、前記両スプロケットの中間位置には前記チェーンのテンションを調節するテンション装置を設けている。このテンション装置は、チェーンに摺動部材を圧接した状態でネジ止め固定し、摺動部材を固定する位置でチェーンのテンションを調節するのである。
【0004】
また、特許文献2に開示されたテンショナーは、横長の板状で長さ方向中程の上下辺を立壁によるガイド部に形成すると共に、その外側端部を、取付基板に対し小さな水平角を付してビス止めしたベースと、外側に摩擦係数の小さな素材により形成したスライダ駒を有すると共に横長孔を通して上記ベースに立てた調整ビスにより略水平方向で固定位置を可変とした2つの摺動部材とから形成されたものである。
【0005】
ここで、何れの特許文献記載のものも、チェーンに圧接する摺動部材を、所定位置にネジで固定する方式であるので、経年的にチェーンの弛みが発生することもあり、更にスプロケットが非円形である場合には、特許文献記載のような固定的なテンション付与機構は適用できない。
【特許文献1】特開2002−101973号公報
【特許文献2】実公平3−18409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、スプロケットに巻回したチェーンに弾性的にテンションを付与することができ、また所定位置への装着も容易であるばかりでなく、スプロケットが非円形である場合にも適用することが可能なチェーン式駆動機構におけるテンション装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前述の課題解決のために、スプロケットに巻回したチェーンに弾性的にテンションを付与するチェーン式駆動機構におけるテンション装置であって、取付部材を兼ねたガイド部材に対して摺動部材をスライド可能に係合するとともに、該摺動部材の内側端部を弾性付勢手段にて前記ガイド部材に対して突出する方向に弾性付勢し、前記ガイド部材をチェーン式駆動機構の固定部に取付けるとともに、前記摺動部材の先端でチェーンを側方から弾性圧接してなるチェーン式駆動機構におけるテンション装置を構成した。
【0008】
そして、前記ガイド部材は、両開口縁に内向きのレール片を有する断面略C字形部材であり、前記摺動部材は、両側端縁に前記レール片を受け入れるスリット溝を形成するとともに、内側端部に圧縮コイルばねの一端部を係合する係合孔をスライド方向に形成してなるのである(請求項2)。
【0009】
具体的には、前記ガイド部材の両側部にそれぞれ一対の摺動部材をスライド可能に装着するとともに、両摺動部材の係合孔にそれぞれ圧縮コイルばねの端部を係合して、両摺動部材が離れる方向に弾性付勢してなることが好ましい(請求項3)。
【0010】
あるいは、前記ガイド部材の両レール片間の間であってスライド方向中央部に当止部を突設し、該ガイド部材の両側部にそれぞれ一対の摺動部材をスライド可能に装着するとともに、各摺動部材の係合孔にそれぞれ一端部を係合した圧縮コイルばねの他端部を前記当止部に当止し、両摺動部材が当止部から離れる方向に弾性付勢してなることがより好ましい(請求項4)。
【0011】
また、前記チェーンがローラチェーンであり、前記摺動部材の先端部に前記チェーンのローラに摺接する円弧状の摺動部を形成してなることも好ましい(請求項5)。
【発明の効果】
【0012】
以上にしてなる請求項1に係る発明のチェーン式駆動機構におけるテンション装置は、取付部材を兼ねたガイド部材に対して摺動部材をスライド可能に係合するとともに、該摺動部材の内側端部を弾性付勢手段にて前記ガイド部材に対して突出する方向に弾性付勢したので、前記ガイド部材をチェーン式駆動機構の固定部に取付け、スプロケットに巻回したチェーンの途中部分を前記摺動部材の先端で側方から弾性圧接することにより、チェーンに弾性的にテンションを付与することができ、しかもスプロケットが非円形で、チェーンの経路長に変化がある場合にも、チェーンの弛み量の変化に応答して摺動部材がガイド部材に対して出没するので、常にチェーンにテンションを付与することができる。
【0013】
請求項2によれば、前記ガイド部材は、両開口縁に内向きのレール片を有する断面略C字形部材であり、また前記摺動部材は、両側端縁に前記レール片を受け入れるスリット溝を形成するとともに、内側端部に係合孔を形成したものであるので、構造が単純で強度が高く、しかも摺動部材の両スリット溝を側方からガイド部材の両レール片にスライド係合するとともに、係合部に一端部を係合した圧縮コイルばねの他端部を適宜保持するだけで組立てることができ、更にガイド部材をスチール板を板金加工で作製し、摺動部材を合成樹脂で成形することができるので、安価で構成できるのである。
【0014】
請求項3によれば、前記ガイド部材の両側部にそれぞれ一対の摺動部材をスライド可能に装着するとともに、両摺動部材の係合孔にそれぞれ圧縮コイルばねの端部を係合して、両摺動部材が離れる方向に弾性付勢してなるので、両摺動部材が共通の圧縮コイルばねで弾性付勢するので、両摺動部材が同調して変化し、二つのスプロケットに巻回したチェーンの引張り側と繰り送り側の両方に対する押圧力が同じになる。
【0015】
請求項4によれば、前記ガイド部材の両レール片間の間であってスライド方向中央部に当止部を突設し、該ガイド部材の両側部にそれぞれ一対の摺動部材をスライド可能に装着するとともに、各摺動部材の係合孔にそれぞれ一端部を係合した圧縮コイルばねの他端部を前記当止部に当止し、両摺動部材が当止部から離れる方向に弾性付勢してなるので、両摺動部材がそれぞれ対応する圧縮コイルばねで個々に弾性付勢しているので、他方に干渉されずチェーンに弾性的にテンションを付与することができ、仮に一方の摺動部材がチェーンから外れた場合でも他方が機能するので、最小限のテンション付機能が保証される。
【0016】
請求項5によれば、前記チェーンがローラチェーンであると、前記摺動部材の先端部に形成した円弧状の摺動部を前記チェーンのローラに摺接することにより円滑且つ安定にチェーンにテンションを付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明に係るチェーン式駆動機構におけるテンション装置を採用した手動式移動棚の全体斜視図、図2〜図7は手動式移動棚のチェーン式駆動機構の概略を示し、図8〜図111は本発明のテンション装置の詳細を示し、図中符号1は移動棚、2はレール、3は通路、4は駆動輪、5は従動輪、6は操作ハンドル、7はチェーン式駆動機構、8はスプロケット、9はスプロケット、10はチェーン、11はテンション装置、12は双方向クラッチ機構をそれぞれ示している。
【0018】
先ず、本実施形態の手動式移動棚は、図1〜図5に示すように、複数のレール2,…に沿って複数の移動棚1が互いに移動可能に配置され、隣接する移動棚1,1が相対的に移動することによって、それらの間に所定幅の通路3が形成されるものである。そして、移動棚1の下端で各レール2,…に対応した位置に、駆動輪4と単又は複数の従動輪5を設け、移動棚1の前面中段に設けた操作ハンドル6の回転力を前記駆動輪4に伝達するチェーン式駆動機構7を備え、該チェーン式駆動機構7は大小の一対のスプロケット8,9と、両スプロケット8,9に巻回するチェーン10とからなり、両スプロケット8,9間の前記チェーン10にテンション装置11にて弾性的に張力を加えている。ここで、前記操作ハンドル6で回転駆動する小径のスプロケット8は円形でも非円形でも構わない。
【0019】
更に詳しくは、前記移動棚1は、台車13に手動によって回転駆動される駆動輪4と該駆動輪4と同径の従動輪5を設け、台車13の上部には複数の支柱14,…で多段に棚板15,…が保持された通常構造の収容部16を設け、該収容部16の少なくとも前面側には前面パネル17を有している。そして、前記前面パネル17の中段には前記操作ハンドル6を設け、該操作ハンドル6の軸部と双方向クラッチ機構12を介して前記小径スプロケット8が連結され、また前記大径スプロケット9は前記台車13の前端部に設けている。ここで、前記双方向クラッチ機構12、小径スプロケット8及び大径スプロケット9は、前記前面パネル17の背面に位置している。前記大径スプロケット9には、動力軸18が固定され、前記駆動輪4には回転軸19が固定され、該動力軸18と回転軸19とを歯数が異なるスプロケットとチェーンからなる減速機構20によって連係させている。
【0020】
従って、前記操作ハンドル6を回転すると、前記両スプロケット8,9とチェーン10とによって、操作ハンドル6の回転方向と同一回転方向に前記動力軸18が回転し、更に減速機構を介して回転軸19、駆動輪4が同一回転方向に回転し、もって移動棚1を同方向に移動するのである。つまり、前記操作ハンドル6を右回りに回転させると移動棚1は右方向に移動し、操作ハンドル6を左回りに回転させると移動棚1は左方向に移動するのである。
【0021】
実際には、前記チェーン式駆動機構7は、移動棚1の前面側の支柱14,14に取付けられた支持板21に前記スプロケット9以外の部品を取付けて構成する。そして、前記前面パネル17で機構部を隠蔽し、前記操作ハンドル6のみを前面側へ露出するのである。ここで、前記収容部16の奥行幅が広い場合には、図2及び図4に示すように、両側の支柱14,14の中間にも支柱14を設け、前記支持板21は中段位置で両側端の支柱14,14間に渡した横桟22に上端部を取付けるとともに、下端部を前記台車13の上面に取付け、また前記スプロケット9は、その動力軸18が中間支柱14を避けるために従動輪5側に寄せて設けている。一方、前記収容部16の奥行幅が狭い場合には、図6及び図7に示すように、両側端の支柱14,14の間に前記支持板21の上部を直接取付け、下端部は前記同様に台車13の上面に取付け、この場合、前記スプロケット9は左右中央部に設けている。何れの場合にも、前記支持板21及びそれに設けた機構部を隠蔽するように、両側端の支柱14,14を利用して前記前面パネル17を取付けている。
【0022】
次に、各部の詳細を更に説明する。図2、図5、図6に示すように、前記操作ハンドル6は、その軸部23とスプロケット8との間に双方向クラッチ機構12を介装して前記支持板21の上部に取付けられ、該操作ハンドル6に何れかの方向に回転力を加えているときにのみ、該双方向クラッチ機構12が連係して該操作ハンドル6の回転力をスプロケット8に伝達するようにしている。
【0023】
具体的には、前記支持板21の上部に取付けた固定板24に突設した支軸に、前記スプロケット8を固定したカム車25と、操作ハンドル6の軸部23に固定した爪取付円盤26とを同軸にそれぞれ独立回転可能に取付け、前記カム車25の円筒部の内周面に180°間隔で係合部27,27を突設し、前記操作ハンドル6を自重で垂下させた状態において、前記爪取付円盤26の上部両側に左右対称となしてそれぞれ爪28,28の一端を枢着するとともに、両爪28,28を前記カム車25の円筒部内に位置させた構造である。
【0024】
そして、前記操作ハンドル6を回転させることにより、垂れ下がった一方の前記爪28が回転方向直近の係合部27の段部に係合してカム車25を回転駆動し、即ちスプロケット8を回転駆動するのである。それから、操作ハンドル6に回転力を加えている間は、前記爪28と係合部27の係合が維持されて回転力がスプロケット8に伝達される。また、任意の回転位置で操作ハンドル6から手を離せば、前記爪28と係合部27の係合が解除されて該操作ハンドル6の自重により該操作ハンドル6が垂下した初期状態に復帰する。
【0025】
ここで、前記スプロケット8は、外形が回転方向に180°周期の非円形であり、前記双方向クラッチ機構12も前記操作ハンドル6とスプロケット8との連係状態が回転方向に180°周期で実現し、前記操作ハンドル6とスプロケット8との連係状態で該スプロケット8の外形における操作ハンドル6に対する位置関係が常に一定であるようにしている。
【0026】
そして、本発明に係る前記テンション装置11は、図2、図4、図5及び図8に示すように、取付部材を兼ねたガイド部材29に対して摺動部材30,30をスライド可能に係合するとともに、該摺動部材30の内側端部を弾性付勢手段にて前記ガイド部材29に対して突出する方向に弾性付勢し、前記ガイド部材29をチェーン式駆動機構7の固定部に取付けるとともに、前記摺動部材30の先端でチェーン10を側方から弾性圧接してなるものである。それにより、常にチェーン10にテンションを付与して、スプロケット8,9とチェーン10との噛合が確実に行えるようにできる。特に、前記スプロケット8が非円形、例えば楕円形としたときには、チェーン10の最適な経路長が変化するので、回転に伴ってチェーン10が張ったり、緩んだりする。チェーン10が緩むと、歯飛びが発生したり、チェーン10が蛇行して支持板21等を擦り、異音が発生するが、前記テンション装置11によって、常時チェーン10にテンションを弾性的に付与しておくことでその問題は解消するのである。
【0027】
具体的には、前記テンション装置11は、ガイド部材29、摺動部材30及び圧縮コイルばね31で構成する。前記ガイド部材29は、スチール板を板金加工したもので、両開口縁に内向きのレール片32,32を有する断面略C字形部材である。前記摺動部材30は、合成樹脂で一体成形したもので、両側端縁に前記レール片32,32を受け入れるスリット溝33,33を形成するとともに、内側端部に圧縮コイルばね31の一端部を係合する係合孔34をスライド方向に形成している。また、前記チェーン10がローラチェーンであり、前記摺動部材30の先端部に前記チェーン10のローラに摺接する円弧状の摺動部35を形成している。
【0028】
図2、図4、図5、図7及び図8に示した第1実施形態では、前記ガイド部材29の両側部にそれぞれ一対の摺動部材30,30をスライド可能に装着するとともに、両摺動部材30,30の係合孔34,34にそれぞれ圧縮コイルばね31の端部を係合して、両摺動部材30,30が離れる方向に弾性付勢している。ここで、前記摺動部材30のスリット溝33は、基端から円弧状の摺動部35を形成した先端部まで延びているが、先端部は閉止しているため、該スリット溝33の終端33Aが前記ガイド部材29のレール片32の端部が当止すると、それ以上の摺動部材30の移動は規制される。
【0029】
本発明のテンション装置11をチェーン式駆動機構7の所定位置に取付けるには、先ず前記チェーン10の引張り側と繰り送り側の中間位置に前記ガイド部材29を取付ける。それには、前記ガイド部材29の背面に突設した突起36,36を前記支持板21の孔に係合するとともに、その中間に形成した取付孔37を利用して支持板21にネジ38で締着する。それから、一方の摺動部材30のスリット溝33,33をガイド部材29のレール片32,32にスライド係合させ、その摺動部35をチェーン10の一方に当接する。その状態で該摺動部材30の係合孔34に圧縮コイルばね31の一端部を係合し、ガイド部材29の他端側から前記同様に他の摺動部材30をスライド係合するとともに、該摺動部材30の係合孔34内に前記圧縮コイルばね31の他端部を係合し、更に圧縮コイルばね31を押し縮めた状態で該摺動部材30の摺動部35をチェーン10の他方に当接する。
【0030】
次に、図9〜図11に示した第2実施形態では、前記ガイド部材29の両レール片32,32間の間であってスライド方向中央部に当止部39を突設し、該ガイド部材29の両側部にそれぞれ一対の摺動部材30,30をスライド可能に装着するとともに、各摺動部材30,30の係合孔34,34にそれぞれ一端部を係合した圧縮コイルばね31,31の他端部を前記当止部39に当止し、両摺動部材30,30が当止部39から離れる方向に弾性付勢している。ここで、前記当止部39は、前記ガイド部材29の凹溝部内にL字形部材をスポット溶接し、該L字形部材の一片がスライド方向と直交するように突設して形成している。
【0031】
第2実施形態のテンション装置11は、中央で当止部39により両側の摺動部材30,30の関連を分断した構造であり、それぞれの側の摺動部材30は対応する圧縮コイルばね31で突出する方向へ個々に弾性付勢されているので、他方に干渉されずにチェーン10に弾性的にテンションを付与することができる。
【0032】
本実施形態の摺動部材30は、第1実施形態のものと比較して合成樹脂の使用量を減らすために減肉した以外は、基本構造は前述のものと同一である。また、ガイド部材29も当止部39を設けた以外は、基本構造は前述のものと同一である。従って、第1実施形態と同一構成は、同一符号を付してその説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る手動式移動棚の全体斜視図である。
【図2】手動式移動棚のチェーン式駆動機構とテンション装置の関係を示す部分正面図である。
【図3】台車の部分平面図である。
【図4】本発明のテンション装置の取付状態を示す部分横断面図である。
【図5】同じく縦断面図である。
【図6】収納部の奥行幅が狭い手動式移動棚のチェーン式駆動機構とテンション装置の関係を示す部分正面図である。
【図7】同じくテンション装置の取付状態を示す部分横断面図である。
【図8】本発明のテンション装置の第1実施形態を示す分解斜視図である。
【図9】本発明のテンション装置の第2実施形態を示す分解斜視図である。
【図10】同じくチェーン式駆動機構に装着したテンション装置を示し、(a)は部分正面図、(b)は部分横断面図である。
【図11】図10(a)のX−X線断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 移動棚、 2 レール、
3 通路、 4 駆動輪、
5 従動輪、 6 操作ハンドル、
7 チェーン式駆動機構、 8 スプロケット、
9 スプロケット、 10 チェーン、
11 テンション装置、 12 双方向クラッチ機構、
13 台車、 14 支柱、
15 棚板、 16 収容部、
17 前面パネル、 18 動力軸、
19 回転軸、 20 減速機構、
21 支持板、 22 横桟、
23 軸部、 24 固定板、
25 カム車、 26 爪取付円盤、
27 係合部、 28 爪、
29 ガイド部材、 30 摺動部材、
31 圧縮コイルばね、 32 レール片、
33 スリット溝、 34 係合孔、
35 摺動部、 36 突起、
37 取付孔、 38 ネジ、
39 当止部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプロケットに巻回したチェーンに弾性的にテンションを付与するチェーン式駆動機構におけるテンション装置であって、取付部材を兼ねたガイド部材に対して摺動部材をスライド可能に係合するとともに、該摺動部材の内側端部を弾性付勢手段にて前記ガイド部材に対して突出する方向に弾性付勢し、前記ガイド部材をチェーン式駆動機構の固定部に取付けるとともに、前記摺動部材の先端でチェーンを側方から弾性圧接することを特徴とするチェーン式駆動機構におけるテンション装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、両開口縁に内向きのレール片を有する断面略C字形部材であり、前記摺動部材は、両側端縁に前記レール片を受け入れるスリット溝を形成するとともに、内側端部に圧縮コイルばねの一端部を係合する係合孔をスライド方向に形成してなる請求項1記載のチェーン式駆動機構におけるテンション装置。
【請求項3】
前記ガイド部材の両側部にそれぞれ一対の摺動部材をスライド可能に装着するとともに、両摺動部材の係合孔にそれぞれ圧縮コイルばねの端部を係合して、両摺動部材が離れる方向に弾性付勢してなる請求項2記載のチェーン式駆動機構におけるテンション装置。
【請求項4】
前記ガイド部材の両レール片間の間であってスライド方向中央部に当止部を突設し、該ガイド部材の両側部にそれぞれ一対の摺動部材をスライド可能に装着するとともに、各摺動部材の係合孔にそれぞれ一端部を係合した圧縮コイルばねの他端部を前記当止部に当止し、両摺動部材が当止部から離れる方向に弾性付勢してなる請求項2記載のチェーン式駆動機構におけるテンション装置。
【請求項5】
前記チェーンがローラチェーンであり、前記摺動部材の先端部に前記チェーンのローラに摺接する円弧状の摺動部を形成してなる請求項1〜4何れかに記載のチェーン式駆動機構におけるテンション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−20022(P2008−20022A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−193739(P2006−193739)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】