説明

チオコルヒチン誘導体との組み合わせ療法

本発明は、有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および抗VEGF抗体を個体に投与する工程を包含する、増殖性疾患(例えば、がん)を処置する組み合わせ療法の方法を提供する。その方法は、有効量のタキサンを投与する工程をさらに包含し得る。そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびタキサン(例えば、パクリタキセル)は、薬物およびアルブミンなどのキャリアタンパク質を含むナノ粒子などのナノ粒子の形態で存在し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2009年3月13日に出願された仮出願61/210,074の優先権の利益を主張し、上記仮出願の内容は、その全容が参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、増殖性疾患を処置するための方法および組成物に関し、これは、チオコルヒチン誘導体(具体的には、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体)と抗VEGF抗体との組み合わせの投与を包含する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
かなりの数の腫瘍が薬物および/または放射線治療に応答しないことは、がんの処置において深刻な問題である。実際に、このことは、化学療法の分野が確かに進展しているにもかかわらず、最も一般的な形態のヒトがんの多くが効果的な化学療法的介入に対して抵抗性のままである主な理由の1つである。
【0004】
現在、がんは、主として、3タイプの治療法:外科術、放射線照射および化学療法のうちの1つまたは組み合わせによって処置される。外科術は、腫瘍の全部または一部を身体から取り除く従来のアプローチである。外科術は、一般に、初期のがんを処置するためだけに有効である。外科術は、ある特定の部位、例えば、乳房、結腸および皮膚に位置する腫瘍を除去する際に時折有効であるが、外科医が到達しづらい他の領域に位置する腫瘍の処置では使用することができず、また、白血病などの播種性の新生物状態の処置でも使用することができない。50%を超えるがん個体では、それらの個体が診断される時までには、有効な外科的処置の候補がもはや存在しなくなっている。外科手技は、外科術中の血液循環によって腫瘍転移を増加させ得る。がん個体の大部分は、診断時または外科術時にがんが原因で死亡することはないが、そのがんの転移および再発が原因で死亡する。
【0005】
他の治療もまた効果的でないことが多い。放射線治療は、臨床的に限局性の疾患として初期および中期のがんを有する個体に対してのみ有効であり、転移している末期のがんに対しては有効でない。放射線照射は、異常な増殖性組織によって吸収される線量を最大にし、かつ近傍の正常組織によって吸収される線量を最小にするために、通常、その異常組織を含む被験体の身体の限定された領域に適用される。しかしながら、治療のための放射線照射を異常組織に対して選択的に与えることは(不可能ではないにしても)困難である。したがって、異常組織に近い正常組織もまた、処置の間ずっと、潜在的に有害な線量の放射線に曝露される。「全身照射法」または「TBI」と呼ばれる手技では、放射線への被験体の全身曝露を必要とする処置法もいくつか存在する。それゆえ、異常な増殖性細胞を破壊する際の放射線療法の手技の有効性は、近傍の正常細胞に対する関連の細胞傷害作用とバランスがとられる。このことを理由に、放射線治療の手法は、ほとんどの腫瘍において不十分な処置をもたらす本質的に狭い治療指数を有する。最善の放射線療法でさえも、不完全な腫瘍減少、腫瘍の再発、腫瘍量の増加および放射線抵抗性腫瘍の誘導をもたらし得る。
【0006】
化学療法は、細胞複製または細胞代謝の妨害を含む。化学療法は、有効であり得るが、重篤な副作用、例えば、嘔吐、低白血球(WBC)、脱毛、体重減少および他の有毒作用が存在する。極度に有毒な副作用のせいで、多くのがん個体が、完全な化学療法レジメンを首尾よく完了することができない。化学療法によって誘導される副作用は、個体の生活の質に著しく影響し、処置に対する個体のコンプライアンスに劇的に影響を及ぼし得る。さらに、他の薬剤に関連する有害な副作用は、一般に、これらの薬物の投与における主要な用量制限毒性(DLT)である。例えば、粘膜炎は、いくつかの抗がん剤(代謝拮抗性細胞傷害剤である5−FU、メトトレキサートおよび抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン)を含む)に対する主要な用量制限毒性の1つである。化学療法によって誘導されるこれらの副作用の多くは、重篤である場合、それによって入院に至り得るか、または疼痛を処置するために鎮痛薬による処置が必要となり得る。一部のがん個体は、化学療法に対して耐性が低いことに起因して、その化学療法が原因で死亡する。抗がん薬の極端な副作用は、そのような薬物の低い標的特異性によって引き起こされる。これらの薬物は、意図した標的腫瘍と同様に、個体のほとんどの正常な器官にも循環する。わずかな薬物だけが正しく標的に向かうことができるので、副作用を引き起こす低い標的特異性のせいで、化学療法の有効性も低下する。化学療法の有効性は、抗がん薬が標的腫瘍内に十分に保持されないことによって、さらに低下する。
【0007】
新生物、腫瘍およびがんの重症度および大きさを背景として、外科術、化学療法および放射線照射の処置の欠点を克服する、上記のような疾患または障害の有効な処置法が大いに必要とされている。
【0008】
パクリタキセルは、薬物抵抗性卵巣がんにおいて著しい抗新生物作用および抗がん作用を有すると示されており、多種多様の腫瘍モデルにおいて優れた抗腫瘍活性を示し、また、非常に低い用量で使用したとき脈管新生を阻害する(Grantら、Int.J.Cancer,2003)。しかしながら、水に溶解しにくいというパクリタキセルの性質は、ヒトへの投与にとって問題である。実際に、水性媒質に本来的に不溶性または難溶性である薬物の送達は、経口送達が有効でない場合、十分に機能を果たさないことがある。したがって、現在使用されているパクリタキセル処方物(例えば、Taxol(登録商標))は、この薬物を可溶化するために、Cremophor(登録商標)を必要とする。この処方物中にCremophor(登録商標)が存在することは、動物(Lorenzら、Agents Actions 7:63−67(1987))およびヒト(Weissら、J.Clin.Oncol.8:1263−68(1990))における重篤な過敏性反応と関連づけられており、その結果として、個体へのコルチコステロイド(デキサメタゾン)および抗ヒスタミン剤の前投薬が必要である。Taxol(登録商標)中の臨床的に妥当な濃度の処方物ビヒクルCremophor(登録商標)ELが、パクリタキセルの抗脈管新生活性を無効にすることも報告されており、このことから、この薬剤またはCremophor(登録商標)ELにおいて処方される他の抗がん薬が、有効な規則正しい化学療法を達成するために予想される用量よりもかなり多い用量で使用される必要があり得ることが示唆される(Ngら、Cancer Res.,64:821−824(2004))。よって、従来のMTD化学療法と比較して低用量のパクリタキセルレジメンに関連する、望ましくない副作用がないという利点が、損なわれ得る。特許文献1;特許文献2もまた参照のこと。タキサンのナノ粒子組成物(例えば、アルブミン結合型パクリタキセル(Abraxane(登録商標)))は、Taxol(登録商標)およびTaxotere(登録商標)のような他のタキサンよりも著しく低い毒性を有し、安全性と有効性の両方の結果が著しく改善されることが見出されている。
【0009】
脈管新生を特異的に標的にする抗脈管新生剤は、脈管新生関連疾患を処置するために開発された。例えば、特許文献3;特許文献4;ならびに特許文献5および特許文献6を参照のこと。さらに、確立された脈管構造を標的にする薬剤(いわゆる「脈管標的剤(Vascular Targeting Agents)」またはVTAs)もまた開発された。これらの薬剤は、内皮細胞の微小管細胞骨格を選択的に不安定化することによって機能すると考えられており、それにより、細胞の形状が著しく変化し、最終的には血管の閉塞および血流の遮断が生じる。例えば、特許文献7を参照のこと。
【0010】
チオコルヒチン二量体は、以前に報告されている疎水性化合物である。例えば、特許文献8を参照のこと。これらの化合物は、二重の作用機序を有し、すなわち、それらの化合物は、抗微小管活性とトポイソメラーゼI阻害活性の両方を有する。Raspaglioら、Biochem.Pharmacol.2005,69(1):113−21。チオコルヒチン二量体のナノ粒子アルブミン結合型処方物Nab−5404およびNab−5676は、がんを処置するための細胞傷害性化学療法剤として開発された。例えば、Bernackiら、Proc.Amer.Assoc.Cancer Res.,vol.46,2005 ♯2390およびPCT特許出願番号PCT/US2006/006167を参照のこと。Nab−5404は、qd×5、24mg/kgで静脈内に投与されたとき、完全な腫瘍退縮を誘導することができ、A121卵巣腫瘍異種移植片を治癒することが見出された。
【0011】
他の参考文献としては、特許文献9;特許文献10;米国公開番号20060263434、20070166388ならびにPCT出願番号WO05/117986;WO05/117978;WO05/000900、WO06/089290、WO08/057562、WO08/027055およびWO08/057562が挙げられる。
【0012】
本明細書中で参照されるすべての刊行物、特許、特許出願および公開特許出願の開示は、それらの全体が本明細書によって本明細書中で参考として援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0143004号明細書
【特許文献2】国際公開第00/64437号
【特許文献3】米国特許第6,919,309号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0009412号明細書
【特許文献5】国際公開第04/027027号
【特許文献6】国際公開第05/117876号
【特許文献7】国際公開第2005/113532号
【特許文献8】米国特許第6,627,774号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2006/0013819号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2006/0003931号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、がんなどの増殖性疾患を処置するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、個体(例えば、ヒト)における増殖性疾患を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)チオコルヒチン誘導体(例えば、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体)を含む有効量の組成物、およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、その方法は、有効量のタキサンを投与する工程をさらに包含する。以下の記載は、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体に焦点を合わせている。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン(thiocochicine)二量体は、IDN−5404である。
【0015】
いくつかの実施形態において、上に記載された方法のいずれか1つによるところの方法が提供され、ここで、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、ナノ粒子(例えば、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子)の形態、例えば、キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子の形態である。いくつかの実施形態において、組成物中のナノ粒子の平均直径は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)。
【0016】
いくつかの実施形態において、上に記載された方法のいずれか1つによるところの方法が提供され、ここで、タキサンは、タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子組成物などのナノ粒子の形態、例えば、キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたタキサンを含むナノ粒子の形態である。いくつかの実施形態において、タキサン組成物中のナノ粒子の平均直径は、約200nmを超えない。いくつかの実施形態において、タキサンは、パクリタキセルである。
【0017】
いくつかの実施形態において、上に記載された方法のいずれか1つによるところの方法が提供され、ここで、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体は、共に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後約24時間以内(例えば、約24、12、6、5、4、3、2または1時間のいずれか1つ以内)に抗VEGF抗体が投与される。
【0018】
いくつかの実施形態において、上に記載された方法のいずれか1つによるところの方法が提供され、ここで、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、共に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後約24時間以内(例えば、約24、12、6、5、4、3、2または1時間のいずれか1つ以内)にタキサンが投与される。
【0019】
いくつかの実施形態において、上に記載された方法のいずれか1つによるところの方法が提供され、ここで、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、静脈内に投与される。
【0020】
いくつかの実施形態において、上に記載された方法のいずれか1つによるところの方法が提供され、ここで、抗VEGF抗体は、静脈内に投与される。
【0021】
いくつかの実施形態において、上に記載された方法のいずれか1つによるところの方法が提供され、ここで、タキサンは、静脈内に投与される。
【0022】
いくつかの実施形態において、上に記載された方法のいずれか1つによるところの方法が提供され、ここで、抗VEGF抗体は、ベバシズマブである。
【0023】
いくつかの実施形態において、上に記載された方法のいずれか1つによるところの方法が提供され、ここで、増殖性疾患は、がんである。いくつかの実施形態において、がんは、血管の腫瘍である。いくつかの実施形態において、がんは、乳がん、結腸がんまたは前立腺がんのいずれか1つである。いくつかの実施形態において、がんは、固形腫瘍である。
【0024】
本明細書中に記載される方法にとって有用なキットおよび組成物(例えば、薬学的組成物)もまた提供される。
【0025】
本明細書中に記載される本発明の局面および実施形態が、局面および実施形態「からなる」こと、ならびに/または局面および実施形態「から本質的になる」ことを含むことが理解される。
【0026】
本明細書中の値またはパラメータの「約」についての言及は、その値またはパラメータそれ自体に関する変動を含む(および記載する)。例えば、「約X」を言及している記載は、「X」の記載を含む。
【0027】
本明細書中および添付の請求項で使用されるとき、単数形「a」、「or」および「the」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。
【0028】
本発明のこれらおよび他の局面および利点は、後の詳細な説明および添付の請求項から明らかになる。本明細書中に記載される様々な実施形態の特性の1つ、いくつかまたはすべてが組み合わされることにより、本発明の他の実施形態が形成され得ることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、MDA−MB−231異種移植片モデルにおける、ABI−011およびAbraxane(登録商標)の投与の順序の効果を示している。
【図2】図2は、MDA−MB−231異種移植片モデルにおける、ABI−011、Abraxane(登録商標)およびAvastinの投与の効果を示している。
【図3】図3は、ヌードマウスのs.c.ヒトPC3前立腺がん異種移植片モデルにおける、ABI−011単独の抗腫瘍活性を示している。
【図4】図4は、PC3腫瘍を有するマウスにおける、抗腫瘍活性および体重変化に対する、ABI−011およびAbraxane(登録商標)の投薬量、順序およびタイミングの効果を示している。
【図5】図5は、PC3における、抗腫瘍活性および体重変化に対するABI−011およびAvastinの投薬量、順序およびタイミングの効果を示している。
【図6】図6は、HT29異種移植片モデルにおける、ABI−011+Avastinの抗腫瘍活性を示している。
【図7】図7は、HT29結腸がん異種移植片モデルにおける、Abraxane(登録商標)およびAvastinとABI−011との組み合わせの抗腫瘍効果を示している。
【図8】図8は、HT29結腸がん異種移植片モデルにおける、Avastinおよび用量漸増Abraxane(登録商標)とABI−011との組み合わせの抗腫瘍効果を示している。
【図9】図9は、HT29結腸がん異種移植片モデルにおける、ABI−011単独およびAvastinとの組み合わせの抗腫瘍効果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(発明の詳細な説明)
本発明は、抗VEGF抗体とともに、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(例えば、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質、例えば、アルブミン、を含むナノ粒子)を投与する工程を包含する、組み合わせ療法の方法を提供する。この方法は、タキサン(例えば、タキサンまたはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質、例えば、アルブミン、を含むナノ粒子)の投与をさらに包含し得る。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後約24時間以内にタキサンが投与される。
【0031】
本発明は、抗VEGF抗体(ベバシズマブ、すなわちAvastin)ならびに/またはアルブミンおよびパクリタキセルを含むナノ粒子組成物(「nab−パクリタキセル」または「Abraxane(登録商標)」)と組み合わされた、アルブミンおよびチオコルヒチン二量体5404を含むナノ粒子組成物(「Nab−5404」または「ABI−011」)が、マウス異種移植片モデルにおいて、著しい腫瘍増殖阻害(TGI)を示したという知見に基づく。ABI−011が、nab−パクリタキセルの24時間前またはベバシズマブと共に投与されたとき、最適な治療有効性が達成された。本発明より前は、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、抗VEGF抗体と機能的に競合すると広く考えられていた。本明細書中に記載される組み合わせデータは、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体(および/またはタキサン)との組み合わせが、単独療法よりも有効であることを示唆する。
【0032】
(組み合わせ療法の方法)
本発明は、がんなどの増殖性疾患を処置するための方法を提供する。いくつかの実施形態において、がんは、転移性乳がんなどの乳がんである。いくつかの実施形態において、がんは、結腸がんである。いくつかの実施形態において、がんは、前立腺がんである。いくつかの実施形態において、がんは、例えば、甲状腺の髄様がん腫、血管肉腫、血管内皮腫、血管腫およびカポジ肉腫を含む血管の腫瘍である。
【0033】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、増殖性疾患(例えば、がん)は、単独でタキサンが投与されるとき、タキサンの処置に抵抗性である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))である。いくつかの実施形態において、タキサンは、パクリタキセルであり、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))である。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、静脈内に投与される。
【0034】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含する。
【0035】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および抗VEGF抗体は、同じ組成物または別個の組成物として同時に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および抗VEGF抗体は、連続的に投与され、すなわち、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、抗VEGF抗体の投与の前または後に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体(またはタキサン)は、共に投与され、すなわち、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与期間と抗VEGF抗体(またはタキサン)の投与期間は、互いに重複する。
【0036】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、抗VEGF抗体またはタキサンの投与の前に少なくとも1サイクル(例えば、少なくとも2、3または4サイクルのいずれか)投与される。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体(またはタキサン)は、少なくとも1、2、3または4週間のいずれかにわたって投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与と抗VEGF抗体(またはタキサン)の投与は、ほぼ同時期に(例えば、1、2、3、4、5、6または7日のいずれか1つ以内に)開始される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与と抗VEGF抗体(またはタキサン)の投与は、ほぼ同時期に(例えば、1、2、3、4、5、6または7日のいずれか1つ以内に)終結される。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体(またはタキサン)の投与は、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与の終結後に(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12ヶ月間のいずれか1つにわたって)続けられる。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体(またはタキサン)の投与は、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与の開始後(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12(we)ヶ月のいずれか1つの後)開始される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与と抗VEGF抗体(またはタキサン)の投与は、ほぼ同時期に開始され、ほぼ同時期に終結される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与と抗VEGF抗体(またはタキサン)の投与は、ほぼ同時期に開始され、他の薬剤の投与は、ナノ粒子組成物の投与の終結後(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12(we)ヶ月間のいずれか1つにわたって)続けられる。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与と抗VEGF抗体(またはタキサン)の投与は、ほぼ同時期に停止され、抗VEGF抗体(またはタキサン)の投与は、ナノ粒子組成物の投与の開始後(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12(we)ヶ月のいずれかの1つの後)開始される。
【0037】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体(またはタキサン)は、共に投与されない。例えば、いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与は、抗VEGF抗体(またはタキサン)が投与される前に終結される。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体(またはタキサン)の投与は、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体が投与される前に終結される。共に投与されないこれらの2つの投与の間の間隔は、約4週間などの約2〜8週間の範囲であり得る。
【0038】
したがって、例えば、いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体は、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後約24時間(例えば、24時間)以内に抗VEGF抗体が投与される。
【0039】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体は、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後約24時間(例えば、24時間)以内に抗VEGF抗体が投与される。
【0040】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体は、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後約24時間(例えば、24時間)以内に、抗VEGF抗体が投与される。
【0041】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体は、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物;およびb)有効量の抗VEGF抗体を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後約24時間(例えば、24時間)以内に抗VEGF抗体が投与される。
【0042】
いくつかの実施形態において、タキサンが投与されるとき、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびタキサンは、同じ組成物または別個の組成物として同時に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびタキサンは、連続的に投与され、すなわち、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、タキサンの投与の前または後に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後約24時間(例えば、24時間)以内に、タキサンが投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、共に投与され、すなわち、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与期間とタキサンの投与期間は、互いに重複する。
【0043】
したがって、いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンのうちの少なくとも2つは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンのうちの少なくとも2つは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンのうちの少なくとも2つは、静脈内投与によって同時に投与される。
【0044】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを静脈内投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを静脈内投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンのうちの少なくとも2つは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、同時に投与される。
【0045】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、同時に投与される。
【0046】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、同時に投与される。
【0047】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、同時に投与される。
【0048】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む有効量のナノ粒子組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたタキサンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、同時に投与される。
【0049】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、共に投与される。
【0050】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、共に投与される。
【0051】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、共に投与される。
【0052】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたタキサンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、共に投与される。
【0053】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与される。
【0054】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与される。
【0055】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたタキサンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与される。
【0056】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、同時に投与される。
【0057】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、同時に投与される。
【0058】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたタキサンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、同時に投与される。
【0059】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、共に投与される。
【0060】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、共に投与される。
【0061】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたタキサンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、共に投与される。
【0062】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与され、そのコルヒチン二量体およびチオコルヒチン二量体は、抗VEGF抗体と共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与され、そのコルヒチン二量体およびチオコルヒチン二量体は、抗VEGF抗体と共に投与される。
【0063】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与され、そのコルヒチン二量体およびチオコルヒチン二量体は、抗VEGF抗体と共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与され、そのコルヒチン二量体およびチオコルヒチン二量体は、抗VEGF抗体と共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与され、そのコルヒチン二量体およびチオコルヒチン二量体は、抗VEGF抗体と共に投与される。
【0064】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)に、タキサンが投与され、そのコルヒチン二量体およびチオコルヒチン二量体は、抗VEGF抗体と共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)タキサンおよびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与され、そのコルヒチン二量体およびチオコルヒチン二量体は、抗VEGF抗体と共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物、b)有効量の抗VEGF抗体、およびc)キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)でコーティングされたタキサンを含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンが投与され、そのコルヒチン二量体およびチオコルヒチン二量体は、抗VEGF抗体と共に投与される。
【0065】
本発明の方法は、いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)およびキャリアタンパク質を含むナノ粒子を含む組成物の投与を包含する。いくつかの実施形態において、そのナノ粒子組成物は、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される組成物中のナノ粒子は、約200nmを超えない平均直径(例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70または60nmのいずれか1つを超えない平均直径が挙げられる)を有する。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される組成物中のナノ粒子は、約200nmを超えない直径(例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70または60nmのいずれか1つを超えない直径が挙げられる)を有する。いくつかの実施形態において、組成物中の全ナノ粒子の少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%または99%のいずれか1つ)が、約200nmを超えない直径(例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70または60nmのいずれか1つを超えない直径が挙げられる)を有する。いくつかの実施形態において、組成物中の全ナノ粒子の少なくとも約50%(例えば、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%または99%のいずれか1つ)は、約20〜約200nm(例えば、約30〜約180nmのいずれか1つ、ならびに約40〜約150、約50〜約120および約60〜約100nmのいずれか1つを含む)の範囲内に入る。
【0067】
いくつかの実施形態において、キャリアタンパク質は、ジスルフィド結合を形成し得るスルフヒドリル(sulfhydral)基を有する。いくつかの実施形態において、組成物のナノ粒子部分におけるキャリアタンパク質の少なくとも約5%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%のいずれか1つを含む)が、架橋される(例えば、1つ以上のジスルフィド結合を介して架橋される)。
【0068】
いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)などのキャリアタンパク質でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、ナノ粒子と非ナノ粒子の両方の形態としてのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)を含み、ここで、その組成物中の薬物の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%のいずれか1つが、ナノ粒子の形態である。いくつかの実施形態において、ナノ粒子中のタキサンは、そのナノ粒子の約50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%または99重量%のいずれか1つより多くを構成する。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、非重合体のマトリックスを有する。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、重合体材料(例えば、重合体のマトリックス)を実質的に含まない薬物のコアを含む。
【0069】
いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、界面活性物質(例えば、Cremophor(登録商標)、Tween80、あるいはコルヒチン二量体もしくはチオコルヒチン二量体またはタキサンの投与のために使用される他の有機溶媒)を実質的に含まない(例えば、含まない)。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、約20%、15%、10%、7.5%、5%、2.5%または1%のいずれか1つより少ない有機溶媒を含む。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物中のキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)とコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)との重量比は、約18:1以下、例えば、約15:1以下、例えば、約10:1以下である。いくつかの実施形態において、組成物中のキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)とコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)との重量比は、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約13:1、約4:1〜約12:1、約5:1〜約10:1のいずれか1つの範囲内に入る。いくつかの実施形態において、組成物のナノ粒子部分におけるキャリアタンパク質とコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)との重量比は、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:15またはそれ未満のいずれか1つである。
【0070】
いくつかの実施形態において、粒子組成物は、上記の特徴の1つ以上を備える。
【0071】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、およびb)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、b)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))、およびc)アルブミンでコーティングされたタキサン(例えば、パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない平均直径を有する)を投与する工程を包含する。
【0072】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、およびb)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、およびb)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む組成物と抗VEGF抗体は、共に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、およびb)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む組成物と抗VEGF抗体は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、およびb)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む組成物の投与後約24時間(例えば、24時間)以内に抗VEGF抗体が投与される。
【0073】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、b)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))、およびc)アルブミンでコーティングされたタキサン(例えば、パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物を投与する工程を包含し、ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、b)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))、およびc)アルブミンでコーティングされたタキサン(例えば、パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない平均直径を有する)を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む組成物、抗VEGF抗体、およびタキサンを含む組成物は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、b)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))、およびc)アルブミンでコーティングされたタキサン(例えば、パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない平均直径を有する)を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む組成物、抗VEGF抗体、およびタキサンを含む組成物は、共に投与される。
【0074】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、b)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))、およびc)アルブミンでコーティングされたタキサン(例えば、パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない平均直径を有する)を投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む組成物の投与後(例えば、その投与後約24時間以内)にタキサンを含む組成物が投与され、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む組成物は、共に投与される。
【0075】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、b)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))、およびc)アルブミンでコーティングされたタキサン(例えば、パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない平均直径を有する)を静脈内投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)アルブミンでコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない(例えば、約100nmを超えない)平均直径を有する)、b)有効量の抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標)))、およびc)アルブミンでコーティングされたタキサン(例えば、パクリタキセル)を含むナノ粒子を含む有効量の組成物(ここで、そのナノ粒子は、約200nmを超えない平均直径を有する)を同時に静脈内に投与する工程を包含する。
【0076】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のNab−5404、およびb)有効量のベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、Nab−5404とベバシズマブは、共に投与される。いくつかの実施形態において、Nab−5404とベバシズマブは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、Nab−5404の投与後約24時間以内にベバシズマブが投与される。いくつかの実施形態において、ベバシズマブの投与後約24時間以内にNab−5404が投与される。
【0077】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のNab−5404、b)有効量のベバシズマブ、およびc)有効量のAbraxane(登録商標)を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、Nab−5404とAbraxane(登録商標)は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、Nab−5404とAbraxane(登録商標)は、共に投与される。いくつかの実施形態において、Nab−5404の投与後約24時間以内にAbraxane(登録商標)が投与される。いくつかの実施形態において、Abraxane(登録商標)の投与後約24時間以内にNab−5404が投与される。
【0078】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のNab−5404、b)有効量のベバシズマブ、およびc)有効量のAbraxane(登録商標)を静脈内投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、Nab−5404とAbraxane(登録商標)は、同時に投与される。いくつかの実施形態において、Nab−5404とベバシズマブは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、Nab−5404、Abraxane(登録商標)およびベバシズマブは、同時に投与される。
【0079】
いくつかの実施形態において、有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および抗VEGF抗体は、細胞増殖(例えば、腫瘍細胞増殖)を相乗的に阻害する。いくつかの実施形態において、有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、細胞増殖(例えば、腫瘍細胞増殖)を相乗的に阻害する。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%または100%のいずれかが挙げられる)の細胞増殖が阻害される。いくつかの実施形態において、タキサンは、パクリタキセルである。
【0080】
いくつかの実施形態において、個体における増殖性疾患(例えば、がん、例えば、乳がん)を処置する方法が提供され、その方法は、その個体に:a)有効量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体;b)有効量の抗VEGF抗体;およびc)有効量のタキサンを投与する工程を包含し、ここで、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および抗VEGF抗体は、インビボにおいて生存促進性および/または炎症性のシグナルのタキサン媒介性アップレギュレーションを抑制するのに有効な量で存在する。
【0081】
いくつかの実施形態において、本方法は、1つ以上の追加の薬剤の投与をさらに包含する。いくつかの実施形態において、その追加の薬剤は、米国特許出願番号2006/0263434(その全体が本明細書中で援用される)に記載されている化学療法剤などの化学療法剤である。いくつかの実施形態において、追加の薬剤は、ラパマイシン、デキサメタゾン、ボルテゾミブ、イマチニブ、ソラフェニブ、ゲムシタビン、レナリドマイドおよびスニチニブのいずれか1つである。
【0082】
本明細書中に記載される方法は、疾患、特に、増殖性疾患の処置に広く有用である。本明細書中で使用されるとき、「処置」は、有益な臨床結果または所望の臨床結果を得るためのアプローチである。本発明の目的上、有益な臨床結果または所望の臨床結果としては、以下:1つ以上の症状の軽減、疾患の程度の低下、疾患の拡大(例えば、転移、例えば、肺またはリンパ節への転移)の予防または遅延、疾患再発の予防または遅延、疾患進行の遅延または緩徐化、疾患状態の回復、および寛解(部分的であるか全体的であるかを問わない)のうちのいずれか1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。増殖性疾患の病理学的結果の低減もまた、「処置」に包含される。本発明の方法は、これらの処置の局面のいずれか1つ以上を企図する。
【0083】
本明細書中で使用されるとき、「増殖性疾患」は、腫瘍疾患(良性またはがん性を含む)および/または任意の転移として定義され(その腫瘍または転移が位置する場所は問わない)、より詳細には、乳がん、尿生殖器がん、肺がん、消化器がん、類表皮がん、黒色腫、卵巣がん、膵がん、神経芽細胞腫、直腸結腸がん、頭頸部がんの1つ以上を含む群から選択される(および、いくつかの実施形態において、それらからなる群より選択される)腫瘍である。本発明のより広い意味において、増殖性疾患は、さらに、過剰増殖性状態(例えば、過形成)、線維症(特に、肺線維症であるが、腎線維症などの他のタイプの線維症も)、脈管新生、乾癬、アテローム性動脈硬化症および血管の平滑筋増殖(例えば、狭窄症または血管形成術後の再狭窄)から選択され得る。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は、がんである。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は、非がん性疾患である。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は、良性または悪性の腫瘍である。本明細書の前および後において、腫瘍、腫瘍疾患、がん腫またはがんが述べられる場合、元の器官もしくは組織および/または他の任意の位置における転移もまた、腫瘍および/または転移の位置が何処であっても、二者択一的にまたはさらに含意される。
【0084】
本明細書中で使用される用語「有効量」とは、明記される障害、状態または疾患を処置する(例えば、その症状の1つ以上を回復させる、緩和する、軽減するおよび/または遅延させる)のに十分な化合物または組成物の量のことを指す。がんまたは他の望まれない細胞増殖に関して、有効量は、腫瘍を収縮させるのに十分な量および/もしくは腫瘍の増殖速度を低下させる(例えば、腫瘍増殖を抑制する)のに十分な量、または他の望まれない細胞増殖を予防するかもしくは遅延させるのに十分な量を含む。いくつかの実施形態において、有効量は、発症を遅延させるのに十分な量である。いくつかの実施形態において、有効量は、再発を予防するかまたは遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与で投与され得る。がんの場合、有効量の薬物または組成物は:(i)がん細胞の数を減少させ得る;(ii)腫瘍サイズを減少させ得る;(iii)末梢器官へのがん細胞の浸潤を阻害し得、遅らせ得、ある程度緩徐化させ得、好ましくは、停止し得る;(iv)腫瘍転移を阻害し得る(すなわち、ある程度遅延させ得、好ましくは、停止し得る);(v)腫瘍増殖を阻害し得る;(vi)腫瘍の発生および/または再発を予防し得るかもしくは遅延させ得る;および/または(vii)がんに関連する症状の1つ以上をある程度和らげ得る。いくつかの実施形態において、薬物の量は、少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、99%のいずれかの腫瘍増殖阻害(TGI)または100%のTGIをもたらすのに有効な量である。
【0085】
いくつかの実施形態において、原発腫瘍を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態において、転移性がん(すなわち、原発腫瘍から転移したがん)を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態において、進行期のがんなどの増殖性疾患を処置する方法(およびより広い局面において、増殖性疾患を処置する方法)が提供される。いくつかの実施形態において、乳がん(HER2陽性であってもHER2陰性であってもよい)(例えば、進行乳がん、ステージIV乳がん、局所進行乳がんおよび転移性乳がんが挙げられる)を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態において、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC、例えば、進行NSCLC)、小細胞肺がん(SCLC、例えば、進行SCLC)および肺における進行固形悪性腫瘍が挙げられる)を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態において、卵巣がん、頭頸部がん、胃の悪性腫瘍、黒色腫(転移性黒色腫および悪性黒色腫を含む)、直腸結腸がん、膵がんおよび固形腫瘍(例えば、進行固形腫瘍)のいずれかを処置する方法が提供される。いくつかの実施形態において、単独で投与されたときタキサンの処置に対して抵抗性である疾患を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態において、細胞増殖および/または細胞遊走を減少させる方法が提供される。いくつかの実施形態において、以下の疾患:再狭窄、狭窄症、線維症、脈管新生、乾癬、アテローム性動脈硬化症および平滑筋細胞の増殖のうちのいずれかを処置する方法が提供される。本発明はまた、本明細書中に記載される増殖性疾患のいずれかの発症を遅延させる方法を提供する。
【0086】
用語「個体」は、ヒトを含む哺乳動物である。個体としては、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類または霊長類が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、個体は、ヒトである。その個体(例えば、ヒト)は、進行した疾患またはより低い程度の疾患(例えば、低腫瘍量)を有し得る。いくつかの実施形態において、個体は、初期の増殖性疾患(例えば、がん)にある。いくつかの実施形態において、個体は、進行期の増殖性疾患(例えば、進行がん)にある。いくつかの実施形態において、個体は、HER2陽性である。いくつかの実施形態において、個体は、HER2陰性である。
【0087】
本方法は、アジュバント設定(adjuvant setting)において実施され得る。「アジュバント設定」とは、ある個体が、増殖性疾患、特にがんの病歴を有し、一般に治療(外科術(例えば、外科的切除)、放射線治療および化学療法が挙げられるがこれらに限定されない)に対して応答性であった(が必ずしもそうではない)、臨床状況のことを指す。しかしながら、これらの個体は、増殖性疾患(例えば、がん)の病歴を有するので、その疾患の発症リスクがあると考えられる。この「アジュバント設定」における処置または投与とは、その後の処置様式のことを指す。リスクの程度(すなわち、アジュバント設定における個体が、「高リスク」または「低リスク」と考えられるときのリスクの程度)は、いくつかの因子に依存し、最も一般には、最初に処置されたときの疾患の程度に依存する。本明細書中に提供される方法は、ネオアジュバント設定においても実施され得、すなわち、その方法は、主要な治療/根治治療の前に行われ得る。いくつかの実施形態において、その個体は、以前に処置されたことがある。いくつかの実施形態において、その個体は、これまで処置されたことがない。いくつかの実施形態において、処置は、一次(first line)治療である。
【0088】
(増殖性疾患)
本明細書中に記載される方法は、増殖性疾患を処置するために有用である。いくつかの実施形態において、増殖性疾患は、がんである。いくつかの実施形態において、がんは、転移性乳がんなどの乳がんである。いくつかの実施形態において、がんは、結腸がんである。いくつかの実施形態において、がんは、前立腺がんである。いくつかの実施形態において、がんは、血管の腫瘍であり、それらとしては、例えば、甲状腺の髄様がん腫、血管肉腫、血管内皮腫、血管腫およびカポジ肉腫が挙げられる。
【0089】
本発明の方法によって処置され得るがんの例としては、副腎皮質(adenocortical)がん腫、原因不明骨髄様化生、AIDS関連がん(例えば、AIDS関連リンパ腫)、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫(例えば、小脳および大脳)、基底細胞がん腫、胆管がん(例えば、肝外)、膀胱がん、骨がん(骨肉腫および悪性線維性組織球腫)、脳腫瘍(例えば、神経膠腫、脳幹神経膠腫、小脳または大脳星状細胞腫(例えば、毛様細胞性星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、未分化(悪性)星状細胞腫)、悪性神経膠腫、上衣腫、乏突起膠腫(oligodenglioma)、髄膜腫、頭蓋咽頭腫、血管芽腫(haemangioblastomas)、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視床下部性視路神経膠腫および神経膠芽腫)、乳がん、気管支腺腫/カルチノイド、カルチノイド腫瘍(例えば、消化管カルチノイド腫瘍)、原発巣不明のがん腫、中枢神経系リンパ腫、子宮頸がん、結腸がん、直腸結腸がん、慢性骨髄増殖性障害、子宮内膜がん(例えば、子宮がん)、上衣腫、食道がん、ユーイングファミリー腫瘍、眼がん(例えば、眼球内黒色腫および網膜芽細胞腫)、胆嚢がん、胃(gastric)(胃(stomach))がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞性腫瘍(例えば、頭蓋外、性腺外、卵巣)、妊娠性栄養膜腫瘍、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん(例えば、肝臓がん腫およびヘパトーム(heptoma))、下咽頭がん、島細胞がん腫(膵内分泌部)、喉頭がん、喉頭がん、白血病、口唇口腔がん、口腔(oral)がん、肝臓がん、肺がん(例えば、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がんおよび肺扁平上皮がん)、リンパ系新生物(例えば、リンパ腫)、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、転移性扁平上皮頸部がん、口腔(mouth)がん、多発性内分泌腫瘍症候群、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、鼻腔副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、神経内分泌がん、口腔咽頭がん、卵巣がん(例えば、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度潜在的腫瘍)、膵がん、副甲状腺がん、陰茎がん、腹膜がん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫(小膠細胞腫)、肺リンパ管筋腫症、直腸がん、腎がん、腎盂尿管がん(移行上皮がん)、横紋筋肉腫、唾液腺がん、皮膚がん(例えば、非黒色腫(例えば、扁平上皮がん)、黒色腫およびメルケル細胞がん腫)、小腸がん、扁平上皮細胞がん、精巣がん、咽頭がん、胸腺腫および胸腺がん腫、甲状腺がん、結節性硬化症、尿道がん、膣がん、外陰がん、ウィルムス腫瘍および移植後リンパ球増殖障害(PTLD)、母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(例えば、脳腫瘍に関連する浮腫)ならびにメイグス症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
いくつかの実施形態において、がんは、固形腫瘍(例えば、進行固形腫瘍)である。固形腫瘍としては、肉腫およびがん腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、子宮サクロノーマ滑膜腫(uterine sacronomasynovioma)、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸がん腫、膵がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、扁平上皮がん腫、基底細胞がん腫、腺がん、汗腺がん腫、皮脂腺がん腫、乳頭状がん腫、乳頭状腺がん腫、嚢胞腺がん腫、髄様がん腫、気管支原性がん腫、腎細胞がん腫(例えば、腺がん、腎明細胞がん腫、乳頭状腎細胞がん腫、色素嫌性腎細胞がん腫、集合管腎細胞がん腫、顆粒細胞型腎細胞がん腫、混合型顆粒細胞型腎細胞がん腫、腎血管筋脂肪腫または紡錘細胞型腎細胞がん腫を含む)、ヘパトーム、胆管がん腫、絨毛上皮腫、セミノーマ、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、肺がん腫、小細胞肺がん腫、膀胱がん腫、上皮がん腫、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
いくつかの実施形態において、リンパ系新生物(例えば、リンパ腫)は、B細胞新生物である。B細胞新生物の例としては、前駆B細胞新生物(例えば、前駆Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫)および末梢B細胞新生物(例えば、B細胞慢性リンパ性白血病/前リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(小リンパ球性(SL)NHL)、リンパ形質細胞性リンパ腫/免疫細胞腫、マントル(mantel)細胞リンパ腫、濾胞中心リンパ腫、濾胞性リンパ腫(例えば、細胞学的グレード:I(小細胞)、II(小細胞と大細胞の混合型)、III(大細胞)および/またはサブタイプ:びまん性および主に小細胞型)、低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、中悪性度/濾胞性NHL、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、節外性(例えば、MALT型+/−単球様B細胞)および/または結節性(例えば、+/−単球様B細胞))、脾臓周辺帯リンパ腫(例えば、+/−有毛リンパ球)、ヘアリーセル白血病、形質細胞腫/形質細胞骨髄腫(例えば、骨髄腫および多発性骨髄腫)、びまん性大B細胞リンパ腫(例えば、縦隔原発(胸腺)B細胞リンパ腫)、中悪性度びまん性NHL、バーキットリンパ腫、高悪性度B細胞リンパ腫、バーキット様高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL、巨大病変(bulky disease)NHL、AIDS関連リンパ腫およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
いくつかの実施形態において、リンパ系新生物(例えば、リンパ腫)は、T細胞新生物および/または推定NK細胞新生物である。T細胞新生物および/または推定NK細胞新生物の例としては、前駆T細胞新生物(前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病)ならびに末梢T細胞新生物およびNK細胞新生物(例えば、T細胞慢性リンパ性白血病/前リンパ球性白血病および大顆粒リンパ球白血病(LGL)(例えば、T細胞型および/またはNK細胞型)、皮膚T細胞性リンパ腫(例えば、菌状息肉腫/セザリー症候群)、詳細不明の原発T細胞リンパ腫(例えば、細胞学的カテゴリー(例えば、中型の細胞、中型細胞と大細胞の混合型)、大細胞、リンパ類上皮性(lymphoepitheloid)細胞、サブタイプ肝脾γdT細胞リンパ腫および皮下脂肪組織炎性T細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫(AILD)、血管中心性リンパ腫、腸管T細胞リンパ腫(例えば、+/−腸疾患関連)、成人T細胞リンパ腫/白血病(ATL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)(例えば、CD30+、T細胞型およびヌル細胞型)、未分化大細胞リンパ腫およびホジキン様)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
いくつかの実施形態において、リンパ系新生物(例えば、リンパ腫)は、ホジキン病である。例えば、ホジキン病は、リンパ球優勢型、結節硬化型、混合細胞型、リンパ球減少型および/またはリンパ球豊富型であり得る。
【0094】
いくつかの実施形態において、がんは、白血病である。いくつかの実施形態において、白血病は、慢性白血病である。慢性白血病の例としては、慢性骨髄性I(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性白血病および慢性リンパ性白血病(CLL)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、白血病は、急性白血病である。急性白血病の例としては、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病および急性骨髄球性白血病(例えば、骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性および赤白血病)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
いくつかの実施形態において、がんは、液体腫瘍(liquid tumor)または形質細胞腫である。形質細胞腫としては、骨髄腫が挙げられるがこれに限定されない。骨髄腫としては、髄外形質細胞腫、孤立性骨髄腫および多発性骨髄腫が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、形質細胞腫は、多発性骨髄腫である。
【0096】
いくつかの実施形態において、がんは、多発性骨髄腫である。多発性骨髄腫の例としては、IgG多発性骨髄腫、IgA多発性骨髄腫、IgD多発性骨髄腫、IgE多発性骨髄腫および非分泌性多発性骨髄腫が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、多発性骨髄腫は、IgG多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態において、多発性骨髄腫は、IgA多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態において、多発性骨髄腫は、くすぶり型または緩徐進行型(indolent)の多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態において、多発性骨髄腫は、進行性多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態において、多発性骨髄腫は、ボルテゾミブ、デキサメタゾン(Dex−)、ドキソルビシン(Dox−)およびメルファラン(LR)などであるがこれらに限定されない薬物に対して抵抗性であり得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、がんは、リン酸化Akt陽性進行固形腫瘍、非小細胞肺がん、肉腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、悪性黒色腫、肉腫、治療抵抗性および再発性の白血病、アンドロゲン非依存性前立腺がん、進行膵がん、再発性ホルモン感受性前立腺がん、転移性HNSCC、転移性乳がん、多発性骨髄腫、直腸結腸がん、卵巣がん、頭頸部がん、GISTならびに再発性卵巣上皮がんからなる群より選択される。
【0098】
(コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体)
本明細書中に記載される方法は、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む組成物の投与を包含する。本明細書中で使用される「コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体」とは、コルヒチン、チオコルヒチンまたはそれらの誘導体の2つの(同じかまたは異なる)サブユニットを含む化合物のことを指す。コルヒチンまたはチオコルヒチンの「誘導体」としては、コルヒチンまたはチオコルヒチンと構造的に類似した化合物が挙げられるが、これらに限定されず、その誘導体は、コルヒチンおよびチオコルヒチンと同じ全般的な化学的分類に入る。一般に、コルヒチンまたはチオコルヒチンの誘導体またはアナログは、コルヒチンまたはチオコルヒチンと類似の生物学的特性、薬理学的特性、化学的特性および/または物理学的特性(例えば、官能性が挙げられる)を保持する。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、少なくとも1つのチオコルヒチンサブユニットを含む。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、2つのチオコルヒチンサブユニットを含む(本明細書中以後、「チオコルヒチン二量体」と呼ばれる)。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、2つのコルヒチンサブユニットを含む(本明細書中以後、「コルヒチン二量体」と呼ばれる)。
【0099】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、式(I):
【0100】
【化1】

の化合物である。
【0101】
ここで、各サブユニット中のBは、メトキシ基またはメチルチオ基であり、Rは、Rと一体となるとき、メトキシ、ヒドロキシルまたはメチレンジオキシであり、Rは、Rと一体となるとき、メトキシ、ヒドロキシルまたはメチレンジオキシであり、Xは、連結基である。
【0102】
連結基Xを導入するために、多種多様の架橋基が使用され得る。上記二量体のコルヒチン(colchine)モノマー成分またはチオコルヒチンモノマー成分が、単一の反応性アミノ基を有すること;他の任意の反応性(求核性)の基が、中間体上に存在するはずであること、それらは、当該分野で周知の基を用いて容易に保護され得ることを、当業者は認識する。保護基の例については、例えば、Greene,T.W.,and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,Wiley:New York,1999(この内容は、全体が本明細書によって本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。したがって、アミン官能基と反応性である多種多様の架橋基が、使用され得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、連結基Xは、少なくとも1つの炭素原子を含む。例えば、商業的に入手可能な(Sigma−Aldrich)試薬のマロニルクロリドであるCl−C(O)−CH−C(O)−Clを用いることにより、X基が−CH−であるコルヒチン二量体を形成することができる。同様に、様々な長さの他の塩化ジアシルを用いることにより、所望の長さのX基を形成することができる。例えば、n=8であり、YがCHであるときの式(II)では、商業的に入手可能な(Sigma−Aldrich)試薬の二塩化ドデカンジオイルであるCl−C(O)−(CH10−C(O)−Clを用いることにより、X基が−(CH10−である二量体を合成することができる。YがNHであり、n=1である基の場合、試薬3−イソシアナトプロパノイルクロリド(Organic Syntheses,Coll.Vol.6,p.715(1988);Vol.59,p.195(1979))を用いることにより、Xが−NH−CHCH−であるときの連結基Xを合成することができる。Xリンカーを生成するために、他の周知の架橋試薬を用いることができる。当業者は、Wong,Shan S.,Chemistry of Protein Conjugation and Cross Linking,CRC Press:Boca Raton,1991、特に、アミノ基に反応性の薬剤に関するChapter 2,Section IV(B).,pp.33−38;アミノ基に反応性の架橋剤に関するChapter 4,Section II,pp.75−103;ならびにアミノ含有化合物の架橋に適した試薬および手順についての架橋反応に対する手順および分析に関するChapter 7,pp.209−220に指導される。上述のWongの参考文献の内容の全体、特に、列挙された特定のセクションが、本明細書によって本明細書中で参考として援用される。
【0104】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、式(II):
【0105】
【化2】

の化合物であり、ここで、Bは、メトキシ基またはメチルチオ基であり、Bは、メトキシ基またはメチルチオ基であり、nは、0〜8の整数であり、Yは、CH基であるか、またはnが1であるとき、式NHの基でもあり得る。
【0106】
いくつかの実施形態において、nは、0、1、2、3、4、5、6、7または8のいずれかである(いくつかの実施形態では、それらからなる群より選択される)。いくつかの実施形態において、nは、1である。いくつかの実施形態において、nは、1であり、Yは、NHである。いくつかの実施形態において、nは、2である。
【0107】
いくつかの実施形態において、BとBの両方が、メトキシ基である。いくつかの実施形態において、BとBの両方が、メチルチオ基である。いくつかの実施形態において、Bは、メトキシ基であり、Bは、メチルチオ基である。いくつかの実施形態において、Bは、メチルチオ基であり、Bは、メトキシ基である。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、IDN5404、IDN5676、IDN5800およびIDN5801のいずれかである(いくつかの実施形態では、それらからなる群より選択される)。
【0108】
いくつかの実施形態において、上記化合物は、チオコルヒチン二量体IDN5404である。IDN5404は、式(III):
【0109】
【化3】

の化合物である。
【0110】
いくつかの実施形態において、上記化合物は、チオコルヒチン二量体IDN5676である。IDN5676は、式(IV):
【0111】
【化4】

の化合物である。
【0112】
(抗VEGF抗体)
本明細書中に記載される方法は、抗VEGF抗体の投与を包含する。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、モノクローナル抗体(例えば、完全長モノクローナル抗体)である。本明細書中で使用されるとき、「抗体」には、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、CDR移植抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ハイブリッド抗体、改変抗体、F(AB)’2フラグメント、F(AB)分子、Fvフラグメント、単一ドメイン抗体、ならびにキメラ抗体が含まれる。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、キメラ抗体である。いくつかの実施形態において、上記抗体は、ヒト抗体である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、一本鎖Fvである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、抗体フラグメント(例えば、Fabフラグメント)である。
【0113】
いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(またはAvastin)、またはそのフラグメント、例えば、LucentisTM(rhuFAb V2またはAMD−Fabとしても概説されている;ラニビズマブ(ranibizumab),Genentech)である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブである。米国特許第6,054,297号、同第7,227,004号;同第6,884,879号;同第7,060,269号;同第7,169,901号および同第7,297,334号を参照のこと。
【0114】
いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブと同じかまたは類似の活性を有する。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブまたはそのフラグメントと同じかまたは類似の領域またはエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、VEGFへのベバシズマブまたはそのフラグメントの結合と競合する。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブまたはそのフラグメントと生物学的に同等である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブまたはそのフラグメントと生物学的に類似(biosimilar)である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブのバリアントまたは誘導体(機能性フラグメント、誘導体または抗体結合体を含む)である。
【0115】
いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブの重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブの軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブの重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブの重鎖可変領域と少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性である重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブの軽鎖可変領域と少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性である軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブの重鎖可変領域と少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性である重鎖可変領域、およびベバシズマブの軽鎖可変領域と少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性である軽鎖可変領域を含む。
【0116】
いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブのCDR1、CDR2およびCDR3を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブのCDR1、CDR2およびCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブのCDR1、CDR2およびCDR3を含む重鎖可変領域、ならびにベバシズマブのCDR1、CDR2およびCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、CDR1、CDR2およびCDR3を含む重鎖可変領域を含み、ここで、そのCDRの各々は、ベバシズマブ中の対応する重鎖CDRと少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、CDR1、CDR2およびCDR3を含む軽鎖可変領域を含み、ここで、そのCDRの各々は、ベバシズマブ中の対応する軽鎖CDRと少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、CDR1、CDR2およびCDR3を含む重鎖可変領域(ここで、そのCDRの各々は、ベバシズマブ中の対応する重鎖CDRと少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性である)、ならびにCDR1、CDR2およびCDR3を含む軽鎖可変領域(ここで、そのCDRの各々は、ベバシズマブ中の対応する軽鎖CDRと少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性である)を含む。
【0117】
いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブの重鎖CDR3を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブの軽鎖CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブの重鎖CDR3を含む重鎖可変領域、およびベバシズマブの軽鎖CDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ中の重鎖CDR3と少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性であるCDR3を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ中の軽鎖CDR3と少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性であるCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ中の重鎖CDR3と少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性であるCDR3を含む重鎖可変領域、およびベバシズマブ中の軽鎖CDR3と少なくとも約90%(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のいずれか1つを含む)相同性であるCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。
【0118】
(投与様式)
本明細書中に記載されるコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、互いに対して、同時に(すなわち、同時投与)および/または連続的に(すなわち、連続投与)投与され得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体とタキサンは、同時に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体は、同時に投与される。用語「同時投与」は、本明細書中で使用されるとき、本ナノ粒子組成物と他の薬剤が、約15分を超えない(例えば、約10、5または1分のいずれかを超えない)時間間隔で投与されることを意味する。それらの薬物が、同時に投与されるとき、それらは、同じ組成物中に含められてもよいし、別個の組成物中に含められてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびタキサンは、連続的に投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および抗VEGF抗体は、連続的に投与される。用語「連続投与」は、本明細書中で使用されるとき、それらの薬物が、約15分より長い(例えば、約20、30、40、50、60分以上のいずれかより長い)時間間隔で投与されることを意味する。それらの薬物は、別個の組成物中に含められ、それらの組成物は、同じパッケージに含められてもよいし、異なるパッケージに含められてもよい。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後約24時間以内に、抗VEGF抗体が投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与後約24時間以内にタキサンが投与される。
【0121】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体(またはタキサン)は、共に投与され、すなわち、それらの薬物の投与期間は、互いに重複する。
【0122】
コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および抗VEGF抗体(またはタキサン)の投薬頻度は、投与する医師の判断に基づいて処置経過にわたって調整され得る。コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および抗VEGF抗体(またはタキサン)は、別々に投与されるとき、異なる投薬頻度または投薬間隔で投与され得る。
【0123】
本明細書中に記載される薬物に対する例示的な投薬頻度としては、途切れずに週に1回;4週間のうち3週間、週に1回;3週間ごとに1回;2週間ごとに1回;3週間のうち2週間、週に1回が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、上記薬物は、2週間ごとに約1回、3週間ごとに1回、4週間ごとに1回、6週間ごとに1回または8週間ごとに1回投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、1週間に少なくとも約1×、2×、3×、4×、5×、6×または7×(すなわち、毎日)のうちのいずれかだけ投与される。いくつかの実施形態において、各投与間の間隔は、約6ヶ月、3ヶ月、1ヶ月、20日、15日、12日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日または1日のうちのいずれかよりも短い。いくつかの実施形態において、各投与間の間隔は、約1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、8ヶ月または12ヶ月のうちのいずれかよりも長い。いくつかの実施形態において、投薬スケジュール中、中断はない。いくつかの実施形態において、各投与間の間隔は、約1週間より長くない。
【0124】
コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体(またはタキサン)は、同じ投与経路かまたは異なる投与経路を用いて投与され得る。いくつかの実施形態において(同時投与と連続投与の両方について)、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および抗VEGF抗体(またはタキサン)は、所定の比で投与される。例えば、いくつかの実施形態において、そのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体(またはタキサン)との重量比は、約1対1である。いくつかの実施形態において、その重量比は、約0.001対約1から約1000対約1の間、または約0.01対約1から100対約1の間であり得る。いくつかの実施形態において、その比は、約100:1、50:1、30:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1および1:1のいずれかより小さい。いくつかの実施形態において、その重量比は、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、30:1、50:1、100:1のいずれかより大きい。他の比も企図される。
【0125】
コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および抗VEGF抗体(および/またはタキサン)に対して必要とされる用量は、各薬剤が単独で投与されるときに通常必要とされる用量よりも少ないことがある(が、必ずしもそうではない)。したがって、いくつかの実施形態において、治療量以下(subtherapeutic)の量の薬物が、投与される。「治療量以下の量」または「治療量以下のレベル」とは、治療量未満の量、すなわち、それらの薬物が単独で投与されるときに通常使用される量より少ない量のことを指す。この減少は、所与の投与において投与される量および/または所与の期間にわたって投与される量(頻度の減少)に関して反映され得る。
【0126】
いくつかの実施形態において、同じ程度の処置をもたらすのに必要とされる、上記薬物(例えば、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体)の通常の用量を少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%またはより多いのいずれかだけ減少させるように、他の十分な薬剤が投与される。いくつかの実施形態において、同じ程度の処置をもたらすのに必要とされる、他の薬剤の通常の用量を少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%またはより多いのいずれかだけ減少させるように、十分な薬物が投与される。
【0127】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体もしくはチオコルヒチン二量体および/または抗VEGF抗体(および/またはタキサン)の用量は、単独で投与されるときの対応する通常の各用量よりも少ない。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体もしくはチオコルヒチン二量体および/または抗VEGF抗体(および/またはタキサン)は、治療量以下のレベル、すなわち、低レベルで投与される。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体もしくはチオコルヒチン二量体および/または抗VEGF抗体(および/またはタキサン)の用量は、確立された最大中毒量(maximum toxic dose)(MTD)よりも実質的に少ない。例えば、その用量は、MTDの約50%、40%、30%、20%または10%未満であり得る。
【0128】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体もしくはチオコルヒチン二量体および/または抗VEGF抗体(および/またはタキサン)の用量は、各薬剤が単独で投与されるときに通常必要とされる用量よりも多い。例えば、いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体もしくはチオコルヒチン二量体および/または抗VEGF抗体(および/またはタキサン)の用量は、確立された最大中毒量(MTD)よりも実質的に多い。例えば、コルヒチン二量体もしくはチオコルヒチン二量体および/または抗VEGF抗体(および/またはタキサン)の用量は、単独で投与されるときのその薬剤のMTDの約50%、40%、30%、20%または10%よりも多い。
【0129】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の量は、以下の範囲:約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mgまたは約450〜約500mgのいずれかの中に入る。いくつかの実施形態において、有効量の組成物(例えば、単位投薬形態)中のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の量は、約5mg〜約500mg、例えば、約30mg〜約300mgまたは約50mg〜約200mgの範囲内である。
【0130】
例えば、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、約1mg/kg〜約200mg/kg(例えば、約1mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約40mg/kg、約40mg/kg〜約60mg/kg、約60mg/kg〜約80mg/kg、約80mg/kg〜約100mg/kg、約100mg/kg〜約120mg/kg、約120mg/kg〜約140mg/kg、約140mg/kg〜約200mg/kgが挙げられる)の用量で投与され得る。例えば、いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、約20〜100mg/kg(例えば、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kgが挙げられる)で1週間に3回投与される。
【0131】
コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の例示的な有効量としては、約25mg/m2、30mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、250mg/m2、260mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2、500mg/m2、540mg/m2、750mg/m2、1000mg/m2または1080mg/m2のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。様々な実施形態において、組成物は、約350mg/m2、300mg/m2、250mg/m2、200mg/m2、150mg/m2、120mg/m2、100mg/m2、90mg/m2、50mg/m2または30mg/m2のいずれかより少ないコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む。いくつかの実施形態において、1投与あたりのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の量は、約25mg/m2、22mg/m2、20mg/m2、18mg/m2、15mg/m2、14mg/m2、13mg/m2、12mg/m2、11mg/m2、10mg/m2、9mg/m2、8mg/m2、7mg/m2、6mg/m2、5mg/m2、4mg/m2、3mg/m2、2mg/m2または1mg/m2のいずれかより少ない。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の有効量は、以下の範囲:約1〜約5mg/m2、約5〜約10mg/m2、約10〜約25mg/m2、約25〜約50mg/m2、約50〜約75mg/m2、約75〜約100mg/m2、約100〜約125mg/m2、約125〜約150mg/m2、約150〜約175mg/m2、約175〜約200mg/m2、約200〜約225mg/m2、約225〜約250mg/m2、約250〜約300mg/m2、約300〜約350mg/m2または約350〜約400mg/m2のいずれかの中に入る。好ましくは、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量は、約5〜約300mg/m2、例えば、約20〜約150mg/m2または約30〜約100mg/m2である。
【0132】
上記局面のいずれかのいくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の有効量としては、少なくとも約1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、30mg/kgまたは40mg/kgのいずれかが挙げられる。様々な実施形態において、組成物中のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の有効量としては、約350mg/kg、300mg/kg、250mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6.5mg/kg、5mg/kg、3.5mg/kg、2.5mg/kgまたは1mg/kgのいずれかより少ないコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体が挙げられる。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の有効量は、約1〜350mg/m2、5〜100mg/m2または10〜30mg/m2のいずれかである。
【0133】
抗VEGF抗体に対する適当な投薬量としては、例えば、約1mg/kg〜約80mg/kgが挙げられ、例えば、約1mg/kg〜約50mg/kg、例えば、約1mg/kg〜約15mg/kg(例えば、約2、4、6、8、10または12mg/kgのいずれか)が挙げられる。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の投薬量は、約40mg/m2〜約600mg/m2であり、例えば、約100mg/m2〜約400mg/m2(例えば、約100、200または300mg/m2のいずれか)が挙げられる。
【0134】
コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および抗VEGF抗体の量の例示的な組み合わせとしては、例えば、約1mg/kg〜約50mg/kg(例えば、約2、5、10または15mg/kgのいずれか)のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および約1mg/kg〜約20mg/kg(例えば、約2、4、6、8、10、12、14、16または18mg/kgのいずれか)の抗VEGF抗体;約3mg/m2〜約400mg/m2(例えば、約6、10、15、30、45、60、100、150、200または300mg/m2のいずれか)のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および40mg/m2〜約600mg/m2(例えば、約100mg/m2〜約400mg/m2(例えば、約100、200または300mg/m2のいずれか)が挙げられる)の抗VEGF抗体;約3mg/m2〜約300mg/m2(例えば、約6、10、15、30、45、60、100、150、200または300mg/m2のいずれか)のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および約1mg/kg〜約20mg/kg(例えば、約2、4、6、8、10、12、14、16または18mg/kgのいずれか)の抗VEGF抗体が挙げられる。いくつかの実施形態において、本方法は、個体に少なくとも約30mg/m2のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体および少なくとも約2、4、8または10mg/kgのいずれかの抗VEGF抗体を投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、タキサンは、パクリタキセルである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))である。いくつかの実施形態において、タキサンは、パクリタキセルであり、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))である。
【0135】
コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と抗VEGF抗体との組み合わせ療法のための他の例示的な投薬レジメンとしては、2週間ごとかまたはそれよりも頻繁な(例えば、週に1回、週に2回または週に3回)2mg/kg〜15mg/kg(例えば、4、6、8、10mg/kgまたは15mg/kgのいずれか)の抗VEGF抗体の投与と共に、少なくとも3週間ごとに1回(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間ごとに1回が挙げられる)の30mg/m2〜100mg/m2(例えば、30〜50mg/m2)のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与が挙げられる。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))である。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、IDN−5404であり、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))である。
【0136】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の有効量は、約30mg/m2〜約100mg/m2であり、抗VEGF抗体の有効量は、約1mg/kg超から約10mg/kg未満である。
【0137】
いくつかの実施形態において、タキサンが投与されるとき、抗VEGF抗体の有効量は、インビボにおけるVEGFのタキサン媒介性誘導を抑制するのに有効な量である。いくつかの実施形態において、インビボにおけるVEGFのタキサン媒介性誘導は、VEGF−Aのタキサン媒介性誘導である。
【0138】
用語「インビボにおけるVEGFのタキサン媒介性誘導を抑制するのに有効な量」とは、本明細書中で使用されるとき、完全な(実質的に完全を含む)抑制と部分的な抑制の両方、完全な(実質的に完全を含む)抑制または部分的な抑制のことを指し、それを含む。そのような抑制を示す方法は、当該分野で公知であり、本明細書中に記載されるが、臨床試験に基づいて確立された医療行為に基づいて個別の患者に投与するとき、そのような測定が、個体において行われる必要はないことが理解される。いくつかの実施形態において、用語「VEGFのタキサン媒介性誘導を抑制するのに有効な量」とは、本明細書中で使用されるとき、VEGFの発現および/もしくは活性の実質的に完全な妨害、またはタキサンを含む処方物が投与された際のインビボにおける細胞、組織もしくは体液中のVEGF(例えば、VEGF−A)の発現および/もしくは活性の量の減少のことを指す。いくつかの実施形態において、タキサンを含む処方物が投与された際のインビボにおける細胞、組織もしくは体液中のVEGFの発現および/または活性の量の減少は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%のいずれかの減少である。いくつかの実施形態において、タキサン誘導の抑制は、当該分野で公知の方法および本明細書中に記載される方法によって定性的および/または定量的に観察され得る。
【0139】
いくつかの実施形態において、タキサン(例えば、パクリタキセル)の量は、以下の範囲:約0.5〜約5mg、約5〜約10mg、約10〜約15mg、約15〜約20mg、約20〜約25mg、約20〜約50mg、約25〜約50mg、約50〜約75mg、約50〜約100mg、約75〜約100mg、約100〜約125mg、約125〜約150mg、約150〜約175mg、約175〜約200mg、約200〜約225mg、約225〜約250mg、約250〜約300mg、約300〜約350mg、約350〜約400mg、約400〜約450mgまたは約450〜約500mgのいずれかの中に入る。いくつかの実施形態において、有効量の組成物(例えば、単位投薬形態)中のタキサン(例えば、パクリタキセル)またはその誘導体の量は、約5mg〜約500mg、例えば、約30mg〜約300mgまたは約50mg〜約200mgの範囲内である。いくつかの実施形態において、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度は、例えば、約0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2mg/ml〜約8mg/ml、約4〜約6mg/ml、約5mg/mlのいずれかを含む、希薄(約0.1mg/ml)または濃厚(約100mg/ml)である。いくつかの実施形態において、タキサン(例えば、パクリタキセル)の濃度は、少なくとも約0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/mlまたは50mg/mlのいずれかである。
【0140】
ナノ粒子組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の例示的な有効量としては、約25mg/m2、30mg/m2、50mg/m2、60mg/m2、75mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2、125mg/m2、150mg/m2、160mg/m2、175mg/m2、180mg/m2、200mg/m2、210mg/m2、220mg/m2、250mg/m2、260mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2、500mg/m2、540mg/m2、750mg/m2、1000mg/m2または1080mg/m2のいずれかのタキサン(例えば、パクリタキセル)が挙げられるが、これらに限定されない。様々な実施形態において、組成物は、約350mg/m2、300mg/m2、250mg/m2、200mg/m2、150mg/m2、120mg/m2、100mg/m2、90mg/m2、50mg/m2または30mg/m2のいずれかより少ないタキサン(例えば、パクリタキセル)を含む。いくつかの実施形態において、1投与あたりのタキサン(例えば、パクリタキセル)の量は、約25mg/m2、22mg/m2、20mg/m2、18mg/m2、15mg/m2、14mg/m2、13mg/m2、12mg/m2、11mg/m2、10mg/m2、9mg/m2、8mg/m2、7mg/m2、6mg/m2、5mg/m2、4mg/m2、3mg/m2、2mg/m2または1mg/m2のいずれかよりも少ない。いくつかの実施形態において、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量は、以下の範囲:約1〜約5mg/m2、約5〜約10mg/m2、約10〜約25mg/m2、約25〜約50mg/m2、約50〜約75mg/m2、約75〜約100mg/m2、約100〜約125mg/m2、約125〜約150mg/m2、約150〜約175mg/m2、約175〜約200mg/m2、約200〜約225mg/m2、約225〜約250mg/m2、約250〜約300mg/m2、約300〜約350mg/m2または約350〜約400mg/m2のいずれかの中に入る。好ましくは、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量は、約5〜約300mg/m2、例えば、約100〜約150mg/m2、約120mg/m2、約130mg/m2または約140mg/m2である。
【0141】
上記局面のいずれかのいくつかの実施形態において、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量は、少なくとも約1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kgまたは20mg/kgのいずれかを含む。様々な実施形態において、組成物中のタキサン(例えば、パクリタキセル)の有効量は、約350mg/kg、300mg/kg、250mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6.5mg/kg、5mg/kg、3.5mg/kg、2.5mg/kgまたは1mg/kgのいずれかより少ないタキサン(例えば、パクリタキセル)を含む。
【0142】
タキサン(例えば、パクリタキセル/アルブミンナノ粒子組成物を含むタキサンのナノ粒子組成物、例えば、Abraxane(登録商標))を投与するための他の例示的な投薬スケジュールとしては、途切れずに週に1回、100mg/m2;4週間のうち3週間、週に1回、75mg/m2;4週間のうち3週間、週に1回、100mg/m2;4週間のうち3週間、週に1回、125mg/m2;3週間のうち2週間、週に1回、125mg/m2;途切れずに週に1回、130mg/m2;2週間ごとに1回、175mg/m2;2週間ごとに1回、260mg/m2;3週間ごとに1回、260mg/m2;3週間ごとに180〜300mg/m2;途切れずに週に1回、60〜175mg/m2が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、タキサン(単独または組み合わせ療法)は、本明細書中に記載される規則正しい投薬レジメンに従うことによって投与され得る。
【0143】
タキサンと抗VEGF抗体の量の適当な組み合わせとしては、例えば、約1mg/kg〜約20mg/kg(例えば、約2、5、10または15mg/kgのいずれか)のタキサンおよび約1mg/kg〜約20mg/kg(例えば、約2、4、6、8、10、12、14、16または18mg/kgのいずれか)の抗VEGF抗体;約3mg/m2〜約400mg/m2(例えば、約6、10、15、30、45、60、100、150、200または300mg/m2のいずれか)のタキサンおよび40mg/m2〜約600mg/m2(例えば、約100mg/m2〜約400mg/m2(例えば、約100、200または300mg/m2のいずれか)が挙げられる)の抗VEGF抗体;約3mg/m2〜約300mg/m2(例えば、約6、10、15、30、45、60、100、150、200または300mg/m2のいずれか)のタキサンおよび約1mg/kg〜約20mg/kg(例えば、約2、4、6、8、10、12、14、16または18mg/kgのいずれか)の抗VEGF抗体が挙げられる。いくつかの実施形態において、本方法は、少なくとも約200mg/m2のタキサンおよび少なくとも約2、4、8または10mg/kgのいずれかの抗VEGF抗体を個体に投与する工程を包含する。いくつかの実施形態において、タキサンは、パクリタキセルである。いくつかの実施形態において、タキサンは、ドセタキセルである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))であり、タキサンは、パクリタキセルである。
【0144】
本方法のいくつかの実施形態において、タキサンと抗VEGF抗体は、同時に個体に投与される。本方法のいくつかの実施形態において、タキサンと抗VEGF抗体は、共に投与される。タキサン(例えば、パクリタキセル)の組み合わせ療法のための1つの例示的な投薬レジメンは、2週間ごとかまたはそれ以上に頻繁な(例えば、週に1回、1週間に2回または1週間に3回)2mg/kg〜15mg/kg(例えば、4、6、8、10mg/kgまたは15mg/kgのいずれか)の抗VEGF抗体の投与と共に、少なくとも週に(例えば、1、2、3、4、5または6日ごとを含む)1回の100mg/m2〜300mg/m2(例えば、200mg/m2)のタキサンの投与を含む。
【0145】
いくつかの実施形態において、タキサンと抗VEGF抗体は、連続的に個体に投与される。例えば、いくつかの実施形態において、タキサンは、抗VEGF抗体の投与前に、少なくとも1サイクル(例えば、少なくとも2、3、4、5または6サイクルのいずれか)にわたって投与される。次いで、少なくとも約3(例えば、4、5または6)週間にわたって1週間に少なくとも1回(例えば、2回)の抗VEGF抗体の投与が続く。タキサン組成物(例えば、パクリタキセル/アルブミンナノ粒子組成物、例えば、Abraxane(登録商標))と抗VEGF抗体(例えば、ベバシズマブ、例えば、Avastin(登録商標))との組み合わせ療法のための1つの例示的な投薬レジメンは、5日間にわたる毎日の10mg/kgのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体の投与を2サイクル(それらのサイクルは1週間によって分断される)の後、2mg/kg、4mg/kgまたは8mg/kgという投薬量での、6週間にわたる1週間に2回の抗VEGF抗体の投与を含む。いくつかの実施形態において、タキサンは、パクリタキセルである。いくつかの実施形態において、タキサンは、ドセタキセルである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))であり、タキサンは、パクリタキセルである。
【0146】
いくつかの実施形態において、タキサンの有効量は、約45mg/m2〜約350mg/m2であり、抗VEGF抗体の有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、組成物中のタキサンの有効量は、約80mg/m2〜約150mg/m2であり、抗VEGF抗体の有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、組成物中のタキサンの有効量は、約100mg/m2である。いくつかの実施形態において、タキサンは、週に1回投与される。いくつかの実施形態において、組成物中のタキサンの有効量は、約170mg/m2〜約200mg/m2であり、抗VEGF抗体の有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、組成物中のタキサンの有効量は、約200mg/m2〜約350mg/m2であり、抗VEGF抗体の有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、タキサンは、2週間ごとに投与される。いくつかの実施形態において、組成物中のタキサンの有効量は、約260mg/m2である。いくつかの実施形態において、タキサンは、3週間ごとに投与される。上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、1mg/kg超から10mg/kg未満または15mg/kg超から20mg/kg未満である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約5〜約10mg/kgである。上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約2mg/kg、約4mg/kg、約6mg/kg、約8mg/kg、約10mg/kg、約12mg/kgまたは約15mg/kgである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約10mg/kgである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約15mg/kgである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、2週間ごとかまたは3週間ごとに投与される。いくつかの実施形態において、タキサンは、パクリタキセルである。いくつかの実施形態において、タキサンは、ドセタキセルである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(例えば、Avastin(登録商標))であり、タキサンは、パクリタキセルである。
【0147】
いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、インビボにおいてVEGFのタキサン媒介性誘導を抑制するのに有効な量である。いくつかの実施形態において、インビボにおけるVEGFのタキサン媒介性誘導は、VEGF−Aのタキサン媒介性誘導である。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物中のタキサンの有効量は、約45mg/m2〜約350mg/m2であり、抗VEGF抗体の有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物中のタキサンの有効量は、約80mg/m2〜約150mg/m2であり、抗VEGF抗体の有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物中のタキサンの有効量は、約100mg/m2である。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、週に1回投与される。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物中のタキサンの有効量は、約170mg/m2〜約200mg/m2であり、抗VEGF抗体の有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、2週間ごとに投与される。いくつかの実施形態において、タキサンの有効量は、約200mg/m2〜約350mg/m2であり、抗VEGF抗体の有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、タキサンの有効量は、約260mg/m2である。いくつかの実施形態において、タキサンは、3週間ごとに投与される。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、2週間ごとかまたは3週間ごとに投与される。上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、1mg/kg超から10mg/kg未満または15mg/kg超から20mg/kg未満である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約5mg/kg〜約10mg/kgである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約2mg/kg、約4mg/kg、約6mg/kg、約8mg/kg、約10mg/kg、約12mg/kgまたは約15mg/kgである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約10mg/kgである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約15mg/kgである。
【0148】
いくつかの実施形態において、タキサンは、ナノ粒子の形態である。いくつかの実施形態において、タキサン組成物は、Abraxane(登録商標)である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、ベバシズマブ(すなわち、Avastin(登録商標))である。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))の有効量は、約45mg/m2〜約350mg/m2であり、ベバシズマブの有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))の有効量は、約80mg/m2〜約150mg/m2であり、ベバシズマブの有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))の有効量は、約100mg/m2である。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))は、週に1回投与される。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))の有効量は、約170mg/m2〜約200mg/m2であり、ベバシズマブの有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))は、2週間ごとに投与される。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))の有効量は、約200mg/m2〜約350mg/m2であり、ベバシズマブの有効量は、約1mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))の有効量は、約260mg/m2である。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))は、3週間ごとに投与される。いくつかの実施形態において、ベバシズマブは、2週間ごとかまたは3週間ごとに投与される。上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、ベバシズマブの有効量は、1mg/kg超から10mg/kg未満または15mg/kg超から20mg/kg未満である。いくつかの実施形態において、ベバシズマブの有効量は、約5mg/kg〜約10mg/kgである。いくつかの実施形態において、ベバシズマブの有効量は、約2mg/kg、約4mg/kg、約6mg/kg、約8mg/kg、約10mg/kg、約12mg/kgまたは約15mg/kgである。いくつかの実施形態において、ベバシズマブの有効量は、約10mg/kgである。いくつかの実施形態において、ベバシズマブの有効量は、約15mg/kgである。
【0149】
いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))の有効量は、約80mg/m2〜約150mg/m2であり、ベバシズマブの有効量は、約10mg/kgまたは約15mg/kgである。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))の有効量は、約100mg/m2である。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))は、週に1回投与される。いくつかの実施形態において、ベバシズマブは、2週間ごとかまたは3週間ごとに投与される。
【0150】
いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))の有効量は、約200mg/m2〜約350mg/m2であり、ベバシズマブの有効量は、約5mg/kg〜約15mg/kgである。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))の有効量は、約260mg/m2である。いくつかの実施形態において、タキサン組成物(例えば、Abraxane(登録商標))は、週に1回投与される。いくつかの実施形態において、ベバシズマブの有効量は、約5mg/kg〜約10mg/kgである。いくつかの実施形態において、ベバシズマブの有効量は、約15mg/kgである。いくつかの実施形態において、ベバシズマブは、2週間ごとかまたは3週間ごとに投与される。
【0151】
いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体は、2週間ごとかまたは3週間ごとに投与される。上記方法のいずれかのいくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、1mg/kg超から10mg/kg未満または15mg/kg超から20mg/kg未満である。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約5mg/kg〜約10mg/kgである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約2mg/kg、約4mg/kg、約6mg/kg、約8mg/kg、約10mg/kg、約12mg/kgまたは約15mg/kgである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約10mg/kgである。いくつかの実施形態において、抗VEGF抗体の有効量は、約15mg/kgである。
【0152】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、抗VEGF抗体およびタキサンは、表1〜7のいずれかに列挙される投薬スケジュールに従って投与される。
【0153】
薬物の投与は、約1ヶ月から約7年までなどの長期間に延長され得る。いくつかの実施形態において、薬物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72または84ヶ月のいずれかの期間にわたって投与される。
【0154】
いくつかの実施形態において、個体は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10処置サイクルのいずれかにわたって処置される。本明細書中に記載される組成物は、約24時間より短い注入時間にわたる個体への組成物の注入を可能にする。例えば、いくつかの実施形態において、その組成物は、約24時間、12時間、8時間、5時間、3時間、2時間、1時間、30分、20分または10分のいずれかより短い注入時間にわたって投与される。いくつかの実施形態において、その組成物は、約30分という注入時間にわたって投与される。
【0155】
本明細書中に記載される薬物は、様々な経路(例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、経口、吸入、膀胱内(intravesicular)、筋肉内、気管内、皮下、眼内、鞘内、経粘膜的および経皮的が挙げられる)を介して個体(例えば、ヒト)に投与され得る。いくつかの実施形態において、組成物の持続性の連続的放出処方物が、使用され得る。本発明の1つのバリエーションにおいて、本発明の化合物のナノ粒子(例えば、アルブミンナノ粒子)は、任意の許容可能な経路(経口的、筋肉内、経皮的、静脈内、吸入器を介したものまたは他の空気を介した送達系などが挙げられるがこれらに限定されない)によって投与され得る。
【0156】
本明細書中に記載される投与構成の組み合わせが使用され得る。本明細書中に記載される組み合わせ療法の方法は、単独で、または別の治療(例えば、外科術、放射線照射、化学療法、免疫療法、遺伝子治療など)とともに、行われ得る。さらに、増殖性疾患を発症するリスクの高い人は、その疾患の発症を阻害するためかまたはおよび/または遅延させるための処置を受け得る。
【0157】
当業者に理解されるように、他の薬剤の適切な用量は、臨床上の治療において既に使用されている用量くらいであり得、ここで、その他の薬剤は、単独で、または他の薬剤と組み合わせて、投与される。処置される状態に応じて、投薬量の変動が生じる可能性がある。上に記載したように、いくつかの実施形態において、他の薬剤は、低レベルで投与され得る。
【0158】
(ナノ粒子組成物)
本明細書中に記載されるナノ粒子組成物は、コルヒチン(colchchicine)またはチオコルヒチン(またはタキサン)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含む(様々な実施形態では、それらから本質的になる)ナノ粒子を含む。水難溶性薬物(例えば、タキサン)のナノ粒子は、例えば、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号および同第6,537,579号ならびに米国特許公開番号2005/0004002および2007/0082838に開示されている。
【0159】
いくつかの実施形態において、組成物は、約1000ナノメートル(nm)を超えない(例えば、約900、800、700、600、500、400、300、200および100nmのいずれかを超えない)平均直径または中間(mean)直径を有するナノ粒子を含む。いくつかの実施形態において、ナノ粒子の平均直径または中間直径は、約200nmを超えない。いくつかの実施形態において、ナノ粒子の平均直径または中間直径は、約150nmを超えない。いくつかの実施形態において、ナノ粒子の平均直径または中間直径は、約100nmを超えない。いくつかの実施形態において、ナノ粒子の平均直径または中間直径は、約20〜約400nmである。いくつかの実施形態において、ナノ粒子の平均直径または中間直径は、約40〜約200nmである。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、フィルター滅菌可能である。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される組成物中のナノ粒子は、約200nmを超えない平均直径(例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70または60nmのいずれか1つを超えない平均直径が挙げられる)を有する。
【0160】
いくつかの実施形態において、組成物は、約1000ナノメートル(nm)を超えない(例えば、約900、800、700、600、500、400、300、200および100nmのいずれかを超えない)直径を有するナノ粒子を含む。いくつかの実施形態において、組成物中のナノ粒子の直径は、約200nmを超えない。いくつかの実施形態において、組成物中のナノ粒子の直径は、約150nmを超えない。いくつかの実施形態において、組成物中のナノ粒子の直径は、約100nmを超えない。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される組成物中のナノ粒子は、約200nmを超えない直径(例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70または60nmのいずれか1つを超えない直径が挙げられる)を有する。
【0161】
いくつかの実施形態において、組成物中の全ナノ粒子の少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%または99%のいずれか1つ)は、約200nmを超えない直径(例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70または60nmのいずれか1つを超えない直径が挙げられる)を有する。いくつかの実施形態において、組成物中の全ナノ粒子の少なくとも約50%(例えば、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%または99%のいずれか1つ)は、約20〜約200nm(例えば、約30〜約180nmのいずれか1つ、ならびに約40〜約150、約50〜約120および約60〜約100nmのいずれか1つが挙げられる)の範囲内に入る。
【0162】
いくつかの実施形態において、キャリアタンパク質は、ジスルフィド結合を形成し得るスルフヒドリル基を有する。いくつかの実施形態において、組成物のナノ粒子部分におけるキャリアタンパク質の少なくとも約5%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%のいずれか1つが挙げられる)が、架橋されている(例えば、1つ以上のジスルフィド結合を介して架橋されている)。
【0163】
いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)などのキャリアタンパク質でコーティングされたコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、ナノ粒子と非ナノ粒子の両方の形態のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)を含み、ここで、その組成物中のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%のいずれか1つが、ナノ粒子の形態である。いくつかの実施形態において、ナノ粒子中のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)は、ナノ粒子の約50重量%超、60重量%超、70重量%超、80重量%超、90重量%超、95重量%超または99重量%超のいずれか1つを構成する。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、非重合体マトリックスを有する。いくつかの実施形態において、ナノ粒子は、重合体材料(例えば、重合体マトリックス)を実質的に含まないコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)のコアを含む。
【0164】
いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、界面活性物質(例えば、Cremophor(登録商標)、Tween80または水に不溶性の薬物の投与のために使用される他の有機溶媒)を実質的に含まない(例えば、含まない)。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、約20%、15%、10%、7.5%、5%、2.5%または1%のいずれか1つより少ない有機溶媒を含む。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物中のキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)とコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)との重量比は、約18:1以下、例えば、約15:1以下、例えば、約10:1以下である。いくつかの実施形態において、組成物中のキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)とコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)との重量比は、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約13:1、約4:1〜約12:1、約5:1〜約10:1のいずれか1つの範囲内に入る。いくつかの実施形態において、組成物のナノ粒子部分におけるキャリアタンパク質とコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)との重量比は、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:15またはより少ないのいずれか1つである。
【0165】
いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、上記特徴の1つ以上を備える。
【0166】
本明細書中に記載されるナノ粒子は、乾燥処方物(例えば、凍結乾燥された組成物)中に存在してもよいし、生体適合性の媒質に懸濁されてもよい。適当な生体適合性の媒質としては、水、緩衝水性媒質、食塩水、緩衝食塩水、アミノ酸の必要に応じて緩衝化される溶液、タンパク質の必要に応じて緩衝化される溶液、糖の必要に応じて緩衝化される溶液、ビタミンの必要に応じて緩衝化される溶液、合成ポリマーの必要に応じて緩衝化される溶液、脂質含有エマルジョンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0167】
用語「タンパク質」とは、任意の長さのポリペプチドまたはアミノ酸のポリマー(完全長またはフラグメントを含む)のことを指し、それは、直鎖状であっても分枝状であってもよく、改変アミノ酸を含み得、そして/または非アミノ酸によって割り込まれ得る。この用語は、天然に改変されたか、または介入により改変されたアミノ酸ポリマーも包含する;例えば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化または他の任意の操作もしくは改変。例えば、アミノ酸の1つ以上のアナログ(例えば、非天然アミノ酸などが挙げられる)ならびに当該分野で公知の他の改変を含むポリペプチドもまた、この用語の範囲内に含められる。本明細書中に記載されるタンパク質は、天然に存在し得、すなわち、天然の供給源(例えば、血液)から入手され得るかもしくは得られ得るか、または合成され得る(例えば、化学的に合成され得るか、または組換えDNA技術によって合成され得る)。
【0168】
適当なキャリアタンパク質の例としては、血液または血漿中に天然に見られるタンパク質が挙げられ、そのようなタンパク質としては、アルブミン、IgAをはじめとした免疫グロブリン、リポタンパク質、アポリポタンパク質B、アルファ酸糖タンパク質、ベータ−2−マクログロブリン、チログロブリン、トランスフェリン、フィブロネクチン、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、キャリアタンパク質は、非血液タンパク質(例えば、カゼイン、a−ラクトアルブミンおよびβ−ラクトグロブリン)である。キャリアタンパク質は、起源が天然であってもよいし、合成的に調製されてもよい。いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能なキャリアは、ヒト血清アルブミンなどのアルブミンを含む。ヒト血清アルブミン(HSA)は、M65Kである高度に溶解性の球状タンパク質であり、585アミノ酸からなる。HSAは、血漿中に最も豊富に存在するタンパク質であり、ヒト血漿のコロイド浸透圧の70〜80%を占める。HSAのアミノ酸配列は、合計17個のジスルフィド架橋、1つの遊離チオール(Cys34)および単一のトリプトファン(Trp214)を含む。HSA溶液の静脈内での使用は、血液量減少性(hypovolumic)ショックの予防および処置に対して(例えば、Tullis,JAMA,237,355−360,460−463,(1977)およびHouserら、Surgery,Gynecology and Obstetrics,150,811−816(1980)を参照のこと)、ならびに新生児高ビリルビン血症の処置において交換輸血とともに(例えば、Finlayson,Seminars in Thrombosis and Hemostasis,6,85−120,(1980)を参照のこと)示されている。ウシ血清アルブミンなどの他のアルブミンも企図される。そのような非ヒトアルブミンの使用は、例えば、動物(家庭内のペットおよび農学の状況を含む)などの非ヒト哺乳動物においてこれらの組成物を使用する状況において、適切であり得る。
【0169】
ヒト血清アルブミン(HSA)は、複数の疎水性結合部位(HSAの内在性リガンドである脂肪酸に対しては合計8つ)を有し、多種多様なセットのタキサン、特に、中性および負に帯電した疎水性化合物に結合する。2つの高親和性の結合部位は、極性リガンドの特徴について付着点として機能する、帯電したリジンおよびアルギニン残基を表面近くに有する高度に細長い疎水性ポケットである、HSAのサブドメインIIAおよびIIIAに存在すると提唱されている(例えば、Fehskeら、Biochem.Pharmcol.,30,687−92(198a)を参照のこと)。さらに、ドセタキセルは、ヒト血漿タンパク質に結合すると示されている(例えば、Urienら、Invest.New Drugs,14(b),147−51(1996)を参照のこと)。
【0170】
組成物中のキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)は、一般に、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)に対するキャリアとして働き、すなわち、組成物中のキャリアタンパク質は、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)を、キャリアタンパク質を含まない組成物よりも容易に水性媒質に懸濁可能にするか、またはその懸濁物を維持するのを助ける。このことによって、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)を可溶化するために有毒な溶媒(または界面活性物質)を使用することを回避することができ、それによって、個体(例えば、ヒト)へのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)の投与の1つ以上の副作用が減少し得る。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される組成物は、Cremophor(Cremophor EL(登録商標)(BASF)を含む)などの界面活性物質を実質的に含まない(例えば、含まない)。いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物は、界面活性物質を実質的に含まない(例えば、含まない)。組成物中のCremophorまたは界面活性物質の量が、ナノ粒子組成物が個体に投与されたときにその個体において1つ以上の副作用を引き起こすのに十分でない場合、その組成物は、「Cremophorを実質的に含まない」または「界面活性物質を実質的に含まない」。
【0171】
本明細書中に記載される組成物中のキャリアタンパク質の量は、その組成物中の他の成分に応じて変動する。いくつかの実施形態において、その組成物は、水性懸濁物(例えば、安定なコロイド懸濁物(例えば、ナノ粒子の安定な懸濁物)の形態)中でコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)を安定化するのに十分な量でキャリアタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、そのキャリアタンパク質は、水性媒質中のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)の沈降速度を低下させる量で存在する。粒子含有組成物では、キャリアタンパク質の量は、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)のナノ粒子のサイズおよび密度にも依存する。
【0172】
コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)は、長時間、例えば、少なくとも約0.1、0.2、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、60または72時間のいずれかにわたって、水性媒質中に懸濁されたまま(例えば、目に見える沈殿または沈降なし)である場合、それらは、水性懸濁物中で「安定化されている」。その懸濁物は、一般に、個体(例えば、ヒト)への投与に適しているが、必ずしもそうではない。懸濁物の安定性は、一般に、貯蔵温度(例えば、室温(例えば、20〜25℃)または冷蔵条件(例えば、4℃))において評価される(が、必ずしもそうではない)。例えば、懸濁物を調製した約15分後に肉眼または1000倍の光学顕微鏡下で見たときに、その懸濁物が、可視のフロキュレーションまたは粒子凝集を示さない場合、その懸濁物は、貯蔵温度において安定である。安定性は、加速試験条件(例えば、約40℃を超える温度)においても評価され得る。
【0173】
いくつかの実施形態において、キャリアタンパク質は、ある特定の濃度の水性懸濁物中でコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)を安定化するのに十分な量で存在する。例えば、組成物中のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)の濃度は、約0.1〜約100mg/ml(例えば、約0.1〜約50mg/ml、約0.1〜約20mg/ml、約1〜約10mg/ml、約2mg/ml〜約8mg/ml、約4〜約6mg/ml、約5mg/mlのいずれかを含む)である。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)の濃度は、少なくとも約1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/mlおよび50mg/mlのいずれかである。いくつかの実施形態において、キャリアタンパク質は、界面活性物質(例えば、Cremophor)の使用を回避する量で存在し、組成物は、界面活性物質(例えば、Cremophor)を含まないか、または実質的に含まない。
【0174】
いくつかの実施形態において、液体の形態の組成物は、約0.1%〜約50%(w/v)(例えば、約0.5%(w/v)、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約30%(w/v)、約40%(w/v)または約50%(w/v))のキャリアタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、液体の形態の組成物は、約0.5%〜約5%(w/v)のキャリアタンパク質を含む。
【0175】
いくつかの実施形態において、ナノ粒子組成物中のキャリアタンパク質、例えば、アルブミンと、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)との重量比は、十分な量のコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)が、細胞に結合するかまたは細胞によって輸送されるような重量比である。キャリアタンパク質とコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)との重量比は、キャリアタンパク質とコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)との種々の組み合わせに対して最適化されなければならないが、一般に、キャリアタンパク質、例えば、アルブミンと、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)との重量比(w/w)は、約0.01:1〜約100:1、約0.02:1〜約50:1、約0.05:1〜約20:1、約0.1:1〜約20:1、約1:1〜約18:1、約2:1〜約15:1、約3:1〜約12:1、約4:1〜約10:1、約5:1〜約9:1または約9:1である。いくつかの実施形態において、キャリアタンパク質とコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)との重量比は、約18:1以下、15:1以下、14:1以下、13:1以下、12:1以下、11:1以下、10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下および3:1以下のいずれかである。
【0176】
いくつかの実施形態において、キャリアタンパク質のおかげで、著しい副作用なしに組成物を個体(例えば、ヒト)に投与することが可能となる。いくつかの実施形態において、キャリアタンパク質(例えば、アルブミン)は、ヒトへのコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)の投与の1つ以上の副作用を減少させるのに有効な量で存在する。用語「コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)の投与の1つ以上の副作用を減少させる」とは、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)によって引き起こされる1つ以上の望ましくない作用、ならびにコルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)を送達するために使用される送達ビヒクル(例えば、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)を注射に適するようにさせる溶媒)によって引き起こされる副作用の減少、軽減、排除または無効化のことを指す。そのような副作用としては、例えば、骨髄抑制、神経毒性、過敏症、炎症、静脈刺激、静脈炎、疼痛、皮膚過敏、末梢神経障害、好中球減少性発熱、アナフィラキシー反応、静脈血栓症、血管外遊出およびそれらの組み合わせが挙げられる。しかしながら、これらの副作用は、単に例示的なものであり、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)に関連する他の副作用または副作用の組み合わせも減少し得る。
【0177】
いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、IND−5404である。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体は、Nab−5404に含められている。
【0178】
いくつかの実施形態において、タキサンは、Abraxane(登録商標)に含められている。Abraxane(登録商標)は、ヒトアルブミンUSPによって安定化されたパクリタキセルの処方物であり、直接注射可能な生理学的溶液中に分散され得る。Abraxane(登録商標)は、0.9%塩化ナトリウム注射液または5%デキストロース注射液などの適当な水性媒質に分散されるとき、パクリタキセルの安定なコロイド懸濁物を形成する。そのコロイド懸濁物中のナノ粒子の平均粒径は、約130ナノメートルである。HSAは、水に溶解しやすいので、Abraxane(登録商標)は、希薄(0.1mg/mlパクリタキセル)から濃厚(20mg/mlパクリタキセル)の範囲(例えば、約2mg/ml〜約8mg/ml、約5mg/mlを含む)の広範な濃度で再構成され得る。
【0179】
ナノ粒子組成物を作製する方法は、当該分野で公知である。例えば、タキサン(例えば、パクリタキセル)およびキャリアタンパク質(例えば、アルブミン)を含むナノ粒子は、高剪断力(例えば、超音波処理、高圧均質化など)の条件下で調製され得る。これらの方法は、例えば、米国特許第5,916,596号;同第6,506,405号;同第6,749,868号および同第6,537,579号ならびに米国特許公開番号2005/0004002、2007/0082838、2006/0263434およびPCT出願WO08/137148に開示されている。
【0180】
簡潔には、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(またはタキサン)を有機溶媒に溶解し、その溶液をヒト血清アルブミン溶液に加え得る。その混合物を高圧均質化に供する。次いで、その有機溶媒を蒸発によって除去し得る。得られた分散物をさらに凍結乾燥し得る。適当な有機溶媒としては、例えば、ケトン類、エステル類、エーテル類、塩素化溶媒および当該分野で公知の他の溶媒が挙げられる。例えば、有機溶媒は、塩化メチレンまたはクロロホルム/エタノール(例えば、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1または9:1の比)であり得る。
【0181】
(ナノ粒子組成物中の他の成分)
本明細書中に記載されるナノ粒子は、他の薬剤、賦形剤または安定剤を含む組成物中に存在し得る。例えば、ナノ粒子の負のゼータ電位を上昇させることによって安定性を高めるために、ある特定の負に帯電した成分が加えられ得る。そのような負に帯電した成分としては、グリココール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸などからなる胆汁酸の胆汁酸塩;以下のホスファチジルコリン:パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルアラキドイルホスファチジルコリンおよびジパルミトイルホスファチジルコリンを含む、レシチン(卵黄)に基づくリン脂質を含むリン脂質が挙げられるが、これらに限定されない。他のリン脂質としては、L−a−ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(distearyolphosphatidylcholine)(DSPC)、水素化ダイズホスファチジルコリン(HSPC)および他の関連化合物が挙げられる。負に帯電した界面活性物質または乳化剤、例えば、硫酸コレステリルナトリウムなどもまた、添加剤として適当である。
【0182】
いくつかの実施形態において、組成物は、ヒトへの投与に適している。いくつかの実施形態において、組成物は、哺乳動物(例えば、動物の文脈では、家庭内のペットおよび農業用の動物)への投与に適している。ナノ粒子組成物の多種多様の適当な処方物が存在する(例えば、米国特許第5,916,596号および同第6,096,331号を参照のこと)。以下の処方物および方法は、単に例示的であって、決して限定するものではない。経口投与に適した処方物は、(a)液体の溶液(例えば、希釈剤(例えば、水、食塩水またはオレンジジュース)に溶解された有効量の化合物)、(b)カプセル、サシェまたは錠剤(各々が、固体または顆粒剤として所定量の活性成分を含む)、(c)適切な液体における懸濁物、および(d)適当なエマルジョンからなり得る。錠剤の形態は、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、ポテトデンプン、微結晶性セルロース、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ならびに他の賦形剤、着色料、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤、矯味矯臭薬および薬理学的に適合性の賦形剤の1つ以上を含み得る。不活性な基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシア)中に活性成分を含むトローチ剤、活性成分に加えて当該分野で公知であるような賦形剤を含むエマルジョン、ゲルなどと同様に、舐剤の形態は、矯味矯臭薬、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性成分を含み得る。
【0183】
適当なキャリア、賦形剤および希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、食塩水溶液、シロップ、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウムならびに鉱油が挙げられるが、これらに限定されない。本処方物は、さらに、滑沢剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、保存剤、甘味剤または矯味矯臭薬を含み得る。
【0184】
非経口投与に適した処方物としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、およびその処方物を意図されるレシピエントの血液と適合性にする溶質を含み得る水性および非水性で等張性の滅菌された注射溶液、ならびに懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤および保存剤を含み得る水性および非水性の滅菌された懸濁物が挙げられる。その処方物は、単位用量または複数回用量の密封された容器(例えば、アンプルおよびバイアル)内において提供され得、使用の直前に、滅菌された液体賦形剤、例えば、注射用蒸留水を加えることだけが必要な、フリーズドライされた(凍結乾燥された)状態で保存され得る。即時調合の注射溶液および懸濁物は、先に記載された種類の滅菌された散剤、顆粒剤および錠剤から調製され得る。注射可能な処方物が、好ましい。
【0185】
いくつかの実施形態において、組成物は、約4.5〜約9.0のpH範囲(例えば、約5.0〜約8.0、約6.5〜約7.5および約6.5〜約7.0のいずれかのpH範囲が挙げられる)を有するように処方される。いくつかの実施形態において、組成物のpHは、約6を下回らない(例えば、約6.5、7または8のいずれか(例えば、約8)を下回らない)ように処方される。また、組成物は、グリセロールなどの適当な張度調節物質を加えることによって、血液と等張性であるように作製され得る。
【0186】
(キット)
本発明は、本方法において使用するためのキットも提供する。本発明のキットは、本明細書中に記載される薬物を含む1つ以上の容器を備え、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される方法のいずれかに従って使用するための指示書をさらに備える。そのキットは、適当な個体の選択または処置に関する説明書をさらに備え得る。本発明のキットに供給される指示書は、代表的には、ラベルまたは添付文書における書面による指示書(例えば、キットに含まれる紙のシート)であるが、機械読取り可能な指示書(例えば、磁気ディスクまたは光学式保存ディスクに収められた指示書)もまた許容可能である。
【0187】
いくつかの実施形態において、キットは、増殖性疾患(例えば、がん)を処置するため、a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体、b)抗VEGF抗体、およびc)ナノ粒子および他の薬剤を同時におよび/または連続的に投与するための指示書を備える。いくつかの実施形態において、キットは、タキサンをさらに備える。タキサンは、パクリタキセル、ドセタキセルおよびオルタタキセル(ortataxel)のいずれかである。いくつかの実施形態において、コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体(および/またはタキサン)は、ナノ粒子の形態(例えば、本明細書中に記載されるナノ粒子)である。
【0188】
キットが、1つの独特な組成物または2つ以上の組成物を備え得、ここで、1つの組成物が、本明細書中に記載される薬物を含むことが理解される。
【0189】
本発明のキットは、適当なパッケージに入っている。適当なパッケージとしては、バイアル、ビン、広口ビン、可撓性のパッケージ(例えば、密封された(seled)Mylarバッグまたはプラスチックバッグ)などが挙げられるが、これらに限定されない。キットは、緩衝剤および説明情報などの追加の構成要素を必要に応じて提供し得る。
【0190】
上記指示書は、通常、意図される処置のための投薬量、投薬スケジュールおよび投与経路に関する情報を含む。上記容器は、単位用量、大量パッケージ(例えば、複数回用量のパッケージ)または単位用量以下(sub-unit)の用量であり得る。例えば、長期間(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月またはより長い期間のいずれか)にわたって個体に有効な処置をもたらすのに十分な投薬量の、本明細書中に開示されるようなタキサン(例えば、タキサン)を含むキットが、提供され得る。キットは、薬局、例えば、院内薬局および調剤薬局での貯蔵および使用にとって十分な量でパッケージされた、複数の単位用量の薬物および薬学的組成物ならびに使用するための指示書も備え得る。
【0191】
当業者は、いくつかの実施形態が、本発明の範囲および精神の範囲内であり得ることを認識する。ここで、本発明は、以下の非限定的な例を参照することにより、さらに詳細に説明される。以下の実施例は、本発明をさらに例証するが、当然のことながら、その範囲を限定すると決して解釈されるべきでない。
【実施例】
【0192】
(実施例1.nab−パクリタキセルおよびベバシズマブによる脈管破壊剤(vascular disrupting agent)ABI−011の抗腫瘍活性の順序依存性の増強)
背景:腫瘍の脈管構造は、抗がん治療について確立されている標的である。脈管破壊剤(VDA)は、確立された腫瘍の脈管構造を損ない、腫瘤を破壊する可能性ならびに進行を防ぐ可能性を有する。チオコルヒチン二量体(IND5404)およびヒト血清アルブミンを含むナノ粒子組成物であるABI−011は、抗チューブリン特性およびトポイソメラーゼ1インヒビター特性を備えた強力なVDAである。ABI−011は、ヒトの乳がん腫、結腸がん腫、前立腺がん腫および卵巣がん腫のマウス異種移植片モデルにおいて著しい抗腫瘍活性を示した。本研究では、ABI−011とnab−パクリタキセル(Abraxane(登録商標))またはベバシズマブ(Avastin)との組み合わせについての、用量、スケジュールおよび順序の重要性を、ヒト腫瘍を異種移植されたマウスにおいて評価した。
【0193】
方法:皮下ヒト乳房腫瘍(MDA−MB−231)、結腸腫瘍(HT29)および前立腺腫瘍(PC3)を、無胸腺ヌードマウスにおいて増殖させ、20mg/kgでの最適以下の用量のABI−011単独(q4d×3、q4d×2またはqd×1)およびnab−パクリタキセル(5mg/kg,q4d×3,IV)またはベバシズマブ(8mg/kg,2×wkly,IP)との組み合わせで、静脈内(IV)処置した。治療効果に対する組み合わせレジメンの用量、スケジュールおよび順序の効果を試験した。ABI−011を、nab−パクリタキセルまたはベバシズマブ処置の24時間前に投与するか、その処置と共に投与するか、またはその処置の24時間後に投与した。
【0194】
結果:
図1は、MDA−MB−231異種移植片モデルにおける、ABI−011およびAbraxane(登録商標)の投与の順序の効果を示している。
【0195】
図2は、MDA−MB−231異種移植片モデルにおけるABI−011、Abraxane(登録商標)およびAvastinの投与の効果を示している。
【0196】
図3は、ヌードマウスのs.c.ヒトPC3前立腺がん異種移植片モデルにおけるABI−011単独の抗腫瘍活性を示している。
【0197】
図4は、PC3腫瘍を有するマウスにおける抗腫瘍活性および体重変化に対する、ABI−011およびAbraxane(登録商標)の投薬量、順序およびタイミングの効果を示している。
【0198】
表1は、ABI−011およびABI−011+Abraxane(登録商標)で処置された、PC3腫瘍を有するマウスにおける抗腫瘍活性および体重変化をまとめている。表1に示されるように、ABI−011単独およびAbraxane(登録商標)との組み合わせでの投与は、効果的に、PC3ヒト腫瘍の増殖を遅延させ、ならびにPC3腫瘍を有するマウスにおいて観察された体重減少の用量依存的減少を引き起こした。ABI−011(20mg/kg,q4d×2またはq4d×3スケジュール)は、Abraxane(登録商標)の24時間前またはAbraxane(登録商標)と共に投与したとき、Abraxane(登録商標)(5mg/kg,q4d×3)の抗腫瘍効果を有意に増強した(Abraxane(登録商標)に対してp<0.001)。
【0199】
【表1−1】

【0200】
【表1−2】

TGI,29日目における腫瘍増殖阻害;BWC,21日目における体重変化パーセント。
【0201】
図5は、PC3における抗腫瘍活性および体重変化に対する、ABI−011およびAvastinの投薬量、順序およびタイミングの効果を示している。
【0202】
表2は、PC3腫瘍を有するマウスにおける抗腫瘍活性および体重変化に対するABI−011およびAvastinの投薬量、順序およびタイミングの効果をまとめている。表2に示されるように、ABI−011およびAvastinによる処置は、抗腫瘍活性の低下、およびPC3細胞によって誘導される体重減少からの保護をもたらした。
【0203】
【表2】

TGI,23日目における腫瘍増殖阻害;BWC,21日目における体重変化パーセント。
【0204】
図6は、HT29異種移植片モデルにおけるABI−011+Avastinの抗腫瘍活性を示している。試験された種々の群は、表3に提供されている。
【0205】
【表3】

表4は、ヌードマウスのs.c.ヒトHT29結腸がん異種移植片モデルにおけるABI−011単独およびAvastinとの組み合わせの抗腫瘍活性をまとめている。
【0206】
【表4】

TGI,23日目における腫瘍増殖阻害;BWC,23日目における体重変化パーセント。
【0207】
図7は、HT29結腸がん異種移植片モデルにおける、Abraxane(登録商標)およびAvastinとABI−011との組み合わせの抗腫瘍効果を示している。試験された種々の群は、表5に提供されている。
【0208】
【表5】

図8は、HT29結腸がん異種移植片モデルにおける、Avastinおよび用量漸増Abraxane(登録商標)とABI−011との組み合わせの抗腫瘍効果を示している。試験された種々の群は、表6に提供されている。
【0209】
【表6−1】

【0210】
【表6−2】

図9は、HT29結腸がん異種移植片モデルにおけるABI−011単独およびAvastinとの組み合わせの抗腫瘍効果を示している。種々の試験群は、表7に提供されている。
【0211】
【表7】

要約すると、著しい用量依存的な腫瘍増殖阻害(TGI)が、ABI−011で処置されたすべての異種移植片モデルにおいて観察された。これらの3つのヒト異種移植片のABI−011に対する感度の順序は、MDA−MB−231>PC3>HT29だった。MDA−MB−231については、q4d×3、q4d×2およびqd×1によって、それぞれ80%、78%および76%のTGIがもたらされた。PC3については、q4d×3、q4d×2およびqd×1によって、それぞれ90%、77%および51%のTGIがもたらされた。HT29については、q4d×3、q4d×2およびqd×1によって、それぞれ84%、22%および0%のTGIがもたらされた。ABI−011(20mg/kg,q4d×3)が、PC3モデルにおいてnab−パクリタキセル(5mg/kg,q4d×3)の24時間前、共にまたは24時間後に投与されたとき、これらの組み合わせによって、それぞれ100%、88%および75%のTGIがもたらされた。ABI−011(20mg/kg,q4d×3)が、HT29モデルにおいてベバシズマブ(8mg/kg,2×wkly)の24時間前、共にまたは24時間後に投与されたとき、これらの組み合わせによって、それぞれ90%、96%および93%のTGIがもたらされた。
【0212】
考察:ABI−011単独およびnab−パクリタキセルとの組み合わせは、異種移植片モデルにおいて著しいTGIを示した。最適な治療効果は、ABI−011が、nab−パクリタキセルの24時間前またはベバシズマブと共に投与されたときに、達成された。この組み合わせデータから、Avastin、Abraxane(登録商標)およびABI−011の有効な組み合わせが可能であることが示唆される。2つまたは3つの薬物による組み合わせ療法が、単独療法よりも有効であると予想され得る。
【0213】
(実施例2.カニクイザルにおけるABI−011の薬物動態学的プロファイルおよび心臓血管の安全性プロファイル)
背景:ABI−011は、強力な脈管破壊活性および抗腫瘍活性を備えたチオコルヒチン二量体である。脈管破壊剤(VDA)は、腫瘍脈管の機能停止に必要とされる用量よりも多い用量では、その細胞傷害能力およびチューブリン結合能力に関する副作用を有すると示されている。その結果として、心臓に対する有害作用が、ZD6126などのチューブリン結合VDAについて以前に報告されている。本研究では、カニクイザルにおいてABI−011を薬物動態学的(PK)特性および心肺の安全性プロファイルについて調べた。
【0214】
方法:複数回投与の血液薬物動態学的研究において、ABI−011を、雄性および雌性のカニクイザル(n=3〜5頭/性別/群)に3週間にわたって週に1回、1.67、2.5および3.33mg/kgで30分間にわたって静脈内投与した。血液サンプルを、投薬前、注入中、ならびに注入後の研究1日目および15日目に採取した。液−液抽出およびタンデム質量分析を伴う液体クロマトグラフィを用いて、ABI−011濃度について全血サンプルを分析した。心肺の安全性薬理学研究では、意識下で遠隔測定される5頭の雄性カニクイザルに、4×4ラテン方格の投与レジメンに従って4週間にわたって週に1回、0、1.67、2.5および3.33mg/kgでABI−011を投与した。遠隔測定によって記録されたパラメータには、動脈圧、心拍数、呼吸数、体温、心電図(ECG,lead II)および運動活性が含まれた。血中心臓トロポニンIレベルおよびクレアチンキナーゼ(CK)アイソザイムレベルも評価した。さらに、hERGをトランスフェクトされたHEK293細胞を用いたインビトロヒトether−a−go−go(HERG)カリウムチャネルパッチクランプアッセイにおいてABI−011を評価した。
【0215】
結果:カニクイザルでは、ABI−011は、複数回の投薬後に、用量に対して用量比例の薬物動態、大きな分布容積(Vz)、0.36〜2.9時間の範囲のHLという迅速なクリアランスを示し、蓄積を示さなかった。心肺の安全性研究では、すべての肺の評価およびECG評価は、正常であり、伝導異常も心筋毒性も示されなかった。投薬の約1時間後に開始する用量依存的な一過性の高血圧、および投薬のおよそ4時間後のピーク到達が、明らかになった。心臓トロポニンIのレベルおよび心臓特異的CK−MBのレベルは、正常限界内に留まった。さらに、ABI−011は、臨床的に関連性のない用量においてホールセルhERG電流を阻害した(31.8μMというIC50値)。
【0216】
結論:ABI−011は、中心血液コンパートメント(central blood compartment)からの効率的な組織抽出(tissue extraction)を示した。3週間にわたる週に1回のABI−011注入は、すべての用量レベル(1.67、2.5および3.33mg/kg)において耐容性がよく、無毒性量(NOAEL)は、1.67mg/kgであると測定された。ABI−011のインビトロおよびインビボ研究は、心臓血管の安全性リスクが高いという証拠を示さない。
【0217】
(実施例3.ABI−011の脈管破壊活性)
背景:腫瘍の脈管構造は、抗がん治療について確立されている標的である。ABI−011は、抗チューブリン特性およびトポイソメラーゼ1インヒビター特性を備えたチオコルヒチン二量体である。本研究では、抗脈管新生活性ならびに脈管破壊活性(VDA)についてABI−011を調べた。
【0218】
方法:ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)を用いた細管形成アッセイを使用するインビトロにおいて、また、3日齢胚(n=18)を用いた標準的なヒヨコ胚絨毛尿膜(CAM)アッセイを使用するインビボにおいて、ABI−011の抗脈管新生効果およびVDA効果を調べた。殻のないウズラ胚CAMアッセイを用いることにより、VDAを経時的に測定した(ABI−011 対 コンブレタスタチン(combretastatin)A4ホスフェート[CA4P])。7日目にウズラ胚(n=36)をABI−011(1〜16μg/ml)に曝露し、VDAのスコアを付けるために60分にわたってデジタルCAM像を取得した。皮下ヒト結腸(HT29)腫瘍を、無胸腺ヌードマウスにおいて増殖させ、ABI−011(20〜40mg/kg;q4d×3,IV)またはCA4P(200mg/kg;qd×4,IV)で静脈内(IV)処置した。動物の体重および腫瘍の測定値を週に3回記録し、有害な観察結果を記録した。
【0219】
結果:細管形成アッセイでは、ABI−011は、新しい微小血管形成を著しく阻害し、0.01μg/mlの用量でさえも、確立された微小血管を破壊した。ニワトリ胚CAMアッセイでは、ABI−011は、濃度依存的様式で強力な抗脈管新生活性を示し、生存率に影響することなく、5μgで90%超阻害した。ウズラ胚CAMアッセイでは、ABI−011は、濃度および時間に依存的な様式で強力なVDAを発揮した。2μg/CAMもの低い濃度のABI−011が、処置の60分後にCAM脈管構造の明らかな破壊を引き起こし、IC50は、1.8μg/mlと算出された。より高濃度であるほど、胚の死亡率は上昇し、LD50は、3.4μg/mlだった。対照的に、脈管破壊剤CA4Pは、ABI−011の有効量よりもかなり高い濃度において中程度のVDAしか示さず、CA4PのIC50は、12.8μg/mlというLD50に近い13.1μg/mlであると測定された。HT29腫瘍モデルでは、CA4Pが効果的でなかったのに対して、ABI−011は、80%超の腫瘍増殖阻害で高度に有効だった。
【0220】
結論:ABI−011は、インビトロとインビボの両方において強力かつ特異的な抗脈管新生活性および脈管破壊活性を示した。ABI−011は、CA4Pよりも良好な治療指数を有する、より強力な脈管破壊抗腫瘍剤であると判定された。
【0221】
本明細書中に引用された刊行物、特許出願および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が、個別かつ明確に参考として援用されると示され、その全体が本明細書中に示されたかのように同程度に、本明細書によって参考として援用される。
【0222】
本発明を実施するために本発明者らが知っている最良の様式を含む本発明の好ましい実施形態が、本明細書中に記載される。前述の記載を読めば、それらの好ましい実施形態の実施形態は、当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者が必要に応じてそのような実施形態を使用することを期待し、本発明者らは、本発明が明確に本明細書中に記載されたのと別の方法で実施されることも意図している。したがって、本発明は、適用可能な法律が許容するように、本明細書に添付される請求項で列挙される内容の改変および等価物のすべてを包含する。さらに、本明細書中に別段示されないか、または別段明らかに文脈と矛盾しない限り、そのすべての可能な実施形態における上記エレメントの任意の組み合わせが、本発明によって包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体における増殖性疾患を処置する方法であって、該個体に、
a)コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む有効量の組成物、および
b)有効量の抗VEGF抗体
を投与する工程を包含する、方法。
【請求項2】
有効量のタキサンを投与する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体が、IDN−5404である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体が、ナノ粒子の形態である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ナノ粒子が、前記コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体およびアルブミンを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ナノ粒子が、前記アルブミンでコーティングされた前記コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物中の前記ナノ粒子の平均直径が、約200nmを超えない、請求項5〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記タキサンが、ナノ粒子の形態である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記タキサンナノ粒子組成物が、タキサンおよびアルブミンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記タキサンナノ粒子組成物が、前記アルブミンでコーティングされたタキサンを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記タキサン組成物中の前記ナノ粒子の平均直径が、約200nmを超えない、請求項8または10に記載の方法。
【請求項12】
前記タキサンが、パクリタキセルである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と前記抗VEGF抗体が、共に投与される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と前記抗VEGF抗体が、同時に投与される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と前記タキサンが、共に投与される、請求項2〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体と前記タキサンが、同時に投与される、請求項2〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記コルヒチン二量体またはチオコルヒチン二量体が、静脈内に投与される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記抗VEGF抗体が、静脈内に投与される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記タキサンが、静脈内に投与される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記抗VEGF抗体が、ベバシズマブである、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記増殖性疾患が、がんである、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記がんが、血管の腫瘍である、請求項21の方法。
【請求項23】
前記がんが、乳がん、結腸がんまたは前立腺がんのいずれかである、請求項21の方法。
【請求項24】
前記がんが、固形腫瘍である、請求項21の方法。
【請求項25】
前記個体が、ヒトである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−520323(P2012−520323A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−554236(P2011−554236)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/027159
【国際公開番号】WO2010/105172
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(508061974)アブラクシス バイオサイエンス, エルエルシー (18)
【Fターム(参考)】