説明

チップ状電子部品用トレー、その製造方法及びそれを用いたチップ状電子部品の製造方法

【課題】端子電極同士が接触することが無く、ベース板と網体との間の隙間が小さく、セラミック電子部品の収容数量の大きなチップ状電子部品用トレーを提供する。
【解決手段】ベース板2は、金属材料で構成され、一面に平板面21を含む。網体4は、金属線41、42で織られており、多数の交差部43と、多数の網目45とを含む。交差部43は、金属線41、42が網体4の厚み方向で重なって形成される。網目45は、交差部43と、金属線41、42とで囲まれた部品収納区画を形成する。ベース板2及び網体4は、交差部43と拡散接合5により固着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックコンデンサ等のチップ状電子部品の端子電極焼付等に用いて好適なチップ状電子部品用トレー及びそのトレーの製造方法、更にそのトレーを用いたチップ状電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内部電極を有するチップ状電子部品は端部に端子電極(外部電極)を有する。積層セラミックコンデンサは、内部電極と、セラミック誘電体層とを、必要数だけ交互に積層してグリーンシート積層体を構成する。次に、グリーンシート積層体を、個々のグリーンチップに切断した後、焼成する。
【0003】
次に、グリーンチップが焼成され得られたセラミック電子部品の両端に、導電成分及び有機バインダを含む電極ペースト(導体ペースト)を塗布し、焼き付けることにより、内部電極の断層面と、電気的に接続する端子電極を形成する。導電成分としては、例えば、銅粉の形で他の組成物と混合された電極ペーストが用いられ、セラミック電子部品の両端面に塗布された後、焼き付け処理されて銅端子電極とされる。
【0004】
端子電極の焼き付けに当たっては、内部電極の断層面が酸化して端子電極と導通不良が生じないように、窒素(N2)雰囲気中、つまり中性雰囲気中で、700℃〜900℃の温度範囲にて焼き付けされる。
【0005】
この焼き付け工程は、トンネル型焼成炉を、ステンレス鋼線(例えばSUS316)でなるメッシュベルトが循環する構成にして、電極ペーストの塗布されたセラミック電子部品を、ステンレス鋼線でなるメッシュで作製されたトレーに、ランダムにばら積み収容し、このトレーをステンレス鋼線でなる枠に載置して、その枠をメッシュベルトに載せてトンネル形状の焼成炉を通過させて行う。
【0006】
ところが、トレーにランダムにばら積み収容されたセラミック電子部品は、電極ペーストが塗布された端子電極が、隣接する他のセラミック電子部品の端子電極に接触すると、接触した状態で焼き付けが行われ、相互に付着してしまうことになる。互いに付着したセラミック電子部品を強制的に剥がそうとすると、どちらか片方の端子電極が部分的に剥がれてしまい、そのため両端部に形成された端子電極の一部に凹凸した傷が残り、端子電極不良として歩留まりを悪化させる要因になってしまう。
【0007】
この問題を解決するため、例えば特許文献1では、セラミック電子部品に塗布された端子電極が、他のセラミック電子部品に塗布された端子電極に接触することのないトレーを開示している。
【0008】
このトレーは、ベース板に網体を固着し、前記トレーの網目の1区画につき、1個の塗膜付きセラミック電子部品をそれぞれ収容して搬送する。このため、電極ペーストが塗布された端子電極が、隣接する他のセラミック電子部品の端子電極に接触することがないため、上述した問題を解決できる。
【0009】
しかし、このトレーは、点溶接(スポット溶接)でベース板に網体を固着している。特許文献1の記載によると、点溶接の間隔と配置は、例えば縦横方向に等間隔である。ベース板に網体を点溶接した個所はベース板と網体が固着しているが、点溶接されていない個所はベース板と網体の間に隙間が生じ易い。この隙間がセラミック電子部品の保持において、不都合なまで拡がらない程度に点溶接の配置を密にするが、点溶接をした個所はセラミック電子部品を保持できないことから、点溶接の配置はなるべく疎にしてセラミック電子部品の収容数を得ている。
【0010】
したがって、特許文献1に記載された技術によると、セラミック電子部品が小型化すればするほど、点溶接の個所を増やす必要があり、この結果、セラミック電子部品の収容数が低下する。
【特許文献1】特開2003−77776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、セラミック電子部品の端子電極同士が接触することのないチップ状電子部品用トレー、そのトレーの製造方法及びそのトレーを用いたチップ状電子部品の製造方法を提供することである。
【0012】
本発明のもう1つの課題は、ベース板と網体との間の隙間が小さく、その隙間にチップ状電子部品が入り込むことのないチップ状電子部品用トレー、そのトレーの製造方法及びそのトレーを用いたチップ状電子部品の製造方法を提供することである。
【0013】
本発明の更にもう1つの課題は、セラミック電子部品の収容数量の大きなチップ状電子部品用トレー、そのトレーの製造方法及びそのトレーを用いたチップ状電子部品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため、本発明は、チップ状電子部品用トレー及びそのトレーの製造方法、更にそのトレーを用いたチップ状電子部品の製造方法について開示する。
【0015】
1.チップ状電子部品用トレー
本発明に係るチップ状電子部品用トレーは、ベース板と網体とを含む。前記ベース板は、金属材料で構成され、一面に平板面を含む。前記網体は、金属線で織られており、多数の金属線交差部と、多数の網目とを含む。前記ベース板及び前記網体は、前記平板面において、前記交差部と拡散接合により固着している。
【0016】
2.チップ状電子部品の製造方法(トレーの使用方法)
本発明に係るチップ状電子部品の製造方法では、上述したチップ状電子部品用トレーを用い、前記チップ状電子部品用トレーの前記網目に、塗膜付きセラミック電子部品を収容する。そして、前記チップ状電子部品用トレーに収容した前記塗膜付きセラミック電子部品を加熱して、端子電極を焼付ける。
【0017】
ここで、本発明に係るチップ状電子部品用トレーにおいて、網体は、金属線で織られており、多数の金属線交差部と、多数の網目とを含む。従って、一つの網目を1個のチップ状電子部品の収容区画とし、各網目にセラミック電子部品を1個ずつ収容できるから、セラミック電子部品の端子電極同士が接触することのないチップ状電子部品用トレーが提供できる。
【0018】
ベース板及び網体は、平板面において、交差部と拡散接合により固着しているから、網体の全面にわたって交差部がベース板に固着しベース板と網体との間の隙間を小さく保つことができる。したがって、ベース板と網体との間の隙間にチップ状電子部品が入り込む不具合を防止できる。
【0019】
また、ベース板に固着する部分は、網体の交差部であるので、基本的には、全ての網目がチップ状電子部品の収容区画として利用できる。このため、セラミック電子部品の収容数量の大きなチップ状電子部品用トレーが提供できる。
【0020】
3.チップ状電子部品用トレーの製造方法
本発明に係るチップ状電子部品用トレーの製造方法は、上述したチップ状電子部品用トレーを製造するに当たり、前記ベース板の一面に前記網体を配置し、前記ベース板と前記網体とを加圧、加熱し、前記ベース板と前記網体とを前記平板面において、前記交差部と拡散接合により固着する。
【0021】
上述したチップ状電子部品用トレーの製造方法において、ベース板の一面に網体を配置すると、交差部の厚みが厚いので、網体の全面にわたって交差部がベース板の一面と接触する。この状態でベース板及び網体を両側から挟み込んで、加圧し、加熱することにより、ベース板及び網体を拡散接合により固着することができる。
【0022】
上述した拡散接合によれば、網体の全面にわたって交差部がベース板に固着され、ベース板と網体との間の隙間を小さく保つことができる。したがって、ベース板と網体との間の隙間にチップ状電子部品が入り込む不具合を防止できる。
【0023】
また、交差部は、金属線が網体の厚み方向で重なって形成されるから、この部分の厚みが厚くなる。このため、ベース板の平板面に網体を組み合わせると、網体の全面にわたって交差部が平板面に接触する。
【0024】
したがって、両者を加圧し、加熱することにより、網体の全面にわたる接触部分をベース板の平板面に拡散接合させることができる。
【0025】
更に、ベース板に固着する部分は網体の交差部であるので、基本的には、全ての網目がチップ状電子部品の収容区画として利用できる。このため、セラミック電子部品の収容数量の大きなチップ状電子部品用トレーが提供できる。
【0026】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。但し、添付図面は、単なる例示に過ぎない。
【発明の効果】
【0027】
以上述べたように、本発明によれば次のような効果を得ることができる。
(A)セラミック電子部品の端子電極同士が接触することのないチップ状電子部品用トレー、そのトレーの製造方法及びそのトレーを用いたチップ状電子部品の製造方法を提供することができる。
(B)ベース板と網体との間の隙間が小さく、その隙間にチップ状電子部品が入り込むことのないチップ状電子部品用トレー、そのトレーの製造方法及びそのトレーを用いたチップ状電子部品の製造方法を提供することができる。
(C)セラミック電子部品の収容数量の大きなチップ状電子部品用トレー、そのトレーの製造方法及びそのトレーを用いたチップ状電子部品の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
1.チップ状電子部品用トレー
図1は本発明に係るチップ状電子部品用トレーの一実施例を示す平面図、図2は図1に図示した矢印A部分の拡大平面図、図3は図2の3−3線に沿った断面図である。図示されたチップ状電子部品用トレーは、ベース板2と、網体4とを含む。ベース板2は、金属材料で構成され、一面に平板面21を含む。
【0029】
図3を参照すると、網体4は、縦の金属線41と横の金属線42とで織られており、多数の交差部43と、多数の網目45とを含む。交差部43は、金属線41、42が網体4の厚み方向で重なって形成される。より詳しくは、交差部43は、互いに隣り合う部分で、金属線41、42の上下が互い違いになるように交互に入れ替わって織られている。網体4の形態は本実施例に限らず、交差部43が網体4の厚み方向で重なって形成されれば、どのような形態であってもよい。また、部品収納区画毎に交差部43が存在していれば、部品収納区画毎に拡散接合5が行え、ベース板2と網体4との間の隙間を小さく保つことができる。
【0030】
網目45は、交差部43と、金属線41、42とで囲まれた部品収納区画を形成する。ベース板2及び網体4は、平板面21において、交差部43と拡散接合5により固着されている。網目45は、好ましくは、縦横比が1:1〜3:4の正方形状とし、セラミック電子部品1の長手方向が横向きに入ることができない縦横比とする。
【0031】
網目45の高さは、あまり低いと、収容されたセラミック電子部品1が脱落しやすく、あまり高いとセラミック電子部品の収容作業が困難となる。そこで、網目45の高さは、セラミック電子部品1の高さ寸法を考慮し、上述した不具合が生じないような高さに設定される。網目45の高さは、主として網体4を構成する金属線41、42の直径で決定されるので、網目45の高さ設定にあたっては、金属線41、42の直径を選択することになる。
【0032】
網体4の材質としては、端子電極の焼付を700℃〜900℃の温度範囲にて行うため、高温で安定性のある材料、例えばSUS304(Fe-18Cr-Ni)、MN(63Ni−30Cu)、Ha(Ni-Cr-Mo)及びチタン等が好適である。特に、チタンが好適である。チタンは、端子電極焼付に際して、セラミック電子部品との付着が全く無く、極めて好都合である。チタンを用いる場合、ベース板2及び網体4をチタンによって構成する他、ステンレス鋼の表面にめっきやコーティング等の手段によって、チタン被覆膜として形成してもよい。ベース板2及び網体4の材質は拡散接合を確実に行う上で、同一の材料が望ましい。尚、MN (63Ni−30Cu)は、合金MNが材質成分として63%以上のNiと、30%程度のCuを含有することを示す。
【0033】
2.チップ状電子部品の製造方法(トレーの使用方法)
本発明にチップ状電子部品の製造方法では、上述したトレーを、チップ状電子部品の端子電極焼付け処理の際に用いる。図4は、チップ状電子部品の端子電極焼付にあたり、図3に図示したチップ状電子部品用トレーに、セラミック電子部品1を収容した状態を示す部分断面図である。セラミック電子部品1には、焼付け前の端子電極塗膜10が付与されている。セラミック電子部品1が例えば積層セラミックコンデンサであれば、端子電極塗膜10はセラミック電子部品1の長手方向両端に塗布される。
【0034】
端子電極塗膜10を有するセラミック電子部品1は、周知の製造方法によって製造される。端子電極塗膜10は、例えば、銅等の金属粉を主成分とする導電成分と、有機バインダとを含み、これらを混合してペースト状に調整したものを、セラミック素体に塗布し、乾燥させることによって得られる。使用しうる端子電極塗膜の種類は特に限定されず、従来から知られているものを用途に合わせ任意に用いることができる。
【0035】
図4において、セラミック電子部品1は、網目45に1個ずつ収容される。セラミック電子部品1が、汎用の積層セラミックコンデンサである場合、網目45は、縦横比が1:1〜3:4の正方形状であれば、セラミック電子部品1の長手方向が横向きに入ることができない。したがって、塗膜付きセラミック電子部品1は、長手方向を高さ方向として、網目45に収容され、1個の網目45に複数のセラミック電子部品1が収容されることはない。
【0036】
チップ状電子部品用トレーに収容された塗膜付きセラミック電子部品1は、次に、チップ状電子部品用トレーごと焼付炉に入れられ、700℃〜900℃程度に加熱されて端子電極焼付が行われる。このとき、セラミック電子部品1に塗布された端子電極塗膜10から有機バインダを除去する脱バインダ処理が行われる。脱バインダ処理は、網目45の周囲4面における交差部43と、金属線41、42との段差で形成される隙間G1を介して行われる。この隙間G1は、網体4の全面にわたって均等に存在するため、脱バインダ処理が良好に行え、更に、焼付温度の均一化及び焼付雰囲気の均一化を実現する。また、図4に示したように、ベース板2の厚さ方向に貫通孔23を設ければ、脱バインダ処理、焼付温度の均一化及び焼付雰囲気の均一化が更に良好に行える。
【0037】
また、網体4は、金属線41、42で織られており、多数の金属線交差部43と、多数の網目45とを含むから、一つの網目45を1個のチップ状電子部品の収容区画とし、各網目45にセラミック電子部品1を1個ずつ収容することができる。従って、セラミック電子部品1の端子電極塗膜10同士が接触することがない。
【0038】
また、ベース板2及び網体4は、平板面21において、交差部43と拡散接合5により固着しているから、網体4の全面にわたって交差部43がベース板2に固着しベース板2と網体4との間の隙間を小さく保つことができる。したがって、ベース板2と網体4との間の隙間にチップ状電子部品が入り込む不具合を防止できる。
【0039】
しかも、ベース板2に固着する部分は網体4の交差部43であるので、基本的には、全ての網目45が部品収納区画として利用できる。このため、セラミック電子部品1の収容数量の大きなチップ状電子部品用トレーが提供できる。
【0040】
次に、網体4の材質毎の焼付け実験結果を表1に示す。表1において、付着率(%)は網体4に対する端子電極塗膜(Cu膜)10の付着率(N=10,000)を示す。但し、付着率が高くても、端子電極塗膜10に破損、剥離などの欠陥を生じなければ問題はない。表1では、端子電極塗膜10の欠陥を生じたものを、付着不良率(%)として表示してある。
【0041】
【表1】

【0042】
表1を参照すると、網体4を、SUS304(Fe-18Cr-Ni)、MN(63Ni−30Cu)、HA(Ni-Cr-Mo)及びチタンの何れで構成した場合でも、付着率に差はあっても、付着不良率は0.00(%)であり、何れの材質も使用可能であることが分かる。特に、Tiを用いた場合は、付着率が、他の材質に比較して著しく低い0.37(%)である。このことは、Tiを用いて網体4を構成した場合、付着率が極めて低くなり、付着による端子電極塗膜10へのダメージが極小になることを意味する。ステンレス鋼の表面にめっきやコーティング等の手段によって、チタン被覆膜を形成した場合も、同様の結果が得られた。
【0043】
3.チップ状電子部品用トレーの製造方法
図5はベース板と網体との組み合わせ工程を説明する断面図、図6は、加圧、加熱、拡散接合工程を説明する断面図である。本発明に係るチップ状電子部品用トレーの製造方法は、図1〜図3に図示したチップ状電子部品用トレーを製造する方法である。
【0044】
まず、図5に示すように、ベース板2と網体4とを準備する。ベース板2は、例えばステンレス鋼板等の金属材料で構成され、一面に平板面21を含む。網体4は、例えばステンレス鋼線等の金属線41、42で織られており、多数の金属線交差部43と、多数の網目45とを含む。交差部43は、金属線41、42が網体4の厚み方向で重なって形成される。網目45は、交差部43と、金属線41、42とで囲まれた部品収納区画を形成する。
【0045】
準備されたベース板2及び網体4は、図5に図示するように、互いに重ねあわされる。ベース板2と網体4とをこのように組み合わせると、網体4において、交差部43の厚みが厚いので、網体4の全面にわたって交差部43がベース板2の平板面21と接触する。ベース板2及び網体4は、この重ね合わせの状態で加圧、加熱、拡散接合工程に移行する。
【0046】
加圧、加熱、拡散接合工程では、図6に図示するように、ベース板2の下側に下側押圧板61があてがわれ、網体4の上側に上側押圧板62があてがわれ、矢印F1又はF2の方向の押圧力を加えた状態で、1000℃程度の温度で加熱される。これにより、ベース板2及び網体4を拡散接合5により固着する。押圧荷重、過熱時間などは、ベース板2及び網体4の材質、形状、大きさ、厚さなどに応じて、経験的に定めることができる。
【0047】
上述した拡散接合5によれば、網体4の全面にわたって交差部43がベース板2に固着し、ベース板2と網体4との間の隙間を小さく保つことができる。したがって、ベース板2と網体4との間の隙間にチップ状電子部品が入り込む不具合を防止できる。
【0048】
また、交差部43は、金属線41、42が網体4の厚み方向で重なって形成されるから、この部分の厚みが厚くなる。このため、ベース板2の平板面21に網体4を組み合わせると、網体4の全面にわたって交差部43が平板面21に接触する。したがって、両者を加熱、加圧することにより、網体4の全面にわたる接触部分をベース板2の平板面21に拡散接合5させることができる。
【0049】
以上、好ましい実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想および教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るチップ状電子部品用トレーの一実施例を示す平面図。
【図2】図1に図示した矢印A部分の拡大平面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った断面図である。
【図4】図3に図示したチップ状電子部品用トレーに塗膜付きセラミック電子部品を収容した状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係るチップ状電子部品用トレーの製造方法における一つの工程を示す図である。
【図6】図5に示した工程の後の加圧、加熱及び拡散接合工程を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 セラミック電子部品
10 塗膜
2 ベース板
21 平板面
4 網体
41、42 金属線
43 交差部
45 網目
5 拡散接合


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース板と、網体とを含み、チップ状電子部品の処理に用いられるトレーであって、
前記ベース板は、金属材料で構成され、一面に平板面を含み、
前記網体は、金属線で織られ、多数の金属線交差部と、多数の網目とを含み、
前記ベース板及び前記網体は、前記平板面において、前記交差部と拡散接合により固着されている、
チップ状電子部品用トレー。
【請求項2】
請求項1に記載されたチップ状電子部品用トレーであって、前記ベース板は、その厚さ方向に貫通孔を有する、チップ状電子部品用トレー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたチップ状電子部品用トレーであって、前記ベース板及び前記網体の材質は、チタンを主成分とする、チップ状電子部品用トレー。
【請求項4】
請求項1又は2に記載されたチップ状電子部品用トレーであって、前記ベース板及び前記網体は、チタンで被覆されている、チップ状電子部品用トレー。
【請求項5】
請求項1又は2に記載されたチップ状電子部品用トレーであって、前記ベース板及び前記網体の材質は、ステンレス鋼を主成分とするチップ状電子部品用トレー。
【請求項6】
請求項1又は2に記載されたチップ状電子部品用トレーであって、前記ベース板及び前記網体の材質は、63Ni−30Cuを主成分とする、チップ状電子部品用トレー。
【請求項7】
請求項1又は2に記載されたチップ状電子部品用トレーであって、前記ベース板及び前記網体の材質は、Ni-Cr-Moを主成分とする、チップ状電子部品用トレー。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載されたチップ状電子部品用トレーであって、前記網目は、縦横比が1:1〜3:4の正方形状であって、チップ状電子部品の長手方向が横向きに入ることができない寸法に構成されているチップ状電子部品用トレー。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載されたチップ状電子部品用トレーを製造する方法であって、
前記ベース板の一面に前記網体を配置し、
前記ベース板と前記網体とを加圧、加熱し、前記ベース板と前記網体とを前記平板面において、前記交差部と拡散接合により固着する
工程を含むチップ状電子部品用トレーの製造方法。
【請求項10】
端子電極焼付け形成工程を含むチップ状電子部品の製造方法であって、
請求項1乃至8の何れかに記載されたチップ状電子部品用トレーを用い、前記チップ状電子部品用トレーの前記網目に、塗膜付きセラミック電子部品を収容し、
前記チップ状電子部品用トレーに収容した前記塗膜付きセラミック電子部品を加熱して、端子電極を焼付ける
工程を含むチップ状電子部品の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−310761(P2006−310761A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13235(P2006−13235)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】