説明

チャット応対システム

【課題】 より効率良く、オペレータによる利用者への応対を監視することのできるチャット応対システムを提供すること。
【解決手段】 インターネット網1に接続された利用者端末7a〜7cと、利用者端末7a〜7cとインターネット網1を通じてデータ通信可能に接続された複数のオペレータ端末13、14と、チャットを提供するオペレータ管理サーバ4と、チャットの内容をオペレータ端末識別情報に対応付けてチャット履歴として記憶するDB用サーバ5と、少なくともDB用サーバ5とデータ通信可能に接続され、DB用サーバ5に記憶されているチャット履歴に基づいて、責任者画面上の異なるチャット表示領域に、個々のオペレータ端末13、14と利用者端末7a〜7cとのチャットの内容を同時に表示する責任者端末12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者からの問い合わせに対するオペレータによるチャットによる応対を監視するためのチャット応対システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータの家庭への普及と、これら各家庭へのインターネットの普及、更には、携帯電話におけるインターネット機能の充実に伴い、インターネット上において商品やサービスを販売するサイトが多く利用されてきている。
【0003】
これら商品やサービスを販売するサイトにおいては、販売する商品やサービスの写真や説明を含むサービス情報コンテンツとなる商品購入ページやサービス申し込みページ等が、利用者端末である利用者のパーソナルコンピュータや携帯電話に配信されるが、これら商品購入ページやサービス申し込みページに掲載されている商品やサービスに対して、質問等の問い合わせ等を行う場合においては、従来、これらの問い合わせを行う手段として電子メールが使用されている。
【0004】
しかしながら、これら電子メールによる問い合わせは、即時的に応答を得られないばかりか、何度も電子メールのやりとりを実施する必要が生じる場合があり、これらの面倒を回避するために、利用者は、問い合わせ内容を整理して電子メールを作成しなければならないことから、これらの問題を解消するために、問い合わせに応答をするオペレータ端末と利用者端末(クライアント端末)とを双方向通信可能に接続して、利用者が自身の利用者端末を用いて音声にて問い合わせを実施できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−42009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これら特許文献1にあっては、問い合わせへの応答をオペレータが音声にて実施するものであるので、これらオペレータによる音声での応答(応対)が正しく実施されているか、具体的には、誇大とされるような不適切な言葉が使用されていないか等を監視する必要があるが、応答が音声によるものであるので、監視者は、複数の各オペレータの利用者への応答を同時平行して監視することができず、これらの監視としては、少ない人数、例えば1人の監視者で実施する場合等であれば、各オペレータにおける応答を、順次、巡回しながら実施する必要があるので漏れのない監視が難しく、一方、漏れのない監視を実施するためには、多くの監視者を配置しなければならないという問題があり、より効率良く、オペレータによる応対を監視することのできるシステムが切望されていた。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、より効率良く、オペレータによる利用者への応対を監視することのできるチャット応対システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のチャット応対システムは、
オープンコンピュータネットワークに接続され、利用者が操作可能な利用者端末と、
前記利用者端末と前記オープンコンピュータネットワークを通じてデータ通信可能に接続され、前記利用者に対する応答を行うオペレータが操作可能とされた複数のオペレータ端末と、
前記利用者端末と前記オペレータ端末との間におけるチャットを提供するチャット手段と、
前記チャット手段における前記各オペレータ端末と前記利用者端末とのチャットの内容を、当該オペレータ端末を個々に識別可能なオペレータ端末識別情報に対応付けてチャット履歴として記憶するチャット履歴記憶手段と、
少なくとも前記チャット履歴記憶手段とデータ通信可能に接続され、該チャット履歴記憶手段に記憶されているチャット履歴に基づいて、監視用画面上の異なるチャット表示領域に、個々のオペレータ端末と前記利用者端末とのチャットの内容を同時に表示する監視用端末と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、監視用端末の監視用画面上の異なるチャット表示領域に、個々のオペレータ端末と利用者端末とのチャットの内容が同時に表示されるようになるので、監視者(責任者)は、より効率良く、複数の各オペレータによる利用者への応対を監視することができる。
【0009】
本発明の請求項2に記載のチャット応対システムは、請求項1に記載のチャット応対システムであって、
前記チャット手段は、同一のオペレータ端末と複数の利用者端末とのチャットを提供し、
前記チャット履歴記憶手段は、前記オペレータ端末識別情報に対応付けて、当該オペレータ端末とチャットしている利用者端末毎にチャット履歴を記憶し、
前記監視用端末は、同一のオペレータ端末識別情報に対応付けて前記チャット履歴記憶手段に記憶されているチャット履歴の数に基づいて、各オペレータとチャットしている利用者の数を特定可能に表示することを特徴としている。
この特徴によれば、1人のオペレータで、複数の利用者からの問い合わせに応対することが可能となり、状況に応じてオペレータの人数を低減することができるばかりか、これら各オペレータにて応対している利用者の人数を簡便かつ正確に把握することができる。
【0010】
本発明の請求項3に記載のチャット応対システムは、請求項2に記載のチャット応対システムであって、
前記監視用端末は、異なる前記チャット表示領域に表示されているチャット内容を含むチャット履歴が、前記チャット履歴記憶手段において同一のオペレータ端末識別情報に対応付けて記憶されていることに基づいて、当該チャットにて応答しているオペレータが同一であることを識別可能に表示することを特徴としている。
この特徴によれば、同一のオペレータにて応対されているチャットが、どのチャット内容であるかを簡便に認識することができる。
【0011】
本発明の請求項4に記載のチャット応対システムは、請求項2または3に記載のチャット応対システムであって、
前記監視用端末は、前記監視用画面上において、各オペレータ毎に当該オペレータが応対している利用者の一覧を表示するオペレータ応対一覧領域を有し、該オペレータ応対一覧領域において、利用者の選択操作或いは利用者の表示の前記チャット表示領域への移動を受付けることにより、当該選択操作または移動された利用者との前記チャット履歴に基づくチャット内容を、前記チャット表示領域に表示することを特徴としている。
この特徴によれば、チャット表示領域にチャット内容を表示させる操作を、簡便に実施することができ、監視用端末の操作性を向上できる。
【0012】
本発明の請求項5に記載のチャット応対システムは、請求項1〜4のいずれかに記載のチャット応対システムであって、
前記チャット履歴記憶手段は、前記各オペレータ端末と前記利用者端末とのチャットに関するチャット情報をさらに記憶し、
前記監視用端末は、監視用画面上において、前記チャット情報を表示するチャット情報表示領域を有し、前記チャット表示領域に表示しているチャット内容を含むチャット履歴に対応して前記チャット履歴記憶手段に記憶されているチャット情報を前記チャット情報表示領域に表示することを特徴としている。
この特徴によれば、チャット情報表示領域に表示されているチャット内容のチャットに関するチャット情報を、簡便に把握することができ、応対監視の参考に資することができる。
【0013】
本発明の請求項6に記載のチャット応対システムは、請求項1〜5のいずれかに記載のチャット応対システムであって、
前記オペレータを個々に識別可能なオペレータ識別情報に対応付けて、当該オペレータに関するオペレータ情報を記憶するオペレータ情報記憶手段を備え、
前記チャット履歴記憶手段は、前記オペレータ端末識別情報に対応付けて、当該オペレータ端末を操作するオペレータのオペレータ識別情報を取得して記憶し、
前記監視用端末は、監視用画面上において、前記オペレータ情報を表示するオペレータ情報表示領域を有し、前記チャット表示領域に表示しているチャット内容を含むチャット履歴に対応して前記チャット履歴記憶手段に記憶しているオペレータ識別情報を特定し、該特定したオペレータ識別情報に対応付けて前記オペレータ情報記憶手段に記憶されているオペレータ情報を前記オペレータ情報表示領域に表示することを特徴としている。
この特徴によれば、チャット表示領域に表示されているチャットの応対を実施しているオペレータに関するオペレータ情報を簡便に把握することができ、応対監視、特に、当該応対にそのオペレータが適しているか否かを判断するための参考に資することができる。
【0014】
本発明の請求項7に記載のチャット応対システムは、請求項1〜6のいずれかに記載のチャット応対システムであって、
前記利用者を個々に識別可能な利用者識別情報に対応付けて、当該利用者に関する利用者情報を記憶する利用者情報記憶手段を備え、
前記チャット履歴記憶手段は、前記チャット履歴とともに当該チャット履歴に記憶されているチャットを行なっている前記利用者端末を操作する利用者の利用者情報を取得して記憶し、
前記監視用端末は、監視用画面上において、前記利用者情報を表示する利用者情報表示領域を有し、前記チャット表示領域に表示しているチャット内容を含むチャット履歴に対応して前記チャット履歴記憶手段に記憶している利用者識別情報を特定し、該特定した利用者識別情報に対応付けて前記利用者情報記憶手段に記憶されている利用者情報を前記利用者情報表示領域に表示することを特徴としている。
この特徴によれば、チャット表示領域に表示されているチャットの応対を受けている利用者に関する利用者情報を簡便に把握することができ、応対監視の参考に資することができる。
【0015】
本発明の請求項8に記載のチャット応対システムは、請求項1〜7のいずれかに記載のチャット応対システムであって、
前記監視用端末は、各オペレータ端末並びに前記チャット手段とデータ通信可能に接続されているとともに、転送するチャットの指定受付け並びに転送先のオペレータの指定受付けに基づいて、前記チャット手段に対して、受付けた転送するチャットを特定可能な情報と転送先のオペレータが操作するオペレータ端末を特定可能な情報とを含む転送要求を送信し、
前記チャット手段は、前記転送要求の受信に応じて、受信した転送要求にて特定される転送するチャットの応対先のオペレータ端末を、当該転送要求にて特定される転送先のオペレータ端末に変更するための処理を実施することを特徴としている。
この特徴によれば、監視者(責任者)は、応対監視において応対するオペレータが不適切であると判断した場合等において、簡便に応対するオペレータを変更させることができる。
【0016】
本発明の請求項9に記載のチャット応対システムは、請求項1〜8のいずれかに記載のチャット応対システムであって、
前記利用者端末と前記オペレータ端末間の音声通話を提供する音声通話手段を備え、
前記監視用端末は、各オペレータ端末とデータ通信可能に接続されているとともに、音声による応答に切り替えるチャットの指定受付けに基づいて、当該チャットの応対を実施しているオペレータ端末に対して音声応答への切替指示を送信し、
前記オペレータ端末は、前記切替指示の受信に応じて、チャットによる応対を実施している利用者端末との前記音声通話手段による音声通話を開始するための処理を実施することを特徴としている。
この特徴によれば、監視者(責任者)は、応対監視において音声通話による応対に移行した方が良いと判断した場合等において、各オペレータに対して音声通話による応対への移行を簡便に指示して、音声応答へ移行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0018】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、まず図1は、本実施例のチャット応対システムの全体像を示すシステム構成図である。
【0019】
本実施例のチャット応対システムは、商品の販売を行う契約企業(カスタマー)に設置されて、該商品を販売するためのサイトを提供するWebサーバ11並びに利用者からの問い合わせにチャットや音声通話にて応対する各オペレータが使用可能な各オペレータ端末13、14と、本発明のオープンコンピュータネットワークであるインターネット網1を介して該Webサーバ11にアクセス可能とされ、各利用者a〜cが操作可能とされた本発明の利用者端末であるパソコン7aやノートパソコン7bや携帯電話端末7cと、商品の販売を行う契約企業(カスタマー)との契約により、当該契約企業(カスタマー)に対して、利用者の商品購入における応対サービス環境を提供するサポートサービス提供会社(ASP、Application Service Provider)に設置され、契約企業(カスタマー)における各オペレータの端末や各オペレータと各利用者a〜cとの間のチャットを提供する本発明のチャット手段を形成するオペレータ管理サーバ4、利用者の個人情報や各オペレータや各オペレータの端末やFAQ(Frequently Asked Questions、頻繁に尋ねられる質問)データ等の各種のデータを記憶・管理するDB(DataBase、データベース)用サーバ5、並びに各利用者a〜cと各オペレータとの音声通話環境を提供する音声通話用サーバ6と、から主に構成されている。
【0020】
尚、携帯電話端末7cは、携帯電話会社2の携帯電話システムを通じてインターネット網1に接続されているとともに公衆回線網3と接続されており、本実施例に用いた携帯電話端末7cは、公衆回線網3に接続されている一般電話との通話機能に加えてインターネット網1への接続機能を有する端末とされている。
【0021】
また、サポートサービス提供会社(ASP)に設置されているオペレータ管理サーバ4、DB用サーバ5、音声通話用サーバ6とは、互いにデータ通信可能に接続されており、これら各サーバが連携して各種の処理を実施できるようになっている。
【0022】
また、本実施例に用いた音声通話用サーバ6は、利用者aのパソコン7aや利用者bのノートパソコン7bから、更に音声オペレータ端末13から送信される通話音声データを含むパケットデータを、相互に受信できるように制御することで、利用者aのパソコン7aや利用者bのノートパソコン7bと音声オペレータ端末13との間の音声通話をインターネット網1を介して実施できるようにする機能を有するとともに、公衆回線網3に接続されていることで、利用者cの携帯電話端末7cと音声オペレータ端末13との音声通話を、該公衆回線網3並びに携帯電話会社2の携帯電話システムを通じて行わせるゲートウェイ機能を有しており、携帯電話端末7cや公衆回線網3に接続されている一般電話に対しても発呼することができ、これらの発呼先の各種の電話と音声オペレータ端末13との音声通話が可能とされている。
【0023】
また、本実施例の契約企業(カスタマー)には、前記Webサーバ11に加えて、利用者からの問い合わせに対して、チャットにて応対する各チャットオペレータが操作する複数のチャットオペレータ端末14と、利用者からの問い合わせに対して、音声にて応対する各音声オペレータが操作する複数の音声オペレータ端末13と、これらチャットオペレータや音声オペレータを管理する責任者が操作する責任者端末12とが設けられている。
【0024】
そして、これら責任者端末12、音声オペレータ端末13、チャットオペレータ端末14、並びにWebサーバ11は、ルータ機能を備えるインターネット接続装置10を通じてインターネット網1に接続されていることで、該インターネット網1を介してサポートサービス提供会社(ASP)に設置されている各サーバや利用者a〜cの各種端末とのデータ通信が可能とされているとともに、これらインターネット接続装置10を通じて契約企業(カスタマー)内においてローカルエリアネットワーク(LAN)接続されており、これらローカルエリアネットワーク(LAN)接続された責任者端末12、音声オペレータ端末13、チャットオペレータ端末14、並びにWebサーバ11が互いにデータの送受信を実施できるように構成されている。
【0025】
また、本実施例に用いた各サーバとしては、詳細な説明を省略するが、通常においてサーバとして使用される比較的処理能力に優れ、且つ安定性の高いコンピュータを好適に使用することができる。
【0026】
また、本実施例に用いたチャットオペレータ端末14としては、各種の情報を表示可能なディスプレイやチャット内容を入力するためのキーボード等の入力装置を備える一般的なパーソナルコンピュータを好適に使用することができ、これらチャットオペレータ端末14には、サポートサービス提供会社(ASP)に設置されているオペレータ管理サーバ4により提供されるチャットへのログインや、チャット画面に表示されるチャットデータ等をオペレータ管理サーバ4と送受信する機能や、DB用サーバ5の内容を検索、表示する等の機能等の各種の機能を提供する専用のアプリケーションプログラムがインストールされている。
【0027】
また、本実施例に用いた音声オペレータ端末13としては、チャットオペレータ端末14と利用者とのチャットによるやりとりの内容であるチャット履歴を表示可能なディスプレイや、例えば、ヘッドセット等の通話音声の入出力を実施する音声入出力装置等を備える一般的なパーソナルコンピュータを好適に使用することができ、これら音声オペレータ端末13には、サポートサービス提供会社(ASP)に設置されているDB用サーバ5にて記憶されているチャット履歴を取得する機能や、音声通話用サーバ6を通じての音声通話の機能、並びにDB用サーバ5の内容を検索、表示する機能等の各種の機能を提供する専用のアプリケーションプログラムがインストールされている。尚、本実施例において音声オペレータ端末13にインストールされている該アプリケーションプログラムには、前記チャットオペレータ端末14におけるチャットに関する機能も含まれており、例えば、チャットによる問い合わせが多く、チャットオペレータ端末14が不足した状況においては、音声オペレータ端末13においてもチャットによる応対を実施できるようになっている。
【0028】
また、本実施例に用いた責任者端末12としては、前記音声オペレータ端末13と同様のパーソナルコンピュータを好適に使用することができ、音声オペレータ端末13と同様のアプリケーションプログラムがインストールされているとともに、新たなオペレータの登録や、各オペレータのスキル等に関する情報等の各種のデータをDB用サーバ5に登録したり、登録されているデータを更新する等の各種の設定処理を実施する機能や、各チャットオペレータ端末14にて実施しているチャットの応対内容を表示したり、各音声オペレータ端末13における各音声オペレータの応対状況を表示する管理機能を提供する専用の管理者アプリケーションプログラムがインストールされている。
【0029】
また、本実施例に用いた利用者aのパソコン7aや利用者bのノートパソコン7bには、Webサーバ11から配信される各HTML文書(ページ)を表示するための閲覧用プログラム(ブラウザ)が予めインストールされているとともに、前記音声通話用サーバ6を通じて音声オペレータ端末13と通話音声データを含むパケットデータを送受信するためのサブプログラム(プラグイン)がインストールされており、利用者aや利用者bが音声通話による応対を選択した場合には、これらサブプログラム(プラグイン)が実行されて、送信する通話音声パケットデータの生成や受信した通話音声パケットデータの再生が実施されることにより、利用者aまたは利用者bは音声オペレータとの通話を実施できるようになっている。
【0030】
本実施例に用いたオペレータ管理サーバ4には、利用者端末(7a、7b、7cのいずれか)と、チャット機能を有するオペレータ端末であるチャットオペレータ端末14、音声オペレータ端末13、責任者端末12のいずれかとの間で、一方から受信したメッセージをもう一方へ送信する処理を行うチャットプログラムがインストールされており、このプログラムの実行に基づいて、利用者とオペレータがチャットを実施できるようになっている。また、このメッセージの送受信における送信元と送信先の対応付け、言い換えるとメッセージの配信制御は、後述するチャット履歴テーブル(図2(c))に記憶されている利用者ID及びオペレータIDに基づいて実施される。例えば、チャット履歴テーブルにおけるオペレータIDを変更することにより、利用者を応対するオペレータ、言い換えると、利用者とチャットするオペレータを変更することができるようになっている。
【0031】
つまりは、本実施例のオペレータ管理サーバ4は、利用者端末7a〜7cとオペレータ端末13、14との間におけるチャットを提供しており、本発明の請求項1におけるチャット手段を形成している。
【0032】
また、チャット履歴テーブル(図2(c))においては、オペレータIDに対して複数の利用者IDを対応付けて記憶させることができ、オペレータ管理サーバ4は、この登録に基づいてメッセージの配信制御を実施することで、複数人の利用者と1人のオペレータがチャットを実施できるようになっている。
【0033】
つまりは、本実施例のオペレータ管理サーバ4は、同一のオペレータ端末13、14と複数の利用者端末7a〜7cとのチャットを提供しており、本発明の請求項2におけるチャット手段を形成している。
【0034】
次いで、本実施例のDB用サーバ5の記憶部(図示略)に記憶されている各種データについて、図2に基づいて説明していく。
【0035】
DB用サーバ5に記憶されているオペレータ端末情報テーブルは、図2(a)に示すように、オペレータ(チャット、音声含む)を識別可能なオペレータIDに対応付けて、接続状態(接続中、未接続のいずれか)と、オペレータが所属しているカスタマーを示す契約企業と、オペレータのスキル及びレベルを示すスキル/レベルと、オペレータが同時に応対可能なチャットの総数を示すチャット数と、その時点のチャット数を示すチャット状態と、オペレータ端末にて着信可能な電話番号と、電話番号の利用状態を示す電話状態と、から構成されている。
【0036】
本実施例におけるオペレータのスキルは、サポートサービス提供会社(ASP)と利用契約している契約企業(カスタマー)がWebサーバ11にて提供している商品の種類のうち、当該オペレータが商品知識を有している商品の種類を設定するようになっている。ここで、商品の種類は、契約企業ごとに予め定められているものとし、例えば、家電、AV(Audio and Visual、音響と映像)、PC(Personal Computer、パソコン)等である。
【0037】
本実施例におけるオペレータのレベルは、当該オペレータが、チャットのみに応対するオペレータか(レベル1)、チャットに加えて音声通話にも応対するオペレータか(レベル2)、責任者か(レベル3)、を示している。このオペレータのレベルはスキルごとに定められている。当該オペレータの有する商品知識に応じて、例えば、家電に関しては豊富な知識を有するため電話応対可能(レベル2)、PCに関してはやや知識不足であるためチャット応対可能(レベル1)、のように設定できる。
【0038】
また、オペレータが専用のアプリケーションプログラムをオペレータ端末(責任者端末12、音声オペレータ端末13、チャットオペレータ端末14のいずれか)にて実行すると、当該オペレータが応対可能なチャット数がオペレータ管理サーバ4に送信されて、オペレータ端末情報テーブル(図2(a))に登録される。このとき、チャット応対しないオペレータの場合には、チャット数に「−」が設定される。
【0039】
また、責任者もしくは音声オペレータが専用のアプリケーションプログラムを端末(責任者端末12、音声オペレータ端末13のいずれか)にて実行すると、着信可能な電話番号がオペレータ管理サーバ4に送信されて、オペレータ端末情報テーブル(図2(a))に登録される。このとき、音声応対しないオペレータの場合には、電話番号に「−」が設定される。
【0040】
DB用サーバ5に記憶されているサービス情報テーブルは、図2(b)に示すように、Webサーバ11にて配信しているWebページのページアドレスに対応付けて、Webサーバ11にて商品を販売している契約企業と、当該Webページに含まれる内容を示すトピックと、から構成される。トピックは、契約企業にてページアドレスごとに個別に予め設定されるようになっている。
【0041】
このようにサービス情報テーブル(図2(b))により、利用者がWebページにアクセスしてきたときに、当該Webページのページアドレスと一致するページアドレスを、サービス情報テーブルから検索することで、Webページに対応する契約企業とトピックとが特定可能とされている。
【0042】
DB用サーバ5に記憶されているチャット履歴テーブルは、図2(c)に示すように、Webサーバ11にて配信しているWebページのページアドレスに対応付けて、当該Webページにアクセスするとともに問い合わせを要求した利用者を識別可能な利用者IDと、利用者の問い合わせに応対しているオペレータのオペレータIDと、利用者がチャットか音声のいずれを要求したかを示す要求と、当該チャットの現在の状態(チャット中、通話中、待機のいずれか)と、問い合わせを要求した時刻である開始時刻と、問い合わせを終了した時刻である終了時刻と、利用者から最後にメッセージを受信した時刻である利用者最終受信時刻と、オペレータから最後にメッセージを受信した時刻であるオペレータ最終受信時刻と、チャットにおける利用者の総待ち時間と、問い合わせ内容を記録したファイルのファイル名を示すデータファイルと、から構成される。
【0043】
尚、本実施例の利用者IDは、いわゆるクッキー情報とされており、オペレータ管理サーバ4のサイトアドレスに対応付けて利用者端末に記憶されるとともに、利用者端末がオペレータ管理サーバ4にアクセスしたときに、利用者端末からクッキー情報がオペレータ管理サーバ4に自動的に送信されるようになっている。尚、オペレータ管理サーバ4のサイトアドレスに対応付けてクッキー情報が、利用者端末に記憶されていない場合には、オペレータ管理サーバ4においてクッキー情報が新たに生成されて、利用者端末に送信されて記憶される。
【0044】
また、本実施例のオペレータIDは、オペレータ識別情報ではあるが、各オペレータは1台のオペレータ端末13、14を占有して利用することから、オペレータ端末識別情報としても利用できるようになっている。
【0045】
また、本実施例の利用者の総待ち時間は、利用者がメッセージを送信した後、オペレータからの返信を待つまでの時間の合計時間とされている。総待ち時間の更新は、オペレータからのメッセージの受信に基づくオペレータ最終受信時刻の更新と同時に実施される。総待ち時間の算出は、まず利用者最終受信時刻からオペレータ最終受信時刻までの経過時間を算出し、これを総待ち時間に加算することで実施される。
【0046】
つまりは、本実施例のチャット履歴テーブル(図2(c))は、チャット手段であるオペレータ管理サーバ4における各オペレータ端末13、14と利用者端末7a〜7cとのチャットの内容となるデータファイルを、当該オペレータ端末13、14を個々に識別可能なオペレータ端末識別情報であるオペレータIDに対応付けて記憶しており、本発明の請求項1におけるチャット履歴に該当し、該チャット履歴を記憶する記憶部(図示略)を備えるDB用サーバ5は、本発明の請求項1におけるチャット履歴記憶手段を形成する。
【0047】
また、上記に説明したように、本実施例のチャット履歴テーブル(図2(c))は、オペレータ端末識別情報であるオペレータIDに対応付けて、当該オペレータ端末13、14とチャットしている利用者端末7a〜7cを使用している利用者の利用者ID毎にチャット履歴を記憶しており、本発明の請求項2におけるチャット履歴に該当し、該チャット履歴を記憶する記憶部(図示略)を備えるDB用サーバ5は、本発明の請求項2におけるチャット履歴記憶手段を形成する。
【0048】
また、上記に説明したように、本実施例のチャット履歴テーブル(図2(c))は、各オペレータ端末13、14と利用者端末7a〜7cとのチャットに関するチャット情報となる総待ち時間をさらに記憶しており、本発明の請求項5におけるチャット履歴に該当し、該チャット履歴を記憶する記憶部(図示略)を備えるDB用サーバ5は、本発明の請求項5におけるチャット履歴記憶手段を形成する。
【0049】
また、上記に説明したように、本実施例のチャット履歴テーブル(図2(c))は、利用者a〜cを個々に識別可能な利用者識別情報である利用者IDに対応付けて、当該利用者に関する利用者情報である利用者が閲覧しているWebページのページアドレスを記憶しており、本発明の請求項7における利用者情報に該当し、該利用者情報を記憶する記憶部(図示略)を備えるDB用サーバ5は、本発明の請求項7における利用者情報記憶手段を形成する。
【0050】
DB用サーバ5に記憶されている応答情報テーブルには、図2(d)に示すように、Webサーバ11にて配信しているWebページのページアドレスに対応付けて、当該Webページにアクセスするとともに問い合わせを要求してきた利用者により、頻繁に尋ねられる質問の内容である問い合わせ内容と、質問に対する模範応答を示すFAQが記憶されている。
【0051】
尚、本実施例では、応答情報テーブル(図2(d))にてサービス情報コンテンツである商品ページを特定可能な情報(ページアドレス)に対応付けて、問い合わせ内容並びに当該問い合わせ内容に対する応答内容(FAQ)とを記憶するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのページアドレスに代えて、当該ページアドレスの商品ページに含まれる商品やサービスを特定可能な情報となる商品IDやサービスIDに対応付けて記憶するようにしても良い。
【0052】
本実施例においては、オペレータ端末情報テーブル(図2(a))、サービス情報テーブル(図2(b))、応答情報テーブル(図2(d))は、責任者が、責任者端末12にて管理者アプリケーションプログラムにより入力する構成とされている。特に図示しないが、責任者端末12においては、オペレータ端末情報テーブル、サービス情報テーブル、応答情報テーブルの各項目を編集するための入力領域を含むオペレータ端末情報入力画面、サービス情報入力画面、応答情報入力画面が管理者アプリケーションプログラムにより出力可能とされており、責任者が、これら入力画面に各項目を入力して登録、変更操作を行ったり、削除操作を行ったりすることで、入力内容がオペレータ管理サーバ4に送信されるようになっている。そして、責任者端末12から入力内容を受信したオペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5にアクセスすることで、オペレータ端末情報テーブル、サービス情報テーブル、応答情報テーブルへの登録、変更、削除等の処理を実施する。
【0053】
本実施例のチャット応対システムの処理内容について、図3〜図5のシーケンス図と、図6〜図8の画面図に基づいて説明していく。
【0054】
図3(a)は、オペレータ端末における問い合わせ実施までの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0055】
オペレータがチャットオペレータ端末14において、専用のアプリケーションプログラムを実行すると、当該オペレータのオペレータIDを含むログイン要求がオペレータ管理サーバ4に送信される。オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のオペレータ端末情報テーブル(図2(a))にアクセスして、オペレータIDに対応付けて記憶されている接続状態を接続中に更新する。
【0056】
また、オペレータが音声オペレータ端末13において、専用のアプリケーションプログラムを実行すると、当該オペレータのオペレータIDを含むログイン要求がオペレータ管理サーバ4に送信される。オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のオペレータ端末情報テーブル(図2(a))にアクセスして、オペレータIDに対応付けて記憶されている接続状態を接続中に更新する。
【0057】
更に、音声オペレータ端末13は、専用のアプリケーションプログラムの実行に基づいて、当該音声オペレータ端末13にて着信可能な電話番号と、音声オペレータ端末13のIPアドレスとを含む登録要求を音声通話用サーバ6に送信し、電話番号とIPアドレスを対応付けて記憶させる。
【0058】
尚、音声オペレータ端末13及びチャットオペレータ端末14は、専用のアプリケーションプログラムの終了に伴い、オペレータIDを含むログアウト要求をオペレータ管理サーバ4に送信し、オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のオペレータ端末情報テーブルの接続状態を未接続に更新する。更に、音声オペレータ端末13は、削除要求をオペレータ管理サーバ4に送信して、対応付けて登録されているIPアドレスと電話番号を削除させる。
【0059】
図3(b)は、利用者端末(7a、7b、7cのいずれか)における問い合わせ実施までの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0060】
本実施例の契約企業(カスタマー)がWebサーバ11にて販売している商品のWebページ(商品ページ)にアクセスするための操作を、利用者が利用者端末に対して実施すると、Webサーバ11は、チャット応対システムに当該商品に関する問い合わせを行うためのボタン画像のアドレスを含む商品ページを利用者端末に配信する。
【0061】
商品ページを受信した利用者端末は、商品ページの表示処理の実施に基づいて、ボタン画像のアドレスにアクセスすることで、ボタン画像の取得要求をオペレータ管理サーバ4に送信する。
【0062】
ボタン画像の取得要求を受信したオペレータ管理サーバ4は、商品ページに関する問い合わせに応対可能なオペレータが存在するか否かを判定する応対可否判定処理を実施する。具体的には、オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のサービス情報テーブル(図2(b))にアクセスし、商品ページのページアドレスに対応付けて、記憶されている契約企業とトピックを特定する。そして、オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のオペレータ端末情報テーブル(図2(a))にアクセスし、接続状態が接続中であり、かつ、サービス情報テーブル(図2(b))にて特定した契約企業であり、かつ、サービス情報テーブル(図2(b))にて特定したトピックをスキルとして有し、かつ、チャット可能(チャット数>チャット状態)もしくは通話可能(電話状態が待機中)であるオペレータが存在するか否かを判定する。
【0063】
そして、商品ページに関する問い合わせに応対可能なオペレータが存在する場合には、オペレータ管理サーバ4は、通常の問い合わせボタンの画像、具体的には図6(a)に示す「問合せ」の画像を利用者端末に送信する。尚、問い合わせボタンの画像はオペレータ管理サーバ4のアドレスに対応付けられており、該問い合わせボタンが選択されると、利用者端末がオペレータ管理サーバ4のアドレスにアクセスすることになるため、オペレータ管理サーバ4において、利用者端末の利用者が当該商品ページに関する問い合わせをチャットもしくは音声により行いたい旨を把握できるようになっている。
【0064】
一方、商品ページに関する問い合わせに応対可能なオペレータが存在しない場合には、問い合わせが不可能である旨を示すボタンの画像、例えば「只今、問合せ不可」の画像を、図6(a)における「問合せ」の画像に代えて、利用者端末に送信する。
【0065】
そして利用者が、利用者端末を操作して図6(a)に示す商品ページ上の「問合せ」の画像(以下、問い合わせボタンと仮称する)を選択すると、オペレータ管理サーバ4は、図6(b)に示すように、問い合わせページを利用者端末に送信する。
【0066】
利用者が、問い合わせページに対して名前、メールアドレス、問い合わせ内容を入力し、送信ボタンを選択すると、利用者端末は、図3(b)に示すように、これら情報を含む問い合わせ要求をオペレータ管理サーバ4に送信する。
【0067】
問い合わせ要求を受付けたオペレータ管理サーバ4は、問い合わせ内容を一時記憶するとともに、問い合わせ用のアプリケーションプログラムを利用者端末に送信し、利用者端末は受信した問い合わせ用のアプリケーションプログラムを実行する。
【0068】
図4は、問い合わせを実施する処理の流れを示すシーケンス図である。
【0069】
利用者端末は、問い合わせ用のアプリケーションプログラムの実行に基づいて、図4に示すように、チャット要求をオペレータ管理サーバ4に送信する。
【0070】
チャット要求を受信したオペレータ管理サーバ4はチャット履歴登録処理を実施する。具体的には、オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のチャット履歴テーブル(図2(c))にアクセスし、商品ページのページアドレスと、利用者IDと、現在時刻を示す開始時刻と、チャット履歴を記録するためのファイル名を示すデータファイルを登録する。また、オペレータIDは未定、終了時刻は未終了とする。
【0071】
一方、チャットオペレータ端末14は、前述のように専用のアプリケーションプログラムの実行に基づいてオペレータ管理サーバ4にログイン要求を送信しており、その後、定期的に(本実施例では1秒)オペレータ管理サーバ4にオペレータIDを含む問い合わせ一覧要求を送信するようになっている。
【0072】
問い合わせ一覧要求を受信したオペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のオペレータ端末情報テーブル(図2(a))にアクセスし、問い合わせ一覧要求に含まれるオペレータIDに対応付けて登録されている契約企業とスキルを特定する。更に、オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のチャット履歴テーブル(図2(c))にアクセスし、問い合わせ一覧要求に含まれるオペレータIDに対応付けて登録されているページアドレスを抽出する。そして、オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のサービス情報テーブル(図2(b))にアクセスし、抽出したページアドレスに対応付けて、記憶されている契約企業とトピックを特定する。尚、終了時刻が登録されている終了したチャット履歴は、応対する必要がなくなった問い合わせのため当該処理の対象外とされる。
【0073】
このようにオペレータ端末情報テーブル(図2(a))に基づいて特定した契約企業とスキルと、チャット履歴テーブル(図2(c))に基づいて特定した契約企業とトピックとを、各々照合することで、当該オペレータが担当可能な問い合わせを特定するとともに、オペレータ管理サーバ4は、これら担当可能な問い合わせに該当するチャット履歴やサービス情報を含む問い合わせ一覧をチャットオペレータ端末14に送信する。
【0074】
問い合わせ一覧を受信したチャットオペレータ端末14は、受信した問い合わせ一覧に基づいて、図7(a)、(b)に示すオペレータ画面の表示内容を更新する表示更新処理を実施する。
【0075】
ここで、オペレータ画面(図7(a)、(b))の構成について説明すると、オペレータ画面は、上部、下部左、下部右の3ブロックから構成される。上部は状態表示ブロック、下部左はチャットブロック、下部右は補助情報表示ブロックを示している。
【0076】
状態表示ブロック(図7(a)、(b)上部)には、チャット履歴テーブル(図2(c))から抽出した開始時刻、ページアドレス、利用者ID、オペレータID、要望、状態が、各々、チャット時刻、閲覧中のページ、お客様ID、担当オペレータ、要望、状態として出力される。サービス情報テーブル(図2(b))から抽出したトピックは、トピック名として出力される。
【0077】
オペレータが、チャットオペレータ端末13を操作して、図7(a)に示すように、担当オペレータが未定とされているチャットでの問い合わせの担当オペレータ欄に対して、応対する旨の入力を行うと、チャットオペレータ端末14は、図4に示すように、ページアドレス、利用者ID、当該オペレータのオペレータIDを含む接続要求をオペレータ管理サーバ4に送信する。
【0078】
接続要求を受信したオペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のチャット履歴テーブル(図2(c))にアクセスし、ページアドレスと利用者IDに対応付けて記憶されているオペレータIDを未定から接続要求を送信してきたオペレータのオペレータIDに更新するとともに、状態を待機からチャット中に変更する。尚、チャットオペレータ端末14は、定期的に問い合わせ一覧をオペレータ管理サーバ4から取得して表示を更新するので、DB用サーバ5のチャット履歴テーブルの更新内容がチャットオペレータ端末14に反映されるようになっている。
【0079】
更に、オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のチャット履歴テーブル(図2(c))にアクセスし、利用者IDに対応付けて記憶されている終了済み(終了時刻が登録済み)のチャットを特定し、当該チャットのデータファイルからチャット履歴を抽出するチャット履歴抽出処理を実施する。また、DB用サーバ5の応答情報テーブル(図2(d))にアクセスし、ページアドレスに対応付けて記憶されているFAQを抽出するFAQ抽出処理を実施する。そして、抽出したチャット履歴とFAQを含む補助情報をチャットオペレータ端末14に送信する。
【0080】
補助情報を受信したチャットオペレータ端末14は、チャットブロック(図7(a)、(b)下部左)にて利用者とチャットを開始するとともに、図7(a)下部右に示すように、補助情報ブロックにチャット履歴を表示するチャット履歴表示処理を実施する。また、補助情報ブロックのFAQタブが選択されたときには、図7(b)下部右に示すように、FAQを表示するFAQ表示処理を実施する。
【0081】
一方、チャットオペレータ端末14の操作に基づいてチャットが開始されると、利用者端末では、図6(c)に示すチャット画面が表示出力されるとともに、オペレータ管理サーバ14では、チャットオペレータ端末14と利用者端末の間で、オペレータと利用者の入力内容を相互に送信しあうチャット処理が実施される。これにより、オペレータ管理サーバ11を介したチャットオペレータ端末14と利用者端末間のチャットが行われる。
【0082】
オペレータ管理サーバ4を介したチャットオペレータ端末14と利用者端末間のチャットを提供するチャット処理の実施中に、オペレータ管理サーバ4は、チャットの内容をデータファイルに記録するチャット履歴記憶処理を実施する。
【0083】
ここで、オペレータがチャットオペレータ端末14にて複数の利用者の問い合わせに同時に応対する流れ、すなわち複数の利用者と同時にチャットする流れについて説明していく。
【0084】
図4に示すように、チャットオペレータ端末14は、オペレータ管理サーバ4に対する問い合わせ一覧要求の送信、オペレータ管理サーバ4からの問い合わせ一覧の受信、オペレータ画面の表示内容の更新、までの一連の処理を定期的(例えば、1秒ごと)に行うようになっている。このため、オペレータが利用者の一人とすでにチャットを開始している状態においても、担当可能かつ担当オペレータが未定の問い合わせが他にも存在するときには、直ちに、これら担当すべき問い合わせがオペレータ画面に表示されることとなる。
【0085】
前述のように各オペレータには予め契約企業(責任者)により同時に応対可能なチャット数が定められており、この数の範囲内で、図7(a)に示すように、担当オペレータが未定であるチャットに応対する操作を行うことが可能とされている。具体的には、オペレータが、チャットオペレータ端末13を操作して、図7(a)に示すように、担当オペレータが未定とされているチャットでの問い合わせの担当オペレータ欄に対して、応対する旨の入力を行うことが可能とされている。
【0086】
同時に複数人の利用者の問い合わせの担当オペレータとなった場合には、チャットオペレータ端末14は、表示更新処理(図4)の実施に基づいて、チャットブロック(図7(a)、(b)下部左)に、これら複数人の利用者の利用者IDがタブ状に表示される。このタブにより、チャットブロック(図7(a)、(b)下部左)にてチャット対象としている利用者を切り替え可能とされている。
【0087】
また、利用者がチャットにメッセージを入力すると、図4に示すように、オペレータ管理サーバ4にその内容が送信され、更にその旨が、問い合わせ一覧の一部としてチャットオペレータ端末14に送信される。チャットオペレータ端末14では、表示更新処理(図4)において、メッセージを入力した利用者の利用者IDのタブが直ちに強調表示(例えば、点滅表示)されるようになっており、複数の利用者と同時にチャットしているときにも、オペレータからの返答を待機している利用者を容易に視認できるようになっている。
【0088】
また、本実施例のチャット画面には、図6(c)に示すように、その画面下方位置に、図6(a)における問い合わせボタンと同様に、通話による応対を要求するための通話ボタンが設けられており、利用者端末にチャット画面が出力されている状態において、すなわちチャット中において、利用者が該通話ボタンを操作することで、図4に示すように、当該利用者の利用者IDを含む音声通話要求が、当該通話ボタンに対応付けられているオペレータ管理サーバ4のアドレスに対して送信される。
【0089】
このように本実施例の通話ボタン(図6(c)参照)は、チャットによる問い合わせを受付けた後に音声による問い合わせを受付けるための受付け部とされている。
【0090】
音声通話要求を受信したオペレータ管理サーバ4は、音声通話要求を送信してきた利用者端末が携帯電話端末7cか否かを識別する端末識別処理を実施する。具体的には、これら携帯電話端末7cか否かの識別は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)のヘッダー情報や、IP(Internet Protocol)アドレスに基づいて実施される。
【0091】
まず、利用者端末が携帯電話端末7c以外、つまりパソコン7aやノートパソコン7bであると識別した場合の処理について説明していく。
【0092】
該端末識別処理にて利用者端末が携帯電話端末7c以外であると識別した場合に、オペレータ管理サーバ4は、チャット履歴引継処理を実施する。具体的には、オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のチャット履歴テーブル(図2(c))にアクセスし、受信した音声通話要求に含まれる利用者IDに対応付けて記憶されている未終了(終了時刻が未登録)のチャットを特定し、当該チャットのデータファイルを抽出する。また、DB用サーバ5の応答情報テーブル(図2(d))にアクセスし、当該利用者IDに対応付けて記憶されているページアドレスを特定し、該特定したページアドレスに対応付けて記憶されているFAQを抽出する。そして、抽出したチャットとFAQを含む補助情報を、後述するオペレータ選択処理にて選択された音声オペレータの音声オペレータ端末13に送信(転送)する。
【0093】
次いで、オペレータ管理サーバ4は、図4に示すように、オペレータ選択処理を実施する。具体的には、オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のサービス情報テーブル(図2(b))にアクセスし、商品ページのページアドレスに対応付けて、記憶されている契約企業とトピックを特定する。そして、オペレータ管理サーバ4は、DB用サーバ5のオペレータ端末情報テーブル(図2(a))にアクセスし、接続状態が接続中であり、かつ、サービス情報テーブルにて特定した契約企業であり、かつ、サービス情報テーブルにて特定したトピックをスキルとして有し、かつ、通話可能(電話状態が待機中)であるオペレータを選択する。また、DB用サーバ5のオペレータ端末情報テーブル(図2(a))にアクセスし、当該オペレータのオペレータIDに対応付けて記憶されている状態を通話中に更新する。
【0094】
尚、応対できる音声オペレータが存在しない場合には、オペレータ管理サーバ4から利用者端末に対して、「しばらくお待ちください」のチャットメッセージが送信されることで、該チャットメッセージが利用者端末のチャット画面に表示される。
【0095】
そして、該オペレータ選択処理にてオペレータを選択したオペレータ管理サーバ4は、音声オペレータ端末13にて着信可能な電話番号を含む接続許可を利用者端末に送信し、更に、音声オペレータ端末13に、利用者が入力した問い合わせ内容、応答情報、チャット履歴を含む接続予告を送信する接続予告送信処理を実施する。
【0096】
音声オペレータ端末13では、チャットオペレータ端末14のオペレータ画面(図7(a)、(b))と同様に、接続予告に含まれる問い合わせ要求、応答情報、チャット履歴が表示されるようになっており、オペレータは問い合わせの内容や、これまでの経緯を把握できる。
【0097】
電話番号を含む接続許可を受信した利用者端末は、電話番号への接続要求を音声通話用サーバ6に送信する。
【0098】
接続要求を受信した音声通話用サーバ6は、さらに接続要求を音声オペレータ端末13に送信することで、音声通話用サーバ6では、オペレータと利用者の音声を相互に送信しあう音声通話処理が実施されて、利用者端末と音声オペレータ端末13の間で音声通話回線が形成される。
【0099】
つまりは、本実施例における音声通話処理においては、受付け部(問い合わせボタン、図6(a))においてチャットによる問い合わせを既に受付けてチャット手段(チャット処理)によるチャットが提供されているとき(チャット画面、図6(c))に、受付け部(通話ボタン、図6(c))において音声による問い合わせを受付けたことに基づいて当該利用者端末とオペレータ端末間の音声通話を提供しており、該音声通話処理を実施する音声通話用サーバ6によって、本発明の請求項9における音声通話手段が形成されている。
【0100】
次に、前述の端末識別処理において利用者端末が携帯電話端末7cであると識別した場合の処理について、図5に基づいて説明していく。
【0101】
端末識別処理にて利用者端末が携帯電話端末7cであると識別した場合において、オペレータ管理サーバ4は、電話番号取得処理を実施する。具体的には、図5に示すように、オペレータ管理サーバ4は、電話番号が入力可能に形成された図示しない入力ページを携帯電話端末7c(利用者端末)に送信することで、利用者から当該携帯電話端末7cの電話番号の入力を受付ける。
【0102】
次いで、オペレータ管理サーバ4は、前述したチャット履歴引継処理とオペレータ選択処理を実施する。
【0103】
そして、オペレータを選択したオペレータ管理サーバ4は、利用者の携帯電話端末7cにて着信可能な電話番号を含む接続指示を音声通話用サーバ6に送信する一方、音声オペレータ端末13に対して、応答情報とチャット履歴を含む接続予告を送信する。尚、接続予告をオペレータ管理サーバ4に記憶しておき、音声オペレータ端末13が定期的に接続予告をオペレータ管理サーバ4に問い合わせ、音声オペレータ端末13に取得させる構成としても良い。
【0104】
音声オペレータ端末13では、チャットオペレータ端末14のオペレータ画面(図7(a)、(b))と同様に、接続予告に含まれる問い合わせ要求、応答情報、チャット履歴が表示されるようになっており、オペレータは問い合わせの内容や、これまでの経緯を把握できる。
【0105】
接続指示を受信した音声通話用サーバ6は、コールバック指示を音声オペレータ端末13に送信するコールバック送信処理を実施する。
【0106】
コールバック指示を受信した音声オペレータ端末13は、コールバック指示に含まれる電話番号に対する発呼要求を音声通話用サーバ6に送信する発呼要求送信処理を実施する。
【0107】
発呼要求を受信した音声通話用サーバ6は発呼処理を実施することで、携帯電話端末7cに発呼する。その後、利用者が携帯電話端末7cにて着呼操作をすることで、携帯電話端末7c(利用者端末)と音声オペレータ端末13との間に、音声通話用サーバ6を介した音声通話回線が形成される。
【0108】
図8は、責任者端末12において出力される、オペレータの応対状況を管理するための本発明の監視用画面となる責任者画面である。
【0109】
ここで、責任者画面(図8(a))の構成について説明すると、責任者画面は、左上部、右上部、下部の3ブロックから構成される。右上部はオペレータ応対一覧ブロック、左上部は詳細情報表示ブロック、下部はチャット表示ブロックを示している。
【0110】
まず、本発明のオペレータ応対一覧領域となるオペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)について説明していく。
【0111】
オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)には、DB用サーバ5のオペレータ端末情報テーブル(図2(a))に記憶されているオペレータのうち、接続状態が接続中であるオペレータの応対状況がグループ(例えば、契約企業aa、bb、cc、dd)ごとに分類されて表示されている。オペレータの応対状況とは、オペレータが応対している問い合わせを意味しており、オペレータ管理サーバ4において受付けた問い合わせ要求のうち応対中の問い合わせ、言い換えるとDB用サーバ5のチャット履歴テーブル(図2(c))において未終了(終了時刻が未登録)の問い合わせを行っている利用者の利用者IDが、応対している担当オペレータのオペレータIDに対応付けて表示されている。
【0112】
このようにオペレータIDに対応付けて応対中の利用者IDを表示する領域をオペレータ領域といい、オペレータ応対一覧ブロックにはオペレータの数だけオペレータ領域が含まれている。例えば、オペレータ領域には、オペレータID「ooooooo1」に対応付けて、該オペレータが応対中の利用者の利用者ID「uuuuuuu1」「uuuuuuu5」「uuuuuu11」「uuuuuu15」が表示されている。
【0113】
そして、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)のオペレータ領域に表示されている利用者IDは、開始時刻からの経過時間に応じて複数段階に表示を切り替えるようになっており、例えば、本実施例では0分〜5分経過、〜10分経過、〜20分経過、20分以上経過の4段階があり、利用者IDの枠線の太さを4段階に切り替えることで、責任者が経過時間を視覚的に認識できるようになっている。
【0114】
また、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)のオペレータ領域においては、オペレータIDに対応付けて表示されている利用者IDが選択可能とされており、図中に[操作_1]として示すように、いずれかの利用者IDが選択(例えば、マウスを左クリック)されると、選択された利用者IDが反転表示されるとともに、選択された利用者が行っている問い合わせに関する詳細情報が詳細情報表示ブロック(図8(a)右上部)に表示されるようになっている。
【0115】
次に、詳細情報表示ブロック(図8(a)右上部)について説明していく。
【0116】
詳細情報表示ブロック(図8(a)右上部)は、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)のオペレータ領域において選択された利用者に応対している担当オペレータのオペレータ情報表示領域と、選択された利用者の利用者情報であるお客様情報表示領域と、担当オペレータと利用者との間で実施されているチャットに関するチャット情報表示領域と、から構成される。
【0117】
詳細情報表示ブロック(図8(a)右上部)のオペレータ情報表示領域は、DB用サーバ5のオペレータ端末情報テーブル(図2(a))と、チャット履歴テーブル(図2(c))に基づいて出力される。オペレータ情報表示領域は氏名、スキル、レベル、対応人数を含み、氏名、スキル、レベルには、オペレータ端末情報テーブルに記憶されている情報がそのまま表示される。対応人数には、同一のオペレータIDに対応付けて記憶されている終了時刻が未終了のチャット履歴の個数が表示される。
【0118】
つまりは、本実施例の責任者端末12は、同一のオペレータ端末識別情報(オペレータID)に対応付けてチャット履歴記憶手段であるDB用サーバ5に記憶されているチャット履歴テーブル(図2(c))の数に基づいて、各オペレータとチャットしている利用者a〜cの数を特定可能に表示しており、本発明の請求項2における監視用端末に該当する。
【0119】
詳細情報表示ブロック(図8(a)右上部)のお客様情報表示領域は、DB用サーバ5のチャット履歴テーブル(図2(c))に基づいて出力される。お客様情報表示領域は訪問サイト、問い合わせ回数を含み、訪問サイトには、チャット履歴のページアドレスが表示され、問い合わせ回数には、利用者IDに対応付けて記憶されているチャット履歴の個数が表示される。
【0120】
詳細情報表示ブロック(図8(a)右上部)のチャット情報表示領域は、DB用サーバ5のチャット履歴テーブル(図2(c))に基づいて出力される。チャット情報表示領域はチャット時間、現在の待ち時間、総待ち時間を含み、チャット時間には、オペレータID及び利用者IDに対応付けて記憶されている終了時刻が未終了のチャット履歴、すなわち応対中のチャット履歴における開始時刻から現在時刻までの経過時間が表示され、現在の待ち時間には、応対中のチャット履歴における利用者最終受信時刻から現在時刻までの経過時間が表示され、総待ち時間には、応対中のチャット履歴における総待ち時間に現在の待ち時間を加算した時間が表示される。
【0121】
尚、本実施例のDB用サーバ5は、利用者の属性情報(住所やメールアドレス等)を記憶していないが、例えば、利用者の属性情報を予め受付けて利用者IDに対応付けて記憶するようにしておき、これら記憶した属性情報をオペレータ管理サーバ4においてお客様情報として表示するようにしても良い。
【0122】
次に、チャット表示ブロック(図8(a)下部)について説明していく。
【0123】
チャット表示ブロックには、図8(a)下部に示すように、複数のチャット表示領域が設けられており、各チャット表示領域には責任者が選択したチャットのチャット内容が表示されるようになっている。また各チャット表示領域には、「ooooooo1−uuuuuuuu1」のように、オペレータID(ooooooo1)と利用者ID(uuuuuuuu1)が識別可能に表示されている。これにより責任者は、同一のオペレータが応対しているチャットを識別できる。
【0124】
つまりは、本実施例の責任者端末12は、少なくともチャット履歴記憶手段であるDB用サーバ5とデータ通信可能に接続され、該チャット履歴記憶手段に記憶されているチャット履歴テーブル(図2(c))に基づいて、監視用画面である責任者画面上のチャット表示ブロック((図8(a)下部)内に形成された異なるチャット表示領域に、個々のオペレータ端末13、14と利用者端末7a〜7cとのチャットの内容を同時に表示しており、本発明の請求項1における監視用端末に該当する。
【0125】
また、上記に説明したように、本実施例の責任者端末12は、異なるチャット表示領域に表示されているチャット内容を含むチャット履歴が、チャット履歴記憶手段であるDB用サーバ5において同一のオペレータ端末識別情報(オペレータID)に対応付けて記憶されていることに基づいて、当該チャットにて応答しているオペレータが同一であることを識別可能に表示しており、本発明の請求項3における監視用端末に該当する。
【0126】
チャット表示ブロック(図8(a)下部)にて表示対象とするチャットの選択方法について具体的に説明すると、前述のように、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)のオペレータ領域において、オペレータIDに対応付けて表示されている利用者IDは選択可能とされており、図中に[操作_2]として示すように、いずれかの利用者IDが選択(例えば、マウスを左クリック)されるとともに、選択された利用者IDがチャット表示ブロック(図8(a)下部)に移動される(例えば、マウスを左クリックしたまま移動させて詳細情報表示ブロック上でマウスを開放するいわゆるドラッグアンドドロップ操作が行われる)と、移動された利用者と担当オペレータとがオペレータ管理サーバ4を介して行っている問い合わせ(チャット)の内容がチャット表示ブロックに表示されるようになっている。
【0127】
つまりは、本実施例の責任者端末12は、監視用画面となる責任者画面(図8(a))上において、各オペレータ毎に当該オペレータが応対している利用者の一覧を表示するオペレータ応対一覧領域であるオペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)を有し、該オペレータ応対一覧領域において、利用者の表示となる利用者IDのチャット表示領域であるチャット表示ブロック(図8(a)下部)への移動(ドラッグアンドドロップ操作)を受付けることにより、当該移動された利用者とのチャット履歴テーブル(図2(c))に基づくチャット内容を、チャット表示領域に表示しており、本発明の請求項4における監視用端末に該当する。
【0128】
尚、本実施例は、チャット表示領域にチャット内容を表示させる対象利用者の選択を、オペレータ応対一覧ブロックに表示されている利用者IDに対するマウスのドラッグアンドドロップ操作により受付けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、対象利用者の選択を、利用者IDに対するマウスの選択操作により受付けるようにしても良い。
【0129】
再度オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)について説明する。本実施例のオペレータ応対一覧ブロックでは、利用者を応対するオペレータを変更する操作、言い換えると、利用者のチャットを別のオペレータに転送するチャットの転送操作と、利用者をチャットでの応対から音声通話での応対へと誘導する音声通話への誘導操作とが、責任者により実施可能とされている。
【0130】
まず、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)におけるチャットの転送操作について説明する。
【0131】
チャットの転送操作は、図中に[操作_3]として示す操作であり、具体的には、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)のオペレータ領域において、いずれかの利用者IDを選択(例えば、マウスを左クリック)し、別のオペレータ領域に移動させる操作(例えば、マウスを左クリックしたまま移動させてオペレータ領域上でマウスを開放するいわゆるドラッグアンドドロップ操作)である。この転送操作に基づいて、移動対象とされた利用者から受信したメッセージを移動先のオペレータに転送する旨の転送要求がオペレータ管理サーバ4に送信されて、後述する転送処理(図10)が実施される。尚、転送要求は、移動前のオペレータ領域に対応するオペレータのオペレータIDである転送元オペレータIDと、移動先のオペレータ領域に対応するオペレータのオペレータIDである転送先オペレータIDと、移動対象とされた利用者の利用者IDとが含まれる。
【0132】
更に、この転送処理が終了するまで、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)において、転送処理の終了待ちである旨が転送先のオペレータのオペレータ領域に表示される。一方、転送元及び転送先のオペレータ端末14には、図8(b)及び図8(c)に示すように、オペレータ管理サーバ4からの転送要求の受信に基づいて、責任者により転送が要求された旨が表示され、転送要求を許諾するか否かをオペレータから受付けるようになっている。
【0133】
つまりは、本実施例の責任者端末12は、各オペレータ端末13、14並びにチャット手段であるオペレータ管理サーバ4とデータ通信可能に接続されているとともに、転送するチャットの指定受付け並びに転送先のオペレータの指定受付けに基づいて、チャット手段に対して、受付けた転送するチャットを特定可能な情報(転送元オペレータID及び利用者ID)と転送先のオペレータが操作するオペレータ端末13、14を特定可能な情報(転送先オペレータID)とを含む転送要求を送信しており、本発明の請求項8における監視用端末に該当する。
【0134】
次に、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)における音声通話への誘導操作について説明する。
【0135】
音声通話への誘導操作は、図中に[操作_4]として示す操作であり、具体的には、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)のオペレータ領域において、いずれかの利用者IDを選択(例えば、マウスを右クリック)し、チャットから音声通話に変更するためのメニューを表示させて、該メニューを選択する操作である。このメニューの選択操作に基づいて、利用者の問い合わせ(チャット)を音声通話に誘導する旨の通話要求がオペレータ管理サーバ4に送信されて、後述する通話誘導処理が実施される。その後、音声通話が実施されると、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)において、音声通話中である旨が表示される。
【0136】
図10は、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)において、図中に[操作_3]として示す、利用者IDを別のオペレータ領域に移動させる前述したチャットの転送操作が行われたときの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0137】
責任者端末12において、前述したチャットの転送操作が行われると、転送操作の対象となった転送元オペレータの転送元オペレータIDと、転送先オペレータの転送先オペレータIDと、利用者の利用者IDとを含む転送要求がオペレータ管理サーバ4に送信される。
【0138】
オペレータ管理サーバ4は、転送要求を受信すると転送要求記憶処理を実施して、転送要求を記憶する。
【0139】
チャットオペレータ端末14は、前述したようにオペレータIDを含む問い合わせ一覧要求を1秒ごとにオペレータ管理サーバ4に送信しており、転送要求を記憶した状態で問い合わせ一覧要求を受信したオペレータ管理サーバ4は、問い合わせ一覧要求に含まれるオペレータIDを転送元オペレータIDもしくは転送先オペレータIDとして含む転送要求を記憶しているか否かを判定し、記憶している場合には、問い合わせ一覧要求に対する返信として転送要求を含む問い合わせ一覧をチャットオペレータ端末14に送信する。
【0140】
転送要求を含む問い合わせ一覧を受信したチャットオペレータ端末14は、この端末を使うオペレータのオペレータIDが、受信した転送要求に転送元オペレータIDとして含まれているか否かを確認し、含まれている場合には表示更新処理を実施して、図8(b)に示すように切断許可受付け画面を表示して、現在応対している利用者を切断して転送先オペレータにチャットを転送する許可を受付ける。そして、オペレータから切断を許可する旨を受け付けたチャットオペレータ端末14は、切断要求をオペレータ管理サーバ4に送信する。一方、切断を許可しない旨を受付けた場合には、その旨をオペレータ管理サーバ4に送信して処理を終了する。
【0141】
また、この端末を使うオペレータのオペレータIDが、受信した転送要求に転送先オペレータIDとして含まれていると確認したチャットオペレータ端末14は、表示更新処理を実施して、図8(c)に示すように接続許可受付け画面を表示して、転送元オペレータが応対している利用者からの接続を許可する旨を受付ける。そして、オペレータから接続を許可する旨を受け付けると、接続要求をオペレータ管理サーバ4に送信する。一方、接続を許可しない旨を受付けた場合には、その旨をオペレータ管理サーバ4に送信して処理を終了する。
【0142】
切断要求及び接続要求を受付けたオペレータ管理サーバ4は、まず、それまで利用者と転送元オペレータの間で実施されていたチャットの内容を含むチャット履歴を転送先オペレータに引き継ぐためにチャット履歴テーブル(図2(c))から抽出するチャット履歴引継処理を実施する。更に、状態更新処理を実施してDB用サーバ5のチャット履歴テーブルにおいて、利用者IDに対応付けて記憶されている転送元オペレータIDを転送先オペレータIDに更新する。そして、チャット履歴引継処理において抽出した利用者と転送元オペレータによるその時点までのチャット履歴を含む補助情報を転送先のチャットオペレータ端末14に送信する。
【0143】
このようにチャット履歴テーブル(図2(c))を更新することで、オペレータ管理サーバ4は、利用者と転送元オペレータとの間で行われていたチャットを転送先オペレータに転送することができる。
【0144】
つまりは、本実施例のオペレータ管理サーバ4は、転送要求の受信に応じて、受信した転送要求にて特定される転送するチャットの応対先のオペレータ端末{チャット履歴テーブル(図2(c))におけるオペレータID}を、当該転送要求にて特定される転送先のオペレータ端末(転送先オペレータID)に変更するための処理(状態更新処理)を実施しており、本発明の請求項8におけるチャット手段を形成する。
【0145】
図11(a)は、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)において、図中に[操作_4]として示す、利用者IDを選択して音声通話に誘導する前述の音声通話への誘導操作が行われたときの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0146】
責任者端末12において、前述した音声通話への誘導操作が行われると、誘導操作の対象となった利用者IDとオペレータIDを含む通話要求がオペレータ管理サーバ4に送信される。
【0147】
通話要求を受信したオペレータ管理サーバ4は、通話誘導処理を実施して、通話要求に含まれる利用者IDとオペレータIDにより特定されるチャットに対して、音声通話に誘導する旨の通話誘導メッセージを割り込ませる。例えば、図11(b)に示すように、「音声で対応させていただきたいのですが、よろしいですか?」という通話誘導メッセージをチャットに割り込ませて、チャットを実施している利用者とオペレータに通話誘導メッセージを認識させることで、利用者を音声通話へと誘導する。
【0148】
つまりは、本実施例の責任者端末12は、各オペレータ端末13とオペレータ管理サーバ4を介してデータ通信可能に接続されているとともに、音声による応答に切り替えるチャットの指定受付け(チャット中の利用者IDを右クリックしてメニューを表示させて選択)に基づいて、当該チャットの応対を実施しているオペレータ端末13に対して音声応答への切替指示となる通話誘導メッセージを送信させるための通話要求をオペレータ管理サーバ4に送信しており、本発明の請求項9における監視用端末に該当する。
【0149】
その後、利用者が音声通話への誘導を許可する旨の操作を行った場合には、前述した利用者が通話ボタンを操作したときの処理(図4)が実施されて、音声通話が開始される。
【0150】
つまりは、本実施例のオペレータ端末13は、切替指示となる通話誘導メッセージの受信に応じて、チャットによる応対を実施している利用者端末7a〜7cとの音声通話手段である音声通話用サーバ6による音声通話を開始するための処理(図4)を実施しており、本発明の請求項9におけるオペレータ端末に該当する。
【0151】
以上、本実施例によれば、責任者端末12の責任者画面(図8(a))上の異なるチャット表示領域(図8(a)下部)に、個々のオペレータ端末13、14と利用者端末7a〜7cとのチャットの内容が同時に表示されるようになるので、監視者(責任者)は、より効率良く、複数の各オペレータによる利用者a〜cへの応対を監視することができる。
【0152】
また、本実施例によれば、1人のオペレータで、複数の利用者a〜cからの問い合わせに応対することが可能となり、状況に応じてオペレータの人数を低減することができるばかりか、これら各オペレータにて応対している利用者a〜cの人数を簡便かつ正確に把握することができる。
【0153】
また、本実施例によれば、同一のオペレータにて応対されているチャットが、どのチャット内容であるかを簡便に認識することができる。
【0154】
また、本実施例によれば、チャット表示領域(図8(a)下部)にチャット内容を表示させる操作を、簡便に実施することができ、責任者端末12の操作性を向上できる。
【0155】
また、本実施例によれば、監視者(責任者)は、応対監視において応対するオペレータが不適切であると判断した場合等において、簡便に応対するオペレータを変更させることができる。
【0156】
また、本実施例によれば、監視者(責任者)は、応対監視において音声通話による応対に移行した方が良いと判断した場合等において、各オペレータに対して音声通話による応対への移行を簡便に指示して、音声応答へ移行させることができる。
【0157】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0158】
例えば、前記実施例では、音声通話による応対による応対負荷を低減するために、チャットによる問い合わせを実施した後でなければ、音声通話による問い合わせを受付けないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図9(a)に示すように、問い合わせボタンとして、チャット、通話の2種類を用意して、チャット可能なオペレータが存在する場合にはチャット問い合わせボタンを、通話可能なオペレータが存在する場合には通話問い合わせボタンを、オペレータ管理サーバ4から取得して、商品ページに組み込むようにすることで、利用者が、音声通話による問い合わせをチャットの問い合わせを実施することなく初めから選択できるようにしても良い。
【0159】
また、図9(b)に示すように商品ページに組み込んだ問い合わせボタンを操作することで、図9(c)に示すようにチャット問い合わせボタン、通話問い合わせボタンを含む問い合わせ手段選択ページを別個に出力する構成とすれば、商品ページが直接これらボタンを含まない場合にも、利用者からチャットによる問い合わせ若しくは音声による問い合わせのいずれによる問い合わせを実施するかを受付けることができる。
【0160】
また、前記実施例では、チャットオペレータ端末14においては、同一のチャットオペレータが複数の利用者とのチャット応対を実施できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらチャット応対も音声応対のように1対1とし、利用者からのチャットによる問い合わせ要求があったときに、オペレータ管理サーバ4が、チャット応対を実施していない空きのチャットオペレータ端末14を特定して、該空きのチャットオペレータ端末14に対してチャット応対の要求を送信してチャットを開始させるようにしても良い。
【0161】
また、前記実施例では、チャットオペレータが自己の応対負荷の状況に応じて、チャットの応対をする利用者を選択してチャットを開始するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前回において応対を受けたチャットオペレータの応対を再度受けたい場合等のように、利用者がチャットオペレータを選択できるように、その時点において応対が可能なチャットオペレータを特定し、該応対が可能なチャットオペレータの一覧等を含むページを利用者端末に対して配信して、チャットオペレータの選択を受付けて、該選択されたチャットオペレータのチャットオペレータ端末14とのチャットを開始させるようにしても良い。
【0162】
また、前記実施例では、音声オペレータ端末13とチャットオペレータ端末14とを個別としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら音声オペレータ端末13とチャットオペレータ端末14とが同一のオペレータ端末であっても良い。
【0163】
また、前記実施例では、DB用サーバ5にFAQデータを記憶しておいて、各音声オペレータ端末13とチャットオペレータ端末14にて、応対中の利用者が閲覧していた商品ページに該当するFAQの内容、つまり補助情報を簡便に表示させることができるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら補助情報の表示機能を有しない構成としても良い。
【0164】
また、前記実施例では、DB用サーバ5において、商品ページのアドレスに対応付けてFAQデータを記憶するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら商品ページのアドレスに代えて、当該商品ページに掲載されている商品やサービスに固有に付与された商品IDやサービスIDに対応付けてFAQデータを記憶しておくとともに、利用者が問い合わせに際して操作した問い合わせ部に対応する商品やサービスの商品IDやサービスIDを問い合わせの操作時においてオペレータ管理サーバ4に通知されるようにしておき、これら通知された商品IDやサービスIDを音声オペレータ端末13とチャットオペレータ端末14に通知することにより、該サービスIDを音声オペレータ端末13とチャットオペレータ端末14において、これら商品IDやサービスIDに対応してDB用サーバ5に記憶されているFAQデータを、抽出して表示できるようにしても良い。
【0165】
また、前記実施例では、音声通話用サーバ6が、各利用者a〜cと音声オペレータ端末13との通話を中継するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、利用者端末と音声オペレータ端末13とが直接音声通話が可能な共通のアプリケーションプログラムを有している場合であれば、音声通話用サーバ6を介すことなく音声通話を実施するようにしても良い。
【0166】
また、前記実施例では、企業(カスタマー)内にWebサーバ11を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらWebサーバ11もASP内に設置するようにしても良いし、更には、責任者端末12、音声オペレータ端末13、チャットオペレータ端末14も、ASP内に設置して、問い合わせ応答をASPにて実施するようにしても良い。
【0167】
また、前記実施例では、ASP内にオペレータ管理サーバ4、DB用サーバ5、音声通話用サーバ6の3つのサーバを設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのサーバを全て1つのサーバにて形成したり、或いは、オペレータ管理サーバ4を、オペレータ管理機能を提供するサーバと、チャット機能を提供するサーバを個別のものとしても良い。
【0168】
また、前記実施例では、DB用サーバ5に記憶されているFAQデータを責任者端末12から入力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、DB用サーバ5において、チャット履歴に基づくチャット内容を精査してFAQデータを更新する処理を行う自動更新処理プログラムを稼働させて、FAQデータを利用者とチャットオペレータ間でやりとりされるチャット内容に基づいて自動的に更新されるようにしても良い。
【0169】
また、前記実施例では、問い合わせをチャットと通話にて実施する例を示したが、これらチャットと通話に加えて、例えば図9(a)において「メール」の選択部を設けて、メールによる問い合わせも実施できるようにしておき、これらメールによる問い合わせ内容を前記自動更新処理プログラムが精査して、DB用サーバ5のFAQデータを更新するようにしても良い。
【0170】
また、前記実施例では、各オペレータは1台のオペレータ端末13、14を占有して利用することから、オペレータ識別情報であるオペレータIDをオペレータ端末識別情報としても利用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、チャット応対サービスを24時間対応としたい企業においては、150名のオペレータを、予め50台用意したオペレータ端末のいずれかに割り当てるといったスケジュールを立て、そのスケジュールを実施していくという運用が想定され、このような場合には、各オペレータが、所定台数のオペレータ端末のうち、割り当てられたいずれか1台を所定期間(例えば、8時間)利用するようにすれば良い。
【0171】
このために構成された前記実施例の第1の変形例となるチャット応対システムにおいては、オペレータとオペレータ端末に対して別個に識別情報が付与され、図2(a)に示すオペレータ端末情報テーブルに対して新たにオペレータ端末識別情報の項目が追加されている。そして、この項目が追加されたオペレータ端末情報テーブルには、その時点におけるオペレータ端末(の識別情報)と該オペレータ端末を利用しているオペレータ(の識別情報)とが対応付けて記憶されるようになっている。
【0172】
尚、前記実施例の第1の変形例となるチャット応対システムにおけるオペレータ端末情報テーブルに含まれる、オペレータ識別情報(オペレータID)、契約企業、スキル/レベル、チャット数、チャット状態は当該オペレータに関するオペレータ情報に該当する。また、オペレータ端末識別情報、接続状態、電話番号は、オペレータ端末情報に該当する。
【0173】
前記実施例の第1の変形例となるチャット応対システムについて更に説明すると、図2(c)に示すチャット履歴テーブルに対して新たにオペレータ端末識別情報の項目が追加され、この項目が追加されたチャット履歴テーブルには、そのチャットに応対したオペレータ端末(の識別情報)と該オペレータ端末を利用しているオペレータ(の識別情報)とが対応付けて記憶されるようになっている。
【0174】
つまりは、前記実施例の第1の変形例におけるオペレータ端末情報テーブルは、オペレータを個々に識別可能なオペレータ識別情報(オペレータID)に対応付けて、当該オペレータに関するオペレータ情報となるスキル/レベル等を記憶しており、該オペレータ端末情報テーブルを記憶する記憶部(図示略)を備えるDB用サーバ5は、本発明の請求項6におけるオペレータ情報記憶手段を形成する。
【0175】
また、上記に説明したように、前記実施例の第1の変形例におけるチャット履歴テーブルは、オペレータ端末識別情報に対応付けて、当該オペレータ端末を操作するオペレータのオペレータ識別情報(オペレータID)を取得して記憶しており、該チャット履歴テーブルを記憶する記憶部(図示略)を備えるDB用サーバ5は、本発明の請求項6におけるチャット履歴記憶手段を形成する。
【0176】
また、前記実施例では、責任者画面(図8(a))上において、オペレータ応対一覧ブロック(図8(a)左上部)にオペレータの数だけオペレータ領域が表示されており、このオペレータ領域にはオペレータIDに対応付けて応対中の利用者IDが表示されている。そして、図中に[操作_1]として示すように、いずれかの利用者IDが選択(例えば、マウスを左クリック)されると、選択された利用者IDが反転表示されるとともに、選択された利用者が行っている問い合わせ(チャット)に関する詳細情報が詳細情報表示ブロック(図8(a)右上部)に表示されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、チャット表示ブロック(図8(a)下部)に表示されている複数のチャット表示領域のいずれかが選択されたときに、選択されたチャット表示領域が反転表示されるとともに、選択されたチャットに関する詳細情報が詳細情報表示ブロック(図8(a)右上部)に表示されるようにした前記実施例の第2の変形例となるチャット応対システムであっても良い。
【0177】
つまりは、前記実施例の第2の変形例における責任者端末は、監視用画面となる責任者画面(図8(a))上において、チャット情報となる総待ち時間を表示するチャット情報表示領域を詳細情報表示ブロック(図8(a)右上部)内に有し、チャット表示領域となるチャット表示ブロック(図8(a)下部)に表示しているチャット内容を含むチャット履歴テーブル(図2(c))に対応してチャット履歴記憶手段であるDB用サーバ5に記憶されているチャット情報をチャット情報表示領域に表示しており、本発明の請求項5における監視用端末に該当する。
【0178】
以上、前記実施例の第2の変形例のチャット応対システムによれば、チャット情報表示領域(図8(a)右上部)に表示されているチャット内容のチャットに関するチャット情報を、簡便に把握することができ、応対監視の参考に資することができる。
【0179】
つまりは、前記実施例の第2の変形例における責任者端末は、監視用画面となる責任者画面(図8(a))上において、オペレータ情報となるスキル/レベルを表示するオペレータ情報表示領域を詳細情報表示ブロック(図8(a)右上部)内に有し、チャット表示領域となるチャット表示ブロック(図8(a)下部)に表示しているチャット内容を含むチャット履歴テーブル(図2(c))に対応してチャット履歴記憶手段であるDB用サーバ5に記憶しているオペレータ識別情報(オペレータID)を特定し、該特定したオペレータ識別情報に対応付けてオペレータ情報記憶手段(オペレータ端末情報テーブル)に記憶されているオペレータ情報となるスキル/レベルをオペレータ情報表示領域に表示しており、本発明の請求項6における監視用端末に該当する。
【0180】
以上、前記実施例の第2の変形例のチャット応対システムによれば、チャット表示ブロック(図8(a)下部)に表示しているチャット表示領域に表示されているチャットの応対を実施しているオペレータに関するオペレータ情報(図8(a)右上部)を簡便に把握することができ、応対監視、特に、当該応対にそのオペレータが適しているか否かを判断するための参考に資することができる。
【0181】
つまりは、前記実施例の第2の変形例における責任者端末は、監視用画面となる責任者画面(図8(a))上において、利用者情報(ページアドレス)を訪問サイトとして表示する利用者情報表示領域(お客様情報表示領域)を詳細情報表示ブロック(図8(a)右上部)内に有し、チャット表示領域に表示しているチャット内容を含むチャット履歴テーブル(図2(c))に対応してチャット履歴記憶手段であるDB用サーバ5に記憶している利用者識別情報(利用者ID)を特定し、該特定した利用者識別情報に対応付けて利用者情報記憶手段であるDB用サーバ5に記憶されている利用者情報を利用者情報表示領域に表示しており、本発明の請求項7における監視用端末に該当する。
【0182】
以上、前記実施例の第2の変形例のチャット応対システムによれば、チャット表示ブロック(図8(a)下部)に表示しているチャット表示領域に表示されているチャットの応対を受けている利用者に関する利用者情報(図8(a)右上部)を簡便に把握することができ、応対監視の参考に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の実施例におけるチャット応対システムの全体像を示す図である。
【図2】(a)〜(d)はDB用サーバに記憶される情報を示しており、(a)はオペレータ端末情報テーブル、(b)はサービス情報テーブル、(c)はチャット履歴テーブル、(d)は応答情報テーブルの構成を示す図である。
【図3】(a)は音声オペレータ端末及びチャットオペレータ端末における問い合わせ受付けのための初期化処理を示し、(b)は利用者端末における問い合わせ要求のための初期化処理を示す図である。
【図4】利用者端末とチャットオペレータ端末との間でチャットが実施されるときの処理と、利用者端末と音声オペレータ端末との間で音声通話が実施されるときの処理を示す図である。
【図5】利用者端末(携帯電話端末)と音声オペレータ端末との間で音声通話が実施されるときの処理を示す図である。
【図6】(a)は契約企業が配信するWebページ、(b)は問い合わせの受付直後にオペレータ管理サーバが配信するWebページ、(c)はチャットでの問い合わせを行うWebページ、を示す図である。
【図7】(a)は、(b)はチャットオペレータ端末及び音声オペレータ端末に表示される管理画面を示す図である。
【図8】責任者端末に表示される管理画面を示す図である。
【図9】(a)は契約企業が配信する商品ページ、(b)は契約企業が配信する商品ページ、(c)問い合わせ方法を選択するためのWebページ、を示す図である。
【図10】責任者端末での操作に基づいて、利用者端末とチャットオペレータ端末との間で実施されているチャットが転送されるときの処理を示す図である。
【図11】(a)は責任者端末での操作に基づいて、利用者端末と音声チャットオペレータ端末との間で音声通話が開始されるまでの処理、(b)はチャットでの問い合わせを行うWebページ、を示す図である。
【符号の説明】
【0184】
1 インターネット網
2 携帯電話会社
3 公衆回線網
4 オペレータ管理サーバ
5 DB用サーバ
6 音声通話用サーバ
7a 利用者端末(パソコン)
7b 利用者端末(ノートパソコン)
7c 利用者端末(携帯電話端末)
10 インターネット接続装置
11 Webサーバ
12 責任者端末
13 音声オペレータ端末
14 チャットオペレータ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープンコンピュータネットワークに接続され、利用者が操作可能な利用者端末と、
前記利用者端末と前記オープンコンピュータネットワークを通じてデータ通信可能に接続され、前記利用者に対する応答を行うオペレータが操作可能とされた複数のオペレータ端末と、
前記利用者端末と前記オペレータ端末との間におけるチャットを提供するチャット手段と、
前記チャット手段における前記各オペレータ端末と前記利用者端末とのチャットの内容を、当該オペレータ端末を個々に識別可能なオペレータ端末識別情報に対応付けてチャット履歴として記憶するチャット履歴記憶手段と、
少なくとも前記チャット履歴記憶手段とデータ通信可能に接続され、該チャット履歴記憶手段に記憶されているチャット履歴に基づいて、監視用画面上の異なるチャット表示領域に、個々のオペレータ端末と前記利用者端末とのチャットの内容を同時に表示する監視用端末と、
を備えることを特徴とするチャット応対システム。
【請求項2】
前記チャット手段は、同一のオペレータ端末と複数の利用者端末とのチャットを提供し、
前記チャット履歴記憶手段は、前記オペレータ端末識別情報に対応付けて、当該オペレータ端末とチャットしている利用者端末毎にチャット履歴を記憶し、
前記監視用端末は、同一のオペレータ端末識別情報に対応付けて前記チャット履歴記憶手段に記憶されているチャット履歴の数に基づいて、各オペレータとチャットしている利用者の数を特定可能に表示することを特徴とする請求項1に記載のチャット応対システム。
【請求項3】
前記監視用端末は、異なる前記チャット表示領域に表示されているチャット内容を含むチャット履歴が、前記チャット履歴記憶手段において同一のオペレータ端末識別情報に対応付けて記憶されていることに基づいて、当該チャットにて応答しているオペレータが同一であることを識別可能に表示することを特徴とする請求項2に記載のチャット応対システム。
【請求項4】
前記監視用端末は、前記監視用画面上において、各オペレータ毎に当該オペレータが応対している利用者の一覧を表示するオペレータ応対一覧領域を有し、該オペレータ応対一覧領域において、利用者の選択操作或いは利用者の表示の前記チャット表示領域への移動を受付けることにより、当該選択操作または移動された利用者との前記チャット履歴に基づくチャット内容を、前記チャット表示領域に表示することを特徴とする請求項2または3に記載のチャット応対システム。
【請求項5】
前記チャット履歴記憶手段は、前記各オペレータ端末と前記利用者端末とのチャットに関するチャット情報をさらに記憶し、
前記監視用端末は、監視用画面上において、前記チャット情報を表示するチャット情報表示領域を有し、前記チャット表示領域に表示しているチャット内容を含むチャット履歴に対応して前記チャット履歴記憶手段に記憶されているチャット情報を前記チャット情報表示領域に表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のチャット応対システム。
【請求項6】
前記オペレータを個々に識別可能なオペレータ識別情報に対応付けて、当該オペレータに関するオペレータ情報を記憶するオペレータ情報記憶手段を備え、
前記チャット履歴記憶手段は、前記オペレータ端末識別情報に対応付けて、当該オペレータ端末を操作するオペレータのオペレータ識別情報を取得して記憶し、
前記監視用端末は、監視用画面上において、前記オペレータ情報を表示するオペレータ情報表示領域を有し、前記チャット表示領域に表示しているチャット内容を含むチャット履歴に対応して前記チャット履歴記憶手段に記憶しているオペレータ識別情報を特定し、該特定したオペレータ識別情報に対応付けて前記オペレータ情報記憶手段に記憶されているオペレータ情報を前記オペレータ情報表示領域に表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のチャット応対システム。
【請求項7】
前記利用者を個々に識別可能な利用者識別情報に対応付けて、当該利用者に関する利用者情報を記憶する利用者情報記憶手段を備え、
前記チャット履歴記憶手段は、前記チャット履歴とともに当該チャット履歴に記憶されているチャットを行なっている前記利用者端末を操作する利用者の利用者情報を取得して記憶し、
前記監視用端末は、監視用画面上において、前記利用者情報を表示する利用者情報表示領域を有し、前記チャット表示領域に表示しているチャット内容を含むチャット履歴に対応して前記チャット履歴記憶手段に記憶している利用者識別情報を特定し、該特定した利用者識別情報に対応付けて前記利用者情報記憶手段に記憶されている利用者情報を前記利用者情報表示領域に表示することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のチャット応対システム。
【請求項8】
前記監視用端末は、各オペレータ端末並びに前記チャット手段とデータ通信可能に接続されているとともに、転送するチャットの指定受付け並びに転送先のオペレータの指定受付けに基づいて、前記チャット手段に対して、受付けた転送するチャットを特定可能な情報と転送先のオペレータが操作するオペレータ端末を特定可能な情報とを含む転送要求を送信し、
前記チャット手段は、前記転送要求の受信に応じて、受信した転送要求にて特定される転送するチャットの応対先のオペレータ端末を、当該転送要求にて特定される転送先のオペレータ端末に変更するための処理を実施することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のチャット応対システム。
【請求項9】
前記利用者端末と前記オペレータ端末間の音声通話を提供する音声通話手段を備え、
前記監視用端末は、各オペレータ端末とデータ通信可能に接続されているとともに、音声による応答に切り替えるチャットの指定受付けに基づいて、当該チャットの応対を実施しているオペレータ端末に対して音声応答への切替指示を送信し、
前記オペレータ端末は、前記切替指示の受信に応じて、チャットによる応対を実施している利用者端末との前記音声通話手段による音声通話を開始するための処理を実施することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のチャット応対システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−164581(P2007−164581A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−361766(P2005−361766)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(500097153)AOSテクノロジーズ株式会社 (7)
【Fターム(参考)】