説明

チューブ状梱包部材および半導体装置用梱包体

【課題】より一層小さなサイズで半導体装置を梱包することができるチューブ状梱包部材および半導体装置用梱包体を提供する。
【解決手段】半導体装置用梱包体が、1本以上のチューブ状梱包部材10と、チューブ状梱包部材10を収納する図示しないケース(段ボール箱)とを備えている。チューブ状梱包部材10の外枠11は、内部が空洞な四角形の筒である。外枠11の内部には、仕切り部12a、12b、12c、12d、12e、12fが設けられている。これらの仕切り部12a〜12fは、それぞれが外枠11の長さ方向に延びる板状の部位(仕切り板)である。仕切り部12a〜12fによって、チューブ状梱包部材10の空洞14aおよび空洞14bが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置の梱包に用いることができる、チューブ状梱包部材および半導体装置用梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、下記の各特許文献に開示されているように、半導体装置を梱包するための各種梱包体が知られている。下記の特許文献は、IC等の精密電子部品の梱包を行うための各種構成を開示している。例えば、特開平8−162795号公報は、DIP(Dual-In-Line Package)収納用の筒状のIC収納マガジンに関し、ICの取り出しを容易に行うために改良された構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−86590号公報
【特許文献2】特開平8−162795号公報
【特許文献3】特開平2−148982号公報
【特許文献4】特開平2−205587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体装置(例えば、DIPIPMなどの電力用半導体装置)用の梱包に、チューブ状の梱包部材を使用する場合がある。このとき用いられるチューブ状の梱包部材は、1つのチューブ状梱包部材の中に所定数(例えば12個)の半導体装置が一列に並ぶように入れたうえで、出荷を行っている。このとき、1つのチューブ状梱包部材に対して所定数の製品が収納されるごとに、次のチューブ状梱包部材を使用している。製品が収納されたチューブ状梱包部材は、段ボールなどの梱包ケースに、複数本収納される。
【0005】
製品を梱包した後の梱包体のサイズは、省スペース化等の観点から、可能な限り小さいほうが好ましい。この点に関し、本願発明者は、省スペース化を達成しつつ半導体装置を梱包することができる構成を見出した。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、梱包スペースの低減を行うことができるチューブ状梱包部材および半導体装置用梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、半導体装置を梱包するチューブ状梱包部材であって、
開口を有するチューブ状の外枠と、
前記外枠の内部に設けられ、前記外枠の内部をそれぞれが前記開口に連通する複数の空洞に仕切るように前記外枠の長さ方向に延びる仕切り部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、上記の目的を達成するため、半導体装置を梱包するチューブ状梱包部材であって、
少なくとも一端に開口を有し、第1の凸部と前記第1の凸部の隣に前記第1の凸部の幅と自身の幅とを合計した大きさの間隔をおいて設けられた第2の凸部とを含む断面形状を有することを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、上記の目的を達成するため、半導体装置用梱包体であって、
第1の長さおよび第1の幅を有する第1の凸部と前記第1の凸部と同じ方向に凸であり前記第1の長さよりも長い第2の長さを有し前記第1の幅以上の間隔をおいて前記第1の凸部の隣に設けられた第2の凸部とを含む断面形状を備え、自身の長さ方向に延びる空洞を有するチューブ状梱包部材と、
1つの前記チューブ状梱包部材に対して他の前記チューブ状梱包部材を向かい合わせ、前記1つの前記チューブ状梱包部材の前記第1、2の凸部の間に前記他の前記チューブ状梱包部材の前記第1の凸部または前記第2の凸部を噛み合わせた状態で、当該1の前記チューブ状梱包部材および当該他の前記チューブ状梱包部材を収納することができる内部空間を備えたケースと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明によれば、複数の筒状の空間に、それぞれ、半導体を収納することができる。これにより、一本のチューブ状梱包部材に対して一列のみ半導体装置を収納する場合に比して、梱包する半導体装置の数を増加させることができる。その結果、梱包に要する体積の低減を図ることができる。
【0011】
第2の発明によれば、2つのチューブ状梱包部材を並べたときに隣接する一方のチューブ状梱包部材の第1の凸部と他のチューブ状梱包部材の第2の凸部とを、さらに他のチューブ状梱包部材の第1、2の凸部の間に隙間無く噛み込ませることができる。このようにして、複数のチューブ状梱包部材を、省スペース化を図りながら安定感を持たせて一体にすることができる。
【0012】
第3の発明によれば、それぞれに電力半導体装置を挿入した2つのチューブ状梱包部材を、噛み合わせたうえでケースに収納することができる。これによりチューブ状梱包部材同士の隙間を抑制してケースの内部空間の有効活用を図り、より一層小さなサイズの梱包体で半導体装置を梱包することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるチューブ状梱包部材および半導体装置用梱包体の構成を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態2にかかる半導体装置用梱包体を示す断面図である。
【図3】チューブ状梱包部材を側面から見た状態を模式的に示す図であり、チューブ状梱包部材内に製品が収納されている様子を模式的に示す図である。
【図4】本発明の実施の形態3にかかる半導体装置用梱包体を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態4にかかるチューブ状梱包部材および半導体装置用梱包体を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態5にかかるチューブ状梱包部材を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態6にかかるチューブ状梱包部材および止め栓を示す図である。
【図8】実施の形態1に対する比較例として示すチューブ状梱包部材の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるチューブ状梱包部材10および半導体装置用梱包体(以下、単に「梱包体」とも称す)の構成を説明するための図である。図1は、実施の形態1にかかるチューブ状梱包部材10構成を示す断面図であり、図1には、梱包される製品である半導体装置も示している。本発明の実施の形態1にかかる半導体装置用梱包体は、1本以上のチューブ状梱包部材10と、チューブ状梱包部材10を収納する図示しないケース(具体的には、実施の形態1では段ボール箱)とを備えている。
【0015】
チューブ状梱包部材10は、例えばプラスチック等の材料からなるチューブ状の部材である。チューブ状梱包部材10は、図1に示すように四角形の断面を有し、図1の紙面貫通方向に一定の長さを有している。
【0016】
チューブ状梱包部材10は、外周部を構成する外枠11を備えている。外枠11は、内部が空洞な四角形の筒である。外枠11の内部には、仕切り部12a、12b、12c、12d、12e、12fが設けられている。これらの仕切り部12a〜12fは、それぞれが外枠11の長さ方向(図1の紙面貫通方向)に延びる板状の部位(仕切り板)である。仕切り部12a〜12fは互いに連結しており、図1に示すように外枠11の内部を仕切っている。仕切り部12a〜12fによって、チューブ状梱包部材10の空洞14aおよび空洞14bが形成される。
【0017】
空洞14aに複数の製品20aが、空洞14bに複数の製品20bが、それぞれ図1の紙面貫通方向にむけて収納される。図1に示すように、空洞14a、14bの輪郭形状は、それぞれ、コの字形状であり、製品20a、20bをそれぞれ挿入可能な程度の一定の幅を有している。このようにして、チューブ状梱包部材10は、その長さ方向に、複数の製品20a、20bをそれぞれ収納することができる。なお、チューブ状梱包部材10ではコの字形状の輪郭を有する空洞14a、14bが互いに向かい合って設けられているため、チューブ状梱包部材10の中心には仕切り部12b,12c,12d,12eで囲まれた四角形の空間が貫通して伸びている。
【0018】
本実施形態では、製品20a、20bは同一の製品であり、以下、単に製品20と総称する場合がある。本実施形態における製品20は、電力用半導体装置であり、具体的には、DIPIPM(Dual-In-Line Package Intelligent Power Module)などが挙げられる。製品20の形状は製品の種類、仕様に応じて様々なものが想定される。実施の形態1では、図1に示すように、製品20a、20bが、それぞれ、半導体素子等を内蔵する本体21a、21bと、L字に屈曲した電極端子22a、22b、23a、23bとを備えるものとする。
【0019】
チューブ状梱包部材10の端部の開口には、止めゴム16が差し込まれる。止めゴム16は、紙面を貫通する方向に若干の厚みを有し、全体として四角柱のごとき外形を有しているものとする。止めゴム16がチューブ状梱包部材10の開口に差し込まれることで、収納した製品20をチューブ状梱包部材10内に保持することができる。
【0020】
なお、図示しないが、チューブ状梱包部材10は、2つの端部を備えている。図1には、その2つの端部のうち一方の端部(便宜上、「第1端部」とも称す)を示している。図1の紙面を貫通する方向に、チューブ状梱包部材10のもう1つの端部(便宜上、「第2端部」とも称す)が存在する。このもう第2端部の構造は、図1に示す第1端部と同じく開口に止めゴム16を取り付けた構造としても良いし、第1端部とは異なり第2端部は底部を設けて閉塞させても良い。
【0021】
図8は、実施の形態1に対する比較例として示すチューブ状梱包部材200の構成を示す図である。チューブ状梱包部材200は、図8に示すようにEの字状の輪郭の断面を有するチューブ状の部材である。
【0022】
チューブ状梱包部材200と実施の形態1にかかるチューブ状梱包部材10とを比較すると、実施の形態1によれば製品20を上下に2個置くことにより、比較例に比べて1チューブ相当スペースに収納できる製品を2倍確保できることがわかる。その結果、比較例の場合と比べて、1つの出荷段ボール箱に梱包できる数量の増加や、或いは使用する段ボール箱のサイズを1段階小さくすることができる。
【0023】
なお、実施の形態1における外枠11および仕切り部12a〜12fは、個別に作成してその後一体に組み上げられる形式のものであっても、外枠11および仕切り部12a〜12fを当初から一体に形成するものであってもよい(製法も特に問わないが、例えば押出成形など)。
【0024】
なお、実施の形態1では、チューブ状梱包部材10内に2つの空洞14a、14bを設けて、空洞14aに複数の製品20aを一列に挿入し、空洞14bに複数の製品20bを一列に挿入した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。チューブ状梱包部材10内に3つ以上の空洞を設けるように、仕切り部の構成を変形してもよい。これにより、1本のチューブ状梱包部材に、3列の製品群を挿入するようにしても良い。同様に、4つ以上の複数の空洞を設けて、4列以上の複数の製品群を挿入するようにしてもよい。
【0025】
なお、実施の形態1では、製品20a、20bは同一の製品(DIPIPM)としたが、本発明はかならずしもこれに限られるものではない。製品20a、20bが異なる製品であってもよい。例えば、チューブ状梱包部材内に異なる断面形状の2つの空洞が形成されるように仕切り部を設けて、それぞれの空洞に、外形の異なる2つの部品を1つの組として含む製品をそれぞれ一列に収納してもよい。
【0026】
なお、チューブ状梱包部材10はその外形が四角形であったが、本発明は必ずしもこれに限られるものではない。段ボールへ詰め込む際の収納性などを勘案したうえで、適宜に、チューブ状梱包部材の外枠を四角形の筒以外の外枠としてもよい。なお、本実施形態では電力用半導体装置を梱包の対象としたが、本発明はこれに限られるものではなく、本実施形態にかかる構成によって電力用以外の各種の半導体装置を梱包してもよい。その場合には、各半導体装置の寸法に応じて、チューブ状梱包部材のサイズを決めればよい。
【0027】
尚、上述した実施の形態1にかかるチューブ状梱包部材10においては、チューブ状梱包部材10の外周部の断面が四角の筒が、前記第1の発明における「外枠」に、仕切り部12a〜12fが、前記第1の発明における「仕切り部」に、それぞれ相当している。
【0028】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2にかかる半導体装置用梱包体を示す断面図である。実施の形態2では、図2(a)に示すように製品20を収納した状態のチューブ状梱包部材10の端部に対して、止めゴム16の代わりに、図2(b)に示すケースフタ30を取り付ける。ケースフタ30は、ツメ部32を備えている。ツメ部32は、チューブ状梱包部材10の外枠11に噛み込むことで、チューブ状梱包部材10に嵌合することができる。
図2(c)は、ケースフタ30の取り付けの様子を示す斜視図である。図2(c)に示すように、チューブ状梱包部材10の端部に、ケースフタ30をスライドさせて挿入する(取り付ける)ための部位を設ける。図2(c)ではケースフタ30が紙面上方に向かって挿入され、最終的に、外枠11の内面に設けられた凹部(不図示)にツメ部32が嵌合することでケースフタ30が固定される。
【0029】
実施の形態1でも述べたように、止めゴム16は図1の紙面奥行方向にある程度の厚みを有している。止めゴム16を取り付けるためには、止めゴム16の厚みの分だけ、チューブ状梱包部材10の端部に余裕(製品が存在しない空間)が必要となる。実施の形態2によれば、ケースフタ30を用いることで、止めゴム16に使用していたスペースにも製品20を収納することができる。
本実施形態にかかるケースフタ30によれば、止めゴムと比較して薄い形状であっても、チューブ状梱包部材10の端部を閉塞する機能を果たすことができる。
これにより、チューブ状梱包部材10の長さを縮小したり、または、同等の長さのチューブ状梱包部材に対して収納製品数を増やしたりすることができる。その結果、梱包用の段ボールの大きさを小さくすることができる。
【0030】
なお、図3は、チューブ状梱包部材10を側面から見た状態を模式的に示す図であり、チューブ状梱包部材10内に製品20が収納されている様子を模式的に示す図である。図3では、便宜上、図3の紙面下方側に一列に製品20が並べられているが、図1、2で断面図を用いて示したように、実際には、図3の紙面上方側にもう一列の製品20の群が並んでいる。また、電極端子22は簡略に矩形に図示されているが、電極端子の形状は実際の製品の仕様に応じて異なり、多くの場合、複数の細い電極端子が製品20の本体21の側面に並べられるものが一般的である。
【0031】
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3にかかる半導体装置用梱包体を示す断面図である。実施の形態1では1つの止めゴム16を用いて製品20aと製品20bの両方を保持したが、実施の形態3では、外枠11の図中上下に別々の止めゴム52を取り付けることにした。
【0032】
2つの止めゴム52は、それぞれ、空洞14aと空洞14bのそれぞれの一部を覆うように外枠11に取り付けられている。止めゴム52はT字状の長細い形状を有しており、図4に示すように、外枠11の一方の側面(図4の紙面右側側面)から他方の側面(図4の紙面左側側面)へと、製品20の側面に沿って連続的に延びている。チューブ状梱包部材10の端部には、外枠11の一方の外面と他方の外面との間を貫通するようにして、止めゴム52を差し込むための差込穴40が設けられている。
【0033】
実施の形態3によれば、2つの止めゴム52を1つずつ取り外すことができるので、上部の製品20(製品20b)だけを使用したい場合や下部の製品20(製品20a)だけを使用したい場合には、それらを別々に取り出すことができる。その結果、不必要に多くの製品の梱包を解いてしまうことを抑制することができる。
【0034】
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4にかかるチューブ状梱包部材および半導体装置用梱包体を示す断面図である。実施の形態4においては、実施の形態3の構成と同様に、複数の止めゴムを用いて製品20aと製品20bとを別々にチューブ状梱包部材10内に保持する。但し、実施の形態4では、実施の形態3の場合に比して、止めゴムの形状をより小型化し、チューブ状梱包部材10の中央に差し込む構造にする。
【0035】
具体的には、実施の形態3では、図5に示すように、2つの止めゴム54がそれぞれ空洞14a、14bの一部を覆うように取り付けられている。実施の形態1で述べたように、チューブ状梱包部材10は、その中央に、仕切り部12b,12c,12d,12eで囲まれた四角形の空洞を更に有している。実施の形態4においては、実施の形態3の差込穴40とは異なり、チューブ状梱包部材10の外面と空洞内面とを貫通するように、差込穴42が設けられている。実施の形態4では、差込穴42にT字状の止めゴム54を差し込むことにより、止めゴム54を取り付ける。
【0036】
実施の形態4によれば、実施の形態3の場合と同様に、上部の製品20(製品20b)だけを使用したい場合や、下部の製品20(製品20a)だけを使用したい場合に、両者を別々に取り出すことができる。その結果、不必要に多くの製品の梱包を解いてしまうことを抑制することができる。さらに、実施の形態3の場合に比して、小型の止めゴムを使用することが出来るので、止めゴムに使用するゴムの量を減らすことができる。
【0037】
実施の形態5.
図6は、本発明の実施の形態5にかかるチューブ状梱包部材60を示す断面図である。チューブ状梱包部材60は、チューブ状梱包部材10と同じく、長さ方向(図6の紙面貫通方向)に延びる空洞を有している。この空洞内に、製品20が複数個挿入されている。製品20は、実施の形態1と同様に、本体21、電極端子22、23を備える。実施の形態5にかかるチューブ状梱包部材60は、その断面が、全体としてコの字の輪郭を有している。この点、実施の形態1におけるチューブ状梱包部材10の断面形状(つまり外枠11の輪郭)が四角形を有していたのとは異なる。
【0038】
チューブ状梱包部材60におけるコの字の輪郭は、具体的には、同じ一定の幅を有する凸部61および凸部62と、これら凸部61、62を接続する部分63を含んでいる。凸部61は、長さL1を有している。凸部62は、凸部61と同じ方向に凸であり、長さL2は長さL1よりも長い。このように、部分63を基準として、凸部62は、凸部61よりも長く突出している。実施の形態5においては、図6に示すように、凸部61を2倍にした長さと、凸部62の長さとが一致させられている。凸部61、62は、その間に凸部62が挿入されることができるように、少なくとも凸部62の幅以上の一定の間隔をおいて設けられている。部分63の内部の空洞は、製品20における本体21の厚みと同程度の幅を有している。
【0039】
実施の形態5においては、段ボール箱などのケース(図示せず)に、図6のごとく組み上げた複数のチューブ状梱包部材60を収納する。収納の際には、例えば図示しない段ボール箱に、1つのチューブ状梱包部材60に対して他のチューブ状梱包部材60を向かい合わせて1つのチューブ状梱包部材60の凸部61、62の間に他のチューブ状梱包部材60の凸部62を噛み合わせた組を、図6のごとく順次整列させる。
【0040】
実施の形態5によれば、それぞれに製品20(電力半導体装置)を挿入した2つのチューブ状梱包部材60を、噛み合わせたうえでケースに収納することができる。これによりチューブ状梱包部材60同士の隙間を抑制してケースの内部空間の有効活用を図り、より一層小さなサイズの梱包体で半導体装置を梱包することができる。
【0041】
また、チューブ状梱包部材60では、図6に示すように、凸部61を2倍にした長さ(つまり2×L1)と、凸部62の長さL2とが、一致する。これにより、図6のように、180度回転させて向かい合わせた2つのチューブ状梱包部材60を噛み合わせた組を、安定した姿勢で規則的に並べることができる。これにより、余分なスペースの低減や段ボールのサイズ縮小が可能となり、ひいては、同じスペースにより多くの製品を収納することができる。
【0042】
また、実施の形態5においても、実施の形態4のときと同様に、止めゴム54をそれぞれのチューブ状梱包部材60に取り付けている。具体的には、チューブ状梱包部材60の端部に差込穴44が設けられ、T字状の止めゴム54が、この差込穴44に抜差し可能な態様で差し込まれている。これにより、不必要に多くの製品の梱包を解いてしまうことを抑制したり、止めゴムの小型化により止めゴムの材料を低減したりすることができる。
【0043】
実施の形態6.
図7(a)は、本発明の実施の形態6にかかるチューブ状梱包部材70を示す断面図である。チューブ状梱包部材70の断面は、2つの凸部71a、71bを含む輪郭を有している。凸部71aと凸部71bは、凸部71aの幅と凸部71bの幅とを合計した大きさの間隔をおいて設けられている。
【0044】
チューブ状梱包部材70においては、凸部71a、71bが実施の形態5にかかるチューブ状梱包部材60に比して相対的に短くされ、凸部71a、71bの長さが製品20の電極端子22、23と同程度の長さに近づけられている。また、凸部71a、71bが実施の形態5にかかるチューブ状梱包部材60に比して相対的に太い幅を有している。このような構成により、チューブ状梱包部材70の間の隙間を埋めて、安定感を持たせることができる。
【0045】
なお、図7(a)に示すように、チューブ状梱包部材70を組み上げた後、その端部に、凸部71aまたは凸部71bと同等の長さおよび幅を有するストッパ100を差し込むことが好ましい。これにより更に安定感をもたせることができる。
【0046】
なお、実施の形態6においては、なお、図7(b)に示すような、チューブ状梱包部材70と同じ断面形状を有する止め栓80を使用してもよい。これにより、チューブ状梱包部材70の口全体を覆うようにして止めゴムを埋めるものとし、製品20の抜けやかみこみを抑制することができる。
【0047】
実施の形態6によれば、2つのチューブ状梱包部材70を並べたときに隣接する一方のチューブ状梱包部材70の凸部71aと他のチューブ状梱包部材70の凸部71bとを、さらに他のチューブ状梱包部材70の凸部71a、71bの間に隙間無く噛み込ませることができる。このようにして、複数のチューブ状梱包部材70を、省スペース化を図りながら安定感を持たせて一体にすることができる。
【符号の説明】
【0048】
10、60、70 チューブ状梱包部材
11 外枠
12a、12b,12c,12d,12e 仕切り部
14a、14b 空洞
16、52、54 止めゴム
20、20a、20b 製品
21、21a、21b 本体
22、22a、22b、23、23a、23b 電極端子
30 ケースフタ
32 ツメ部
40、42、44 差込穴
61、62 凸部
63 部分
71a、71b 凸部
80 止め栓
100 ストッパ
200 チューブ状梱包部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置を梱包するチューブ状梱包部材であって、
開口を有するチューブ状の外枠と、
前記外枠の内部に設けられ、前記外枠の内部をそれぞれが前記開口に連通する複数の筒状の空間に仕切るように、前記外枠の長さ方向に延びる仕切り部と、
を備えることを特徴とするチューブ状梱包部材。
【請求項2】
前記チューブ状梱包部材の端部において前記外枠と噛み合うツメ部を有するフタをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のチューブ状梱包部材。
【請求項3】
前記開口における前記仕切り部で仕切られた前記複数の領域のうち第1の領域の一部または全部を覆う第1封止部材と、
前記開口における前記仕切り部で仕切られた前記複数の領域のうち第2の領域の一部または全部を覆い、かつ前記第1封止部材とは独立に取り外しが可能な第2封止部材と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のチューブ状梱包部材。
【請求項4】
半導体装置を梱包するチューブ状梱包部材であって、
少なくとも一端に開口を有し、第1の凸部と前記第1の凸部の隣に前記第1の凸部の幅と自身の幅とを合計した大きさの間隔をおいて設けられた第2の凸部とを含む断面形状を有することを特徴とするチューブ状梱包部材。
【請求項5】
第1の長さおよび第1の幅を有する第1の凸部と前記第1の凸部と同じ方向に凸であり前記第1の長さよりも長い第2の長さを有し前記第1の幅以上の間隔をおいて前記第1の凸部の隣に設けられた第2の凸部とを含む断面形状を備え、自身の長さ方向に延びる空洞を有するチューブ状梱包部材と、
1つの前記チューブ状梱包部材に対して他の前記チューブ状梱包部材を向かい合わせ、前記1つの前記チューブ状梱包部材の前記第1、2の凸部の間に前記他の前記チューブ状梱包部材の前記第2の凸部を噛み合わせた状態で、当該1の前記チューブ状梱包部材および当該他の前記チューブ状梱包部材を収納することができる内部空間を備えたケースと、
を備えることを特徴とする半導体装置用梱包体。
【請求項6】
前記チューブ状梱包部材の前記断面形状は、平行して伸びる前記第1、2の凸部と当該第1、2の凸部を結ぶ部分とからなるコの字状の形状であり、
前記第1の凸部の長さを2倍にした値と、前記第2の凸部の長さとが一致することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置用梱包体。
【請求項7】
前記1つの前記チューブ状梱包部材における前記空洞の入口に取り付けられ、当該入口の一部または全部を覆う第1封止部材と、
前記他の前記チューブ状梱包部材における前記空洞の入口に取り付けられ、当該入口の一部または全部を覆い、かつ前記第1封止部材とは独立に開封が可能な第2封止部材と、
を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の半導体装置用梱包体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−1259(P2012−1259A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139420(P2010−139420)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】