説明

ツイン・ハイブリッド・エアー循環回路

【課題】 従来のシングル・エアー循環回路では、1系統のエアー循環回路で動力の出力、エアータンクの補充充填や各サージングタンクの補充を行うため、回路内のコンプレッサ等の動力装置が作動状態になると動力の出力が変動することがある。
【解決手段】 エアー循環回路を2系統のエアー循環回路を組み合わせることにより、1系統のエアー循環回路を動力出力用のエアーモータ専用とし、もう1系統のエアー循環回路を補助動力として、バッテリーを充電するための、とオルタネータとエアーコンプレッサを中心とした電装関係部品を駆動することにより、外部出力する出力として使用するエアーモータの動力を安定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアー循環回路を2つ設けた状態に、蓄電池とオルタネータとエアーコンプレッサを中心とした電装回路を組み込み、ハイブリッド化することにより、実用性の向上を図るものである。
【背景技術】
【0002】
従来のエアー循環回路では、1つの回路で、動力の出力、エアータンクの充填を行うため、回路内のコンプレッサが作動状態になると動力の出力が変動する場合がある。
【非特許文献1】渡部一郎著 「空気機械」 コロナ社出版 1959年
【非特許文献2】竹花有也著 「自動車工学概論」 理工学社出版 2004年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、エアー循環回路のエアーモータから出力される動力をより安定化させることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はエアー循環回路を2系統設け、第1系統エアー循環回路を動力出力専用回路と第2系統のエアー循環回路を出力動力以外の補機を作動するための専エアー循環回路として使用する。又同時に蓄電池と前記蓄電池を充電するためのオルタネータを設け、前記オルタネータに回転動力を与えるには第2系統エアー循環回路によって駆動したエアーモータの出力を利用する。蓄電池をの搭載することにより、電動機の使用が可能となり、エアー循環回路で発生した動力と電動機を動力した2種類を動力として使用が可能となった。
【発明の効果】
【0005】
エアー循環回路を、動力用と補助用の2つ設けることで、動力の出力が安定化し、ハイブリッド化することにより、始動エアータンクの充填を蓄電池の電力によりおこなえるようになり、使用上の動力の安定化がより向上することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
エアー循環回路を2つ設けて、1つを動力引き出し用、1つを内部機器の動力用にした上で、蓄電池とオルタネータとエアーコンプレッサを中心とした電装回路を組み込みハイブリッド化することで、より安定化した動力を得ることが実現した。
【実施例1】
【0007】
図1は、本発明装置の1実施例であって、1〜N2の部品構成によるツイン・ハイブリット・エアー循環回路である。図1において、エアーモータを動力として活用するにあたり、起動の前準備として、最初に起動に用いる圧縮エアーを得るため、動力用電動機(27)を起動して電動コンプレッサ1(25)、2(26)により、エアータンク(3)に9Kpaの圧縮エアーを初期充填する。開閉バルブ1(6)、2(106)を開くと圧縮エアーは、3方バルブ1(8)2(108)、エアーコントロールユニット1(9)、2(109)、エアー増幅器1(10−1)、4(110−1)、アクセレータ+ソレノイドバルブ1(11)、2(111)に至り停止する。
【0008】
次に、アクセレータ+ソレノイドバルブ1(11)、2(111)のバルブを開くと、3方バルブ1(8)、2(108)から圧縮エアーが流れ、エアーコントロールユニット1(9)、2(109)によって自動的に、圧縮エアーは6.3Kpaに調整されて、エアー増幅器1(110−1)、4(110−1)を通過するとエアー増幅器内は負圧となる。この負圧の発生でエアー増幅器の外周に配備した4個の吸気孔から外気が流入し、第2室内の循環エアー量が増加し第3室に至る。
【0009】
第3室内も前記同様に負圧を発生し、エアー増幅器に配備した4個の吸気孔から外気が流入し、エアー流量は増幅器第2室と第3室を通過時に約10倍に増加する。その増加を表1にエアー増幅器入口のエアー量と出口のエアー増加量の状態で示した。エアー増加でエネルギーを蓄えた循環エアーはエアーモータ1(12)、2(112)を回転させて、動力を発生する。
【0010】
エアーモータ1(12)、2(112)から吐出した排気循環エアーは、分流器1(13)、3(113)により、AとBの2方向の排気エアーフローに別れ、A方向の排気エアーフローはサージングタンク1(14)、5(114)に蓄えられ、エアー増幅器2(10−2)、3(10−3)、5(110−2)、6(110−3)を通り、サージングタンク2(18)、6(118)に至る。一方、B方向の排気エアーフローは分流器1(1)、3(113)を通り、エアーレギュレータ1(15)、2(115)に至る。ここで排気エアーフローは、ブローワ1(16)、2(116)の吸気ポートに排出され、この時に余分な排気エアーフローは捨てられる。
【0011】
ブローワ1(16)、2(116)で送られたエアーは、サージングタンク4(17)、8(117)に蓄えられ、配管により、エアー増幅器2(10−2)、5(110−2)の外周に配備されたチェックバルブ付吸気孔を経て排気エアーフローはエアー増幅器に吸引され、エアー増幅器2(10−2)、5(112)内の排気エアーフロー量は増加する。同様にエアー増幅器3(10−3)、6(110−3)内でも、エアー増幅器2(10−2)、5(110−2)と同様の排気エアーフローの増加が行われ、増加した排気エアーフローはサージングタンク2(18)、6(118)に蓄えられる。
【0012】
サージングタンク2(18)、6(118)で、AとBの流れの排気エアーフローは合流し、分流器2(19)、4(119)を経て、コンプレッサ3(21)の圧縮エアーと合流してサージングタンク3(20)、7(120)に蓄えられる。サージングタンク3(20)、7(120)に蓄えられたエアーは、3方バルブ1(8)、2(108)に戻りエアー増幅器1(10−1)、4(110−1)に流れ、エアーモータに流れモータを駆動し動力を発生する。アクセレータ+ソレノイドバルブ1(11)、2(111)のバルブを閉じるまで、エアー循環行程が繰り返えされて、動力の発生が続けられる。
【0013】
エアータンク(3)の9Kpaの圧力を保つため、動力用電動機(27)により、電動コンプレッサ1(25)、2(26)を駆動して常に圧力を維持している。
【実施例2】
【0014】
図2に示すフローチャート図は、エアーモータを回転し動力として活用するために必要な準備であり、図3、4はエアーモータを動力として活用するために必要なエアー循環回路の作動を示すフローチャート図である。
【0015】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0016】
エアー循環回路において、動力用エアー循環回路、補助用エアー循環回路の2つのエアー循環回路を組み合わせたものに、電装回路を設けることで、エアーモータの動力をより安定的に得る事ができた。このため自動車産業、船舶事業関係あるいは一般産業で利用することが可能である。特に無公害であるため、広範囲の産業で利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 本発明のハイブリッド・ツイン・エアー循環回路の実施方法の説明図
【図2】 初期圧縮エアー充填のフローチャート図
【図3】 補機および機器関係の駆動のフローチャート図
【図4】 外部動力出力のフローチャート図
【図5】 本発明に用いたクラッチ付コンプレッサ平面図
【図6】 本発明に用いたオルタネータ付コンプレッサの平面図
【符号の説明】
【0018】
1 コンプレッサ1
2 エアーチャージバルブ
3 エアータンク
4 圧力ゲージ
5 リリーフバルブ
6 開閉バルブ1
7 チェックバルブ1
8 3方バルブ1
9 エアーコントロールユニット1
10−1 エアー増幅器1
10−2 エアー増幅器2
10−3 エアー増幅器3
11 アクセレータ+ソレノイドバルブ1
12 エアーモータ1
13 分流器1
14 サージングタンク1
15 エアーレギュレータ1
16 ブローワ1
17 サージングタンク4
18 サージングタンク2
19 分流器2
20 サージングタンク3
21 コンプレッサ3
22 コンプレッサ2
23 オルテネェータ
24 蓄電池
25 電動コンプレッサ1
26 電動コンプレッサ
27 動力用電動機
106 開閉バルブ2
107 チェックバルブ2
108 3方バルブ2
109 エアーコントロールユニット2
110−1 エアー増幅器4
110−2 エアー増幅器5
110−3 エアー増幅器6
111 アクセレータ+ソレノイドバルブ2
112 エアーモータ2
113 分流器3
114 サージングタンク5
115 エアーレギュレータ2
116 ブローワ2
117 サージングタンク8
118 サージングタンク6
119 分流器4
120 サージングタンク7
S1 サクションポート1
D1 デリバリーポート1
S2 サクションポート2
D2 デリバリーポート2
N1 二次流導入管1
N2 二次流導入管2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアーモータを動力として駆動するエアー循環回路において、動力用及び補器用機器を駆動するための、2台のエアーモータを起動する2系統のエアー循環回路を配備し、補器用機器関係を駆動するエアーモータ用のエアー循環回路1と動力用としてエアーモータを駆動するエアー循環回路2のエアー循環回路と電動モータを駆動するための電装回路から構成している。2系統のエアー循環回路は最初にエアー循環を円滑にするために補器用機器を駆動するエアーモータ駆動用エアー循環回路1を起動し、次に外部出力用のエアーモータ駆動用エアー循環回路2を起動する。初期に予め9Kpaに圧縮したエアーを充填したエアータンクから高圧エアーが、スタートスイッチON(作動)によってエアー循環路1に送られ、エアー循環回路1が作動し、続いてエアー循環回路2が作動する。エアー循環回路2によって回転を与えられた動力用のエアーモータの回転力を動力として使用する。作動中に電装回路のバッテリーへ充電するために、エアー循環回路1によって回転している補機用のエアーモータの動力によって、蓄電池充電用のオルタネータを回転し、蓄電池の充電を行う。始動用および駆動用エアーの圧力の変化を圧力センサーで感知し、エアーモータ又は電動モータ駆動の何れかのエアーコンプレッサを駆動させ、エアーの充填を行う。外部出力として電動モータの出力として使用する事が可能なハイブリット機能を有することを特徴とするツイン・ハイブリット・エアー循環回路。
【請求項2】
請求項1に記載のツイン・ハイブリット・エアー順環回路において、運転開始にあたり運転開始前に9Kpaに圧縮したエアータンクの開閉バルブを開くと、圧縮エアーは3方バルブ1、2エアーコントロールユニット1、2エアー増幅器1、4アクセレータ+ソレノイドバルブ1、2に至り停止する。次に、アクセレータ+ソレノイドバルブ1、2のバルブを開くと、エアーコトロールユニット1、2で圧力は自動的に6.3Kpaに調整されて、エアー増幅器1,4でエアー量を増幅し、補助用のエアーモータ1、動力用のエアーモータ2が回転する。エアー循環回路のサイクルが開始し、エアーモータに回転力を与えて、排出されたエアーは、分流器1、2でAとBの2方向の排気エアーフローに分けられ、Aの排気エアーフローはサージングタンク、5に蓄えられた後、圧力のサージング等の安定化を図り、エアー増幅器2、3、5、6を経てサージングタンク2、6に蓄積する。エアーのより一層の安定化および活性化を効果的にするため、前記分流器1、3で分流したBの排気エアーブローワをエアーレギュレータ1、2に送り、ブローワ1、2の吸気ポートへ送る。ブローワ1、2によってサージングタンク4、8に蓄えられた排気エアーブローワは分配管を通してエアー増幅器2、3、5、6の各々8個の吸気孔から吸気される。更に、排気エアーを増幅し、安定した吸気の状態を維持するため、増幅器の吸気孔すべてにチェックバルブを配備する。このようにして排気エアーフローはサージングタンク3へ送られ、Aの排気エアーフローに合流し、より効果的に活性化を促進した排気エアーフローはサージングタンク2、6に蓄積する。蓄積した排気エアーフローは分流器2、4の一方からサージングタンク3、7に蓄えられ、もう一方からコンプレッサ3のエアーとサージングタンク3、7で混合され、3方バルブ1、2へ送られ、エアー循環回路の連続運転が開始する。エアー循環回路の安定化を図る上で、コンプレッサ2を用いてエアータンクの圧力を9Kpaに維持し、コンプレッサ2,3およびブローワ1、2の動力は、すべて補助用エアー循環回路のエアーモータ1の動力により運転することで、エアー循環の安定化を図る機能を備えた、エアーモータを回転させ、安定した動力を導くための機能を備えたことを特徴とするツイン・ハイブリット・エアー循環回路。
【請求項3】
請求項2記載のエアー循環回路において、前記の排気エアーフローを前記分流器1,3で分流したBの排気エアーフローを、前記エアーレギュレータに、2送り、吸気ポート付近に大気放出し、余分の排気エアーフローの調整を行う前記ブローワ1、2は、前記補助用エアー循環回路の前記エアーモータ1の動力により運転することを特徴とするツイン・ハイブリット・エアー循環回路。
【請求項4】
請求項1又は2に記載ツイン・ハイブリット・エアー循環回路において、前記補助用エアー循環回路によって駆動する前記エアーモータ1の動力によって、前記電装回路の前記オルタネータを回転させ、発電された電気は、前記蓄電池に充電され蓄える。この蓄電された電気で補機用機器および電動モータを駆動し、前記エアーモータ1の動力により運転することを特徴とするツイン・ハイブリット・エアー循環回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−47187(P2012−47187A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−336157(P2008−336157)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(504140679)
【Fターム(参考)】