説明

ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子とその利用

【課題】ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子Grh3、この遺伝子がコードするタンパク質、ツマグロヨコバイ抵抗性植物等を提供する。
【解決手段】特定の塩基配列を有し、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体(Grh3タンパク質)をコードするポリヌクレオチド。その遺伝子産物である特定のアミノ酸配列を有し、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体の活性を示すポリペプチド。上記のGrh3遺伝子が導入された形質転換植物体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子とその利用に関する。更に詳しくは、本発明は、ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子(Grh3)であるポリヌクレオチドと、その遺伝子の産物であるツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体たるポリペプチド(Grh3タンパク質)と、前記ポリヌクレオチドを含むベクターと、このベクターが導入された宿主細胞と、カルスである宿主細胞を培養するGrh3タンパク質の製造方法と、植物細胞である前記宿主細胞を含む形質転換植物体と、Grh3タンパク質に対して特異的に結合する抗体と、Grh3に対して特異的にハイブリダイズするDNAマーカーと、このDNAマーカーの利用方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
ツマグロヨコバイにより媒介されるイネ萎縮病は、稲作の重要なウイルス病害の1つであり、米の収穫量に大きく影響する。
【0003】
ウイルス病は、一旦感染すると農薬による防除ができないことから、ツマグロヨコバイ抵抗性品種の育成が重要視されている。インディカ型の品種のいくつか(例えば Rantaj Emas2 、Pe-bi-hun 及び Tadukan)はツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子を有し、ツマグロヨコバイにより媒介されるイネ萎縮病を発病しない。
【0004】
現在までに、イネ萎縮病抵抗性を付与するために、インディカ型のツマグロヨコバイ抵抗性品種と日本型のツマグロヨコバイ感受性品種とを交雑して、日本稲にツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子を導入することにより、ツマグロヨコバイ抵抗性を付与する品種改良が行われている。
【0005】
そのうち、インディカ品種の Rantaj Emas2 をツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子Grh3の導入元とし、愛知県が育成した6つの抵抗性品種(育X696、あ系萎209 、あ系萎210 、愛知42号、愛知74号、愛知80号)、並びに6つの罹病性品種(日本晴、愛知24号、関東105 号、晴々、あそみのり、星の光)の比較分析から、抵抗性系統で保存されるインディカ品種由来の領域を検索し、第6染色体上で抵抗性遺伝子に連鎖したRFLPマーカーC81 又は C133A〔イネゲノムチーム(農林水産省)より提供〕が同定された。
【0006】
これにより、RFLPマーカーC81 又は C133AのDNA中における多型を調べることにより、下記の特許文献1に開示されたように、ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子の有無を確認する工程を包含する、ツマグロヨコバイ抵抗性を間接的に識別するための方法が開発された。
【0007】
【特許文献1】特開平11−103893号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これまでのところ、ツマグロヨコバイ抵抗性の発現機構は明らかにされておらず、Grh3遺伝子も単離されていない。
【0009】
そこで本発明は、ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子Grh3、これと機能的に同等な遺伝子、及びこれらの遺伝子がコードするタンパク質を提供することを課題とする。更に、本発明は、ツマグロヨコバイ抵抗性植物の作出等の、これらの遺伝子の利用技術を提供することも課題とする。
【0010】
これらの課題が解決されることにより、ツマグロヨコバイに対する作用機作並びにツマグロヨコバイ抵抗性の発現機構の解明が促進されるばかりでなく、単離した遺伝子を利用した新しい抵抗性品種育成の確立等に大きく寄与することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、配列番号1〜配列番号3のいずれかに示す塩基配列を有し、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体(Grh3タンパク質)をコードする、ポリヌクレオチドである。
【0012】
本願の第1発明は、ツマグロヨコバイに対する抵抗性を発現するタンパク質をコードするポリヌクレオチド、即ち、ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子Grh3に関する。このポリヌクレオチドは配列表の配列番号1に示す塩基配列(ゲノムDNA)を持ち、配列番号1に同じく示すアミノ酸配列に係るポリペプチドをコードしている。なお、配列番号2に示す塩基配列は、その転写mRNAの1stスプライシングに係る塩基配列であり、配列番号3に示す塩基配列は、その成熟mRNAの塩基配列である。これらの関係を図1に示す。
【0013】
本発明者らは、ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子Grh3をマップベースクローニングの手法を利用して単離することに成功した。具体的には、分子マーカーを用いた詳細な連鎖解析を行い、Grh3遺伝子が存在する第6番染色体上の領域を特定の分子マーカーで挟まれる領域に絞り込んだ。次いで、ツマグロヨコバイ抵抗性系統から作成したBAC(バクテリア人工染色体)ライブラリーの中から絞り込んだ遺伝子周辺の領域が含まれるクローンを選抜し、その塩基配列を決定して、数種の植物の病虫害抵抗性遺伝子に認められるヌクレオチド結合部位(NBS)を有するNBS-LRR 様遺伝子を見出した。このNBS-LRR 様遺伝子を含むゲノムDNA領域をBACクローンからサブクローニングし、常法により、感受性品種「日本晴」の細胞に導入し、形質転換植物体を得た。ツマグロヨコバイを形質転換体に接種し、抵抗性を示す植物体を得た。塩基配列情報を基に調製したオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ツマグロヨコバイ感受性品種および抵抗性品種のそれぞれから単離したmRNAに対してRT−PCRを行うことにより、抵抗性品種にcDNAの増幅が認められ、かつ感受性品種とは配列が異なっていることが明らかとなった。この結果、ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子(Grh3遺伝子)が単離されたことが示された。また、本発明者らは、単離した遺伝子やその類似遺伝子を利用してツマグロヨコバイ抵抗性植物の作出を行うことが可能であることを見出した。
【0014】
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、配列番号1〜配列番号3のいずれかに示す塩基配列と相補的な塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体をコードする、ポリヌクレオチドである。
【0015】
第2発明に係るポリヌクレオチドも、第1発明の場合と同様のGrh3遺伝子としての効果を期待できる。なお、第2発明において、「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、例えば以下のことを言う。
【0016】
即ち、特定の塩基配列に係るヌクレオチドと、他の特定の塩基配列に係るヌクレオチドとの内、フィルターに固定化された一方のヌクレオチドに対し、0.7〜1MのNaClの存在下、所定温度(X°C)下で他方のヌクレオチドのハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍程度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウムよりなる)を用いてX°Cの条件下で洗浄した場合に、他方のヌクレオチドを同定できることを言う。そして、前記のX°Cは50°C以上であり、より好ましくは60°C以上であり、とりわけ好ましくは65°C以上である。
【0017】
(第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、配列番号1に示すアミノ酸配列を有し、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体の活性を示す、ポリペプチドである。
【0018】
第3発明のポリペプチドは、Grh3遺伝子産物たるタンパク質であって、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体の活性を示し、より具体的には植物体にツマグロヨコバイ抵抗性を付与することができる。
【0019】
(第4発明)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、配列番号1に示すアミノ酸配列における数個以下のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体の活性を示す、ポリペプチドである。
【0020】
第4発明に係るポリペプチドも、第3発明の場合と同様の効果を期待することができる。これらのポリペプチドは、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体の活性を示す限りにおいて、「数個以下のアミノ酸の置換、欠失又は付加」の内容を限定されない。例えば、配列番号1に示すアミノ酸配列において、連続した数個以下のアミノ酸が置換、欠失又は付加されていても良いし、配列の全体にわたり飛びとびに数個以下のアミノ酸が置換、欠失又は付加されていても良い。典型的なアミノ酸の置換として、同類置換(例えば、塩基性アミノ酸同士の置換)等を例示することができる。
【0021】
(第5発明)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、第1発明又は第2発明に記載のいずれかのポリヌクレオチドを含む、ベクターである。
【0022】
第1発明又は第2発明に記載のポリヌクレオチド(Grh3遺伝子)は、これを導入すべき宿主の選択と、遺伝子を宿主に導入する際の発現用の組換えベクターの適当な選択もしくは構築により、著しく発現を強化できる場合がある。
【0023】
第5発明において、ベクターの種類は限定されないが、特に、導入しようとする遺伝子の発現を強化する種々の制御核酸配列が宿主細胞内で機能するように連結されたベクター(発現ベクター)が好ましい。
【0024】
好適には、ベクターはプロモーター、ターミネーター、マーカー用薬剤耐性遺伝子、エンハンサーを含み得る。更に好ましくは、T−DNA領域を含み得る。一般的な発現ベクターの構築方法として、例えば、PCR法等で調製した遺伝子を、適当な制限酵素とリガーゼを用いる既知の方法で発現ベクターに組み込むことができる。
【0025】
(第6発明)
上記課題を解決するための本願第6発明の構成は、第5発明に記載のいずれかのベクターが導入されている、宿主細胞である。
【0026】
第6発明の「宿主細胞」としては、限定はされないが、第7発明及び第8発明で後述するアグロバクテリウム(これはRhizobium radiobactor の旧称であり、本明細書では「 Rhizobium radiobactor」を意味する。)や植物細胞が好ましく例示される。他にも宿主細胞として、大腸菌、酵母等を例示できる。
【0027】
(第7発明)
上記課題を解決するための本願第7発明の構成は、前記第6発明に係る宿主細胞がアグロバクテリウムである、宿主細胞である。
【0028】
周知のように、アグロバクテリウムは植物の形質転換等に利用できるので、宿主細胞として有用である。
【0029】
(第8発明)
上記課題を解決するための本願第8発明の構成は、前記第6発明に係る宿主細胞が植物細胞である、宿主細胞である。
【0030】
第8発明及び下記の第9発明に言う「植物細胞」の種類は、限定はされないが、例えば、イネ科植物の細胞を好ましく挙げることができ、その中でも、イネの細胞を特に好ましく挙げることができる。
【0031】
(第9発明)
上記課題を解決するための本願第9発明の構成は、前記第8発明に係る宿主細胞が、植物細胞のカルスに第6発明に記載のベクター又は第7発明に記載のアグロバクテリウムを感染させたものである、宿主細胞である。
【0032】
(第10発明)
上記課題を解決するための本願第10発明の構成は、第9発明に記載の宿主細胞を培養し、その培養物からツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体を採取する、Grh3タンパク質の製造方法である。
【0033】
(第11発明)
上記課題を解決するための本願第11発明の構成は、第8発明に記載の宿主細胞を含む、形質転換植物体である。
【0034】
(第12発明)
上記課題を解決するための本願第12発明の構成は、前記第11発明に係る形質転換植物体がイネ科植物である、形質転換植物体である。
【0035】
上記の第11発明において、「形質転換植物体」の種類は限定されないが、第12発明のように、イネ科植物を好ましく例示できる。
【0036】
(第13発明)
上記課題を解決するための本願第13発明の構成は、前記第12発明に係るイネ科植物がイネである、形質転換植物体である。
【0037】
上記の第12発明において、「イネ科植物」の種類は限定されないが、第13発明のように、イネを好ましく例示できる。
【0038】
(第14発明)
上記課題を解決するための本願第14発明の構成は、前記第11発明〜第13発明のいずれかに係る形質転換植物体がツマグロヨコバイ抵抗性を示すものである、形質転換植物体である。
【0039】
(第15発明)
上記課題を解決するための本願第15発明の構成は、第3発明又は第4発明に記載のいずれかのポリペプチドに対して特異的に結合するものである、抗体である。
【0040】
第15発明の、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体タンパク質と特異的に結合する抗体が提供されることにより、この抗体を用いて、例えば、ツマグロヨコバイに由来するシグナル物質の解析を行うことが可能になる。
【0041】
(第16発明)
上記課題を解決するための本願第16発明の構成は、少なくとも15塩基からなり、配列番号1に示す塩基配列を有するポリヌクレオチドに対して、あるいは配列番号1に示す塩基配列と相補的な塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有するポリヌクレオチドに対して、特異的にハイブリダイズするものである、DNAマーカーである。
【0042】
第16発明のDNAマーカーは、例えば第17発明に列挙するような、種々の用途に利用することができる。
【0043】
(第17発明)
上記課題を解決するための本願第17発明の構成は、第16発明に記載のDNAマーカーを用いて、少なくとも以下のいずれかを行う、DNAマーカーの利用方法である。
(1)少なくともイネを包含する植物群から選ばれる植物について行うツマグロヨコバイ抵抗性の検定。
(2)ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体遺伝子(Grh3遺伝子)と類似する機能を有する新規遺伝子の探索。
(3)イネ育種上のDNAマーカーの選抜。
【発明の効果】
【0044】
本願発明により、ツマグロヨコバイに抵抗性を示すGrh3遺伝子が提供される。このGrh3遺伝子を導入された感受性品種は、ツマグロヨコバイに対して抵抗性を獲得した。このGrh3遺伝子は、ツマグロヨコバイ抵抗性植物の品種改良、育種に有用であり、虫害抵抗性に関する作用機作ならびに抵抗性発現機構の解明が促進される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下に、本発明の実施形態を、その最良の形態を含めて説明する。第1発明〜第17発明に関して既に述べた事項については、繰り返しを避けるため、説明を省略することがある。
【0046】
〔Grh3遺伝子の単離〕
ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子であるGrh3遺伝子の単離は、以下のプロトコールで行われ得る。
【0047】
(1)イネツマグロヨコバイ抵抗性品種と感受性品種を交配し、そのF集団を材料にしてDNAマーカーを利用し、Grh3遺伝子近傍の詳細な連鎖地図を作成する。
【0048】
(2)ツマグロヨコバイ抵抗性品種から全ゲノム領域をカバーするBAC(バクテリア人工染色体)ライブラリを作成する。
【0049】
(3)上記した(1)の連鎖地図上でGrh3遺伝子の両側に存在するDNAマーカーを用いて、Grh3遺伝子を含むBACクローンを選定し、選定したBACクローンの全塩基配列を決定する。
【0050】
(4)決定された塩基配列について、RiceGaasなどの遺伝子予測ソフト(http://ricegaas.dna.affrc.go.jp/)を用い、理論上の遺伝子構造をとる仮想遺伝子の検索、及びDNAの公的データベースに登録されている遺伝子の塩基配列との間での類似性検索を行い、Grh3遺伝子の候補となる推定遺伝子を検索する。
【0051】
(5)上記した(4)で推定された遺伝子群を含むゲノムDNAを複数の領域でサブクローニングし、感受性品種への形質転換を行い、抵抗性個体を得ることで、候補遺伝子がGrh3遺伝子の機能を有することを確認する。
【0052】
(6)抵抗性品種から抽出したmRNAに対してRT−PCRを行い、Grh3遺伝子の機能を持つ候補遺伝子のcDNAを単離し、塩基配列を決定する。
【0053】
〔Grh3遺伝子の単離に関する更に詳細な説明〕
(使用する植物)
まず、Grh3遺伝子を有するツマグロヨコバイ抵抗性品種系統愛知66号あるいは抵抗性品種大地の風と、ツマグロヨコバイ感受性品種日本晴とを交配してF株を取得する。これらの株を用いて、STSマーカー、CAPSマーカーを用いた連鎖分析で第6染色体のGrh3領域付近の遺伝子地図を作製する。
【0054】
(分子マーカー)
Grh3遺伝子に連鎖するマーカーとしてC81 、C133が知られている(特開平11−103893号公報)。更に、5470M1がSTSマーカーとして用いられ得る(水上ら、育種学研究 6 : 225-228(2004))。更に、詳細なGrh3の連鎖の解析には、CAPSマーカー4328M3(配列番号4に示すフォワードプライマー:CCAGCGGAACCACTCTTTTGCGAT、配列番号5に示すリバースプライマー:TTCGTGAGCGTGCCAGTTGATTTG、制限酵素:NcoI)、5470M3(配列番号6に示すフォワードプライマー:CCAAGGGATGAGCAAGACTGAT、配列番号7に示すリバースプライマー:ACACATCGGTTGGAGGTCTGAT、制限酵素:SmaI)が用いられ得る。
【0055】
(遺伝子地図の作成)
イネからのDNA抽出は、Dellaportaらの方法〔Plant Mol Biol Rep 1:19-21(1983)〕又はその改変方法を用いて行われ得る。抽出したゲノムDNAを鋳型とし、適切なプライマーを用いたPCR反応を行うことで、親とF植物とで多型性がスコアされる。
【0056】
Grh3で分離したF集団を用いて、いくつかのSTS又はCAPSマーカーをスコアして、Grh3の詳細な地図が作成され得る。このGrh3遺伝子に連鎖するマーカーを用いて、BACライブラリをスクリーニングし、遺伝子を有するBACクローンが決定される。
【0057】
(Grh3ゲノム遺伝子の調製)
Grh3遺伝子を含むゲノムDNAを得るために、ツマグロヨコバイ抵抗性品種のゲノムDNAのBACライブラリを作製し、前述のCAPSマーカーでBACライブラリをスクリーニングし、Grh3ゲノム遺伝子を取得する。このGrh3遺伝子を有するゲノム遺伝子をツマグロヨコバイ感受性品種に形質転換し、ツマグロヨコバイに抵抗性を獲得したことを確認する。これにより、Grh3遺伝子がツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子であることが確認される。
【0058】
(Grh3遺伝子cDNAの単離及び配列決定)
抵抗性品種の幼苗に、ツマグロヨコバイを放飼し、2日後に全RNAを抽出しRT−PCRによってcDNAを合成し、塩基配列を解読する。
【0059】
(選択したcDNAクローンの発現)
得られたGrh3をコードするcDNAは、適切な発現ベクターに接続され、組換えプラスミドとして、形質転換され得る。ツマグロヨコバイ感受性品種の細胞を常法により調製し、形質転換する。形質転換された細胞を常法により植物体に再生し、形質転換植物体を得る。ツマグロヨコバイをこの形質転換植物体に放飼し、形質転換植物が抵抗性を有すれば、導入したGrh3遺伝子が発現していることが確認される。
【0060】
このGrh3ゲノム遺伝子は、適切な発現ベクターに接続して、組換えプラスミドとして、形質転換に用いられ得る。
【0061】
(組換え遺伝子の構築)
組換え遺伝子の作成に用いる発現ベクターは、好適には、T−DNA領域と薬剤耐性遺伝子とを有し得る。pBI 系のベクター、pUC 系のベクターあるいはpTRA系のベクターが好適に用いられ得る。ベクターには、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、薬剤耐性遺伝子などが含まれ得る。
【0062】
プロモーターは、例えばCaMV 35Sプロモーター、ノパリン合成酵素(NOS)のプロモーター等が挙げられるがこれらに限定されない。高発現のためにはエンハンサーが用いられ得る。エンハンサーとしては、上記CaMV35S プロモーター上流の配列を含むエンハンサー領域が好適である。エンハンサーは複数個用いられ得る。
【0063】
ターミネーターもまた、使用され得る。ターミネーターとしては、CaMV35S ターミネーター、ノパリン合成酵素のターミネーター(TNOS)、タバコPR1a遺伝子のターミネーターが挙げられるが、これに限定されない。
【0064】
薬剤耐性遺伝子としては、形質転換植物の選抜が容易であることが望ましい。ネオマイシンフォスフォトランスフェラーゼ2(NPT2) 遺伝子、ハイグロマイシンフォスフォトランスフェラーゼ(HPT )遺伝子等が好適に用いられ得る。HPT
遺伝子は、植物の核ゲノムに遺伝子が組み込まれたときに発現し、植物がハイグロマイシン抵抗性となるので、核ゲノムへ遺伝子が導入されたことが確認される。
【0065】
本願発明の組換え遺伝子(プラスミド)には、pBI 系のバイナリーベクターが好適に用いられ得る。このベクターは、植物に導入されうる領域(T−領域)の遺伝子と、マーカー遺伝子として植物プロモーターの支配下で発現されるNPT 2遺伝子(カナマイシン耐性を付与する)とを含んでいる。pBI 系のベクターはアグロバクテリウムを介して植物に目的の遺伝子を導入し得る。例えば、pBI121、pBI101、pBI101.2、pBI101.3等が挙げられる。好適には、pBI101およびそれに由来するベクターが用いられ得る。pUC 系のベクターとしては、例えば、pUC18 、pUC19 、pUC9等が挙げられる。
【0066】
更に、宿主−ベクター系としては昆虫核多角体病ウイルスを用いる系( Maedaら、Nature 315:592 (1985) 、Luckowら、M. Biotecnology, 6: 47(1988))、酵母を用いる系(Barrら、Pharm. Eng.,12:48(1992) )、融合蛋白質として発現させる系( Guan ら、Gene 67:21(1988))が挙げられる。
【0067】
植物細胞への組換え遺伝子の導入は、アグロバクテリウムを介する方法と直接細胞に導入する方法とがある。アグロバクテリウムを介する方法としては、例えば、Nagel らの方法(Micribiol. Lett., 67, 325(1990)) が用いられ得る。この方法は、まず、例えば発現ベクターをエレクトロポレーションによってアグロバクテリウムに形質転換し、ついで、形質転換されたアグロバクテリウムをPlant
Molecular Biology Manual(S. B. Gelvin et al., Academic Press Publishers)に記載の方法で植物細胞に導入する方法である。組換え遺伝子を直接細胞に導入する方法としては、ポリエチレングリコール法、エレクトロポレーション法、遺伝子銃法がある。
【0068】
(組換え植物細胞の植物体または植物組織への再生)
組換え遺伝子を導入された細胞は、まず、カナマイシン耐性等の薬剤耐性で選択され、ついで、常法により、植物組織、植物体に再生される。ツマグロヨコバイに感受性の植物が、宿主として用いられ得る。
【実施例】
【0069】
以下に本発明の実施例を具体的に説明する。本発明の技術的範囲は、以下の実施例によって限定されるものではない。下記の実施例で使用した制限酵素、ベクター等は宝酒造株式会社、東洋紡績株式会社等から入手可能である。
【0070】
(実施例1)
公知のRFLPマーカーC81 とC133A の間に存在するGrh3遺伝子単離を実行可能にするため、大規模分離集団を用いた高精度連鎖解析を行なった。材料には、抵抗性系統愛知66号([ニホンマサリ/6/宮崎12号/5/愛知24号/4/日本晴/3/あ系118//日本晴*4/Rantag Emas2]/中部17号)に日本晴を交配して得たFから得たF世代の種子9,775個体を分離集団とした。
【0071】
連鎖解析の精度を高めるためには、解析集団の大規模化と同時に目標遺伝子の近傍に存在するDNAマーカーを増加させることが不可欠である。そこで、RFLPマーカーC81 の含まれる日本晴BACクローン(OJ1616_B03 )の配列を利用し、Grh3遺伝子周辺のDNAマーカーを増やした。この大規模集団の連鎖解析の結果、Grh3存在領域をCAPSマーカー4328M3と5470M3の間に絞りこんだ。
【0072】
抵抗性遺伝子を保有する愛知66号のゲノムDNAをCTAB法により抽出し、制限酵素断MboIによって部分分解した。この産物からパルスフィールド電気泳動を用いて50kb以上の断片を分画し、分画DNA断片とBACベクターpIndigoBAC-5(EPICENTRE 社製、Shizuya H.California Institute of Technology,
Pasadena, CA USA)を用いてBACライブラリを作成した。このBACライブラリに対して、Grh3近傍のCAPSマーカー4328M3、5470M3をマーカーとして選抜を行なったところ、BACクローンAi0023k03 が選抜された。このクローンは142kbのゲノム領域をカバーし、BACクローンの全塩基配列を解析した結果、うち約57kbの領域にGrh3が存在することが明らかとなった。
【0073】
得られた塩基配列を、公開されているヌクレオチドデータベースに対して類似性検索BLAST及び遺伝子予測を行なったところ、数種の植物の病虫害抵抗性遺伝子に共通に認められるヌクレオチド結合部位(NBS)を持つ遺伝子構造が含まれることが明らかとなった。従って、この塩基配列がGrh3遺伝子の候補領域として有望であると考えられた。
【0074】
塩基配列の解析により明らかとなった候補領域を制限酵素によってサブクローン化し、Grh3の候補遺伝子を含むクローン、Grh3候補遺伝子を含まないクローンを複数得て、常法により感受性品種「日本晴」細胞に導入し、形質転換植物体を得た。
【0075】
そして、ツマグロヨコバイを形質転換体に放飼し、寄生数を感受性個体と比較したところ、図2及び図3に示すように、Grh3候補遺伝子を含む形質転換植物体で、抵抗性が認められた。
【0076】
図2の「a」のグラフは、横軸に示す各T世代のツマグロヨコバイ抵抗性を示すもので、横軸に示す植物体の内、「pYLTAC7-1-14」、「pYLTAC7-0-47」、「pPZP2Ha3-#07」及び「Aichi66 」が Ghr3 、即ち形質転換植物体であり、「pYLTAC7-3-5 」、「pYLTAC7-0-9 」、「Nipponbare」、「pYLTAC7 」がGhr3即ち感受性個体である。
【0077】
図2の「b」のグラフは、T世代のツマグロヨコバイ抵抗性を示すもので、縦軸に植物体の個体数、横軸に個体当たりのツマグロヨコバイ頭数を示す。
【0078】
又、図3は、Grh3遺伝子を含む領域を形質転換したイネ(右側の写真:品種は上記の「pYLTAC7-1-14」)と、Grh3遺伝子を含まない領域を形質転換したイネ(左側の写真:日本晴)とのツマグロヨコバイ抵抗性程度を示す写真である。左側の写真では、イネに取りついた多数のツマグロヨコバイが写っている。
【0079】
以上の結果、ツマグロヨコバイに対する抵抗性遺伝子、即ちGrh3遺伝子が単離されたことが示された。
【0080】
Grh3遺伝子は全長4,046塩基対で、2つのイントロンによって分断された3つのエキソンからなる2589塩基対のORFを持つ。このORFは863アミノ酸残基からなるタンパク質で(配列番号1のアミノ酸配列)、これはRGH1a
を代表とする既知のNBS-LRR クラス病虫害抵抗性遺伝子の保存領域と高い相同性を示した。
【0081】
塩基配列情報を基に調製したオリゴヌクレオチドをプライマーとして、ツマグロヨコバイ感受性品種および抵抗性品種のそれぞれから、ツマグロヨコバイを放飼前後から単離したmRNAに対してRT−PCRを行うことにより、抵抗性品種にcDNAの増幅が認められ、かつ感受性品種とは配列が異なっていることが明らかとなった。以上の結果から、解析したcDNA及びそれに対応するゲノム領域はツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子Grh3であると判断した。
【0082】
図1に、第6染色体上のGrh3の詳細連鎖地図を示す。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明によって、ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子Grh3、これと機能的に同等な遺伝子、及びこれらの遺伝子がコードするタンパク質、ツマグロヨコバイ抵抗性植物等が提供される。

〔配列表〕

SEQUENCE LISTING

<110> Aichi Prefecture
<120> ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子とその利用
<130> POK-06-002
<160> 7

<210> 1
<211> 4046/862
<212> DNA/PRT
<213> Oryza sativa l.
<400> 1
ATGGCGCTGGTGGCTGAGGCGATGGGGAGCCTTGTCCCCAAACTGACCGAGCTGCTCAAA 60
MetAlaLeuValAlaGluAlaMetGlySerLeuValProLysLeuThrGluLeuLeuLys 20

GAAGAGTACAAGCTGCAAAAGGGCGTTAGGGAGAAAATCAATTTTCTCAAGAGTGAGCTT 120
GluGluTyrLysLeuGlnLysGlyValArgGluLysIleAsnPheLeuLysSerGluLeu 40

GAGGACATGCATACTGCCCTTCGCAAGGTTGGCAGCATGCATTCTGACCTGCTTGATGAG 180
GluAspMetHisThrAlaLeuArgLysValGlySerMetHisSerAspLeuLeuAspGlu 60

CAGGTCAGGATTTGGGCAAGCAAAGTCCGGGAGCTGTCGTATGACATGGAGGACGTCATC 240
GlnValArgIleTrpAlaSerLysValArgGluLeuSerTyrAspMetGluAspValIle 80

GACGCCTTCCTGGTGCGTGTAGATGGCCGTGAGCCTGCCAACCCCGGCTGCCTCGAACGG 300
AspAlaPheLeuValArgValAspGlyArgGluProAlaAsnProGlyCysLeuGluArg 100

CTTGTGCACATGATGTGCGGCTTGTTCACCAAGATCAAGGTTCGCCATCAGATATCTGGC 360
LeuValHisMetMetCysGlyLeuPheThrLysIleLysValArgHisGlnIleSerGly 120

GTTGTCCAAGACATCAACACCAAACTAGAGGAGGTGTCCAAGGCGCGTGAAAGATACATA 420
ValValGlnAspIleAsnThrLysLeuGluGluValSerLysAlaArgGluArgTyrIle 140

GCCTCTGATCTTCAGGCTAACCCAGCTGCCACACAATCGTCCACCCATGATCCTCGCATC 480
AlaSerAspLeuGlnAlaAsnProAlaAlaThrGlnSerSerThrHisAspProArgIle 160

CTGTTATCGAATACAGATGCGACAAAGCTTGTTGGTATTGATGGCCCAAGGAATGACATC 540
LeuLeuSerAsnThrAspAlaThrLysLeuValGlyIleAspGlyProArgAsnAspIle 180

ATAAAGATCCTTTGCCTGGAGGGTGACAACTTGCCCTTGGGGAAGATGATAAAAGTTTCC 600
IleLysIleLeuCysLeuGluGlyAspAsnLeuProLeuGlyLysMetIleLysValSer 200

ATCGTTGGATCCGGGGGAATGGGCAAAACCACTCTCGCCAGAGCAGTGTACAACAGTGTT 660
IleValGlySerGlyGlyMetGlyLysThrThrLeuAlaArgAlaValTyrAsnSerVal 220

AAGGGGAAATTCCAATGCTCGGCATTTGTGCCAGTTGGCCAGAATCAAGACTTGAAGAGG 720
LysGlyLysPheGlnCysSerAlaPheValProValGlyGlnAsnGlnAspLeuLysArg 240

GTTTTCATGGACATTCTAAATGATCTTGACAAGGAAAAGTTCGAAAATATCCATAGCACA 780
ValPheMetAspIleLeuAsnAspLeuAspLysGluLysPheGluAsnIleHisSerThr 260

AAAAAGGATGTAAGGTTACTCATGAACGAGGTCTACGAGTTCCTTGAAAACAAGAGGTGC 840
LysLysAspValArgLeuLeuMetAsnGluValTyrGluPheLeuGluAsnLysArg 279

GCTCATGATTCTTATTCTAATTGCCCTCGCATATTATACTTTCATATCATGGTACTATAG 900

ATCAAGCACGAGCAAATTTTAGAGTGCCAAAATGATGCCTCTATAGGAATAAATAGAAGA 960

GCATGTGCTTTGGGTAAATGTATTCTAGGAAATTTTTGAAATTCCTCTAAAAAGTGTTTC 1020

TACACTGTAGAAATCCTGAATTTTTTTTACTTGGTATATAAATCTTGATTTTAAAGGAGA 1080

TTTAAACATCACCTCTAGATAATGTTTTTGCTGTATAAACTTCTTTTCTCTTTAGTTTTT 1140

TACTATAGAAATTGCGGCAAAATGTTTTTGTATTCCATTTCGTTAACTTTTATTAGCTGG 1200

TAATTAAGTACGCTATTCGCAAGCTTGGAGGTTATTGGTAGGGGTTTCTCAATAACTGAA 1260

GGAAAACTAATTCGATCATCAACAAACATAACTCTTTAATTATATCTCAAACTAATAAAT 1320

GGTGACAAAAGCATGTACGACCTAGTATGTGCCAAATTACAAGGAATCATTGTTTAAGAG 1380

AAGTCGGCATTTTCAACTTTTGACTAGTAAAAATTACTCTCAATATATATGTTCTTTAGT 1440

TTCACGATATTTGACATCAATAGATTTGTACTTTGAAGTACTTTCATATGATGTTAATCT 1500

GGTAGTTGTTGATAATATATCATGTAAGAAATTAATGCCCAAACTTTTACATTAGGGACT 1560

GTGTAAAAACCTTGTAGACCTTATATTTTGAGGTGGATTGGTACTGAACTACTCCGTATA 1620

TTTTAAATGTTGACTTGTTGACTATGAATGGATAGGCAATCTGATTTTTGGGTTGTCCTG 1680

AAGGGCAAACTACTTTCAACAATCATCATAAAAAAATTCCACTTTGTCTCCAAACTAATA 1740

TAAGTGGTGACAAAAGCATGTACTACAAAATTGTATTTAAGGTCTGATAGAACAGATACT 1800

TAATTTAACTATAGTAAAAAACTAAGCATCATCATAACATTGTACGTATTTACAACATTA 1860

TAGTATTGCTCATGAAATCGCTCGTGTATACGTTATGATGATGCATTTGTTGATCAGGGT 1920

TCAGAGATGAAACCAGTTTGTTTGTTTCCATTTTCCCGTTATTGGCACGTTTCTTGTATT 1980

TATAGGAGCAAAACGTATATTTATACATTGCTAAACTCTTGCATTGTTTTCTTGATAGG 2039

TACATCATTGTTATTGATGACATTTGGAAATTCGATGCTTGGGACATGATTGCAAAAGTC 2099
TyrIleIleValIleAspAspIleTrpLysPheAspAlaTrpAspMetIleAlaLysVal 299

CTGGGAGACAGTAGTTGTGGAAGTAAAGTGATCATAACTACTCGTATTTCTGAAATTGCT 2159
LeuGlyAspSerSerCysGlySerLysValIleIleThrThrArgIleSerGluIleAla 319

GAGGAAGTCGGTCATGTTTATGAAATAAAACAACTTTCTGATGTTGACTCGAGAAGGTTA 2219
GluGluValGlyHisValTyrGluIleLysGlnLeuSerAspValAspSerArgArgLeu 339

TTGCATAGAAGAATATTAAGTGGTGAAGACCAATGCCCCGATGATGATTATGATTTGGAA 2279
LeuHisArgArgIleLeuSerGlyGluAspGlnCysProAspAspAspTyrAspLeuGlu 359

GAGGTTTGTGATGAAATTTTGAGGAAATGTGAAGGGGTACCATTGGCTATTGTTACAACG 2339
Glu 360

TCTAGTTTGTTGGAGAGTAAACCAAGGGAGGACTGGTCTGAGTTGTATCGGTCAATTGTT 2399

CTTGGCGCAAAAGACAACCGGCATGTGGATAATACTATGAAGATATTGTCTCTTAGTTTC 2459

TATCATTTGCCTTATCATCTAAGAACATGCTTATTGTACTTGAGCGCATTTCCATAGGAT 2519

TATTTAATTGGTAAACAGACGTTGATATGGAGATGGATAGGTGAAGGATTTGTCTGTAAG 2579
ThrLeuIleTrpArgTrpIleGlyGluGlyPheValCysLys 374

GAAGAAGGAAGAGATTTATATGAGATAGGAGAGGGTTACTTCAACGAGCTTGTAAAACGA 2639
GluGluGlyArgAspLeuTyrGluIleGlyGluGlyTyrPheAsnGluLeuValLysArg 394

CGTATGATCATGCCAATAGAGGCAGAGAATGAAGACTACATACTAGGCTGTCGTGTTCAT 2699
ArgMetIleMetProIleGluAlaGluAsnGluAspTyrIleLeuGlyCysArgValHis 414

GACATGGTGCTCGGTCTGATCCGGTCATTGTCAAGCAGCGAGAACTTTGTCACCGTATTG 2759
AspMetValLeuGlyLeuIleArgSerLeuSerSerSerGluAsnPheValThrValLeu 434

GGTATAGAACAATACAACACATCTCACCAGGGCTATGGTCGAAGGATAGCCATCCTAAGC 2819
GlyIleGluGlnTyrAsnThrSerHisGlnGlyTyrGlyArgArgIleAlaIleLeuSer 454

AGCAAGAATGGATTACCCCCAGTGGTGAACCTGGGAACGGCACAGTCACAAGTGACAATC 2879
SerLysAsnGlyLeuProProValValAsnLeuGlyThrAlaGlnSerGlnValThrIle 474

CGGTCATTTAGTGCCAATGGTTTGTCATACATAGATGTTCTGCCAACACCAGCGAAATTT 2939
ArgSerPheSerAlaAsnGlyLeuSerTyrIleAspValLeuProThrProAlaLysPhe 494

GAAGCTGTGCATGTACTGGCACTGCAAAATTGTGAATCATTGCAGGACCTTCACGGCCTG 2999
GluAlaValHisValLeuAlaLeuGlnAsnCysGluSerLeuGlnAspLeuHisGlyLeu 514

GAGCATATTGGCAGTTTACTTCACCTAAGATACCTTGCACTGACGTACACACCTCTTTTT 3059
GluHisIleGlySerLeuLeuHisLeuArgTyrLeuAlaLeuThrTyrThrProLeuPhe 534

GAGCTCCCAAATGGAATAGGGGGACGTCTGAGGTTCATAGAGACGCTAGATCTGTGGGGG 3119
GluLeuProAsnGlyIleGlyGlyArgLeuArgPheIleGluThrLeuAspLeuTrpGly 554

ACTGGCATAGAGCAAGTGCCGTCGAGCGTGGGCAAGTTGACACAGTTGCTGTGCCTACAA 3179
ThrGlyIleGluGlnValProSerSerValGlyLysLeuThrGlnLeuLeuCysLeuGln 574

GCCGATATTAAAACAAGGGTGCCGGACTGGATTGGGAACCTGACGTCCCTGCAAGAGTTG 3239
AlaAspIleLysThrArgValProAspTrpIleGlyAsnLeuThrSerLeuGlnGluLeu 594

TGGATGTGGCCTGATGCTGCAGCTGCAGGGCAGTTTGTGAAGGAGCTGGGCAAGCTGAAG 3299
TrpMetTrpProAspAlaAlaAlaAlaGlyGlnPheValLysGluLeuGlyLysLeuLys 614

GATTTGAGGGTGCTCTGTACTCAGTTCGAGGGTGCCCCCGCAACAGACATTATCAAGTCT 3359
AspLeuArgValLeuCysThrGlnPheGluGlyAlaProAlaThrAspIleIleLysSer 634

CTAGGAAGTCTGCGCAAGATACAAAAAATGCACGCCTTTGACCGTTGGGCAGCGGTGGGG 3419
LeuGlySerLeuArgLysIleGlnLysMetHisAlaPheAspArgTrpAlaAlaValGly 654

CAGTGTGTGCCGTGGGAGCAAGGATTCGTCACTCCTCAATGCCTCCAGTTCCTGTGCCTG 3479
GlnCysValProTrpGluGlnGlyPheValThrProGlnCysLeuGlnPheLeuCysLeu 674

AGGTGTTTGACCTTCACCAGCCTGCCGCCGTGGATTAATCCGTCACTTCTGCCAAACCTC 3539
ArgCysLeuThrPheThrSerLeuProProTrpIleAsnProSerLeuLeuProAsnLeu 694

TGCAACCTGTCCCTGTCGTTGCAGGTTTTGCGACAGGCGGACATGGAAATCCTTGGCAGG 3599
CysAsnLeuSerLeuArgMetLeuArgArgLeuAspLeuPheAlaMetGlyAsnAlaIle 714

CTGCGAATGCTCCGCAGACTCGATCTATTTGCGATGGGGAATGCAATTATAAGAATTGGG 3659
IleArgIleGlyLeuSerLeuGlnValLeuArgGlnAlaAspMetGluIleLeuGlyArg 734

ATTCATGACACCCTGTTGTTCCGCAAGTTGAGATTCTGCACGATGGCCACCACCTCCATC 3719
IleHisAspThrLeuLeuPheArgLysLeuArgPheCysThrMetAlaThrThrSerIle 754

CGGTTTGTACCACCTCCTGCTGCTAGTGCTGCCGTCACAACACCTGTCTCAGTCATGCCA 3779
ArgPheValProProProAlaAlaSerAlaAlaValThrThrProValSerValMetPro 774

TGCCTGGAATTACTTCACTTCAGTTTGGACGTGCACTACGTCAAGGACAGTAACCTTGCT 3839
CysLeuGluLeuLeuHisPheSerLeuAspValHisTyrValLysAspSerAsnLeuAla 794

TTTGACATTGGCTTGGAGCACCTCCCGAGTTCTCTTCGCACAGTAAAGGTTTTTGTGCTC 3899
PheAspIleGlyLeuGluHisLeuProSerSerLeuArgThrValLysValPheValLeu 814

TGCCACTTGGCCAAAGAAGAAGACGTCAAGGAAGCGGAGGCGGCATTGTTGCACTCCATC 3959
CysHisLeuAlaLysGluGluAspValLysGluAlaGluAlaAlaLeuLeuHisSerIle 834

AACATCCATCCCAGCCGTCCCGCCCTTCAACTAGAAAGATTGGCCAAAGATAAAATGCTC 4019
AsnIleHisProSerArgProAlaLeuGlnLeuGluArgLeuAlaLysAspLysMetLeu 854

CCTTCTCACCTCAAAGATGATCAATGA 4046
ProSerHisLeuLysAspAspGln*** 862

<210> 2
<211> 2844
<212> DNA
<213> Oryza sativa l.
<400> 2
ATGGCGCTGG TGGCTGAGGC GATGGGGAGC CTTGTCCCCA AACTGACCGA GCTGCTCAAA 60
GAAGAGTACA AGCTGCAAAA GGGCGTTAGG GAGAAAATCA ATTTTCTCAA GAGTGAGCTT 120
GAGGACATGC ATACTGCCCT TCGCAAGGTT GGCAGCATGC ATTCTGACCT GCTTGATGAG 180
CAGGTCAGGA TTTGGGCAAG CAAAGTCCGG GAGCTGTCGT ATGACATGGA GGACGTCATC 240
GACGCCTTCC TGGTGCGTGT AGATGGCCGT GAGCCTGCCA ACCCCGGCTG CCTCGAACGG 300
CTTGTGCACA TGATGTGCGG CTTGTTCACC AAGATCAAGG TTCGCCATCA GATATCTGGC 360
GTTGTCCAAG ACATCAACAC CAAACTAGAG GAGGTGTCCA AGGCGCGTGA AAGATACATA 420
GCCTCTGATC TTCAGGCTAA CCCAGCTGCC ACACAATCGT CCACCCATGA TCCTCGCATC 480
CTGTTATCGA ATACAGATGC GACAAAGCTT GTTGGTATTG ATGGCCCAAG GAATGACATC 540
ATAAAGATCC TTTGCCTGGA GGGTGACAAC TTGCCCTTGG GGAAGATGAT AAAAGTTTCC 600
ATCGTTGGAT CCGGGGGAAT GGGCAAAACC ACTCTCGCCA GAGCAGTGTA CAACAGTGTT 660
AAGGGGAAAT TCCAATGCTC GGCATTTGTG CCAGTTGGCC AGAATCAAGA CTTGAAGAGG 720
GTTTTCATGG ACATTCTAAA TGATCTTGAC AAGGAAAAGT TCGAAAATAT CCATAGCACA 780
AAAAAGGATG TAAGGTTACT CATGAACGAG GTCTACGAGT TCCTTGAAAA CAAGAGGTAC 840
ATCATTGTTA TTGATGACAT TTGGAAATTC GATGCTTGGG ACATGATTGC AAAAGTCCTG 900
GGAGACAGTA GTTGTGGAAG TAAAGTGATC ATAACTACTC GTATTTCTGA AATTGCTGAG 960
GAAGTCGGTC ATGTTTATGA AATAAAACAA CTTTCTGATG TTGACTCGAG AAGGTTATTG 1020
CATAGAAGAA TATTAAGTGG TGAAGACCAA TGCCCCGATG ATGATTATGA TTTGGAAGAG 1080
GTTTGTGATG AAATTTTGAG GAAATGTGAA GGGGTACCAT TGGCTATTGT TACAACGTCT 1140
AGTTTGTTGG AGAGTAAACC AAGGGAGGAC TGGTCTGAGT TGTATCGGTC AATTGTTCTT 1200
GGCGCAAAAG ACAACCGGCA TGTGGATAAT ACTATGAAGA TATTGTCTCT TAGTTTCTAT 1260
CATTTGCCTT ATCATCTAAG AACATGCTTA TTGTACTTGA GCGCATTTCC ATAGGATTAT 1320
TTAATTGGTA AACAGACGTT GATATGGAGA TGGATAGGTG AAGGATTTGT CTGTAAGGAA 1380
GAAGGAAGAG ATTTATATGA GATAGGAGAG GGTTACTTCA ACGAGCTTGT AAAACGACGT 1440
ATGATCATGC CAATAGAGGC AGAGAATGAA GACTACATAC TAGGCTGTCG TGTTCATGAC 1500
ATGGTGCTCG GTCTGATCCG GTCATTGTCA AGCAGCGAGA ACTTTGTCAC CGTATTGGGT 1560
ATAGAACAAT ACAACACATC TCACCAGGGC TATGGTCGAA GGATAGCCAT CCTAAGCAGC 1620
AAGAATGGAT TACCCCCAGT GGTGAACCTG GGAACGGCAC AGTCACAAGT GACAATCCGG 1680
TCATTTAGTG CCAATGGTTT GTCATACATA GATGTTCTGC CAACACCAGC GAAATTTGAA 1740
GCTGTGCATG TACTGGCACT GCAAAATTGT GAATCATTGC AGGACCTTCA CGGCCTGGAG 1800
CATATTGGCA GTTTACTTCA CCTAAGATAC CTTGCACTGA CGTACACACC TCTTTTTGAG 1860
CTCCCAAATG GAATAGGGGG ACGTCTGAGG TTCATAGAGA CGCTAGATCT GTGGGGGACT 1920
GGCATAGAGC AAGTGCCGTC GAGCGTGGGC AAGTTGACAC AGTTGCTGTG CCTACAAGCC 1980
GATATTAAAA CAAGGGTGCC GGACTGGATT GGGAACCTGA CGTCCCTGCA AGAGTTGTGG 2040
ATGTGGCCTG ATGCTGCAGC TGCAGGGCAG TTTGTGAAGG AGCTGGGCAA GCTGAAGGAT 2100
TTGAGGGTGC TCTGTACTCA GTTCGAGGGT GCCCCCGCAA CAGACATTAT CAAGTCTCTA 2160
GGAAGTCTGC GCAAGATACA AAAAATGCAC GCCTTTGACC GTTGGGCAGC GGTGGGGCAG 2220
TGTGTGCCGT GGGAGCAAGG ATTCGTCACT CCTCAATGCC TCCAGTTCCT GTGCCTGAGG 2280
TGTTTGACCT TCACCAGCCT GCCGCCGTGG ATTAATCCGT CACTTCTGCC AAACCTCTGC 2340
AACCTGTCCC TGTCGTTGCA GGTTTTGCGA CAGGCGGACA TGGAAATCCT TGGCAGGCTG 2400
CGAATGCTCC GCAGACTCGA TCTATTTGCG ATGGGGAATG CAATTATAAG AATTGGGATT 2460
CATGACACCC TGTTGTTCCG CAAGTTGAGA TTCTGCACGA TGGCCACCAC CTCCATCCGG 2520
TTTGTACCAC CTCCTGCTGC TAGTGCTGCC GTCACAACAC CTGTCTCAGT CATGCCATGC 2580
CTGGAATTAC TTCACTTCAG TTTGGACGTG CACTACGTCA AGGACAGTAA CCTTGCTTTT 2640
GACATTGGCT TGGAGCACCT CCCGAGTTCT CTTCGCACAG TAAAGGTTTT TGTGCTCTGC 2700
CACTTGGCCA AAGAAGAAGA CGTCAAGGAA GCGGAGGCGG CATTGTTGCA CTCCATCAAC 2760
ATCCATCCCA GCCGTCCCGC CCTTCAACTA GAAAGATTGG CCAAAGATAA AATGCTCCCT 2820
TCTCACCTCA AAGATGATCA ATGA 2844

<210> 3
<211> 2589
<212> DNA
<213> Oryza sativa l.
<400> 3
ATGGCGCTGG TGGCTGAGGC GATGGGGAGC CTTGTCCCCA AACTGACCGA GCTGCTCAAA 60
GAAGAGTACA AGCTGCAAAA GGGCGTTAGG GAGAAAATCA ATTTTCTCAA GAGTGAGCTT 120
GAGGACATGC ATACTGCCCT TCGCAAGGTT GGCAGCATGC ATTCTGACCT GCTTGATGAG 180
CAGGTCAGGA TTTGGGCAAG CAAAGTCCGG GAGCTGTCGT ATGACATGGA GGACGTCATC 240
GACGCCTTCC TGGTGCGTGT AGATGGCCGT GAGCCTGCCA ACCCCGGCTG CCTCGAACGG 300
CTTGTGCACA TGATGTGCGG CTTGTTCACC AAGATCAAGG TTCGCCATCA GATATCTGGC 360
GTTGTCCAAG ACATCAACAC CAAACTAGAG GAGGTGTCCA AGGCGCGTGA AAGATACATA 420
GCCTCTGATC TTCAGGCTAA CCCAGCTGCC ACACAATCGT CCACCCATGA TCCTCGCATC 480
CTGTTATCGA ATACAGATGC GACAAAGCTT GTTGGTATTG ATGGCCCAAG GAATGACATC 540
ATAAAGATCC TTTGCCTGGA GGGTGACAAC TTGCCCTTGG GGAAGATGAT AAAAGTTTCC 600
ATCGTTGGAT CCGGGGGAAT GGGCAAAACC ACTCTCGCCA GAGCAGTGTA CAACAGTGTT 660
AAGGGGAAAT TCCAATGCTC GGCATTTGTG CCAGTTGGCC AGAATCAAGA CTTGAAGAGG 720
GTTTTCATGG ACATTCTAAA TGATCTTGAC AAGGAAAAGT TCGAAAATAT CCATAGCACA 780
AAAAAGGATG TAAGGTTACT CATGAACGAG GTCTACGAGT TCCTTGAAAA CAAGAGGTAC 840
ATCATTGTTA TTGATGACAT TTGGAAATTC GATGCTTGGG ACATGATTGC AAAAGTCCTG 900
GGAGACAGTA GTTGTGGAAG TAAAGTGATC ATAACTACTC GTATTTCTGA AATTGCTGAG 960
GAAGTCGGTC ATGTTTATGA AATAAAACAA CTTTCTGATG TTGACTCGAG AAGGTTATTG 1020
CATAGAAGAA TATTAAGTGG TGAAGACCAA TGCCCCGATG ATGATTATGA TTTGGAAGAG 1080
ACGTTGATAT GGAGATGGAT AGGTGAAGGA TTTGTCTGTA AGGAAGAAGG AAGAGATTTA 1140
TATGAGATAG GAGAGGGTTA CTTCAACGAG CTTGTAAAAC GACGTATGAT CATGCCAATA 1200
GAGGCAGAGA ATGAAGACTA CATACTAGGC TGTCGTGTTC ATGACATGGT GCTCGGTCTG 1260
ATCCGGTCAT TGTCAAGCAG CGAGAACTTT GTCACCGTAT TGGGTATAGA ACAATACAAC 1320
ACATCTCACC AGGGCTATGG TCGAAGGATA GCCATCCTAA GCAGCAAGAA TGGATTACCC 1380
CCAGTGGTGA ACCTGGGAAC GGCACAGTCA CAAGTGACAA TCCGGTCATT TAGTGCCAAT 1440
GGTTTGTCAT ACATAGATGT TCTGCCAACA CCAGCGAAAT TTGAAGCTGT GCATGTACTG 1500
GCACTGCAAA ATTGTGAATC ATTGCAGGAC CTTCACGGCC TGGAGCATAT TGGCAGTTTA 1560
CTTCACCTAA GATACCTTGC ACTGACGTAC ACACCTCTTT TTGAGCTCCC AAATGGAATA 1620
GGGGGACGTC TGAGGTTCAT AGAGACGCTA GATCTGTGGG GGACTGGCAT AGAGCAAGTG 1680
CCGTCGAGCG TGGGCAAGTT GACACAGTTG CTGTGCCTAC AAGCCGATAT TAAAACAAGG 1740
GTGCCGGACT GGATTGGGAA CCTGACGTCC CTGCAAGAGT TGTGGATGTG GCCTGATGCT 1800
GCAGCTGCAG GGCAGTTTGT GAAGGAGCTG GGCAAGCTGA AGGATTTGAG GGTGCTCTGT 1860
ACTCAGTTCG AGGGTGCCCC CGCAACAGAC ATTATCAAGT CTCTAGGAAG TCTGCGCAAG 1920
ATACAAAAAA TGCACGCCTT TGACCGTTGG GCAGCGGTGG GGCAGTGTGT GCCGTGGGAG 1980
CAAGGATTCG TCACTCCTCA ATGCCTCCAG TTCCTGTGCC TGAGGTGTTT GACCTTCACC 2040
AGCCTGCCGC CGTGGATTAA TCCGTCACTT CTGCCAAACC TCTGCAACCT GTCCCTGTCG 2100
TTGCAGGTTT TGCGACAGGC GGACATGGAA ATCCTTGGCA GGCTGCGAAT GCTCCGCAGA 2160
CTCGATCTAT TTGCGATGGG GAATGCAATT ATAAGAATTG GGATTCATGA CACCCTGTTG 2220
TTCCGCAAGT TGAGATTCTG CACGATGGCC ACCACCTCCA TCCGGTTTGT ACCACCTCCT 2280
GCTGCTAGTG CTGCCGTCAC AACACCTGTC TCAGTCATGC CATGCCTGGA ATTACTTCAC 2340
TTCAGTTTGG ACGTGCACTA CGTCAAGGAC AGTAACCTTG CTTTTGACAT TGGCTTGGAG 2400
CACCTCCCGA GTTCTCTTCG CACAGTAAAG GTTTTTGTGC TCTGCCACTT GGCCAAAGAA 2460
GAAGACGTCA AGGAAGCGGA GGCGGCATTG TTGCACTCCA TCAACATCCA TCCCAGCCGT 2520
CCCGCCCTTC AACTAGAAAG ATTGGCCAAA GATAAAATGC TCCCTTCTCA CCTCAAAGAT 2580
GATCAATGA 2589

<210> 4
<211> 24
<212> DNA
<213> artificial
<400> 4
CCAGCGGAAC CACTCTTTTG CGAT 24

<210> 5
<211> 24
<212> DNA
<213> artificial
<400> 5
TTCGTGAGCG TGCCAGTTGA TTTG 24

<210> 6
<211> 22
<212> DNA
<213> artificial
<400> 6
CCAAGGGATG AGCAAGACTG AT 22

<210> 7
<211> 22
<212> DNA
<213> artificial
<400> 7
ACACATCGGT TGGAGGTCTG AT 22
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第6染色体上のGhr3の詳細連鎖地図である。
【図2】Ghr3遺伝子を含み又は含まない領域を形質転換した感受性イネのツマグロヨコバイ抵抗性を示すグラフである。
【図3】Ghr3遺伝子の形質転換によるツマグロヨコバイ抵抗性の獲得を示す対比写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1〜配列番号3のいずれかに示す塩基配列を有し、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体(Grh3タンパク質)をコードすることを特徴とするポリヌクレオチド。
【請求項2】
配列番号1〜配列番号3のいずれかに示す塩基配列と相補的な塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体をコードすることを特徴とするポリヌクレオチド。
【請求項3】
配列番号1に示すアミノ酸配列を有し、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体の活性を示すことを特徴とするポリペプチド。
【請求項4】
配列番号1に示すアミノ酸配列における数個以下のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し、ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体の活性を示すことを特徴とするポリペプチド。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のいずれかのポリヌクレオチドを含むことを特徴とするベクター。
【請求項6】
請求項5に記載のいずれかのベクターが導入されていることを特徴とする宿主細胞。
【請求項7】
前記宿主細胞がアグロバクテリウムであることを特徴とする請求項6に記載の宿主細胞。
【請求項8】
前記宿主細胞が植物細胞であることを特徴とする請求項6に記載の宿主細胞。
【請求項9】
前記宿主細胞が、前記植物細胞のカルスに、請求項6に規定するベクター又は請求項7に規定するアグロバクテリウムを感染させたものであることを特徴とする請求項8に記載の宿主細胞。
【請求項10】
請求項9に記載の宿主細胞を培養し、その培養物からツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体を採取することを特徴とするGrh3タンパク質の製造方法。
【請求項11】
請求項8に規定する宿主細胞を含むことを特徴とする形質転換植物体。
【請求項12】
前記形質転換植物体がイネ科植物であることを特徴とする請求項11に記載の形質転換植物体。
【請求項13】
前記イネ科植物がイネであることを特徴とする請求項12に記載の形質転換植物体。
【請求項14】
前記形質転換植物体がツマグロヨコバイ抵抗性を示すものであることを特徴とする請求項11〜請求項13のいずれかに記載の形質転換植物体。
【請求項15】
請求項3又は請求項4に記載のいずれかのポリペプチドに対して特異的に結合するものであることを特徴とする抗体。
【請求項16】
少なくとも15塩基からなり、配列番号1に示す塩基配列を有するポリヌクレオチドに対して、あるいは配列番号1に示す塩基配列と相補的な塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有するポリヌクレオチドに対して特異的にハイブリダイズするものであることを特徴とするDNAマーカー。
【請求項17】
請求項16に規定するDNAマーカーを用いて、少なくとも以下のいずれかを行うことを特徴とするDNAマーカーの利用方法。
(1)少なくともイネを包含する植物群から選ばれる植物について行うツマグロヨコバイ抵抗性の検定。
(2)ツマグロヨコバイ抵抗性に関与するシグナル受容体遺伝子(Grh3遺伝子)と類似する機能を有する新規遺伝子の探索。
(3)イネ育種上のDNAマーカーの選抜。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−252265(P2007−252265A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79960(P2006−79960)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000116622)愛知県 (99)
【出願人】(501167644)独立行政法人農業生物資源研究所 (200)
【Fターム(参考)】