説明

テトラヒドロピリドピリミジン誘導体を有効成分とするBAFFの結合阻害剤

【課題】BR3受容体に対するBAFFの結合を阻害し、自己免疫性疾患の予防及び治療効果に優れた薬剤の提供。
【解決手段】次の一般式(1):


[式中、Rは、C1−10アルキル基、R、Rは、同一又は異なってもよく、水素原子、又はC1−10アルキル基、Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜24のアリール基、m、nは、それぞれ1又は2の整数を示す。]で表される化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分とするBR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラヒドロピリドピリミジン誘導体を有効成分とする自己免疫性疾患の予防及び/又は治療剤、後天性免疫不全症候群又は癌の予防及び/又は治療剤に関する。より詳細には、テトラヒドロピリドピリミジン誘導体を有効成分とするBR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
生体における免疫作用は本来、細菌、ウイルスあるいは腫瘍などの異種抗原タンパクを認識して排除するための生体防御機構で、外来抗原に対する特異的な反応が起こり、特異的抗体の産生や細胞障害性T細胞の活性化を伴う。これら獲得免疫においてB細胞は液性免疫を介して中心的な役割を果たし、外来性抗原に対する特異的抗体を産生して異種抗原の排除に働く(非特許文献1)。しかしながら自己免疫疾患においては、自己抗原に対する過剰な反応が起こり、自己抗体の産生やT細胞の活性化を伴う。自己免疫反応を背景に有する関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis;RA)や全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus;SLE)などの自己免疫疾患においては、自己反応性B細胞及び自己抗体の産生が亢進しており、それゆえにB細胞の成熟、活性化並びに抗体産生を制御する機構の解明について多くの研究が行われている。
【0003】
B細胞は骨髄造血幹細胞由来で、細胞表面に免疫グロブリンを発現する細胞群であり、末梢血リンパ球の約10〜30%を占め、脾臓においてB細胞受容体(B Cell Receptor;BCR)を介した抗原刺激あるいはT細胞からの活性化刺激を受けて、免疫グロブリン産生細胞(形質細胞)へと分化する。活性化されたB細胞はインターロイキン−6(IL−6)や腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−alpha)などの炎症性サイトカインを産生するとともに、細胞表面に発現するCD40などの共刺激分子を介してT細胞を活性化する。このようにB細胞は、自己抗体産生細胞としてのみならず、抗原提示細胞としての機能や、サイトカイン産生細胞、T細胞とのクロストークを介した自己免疫性疾患の病態形成に大きく関与していることが明らかにされている。さらにB細胞に特異的なCD抗原であるCD20に対するモノクローナル抗体(リツキシマブ、Rituxan, rituximab, 非特許文献2)はB細胞性非ホジキンリンパ腫、RAあるいはSLEの症状改善に有効であることが臨床において確認されつつあり、B細胞を標的とした自己免疫疾患の治療に大きな期待が持たれている。
【0004】
近年、B細胞の生存及び成熟因子としてBAFF(B cell activating factor belonging to TNF superfamily)が発見された(非特許文献3、特許文献1)。BAFFは別名BLyS、TALL−1、THANK、zTNF4、TNFSF13B、又はKayリガンド(特許文献1参照)としても知られ、炎症性サイトカインであるTNF−alphaのスーパーファミリーのメンバーとして位置づけられている。BAFFは単球、マクロファージ、樹状細胞表面に前駆体タンパクとして存在し、インターフェロン−ガンマ(interferon-gamma、IFN-gamma)、LPS(lipopolysaccharide)あるいはインターロイキン−10(IL−10)などの刺激によりその発現が亢進される(非特許文献4)。BAFFはfurin型プロテアーゼのプロセッシングを受けて分泌型となり、この活性化されたBAFFタンパクはホモ三量体を形成して、同様に三量体としてB細胞表面に発現する受容体と結合する(非特許文献5)。BAFFのB細胞に対する主な作用は、アポトーシスに拮抗的に作用するBcl−2を誘導して、B細胞の生存延長や、免疫グロブリンであるIgM産生亢進などといったB細胞の活性化を誘導して自己抗体の過剰産生を亢進する(非特許文献6)。その細胞内シグナルは転写因子NF−kappaB2/p100がp52へプロセシングされることによる(非特許文献7)。BAFFトランスジェニックマウスはリンパ節あるいは脾臓の腫大と、組織中のB細胞の過形成、及び重篤な自己免疫疾患様の表現型が確認されている(非特許文献8、非特許文献9)。一方、BAFFノックアウトマウスについては、成熟B細胞がほとんど観察されず、液性免疫応答の欠如が報告されている(非特許文献10)。
【0005】
これらBAFFトランスジェニックマウスやBAFFノックアウトマウスの表現型などから、B細胞の活性化を伴う自己免疫疾患への関わりが深いことが考察できる。各種自己免疫疾患治療への応用の可能性は、Matsushitaらの総説で示されており、SLE、シェーグレン症候群、RA、全身性強皮症(Systemic Sclerosis;SSc)、多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)、分類不能型免疫不全症(Common Variable Immunodeficiency:CVID)及び非ホジキンリンパ腫など抗腫瘍剤への応用について記載されている(非特許文献11)。また、後天性免疫不全症候群(Aquired Immune Deficiency Syndrome; AIDS)患者では血中T細胞が減少するとともにB細胞の増加及び免疫グロブリン産生が亢進しており、このB細胞表面におけるBAFFタンパクの発現が亢進していることから、AIDSの病態増悪にBAFF及びその受容体が関与していることが示唆される(非特許文献12)。
【0006】
BAFFの受容体としてはBCMA(B Cell Maturation Antigen、別名TNFRSF17、非特許文献13)、TACI(Transmembrane Activator and CAML-Interactor、別名TNFRSF13B、非特許文献14)、及びBR3(別名TNFSFR13C、BAFF Receptor、BAFF−Rと省略されることもある。非特許文献15)の3種類の膜貫通型タンパクが報告され、これら受容体はリガンドと同様にTNF受容体スーパーファミリーのメンバーである。このうちBCMAとTACIにはTNFファミリーメンバーの1つであるAPRIL(A Proliferation Inducing Ligand)がリガンドとして結合する(非特許文献16)。これら3つの受容体のうち、BAFFのB細胞に対する作用は主にBR3を介していることが示唆されている(非特許文献15)。BR3ノックアウトマウスの表現型は、BAFF欠損マウスと同様に成熟型B細胞の欠失、免疫グロブリン産生能の低下などが観察され(非特許文献17)、さらに、BR3遺伝子に自然変異のあるA/WySnJマウスにおいても、末梢B細胞数の著しい低下が見られるなど、B細胞の成熟過程におけるBAFF及びBR3の重要性が示唆されている(非特許文献18)。
【0007】
近年、関節リウマチ(RA)をはじめとする自己免疫疾患の治療のために、標的タンパクの特異的抗体、あるいは標的タンパクの受容体を利用した可溶性受容体といった生物製剤の開発が行われ、例えば、炎症性サイトカインであるTNF−alphaの可溶性受容体タンパク製剤であるエンブレル(Enbrel、Etanercept、非特許文献19)はRA治療に用いられている。同様に、BAFFに対する特異的抗体あるいは、その受容体を利用した可溶性受容体タンパクの開発も進められており、自己免疫疾患及び他のB細胞が関わるとされている疾患の治療を目的として開発されている(非特許文献6)。例えば、抗ヒトBAFF抗体であるベリムマブ(Belimumab、Lymphostat)は、SLEに対して(非特許文献20)、TACI−Fc融合タンパクであるAtaciceptもBAFFの阻害を目的として、SLE患者での臨床試験を行っている(非特許文献21)。また、非ホジキンリンパ腫患者の生存率と血中BAFF濃度の関連も示唆されており(非特許文献22)、自己免疫疾患以外の疾患においてもBAFFを標的とした治療法の開発が期待される。さらに、可溶性受容体であるBR3−Fcの開発もB細胞活性化を制御する目的で進められている(非特許文献23)。
【0008】
以上のようにBAFF及びその受容体を標的として、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、多発性硬化症、分類不能型免疫不全症などの自己免疫疾患、後天性免疫不全症候群及び非ホジキンリンパ腫などの抗腫瘍剤の治療として、抗BAFF抗体、BR3−Fcタンパクといった生物製剤での開発が進められているが、BAFFあるいはその受容体に作用して阻害作用を示す低分子化合物の報告はこれまでになく、僅かにBR3タンパクの部分ペプチドが報告されているのみである(非特許文献24、特許文献2)。また、前述したとおり、BAFFが結合する受容体は少なくとも3種類知られているが、そのうちBR3受容体は唯一BAFF特異的な受容体であり、BAFFシグナルを主に伝達すると考えられている。
【0009】
一方、テトラヒドロピリドピリミジン構造を有する化合物が糖尿病や肥満等の治療に使用できることが、いくつかの文献において開示されている(特許文献3、特許文献4、特許文献5)。中でも、特許文献3には、一般式(A):
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、Rは置換されてもよい低級アルキル基、置換されてもよい環状低級アルキル基、置換されてもよいフェニル基等を意味し、Rは水素原子、置換されてもよい低級アルキル基、置換されてもよい環状低級アルキル基等を意味し、Rは水素原子、置換されてもよい低級アルキル基、置換されてもよいフェニル基等を意味し、Xは酸素原子、硫黄原子又は−N(R)−を意味し、Rは水素原子、低級アルキル基等を意味し、Yは次式(Aa、Ab、Ac):
【0012】
【化2】

【0013】
を意味し、Rは水素原子、低級アルキル基等を意味し、Zは酸素原子又は硫黄原子を意味し、m及びnはそれぞれ、1又は2の整数を意味する。)で表される化合物が記載されている。しかしながら、これらの化合物はMGAT阻害作用に基づく、肥満症、メタボリックシンドローム、高脂血症、高中性脂肪血症、高VLDL血症、高脂肪酸血症、糖尿病、動脈硬化症の治療に有効であることの開示はあるもの、BR3受容体に対するBAFFの結合阻害や自己免疫性疾患、後天性免疫不全症候群及び非ホジキンリンパ腫に関する記載も示唆もない。さらに、特許文献3には、具体的な化合物としてRとRが同時にアルキル基となる化合物は全く記載されていないし、RかRのいずれか一方がアルキル基である化合物については、Rのフェニル基はハロゲン原子で置換された化合物が記載されているだけである。
同様に、その他の文献においても、数百個の化合物が例示されているが、いずれもYがアミド基でありR及びRが同時にアルキル基である化合物は具体的に記載されていない。さらに、BR3受容体に対するBAFFの結合阻害や自己免疫性疾患、後天性免疫不全症候群及び非ホジキンリンパ腫に関する記載や示唆もなく、これらの文献には低分子化合物によるBR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤に有用な化合物を提供しようとする技術的思想も開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】WO99/12964号パンフレット
【特許文献2】WO2005/005462号パンフレット
【特許文献3】WO2008/038768号パンフレット
【特許文献4】WO2008/130581号パンフレット
【特許文献5】WO2008/130584号パンフレット
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Roit Iら, IMMUNOLOGY. Fifth Edition(1998), Mosby International Ltd
【非特許文献2】Eisenberg Rら, Arthritis Res. Ther., 5: 157-159(2003)
【非特許文献3】Moore PAら, Science, 285: 260-263(1999)
【非特許文献4】Nardelli Bら, Blood, 97: 198-204(2001)
【非特許文献5】Schneider Pら, J. Exp. Med., 189: 1747-1756(1999)
【非特許文献6】Kalled SLら, Expert Opin. Ther. Targets, 7: 115-123(2003)
【非特許文献7】Kayagaki Nら, Immunity, 10: 515-524(2002)
【非特許文献8】Khare SDら, Proc. Natl. Acad. Sci., 97: 3370-3375(2000)
【非特許文献9】Mackay Fら, J.Exp.Med., 190: 1697-1710(1999)
【非特許文献10】Schiemann Bら, Science, 293: 2111-2114(2001)
【非特許文献11】Matsushita Tら, Jpn. J. Clin. Immunol., 28: 333-342(2005)
【非特許文献12】Moir Sら, J. Exp. Med., 200: 587-599(2004)
【非特許文献13】Laabi Yら, Nucleic Acids Res., 22: 1147-1154(1994)
【非特許文献14】von Bulow GUら, Science, 278: 138-141(1997)
【非特許文献15】Thompson JSら, Science, 293: 2108-2111(2001)
【非特許文献16】Lopez-Fraga Mら, EMBO Rep., 2: 945-951(2001)
【非特許文献17】Shulga-Morskaya Sら, J. Immunol., 173: 2331-2341(2004)
【非特許文献18】Amanna IJら, J.Immunol., 170: 4593-4600(2003)
【非特許文献19】Lovell DJら, N. Eng. J. Med., 342; 763-769(2000)
【非特許文献20】Furie Rら, Arthritis Res. Ther., 10: R109(2008)
【非特許文献21】Dall’Era Mら, Arthritis Rheum. 56: 4142-4150(2007)
【非特許文献22】Novak AJら, Blood, 104: 2247-2253(2004)
【非特許文献23】Vugmeyster Yら, Am. J. Pathol., 168: 476-489(2006)
【非特許文献24】Gordon NCら, Biochemistry, 42: 5977-5983(2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
前述したように、BR3受容体に対するBAFFの結合を阻害することにより、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、多発性硬化症、分類不能型免疫不全症などの自己免疫疾患の予防及び治療効果、並びに後天性免疫不全症候群又は癌の予防及び/又は治療効果に優れた薬剤を提供することができることが知られている。
本発明の目的は、BR3受容体に対するBAFFの結合を阻害し、自己免疫性疾患の予防及び治療効果、後天性免疫不全症候群又は癌の予防及び/又は治療効果に優れた薬剤を提供することにある。特に、本発明はBR3受容体に対するBAFFの結合を阻害し得る低分子化合物、及び当該低分子化合物を用いたBR3受容体に対するBAFFの結合の阻害剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以上のように、BAFFの結合阻害剤は、抗BAFF抗体、BR3−Fc受容体などの生物製剤での開発が進められているが、低分子化合物の報告はこれまでされていない。また前述したとおり、BAFFが結合する受容体は少なくとも3種類知られているが、そのうちBR3受容体が最も重要であることも示唆されている。そこで、このBAFF−BR3結合を阻害する低分子化合物の創生を目指したスクリーニングを行うこととし、BR3発現細胞の作製及びそれを用いたリガンド−受容体結合アッセイ系を構築してスクリーニングを行った結果、まったく意外にも本発明のテトラヒドロピリドピリミジン誘導体がこのBAFF−BR3結合を阻害することを見出し、本発明を完成した。
【0018】
すなわち本発明は、次の一般式(1):
【0019】
【化3】

【0020】
[式中、
は、C1−10アルキル基を示し、
、Rは、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、又はC1−10アルキル基を示し、
Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜24のアリール基を示し、
m、nは、それぞれ1又は2の整数を示す。]
で表される化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分とするBR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤、BR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤として使用される医薬組成物を提供する。本発明の一般式(1)で表される化合物は、BR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤として、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、多発性硬化症及び分類不能型免疫不全症などの自己免疫性疾患の予防及び/又は治療剤として使用することができる。また、本発明の一般式(1)で表される化合物は、同様に、BR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤として、後天性免疫不全症候群の予防及び/又は治療剤、及び非ホジキンリンパ腫の予防及び/又は治療剤として使用することができる。
【0021】
本発明を詳細に説明すれば、次のとおりである。
[1]前記一般式(1)で表される化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有してなるBR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤。
[2]前記一般式(1)におけるR及びRが、メチル基であり、Rが水素原子である前記[1]に記載の結合阻害剤。
[3]前記一般式(1)におけるArが、炭素数1〜6の飽和のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる1個又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基である前記[1]又は[2]に記載の結合阻害剤。
[4]前記一般式(1)で表される化合物が、次の化合物:
N−(4−イソプロピルフェニル)−3−メチル−2−(メチルアミノ)−4−オキソ−3,4,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキサミド、
N−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−(メチルアミノ)−4−オキソ−3,4,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキサミド、
3−メチル−2−(メチルアミノ)−4−オキソ−N−(4−フェノキシフェニル)−3,4,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキサミド、
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−メチル−2−(メチルアミノ)−4−オキソ−3,4,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキサミド、及び、
3−メチル−2−(メチルアミノ)−4−オキソ−N−(4−フェノキシフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロピリド[3,4−d]ピリミジン−7(8H)−カルボキサミド
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物である、前記[1]から[3]のいずれかに記載の結合阻害剤。
[5]前記[1]から[4]のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物、及び製薬上許容される担体を含有してなるBR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤として使用するための医薬組成物。
【0022】
[6]前記[1]から[4]のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分とする自己免疫性疾患の予防及び/又は治療剤、
[7]前記自己免疫性疾患が、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、多発性硬化症及び分類不能型免疫不全症からなる群から選択される少なくとも1つである、前記[6]に記載の予防及び/又は治療剤、
【0023】
[8]前記[1]から[4]のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分とする後天性免疫不全症候群の予防及び/又は治療剤、
[9]前記[1]から[4]のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分とする非ホジキンリンパ腫の予防及び/又は治療剤、及び
[10]前記非ホジキンリンパ腫が、前駆B細胞リンパ芽球性リンパ腫、慢性Bリンパ球性白血病、前駆細胞性白血病、小リンパ球性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、免疫細胞腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、辺縁リンパ腫、ヘアリー細胞白血病、形質細胞腫、形質細胞性骨髄腫、びまん性大細胞型リンパ腫及びバーキットリンパ腫からなる群から選択される少なくとも1つである、前記[9]に記載の予防及び/又は治療剤に関する。
【0024】
また、本発明は、前記[1]から[4]のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の有効量を、自己免疫性疾患、後天性免疫不全症候群又は非ホジキンリンパ腫の患者に投与することを特徴とする自己免疫性疾患、後天性免疫不全症候群又は非ホジキンリンパ腫の予防及び/又は治療方法に関する。
【0025】
また、本発明は、前記[1]から[4]のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する自己免疫性疾患、後天性免疫不全症候群又は非ホジキンリンパ腫の予防及び/又は治療剤の製造のための前記[1]から[4]のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物の使用に関する。
【0026】
また、本発明は、自己免疫性疾患、後天性免疫不全症候群又は非ホジキンリンパ腫の予防及び/又は治療に用いるための前記[1]から[4]のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物に関する。
【0027】
さらに、本発明は、前記[1]から[4]のいずれかに記載の化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物をBR3受容体を有する細胞に接触させて、BR3受容体に対するBAFFの結合を阻害する方法に関する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の、一般式(1)で表される化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物は、BR3受容体に対するBAFFの結合阻害作用を有し、かつ低分子化合物であり、BAFF受容体の可溶性タンパク等と異なり経口投与が可能であり、自己免疫性疾患、後天性免疫不全症候群又は癌の予防及び/又は治療剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における用語の定義は以下のとおりである。
【0030】
本明細書中で使用するとき、非ホジキンリンパ腫とは、悪性リンパ腫の中で、ホジキンリンパ腫以外の悪性リンパ腫であり、例えば、Revised European American Lymphoma (REAL)分類などにより既に細分化、体系化されている(例えば、Harris et al., Blood, 84 (5), 1361-1392 (1994)、溝口ら, 別冊医学のあゆみ, 血液疾患Ver.2, 医歯薬出版, 303-307(1998)等を参照)。本発明の非ホジキンリンパ腫としては、例えば、B細胞リンパ腫(前駆B細胞リンパ芽球性リンパ腫(precursor B-lymphoblastic leukemia)、慢性Bリンパ球性白血病(B-cell chronic lymphocytic leukemia)、前駆細胞性白血病(B-cell prolymphocytic leukemia)、小リンパ球性リンパ腫(B-cell small lymphocytic lymphoma)、リンパ形質細胞性リンパ腫(lymphoplasmacytoid lymphoma)、免疫細胞腫(immunocytoma)、マントル細胞リンパ腫(Mantle cell lymphoma)、濾胞性リンパ腫(follicle center lymphoma)、辺縁リンパ腫(Marginal zone B-cell lymphoma)、ヘアリー細胞白血病(Hairy cell leukemia)、形質細胞腫(Plasmacytoma)、形質細胞性骨髄腫(plasma cell myeloma)、びまん性大細胞型リンパ腫(Diffuse Large B-cell lymphoma)、バーキットリンパ腫(Burkitt‘s lymphoma)等)、T細胞リンパ腫又はNK細胞リンパ腫(慢性Tリンパ球性白血病(T-cell chronic lymphocytic leukernia)、前駆リンパ球性白血病(T-cell prolymphocytic leukemia)、大顆粒Tリンパ球性白血病(T-cell Large granular lymphocyte leukemia)、大顆粒NK細胞性白血病(NK-cell Large granular lymphocyte leukemia)、菌状息肉腫(Mycosis fungoides)、セザリー症候群(Sezary syndrome)、末梢T細胞リンパ腫(Peripheral T-cell lymphomas)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(Angioimmunoblastic T-cell lymphoma)、血管中枢性リンパ腫(Angiocentric lymphoma)、腸管T細胞リンパ腫(Intestinal T-cell lymphoma)、成人T細胞リンパ腫(Adult T-cell lymphoma)、未分化大細胞リンパ腫(Anaplastic large cell lymphoma)等)等が挙げられる。
【0031】
本明細書中で使用するとき、「C1−10アルキル基」とは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の鎖状又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を意味する。「C1−10アルキル基」としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。
【0032】
本発明の一般式(1)における炭素数6〜24のアリール基としては、炭素数6〜24、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12の単環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基が挙げられる。このような炭素環式芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アズレニル基、フェナントリル基、アントリル基などが挙げられる。
これらのアリール基の1個以上の水素原子は置換基で置換されていてもよく、このような置換基としては、例えば、1〜6個のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜11のアルキルカルボニル基、炭素数8〜16のアラルキルカルボニル基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキレンジオキシ基、炭素数6〜24のアリールオキシ基、炭素数7〜15のアラルキルオキシ基、炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基などが挙げられる。
【0033】
炭素数1〜10のアルキル基としては、前記したアルキル基が挙げられる。
炭素数2〜11のアルキルカルボニル基としては、前記した炭素数1〜10のアルキル基にカルボニル(−CO−)が結合した基が挙げられる。このような基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基などが挙げられる。
炭素数7〜15のアラルキル基としては、炭素数6〜12、好ましくは炭素数6〜10の単環式、多環式、又は縮合環式のアリール基に、前記した炭素数1〜10のアルキル基が結合した、炭素数7〜15、好ましくは炭素数7〜10のアラルキル基が挙げられる。このような基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、α−ナフチル−メチル基などが挙げられる。
炭素数8〜16のアラルキルカルボニル基としては、前記した炭素数7〜15のアラルキル基にカルボニル基(−CO−)が結合した基が挙げられる。このような基としては、例えば、ベンジルカルボニル基、フェネチルカルボニル基、α−ナフチル−メチルカルボニル基などが挙げられる。
炭素数7〜15のアラルキルオキシ基としては、前記した炭素数7〜15のアラルキル基の酸素原子(−O−)が結合した基が挙げられる。このような基としては、例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、α−ナフチル−メトキシ基などが挙げられる。
【0034】
炭素数1〜10のアルコキシ基としては、前記した炭素数1〜10のアルキル基に酸素原子(−O−)が結合した基が挙げられる。このような基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基等が挙げられる。
炭素数6〜24のアリールオキシ基としては、前記した炭素数6〜24のアリール基に酸素原子(−O−)が結合した基が挙げられる。このような基としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アズレニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、フェナントリルオキシ基、アントリルオキシ基などが挙げられる。
炭素数1〜5のアルキレンジオキシ基としては、炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルキレンジオキシ鎖が挙げられる。このような基としては、例えば、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、n−プロピレンジオキシ基などが挙げられる。
炭素数1〜10のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基としては、アミノ基、モノアルキルアミノ基、及びジアルキルアミノ基が挙げられる。これらのアルキル基としては前記した炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。このような基としては、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基などが挙げられる。
【0035】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
1〜6個のハロゲン原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基としては、前記した炭素数1〜10のアルキル基の1〜6個、好ましくは1〜3個の水素原子が、前記したハロゲン原子で置換されたアルキル基が挙げられる。このような基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基などが挙げられる。
【0036】
一般式(1)における好ましいRとしては、C1−6アルキル基、より好ましくは直鎖状の飽和のC1−4アルキル基が挙げられる。好ましいRとしては、例えば、メチル基又はエチル基が挙げられる。
【0037】
一般式(1)における好ましいR及びRとしては、水素原子、C1−6アルキル基、より好ましくはR及びRのいずれかが直鎖状の飽和のC1−4アルキル基のものが挙げられる。好ましいRとしては、炭素数1〜4の直鎖状の飽和のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。好ましいRとしては、水素原子が挙げられる。
【0038】
一般式(1)における好ましいArとしては、炭素数6〜12、好ましくは炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる。特に好ましいArとしてはフェニル基が挙げられる。
一般式(1)におけるより好ましいArとしては、置換基を有するアリール基が挙げられ、より好ましくは置換基を有するフェニル基が挙げられる。置換基としては、前記したものが挙げられるが、好ましい置換基としては、前記した炭素数1〜10のアルキル基、前記した炭素数1〜10のアルコキシ基、前記した炭素数6〜10のアリールオキシ基が挙げられる。置換位置は特に制限はされないが、オルト位又はパラ位が好ましい。置換基数も特に制限はないが、アリール基がフェニル基の場合には、1個又は2個が好ましい。好ましい置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペントキシ基、フェノキシ基などが挙げられる。より好ましい置換基としては、イソプロピル基、n−ブトキシ基、フェノキシ基などが挙げられる。
【0039】
一般式(1)における好ましいm及びnとしては、m+nが3の場合が挙げられる。即ち、mが1の場合の好ましいnは2であり、mが2の場合の好ましいnは1である。
本発明のさらに好ましい一般式(1)としては、Rが炭素数1〜6の飽和のアルキル基を示し、Rが炭素数1〜6の飽和のアルキル基を示し、Rが水素原子を示し、Arが炭素数1〜6の飽和のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、及び炭素数6〜10のアリールオキシ基からなる群から選ばれる1個又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル基を示し、m及びnはm+nが3となる整数を示す化合物が挙げられる。
【0040】
本発明の一般式(1)で表されるテトラヒドロピリドピリミジン誘導体の好ましい具体例としては、例えば、表1に示す化合物を挙げることができる。これら表1に示す化合物はPolyphor Ltd(ポリフォール社)から入手することができる。
【0041】
【表1】

【0042】
本発明の一般式(1)で表されるテトラヒドロピリドピリミジン誘導体、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物は、本発明のテトラヒドロピリドピリミジン誘導体のみならず、その医薬として許容される塩、それらの各種の水和物や溶媒和物、及び結晶多形を有する物質、及びこれらの物質のプロドラッグとなる物質を包含している。
【0043】
本発明の一般式(1)で表されるテトラヒドロピリドピリミジン誘導体として許容される塩としては、具体的には、化合物を塩基性化合物として扱う場合は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等)や有機酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)との酸付加塩等が挙げられる。一方、該化合物を酸性化合物として扱う場合には、無機塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、バリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等)等が挙げられる。
【0044】
本発明の一般式(1)で表されるテトラヒドロピリドピリミジン誘導体やその医薬として許容される塩の溶媒和物としては、水和物や各種の溶媒和物(例えば、エタノールなどのアルコールとの溶媒和物)が挙げられる。
【0045】
本発明の一般式(1)で表されるテトラヒドロピリドピリミジン誘導体は、Hetrocycles, 55(1), 115-125 (2001)、WO2008/038768号パンフレット等に記載の公知の方法により製造することができる。例えば、下記反応工程図に示す方法、あるいはこれに準じた方法により製造することができるが、これに限定されるものではない。また、必要に応じて官能基を保護して各反応を行ってもよい。保護、脱保護条件としては一般に用いられる方法(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして行うことができる。
【0046】
【化4】

【0047】
[式中、R、R、R、Ar、m、nは、前記定義と同義であり、Rは、カルボキシル基の保護基(低級アルキル基、ベンジル基等)を示し、Pは、アミノ基の保護基(ベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)を示し、Xはハロゲン原子を示す。]
【0048】
[工程1]化合物(I)とイソチオシアネート化合物(II)とを、溶媒中、塩基の存在下で反応させることにより、化合物(III)を製造することができる。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。塩基としては特に制限はないが、例えば、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、コリジン、ルチジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクテン(DABCO)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルペンチルアミン、トリメチルアミン等の有機塩基類、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基類を使用することができる。また、ピリジンのような有機塩基を溶媒兼塩基として用いてもよい。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、室温〜120℃であり、反応時間は、通常、1時間〜2日間である。
【0049】
[工程2]化合物(III)を溶媒中、塩基の存在下でハロゲン化アルキル(IV)と反応させることにより、化合物(V)を製造することができる。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノールのようなアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類等が挙げられる。塩基としては特に制限はないが、例えば、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、コリジン、ルチジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクテン(DABCO)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルペンチルアミン、トリメチルアミン等の有機塩基類、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコラート類を使用することができる。ハロゲン化アルキルとしては、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、塩化ペンチル、塩化へキシル等が挙げられる。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、0〜100℃であり、反応時間は、通常、30分〜24時間である。
【0050】
[工程3]化合物(V)を溶媒中、酸化剤の存在下反応することにより、化合物(VI)を製造することができる。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、エチレングリコールのようなアルコール類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸などの過酸類の他、メタ過ヨウ素酸、ヒドロペルオキシド、オゾン、二酸化セレン、クロム酸、四酸化二窒素、硝酸アシル、ヨウ素、臭素、N−ブロモスクシンイミド、ヨードシルベンゼン、次亜塩素酸tert−ブチル等が挙げられる。また、ジメチルスルホキシドを溶媒兼酸化剤として用いてもよい。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、−78〜100℃であり、反応時間は、通常、30分〜7日間である。
【0051】
[工程4]化合物(VI)とアルキルアミン化合物(VII)とを、溶媒中、塩基の存在下で反応することにより、化合物(VIII)を製造することができる。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、エチレングリコールのようなアルコール類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。塩基としては、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、コリジン、ルチジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクテン(DABCO)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルペンチルアミン、トリメチルアミン等の有機塩基類が挙げられる。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、室温〜200℃であり、反応時間は、通常、30分〜24時間である。
【0052】
[工程5]化合物(VIII)の保護基Pを脱保護することにより、化合物(IX)を製造することができる。脱保護の方法及び条件は保護基Pの種類によって異なる。例えばベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基は接触水素付加により、tert−ブトキシカルボニル基は酸により脱保護できるが、その方法は有機化学で一般に用いられる方法(Protective Groups in Organic Synthesis Third Edition, John Wiley & Sons, Inc.)を参考にして行うことができる。
【0053】
[工程6]化合物(IX)とイソシアネート化合物(X)とを、溶媒中、塩基の存在下で反応することにより、本発明のテトラヒドロピリドピリミジン誘導体(1)を製造することができる。本工程で用いる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。塩基としては特に制限はないが、例えば、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、コリジン、ルチジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクテン(DABCO)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルペンチルアミン、トリメチルアミン等の有機塩基類、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基類を使用することができる。本工程における反応温度は、使用する原料、溶媒によって異なるが、通常、室温〜120℃であり、反応時間は、通常、1時間〜2日間である。
【0054】
前記の各反応で得られた中間体及び目的物は、有機合成化学で常用されている精製法、例えば、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して必要に応じて単離、精製することができる。また、中間体においては、特に精製することなく次反応に供することもできる。
【0055】
さらに、各種の異性体は異性体間の物理化学的性質の差を利用した常法を適用して単離できる。例えば、ラセミ混合物は、例えば、酒石酸等の一般的な光学活性酸とのジアステレオマー塩に導き光学分割する方法、又は、光学活性カラムクロマトグラフィーを用いた方法等の一般的ラセミ分割法により、光学的に純粋な異性体に導くことができる。また、ジアステレオマー混合物は、例えば、分別結晶化又は各種クロマトグラフィー等により分割できる。また、光学活性な化合物は適当な光学活性な原料を用いることにより製造することもできる。
【0056】
本発明のBR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤、又は自己免疫性疾患の予防及び/又は治療剤は、一般式(1)で表されるテトラヒドロピリドピリミジン誘導体、その塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有するものであって、医薬組成物として使用することができる。その場合、本発明の化合物を単独で用いてもよいが、通常は医薬として許容される担体、及び/又は希釈剤を配合して使用される。
【0057】
投与経路は、特に限定されないが、治療目的に応じて適宜選択することができる。例えば、経口剤、注射剤、坐剤、吸入剤等のいずれでもよい。これらの投与形態に適した医薬組成物は、公知の製剤方法を利用することによって製造できる。
【0058】
経口用固形製剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物に医薬として許容される賦形剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法を利用して、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。添加剤は、当該分野で一般的に使用されているものでよい。例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等が挙げられる。結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。矯味剤としては、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
【0059】
経口用液体製剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法を利用して内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。矯味剤としては上記に挙げられたものでよく、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定化剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
【0060】
注射剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法を利用して皮下、筋肉及び静脈内注射剤を製造することができる。pH調製剤及び緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が挙げられる。
【0061】
坐剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物に公知の坐剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセライド等、更に必要に応じて界面活性剤(例えば、ツイーン(登録商標))等を加えた後、常法を利用して製造することができる。
【0062】
上記以外に、常法を利用して適宜好ましい製剤とすることもできる。
【0063】
本発明の一般式(1)で表されるテトラヒドロピリドピリミジン誘導体の投与量は年齢、体重、症状、投与形態及び投与回数等によって異なるが、通常は成人に対して一般式(1)で表される化合物として1日あたり0.1mg〜1000mg、好ましくは1mg〜1000mg、より好ましくは1mg〜500mgを、1回又は数回に分けて経口投与又は非経口投与するのが好ましい。
【実施例】
【0064】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0065】
[実施例1] BAFFとBR3受容体の結合阻害試験
1)BR3発現細胞の樹立
ヒトBR3遺伝子は、GenBank Accession No.AF373846に記載の配列を参考にしてヒトB細胞培養株であるRaji細胞由来RNAからRT−PCR法により全長を取得しクローニングベクターであるpBlueScript IIベクター(Stratagen社)へサブクローニングした。引き続き同遺伝子を哺乳細胞発現用ベクターであるpEAK10ベクター(EdgeBio社)に挿入し、大腸菌株DH5α(TOYOBO社)を形質転換してクローンを取得し、プラスミドDNAを大量調製後、リポフェクション法によりハムスター卵巣上皮由来細胞株であるCHO−K1細胞にトランスフェクションした。CHO−K1細胞は10%ウシ胎仔血清、ペニシリン、ストレプトマイシンを含むNutrient Mixture Ham's F-12培地(Sigma社)を用いて継代培養した。ピューロマイシン薬剤耐性細胞クローンを得た後、マウス抗ヒトBR3抗体(Abcam社)及びFITC標識抗マウスIgG抗体(Prozyme社)によるフローサイトメトリー法によりBR3タンパクの発現を確認した。
【0066】
2)結合試験
リガンド−受容体結合試験は以下の通り行った。蛍光標識BAFFについては、組換えヒトBAFF(PeproTech社)をFMAT Blue標識キット(Applied Biosystems社)を用いて蛍光標識したものを用いた。BR3発現CHO−K1細胞を96 well black clearマイクロタイタープレートに1.0×10で播き、COインキュベータ中で1晩培養した。培地を除去後、20mM Hepes緩衝(pH7.4)、Hank's Balanced Salt Solution(Sigma社)(0.1%BSA、0.1%NaN、0.08%CHAPSを含む)を反応液として、被検化合物、標識BAFFの順で加えた後、25℃、暗所にて6時間静置後の蛍光標識BAFFと発現細胞のBR3受容体の親和性を蛍光検出器FMAT8200CDS(Applied Biosystems社)を用いて検出した。蛍光標識BAFFのみの最大反応を100%として、各被検化合物の50%阻害濃度(IC50値)を測定した。なお、化合物1及び2はPolyphor社より入手可能であり、本試験においては同社より購入したものをそのまま用いた。EC50値は、統計解析プログラム、SAS前臨床パッケージVer5.0(SAS institute Japan Co., 東京)を用いて算出した。
【0067】
3)結果
化合物1は26μM、化合物2は14μM、化合物5は23μMのIC50値を示した。また、化合物3及び4も、25μMで40%以上の阻害活性を有していた。以上より、本発明の化合物は強いBAFFとBR3受容体の結合阻害作用を有していることが確認された。したがって、本発明の一般式(1)で表されるテトラヒドロピリドピリミジン誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物が、BAFFとBR3受容体の結合阻害作用に基づいて、自己免疫性疾患、後天性免疫不全症候群又は非ホジキンリンパ腫の予防及び/又は治療剤として有効であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、一般式(1)で表されるテトラヒドロピリドピリミジン誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物が、優れたBAFFとBR3受容体の結合阻害作用を有していることを初めて見出し、経口投与可能な低分子性の自己免疫性疾患、後天性免疫不全症候群又は非ホジキンリンパ腫の予防及び/又は治療剤を提供するものである。本発明は、低分子性の新たな自己免疫性疾患、後天性免疫不全症候群又は非ホジキンリンパ腫の予防及び/又は治療剤を提供し、製薬工業において有用であり、産業上の利用可能性を有している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(1):
【化1】

[式中、
は、C1−10アルキル基を示し、
、Rは、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、又はC1−10アルキル基を示し、
Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜24のアリール基を示し、
m、nは、それぞれ1又は2の整数を示す。]
で表される化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分とするBR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤。
【請求項2】
一般式(1)で表される化合物が、次の化合物:
N−(4−イソプロピルフェニル)−3−メチル−2−(メチルアミノ)−4−オキソ−3,4,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキサミド、
N−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−(メチルアミノ)−4−オキソ−3,4,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキサミド、
3−メチル−2−(メチルアミノ)−4−オキソ−N−(4−フェノキシフェニル)−3,4,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキサミド、
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−3−メチル−2−(メチルアミノ)−4−オキソ−3,4,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキサミド、及び、
3−メチル−2−(メチルアミノ)−4−オキソ−N−(4−フェノキシフェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロピリド[3,4−d]ピリミジン−7(8H)−カルボキサミド
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物である、請求項1に記載のBR3受容体に対するBAFFの結合阻害剤。
【請求項3】
次の一般式(1):
【化2】

[式中、
は、C1−10アルキル基を示し、
、Rは、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、又はC1−10アルキル基を示し、
Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜24のアリール基を示し、
m、nは、それぞれ1又は2の整数を示す。]
で表される化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分とする自己免疫性疾患の予防及び/又は治療剤。
【請求項4】
前記自己免疫性疾患が、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、全身性強皮症、多発性硬化症及び分類不能型免疫不全症からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項3に記載の予防及び/又は治療剤。
【請求項5】
次の一般式(1):
【化3】

[式中、
は、C1−10アルキル基を示し、
、Rは、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、又はC1−10アルキル基を示し、
Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜24のアリール基を示し、
m、nは、それぞれ1又は2の整数を示す。]
で表される化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分とする後天性免疫不全症候群の予防及び/又は治療剤。
【請求項6】
次の一般式(1):
【化4】

[式中、
は、C1−10アルキル基を示し、
、Rは、互いに同一又は異なっていてもよく、水素原子、又はC1−10アルキル基を示し、
Arは、置換基を有してもよい炭素数6〜24のアリール基を示し、
m、nは、それぞれ1又は2の整数を示す。]
で表される化合物、若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を有効成分とする非ホジキンリンパ腫の予防及び/又は治療剤。
【請求項7】
前記非ホジキンリンパ腫が、前駆B細胞リンパ芽球性リンパ腫、慢性Bリンパ球性白血病、前駆細胞性白血病、小リンパ球性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、免疫細胞腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、辺縁リンパ腫、ヘアリー細胞白血病、形質細胞腫、形質細胞性骨髄腫、びまん性大細胞型リンパ腫及びバーキットリンパ腫からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項6に記載の予防及び/又は治療剤。

【公開番号】特開2012−126698(P2012−126698A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282017(P2010−282017)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「化合物等を活用した生物システム制御基盤技術開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(597018716)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】