説明

テトラヒドロベンズアゼピンおよびドーパミンD3レセプターの調節におけるこれらの使用

本発明は、記号Ar、A、B、Y、RおよびRが、請求項1に記載の意味を有する一般式(I)のテトラヒドロベンズアゼピン、ならびに、これらの化合物のN−オキシド、これらの化合物の生理学的に受容できる酸付加塩、およびこれらN−オキシドの生理学的に受容できる酸付加塩に関する。本発明はまた、少なくとも1つの式(I)のテトラヒドロベンズアゼピン、式(I)の化合物のN−オキシドおよび/または(I)のN−オキシドの生理学的に受容できる酸付加塩を含む医薬組成物に関し、さらにドーパミンDレセプターアンタゴニストまたはドーパミンDアゴニストの影響を有利に受ける障害の処置のための、本発明の化合物の使用に関する。本発明の化合物は、統合失調症およびうつ病のような中枢神経障害の処置、および腎機能障害の処置のために好適に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規テトラヒドロベンズアゼピンに関する。本化合物は、価値ある治療特性を有し、特にドーパミンDレセプターの調節に対応する障害の処置に適している。
【背景技術】
【0002】
ニューロンは、とりわけGタンパク質共役レセプターを介して情報を受け取る。これらのレセプターを介して効果を発揮する多数の物質が存在する。これらの1つは、ドーパミンである。ドーパミンの存在および神経伝達物質としての生理機能に関する確かな知見が得られている。ドーパミン作動性伝達システムでの混乱は、中枢神経系の障害(この例としては、統合失調症、うつ病またはパーキンソン病が挙げられる。)をもたらす。これらの障害および他の障害は、ドーパミンレセプターと相互作用する医薬で処置される。
【0003】
1990年まで、2つのサブタイプのドーパミンレセプター、すなわちDおよびDが、薬理学的に明確に規定されていた。より最近になって、第3のサブタイプ、すなわち抗精神疾患および抗パーキンソン病の薬剤のいくつかの効果を媒介すると考えられるドーパミンDレセプターが発見された(J.C.Schwartzら、The Dopamine D Receptor as a Target for Antipsychotics in NoVel Antipsychotic Drugs,H.Y.Meltzer,Ed.RaVen Press,New York 1992,135−144頁;M.Dooleyら、Drugs and Aging 1998,12,495−514、J.N.Joyce,Pharmacology and Therapeutics 2001,90,231−59頁「The Dopamine D Receptor as a Therapeutic Target for Antipsychotic and Antiparkinsonian Drugs」)。
【0004】
現在、ドーパミンレセプターは、2つのファミリーに分けられる。1方は、D、DおよびDレセプターからなるDグループであり、他方は、DおよびDレセプターからなるDグループである。DおよびDレセプターは、広範囲なものであるが、対照的に、Dレセプターは、位置選択的に発現されると思われる。したがって、これらのレセプターは、大脳辺縁系、中脳辺縁系ドーパミン系の突起部位、特に中隔側坐核で選択的に見出されるが、扁桃のような他の領域でも見出される。このいくぶん位置選択的である発現のために、Dレセプターは、副作用がほとんどない標的と見なされる。選択的なDリガンドは、公知の抗精神病特性を有するが、これらのドーパミンDのレセプターによって媒介される神経の副作用は有しないと考えられている(P.Sokoloffら,Localization and Function of the D Dopamine Receptor,Arzneim.Forsch/Drug Res.42(1),224(1992);P.Sokoloffら,Molecular Cloning and Characterization of a NoVel Dopamine Receptor (D) as a Target for Neuroleptics,Nature,347,146(1990))。
【0005】
ドーパミンDレセプター親和性を有する化合物は、従来技術において繰り返し記述されてきた(例えば、WO96/02519、WO96/02520、WO96/02249、WO96/02246およびドイツ国特許DE10131543およびWO99/02503)。これらの化合物のいくつかは、ドーパミンDレセプターに対する高い親和性を有する。従って、これらは、中枢神経系の障害の処置のために提案されている。
【0006】
WO00/21951は、一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン化合物について記述しており、
【0007】
【化5】

【0008】
ここで、Aは芳香族基もしくはヘテロ芳香族基または芳香族基もしくはヘテロ芳香族基を有する官能基であり、Rはとりわけ水素、ハロゲン、CN、アセチル、3−メチルオキサ−1,4−ジアゾル−1−イル、ピリジル、ピリミジニル、5−メチルイソキサゾル−3−イル、ピロリジニルカルボニルまたはメチルスルホニルオキシであり、qは1または2であり、およびRは水素またはアルキル基である。このタイプの化合物は、ドーパミンD2レセプターと比べ、ドーパミンD3レセプターに対して中くらいの選択性を示す。
【0009】
WO02/40471は、一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン化合物について記述しており、
【0010】
【化6】

式中、Aはヘテロ芳香族基であり、Bは硫黄またはCH基であり、tは3または4であり、RおよびRは互いに独立してH、F、Cl、Br、OH、CN、アルキル、アルコキシまたはNOであり、およびRおよびRは互いに独立して水素または多くの可能性のある置換基である。Rは、好ましくは水素ではない置換基であり、特にアルキルスルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ジアルキルアミノスルホニル、N−ヘテロシクリルスルホニル(例えば、N−ピロリジニルスルホニル、N−モルホリニルスルホニル、N−ピペリジニルスルホニル)またはヘテロ芳香族基(例えば、5−メチルイソキサゾル−3−イルまたは3−メチルオキサゾリル)である。このタイプの化合物は、ドーパミンD2レセプターと比べ、ドーパミンD3レセプターに対して中くらいの選択性を示す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が基づく目的は、選択性ドーパミンDレセプターリガンドとして作用する化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン、この化合物のN−オキシド、この化合物の生理学的に受容できる酸付加塩、およびこのN−オキシドの生理学的に受容できる酸付加塩によって達成される。
【0013】
【化7】

[ここで、
Aは、単結合またはCHであり;
Bは、単結合またはNR基であり;
Yは、単結合、CHまたはNR基であり、但し、A、BおよびYは同時に単結合ではなく;
Arは、フェニル、ならびにO、NおよびSから互いとは独立して選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロ芳香族基から選択される芳香族基であり、この芳香族基は1、2もしくは3個の置換基を場合により有することができ[前記置換基は、OH、C−C−アルコキシ、ハロゲンもしくはフェニルにより1回またはそれ以上場合により置換されるC−C−アルキル、またはOH、C−C−アルコキシ、ハロゲンもしくはフェニルにより1回またはそれ以上場合により置換されるC−C−アルケニル、またはOH、C−C−アルコキシ、ハロゲンもしくはフェニルにより1回またはそれ以上場合により置換されるC−C−アルキニル、またはOH、C−C−アルコキシ、ハロゲン、フェニルまたはC−C−アルキルにより1回またはそれ以上場合により置換されるC−C−シクロアルキル、またはハロゲン、CN、OR、COOR、NR、CONR、NO、SR、SO、SONR、CORから互いに独立して選択され、ならびにC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、NR、CN、C−C−フルオロアルキルもしくはハロゲンから独立して選択される1、2もしくは3個の置換基を場合により有するフェニルから選択される。]、ここで、フェニルおよび前記ヘテロ環基は、5員もしくは6員の芳香族炭素環もしくは非芳香族炭素環へ縮合することもまたでき、またはフェニルは、O、NおよびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の芳香族炭素環もしくは非芳香族炭素環へ縮合することもでき;
は、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルカルボニルであり、またはOH、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、フェニル、フェノキシ、C−C−シクロアルキルおよびC−C−シクロアルキルオキシ(ここで最後の4つの基は、場合によりOH、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびハロゲンから選択される1つ以上の置換基を有する。)から選択される置換基を有する置換C−C−アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、OH、NO、CN、COOR、NRまたはCONRであり、;
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、フェニル、フェニル−C−C−アルキルまたはフェニルカルボニルであり、ここで最後の3つの基は、場合によりC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシおよびハロゲンから互いに独立して選択される1、2または3つの置換基を有することができ;
からRは、互いに独立して、H、C−C−アルキル(このC−C−アルキルはOH、C−C−アルコキシおよび場合により置換されるフェニルから選択される置換基を場合により有する。)、C−C−ハロアルキルまたはフェニルであり、ここで、RはCOR基であり得[RはH、C−C−アルキル(このC−C−アルキルはOH、C−Cアルコキシもしくは場合により置換されるフェニルで場合により置換される。)、C−C−ハロアルキルまたはフェニルである。];
およびRは、また、これらが結合している窒素原子と一緒になって、環構成要素として、O、S、NR10から選択されるさらなるヘテロ原子を場合により有する5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和のN−ヘテロ環にもなることができ、R10は水素またはC−C−アルキルである。]
【0014】
したがって、本発明は、一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン、これらのN−オキシドおよびこれらの生理学的に受容できる酸付加塩、ならびにこれらN−オキシドの生理学的に受容できる酸付加塩に関する。
【0015】
本発明はまた、ドーパミンDレセプターのアンタゴニストまたはアゴニストの影響を受ける障害を処置する目的の医薬組成物を製造するための一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピンの使用、これらのN−オキシドの使用、およびこれらの酸付加塩の使用に関する。
【0016】
ドーパミンDレセプターのアンタゴニストまたはアゴニストの影響を受ける障害としては、特に中枢神経系の混乱および障害、とりわけ感情障害、神経障害、ストレス障害および身体表現性障害および精神病(具体的には、統合失調症およびうつ病)、さらに腎機能障害、特に糖尿病によって引き起こされた腎機能障害が挙げられる(WO00/67847参照)。
【0017】
上記症例は、冒頭で述べた意義を有する式Iの化合物を少なくとも1つを使用することにより、本発明に従って処置される。式Iの化合物が1つまたはそれ以上の不斉中心を有する場合、光学異性体の混合物(特にラセミ化合物)、ジアステレオマーの混合物、互変異性体の混合物、好ましくは各々実質的に純粋な光学異性体、ジアステレオマーおよび互変異性体を使用することもまた可能である。
【0018】
式Iの化合物の生理学的に受容できる塩、特に生理学的に受容できる酸との酸付加塩を使うことも同様に可能である。適切な生理学的に受容できる有機酸もしくは無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、C−C−アルキルスルホン酸(例えば、メチルスルホン酸)、芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸およびトルエンスルホン酸)、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、アジピン酸または安息香酸である。使うことができるさらなる酸は、以下に記述されている:Fortschritte der Arzneimittelforschung、第10巻、224頁以降、Birkhauser Verlag、BaselおよびStuttgart、1966年。
【0019】
式Iの化合物のN−オキシドまたは生理学的に受容できる酸との塩を使うことも同様に可能である。式Iの化合物のN−オキシドにおいて、環構成要素、特に芳香族ヘテロ環Qおよび/またはArの環構成要素であるN原子のうち少なくとも1つ以上は、N−オキシド基の形をとっている。好ましいIのN−オキシドは、テトラヒドロアゼピン部分の窒素が酸素原子を有しているものである。
【0020】
ここおよび以下に、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0021】
−C−アルキル(アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニルなどの基においても同様)は、n個からm個の炭素原子(例えば、1から8個、好ましくは1から6個、特に1から4個の炭素原子)を有する直鎖または分岐のアルキル基である。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソピロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシルなどである。
【0022】
−C−アルキルは、示した場合、OH、C−C−アルコキシ、ハロゲンまたはフェニルから選択される1つ以上(例えば、1、2または3つ)の置換基を有することができる。OH、C−C−アルコキシおよびフェニルの場合では、特に1つのみの置換基が存在する。このような基はまた、以下に、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル(例えば、メトキシメチル、1−もしくは2−メトキシエチル、1−メトキシ−1−メチルエチルもしくは2−メトキシ−1−メチルエチル、1−、2−もしくは3−メトキシプロピル、エトキシメチル、1−もしくは2−エトキシエチル)、ヒドロキシ−C−C−アルキル、1−ヒドロキシメチル、1−もしくは2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−、2−もしくは3−ヒドロキシプロピルなど、またはフェニル−C−C−アルキルとでして称される。ハロゲン置換基の場合は、これらの基はまた、ハロアルキルとして称される。
【0023】
−C−ハロアルキル(ハロアルコキシなどの基においても同様)は、すべてまたはいくつか(例えば、1、2、3、4または5個)の水素原子が、ハロゲン原子、特に塩素またはフッ素によって置換されている、1から8個、好ましくは1から6個、特に1から4個のC原子を有する上記で定義されたアルキル基である。好ましいハロアルキルは、C−C−フルオロアルキルまたはC−C−フルオロクロロアルキル、すなわち1、2、3、4もしくは5個の水素原子がフッ素または塩素によって置換されているC−C−アルキルであって、特にCF、CHF、CFCl、CHF、CHCFおよびCHCHFである。
【0024】
−C−シクロアルキルは、3から6個のC原子を有する環状脂肪族基であり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。
【0025】
−C−アルケニルは、2、3、4、5、6、7もしくは8個のC原子を有する一不飽和の直鎖もしくは分岐の炭化水素基であり、例えば、ビニル、アリル(2−プロペン−1−イル)、1−プロペン−1−イル、2−プロペン−2−イル、メタリル(2−メチルプロプ−2−エン−1−イル)などである。C−C−アルケニルは、特に、アリル、1−メチルプロプ−2−エン−1−イル、2−ブテン−1−イル、3−ブテン−1−イル、メタリル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−1−イル、4−ペンテン−1−イル、1−メチルブト−2−エン−1−イル、2−エチルプロプ−2−エン−1−イルである。
【0026】
−C−アルケニルは、示した場合は、OH、C−C−アルコキシ、ハロゲンまたはフェニルから選択される1つ以上(例えば、1、2または3つ)の置換基を有することができる。OH、C−C−アルコキシおよびフェニルの場合では、特に1つのみの置換基が存在する。このような基はまた、以下に、C−C−アルコキシ−C−C−アルケニル(例えば、1−もしくは2−メトキシエテン−1−イル、1−、2−もしくは3−メトキシプロペン−1−イルなど)、ヒドロキシ−C−C−アルケニル(例えば、3−ヒドロキシプロペン−1−イルまたは3−ヒドロキシプロペン−2−イル)、またはフェニル−C−C−アルケニル(例えば、1−もしくは2−フェニレンエテン−1−イル)とも称される。ハロゲン置換基の場合は、これらの基は、ハロアルケニルとして称される(上記参照)。
【0027】
−C−ハロアルケニルは、すべてまたはいくつか(例えば、1、2、3、4または5個)の水素原子が、ハロゲン原子、特に塩素またはフッ素によって置換されている上記で定義されたアルケニル基である。
【0028】
−C−アルキニルは、2、3、4、5、6、7もしくは8個のC原子を有し、三重結合を有する炭化水素基であり、例えば、プロパルジル(2−プロピン−1−イル)、1−メチルプロプ−2−イン−1−イル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−1−イル、2−ペンチン−1−イル、1−ペンチン−3−イルなどである。
【0029】
−C−アルキニルは、示した場合は、OH、C−C−アルコキシ、ハロゲンまたはフェニルから選択される1つ以上(例えば、1、2または3つ)の置換基を有することができる。OH、C−C−アルコキシおよびフェニルの場合では、特に1つの置換基のみが存在する。このような基はまた、以下に、C−C−アルコキシ−C−C−アルキニル(例えば、2−メトキシエチン−1−イル、3−メトキシプロピン−1−イルなど)、ヒドロキシ−C−C−アルケニル(例えば、3−ヒドロキシプロピン−1−イル)、またはフェニル−C−C−アルケニル(例えば、フェニルエチニル)と称される。ハロゲン置換基の場合は、これらの基は、ハロアルケニルとして称される(上記参照)。
【0030】
−C−ハロアキケニルは、すべてまたはいくつか(例えば、1、2、3、4または5個)の水素原子が、ハロゲン原子、特に塩素またはフッ素によって置換されている上記で定義されたアルキニル基である。
【0031】
フェニル−C−C−アルキルは、1つの水素原子がフェニル基により(ベンジルまたは2−フェニルエチルの形で)置換されている上記で定義されたC−C−アルキルである。
【0032】
場合により置換されるフェニルは、次の置換基のうちの1つ以上(例えば、1、2または3つ)を場合により有するフェニルである:ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、NH、シアノ、COOH、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルスルホニルアミノおよび/またはC−C−アルキルアミノスルホニル。
【0033】
5員ヘテロ芳香族基の例は、O、NおよびSから互いに独立して選択される環構成要素としての1、2、3、もしくは4個のヘテロ原子を有するものであり、例えば、ピロール、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,3,4−トリアゾール、テトラゾールである。5員ヘテロ芳香族基は、上記の置換基を有することができ、および/または非芳香族もしくは芳香族の炭素環、特にベンゼン環もしくはシクロヘキセン環へ(インドール、ベンゾ[bもしくはc]チオフェン、ベンゾ[bもしくはc]フラン、ベンズ[b]オキサゾール、ベンゾ[cもしくはd]イソキサゾール、ベンズ[b]チアゾール、ベンゾ[b]イミダゾールまたはベンゾ[cもしくはd]イソチアゾールなどにおけるものとして)縮合することができる。環構成要素として1もしくは2個の窒素原子を有する6員ヘテロ芳香族基の例としては、特に、2−、3−もしくは4−ピリジニル、2−、4−もしくは5−ピリミジニル、2−もしくは3−ピラジニルおよび3−もしくは4−ピリダジニルである。6員ヘテロ芳香族基は、上記の置換基を有することができ、および/または非芳香族もしくは芳香族の炭素環、特にベンゼン環もしくはシクロヘキセン環へ(ベンゾ[b]ピリジン(=キノリン)、ベンゾ[c]ピリジン(イソキノリン)、ベンゾ[b]ピリミジン(キナゾリン)、シンノリン、フタラジンまたはキノキサリンなどにおけるものとして)縮合することができる。5員ヘテロ芳香族基または6員ヘテロ芳香族基において、Y基への結合はヘテロ環を介して生じる。
【0034】
Arがフェニルである場合、フェニル基はまた、上記タイプの5員もしくは6員の芳香族ヘテロ環もしくは非芳香族ヘテロ環、例えば、O、NおよびSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の芳香族ヘテロ環もしくは非芳香族ヘテロ環へ縮合することができる。この芳香族ヘテロ環もしくは非芳香族ヘテロ環の例としては、ベンゾ[b]ピリジン(=キノリン)、ベンゾ[c]ピリジン(イソキノリン)、インドール、ベンゾ[bもしくはc]チオフェン、ベンゾ[bもしくはc]フラン、ベンズ[b]オキサゾール、ベンズ[cもしくはd]イソキサゾール、ベンズ[b]チアゾール、ベンゾ[b]イミダゾール、 ベンゾ[cもしくはd]イソチアゾール、ベンゾ[b]ピリミジン(キナゾリン)、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、クロメン、クロマン、ベンゾ[b]ピペラジン、ベンゾ[bまたはc]ピペリジン、ベンゾ[b]−1,4−オキサジナン、ベンゾ[b]−1,3−ジオキソランまたはベンゾ[b]−1,4−ジオキサンにおけるように、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,4−ジオキサン、1,4−オキサジナン、または1,3−ジオキソランである。フェニルはまた、ナフタリン(naphthanline)、インダン、インデンまたはジヒドロナフタレンもしくはテトラヒドロナフタレンにおけるように、ベンゼン、シクロヘキセン(ジクロヘキサジエン)、シクロペンテン(シクロペンタジエン)にも縮合することができる。このタイプの基において、Arは、フェニル環を介してY基に結合する。
【0035】
本発明の第一の好ましい実施態様は、テトラヒドロベンズアゼピンのアリールスルホンアミド(ヘタリールスルホンアミド)、すなわちAおよびYが単結合であり、BがNR基である式Iの化合物に関する。以下に、このタイプの化合物はまた、アリールスルホンアミドI.A(ヘタリールスルホンアミドI.A)または化合物I.Aとして称される。
【0036】
本発明の第二の好ましい実施態様は、テトラヒドロベンズアゼピンのアリールスルホメチル(ヘタリールスルホメチル)化合物、すなわちAがCHであり、BおよびYが各々単結合である式Iの化合物に関する。以下に、このタイプの化合物はまた、アリールスルホメチル化合物I.B(ヘタリールスルホメチルI.B)または化合物I.Bとして称される。
【0037】
本発明の第三の好ましい実施態様は、テトラヒドロベンズアゼピンのアリールアミノスルホン(ヘタリールアミノスルホン)、すなわちAおよびBが共に単結合であり、YがNR基である式Iの化合物に関する。以下に、このタイプの化合物はまた、アリールアミノスルホンI.C(ヘタリールアミノスルホンI.C)または化合物I.Cとして称される。
【0038】
本発明の第四の好ましい実施態様は、テトラヒドロベンズアゼピンのアリールメチルスルホニル(ヘタリールメチルスルホニル)、すなわちYがCHであり、AおよびBが共に単結合である式Iの化合物に関する。以下に、このタイプの化合物はまた、アリールメチルスルホニルI.D(ヘタリールメチルスルホニルI.D)または化合物I.Dとして称される。
【0039】
ドーパミンDレセプターリガンドとして本発明の化合物を使用する目的で、化合物I.Aおよび化合物I.Bが特に好ましい。
【0040】
ドーパミンDレセプターリガンドとして本発明の化合物を使用する目的で、式IのRは、R1aが以下の意味を有し得る式CH−R1aの基である。
・C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキニル、
・OH、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、フェニル、フェノキシ、C−C−シクロアルキルおよびC−C−シクロアルキルオキシから選択される置換基(ここで最後の4つの基は、場合によりC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシおよびハロゲンから選択される1つ以上(例えば、1、2、3もしくは4つ)の置換基を場合により有する。)を有するC−C−アルキル、
・C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、
・各々が場合によりC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルコキシおよびハロゲンから選択される1つ以上(例えば、1、2、3もしくは4つ)の置換基を有し得るC−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルオキシ、
・各々が場合によりC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびハロゲンから選択される1つ以上(例えば、1、2、3もしくは4つ)の置換基を有し得る、フェニルまたはフェノキシ。
【0041】
とりわけ好ましい化合物Iは、R1aが、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキルまたはC−C−フルオロアルキルであり、具体的には、メチル、エチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチルを、2,2,2−トリフルオロエチル、シクロプロピルまたはビニルであり、エチルが最も好ましい。
【0042】
本発明の他の実施態様においては、Rは、トリフルオロアセチルである。このタイプの化合物は、特に、本発明の他の化合物Iを調製するための中間体として重要であり、なぜなら、トリフルオロアセチル基は、テトラヒドロベンズアゼピン環の中の窒素のために有効な保護基を意味するからである。
【0043】
ドーパミンDレセプターリガンドとして本発明の化合物を使用する目的で、可変因子RおよびArは、好ましくは互いに独立して次の意味を有する。
【0044】
は、水素、ハロゲン(具体的には、塩素またはフッ素)、C−C−アルキル(具体的には、メチル)、C−C−ハロアルキル(具体的には、トリフルオロメチルもしくはジフルオロメチル)、ニトロ、C−C−アルコキシ(具体的には、メトキシ)である。Rは、特に水素である。
【0045】
Arにおける好ましい置換基は、例えば、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルおよびC−C−フルオロアルキルであり、特に、エチル、イソピロピル、tert−ブチル、ビニルおよびトリフルオロメチルである。
【0046】
Arは、好ましくは、2−、3−もしくは4−ピリジル、2−もしくは3−チエニル、または特に、上記の置換基のうち1、2または3つ(特に少なくとも1つ)を場合により有するフェニルである。
【0047】
ドーパミンDレセプターリガンドとして本発明の化合物を使用する目的で、好ましい式Iの化合物は、各場合Y基またはSO基への結合点に対して、Arがパラ位に置換基Rを有し、適切な場合に、オルト位またはメタ位において水素でないさらなる置換基Ro/mを有するものである。R基およびRo/m基は、同一でも異なっていてもよい。パラ位にあるR基は、好ましくは、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルおよびC−C−フルオロアルキルであり、特に、エチル、ビニル、イソピロピル、tert−ブチルおよびトリフルオロメチルである。好ましいRo/m基は、ハロゲン(具体的には、塩素およびフッ素)、C−C−アルキル(具体的には、メチル、トリフルオロメチル)から選択される。特に好ましい実施態様においては、Arは、パラ位に1つだけ置換基を有する。
【0048】
非常に好ましい実施態様は、Arがフェニル環のパラ位にR基を有するフェニルであり、R基が下記の式を有する場合の式Iの化合物、特に化合物I.Aおよび化合物I.Bに関する。
【0049】
【化8】

式中、
YはN、CHまたはCFであり;
a1およびRa2は、C−C−アルキル、フッ素化C−C−アルキルから互いに独立して選択され、YがCHもしくはCFの場合、Ra1基もしくはRa2基のうち1つは、水素またはフッ素でもあり得、または
a1およびRa2は(CHを形成し、ここで水素原子のうち1個もしくは2個をフッ素により置換することができ、mは2、3もしくは4である。
【0050】
特に、R基は、以下から選択される:イソプロピル、(R)−1−フルオロエチル、(S)−1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、(R)−1−フルオロプロピル、(S)−1−フルオロプロピル、2−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル、1,1−ジフルオロプロピル、2,2−ジフルオロプロピル、3,3−ジフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、(R)−2−フルオロ−1−メチルエチル、(S)−2−フルオロ−1−メチルエチル、(R)−2,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(S)−2,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(R)−1,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(S)−1,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(R)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル、(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル、2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エチル、1−(ジフルオロメチル)−2,2−ジフルオロエチル、1−フルオロ−1−メチルエチル、シクロプロピル、シクロブチル、1−フルオロシクロプロピル、2,2−ジフルオロシクロプロピルおよび2−フルオロシクロプロピル。好ましくは、Rp’基は、1、2、3または4個のフッ素原子を有する。
【0051】
好ましい化合物はまた、Arが前述の置換基のうち1、2もしくは3つを有し得る2−もしくは3−チエニルである場合のものである。この例は、2,5−ジクロロチエン−1−イルおよび5−クロロチエン−2−イルである。
【0052】
は、好ましくは水素またはC−C−アルキル、特にメチルである。
【0053】
OR置換基におけるRは、しばしばH、C−C−アルキル、CF、CHFまたはフェニルである。ORは、特に好ましくは、メトキシ、トリフルオロメトキシまたはフェノキシである。
【0054】
COOR置換基におけるRは、しばしばHまたはC−C−アルキルである。COORは、特に好ましくは、C−C−アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニルまたはt−ブトキシカルボニル)である。
【0055】
CONR置換基において、Rは、好ましくはH、C−C−アルキルであり、Rは、好ましくはH、C−C−アルキルもしくはCORである。CONRは、特に好ましくはCONH、CONHCH、CON(CHまたはCONHCOCHである。
【0056】
NR置換基において、Rは、好ましくはH、C−C−アルキルであり、Rは、H、C−C−アルキルもしくはCORである。NRは、特に好ましくはNH、NHCH、N(CH、NH−ベンジルまたはNHCOCHである。
【0057】
SONR置換基において、Rは、好ましくはHもしくはC−C−アルキルであり、Rは、H、C−C−アルキルもしくはCORである。SONRは、特に好ましくはスルファモイルである。
【0058】
NR、CONR、SONR置換基におけるR、Rが、これらの結合している窒素原子と一緒になって、5員もしくは6員で飽和もしくは不飽和のN−へテロ環となる場合、これらの基の中のNR基は、例えば、N−ピロリジニル、N−ピペリジニル、モルホリン−1−イルまたは4−メチルピペラジン−1−イルである。
【0059】
SR置換基におけるRは、好ましくはC−C−アルキルである。SRは、特に好ましくはチオメチルである。
【0060】
SO置換基におけるRは、好ましくは、HまたはC−C−アルキルである。SOは、特に好ましくはメチルスルホニルである。
【0061】
COR置換基におけるRは、好ましくは、H、C−C−アルキルまたはフェニルである。CORは、特に好ましくはホルミル、アセチルまたはベンゾイルである。
【0062】
COR置換基におけるRは、好ましくは、H、C−C−アルキルまたはフェニルである。CORは、特に好ましくはホルミル、アセチルまたはベンゾイルである。
【0063】
NR10置換基におけるR10は、好ましくは、水素またはメチルである。
【0064】
特に好ましい一般式I.AおよびI.Bの化合物は、下に示される式I.A/Bの化合物であり、ここで、Rは上記の意味を有し、Rは前に示した意味を有し、Qは、CHであり、またはRについて示した意味を有するN−Rである。このような化合物の例は、R、QおよびRが表1の各行に示した意味を有する化合物I.A/B−1からI.A/B.135である。
【0065】
【表1】







【0066】
特に好ましい一般式I.CおよびI.Dの化合物は、下に示されるI.C/Dの化合物であり、ここで、Rは上記の意味を有し、Rは前に示した意味を有し、Qは、CH、またはRに対して示した意味を有するN−Rである。このような化合物の例は、R、QおよびRが表1の各行に示した意味を有する化合物I.C/D−1からI.C/D.135である。
【0067】
【化9】

【0068】
本発明の化合物は、公知の2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[c]−1H−アゼピンの調製と同様に調製することができる。調製方法は、下記のスキームにおいて説明される。
【0069】
化合物I.A.は、例えば、スキーム1で示されるプロセスにより調製することができる。
【0070】
【化10】

【0071】
スキーム1において、Rは、Rについて示された水素とは異なる意味を有する。スキーム1で示されるように、第一工程(1)において、窒素で置換された2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[c]−1H−アゼピンIIのニトロ化が起こる。ニトロ化は、「J.Heterocycl.Chem.1979,16,1525」で示されたことに基づいている。これによって得られた7−ニトロ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[c]−1H−アゼピンIIIは、公知のプロセス(例えば、「J.Heterocycl.Chem.1979,16,1525」参照)による還元によって、7−アミノ−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[c]−1H−アゼピンIVに工程(2)において変換される。化合物IVは、工程(3)においてアリールスルホニルハライドと(例えば、「Synthesis 1997,895」に従って)反応し、結果としてR=HおよびR≠Hである化合物I.Aを生産する。次いで、R=Hである化合物I.Aは、例えば、R=C−C−アルキルカルボニルもしくはフェニルカルボニルである化合物I.Aへのアシル化により、またはR=C−C−アルキルもしくはフェニル−C−C−アルキルである化合物へのアルキル化により、自体公知である手法でR≠Hである化合物I.Aに変換することができる(例えば、「Tetrahedron,2000,56,7553」参照)。
【0072】
化合物I.B.は、例えば、スキーム2で示されるプロセスにより調製することができる。
【0073】
【化11】

【0074】
スキーム2において、Rは、Rについて示された水素とは異なる意味を有する。スキーム2で示されるように、まず、置換されたテトラヒドロベンズアゼピンIIが、それ自体通常の条件(例えば、「J.Med.Chem.1999,42,3315」で示された条件)の下でスルホ塩素化を受ける。次いで、こうしてできた7−クロロスルホニル−2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[c]−1H−アゼピンVは、(ヘテロ)芳香族アミンAr−NH−Rと反応し、結果として化合物I.B.を生産する(「J.Med.Chem.2000,43,4363」参照)。クロロスルホニル化合物Vが第一ヘテロ芳香族アミンAr−NHと反応する場合、スキーム1で記述した自体公知の方法でR基を続いて導入することができる。
【0075】
化合物I.B.は、例えば、スキーム3で示されるプロセスにより調製することができる。
【0076】
【化12】

【0077】
スキーム3において、Rは、Rについて示された水素とは異なる意味を有する。Rは1から4個のC原子を有するアルキル基(例えば、メチルまたはエチル)であり、Halは塩素または臭素である。化合物I.B.を、例えば以下の工程により調製する:まずN−置換ベンズアゼピンIIにハロメチル基を導入し(工程7から9)、続いてこうして得られたハロメチル化合物VIIIをアリールメルカプタン(ヘタリールメルカプタン)Ar−SHと公知のプロセス(「Tetrahedron2002,58,9879」)により反応させ(工程10)、これにより得られた化合物IXを前記の公知のプロセス(例えば、「J.Med.Chem.2003,46,3021」)で酸化する(工程11)。VIIIにおけるハロメチル基は、例えば、「European Journal of Organic Chemistry 2002,2298」に記載された方法で塩化オキサリルと反応させることにより、置換ベンズアゼピンIIにアルコキシカルボニルを導入して構築する(工程7)。次いで、VIにおけるアルコキシカルボニル基を、適切な還元剤(例えば、水素化アルミニウムリチウム)と反応させることにより、自体公知の手法でヒドロキシメチル基に変換する(工程8)。次いで、これによって得られたVIIにおけるヒドロキシメチル化合物を、適切なハロゲン化剤(例えば、塩化チオニル、塩化ホスホリル、三塩化リンまたは三臭化リン)で処理し、適切である場合は塩基(例えば、第3アミンまたはピリジン)の存在下で行うことにより、ハロメチル化合物に変換することができる。
【0078】
化合物I.D.は、スキーム4で示される方法により調製することができる。
【0079】
【化13】

【0080】
スキーム4において、RおよびArは前記の意味を有し、Rは、Rに関して述べた意味の1つを有するか、またはRは保護基である。I.Cは、アミンIVをジアゾ化し(スキーム1参照)、次にHSもしくはアルカリ金属亜硫酸塩で処置することで式Xのメルカプタンに変換すること(工程12)によって、調製する。これを行うプロセスは、公知であり(例えば、「Houben,Weyl,Methoden der Organischen Chemie,Vol.E11,43頁および176頁」および「J.March 第3版1985,601頁以降」、およびこれらで引用された文献)、同様にここで応用することができる。次いで、メルカプタンXを、自体公知の条件下で化合物Ar−CH−Hal(Hal=ハロゲン、特に塩素、臭素またはヨウ素)と反応させ、チオエーテルXIを生産する(工程13)。スルホンI.Dへのチオエーテルの後の酸化(工程14)は、自体公知である手法で(例えば、スキーム3における工程11と同様に)行うことができる。
【0081】
=Hである化合物Iは、ベンズアゼピンIIaの窒素に保護基を与え、続いてスキーム1から4に示したプロセスによりAr−Y−SO−B−A基を構築し、続いて保護基を再び除去することにより、スキーム1から4に示したプロセスと同様に調製する。この後、このようにして得られたR=Hである化合物Iにおけるアゼピン窒素は、さらなる反応のために利用可能となる。この手順は、スキーム5におけるトリフルオロアセチル保護基に関する例により示される。
【0082】
【化14】

【0083】
工程15において、ベンズアゼピンIIaを、「Synth.Commun.1986,16,267」に記載の方法により、例えば、トリフルオロ無水酢酸と反応させ、トリフルオロアセチル保護ベンズアゼピンIIbを生産させる。次いで、化合物IIbを、スキーム1から4で記載したプロセスにより、Ar、Y、BおよびAが前述の意味を有する式Iの化合物に変換させる。R=COCFである化合物Iを、例えば、「J.Org.Chem.1999,64,6724」に記載の方法により、水/アルコール混合物(例えば、水/メタノール混合物)の中においてアルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸カリウム)でこれを処理することにより、引き続いて脱保護する(工程16)。次いで、R=Hである化合物Iを、化合物R−Halによるアルキル化のような標準プロセスにより、R≠Hである化合物1に変換する。ここで、Halは塩素、臭素またはヨウ素であり、Rは、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキルなどで場合により置換される。特に好ましいR=CH−R1´である化合物は、式R1´−CHOのアルデヒドを還元剤の存在下でR=Hである化合物Iと、還元的アミノ化において(例えば、「J.Med.Chem.1992,35,4315.」に記載の方法により)反応させることにより、調製することができる。
【0084】
ベンズアゼピンIIおよびIIaの調製は、従来技術より公知であり、公知のプロセスと同様に、例えば、スキーム6に示した方法により行うことができる。スキーム6において、Rは、1から4個のC原子を有するアルキルであり、特にメチルまたはエチルである。Xは、求核的に置換可能な脱離基であり、例えば、Br、トシレート、または特にメシレートである。Rは、水素と異なる前述の意味を有する。
【0085】
【化15】

【0086】
この目的のために、式XIIのフェニレンジ酢酸誘導体を、自体公知の方法で、ジアルキルエステルXI(例えば、ジメチルエステル)に変換する(例えば、「Tetrahedron 1989,45,4969」参照)。後者は、それ自体知られている方法により(例えば、「European Journal of Organic Chemistry,2000,3527」に記述された方法により、水素化アルミニウムリチウムで)ジオールXIVに還元することができる。次いで、このようにして得られたジオールXIVのOH基を、例えば、「J.Org.Chem.1997,62,5982」に記載の方法により、遊離基X(例えば、Br、トシレート、または特にメシレート)に変換する。次いで、このように得られた化合物XVを、「J.Med.Chem.2000,43,3653」に記載された方法により第一アミンR−NHもしくはアンモニアと反応させることで、置換ベンズアゼピンIIまたはIIaが導かれる。
【0087】
特に示されない限り、上述の反応は、一般に、室温と使われた溶媒の沸点との間の温度において溶媒中で実行される。もしくは、反応に必要な活性化エネルギーはまた、遷移金属によって触媒作用がなされた反応の場合には特に適切であるとことがわかっている電子レンジを使った手段により、反応混合物に与えることができる(電子レンジを使う反応に関して「Tetrahedron 2001,57,9199頁以降、9225頁以降」、および一般に「MicrowaVes in Organic Synthesis,Andre Loupy(編),Wiley−VCH 2002」)。
【0088】
使用可能な溶媒の例としては、以下のものである:エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテルまたはテトラヒドロフラン)、非プロトン性極性溶媒(例えば、ジメチルホルアミド、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタンおよびアセトニトリル)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン)、ケトン(例えば、アセトンまたはメチルエチルケトン)、ハロ炭化水素(例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン)、エステル(例えば、酢酸エチル、酪酸メチル)、カルボン酸(例えば、酢酸またはプロピオン酸)、ならびにアルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールまたはブタノール)。
【0089】
望まれる場合、塩基は、反応物中に遊離した陽子を中和するために存在している。適切な塩基としては、以下のものが挙げられる:無機塩基(例えば、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウム)、アルコラート(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド)、アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム)、ならびに有機金属化合物(例えば、ブチルリチウム化合物またはアルキルマグネシウム化合物)、または有機窒素塩基(例えば、トリエチルアミンまたはピリジン)。後者は、同時に溶媒として作用することができる。
【0090】
粗生成物は、従来の方法、例えば、濾過し、溶媒を蒸留して分離し、または反応混合物から抽出することなどにおいて単離される。得られた化合物は、従来の方法、例えば、溶媒からの再結晶、クロマトグラフィーまたは酸付加塩への変換によって精製することができる。
【0091】
酸付加塩は、遊離塩基を適切な酸と混ぜることによる従来の方法で調製され、溶液中で行うのが適切である場合は、例えば、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノールまたはプロパノール)、エーテル(例えば、メチルtert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、ケトン(例えば、アセトンまたはメチルエチルケトン)またはエステル(例えば、酢酸エチル)ような有機溶媒中で調製される。
【0092】
式Iの本発明の化合物は、非常に選択的なドーパミンDレセプターリガンドである。これは、Dレセプター、Dレセプター、α1−もしくはα2−アドレナリン性レセプター、ムスカリン性レセプター、ヒスタミン性レセプター、催眠剤レセプター、特にドーパミンDレセプターのような他のレセプターに対するして低い親和性を有しているために、Dレセプターアンタゴニストである従来の神経弛緩薬と比べてほとんど副作用を有しない。
【0093】
レセプターに対する本発明の化合物の高い親和性は、通常100nM(nmol/l)未満、特に50nM未満、さらに特別に10nm未満、さらに好ましくは5nM未満のインビトロにおける非常に低いK値に反映される。Dに対する結合親和性は、例えば、[125I]ヨードサルプライドの置換を介したレセプター結合調査において決定することができる。
【0094】
本発明の化合物の選択度K(D)/K(D)は、通常少なくとも10、好ましくは少なくとも30、さらに好ましくは少なくとも50、特に有利な場合は少なくとも100である。D、DおよびDに関するレセプター結合調査は、例えば、[H]SCH23390、[125I]ヨードサルプライドまたは[125I]スピペロンの置換を介して実行することができる。
【0095】
本化合物は、これらの結合プロフィールにより、ドーパミンリガンドに反応する混乱および障害の処置のために使うことができる。すなわち、これらは、ドーパミンDレセプターの影響(調節)が臨床像の改良または病気の治療法をもたらす場合の障害の処置のために効果的である。このタイプの障害の例は、中枢神経系の混乱または障害である。
【0096】
中枢神経系の混乱または障害は、脊髄および、特に脳に影響を与える障害を意味する。本発明の意味での用語「混乱」は、ある特定の兆候、症状および/または機能不全のかたちでこれら自身を明らかにし得る病状または病理的作用としての通常再発性の異常を意味する。本発明による処置は、個別の混乱、すなわち、異常または病状に向けることができる。しかし、適切である場合は、原因として一緒に関連づけられている複数の異常を、本発明に従って処理することができるパターン、すなわち症候群の中に組み入れることもまた可能である。
【0097】
本発明により処置することができる障害としては、特に精神障害および神経障害が挙げられる。これらには、急性外因性タイプの精神病または器質性原因もしくは外因性原因に関連する精神病のような器質性の混乱もしくは症候性の混乱が含まれる。例を挙げると、新陳代謝の障害に関連する伝染病および内分泌疾患;統合失調症および統合失調症性障害および妄想性障害のような内在性精神病;うつ病、躁状態および躁うつ状態のような感情障害;および上記障害の複合形態;神経症障害および身体表現性障害、およびストレス関連障害;解離性障害(例えば、意識の欠損、混濁および分裂)および人格障害;注意障害および覚醒/睡眠行動の障害、(例えば、子供における活動過多症のような幼年期および青春期に始まる行動の混乱および感情の混乱)、知的欠損、特に注意欠陥障害、記憶障害および認知障害(例えば、学習損傷および記憶損傷(損なわれた認知機能))、認知症、ナルコレプシーおよび睡眠障害(例えば、不穏下肢症候群);発達の混乱;精神不安定状態;精神混乱;性生活障害(例えば、男性の性的不能);摂食障害(例えば、拒食症または過食症);中毒;他の未定義の精神障害である。
【0098】
本発明により処置することができる障害しては、パーキンソン症候群およびてんかん、および特にこれらに関連する情動障害もまた挙げられる。
【0099】
中毒性障害としては、製剤もしくは薬剤のような向精神薬物質の乱用によって起こされる精神障害および行動の混乱、ならびに、例えばギャンブル依存症のような他の中毒性の障害(他に分類できない衝動制御障害)が挙げられる。中毒性の物質の例としては、以下のものである:オピオイド(例えば、モルヒネ、ヘロイン、コデイン);コカイン;ニコチン;アルコール;GABA塩化物チャネル複合体と相互に作用する物質、鎮静剤、催眠剤またはトランキライザー(例えば、ベンゾジアゼピン);LSD;カンナビノイド;精神運動興奮剤(例えば、3,4−メチレンジオキシ−N−メチルアンフェタミン(エクスタシー));アンフェタミンおよびアンフェタミン様物質(例えば、メチルフェニデート)、またはカフェインを含めた他の興奮剤。特に注意を必要とする中毒性物質は、オピオイド、コカイン、アンフェタミンまたはアンフェタミン様物質、ニコチンおよびアルコールである。
【0100】
中毒性障害を処置する目的で、特に好ましい式Iの本発明の化合物は、それ自身向精神薬効果を有しないものである。このことは、本発明により使うことができる化合物を投与した後に、向精神薬物質(例えば、コカイン)の自己投与を減らしたラットにおけるテストでも観察することができる。
【0101】
本発明のさらなる側面によれば、本発明の化合物は、その原因の少なくとも一部がドーパミンDレセプターの異常な活性に帰することができる障害の処置に適している。
【0102】
本発明の別の側面によれば、目的にかなった医療処置という意味で、ドーパミンDレセプターへ好ましくは外因的に付加される結合パートナー(リガンド)が結合することによって影響を与えることができる障害に、特に処置が向けられている。
【0103】
本発明の化合物で処置することができる障害は、しばしば進行性発達、すなわち上記の状態が時間をかけて変化し、重篤度は通常ひどくなり、適切な場合には、状態が入れ替わることがあり、または他の状態が前に既存の状態に加わることによって特徴づけられる。
【0104】
本発明の化合物は、中枢神経系の障害(特に、上記の状態)に関連する多数の徴候、症状、機能異常を処置するために使うことができる。これらの例としては、例えば以下のものが挙げられる:現実との関係の喪失、洞察力の欠如ならびに通常の社会規範および日常生活における要求に従う能力の欠如、行動の変化、飢え、睡眠、のどの渇きのような個人の衝動における変化、および情緒の変化、記憶および連想の障害、性格の変化、特に情動不安定、幻覚、自我の混乱、思考の非一貫性、反対感情両立、自閉症、非人格化または幻覚、妄想的な考え、断続的な話し方、sinekinesisの欠如、歩幅の小さい歩行、胴体および四肢の曲がった姿勢、震え、仮面状顔貌、単調な話し方、憂うつ、無関心、不十分な自発性および不決断、連想能力の減少、心配、神経的動揺、吃音、社会恐怖症、パニック障害、依存関連禁断症候群、発展的症候群(expansiVe syndromes)、動揺状態および混乱状態、不快、運動障害症候群およびチック障害(例えば、ハンチントン舞踏病関連)、トゥレット症候群、めまい症候群(例えば、末梢性体位性めまい、回転めまいおよび前庭性めまい)、憂うつ症、ヒステリー、心気症など。
【0105】
本発明による意味での処置には、急性もしくは慢性の徴候、症状および/または機能障害の処置だけではなく、予備的な処置(予防)、特に再発予防および症状発現予防もまた含まれる。処置は、症候性であり、例えば症状の抑制に向けることができる。これは、短期間に行なわれて、中くらいの期間に向けることもでき、例えば維持管理治療の一部として長期の処置であることも可能である。
【0106】
本発明の化合物は、好ましくは中枢神経系の障害の処置のために、特に感情の障害;神経症、ストレス障害および身体表現性障害および精神病の処置のために、具体的には統合失調症およびうつ病の処置に適している。これらのDレセプターに対する高い選択性に起因して、本発明の化合物Iはまた、腎機能障害、特に糖尿病によって起こされた腎機能障害(WO00/67847参照)の処置、具体的には糖尿病性腎症の処置のためのものでもある。
【0107】
記述された化合物の本発明による使用は、処置の範囲内にある方法を含む。このことは、処置される個体、好ましくは哺乳動物、特にヒトまたは農業用動物もしくは家畜が、通常、薬学的な診療および獣医学的な診療に従って処方された1つまたはそれ以上の有効量の化合物を与えられることを必要とする。このような処置が必要であるかかどうかということ、またはこれがとるべき形態は、個別の場合に依存しており、存在する徴候、症状および/または機能障害、特定の徴候、症状および/または機能障害を進行させる危険ならびに他の要因を考慮する医学上の査定(診断)を前提としている。
【0108】
処置は、通常1日1回またはそれ以上の投与によって行なわれ、適切である場合は、他の活性成分もしくは活性成分を含む生産物と一緒に、または交互に投与されることで行われる。これにより、処置される個体は、好ましくは、経口の投与において体重の約0.1から1000mg/kg、または非経口投与において体重の約0.1から100mg/kgの1日の用量を与えられる。
【0109】
本発明はまた、個体、好ましくは哺乳動物、特にヒトまたは農業用動物もしくは家畜の処置のための医薬組成物の生産に関する。したがって、これらリガンドは、少なくとも1つの本発明のリガンドと共に薬学的に受容できる賦形剤を含み、適切である場合にはさらなる活性成分を含む医薬組成物の形で通常投与される。これらの組成物は、例えば、経口、経直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内または鼻腔内経路によって投与することができる。
【0110】
適切な薬剤の剤形の例としては、固体薬剤形状(例えば、経口粉末、粉剤、顆粒、錠剤、特に被膜錠剤、パスティル、包薬、カシェ剤、糖衣錠、硬いゼラチンカプセルおよび柔らかいゼラチンカプセルのようなカプセル、座薬または膣薬)、半固体薬剤形状(例えば、軟膏、クリーム、ヒドロゲル、ペーストまたはパッチ)、ならびに液体薬剤形状(溶液、乳濁液、特に水中油型乳剤懸濁液、例えばローション、注射用調合液および点滴用調合液、点眼液および点耳液)が挙げられる。移植送達デバイスもまた、本発明のインヒビターを投与するために使うことができる。リポソームまたはマイクロスフィアの使用もまた、さらに可能である。
【0111】
本組成物は、通常、賦形剤と混ぜるか、賦形剤で本発明のインヒビターを希釈することによって製造される。賦形剤は、活性成分のためのビヒクル、担体もしくは媒体の役目を行う固体、半固体もしくは液体物質であり得る。
【0112】
適切な賦形剤は、関連する医薬のモノグラフにリストされている。製剤は、以下のような受容できる担体または従来の賦形剤をさらに含むことができ、例えば潤滑剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁剤;防腐剤;酸化防止剤;抗刺激剤;キレート化剤;錠剤−コーティング助剤;乳濁安定剤;製膜剤;ゲル化剤;臭気遮蔽剤(odor−masking);マスキング香料;樹脂;親水コロイド;溶媒;溶解剤;中和剤;透明度促進剤;顔料;第4級アンモニウム化合物;refatting剤および過脂肪剤;軟膏、クリームまたはオイルベース;シリコン誘導体;展着助剤:安定剤;座薬ベース;錠剤賦形剤(例えば、バインダー、フィラー、潤滑油、錠剤分解剤またはコーティング);推進剤;乾燥剤;乳白剤;増粘剤;ワックス;可塑剤;ホワイトオイル。このことに関する取り決めは、前記の専門家の知識例えば、「H.P.,Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmacie,Kosmetik und angrenzende Gebiete,第4版,Aulendorf:1996年」に基づいている。
【0113】
以下の例は、さらに本発明を示すのに役立つが、限定するものであると解釈されるべきではない。
【0114】
A 式Iの本発明の化合物の調製。
【0115】
核磁気共鳴スペクトル特性(NMR)は、百万分率(ppm)で表現される化学シフト(δ)に関係する。H−NMRスペクトルのシフトに対する相対面積は、分子中の特定の官能基タイプについての水素原子の数に対応する。多重度に関するシフトの性質は、一重線(s)、広い一重線(s.br.)、二重線(d)、広い二重線(d.br.)、三重線(t)、広い三重線(t.br.)、四重線(q)、五重線(quInt)、多重線(m)として述べられる。
【0116】
MSは、質量スペクトルを表す。
【0117】
I.一般式IIまたはIIaの置換ベンズアゼピンの調製
(調製例1):3プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
【0118】
1.1 メチルo−フェニレンジアセテート
26g(133.9mmol)のo−フェニレンジ酢酸を窒素雰囲気下で217mlのメタノールに溶かした:これに25ml(344mmol)の塩化チオニルを室温において45分間にわたって滴下して加えた。この間に、温度が時折50℃にまで上昇した。1時間後に、反応溶液を100mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液と混ぜ、ジエチルエーテルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾かし、濾過し、蒸発させた。収量:27.7g(理論値の99%)。
【0119】
【化16】

【0120】
1.2 1,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン
200mlのテトラヒドロフランを20g(527mmol)の水素化リチウムアルミニウムに氷で冷やしながら窒素雰囲気下で滴下して加えた。27.7g(133.6mmol)のメチルo−フェニルレンジアセテートを120mlのテトラヒドロフランに溶かし、温度を5℃および10℃の間で維持しながら、45分間にわたって反応溶液に滴下して加えた。さらに10分後、氷で冷やしながら、反応溶液を、水:テトラヒドロフランが1:1の混合物(v/v)80mlと混ぜた。得られた粘着性の懸濁液を100mlのジクロロメタンで希釈し、濃塩酸によりpH4から6に調節し、沈殿した固体を吸引濾過で分離した。濾液を蒸発させ、400mlのジエチルエーテルに溶かして、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。収量:22.2g(理論値の99%)。
【0121】
【化17】

【0122】
1.3 1,2−ビス(2−メチルスルホニルオキシエチル)ベンゼン
13.41g(80.7mmol)の1,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼンおよび33.7ml(242mmol)のトリエチルアミンを300mlのジクロロメタンに窒素雰囲気下で溶かした。氷で冷やしながら、18ml(231.5mmol)の塩化メタンスルホニルを10分間にわたって滴下して加えた。さらに10分後に、反応溶液を2×75mlの水で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。収量:25.9g(理論値の99%)。
【0123】
【化18】

【0124】
1.4 3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
22.6g(70.1mmol)の1,2−ビス(2−メチルスルホニルオキシエチル)ベンゼンを28.8ml(350.5mmol)のn−プロピルアミンに溶かし、室温において48時間攪拌した。反応溶液を150mlのジエチルエーテルと混ぜ、2×35mlの水で抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。収量:14.6g(理論値の84%)。
【0125】
下の表2で示した化合物IIのNo.2から6は、調製例2から6における同様の方法で調製した。
【0126】
(調製例7):2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
方法A
11.55g(48.66mmol)の3−ベンジル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンを100mlのエタノール、300mlの水および8mlの濃塩酸に溶かした。次いで、622mg(0.59mmol)のパラジウム活性炭素(10%)を加え、混合物を室温において水素雰囲気下で48時間攪拌した。触媒を濾過して除去し、エタノールと水で洗浄した。エタノールを蒸発させ、水相を50%濃度の水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし、各回80mlのジエチルエーテルで3回抽出した。水相を塩化ナトリウムで飽和させ、各回50mlのジエチルエーテルで再び4回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。収量:6.8g(理論値の95%)。
【0127】
方法B
32.66g(89.15mmol)の1,2−ビス(2−メチルスルホニルオキシエチル)ベンゼンを320mlのエタノール中で80℃において電子レンジで10分間攪拌し、冷却した。次いで、320mlの25%濃度の水酸化アンモニウム水溶液を加え、混合物を電子レンジで80℃において30分間攪拌した。完成させるために溶媒を蒸発させた。水相を塩酸で酸性化し、各回100mlのジエチルエーテルで2回抽出した。水相を50%濃度の水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし、ジクロロメタンで数回抽出した。合わせた有機相を水で1回洗浄し、乾燥し、蒸発させた。収量:10.25g(理論値の73%)。
【0128】
(調製例8):3−(シクロヘキシルメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
2.16g(10.2mmol)のナトリウムアセトキシボロハイドライドを1g(6.8mmol)の2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンおよび0.84ml(6.8mmol)のシクロヘキサンカルバルデヒドに加え、30mlのジクロロエタンおよび0.39ml(6.8mmol)の酢酸に溶かし、混合物を室温で10時間攪拌した。反応溶液をジクロロメタンと混ぜ、1モル濃度の水酸化ナトリウム溶液、水および飽和塩化ナトリウム溶液で各1回ずつ洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。
【0129】
下の表2で示した化合物IIのNo.9は、調製例9において同様の方法で調製した。
【0130】
【表2】

【0131】
II.式IIIの7−ニトロ−2,3,4,5−ベンズアゼピンの調製
(調製例10):7−ニトロ−3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
176mg(1.74mmol)の硝酸カリウムを小分けして、300mg(1.49mmol)の3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンに加え、氷で冷やしながら、2mlの濃硫酸に溶かし、混合物を1時間かけて室温にまで暖めた。次いで、反応溶液を氷と混ぜ、50%濃度の水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性にし、ジエチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。収量:310mg(理論値の84%)。
【0132】
下の表3で示した化合物IIIのNo.2から6は、同様の方法(調製例11から14)で調製した。
【0133】
【表3】

【0134】
III.式IIIの7−アミノ−2,3,4,5−ベンズアゼピンの調製
(調製例16):3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−アミン
5.7g(24.33mmol)の7−ニトロ−3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンを100mlのエタノールおよび10mlの水に溶かし、350mgのパラジウム活性炭素(10%)と混ぜ、次いで水素により10時間水素化した。触媒を濾過して分離し、濾液を蒸発させた。残渣を100mlのジエチルエーテルに溶かし、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。収量:4.62g(理論値の88%)。
【0135】
下の表4で示した化合物IVのNo.2から6は、同様の方法(調製例16から20)で調製した。
【0136】
【表4】

【0137】
IV.一般式Iの本発明の化合物の調製。
【実施例1】
【0138】
N−(4−{[(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)アミノ]スルホニル}−フェニル)アセトアミド
400mg(1.96mmol)の3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−アミンおよび1.86mmolの4−アセチルアミノベンゼンスルホニルクロライドを、20mlのテトラヒドロフランに室温において溶かし、0.82ml(5.87mmol)のトリエチルアミンを滴下して加え、混合物を室温において一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた後、20mlの水を加え、混合物を1molの塩酸で酸性化し、50mlのジエチルエーテルで抽出した。水相を1molの水酸化ナトリウム溶液でpH9から10の塩基性にし、次いでジエチルエーテルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を除去した後に得られた残渣をエーテル塩酸で塩酸塩に変えた。収量:280mg(理論値の35%)。
【0139】
【化19】

【0140】
MS[m+1]:402。
【0141】
実施例2から実施例30の次の化合物I.Aを同様の方法で調製した。
【実施例2】
【0142】
N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルホンアミド
【0143】
【化20】

【0144】
MS[m+1]:429。
【実施例3】
【0145】
4−クロロ−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド
【0146】
【化21】

【0147】
MS[m+1]:379。
【実施例4】
【0148】
N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−ビニルベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0149】
【化22】

【0150】
MS[m+1]:371。
【実施例5】
【0151】
4−エチル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
MS[m+1]:373。
【実施例6】
【0152】
N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−(トリフルオロメチル)−ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0153】
【化23】

【0154】
MS[m+1]:413。
【実施例7】
【0155】
4−tert−ブチル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0156】
【化24】

【0157】
MS[m+1]:401。
【実施例8】
【0158】
4−イソプロピル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0159】
【化25】

【0160】
MS[m+1]:387。
【実施例9】
【0161】
N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0162】
【化26】

【実施例10】
【0163】
4−アセチル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド
【0164】
【化27】

【0165】
MS[m+1]:387。
【実施例11】
【0166】
4−メチル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:359。
【実施例12】
【0167】
2,4,6−トリメチル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:387。
【実施例13】
【0168】
4−ブチル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:401。
【実施例14】
【0169】
4−(1,1−ジメチルプロピル)−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:415。
【実施例15】
【0170】
3−クロロ−4−メチル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:393。
【実施例16】
【0171】
4−メトキシ−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:375。
【実施例17】
【0172】
N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ナフタレン−2−スルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:395。
【実施例18】
【0173】
2,4−ジクロロ−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:414。
【実施例19】
【0174】
4−ブロモ−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:423。
【実施例20】
【0175】
4−ブロモ−2−メチル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:437。
【実施例21】
【0176】
N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−5−クロロチオフェン−2−スルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:385。
【実施例22】
【0177】
N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−2,5−ジクロロチオフェン−3−スルホンアミドトリフルオロアセテート
MS[m+1]:419。
【実施例23】
【0178】
N−(3−シクロプロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0179】
【化28】

【0180】
MS[m+1]:427。
【実施例24】
【0181】
N−(3−シクロペンチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
【0182】
【化29】

【0183】
MS[m+1]:455。
【実施例25】
【0184】
N−[3−(シクロヘキシルメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0185】
【化30】

【0186】
MS[m+1]:483。
【実施例26】
【0187】
N−[3−(シクロヘキシルメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
【0188】
【化31】

【0189】
MS[m+1]:467。
【実施例27】
【0190】
N−[3−(1−エチルプロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0191】
【化32】

【0192】
MS[m+1]:457。
【実施例28】
【0193】
N−[3−(1−エチルプロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0194】
【化33】

【0195】
MS[m+1]:441。
【実施例29】
【0196】
4−(トリフルオロメトキシ)−N−[3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0197】
【化34】

【0198】
MS[m+1]:483。
【実施例30】
【0199】
4−(トリフルオロメトキシ)−N−[3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド
【0200】
【化35】

【0201】
MS[m+1]:467。
【実施例31】
【0202】
4−イソプロピル−N−メチル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミドトリフルオロアセテート
21.5mg(0.45mmol)の水素化ナトリウムを窒素雰囲気下で4mlのテトラヒドロフランの中へ導入した。144mg(0.37mmol)の4−イソプロピル−N−メチル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミドを加え、混合物を室温において15分間攪拌した。次いで、23μl(0.37mmol)のヨウ化メチルを加え、混合物を一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水に溶かし、水相をpH10から11のpHに調整した。これに続いて、ジエチルエーテルで数回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をHPLCで精製し、凍結乾燥した。収量:13mg(理論値の7%)。
【0203】
【化36】

【0204】
MS[m+1]:401。
【0205】
実施例32の化合物を同様の方法で調製した。
【実施例32】
【0206】
N−メチル−N−(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−トリフルオロ−ベンゼンスルホンアミド
MS[m+1]:443。
【実施例33】
【0207】
N−フェニル−3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−スルホンアミド塩酸塩
33.1 3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−スルホニル塩化物
4.3ml(64.57mmol)のクロロスルホン酸を窒素雰囲気下で5から15℃の温度においてフラスコの中に入れた。2.7g(12.84mmol)の3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンを加え、氷で冷やしながら1時間攪拌した。次いで、反応溶液を75gの氷に加え、2×50mlのジクロロメタンで抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。収量:1.25g(理論値の31%)。
【0208】
MS[m+1]:288。
【0209】
33.2 N−フェニル−3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−スルホンアミド塩酸塩
250mg(0.79mmol)の3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−スルホニル塩化物および0.79mmolのアニリンを10mlのテトラヒドロフランに溶かし、0.41ml(2.40mmol)のジイソプロピルエチルアミンと共に室温において5分間攪拌した。テトラヒドロフランを蒸発させ、残渣を5mlの水と混合し、20mlの酢酸エチルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を除去した後に得られた残渣をエーテル塩酸で塩酸塩に変えた。
【0210】
収量:56mg(理論値の17%)。
【0211】
【化37】

【0212】
MS[m+1]:345。
【0213】
実施例34および35の化合物を同様の方法で調製した。
【実施例34】
【0214】
N−メチル−N−フェニル−3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−スルホンアミド塩酸塩
【0215】
【化38】

【0216】
MS[m+1]:359。
【実施例35】
【0217】
3−プロピル−N−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−スルホンアミド塩酸塩
【0218】
【化39】

【0219】
MS[m+1]:429。
【実施例36】
【0220】
7−(4−イソプロピルベンゼンスルホニルメチル)−3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
36.1 メチル3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−カルボキシレート
2.99g(22.43mmol)の三塩化アルミニウムを、40mlのジクロロメタン中の1.9g(7.48mmol)の3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンおよび1.29ml(14.95mmol)の塩化オキサリルに、0から5℃において窒素雰囲気下で加え、次いで室温において一晩攪拌した。2mlのメタノールを加え、攪拌を30分間続けた。反応溶液を濃縮し、および残渣を25mlの水と混合し、25mlのジエチルエーテルで抽出した。次いで、水相を塩化ナトリウムで飽和させ、酢酸エチルで2度抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。収量:720mg(理論値の36%)。
【0221】
MS[m+1]:248。
【0222】
36.2 (3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)メタノール
720mg(2.67mmol)のメチル3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−カルボキシレートを10mlのテトラヒドロフラン中に窒素雰囲気下で溶かし、0から5℃において202mg(5.34mmol)の水素化リチウムアルミニウムを小分けして加えた。1時間攪拌した後、反応混合物を完成させ、次いで、続く反応に使用した。
【0223】
MS[m+1]:220。
【0224】
36.3 7−クロロメチル−3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
180mg(0.82mmol)の(3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)メタノールを25mlのジクロロメタン中に窒素雰囲気下で溶かし、0.34ml(2.46mmol)のトリエチルアミンを加えた。次いで、0.19ml(2.46mmol)のメタンスルホニルクロライドを加え、混合物を室温において30分間攪拌した。反応混合物を10mlの重炭酸ナトリウム水溶液で2度抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。収量:175mg(理論値の77%)。
【0225】
MS[M+1]:238。
【0226】
36.4 7−(4−イソプロピルフェニルスルファニルメチル)−3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
175mg(0.64mmol)の7−クロロメチル−3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンおよび116mg(0.76mmol)の(4−イソプロピル)チオフェノールを5mlのジメチルホルムアミド中に窒素雰囲気下で溶かし、189mg(1.52mmol)の炭酸カリウムを加え、混合物を50℃において1時間攪拌した。次いで、30mlの水を加え、混合物を希釈塩酸水溶液で酸性化し、各回25mlのジエチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させ、30mlのジエチルエーテルと共に攪拌した。析出した結晶を吸引濾過で分離した。収量:32mg(理論値の11%)。MS[M+1]:354。
【0227】
36.5 7−(4−イソプロピルベンゼンスルホニルメチル)−3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン塩酸塩
32mg(0.07mmol)の7−(4−イソプロピルフェニルスルファニルメチル)−3−プロピル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンを1mlのメタノールに氷中で冷却しながら溶かし、66.5mg(0.11mmol)のオキサンを1mlの水に溶かし、pHが2から3を維持するように1Nの水酸化ナトリウム溶液と同時に反応溶液に滴下して加えた。次いで反応溶液を室温において一晩攪拌した。次いで反応溶液をアルカリ性(約pH10)にし、各回25mlのジエチルエーテルで2回抽出した。次いで、合わせた有機相を20mlの水で抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて乾燥した。残渣を10mlのジエチルエーテルに溶かし、エーテル塩酸塩溶液と混合した。沈殿した固体を吸引濾過して分離し、乾燥した。収量:16mg(理論値の48%)。
【0228】
【化40】

【0229】
MS[M+1]:386。
【実施例37】
【0230】
N−[3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
【0231】
37.1 3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
9.42(67.74mmol)のトリフルオロ無水酢酸を60mlのジクロロメタンと窒素雰囲気下で−20℃において混合した。6.77g(45.16mmol)の2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンを40mlのジクロロメタンに溶かし、−20℃の一定温度においてゆっくりと滴下して加えた。混合物を12時間かけて室温にまで暖めた。次いで100mlの氷水を加え、反応混合物をジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。
【0232】
収量:10.82g(理論値の98%)。
【0233】
MS[M+1]:244。
【0234】
37.2 7−ニトロ−3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン
4.262g(42.15mmol)の硝酸カリウムを9.32g(38.32mmol)の3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンに小分けして加え、氷で冷やしながら40mlの濃硫酸に溶かし、混合物を室温において10時間攪拌した。次いで、反応溶液を氷と混ぜ、ジエチルエーテルおよび酢酸エチルで(各2回)抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。
【0235】
収量:11.99g(理論値の99%)。
【0236】
MS[M+1]:289。
【0237】
37.3 3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−アミン
11.99g(37.94mmol)の7−ニトロ−3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンを各150mlのエタノールおよび酢酸エチルからなる溶媒混合物に溶かし、885mg(0.83mmol)のパラジウム活性炭素(10%)を加え、混合物を水素雰囲気下で室温において10時間攪拌した。次いで、触媒を濾過して除き、濾液を蒸発させた。収量:10.53g(理論値の76%)。
【0238】
MS[M+1]:259。
【0239】
37.4 N−[3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
1g(2.68mmol)の3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−アミンおよび947mg(3.87mmol)の4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホニル塩化物を20mlのテトラヒドロフランに室温において溶かし、1.62ml(11.62mmol)のトリエチルアミンを滴下してこの溶液に加え、これを室温において一晩攪拌した。溶媒を蒸発させた後、20mlの水を加え、1molの塩酸で酸性化し、水相を50mlのジエチルエーテルで抽出した。硫酸ナトリウムでの乾燥および溶媒の除去の後に得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン:酢酸エチル=6:1)で分離した。収量:590mg(理論値の46%)。
【0240】
MS[M+1]:467。
【0241】
実施例38および39の化合物を同様の手法で調製した。
【実施例38】
【0242】
N−[3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
MS[M+1]:483。
【実施例39】
【0243】
4−イソプロピル−N−[3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]ベンゼンスルホンアミド
【0244】
【化41】

【0245】
MS[M+1]:441。
【実施例40】
【0246】
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
2g(3.84mmol)の実施例37からのN−[3−(トリフルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミドを20mlのメタノールに溶かし、1.666g(12.05mmol)の炭酸カリウムを加え、混合物を室温において10時間攪拌した。次いで、溶媒を蒸発させて除去し、残渣を75mlの水と混合し、水相をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。収量:1.43g(理論値の92%)。
【0247】
【化42】

【0248】
MS[M+1]:371。
【0249】
実施例41および42の化合物を同様の手法で調製した。
【実施例41】
【0250】
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド
【0251】
【化43】

【0252】
MS[M+1]:387。
【実施例42】
【0253】
4−イソプロピル−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド
【0254】
【化44】

【0255】
MS[M+1]:345。
【実施例43】
【0256】
N−[3−(2−メチルブチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
方法A
48.5mg(0.54mmol)の2−メチルブチルアルデヒドをジクロロメタン中に溶かし、30μl(0.54mmol)の氷酢酸、200mg(0.54mmol)のN−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミドおよび172mg(0.81mmol)のナトリウムトリアセトキシボロハイドライドを連続して加え、得られた混合物を室温において30分間攪拌した。溶媒を蒸発して除去し、残渣を水に溶かし、ジエチルエーテルで抽出した。硫酸ナトリウムでの乾燥および溶媒の除去の後に得られた残渣をエーテル塩酸で塩酸塩に変えた。収量:340mg(理論値の62%)。
【0257】
【化45】

【0258】
MS[M+1]:441。
【0259】
実施例44から57の化合物を実施例43と同様の手法で調製した。
【実施例44】
【0260】
N−[3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
【0261】
【化46】

【0262】
MS[M+1]:481。
【実施例45】
【0263】
N−[3−(4,4,4−トリフルオロブチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0264】
【化47】

【0265】
MS[M+1]:497。
【実施例46】
【0266】
N−[3−イソブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0267】
【化48】

【0268】
MS[M+1]:427。
【実施例47】
【0269】
N−[3−(シクロプロピルメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0270】
【化49】

【0271】
MS[M+1]:425。
【実施例48】
【0272】
N−(3−エチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−yl)−4−(トリフルオロメチル)−ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0273】
【化50】

【0274】
MS[M+1]:399。
【実施例49】
【0275】
N−{3−[3−(シクロヘキシルオキシ)プロピル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル}−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0276】
【化51】

【0277】
MS[M+1]:511。
【実施例50】
【0278】
N−{3−[3−(シクロヘキシルオキシ)プロピル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル}−4−イソプロピルベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0279】
【化52】

【0280】
MS[M+1]:485。
【実施例51】
【0281】
N−[3−(2−メトキシエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0282】
【化53】

【0283】
MS[M+1]:429。
【実施例52】
【0284】
N−[3−(3−メトキシプロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0285】
【化54】

【0286】
MS[M+1]:443。
【実施例53】
【0287】
N−{3−[2−(4−(フルオロフェニル)エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル}−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0288】
【化55】

【0289】
MS[M+1]:493。
【実施例54】
【0290】
N−[3−(3−フェニルプロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)−ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0291】
【化56】

【0292】
MS[M+1]:489。
【実施例55】
【0293】
N−[3−(シクロヘキシルメチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−イソプロピルベンゼンスルホンアミド塩酸塩
MS[M+1]:441。
【実施例56】
【0294】
4−イソプロピル−N−(3−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
MS[M+1]:359。
【実施例57】
【0295】
N−(3−シクロプロピルメチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−イソプロピルベンゼンスルホンアミド塩酸塩
MS[M+1]:399。
【実施例58】
【0296】
N−(3−アリル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−(トリフルオロメチル)−ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
方法B
220mg(0.54mmol)のN−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミドおよび70μl(0.81mmol)の臭化アリルを10mlのジメチルホルムアミドに溶かし、室温において0.30ml(2.16mmol)のトリエチルアミンを加えた。室温において30分間攪拌した後、50mlの水を加え、混合物をジエチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、残渣をエーテル塩酸で塩酸塩に変えた。収量:160mg(理論値の57%)。
【0297】
【化57】

【0298】
MS[M+1]:411。
【0299】
実施例59から66の化合物を実施例58と同様の手法で調製した。
【実施例59】
【0300】
N−(3−プロプ−2−イニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0301】
【化58】

【0302】
MS[M+1]:409。
【実施例60】
【0303】
N−[3−(3−フルオロプロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0304】
【化59】

【0305】
MS[M+1]:431。
【実施例61】
【0306】
N−[3−(3−フェノキシプロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミドを(3−ブロモプロポキシ)ベンゼンと反応させることにより、上記の化合物を得た。
【0307】
【化60】

【0308】
MS[M+1]:505。
【実施例62】
【0309】
N−[3−(2,2−ジフルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0310】
【化61】

【0311】
MS[M+1]:435。
【実施例63】
【0312】
N−[3−(4−フルオロブチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0313】
【化62】

【0314】
MS[M+1]:431。
【実施例64】
【0315】
N−(3−ブチル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
【0316】
【化63】

【0317】
MS[M+1]:427。
【実施例65】
【0318】
N−(3−アリル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−(イソプロピル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
MS[M+1]:385。
【実施例66】
【0319】
N−[3−(3−フルオロプロピル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−イソプロピルベンゼンスルホンアミド塩酸塩
MS[M+1]:405。
【実施例67】
【0320】
N−[3−(2−フルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
方法C
【0321】
67.1 N−[3−(フルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド
700mg(1.89mmol)のN−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミドおよび109μl(1.89mmol)のフルオロアセチルクロライドを10mlのテトラヒドロフランに溶かし、室温において、0.79ml(5.67mmol)のトリエチルアミンを加えた。室温において5分間攪拌した後、溶媒を蒸発させた。残渣を20mlの水に溶かし、50mlのジエチルエーテルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで蒸発させて乾燥した。収量:600mg(理論値の65%)。
【0322】
【化64】

【0323】
MS[M+1]:431。
【0324】
67.2 N−[3−(2−フルオロエチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩
テトラヒドロフラン(4.5mmol)中における3mlのボラン1.5モル溶液を20mlのテトラヒドロフランの中に窒素雰囲気下で室温において導入した。300mg(0.61mmol)のN−[3−(フルオロアセチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミドを10mlのテトラヒドロフランに溶かした。この溶液を反応容器に滴下して加え、反応混合物を6時間加熱還流した。次いで、溶媒を除去した。残渣を30mlの水と混合し、希塩酸で酸性化し、50mlのジエチルエーテルで抽出した。水相を希釈水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし、酢酸エチル抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をエーテル塩酸で塩酸塩に変えた。収量:143mg(理論値の47%)。
【0325】
【化65】

【0326】
MS[M+1]:417。
【0327】
B)薬剤形態の例
錠剤:
以下の組成の錠剤を従来の方法で錠剤プレスで圧縮した:
40mgの実施例2の物質
120mgのコーンスターチ
13.5mgのゼラチン
45mgの乳糖
2.25mgのAerosil(登録商標)(超顕微鏡的に微細に分散している化学的に純粋なシリカ)
6.75mgのジャガイモデンプン(6%のペーストとして)
糖衣錠:
20mgの実施例2の物質
60mgのコア組成物
70mgの糖衣組成物
コア組成物は、9部のコーンスターチ、3部の乳糖および1部のビニルピロリドン/酢酸ビニル(60:40)コポリマーからなる。糖衣組成物は、5部のスクロース、2部のコーンスターチ、2部の炭酸カルシウムおよび1部のタルクからなる。このようにして製造された糖衣錠は、引き続き腸溶コーティングがなされる。
【0328】
C)生物学的検討―レセプター結合の研究:
テストされる物質をメタノール/Chremophor(登録商標)(BASF−AG)またはジメチルスルホキシドのいずれかに溶かし、次いで水で希釈して所望の濃度にした。
【0329】
I.ドーパミンDレセプター:
混合物(0.250ml)は、安定的に発現するヒトドーパミンDレセプターを有する〜10HEK−293細胞由来の膜、0.1nM[125I]ヨードスルピリド、およびインキュベーション緩衝液(全結合)またはさらにテスト物質(抑制プロット)または1μlのスピペロン(非特異性結合)から構成される。3回のアッセイを実行した。
【0330】
インキュベーション緩衝液は、50mMのTris、120mMのNaCl、5mMのKCl、2mMのCaCl、2mlのMgCl、および0.1%のウシ血清アルブミン、10μlのキノロン、0.1%のアスコルビン酸を含んでいる(毎日新鮮なものを調製)。緩衝液をHClでpH7.4に調節した。
【0331】
II.ドーパミンD2Lレセプター:
混合物(1ml)は、安定的に発現するヒトドーパミンD2Lレセプター(長いイソ型)を有する〜10HEK−293細胞由来の膜、0.01nM[125I]ヨードスペピロン、およびインキュベーション緩衝液(全結合)またはさらにテスト物質(抑制プロット)または1μlのハロペリドール(非特異性結合)から構成される。3回のアッセイを実行した。
【0332】
インキュベーション緩衝液は、50mMのTris、120mMのNaCl、5mMのKCl、2mMのCaCl、2mlのMgCl、および0.1%のウシ血清アルブミンを含んでいる。緩衝液をHClでpH7.4に調節した。
【0333】
III.測定および評価:
25℃における60分間のインキュベーションの後、セルハーベスターを使ってWathman GF/Bガラスファイバーフィルターに通して混合物を真空下で濾過した。フィルター転送システムを使って、フィルターをシンチレーションバイアルの中へ転送した。4mlのUltima Golds(登録商標)(Packard)を添加した後、サンプルを1時間振とうし、次いで放射能をBeta Counter(Packard、TrIcarb 2000または2200CA)で計測した。装置に備わっているプログラムの助けによる標準クエンチシリーズに基づき、cp値をdpmに変換した。
【0334】
MunsonおよびRodbardによって記述された「LIGAND」プログラムと同様の統計的分析システム(SAS)を使った反復非線形回帰分析により、抑制プロットを評価した。
【0335】
本発明の化合物は、これらのアッセイにおいてDレセプターに対する非常に良い親和性(<100nM、しばしば<50nm)を示し、Dレセプターに選択的に結合する。結合アッセイの結果は、表1に示される。
【0336】
【表5】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン
【化1】

[ここで、
Aは、単結合またはCHであり;
Bは、単結合またはNR基であり;
Yは、単結合、CHまたはNR基であり、但し、A、BおよびYは同時に単結合ではなく;
Arは、フェニル、ならびにO、NおよびSから互いとは独立して選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロ芳香族基から選択される芳香族基であり、この芳香族基は1、2もしくは3個の置換基を場合により有することができ[前記置換基は、OH、C−C−アルコキシ、ハロゲンもしくはフェニルにより1回またはそれ以上場合により置換されるC−C−アルキル、またはOH、C−C−アルコキシ、ハロゲンもしくはフェニルにより1回またはそれ以上場合により置換されるC−C−アルケニル、またはOH、C−C−アルコキシ、ハロゲンもしくはフェニルにより1回またはそれ以上場合により置換されるC−C−アルキニル、またはOH、C−C−アルコキシ、ハロゲン、フェニルまたはC−C−アルキルにより1回またはそれ以上場合により置換されるC−C−シクロアルキル、またはハロゲン、CN、OR、COOR、NR、CONR、NO、SR、SO、SONR、CORから互いに独立して選択され、ならびにC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、NR、CN、C−C−フルオロアルキルもしくはハロゲンから独立して選択される1、2もしくは3個の置換基を場合により有するフェニルから選択される。]、ここで、フェニルおよび前記ヘテロ環基は、5員もしくは6員の芳香族炭素環もしくは非芳香族炭素環へ縮合することもまたでき、またはフェニルは、O、NおよびSから選択される1、2、もしくは3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の芳香族炭素環もしくは非芳香族炭素環へ縮合することもでき;
は、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキニル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−ハロアルキルカルボニルであり、またはOH、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、フェニル、フェノキシ、C−C−シクロアルキルおよびC−C−シクロアルキルオキシ(ここで最後の4つの基は、場合によりOH、CN、NO、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびハロゲンから選択される1つ以上の置換基を有する。)から選択される置換基を有する置換C−C−アルキルであり;
は、水素、ハロゲン、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、OH、NO、CN、COOR、NRまたはCONRであり、;
は、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、フェニル、フェニル−C−C−アルキルまたはフェニルカルボニルであり、ここで最後の3つの基は、場合によりC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシおよびハロゲンから互いに独立して選択される1、2または3つの置換基を有することができ;
からRは、互いに独立して、H、C−C−アルキル(このC−C−アルキルはOH、C−C−アルコキシおよび場合により置換されるフェニルから選択される置換基を場合により有する。)、C−C−ハロアルキルまたはフェニルであり、ここで、RはCOR基であり得[RはH、C−C−アルキル(このC−C−アルキルはOH、C−Cアルコキシもしくは場合により置換されるフェニルで場合により置換される。)、C−C−ハロアルキルまたはフェニルである。];
およびRは、また、これらが結合している窒素原子と一緒になって、環構成要素として、O、S、NR10から選択されるさらなるヘテロ原子を場合により有する5員もしくは6員の飽和もしくは不飽和のN−ヘテロ環にもなることができ、R10は水素またはC−C−アルキルである。]、ならびに
この化合物のN−オキシド、この化合物の生理学的に受容できる酸付加塩、およびIのN−オキシドの生理学的に受容できる酸付加塩。
【請求項2】
AおよびYが単結合であり、BがNR基である、請求項1に記載の一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項3】
AおよびBが共に単結合であり、YがNR基である、請求項1に記載の一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項4】
AがCHであり、BおよびYが各々単結合である、請求項1に記載の一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項5】
YがCHであり、AおよびBが共に単結合である、請求項1に記載の一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項6】
が水素である、請求項1から5のうちいずれかに記載の一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項7】
Arが前記のようにして置換され得るフェニルである、請求項1から6のうちいずれか1項に記載の一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項8】
フェニルが非置換であるか、または1つまたは2つの置換基を有し、この内1つの置換基は可変因子Yに対してパラ位に配置されている、請求項7に記載の一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項9】
前記フェニルにおける置換基が、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルおよびC−C−フルオロアルキルから選択される、請求項7または8に記載の一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項10】
Arがフェニル環のパラ位に位置するR基を有するフェニルである[R基は下記の式RP’を有する
【化2】

(式中、
YはN、CHまたはCFであり;
a1およびRa2は、C−C−アルキル、フッ素化C−C−アルキルから互いに独立して選択され、YがCHもしくはCFの場合、Ra1基もしくはRa2基のうち1つは、水素またはフッ素でもあり得、または
a1およびRa2は(CHを形成し、ここで水素原子のうち1個もしくは2個をフッ素により置換することができ、mは2、3もしくは4である。)。]、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
Arが、O、NおよびSから互いに独立して選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロ芳香族基であり、前記ヘテロ芳香族基は前記のようにして置換され得る、請求項1から6のいずれか一項に記載の一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項12】
が一般式CH−R1aを有し、R1aはC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルケニル、C−C−ハロアルケニル、C−C−アルキニル、C−C−ハロアルキニル、もしくはC−C−アルキル[このC−C−アルキルは、OH、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、フェニル、フェノキシ、C−C−シクロアルキルおよびC−C−シクロアルキルオキシから選択される置換基を有する(ここで最後の4つの基は、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシおよびハロゲンから選択される1つまたはそれ以上の置換基を場合により有する。)。]、またはC−C−アルコキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、フェニル、フェノキシ、C−C−シクロアルキルもしくはC−C−シクロアルキルオキシ(最後の4つの基は、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびハロゲンから選択される1つまたはそれ以上の置換基を場合により有する。)である、請求項1から12のいずれか一項に記載の一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項13】
1aが、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキルまたはC−C−フルオロアルキルである、請求項11に記載の一般式Iのテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項14】
一般式I.A/B
【化3】

[ここで、
Qは、CHまたはNRであり、
は、CH2−R1a(R1aは請求項11に示した意味を有する。)であり、および
は、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルまたはC−C−フルオロアルキルである。]の請求項12に記載のテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項15】
1aが、メチル、エチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、シクロプロピルまたはビニルから選択され、Rが、エチル、ビニル、イソピロピル、tert−ブチルおよびトリフルオロメチルから選択される、請求項14に記載のテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項16】
基が下記の式
【化4】

[式中、
YはN、CHまたはCFであり;
a1およびRa2は、C−C−アルキル、フッ素化C−C−アルキルから互いに独立して選択され、YがCHもしくはCFの場合、Ra1基もしくはRa2基のうち1つは、水素またはフッ素でもあり得、または
a1およびRa2は(CHを形成し、ここで水素原子のうち1個もしくは2個をフッ素により置換することができ、mは2、3もしくは4であり、および
1aがエチルである。]
である、請求項14に記載のテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項17】
基が、イソプロピル、(R)−1−フルオロエチル、(S)−1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、(R)−1−フルオロプロピル、(S)−1−フルオロプロピル、2−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル、1,1−ジフルオロプロピル、2,2−ジフルオロプロピル、3,3−ジフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、(R)−2−フルオロ−1−メチルエチル、(S)−2−フルオロ−1−メチルエチル、(R)−2,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(S)−2,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(R)−1,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(S)−1,2−ジフルオロ−1−メチルエチル、(R)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル、(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル、2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エチル、1−(ジフルオロメチル)−2,2−ジフルオロエチル、1−フルオロ−1−メチルエチル、シクロプロピル、シクロブチル、1−フルオロシクロプロピル、2,2−ジフルオロシクロプロピルおよび2−フルオロシクロプロピルから選択される、請求項16に記載のテトラヒドロベンズアゼピン。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の一般式Iの化合物、Iの生理学的に受容できる酸付加塩、一般式Iの化合物のN−オキシド、IのN−オキシドの生理学的に受容できる酸付加塩から選択される少なくとも1つの活性成分を含み、適切な場合には、生理学的に受容できる担体および/または賦形剤を一緒に含む、医薬組成物。
【請求項19】
ドーパミンDレセプターのアンタゴニストまたはアゴニストの影響を受ける障害の処置を目的とする医薬組成物を製造するための、請求項1から15のいずれかに記載の一般式Iの化合物、この酸付加塩、このN−オキシド、およびこのN−オキシドの酸付加塩の使用。
【請求項20】
中枢神経系の障害を処置するための、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
腎機能障害の処置のための、請求項19に記載の使用。
【請求項22】
有効量の請求項1の化合物のうち少なくとも1つを、ドーパミンD3レセプターリガンドによる処置に影響を受けやすい内科的障害を処置する必要がある被検者に投与することを含む、ドーパミンD3レセプターリガンドによる処置に影響を受けやすい内科的障害を処置するための方法。
【請求項23】
前記内科的障害が中枢神経系の疾患である、請求項22に記載の方法。

【公表番号】特表2007−514696(P2007−514696A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544363(P2006−544363)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014428
【国際公開番号】WO2005/058328
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(502104228)アボット ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー (89)
【Fターム(参考)】