説明

テレビカメラの収録映像監視装置およびテレビカメラの収録映像監視方法

【課題】複数のテレビカメラで撮影する場合、他のテレビカメラと同期した撮影を可能とする。
【解決手段】外部の収録映像監視装置との間でデータの送受信を可能なテレビカメラでタイムコード発生手段103と記録手段101を持つ。さらに外部のテレビカメラとの間でデータの送受信を行う無線アダプタと、無線アダプタの接続を検出する接続検出手段107を持ち、接続検出手段が無線アダプタの接続を検出した場合には、カメラ表示制御手段104は、外部のテレビカメラの収録映像監視装置の識別情報を表示し、また、表示制御手段104は、映像信号に無線アダプタが外部のテレビカメラの収録映像監視装置から受信したデータを合成し、カメラ表示手段に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニュース取材などに使用する記録装置付きテレビカメラに関し、テレビカメラを複数台用いて素材を収録するときに他のテレビカメラの収録映像を監視する装置およびその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放送局では、報道などのニュース取材には、記録装置付きのテレビカメラに素材となる映像信号や音声信号を収録し、スタジオで編集してニュースとして放送する。記録装置の記録媒体としては、以前はVTRに代表されるテープが主流であったが、近年ハードディスクやICメモリなどの機械的要素を含まないものが主流となりつつある。ハードディスクやICメモリはランダムアクセスが可能なので、編集しやすいという長所もある。
【0003】
さて、このようなニュース取材の場合にテレビカメラを1台で撮像するばかりでなく、テレビカメラを複数台使用して多方面から撮影して各々のテレビカメラから視聴者が好む画像を選択して放送用映像を作成する。このときに、例えば2台のテレビカメラを使用した場合、他方のテレビカメラでどのような映像を撮像しているのか気になる場合がある。
【0004】
通常、インカムなどの音声を用いてその撮影映像を把握することができるが、音声だけではわりにくい点もある。映像を見れば、説明などは不要である。また、1台のテレビカメラを固定にして撮像すれば、カメラマン1人でも十分であるが、リモート操作するにしてもどのような映像信号を収録しているかは収録した映像を見るまでははっきりと把握することはできない。
【0005】
このような問題点を解決する先行例として、例えば、特許文献1には、3台のテレビカメラを用意して撮像を行い、他の2台のカメラから無線で映像を伝送し選択した画像を1台のテレビカメラに収録する技術が開示されている。さらに、素材収録ではタイムコードを使用するが複数台のテレビカメラの場合にタイムコードがあっているとは限らず、編集する段階でタイムコードを修正することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−199662公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1の技術は1台のテレビカメラで他のテレビカメラの映像の収録を可能とするものであり、放送局で使用する素材取材用ではない。また、無線モジュールを使用しないとき、すなわち通常の1台のテレビカメラとして使用する場合の記載がない。本発明は、無線インターフェイスの有無を検出して「有」のときは他のテレビカメラの監視用機能を有するとともに他のテレビカメラとのタイムコードが一致し、「無」のときには通常の取材用テレビカメラとして使用可能なテレビカメラの収録映像監視装置およびテレビカメラの収録映像監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題に対応するため、本発明は、以下の技術的手段を講じている。
即ち、請求項1記載の発明は、撮像対象を撮像することにより撮像データを出力する撮像手段を有し、且つ外部の収録映像監視装置との間でデータの送受信を可能とするテレビカメラの収録映像監視装置であって、前記撮像手段による撮像時のタイムコードを発生するタイムコード発生手段と、前記撮像手段によって出力される撮像データと前記タイムコード発生手段により発生されたタイムコードを記録する記録手段と、撮像データの記録時は、前記撮像手段から出力される撮像データ及び前記タイムコード発生手段により発生されるタイムコードから映像信号を作成し、撮像データの再生時は、前記記録手段に記録されている撮像データ及びタイムコードから映像信号を作成する表示制御手段と、前記表示制御手段により作成された映像信号に基づいた映像を表示するカメラ表示手段と、外部のテレビカメラの収録映像監視装置との間でデータの送受信を行う無線アダプタと、前記無線アダプタの前記テレビカメラの収録映像監視装置における接続を検出する接続検出手段と、前記表示制御手段によって作成された映像信号を圧縮して送信データを作成する送信データ作成手段と、前記タイムコード発生手段、前記送信データ作成手段、前記無線アダプタ、前記接続検出手段および前記表示制御手段を制御するカメラ制御手段とを有し、前記接続検出手段が前記無線アダプタの接続を検出した場合には、前記カメラ表示手段は、前記外部のテレビカメラの収録映像監視装置の識別情報を表示し、また、前記表示制御手段は、前記映像信号に前記無線アダプタが前記外部のテレビカメラの収録映像監視装置から受信したデータを合成し、前記カメラ表示手段に表示させることを特徴とするテレビカメラの収録映像監視装置である。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載のテレビカメラの収録映像監視装置であって、前記送信データ作成手段は、前記記録手段から得られる記録または再生タリー信号をビットマップ情報に変換するビットマップ変換手段を有することを特徴としている。また、請求項3記載の発明は、請求項1に記載のテレビカメラの収録映像監視装置であって、前記無線アダプタの通信規格は、Bluetooth(登録商標)とすることを特徴としている。
【0010】
さらに、請求項4に記載の発明は、撮像対象を撮像することにより撮像データを得るとともに、無線アダプタにより、外部の収録映像監視装置との間で前記撮像データ及びこれに付随するその他のデータの送受信を行うテレビカメラの収録映像監視方法であって、前記収録映像監視装置における前記無線アダプタの接続を検出する接続検出ステップと、前記接続検出ステップにおいて、前記無線アダプタの接続を検出した場合には、前記無線アダプタによるデータの送り先を選択する送り先選択ステップと、前記送り先選択ステップによりデータの送り先が選択された場合には、以下の(1)から(6)にあるステップを実行するデータ管理ステップとを有することを特徴とするテレビカメラの収録映像監視方法である。
(1)前記撮像データから送信データを作成し、前記送信データと送り元が発生するタイムコードを送信可能にセットするステップ
(2)前記送り元が発生する記録または再生のタリー信号をビットマップ情報に変換するステップ
(3)前記無線アダプタにより前記送信データ、前記送り元が発生するタイムコードおよび前記ビットマップ情報を前記送り先に送信するとともに、前記送り先から受信データを受信する送受信ステップ
(4)前記受信データに含まれている送り先の撮像データを取得して表示装置に表示させるステップ
(5)前記受信データに含まれている送り先のビットマップ情報を取得して前記表示装置に表示させる送り先の撮像データの表示枠として表示装置に表示させるビットマップ表示ステップ
(6)前記受信データに含まれている送り先のタイムコードを取得して前記送り元が発生するタイムコードと比較し、前記送り元が発生するタイムコードが前記送り先のタイムコードより進んでいる場合には、前記送り元が発生するタイムコードを前記送り先のタイムコードに変換するステップ
【0011】
またさらに、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のテレビカメラの収録映像監視方法であって、前記ビットマップ表示ステップは、前記送り先の遠隔動作で制御されるときのみ、前記送り先のビットマップ情報から送り先のタリー信号を解析し、前記送り先のタリー信号と前記送り元のタリー信号が異なる信号であったときは、前記送り元のタリー信号を前記送り先のタリー信号と同一となるように制御するタリー信号制御ステップをさらに有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、一般のテレビカメラに無線アダプタの接続検出手段を設けたことにより、無線アダプタを取り付けたときは、外部のテレビカメラとの連動型テレビカメラシステムとして使用することも可能となり、無線アダプタが取り付けられていないときは、1台による通常の取材用テレビカメラとして使用することができるため、1つのテレビカメラを多用することができるという効果を有する。また、表示データ制御手段によりテレビカメラ1台の単独使用における通常の映像表示とテレビカメラを2台で使用したときの連動使用時の映像表示で異なった表示が可能となる。
【0013】
また、請求項2の発明によれば、記録手段が、撮像データの記録や再生の情報を記録タリー信号または再生タリー信号として発生し、その信号をビットマップ情報に変換できるようにしたので、受信側でビットマップ情報を受信したときにそのまま画像表示することが可能となり、受信側での構成を簡素化できる効果が生じる。また、映像信号を外部のUSB(Universal Serial Bus)メモリに記録するときには、ビットマップ情報のためにそのまま記録することができるという効果も生じる。そして、請求項3の発明によれば、Bluetooth(登録商標)は無線の規格として標準化されており、多くの市販部品があるので、無線アダプタを安価に構成することが可能である。
【0014】
また、請求項4の発明によれば、収録映像監視装置における無線アダプタの接続を検出し、「接続有り」のときには送り先(相手側)の撮像画像を、送り先のテレビカメラの記録動作に応じた色の枠をつけて表示することができるので、送り先がどのような映像を撮影しているのかを把握するとともに、記録部動作も把握することができるという効果が生じる。またさらに、請求項5の発明によれば、送り先の記録手段が発生するタリー信号に応じて送り元(自分側)の映像監視装置を制御(撮像か再生の制御)できるので、テレビカメラを固定して無人で撮影可能となり、1人で2台のテレビカメラの撮影を行うことができる。また、送り先から記録手段だけの制御も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のテレビカメラの収録映像監視装置のブロック図である。
【図2】本発明に係るテレビカメラの収録映像監視方法の第1の実施例におけるフローチャートである(その1)。
【図3】本発明に係るテレビカメラの収録映像監視方法の第1の実施例におけるフローチャートである(その2)。
【図4】本発明に係るテレビカメラの収録映像監視方法の第2の実施例におけるフローチャートである(その1)。
【図5】本発明に係るテレビカメラの収録映像監視方法の第2の実施例におけるフローチャートである(その2)。
【図6】本発明に係るテレビカメラの収録映像監視方法の第2の実施例におけるフローチャートである(その3)。
【図7】2台のテレビカメラで収録するときのカメラ表示手段の表示例で、(a)は送り元の収録映像監視装置のカメラ表示手段の映像を示し、(b)は、送り先の収録映像監視装置のカメラ表示手段の映像を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るテレビカメラの収録映像監視装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るテレビカメラの収録映像監視装置のブロック図である。10は収録映像監視装置、100は撮像手段、101は記録手段、102はカメラ表示手段、103はタイムコード発生手段、104は表示制御手段、105はカメラ制御手段、106は送信データ作成手段、107は接続検出手段、108は操作パネル、109は無線送受信部を示している。なお、無線送受信部109を含む点線内は無線アダプタを示している。
【0017】
撮像手段100は固体撮像素子を有し、固体撮像素子により光電変換を行い、カメラ信号処理を行って映像信号を出力する。記録手段101は撮像手段100の出力である撮像データとタイムコード発生手段103により発生されるタイムコードを記録する。そして、撮像データの再生時には、記録している撮像データ及びタイムコードが出力される構成になっている。
【0018】
カメラ表示手段102は、制御項目や連動型のテレビカメラシステムとして使用する場合には送り先の収録映像監視装置の識別情報の表示を行い、列挙された識別情報をオペレーター等が選択できるようになっている。そして、その選択結果は表示制御手段104に出力される。なお、カメラ表示手段102は、液晶モニタで構成されている。次に、タイムコード発生手段103はタイムコードを発生する。タイムコードは通常の「00:00:00:00」で定義されていて、これらは、時:分:秒:フレーム数を意味している。なお、タイムコード発生手段103は、発振器とカウンタから構成されている。
【0019】
続いて、表示制御手段104は、映像信号を作成しカメラ表示手段102に出力するものである。テレビカメラを連動型で使用する場合、撮像データの記録時は撮像手段100から記録手段101を経由した撮像データと、タイムコード発生手段103が発生するタイムコードが、撮像データの再生時は記録手段101に記録されている撮像データ及びタイムコードが出力されてくるので、これらから映像信号を作成する。そして、作成した映像信号と無線送受信部109からの送り先から受信した受信データとを合成してカメラ表示手段102に表示させる。ここで言う受信データとは、撮像データ、タイムコード、そして後述するビットマップ情報を含むデータを意味する。なお、合成画像の例を図7に示す。また、表示制御手段104は、送信データ作成手段106に対しては、作成した映像信号を表示画像信号(キャプチャ映像信号)として出力する。
【0020】
テレビカメラを単独で使用する場合は、撮像データの記録時は、撮像手段100から記録手段101を経由して出力される撮像データと、タイムコード発生手段103が発生するタイムコード、撮像データの再生時は記録手段101に記録されている撮像データ及びタイムコードに基づいて表示する映像信号を作成する。
【0021】
また、カメラ表示手段102は、カメラ制御手段105からの制御により、送り先の収録映像監視装置の識別情報やカメラ制御項目を表示することができる。送り先の収録映像監視装置の識別情報やカメラ制御項目をオペレーター等が選択したときにはカメラ表示手段102から、その選択結果をカメラ制御手段105に出力することができる構成となっている。
【0022】
カメラ制御手段105はタイムコード発生手段103とタイムコードの送受を行うことができ、連動型でテレビカメラを動作させる場合には、送り先にタイムコードのデータを送信するため、送信時のタイムコードを得て無線送受信部109により送信を行い、逆に無線送信部109から送り先のタイムコードを得た場合は、送り元のタイムコード発生手段103が発生するタイムコードが送り先のタイムコードより進んでいる場合には、遅れている送り先のタイムコードに合わせるように送り元のタイムコード発生手段103を制御する構成となっている。
【0023】
また、カメラ制御手段105は、表示制御手段104にテレビカメラ単独または連動型により、それぞれカメラ表示手段102の表示画像の制御を行わせ、制御項目や送り先(連動型の場合)の選択(識別情報を選択)をオペレーター等が行えるようにしている。そして、その選択結果を受け取ることができるようになっている。さらに、記録手段101に対して、操作パネル108からの操作に基づいて記録または再生の制御信号を出力する。そうすると、記録手段101がタリー信号を発生する。なお、このタリー信号は、記録タリー信号または再生タリー信号を意味し、タリー信号とは、一般的に、被制御手段が制御信号を受けてその制御動作を行っているときに、制御動作中であることを意味する信号である。本発明では、この記録または再生タリー信号を、例えば、記録タリーに対しては赤色、再生タリーに対しては青色の映像枠と定義しておき、これらの信号から、ビットマップ情報を作成するようにカメラ制御手段105が、送信データ作成手段106を制御する。なお、記録手段101が停止の場合にも停止タリー信号を出力し、映像枠は黒色とする。
【0024】
また、カメラ制御手段105は、接続検出手段107が、無線アダプタの接続を検出したときには、接続検出手段107からトリガ信号を受け、連動型のテレビカメラシステムの動作にテレビカメラ全体を切り換える制御を行う。さらに、接続検出手段107からトリガ信号を受けると、無線送受信部109に対して、無線アダプタが、無線インターフェイスか否かを検出するように制御する。Bluetooth(登録商標)の場合には認証コードがあるので、その認証コードにより検出するように制御する。
【0025】
送信データ作成手段106は無線送受信部109を通じて送り先に送信する映像信号に基づく送信データを作成する。送信データのうち、撮像データは、撮像手段100または記録手段101からの撮像データよりも画素数を小さくして、圧縮して送るように制御されている。それは、送り先では監視用として使用するため、圧縮しても問題がないからである。なお、圧縮率は1/2以上としておくのが好ましい。また、記録手段101が発生する記録タリー信号または再生タリー信号を送信データ作成手段106に設けられているビットマップ変換手段(図示せず)がビットマップ情報に変換し、映像信号に付加する。例えば、記録タリー信号の場合は赤、再生タリー信号の場合は青、停止の場合は黒を色情報とし、320ドット×240ドットの大きさで幅を5ドットとした枠のビットマップに変換してビットマップ情報を作成することが好ましい。
【0026】
続いて、接続検出手段107は無線送受信部109の収録映像監視装置10における接続(無線アダプタの接続)の有無を検出するように制御されている。検出は、例えば無線送受信部109に電源が接続されたか否かで検出することができ、接続されていると検知された場合は、カメラ制御手段105に対してトリガ信号を出力するようになっている。また、操作パネル108は操作スイッチからなるパネルであり、テレビカメラの操作や記録手段101の操作等に必要なものを配置する。また、カメラ制御手段105は、操作パネル108との間で、操作パネルのスイッチ入力の信号を受け取る仕組みとなっている。そして、無線送受信部109は無線アダプタを含み、無線の通信規格はBluetooth(登録商標)とするのが好ましい。つまり、Bluetooth(登録商標)の規格に応じて送信および受信を行うということである。
【0027】
本発明に係るテレビカメラの収録映像監視方法の第1の実施形態について図2、図3に示すフローチャートおよび図7を用いて説明する。ステップS200は、収録映像監視装置に接続されたアダプタが無線インターフェイスか否かを検出する。無線通信をBluetooth(登録商標)とすると、Bluetooth(登録商標)には認証コードがあるので、その認証コードを使って無線インターフェイスか否かを検出する。
【0028】
例えば、収録映像監視装置に接続されたものが単なるUSBメモリの場合にはこの認証が行えないので、このフローチャートを終了する。認証が行えたときはステップS201へ進む。ステップS201は無線通信の送り先をカメラ表示手段に表示する。ここでは、以前に通信を行った送り先が表示されるようになっている。新規の送り先と送受信する場合は、Bluetooth(登録商標)による検索によりコードを受信してから送り先を選択することが可能である。
【0029】
ステップS202は送り先の選択(オペレーター等による選択)が有りか否かを検出する。選択がなければステップS200へ進み、選択がある場合はステップS203へと進む。ステップS203は映像信号の送信データをセットする。送信する映像信号は送り先における表示画像より小さいので圧縮(縮小)して送信することが可能となる。ステップS204は記録/再生タリー信号をセットする。記録手段101はカメラ制御手段105から記録、再生または停止の動作制御を受け、この動作制御を受けるとタリー信号をカメラ制御部105へと出力する構成となっている。
【0030】
このときの記録/再生タリー信号を送信データ作成手段に設けられているビットマップ変換部が、ビットマップ情報に変換し、それを映像信号に付加する形で送り先へ送信する。なお、図7に示すタリー枠がタリー情報であり、記録タリーは赤、再生タリーは青、停止はタリーの色は黒として送信するように設定することが好ましい。
【0031】
ステップS205はタイムコードをセットする。タイムコード発生手段103から現在のタイムコードを得て送り元のタイムコードとして送り先に送信する。ステップS206は無線インターフェイスに対して送り先との間でデータの送信または受信をするように制御する。なお、Bluetooth(登録商標)の場合は規格に基づいて送受信を行うので、送受信に関しては特別な制御は必要ない。
【0032】
ステップS207は時間内に無線インターフェイスから応答有りか否かを検出する。応答有りの場合はステップS209へ進み、応答がない場合はステップS208へ進む。ステップS208はステップS207で設定された応答までの時間が時間切れかどうかを検出する。時間切れの場合はこのフローチャートを終了する。時間切れでない場合はステップS207へ進む。
【0033】
ステップS209は応答有りの場合で送り先から送られてきたデータ(受信データ)から撮像データ及びタイムコードを取得してカメラ表示手段102に表示させる。ステップS210は送り先の記録または再生タリー信号をビットマップ情報として受けてそのままカメラ表示手段102に表示する送り先の撮像データ及びタイムコードの表示枠として表示する。ステップS211は送り先のタイムコードを取得する。ステップS212は送り元のタイムコードと送り先のタイムコードとを比較する。その比較の結果、タイムコードが遅れている方を基準のタイムコードとして進んでいる方のタイムコードを修正する仕組みとなっている。例えば、送り元が00:25:40:08で送り先が00:24:37:04であったとすると、00:25:40:08の方が進んでいるので送り元のタイムコードを送り先のタイムコードに修正する。
【0034】
送り先が進んでいる場合は、送り元が遅れているのでタイムコードはそのままとしてステップS203へ進む。送り先が遅れている場合は送り元が進んでいるので、タイムコードを修正するためステップS213へ進む。ステップS213は送り先のタイムコードをセットし、タイムコード発生手段103へ取得したタイムコードをセット(修正)する。その後、ステップS203へ進む。以上が、本発明に係る収録映像監視方法における第1の実施形態の流れである。
【0035】
図7の(a)と(b)は、送り元と送り先の収録映像監視装置が互いに送受信を行ったときのカメラ表示手段102の表示例である。送り先から受信した撮像データ及びタイムコードはタリー枠をつけて表示する。なお、このフローチャートを終了するとテレビカメラは連動型のテレビカメラシステムから単独型のテレビカメラへと移行する。
【0036】
図4〜図6はテレビカメラをマスターまたはスレーブとして使用した場合の本発明に係る収録映像監視方法における第2の実施形態についてのフローチャートである。マスターまたはスレーブとは2台のテレビカメラの一方をマスターとして片方をスレーブとして動作させる関係を示し、スレーブはマスター側の動作と完全に同期させることを示している。テレビカメラを固定して撮像する場合には、このスレーブとマスターを設定することにより、1人で2台の制御が可能となるわけである。
【0037】
ステップS300は接続されたアダプタが無線インターフェイスか否かを検出する。無線通信の通信規格をBluetooth(登録商標)とすると、Bluetooth(登録商標)には認証コードがあるので、その認証コードを使って無線インターフェイスか否かを検出することになる。なお、接続されたものが単なるUSBメモリの場合にはこの認証が行えないので、このフローチャートを終了する。検出されたときはステップS301へ進む。
【0038】
ステップS301は送り元が、マスターかスレーブかを選択する(カメラ表示手段102に表示して選択できるように制御されている。)。ステップS302は無線通信の送り先を表示する。以前に通信を行っていれば、その送り先が表示される。また、新規に送り先と送受信する場合は、Bluetooth(登録商標)による検索を用いることにより、コードを受信した後、送り先を選択することが可能である。ステップS303は送り先の選択が有るか否かを検出する。
【0039】
送り先の選択がなければステップS300へ進み、送り先の選択がある場合はステップS304へ進む。ステップS304は映像信号に基づく送信データをセットする。送信データのうち、撮像データは送り先における表示画像より小さいので圧縮して送信することができる。また、記録手段101は、カメラ制御手段108から記録、再生または停止の動作制御を受ける構成となっており、この動作制御を受けるとタリー信号としてカメラ制御部105へ出力する。
【0040】
このときの記録/再生タリー信号を送信データ作成手段に設けられているビットマップ変換部が、ビットマップ情報に変換し、それを映像信号に付加する形で送り先へ送信する。図7のタリー枠がタリー情報である。記録は赤、再生は青、停止はタリーの色はなしとして送信することが好ましい。
【0041】
ステップS306では、タイムコードをセットする。タイムコード発生手段103から現在のタイムコードを得て送り元のタイムコードとして送り先へ送信する。ステップS307は無線インターフェイスに対して送信または受信するように制御する。なお、Bluetooth(登録商標)の場合は規格に基づいて送受信を行うので、送受信に関しては特別な制御は必要ない。
【0042】
ステップS308は時間内に無線インターフェイスから応答有りか否かを検出する。応答有りの場合はステップS310へ進み、応答がない場合はステップS309へ進む。ステップS309はステップS308で設定された応答までの時間が時間切れかどうかを検出する。時間切れの場合はこのフローチャートを終了する。時間切れでない場合はステップS308へ進む。
【0043】
ステップS310は応答有りの場合で送り先から送られてきたデータ(受信データ)から撮像データ及びタイムコードを取得してカメラ表示手段102に表示させる。ステップS311は送り先の記録/再生タリー信号をビットマップ情報として受けてそのままカメラ表示手段102に表示する送り先の撮像データ及びタイムコードの表示枠として表示する。ステップS312は送り元が、マスターかスレーブかを判定するマスターであればステップS318ヘスレーブであればステップS313へ進む。
【0044】
ステップS313はステップS311で受けたビットマップ情報からタリー信号が記録タリー信号か否かを判定する。つまり、ビットマップ情報から表示色を得て記録タリー信号かどうか判定する。記録タリー信号であればステップS314へ記録タリー信号でなければステップS315へ進む。続いて、ステップS314は撮像(記録)を開始する。マスターが撮像(記録)動作なので合わせてスレーブ側も撮像(記録)動作を行う。その後、ステップS318へ進む。
【0045】
ステップS315はステップS311で受けたタリー信号が再生タリー信号か否かを判定する。つまり、ビットマップ情報から表示色を得て再生タリー信号かどうか判定する。再生タリー信号であればステップS316へ、再生タリー信号でなければステップS317へ進む。ステップS316は撮像データの再生を開始する。マスターが撮像データの再生動作なので合わせてスレーブ側も撮像データの再生動作を行う。その後、ステップS318へ進む。
【0046】
ステップS317は撮像(記録)動作および再生動作を停止する。マスターの撮像(記録)動作および再生動作が停止なのでスレーブ側も動作を停止する。ステップS318は送り先のタイムコードを取得する。ステップS319は送り先と、送り元のタイムコードを比較する。タイムコードは遅れている方を基準として進んでいる方を修正する。送り先が進んでいる場合は、送り元が遅れているのでタイムコードはそのままとしてステップS304へ進む。送り先が遅れている場合は送り元が進んでいるので、タイムコードの修正のためステップS320へ進む。ステップS320は送り先のタイムコードをセットし、タイムコード発生手段103へ取得したタイムコードをセットする。その後、ステップS304へ進む。
【0047】
本発明の実施の形態については幾多の変形が可能である。例えば、無線アダプタの接続を検出する接続検出手段を設けたが、接続検出手段を設けずにカメラ制御手段同士で直接信号のやりとりを行い、接続を確認する構成とすることもできる。また、無線規格はBluetooth(登録商標)ではなく、汎用でBluetooth(登録商標)と同様な規格の無線通信でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係るテレビカメラの収録映像監視装置およびテレビカメラの収録映像監視方法は、複数台のテレビカメラで放送素材を取材するときに好適であり、さらに、無線アダプタを取り付けたときに極めて有効なものとなる。
【符号の説明】
【0049】
10 収録映像監視装置
100 撮像手段
101 記録手段
102 カメラ表示手段
103 タイムコード発生手段
104 表示制御手段
105 カメラ制御手段
106 送信データ作成手段
107 接続検出手段
108 操作パネル
109 無線送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像対象を撮像することにより撮像データを出力する撮像手段を有し、且つ外部の収録映像監視装置との間でデータの送受信を可能とするテレビカメラの収録映像監視装置であって、
前記撮像手段による撮像時のタイムコードを発生するタイムコード発生手段と、
前記撮像手段によって出力される撮像データと前記タイムコード発生手段により発生されたタイムコードを記録する記録手段と、
撮像データの記録時は、前記撮像手段から出力される撮像データ及び前記タイムコード発生手段により発生されるタイムコードから映像信号を作成し、撮像データの再生時は、前記記録手段に記録されている撮像データ及びタイムコードから映像信号を作成する表示制御手段と、
前記表示制御手段により作成された映像信号に基づいた映像を表示するカメラ表示手段と、
外部のテレビカメラの収録映像監視装置との間でデータの送受信を行う無線アダプタと、
前記無線アダプタの前記テレビカメラの収録映像監視装置における接続を検出する接続検出手段と、
前記表示制御手段によって作成された映像信号を圧縮して送信データを作成する送信データ作成手段と、
前記タイムコード発生手段、前記送信データ作成手段、前記無線アダプタ、前記接続検出手段および前記表示制御手段を制御するカメラ制御手段と、
を有し、
前記接続検出手段が前記無線アダプタの接続を検出した場合には、前記カメラ表示手段は、前記外部のテレビカメラの収録映像監視装置の識別情報を表示し、また、前記表示制御手段は、前記映像信号に前記無線アダプタが前記外部のテレビカメラの収録映像監視装置から受信したデータを合成し、前記カメラ表示手段に表示させること
を特徴とするテレビカメラの収録映像監視装置。
【請求項2】
前記送信データ作成手段は、前記記録手段から得られる記録または再生タリー信号をビットマップ情報に変換するビットマップ変換手段を有することを特徴とする請求項1に記載のテレビカメラの収録映像監視装置。
【請求項3】
前記無線アダプタの通信規格は、Bluetooth(登録商標)であることを特徴とする請求項1に記載のテレビカメラの収録映像監視装置。
【請求項4】
撮像対象を撮像することにより撮像データを得るとともに、無線アダプタにより、外部の収録映像監視装置との間で前記撮像データ及びこれに付随するその他のデータの送受信を行うテレビカメラの収録映像監視方法であって、
前記収録映像監視装置における前記無線アダプタの接続を検出する接続検出ステップと、
前記接続検出ステップにおいて、前記無線アダプタの接続を検出した場合には、前記無線アダプタによるデータの送り先を選択する送り先選択ステップと、
前記送り先選択ステップによりデータの送り先が選択された場合には、以下の(1)から(6)のステップを実行するデータ管理ステップと、
を有することを特徴とするテレビカメラの収録映像監視方法。
(1)前記撮像データから送信データを作成し、前記送信データと送り元が発生するタイムコードを送信可能にセットするステップ
(2)前記送り元が発生する記録または再生のタリー信号をビットマップ情報に変換するステップ
(3)前記無線アダプタにより前記送信データ、前記送り元が発生するタイムコードおよび前記ビットマップ情報を前記送り先に送信するとともに、前記送り先から受信データを受信する送受信ステップ
(4)前記受信データから送り先の撮像データを取得して表示装置に表示させるステップ
(5)前記受信データから送り先のビットマップ情報を取得して前記表示装置に表示させる送り先の撮像データの表示枠として表示装置に表示させるビットマップ表示ステップ
(6)前記受信データから送り先のタイムコードを取得して前記送り元が発生するタイムコードと比較し、前記送り元が発生するタイムコードが前記送り先のタイムコードより進んでいる場合には、前記送り元が発生するタイムコードを前記送り先のタイムコードに変換するステップ
【請求項5】
前記ビットマップ表示ステップは、前記送り先の遠隔動作で制御されるときのみ、前記送り先のビットマップ情報から送り先のタリー信号を解析し、前記送り先のタリー信号と前記送り元のタリー信号が異なる信号であったときは、前記送り元のタリー信号を前記送り先のタリー信号と同一となるように制御するタリー信号制御ステップをさらに有することを特徴とする請求項4に記載のテレビカメラの収録映像監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−49994(P2011−49994A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198732(P2009−198732)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000209751)池上通信機株式会社 (123)
【Fターム(参考)】