テレビ会議システムの通信コスト管理システム及びテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー
【課題】帯域を含めて通信費用を管理することができるテレビ会議の通信コスト管理システムを得る。
【解決手段】予約情報とリソース情報に基づいて、所定期間におけるテレビ会議の予測通信コストを算出し、その予測通信コストと予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には予約情報の帯域を変更させるコスト管理部と、予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数の通信ネットワークの中から接続する通信ネットワークを選択するネットワーク選択部とを備える。
【解決手段】予約情報とリソース情報に基づいて、所定期間におけるテレビ会議の予測通信コストを算出し、その予測通信コストと予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には予約情報の帯域を変更させるコスト管理部と、予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数の通信ネットワークの中から接続する通信ネットワークを選択するネットワーク選択部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ会議システムの通信コスト管理システム及びテレビ会議システムの通信コスト管理サーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
通信回線を介して遠隔地間で映像や音声を送受信して会議通信を可能にするテレビ会議システムがある。通信路としてISDNを用いたテレビ会議システムにおける通信料金の管理に関し、「1つのテレビ会議を実行する2つの端末が、交互に発呼する」ことにより「通信料金の負担が一方の端末に偏るような事態を回避する」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、特定端末間の通信回線の帯域予約を行い、その予約情報を管理する帯域予約管理システムとして、「予約情報に応じて、帯域予約された当該通信回線の使用料を算出する料金算出手段」を備えたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−7571号公報(第5頁、図4)
【特許文献2】特開2004−080612号公報(第3頁、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、例えば会社の複数拠点間でテレビ会議を行う場合、特許文献1の技術によれば拠点間の通信料金を均等化することはできるが、会社全体で見れば通信料金の内訳が均等化されるだけで全体の通信料金は変わらない。また、特許文献2の技術によれば、帯域に基づいた通信料金を帯域予約の要求元に送信するが、会社全体の通信料金を把握することはできない。このように、会社全体での通信料金の管理を行うことができなかった。
【0006】
ところで昨今、NGN(Next Generation Network:次世代ネットワーク)によるサービス提供が開始されている。NGNによれば、通信のサービス品質が保証され、かつ、大容量の通信が可能である。そして今後は、NGNを提供する通信事業者等は、利用するアプリケーションの要求仕様や接続環境に応じた帯域を必要に応じて選択的に提供するような新たなサービス(以下、オンデマンド帯域サービスと称する)を予定している。このオンデマンド帯域サービスが提供された場合、通信料金は使用した帯域に応じた従量制で課金されることが想定される。
【0007】
帯域に応じた従量制での課金が導入された場合、従来のように会社全体での通信料金が管理できなければ、通信料金の予算オーバーが生じやすくなると懸念される。例えばテレビ会議を行う場合、各拠点とテレビ会議サーバー間でネットワークが設定され、各拠点のユーザーは、高品質・大容量の映像を伴うテレビ会議を選択しがちになり、ネットワークの帯域も大きくなる。こうなると、帯域に応じた従量制課金により、所属部門や会社全体での通信料金が増加することとなる。したがって、帯域を含めて通信料金を管理することができるテレビ会議の通信コスト管理システムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るテレビ会議の通信コスト管理システムは、テレビ会議の開催日時及び帯域を含むテレビ会議予約の予約情報を格納する予約情報格納部と、テレビ会議に関する通信コストの予算情報を格納する予算情報格納部と、テレビ会議の実施結果及びその通信コストを含む実績情報を格納する実績情報格納部と、テレビ会議で使用する帯域とその通信コストを含むリソース情報を格納するリソース情報格納部を備えた。
そして、予約情報とリソース情報に基づいて、所定期間におけるテレビ会議の予測通信コストを算出し、その予測通信コストと予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には予約情報の帯域を変更させるコスト管理部を備える。
さらに、予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数の通信ネットワークの中から接続する通信ネットワークを選択するネットワーク選択部を有するものである。
【0009】
本発明に係るテレビ会議の通信コスト管理サーバーは、テレビ会議の開催日時及び帯域を含むテレビ会議予約の予約情報、及びテレビ会議で使用する帯域とその通信コストを含むリソース情報に基づいて、所定期間のテレビ会議の予測通信コストを算出するコスト管理部を備える。
そして、このコスト管理部は、予測通信コストと、テレビ会議に関する通信コストの予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には前記予約情報の帯域を変更させる。
さらに、予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数の通信ネットワークの中から接続する通信ネットワークを選択するネットワーク選択部を有するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、予測通信コストと予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には予約情報の帯域を変更させる。そして、予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数のネットワークの中から接続するネットワークを選択する。このため、使用する帯域を含めてテレビ会議の通信コストを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1に係るテレビ会議システム及びコスト管理システムの構成図である。
【図2】予約情報データベースのデータ構成例である。
【図3】予算情報データベースのデータ構成例である。
【図4】実施情報データベースのデータ構成例である。
【図5】リソース情報データベースのデータ構成例である。
【図6】テレビ会議の通信コストの予算策定段階での動作フローチャートである。
【図7】テレビ会議の通信コストの予算策定段階での表示画面例である。
【図8】テレビ会議の予約段階での動作フローチャートである。
【図9】テレビ会議の予約段階での表示画面例である。
【図10】テレビ会議の予約チェック段階での動作フローチャートである。
【図11】テレビ会議の予約チェック段階での表示画面例である。
【図12】テレビ会議の予約詳細チェックでの動作フローチャートである。
【図13】テレビ会議の予約詳細チェックでの表示画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
本実施の形態1に係るテレビ会議システムは、映像信号及び音声信号を送信可能な複数のテレビ会議端末と、映像信号及び音声信号の制御を行うテレビ会議サーバーがNGNで接続され、各テレビ会議端末がテレビ会議サーバーを介して通信を行うものである。そして、本実施の形態1に係るテレビ会議システムの通信コスト管理システムは、このテレビ会議サーバー内に構築されている。また、オンデマンド帯域サービス及び、帯域に応じた従量制課金サービスが、NGNを提供する通信事業者により提供されているものとして説明する。
【0013】
図1は本実施の形態1に係るテレビ会議のコスト管理システム1を備えたテレビ会議システムの構成図である。図1において、テレビ会議システムは、センター20に設置されたテレビ会議サーバー21と、拠点A〜拠点Cにそれぞれ設置されたテレビ会議端末31a〜テレビ会議端末31c(以下、テレビ会議端末31と総称する場合がある)とが、NGN40により接続されて構成されている。コスト管理システム1は、テレビ会議サーバー21に構築されている。
【0014】
まず、テレビ会議システムの構成について説明する。
テレビ会議サーバー21は、テレビ会議端末31から送信される映像データ及び音声データを中継し、他のテレビ会議端末31に送信する。
テレビ会議端末31は、図示しないカメラ等の映像取得装置、マイクなどの音声取得装置、スピーカーなどの音声出力装置等を備えたPCあるいは専用端末で構成される。
例えば拠点Aと拠点Bとでテレビ会議を行う場合には、テレビ会議端末31aがマイクやカメラを使って映像と音声を取り込むと、その映像信号及び音声信号がNGN40を介してテレビ会議サーバー21に伝送される。そして、テレビ会議サーバー21により中継された映像信号及び音声信号がNGN40を介して拠点Bのテレビ会議端末31bに伝送され、テレビ会議端末31bはその映像信号及び音声信号を再生する。
【0015】
ここで、テレビ会議サーバー21は、帯域管理装置22を介してNGN40に接続されている。帯域管理装置22は、通信トラフィックの利用状況を監視するとともに、決められた帯域制御ルール及び通信トラフィックの利用状況に応じて、ネットワーク内の各伝送処理に割り当てる帯域を動的に変更して管理する装置である。帯域制御ルールでは、各伝送処理に割り当てる帯域が定められている。帯域管理装置22としては、専用の装置を用いることもできるし、例えば同等の機能を実現するルータを用いることもできる。また、テレビ会議端末31a〜テレビ会議端末31aも同様に、帯域管理装置30a〜帯域管理装置30c(以下、帯域管理装置30と総称する場合がある)を介してNGN40に接続されている。帯域管理装置30は、帯域管理装置22と同様の装置である。
【0016】
次に、コスト管理システム1について説明する。テレビ会議サーバー21には、テレビ会議に要する通信コストを管理するためのコスト管理システム1が構築されている。
コスト管理システム1は、コスト管理部2、予約管理部3、予算管理部4、実績管理部5、ネットワーク選択部10、帯域制御部11を備える。また、ハードディスクドライブなどの記憶装置に格納される予約情報データベース6、予算情報データベース7、実績情報データベース8、リソース情報データベース9を備える。
【0017】
図2は、予約情報データベース6のデータ構成例を示す図である。予約情報データベース6は、テレビ会議に関する予約情報を格納する。図2に示す予約情報は、予約ごとに一意に設定された「予約番号」、「予定開始日時」、「予定終了日時」、「部門」、「会議名」、「利用者」、「タイプ」、「利用機器」、「ネットワーク」、「帯域」、「重要度」、及びその予約が確定しているか否かを示す「確定フラグ」を備える。
「タイプ」はテレビ会議で送受信可能な信号の種別を表し、音声信号に加えて映像信号の送受信が可能な”映像”と、音声信号のみを送受信する”音声”の2種類がある。
「ネットワーク」はテレビ会議を行うときのネットワーク種別を表す。
「帯域」はテレビ会議を行うときに帯域管理装置22あるいは帯域管理装置30によって確保される帯域の値を表し、接続環境等に対応した最適な帯域である”推奨値”と、動作保証される帯域で”推奨値”より小さい”最小値”の2種類がある。
「重要度」は、各会議予約の重み付け情報であり、予約内容の妥当性を判断するときに用いられる(後述する)。
「確定フラグ」はテレビ会議の予約が確定しているか否かを表し、予約者が予約したが決裁者による決裁がなされていない場合は”未確定”、決裁がなされると”確定”となる。
なお、予約情報データベース6は、本発明の予約情報格納部に相当する。
【0018】
図3は、予算情報データベース7のデータ構成例を示す図である。予算情報データベース7は、テレビ会議に要する通信費の予算情報を格納する。図3に示す予算情報は、予算管理単位である「月」、「部門」、「予算」、予算に対する「残金」を有し、予算の比較対象として「前期実績」も格納している。この例では、「部門」ごとに「月」単位で予算管理を行う例を示している。なお、予算情報データベース7は、本発明の予算情報格納部に相当する。
【0019】
図4は、実績情報データベース8のデータ構成例を示す図である。実績情報データベース8は、テレビ会議の実施結果の履歴を実績情報として格納する。図4に示す実績情報は、「予約番号」、「開始日時」、「終了日時」、「部門」、「会議名」、「利用者」、「タイプ」、「利用機器」、その会議に要した通信の「概算費用」、「重要度」を備える。予約情報データベース6と実績情報データベース8において、同じ項目名のものは同等の内容を表す。なお、実績情報データベース8は、本発明の実績情報格納部に相当する。
【0020】
図5は、リソース情報データベース9のデータ構成例を示す図である。リソース情報データベース9は、テレビ会議を行うにときに選択可能な機器やネットワーク種別等のリソース情報を格納する。図5に示すリソース情報は、「タイプ」、「機器」、「ネットワーク種別」、「必要帯域」、「費用単価」を備える。
「タイプ」は前述のとおり、”映像”と”音声”の2種類である。
「機器」は、「タイプ」ごとに利用可能なテレビ会議用の機器であり、例えば”マイク”や”カメラ”などである。
「ネットワーク種別」は、「タイプ」と「機器」の組み合わせに応じて利用可能なネットワーク種別を表す。
「必要帯域」は、「タイプ」、「機器」、「ネットワーク種別」の組み合わせに応じて必要となる帯域であり、推奨値と最小値がそれぞれ格納される。
「費用単価」は、「タイプ」と「必要帯域」の組み合わせに対応する単位時間当たりの通信費である。「タイプ」が”映像”の場合には大きな帯域を要するので、「タイプ」が”音声”の場合よりも費用単価が大きい。また、「必要帯域」が”推奨値”の場合と”最小値”の場合とでは”推奨値”の方が帯域が大きく費用単価も大きい。
なお、リソース情報データベース9は、本発明のリソース情報格納部に相当する。
【0021】
予約管理部3は、テレビ会議の予約情報を、予約情報データベース6を用いて管理する。予約管理部3は、図示しないディスプレイなどを介してテレビ会議を予約するための情報をユーザーに提供し、図示しないマウスやキーボードなどにより入力されたテレビ会議の予約を受け付ける。そして、予約可能であればその予約情報を予約情報データベース6に格納する。
【0022】
予算管理部4は、テレビ会議に要する通信費の予算情報を、予算情報データベース7を用いて管理する。予算管理部4は、予算の管理単位(年度、半期、四半期、月など)、あるいは部門ごとに、予算情報を管理することができる。予算管理部4は、図示しないディスプレイなどのを介して予算策定のための情報をユーザーに提供し、マウスやキーボードなどにより予算入力を受け付ける。そして、入力された予算情報を予算情報データベース7に格納する。
【0023】
実績管理部5は、テレビ会議の実施結果及びそのコストを含む実績情報を、実績情報データベース8を用いて管理する。実績管理部5は、テレビ会議が実施されると、該テレビ会議が行われた時間、使用された帯域、及びその他必要な情報に基づいて「概算費用」(図4参照)を算出し、この「概算費用」を含む実績情報を実績情報データベース8に格納する。
【0024】
コスト管理部2は、予約情報データベース6、予算情報データベース7、実績情報データベース8、リソース情報データベース9に格納された情報に基づいて、テレビ会議の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には予約情報管理部3を介して予約情報の帯域を変更させるなど、必要な対応を行う。詳細は後述する。
【0025】
ネットワーク選択部10は、ネットワーク選択インターフェース(図1及び以降の説明では、帯域I/F41と表記する)に接続され、予約情報データベース6に格納された予約情報に基づいて、テレビ会議に必要な帯域を有する通信ネットワークを選択する。
ここで、帯域I/F41は、NGN40により提供されオンデマンド帯域サービスを利用するためのインターフェースである。ネットワーク選択部10が、オンデマンド帯域サービスの利用の有無、利用する場合の使用帯域、及びその他必要な情報を帯域I/F41に出力すると、指定した帯域の通信ネットワークがNGN40により提供される。
【0026】
帯域制御部11は、予約情報データベース6に格納された予約情報に基づいて、帯域管理装置22が帯域を管理するための帯域制御ルールを、帯域管理装置22に対して出力する。なお、帯域制御ルールは本発明の帯域確保要求に相当する。また、帯域制御部11は、帯域管理装置22から、ネットワーク上の通信トラフィックの利用状況を取得する。
【0027】
次に、本実施の形態1におけるコスト管理システム1の動作例を説明する。本実施の形態1では、テレビ会議の通信費の予算策定段階、テレビ会議の予約段階、テレビ会議予約の妥当性を検証して決裁する予約チェック段階において利用する場合を例に説明する。ここでは、拠点A〜拠点Cのいずれかに存在するユーザーが、NGN40に接続された図示しないPCを用いて予算策定、予約、決裁をそれぞれ行うものとして説明する。なお、以降の説明において、予算策定を行うユーザーを予算策定者、テレビ会議の予約を行うユーザーを予約者、テレビ会議予約の妥当性を検証して決裁するユーザーを決裁者と称する。
【0028】
図6は予算策定段階におけるコスト管理システム1の予算管理部4の動作を示すフローチャート、図7は予算策定中に予算策定者のPCに表示される画面例を示す図である。以下、図6に基づき、図7を参照しつつ動作を説明する。
【0029】
予算策定を開始すると、予算管理部4は、実績情報データベース8からテレビ会議の実績情報を取得して出力する(S101)。予算管理部4は、予算策定者が指定した条件に基づいて予算情報を取得する。例えば部門aの今年度第4期の予算を策定する場合には、予算策定者は、部門aの前年度や前々年度の第4期の実績情報などの条件を指定することができる。図7(A)は実績情報の表示画面例であり、部門aの前年度第4期の実績情報を示している。
【0030】
続けて、実績情報に基づいて、予算案候補を算出して出力する(S102)。例えば、部門ごとに実績コストの最大値、平均値、最低値を求め、これを予算案候補としてもよい。図7(B)は実績コストの表示画面例であり、実績コストの最大値、平均値、最低値、を表示している。なお、予算案候補の算出方法や算出条件は、任意に指定することができる。例えば会社全体でテレビ会議予算を10%削減するといった方針がある場合などには、それを加味して予算案候補を算出するようにする。
【0031】
予算策定者は、出力された実績情報と(S101)出力された実績コスト(S102)に基づいて予算を作成する。予算管理部4には、予算作成者によって作成された予算が入力される(S103)。
【0032】
そして、予算策定者により予算が確定されると(S104)、確定された予算情報を予算情報データベース7に格納する(S105)。
【0033】
このように、予算管理部4は実績情報と実績コストを出力するので(S101、S102)、予算策定者はこれらの情報を参照して予算作成することができる。したがって、予算策定者の適切な予算作成を効果的にサポートすることができる。
【0034】
次に、テレビ会議の予約段階の動作を説明する。
図8は本実施の形態1に係る予約段階におけるコスト管理システム1の予約管理部3の動作を示すフローチャート、図9は予約段階において予約者に提示される画面例を示す図である。以下、図8に基づき、図9を参照しつつ動作を説明する。
【0035】
予約を開始すると、予約管理部3は、予約管理部3へのログインを促して予約者にログインさせる(S201)。
【0036】
そして、実績情報データベース8から実績情報を取得して出力する(S202)。予約管理部3は、予約者が指定した条件に基づいて実績情報を取得する。例えば、部門aに属する予約者が予約を行う場合、部門aの実績情報を取得してもよいし、他部門の実績情報を取得してもよい。図9(A)は実績情報の表示画面例であり、部門aの実績情報を一覧表示している。
【0037】
続けて、予算情報データベース7から予算情報を取得して出力する(S203)。予約管理部3は、予約者が指定した条件に基づいて予算情報を取得する。例えば部門aに属する予約者が予約を行う場合には、部門aの予算情報を取得することができる。図9(B)は予算情報の表示画面例であり、部門aの月ごとの予算と残額を表示している。
【0038】
続けて、予約情報データベース6からテレビ会議の予約の空き情報を取得して出力し(S204)、予約者が予約を行うための予約画面を出力する(S205)。予約画面には、予約者が選択可能なリソースをリソース情報データベース9から取得して表示する。併せて、予約者が選択したリソースや予約時間に応じて、その予約に予測される「予測費用」を算出して表示することもできる。図9(C)はテレビ会議を予約するための予約画面例であり、空き情報を併せて表示する例である。図9(C)では、「予測費用」も表示するようにしている。
【0039】
予約者は、ステップS202〜ステップ204で出力された実績情報(S202)、予算情報(S203)、予約空き情報(S204)を参考に、表示された予約画面(S205)により予約を入力する(S206)。例えば図9(C)の例では、「開始日時」、「終了日時」を指定するとともに、「タイプ」、「利用」、「ネットワーク」、「帯域」、「重要度」などを入力すると、その内容に応じて「予測費用」が算出されて表示されるようになっている。
【0040】
そして、予約者による予約入力が終了すると(S207)、入力された予約情報を予約情報データベース6に格納する(S208)。なお、予約者による予約が終了した段階においては、予約情報データベース6に格納された予約情報の「確定フラグ」(図2参照)は、”未確定”となっている。
【0041】
このように、予約管理部3は実績情報を出力するので(S202)、予約者は例えば同様の会議については同様の内容で予約するなど、予約を効率的に行うことができる。また、予算情報として予算残額を表示するとともに(S203)、予約画面でその予約の「予測費用」を表示するので、予約者は予算残額に収まるように予約内容を決定することができる。例えばテレビ会議の「タイプ」を”映像”から”音声”に変更すれば、必要な帯域が小さくなり、「予測費用」も小さくすることができる。
【0042】
次に、テレビ会議予約の妥当性を検証して決裁する予約チェック段階の動作を説明する。
図10は本実施の形態1に係る予約チェック段階におけるコスト管理部2の動作を示すフローチャート、図11は予約チェック段階において決裁者に提示される画面例を示す図である。以下、図10に基づき、図11を参照しつつ動作を説明する。
【0043】
チェックを開始すると、予約情報データベース6に格納された予約情報とリソース情報データベース9に格納されたリソース情報に基づいて、チェックする期間の予測コストを集計して表示する(S301)。具体的には、それぞれの予約の「タイプ」(”映像”または”音声”)と「帯域」(”推奨値”または”最小値”)に基づいて、リソース情報データベース9から対応する「費用単価」を抽出する。そして、この「費用単価」とテレビ会議の予約時間から予約ごとの通信コストを算出し、これを集計して予測コストとする。
例えば部門aの12月の予約をチェックする場合には、12月に予約されている予約情報に基づいて、その予測コストを集計する。図11(A)は予測コストの表示画面例であり、部門aの12月の予約情報を一覧表示するとともに、予測コストを集計して表示している。
【0044】
続けて、実績情報データベース8から実績情報を取得して出力する(S302)。このとき、決裁者が指定した条件に基づいて実績情報を取得する。例えば、今年度の12月の予約をチェックする場合には、前年度の12月の実績など、チェックする対象と対比可能な実績情報を取得することができる。また、例えば四半期ごとに予算・実績管理を行っている場合には、今年度の第4期の実績を取得してもよい。
【0045】
続けて、予算情報データベース7から予算情報を取得して出力する(S303)。このとき、決裁者が指定した条件に基づいて予算情報を取得する。図11(B)は実績情報と予算情報の表示画面例であり、実績情報として前年度12月の実績と今年度第4期の実績を、予算情報として今年度12月の予算と残金を表示している。
【0046】
そして、取得した予約情報、実績情報、予算情報に基づいて、テレビ会議の予測コストが予算内か否かを判定する(S304)。予算内であればステップS307へ進み、予算を超えている場合には予約内容が妥当でないものとしてステップS305へ進む。
【0047】
ステップS305では、予測コストが決算単位の予算で充当可能であるか否かを判定する。例えば、四半期ごとにテレビ会議のコストを決算する場合には、その期の予算内で充当可能か否かを判定する。具体的には、10月と11月の予算の剰余分を12月のテレビ会議費用に充てることができるか否かを判定し、可能であればステップS305に進み、不可能であれば予約内容が妥当でないものとしてステップS306に進んで予約の詳細チェックを行う。
【0048】
ステップS307では、該当する月のテレビ会議予約の費用が前年度の同月の実績コストと比較する(S307)。そして、前年度の実績コストを超えているときは(S308)、ステップS306に進んで予約の詳細チェックを行う。一方、実績コスト以下であれば(S308)、決裁者による決裁を受け(S309)、予約を確定する(S310)。予約を確定するときには、予約情報の「確定フラグ」を”確定”にして予約情報データベース6を更新させる。
【0049】
次に、図10のステップS306の予約詳細チェックの動作について説明する。
図12は予約詳細チェックにおけるコスト管理システム1の動作を示すフローチャート、図13は予約詳細チェックにおいて決裁者に提示される画面例を示す図である。以下、図12に基づき、図13を参照しつつ動作を説明する。
【0050】
予約の詳細チェックを開始すると、予約の変更方法を決裁者に選択させる(S401)。予約の変更方法には、テレビ会議予約で指定された帯域を一括で変更する一括変更と、予約を一件ずつ個別に確認して変更する個別変更とがある。
【0051】
一括変更が選択された場合には(S401)、予約情報で設定されている「帯域」を一括で変更する(S402)。例えば、すべての会議予約に割り当てる帯域を、均一に減らすよう変更することができる。そしてこのときには、予約情報の「重要度」に応じて帯域を減少させる量を調整してもよい。または、「帯域」に”推奨値”が設定されている予約について、一括で”最小値”に変更することもできる。
【0052】
個別変更が選択された場合には(S401)、予約情報データベース6から予約情報を、実績情報データベース8から実績情報を取得して、決裁者が予約の妥当性を判断できるように詳細情報を出力する(S403)。
図13(A)は予約情報の詳細情報を表示する画面例である。図13(A)では、同じ「会議名」(”定例”)が設定された会議予約のうち、設定されている「タイプ」が他と異なるもの(”映像”が設定された予約番号0004)を目立つように網掛け表示して、決裁者の確認を促している。
また、図13(B)は予約情報の詳細情報を表示する他の画面例である。図13(B)では、特定の「会議名」(”月例”)が設定された会議の予約情報と、これと同じ「会議名」(”月例”)が設定された実績情報を一覧表示し、実績と比較して予約内容が妥当か否かの確認を決裁者に促している。図13(B)の例では、前年度以前は「タイプ」が”音声”であるのに対し、今年度12月の会議予約に設定されている「タイプ」は”映像”であることが分かるので、決裁者はその妥当性を確認することができる。
その他、「帯域」に”推奨値”が設定されている予約をピックアップして表示し、決裁者がその妥当性を予約ごとに確認するよう促してもよい。
【0053】
そして、各予約について、予約内容の変更候補となるリソース情報をリソース情報データベース9から取得して表示する(S404)。
【0054】
決裁者は、予約情報の詳細情報(S403)を確認してその妥当性を判断し、妥当でないと判断した場合には、変更候補となるリソース情報(S404)から適切なものを選択して予約の仮変更を行う。例えば図13(A)の例において、予約番号0004の「タイプ」を”音声”に変更して仮変更を行うことができる。
そして、コスト管理部2には、仮変更した予約内容が入力される(S405)。
【0055】
予約の仮変更が入力されると、その内容に従って予測コストを集計し、更新表示する(S406)。予測コストを更新表示することで、決裁者に予約の妥当性を容易に判断させることができる。例えば図13(A)の例において、予約番号0004の「タイプ」を”音声”に変更した場合には、”映像”と比較して使用帯域が小さくなるので予測コストも小さくなる。
【0056】
そして、予約が決定されればステップS408へ進み、決定されなければステップS401に戻って予約の変更を再度行う(S407)。
【0057】
予約が決定されると(S407)、決定された内容にしたがって予約情報データベース6の予約情報を更新する(S408)。
【0058】
そして、ステップ402あるいはステップS405で帯域が変更されていない場合は動作を終了し(S409)、変更されている場合には帯域の変更指示を帯域管理装置22あるいは帯域I/F41に対して行う(S409、S410)。ここで、帯域変更指示を帯域管理装置22に対して行うか、帯域I/F41に対して行うかは、帯域の変更内容によって異なる。
ネットワーク内の帯域の割当てを変更しただけの場合、すなわち、使用するネットワーク自体の帯域を変更しない場合には、帯域管理装置22に対して所定の帯域制御ルールを出力することによってネットワーク内の帯域の変更を指示する。
他方、予約情報の帯域を小さくすることで、ネットワーク全体の帯域を小さくすることができる場合には、帯域I/F41に対して必要な情報を帯域変更指示として出力する。
例えば特定の期間の帯域が従来の90%の大きさでよい場合、その情報を帯域I/F41に出力してオンデマンド帯域サービスを利用するようにする。オンデマンド帯域サービスでは帯域に応じた従量制で課金されるので、帯域を小さくすることで通信コストを低減させることができる。
【0059】
続けて、帯域が変更された予約の予約者に、帯域を変更したことを例えば電子メールなどにより通知する(S411)。
【0060】
なお、上記説明では、図12のステップ410で帯域変更指示を行うようにしたが、予約の詳細チェックにおいては帯域変更指示を行わず、予約されたテレビ会議が開始される前に同様の帯域変更指示を行うこともできる。
【0061】
このように予算策定段階、予約段階、予約チェック段階を経て確定されたテレビ会議予約に基づいてテレビ会議を行う。テレビ会議を行うときには、予約情報データベース6に格納された予約情報に基づいて、ネットワーク選択部10が必要な帯域を帯域I/F41に指定する。例えば映像付きのテレビ会議が複数予約されている場合で大きな帯域が必要な場合は、その期間と帯域を指定する。また、小さな帯域でよい場合には、その時間と帯域を指定するようにする。そして、指定した帯域のネットワークがNGN40により提供されてテレビ会議を行うことができる。このように必要な帯域を指定するので、不必要に大きな帯域のネットワークを確保する必要がない。また、例えば予約した帯域よりも大きな帯域でテレビ会議を行おうとするユーザーがいた場合でも、ネットワーク選択部10により予め帯域が指定されているので、予約した帯域を超えるネットワークが確保されるのを防ぐことができる。
【0062】
そして、帯域制御部11は、予約情報データベース6に格納された予約情報に基づく帯域制御ルールを帯域管理装置22に出力する。例えば映像付きのテレビ会議と音声のみのテレビ会議が同じ時間帯に行われる場合には、必要な帯域がそれぞれの会議に提供されるようにする。このようにすることで、各テレビ会議における通信品質を最適に保つことができる。
【0063】
以上のように本実施の形態1に係るコスト管理システム1によれば、テレビ会議の予約情報と帯域に基づいて予測コストを算出し、この予測コストが予算を超えているか否かにより予約内容の妥当性を判定した。そして、予測コストが予算を超えている場合には予約情報の帯域を変更するようにした。このため、テレビ会議の予約段階において、通信コストが予算を超えるのを抑制することができる。
【0064】
そして、予約情報の帯域を変更する場合には、各予約の帯域を均一に小さくする、あるいは、予約の「重要度」に応じて帯域を小さくすることにより、一括で帯域を変更できるようにした。このため、予測コストを予算値に容易に近づけることができる。
また、一括で帯域を変更しない場合には、予約情報を詳細表示するとともに予約の変更候補を決裁者に提示するようにした。このため、決裁者は予約内容のシミュレーションを容易に行うことができ、予約内容を最適化することで容易に予測コストを予算値に近づけることができる。
【0065】
さらに、帯域I/F41を介してNGN40が提供するオンデマンド帯域サービスを利用し、予約情報の帯域に応じたネットワークを選択するようにした。オンデマンド帯域サービスでは帯域によって課金されるので、帯域を小さくすることで通信コストを低減させることができる。このため、部門あるいは会社全体における通信コストを最適化することができるとともに、予算オーバーが発生するのを防ぐことができる。
【0066】
なお、本実施の形態1で示したデータ構造は一例に過ぎず、同様の機能を実現する他の構造を用いてもよい。
【0067】
また、本実施の形態1では、ユーザーに対して各種情報を提示する例として画面表示例を示したが、これは一例であり、ユーザーに分かりやすい任意の表示方法で表示することができる。さらに、音声メッセージ等により聴覚的にユーザーに必要な情報を提示してもよい。
【0068】
また、本実施の形態1では、テレビ会議サーバー21にコスト管理システム1を構築する例を示したが、コスト管理システム1の構築方法はこれに限定するものではなく、同等の機能を実現できるものであれば各構成要素が物理的に独立した装置により構成されてもよい。例えば、PCで予算策定を行い、テレビ会議サーバーで予約管理を行っているような既存の環境がある場合には、これらと連携してコスト管理システムを構築することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 コスト管理システム、2 コスト管理部、3 予約管理部、4 予算管理部、5 実績管理部、6 予約情報データベース、7 予算情報データベース、8 実績情報データベース、9 リソース情報データベース、10 ネットワーク選択部、11 帯域制御部、20 センター、21 テレビ会議サーバー、22 帯域管理装置、30、30a、30b、30c 帯域管理装置、31、31a、31b、31c テレビ会議端末、40 NGN、41 帯域I/F。
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ会議システムの通信コスト管理システム及びテレビ会議システムの通信コスト管理サーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
通信回線を介して遠隔地間で映像や音声を送受信して会議通信を可能にするテレビ会議システムがある。通信路としてISDNを用いたテレビ会議システムにおける通信料金の管理に関し、「1つのテレビ会議を実行する2つの端末が、交互に発呼する」ことにより「通信料金の負担が一方の端末に偏るような事態を回避する」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、特定端末間の通信回線の帯域予約を行い、その予約情報を管理する帯域予約管理システムとして、「予約情報に応じて、帯域予約された当該通信回線の使用料を算出する料金算出手段」を備えたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−7571号公報(第5頁、図4)
【特許文献2】特開2004−080612号公報(第3頁、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、例えば会社の複数拠点間でテレビ会議を行う場合、特許文献1の技術によれば拠点間の通信料金を均等化することはできるが、会社全体で見れば通信料金の内訳が均等化されるだけで全体の通信料金は変わらない。また、特許文献2の技術によれば、帯域に基づいた通信料金を帯域予約の要求元に送信するが、会社全体の通信料金を把握することはできない。このように、会社全体での通信料金の管理を行うことができなかった。
【0006】
ところで昨今、NGN(Next Generation Network:次世代ネットワーク)によるサービス提供が開始されている。NGNによれば、通信のサービス品質が保証され、かつ、大容量の通信が可能である。そして今後は、NGNを提供する通信事業者等は、利用するアプリケーションの要求仕様や接続環境に応じた帯域を必要に応じて選択的に提供するような新たなサービス(以下、オンデマンド帯域サービスと称する)を予定している。このオンデマンド帯域サービスが提供された場合、通信料金は使用した帯域に応じた従量制で課金されることが想定される。
【0007】
帯域に応じた従量制での課金が導入された場合、従来のように会社全体での通信料金が管理できなければ、通信料金の予算オーバーが生じやすくなると懸念される。例えばテレビ会議を行う場合、各拠点とテレビ会議サーバー間でネットワークが設定され、各拠点のユーザーは、高品質・大容量の映像を伴うテレビ会議を選択しがちになり、ネットワークの帯域も大きくなる。こうなると、帯域に応じた従量制課金により、所属部門や会社全体での通信料金が増加することとなる。したがって、帯域を含めて通信料金を管理することができるテレビ会議の通信コスト管理システムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るテレビ会議の通信コスト管理システムは、テレビ会議の開催日時及び帯域を含むテレビ会議予約の予約情報を格納する予約情報格納部と、テレビ会議に関する通信コストの予算情報を格納する予算情報格納部と、テレビ会議の実施結果及びその通信コストを含む実績情報を格納する実績情報格納部と、テレビ会議で使用する帯域とその通信コストを含むリソース情報を格納するリソース情報格納部を備えた。
そして、予約情報とリソース情報に基づいて、所定期間におけるテレビ会議の予測通信コストを算出し、その予測通信コストと予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には予約情報の帯域を変更させるコスト管理部を備える。
さらに、予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数の通信ネットワークの中から接続する通信ネットワークを選択するネットワーク選択部を有するものである。
【0009】
本発明に係るテレビ会議の通信コスト管理サーバーは、テレビ会議の開催日時及び帯域を含むテレビ会議予約の予約情報、及びテレビ会議で使用する帯域とその通信コストを含むリソース情報に基づいて、所定期間のテレビ会議の予測通信コストを算出するコスト管理部を備える。
そして、このコスト管理部は、予測通信コストと、テレビ会議に関する通信コストの予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には前記予約情報の帯域を変更させる。
さらに、予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数の通信ネットワークの中から接続する通信ネットワークを選択するネットワーク選択部を有するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、予測通信コストと予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には予約情報の帯域を変更させる。そして、予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数のネットワークの中から接続するネットワークを選択する。このため、使用する帯域を含めてテレビ会議の通信コストを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1に係るテレビ会議システム及びコスト管理システムの構成図である。
【図2】予約情報データベースのデータ構成例である。
【図3】予算情報データベースのデータ構成例である。
【図4】実施情報データベースのデータ構成例である。
【図5】リソース情報データベースのデータ構成例である。
【図6】テレビ会議の通信コストの予算策定段階での動作フローチャートである。
【図7】テレビ会議の通信コストの予算策定段階での表示画面例である。
【図8】テレビ会議の予約段階での動作フローチャートである。
【図9】テレビ会議の予約段階での表示画面例である。
【図10】テレビ会議の予約チェック段階での動作フローチャートである。
【図11】テレビ会議の予約チェック段階での表示画面例である。
【図12】テレビ会議の予約詳細チェックでの動作フローチャートである。
【図13】テレビ会議の予約詳細チェックでの表示画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
本実施の形態1に係るテレビ会議システムは、映像信号及び音声信号を送信可能な複数のテレビ会議端末と、映像信号及び音声信号の制御を行うテレビ会議サーバーがNGNで接続され、各テレビ会議端末がテレビ会議サーバーを介して通信を行うものである。そして、本実施の形態1に係るテレビ会議システムの通信コスト管理システムは、このテレビ会議サーバー内に構築されている。また、オンデマンド帯域サービス及び、帯域に応じた従量制課金サービスが、NGNを提供する通信事業者により提供されているものとして説明する。
【0013】
図1は本実施の形態1に係るテレビ会議のコスト管理システム1を備えたテレビ会議システムの構成図である。図1において、テレビ会議システムは、センター20に設置されたテレビ会議サーバー21と、拠点A〜拠点Cにそれぞれ設置されたテレビ会議端末31a〜テレビ会議端末31c(以下、テレビ会議端末31と総称する場合がある)とが、NGN40により接続されて構成されている。コスト管理システム1は、テレビ会議サーバー21に構築されている。
【0014】
まず、テレビ会議システムの構成について説明する。
テレビ会議サーバー21は、テレビ会議端末31から送信される映像データ及び音声データを中継し、他のテレビ会議端末31に送信する。
テレビ会議端末31は、図示しないカメラ等の映像取得装置、マイクなどの音声取得装置、スピーカーなどの音声出力装置等を備えたPCあるいは専用端末で構成される。
例えば拠点Aと拠点Bとでテレビ会議を行う場合には、テレビ会議端末31aがマイクやカメラを使って映像と音声を取り込むと、その映像信号及び音声信号がNGN40を介してテレビ会議サーバー21に伝送される。そして、テレビ会議サーバー21により中継された映像信号及び音声信号がNGN40を介して拠点Bのテレビ会議端末31bに伝送され、テレビ会議端末31bはその映像信号及び音声信号を再生する。
【0015】
ここで、テレビ会議サーバー21は、帯域管理装置22を介してNGN40に接続されている。帯域管理装置22は、通信トラフィックの利用状況を監視するとともに、決められた帯域制御ルール及び通信トラフィックの利用状況に応じて、ネットワーク内の各伝送処理に割り当てる帯域を動的に変更して管理する装置である。帯域制御ルールでは、各伝送処理に割り当てる帯域が定められている。帯域管理装置22としては、専用の装置を用いることもできるし、例えば同等の機能を実現するルータを用いることもできる。また、テレビ会議端末31a〜テレビ会議端末31aも同様に、帯域管理装置30a〜帯域管理装置30c(以下、帯域管理装置30と総称する場合がある)を介してNGN40に接続されている。帯域管理装置30は、帯域管理装置22と同様の装置である。
【0016】
次に、コスト管理システム1について説明する。テレビ会議サーバー21には、テレビ会議に要する通信コストを管理するためのコスト管理システム1が構築されている。
コスト管理システム1は、コスト管理部2、予約管理部3、予算管理部4、実績管理部5、ネットワーク選択部10、帯域制御部11を備える。また、ハードディスクドライブなどの記憶装置に格納される予約情報データベース6、予算情報データベース7、実績情報データベース8、リソース情報データベース9を備える。
【0017】
図2は、予約情報データベース6のデータ構成例を示す図である。予約情報データベース6は、テレビ会議に関する予約情報を格納する。図2に示す予約情報は、予約ごとに一意に設定された「予約番号」、「予定開始日時」、「予定終了日時」、「部門」、「会議名」、「利用者」、「タイプ」、「利用機器」、「ネットワーク」、「帯域」、「重要度」、及びその予約が確定しているか否かを示す「確定フラグ」を備える。
「タイプ」はテレビ会議で送受信可能な信号の種別を表し、音声信号に加えて映像信号の送受信が可能な”映像”と、音声信号のみを送受信する”音声”の2種類がある。
「ネットワーク」はテレビ会議を行うときのネットワーク種別を表す。
「帯域」はテレビ会議を行うときに帯域管理装置22あるいは帯域管理装置30によって確保される帯域の値を表し、接続環境等に対応した最適な帯域である”推奨値”と、動作保証される帯域で”推奨値”より小さい”最小値”の2種類がある。
「重要度」は、各会議予約の重み付け情報であり、予約内容の妥当性を判断するときに用いられる(後述する)。
「確定フラグ」はテレビ会議の予約が確定しているか否かを表し、予約者が予約したが決裁者による決裁がなされていない場合は”未確定”、決裁がなされると”確定”となる。
なお、予約情報データベース6は、本発明の予約情報格納部に相当する。
【0018】
図3は、予算情報データベース7のデータ構成例を示す図である。予算情報データベース7は、テレビ会議に要する通信費の予算情報を格納する。図3に示す予算情報は、予算管理単位である「月」、「部門」、「予算」、予算に対する「残金」を有し、予算の比較対象として「前期実績」も格納している。この例では、「部門」ごとに「月」単位で予算管理を行う例を示している。なお、予算情報データベース7は、本発明の予算情報格納部に相当する。
【0019】
図4は、実績情報データベース8のデータ構成例を示す図である。実績情報データベース8は、テレビ会議の実施結果の履歴を実績情報として格納する。図4に示す実績情報は、「予約番号」、「開始日時」、「終了日時」、「部門」、「会議名」、「利用者」、「タイプ」、「利用機器」、その会議に要した通信の「概算費用」、「重要度」を備える。予約情報データベース6と実績情報データベース8において、同じ項目名のものは同等の内容を表す。なお、実績情報データベース8は、本発明の実績情報格納部に相当する。
【0020】
図5は、リソース情報データベース9のデータ構成例を示す図である。リソース情報データベース9は、テレビ会議を行うにときに選択可能な機器やネットワーク種別等のリソース情報を格納する。図5に示すリソース情報は、「タイプ」、「機器」、「ネットワーク種別」、「必要帯域」、「費用単価」を備える。
「タイプ」は前述のとおり、”映像”と”音声”の2種類である。
「機器」は、「タイプ」ごとに利用可能なテレビ会議用の機器であり、例えば”マイク”や”カメラ”などである。
「ネットワーク種別」は、「タイプ」と「機器」の組み合わせに応じて利用可能なネットワーク種別を表す。
「必要帯域」は、「タイプ」、「機器」、「ネットワーク種別」の組み合わせに応じて必要となる帯域であり、推奨値と最小値がそれぞれ格納される。
「費用単価」は、「タイプ」と「必要帯域」の組み合わせに対応する単位時間当たりの通信費である。「タイプ」が”映像”の場合には大きな帯域を要するので、「タイプ」が”音声”の場合よりも費用単価が大きい。また、「必要帯域」が”推奨値”の場合と”最小値”の場合とでは”推奨値”の方が帯域が大きく費用単価も大きい。
なお、リソース情報データベース9は、本発明のリソース情報格納部に相当する。
【0021】
予約管理部3は、テレビ会議の予約情報を、予約情報データベース6を用いて管理する。予約管理部3は、図示しないディスプレイなどを介してテレビ会議を予約するための情報をユーザーに提供し、図示しないマウスやキーボードなどにより入力されたテレビ会議の予約を受け付ける。そして、予約可能であればその予約情報を予約情報データベース6に格納する。
【0022】
予算管理部4は、テレビ会議に要する通信費の予算情報を、予算情報データベース7を用いて管理する。予算管理部4は、予算の管理単位(年度、半期、四半期、月など)、あるいは部門ごとに、予算情報を管理することができる。予算管理部4は、図示しないディスプレイなどのを介して予算策定のための情報をユーザーに提供し、マウスやキーボードなどにより予算入力を受け付ける。そして、入力された予算情報を予算情報データベース7に格納する。
【0023】
実績管理部5は、テレビ会議の実施結果及びそのコストを含む実績情報を、実績情報データベース8を用いて管理する。実績管理部5は、テレビ会議が実施されると、該テレビ会議が行われた時間、使用された帯域、及びその他必要な情報に基づいて「概算費用」(図4参照)を算出し、この「概算費用」を含む実績情報を実績情報データベース8に格納する。
【0024】
コスト管理部2は、予約情報データベース6、予算情報データベース7、実績情報データベース8、リソース情報データベース9に格納された情報に基づいて、テレビ会議の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には予約情報管理部3を介して予約情報の帯域を変更させるなど、必要な対応を行う。詳細は後述する。
【0025】
ネットワーク選択部10は、ネットワーク選択インターフェース(図1及び以降の説明では、帯域I/F41と表記する)に接続され、予約情報データベース6に格納された予約情報に基づいて、テレビ会議に必要な帯域を有する通信ネットワークを選択する。
ここで、帯域I/F41は、NGN40により提供されオンデマンド帯域サービスを利用するためのインターフェースである。ネットワーク選択部10が、オンデマンド帯域サービスの利用の有無、利用する場合の使用帯域、及びその他必要な情報を帯域I/F41に出力すると、指定した帯域の通信ネットワークがNGN40により提供される。
【0026】
帯域制御部11は、予約情報データベース6に格納された予約情報に基づいて、帯域管理装置22が帯域を管理するための帯域制御ルールを、帯域管理装置22に対して出力する。なお、帯域制御ルールは本発明の帯域確保要求に相当する。また、帯域制御部11は、帯域管理装置22から、ネットワーク上の通信トラフィックの利用状況を取得する。
【0027】
次に、本実施の形態1におけるコスト管理システム1の動作例を説明する。本実施の形態1では、テレビ会議の通信費の予算策定段階、テレビ会議の予約段階、テレビ会議予約の妥当性を検証して決裁する予約チェック段階において利用する場合を例に説明する。ここでは、拠点A〜拠点Cのいずれかに存在するユーザーが、NGN40に接続された図示しないPCを用いて予算策定、予約、決裁をそれぞれ行うものとして説明する。なお、以降の説明において、予算策定を行うユーザーを予算策定者、テレビ会議の予約を行うユーザーを予約者、テレビ会議予約の妥当性を検証して決裁するユーザーを決裁者と称する。
【0028】
図6は予算策定段階におけるコスト管理システム1の予算管理部4の動作を示すフローチャート、図7は予算策定中に予算策定者のPCに表示される画面例を示す図である。以下、図6に基づき、図7を参照しつつ動作を説明する。
【0029】
予算策定を開始すると、予算管理部4は、実績情報データベース8からテレビ会議の実績情報を取得して出力する(S101)。予算管理部4は、予算策定者が指定した条件に基づいて予算情報を取得する。例えば部門aの今年度第4期の予算を策定する場合には、予算策定者は、部門aの前年度や前々年度の第4期の実績情報などの条件を指定することができる。図7(A)は実績情報の表示画面例であり、部門aの前年度第4期の実績情報を示している。
【0030】
続けて、実績情報に基づいて、予算案候補を算出して出力する(S102)。例えば、部門ごとに実績コストの最大値、平均値、最低値を求め、これを予算案候補としてもよい。図7(B)は実績コストの表示画面例であり、実績コストの最大値、平均値、最低値、を表示している。なお、予算案候補の算出方法や算出条件は、任意に指定することができる。例えば会社全体でテレビ会議予算を10%削減するといった方針がある場合などには、それを加味して予算案候補を算出するようにする。
【0031】
予算策定者は、出力された実績情報と(S101)出力された実績コスト(S102)に基づいて予算を作成する。予算管理部4には、予算作成者によって作成された予算が入力される(S103)。
【0032】
そして、予算策定者により予算が確定されると(S104)、確定された予算情報を予算情報データベース7に格納する(S105)。
【0033】
このように、予算管理部4は実績情報と実績コストを出力するので(S101、S102)、予算策定者はこれらの情報を参照して予算作成することができる。したがって、予算策定者の適切な予算作成を効果的にサポートすることができる。
【0034】
次に、テレビ会議の予約段階の動作を説明する。
図8は本実施の形態1に係る予約段階におけるコスト管理システム1の予約管理部3の動作を示すフローチャート、図9は予約段階において予約者に提示される画面例を示す図である。以下、図8に基づき、図9を参照しつつ動作を説明する。
【0035】
予約を開始すると、予約管理部3は、予約管理部3へのログインを促して予約者にログインさせる(S201)。
【0036】
そして、実績情報データベース8から実績情報を取得して出力する(S202)。予約管理部3は、予約者が指定した条件に基づいて実績情報を取得する。例えば、部門aに属する予約者が予約を行う場合、部門aの実績情報を取得してもよいし、他部門の実績情報を取得してもよい。図9(A)は実績情報の表示画面例であり、部門aの実績情報を一覧表示している。
【0037】
続けて、予算情報データベース7から予算情報を取得して出力する(S203)。予約管理部3は、予約者が指定した条件に基づいて予算情報を取得する。例えば部門aに属する予約者が予約を行う場合には、部門aの予算情報を取得することができる。図9(B)は予算情報の表示画面例であり、部門aの月ごとの予算と残額を表示している。
【0038】
続けて、予約情報データベース6からテレビ会議の予約の空き情報を取得して出力し(S204)、予約者が予約を行うための予約画面を出力する(S205)。予約画面には、予約者が選択可能なリソースをリソース情報データベース9から取得して表示する。併せて、予約者が選択したリソースや予約時間に応じて、その予約に予測される「予測費用」を算出して表示することもできる。図9(C)はテレビ会議を予約するための予約画面例であり、空き情報を併せて表示する例である。図9(C)では、「予測費用」も表示するようにしている。
【0039】
予約者は、ステップS202〜ステップ204で出力された実績情報(S202)、予算情報(S203)、予約空き情報(S204)を参考に、表示された予約画面(S205)により予約を入力する(S206)。例えば図9(C)の例では、「開始日時」、「終了日時」を指定するとともに、「タイプ」、「利用」、「ネットワーク」、「帯域」、「重要度」などを入力すると、その内容に応じて「予測費用」が算出されて表示されるようになっている。
【0040】
そして、予約者による予約入力が終了すると(S207)、入力された予約情報を予約情報データベース6に格納する(S208)。なお、予約者による予約が終了した段階においては、予約情報データベース6に格納された予約情報の「確定フラグ」(図2参照)は、”未確定”となっている。
【0041】
このように、予約管理部3は実績情報を出力するので(S202)、予約者は例えば同様の会議については同様の内容で予約するなど、予約を効率的に行うことができる。また、予算情報として予算残額を表示するとともに(S203)、予約画面でその予約の「予測費用」を表示するので、予約者は予算残額に収まるように予約内容を決定することができる。例えばテレビ会議の「タイプ」を”映像”から”音声”に変更すれば、必要な帯域が小さくなり、「予測費用」も小さくすることができる。
【0042】
次に、テレビ会議予約の妥当性を検証して決裁する予約チェック段階の動作を説明する。
図10は本実施の形態1に係る予約チェック段階におけるコスト管理部2の動作を示すフローチャート、図11は予約チェック段階において決裁者に提示される画面例を示す図である。以下、図10に基づき、図11を参照しつつ動作を説明する。
【0043】
チェックを開始すると、予約情報データベース6に格納された予約情報とリソース情報データベース9に格納されたリソース情報に基づいて、チェックする期間の予測コストを集計して表示する(S301)。具体的には、それぞれの予約の「タイプ」(”映像”または”音声”)と「帯域」(”推奨値”または”最小値”)に基づいて、リソース情報データベース9から対応する「費用単価」を抽出する。そして、この「費用単価」とテレビ会議の予約時間から予約ごとの通信コストを算出し、これを集計して予測コストとする。
例えば部門aの12月の予約をチェックする場合には、12月に予約されている予約情報に基づいて、その予測コストを集計する。図11(A)は予測コストの表示画面例であり、部門aの12月の予約情報を一覧表示するとともに、予測コストを集計して表示している。
【0044】
続けて、実績情報データベース8から実績情報を取得して出力する(S302)。このとき、決裁者が指定した条件に基づいて実績情報を取得する。例えば、今年度の12月の予約をチェックする場合には、前年度の12月の実績など、チェックする対象と対比可能な実績情報を取得することができる。また、例えば四半期ごとに予算・実績管理を行っている場合には、今年度の第4期の実績を取得してもよい。
【0045】
続けて、予算情報データベース7から予算情報を取得して出力する(S303)。このとき、決裁者が指定した条件に基づいて予算情報を取得する。図11(B)は実績情報と予算情報の表示画面例であり、実績情報として前年度12月の実績と今年度第4期の実績を、予算情報として今年度12月の予算と残金を表示している。
【0046】
そして、取得した予約情報、実績情報、予算情報に基づいて、テレビ会議の予測コストが予算内か否かを判定する(S304)。予算内であればステップS307へ進み、予算を超えている場合には予約内容が妥当でないものとしてステップS305へ進む。
【0047】
ステップS305では、予測コストが決算単位の予算で充当可能であるか否かを判定する。例えば、四半期ごとにテレビ会議のコストを決算する場合には、その期の予算内で充当可能か否かを判定する。具体的には、10月と11月の予算の剰余分を12月のテレビ会議費用に充てることができるか否かを判定し、可能であればステップS305に進み、不可能であれば予約内容が妥当でないものとしてステップS306に進んで予約の詳細チェックを行う。
【0048】
ステップS307では、該当する月のテレビ会議予約の費用が前年度の同月の実績コストと比較する(S307)。そして、前年度の実績コストを超えているときは(S308)、ステップS306に進んで予約の詳細チェックを行う。一方、実績コスト以下であれば(S308)、決裁者による決裁を受け(S309)、予約を確定する(S310)。予約を確定するときには、予約情報の「確定フラグ」を”確定”にして予約情報データベース6を更新させる。
【0049】
次に、図10のステップS306の予約詳細チェックの動作について説明する。
図12は予約詳細チェックにおけるコスト管理システム1の動作を示すフローチャート、図13は予約詳細チェックにおいて決裁者に提示される画面例を示す図である。以下、図12に基づき、図13を参照しつつ動作を説明する。
【0050】
予約の詳細チェックを開始すると、予約の変更方法を決裁者に選択させる(S401)。予約の変更方法には、テレビ会議予約で指定された帯域を一括で変更する一括変更と、予約を一件ずつ個別に確認して変更する個別変更とがある。
【0051】
一括変更が選択された場合には(S401)、予約情報で設定されている「帯域」を一括で変更する(S402)。例えば、すべての会議予約に割り当てる帯域を、均一に減らすよう変更することができる。そしてこのときには、予約情報の「重要度」に応じて帯域を減少させる量を調整してもよい。または、「帯域」に”推奨値”が設定されている予約について、一括で”最小値”に変更することもできる。
【0052】
個別変更が選択された場合には(S401)、予約情報データベース6から予約情報を、実績情報データベース8から実績情報を取得して、決裁者が予約の妥当性を判断できるように詳細情報を出力する(S403)。
図13(A)は予約情報の詳細情報を表示する画面例である。図13(A)では、同じ「会議名」(”定例”)が設定された会議予約のうち、設定されている「タイプ」が他と異なるもの(”映像”が設定された予約番号0004)を目立つように網掛け表示して、決裁者の確認を促している。
また、図13(B)は予約情報の詳細情報を表示する他の画面例である。図13(B)では、特定の「会議名」(”月例”)が設定された会議の予約情報と、これと同じ「会議名」(”月例”)が設定された実績情報を一覧表示し、実績と比較して予約内容が妥当か否かの確認を決裁者に促している。図13(B)の例では、前年度以前は「タイプ」が”音声”であるのに対し、今年度12月の会議予約に設定されている「タイプ」は”映像”であることが分かるので、決裁者はその妥当性を確認することができる。
その他、「帯域」に”推奨値”が設定されている予約をピックアップして表示し、決裁者がその妥当性を予約ごとに確認するよう促してもよい。
【0053】
そして、各予約について、予約内容の変更候補となるリソース情報をリソース情報データベース9から取得して表示する(S404)。
【0054】
決裁者は、予約情報の詳細情報(S403)を確認してその妥当性を判断し、妥当でないと判断した場合には、変更候補となるリソース情報(S404)から適切なものを選択して予約の仮変更を行う。例えば図13(A)の例において、予約番号0004の「タイプ」を”音声”に変更して仮変更を行うことができる。
そして、コスト管理部2には、仮変更した予約内容が入力される(S405)。
【0055】
予約の仮変更が入力されると、その内容に従って予測コストを集計し、更新表示する(S406)。予測コストを更新表示することで、決裁者に予約の妥当性を容易に判断させることができる。例えば図13(A)の例において、予約番号0004の「タイプ」を”音声”に変更した場合には、”映像”と比較して使用帯域が小さくなるので予測コストも小さくなる。
【0056】
そして、予約が決定されればステップS408へ進み、決定されなければステップS401に戻って予約の変更を再度行う(S407)。
【0057】
予約が決定されると(S407)、決定された内容にしたがって予約情報データベース6の予約情報を更新する(S408)。
【0058】
そして、ステップ402あるいはステップS405で帯域が変更されていない場合は動作を終了し(S409)、変更されている場合には帯域の変更指示を帯域管理装置22あるいは帯域I/F41に対して行う(S409、S410)。ここで、帯域変更指示を帯域管理装置22に対して行うか、帯域I/F41に対して行うかは、帯域の変更内容によって異なる。
ネットワーク内の帯域の割当てを変更しただけの場合、すなわち、使用するネットワーク自体の帯域を変更しない場合には、帯域管理装置22に対して所定の帯域制御ルールを出力することによってネットワーク内の帯域の変更を指示する。
他方、予約情報の帯域を小さくすることで、ネットワーク全体の帯域を小さくすることができる場合には、帯域I/F41に対して必要な情報を帯域変更指示として出力する。
例えば特定の期間の帯域が従来の90%の大きさでよい場合、その情報を帯域I/F41に出力してオンデマンド帯域サービスを利用するようにする。オンデマンド帯域サービスでは帯域に応じた従量制で課金されるので、帯域を小さくすることで通信コストを低減させることができる。
【0059】
続けて、帯域が変更された予約の予約者に、帯域を変更したことを例えば電子メールなどにより通知する(S411)。
【0060】
なお、上記説明では、図12のステップ410で帯域変更指示を行うようにしたが、予約の詳細チェックにおいては帯域変更指示を行わず、予約されたテレビ会議が開始される前に同様の帯域変更指示を行うこともできる。
【0061】
このように予算策定段階、予約段階、予約チェック段階を経て確定されたテレビ会議予約に基づいてテレビ会議を行う。テレビ会議を行うときには、予約情報データベース6に格納された予約情報に基づいて、ネットワーク選択部10が必要な帯域を帯域I/F41に指定する。例えば映像付きのテレビ会議が複数予約されている場合で大きな帯域が必要な場合は、その期間と帯域を指定する。また、小さな帯域でよい場合には、その時間と帯域を指定するようにする。そして、指定した帯域のネットワークがNGN40により提供されてテレビ会議を行うことができる。このように必要な帯域を指定するので、不必要に大きな帯域のネットワークを確保する必要がない。また、例えば予約した帯域よりも大きな帯域でテレビ会議を行おうとするユーザーがいた場合でも、ネットワーク選択部10により予め帯域が指定されているので、予約した帯域を超えるネットワークが確保されるのを防ぐことができる。
【0062】
そして、帯域制御部11は、予約情報データベース6に格納された予約情報に基づく帯域制御ルールを帯域管理装置22に出力する。例えば映像付きのテレビ会議と音声のみのテレビ会議が同じ時間帯に行われる場合には、必要な帯域がそれぞれの会議に提供されるようにする。このようにすることで、各テレビ会議における通信品質を最適に保つことができる。
【0063】
以上のように本実施の形態1に係るコスト管理システム1によれば、テレビ会議の予約情報と帯域に基づいて予測コストを算出し、この予測コストが予算を超えているか否かにより予約内容の妥当性を判定した。そして、予測コストが予算を超えている場合には予約情報の帯域を変更するようにした。このため、テレビ会議の予約段階において、通信コストが予算を超えるのを抑制することができる。
【0064】
そして、予約情報の帯域を変更する場合には、各予約の帯域を均一に小さくする、あるいは、予約の「重要度」に応じて帯域を小さくすることにより、一括で帯域を変更できるようにした。このため、予測コストを予算値に容易に近づけることができる。
また、一括で帯域を変更しない場合には、予約情報を詳細表示するとともに予約の変更候補を決裁者に提示するようにした。このため、決裁者は予約内容のシミュレーションを容易に行うことができ、予約内容を最適化することで容易に予測コストを予算値に近づけることができる。
【0065】
さらに、帯域I/F41を介してNGN40が提供するオンデマンド帯域サービスを利用し、予約情報の帯域に応じたネットワークを選択するようにした。オンデマンド帯域サービスでは帯域によって課金されるので、帯域を小さくすることで通信コストを低減させることができる。このため、部門あるいは会社全体における通信コストを最適化することができるとともに、予算オーバーが発生するのを防ぐことができる。
【0066】
なお、本実施の形態1で示したデータ構造は一例に過ぎず、同様の機能を実現する他の構造を用いてもよい。
【0067】
また、本実施の形態1では、ユーザーに対して各種情報を提示する例として画面表示例を示したが、これは一例であり、ユーザーに分かりやすい任意の表示方法で表示することができる。さらに、音声メッセージ等により聴覚的にユーザーに必要な情報を提示してもよい。
【0068】
また、本実施の形態1では、テレビ会議サーバー21にコスト管理システム1を構築する例を示したが、コスト管理システム1の構築方法はこれに限定するものではなく、同等の機能を実現できるものであれば各構成要素が物理的に独立した装置により構成されてもよい。例えば、PCで予算策定を行い、テレビ会議サーバーで予約管理を行っているような既存の環境がある場合には、これらと連携してコスト管理システムを構築することができる。
【符号の説明】
【0069】
1 コスト管理システム、2 コスト管理部、3 予約管理部、4 予算管理部、5 実績管理部、6 予約情報データベース、7 予算情報データベース、8 実績情報データベース、9 リソース情報データベース、10 ネットワーク選択部、11 帯域制御部、20 センター、21 テレビ会議サーバー、22 帯域管理装置、30、30a、30b、30c 帯域管理装置、31、31a、31b、31c テレビ会議端末、40 NGN、41 帯域I/F。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のテレビ会議端末が通信ネットワークを介して接続されるテレビ会議システムの通信コスト管理システムであって、
テレビ会議の開催日時及び帯域を含むテレビ会議予約の予約情報を格納する予約情報格納部と、
テレビ会議に関する通信コストの予算情報を格納する予算情報格納部と、
テレビ会議の実施結果及びその通信コストを含む実績情報を格納する実績情報格納部と、
テレビ会議で使用する帯域とその通信コストを含むリソース情報を格納するリソース情報格納部と、
前記予約情報と前記リソース情報に基づいて所定期間のテレビ会議の予測通信コストを算出し、該予測通信コストと前記予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には前記予約情報の帯域を変更させるコスト管理部と、
前記予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数の通信ネットワークの中から接続する通信ネットワークを選択するネットワーク選択部とを有する
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項2】
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、前記予約情報の帯域を一律に小さくする
ことを特徴とする請求項1記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項3】
前記予約情報は、個々のテレビ会議の重要度に関する情報を含み、
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、個々のテレビ会議予約の重要度に応じて帯域を小さくする
ことを特徴とする請求項1記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項4】
前記コスト管理部は、前記予約情報の帯域を変更させる前に、帯域を変更した場合の予測通信コストを算出して提示する
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項5】
前記予約情報は、個々のテレビ会議の重要度に関する情報を含み、
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、前記予約情報とリソース情報に基づいて個々のテレビ会議予約の重要度に応じた帯域の変更候補、及び帯域を変更した場合の予測通信コストを提示し、ユーザーが指定した帯域にしたがって前記予約情報の帯域を変更させる
ことを特徴とする請求項1記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項6】
前記予算情報は、前記所定期間内の予算残額を含み、
前記コスト管理部は、前記所定期間内の予算残額を取得し、
前記予測通信コストが、前記予算残額以内であるか否かにより前記予約内容の妥当性を判定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項7】
前記コスト管理部は、前記所定期間と対比可能な過去の期間の実績情報の通信コストを取得し、
前記予測通信コストが、前記過去の期間の実績情報の通信コスト以内であるか否かにより前記予約内容の妥当性を更に判定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項8】
前記ネットワーク選択部は、前記予約情報の帯域に基づいて選択する通信ネットワークを一時的に変更する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項9】
通信ネットワーク内の使用帯域の割当てを管理する帯域管理装置に対して、前記予約情報に基づいて帯域確保要求を出力する帯域制御部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項10】
前記実績情報に基づいて予算案の候補を算出して提示し、ユーザーからの予算情報の入力を受け付けて該予算情報を前記予算情報格納部に格納させる予算管理部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項11】
前記実績情報、前記予算情報から抽出した所定期間の予算残額、前記リソース情報、前記予約情報から抽出したテレビ会議予約の空き情報、の少なくとも一以上を提示してテレビ会議の予約案の候補を示し、ユーザーからの予約情報の入力を受け付けて該予約情報を前記予約情報格納部に格納させる予約管理部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項12】
複数のテレビ会議端末が通信ネットワークを介して接続されるテレビ会議システムの通信コストを管理するテレビ会議の通信コスト管理サーバーであって、
テレビ会議の開催日時及び帯域を含むテレビ会議予約の予約情報、及びテレビ会議で使用する帯域とその通信コストを含むリソース情報に基づいて、所定期間のテレビ会議の予測通信コストを算出し、
前記予測通信コストと、テレビ会議に関する通信コストの予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には前記予約情報の帯域を変更させるコスト管理部と、
前記予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数の通信ネットワークの中から接続する通信ネットワークを選択するネットワーク選択部とを有する
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項13】
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、前記予約情報の帯域を一律に小さくする
ことを特徴とする請求項12記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項14】
前記予約情報は、個々のテレビ会議の重要度に関する情報を含み、
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、個々のテレビ会議予約の重要度に応じて帯域を小さくする
ことを特徴とする請求項12記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項15】
前記コスト管理部は、前記予約情報の帯域を変更させる前に、帯域を変更した場合の予測通信コストを算出して提示する
ことを特徴とする請求項12〜請求項14のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項16】
前記予約情報は、個々のテレビ会議の重要度に関する情報を含み、
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、前記予約情報とリソース情報に基づいて個々のテレビ会議予約の重要度に応じた帯域の変更候補、及び帯域を変更した場合の予測通信コストを提示し、ユーザーが指定した帯域にしたがって前記予約情報の帯域を変更させる
ことを特徴とする請求項12記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項17】
前記予算情報は、前記所定期間内の予算残額を含み、
前記コスト管理部は、前記所定期間内の予算残額を取得し、
前記予測通信コストが、前記予算残額以内であるか否かにより前記予約内容の妥当性を判定する
ことを特徴とする請求項12〜請求項16のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項18】
前記コスト管理部は、前記所定期間と対比可能な過去の期間の実績情報の通信コストを取得し、
前記予測通信コストが、前記過去の期間の実績情報の通信コスト以内であるか否かにより前記予約内容の妥当性を更に判定する
ことを特徴とする請求項12〜請求項17のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項19】
前記ネットワーク選択部は、前記予約情報の帯域に基づいて選択する通信ネットワークを一時的に変更する
ことを特徴とする請求項12〜請求項18のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項20】
通信ネットワーク内の使用帯域の割当てを管理する帯域管理装置に対して、前記予約情報に基づいて帯域確保要求を出力する帯域制御部を備えた
ことを特徴とする請求項12〜請求項19のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項21】
前記実績情報に基づいて予算案の候補を算出して提示し、ユーザーからの予算情報の入力を受け付けて該予算情報を管理する予算管理部を備えた
ことを特徴とする請求項12〜請求項20のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項22】
前記実績情報、前記予算情報から抽出した所定期間の予算残額、前記リソース情報、前記予約情報から抽出したテレビ会議予約の空き情報、の少なくとも一以上を提示してテレビ会議の予約案の候補を示し、ユーザーからの予約情報の入力を受け付けて該予約情報を管理する予約管理部を備えた
ことを特徴とする請求項12〜請求項21のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項1】
複数のテレビ会議端末が通信ネットワークを介して接続されるテレビ会議システムの通信コスト管理システムであって、
テレビ会議の開催日時及び帯域を含むテレビ会議予約の予約情報を格納する予約情報格納部と、
テレビ会議に関する通信コストの予算情報を格納する予算情報格納部と、
テレビ会議の実施結果及びその通信コストを含む実績情報を格納する実績情報格納部と、
テレビ会議で使用する帯域とその通信コストを含むリソース情報を格納するリソース情報格納部と、
前記予約情報と前記リソース情報に基づいて所定期間のテレビ会議の予測通信コストを算出し、該予測通信コストと前記予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には前記予約情報の帯域を変更させるコスト管理部と、
前記予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数の通信ネットワークの中から接続する通信ネットワークを選択するネットワーク選択部とを有する
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項2】
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、前記予約情報の帯域を一律に小さくする
ことを特徴とする請求項1記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項3】
前記予約情報は、個々のテレビ会議の重要度に関する情報を含み、
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、個々のテレビ会議予約の重要度に応じて帯域を小さくする
ことを特徴とする請求項1記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項4】
前記コスト管理部は、前記予約情報の帯域を変更させる前に、帯域を変更した場合の予測通信コストを算出して提示する
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項5】
前記予約情報は、個々のテレビ会議の重要度に関する情報を含み、
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、前記予約情報とリソース情報に基づいて個々のテレビ会議予約の重要度に応じた帯域の変更候補、及び帯域を変更した場合の予測通信コストを提示し、ユーザーが指定した帯域にしたがって前記予約情報の帯域を変更させる
ことを特徴とする請求項1記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項6】
前記予算情報は、前記所定期間内の予算残額を含み、
前記コスト管理部は、前記所定期間内の予算残額を取得し、
前記予測通信コストが、前記予算残額以内であるか否かにより前記予約内容の妥当性を判定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項7】
前記コスト管理部は、前記所定期間と対比可能な過去の期間の実績情報の通信コストを取得し、
前記予測通信コストが、前記過去の期間の実績情報の通信コスト以内であるか否かにより前記予約内容の妥当性を更に判定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項8】
前記ネットワーク選択部は、前記予約情報の帯域に基づいて選択する通信ネットワークを一時的に変更する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項9】
通信ネットワーク内の使用帯域の割当てを管理する帯域管理装置に対して、前記予約情報に基づいて帯域確保要求を出力する帯域制御部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項10】
前記実績情報に基づいて予算案の候補を算出して提示し、ユーザーからの予算情報の入力を受け付けて該予算情報を前記予算情報格納部に格納させる予算管理部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項11】
前記実績情報、前記予算情報から抽出した所定期間の予算残額、前記リソース情報、前記予約情報から抽出したテレビ会議予約の空き情報、の少なくとも一以上を提示してテレビ会議の予約案の候補を示し、ユーザーからの予約情報の入力を受け付けて該予約情報を前記予約情報格納部に格納させる予約管理部を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理システム。
【請求項12】
複数のテレビ会議端末が通信ネットワークを介して接続されるテレビ会議システムの通信コストを管理するテレビ会議の通信コスト管理サーバーであって、
テレビ会議の開催日時及び帯域を含むテレビ会議予約の予約情報、及びテレビ会議で使用する帯域とその通信コストを含むリソース情報に基づいて、所定期間のテレビ会議の予測通信コストを算出し、
前記予測通信コストと、テレビ会議に関する通信コストの予算情報に基づいてテレビ会議予約の予約内容の妥当性を判定し、予約内容が妥当でない場合には前記予約情報の帯域を変更させるコスト管理部と、
前記予約情報に基づいて、通信事業者によって提供される異なる帯域の複数の通信ネットワークの中から接続する通信ネットワークを選択するネットワーク選択部とを有する
ことを特徴とするテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項13】
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、前記予約情報の帯域を一律に小さくする
ことを特徴とする請求項12記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項14】
前記予約情報は、個々のテレビ会議の重要度に関する情報を含み、
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、個々のテレビ会議予約の重要度に応じて帯域を小さくする
ことを特徴とする請求項12記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項15】
前記コスト管理部は、前記予約情報の帯域を変更させる前に、帯域を変更した場合の予測通信コストを算出して提示する
ことを特徴とする請求項12〜請求項14のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項16】
前記予約情報は、個々のテレビ会議の重要度に関する情報を含み、
前記コスト管理部は、前記予約内容が妥当でない場合、前記予約情報とリソース情報に基づいて個々のテレビ会議予約の重要度に応じた帯域の変更候補、及び帯域を変更した場合の予測通信コストを提示し、ユーザーが指定した帯域にしたがって前記予約情報の帯域を変更させる
ことを特徴とする請求項12記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項17】
前記予算情報は、前記所定期間内の予算残額を含み、
前記コスト管理部は、前記所定期間内の予算残額を取得し、
前記予測通信コストが、前記予算残額以内であるか否かにより前記予約内容の妥当性を判定する
ことを特徴とする請求項12〜請求項16のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項18】
前記コスト管理部は、前記所定期間と対比可能な過去の期間の実績情報の通信コストを取得し、
前記予測通信コストが、前記過去の期間の実績情報の通信コスト以内であるか否かにより前記予約内容の妥当性を更に判定する
ことを特徴とする請求項12〜請求項17のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項19】
前記ネットワーク選択部は、前記予約情報の帯域に基づいて選択する通信ネットワークを一時的に変更する
ことを特徴とする請求項12〜請求項18のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項20】
通信ネットワーク内の使用帯域の割当てを管理する帯域管理装置に対して、前記予約情報に基づいて帯域確保要求を出力する帯域制御部を備えた
ことを特徴とする請求項12〜請求項19のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項21】
前記実績情報に基づいて予算案の候補を算出して提示し、ユーザーからの予算情報の入力を受け付けて該予算情報を管理する予算管理部を備えた
ことを特徴とする請求項12〜請求項20のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【請求項22】
前記実績情報、前記予算情報から抽出した所定期間の予算残額、前記リソース情報、前記予約情報から抽出したテレビ会議予約の空き情報、の少なくとも一以上を提示してテレビ会議の予約案の候補を示し、ユーザーからの予約情報の入力を受け付けて該予約情報を管理する予約管理部を備えた
ことを特徴とする請求項12〜請求項21のいずれかに記載のテレビ会議システムの通信コスト管理サーバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−161634(P2010−161634A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2543(P2009−2543)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】
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