説明

テレビ会議装置、表示制御方法及び表示制御プログラム

【課題】テレビ会議中に、共有資料の全画面表示の指示があった場合でも、他拠点の画像と、共有資料の画像とを同一画面で同時に視ることができるテレビ会議装置、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供する。
【解決手段】テレビ会議中に資料共有開始の指示があった場合、表示部26は会議アプリ表示領域46と資料共有表示領域47とに分割される。会議アプリ表示領域46にはテレビ会議画面41が表示され、資料共有表示領域47には資料画面が表示される。資料画面が監視対象アプリとして資料共有される。資料画面に全画面表示の指示がなされた場合、発表用画面45が表示部26に一旦全画面表示される。監視対象アプリである資料画面と、全画面表示される発表用画面45とが異なる場合、発表用画面45を監視対象アプリに切り替えて、資料共有表示領域47に最大表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ会議装置、表示制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して他拠点のテレビ会議装置と画像及び音声の送受信を行うことで、遠隔会議が実施できるテレビ会議装置が普及している。テレビ会議装置は、テレビ会議中に、他拠点のテレビ会議装置との間で資料を共有して画面に表示できる。特許文献1が開示するマルチメディアテレミーティング装置は、共有する資料の画像と、他拠点で撮影された相手側の画像とを同一画面に表示できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−157084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1が開示する技術では、画面に表示している共有資料について全画面表示の指示がなされると、他拠点の画像が共有資料の画像に隠れてしまう。使用者は他拠点の画像を視ながら共有資料の画像を視ることができず、不便であった。
【0005】
本発明の目的は、テレビ会議中に、共有資料の全画面表示の指示があった場合でも、他拠点の画像と、共有資料の画像とを同一画面で同時に視ることができるテレビ会議装置、表示制御方法及び表示制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係るテレビ会議装置は、ネットワークを介して他拠点のテレビ会議装置との間で画像及び音声の送受信が可能であって、且つ前記他拠点のテレビ会議装置との間で共有する共有資料の画像である共有資料画像と、被写体の画像を撮像する撮像手段によって撮像された少なくとも他拠点の撮像画像とを同一画面に表示可能なテレビ会議装置であって、前記共有資料の画像の前記他拠点のテレビ会議装置への送信を開始する共有開始手段と、前記共有開始手段によって前記共有資料の画像の送信を開始する場合、前記画面において、前記共有資料画像を表示する第1領域と、前記撮像画像を表示する第2領域とを決定する表示領域決定手段と、前記共有開始手段が画像の送信を開始した前記共有資料の状態を監視する監視手段と、前記監視手段が監視する前記共有資料に対して全画面表示の指示があるか否か判断する第1判断手段と、前記第1判断手段が前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合、前記第1領域に合わせて前記共有資料画像の全画面表示を行う表示制御手段とを備えている。
【0007】
第1態様に係るテレビ会議装置では、第1判断手段が監視手段が監視する共有資料に対して全画面表示の指示があるか否か判断する。表示制御手段は、第1判断手段が共有資料に対して全画面表示の指示があると判断した場合、第1領域に合わせて共有資料画像の全画面表示を行う。故に、第1領域に全画面表示した共有資料画像と、第2領域に表示した他拠点の撮像画像とを同一画面で同時に視ることができる。例えば使用者は同一画面において他拠点にいる相手の顔を確認しながら共有資料について説明できる。
【0008】
また第1態様において、前記第1判断手段が前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合、前記監視手段が監視している前記共有資料とは別に、前記共有資料に基づいた全画面表示用の資料である全画面表示用資料が前記画面に全画面表示されたか否かを判断する第2判断手段と、前記第2判断手段が前記画面に前記全画面表示用画像が全画面表示されていると判断した場合、前記監視手段の監視対象を前記全画面表示用資料に変更する監視対象変更手段とをさらに備え、前記表示制御手段は、前記全画面表示用画像を前記共有資料画像とし、前記第1領域に合わせて全画面表示を行うようにしてもよい。故に本態様は、共有資料とは別に、全画面表示用資料が画面に全画面表示された場合でも、その全画面表示用画像を共有資料画像として、第1領域に合わせて全画面表示を行うことができる。
【0009】
また第1態様において、前記第1判断手段が前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合、前記第1領域における前記共有資料画像の全画面表示の許可又は不許可を使用者から受け付ける受付手段を備え、前記表示制御手段は、前記受付手段が前記使用者の許可を受け付けた場合に、前記第1領域に合わせて前記共有資料画像の全画面表示を行うようにしてもよい。故に使用者の知らないうちに、第1領域に合わせて共有資料画像の全画面表示が行われるのを防止できる。
【0010】
また第1態様において、前記表示制御手段は、前記受付手段が前記使用者の不許可を受け付けた場合に、前記画面に合わせて前記共有資料画像の全画面表示を行うようにしてもよい。故に使用者は画面に全画面表示した共有資料画像を視ることもできる。
【0011】
また第1態様において、前記第1判断手段が前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合に、前記共有資料画像から特定領域以外の領域を抽出する領域抽出手段と、前記領域抽出手段によって抽出した前記領域が所定領域以上であるか否かを判断する領域判断手段とを備え、前記表示制御手段は、前記領域判断手段によって前記領域が前記所定領域以上と判断した場合、前記画面に前記共有資料画像の全画面表示を行い、かつ前記領域抽出手段によって抽出した前記領域に前記撮影画像を重ねて表示するようにしてもよい。特定領域以外の領域が所定領域以上であった場合、表示制御手段は、その領域に撮像画像を重ねて表示する。故に使用者は共有資料画像と撮像画像とを同一画面で同時に視ることができる。
【0012】
本発明の第2態様に係る表示制御方法は、ネットワークを介して他拠点のテレビ会議装置との間で画像及び音声の送受信が可能であって、且つ前記他拠点のテレビ会議装置との間で共有する共有資料の画像である共有資料画像と、被写体の画像を撮像する撮像手段によって撮像された少なくとも他拠点の撮像画像とを同一画面に表示可能なテレビ会議装置によって行われる表示制御方法であって、前記共有資料の画像の前記他拠点のテレビ会議装置への送信を開始する共有開始ステップと、前記共有開始ステップにおいて前記共有資料の画像の送信を開始する場合、前記画面において、前記共有資料画像を表示する第1領域と、前記撮像画像を表示する第2領域とを決定する表示領域決定ステップと、前記共有開始手段が画像の送信を開始した前記共有資料の状態を監視する監視ステップと、前記監視ステップにおいて監視する前記共有資料に対して全画面表示の指示があるか否か判断する第1判断ステップと、前記第1判断ステップにおいて前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合、前記第1領域に合わせて前記共有資料画像の全画面表示を行う表示制御ステップとを備えている。
【0013】
第2態様に係る表示制御方法では、第1判断ステップは、監視ステップで監視を開始した共有資料に対して全画面表示の指示があるか否か判断する。表示制御ステップは、第1判断ステップにおいて共有資料に対して全画面表示の指示があると判断した場合、第1領域に合わせて共有資料画像の全画面表示を行う。故に、第1領域に全画面表示した共有資料画像と、第2領域に表示した他拠点の撮像画像とを同一画面で同時に視ることができる。例えば使用者は他拠点にいる相手の顔を確認しながら画面に表示した共有資料について説明できる。
【0014】
本発明の第3態様に係る表示制御プログラムは、ネットワークを介して他拠点のテレビ会議装置との間で画像及び音声の送受信が可能であって、且つ前記他拠点のテレビ会議装置との間で共有する共有資料の画像である共有資料画像と、被写体の画像を撮像する撮像手段によって撮像された少なくとも他拠点の撮像画像とを同一画面に表示可能なテレビ会議装置を機能させる表示制御プログラムであって、コンピュータに、前記共有資料の画像の前記他拠点のテレビ会議装置への送信を開始する共有開始ステップと、前記共有開始ステップにおいて前記共有資料の画像の送信を開始する場合、前記画面において、前記共有資料画像を表示する第1領域と、前記撮像画像を表示する第2領域とを決定する表示領域決定ステップと、前記共有開始手段が画像の送信を開始した前記共有資料の状態を監視する監視ステップと、前記監視ステップにおいて監視する前記共有資料に対して全画面表示の指示があるか否か判断する第1判断ステップと、前記第1判断ステップにおいて前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合、前記第1領域に合わせて前記共有資料画像の全画面表示を行う表示制御ステップとを実行させることを特徴とする。
【0015】
第3態様に係る表示制御プログラムでは、第1判断ステップは、監視ステップで監視を開始した共有資料に対して全画面表示の指示があるか否か判断する。表示制御ステップは、第1判断ステップにおいて共有資料に対して全画面表示の指示があると判断した場合、第1領域に合わせて共有資料画像の全画面表示を行う。故に本態様のプログラムをテレビ会議装置のコンピュータが実行することにより、第1領域に全画面表示した共有資料画像と、第2領域に表示した他拠点の撮像画像とを同一画面で同時に視ることができる。例えば使用者は他拠点にいる相手の顔を確認しながら画面に表示した共有資料について説明できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】会議システム1の構成、及びテレビ会議装置5の電気的構成を示す図である。
【図2】資料画面42の資料共有前の表示部26の図である。
【図3】資料画面42の資料共有後の表示部26の図である。
【図4】表示制御処理のフローチャートである。
【図5】共有資料表示制御処理のフローチャートである。
【図6】資料画面42において全画面表示を選択する際の表示部26の図である。
【図7】発表用画面45を共有資料に切り替える前の表示部26の図である。
【図8】資料共有表示領域47に合わせて発表用画面45が最大表示されたときの表示部26の図である。
【図9】資料画面52を資料共有した場合の表示部26の図である。
【図10】資料共有表示領域47に合わせて資料画面52が最大表示されたときの表示部26の図である。
【図11】共有資料表示制御処理の変形例のフローチャートである。
【図12】資料画面52から最大余白領域60を抽出した状態を示す図である。
【図13】表示部26に全画面表示された資料画面52の最大余白領域に、テレビ会議画面41を重ねて表示した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態であるテレビ会議装置5、表示制御方法及び表示制御プログラムについて、図面を参照して説明する。参照する図面は本発明が採用し得る技術的特徴を説明する為に用いられるものである。図面に記載した装置の構成、各種処理のフローチャート等はそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例である。テレビ会議装置5は図1に示す会議システム1を構成する端末である。
【0018】
先ず、会議システム1の構成について説明する。図1に示すように、会議システム1は、拠点A、B、Cに各々設置されるテレビ会議装置3、4、5を備えている。テレビ会議装置3〜5はネットワーク2を介して他の装置と接続する。テレビ会議装置3〜5は画像及び音声等の各種データの送受信を行うことで遠隔会議を実施する。テレビ会議装置3〜5は各拠点の使用者の間で通話を実行する機能(IP電話機能)を備えている。IP電話機能を実現するための呼制御プロトコルは、例えばSIP(Session Initiation Protocol)である。テレビ会議装置3〜5は、専用端末の他、据置型のパーソナルコンピュータ、携帯端末等が利用可能である。
【0019】
テレビ会議装置3〜5には識別情報が各々割り当てられている。SIPにおいては、SIPアドレスが識別情報に相当する。使用者はSIPアドレスを指定し、他拠点の特定の使用者のテレビ会議装置を呼び出すことで特定の使用者と通話する。本実施形態では、これらSIPアドレスを識別情報としての端末IDとして利用する。端末IDはSIPアドレスに限らずIPアドレス、マックアドレス等も利用可能である。
【0020】
次に、テレビ会議装置5の電気的構成について説明する。テレビ会議装置3、4の電気的構成は、テレビ会議装置5と同一であるので説明を省略する。図1に示すように、テレビ会議装置5は、テレビ会議装置5の制御を司るCPU21を備えている。CPU21は、ROM22、RAM23、ハードディスクドライブ(HDD)24、入力部25、表示部26、カメラ27、マイク28、スピーカ29、ドライブ装置30、及び通信部31と電気的に接続している。ROM22には、ブートプログラムやBIOS、OS等が記憶される。RAM23には、タイマやカウンタ、一時的なデータが記憶される。
【0021】
HDD24は、各種プログラムを記憶するプログラム記憶領域241と、各種資料のアプリケーション(以下、資料アプリと呼ぶ)に基づく資料ファイルを記憶する資料ファイル記憶領域242等を備えている。資料アプリとして、例えば、PowerPoint(Microsoft PowerPoint presentation graphics program:登録商標)、PDFのアドビアクロバットリーダー(Adobe Acrobat Reader:登録商標)、ワードアプリ、表計算アプリの他、画像ビューア等が挙げられる。入力部25は、使用者からの入力を受け付けるキーボードやマウスである。表示部26は、所望の画像を表示させる液晶ディスプレイである。ドライブ装置30は、記憶媒体301に記憶された情報を読み出すことができる。例えば、テレビ会議装置5のセットアップ時、記憶媒体301に記憶された「表示制御プログラム」はドライブ装置30によって読み出され、HDD24のプログラム記憶領域241に記憶される。通信部31は、ネットワーク2を介して他のテレビ会議装置3、4と通信を行う場合のタイミング制御を行う。
【0022】
次に、テレビ会議中における資料共有について説明する。図1に示すように、テレビ会議装置5では、テレビ会議中において、各種資料アプリを立ち上げて表示部26に表示した資料画像を共有資料画像として、他拠点のテレビ会議装置4、5と共有できる。共有資料画像はテレビ会議装置3、4の各表示部26にも表示される。それ故、拠点A、B、Cにおける各使用者は、テレビ会議装置3〜5において同一の共有資料画像と、各拠点で撮像されたカメラ画像とを見ながらテレビ会議ができる。
【0023】
例えば、図2に示すように、テレビ会議装置5の表示部26には、テレビ会議アプリケーション(以下、会議アプリと呼ぶ)に基づくテレビ会議画面41と、資料アプリに基づく資料画面42とが各々表示されている。テレビ会議画面41には、例えば、上半分に拠点画面41Aと拠点画面41Bとが横方向に並んで表示され、下半分には拠点画面41Cが区別して表示される。拠点画面41Aは拠点Aのカメラ画像である。拠点画面41Bは拠点Bのカメラ画像である。拠点画面41Cは自拠点(拠点C)のカメラ画像である。テレビ会議画面41の上部には、メニュー等の各種機能をポインタ35で選択できるツールバー41Dが表示されている。使用者はそのリストの中からポインタ35を用いて所望の操作を選択する。
【0024】
一方、資料画面42は、HDD24の資料ファイル記憶領域242に記憶した資料ファイルの画像である。資料画面42は、プレゼンテーション用の資料アプリ(以下、プレゼン用アプリと呼ぶ)に基づく資料ファイルの画像であり、一例としてPowerPoint(登録商標)の資料ファイルがこれに該当する。資料画面42内には、発表用画面43が略中央に配置されている。資料画面42の上部には、メニュー、表示等の各種機能をポインタ35で選択できるツールバー42Aが表示されている。使用者はツールバー42Aに表示された各種機能にポインタ35を合わせる。するとその機能に準じた各種操作が下方にリスト表示される。使用者はそのリストの中からポインタ35を用いて所望の操作を選択する。使用者は発表用画面43内において、グラフ、図形、表等を作成し、又は説明文等を入力する。このようにして発表用画面43内に発表用資料が作成される。
【0025】
テレビ会議装置5の使用者は、テレビ会議画面41のツールバー41Dのメニューにポインタ35を合わせると、そのメニューの下に各種操作のリストが表示される。使用者は資料画面42を共有資料にする為に、そのリストの中から「資料共有を開始」ボタン(図示略)を選択する。すると、資料共有が開始すると共に、図3に示すように、表示部26は、会議アプリ表示領域46と、資料共有表示領域47とに分割される。会議アプリ表示領域46は左側に、資料共有表示領域47は右側に位置する。本実施形態では、資料共有表示領域47の方が会議アプリ表示領域46よりもサイズが大きいが、サイズ比は自由に変更可能である。
【0026】
会議アプリ表示領域46にはテレビ会議画面41が表示される。資料共有表示領域47には資料画面42が表示される。テレビ会議画面41は、縦長の会議アプリ表示領域46に合わせて縦横比が変更されると共に、拠点画面41A、拠点画面41B、拠点画面41Cの配置が変更される。本実施例では、上から縦一列に、拠点画面41A、拠点画面41B、拠点画面41Cの順となる。これに対し、資料画面42は縦横の比を維持したまま資料共有表示領域47に表示される。資料画面42の上部中央には「共有中」のメッセージが表示される。それ故、テレビ会議装置5の使用者は、資料画面42が他拠点との間で共有中であることを認識できる。こうして、拠点A、B、Cにおける各使用者は、テレビ会議装置3〜5の各表示部26において同一の資料画面42を見ることができる。
【0027】
次に、プレゼン用アプリの全画面表示機能について説明する。図2に示す資料画面42は、プレゼン用アプリの画面である。プレゼン用アプリには画面を表示部26に全画面表示できる機能がある。ここで「全画面表示」とは、表示部26の画面に合わせて表示することをいう。特に、資料画面42のプレゼン用アプリの場合、資料画面42内の発表用画面43の全画面表示を行うことができる。後述するが、このプレゼン用アプリに全画面表示の指示がなされると、プレゼン用アプリとは別のアプリが起動し、発表用画面43と同一の発表用画面45(図7参照)の全画面表示が行われる。この場合、発表用画面45が表示部26に全画面表示される。そして、本実施形態では、テレビ会議中において、使用者が資料画面42の資料アプリに対して全画面表示を指示した場合、テレビ会議画面41を隠すことなく、資料共有表示領域47に発表用画面45の全画面表示を行うことができる。
【0028】
次に、図4を参照して、テレビ会議中にテレビ会議装置5で行われる表示制御処理について説明する。本処理は、例えば、テレビ会議装置5が他のテレビ会議装置3、4と接続した状態で、使用者がマウスや入力部25を用いて、表示部26に表示されるメニューから「テレビ会議開始」の指示を選択すると、HDD24のプログラム記憶領域241に記憶されている表示制御プログラムが起動し、CPU21が本プログラムを実行することにより行われる。
【0029】
先ず、CPU21は、RAM23等に記憶したデータをクリアし、初期処理を行う(S1)。CPU21は、カメラ27によって撮像したカメラ画像の画像データと、マイク28から入力された音声の音声データとを、接続中の他のテレビ会議装置3、4との間で送受信する(S2)。CPU21は、自拠点のカメラ27によって撮像した画像データに基づく各カメラ画像と、他のテレビ会議装置3、4から受信した画像データに基づく各カメラ画像とを、表示部26においてテレビ会議画面41内の拠点画面41A、41B、41Cに各々表示する。CPU21は、受信した音声データに基づく音声を、スピーカ29から出力する(S3)。
【0030】
CPU21は、資料共有開始の指示が使用者によって入力されたか否か判断する(S4)。使用者は、テレビ会議画面41において「資料共有を開始」ボタン(図示略)を選択し、資料共有開始の指示を入力する。CPU21は、資料共有開始の指示が入力されたと判断した場合(S4:YES)、共有資料表示制御処理を実行する(S5)。共有資料表示制御処理では、CPU21が共有資料画像データの他拠点のテレビ会議装置3、4への送信を開始することによって、資料共有を開始する。さらにCPU21は、自拠点の表示部26に表示されているテレビ会議画面41と、資料画面42との表示態様を後述するように適宜調整する。共有資料画像データを受信したテレビ会議装置3、4では、各表示部26においてテレビ会議装置5が提供する共有資料画像データの画像と同一画像が表示される。
【0031】
一方、CPU21は、資料共有開始の指示が入力されていないと判断した場合(S4:NO)、共有資料表示制御処理は実行せずに、他のテレビ会議装置3、4から共有資料の画像データを受信したか否か判断する(S6)。CPU21は、他のテレビ会議装置3、4から共有資料画像データを受信したと判断した場合(S6:YES)、受信した共有資料画像データに基づく画像を表示部26に表示し(S7)、続いて会議終了の指示が入力されたか否か判断する(S8)。なお、CPU21は、他のテレビ会議装置3、4から共有資料画像データを受信していないと判断した場合(S6:NO)、会議終了の指示が使用者によって入力されたか否か判断する(S8)。CPU21は、会議終了が指示されない間は(S8:NO)、S2に戻って、上述した処理を繰り返す。CPU21は、会議終了の指示が入力されたと判断した場合(S8:YES)、本処理を終了する。
【0032】
次に、共有資料表示制御処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。CPU21は、図4の表示制御処理のS4において、資料共有開始の指示が入力されたと判断すると、本処理を実行する。CPU21は、先ず、使用者によって資料共有の対象として選択された資料アプリを監視対象アプリに設定する(S11)。次いで、CPU21は、表示部26において、会議アプリ表示領域46、及び資料共有表示領域47の位置、サイズを決定する(S12)。会議アプリ表示領域46、及び資料共有表示領域47の位置、サイズは、使用者によって予め設定される。使用者が設定した各領域の位置、サイズは、領域情報としてHDD24に記憶される。CPU21はHDD24に記憶した情報を取得することで、各領域の位置、サイズを決定する。
【0033】
CPU21は、資料画面42の共有資料画像データを他拠点のテレビ会議装置3、4に送信し、資料共有を開始する(S13)。資料共有が開始されると、図3に示すように、表示部26は、会議アプリ表示領域46、及び資料共有表示領域47に分割される。会議アプリ表示領域46にテレビ会議画面41がリサイズして表示され、資料共有表示領域47に資料画面42がリサイズして表示される。資料画面42内には「共有中」のメッセージが表示される。なお、共有資料画像データを受信したテレビ会議装置3、4では、各表示部26においてテレビ会議装置5が提供する資料画面42と同一画像が表示される。
【0034】
CPU21は、監視対象アプリの資料画面42に対して全画面表示の指示があったか否か判断する(S12)。資料画面42はプレゼン用アプリの編集画面である。プレゼン用アプリには、上記の通り、資料画面42内に表示された発表用画面43の全画面表示ができる。使用者はツールバー42Aに表示されている「表示」にポインタ35を合わせる。すると、図6に示すように、その「表示」に準じた各種操作リストが下方に表示され、その中に「全画面表示」のボタンがある。使用者はその操作リストの中からポインタ35で「全画面表示」を選択する。
【0035】
すると、図7に示すように、起動中のプレゼン用アプリとは別に、全画面表示用の別アプリが立ち上がり、一旦、表示部26に発表用画面45が全画面表示される。発表用画面45は、資料画面42内の発表用画面43に対して縦横比を変えずに拡大されたものである。発表用画面45は、表示部26の左上隅に寄せて配置される。資料画面42は資料共有表示領域47に表示され、テレビ会議画面41は会議アプリ表示領域46に表示されたままである。なお、発表用画面45は表示部26の最背面において全画面表示された状態である。それ故、発表用画面45はテレビ会議画面41及び資料画面42の背面側に隠れている。
【0036】
次いで、CPU21は、監視対象アプリに対して全画面表示の指示がなされたか否か判断する(S14)。CPU21は、監視対象アプリに対して全画面表示の指示がなされない間(S14:NO)は、資料共有が終了したか否か判断する(S23)。CPU21は、資料共有が終了したと判断した場合(S23:YES)、共有表示制御処理を終了し、図4の表示制御処理のS5に戻る。
【0037】
CPU21は、監視対象アプリに対して全画面表示の指示がなされたと判断した場合(S14:YES)、続いて、全画面表示される資料アプリと、監視対象アプリとが異なるか否か判断する(S15)。図7に示すように、監視対象アプリに基づく資料画面42とは別に、他のアプリによって発表用画面45が全画面表示されている。現在の監視対象アプリは資料画面42であるから、資料画面42が他拠点との間で共有中である。しかしながら、使用者が他拠点に示したい画面は全画面表示になった発表用画面45である場合が多い。
【0038】
そこで、CPU21は、表示部26に全画面表示されている発表用画面45のアプリと、監視対象アプリとが異なると判断するので(S15:YES)、資料共有する画面を切り替えるか否かを使用者から受け付ける確認メッセージを表示部26に表示する。例えば、図7に示すように、テレビ会議画面41上に「切り替えますか? はい いいえ」の確認メッセージが表示される。使用者は、資料共有する画面を発表用画面45に切り替えたい場合、ポインタ35を確認メッセージ中の「はい」に合わせ、クリックして選択する。
【0039】
CPU21は、共有資料を切り替えるか否か判断する(S17)。CPU21は、使用者によって「はい」が選択され、共有資料を切り替えると判断した場合(S17:YES)、監視対象アプリを全画面表示されている発表用画面45に切り替える(S18)。CPU21は、監視対象アプリである発表用画面45について、縦横比は変えずに、資料共有表示領域47の大きさにリサイズして、資料共有表示領域47に最大表示する(S19)。すると、図8に示すように、発表用画面45が資料共有表示領域47に最大表示され、その上部中央に「共有中」のメッセージが表示される。CPU21は、発表用画面45の資料画像データを他拠点のテレビ会議装置3、4に送信する。
【0040】
上記の通り、テレビ会議装置5の表示部26では、発表用画面45が資料共有表示領域47に最大表示されるので、会議アプリ表示領域46に表示されたテレビ会議画面41を隠してしまうことがない。それ故、使用者は、表示部26において、資料共有表示領域47に最大表示された発表用画面45と、会議アプリ表示領域46に表示されたテレビ会議画面41とを同時に見ることができる。従って、他拠点の使用者のカメラ画像を見ながら、最大表示された発表用画面45を元に発表ができるという使い勝手のよいテレビ会議装置を提供できる。
【0041】
CPU21は、監視対象アプリの全画面表示が終了したか否か判断する(S20)。CPU21は、監視対象アプリの全画面表示が終了するまでは(S20:NO)、S20に戻って待機状態となる。CPU21は、監視対象アプリの全画面表示が終了したと判断した場合(S20:YES)、監視対象アプリが消失したか否か判断する(S21)。本実施例では、資料共有表示領域47に最大表示された発表用画面45の全画面表示を終了すると、発表用画面45を表示していたアプリが閉じられる。それ故、監視対象アプリであった発表用画面45は消失する。CPU21は、監視対象アプリが消失したと判断した場合(S21:YES)、監視対象アプリを元の資料アプリに基づく資料画面42に切り替える(S22)。これにより資料共有する画像が資料画面42に戻るので、資料画面42の資料画像データが他拠点のテレビ会議装置3、4に送信される。
【0042】
そして、CPU21は資料共有が終了したか否か判断する(S23)。使用者は、資料共有を終了したい場合、テレビ会議画面41において「資料共有を終了」ボタン(図示略)を選択する。使用者が「資料共有を終了」ボタンを選択するまでは(S23:NO)、S14に戻って、現在の監視対象アプリに全画面表示の指示があるか否か判断する。CPU21は、監視対象アプリに全画面表示の指示があるまでは(S14:NO)、資料共有が終了したか否かについて判断する(S21)。CPU21は、資料共有が終了したと判断した場合(S23:YES)、共有表示制御処理を終了し、図4の表示制御処理のS5に戻る。
【0043】
なお、図7に示すように、CPU21は、資料共有中に、資料共有する画像を発表用画面45に切り替えるか否かの確認メッセージをテレビ会議画面41に表示した状態(S16)で、使用者が「いいえ」を選択したと判断した場合(S15:NO)、監視対象アプリを変更しない。この場合、監視対象アプリは資料画面42のままであるので、資料画面42が資料共有表示領域47に表示された状態が継続する。
【0044】
ところで、上記した例では、資料画面42に全画面表示の指示があると、別アプリが起動して、資料画面42とは別の発表用画面45が全画面表示される資料アプリを用いた場合の例である。例えば、PowerPoint(登録商標)がこれに該当する。このような機能を有する資料アプリとは別に、資料画面に全画面表示の指示があった場合、そのまま資料画面が最大表示される資料アプリがある。例えば、アドビアクロバットリーダー(Adobe Acrobat Reader:登録商標) や、一般的な画像ビューア等がこれに該当する。アドビアクロバットリーダーは、PDFを閲覧、編集する為の資料アプリである。
【0045】
そこで、図9に示すように、PDFファイルである資料画面52が資料共有されている状態で、資料画面52に全画面表示の指示があった場合について説明する。CPU21は、図5の共有資料表示制御処理において、監視対象アプリとされた資料画面42の資料共有を開始する(S13)。図9に示すように、会議アプリ表示領域46には、テレビ会議画面41が表示され、資料共有表示領域47には資料画面52が表示されている。資料画面52の上部中央には「共有中」のメッセージが表示されている。この状態で、CPU21は、資料画面52に対して全画面表示の指示がなされたか否か判断する(S14)、CPU21は、資料画面52に対して全画面表示の指示がなされたと判断した場合(S14:YES)、表示部26に全画面表示される資料画面のアプリと、監視対象アプリとが異なるか否か判断する(S15)。
【0046】
PDFファイルの資料画面52に対して全画面表示の指示がなされると、監視対象アプリである資料画面52がそのまま全画面表示となる。それ故、CPU21は、表示部26に全画面表示されるアプリと、監視対象アプリとは同じと判断するので(S15:NO)、資料画面52の縦横比は変えずに、資料共有表示領域47のサイズにリサイズして、資料画面52を資料共有表示領域47に最大表示する(S19)。これにより、PDFファイルである資料画面52についても、資料共有表示領域47に最大表示ができるので、上記の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0047】
そして、CPU21は、監視対象アプリである資料画面52の全画面表示が終了したか否か判断する(S20)。CPU21は、資料画面52の全画面表示が終了したと判断した場合(S20:YES)、監視対象アプリである資料画面52が消失したか否か判断する(S21)。資料共有表示領域47に最大表示された資料画面52の全画面表示を終了した場合、資料画面52は通常のサイズに戻って表示される。資料画面52を表示しているアプリは起動したままである。それ故、CPU21は、監視対象アプリは消失していないと判断し(S21:NO)、監視対象アプリを変更することなく、資料共有が終了したか否か判断する(S22)。CPU21は、資料共有が終了したと判断した場合は、共有表示制御処理を終了し、図4の表示制御処理のS5に戻る。
【0048】
以上説明において、S11の処理を実行するCPU21が本発明の「監視手段」の一例であり、S12の処理を実行するCPU21が本発明の「監視手段」の一例であり、S13の処理を実行するCPU21が本発明の「共有開始手段」の一例であり、S14の処理を実行するCPU21が本発明の「第1判断手段」の一例であり、S15の処理を実行するCPU21が本発明の「第2判断手段」の一例であり、S18の処理を実行するCPU21が本発明の「監視対象変更手段」の一例であり、S19の処理を実行するCPU21が本発明の「表示制御手段」の一例である。
【0049】
以上説明したように、本実施形態のテレビ会議装置5では、テレビ会議中に、資料共有開始の指示があった場合、表示部26は会議アプリ表示領域46と、資料共有表示領域47とに分割される。会議アプリ表示領域46にはテレビ会議画面41が表示され、資料共有表示領域47には資料画面42が表示される。資料画面42は監視対象アプリとして資料共有される。それ故、他拠点のテレビ会議装置3、4の表示部においても資料画面42が表示される。資料画面42に全画面表示の指示がなされた場合、発表用画面45が表示部26に全画面表示される。この場合、監視対象アプリである資料画面42と、全画面表示される発表用画面45とは異なるので、発表用画面45を監視対象アプリに切り替える。そして、監視対象アプリに切り替えた発表用画面45を、資料共有表示領域47に最大表示する。それ故、会議アプリ表示領域46に表示されたテレビ会議画面41を隠してしまうことがない。使用者は、表示部26において、資料共有表示領域47に最大表示された発表用画面45と、会議アプリ表示領域46に表示されたテレビ会議画面41とを同時に見ることができる。従って、他拠点の使用者のカメラ画像を見ながら、最大表示された発表用画面45を元に発表ができるという使い勝手のよいテレビ会議装置を提供できる。
【0050】
また本実施形態では、監視対象アプリである資料画面42と、全画面表示される発表用画面45とが異なる場合、発表用画面45を監視対象アプリに切り替えることができる。それ故、発表用画面45を共有資料とすることができる。
【0051】
また本実施形態では、監視対象アプリである資料画面42と、全画面表示される発表用画面45とが異なる場合、発表用画面45を全画面表示に切り替えることについて、使用者の許可を受け付ける為の確認メッセージを表示部26に表示する。それ故、使用者の知らないうちに、資料共有表示領域47に合わせて発表用画面45の全画面表示が行われるのを防止できる。発表用画面45を共有資料としていいかどうかの判断の機会を使用者に与えることにより、機密資料を誤って共有してしまうことを防止できる。
【0052】
また本実施形態では、監視対象アプリである資料画面について全画面表示の指示があったか否かを判断するので、共有資料とは関係のない資料が勝手に全画面表示になるのを防止できる。
【0053】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形が可能である。例えば、上記形態では、テレビ会議中に資料共有を行っている状態で、全画面表示の指示がなされた場合、図10に示すように、監視対象アプリである資料画面52を、資料共有表示領域47に最大表示している。例えば、画面表示の指示がなされた資料画面52を表示部26に全画面表示すると共に、その資料画面52の余白領域に、テレビ会議画面41を重ねて表示するようにしてもよい。
【0054】
そこで、全画面表示した資料画面52の余白領域にテレビ会議画面41を重ねて表示する上記実施形態の変形例について、図9、図12、図13を参照して説明する。なお、本本変形例は、上記実施形態と構成は同じであるが、CPU21が実行する共有資料表示制御処理の一部が異なるのみである。従って、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0055】
CPU21は、図5の共有資料表示制御処理の代わりに、図11の共有資料表示制御処理を実行する。本変形例の処理において、CPU21は、S31、S32、S33の各処理を実行する。以下説明では、図9に示す資料画面52を監視対象アプリとして資料共有している状態で、全画面表示の指示がなされた場合を例に説明する。
【0056】
図11に示すように、CPU21は資料共有を開始すると(S13)、監視対象アプリに対して全画面表示の指示がなされたか否か判断する(S14)。CPU21は、監視対象アプリに対して全画面表示の指示がなされたと判断した場合(S14:YES)、表示部26に全画面表示される資料画面のアプリと、監視対象アプリとが異なるか否か判断する(S15)。CPU21は、上記の通り、表示部26に全画面表示されるアプリと、監視対象アプリとは同じと判断するので(S15:NO)、その監視対象アプリの資料画面52から最大余白領域60を抽出する(S31)。
【0057】
図12に示すように、資料画面52の資料画像データは、グラフ、図形、説明文等の複数のオブジェクトデータを有する。CPU21は、画像処理によってこれらオブジェクト間の余白領域を抽出し、さらに長方形状の余白領域が最も大きくなる最大余白領域60をさらに抽出する。図12に示す例では、資料画面52の左側に縦長長方形状の最大余白領域60が抽出される。CPU21は、最大余白領域60の位置情報、サイズ情報をRAM23に記憶する。
【0058】
次いで、CPU21は、資料画面52から抽出した最大余白領域60が所定領域以上であるか否か判断する(S32)。なお、所定領域は、少なくともテレビ会議画面41の面積以上にするのが好ましい。CPU21は、最大余白領域60が所定領域以上であると判断した場合(S32:YES)、監視対象アプリである資料画面52の最大余白領域60に、テレビ会議画面41をリサイズして重ね合わせて合成し、その合成画像を表示部26に全画面表示する(S32)。テレビ会議画面41は、拠点画面41A〜41Cの配置、サイズを適宜変更することで、最大余白領域60に合わせることができる。このような変形例でも、資料画面52を表示部26に全画面表示しながら、テレビ会議画面41も表示できるので、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
一方、CPU21は、最大余白領域60が所定領域未満であると判断した場合(S32:NO)、最大余白領域60にテレビ会議画面41を重ね合わせた場合、最大余白領域60からテレビ会議画面41がはみ出してしまう。そこで、CPU21は、上記実施形態と同様に、監視対象アプリである発表用画面45を資料共有表示領域47の大きさにリサイズして、資料共有表示領域47に最大表示する(S19)。このように、資料画面52から抽出した最大余白領域60の面積に応じて、テレビ会議画面41と発表用画面45の表示態様を変えるようにすればよい。なお、本変形例の説明において、S31の処理を実行するCPU21が本発明の「領域判断手段」の一例であり、S32の処理を実行するCPU21が本発明の「領域判断手段」の一例である。
【0060】
なお、本変形例では、監視対象アプリの資料画面52か最大余白領域を抽出し、その領域に合わせてテレビ会議画面41を重ね合わせて表示したが、余白に限らず、特定の領域以外の領域を抽出し、その抽出した領域にテレビ会議画面41を重ね合わせて表示してもよい。
【符号の説明】
【0061】
2 ネットワーク
3〜5 テレビ会議装置
21 CPU
26 表示部
27 カメラ
41 テレビ会議画面
42 資料画面
43 発表用画面
45 発表用画面
46 会議アプリ表示領域
47 資料共有表示領域
52 資料画面
60 最大余白領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して他拠点のテレビ会議装置との間で画像及び音声の送受信が可能であって、且つ前記他拠点のテレビ会議装置との間で共有する共有資料の画像である共有資料画像と、被写体の画像を撮像する撮像手段によって撮像された少なくとも他拠点の撮像画像とを同一画面に表示可能なテレビ会議装置であって、
前記共有資料の画像の前記他拠点のテレビ会議装置への送信を開始する共有開始手段と、
前記共有開始手段によって前記共有資料の画像の送信を開始する場合、前記画面において、前記共有資料画像を表示する第1領域と、前記撮像画像を表示する第2領域とを決定する表示領域決定手段と、
前記共有開始手段が画像の送信を開始した前記共有資料の状態を監視する監視手段と、
前記監視手段が監視する前記共有資料に対して全画面表示の指示があるか否か判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段が前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合、前記第1領域に合わせて前記共有資料画像の全画面表示を行う表示制御手段と
を備えたことを特徴とするテレビ会議装置。
【請求項2】
前記第1判断手段が前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合、前記監視手段が監視している前記共有資料とは別に、前記共有資料に基づいた全画面表示用の資料である全画面表示用資料が前記画面に全画面表示されたか否かを判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段が前記画面に前記全画面表示用画像が全画面表示されていると判断した場合、前記監視手段の監視対象を前記全画面表示用資料に変更する監視対象変更手段と
をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記全画面表示用画像を前記共有資料画像とし、前記第1領域に合わせて全画面表示を行うことを特徴とする請求項1に記載のテレビ会議装置。
【請求項3】
前記第1判断手段が前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合、前記第1領域における前記共有資料画像の全画面表示の許可又は不許可を使用者から受け付ける受付手段を備え、
前記表示制御手段は、
前記受付手段が前記使用者の許可を受け付けた場合に、前記第1領域に合わせて前記共有資料画像の全画面表示を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のテレビ会議装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、
前記受付手段が前記使用者の不許可を受け付けた場合に、前記画面に合わせて前記共有資料画像の全画面表示を行うことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のテレビ会議装置。
【請求項5】
前記第1判断手段が前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合に、前記共有資料画像から特定領域以外の領域を抽出する領域抽出手段と、
前記領域抽出手段によって抽出した前記領域が所定領域以上であるか否かを判断する領域判断手段と
を備え、
前記表示制御手段は、
前記領域判断手段によって前記領域が前記所定領域以上と判断した場合、前記画面に前記共有資料画像の全画面表示を行い、かつ前記領域抽出手段によって抽出した前記領域に前記撮影画像を重ねて表示することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のテレビ会議装置。
【請求項6】
ネットワークを介して他拠点のテレビ会議装置との間で画像及び音声の送受信が可能であって、且つ前記他拠点のテレビ会議装置との間で共有する共有資料の画像である共有資料画像と、被写体の画像を撮像する撮像手段によって撮像された少なくとも他拠点の撮像画像とを同一画面に表示可能なテレビ会議装置によって行われる表示制御方法であって、
前記共有資料の画像の前記他拠点のテレビ会議装置への送信を開始する共有開始ステップと、
前記共有開始ステップにおいて前記共有資料の画像の送信を開始する場合、前記画面において、前記共有資料画像を表示する第1領域と、前記撮像画像を表示する第2領域とを決定する表示領域決定ステップと、
前記共有開始手段が画像の送信を開始した前記共有資料の状態を監視する監視ステップと、
前記監視ステップにおいて監視する前記共有資料に対して全画面表示の指示があるか否か判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップにおいて前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合、前記第1領域に合わせて前記共有資料画像の全画面表示を行う表示制御ステップと
を備えたことを特徴とする表示制御方法。
【請求項7】
ネットワークを介して他拠点のテレビ会議装置との間で画像及び音声の送受信が可能であって、且つ前記他拠点のテレビ会議装置との間で共有する共有資料の画像である共有資料画像と、被写体の画像を撮像する撮像手段によって撮像された少なくとも他拠点の撮像画像とを同一画面に表示可能なテレビ会議装置を機能させる表示制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記共有資料の画像の前記他拠点のテレビ会議装置への送信を開始する共有開始ステップと、
前記共有開始ステップにおいて前記共有資料の画像の送信を開始する場合、前記画面において、前記共有資料画像を表示する第1領域と、前記撮像画像を表示する第2領域とを決定する表示領域決定ステップと、
前記共有開始手段が画像の送信を開始した前記共有資料の状態を監視する監視ステップと、
前記監視ステップにおいて監視する前記共有資料に対して全画面表示の指示があるか否か判断する第1判断ステップと、
前記第1判断ステップにおいて前記共有資料に対して前記全画面表示の指示があると判断した場合、前記第1領域に合わせて前記共有資料画像の全画面表示を行う表示制御ステップと
を実行させることを特徴とする表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−231428(P2012−231428A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100069(P2011−100069)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】