説明

テレビ共同受信用テレビ端子

【課題】テレビ端子とテレビ用機器との間を最適寸法で接続する。
【解決手段】アウトレット用端子は,同軸ケーブルの一方側に備えられたF型プラグからなり,該F型プラグは,前記ケース内に収容された軸体であって,該ケース内に形成した枢着部に枢着されて,前記同軸ケーブルを周囲に巻回し且つその同軸ケーブルを巻戻し方向に付勢する付勢手段が内蔵された軸体に対して繰出し・巻戻し自在に構成されており,前記同軸ケーブルの他方側には接続部が備えられ,該接続部は前記軸体であって該軸体の軸線上となる位置に固着させてあり,前記接栓は前記ケースに一体に形成され,前記軸体に備えた接続部と前記ケースに備えた接栓座とは,前記ケース内部において,前記軸体の回転動作においても前記接続部と接栓座とを電気的に接続可能な接続手段を備え,パネルの前面には巻戻しの操作手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,主にテレビ共同受信システムに利用されるテレビ端子に関し,詳しくは該テレビ端子からテレビ受像機やビデオテープレコーダー等のテレビ用機器との間を接続するためのテレビ共同受信用直列テレビ端子の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ共同受信システムでは,テレビアンテナやCATV伝送路から宅内に引き込まれた信号は,同軸ケーブルや分配器等を介して所要数に分配され,当該分配された信号は更に同軸ケーブル等を介してテレビ端子まで伝送される。テレビ端子には宅内用の同軸ケーブルを接続することによって,この同軸ケーブルの先には,例えばテレビ受像機が接続されたり,更に分配器等を介してテレビ受像機やビデオに接続されたりするような構成となっていた。
(例えば,特許文献1の図 に示す分配器,及び,特許文献2の図 に示すシステム参照。)

このような受信システムにおいて使用されるテレビ端子からテレビ受像機用までの宅内用の同軸ケーブルは,このシステムを施工した業者がテレビ等の配置に基づいて,所定長さに加工して配設する場合や,ユーザー自らが材料をそろえて加工する場合もあるが,一般的にはテレビ受像機等の配置に合わせて,家人がDIYショップや家電量販店等において,接続コネクタの加工済みのケーブルを購入してくる場合が多い。
(例えば,特許文献3参照)
【0003】
【特許文献1】特許 第2819032号公報
【特許文献2】特開平9−275513号公報
【特許文献3】特開昭63−310582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし,従来のようにテレビ端子からテレビ受像機へ接続する同軸ケーブルや,分配器とビデオ等を接続する同軸ケーブルを,それらの設置場所に応じて同軸ケーブルを切断して,その両端にF型プラグを取り付けるような場合は,その加工の手間がかかるばかりでなく,加工することに慣れていない一般ユーザーにとっては,非常に難しいものとなるばかりでなく,この場合の信頼性においても補償されるものではない。更に近年においてディジタル放送の受信をすることが多くなり,同軸ケーブルの選択やプラグの組み付けにおいてミスがあれば,そこから妨害信号が入り込むことによって,受信画像に影響を与える場合が発生して,美しい画像が見られないといった問題があった。
【0005】
また,同軸ケーブルが所定の長さに切られており,当該同軸ケーブルの両端にはプラグが加工済みの製品が家電店等において売られているのであるが,これを使用する場合は,宅内に配線するのに最適な寸法の同軸ケーブルが無い場合は,長めの物を購入することによって,テレビ等の背面に長いまま設置したり,余分な長さ分だけを適当に束ねるなどしたりして設置していた。
この場合は,テレビ等の背面は他のケーブル類と合わせて整理し難いものとなるといった問題があった。更に近年において急速に普及している液晶テレビのように,生活のスタイルに合わせて液晶テレビの設置場所を移動させて見たり,パーソナルコンピュータでテレビを個人で楽しむといったりした新しい使い方がなされるようになってきたが,当該テレビの配置場所に合わせて同軸ケーブルをすっきりと配線するためには,テレビの設置位置が制限されるといった問題があった。また移動や設置のたびに同軸ケーブルを取り外したり接続しなおしたりする手間が生じることになった。
また,同軸ケーブが長くなればなるほどそれを入れるための梱包材を大きくしたり,梱包材が変形しないように強化したりする必要が生じることで製品コストが高くなるといった問題もあった。
【0006】
そこで本願においては,こうした問題点を解決するためになされたものであり,
その目的は,配設する寸法に最適な長さに調整可能で,テレビ端子とテレビ受像機間の背面であっても,すっきりと配線可能なテレビ共同受信用テレビ端子を提供することにある。
他の目的は,取り扱いが簡単で汎用性の高いテレビ共同受信用テレビ端子を提供することにある。
他の目的は,ディジタル放送受信に対して良好な特性を有すると共に,広帯域な伝送特性を有するテレビ共同受信用テレビ端子を提供することにある。
他の目的は,出荷時や保管時においては小型にすることができ,梱包材のコスト低減,保管場所の省スペース化のできるテレビ共同受信用テレビ端子を提供することにある。
他の目的及び利点は,図面及びそれに関した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために,請求項1の発明は,内部に収納空間を備えた略四角形状のケースの前面にパネルを具備し,該パネルの凹部にアウトレット用端子を備え,ケースの他の面に少なくとも1つの接栓座を備えたテレビ共同受信用テレビ端子において,
前記アウトレット用端子は,同軸ケーブルの一方側に備えられたF型プラグからなり,該F型プラグは,前記ケース内に収容された軸体であって,該ケース内に形成した枢着部に枢着されて,前記同軸ケーブルを周囲に巻回し且つその同軸ケーブルを巻戻し方向に付勢する付勢手段が内蔵された軸体に対して繰出し・巻戻し自在に構成されており,前記同軸ケーブルの他方側には接続部が備えられ,該接続部は前記軸体であって該軸体の軸線上となる位置に固着させてあり,前記接栓座は前記ケースから突設するように備えられ,
前記軸体に備えた接続部と,前記接栓座とは,前記ケース内部において,前記軸体の回転動作においても前記接続部と接栓座とを電気的に接続可能な接続手段を備え,前記パネルの前面には,前記同軸ケーブルの巻き戻しの操作手段を備えるように構成される。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば,内部に収納空間を備えた略四角形状のケースの前面にパネルを具備し,該パネルの凹部にアウトレット用端子を備え,ケースの他の面に少なくとも1つの接栓座を備えたテレビ共同受信用のテレビ端子において,
前記アウトレット用端子は,同軸ケーブルの一方側に備えられたF型プラグからなり,該F型プラグは,前記ケース内に収容された軸体であって,該ケース内に形成した枢着部に枢着されて,前記同軸ケーブルを周囲に巻回し且つその同軸ケーブルを巻戻し方向に付勢する付勢手段が内蔵された軸体に対して繰出し・巻戻し自在に構成されており,前記同軸ケーブルの他方側には接続部が備えられ,該接続部は前記軸体であって該軸体の軸線上となる位置に固着させてあり,前記接栓座は前記ケースから突設するように備えられ,
前記軸体に備えた接続部と,前記接栓座とは,前記ケース内部において,前記軸体の回転動作においても前記接続部と接栓座とを電気的に接続可能な接続手段を備え,前記パネルの前面には,前記同軸ケーブルの巻き戻しの操作手段を備えるように構成したので,
テレビ端子とテレビとの間の距離に合わせて最適な長さに簡単に配線できる。未使用な状態では簡単な操作で同軸ケーブルをケース内に巻戻すことができ,接続の手間が省け且つ美観を損ねることがない。同軸ケーブルを巻戻した状態において外形寸法が小さくなり,出荷時や保管時における省スペース化や,梱包材の小型化による製品コストの低減ができる。といった優れた特長を有するテレビ共同受信用テレビ端子を提供できるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に,本発明を具体化した実施形態の例を,図面を基に詳細に説明する。
図1は本発明に係るテレビ端子の実施形態を示す斜視図である。図2は壁面に取付けられたテレビ端子の説明図である。図3は図1におけるA−A線からみた一部破断側面図である。図4は本発明に係るテレビ端子の分解した状態を示す断面図である。図5は組立後の断面図である。図6は付勢手段の構成を示す要部拡大の斜視図である。図7(a)は図1におけるB−B線から見た拡大断面図であり,(b)は回転ストッパーと収納側壁とのカム機構の要部拡大図である。図8は他の実施形態を示す斜視図である。
【実施例1】
【0010】
以下に本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。図1,2,3は本発明に係るテレビ共同受信用テレビ端子の実施例としてテレビ端子の斜視図と使用状態を示す図である。この図において,1は略四角形状をしたケース本体2を備えたテレビ端子である。このケース本体2の上面及び下面には,図示されていない開口部が形成されており,該開口部にケース蓋体7及び8を取付けることによって,ケース本体2の内部に物品等が収納できる図には示されない空間4が形成される構成となっている。
更に前記ケース本体2の一側面には,該側面に係止片3a,3aで係止されたパネル3(端子台とも言う。)が具備されている。このパネル3は合成樹脂材料を金型成型したものであり,該パネル3の中央部には凹部3cが一体に形成されており,この凹部3cにはF型プラグ10が立設した状態となるように配設されている。
ケース蓋体7には中央部に透孔7aを備えた凹部7bが形成されており,前記透孔7aからは前記F型接栓座20が突出するように形成されている。
前記F型プラグ10と前記F型接栓座20とは,図3の一部断面図に示すように,ケース本体2の収納空間4において同軸ケーブル11を介して接続されている。
この同軸ケーブル11は,絶縁体にしなやかで可曲性の良い合成樹脂材を用いて構成された細径の同軸ケーブルであり,ケース本体2の収納空間4に回転自在となるように枢着された軸体30の外周に巻回され,且つ,前記軸体30に対して繰出し・巻戻し自在に構成されている。
尚,ケース本体2,ケース蓋体7及び8は本願の実施例によれば金属材料を成形したものを用いているが,この実施例に限定されるものではなく合成樹脂材料で形成しても良いし,組み合わせて構成しても良い。
【0011】
パネル3には一体に止着爪3bが形成されており,取付金具5の側方に形成された止着部5a,5b,5cの内の,例えば5bに対して挿し込み装着される。そしてこのテレビ端子1は宅内の壁面等に取付けられ,パネル3の表面の周囲をフラッシプレート6で閉塞することによって壁内に埋設される。よってフラッシプレート6からは,F型プラグ10を備えたパネル3のみが顔を出し,そのF型プラグ10はパネル3から繰出し・巻戻し自在にできるように構成されている。
【0012】
次に軸体30の枢着方法や前記F型プラグ10と前記F型接栓座20とを前記同軸ケーブル11を介して接続する方法等について図3〜6を基に詳細に説明する。
図3は図1に示すA−A線の一部断面図である。この図では収納空間4に収納した軸体30に同軸ケーブル11が巻き回されている状態を示している。
図4,5はこの組立の状態を示す拡大図である。軸体30は,該軸体30の一方側に形成された収納側壁31と,他方側に形成された側壁32とが備えられており,これらの側壁の間に収容空間を形成することにより,該軸体30の周面に同軸ケーブル11が巻き回されるように収納空間4にケースに対して回転自在に枢着手段を用いて枢着されている。
【0013】
15は前記軸体30の枢着手段の一方側を構成する係止棒であり,係止部15aと遊挿部15bとからなり,前記係止部15aを前記ケース蓋体8に形成した貫通孔8aに係合固着すると共に,前記遊挿部15bを前記軸体30の軸線上に形成された軸孔30aに遊挿して該軸体30を回転自在に保持するように構成されている。
【0014】
次に軸体30の他方側の枢着手段について説明する。16は軸体30の他方側端部であって,軸線上となる位置に固着されたF型コネクタである。この軸体端部の内側には,前記軸孔30aと連設した空間30bが形成されている。該空間30bには前記F型コネクタ16の中心導体が突出させてあり,前記同軸ケーブル11の自由端11aが前記F型コネクタの中心導体と外部導体に接続されている。
前記F型コネクタ16には,20に示すF型接栓座が取付けられている。このF型接栓座20は一方を外周に雌ねじが形成された接続部21と,他方を前記F型コネクタに摺動固着する接続部23と,両接続部の間に形成された鍔部22とからなる。この鍔部22は例えば六角形,楕円,小判型当の形状に形成されている。
このF型接栓座20の接続部23は,前記F型コネクタ16に対して回転方向に回転自在に,及び,軸線方向に抜差し自在に摺動固着できるように接続部の内周にバネ材等で形成された摺動部材が具備されており,前記F型コネクタ16に摺動固着される。
【0015】
次に,F型接栓座20の接続部21側には,前記ケース蓋体7がケース本体2の上面側開口部に組付けられる。このとき前記接続部21はケース蓋体7に形成された凹部7bの中心に形成された貫通孔7aに遊挿させるのであるが,前記凹部7aの内側と前記鍔部22の外形とは相互に嵌合するように形成されており,ケース蓋体7をケース本体2の開口部に組付けることによって,前記F型接栓座20は回転方向の動きを制限されると共に,前記F型接栓座20が外方向に抜けるのを制限されるように構成されている。
また,前記F型コネクタ16の周縁には,前記F型接栓座20の接続部23の外周径よりやや大きくなる位置に,前記側壁32の外側方向に立設させた枢着壁32aが形成されており,この枢着壁32aによって,前記F型接栓座20の軸線に対して直交する方向に対して軸線が振れることを最小限に制限するように構成されている。この部分が前記枢着手段の他方側を構成している。
これによって,前記係止棒15,軸体30,F型コネクタ16,F型接栓座20の軸線は夫々同一軸線上になるように配設されて,前記軸体30が軸線に対して回転自在となると共に,該軸体30の回転動作によって前記F型コネクタ16が回転したとしてもF型接栓座20は回転することがないのである。尚,この実施例ではF型コネクタ16が請求項に示す接続手段を構成している。
【0016】
前記軸体30は同軸ケーブル11の自由端11aが,F型コネクタ16の中心導体と外部導体に対して接続しやすいように,例えば軸体30を軸体本体と軸体蓋体との2分割に形成しても良い。この場合は軸体蓋体側からネジ棒を使って,軸体本体に形成したネジ孔30c,30cに螺着させることによって,前記同軸ケーブル11の自由端11a部を軸30に固着すると共に,軸体30に生じる角部を無くすことによって,前記同軸ケーブル11が軸体30の周面に滑らかに巻き回せる。
このようにケース内の収納空間4に回転自在に枢着された軸体30には,同軸ケーブル11が巻き回されて収納されるのであるが,この同軸ケーブル11の他方側にはF型プラグ10が取付けられている。このF型プラグ10は前記パネル3の凹部3cの底部に嵌合して,前記凹部3cに収納されるように形成されており,前記プラグ10を引き抜くことにより,同軸ケーブル11を任意の長さに繰出し可能になっている。
【0017】
更に同軸ケーブル11の繰出しについて図6を基に説明する。図に示すように,収納側壁31の外側には周縁を側板31aに囲まれた凹部31bが形成されており,該凹部31bには付勢手段としてのバネ9が収納されている。このバネ9の中心側端部9bは,軸体30に形成した軸孔30aの内方向であって,該軸孔30aの軸線方向に突出するように配置させてある。この端部9bは,ケース蓋体8の外側から貫通孔8aに挿通させた係止棒15を前記軸孔30aに遊挿する時に,前記係止棒15に形成された切欠部15cに収まるように配設されている。
また,バネ9の外側端部9aは,収納側壁31の周縁に設けられた側板31aに係合保持されている。これによって軸体30に巻き回された同軸ケーブル11を外方向に引き出すことによって軸体30が回転させられると共に,前記付勢手段9が変形させられる。次に同軸ケーブル11を引き出す力が加わらなくなると,前記付勢手段のバネ9が基の形状に戻ることによって,軸体30が回転することとなり前記同軸ケーブル11は巻戻されるのである。
【0018】
図7(a),(b)には,軸体30の回転ストッパー35の実施例を示してある。この実施例において前記回転ストッパー35は,パネル3の内部においてパネル3の前面内壁と前記回転ストッパー35に形成された鍔部35bとの間にバネ36を備えることによって,このバネ36によって前記回転ストッパー35をケース本体2の内方向に付勢するように構成されている。
前記回転ストッパー35の一方側(ケース本体2の内側)の先端部は,前記収納側壁31の側板31aの外周面と当接するように構成されている。また側板31aの外周面には凸凹手段が形成されている。
前記回転ストッパー35の先端部と側板31の凸凹手段との関係は,図7(b)1,2に示すように,同軸ケーブル11を外側方向に引き出すときは,軸体30の回転動作を容易に行なえ,繰出しを辞めた時(所謂,同軸ケーブル11に繰出しの力が加わらなくなった状態。)は,同軸ケーブル11が軸体30に備えた付勢手段9によって巻戻されないよう,軸体30の回転を阻止するようなカム機構となるように形成されている。
【0019】
次に,同軸ケーブル11を軸体30に巻き戻す場合は,図7(b)3に示すように,パネル3の外側に位置する回転ストッパー3の他方側に備えた操作部35aを繰出し操作することによって,前記回転ストッパーの先端部と前記凸凹手段とのカム機構が解除されることとなり,前記軸体30は付勢手段9によって元の状態に戻され,これによって前記同軸ケーブル11は軸体30の収納部に巻き戻されるのである。
尚本願の実施例においては,同軸ケーブル11を巻き戻す操作方法として,パネル3の前面に回転ストッパー35の操作部35aを備え,該操作部35aを繰出し操作することで行なうようにしている。これは,回転ストッパー35を押すことによって同軸ケーブルを巻き戻す方法にした場合は,前記操作部が障害物等によって誤って押されてしまい,使用状態であっても同軸ケーブル11が簡単に巻戻されることの無い様に配慮したものであり,特に本発明の実施例に限定されるものではない。
【0020】
このように構成されたテレビ端子1を用いたテレビ共同受信システムについて説明する。
図2に示すように宅内の壁面等に取付けられたテレビ端子1の近傍にはテレビ受像機等が配置されるのであるが,近年の薄型テレビのようにデザイン的にも優れたテレビを設置することが多くなり,テレビ端子1とテレビ受像機の間の後面側における配線もスッキリとした配線をすることが望まれる。そこでこの配線を行なうためには,一般的に市販されている加工済みの同軸ケーブルを用いて行なえば,簡単に配線することができる。ところがテレビの設置場所に応じた最適な寸法の同軸ケーブルがあれば良いのであるが,通常1m・2m・3m・5mというように数種類の寸法の物が売られているのが現状であり,結局長めの同軸ケーブルを用いて配線を行い,余分な同軸ケーブルはテレビの背面にそのままぶら下げておくか束ねることで使用していた。
【0021】
また,近年では例えばリビングで見ていた薄型テレビを,必要に応じて寝室や子供部屋に移動させて見るといった例があったり,パーソナルコンピュータで個々にテレビを見るといった事が一般的となったりで,テレビを見る形態の多様化が進んだ。この場合は,テレビ端子に接続された同軸ケーブルは接続したままにしておくか,その都度取外したり,取付けたりする必要があり美観も良くないし,接続の手間がかかるといった問題があった。
そこで本発明の実施形態に示す例のよう,ケース内に同軸ケーブル収納して,該同軸ケーブルを繰出し,巻戻し自在にすることによって,テレビ等の配置に対応して同軸ケーブルを別途用意する必要が無い。テレビ端子とテレビとの間の距離に合わせて最適な長さに簡単に配線できる。未使用な状態では簡単な操作で同軸ケーブルをケース内に巻戻すことができ手間が省け且つ美観を損ねることがない。同軸ケーブルを巻戻した状態において外形寸法を小さくすることができるので,出荷時や保管時における省スペース化や,梱包材の小型化による製品コストの低減ができる。といった優れたテレビ共同受信用テレビ端子が提供できるのである。

尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,図8に示すような構成としてもよく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1本発明に係るテレビ端子の実施形態を示す斜視図である。
【図2】壁面に取付けられたテレビ端子の説明図である。
【図3】図1におけるA−A線からみた一部破断側面図である。
【図4】本発明に係るテレビ端子の分解した状態を示す断面図である。
【図5】組立後の断面図である。
【図6】付勢手段の構成を示す要部拡大の斜視図である。
【図7】(a)は図1におけるB−B線から見た拡大断面図であり,(b)は回転ストッパーと収納側壁とのカム機構の要部拡大図である。
【図8】他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0023】
1…テレビ端子,2…ケース本体,3…パネル,3a…係止片,3b…止着爪,3c…凹部,4…収納空間,5…取付金具,5a・5b・5c…止着部,6…フラッシプレート,7…上面側のケース蓋体,7a…貫通孔,7b…凹部,8…下面側のケース蓋体,8a…貫通孔,9…バネ,9a・9b…バネ端部,10…F型プラグ,11…同軸ケーブル,11a…同軸ケーブルの自由端,15…係止棒,15a…係止部,15b…遊挿部,15c…切欠部,16…F型コネクタ,20…F型接栓座,21…接続部,22…鍔部,23…接続部,30…軸体,30a…軸孔,30b…空間,30c…ネジ孔,31…収納側壁,31a…側板,31b…凹部,32…側壁,32a…枢着壁,35…回転ストッパー,35a…操作部,35b…鍔部,36…バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収納空間を備えた略四角形状のケースの前面にパネルを具備し,該パネルの凹部にアウトレット用端子を備え,ケースの他の面に少なくとも1つの接栓座を備えたテレビ共同受信用テレビ端子において,
前記アウトレット用端子は,同軸ケーブルの一方側に備えられたF型プラグからなり,該F型プラグは,前記ケース内に収容された軸体であって,該ケース内に形成した枢着部に枢着されて,前記同軸ケーブルを周囲に巻回し且つその同軸ケーブルを巻戻し方向に付勢する付勢手段が内蔵された軸体に対して繰出し・巻戻し自在に構成されており,
前記同軸ケーブルの他方側には接続部が備えられ,該接続部は前記軸体であって該軸体の軸線上となる位置に固着させてあり,
前記接栓座は前記ケースから突設するように備えられ,
前記軸体に備えた接続部と,前記接栓座とは,前記ケース内部において,前記軸体の回転動作においても前記接続部と接栓座とを電気的に接続可能な接続手段を備え,
前記パネルの前面には,前記同軸ケーブルの巻戻しの操作手段を備え,たことを特徴としたテレビ共同受信用テレビ端子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−66158(P2006−66158A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245912(P2004−245912)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000113665)マスプロ電工株式会社 (395)
【Fターム(参考)】