説明

テレビ受像録画装置およびテレビ受像録画方法

【課題】 1つのチューナによって受信したテレビ信号のうち、あるチャネルを表示しつつ別のチャネルの録画を行うテレビ受像録画装置を提供する。
【解決手段】 本発明のテレビ受像録画装置は、所定のチャネルに受信チャネルを同調するチューナ2と、チューナ2が受信チャネルを同調させるチャネルを、複数の異なるチャネル間で切り替えるCPU部9と、CPU部9が切り替えた複数のチャネルのそれぞれを介して受信される画像データを、フレームメモリ5−1・…・5−Nおよびフレームメモリ5−2・…・5−Nのいずれかに書き込むフレームメモリ書き込みアドレス切替器4と、フレームメモリ5−1・…・5−Nに記憶された画像データを表示する表示部7と、フレームメモリ5−2・…・5−Nに記憶された画像データを録画する録画部8とを備えているので、1つのチューナによって、あるチャネルを表示中に別のチャネルを録画することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ受像録画装置およびテレビ受像録画方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の情報端末装置の中にはテレビチューナを搭載したものもあり、受信画像の表示および録画を行う機能を有している。
【0003】
従来の情報端末装置およびテレビ録画装置は、受信用のチューナを1個しか搭載していないため、録画用の録画チャネルおよび表示用の表示チャネルは、同一のチャネルに限られていた。
【0004】
また、複数チャネルの録画を行う装置も実用化されているが、複数チャネルの録画を行うべく、それぞれのチャネルの受信を行うための複数個のチューナを有していた。
【0005】
また、例えば、特許文献1によれば、複数のチャネルを順次切り替えて、複数チャネルの画面をマルチ表示することができるテレビ受信機が開示されている。
【0006】
さらに、特許文献2によれば、小数の、例えばm個のチューナを用いて、あるチャネルに同調した後、1フィールド又は1フレーム受信し、その後、別のチャネルに高速に同調する動作を1チューナ当たりn/m回行い、これを繰り返すことにより、m個のチューナの出力よりnチャネルの情報を得ることができ、1画面にnチャネルの動画を同時に表示することができるテレビ受像機が開示されている。
【0007】
これらの発明は、いずれも複数のチャネルを現在の画面に常時表示できるようにすることを目的としていた。
【特許文献1】特開平2−198283(1990年8月6日公開)
【特許文献2】特開平2−97181(1990年4月9日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記従来の構成では、テレビ受信機もしくは録画装置では1つのチューナによって、あるチャネルを録画しつつ別のチャネルの表示を行うことはできないという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、1つのチューナによって受信したテレビ信号のうち、あるチャネルを表示しつつ別のチャネルの録画を行うことのできるテレビ受像録画装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るテレビ受像録画装置は、所定のチャネルに受信チャネルを同調するチューナと、上記チューナが受信チャネルを同調させるチャネルを、複数の異なるチャネル間で切り替える受信チャネル切替手段と、上記受信チャネル切替手段が切り替えた複数のチャネルのそれぞれを介して受信される画像データを、表示用記憶手段および録画用記憶手段のいずれかに書き込む画像データ書込手段と、上記表示用記憶手段に記憶された画像データを表示する表示手段と、上記録画用記憶手段に記憶された画像データを録画する録画手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、所定のチャネルに受信チャネルを同調するチューナと、上記チューナが受信チャネルを同調させるチャネルを、複数の異なるチャネル間で切り替える受信チャネル切替手段と、上記受信チャネル切替手段が切り替えた複数のチャネルのそれぞれを介して受信される画像データを、表示用記憶手段および録画用記憶手段のいずれかに書き込む画像データ書込手段と、上記表示用記憶手段に記憶された画像データを表示する表示手段と、上記録画用記憶手段に記憶された画像データを録画する録画手段とを備えている。
【0012】
これにより、受信チャネルを同調させるチャネルを、受信チャネル切替手段により、複数の異なるチャネル間で切り替えることができ、切り替えた複数のチャネルの受信された画像データは、画像データ書込手段により、表示用記憶手段および録画用記憶手段のいずれかに書き込まれる。そして、表示用記憶手段または録画用記憶手段に書き込まれた画像データは、それぞれ表示手段または録画手段により、表示または録画処理される。このように、複数の異なるチャネルを順次切り替えて受信チャネルを同調し、複数の異なるチャネルの録画と表示を順次行うことにより、あるチャネルを表示中に、別のチャネルを録画することができる。また、受信チャネルを同調させるチャネルを、複数の異なるチャネル間で切り替える受信チャネル切り替え手段を備えているので、複数個のチューナを備える必要がなく、1つのチューナで複数の異なるチャネルに受信チャネルを同調させることができる。
【0013】
本発明に係るテレビ受像録画方法は、テレビ受像録画装置に設けられたチューナにより、所定のチャネルに受信チャネルを同調する第1ステップと、上記テレビ受像録画装置に設けられた受信チャネル切替手段により、上記チューナが受信チャネルを同調させるチャネルを、複数の異なるチャネル間で切り替える第2ステップと、上記テレビ受像録画装置に設けられた画像データ書込手段により、上記第2ステップが切り替えた複数のチャネルのそれぞれを介して受信される画像データを、上記テレビ受像録画装置に設けられた表示用記憶手段および録画用記憶手段のいずれかに書き込む第3ステップと、上記テレビ受像録画装置に設けられた表示手段により、上記表示用記憶手段に記憶された画像データを表示する第4ステップと、上記テレビ受像録画装置に設けられた録画手段により、上記録画用記憶手段に記憶された画像データを録画する第5ステップとを備えることを特徴としている。
【0014】
上記構成のテレビ受像録画方法によれば、第1ステップから第5ステップまでにより、本発明のテレビ受像録画装置と同様の作用が実現されているので、本発明のテレビ受像録画装置と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るテレビ受像録画装置は、所定のチャネルに受信チャネルを同調するチューナと、上記チューナが受信チャネルを同調させるチャネルを、複数の異なるチャネル間で切り替える受信チャネル切替手段と、上記受信チャネル切替手段が切り替えた複数のチャネルのそれぞれを介して受信される画像データを、表示用記憶手段および録画用記憶手段のいずれかに書き込む画像データ書込手段と、上記表示用記憶手段に記憶された画像データを表示する表示手段と、上記録画用記憶手段に記憶された画像データを録画する録画手段とを備えた構成である。それゆえ、複数の異なるチャネルを順次切り替えて受信チャネルを同調し、複数の異なるチャネルの録画と表示を順次行うことにより、あるチャネルを表示中に、別のチャネルを録画することができる。また、受信チャネルを同調させるチャネルを、複数の異なるチャネル間で切り替える受信チャネル切り替え手段を備えているので、複数個のチューナを備える必要がなく、1つのチューナで複数の異なるチャネルに受信チャネルを同調させることができる。
【0016】
また、本発明に係るテレビ受像録画方法は、テレビ受像録画装置に設けられたチューナにより、所定のチャネルに受信チャネルを同調する第1ステップと、上記テレビ受像録画装置に設けられた受信チャネル切替手段により、上記チューナが受信チャネルを同調させるチャネルを、複数の異なるチャネル間で切り替える第2ステップと、上記テレビ受像録画装置に設けられた画像データ書込手段により、上記第2ステップが切り替えた複数のチャネルのそれぞれを介して受信される画像データを、上記テレビ受像録画装置に設けられた表示用記憶手段および録画用記憶手段のいずれかに書き込む第3ステップと、上記テレビ受像録画装置に設けられた表示手段により、上記表示用記憶手段に記憶された画像データを表示する第4ステップと、上記テレビ受像録画装置に設けられた録画手段により、上記録画用記憶手段に記憶された画像データを録画する第5ステップとを備えた構成である。それゆえ、上記構成のテレビ受像録画方法によれば、第1ステップから第5ステップまでにより、本発明のテレビ受像録画装置と同様の作用が実現されているので、本発明のテレビ受像録画装置と同様の作用効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施形態について図1ないし図3に基づいて説明すると以下の通りである。
【0018】
まず、本発明の実施例を示すブロック図1を用いて、テレビ受像録画装置の構成について説明する。
【0019】
テレビ受像録画装置10は、アンテナ1と、チューナ2と、ADC(Analog-to-Digital Conversion)部3と、フレームメモリ書き込みアドレス切替器(受信チャネル書込手段)4と、メモリ部(表示用記憶手段、録画用記憶手段)5と、フレームメモリ読み出しアドレス切替器6と、表示部(表示手段)7と、録画部(録画手段)8と、CPU部(受信チャネル切替手段)9とを備えている。
【0020】
アンテナ1は、無線による通信環境で、電波を受信するための装置である。
【0021】
チューナ2は、テレビ信号(画像データ)を受信処理するものである。
【0022】
ADC部3は、チューナ2にて受信処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換する変換器である。
【0023】
フレームメモリ書き込みアドレス切替器4は、メモリ部5に対して、ADC部3によりデジタル信号に変換された画像データの転送処理および書き込み処理を行うものである。また、フレームメモリ書き込みアドレス切替器4は、受信された画像データが書き込まれるメモリ部5内のフレームメモリのアドレスを切り替える処理を行う。
【0024】
メモリ部5は、受信された画像データを格納するための複数のフレームメモリ5−1(表示用記憶手段)・5−2(録画用記憶手段)・5−3(表示用記憶手段)・5−4(録画用記憶手段)・…・5−Nで構成されている。フレームメモリ5−1・5−2・…・5−Nは、RAM等の半導体メモリによって構成されているが、これに限定されるものではなく、画像データを一次的に記憶できるものであれば良く、他には、例えば、ICなどを用いることができる。また、フレームメモリの数量は、特に限定されるものではない。なお、説明の便宜上、所定のフレームメモリをフレームメモリ5−nと表す。このnは、フレームメモリの番号を表すもので、1からN(最大値)までの整数を表す。また、本実施例では、上記nが奇数番号であるフレームメモリを表示用記憶手段とし、上記nが偶数番号であるフレームメモリを録画用記憶手段と想定する。
【0025】
フレームメモリ読み出しアドレス切替器6は、所定のフレームメモリから、受信された画像データの読み出し処理を行い、読み出された画像データを表示部7および録画部8へ転送する処理を行うものである。また、フレームメモリ読み出しアドレス切替器6は、フレームメモリ5−nの読み出しアドレスを切り替える処理を行う。
【0026】
表示部7は、フレームメモリ読み出しアドレス切替器6から転送される画像データを表示するものである。なお、表示方法は、公知の方法により表示されるものである。また、当該表示部7は、1つ、あるいは、2つ以上のチャネルを表示することができるものである。
【0027】
録画部8は、フレームメモリ読み出しアドレス切替器6から転送される画像データを録画するものである。なお、録画方法は、公知の方法により録画されるものである。また、当該録画部8は、1つ、あるいは、2つ以上のチャネルを録画することができるものである。
【0028】
CPU部9は、各種制御を行うものであり、例えば、受信チャネルを順次切り替える処理を行う。また、フレームメモリ書き込みアドレス切替器4およびフレームメモリ読み出しアドレス切替器6に対して、所定のフレームメモリ5−nに対応するアドレスの設定および切り替え命令を付与する。
【0029】
なお、フレームメモリのアドレスとは、フレームメモリ5−1・5−2・…・5−Nのそれぞれに対応して付される番地である。このアドレスの制御方法としては、例えば、クロックの入力数でアドレスがカウントされ、0から始まり、1,2,3と順次進んでいくものである。
【0030】
次に本発明の動作を図2のフローチャートおよび図3の処理イメージ図を用いて説明する。
【0031】
ここで、説明の便宜上、受信すべきチャネルを、チャネルmとし、当該mをm=1およびm=2の2チャネルと仮定する。そして、それぞれが表示用チャネルあるいは録画用チャネルのいずれかであるとする。なお、実際のチャネルの数量は2つ以上あり、上記mとは2以上の整数を表すものである。
【0032】
また、チャネルmは既知のチャネルであり、受信動作により確実に同調するものとする。
【0033】
まず、ユーザによりチャネルの選択が行われる(ステップ1、以下単にステップをSと記載する)。ここでは、ユーザが2つのチャネルを選択したとする。
【0034】
ユーザが2つのチャネルを選択すると、CPU部9によって、一方のチャネルmが受信チャネルに設定される(S2)。なお、上記2つのチャネル、つまり、表示用のチャネルおよび録画用のチャネルの内どちらが先に受信チャネルに設定されても構わない。
【0035】
また、CPU部9が、フレームメモリ5−nに対応するアドレスを受信された画像データの書き込みアドレスとするよう、フレームメモリ書き込みアドレス切替器4に対してアドレスの切替命令を付与する。そして、フレームメモリ書き込みアドレス切替器4は、フレームメモリ5−nに対応する書き込みアドレスに切り替える(S2)。CPU部9によって、チャネルmの受信された画像データが書き込まれるメモリ部5内のフレームメモリ5−nに対応するアドレスが、フレームメモリ書き込みアドレス切替器4に対して設定される(S2)。
【0036】
次に、チューナ2により、チャネルmの受信設定が行われ受信処理が開始される(S3)。
【0037】
そして、受信されたチャネルmの信号(画像データ)の同調の確認がCPU部9によって行われる(S4)。
【0038】
ここで、受信された信号の同調が確認された場合(S4にてYES)、チューナ2からADC部3に信号が転送される。そして、ADC部3によって、受信された信号がアナログ信号からデジタル信号に変換される(S5)。また、信号の同調を確認できない場合(S4にてNO)は、S4に戻り、再度、同調の確認が行われる。
【0039】
次に、ADC部3によってデジタル信号に変換された画像データは、フレームメモリ書き込みアドレス切替器4によって、フレームメモリ5−nに転送される。
【0040】
そして、転送された画像データが、フレームメモリ5−nに書き込まれたかどうかの確認をCPU部9が行う(S6)。
【0041】
ここで、フレームメモリ5−nへの書き込み完了が確認された場合(S6にてYES)、書き込まれた画像データが、録画用の画像データであるかどうかの確認が行われる(S7)。なお、書き込まれた画像データが表示用の画像データであるか、または録画用の画像データであるかの区別は、例えば、ユーザによりチャネル選択された際のフラグの違いを、CPU部9が判別することによって行う。
【0042】
次に、フレームメモリ5−nに書き込まれた画像データが、録画用の画像データであると判別された場合(S7にてYES)、CPU部9が、フレームメモリ5−nに対応するアドレスを受信された画像データの読み出しアドレスとするよう、フレームメモリ読み出しアドレス切替器6に対してアドレスの切替命令を付与する。そして、フレームメモリ読み出しアドレス切替器6は、フレームメモリ5−nに対応する読み出しアドレスに切り替える。そして、フレームメモリ読み出しアドレス切替器6は、設定された読み出しアドレスに対応するフレームメモリ5−nに格納された画像データを読み出し、録画部8へ画像データを転送する(S8)。
【0043】
そして、録画部8は、転送された画像データを公知の方法を用いて、録画処理を行う(S9)。
【0044】
また、S7でNOと判別、すなわち、書き込まれた画像データが、録画用の画像データでないと判別された場合、S8と同様に、CPU部9が、フレームメモリ5−nに対応するアドレスを受信された画像データの読み出しアドレスとするよう、フレームメモリ読み出しアドレス切替器6に対してアドレスの切替命令を付与する。そして、フレームメモリ読み出しアドレス切替器6は、フレームメモリ5−nに対応する読み出しアドレスに切り替える。そして、フレームメモリ読み出しアドレス切替器6は、設定されたアドレスに対応するフレームメモリ5−nに格納された画像データを読み出し、表示部7へ画像データを転送する(S10)。
【0045】
そして、表示部7は、転送された画像データを公知の方法を用いて、表示処理を行う(S11)。
【0046】
ところで、S6にて、フレームメモリ5−nへの画像データの書き込み完了が確認された後、別のチャネルを受信および受信された画像データを格納するために、フレームメモリ5−nの切り替えとチャネルmの切り替えが行われる。このフレームメモリ5−nとチャネルmとの切り替えの手順について、以下に説明する。
【0047】
まず、S6で画像データの書き込み完了が確認された後、画像データを格納するフレームメモリ5−nを切り替えるために、CPU部9において、S2にて設定されたフレームメモリ5の番号nの確認が行われる(S12)。具体的には、S2にて設定されたフレームメモリ5の番号nが、メモリ部5に備えられているフレームメモリ5の数量(最大値)Nよりも小さいかどうかをCPU部9によって判別する。
【0048】
そして、S2にて設定されたフレームメモリ5の番号nが、フレームメモリ5の数量Nよりも小さいと判別された場合(S12にてYES)には、CPU部9によって、フレームメモリ5の番号nが、n=n+1に切り替えられる。また、S2で設定されたフレームメモリ5−nに対応した書き込みアドレスが、フレームメモリ5−n+1に対応する書き込みアドレスに変更されるように、CPU部9がフレームメモリ書き込みアドレス切替器4に対してアドレスの切り替え命令を付与する。そして、フレームメモリ書き込みアドレス切替器4は、フレームメモリ5−n+1に対応する書き込みアドレスに切り替える(S13)。
【0049】
そして、S2にて設定されたフレームメモリ5の番号nが、フレームメモリ5の数量Nよりも小さくないと判別された場合(S12にてNO)には、CPU部9によって、フレームメモリ5の番号nが、n=1に戻される。また、S2で設定されたフレームメモリ5−nに対応した書き込みアドレスが、フレームメモリ5−1に対応する書き込みアドレスに変更されるように、CPU部9がフレームメモリ書き込みアドレス切替器4に対してアドレスの切り替え命令を付与する。そして、フレームメモリ書き込みアドレス切替器4は、フレームメモリ5−1に対応する書き込みアドレスに切り替える(S14)。
【0050】
ここで、例えば、S2にて設定されたフレームメモリ5の番号nが、1に設定されている場合、S13にて、フレームメモリ5−nの番号は、n=2に切り替えられる。そして、フレームメモリ書き込みアドレス切替器4は、フレームメモリ5−2に対応する書き込みアドレスに切り替える。このように、フレームメモリ5−nの切り替えが、順次行われる構成である。
【0051】
次に、S2にて設定されたチャネルの確認が行われる(S15)。ここでは、受信チャネルmが、m=1かどうかの確認が行われる。そして、受信チャネルの確認が行われた後、CPU部9によって、次に受信するチャネルの切り替えが行われる。具体的には、受信チャネルがm=1の場合(S15にてYES)は、受信チャネルが、m=2に切り替えられる(S16)。また、受信チャネルがm=1でない場合(S15にてNO)は、受信チャネルがm=1に切り替えられる(S17)。このように、一方のチャネルを受信した後、他方のチャネルへ切り替える処理が、繰り返し行われる構成である。
【0052】
そして、フレームメモリ5の番号nおよびチャネルmが切り替えられた後、S3に戻り、チューナ2により、変更されたチャネルmの受信設定が行われ受信処理が開始される。このように受信チャネルを順次切り替えることによって、受信処理が繰り返し行われる。
【0053】
次に、本発明の処理イメージについて、図2のフローチャートを参照しつつ、図3を用いて説明する。
【0054】
ここでは、ユーザが表示用チャネルとして、チャネル1(CH1)を選択し、また、録画用チャネルとして、チャネル2(CH2)を選択した構成について説明する。
【0055】
まず、ユーザにより表示用チャネルとして選択されたチャネル1の受信処理(図2のS2参照)が開始され、1フレーム(fr1)分の画像データが受信される。次に、受信された画像データは、フレームメモリ5−1に書き込まれる(図2のS6参照)。そして、フレームメモリ5−1に書き込まれた画像データは、録画用の画像データか否かの判別により録画用の画像データでないと判別された後(図2のS7参照)、表示部7に転送され表示される(図2のS11参照)。なお、本実施例では、受信する画像データを1フレーム分としているが、これに限定されるものではなく、例えば、1フィールド分、あるいは、2フレーム分で受信しても良い。
【0056】
ここで、フレームメモリ5−1に、チャネル1の画像データが書き込まれたことが確認された場合(図2のS6参照)、画像データを書き込むためのフレームメモリ5−nが、フレームメモリ5−2に切り替えられる(図2のS13参照)。また、受信チャネルがチャネル2に切り替えられる(図2のS16参照)。
【0057】
そして、切り替えられた録画用のチャネル2の受信処理が開始され(図2のS3参照)、1フレーム(fr3)分の画像データが受信される。次に、受信された画像データは、切り替えられたフレームメモリ5−2に書き込まれる(図2のS6参照)。そして、フレームメモリ5−2に書き込まれた画像データが、録画用の画像データか否かの判別により録画用の画像データであると判別された後(図2のS7参照)、録画部8に転送され録画される(図2のS9参照)。
【0058】
以上のように、表示用チャネル1の受信された画像データが、所定のフレームメモリ5−1に記憶され、フレームメモリ5−1に対応したアドレスを介して、フレームメモリ5−1から表示部に転送され表示される。ここで、表示用チャネル1の画像データが、所定のフレームメモリ5−1に記憶された時点で、録画用チャネル2の画像データを受信するために、チャネルの切り替えが行われ、また、録画用チャネル2の画像データを記憶するためのフレームメモリの切り替えが行われる。そして、録画用チャネル2の受信処理が開始され、受信された画像データが、切り替えられたフレームメモリ5−2に記憶される。フレームメモリ5−2に記憶された画像データは、フレームメモリ5−2に対応したアドレスを介して、フレームメモリ5−2から録画部に転送され録画される。
【0059】
このようにして、表示用チャネル1および録画用チャネル2を順次切り替えて受信処理を繰り返す。そして、表示部7および録画部8への画像データ転送が、交互に繰り返されることによって、チャネル1を表示しながら、別のチャネル2を録画することができる。
【0060】
以上の構成によれば、1つのチューナを用いて、所定のチャネルを受信した後、別のチャネルに受信チャネルを同調する動作を複数チャネルにおいて順次繰り返し行い、受信した画像データをメモリ部5に転送し、メモリ部5から画像データを選択的に表示もしくは録画することができる。
【0061】
つまり、1つのチューナを用いて、受信チャネルを同調させるチャネルを、複数の異なるチャネル間で順次切り替えることによって、複数チャネルの録画と表示を順次行うことができる。したがって、あるチャネルを表示中に、別のチャネルを録画することができる。
【0062】
さらに、1つのチューナによって、あるチャネルを表示中に、別のチャネルを録画することができるため、複数個のチューナを搭載する場合と比較して、コストを抑えることができ、装置の小型化を実現することもできる。
【0063】
ところで、本実施例では、2つのチャネルの場合を例にとったが、これに限定されるものではなく、3つ以上のチャネルにおいても同様の処理によって、複数チャネルの録画および表示が可能である。
【0064】
さらに、1つのチャネルを録画および表示させる構成とすることもできる。この場合には、ユーザがチャネルを設定する際に、表示用チャネルおよび録画用チャネルとも同一のチャネルを選択すればよい。
【0065】
なお、本発明は、所定のチャネルに受信チャネルを同調し、1フィールドの画像データを受信した後、別のチャネルに受信チャネル同調する動作を複数チャネルにおいて順次繰り返す手段と、複数フレーム分のフレームメモリと、前記受信した画像データを所定の番地のフレームメモリに転送する手段と、画像データを所定のフレームメモリから選択的に表示する手段と、画像データを所定のフレームメモリから選択的に録画する手段を備える構成であってもよい。
【0066】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
テレビチューナを搭載し、受信した画像を録画する機能と表示する機能とを有する情報端末装置およびPCにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、テレビ受像録画装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のテレビ受像録画装置の動作を示すフローチャート図である。
【図3】本発明のテレビ受像録画装置の処理を示した処理イメージ図である。
【符号の説明】
【0069】
2 チューナ
4 フレームメモリ書き込みアドレス切替器(受信チャネル書込手段)
5 メモリ部(表示用記憶手段、録画用記憶手段)
5−1 フレームメモリ(表示用記憶手段)
5−2 フレームメモリ(録画用記憶手段)
5−3 フレームメモリ(表示用記憶手段)
5−4 フレームメモリ(録画用記憶手段)
7 表示部(表示手段)
8 録画部(録画手段)
9 CPU部(受信チャネル切替手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のチャネルに受信チャネルを同調するチューナと、
上記チューナが受信チャネルを同調させるチャネルを、複数の異なるチャネル間で切り替える受信チャネル切替手段と、
上記受信チャネル切替手段が切り替えた複数のチャネルのそれぞれを介して受信される画像データを、表示用記憶手段および録画用記憶手段のいずれかに書き込む画像データ書込手段と、
上記表示用記憶手段に記憶された画像データを表示する表示手段と、
上記録画用記憶手段に記憶された画像データを録画する録画手段とを備えるテレビ受像録画装置。
【請求項2】
テレビ受像録画装置に設けられたチューナにより、所定のチャネルに受信チャネルを同調する第1ステップと、
上記テレビ受像録画装置に設けられた受信チャネル切替手段により、上記チューナが受信チャネルを同調させるチャネルを、複数の異なるチャネル間で切り替える第2ステップと、
上記テレビ受像録画装置に設けられた画像データ書込手段により、上記第2ステップが切り替えた複数のチャネルのそれぞれを介して受信される画像データを、上記テレビ受像録画装置に設けられた表示用記憶手段および録画用記憶手段のいずれかに書き込む第3ステップと、
上記テレビ受像録画装置に設けられた表示手段により、上記表示用記憶手段に記憶された画像データを表示する第4ステップと、
上記テレビ受像録画装置に設けられた録画手段により、上記録画用記憶手段に記憶された画像データを録画する第5ステップとを備えるテレビ受像録画方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−352695(P2006−352695A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−178329(P2005−178329)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】