説明

テント

【目的】 本発明の目的は、夏期シーズンだけでなく、オールシーズンで使用することができる新規なテントを提供する
【構成】 このテントは、組立可能な骨組み100と、この骨組みに張られ且つ前面部が開放された天幕200とを備えている。天幕200の背面部223の内面(奥側面)には、ゴルフや野球等の球当て用のターゲット400が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアウトドア等で用いられるテントに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のテントは、組立可能な骨組みと、この骨組みに張られる天幕とを有するものがある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−253915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記テントは、通常、6〜10月の夏期に屋外で使用され、それ以外の期間は物置等で保管されることが多い。即ち、夏期以外のシーズンでは、ほとんど使用されることがなかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、夏期シーズンだけでなく、オールシーズンで使用することができる新規なテントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のテントは、組立可能な骨組みと、この骨組みに張られ且つ前面部が開放された天幕とを備えており、前記天幕の奥側面には、ゴルフや野球等の球当て用のターゲットが設けられている。
【0007】
即ち、天幕の奥側面のターゲットに対してゴルフや野球等の球を打ち込み練習を行うことができる。
【0008】
前記ターゲットは、前記奥側面に着脱可能になっていることが好ましい。
【0009】
前記天幕の奥側面には、補強部材が設けられていることが好ましい。この場合、前記ターゲットは、補強部材上に位置するように前記奥側面に取り付けられている。
【0010】
前記補強部材についても前記奥側面に着脱可能とすることができる。
【0011】
前記天幕は防音性を有するシートで構成されていることが好ましい。この場合、ゴルフや野球等の球がターゲットに当たる際の音を外部に漏れないようにすることができる。
【0012】
前記天幕の前面部は開閉可能とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のテントによる場合、天幕の奥側面にゴルフや野球等の球当て用のターゲットが設けられている。このため、本テントは、テント本来の使用目的だけでなく、前記ターゲットに対してゴルフや野球の球を打ち込む練習用のゲージとしても使用できる。よって、オールシーズンで使用することができる汎用性の高いテントとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係るテントについて図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係るテントの概略的正面図、図2は同テントの概略的側面図、図3は同テントの概略的底面図、図4は同テントの模式的平面図、図5は同テントの骨組みの支柱部の拡大図、図6は同テントの骨組みの支柱部の折り曲げ状態を示す図である。
【0015】
図1に示すテントは、組立可能な骨組み100と、この骨組みに張られる天幕200と、天幕200の奥側面に着脱可能に取り付けられる補強部材300と、天幕200の奥側面に、補強部材300上に位置するように着脱可能に取り付けられるターゲット400とを備えている。以下、各部を詳しく説明する。
【0016】
天幕200は、図1乃至図3に示すように、底面視略凹字状の底部210と、この底部210に連続して設けられたメッシュ状の屋根部220と、底部210の両開放端部同士を連結する連結紐230とを有する。
【0017】
底部210の外側の4つの角部には、骨組み100の4つの支柱部110の長さ方向の一端部を係止する4つの係止片211が各々設けられている。
【0018】
屋根部220は前面部が開放された略ドーム体である。この屋根部220は、図1乃至図4に示すように、隣り合う斜辺同士が縫い合わされた第1、第2、第3、第4の頂部221a、221b、221c、221dと、頂辺部が第2の頂部221bの底辺部に縫い合わされた第1の側面部222aと、頂辺部が第3の頂部221cの底辺部に縫い合わされた第2の側面部222bと、頂辺部が第4の頂部221dの底辺部に縫い合わされ且つ両斜辺部が隣り合う第1、第2の側面部222a、222bの斜辺部と各々縫い合わされた略台形状の背面部223と、第2、第4の頂部221b、221dの斜辺部の縫い合わせ部分及びこれに連続する第1の側面部222aの斜辺部と背面部223の斜辺部との縫い合わせ部分上に設けられた複数の筒状の第1のスリーブ224aと、第3、第4の頂部221c、221dの斜辺部の縫い合わせ部分及びこれに連続する第2の側面部222bの斜辺部と背面部223の斜辺部との縫い合わせ部分上に設けられた筒状の第2のスリーブ224bと、第1、第2の頂部221a、221bの斜辺部の縫い合わせ部分及びこれに連続する第1の側面部222aの斜辺部上に設けられた筒状の第3のスリーブ224cと、第1、第3の頂部221a、221cの斜辺部の縫い合わせ部分及びこれに連続する第2の側面部222bの斜辺部上に設けられた筒状の第4のスリーブ224dとを有する。
【0019】
また、第1、第2、第3、第4の頂部221a、221b、221c、221dの頂角部には、図3に示すように、ホームベース状の補強シートが取り付けられている。この補強シートは、骨組み100のハブ部120が当接することにより、第1、第2、第3、第4の頂部221a、221b、221c、221dの頂角部が破れないようにしている。
【0020】
背面部223は、その内面が天幕200の奥側面となる。この背面部223の4つの角部には、図1に示すように、補強部材300の6つの取付紐310及びターゲット400の4つの取付紐410が取り付けられる6つのループ223aが各々設けられている。
【0021】
骨組み100は、図1乃至図4に示すように、複数の第1、第2、第3、第4のスリーブ224a、224b、224c、224dに通される各々4つの支柱部110と、この4つの支柱部110の長さ方向の他端部を90°間隔で回動自在に軸支するハブ部120とを有する。
【0022】
支柱部110は、図5及び図6に示すように、折り曲げ可能な第1、第2、第3、第4の関節部111a、111b、111c、111dを有している。
【0023】
第1の関節部111aは、雄ロック部111a1と、この雄ロック部111a1に回動可能に取り付けられ且つその雌ロック本体が雄ロック部111a1に向けて移動自在になっている雌ロック部111a2と、雌ロック部111a2に取り付けられ、当該雌ロック部111a2の雌ロック本体を雄ロック部111a1に向けて付勢するコイルスプリング111a3とを有している。
【0024】
即ち、第1の関節部111aが伸びた状態であるときには、雄ロック部111a1の凸状の先端部が雌ロック部111a2の雌ロック本体に嵌まり込んで係合される。このとき、雌ロック部111a2の雌ロック本体がコイルスプリング111a3に付勢力されることにより、当該雌ロック本体が雄ロック部111a1を係合した状態で維持される。一方、第1の関節部111aが折り曲げ状態であるときには、コイルスプリング111a3が圧縮され、雄ロック部111a1の先端部が雌ロック部111a2の雌ロック本体の係合から外れる。そして、前記雌ロック本体は雄ロック部111a1の側面に当接する。なお、第3の関節部111cは、第1の関節部111aと同じものである。
【0025】
第2の関節部111bは、第1の関節部111aと反対方向に向けて折り曲げ可能になっている。なお、第4の関節部111dは第2の関節部111bと同じものである。
【0026】
補強部材300は略六角形の補強ネットである。この補強部材300の角部には、6つの取付紐310が設けられている。この取付紐310が背面部223の6つのループ223aに各々結びつけられる。
【0027】
ターゲット400は、中央部に中心点と径の異なる2つの円が描かれた矩形状のシートである。このターゲット400の4つの角部には、4つの取付紐410が設けられている。この取付紐310が背面部223の6つのループ223aのうち4つのループ223aに各々結びつけられる。
【0028】
以下、このような構成のテントの組み立て手順を説明すると共に、その使用方法を説明する。まず、骨組み100の4つの支柱部110の折り曲げ状態にある第1、第2、第3、第4の関節部111a、111b、111c、111dを順次伸ばす。このとき、第1の関節部111aの雄ロック部111a1の先端部が雌ロック部111a2の雌ロック本体に嵌まり込み、係合される。このとき、コイルスプリング111a3が雌ロック部111a2の雌ロック本体を雄ロック部111a1に向けて付勢力する。これにより、前記雌ロック本体が雄ロック部111a1を係合した状態で維持される。なお、第3の関節部111cは、第1の関節部111aと同様である。
【0029】
すると、4つの支柱部110の長さ方向の一端部が回動し、ハブ部120を持ち上げる。このようにして4つの支柱部110が複数の第1、第2、第3、第4のスリーブ224a、224b、224c、224dを支持し、天幕200の屋根部220をドーム状に張った状態で維持する。
【0030】
このようにして建てられたテントは、従来のテントと同様に、その内部がユーザの居住空間として使用できる。
【0031】
その後、補強部材300の6つの取付紐310を背面部223の6つのループ223aに各々結びつける。このようにして補強部材300が背面部223の内面(即ち、奥側面)に取り付けられる。そして、ターゲット400の取付紐410を背面部223の6つのループ223aのうち上下の4つのループ223aに各々結びつける。これにより、ターゲット400が背面部223の内面に補強部材300上に位置するように取り付けられる。
【0032】
このように背面部223の内面にターゲット400取り付けた状態で、当該ターゲット400に向けてゴルフボールや野球のボールを打ち込むことができる。ターゲット400から外れたボールは、補強部材300、屋根部220の第1、第2の側面部222a、222b、背面部223に当たる。これにより、ボールが予期しない方向に飛んで行くのを防止している。また、ターゲット400に当たって跳ね返ったボールは屋根部220の第1、第2の側面部222a、222bに当たる。これにより、前記ボールの散乱を防止している。
【0033】
テントを折り畳むときには、4つの支柱部110の第1、第2、第3、第4の関節部111a、111b、111c、111dを順次折り曲げる。すると、コイルスプリング111a3の不正力に抗して、雌ロック部111a2の雌ロック本体が雄ロック部111a1から離れる方向に移動する。これにより、雄ロック部111a1の先端部が前記雌ロック本体の係合から外れる。すると、雌ロック部111a2の雌ロック本体が雄ロック部111a1の側面に当接する。
【0034】
これと共に、第2、第4の関節部111b、111dが第1、第3の関節部111a、111cと反対側に折れ曲がる。このようにして支柱部110を折り畳み、併せて天幕200を折り畳む。
【0035】
このようなテントによる場合、テント本来の目的だけでなく、ゴルフボールや野球のボールを打ち込む練習用のゲージとして使用することができる。よって、前記テントをオールシーズンで使用することができる。
【0036】
なお、上記テントは、組立可能な骨組みと、この骨組みに張られ且つ前面部が開放された天幕とを備えており、前記天幕の奥側面には、ゴルフや野球等の球当て用のターゲットが設けられている限り任意に設計変更可能である。
【0037】
骨組み100については、天幕200を張りうる限りどのようなものを用いても良い。
【0038】
天幕200についても、その奥側面に前記ターゲットを設けることができるものである限り、任意に設計変更可能である。
【0039】
なお、天幕200の屋根部220は、メッシュ状であるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、防音性を有するシート材を用いることができる。この場合、前記ターゲット等にボールが当たる音が外部に漏れるのを防ぐことができる。また、前記シート材は、防音性と共に遮光性を備えているものがある。この場合、テント内に日の光が入るのを防止することができる。
【0040】
補強部材300については設けるか否かは任意である。また、補強部材300を設ける場合には、ターゲット400の裏側に位置し、当該ターゲット400を補強しうるものである限り、どのようなものを用いても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の形態に係るテントの概略的正面図である。
【図2】同テントの概略的側面図である。
【図3】同テントの概略的底面図である。
【図4】同テントの模式的平面図である。
【図5】同テントの骨組みの支柱部の拡大図である。
【図6】同テントの骨組みの支柱部の折り曲げ状態を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
100 骨組み
200 天幕
300 補強部材
400 ターゲット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立可能な骨組みと、この骨組みに張られ且つ前面部が開放された天幕とを備えたテントにおいて、
前記天幕の奥側面には、ゴルフや野球等の球当て用のターゲットが設けられていることを特徴とするテント。
【請求項2】
請求項1記載のテントにおいて、
前記ターゲットは、前記奥側面に着脱可能になっていることを特徴とするテント。
【請求項3】
請求項2記載のテントにおいて、
前記天幕の奥側面には、補強部材が設けられており、
前記ターゲットは、補強部材上に位置するように前記奥側面に取り付けられていることを特徴とするテント。
【請求項4】
請求項3記載のテントにおいて、
前記補強部材は前記奥側面に着脱可能になっていることを特徴とするテント。
【請求項5】
請求項1記載のテントにおいて、
前記天幕は、防音性を有するシートで構成されていることを特徴とするテント。
【請求項6】
請求項1乃至5記載のテントにおいて、
前記天幕の前面部は開閉可能になっていることを特徴とするテント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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