説明

テープカートリッジの搬送ケース

【課題】テープカートリッジをまとめて簡便に出し入れでき、しかも輸送時には隣接するテープカートリッジが擦れあうのを確実に防止できる搬送ケースを提供する。
【解決手段】トレー状に形成される下ケース1および上ケース2を蓋合わせ状に接合して搬送ケースを構成する。下ケース1、および上ケース2は、それぞれ複数個のテープカートリッジCを収容する収容部8・18を備えている。上ケース2の内面に、隣接するテープカートリッジCを接触不能に分離する仕切体24を設ける。以て、下ケース1の収容部8に対して、複数個のテープカートリッジCをまとめて出し入れできるようにしながら、輸送時には仕切体24で隣接するテープカートリッジCを隔離して、テープカートリッジCどうしが擦れあうのを確実に防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個のテープカートリッジをまとめて梱包し出荷搬送するのに好適な搬送ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の搬送ケースとして特許文献1が公知である。そこでは、上下一対のトレー状のケースで搬送ケースを構成している。下ケースは、平面視が横長四角形状に形成してあり、ケース内部が長辺部と平行に設けたリブで2個の区画に区分してある。また、長辺部側の周囲壁と先のリブの対向面のそれぞれに仕切突起を設けて、個々のテープカートリッジを仕切突起で隔離した状態でケース体に収納できるようにしている。上ケースは下ケースと同様に構成してある。
【0003】
上記の搬送ケースにおいては、テープカートリッジを個別に隔離した状態で下ケースに収納するが、複数個のテープカートリッジを密着接合した状態で下ケースに収納する搬送ケースが提案されている。そこでは、上下一対のトレー状のケースで搬送ケースを構成し、下ケースの内部を十文字状のリブで4個の区画に区分している。各区画には5個のテープカートリッジが収納される。
【0004】
【特許文献1】特開2007−62742号公報(段落番号0017〜0022、図1参照)
【特許文献2】特開2007−191181号公報(段落番号0022、図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の搬送ケースでは、テープカートリッジを個別に隔離した状態で下ケースに収納するので、仕切突起で区分された収容スペースにテープカートリッジを1個ずつ収納するのに多くの手間が掛かる。さらに、下ケースから取り出す場合にもテープカートリッジを1個ずつ抜き出す必要があり、テープカートリッジをまとめて出し入れできない点で不便がある。上ケースにも仕切突起が設けてあるので、上ケースを下ケースに被せ付ける作業に手間取ることがある。
【0006】
その点、特許文献2の搬送ケースでは、下ケースの4個の区画に5個のテープカートリッジを密着接合した状態でまとめて収納するので、下ケースに対するテープカートリッジの出し入れを迅速かつ簡便に行なうことができる。しかし、5個のテープカートリッジを密着接合した状態で下ケースに収納するので、搬送途中に隣接するテープカートリッジどうしが擦れあい、テープカートリッジの本体ケースの外面に擦過傷が形成される点に問題がある。場合によっては、テープカートリッジどうしが擦れあうことで粉塵が発生することがあり、最悪の場合にはテープが粉塵で汚損されるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、テープカートリッジをまとめて簡便に出し入れでき、しかも輸送時には隣接するテープカートリッジが擦れあうのを確実に防止して、正常な外観状態で搬送できる搬送ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る搬送ケースは、トレー状に形成される下ケース1および上ケース2を蓋合わせ状に接合して構成する。下ケース1、および上ケース2は、それぞれ複数個のテープカートリッジCを収容する収容部8・18を備えている。以て、上下ケース1・2のいずれか一方の内面に、隣接するテープカートリッジCを接触不能に分離する仕切体24が設けてあることを特徴とする。
【0009】
下ケース1の下面と、上ケース2の上面とのそれぞれに、搬送ケースを上下に積み重ねた状態において互いに嵌合する突起29と凹部28とを設ける。
【0010】
上下ケース1・2のそれぞれは四角形のトレー状に形成して、上下ケース1・2のそれぞれの開口縁にフランジ壁9・19を張り出し形成する。対向する辺部に位置するフランジ壁9・19のそれぞれに把手10・20を形成する。
【0011】
仕切体24は上ケース2の上壁13から下向きに突設し、仕切体24の下端の少なくとも一部を、上ケース2の下ケース1との接合面より下方に突出する。
【0012】
仕切体24の下端に、下すぼまり状の先導体25を形成する。仕切体24の下端縁を、下端一側から下端他側へ向かって傾斜する。
【0013】
下ケース1の収容部8の底壁3に、テープカートリッジCを互いに接触不能に分離された分離位置へ移動案内する凹部30と隣接する凹部30を繋ぐ突部31とからなるガイド構造を形成する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の搬送ケースにおいては、搬送ケースを構成する下ケース1および上ケース2のそれぞれに、複数個のテープカートリッジCを収容する収容部8・18を設けた。また、上下ケース1・2のいずれか一方の内面に限って仕切体24を設け、上下ケース1・2を接合した状態において、隣接するテープカートリッジCを仕切体24で接触不能に分離できるようにした。
【0015】
上記のように、上下ケース1・2の一方にのみ仕切体24を設ける本発明の搬送ケースによれば、隣接するテープカートリッジCどうしが輸送時に擦れあうのを仕切体24で確実に防止して、テープカートリッジCを正常な外観状態で搬送できる。また、上下ケース1・2を分離した状態では、仕切体24を備えていない側のケース、例えば下ケース1の収納部8に対して、複数個のテープカートリッジCをまとめて簡便に出し入れできるので、例えば大量のテープカートリッジCを収蔵するテープライブラリーシステムなどにおいて、テープカートリッジCの取り扱いを、仕切体24に邪魔されることもなく容易に行なうことができる。
【0016】
下ケース1の下面と、上ケース2の上面とのそれぞれに、搬送ケースを上下に積み重ねた状態において互いに嵌合する突起29と凹部28とを設ける搬送ケースによれば、上下に積み重ねた搬送ケースが輸送途中に遊動して荷崩れするのを確実に防止できる。また、ダンボール箱に箱詰めした搬送ケースが箱内で遊動して、搬送ケース内に収容したテープカートリッジCが傷つくことも解消できる。
【0017】
上下ケース1・2の対向する辺部に張り出されるフランジ壁9・19のそれぞれに把手10・20を設けた搬送ケースによれば、両把手10・20を両手で握り締めて搬送ケースを持ち運びできるので、多数個のテープカートリッジCを収納する搬送ケースの重量が嵩む場合であっても、出荷時の搬送ケースの取り扱いや、入荷した搬送ケースの取り扱いを簡便に、しかも的確に行なうことができる。
【0018】
仕切体24を上ケース2の上壁13から下向きに突設し、仕切体24の下端の少なくとも一部が上ケース2の下ケース1との接合面より下方に突出してある搬送ケースによれば、上ケース2を下ケース1に組み付けるとき、他に先行して仕切体24の下端を隣接するテープカートリッジCの隙間に差し込むことができる。つまり、仕切体24の下端と隣接するテープカートリッジCの隙間との双方を視認して、仕切体24が先の隙間に確実に差し込み挿入されたことを確認しながら上ケース2を下ケース1に組むことができるので、下ケース1に対するテープカートリッジCの装填から、下ケース1に対する上ケース2の組み付けに到る一連の梱包作業を簡便かつ迅速に行なえる。
【0019】
仕切体24の下端に下すぼまり状の先導体25が形成してあると、隣接するテープカートリッジCの間に、仕切体24の厚み寸法に等しい隙間を予め確保しておく必要がない。つまり、隣接するテープカートリッジCの隙間が、仕切体24の厚み寸法より小さい場合であっても、先導体25の先端が入り込む隙間さえ確保してあれば、先導体25で隣接するテープカートリッジCを押し退けながら、仕切体24でテープカートリッジCを分離できる。したがって、上ケース2の下ケース1およびテープカートリッジCに対する組み付けを、さらに速やかに行なうことができる。
【0020】
仕切体24の下端縁を下端一側から下端他側へ向かって傾斜すると、仕切体24を隣接するテープカートリッジCの隙間に差し込むとき、仕切体24の傾斜下端部分のみを先の隙間に差し込めばよく、上ケース2の下ケース1およびテープカートリッジCに対する組み付けを、容易にしかもさらに円滑に行なうことができる。仕切体24の傾斜下端部分を隙間に差し込むとき、仕切体24の他の部分によって視野が遮られるのを防止できる利点もある。
【0021】
下ケース1の収容部8の底壁3に、凹部30と突部31とからなるガイド構造を形成すると、テープカートリッジCを収容部8にまとめて装填したのち、下ケース1の全体を軽く揺することにより、個々のテープカートリッジCを自重で凹部30に落とし込み案内して、隣接するテープカートリッジCの間に適量の隙間を確保することができる。したがって、下ケース1に対するテープカートリッジCの装填から、下ケース1に対する上ケース2の組み付けに到る一連の作業を容易にしかもより短時間で行なうことができる。とくに、一連の作業を手作業で行なう場合であっても、テープカートリッジCの搬送ケースに対する梱包作業を能率よく行なうことができる。また、凹部30と突部31とでガイド構造を構成するので、複数個のテープカートリッジCを片手でまとめて掴む際にガイド構造が邪魔になることはなく、したがってテープカートリッジCの取り出しも円滑に行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(実施例) 図1ないし図8は本発明に係る搬送ケースの実施例を示す。図1ないし図3において、搬送ケースはそれぞれ真空成形品からなる下ケース1および上ケース2を蓋合わせ状に接合して構成する。下ケース1は、平面視で左右横長の四角形状に形成される底壁3と、前壁4および後壁5と、左右側壁6・6とで上向きに開口するトレー状に形成してある。底壁3の内面の中央には十文字状のリブ7が膨出形成してあり、このリブ7によって下ケース1の内部の前後左右に4個の収容部8が区画してある。各収容部8には、5個のテープカートリッジCを収容することができる。下ケース1の開口縁にはフランジ壁9が周回状に張り出し形成してあり、左右側壁6・6のフランジ壁9の前後中央に把手10が一体に形成してある。下ケース1の構造強度を向上するために、底壁3、前後壁4・5、および左右側壁6・6の表面のそれぞれに補強リブ11が外膨らみ状に形成してある。下ケース1の上下寸法は、テープカートリッジCの上下寸法の半分の寸法より僅かに大きく設定してある。
【0023】
図5に示すようにテープカートリッジCは、角箱状の本体ケース40の内部にテープを巻き取る1個のテープリール41を配置した単リール型のテープカートリッジからなり、主としてコンピューターデータの外部記録媒体として使用される。
【0024】
上ケース2は、平面視で左右横長の四角形状に形成される上壁13と、前壁14および後壁15と、左右側壁16・16とで上向きに開口するトレー状に形成してある。上壁13の内面の中央には十文字状のリブ7が膨出形成してあり、このリブ7によって上ケース2の内部の前後左右に4個の収容部18が区画してある。各収容部18には、5個のテープカートリッジCを収容することができる。上ケース2の開口縁にはフランジ壁19が周回状に張り出し形成してあり、左右側壁16・16のフランジ壁19の前後中央に把手20が一体に形成してある。上ケース1の構造強度を向上するために、上壁13、前後壁14・15、および左右側壁16・16の表面のそれぞれに補強リブ21が外膨らみ状に形成してある。上ケース2の上下寸法は、テープカートリッジCの上下寸法の半分の寸法より僅かに大きく設定してある。
【0025】
上記のように、下ケース1と上ケース2は概ね同じ構造に形成するが、上ケース2の収容部18の内面のそれぞれに、4個の仕切体24を設ける点が下ケース1と異なる。図1および図3に示すように仕切体24は、上ケース2の上壁13から下向きに突設する状態で等間隔おきに形成され、その下端には楔形の先導体25が下すぼまり状に形成してある。仕切体24は、上ケース2の上壁13に連続する左右一対の仕切壁24aを含んで、上向きに開口する中空板状に形成してある。先導体25は、上ケース2の下ケース1との接合面より下方に突出させてある。これは、上ケース2を下ケース1に蓋合わせ状に接合するとき、他の部位に先行して先導体25をテープカートリッジCに接当させるためである。先導体25の前後寸法は、上壁13の前後寸法に比べて小さく設定してある。下ケース1と上ケース2を接合した状態において、両ケース1・2を分離不能に接合保持するために、フランジ壁9・19の四隅部分に嵌係合部33設けている。図2および図4に示すように、嵌係合部33は、フランジ壁9・19の上面側へ突出する円形の係合体34・35と、フランジ壁9・19の下面側へ凹む四角形の係合体36・37とで構成してある。4個の嵌係合部33は点対称位置に配置してあり、従って下ケース1と上ケース2を接合するとき、両ケース1・2の左右位置を特定する必要もなく、円形の係合体34・35と四角形の係合体36・37を適正に位置合わせできる。
【0026】
以上のように構成した搬送ケースは、以下の要領でテープカートリッジCを収容し、梱包する。まず、図5(a)に示すように下ケース1を作業台上に載置して、5個のテープカートリッジCをまとめて左右および前後の収容部8にそれぞれ装填する。次に、両側端に位置するテープカートリッジCを側壁6およびリブ7に接当し、中央のテープカートリッジCを収容部8の概ね左右中央に位置させ、さらに残る2個のテープカートリッジCを、両側端のテープカートリッジCと中央のテープカートリッジCとの概ね中央部分に位置させる。これにより、5個のテープカートリッジCはそれぞれ隙間を介して隣接することになる。このときの各隙間の寸法は不揃いである。この状態で、先導体25を隣接するテープカートリッジCの隙間に差し込みながら、上ケース2を下ケース1に被せ付けて、上ケース2の収容部18にテープカートリッジCの上半部を収め、隣接するテープカートリッジCを仕切体24で等間隔おきに隔離する。最後に、円形の係合体34・35と四角形の係合体36・37を互いに係合して4個の嵌係合部33を止め付けることにより、上下ケース2・1のフランジ壁9・19を分離不能に固定する。
【0027】
なお、産業ロボットを使用してテープカートリッジCを下ケース1の収容部8に装填する場合には、予め隙間を確保した状態でロボットハンドで5個のテープカートリッジCを掴んで収容部8に装填することにより、上記のような隙間調整を行なう必要もなくテープカートリッジCを収容部8に装填でき、より少ない手間で上ケース2を下ケース1に組むことができる。その場合には、少なくともテープカートリッジCの前後端のいずれか一方に限って先の隙間が確保してあれば足り、先導体25を確保された隙間の側から徐々に差し込むことにより、テープカートリッジCを仕切体24で押し分けながら、等間隔おきに隔離することができる。
【0028】
テープカートリッジCを収容する搬送ケースは、図6に示すように、搬送ケースの上面に別の搬送ケースを数個積み重ね、さらにダンボール箱に箱詰めした状態で出荷される。このように積み重ねた状態の搬送ケースが互いにずれ動くのを防ぐために、図6に示すように下ケース1の底壁3の下面に断面台形状の凹部28を形成し、上ケース2の上壁13の上面に、先の凹部28と嵌合する断面台形状の突起29を形成している。図2に示すように、凹部28および突起29は、底壁3および上壁13の両側端寄りの前後の合計4個所に形成してある。
【0029】
以上のように構成した搬送ケースによれば、隣接するテープカートリッジCを仕切体24で分離した状態で搬送できるので、輸送中にテープカートリッジCどうしが擦れあうのを確実に防止できる。したがって、搬送時にテープカートリッジCの表面に擦過傷が生じたり、粉塵が発生するのを一掃して、適正な外観状態のテープカートリッジCを供給できる。また、上ケース2を下ケース1から取り外した状態では、図7に示すように5個のテープカートリッジCを片手で同時に掴んだ状態で簡便に取り出すことができるので、大量のテープカートリッジCを収蔵するテープライブラリーシステムなどにおいて、テープカートリッジCの取り扱いを容易化できる。さらに、個々のテープカートリッジを仕切突起で隔離する従来の搬送ケースに比べると、個々のテープカートリッジCを仕切突起の間に装填する必要がないので、より少ない手間でテープカートリッジCを下ケース1に装填できる。テープカートリッジCを取り出した後の上下ケース2・1は、複数回にわたって繰り返し使用することができる。
【0030】
先に説明したように、産業ロボットを使用してテープカートリッジCを装填する場合には、図8に示すように上ケース2の収容部18にテープカートリッジCを直接装填することができるので、テープカートリッジCを上ケース2に装填したのち、反転した下ケース1を上ケース2に被せ付けるようにしてもてもよい。但し、テープカートリッジCを搬送ケースから取り出す場合には、上下ケース1・2を反転して、下ケース1に収容された状態のテープカートリッジCを取り出すようにするとよい。
【0031】
図9および図10は搬送ケースの別の実施例を示す。そこでは、下ケース1の収容部8の底壁3に、テープカートリッジCを互いに接触不能に分離された分離位置へ移動案内するガイド構造を形成した。ガイド構造は、下凹み湾曲状に形成される5個の浅い凹部30と、隣接する凹部30を繋ぐ低い突部31とで波形に形成する。このように、底壁3にガイド構造が形成してあると、図5(a)に示すように、5個のテープカートリッジCを収容部8にまとめて装填したのち、下ケース1の全体を軽く揺することにより個々のテープカートリッジCを自重で凹部30に落とし込み案内して、隣接するテープカートリッジCの間に適量の隙間を確実に形成することができる。また、この実施例では、仕切体24の下端縁を後縁側から前縁側へ向かって上り傾斜状に形成して、上ケース2の下ケース1との接合面より下方に突出する部分のみを先導体25とした。
【0032】
上記の実施例以外に、仕切体24は上ケース2の前後壁4・5と一体に形成することができ、必要があれば上壁13および前後壁4・5と一体に形成することができる。仕切体24は下ケース1の側に限って設けることができる。その場合には、上ケース2の収容部18にテープカートリッジCを装填したのち、下ケース1を上ケース2に被付けて、仕切体24で隣接するテープカートリッジCを分離することになる。収容部8・18は、上下ケース1・2に1個以上設けてあればよい。また、収容部8・18に装填されるテープカートリッジCは2個以上であればよい。
【0033】
上下ケース1・2は、両フランジ壁9・19を溶着固定して一体化することができる。上下ケース1・2は、フランジ壁9の後縁に連続する一体成形ヒンジを介して同時に成形することができる。上記の実施例では、左右両側のフランジ壁9・19のを張り出して、張り出し部分に穴を設けて把手10・20を形成したが、その必要はない。張り出し部分をフランジ壁9・19の張り出し基端の側へ向かって切欠して、この切欠部分を把手10・20とすることができる。このように把手10・20が切欠状に形成してあると、ダンボール箱に箱詰めされた搬送ケースを取り出すとき、切欠状の把手10・20に両手を差込んで搬送ケースを持つことができるので、搬送ケースを簡便に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図2におけるA−A線断面図である。
【図2】搬送ケースの平面図である。
【図3】図1におけるB−B線断面図である。
【図4】図1におけるD−D線断面図である。
【図5】テープカートリッジの収納手順を示す断面図である。
【図6】搬送ケースを積み重ねた状態の正面図である。
【図7】テープカートリッジの取り出し状態を示す断面図である。
【図8】搬送ケースの別の収納手順を示す断面図である。
【図9】下ケースの別の実施例を示す断面図である。
【図10】仕切体の別の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 下ケース
2 上ケース
3 下ケースの収容部の底壁
8・18 収容部
9・19フランジ壁
10・20 把手
24 仕切体
25 先導体
28 凹部
29 突起
30 凹部
31 突部
C テープカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレー状に形成される下ケースおよび上ケースを蓋合わせ状に接合して構成される搬送ケースであって、
前記下ケース、および前記上ケースは、それぞれ複数個のテープカートリッジを収容する収容部を備えており、
前記上下ケースのいずれか一方の内面に、隣接するテープカートリッジを接触不能に分離する仕切体が設けてあることを特徴とするテープカートリッジの搬送ケース。
【請求項2】
前記下ケースの下面と、前記上ケースの上面とのそれぞれに、搬送ケースを上下に積み重ねた状態において互いに嵌合する突起と凹部とが設けてある請求項1記載のテープカートリッジの搬送ケース。
【請求項3】
前記上下ケースのそれぞれが四角形のトレー状に形成されて、前記両上下ケースのそれぞれの開口縁にフランジ壁が張り出し形成されており、
対向する辺部に位置する前記フランジ壁のそれぞれに把手が形成してある請求項1または2記載のテープカートリッジの搬送ケース。
【請求項4】
前記仕切体が、前記上ケースの上壁から下向きに突設されており、
前記仕切体の下端の少なくとも一部が、前記上ケースの前記下ケースとの接合面より下方に突出してある請求項1記載のテープカートリッジの搬送ケース。
【請求項5】
前記仕切体の下端に、下すぼまり状の先導体が形成してある請求項4記載のテープカートリッジの搬送ケース。
【請求項6】
前記仕切体の下端縁が、下端一側から下端他側へ向かって傾斜している請求項4または5記載のテープカートリッジの搬送ケース。
【請求項7】
前記下ケースの前記収容部の底壁に、テープカートリッジを互いに接触不能に分離された分離位置へ移動案内する凹部と隣接する凹部を繋ぐ突部とからなるガイド構造が形成してある請求項4から6のいずれかに記載のテープカートリッジの搬送ケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−208821(P2009−208821A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54917(P2008−54917)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】