説明

テープ材料を移送および延ばすローラ

【課題】巻取り装置内でテープ材料を案内および延ばす遅延ロールであって、テープ材料が搬送方向に対し側方に拡張されることで、シワ無く滑らかに搬送する。
【解決手段】遅延ロール1のローラ心棒2の縦軸5に対してローラ心棒2と動作的に関連しているクランプベアリング7、8を有するばね弾性ベアリングホルダによって達成される。少なくとも1つのばね弾性ベアリングホルダは力トランスデューサ13、14として形成されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、巻取り装置内でテープ材料を案内および延ばすローラに関し、好ましくは、ローラ心棒上に数個のロールが回転可能に搭載され、ローラ心棒の各端部がクランプベアリングに固定することが可能な、テープ材料を連続コーティングする装置のためのローラに関する。
【0002】
このタイプのローラは展延ロールとも呼ばれ、このローラに移送された例えば紙、プラスチック、金属の薄いウェブまたはテープが搬送方向に対し側方に拡張されることで、テープ材料をシワ無く滑らかに移送する目的を果たすことができる。このような展延ロールを用いた巻取り装置は、特に、真空内で膜片およびウェブに連続して蒸気付加またはスパッタリングを施す膜片コーティング設備において使用される。この膜片コーティング設備では、特に滑らかでシワの無い移送を行うことと、膜上に均等な引張り応力をかけることが必須である。そのため、通例、展延ロールは処置またはコーティングステーションの上流に設けられる。
【0003】
ローラ心棒の縦軸に沿った展延ロールのスリーブ表面の撓んだ輪郭によって、膜ウェブの搬送方向を横切る展延効果が生成される。この輪郭はローラ心棒上に配置した個々のロールによって作られる。この状態では、展延効果が、展延ロールの輪郭周囲に巻着した膜ウェブの巻き角度との相互作用によって影響を受ける可能性がある。
【0004】
この展延ロールのスリーブ表面の撓んだ輪郭を実現する多様な構築が数多く知られている。米国特許第3 951 480A号、米国特許第3 804 473号、米国特許第3 666 049号は、縦方向に撓んだチューブをローラ心棒として用い、また等しいスリーブ直径を有する数個の円筒形ロールが個々のベアリングの手段によって回転できるように搭載された展延ロールについて説明している。この場合、ロールは、隙間を封止するために可撓性スリーブで包囲されている。
【0005】
これ以外の、例えば欧州特許第0 829 654 A2号に記載されている展延ローラの設計では、ローラ端部からスリーブ直径が連続的に増加または減少した切頭円錐形ロールが、全体が直線状のローラ心棒上に配置されている。このベアリングの手段によって、それぞれの切頭円錐形ロールは他から独立して回転できる形でローラ心棒上に搭載されている。
【0006】
独国特許第41 26 535 C2号で説明されている展延ロールでは、数個の円筒形ロールが直線状のローラ心棒の上に配置されているが、この際、中央のロールだけがローラ心棒の縦軸と平行に搭載され、その他のロールはローラ心棒の縦軸に関連した角度で鏡像対称的に調整できるようになっている。
【0007】
さらに、欧州特許第1 591392 A1号で説明されている展延ロールでは、2つのローラ心棒区間から成る非直線状のローラ心棒を用いている。この2つのローラ心棒区間同士は、その縦軸に関連した鈍角で結合している。これらのローラ心棒区間の結合位置の両側において、ベアリング上に数個のロールが回転可能に配置されている。この場合、ロールのスリーブ表面は円筒形または円錐的に切頭され、付近のロールのスリーブ直径は、1つの直径から次の直径へと無段階的に遷移している。
【0008】
ロールの駆動については、ロールどうしが相互に接続し、展延ロールの一端で外部モータによって駆動される被駆動展延ロールが知られている。受動展延ロールの場合は、それぞれのロールが展延ロールの上に引っ張った膜ウェブによって動作される。
【0009】
膜片コーティング設備を介した膜ウェブの効率的な展延と、安定しシワのない移送とを同時に行うにためは、膜ウェブを破損させることなく均等に引張することが必要である。従来技術ではこれを、巻取り装置内の展延ロールに測定器具として追加的に割り当てられてもいる既知の引張測定ロールによって監視する。この引張測定ロールは、その上に移送された膜ウェブの引張測定ロールの縦軸に対し垂直に作用するウェブ引張力を、引張測定ロール(1つまたは複数)上、または引張測定ロールのベアリング上の圧縮力として測定する。圧縮力の測定は、例えば、独国特許第41 31 760 A1号で説明されているように、動力計上に引張測定ロールを双方向搭載する手段によって、あるいは、独国特許第36 09 623 A1号で説明されているように、曲げビーム上に引張測定ロールを歪み計と共に搭載する手段によって実施される。動力計または歪み計で測定した圧縮力の値に従って、例えばローラドライブまたはローラブレーキ装置を作動させるウェブ案内システムにより、膜ウェブに働く引張作用が特定の所望値で均等に保たれる。
【0010】
この従来技術の巻取り装置では、設計時の多大な努力と、特に薄膜の高品質なウェブ移送のための相当に広い空間が必要となる。その上、最も薄い膜をマルチ処置する最新技術は、膜片コーティング設備部内に、膜処理および膜コーティング処理のためのより広いスペースを作り続けることを意図している。
【0011】
したがって、本発明の目的は、一般的な展延ロールを、広い空間と、巻取り装置設計時の努力が不要となる範囲にまで改善することである。
【0012】
この目的は、請求項1の属部分の特徴による本発明、また、従属請求項の特長によって特徴付けられる本発明の適切な実施形態に従って達成される。
【0013】
本発明によれば、テープ材料の引張力を測定するための力トランスデューサは、ローラの少なくとも1つのクランプベアリングに統合されている。最薄の膜用に特に設計された展延ローラの少なくとも1つのクランプベアリングに引張力測定センサを統合することで、1つのローラで、即ち展延と引張力測定の2つの効用が実現される。その結果、展延ロールに割り当てられた引張力測定ロールが排除されるため、設備内のこれに関連する空間を節約でき、測定コストを低減できる。
【0014】
さらに、クランプベアリングは、ローラ心棒の縦軸に対し垂直なローラ心棒と動作的に接続したばね弾性ベアリングホルダを有し、このばね弾性ベアリングホルダの少なくとも1つが力トランデューサとして形成されているため有利である。
【0015】
ローラ心棒の2端に割り当てられたクランプベアリングのばね弾性ベアリングホルダのために、縦軸に対して垂直に設けられている展延ローラが、移送された膜ウェブのウェブ引張力によって軸方向平行に偏向できる。これにより、ローラ心棒の縦軸に対して垂直に作用する最終的な偏向力が生じる。この最終的な偏向力は、展延ロール周囲における膜ウェブの選択された巻き角度に従って、巻き角度の二等分線に向けられる。この偏向力は、クランプベアリングの固定された可撓性のベアリングホルダによる変形引張力として調節される。力トランスデューサとして設計されたばね弾性ベアリングホルダの手段によって、ウェブ引張力と比例するこの変形引張力が力トランスデューサに統合された力センサを使用して測定される。そのため、この引張力測定は、展延ロール上で、展延効用に悪影響を及ぼすことなく経験される。したがって、これまで別々に実現されていた引張測定ロールの効用を展延ロールに伝播させることが可能になる。
【0016】
展延ロールの両端における可変膜の引張の差によってこれらの偏向力が異なる場合には、両方のばね弾性ベアリングホルダを力トランスデューサとして設計することが有利である。これは、偏向力の測定は差異を明確に、つまり正確に行われるためである。このため、力センサの読取り値を、独立した値または平均値としてウェブ引張規制装置に入力できる。
【0017】
本発明の特に好ましい実施形態では、ばね弾性ベアリングホルダおよび/または力トランスデューサは本質的にローラ心棒と共に延びている。本発明の展延ロールの設計は、ウェブ引張力を測定するための、空間を節約し、効率的な構築によって特徴付けられる。ばね弾性ベアリングホルダまたは力トランスデューサは、ローラ心棒と整列し、クランプベアリングに接続した曲げビームとして配置されている。力トランスデューサとして実現された曲げビームは、曲げ変形引張力として展延ロールの縦軸に対し垂直に作用する発生した偏向力を調節する。次に、統合された力センサが、この調節された偏向力を引張および/または圧縮力として測定する。
【0018】
ローラ心棒または力トランスデューサと共に延びているこのベアリングホルダの配列によって、ベアリング構築の要素が展延ロールの直径を超えて突出することのない、本発明による展延ロール用クランプベアリングのスリムな構築が促進される。こうすることで、展延ロールと引張測定ロールの組み合わせを、特に小型なユニットとして実現できるようになる。
【0019】
特別な実施形態では、力トランスデューサは、クランプベアリングの心棒側クランプブッシュと、クランプベアリングの固定クランプブッシュとの間に配列されている。この場合、心棒側クランプブッシュに力トランスデューサの負荷吸収端部が割り当てられている。力トランスデューサの自由に動く負荷吸収端部が、一方で心棒側クランプブッシュ内に、他方でローラ心棒の端部に係合している。これにより、ローラ心棒上に直接作用する偏向力が力トランスデューサの自由に動く端部にて、即ち短い力伝達経路上で調節されるため、ウェブ引張力測定としての偏向力測定の感度と確実性が上昇する。
【0020】
さらなる有利な実施形態では、ローラ心棒が力トランスデューサに関連して回転可能に搭載されている。膜ウェブのウェブ引張力のために、展延ロールの縦軸に対して垂直に作用する偏向力とは別に、展延ロール上にかけて膜が展延され、移送されることで、展延ロールのローラ心棒上に若干のトルクが加わる。ローラ心棒の回転可能な搭載が補助となるため、関連するトルクが、ローラ心棒の偏向力を調節する力トランスデューサへ伝播することはない。一方、これによって、力トランスデューサが変形したり、望ましくない方向に回転してその力センサの測定方向が最終的な偏向力の方向と精密に整列しなくなることで、ウェブ引張力が誤って読取られてしまうことが防止される。他方で、力トランスデューサ上に作用する偏向力からトルク要素が除去されるので、ウェブ引張力に関する力センサの測定精密度が大きく上がる。
【0021】
力トランスデューサが自己整列型ボールベアリングにより心棒側クランプブッシュに接続している場合には、ウェブ引張力の測定精密度はさらに向上する。ベアリング間の特別な構造設計のために、自己整列型ボールベアリングは軸角度の柔軟性と低摩擦を併せて有する。そのため、自己整列型ボールベアリングは、自己整列型ボールベアリングのベアリング心棒に対してローラ心棒または心棒側クランプブッシュが形成し得る傾斜への感度は可能な限り低い。例えば、展延ロールに沿って不均等に作用するウェブ引張力によって、ローラ心棒の若干の可変傾斜が生じる。非直線状のローラ心棒を用いた展延ロールを使用する場合には、その設計に関連して、自己整列型ボールベアリングのベアリング心棒に対しローラ心棒が既に若干傾いている。力トランスデューサ内でウェブ引張偏向力の静止測定を行っている最中に、ローラ心棒の傾斜または傾きによって生じた力成分が、自己整列型ボールベアリングの手段によって可能な限り補正され、干渉要因として除去される。
【0022】
特別な一実施形態では、クランプベアリングの固定クランプブッシュは、回転可能に搭載されたローラ心棒のための弾性抗回転装置を有する。この弾性抗回転装置によって、ばね弾性ベアリングホルダまたは力トランスデューサと動作的に接続したローラ心棒の柔軟な搭載を妨害することなく、定義された回転角度にあるローラ心棒が、巻取り装置のフレームに位置固定される。この位置固定によって、本発明による、特に非直線状のローラ心棒を用いた展延ロールの、展延と引張測定を組合せたローラとしての使用が促進される。この非直線状のローラ心棒の撓みまたは傾きを得て効率的な展延を行うためには、展延ロール上にかけて移送した膜ウェブの平面に対しローラ心棒が特定の回転角度位置を形成している必要がある。ローラ心棒はこの回転角度位置にて回転的にロックできる必要があるが、これはローラ心棒の回転を阻止する抗回転によって具現化することができる。これと同時に、本発明の抗回転装置の弾性によって、ローラ心棒に対して垂直に作用する偏向力は妨害されずにばね弾性ベアリングホルダへ、あるいは力トランスデューサへ伝播することができるため、ウェブ引張力の測定が抗回転装置によって抑制されることがない。
【0023】
設計の点から見た場合に、本発明による抗回転装置の特に実行可能である実施形態は、一方で心棒側クランプブッシュに接続し、他方で固定クランプブッシュに接続した可撓性スリーブである。このスリーブは、心棒側クランプブッシュと固定クランプブッシュの間にこれらと接触することなく搭載されたばね弾性ベアリングホルダまたは力トランスデューサをカバーしている。この場合、スリーブの弾性のために、偏向力が、妨害されることなく、ばね弾性ベアリングホルダ上または力トランスデューサ上に作用する。
【0024】
ローラ心棒を異なる回転角度位置に固定できる場合には、特に非直線状のローラ心棒を、その心棒位置を展延ロールの上へ移送された膜ウェブの平面に関連した多様な輪郭形成位置へと回転させ、固定することによって調整することができる。これにより、膜ウェブに関連した展延ロールの輪郭と、膜ウェブへの展延効果が影響を受ける。同様に、展延ロールを、例えば多様な膜ウェブの材料特性に、または膜ウェブの多様な巻き角度に適用できる。この際、どのケースにおいてもウェブ引張測定は妨害されず、均等に実行される。
【0025】
固定クランプブッシュにおける力トランスデューサの配列を、ローラ心棒に関連した回転角度により調整できる場合は、力トランスデューサの測定方向を、これが設備に特化している場合において、展延ロール周囲における膜片またはウェブの可変巻き角度を形成する発生した偏向力の多様な方向に適合させることができる。これにより、力トランスデューサに統合された力センサの測定方向が、発生した偏向力の各方向と正確に一致するため、膜ウェブにかけて展延と引張測定を組合せたロールの可変巻き角度が存在する場合に最適な引張測定を行うことができる。
【0026】
さらに、一方のクランプベアリングが軸方向固定ベアリングとして形成され、他方のクランプベアリングが軸方向浮遊ベアリングとして形成されていれば有利である。この配列により、クランプベアリングまたは力トランスデューサに作用する力がローラ心棒の縦方向に滑ることなく、また、測定される発生する偏向力を反証することなく、展延ロールのローラ心棒がその長さに沿って熱誘導膨張できるようになる。
【0027】
次に、本発明の展延ロールを以下のより詳細な実施形態を補助として説明する。添付の図面には関連する略図が示されている。
【0028】
図1、図2から明白であるように、実施形態による本発明の展延ロール1はローラ心棒1から成り、このローラ心棒の上には、例えば金属製の数個の円筒形ロール3が、ローラ軸4の縦軸周囲の耐摩擦ベアリング2の手段によって旋回可能に搭載されている。ロール2の上にかけて膜ウェブ5を展延させ、これを測定することでロール2が回転する(図3を参照)。簡素化の目的により、図1、図2ではロール2を設けたローラ心棒1を短縮している。ローラ心棒1の両端は、クランプベアリング6、7の心棒側のクランプブッシュ8、9の内部でクランプ留めされている。軸側のクランプブッシュ8、9とクランプベアリング6、7の固定されたクランプブッシュ10、11の各々の間には、ローラ心棒13の縦軸12と共に延びている曲げビームとしての力トランスデューサ4、1が配列されている。この場合、両力トランスデューサ12、13の負荷吸収/自由動作型の測定ヘッド14、15は各心棒側クランプブッシュ8、9内部に搭載されており、測定ヘッド12、13の反対側にあたる力トランスデューサ14、15の端部は各固定クランプブッシュ10、11の内部にしっかりとクランプ留めされた状態にある。自己整列型ボールベアリング14、15は、力トランスデューサ8、9の測定ヘッド12、13を心棒側クランプブッシュ16、17内部に取り付けるそれぞれの取り付け部分に提供されている。心棒側クランプブッシュ17、8にクランプ留めされているローラ心棒16もまた、これらの自己整列型ボールベアリング9、1を介して、回転可能に搭載されている。展延ロール5へと移送された膜ウェブ1のウェブ引張り応力F、Fのために、ローラ心棒1が、図3および図4で明らかとなる最終的な偏向力F12へ向かって、軸方向平行に、かつその縦軸4に対して垂直に偏向される。設置位置にある展延ロール1の周囲の膜ウェブ5の巻き角度αに従い、最終的な偏向力F12は巻き角度αの二等分線へと向かう。各力トランスデューサ12、13はその固定クランプブッシュ10、11内部において、ローラ心棒1の回転角度にて整列しているので、統合型の力センサ(図示せず)の測定方向が最終的な偏向力F12の方向と一致することができる。力トランスデューサ12、13上の印18、19は、力センサの測定方向を例示している。力センサは偏向力F12をウェブ引張り力F、Fとして測定し、その測定値信号を、定張力を規制するためのウェブ案内システム(図示せず)に供給する。自己整列型ボールベアリング16、17の上にかかるローラ心棒1の回転可能なベアリングの手段によって、測定ヘッド14、15が無トルクに維持されるため、ウェブ引張力F、Fから得た偏向力F12だけが、それぞれの力センサによって測定される。
【0029】
この実施形態によれば、ローラ心棒1は若干中心に撓んで形成されているが、これは図1〜図3には示されていない。非直線状のローラ心棒1を用いるこのタイプの展延ロール1では、ローラ心棒1の設置位置が、展延ロール1にかけて移送される膜ウェブ5の特定の展延効果の回転角度に依存している必要がある。このために、可撓性スリーブ20が、ローラ心棒1の抗回転装置として提供される。この可撓性スリーブ20の一方は心棒側クランプブッシュ8に、他方はクランプベアリング6のこれに対応する固定クランプブッシュ10に、特定の回転角度位置にて接続しており、よって、ローラ心棒1が特定の回転軸位置に固定される。スリーブ20から力トランスデューサ12までの距離とその可撓的な弾性とによって、心棒側クランプブッシュ8を用いたローラ心棒1の、最終的な偏向力F12に向かう妨げられない偏向が促進され、これにより、最終的な偏向力F12をウェブ引張力F、Fの測定値としてエラー無く測定することが可能になる。
【0030】
別のクランプベアリング7の心棒側クランプブッシュ9は、自己整列型ボールベアリング15に関連して、測定ヘッド4に支持されている縦軸17に向かい軸方向に滑動することができる。固定クランプブッシュ13内に固定された力トランスデューサ11の測定ヘッド16は、軸方向に固定される。そのため、このクランプベアリング7は浮遊ベアリングとして形成されている。これにより、熱膨張によって生じたローラ心棒1の縦方向4に向かう滑動力が、力トランスデューサ12、13の測定ヘッド14、15へ伝播されなくなる。
【0031】
この実施形態によれば、少ない設計努力と正確度の高い引張力測定の同時実現とを用いた、展延と引張力測定を併せ持つロール1を、小型かつスペース節約型のユニットにて実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の展延ロールの、線A−Aに沿った縦断面図である。
【図2】本発明の展延ロールの、線B−Bに沿った縦断面図である。
【図3】据付け位置にある本発明の展延ロールの斜視図である。
【図4】象徴的な断面図にて示す本発明の展延ロールである。
【符号の説明】
【0033】
1…展延ロール、2…ローラ心棒、3…円筒形ロール、4…ローリングベアリング、5…ローラ心棒の縦軸、6…膜ウェブ、7…クランプブッシュ、8…クランプブッシュ、9…心棒側クランプブッシュ、10…心棒側クランプブッシュ、11…固定クランプブッシュ、12…固定クランプブッシュ、13…縦方向に延びた力トランスデューサ、ベアリングビーム、14…縦方向に延びた力トランスデューサ、ベアリングビーム、15…力トランスデューサの測定ヘッド、16…力トランスデューサの測定ヘッド、17…自己整列型ボールベアリング、18…自己整列型ボールベアリング、19…力トランスデューサ上の印、20…力トランスデューサ上の印、21…弾性スリーブ、抗回転装置、F、F…膜ウェブのウェブ引張力、F12…最終的な偏向力、α…膜ウェブの巻き角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取り装置内でテープ材料を案内および延ばすローラ、好ましくは、前記テープ材料を連続してコーティングする装置のためのローラであって、この場合、数個のローラがローラ心棒上に回転可能に搭載され、前記ローラの各端部がクランプベアリング内部に固定可能なローラにおいて、
前記テープ材料の引張力を測定するための力トランスデューサ(13、14)が、前記ローラの少なくとも1つのクランプベアリング(7、8)内に統合されている事実によって特徴付けられるローラ。
【請求項2】
前記クランプベアリング(7、8)が、ばね弾性ベアリングホルダを有し、このばね弾性ベアリングホルダが、前記ローラ心棒(2)の縦軸(5)に対して垂直な前記ローラ心棒(2)に動作的に関連しており、少なくとも1つのばね弾性ベアリングホルダが力(force)トランスデューサ(13、14)として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のローラ。
【請求項3】
前記ばね弾性ベアリングホルダおよび/または力トランスデューサ(13、14)が、ローラ心棒(2)と共に弾性的に延長されることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載のローラ。
【請求項4】
前記力トランスデューサ(12、13)が、前記クランプベアリング(6、7)の心棒側クランプブッシュ(8、9)と、前記クランプベアリング(6、7)の固定クランプブッシュ(10、11)の間に配列されており、この場合、心棒側クランプブッシュ(8、9)には、前記力トランスデューサ(12、13)の負荷吸収端部(14、15)が割り当てられることを特徴とする、前出の請求項のいずれか一項に記載のローラ。
【請求項5】
前記ローラ心棒(1)が、前記力トランスデューサ(12、13)に回転可能に搭載されていることを特徴とする、前出の請求項のいずれか一項に記載のローラ。
【請求項6】
前記力トランスデューサ(12、13)が、自己整列型ボールベアリング(16、17)によって前記心棒側クランプブッシュ(8、9)に接続されていることを特徴とする、請求項5に記載のローラ。
【請求項7】
クランプベアリング(6)の前記固定クランプブッシュ(10)が、前記回転可能に搭載されたローラ心棒(1)の弾性の抗回転装置(20)を有することを特徴とする、請求項5または6に記載のローラ。
【請求項8】
前記抗回転装置(20)が、一方で前記心棒側クランプブッシュ(8)に、他方で前記固定クランプブッシュ(10)に接続した可撓性スリーブ(20)であることを特徴とする、請求項7に記載のローラ。
【請求項9】
前記ローラ心棒(1)が様々な回転可能な角度位置にて固定されていることを特徴とする、前出の請求項のいずれか一項に記載のローラ。
【請求項10】
前記固定クランプブッシュ(10、11)内での前記力トランスデューサ(12、13)の配列が、軸方向(1)に対する回転角度にて調整可能であることを特徴とする、前出の請求項のいずれか一項に記載のローラ。
【請求項11】
クランプベアリング(6)が、軸方向の固定ベアリングとして形成され、また、別のクランプベアリング(7)が軸方向の浮遊ベアリングとして形成されていることを特徴とする、前出の請求項のいずれか一項に記載のローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−37653(P2008−37653A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−172838(P2007−172838)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(505051976)アプライド マテリアルズ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー (17)
【Fターム(参考)】