ディジタル・カメラおよびその動作制御方法
【目的】CCDからの迅速な映像信号の読み出すことと比較的明るい画像を得ることとを両立する。
【構成】CCDのフィールドの5nラインごとの集まりから構成される5フィールドに規定される。被写体輝度が高い場合には(ステップ25でYES),迅速な読み出しを優先するために第1フィールドおよび第2フィールドを使用する(ステップ27)。被写体輝度が低い場合には(ステップ25でNO),明るい被写体像を得るために第1フィールドから第4フィールドを使用する(ステップ26)。使用されるフィールドにもとづいて得られるフィールド画像データを用いて動画表示等が行われる(ステップ30)。
【構成】CCDのフィールドの5nラインごとの集まりから構成される5フィールドに規定される。被写体輝度が高い場合には(ステップ25でYES),迅速な読み出しを優先するために第1フィールドおよび第2フィールドを使用する(ステップ27)。被写体輝度が低い場合には(ステップ25でNO),明るい被写体像を得るために第1フィールドから第4フィールドを使用する(ステップ26)。使用されるフィールドにもとづいて得られるフィールド画像データを用いて動画表示等が行われる(ステップ30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,ディジタル・カメラおよびその動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CCD,C−MOSなどの固体電子撮像素子は,画素数が増大している。画素数が多い固体電子撮像素子を用いていわゆるスルー画を含む動画表示,固体電子撮像素子から出力される画像データを用いた自動合焦制御が行われる場合,固体電子撮像素子から出力されるすべての画像データを用いると時間がかかってしまうために,奇数行の光電変換素子に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データのみを出力するように,いわゆる垂直間引き読み出しが行われることがある(特許文献1)。また,奇数フィールドと偶数フィールドとを交互に読み出してメモリに蓄積しておき,nフィールド間隔でフレーム読み出しするものもある(特許文献2)。
【特許文献1】特開平3−245685号公報
【特許文献2】特開2005-260411号公報
【0003】
しかしながら,単純に垂直方向に間引いて読み出すのでは被写体が暗い場合に暗い動画が表示されることがある。
【発明の開示】
【0004】
この発明は,被写体輝度に応じて垂直方向の間引き数を変えることを目的とする。
【0005】
この発明によるディジタル・カメラは,水平方向および垂直方向に多数の光電変換素子が配列されており,かつ上記多数の光電変換素子が複数フィールドに分けられており,被写体を繰り返し露光することにより,被写体像を表す画像データを繰り返し出力する固体電子撮像素子,上記多数の光電変換素子に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データをフィールドごとにフィールド走査期間ずつずらして順に出力するように上記固体電子撮像素子を制御する固体電子撮像素子制御手段,被写体輝度を検出する被写体輝度検出手段,上記被写体輝度検出手段によって検出された被写体輝度が高いほどフィールド数が少なくなり,被写体輝度が低いほどフィールド数が多くなるように,上記複数フィールドのうち使用するフィールドを決定する決定手段,ならびに上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理および自動合焦制御のための処理の少なくとも一方を行う画像処理手段を備えていることを特徴とする。
【0006】
この発明は,上記ディジタル・カメラに適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,固体電子撮像素子が,水平方向および垂直方向に多数の光電変換素子が配列されており,かつ上記多数の光電変換素子が複数フィールドに分けられており,被写体を繰り返し露光することにより,被写体像を表す画像データを繰り返し出力し,固体電子撮像素子制御手段が,上記多数の光電変換素子に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データをフィールドごとにフィールド走査期間ずつずらして順に出力するように上記固体電子撮像素子を制御し,被写体輝度検出手段が,被写体輝度を検出し,決定手段が,上記被写体輝度検出手段によって検出された被写体輝度が高いほどフィールド数が少なくなり,被写体輝度が低いほどフィールド数が多くなるように,上記複数フィールドのうち使用するフィールドを決定し,画像処理手段が,上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理および自動合焦制御のための処理の少なくとも一方を行うものである。
【0007】
この発明によると,固体電子撮像素子に配列されている多数の光電変換素子は,垂直方向にとびとびのラインの集まりからなる複数フィールドに分けられている。固体電子撮像素子によって被写体が繰り返し露光され,被写体像を表す画像データがフィールドごとにフィールド走査期間ずつずらされて順に繰り返し出力される。被写体輝度が検出され,被写体輝度が高ければフィールド数が少なくなり,被写体輝度が低ければフィールド数が多くなるように使用するフィールドが決定される。決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理,自動合焦制御のための処理などが行われる。被写体輝度が高い場合には,使用するフィールドが少ないので,固体電子撮像素子からの画像データの読み出しの必要な時間を短くできる。また,被写体輝度が低い場合には,使用するフィールドが多いので,多くの画像データが得られることとなり比較的明るい被写体像が得られる。
【0008】
上記フィールド走査期間を変更するフィールド走査期間変更手段をさらに備えてもよい。
【0009】
上記決定手段によって決定されたフィールドに応じて画質パラメータを変更する手段(たとえば,決定されたフィールドの画像の垂直方向の鮮鋭度をぼかす手段)をさらに備えてもよい。
【0010】
上記画像処理手段が,決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理を行うものの場合,上記決定手段は,たとえば,被写体輝度にかかわらず一つのフィールドを使用するフィールドと決定する。
【0011】
上記固体電子撮像素子制御手段は,たとえば,つづいて出力される2フィールドの画像データによって表される2フィールドの画像の垂直方向のずれが平均的なものとなるように画像データが出力されるように上記固体電子撮像素子を制御するものである。
【0012】
上記決定手段において決定されるフィールドの数が2以上の場合,上記決定手段によって決定された2以上のフィールドの画像データを平均化して1フィールドの画像データを生成する生成手段をさらに備えてもよい。この場合,上記画像処理手段は,たとえば,上記生成手段によって生成された画像データを用いて動画表示のための処理を行うものである。
【0013】
上記決定手段によって決定されるフィールドの数は2以上の場合,上記画像処理手段は,たとえば,上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データからフィールドごとに,自動合成制御に用いられるAF評価値を算出する算出手段を備える。この場合,上記算出手段によってフィールドごとに得られたAF評価値にもとづいて自動合焦制御を行うこととなろう。
【実施例】
【0014】
図1は,この発明の実施例を示すもので,CCDの模式図である。この実施例においては,CCDについて説明するが,C−MOSにも適用できるのはいうまでもない。
【0015】
CCD1には,水平方向および垂直方向に多数のフォトダイオード2が配列されている。フォトダイオード2の受光面上には赤色の光成分を透過するフィルタ(符号Rで示す),緑色の光成分を透過するフィルタ(符号Gで示す)または青色の光成分を透過するフィルタ(Bで示す)が形成されている。
【0016】
この実施例においては,第(5n+1)行のフォトダイオード2,第(5n+2)行のフォトダイオード2,第(5n+3行)のフォトダイオード2,第(5n+4行)のフォトダイオードおよび第(5n+5行)のフォトダイオード2がそれぞれ,第1フィールド,第2フィールド,第3フィールド,第4フィールドおよび第5フィールドと規定されている(nは,0以上の整数)。5フィールドに規定されているが,5フィールドに限らず2フィールド,3フィールド,4フィールド,6フィールド以上であってもよい。
【0017】
フォトダイオード2の各列の右側にはフォトダイオード2に蓄積された信号電荷を垂直方向に転送するための垂直転送路3が設けられている。フォトダイオード2と垂直転送路3との間には転送ゲート(図示略)が形成されている。これらの転送ゲートに読み出しパルスSPが与えられることにより,フォトダイオード2に蓄積された信号電荷が垂直転送路3にシフトされる。読み出しパルスSPは,第(5n+1)行のフォトダイオード2,第(5n+2)行のフォトダイオード2,第(5n+3行)のフォトダイオード2,第(5n+4行)のフォトダイオードまたは第(5n+5行)のフォトダイオード2にそれぞれ共通に与えられる。したがって,第(5n+1)行のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷,第(5n+2)行のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷,第(5n+3行)のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷,第(5n+4行)のフォトダイオードに蓄積された信号電荷または第(5n+5行)のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷がそれぞれ別々のタイミングで垂直転送路3にシフトされる。
【0018】
第(5n+1)行のフォトダイオード2,第(5n+2)行のフォトダイオード2,第(5n+3行)のフォトダイオード2,第(5n+4行)のフォトダイオードおよび第(5n+5行)のフォトダイオード2にそれぞれ蓄積された信号電荷にもとづいて得られる映像信号(画像データ)がそれぞれ第1フィールド画像,第2フィールド画像,第3フィールド画像,第4フィールド画像および第5フィールド画像を表すこととなる。この実施例におけるCCD1では第1フィールド画像から第5フィールド画像の5つのフィールド画像がフィールド走査期間ずらされて順に得られることとなる。
【0019】
垂直転送路3には,垂直転送パルスφVが与えられる。これにより,垂直転送路3にシフトされた信号電荷は,垂直方向に転送させられる。垂直転送路3の出力端(下側)には水平転送路4が設けられている。水平転送路4には水平転送パルスφHが与えられる。これにより,水平転送路4に与えられた信号電荷は水平方向に転送させられる。水平転送路4から出力された信号電荷は相関二重サンプリング回路5を介して映像信号として出力される。
【0020】
図2は,図1に示すCCD1の動作タイム・チャートを示している。
【0021】
上述したように,第1フィールドの画像を得るために,時刻t11,t16,t21,t26等のタイミングで第1フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートに読み出しパルスSPが与えられる。第1フィールドの露光期間は,時刻t11〜t16,t16〜t21,t21〜t26などとなる。第1フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートに読み出しパルスSPが与えられると,第1フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷が垂直転送路3にシフトされて,転送されて映像信号として出力される。時刻t11〜t16までの間に蓄積された信号電荷は,時刻t16〜t17の間に読み出され,時刻t16〜t21までの間に蓄積された信号電荷は,時刻t21〜t22の間に読み出され,時刻t21〜t26までの間に蓄積された信号電荷は,時刻t26〜t27の間に読み出される。
【0022】
同様に,第2フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートに,時刻t12,t17,t22などのタイミングで読み出しパルスSPが与えられる。第2フィールドの露光期間は,t12〜t17,t17〜t22などとなり,時刻t17〜t18,t22〜t23などの間に信号電荷が読み出される。第3フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートには時刻t13,t18,t23などのタイミングで読み出しパルスSPが与えられ,露光期間はt13〜t18,t18〜t23などとなり,時刻t18〜t19,t23〜t24などの間に信号電荷が読み出される。第4フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートには時刻t14,t19,t24などのタイミングで読み出しパルスSPが与えられ,露光期間はt14〜t19,t19〜t24などとなり,時刻t19〜t20,t24〜t25などの間に信号電荷が読み出される。第5フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートには時刻t15,t20,t25などのタイミングで読み出しパルスSPが与えられ,露光期間はt15〜t20,t20〜t25などとなり,時刻t20〜t21,t25〜t26などの間に信号電荷が読み出される。
【0023】
上述したように5フィールドの映像信号がフィールド走査期間(VD期間)ずれて順に繰り返しCCDから出力される。
【0024】
この実施例においては,被写体輝度に応じて,CCDから1から出力される映像信号が変わる。被写体輝度が高い場合には,CCD1から出力される映像信号のレベルが高いので少ないフィールドの映像信号を用いてスルー画または動画を表示しても比較的明るく見やすい画像がえられる。また,少ないフィールドの映像信号を用いて自動合焦処理を行っても比較的高いレベルのAF評価値(自動合焦処理に用いられる評価値)が得られ,比較的正確な自動合焦制御を実現できる。このために,被写体輝度が高い場合には,少ないフィールドの映像信号が出力されるようにCCD1が制御される。これに対して,被写体輝度が低い場合には,CCD1から出力される映像信号のレベルが低いので,できるだけ多くのフィールドの映像信号を用いなければ明るく見やすいスルー画,動画が得られない。また,自動合焦処理を行う場合にも低いレベルのAF評価値しか得られないので,正確な自動合焦制御を実現できない。このために,被写体輝度が低い場合には,多くのフィールドの映像信号が出力されるようにCCD1が制御される。
【0025】
図3および図4は,いずれも被写体輝度が高い場合の動作を説明するものである。図3は,CCD1の模式図であり,図1に示すものと同一物には同一符号を付して説明を省略する。図4は,被写体輝度が高い場合のCCD1の動作タイム・チャートである。
【0026】
被写体輝度が高い場合には,図3にハッチングで示すように第1フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる第1フィールドの映像信号と第2フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる第2フィールドの映像信号とが動画表示等に使用される。第3フィールドから第5フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷は使用されない。たとえば,基板などから掃き出されることとなろう。CCD1から読み出される信号電荷が少なくなるので,CCD1の画素数が多くなっても迅速な読み出しができるようになる。
【0027】
使用されるフィールドは第1フィールドおよび第2フィールドに限らず他のフィールドでもよいのはいうまでもない。また,使用されるフィールドの数は後述するように被写体輝度が低い場合に比べて少なければよく2フィールドに限らない。
【0028】
図5および図6は,いずれも被写体輝度が低い場合の動作を説明するものである。図5は,CCD1の模式図であり,図1に示すものと同一物には同一符号を付して説明を省略する。図6は,被写体輝度が低い場合のCCD1の動作タイム・チャートである。
【0029】
被写体輝度が低い場合には,図5にハッチングで示すように第1フィールドから第4フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる第1フィールドから第4フィールドの映像信号が動画表示等に使用される。第5フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷は使用されない。CCD1から読み出される信号電荷が多くなるので,被写体輝度が暗くても比較的明るい動画等が得られる。また,第5フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷は使用されないので,垂直方向間引きも実現されており,CCD1の画素数が多くても比較的迅速な読み出しができている。
【0030】
使用されるフィールドは第1フィールドから第4フィールドに限らず他のフィールドでもよいのはいうまでもない。
【0031】
図7は,変形例を示すもので,CCD1の動作タイム・チャートである。
【0032】
この変形例においては,1VD期間が,図1に示す1VD期間よりも長くなっている。
【0033】
垂直同期信号VDを基準に読み出しパルスSPがシフト・ゲートに与えられるから,露光期間はVD期間(フィールド走査期間)の整数倍となる。VD期間の整数倍の期間以外の期間は露光期間とはならない。このために,この変形例においては,VD期間が変更される。VD期間が変更されることにより,露光期間も変更することができ,露光期間の微調整を実現できるようになる。
【0034】
この変形例においては,信号電荷の読み出し等は図1に示すものと同様である。たとえば,第1フィールドにおいては,時刻t31,t36,t41のタイミングで第1フィールドに接続されるシフト・ゲートに読み出しパルスSPが与えられ,t31〜t36,t36〜t41などの期間が露光期間となる。信号電荷は,t36〜t37,t41〜t42などの間に読み出されることとなる。その他のフィールドにおいても第1フィールドと同様であり,図2に示すようにフィールドごとにフィールド走査期間ずつずれて順に繰り返し出力されることとなる。
【0035】
図8は,上述したように撮像された被写体像の一例である。
【0036】
被写体像10には,第1フィールド画像11と第2フィールド画像12とが含まれている。上述したように,第1フィールド画像11は第5n+1行のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られるものであり,第2フィールド画像12は第5n+2行のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られるものであるから,第1フィールド画像11と第2フィールド画像12とはフォトダイオード2の1行分ずれることとなる。上述したように,第1フィールド画像11を表す第1フィールドの映像信号と第2フィールド画像12を表す第2フィールドの映像信号とはCCD1から出力される時間が1VDの期間だけずれているから同時には表示されないが,第1フィールド画像11と第2フィールド画像12とのずれを分かりやすくするために一緒に図示されている。
【0037】
第1フィールド画像11と第2フィールド画像12とは垂直方向に1行分ずれており,かつ第1フィールド画像11の表示タイミングと第2フィールド画像12の表示タイミングとがVD期間だけずれているから,動画で被写体像を表示すると表示される画像がVD期間ごとに上下に変動し,ちらついてしまう。
【0038】
このために,この実施例においては,第1フィールド画像11および第2フィールド画像12の垂直方向の解像度をぼかす処理が行われる。ちらつきが改善されることとなる。
【0039】
図9は,第1フィールド画像11を表す画像データと第2フィールド画像12を表す画像データとのレベルと,垂直方向の位置と,を示している。横方向が垂直方向の位置を示し,たて方向が画像データのレベルを示している。
【0040】
垂直方向の位置L1において,第1フィールド画像データのレベルが低下している。上述したように,第2フィールド画像は第1フィールド画像よりも1ライン分垂直方向にずれるから,その1ラインに相当する垂直方向の距離ΔLだけ上の位置(図9においては左の位置)L2において,第2フィールド画像データのレベルが低下する。
【0041】
この実施例においては,画像データ・レベルが低下する位置L1近傍の第1フィールドの画像データ部分を鎖線S1で示すように,レベルが滑らかに低下するように信号処理が行われる。また,画像データ・レベルが低下する位置L2近傍の第2フィールドの画像データ部分を鎖線S2で示すように,レベルが滑らかに低下するように信号処理が行われる。このように信号処理が行われることにより上述したちらつきが改善されるのは理解されよう。
【0042】
上述の実施例においては,第1フィールド画像と第2フィールド画像との場合を例にしたが,第1フィールド画像と第2フィールド画像に限らず,その他フィールド画像が利用される場合も同様に処理できるのはいうまでもない。
【0043】
図10は,上述したCCDを用いた撮像処理手順を示すフローチャートである。
【0044】
上述したように,露光期間を微調整する必要がある場合にはVD期間の変更が必要と判断され(ステップ21でYES),その変更が行われる(ステップ22)。
【0045】
被写体が撮像され(ステップ23),被写体像を表す画像データから被写体輝度が検出される(ステップ24)。もちろん,センサを用いて被写体輝度を検出してもよい。
【0046】
被写体輝度が所定のしきい値よりも高い場合には(ステップ25でYES),読み出し時間を短くするために使用するフィールド数が比較的少なくなるように第1フィールドおよび第2フィールドが使用フィールドと決定される(ステップ27)。被写体輝度が所定のしきい値よりも低い場合には(ステップ25でNO),総合的な露光期間を長くして得られる画像データの量を多くするために第1フィールドから第4フィールドが使用フィールドと決定される(ステップ26)。
【0047】
被写体が繰り返して撮像され,決定されたフィールドの画像データ(映像信号)がCCDから出力される(ステップ29)。
【0048】
さらに,上述したように,垂直方向のちらつきを目立たせないようにするために垂直方向の解像度をぼかす処理が行われる(ステップ29)。その後,得られた画像データによって表される動画の表示,自動合焦制御処理などが行われる(ステップ30)。
【0049】
図11は,他の処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
この処理手順は,CCDから出力される画像データを用いてスルー画(動画)を表示する場合と自動露光制御処理または自動合焦制御処理(AE/AF処理)を行うかによって使用するフィールドを変えるものである。
【0051】
スルー画表示の場合は(ステップ41),迅速な表示が必要と考えられるために第1フィールドから第5フィールドのうち第1フィールドを使用するものと決定される(ステップ42)。上述したように,被写体の撮像が繰り返されて,決定したフィールドの画像データがCCDから出力される(ステップ42)。CCDから出力された第1フィールドの画像データが繰り返して表示装置に与えられることによりスルー画が表示される(ステップ44)。
【0052】
AE/AF処理の場合は(ステップ41),多くのデータ量を用いた方が比較的正確に自動露光制御または自動合焦制御を行うことができるから第1フィールドから第5フィールドのすべてのフィールドを使用すると決定される(ステップ45)。もっとも,迅速な読み出しをしつつ比較的多くのデータ量を得るために第1フィールドから第5フィールドのすべてを使用せずに第1フィールドから第4フィールドを使用するようにしてもよい。被写体の撮像が繰り返され,決定したフィールドの画像データがCCDから出力される(ステップ46)。CCDから出力された第1フィールドから第5フィールドの画像データが繰り返して自動露光制御回路または自動合焦制御回路に与えられることにより自動露光制御または自動合焦制御が行われる(ステップ47)。
【0053】
図12は,変形例を示すもので,他の処理手順を示すフローチャートである。
【0054】
図11に示す処理においては,被写体輝度にかかわらずスルー画表示かAE/AF表示に応じて使用するフィールドを決定しているが,図12に示す処理においては被写体輝度も考慮して使用するフィールドが決定される。
【0055】
被写体が撮像され(ステップ51),被写体輝度が検出される(ステップ52)。検出された被写体輝度が所定のしきい値よりも高いか低いかが判定される(ステップ53)。
【0056】
被写体輝度が高いと(ステップ53でNO),CCDから出力される画像データを用いてスルー画表示を行うのかAF処理を行うのかが判定される(ステップ54)。スルー画表示が行われる場合には,第1フィールドを使用すると決定される(ステップ55)。被写体の撮像が繰り返されて,決定されたフィールドの画像データがCCDから出力される(ステップ56)。CCDから繰り返して出力される第1フィールドの画像データを用いてスルー画が表示される(ステップ57)。AF表示が行われる場合には,第1フィールドと第2フィールドとを使用すると決定される(ステップ58)。被写体が繰り返して撮像され,決定されたフィールドの画像データがCCDから繰り返して出力される(ステップ59)。CCDから繰り返して出力される第1フィールドの画像データおよび第2フィールドの画像データを用いてAF処理が行われる(ステップ60)。
【0057】
被写体輝度が低い場合も(ステップ53でNO),CCDから出力される画像データを用いてスルー画表示を行うのかAF処理を行うのかが判定される(ステップ61)。スルー画表示が行われる場合には,明るさよりも迅速な読み出しを優先させるために第1フィールドを使用すると決定される(ステップ62)。もっとも,明るさを求める場合には,第1フィールドと第2フィールドとを使用するように決定することもできる。被写体の撮像が繰り返され,決定したフィールドの画像データがCCDから繰り返して出力される(ステップ63)。CCDから出力された画像データを用いてスルー画が表示される(ステップ64)。AF処理が行われる場合には,データ量を多くするために第1フィールドから第4フィールドが使用するフィールドとして決定される(ステップ65)。被写体が繰り返して撮像され,決定されたフィールドの画像データがCCDから出力される(ステップ66)。CCDから出力された画像データを用いてAF処理が行われる(ステップ67)。
【0058】
図13から図16は,さらに他の実施例を示すものである。
【0059】
図13は,第1フィールドの画像データから第5フィールドの画像データをフィールド番号順に繰り返してCCDから出力した場合に繰り返して得られるフィールド画像の一部分71〜76を示している。これらのフィールド画像71〜76には,フィールド画像に存在する画像ラインの位置が分かるようにフィールドごとのフォトダイオード2も図示されている。
【0060】
第1フィールド画像71,第2フィールド画像72,第3フィールド画像73,第4フィールド画像74,第5フィールド画像75,第1フィールド画像76というように,フィールド画像順に画像が繰り返して表示され,第5フィールド画像の次には第1フィールド画像が表示される。
【0061】
第1フィールド画像71,76は,第(5n+1)行の位置のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データによって表されるから,第(5n+1)ラインの位置に画像が存在する。同様に,第2フィールド画像72,第3フィールド画像73,第4フィールド画像74および第5フィールド画像75は,第(5n+2)ライン,第(5n+3)ライン,第(5n+4)ラインおよび第(5n+5)ラインの位置に画像が存在する。
【0062】
このような場合において,第1フィールド画像71から第5フィールド画像に表示が順に切り替わるときには画像が垂直方向に1ラインずつずれていくから垂直方向のちらつきは少ない。しかしながら,第5フィールド画像75から第1フィールド画像76に切り替わる場合には,垂直方向に4ライン分ずれることとなり,垂直方向のちらつきが目立つこととなる。次に述べる実施例は,このようなちらつきを目立たせないようにするものである。
【0063】
図14もフィールド画像の一部分71〜76を示している。
【0064】
図14に示す例では,フィールド番号順にフィールド画像データがCCDから読み出されるのではなく,連続して表示される2フィールドの画像の垂直方向のずれが平均的なものとなるようにCCDから出力されるフィールド画像データの出力順序が決定される。
【0065】
図14に示す例では,奇数フィールドのフィールド番号が昇順となるようにフィールド画像データが出力され,その後偶数フィールドのフィールド番号が降順となるようにフィールド画像データが出力されている。すなわち,第1フィールド画像,第3フィールド画像,第5フィールド画像,第4フィールド画像,第2フィールド画像の繰り返しでフィールド画像が繰り返して表示される。フィールド画像の表示が切り替わる場合には垂直方向に1ラインまたは2ラインのずれがあるが,図13に示したように4ラインものずれは起きないので画像表示の切り換え時のちらつきが目立たなくなる。
【0066】
図15は,さらに変形例を示すものである。図15の上部は図14に示すものと同じであり,CCDから順に出力されるフィールド画像データによって一定期間ごとに繰り返して表示されるフィールド画像の一部分である。
【0067】
この実施例においては,連続する3フィールドの画像を表す画像データがメモリに一時的に記憶される。3フィールドの画像を表す画像データが垂直方向において平均化されて1フィールドの画像を表す画像データが生成される。
【0068】
たとえば,第1フィールド画像71,第3フィールド画像73および第5フィールド画像75をそれぞれ表す画像データが平均化されて第1の平均画像データが生成される。この第1の平均画像データによって第1の平均画像81が得られる。同様に,第3フィールド画像73,第5フィールド画像75および第4フィールド画像74をそれぞれ表す画像データ,第5フィールド画像75,第4フィールド画像74および第2フィールド画像72をそれぞれ表す画像データ,第4フィールド画像74,第2フィールド画像72および第1フィールド画像76をそれぞれ表す画像データを用いて第2の平均画像82,第3の平均画像83および第4の平均画像84が得られる。第5の平均画像85についても同様に得られる。
【0069】
これらの平均画像が順に切り換えられながら表示装置に表示されるようになる。これらの平均画像は,表示の切り替え前後の垂直方向におけるラインのずれは1ラインとなるからより表示が切り換えられたときにちらつきがより目立たないようになる。
【0070】
図16は,図15の処理手順を示すフローチャートである。
【0071】
まず,上述したように使用するフィールドが決定される(ステップ91)。決定されたフィールドのうち,連続した2フィールド画像での垂直方向でのずれが平均的となるような画像データの出力順序が決定される(ステップ92)。決定された出力順序でCCDから画像データが繰り返して出力される(ステップ93)。
【0072】
CCDから出力された画像データがメモリに記憶され,上述したように平均画像データが生成される(ステップ94)。
【0073】
図17(A)〜(E),図18および図19は,さらに他の実施例を示すもので,AF処理についてのものである。
【0074】
CCDの前方に配置されているフォーカス・レンズを徐々に移動しながら被写体を撮像し,被写体像を表す画像データから合焦の程度を表すAF評価値が算出される。自動合焦制御においては,算出されたAF評価値とフォーカス・レンズの位置とから合焦位置が決定される。
【0075】
図17(A)〜(E)は,フォーカス・レンズ位置とAF評価値との関係を示している。(A),(B),(C),(D)および(E)は,それぞれ第1フィールド画像データ,第2フィールド画像データ,第3フィールド画像データ,第4フィールド画像データおよび第5フィールド画像データから得られる関係をそれぞれ示している。
【0076】
(A)を参照して,第1フィールド画像データから得られるAF評価値のピーク値F1はフォーカス・レンズ位置がP1の場合である。同様に,(B)を参照して,第2フィールド画像データから得られるAF評価値のピーク値F2はフォーカス・レンズ位置がP2の場合である。(C)を参照して,第3フィールド画像データから得られるAF評価値のピーク値F3はフォーカス・レンズ位置がP3の場合である。(D)を参照して,第4フィールド画像データから得られるAF評価値のピーク値F4はフォーカス・レンズ位置がP4の場合である。(F)を参照して,第5フィールド画像データから得られるAF評価値のピーク値F5はフォーカス・レンズ位置がP5の場合である。
【0077】
図18は,図17(A)〜(E)に示すAF評価値とフォーカス・レンズ位置との関係を一つにまとめたものである。
【0078】
検出されたフォーカス・レンズ位置P1〜P5を用いて合焦位置が決定される。たとえば,検出されたフォーカス・レンズ位置P1〜P5を順番に並べた場合の中間の位置が合焦の位置として決定される。図18に示す例では,フォーカス位置の小さい順にP4,P5,P1,P2およびP3となるから,中間の位置P1の位置が合焦位置とされる。
【0079】
また,合焦位置は,検出されたフォーカス・レンズ位置P1〜P5の相加平均で決定される位置でもよい。さらに,検出されたフォーカス・レンズ位置の最小の位置と最大の位置との平均の位置でもよい。
【0080】
図19は,合焦位置の算出処理手順を示すフローチャートである。
【0081】
上述したように,フォーカス・レンズ位置に対応してAF評価値がフィールドごとに算出される(ステップ101)。算出されたAF評価値のピーク値およびそのピーク値を与えるときのフォーカス・レンズ位置が検出され,合焦位置が決定される(ステップ102)。
【0082】
図20は,上述したCCD等を利用したディジタル・カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【0083】
ディジタル・カメラの全体の動作は,CPU110によって統括される。
【0084】
ディジタル・カメラには,撮像モード,再生モードなどのモードを設定するモードスイッチ111,シャッタ・レリーズ・ボタン112,メニュー・ボタン113などの各種スイッチ類が設けられている。この各種スイッチ類からの出力信号は,CPU110に入力する。
【0085】
CCD1の前方には絞り118およびフォーカス・レンズ119が配置されている。絞り118はモータ・ドライバ117によって駆動させられ,フォーカス・レンズ119はモータ・ドライバ116によって位置が制御される。
【0086】
撮像モードが設定されると,クロック・パルス切り替え回路114から種々のクロック・パルスが出力されてタイミング・ジェネレータ115に入力する。タイミング・ジェネレータ115はCPU110の制御のもとに制御され,上述したように読み出しパルスSP,垂直転送パルスφV,水平転送パルスφH,VDパルスなどをCCD1に与える。これにより,上述したように,CCD1によって被写体が繰り返し撮像されることにより,CCD1から複数フィールドの映像信号が繰り返し出力される。
【0087】
CCD1から出力された映像信号は,CDS増幅回路120を介してアナログ/ディジタル変換回路121に入力する。アナログ/ディジタル変換回路121において映像信号からディジタル画像データに変換される。画像データは画像入力コントローラ122を介してAE/AWB検出回路129に入力する。AE/AWB検出回路129において,被写体輝度が検出される。検出された被写体輝度に応じて上述のように,CCD1において使用されるフィールドが決定される。
【0088】
フォーカス・レンズ119の位置が移動させられながら,被写体が繰り返して撮像される。被写体が繰り返して撮像されることにより得られるフィールド画像データは順次AF検出回路128に入力する。AF検出回路128において上述のように,AF評価値が算出されて合焦位置が決定される。
【0089】
画像データは,画像信号処理回路123に入力し所定の信号処理が行われる。画像信号処理回路123から出力された画像データがビデオLCDエンコーダ126を介して画像表示装置127に入力する。画像表示装置127にフィールド画像データによって表されるスルー画が表示される。
【0090】
上述したように,スルー画表示のときに,フィールド画像を垂直方向にぼかす処理が行われる場合には画像信号処理回路122において,そのぼかす処理が行われる。
【0091】
また,図15に示したように,複数のフィールド画像から平均画像を生成する場合には,複数のフィールド画像データがメモリ130に与えられて一時的に記憶される。複数のフィールド画像データはメモリ130から読み出されて画像合成回路134に入力する。画像合成回路134において,平均画像データが生成される。生成された平均画像データがビデオLCDエンコーダ126を介して画像表示装置127に与えられることにより,上述したようにちらつきの少ない動画が表示されるようになる。
【0092】
シャッタ・レリーズ・ボタン112が押されると,上述のようにして得られた画像データは圧縮処理回路124に入力しデータ圧縮処理が行われる。圧縮された画像データがメディア・コントローラ131によってメモリ・カード132に記録されることとなる。
【0093】
また,ディジタル・カメラには顔検出回路133も含まれている。この顔検出回路133によって被写体に顔が含まれている場合には,被写体像から顔画像が検出される。検出された顔画像にピントがあうようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】CCDの模式図である。
【図2】CCDの動作タイム・チャートである。
【図3】CCDの模式図である。
【図4】CCDの動作タイム・チャートである。
【図5】CCDの模式図である。
【図6】CCDのタイム・チャートである。
【図7】CCDのタイム・チャートである。
【図8】被写体像の一例である。
【図9】第1フィールド画像データのレベルと第2フィールド画像データのレベルとを示している。
【図10】撮像処理手順を示すフローチャートである。
【図11】撮像処理手順を示すフローチャートである。
【図12】撮像処理手順を示すフローチャートである。
【図13】フィールド画像の一部分を示している。
【図14】フィールド画像の一部分を示している。
【図15】平均画像の生成の仕方を示している。
【図16】平均画像の生成処理手順を示すフローチャートである。
【図17】(A)〜(E)は,AF評価値とフォーカス・レンズ位置との関係を示している。
【図18】AF評価値とフォーカス・レンズ位置との関係を示している。
【図19】合焦位置決定処理手順を示すフローチャートである。
【図20】ディジタル・カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0095】
1 CCD
2 フォトダイオード
110 CPU
115 タイミング・ジェネレータ
123 画像信号処理回路
127 画像表示装置
129 AE/AWB検出回路
【技術分野】
【0001】
この発明は,ディジタル・カメラおよびその動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CCD,C−MOSなどの固体電子撮像素子は,画素数が増大している。画素数が多い固体電子撮像素子を用いていわゆるスルー画を含む動画表示,固体電子撮像素子から出力される画像データを用いた自動合焦制御が行われる場合,固体電子撮像素子から出力されるすべての画像データを用いると時間がかかってしまうために,奇数行の光電変換素子に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データのみを出力するように,いわゆる垂直間引き読み出しが行われることがある(特許文献1)。また,奇数フィールドと偶数フィールドとを交互に読み出してメモリに蓄積しておき,nフィールド間隔でフレーム読み出しするものもある(特許文献2)。
【特許文献1】特開平3−245685号公報
【特許文献2】特開2005-260411号公報
【0003】
しかしながら,単純に垂直方向に間引いて読み出すのでは被写体が暗い場合に暗い動画が表示されることがある。
【発明の開示】
【0004】
この発明は,被写体輝度に応じて垂直方向の間引き数を変えることを目的とする。
【0005】
この発明によるディジタル・カメラは,水平方向および垂直方向に多数の光電変換素子が配列されており,かつ上記多数の光電変換素子が複数フィールドに分けられており,被写体を繰り返し露光することにより,被写体像を表す画像データを繰り返し出力する固体電子撮像素子,上記多数の光電変換素子に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データをフィールドごとにフィールド走査期間ずつずらして順に出力するように上記固体電子撮像素子を制御する固体電子撮像素子制御手段,被写体輝度を検出する被写体輝度検出手段,上記被写体輝度検出手段によって検出された被写体輝度が高いほどフィールド数が少なくなり,被写体輝度が低いほどフィールド数が多くなるように,上記複数フィールドのうち使用するフィールドを決定する決定手段,ならびに上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理および自動合焦制御のための処理の少なくとも一方を行う画像処理手段を備えていることを特徴とする。
【0006】
この発明は,上記ディジタル・カメラに適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,固体電子撮像素子が,水平方向および垂直方向に多数の光電変換素子が配列されており,かつ上記多数の光電変換素子が複数フィールドに分けられており,被写体を繰り返し露光することにより,被写体像を表す画像データを繰り返し出力し,固体電子撮像素子制御手段が,上記多数の光電変換素子に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データをフィールドごとにフィールド走査期間ずつずらして順に出力するように上記固体電子撮像素子を制御し,被写体輝度検出手段が,被写体輝度を検出し,決定手段が,上記被写体輝度検出手段によって検出された被写体輝度が高いほどフィールド数が少なくなり,被写体輝度が低いほどフィールド数が多くなるように,上記複数フィールドのうち使用するフィールドを決定し,画像処理手段が,上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理および自動合焦制御のための処理の少なくとも一方を行うものである。
【0007】
この発明によると,固体電子撮像素子に配列されている多数の光電変換素子は,垂直方向にとびとびのラインの集まりからなる複数フィールドに分けられている。固体電子撮像素子によって被写体が繰り返し露光され,被写体像を表す画像データがフィールドごとにフィールド走査期間ずつずらされて順に繰り返し出力される。被写体輝度が検出され,被写体輝度が高ければフィールド数が少なくなり,被写体輝度が低ければフィールド数が多くなるように使用するフィールドが決定される。決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理,自動合焦制御のための処理などが行われる。被写体輝度が高い場合には,使用するフィールドが少ないので,固体電子撮像素子からの画像データの読み出しの必要な時間を短くできる。また,被写体輝度が低い場合には,使用するフィールドが多いので,多くの画像データが得られることとなり比較的明るい被写体像が得られる。
【0008】
上記フィールド走査期間を変更するフィールド走査期間変更手段をさらに備えてもよい。
【0009】
上記決定手段によって決定されたフィールドに応じて画質パラメータを変更する手段(たとえば,決定されたフィールドの画像の垂直方向の鮮鋭度をぼかす手段)をさらに備えてもよい。
【0010】
上記画像処理手段が,決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理を行うものの場合,上記決定手段は,たとえば,被写体輝度にかかわらず一つのフィールドを使用するフィールドと決定する。
【0011】
上記固体電子撮像素子制御手段は,たとえば,つづいて出力される2フィールドの画像データによって表される2フィールドの画像の垂直方向のずれが平均的なものとなるように画像データが出力されるように上記固体電子撮像素子を制御するものである。
【0012】
上記決定手段において決定されるフィールドの数が2以上の場合,上記決定手段によって決定された2以上のフィールドの画像データを平均化して1フィールドの画像データを生成する生成手段をさらに備えてもよい。この場合,上記画像処理手段は,たとえば,上記生成手段によって生成された画像データを用いて動画表示のための処理を行うものである。
【0013】
上記決定手段によって決定されるフィールドの数は2以上の場合,上記画像処理手段は,たとえば,上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データからフィールドごとに,自動合成制御に用いられるAF評価値を算出する算出手段を備える。この場合,上記算出手段によってフィールドごとに得られたAF評価値にもとづいて自動合焦制御を行うこととなろう。
【実施例】
【0014】
図1は,この発明の実施例を示すもので,CCDの模式図である。この実施例においては,CCDについて説明するが,C−MOSにも適用できるのはいうまでもない。
【0015】
CCD1には,水平方向および垂直方向に多数のフォトダイオード2が配列されている。フォトダイオード2の受光面上には赤色の光成分を透過するフィルタ(符号Rで示す),緑色の光成分を透過するフィルタ(符号Gで示す)または青色の光成分を透過するフィルタ(Bで示す)が形成されている。
【0016】
この実施例においては,第(5n+1)行のフォトダイオード2,第(5n+2)行のフォトダイオード2,第(5n+3行)のフォトダイオード2,第(5n+4行)のフォトダイオードおよび第(5n+5行)のフォトダイオード2がそれぞれ,第1フィールド,第2フィールド,第3フィールド,第4フィールドおよび第5フィールドと規定されている(nは,0以上の整数)。5フィールドに規定されているが,5フィールドに限らず2フィールド,3フィールド,4フィールド,6フィールド以上であってもよい。
【0017】
フォトダイオード2の各列の右側にはフォトダイオード2に蓄積された信号電荷を垂直方向に転送するための垂直転送路3が設けられている。フォトダイオード2と垂直転送路3との間には転送ゲート(図示略)が形成されている。これらの転送ゲートに読み出しパルスSPが与えられることにより,フォトダイオード2に蓄積された信号電荷が垂直転送路3にシフトされる。読み出しパルスSPは,第(5n+1)行のフォトダイオード2,第(5n+2)行のフォトダイオード2,第(5n+3行)のフォトダイオード2,第(5n+4行)のフォトダイオードまたは第(5n+5行)のフォトダイオード2にそれぞれ共通に与えられる。したがって,第(5n+1)行のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷,第(5n+2)行のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷,第(5n+3行)のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷,第(5n+4行)のフォトダイオードに蓄積された信号電荷または第(5n+5行)のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷がそれぞれ別々のタイミングで垂直転送路3にシフトされる。
【0018】
第(5n+1)行のフォトダイオード2,第(5n+2)行のフォトダイオード2,第(5n+3行)のフォトダイオード2,第(5n+4行)のフォトダイオードおよび第(5n+5行)のフォトダイオード2にそれぞれ蓄積された信号電荷にもとづいて得られる映像信号(画像データ)がそれぞれ第1フィールド画像,第2フィールド画像,第3フィールド画像,第4フィールド画像および第5フィールド画像を表すこととなる。この実施例におけるCCD1では第1フィールド画像から第5フィールド画像の5つのフィールド画像がフィールド走査期間ずらされて順に得られることとなる。
【0019】
垂直転送路3には,垂直転送パルスφVが与えられる。これにより,垂直転送路3にシフトされた信号電荷は,垂直方向に転送させられる。垂直転送路3の出力端(下側)には水平転送路4が設けられている。水平転送路4には水平転送パルスφHが与えられる。これにより,水平転送路4に与えられた信号電荷は水平方向に転送させられる。水平転送路4から出力された信号電荷は相関二重サンプリング回路5を介して映像信号として出力される。
【0020】
図2は,図1に示すCCD1の動作タイム・チャートを示している。
【0021】
上述したように,第1フィールドの画像を得るために,時刻t11,t16,t21,t26等のタイミングで第1フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートに読み出しパルスSPが与えられる。第1フィールドの露光期間は,時刻t11〜t16,t16〜t21,t21〜t26などとなる。第1フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートに読み出しパルスSPが与えられると,第1フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷が垂直転送路3にシフトされて,転送されて映像信号として出力される。時刻t11〜t16までの間に蓄積された信号電荷は,時刻t16〜t17の間に読み出され,時刻t16〜t21までの間に蓄積された信号電荷は,時刻t21〜t22の間に読み出され,時刻t21〜t26までの間に蓄積された信号電荷は,時刻t26〜t27の間に読み出される。
【0022】
同様に,第2フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートに,時刻t12,t17,t22などのタイミングで読み出しパルスSPが与えられる。第2フィールドの露光期間は,t12〜t17,t17〜t22などとなり,時刻t17〜t18,t22〜t23などの間に信号電荷が読み出される。第3フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートには時刻t13,t18,t23などのタイミングで読み出しパルスSPが与えられ,露光期間はt13〜t18,t18〜t23などとなり,時刻t18〜t19,t23〜t24などの間に信号電荷が読み出される。第4フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートには時刻t14,t19,t24などのタイミングで読み出しパルスSPが与えられ,露光期間はt14〜t19,t19〜t24などとなり,時刻t19〜t20,t24〜t25などの間に信号電荷が読み出される。第5フィールドのフォトダイオード2に接続されたシフト・ゲートには時刻t15,t20,t25などのタイミングで読み出しパルスSPが与えられ,露光期間はt15〜t20,t20〜t25などとなり,時刻t20〜t21,t25〜t26などの間に信号電荷が読み出される。
【0023】
上述したように5フィールドの映像信号がフィールド走査期間(VD期間)ずれて順に繰り返しCCDから出力される。
【0024】
この実施例においては,被写体輝度に応じて,CCDから1から出力される映像信号が変わる。被写体輝度が高い場合には,CCD1から出力される映像信号のレベルが高いので少ないフィールドの映像信号を用いてスルー画または動画を表示しても比較的明るく見やすい画像がえられる。また,少ないフィールドの映像信号を用いて自動合焦処理を行っても比較的高いレベルのAF評価値(自動合焦処理に用いられる評価値)が得られ,比較的正確な自動合焦制御を実現できる。このために,被写体輝度が高い場合には,少ないフィールドの映像信号が出力されるようにCCD1が制御される。これに対して,被写体輝度が低い場合には,CCD1から出力される映像信号のレベルが低いので,できるだけ多くのフィールドの映像信号を用いなければ明るく見やすいスルー画,動画が得られない。また,自動合焦処理を行う場合にも低いレベルのAF評価値しか得られないので,正確な自動合焦制御を実現できない。このために,被写体輝度が低い場合には,多くのフィールドの映像信号が出力されるようにCCD1が制御される。
【0025】
図3および図4は,いずれも被写体輝度が高い場合の動作を説明するものである。図3は,CCD1の模式図であり,図1に示すものと同一物には同一符号を付して説明を省略する。図4は,被写体輝度が高い場合のCCD1の動作タイム・チャートである。
【0026】
被写体輝度が高い場合には,図3にハッチングで示すように第1フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる第1フィールドの映像信号と第2フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる第2フィールドの映像信号とが動画表示等に使用される。第3フィールドから第5フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷は使用されない。たとえば,基板などから掃き出されることとなろう。CCD1から読み出される信号電荷が少なくなるので,CCD1の画素数が多くなっても迅速な読み出しができるようになる。
【0027】
使用されるフィールドは第1フィールドおよび第2フィールドに限らず他のフィールドでもよいのはいうまでもない。また,使用されるフィールドの数は後述するように被写体輝度が低い場合に比べて少なければよく2フィールドに限らない。
【0028】
図5および図6は,いずれも被写体輝度が低い場合の動作を説明するものである。図5は,CCD1の模式図であり,図1に示すものと同一物には同一符号を付して説明を省略する。図6は,被写体輝度が低い場合のCCD1の動作タイム・チャートである。
【0029】
被写体輝度が低い場合には,図5にハッチングで示すように第1フィールドから第4フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる第1フィールドから第4フィールドの映像信号が動画表示等に使用される。第5フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷は使用されない。CCD1から読み出される信号電荷が多くなるので,被写体輝度が暗くても比較的明るい動画等が得られる。また,第5フィールドのフォトダイオード2に蓄積された信号電荷は使用されないので,垂直方向間引きも実現されており,CCD1の画素数が多くても比較的迅速な読み出しができている。
【0030】
使用されるフィールドは第1フィールドから第4フィールドに限らず他のフィールドでもよいのはいうまでもない。
【0031】
図7は,変形例を示すもので,CCD1の動作タイム・チャートである。
【0032】
この変形例においては,1VD期間が,図1に示す1VD期間よりも長くなっている。
【0033】
垂直同期信号VDを基準に読み出しパルスSPがシフト・ゲートに与えられるから,露光期間はVD期間(フィールド走査期間)の整数倍となる。VD期間の整数倍の期間以外の期間は露光期間とはならない。このために,この変形例においては,VD期間が変更される。VD期間が変更されることにより,露光期間も変更することができ,露光期間の微調整を実現できるようになる。
【0034】
この変形例においては,信号電荷の読み出し等は図1に示すものと同様である。たとえば,第1フィールドにおいては,時刻t31,t36,t41のタイミングで第1フィールドに接続されるシフト・ゲートに読み出しパルスSPが与えられ,t31〜t36,t36〜t41などの期間が露光期間となる。信号電荷は,t36〜t37,t41〜t42などの間に読み出されることとなる。その他のフィールドにおいても第1フィールドと同様であり,図2に示すようにフィールドごとにフィールド走査期間ずつずれて順に繰り返し出力されることとなる。
【0035】
図8は,上述したように撮像された被写体像の一例である。
【0036】
被写体像10には,第1フィールド画像11と第2フィールド画像12とが含まれている。上述したように,第1フィールド画像11は第5n+1行のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られるものであり,第2フィールド画像12は第5n+2行のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られるものであるから,第1フィールド画像11と第2フィールド画像12とはフォトダイオード2の1行分ずれることとなる。上述したように,第1フィールド画像11を表す第1フィールドの映像信号と第2フィールド画像12を表す第2フィールドの映像信号とはCCD1から出力される時間が1VDの期間だけずれているから同時には表示されないが,第1フィールド画像11と第2フィールド画像12とのずれを分かりやすくするために一緒に図示されている。
【0037】
第1フィールド画像11と第2フィールド画像12とは垂直方向に1行分ずれており,かつ第1フィールド画像11の表示タイミングと第2フィールド画像12の表示タイミングとがVD期間だけずれているから,動画で被写体像を表示すると表示される画像がVD期間ごとに上下に変動し,ちらついてしまう。
【0038】
このために,この実施例においては,第1フィールド画像11および第2フィールド画像12の垂直方向の解像度をぼかす処理が行われる。ちらつきが改善されることとなる。
【0039】
図9は,第1フィールド画像11を表す画像データと第2フィールド画像12を表す画像データとのレベルと,垂直方向の位置と,を示している。横方向が垂直方向の位置を示し,たて方向が画像データのレベルを示している。
【0040】
垂直方向の位置L1において,第1フィールド画像データのレベルが低下している。上述したように,第2フィールド画像は第1フィールド画像よりも1ライン分垂直方向にずれるから,その1ラインに相当する垂直方向の距離ΔLだけ上の位置(図9においては左の位置)L2において,第2フィールド画像データのレベルが低下する。
【0041】
この実施例においては,画像データ・レベルが低下する位置L1近傍の第1フィールドの画像データ部分を鎖線S1で示すように,レベルが滑らかに低下するように信号処理が行われる。また,画像データ・レベルが低下する位置L2近傍の第2フィールドの画像データ部分を鎖線S2で示すように,レベルが滑らかに低下するように信号処理が行われる。このように信号処理が行われることにより上述したちらつきが改善されるのは理解されよう。
【0042】
上述の実施例においては,第1フィールド画像と第2フィールド画像との場合を例にしたが,第1フィールド画像と第2フィールド画像に限らず,その他フィールド画像が利用される場合も同様に処理できるのはいうまでもない。
【0043】
図10は,上述したCCDを用いた撮像処理手順を示すフローチャートである。
【0044】
上述したように,露光期間を微調整する必要がある場合にはVD期間の変更が必要と判断され(ステップ21でYES),その変更が行われる(ステップ22)。
【0045】
被写体が撮像され(ステップ23),被写体像を表す画像データから被写体輝度が検出される(ステップ24)。もちろん,センサを用いて被写体輝度を検出してもよい。
【0046】
被写体輝度が所定のしきい値よりも高い場合には(ステップ25でYES),読み出し時間を短くするために使用するフィールド数が比較的少なくなるように第1フィールドおよび第2フィールドが使用フィールドと決定される(ステップ27)。被写体輝度が所定のしきい値よりも低い場合には(ステップ25でNO),総合的な露光期間を長くして得られる画像データの量を多くするために第1フィールドから第4フィールドが使用フィールドと決定される(ステップ26)。
【0047】
被写体が繰り返して撮像され,決定されたフィールドの画像データ(映像信号)がCCDから出力される(ステップ29)。
【0048】
さらに,上述したように,垂直方向のちらつきを目立たせないようにするために垂直方向の解像度をぼかす処理が行われる(ステップ29)。その後,得られた画像データによって表される動画の表示,自動合焦制御処理などが行われる(ステップ30)。
【0049】
図11は,他の処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
この処理手順は,CCDから出力される画像データを用いてスルー画(動画)を表示する場合と自動露光制御処理または自動合焦制御処理(AE/AF処理)を行うかによって使用するフィールドを変えるものである。
【0051】
スルー画表示の場合は(ステップ41),迅速な表示が必要と考えられるために第1フィールドから第5フィールドのうち第1フィールドを使用するものと決定される(ステップ42)。上述したように,被写体の撮像が繰り返されて,決定したフィールドの画像データがCCDから出力される(ステップ42)。CCDから出力された第1フィールドの画像データが繰り返して表示装置に与えられることによりスルー画が表示される(ステップ44)。
【0052】
AE/AF処理の場合は(ステップ41),多くのデータ量を用いた方が比較的正確に自動露光制御または自動合焦制御を行うことができるから第1フィールドから第5フィールドのすべてのフィールドを使用すると決定される(ステップ45)。もっとも,迅速な読み出しをしつつ比較的多くのデータ量を得るために第1フィールドから第5フィールドのすべてを使用せずに第1フィールドから第4フィールドを使用するようにしてもよい。被写体の撮像が繰り返され,決定したフィールドの画像データがCCDから出力される(ステップ46)。CCDから出力された第1フィールドから第5フィールドの画像データが繰り返して自動露光制御回路または自動合焦制御回路に与えられることにより自動露光制御または自動合焦制御が行われる(ステップ47)。
【0053】
図12は,変形例を示すもので,他の処理手順を示すフローチャートである。
【0054】
図11に示す処理においては,被写体輝度にかかわらずスルー画表示かAE/AF表示に応じて使用するフィールドを決定しているが,図12に示す処理においては被写体輝度も考慮して使用するフィールドが決定される。
【0055】
被写体が撮像され(ステップ51),被写体輝度が検出される(ステップ52)。検出された被写体輝度が所定のしきい値よりも高いか低いかが判定される(ステップ53)。
【0056】
被写体輝度が高いと(ステップ53でNO),CCDから出力される画像データを用いてスルー画表示を行うのかAF処理を行うのかが判定される(ステップ54)。スルー画表示が行われる場合には,第1フィールドを使用すると決定される(ステップ55)。被写体の撮像が繰り返されて,決定されたフィールドの画像データがCCDから出力される(ステップ56)。CCDから繰り返して出力される第1フィールドの画像データを用いてスルー画が表示される(ステップ57)。AF表示が行われる場合には,第1フィールドと第2フィールドとを使用すると決定される(ステップ58)。被写体が繰り返して撮像され,決定されたフィールドの画像データがCCDから繰り返して出力される(ステップ59)。CCDから繰り返して出力される第1フィールドの画像データおよび第2フィールドの画像データを用いてAF処理が行われる(ステップ60)。
【0057】
被写体輝度が低い場合も(ステップ53でNO),CCDから出力される画像データを用いてスルー画表示を行うのかAF処理を行うのかが判定される(ステップ61)。スルー画表示が行われる場合には,明るさよりも迅速な読み出しを優先させるために第1フィールドを使用すると決定される(ステップ62)。もっとも,明るさを求める場合には,第1フィールドと第2フィールドとを使用するように決定することもできる。被写体の撮像が繰り返され,決定したフィールドの画像データがCCDから繰り返して出力される(ステップ63)。CCDから出力された画像データを用いてスルー画が表示される(ステップ64)。AF処理が行われる場合には,データ量を多くするために第1フィールドから第4フィールドが使用するフィールドとして決定される(ステップ65)。被写体が繰り返して撮像され,決定されたフィールドの画像データがCCDから出力される(ステップ66)。CCDから出力された画像データを用いてAF処理が行われる(ステップ67)。
【0058】
図13から図16は,さらに他の実施例を示すものである。
【0059】
図13は,第1フィールドの画像データから第5フィールドの画像データをフィールド番号順に繰り返してCCDから出力した場合に繰り返して得られるフィールド画像の一部分71〜76を示している。これらのフィールド画像71〜76には,フィールド画像に存在する画像ラインの位置が分かるようにフィールドごとのフォトダイオード2も図示されている。
【0060】
第1フィールド画像71,第2フィールド画像72,第3フィールド画像73,第4フィールド画像74,第5フィールド画像75,第1フィールド画像76というように,フィールド画像順に画像が繰り返して表示され,第5フィールド画像の次には第1フィールド画像が表示される。
【0061】
第1フィールド画像71,76は,第(5n+1)行の位置のフォトダイオード2に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データによって表されるから,第(5n+1)ラインの位置に画像が存在する。同様に,第2フィールド画像72,第3フィールド画像73,第4フィールド画像74および第5フィールド画像75は,第(5n+2)ライン,第(5n+3)ライン,第(5n+4)ラインおよび第(5n+5)ラインの位置に画像が存在する。
【0062】
このような場合において,第1フィールド画像71から第5フィールド画像に表示が順に切り替わるときには画像が垂直方向に1ラインずつずれていくから垂直方向のちらつきは少ない。しかしながら,第5フィールド画像75から第1フィールド画像76に切り替わる場合には,垂直方向に4ライン分ずれることとなり,垂直方向のちらつきが目立つこととなる。次に述べる実施例は,このようなちらつきを目立たせないようにするものである。
【0063】
図14もフィールド画像の一部分71〜76を示している。
【0064】
図14に示す例では,フィールド番号順にフィールド画像データがCCDから読み出されるのではなく,連続して表示される2フィールドの画像の垂直方向のずれが平均的なものとなるようにCCDから出力されるフィールド画像データの出力順序が決定される。
【0065】
図14に示す例では,奇数フィールドのフィールド番号が昇順となるようにフィールド画像データが出力され,その後偶数フィールドのフィールド番号が降順となるようにフィールド画像データが出力されている。すなわち,第1フィールド画像,第3フィールド画像,第5フィールド画像,第4フィールド画像,第2フィールド画像の繰り返しでフィールド画像が繰り返して表示される。フィールド画像の表示が切り替わる場合には垂直方向に1ラインまたは2ラインのずれがあるが,図13に示したように4ラインものずれは起きないので画像表示の切り換え時のちらつきが目立たなくなる。
【0066】
図15は,さらに変形例を示すものである。図15の上部は図14に示すものと同じであり,CCDから順に出力されるフィールド画像データによって一定期間ごとに繰り返して表示されるフィールド画像の一部分である。
【0067】
この実施例においては,連続する3フィールドの画像を表す画像データがメモリに一時的に記憶される。3フィールドの画像を表す画像データが垂直方向において平均化されて1フィールドの画像を表す画像データが生成される。
【0068】
たとえば,第1フィールド画像71,第3フィールド画像73および第5フィールド画像75をそれぞれ表す画像データが平均化されて第1の平均画像データが生成される。この第1の平均画像データによって第1の平均画像81が得られる。同様に,第3フィールド画像73,第5フィールド画像75および第4フィールド画像74をそれぞれ表す画像データ,第5フィールド画像75,第4フィールド画像74および第2フィールド画像72をそれぞれ表す画像データ,第4フィールド画像74,第2フィールド画像72および第1フィールド画像76をそれぞれ表す画像データを用いて第2の平均画像82,第3の平均画像83および第4の平均画像84が得られる。第5の平均画像85についても同様に得られる。
【0069】
これらの平均画像が順に切り換えられながら表示装置に表示されるようになる。これらの平均画像は,表示の切り替え前後の垂直方向におけるラインのずれは1ラインとなるからより表示が切り換えられたときにちらつきがより目立たないようになる。
【0070】
図16は,図15の処理手順を示すフローチャートである。
【0071】
まず,上述したように使用するフィールドが決定される(ステップ91)。決定されたフィールドのうち,連続した2フィールド画像での垂直方向でのずれが平均的となるような画像データの出力順序が決定される(ステップ92)。決定された出力順序でCCDから画像データが繰り返して出力される(ステップ93)。
【0072】
CCDから出力された画像データがメモリに記憶され,上述したように平均画像データが生成される(ステップ94)。
【0073】
図17(A)〜(E),図18および図19は,さらに他の実施例を示すもので,AF処理についてのものである。
【0074】
CCDの前方に配置されているフォーカス・レンズを徐々に移動しながら被写体を撮像し,被写体像を表す画像データから合焦の程度を表すAF評価値が算出される。自動合焦制御においては,算出されたAF評価値とフォーカス・レンズの位置とから合焦位置が決定される。
【0075】
図17(A)〜(E)は,フォーカス・レンズ位置とAF評価値との関係を示している。(A),(B),(C),(D)および(E)は,それぞれ第1フィールド画像データ,第2フィールド画像データ,第3フィールド画像データ,第4フィールド画像データおよび第5フィールド画像データから得られる関係をそれぞれ示している。
【0076】
(A)を参照して,第1フィールド画像データから得られるAF評価値のピーク値F1はフォーカス・レンズ位置がP1の場合である。同様に,(B)を参照して,第2フィールド画像データから得られるAF評価値のピーク値F2はフォーカス・レンズ位置がP2の場合である。(C)を参照して,第3フィールド画像データから得られるAF評価値のピーク値F3はフォーカス・レンズ位置がP3の場合である。(D)を参照して,第4フィールド画像データから得られるAF評価値のピーク値F4はフォーカス・レンズ位置がP4の場合である。(F)を参照して,第5フィールド画像データから得られるAF評価値のピーク値F5はフォーカス・レンズ位置がP5の場合である。
【0077】
図18は,図17(A)〜(E)に示すAF評価値とフォーカス・レンズ位置との関係を一つにまとめたものである。
【0078】
検出されたフォーカス・レンズ位置P1〜P5を用いて合焦位置が決定される。たとえば,検出されたフォーカス・レンズ位置P1〜P5を順番に並べた場合の中間の位置が合焦の位置として決定される。図18に示す例では,フォーカス位置の小さい順にP4,P5,P1,P2およびP3となるから,中間の位置P1の位置が合焦位置とされる。
【0079】
また,合焦位置は,検出されたフォーカス・レンズ位置P1〜P5の相加平均で決定される位置でもよい。さらに,検出されたフォーカス・レンズ位置の最小の位置と最大の位置との平均の位置でもよい。
【0080】
図19は,合焦位置の算出処理手順を示すフローチャートである。
【0081】
上述したように,フォーカス・レンズ位置に対応してAF評価値がフィールドごとに算出される(ステップ101)。算出されたAF評価値のピーク値およびそのピーク値を与えるときのフォーカス・レンズ位置が検出され,合焦位置が決定される(ステップ102)。
【0082】
図20は,上述したCCD等を利用したディジタル・カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【0083】
ディジタル・カメラの全体の動作は,CPU110によって統括される。
【0084】
ディジタル・カメラには,撮像モード,再生モードなどのモードを設定するモードスイッチ111,シャッタ・レリーズ・ボタン112,メニュー・ボタン113などの各種スイッチ類が設けられている。この各種スイッチ類からの出力信号は,CPU110に入力する。
【0085】
CCD1の前方には絞り118およびフォーカス・レンズ119が配置されている。絞り118はモータ・ドライバ117によって駆動させられ,フォーカス・レンズ119はモータ・ドライバ116によって位置が制御される。
【0086】
撮像モードが設定されると,クロック・パルス切り替え回路114から種々のクロック・パルスが出力されてタイミング・ジェネレータ115に入力する。タイミング・ジェネレータ115はCPU110の制御のもとに制御され,上述したように読み出しパルスSP,垂直転送パルスφV,水平転送パルスφH,VDパルスなどをCCD1に与える。これにより,上述したように,CCD1によって被写体が繰り返し撮像されることにより,CCD1から複数フィールドの映像信号が繰り返し出力される。
【0087】
CCD1から出力された映像信号は,CDS増幅回路120を介してアナログ/ディジタル変換回路121に入力する。アナログ/ディジタル変換回路121において映像信号からディジタル画像データに変換される。画像データは画像入力コントローラ122を介してAE/AWB検出回路129に入力する。AE/AWB検出回路129において,被写体輝度が検出される。検出された被写体輝度に応じて上述のように,CCD1において使用されるフィールドが決定される。
【0088】
フォーカス・レンズ119の位置が移動させられながら,被写体が繰り返して撮像される。被写体が繰り返して撮像されることにより得られるフィールド画像データは順次AF検出回路128に入力する。AF検出回路128において上述のように,AF評価値が算出されて合焦位置が決定される。
【0089】
画像データは,画像信号処理回路123に入力し所定の信号処理が行われる。画像信号処理回路123から出力された画像データがビデオLCDエンコーダ126を介して画像表示装置127に入力する。画像表示装置127にフィールド画像データによって表されるスルー画が表示される。
【0090】
上述したように,スルー画表示のときに,フィールド画像を垂直方向にぼかす処理が行われる場合には画像信号処理回路122において,そのぼかす処理が行われる。
【0091】
また,図15に示したように,複数のフィールド画像から平均画像を生成する場合には,複数のフィールド画像データがメモリ130に与えられて一時的に記憶される。複数のフィールド画像データはメモリ130から読み出されて画像合成回路134に入力する。画像合成回路134において,平均画像データが生成される。生成された平均画像データがビデオLCDエンコーダ126を介して画像表示装置127に与えられることにより,上述したようにちらつきの少ない動画が表示されるようになる。
【0092】
シャッタ・レリーズ・ボタン112が押されると,上述のようにして得られた画像データは圧縮処理回路124に入力しデータ圧縮処理が行われる。圧縮された画像データがメディア・コントローラ131によってメモリ・カード132に記録されることとなる。
【0093】
また,ディジタル・カメラには顔検出回路133も含まれている。この顔検出回路133によって被写体に顔が含まれている場合には,被写体像から顔画像が検出される。検出された顔画像にピントがあうようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】CCDの模式図である。
【図2】CCDの動作タイム・チャートである。
【図3】CCDの模式図である。
【図4】CCDの動作タイム・チャートである。
【図5】CCDの模式図である。
【図6】CCDのタイム・チャートである。
【図7】CCDのタイム・チャートである。
【図8】被写体像の一例である。
【図9】第1フィールド画像データのレベルと第2フィールド画像データのレベルとを示している。
【図10】撮像処理手順を示すフローチャートである。
【図11】撮像処理手順を示すフローチャートである。
【図12】撮像処理手順を示すフローチャートである。
【図13】フィールド画像の一部分を示している。
【図14】フィールド画像の一部分を示している。
【図15】平均画像の生成の仕方を示している。
【図16】平均画像の生成処理手順を示すフローチャートである。
【図17】(A)〜(E)は,AF評価値とフォーカス・レンズ位置との関係を示している。
【図18】AF評価値とフォーカス・レンズ位置との関係を示している。
【図19】合焦位置決定処理手順を示すフローチャートである。
【図20】ディジタル・カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0095】
1 CCD
2 フォトダイオード
110 CPU
115 タイミング・ジェネレータ
123 画像信号処理回路
127 画像表示装置
129 AE/AWB検出回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向および垂直方向に多数の光電変換素子が配列されており,かつ上記多数の光電変換素子が複数フィールドに分けられており,被写体を繰り返し露光することにより,被写体像を表す画像データを繰り返し出力する固体電子撮像素子,
上記多数の光電変換素子に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データをフィールドごとにフィールド走査期間ずつずらして順に出力するように上記固体電子撮像素子を制御する固体電子撮像素子制御手段,
被写体輝度を検出する被写体輝度検出手段,
上記被写体輝度検出手段によって検出された被写体輝度が高いほどフィールド数が少なくなり,被写体輝度が低いほどフィールド数が多くなるように,上記複数フィールドのうち使用するフィールドを決定する決定手段,ならびに
上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理および自動合焦制御のための処理の少なくとも一方を行う画像処理手段,
を備えたディジタル・カメラ。
【請求項2】
上記フィールド走査期間を変更するフィールド走査期間変更手段をさらに備えた請求項1に記載のディジタル・カメラ。
【請求項3】
上記決定手段によって決定されたフィールドに応じて画質パラメータを変更する手段をさらに備えた請求項2に記載のディジタル・カメラ。
【請求項4】
上記画像処理手段は,決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理を行うものであり,
上記決定手段は,被写体輝度にかかわらず一つのフィールドを使用するフィールドと決定するものである,
請求項1から3のうちいずれか一項に記載のディジタル・カメラ。
【請求項5】
上記固体電子撮像素子制御手段は,
つづいて出力される2フィールドの画像データによって表される2フィールドの画像の垂直方向のずれが平均的なものとなるように画像データが出力されるように上記固体電子撮像素子を制御するものである,
請求項1から4のうちいずれか一項に記載のディジタル・カメラ。
【請求項6】
上記決定手段において決定されるフィールドの数は2以上であり,
上記決定手段によって決定された2以上のフィールドの画像データを平均化して1フィールドの画像データを生成する生成手段をさらに備え,
上記画像処理手段は,上記生成手段によって生成された画像データを用いて動画表示のための処理を行うものである,
請求項1から5のうちいずれか一項に記載のディジタル・カメラ。
【請求項7】
上記決定手段によって決定されるフィールドの数は2以上であり,
上記画像処理手段は,
上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データからフィールドごとに,自動合成制御に用いられるAF評価値を算出する算出手段を備え,
上記算出手段によってフィールドごとに得られたAF評価値にもとづいて自動合焦制御を行うものである,
請求項1から6のいずれか一項に記載のディジタル・カメラ。
【請求項8】
固体電子撮像素子が,水平方向および垂直方向に多数の光電変換素子が配列されており,かつ上記多数の光電変換素子が複数フィールドに分けられており,被写体を繰り返し露光することにより,被写体像を表す画像データを繰り返し出力し,
固体電子撮像素子制御手段が,
上記多数の光電変換素子に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データをフィールドごとにフィールド走査期間ずつずらして順に出力するように上記固体電子撮像素子を制御し,
被写体輝度検出手段が,被写体輝度を検出し,
決定手段が,上記被写体輝度検出手段によって検出された被写体輝度が高いほどフィールド数が少なくなり,被写体輝度が低いほどフィールド数が多くなるように,上記複数フィールドのうち使用するフィールドを決定し,
画像処理手段が,上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理および自動合焦制御のための処理の少なくとも一方を行う,
ディジタル・カメラの動作制御方法。
【請求項1】
水平方向および垂直方向に多数の光電変換素子が配列されており,かつ上記多数の光電変換素子が複数フィールドに分けられており,被写体を繰り返し露光することにより,被写体像を表す画像データを繰り返し出力する固体電子撮像素子,
上記多数の光電変換素子に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データをフィールドごとにフィールド走査期間ずつずらして順に出力するように上記固体電子撮像素子を制御する固体電子撮像素子制御手段,
被写体輝度を検出する被写体輝度検出手段,
上記被写体輝度検出手段によって検出された被写体輝度が高いほどフィールド数が少なくなり,被写体輝度が低いほどフィールド数が多くなるように,上記複数フィールドのうち使用するフィールドを決定する決定手段,ならびに
上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理および自動合焦制御のための処理の少なくとも一方を行う画像処理手段,
を備えたディジタル・カメラ。
【請求項2】
上記フィールド走査期間を変更するフィールド走査期間変更手段をさらに備えた請求項1に記載のディジタル・カメラ。
【請求項3】
上記決定手段によって決定されたフィールドに応じて画質パラメータを変更する手段をさらに備えた請求項2に記載のディジタル・カメラ。
【請求項4】
上記画像処理手段は,決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理を行うものであり,
上記決定手段は,被写体輝度にかかわらず一つのフィールドを使用するフィールドと決定するものである,
請求項1から3のうちいずれか一項に記載のディジタル・カメラ。
【請求項5】
上記固体電子撮像素子制御手段は,
つづいて出力される2フィールドの画像データによって表される2フィールドの画像の垂直方向のずれが平均的なものとなるように画像データが出力されるように上記固体電子撮像素子を制御するものである,
請求項1から4のうちいずれか一項に記載のディジタル・カメラ。
【請求項6】
上記決定手段において決定されるフィールドの数は2以上であり,
上記決定手段によって決定された2以上のフィールドの画像データを平均化して1フィールドの画像データを生成する生成手段をさらに備え,
上記画像処理手段は,上記生成手段によって生成された画像データを用いて動画表示のための処理を行うものである,
請求項1から5のうちいずれか一項に記載のディジタル・カメラ。
【請求項7】
上記決定手段によって決定されるフィールドの数は2以上であり,
上記画像処理手段は,
上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データからフィールドごとに,自動合成制御に用いられるAF評価値を算出する算出手段を備え,
上記算出手段によってフィールドごとに得られたAF評価値にもとづいて自動合焦制御を行うものである,
請求項1から6のいずれか一項に記載のディジタル・カメラ。
【請求項8】
固体電子撮像素子が,水平方向および垂直方向に多数の光電変換素子が配列されており,かつ上記多数の光電変換素子が複数フィールドに分けられており,被写体を繰り返し露光することにより,被写体像を表す画像データを繰り返し出力し,
固体電子撮像素子制御手段が,
上記多数の光電変換素子に蓄積された信号電荷にもとづいて得られる画像データをフィールドごとにフィールド走査期間ずつずらして順に出力するように上記固体電子撮像素子を制御し,
被写体輝度検出手段が,被写体輝度を検出し,
決定手段が,上記被写体輝度検出手段によって検出された被写体輝度が高いほどフィールド数が少なくなり,被写体輝度が低いほどフィールド数が多くなるように,上記複数フィールドのうち使用するフィールドを決定し,
画像処理手段が,上記決定手段によって決定されたフィールドの画像データを用いて動画表示のための処理および自動合焦制御のための処理の少なくとも一方を行う,
ディジタル・カメラの動作制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−17077(P2009−17077A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174890(P2007−174890)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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