説明

ディジタル信号記録方法及び装置

【課題】
本発明の目的は、伝送レートあるいは記録信号の形式が異なる場合にも対応可能なディジタル信号記録方法及び装置を提供することにある。
【解決手段】
上記目的は、パケット形式のディジタル信号のm個のパケットをn個のブロックに配置し、パケットの数がm’個(m’<m)の場合には、m’×n/mブロックに配置して記録することにより達成できる。
パケットの配置がnブロック単位で完結するので、伝送レートあるいは記録信号の形式が異なる場合にも容易に対応することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタル映像信号を記録再生するディジタル映像信号記録再生装置に関し、特にディジタル圧縮映像信号を記録再生する記録方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転ヘッドを用いて磁気テープ上にディジタル圧縮映像信号を記録するディジタル信号記録装置が、特開平5−174496号(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−174496号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、異なる種類の記録信号への対応については考慮されていない。
【0005】
本発明の目的は、伝送レートあるいは記録信号の形式が異なる場合にも対応可能なディジタル信号記録方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、aバイトのパケット形式のディジタル信号のbバイトに同期信号、制御信号及び誤り検出訂正符号を付加してブロック形式とし、所定数個のブロックによりディジタル信号記録領域を形成して磁気記録媒体上に記録するディジタル信号記録方法において、aとbの比がn<a及びm<bである整数nとmの比n:mとなるようにし、m個のパケットをn個のブロックに配置し、パケットの数がm’個(m’<m)の場合には、m’×n/mブロックに配置して記録することにより達成できる。
1トラックに記録するデータ量を所定バイト数のパケット単位で制御し、m個のパケットをn個のブロックに配置して記録することにより、パケットの配置がnブロック単位で完結するので、伝送レートあるいは記録信号の形式が異なる場合にも容易に対応することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、1トラックに記録するデータ量を所定バイト数のパケット単位で制御し、また、m個のパケットをn個のブロックに配置して記録することにより、パケットの配置がnブロック単位で完結するので、伝送レートあるいは記録信号の形式が異なる場合にも効率よく記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ディジタル信号記録再生装置の構成図である。
【図2】1トラックの記録パターン図である。
【図3】各領域のブロック構成図である。
【図4】ID情報21の構成図である。
【図5】データ記録領域7における1トラックのデータの構成図である。
【図6】データ記録領域7のヘッダ44の構成図である。
【図7】フォーマット情報31の構成図である。
【図8】可変速再生用データの記録例を示す図である。
【図9】付加情報32の構成の構成図である。
【図10】188バイトのパケット形式で伝送されたディジタル圧縮映像信号をデータ記録領域41に記録する時のブロックの構成図である。
【図11】パケット71の長さを140バイトとした時のブロックの構成図である。
【図12】パケット71の長さを140バイトとした時のブロックの他の構成図である。
【図13】図10、図11または図12のパケットの他の構成図である。
【図14】ブロック情報33の構成図である。
【図15】ブロック情報33の記録例を示す図である。
【図16】ブロック情報33の他の記録例を示す図である。
【図17】入出力回路107の構成図である。
【図18】入出力信号のタイミング図である。
【図19】図1のディジタル信号記録再生装置とディジタル放送受信機との接続図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明のディジタル信号記録方法を用いた記録再生装置の構成である。図1は記録再生兼用の装置であるが、もちろん、記録と再生が独立していても同様である。100は回転ヘッド、101はキャプスタン、102は記録時の記録信号の生成及び再生時の再生信号の復調を行う記録再生信号処理回路、104は記録再生モード等の制御を行う、例えば、マイクロプロセッサのような制御回路、105は回転ヘッド100の回転等の基準となるタイミング信号を生成するタイミング生成回路、106は回転ヘッド及びテープの送り速度を制御するサーボ回路、107は記録信号の入力または再生信号の出力を行う入出力回路、109は記録時のタイミングを制御するタイミング制御回路、110は基準クロックを生成する発振回路、111はテープ、112はアナログ映像信号の記録再生回路である。
【0011】
記録時には、入出力端子108からパケット形式の記録データが任意の時間間隔で入力される。入出力端子108より入力されたパケットデータの一部は、入出力回路107を介して制御回路104に入力される。制御回路104では、パケットデータに付加されている情報あるいはパケットデータとは別に送られてきた情報によりパケットデータの種類、最大伝送レート等を検出し、検出結果によって記録モードを判断し、記録再生信号処理回路102及びサーボ回路106の動作モードを設定する。入出力回路107では、記録するパケットデータを検出し、記録再生信号処理回路102に出力する。記録再生信号処理回路102では、制御回路104で判断された記録モードに応じて、1トラックに記録するパケット数を判断し、誤り訂正符号、ID情報、サブコード等の生成を行い、記録信号を生成して回転ヘッド100によりテープ111に記録する。
【0012】
再生時には、まず任意の再生モードで再生動作を行い、記録再生信号処理回路102でID情報を検出する。そして、制御回路104でどのモードで記録されたかを判断し、記録再生信号処理回路104及びサーボ回路106の動作モードを再設定して再生を行う。記録再生信号処理回路104では、回転ヘッド100より再生された再生信号より、同期信号の検出、誤り検出訂正等を行い、データ、サブコード等を再生して入出力回路107に出力する。入出力回路107では、タイミング生成回路105で生成されたタイミングを基準として再生データを入出力端子108より出力する。
【0013】
記録時には、入出力端子108より入力された記録データのレートを基準としてタイミング制御回路109により記録再生装置の動作タイミングを制御し、再生時には、発振回路110により発振されたクロックを動作基準として動作する。
【0014】
また、アナログ映像信号の記録再生を行う場合には、記録時には入力端子113より入力されたアナログ映像信号をアナログ記録再生回路112で所定の処理を行って回転ヘッド100によりテープ111に記録し、再生時には回転ヘッド111によって再生された映像信号をアナログ記録再生回路112で所定の処理を行った後に出力端子114より出力する。この場合には、図示していないが、アナログ映像信号のフレーム周期を基準としてサーボ回路106を制御する。なお、アナログ記録用のヘッドはディジタル記録用のヘッドと兼用としてもよいし、独立に設けてもよい。
【0015】
図2は、1トラックの記録パターンである。3は音声信号等の付加情報記録領域、7はディジタル圧縮映像信号を記録するデータ記録領域、12は時間情報、プログラム情報等のサブコードを記録するサブコード記録領域、2、6及び11はそれぞれの記録領域のプリアンブル、4、8及び13はそれぞれの記録領域のポストアンブル、5及び9はそれぞれの記録領域の間のギャップ、1及び14はトラック端のマージンである。このように、各記録領域にポストアンブル、プリアンブル及びギャップを設けておくことにより、それぞれの領域を独立にアフレコを行うことができる。もちろん、記録領域3及び7にはディジタル圧縮映像信号、音声信号以外のディジタル信号を記録してもよい。また、領域7にディジタル圧縮映像信号と共にディジタル圧縮音声信号を記録してもよい。
【0016】
図3は各領域のブロック構成である。図2(a)は、付加情報記録領域3及びデータ記録領域7のブロック構成である。20は同期信号、21はID情報、22はデータ、23は第1の誤り検出訂正のためのパリティ(C1パリティ)である。例えば、同期信号20は2バイト、ID情報21は3バイト、データ22は99バイト、パリティ23は8バイトで構成されており、1ブロックは112バイトで構成されている。図2(b)は、サブコード記録領域12のブロック構成である。サブコード記録領域のブロックでは、同期信号20及びID情報21は図2(a)と同一にし、データ22は19バイト、パリティ23は4バイトで構成されており、1ブロックは図2(a)のブロックの1/4の28バイトで構成されている。このように、1ブロックのバイト数も整数比となるようにし、さらに全ての領域で同期信号11及びID情報12の構成を同一とすることにより、記録時のブロックの生成及び記録時の同期信号、ID情報の検出等の処理を同一の回路で処理することができる。
【0017】
図4は、ID情報21の構成である。31はシーケンス番号、32はトラックアドレス、33は1トラック内のブロックアドレス、35はシーケンス番号31、トラックアドレス32及びブロックアドレス33の誤りを検出するためのパリティである。ブロックアドレス33は、各記録領域でのブロックの識別を行うためのアドレスである。例えば、データ記録領域7では0〜335、付加情報記録領域3では0〜13、サブコード記録領域12では0〜15とする。トラックアドレス32は、トラックの識別を行うためのアドレスであり、例えば、1トラックまたは2トラック単位でアドレスを変化させ、0〜5または0〜2とすることにより、6トラックを識別することができる。シーケンス番号31は、例えば、トラックアドレス32で識別する6トラック単位で変化させ、0〜11とすることにより、72トラックを識別することができる。トラックアドレスは、後述する第2の誤り訂正符号の周期、シーケンス番号は、後述する可変速再生用データの記録周期と同期させておけば、記録時の処理及び再生時の識別を容易にすることができる。
【0018】
図5は、データ記録領域7における1トラックのデータの構成である。なお、同期信号20およびID情報21は省略している。データ記録領域7は、例えば、336ブロックで構成されており、最初の306ブロックにデータ41を、次の30ブロックに第2の誤り訂正符号(C2パリティ)43を記録する。
【0019】
C2パリティ43は、例えば、6トラック単位で、306ブロック×6トラックのデータを18分割し、それぞれの102ブロックに10ブロックのC2パリティを付加する。誤り訂正符号は、例えばリードソロモン符号を用いればよい。
【0020】
各ブロック99バイトのデータは、3バイトのヘッダ44と96バイトのデータ41により構成されている。図6は、データ記録領域7のヘッダ44の構成である。ヘッダ44は、フォーマット情報31、付加情報32及びブロック情報33により構成される。
【0021】
図7はフォーマット情報31の構成である。フォーマット情報31は、記録フォーマットに関する情報であり、例えば12ブロックの6バイトで1つの情報を構成している。そして、この情報を複数回多重記録することにより、再生時の検出能力を向上させている。6ブロックのデータは、例えば、1ブロックのサイズ、付加情報記録領域3の有無、記録するプログラムの数、回転ヘッドの回転数、誤り訂正符号の方式、記録モード、記録するデータの形式等よりなっている。
【0022】
記録モードは、例えば、最大記録容量を規定している。本実施例では、4ヘッドの回転ヘッドを用い、回転数1800rpmで2チャンネル記録を行った場合、約25Mbpsのデータを記録可能である。ここで、2回に1回の割合で記録を行えば、記録容量は約12.5Mbpsとなる。また、4回に1回の割合で記録を行えば、記録容量は約6.25Mbpsとなる。この場合、テープの送り速度を1/2または1/4にすれば、テープ上のトラックパターンはほぼ同一となる。同様にして、最大記録容量を25Mbpsの1/nにすることが可能である。記録時には、記録データの伝送レートを識別し、最適な記録モードを設定して記録する。そして、どのモードで記録したかをフォーマット情報31に記録しておく。例えば、25Mbpsの時には”1”、12.5Mbpsの時には”2”、6.25Mbpsの時には”3”等とする。
【0023】
記録するデータの形式は、例えば、記録するパケットのパケット長を規定する。1トラックに記録するデータの量をパケット単位で制御し、記録した数を記録しておくことにより、任意の伝送レートに対応することができる。なお、制御は、1トラックあるいは複数トラック毎に行えばよい。また、パケット長を記録しておくことにより、任意の長さのパケットに対応することができる。
【0024】
再生時には、フォーマット情報31を検出して記録モード等を識別し、再生処理回路をそのモードに設定して再生を行えばよい。
【0025】
また、フォーマット情報31の可変速再生用データの記録情報を記録しておいてもよい。図8のように、可変速再生時のヘッドの奇跡に対応した所定の位置に可変速再生専用のデータ50を記録しておくことにより、可変速再生時にも良好な再生画像を再生することができる。そこで、このデータが記録されているかどうか、あるいはどのような種類のデータが記録されているかを記録しておき、再生時にそれを識別することにより、可変速再生への対応を容易にすることができる。
【0026】
図9は、付加情報32の構成である。付加情報32は、たとえば、6ブロックの6バイトで一つの情報を構成し、最初の1バイトが情報の種類を表すアイテムコード、残りの5バイトをデータとすることにより、いろいろな種類のデータを記録することができる。例えば、記録時間等の情報や記録信号の種類等を記録しておく。ここにフォーマット情報31に関連して可変速再生データに関する明細な情報を記録しておいてもよい。
【0027】
図10は、188バイトのパケット形式で伝送されたディジタル圧縮映像信号をデータ記録領域41に記録する時のブロックの構成例である。この場合には、4バイトの時間情報25を付加して192バイトとし、2ブロックに1パケットを記録する。1パケットのデータを2ブロック、すなわち、C1の1符号系列に対応させて記録することにより、テープ上のドロップアウト等によるバーストエラーによってブロック単位での訂正不能が発生した時に、エラーが伝送の単位であるパケットの複数個にまたがることがない。
【0028】
図11は、パケット71の長さを140バイトとした時のブロックの構成である。この時には、2個のパケット71を3ブロックに記録する。また、パケットが1個しかない場合には、図12のように、2ブロックに1個のパケットを配置すればよい。すなわち、1.5ブロックに1パケットを配置し、残りの0.5ブロックはダミーデータとすればよい。
【0029】
図13は、図10または図11、図12のパケットの他の構成例である。パケットは、例えば、3バイトの時間情報25と、1バイトのパケットに関連した制御情報72とを188バイトまたは140バイトのパケットデータ71により構成される。なお、パケットデータ71の数がこれより少ない場合、例えば130バイトの場合には、ダミーデータを付加して記録するか、あるいは、制御情報の領域を多くしてもよい。
【0030】
時間情報25は、パケットの伝送された時間の情報である。すなわち、パケット(の先頭)が伝送された時の時間またはパケット間の間隔を基準クロックでカウントし、そのカウント値をパケットデータと共に記録しておき、再生時にその情報を基にしてパケット間の間隔を設定することにより、伝送された時と同一の形でデータを出力することができる。
【0031】
このように、1パケットのバイト数と1ブロックの記録領域のバイト数の比が簡単な整数比n:mで表されるようにし、m個のパケットをnブロックに記録するようにすれば、パケット長が1ブロックの記録領域と異なる場合にも効率よく記録することができる。さらに、パケットの数がm個単位になっていない場合、例えば、m’(m’<m)個の場合には、このm’個のパケットをm’×n/mブロックに配置して記録するようにすれば、効率よく記録することができる n及びmは、それぞれ1パケットのバイト数及び1ブロックの記録領域のバイト数より小さい値であり、10以下程度の整数で表すことができれば処理を容易にすることができる。なお、1パケットの長さが1ブロックの記録領域より長い(n>m)場合も同様にして記録することができる。さらに、異なる長さのパケットでも時間情報等の情報は同一形式にしておけば、記録再生処理が容易となる。パケットの長さが異なる場合の識別は、フォーマット情報31で行えばよい。
【0032】
図14は、ブロック情報33の構成である。ブロック情報33は、ブロック単位でのデータの識別を行うための情報である。データ情報74は、このブロックに記録されているデータの種類を識別する情報である。例えば、通常のパケットデータが記録されているブロックでは0、有効なデータが記録されていないブロックでは1、可変速再生用データが記録されているブロックでは2とすればよい。
【0033】
ブロック番号75は、パケットデータを2ブロックあるいは3ブロック単位で記録した時のブロックの順序を識別する情報である。例えば、2ブロック単位で記録する場合には0〜1、3ブロック単位で記録する場合には0〜2とする。さらに、これらの情報により記録領域の終わりが識別できるようにしておけば、再生時の処理が容易となる。
【0034】
図15は、図11または図12の配置でパケットを記録したときのブロック情報33の記録例である。51は通常のパケットデータを記録したブロック、52は可変速再生用データを記録したブロック、53は未使用領域である。このように、可変速再生用データ以外は前詰で記録することにより、任意の間隔で入力されたパケットデータを効率よく記録することができる。なお、間に無効なブロックが生じた場合には、そのブロックのデータ情報74を1としておけばよい。未使用領域53では、データ情報74を1とすると共に、ブロック番号75を3としておくことによりデータの終わりが検出できるようにしている。
【0035】
再生時には、ブロック単位でデータ情報74を識別し、0以外の場合にはそのブロックをとばして出力すればよい。これにより、可変速再生用データや無効データがどこに記録されていても再生時の互換を保つことができる。また、それ以外の特殊データが記録されている場合でも、そのブロックに異なるデータ情報を割り当てておけば問題ない。さらに、データ情報74が1でかつブロック番号が3であるブロックを識別することにより、記録領域の終わりを検出できる。これにより、不要な領域をアクセスする必要がないため、再生時の負担を軽減することができる。 図16は、前詰にしない場合、すなわち、記録するパケットを入力された位置に対応して記録する場合の例である。この場合には、未使用領域がトラック全体に分散して生じるため、特にデータの終わりを識別する必要はない。
【0036】
図17は、入出力回路107の構成である。300はパケット検出回路、301は時間情報確認回路、302は出力制御回路、303はバッファ、304は時間制御回路である。なお、入出力端子108Aより入出力されるパケットの時間情報を生成しているクロックの周波数は、発振回路110で発信される記録再生装置の基準クロックと同一であるとしている。
【0037】
記録時は、図18のようなタイミングで入出力端子108A及び108Bよりデータ及び同期クロックが入力される。入力されたデータ及び同期クロックは、パケット検出回路300に入力され、入力端子307より入力されるタイミング生成回路105から出力されたクロックによりパケットの検出が行われる。そして、検出されたパケット71は出力端子305Aより記録再生信号処理回路102に出力される。記録再生信号処理回路102では、記録の1トラックに相当する期間に入力されたパケット71にブロック情報33等を付加して記録する。パケットに付加して送られてきた制御信号等は、出力端子306Aより制御回路104に出力され、パケットの種類の判別、記録モードの決定等が行われる。また、各パケットに付加されている時間情報25は、時間情報確認回路301に出力される。
【0038】
時間情報確認回路301では、時間情報25と入力端子307より入力されたクロックにより計数したパケット間の間隔を比較する。両者にずれがある場合には、出力端子308より出力する制御信号により、そのずれを補正するようにタイミング制御回路109で記録処理タイミング及び回転ヘッド100の回転数を制御する。
【0039】
再生時は、入力端子306Bより入力される制御回路104からの制御信号により出力制御回路302を出力モードに制御し、再生されたパケット71を発振回路110で発信された基準クロックに同期して出力する。記録再生信号処理回路102では、再生されたブロックブロック情報33等を識別し、誤りなく再生され、かつ、有効なパケットのみを出力する。入力端子305Bより入力されたパケットは、バッファ303に記憶される。また、パケット中の時間情報25は時間制御回路304に入力される。時間制御回路304では、時間情報25及び入力端子307より入力されたクロックにより、バッファ303からパケットを読み出して出力するタイミングの制御及び同期クロックの生成を行い、図18のタイミング、すなわち、記録データの入力された時のタイミングと同一のタイミングで出力する。これにより、ディジタル圧縮映像信号の復号装置や他のディジタル信号記録再生装置等の再生されたパケットを受け取って処理する装置では、記録する前の信号をそのまま処理する場合と同一の処理で記録再生後の信号を処理することができる。
【0040】
図19は、図1のディジタル信号記録再生装置とディジタル放送受信機との接続の例である。200は図1のディジタル信号記録装置、201はディジタル放送受信機、202はアンテナ、206は受像機である。また、203はチューナ、204は選択回路、205は復号回路、206はインターフェース回路である。アンテナ202で受信されたディジタル放送信号は、チューナ203で復調された後に、選択回路204で必要なディジタル圧縮映像信号を選択する。選択されたディジタル圧縮映像信号は、復号回路205で通常の映像信号に復号されて受像機206に出力される。また、受信信号にスクランブル等の処理が行われているときは、復号回路205においてそれを解除した後に復号処理を行う。 ディジタル放送受信機201は、通常の受信時には、受信した信号より、いわゆるMPEG信号のようなディジタル圧縮信号を復調し、このディジタル圧縮信号をデコーダにより通常の映像信号および音声信号にデコードしてテレビ等に出力する。このディジタル圧縮信号は、通常パケット形式で伝送される。パケットの伝送レートは、放送の内容によって変化する。また、パケットの伝送間隔もエンコード時の処理に応じて変化する。デコーダでは、このパケット形式のデータの中に含まれている情報及びパケットの送られてきた間隔よりエンコード時のフレーム周波数を再生して映像信号のデコードを行う。
ディジタル放送受信機201からの記録時には、インターフェース回路206において、パケット形式のディジタル圧縮信号にパケットの伝送間隔を示す時間情報を付加し、図16の形式に変換して出力する。そして、入出力端子108よりディジタル信号記録装置200に入力され、記録される。なお、時間情報が付加されないで伝送された場合には、記録再生装置108で時間情報を付加して記録すればよい。 また、ディジタル信号記録再生装置200で再生されたディジタル圧縮映像信号等は、時間情報を用いて記録時と同一の間隔で入出力端子108よりインターフェース回路206に出力する。インターフェース回路206では、入力された信号より、通常の受信時と同様の処理を行って、受像機206に出力する。そして、映像信号及び音声信号のデコードを行ってテレビ等に出力する。
【0041】
なお、図10の入出力回路については、ディジタル放送受信機201等の他の装置の入出力回路についても同様に適用することができる。
【0042】
また、実施例では入力と出力を兼用の端子を用いて行っているが、入力と出力を独立した端子を用いて行ってもよい。
【符号の説明】
【0043】
7…データ記録領域、20…同期信号、21…ID情報、22…データ、23…C1パリティ、25…時間情報、31…フォーマット情報、32…付加情報、33…ブロック情報、41…映像信号データ、43…C2パリティ、44…ヘッダ、50…可変速データ、51…、通常のパケットデータ52…可変速再生用データを記録したブロック、53…未使用領域、71…パケット、72…制御情報、74…データ情報、75…ブロック情報、100…回転ヘッド、101…キャプスタン、102…記録再生信号処理回路、104…制御回路、105…タイミング生成回路、106…サーボ回路、107…入出力回路、109…タイミング制御回路、110…発振回路、112…アナログ信号記録再生回路、300…パケット検出回路、301…時間情報確認回路、302…出力制御回路、303…バッファ、304…時間制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
aバイトのパケット形式のディジタル信号のbバイトに同期信号、制御信号及び誤り検出訂正符号を付加してブロック形式とし、所定数個の前記ブロックによりディジタル信号記録領域を形成して磁気記録媒体上に記録するディジタル信号記録方法において、
前記aとbの比がn<a及びm<bである整数nとmの比n:mとなるようにし、m個の前記パケットをn個の前記ブロックに配置し、前記パケットの数がm’個(m’<m)の場合には、m’×n/mブロックに配置して記録することを特徴とするディジタル信号記録方法。
【請求項2】
前記aバイトのパケットは、パケットデータと前記パケットデータに関連した付加情報よりなることを特徴とする請求項1記載のディジタル信号記録方法。
【請求項3】
前記付加情報は前記パケットデータが伝送された時間を示す情報であることを特徴とする請求項2記載のディジタル信号記録方法。
【請求項4】
前記パケットのバイト数がaより小さいときに、前記パケットをaバイトのパケット形式に変換して記録することを特徴とする請求項1記載のディジタル信号記録方法。
【請求項5】
前記nは3、mは2であり、2個の前記パケットを3個の前記ブロックに配置し、前記パケットの数が1個の場合には、2ブロックに配置して記録することを特徴とする請求項1記載のディジタル信号記録方法。
【請求項6】
aバイトのパケット形式のディジタル信号のbバイトに同期信号、制御信号及び誤り検出訂正符号を付加してブロック形式とし、所定数個の前記ブロックによりディジタル信号記録領域を形成して磁気記録媒体上に記録するディジタル信号記録方法において、
前記aとbの比がn<a及びm<bである整数nとmの比n:mとなるようにし、m個の前記パケットをn個の前記ブロックに配置し、前記パケットの数がm’個(m’<m)の場合には、m’×n/mブロックに配置して記録する記録手段を設けたことを特徴とするディジタル信号記録装置。
【請求項7】
前記aバイトのパケットは、パケットデータと前記パケットデータに関連した付加情報よりなることを特徴とする請求項6記載のディジタル信号記録装置。
【請求項8】
前記付加情報は前記パケットデータが伝送された時間を示す情報であることを特徴とする請求項7記載のディジタル信号記録装置。
【請求項9】
前記パケットのバイト数がaより小さいときに、前記パケットをaバイトのパケット形式に変換して記録することを特徴とする請求項6記載のディジタル信号記録装置。
【請求項10】
前記nは3、mは2であり、2個の前記パケットを3個の前記ブロックに配置し、前記パケットの数が1個の場合には、2ブロックに配置して記録することを特徴とする請求項6記載のディジタル信号記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−176420(P2009−176420A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117172(P2009−117172)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【分割の表示】特願2008−165227(P2008−165227)の分割
【原出願日】平成7年9月25日(1995.9.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】