説明

ディスクアレイ装置,制御ファーム適用方法,及び制御ファーム適用制御部

【課題】ディスクアレイ装置が稼働中であっても記憶装置の制御ファームの適用を実行できるようにし、オペレータの作業負担を軽減できるようにする。
【解決手段】記憶装置3−0〜n,4−0〜mを制御する制御部20a,20bが、制御ファームを格納する格納部24と、制御ファームの適用対象となる記憶装置3−0〜n,4−0〜mに対するアクセス状況を監視する監視部26と、この監視部26による監視結果に基づいて、適用対象の記憶装置3−0〜n,4−0〜mについての制御ファームの適用を指示する適用指示部28とを備え、この適用指示部28からの指示に応じて、格納部24に格納された制御ファームが適用対象の記憶装置3−0〜n,4−0〜mに適用されるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の記憶装置を有するディスクアレイ装置において、記憶装置に新たな制御ファームを適用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
Redundant Arrays of Inexpensive Disks(RAID)装置等のディスクアレイ装置において信頼性の高いデータの保存には、記憶装置(例えば、Hard Disk Drive(HDD))の品質向上、障害の早期発見、障害対策が重要である。
これらに関係して、HDDの制御ファームウェア(以下、制御ファームという)を、フィールドで障害対策用の制御ファームに更新しなければならない場合がある。
【0003】
従来は、ディスクアレイ装置のHDDの制御ファームを更新するには、そのHDDを必ず再起動(Reboot)しなければならない。
そのため、従来のディスクアレイ装置では、メンテナンス時など、そのディスクアレイ装置の電源をオフする際にHDDの制御ファームを更新していた。
なお、従来から、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置において、基本入出力システムプログラムを更新フラグに応じてオペレーティングシステムの起動時にコピーする技術や、プリンタのファームウェアの更新を印刷制御処理の終了や電源切り替え要求に応じて実行する技術がある(下記特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開平8−16408号公報
【特許文献2】特開2007−69368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、従来のディスクアレイ装置では、通常動作(運用)中にHDDの制御ファームを更新できなかった。
そのため、制御ファームを更新したくても、ディスクアレイ装置をメンテナンス等するときまで待たなくてはならず、HDDの制御ファームを適宜更新することができなかった。
【0005】
また、ディスクアレイ装置はHDDを、例えば数百〜数千個有している。そのため、メンテナンス時であっても、オペレータが手作業でHDD一つ一つに対して更新用の制御ファームの登録(HDDの再起動)を行なうと、多大な時間と労力が掛かってしまう。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、ディスクアレイ装置が稼働中であっても記憶装置の制御ファームの適用を実行できるようにし、オペレータの作業負担を軽減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、このディスクアレイ装置は、記憶装置を制御する制御部の格納指示部が、記憶装置に対するアクセス状況を監視する監視部による監視結果に基づいて、格納部に格納された制御ファームの適用対象の記憶装置についての制御ファームの適用を指示し、適用指示部からの指示に応じて、前記制御ファームが前記適用対象の記憶装置に適用されることを要件としている。
【0007】
また、上記目的を達成するために、この制御ファーム適用方法は、記憶装置に対するアクセス状況の監視結果に基づいて、格納された制御ファームの適用対象の記憶装置についての制御ファームの適用を指示し、その指示に応じて、前記制御ファームを前記適用対象の記憶装置に適用することを要件としている。
さらに、上記目的を達成するために、制御ファーム適用制御部は、前記格納部、前記監視部、及び前記適用指示部を有することを要件としている。
【発明の効果】
【0008】
このように、上述したディスクアレイ装置,制御ファーム適用方法,及び制御ファーム適用制御部によれば、ディスクアレイ装置が運用中であっても記憶装置のアクセス状況に応じて、記憶装置の制御ファームの適用(更新)を実行できる。さらに、記憶装置の制御ファームの適用処理は、自動的に実行されるので、オペレータの負担を大幅に軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
〔1〕本発明の第1実施形態について
まず、図1に示すブロック図を参照しながら、本発明の第1実施形態としてのディスクアレイ装置(例えばRAID装置;以下、本ディスクアレイ装置という)1aの構成について説明する。
【0010】
本ディスクアレイ装置1aは、上位装置としてのホスト2に接続されており、ホスト2から送信されたデータを記憶する複数の記憶装置3,4と、これら記憶装置3,4の制御を行なう制御装置(制御部)10aとを有する。
なお、図1では、図の簡略化のため2つの記憶装置3,4だけを示しているが、本ディスクアレイ装置1aは、実際はRAIDを構成する多数のHDDを有する(後述する図2参照)。
【0011】
ホスト2は記憶装置3,4に対するライト要求やリード要求などの処理要求を、制御装置10aに対して発行するものである。
制御装置10aは、Channel Adapter(CA)11−1,11−2と、Fiber Channel(FC)12−1,12−2と、ディスクアレイコントローラ(制御部;制御ファーム適用制御部)20aとを有する。
【0012】
CA11−1,11−2は、ホスト2とディスクアレイコントローラ20aとのインタフェース制御部として機能するものである。
したがって、ホスト2からの処理要求はCA11−1,11−2を介してディスクアレイコントローラ20aに発行される。また、ディスクアレイコントローラ20aからホスト2に対する応答等もCA11−1,11−2を介して行なわれる。
【0013】
FC12−1,12−2は、記憶装置3,4とディスクアレイコントローラ20aとのインタフェース制御部として機能するものである。
したがって、ディスクアレイコントローラ20aと記憶装置3,4との間のデータや指示(処理命令)は、FC12−1,12−2を介して送受信される。
また、FC12−1と記憶装置3とはアクセス経路5によって、FC12−2と記憶装置4とはアクセス経路6によってそれぞれ接続されている。なお、後述する図2に示すように、アクセス経路5,6はそれぞれ複数のアクセス経路5−1,5−2,6−1,6−2から構成されている。
【0014】
ディスクアレイコントローラ20aは、ホスト2からの処理要求に応じて記憶装置3,4に対する処理を制御する、あるいは、独自に記憶装置3,4に処理を指示するものである。
また、ディスクアレイコントローラ20aは、記憶装置3,4に対する書込み処理や読出し処理などを制御するCentral Processing Unit(CPU)21及びキャッシュメモリ22を有する。
【0015】
ここで、本発明において、本ディスクアレイ装置1aが接続されるホスト2の数、並びに、本ディスクアレイ装置1aが有する制御装置10aの数及び記憶装置3,4の数は限定されるものではない。また、制御装置10aが有するCA11a,11bの数やFC12a,12bの数も本発明において限定されない。
また、本ディスクアレイ装置1aは、本ディスクアレイ装置1aと同様もしくは略同様に構成された他のディスクアレイ装置(図示せず)との間でデータの送受信を可能に構成されていてもよい。
【0016】
次に、図2を参照しながら、本ディスクアレイ装置1aのディスクアレイコントローラ20aの詳細について説明する。なお、図2は図の簡略化のためにディスクアレイコントローラ20aと複数の記憶装置(HDD)3−0〜n(ここではnは4以上の整数),4−0〜m(ここではmは4以上の整数)とだけを示し、ホスト2、CA11a,11b、及びFC12a,12bの図示を省略している。
【0017】
図2に示すように、ディスクアレイコントローラ20aは、アクセス制御部23,格納部24,取得部25,監視部26,第1比較部27,適用指示部28,及び転送部29aを有する。
格納部24は、キャッシュメモリ22によって実現されてもよいし、CPU21が有するメモリ(図示せず)によって実現されてもよい。
【0018】
また、アクセス制御部23,取得部25,監視部26,第1比較部27,適用指示部28,及び転送部29aは、例えば、CPU21が所定のプログラム(例えば後述する制御ファーム適用プログラム)を実行することによって実現されてもよいし、ハードウェアとして実現されてもよい。なお、後述する転送部29b,第2比較部30,及び格納処理部31も同様である。
【0019】
アクセス制御部23は、ホスト2からの記憶装置(以下、HDDという)3−0〜n,4−0〜m(以下、これらHDD3−0〜n,4−0〜mを区別しない場合にはHDD3,4という)に対する処理要求に応じて、HDD3,4に対するアクセス、例えば書込み処理や読み出し処理を制御するものである。
格納部24は、HDD3,4に適用される更新用の制御ファームを格納するものである。
【0020】
格納部24が格納する制御ファームは、本ディスクアレイ装置1aのオペレータが手動で登録したものであってもよいし、インターネット等のネットワーク(図示せず)を介して自動的に取得したものであってもよい。いずれにしても、格納部24は、HDD3,4の更新用の最新の制御ファームを保持する。
なお、HDD3,4は必ずしも同じ種類のものではなく、異なる制御ファームで動作する場合もある。この場合、格納部24は、HDD3,4の種類分の複数の制御ファームを保持することになる。
【0021】
また、格納部24は、各HDD3,4の稼動状況(正常動作中あるいは異常状態)や、制御ファームの種類、及び制御ファームのバージョン情報を管理する管理テーブル(図示せず)を格納している。
管理テーブルに保持されるそれらの情報は、オペレータが直接登録してもよいし、取得部25が自動的に取得してもよい。
【0022】
つまり、取得部25は、ディスクアレイコントローラ20aに接続されたすべてのHDD3,4の稼動状態、種類、制御ファームの種類、及び制御ファームのバージョン情報(制御ファーム情報)等をHDD3,4から取得する。
そして、格納部24は取得部25によって取得されたそれらの情報を管理テーブルに保持する。
【0023】
監視部26は、格納部24に格納された更新用の制御ファームの適用(更新)対象となるHDD3,4に対する、ホスト2からのアクセス状況を監視するものである。つまり、アクセス制御部23によるHDD3,4に対するアクセス処理を監視する。
ここで、更新対象となるHDD3,4は、適用指示部28によって特定されるが、その点については、適用指示部28の詳細な説明箇所にて説明する。
【0024】
第1比較部27は、格納部24の管理テーブルに保持されたHDD3,4の現在の制御ファームの制御ファーム情報(例えばバージョン情報や制御ファームの作成日時)と、格納部24に格納された、対応する更新用の制御ファーム(つまり、同種のHDD用の制御ファーム)の制御ファーム情報とを比較するものである。
つまり、第1比較部27は、全HDD3,4のうち、格納部24に保持された、対応する制御ファームよりも古い制御ファームで稼動しているHDD3,4を、適用指示部28が特定するために、それらの制御ファーム情報を比較する。
【0025】
適用指示部28は、監視部26によるHDD3,4のアクセス状況の監視結果に基づいて、適用対象のHDD3,4についての制御ファームの適用を指示するものである。
具体的には、適用指示部28は、オペレータによって指定された適用対象(以下、更新対象ともいう)のHDD3,4に対して適用を指示するか、あるいは、第1比較部27の比較結果に基づいて更新対象のHDD3,4を指定した上で、それらHDD3,4に制御ファームの適用を指示する。
【0026】
なお、オペレータの指示に基づく場合、オペレータはHDD3,4を特定すべく、そのHDD3,4固有の番号、あるいは、更新対象のHDD3,4の種類、または、HDD3,4のバージョン情報を指定する。
これにより、適用指示部28は、オペレータからの入力と、格納部24に格納された管理テーブルとに基づいて、更新対象のHDD3,4を指定する。
【0027】
また、適用指示部28が第1比較部27による比較の結果に基づいて更新対象のHDD3,4を指定する場合、第1比較部27による比較の結果、HDD3,4の制御ファームが、格納部24に格納された対応する更新用の制御ファームよりも古いものであった場合には、適用指示部28は、そのHDD3,4を更新対象のHDD3,4として指定する。
一方、第1比較部27による比較の結果、HDD3,4の制御ファームが格納部24に格納された更新用の制御ファームよりも新しい、もしくは同じものであった場合には、適用指示部28は、そのHDD3,4は更新対象として指定しない。
【0028】
なお、適用指示部28が更新対象のHDD3,4の指定を、オペレータの指示に基づいて行なうか、あるいは、第1比較部27の比較結果に基づいて行なうかは、本発明において限定されるものではない。例えば、適用指示部28は、オペレータからの入力があればそれに従い、無ければ第1比較部27の比較結果に応じて自動的に行なうように構成される。
【0029】
さらに、適用指示部28は、指定したHDD3,4に対する更新用制御ファームの適用指示(更新指示)を、監視部26による監視の結果(つまり、HDD3,4へのホスト2からのアクセス状況)が所定条件を満たす場合に実行する。
一方、適用指示部28は、監視部26による監視の結果が所定条件を満たさなければ、適用指示は行なわない。
【0030】
ここで、所定条件とは、例えば、所定時間連続してそのHDD3,4にアクセスが無い場合や、所定期間内のアクセス頻度が所定値以下の場合である。このような条件を設定することにより、ホスト2からの要求に応じた通常処理に遅延等の障害を与えることなく、バックグラウンドで自動的にHDD3,4の制御ファームを更新することができる。なお、本発明においてかかる所定条件の具体的な内容は限定されるものではなく、上述のように、ホスト2からの要求に対する通常処理に影響がないように設定されることが好ましい。
【0031】
このように、適用指示部28は、第1比較部27による比較の結果、適用対象のHDD3,4があると判断すると、監視部26による監視結果に応じて、自動的に当該HDD3,4に対して制御ファームの更新を指示する。
ここで、本ディスクアレイ装置1aは、各HDD3,4とディスクアレイコントローラ20aとの間に、FC12−1,12−2を介して、複数のアクセス経路(パス)5−1,5−2,6−1,6−2を備えている。
【0032】
そして、アクセス制御部23がホスト2からのアクセスに用いるアクセス経路(以下、ホスト2からのアクセス経路ともいう)が、パス5−1,6−1である場合、適用指示部28は、ホスト2からのアクセス経路5−1,6−1とは異なるアクセス経路5−2,6−2を用いて、更新対象のHDD3,4に適用指示を行なう。
また、適用指示部28は制御ファームの適用指示として、具体的には、HDD3,4の制御ファームを記録したメモリへの上書き処理と再起動(Reboot)処理とを指示する。
【0033】
転送部29aは、格納部24に格納された更新用の制御ファームを、適用指示部28によって指定された更新対象のHDD3,4に転送するものである。
この転送部29aも、ホスト2からのアクセスに用いるアクセス経路5−1,6−1とは異なるアクセス経路5−2,6−2を用いて、更新用の制御ファームをHDD3,4に転送する。
【0034】
ここで、転送部29aは、更新用の制御ファームが格納部24に保持された状態で、適用指示部28によって更新対象のHDD3,4の指定がされると、当該HDD3,4に順次制御ファームを転送する。
より具体的には、転送部29aは、少なくとも適用指示部28によるHDD3,4に対する適用指示の前に、更新用の制御ファームを当該HDD3,4へ転送する。
【0035】
また、図2に示すように、各HDD3,4はメモリ7と制御部8とを有する。
メモリ7は、例えば、HDD3,4が有するホスト2に係るデータを保持するディスク(例えば磁気ディスク;図示せず)とは別に備えられた、不揮発性のメモリである。
また、制御部8は、HDD3,4のディスクやメモリ7を制御するものである。
そして、各HDD3,4の制御部8は、転送部29aから制御ファームが転送されてくると、その制御ファームをメモリ7に一時的に格納する。
【0036】
その後、制御部8は、適用指示部28から制御ファームの適用指示を受けると、メモリ7に保持した制御ファームを適用すべく、制御ファームの切り替え(再起動処理)を行なう。
これにより、適用指示部28からの指示に応じて、格納部24に格納された更新用の制御ファームが適用対象のHDD3,4に適用される。
【0037】
次に、図3に示すフローチャート(ステップS1〜S8)を参照しながら、本ディスクアレイ装置1aのHDD3,4の制御ファーム適用動作手順(制御ファーム適用方法)の一例について説明する。なお、図3に示す例は、適用指示部28がオペレータの入力に基づいて更新対象のHDD3,4を指定する場合である。
まず、適用指示部28が、オペレータの指示に応じて、新たに制御ファームを適用する更新対象のHDD3,4を指定する(ステップS1)。
【0038】
次に、適用指示部28は、格納部24に更新用の制御ファームが登録済みであるか否かを確認する(ステップS2)。
ここで、格納部24に制御ファームが未登録であれば(ステップS2のNoルート)、格納指示部28は、例えばモニタ(図示せず)の表示や音声で制御ファームの登録をオペレータに促がし、制御ファームが格納部24に登録されるのを待つ。
【0039】
そして、オペレータによって格納部24に更新用の制御ファームが格納されると(ステップS3;格納ステップ)、後述するステップS4の処理に移行する。
一方、上記ステップS2において格納部24に更新用の制御ファームが登録済であれば(ステップS2のYesルート)、転送部29aが上記ステップS1において適用指示部28によって指定された更新対象のHDD3,4のメモリ7に対して、更新用の制御ファームを転送する(ステップS4)。
【0040】
このとき、転送部29aは、未使用のアクセス経路5−2,6−2を用いて対象のHDD3,4のメモリ7に制御ファームを転送する。
そして、適用指示部28は、本ディスクアレイ装置1の再起動(Reboot)命令がされているか否かを確認する(ステップS5)。
ここで、適用指示部28は再起動命令がされたことを確認すれば(ステップS5のYesルート)、更新対象のHDD3,4に対して、メモリ7に保持された更新用の制御ファームへの切り替え及び再起動処理を指示する(ステップS6;適用指示ステップ)。
【0041】
一方、適用指示部28は、本ディスクアレイ装置1aの再起動命令がされていないことを確認すると(ステップS5のNoルート)、監視部26によるアクセス監視状況(監視結果)を確認する(ステップS7)。つまり、監視部26は、少なくとも上記ステップS1において適用指示部28によって指定された更新対象のHDD3,4に対するアクセス状況を監視している(監視ステップ)。
【0042】
そして、適用指示部28は、監視部26による監視の結果、即ち、HDD3,4に対するアクセス状況が所定条件を満たすか否かを判断する(ステップS7)。
ここで、HDD3,4に対するアクセス状況が所定条件を満たさない、即ち、HDD3,4に対して所定条件よりも多いアクセスがある場合(ステップS7のNoルート)、適用指示部28はステップS5の処理に戻る。つまり、適用指示部28は、本ディスクアレイ装置1aの再起動命令が有るか、あるいは、更新対象のHDD(指定HDD)3,4に対するアクセス状況が所定条件を満たすまでの間は待機している。
【0043】
そして、適用指示部28は、HDD3,4に対するアクセス状況が所定条件を満たす場合(ステップS7のYesルート)、そのHDD3,4に対して、メモリ7に保持された更新用の制御ファームへの切り替え及び再起動処理を指示する(ステップS6)。
最後に、適用指示部28から制御ファームの切り替えを指示されたHDD3,4(具体的には制御部8)は、その指示に応じて、メモリ7に格納された制御ファームを適用する制御ファームの切り替え処理(再起動処理)を行ない(ステップS8;適用ステップ)、処理を終了する。
【0044】
なお、適用指示部28は、指定HDD3,4が複数ある場合には、すべてのHDD3,4に対して上述した手順で適用指示を行なう。
次に、図4に示すフローチャート(ステップS2,S3,S3´,S3´´,S4〜S8)を参照しながら、本ディスクアレイ装置1aのHDD3,4の制御ファーム適用動作手順(制御ファーム適用方法)の一例について説明する。なお、図4において既述の符号と同一の符号は同一の処理もしくは略同一の処理を示している。
【0045】
つまり、図4に示す例は、適用指示部28が更新用制御ファームに基づいて自動的に更新対象のHDD3,4を指定する場合であるので、上述した図3の手順と異なる手順について詳細に説明する。
適用指示部28が自ら更新対象のHDD3,4を指定する場合、まず、上述したステップS2,S3の処理により、格納部24への更新用の制御ファームの登録が確認されると、第1比較部27が、現在のHDD3,4の制御ファームの制御ファーム情報(例えばバージョン情報)と、更新用の制御ファームの制御ファーム情報とを比較する(ステップS3´;比較ステップ)。
【0046】
なお、第1比較部27は、格納部24の管理テーブルに基づいてHDD3,4の制御ファーム情報を取得する。さらに、第1比較部27は、更新用の制御ファームが適用され得る種類のHDD3,4を、管理テーブルのHDD3,4の種類やバージョン情報に基づいて特定する。そして、特定した対応する種類のHDD3,4についてのみ、上記の比較処理を行なう。
【0047】
そして、適用指示部28は、第1比較部27の比較結果に基づいて、更新対象のHDD3,4を指定する(ステップS3´´)。
具体的には、上記ステップS3´における第1比較部27の比較結果が、HDD3,4の現状の制御ファームが、格納部24に格納された制御ファームよりも古いものである場合は、適用指示部28はそのHDD3,4を更新対象として指定する(ステップS3´´)。
【0048】
一方、上記ステップS3´における第1比較部27の比較結果が、HDD3,4の現状の制御ファームが、格納部24に格納された制御ファームよりも新しい、あるいは、同じものである場合は、適用指示部28はそのHDD3,4を更新対象として指定しない(ステップS3´´)。
そして、以降は上述した図3と同様に、本ディスクアレイ装置1aは上記ステップS4〜S8の処理を行ない、更新対象のHDD3,4の制御ファームを更新する。
【0049】
このように、本発明の第1実施形態としてのディスクアレイ装置1aによれば、ディスクアレイコントローラ20aが、更新用の制御ファームを格納する格納部24と、HDD3,4に対するアクセス状況を監視する監視部26の監視結果に基づいて、適用対象のHDD3,4についての制御ファームの適用を指示する適用指示部28とを備え、その指示に応じて、更新用の制御ファームが適用対象のHDD3,4に適用される。そのため、本ディスクアレイ装置1aが稼働中であってもHDD3,4のアクセス状況に応じて、HDD3,4の制御ファームの適用(更新)を実行できる。さらに、各HDD3,4の制御ファームの更新処理は、自動的に実行されるので、オペレータの手作業は発生せず、オペレータの負担を大幅に軽減できる。
【0050】
また、適用指示部28は、ホスト2からのアクセス経路5−1,6−1とは異なるアクセス経路5−2,6−2を用いて、適用対象のHDD3,4に適用指示を行なう。したがって、ホスト2に対する通常の処理に影響を与えることなく、つまり、ホスト2の処理性能を低下させることなく、確実に適用対象のHDD3,4に対して適用指示を行なうことができる。
【0051】
また、転送部29aも、ホスト2からのアクセス経路5−1,6−1とは異なるアクセス経路5−2,6−2を用いて、適用対象のHDD3,4に更新用の制御ファームを転送する。したがって、ホスト2の処理性能を低下させることなく、確実に適用対象のHDD3,4に対して制御ファームを転送できる。
なお、転送部29aは、少なくとも適用指示部28によるHDD3,4に対する適用指示よりも前に、当該HDD3,4に制御ファームの転送を指示するので、HDD3,4は適用指示部28からの指示に応じて、制御ファームの更新を確実に実行できる。
【0052】
また、適用指示部28は、格納部24に最新の更新用の制御ファームが登録されると、第1比較部27による比較結果に基づいて、当該制御ファームを適用可能な、更新が必要なHDD3,4を指定する。したがって、オペレータが更新用の制御ファームを格納部24に登録するだけで、更新が必要なHDD3,4の制御ファームを更新することができ、オペレータの作業負担をより大幅に低減できる。
【0053】
〔2〕本発明の第2実施形態について
次に、図1及び図2に示すブロック図を参照しながら、本発明の第2実施形態としてのディスクアレイ装置(以下、本ディスクアレイ装置という)1bの構成について説明する。
図1及び図2に示すように、本ディスクアレイ装置1bは、上述した第1実施形態のディスクアレイ装置1aに対して、ディスクアレイコントローラ20bの転送部29bの構成が異なっている点を除いては、同様に構成されている。したがって、ここでは転送部29bについて詳細に説明し、他の構成についてはその詳細な説明を省略する。
【0054】
つまり、上述した第1実施形態のディスクアレイ装置1aでは、転送部29aが格納部24に更新用の制御ファームが登録されると、その制御ファームをHDD3,4に適宜転送するように構成した。これに対して、本ディスクアレイ装置1bの転送部29bは、監視部26による監視結果に基づいて、適用指示部28の処理と共に制御ファームをHDD3,4に転送するように構成されている。
【0055】
より具体的には、例えば、図5のフローチャート(ステップS1〜S3,S5,S6´,S6〜S8)に示すように、転送部29bは、上記ステップS5の再起動命令判定、または、上記ステップS7のアクセス状況の監視結果に基づいて、適用指示部28による更新対象の指定HDD3,4に対する適用指示(上記ステップS6)の前に、格納部24に格納された更新用の制御ファームを、指定HDD3,4のメモリ7に対して転送する(ステップS6´)。
【0056】
このように、本発明の第2実施形態としてのディスクアレイ装置1bによれば、転送部29bが、監視部26による監視結果に基づいて、適用指示部28による適用対象のHDD3,4に対する適用指示の前に、更新用の制御ファームを当該HDD3,4のメモリ7に転送する。これにより、ホスト2からのアクセスに対する通常処理への影響をより確実に抑止しながら、HDD3,4の制御ファームの更新を実行できる。
【0057】
〔3〕本発明の第3実施形態について
次に、図1及び図6に示すブロック図を参照しながら、本発明の第3実施形態としてのディスクアレイ装置(以下、本ディスクアレイ装置という)1cの構成について説明する。なお、図6において、既述の符号と同一の符号は同一の部分もしくは略同一の部分を示している。
【0058】
図1及び図6に示すように、本ディスクアレイ装置1cは、上述した第1実施形態のディスクアレイ装置1aのディスクアレイコントローラ20aに対して、第2比較部(比較部)30及び格納処理部31をさらに有する。
具体的には、本ディスクアレイ装置1cは、活性交換によって交換されたHDD3,4の制御ファームが最新のものであれば、当該HDD3,4から当該制御ファームを取得し、更新用の制御ファームとして他のHDD3,4へ適用するように構成されている。
【0059】
したがって、ここでは上述した第1実施形態と異なる部分についてのみ詳細に説明する。
取得部25は、本ディスクアレイ装置1cの運用中に、あるHDD3,4が活性交換されると、その活性交換された新しいHDD3,4の制御ファームの制御ファーム情報を取得する。例えば、取得部25は、制御ファームのバージョン情報や作成日時を活性交換されたHDD3,4から取得する。
【0060】
第2比較部30は、取得部25によって取得された交換されたHDD3,4から取得された制御ファーム情報と、格納部24に格納される制御ファームの制御ファーム情報とを比較するものである。
ここで、格納部24に格納される制御ファームとは、実際に格納部24に格納されている場合だけでなく、格納されていない場合の格納されるべき制御ファームも含む。
【0061】
例えば、本ディスクアレイ装置1cが運用後間もない間は、格納部24に制御ファームが格納されていない場合がある。この場合、運用中のHDD3,4の中で最新の制御ファームが格納部24に格納される制御ファームに該当する。
即ち、活性交換されたHDD3,4以外で既に接続されて稼動しているHDD3,4の制御ファームのうち、最新のバージョンの制御ファームが該当する。したがって、第2比較部30は、格納部24の管理テーブルに基づいて、格納部24に格納されるべき制御ファームを特定する。なお、複数のHDD3,4の種類が異なる場合には、HDD3,4の種類分、格納部24に格納されるべき制御ファームが存在することは言うまでもない。
【0062】
また、第2比較部30の上記比較処理も、HDD3,4の種類に応じて行なわれる。
格納処理部31は、第2比較部30による比較の結果、交換されたHDD3,4の制御ファームが格納部24に格納される制御ファームよりも新しい場合に、その交換されたHDD3,4の制御ファームを格納部24に更新用の制御ファームとして格納するものである。
【0063】
そして、格納処理部31によって格納部24に新たに制御ファームが格納されると、適用指示部28は、上述した第1実施形態または第2実施形態で説明した方法により、当該新たな制御ファームよりも古い制御ファームが稼動しているHDD3,4に対して、当該新たな制御ファームの適用を指示する。
一方、第2比較部30による比較の結果、交換されたHDD3,4の制御ファームが格納部24に格納される制御ファームよりも古い場合は、適用指示部28が、活性交換されたHDD3,4に対して、上述した第1実施形態または第2実施形態と同様の手順で、当該HDD3,4に対して、格納部24に格納された更新用の制御ファームの適用を指示する。
【0064】
ここで、図7に示すフローチャート(ステップS10〜S15,S5〜S8)を参照しながら、本ディスクアレイ装置1cのHDD3,4の制御ファーム適用動作手順(制御ファーム適用方法)の一例について説明する。なお、図7において既述の符号と同一の符号は同一の処理もしくは略同一の処理を示している。
まず、HDD3,4が活性交換されると(ステップS10)、取得部25が、交換によって新たに挿入されたHDD(以下、挿入HDDという)3,4の制御ファームの制御ファーム情報を取得する(ステップS11;取得ステップ)。
【0065】
次に、第2比較部30が、取得部25によって取得された挿入HDD3,4の制御ファーム情報と、当該挿入HDD3,4と同種の既存のHDD3,4の最新版の制御ファーム(即ち、格納部24に格納される制御ファーム)の制御ファーム情報とを比較する(ステップS12;比較ステップ)。
つまり、第2比較部30は、これらの制御ファームの制御ファーム情報を比較することにより、挿入HDD3,4の制御ファームが最新版であるか否かを確認する。
【0066】
そして、挿入HDD3,4の制御ファームが、格納部24に格納される制御ファームよりも古いまたは同じであれば、即ち、挿入HDD3,4の制御ファームが最新版でなければ(ステップS12のNoルート)、ディスクアレイコントローラ20cは、挿入HDD3,4に対して、上述した第1,2実施形態の方法により、制御ファームの更新処理を行ない(ステップS13)、処理を終了する。
【0067】
一方、挿入HDD3,4の制御ファームが、格納部24に格納される制御ファームよりも新しければ、即ち、挿入HDD3,4の制御ファームが最新版であれば(ステップS12のYesルート)、格納処理部31が、挿入HDD3,4から当該制御ファームを採取し格納部24に格納する(ステップS14;格納処理ステップ)。
次に、転送部29aは、挿入HDD3,4と同種のHDD3,4に対して、上記ステップS14において格納部24に格納された制御ファームを適宜転送する。
【0068】
つまり、このとき、適用指示部28は、挿入HDD3,4と同種のHDD3,4を格納部24の管理テーブルに基づいて特定し、それらのHDD3,4を、更新対象のHDD3,4に指定する。
その後、ディスクアレイコントローラ20cは、上述した第1実施形態(上記図3等)と同様に、適用指示部28が更新対象として指定したHDD3,4に対する、制御ファームの適用処理を実行する(ステップS5〜S8)。
【0069】
このように、本発明の第3実施形態としてのディスクアレイ装置1cによれば、上述した第1,2実施形態と同様の作用効果が得ることができる。さらに、活性交換された挿入HDD3,4の制御ファームが格納部24に格納される制御ファームよりも新しい場合は、格納処理部31が挿入HDD3,4の制御ファームを格納部24に格納する。したがって、オペレータは最新版の制御ファームで稼動するHDD3,4を活性交換するだけで、格納部24に最新の制御ファームを自動的に登録することができる。その結果、オペレータの作業負担がさらに低減される。
【0070】
また、適用指示部28が、格納処理部31によって格納部24に格納された制御ファームの適用を、当該制御ファームよりも古い制御ファームが稼働しているHDD3,4に対して指示する。そのため、オペレータは最新の制御ファームで稼動するHDD3,4に活性交換するだけで、他の同種のすべてのHDD3,4の制御ファームの更新を実行させることができる。これによりHDD3,4が数百や数千もあるようなディスクアレイ装置1cのHDD3,4の制御ファームの更新処理を非常に容易に実行でき、オペレータの作業負担がより大幅に減少する。
【0071】
〔4〕その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形、または、組み合わせて実施することができる。
例えば、上述した第3実施形態では、図7に示すように、転送部29aが格納処理部31によって格納部24に制御ファームが格納されると、HDD3,4に適宜転送する場合を例にあげて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図8のフローチャート(ステップS10〜S14,S5,S6´,S6〜S8)に示すように、転送部29bが上述した第2実施形態と同様に、監視部26の監視結果(アクセス状況)に応じて、制御ファームを転送するように構成してもよい。なお、図8において既述の符号と同一の符号は同一の処理もしくは略同一の処理を示している。
【0072】
また、上述した実施形態では、制御ファーム情報として、バージョン情報や作成日時等を用いたが、本発明はこれに限定されず、制御ファームの新旧を判断できるものであればよい。
さらに、上述した実施形態では、転送部29a,29bが、更新用の制御ファームをHDD3,4のメモリ7に転送する場合を例にあげて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、HDD3,4が格納部24から更新用の制御ファームを読み出すように構成してもよい。この場合、例えば適用指示部28が、当該HDD3,4へのアクセス状況に応じて、読み出し開始の指示を当該HDD3,4の制御部8に行なうことが好ましい。
【0073】
また、上述した実施形態では、適用指示部28が適用指示を行なう所定条件を、当該HDD3,4に所定時間連続してアクセスが無い場合や、所定期間内のアクセス頻度が所定値以下の場合を例にあげて説明した。しかし、本発明においてかかる所定条件の具体的な内容は限定されるものではなく、ホスト2からの要求に対する通常処理に影響がないように設定されることが好ましい。例えば、HDD3,4の稼働時間をスケジュール管理し、通常はHDD3,4のモータを止めておき、アクセス発生時のみモータを稼動させるようなエコモードが機能している場合には、適用指示部28が、モータが止める際に制御ファームの更新指示を行なってもよい。
【0074】
なお、上述したディスクアレイコントローラ20a〜cのアクセス制御部23,取得部25,監視部26,第1比較部27,適用指示部28,転送部29a,29b,第2比較部30,及び格納処理部31としての機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が所定のアプリケーションプログラム(制御ファーム適用プログラム)を実行することによって実現されてもよい。
【0075】
そのプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RWなど),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RWなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体から制御ファーム適用プログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0076】
ここで、コンピュータとは、ハードウェアとOS(オペレーティングシステム)とを含む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、OSが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえている。
【0077】
上記制御ファーム適用プログラムとしてのアプリケーションプログラムは、上述のようなコンピュータに、アクセス制御部23,取得部25,監視部26,第1比較部27,適用指示部28,転送部29a,29b,第2比較部30,及び格納処理部31としての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラムではなくOSによって実現されてもよい。
【0078】
なお、本実施形態としての記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD,DVD,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等の、コンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することもできる。
【0079】
〔5〕付記
(付記1)
上位装置から送信されたデータを記憶する複数の記憶装置と、
前記記憶装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記記憶装置に適用される制御ファームを格納する格納部と、
前記制御ファームの適用対象となる記憶装置に対するアクセス状況を監視する監視部と、
前記監視部による監視結果に基づいて、前記適用対象の記憶装置についての前記制御ファームの適用を指示する適用指示部とを備え、
前記適用指示部からの指示に応じて、前記格納部に格納された前記制御ファームが前記適用対象の記憶装置に適用されることを特徴とするディスクアレイ装置。
【0080】
(付記2)
前記適用対象の記憶装置と前記制御部との間に複数のアクセス経路を備え、
前記適用指示部は、前記上位装置からのアクセス経路とは異なるアクセス経路を用いて、前記適用対象の記憶装置に前記制御ファームの適用を指示することを特徴とする付記1に記載のディスクアレイ装置。
【0081】
(付記3)
前記格納部に格納された前記制御ファームを前記適用対象の記憶装置に転送する転送部を備え、
前記転送部は、前記上位装置からのアクセス経路とは異なるアクセス経路を用いて、前記制御ファームを前記適用対象の記憶装置に転送することを特徴とする付記2に記載のディスクアレイ装置。
【0082】
(付記4)
前記転送部は、前記監視部による監視結果に基づいて、前記適用指示部による前記適用対象の記憶装置に対する適用指示の前に、前記制御ファームを当該記憶装置に転送することを特徴とする付記3に記載のディスクアレイ装置。
(付記5)
前記ディスクアレイ装置の運用中に交換された記憶装置の制御ファーム情報を取得する取得部と、
前記交換された記憶装置から取得された制御ファーム情報と、前記格納部に格納される制御ファームの制御ファーム情報とを比較する比較部とをさらに備え、
前記適用指示部は、前記比較部による比較結果に基づいて記憶装置に対する制御ファームの適用を指示することを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載のディスクアレイ装置。
【0083】
(付記6)
前記比較結果が、前記交換された記憶装置の制御ファームが前記格納部に格納される制御ファームよりも古い場合は、前記適用指示部は、前記交換された記憶装置に対して、前記格納部に格納されている制御ファームの適用を指示することを特徴とする付記5に記載のディスクアレイ装置。
【0084】
(付記7)
前記比較結果が、前記交換された記憶装置の制御ファームが前記格納部に格納される制御ファームよりも新しい場合は、前記交換された記憶装置の制御ファームを前記格納部に格納する格納処理部をさらに備えたことを特徴とする付記5または6に記載のディスクアレイ装置。
【0085】
(付記8)
前記適用指示部は、前記格納処理部によって前記格納部に格納された制御ファームの適用を、当該制御ファームよりも古い制御ファームが稼働している記憶装置に対して指示することを特徴とする付記7に記載のディスクアレイ装置。
(付記9)
上位装置から送信されたデータを記憶する複数の記憶装置を備えたディスクアレイ装置における前記記憶装置への制御ファーム適用方法であって、
前記記憶装置に適用される制御ファームを格納部に格納する格納ステップと、
前記制御ファームの適用対象となる記憶装置に対するアクセス状況を監視する監視ステップと、
前記監視ステップにおける監視結果に基づいて、前記適用対象の記憶装置についての前記制御ファームの適用を指示する適用指示ステップと、
前記適用指示ステップにおける指示に応じて、前記格納ステップにおいて格納された前記制御ファームを前記適用対象の記憶装置に適用する適用ステップとを備えたことを特徴とする制御ファーム適用方法。
【0086】
(付記10)
前記適用指示ステップは、前記上位装置からのアクセス経路とは異なる経路を用いて、前記適用対象の記憶装置に前記制御ファームの適用を指示することを特徴とする付記9に記載の制御ファーム適用方法。
(付記11)
前記ディスクアレイ装置が運用中に交換された記憶装置の制御ファーム情報を取得する取得ステップと、
前記交換された記憶装置から取得された制御ファーム情報と前記格納部に格納される制御ファームの制御ファーム情報とを比較する比較ステップとをさらに備え、
前記適用指示ステップは、前記比較ステップにおける比較結果に基づいて記憶装置に対する制御ファームの適用を指示することを特徴とする付記9または10に記載の制御ファーム適用方法。
【0087】
(付記12)
前記適用指示ステップは、前記比較結果が、前記交換された記憶装置の制御ファームが前記格納部に格納される制御ファームよりも古い場合は、前記交換された記憶装置に対して前記格納部に格納されている制御ファームの適用指示を行なうことを特徴とする付記11に記載の制御ファーム適用方法。
【0088】
(付記13)
前記適用指示ステップは、前記比較結果が、前記交換された記憶装置の制御ファームが前記格納部に格納される制御ファームよりも新しい場合は、前記交換された記憶装置の制御ファームを前記格納部に格納する格納処理ステップをさらに備えたことを特徴とする付記11または12に記載の制御ファーム適用方法。
【0089】
(付記14)
前記適用指示ステップは、前記格納処理ステップにおいて前記格納部に格納された制御ファームの適用を、当該制御ファームよりも古い制御ファームが稼働している記憶装置に対して指示することを特徴とする付記13に記載の制御ファーム適用方法。
(付記15)
上位装置から送信されたデータを記憶する複数の記憶装置を有するディスクアレイ装置における前記記憶装置の制御ファームの適用を制御する制御ファーム適用制御部であって、
前記記憶装置に適用される制御ファームを格納する格納部と、
前記制御ファームの適用対象となる記憶装置に対するアクセス状況を監視する監視部と、
前記監視結果に基づいて、前記適用対象の記憶装置についての前記制御ファームの適用を指示する適用指示部とを備えたことを特徴とする制御ファーム適用制御部。
【0090】
(付記16)
前記適用指示部は、前記上位装置からのアクセス経路とは異なる経路を用いて、適用対象の記憶装置に前記制御ファームの適用を指示することを特徴とする付記15に記載の制御ファーム適用制御部。
(付記17)
前記ディスクアレイ装置の運用中に交換された記憶装置の制御ファーム情報を取得する取得部と、
前記交換された記憶装置から取得された制御ファーム情報と前記格納部に格納される制御ファームの制御ファーム情報とを比較する比較部とをさらに備え、
前記適用指示部は、前記比較結果に基づいて記憶装置に対するファーム適用を指示することを特徴とする付記15または16に記載の制御ファーム適用制御部。
【0091】
(付記18)
前記比較結果が、前記交換された記憶装置の制御ファームが前記格納部に格納される制御ファームよりも古い場合は、前記適用指示部は、前記交換された記憶装置に対して、前記格納部に格納されている制御ファームの適用を指示することを特徴とする付記17に記載の制御ファーム適用制御部。
【0092】
(付記19)
前記比較結果が、前記交換された記憶装置の制御ファームが前記格納部に格納される制御ファームよりも新しい場合は、前記交換された記憶装置の制御ファームを前記格納部に格納する格納処理部をさらに備えたことを特徴とする付記17または18に記載の制御ファーム適用制御部。
【0093】
(付記20)
前記適用指示部は、前記格納処理部によって前記格納部に格納された制御ファームの適用を、当該制御ファームよりも古い制御ファームが稼働している記憶装置に対して指示することを特徴とする付記19に記載の制御ファーム適用制御部。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1〜3実施形態としてのディスクアレイ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1,2実施形態としてのディスクアレイ装置の要部構成を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態としての制御ファーム適用方法の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態としての制御ファーム適用方法の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態としての制御ファーム適用方法の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3実施形態としてのディスクアレイ装置の要部構成を示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態としての制御ファーム適用方法の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の変形例としての制御ファーム適用方法の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
1a〜c ディスクアレイ装置
2 ホスト(上位装置)
3,3−0〜n,4,4−0〜m HDD(Hard Disk Drive;記憶装置)
5,5−1,5−2,6,6−1,6−2 アクセス経路
7 メモリ
8 制御部
10a〜c 制御装置
11−1,11−2 CA(Channel Adapter)
12−1,12−2 FC(Fiber Channel)
20a〜c ディスクアレイコントローラ(制御部;制御ファーム適用制御部)
21 CPU(Central Processing Unit)
22 キャッシュメモリ
23 アクセス制御部
24 格納部
25 取得部
26 監視部
27 第1比較部
28 適用指示部
29a,29b 転送部
30 第2比較部(比較部)
31 格納処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位装置から送信されたデータを記憶する複数の記憶装置と、
前記記憶装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記記憶装置に適用される制御ファームを格納する格納部と、
前記制御ファームの適用対象となる記憶装置に対するアクセス状況を監視する監視部と、
前記監視部による監視結果に基づいて、前記適用対象の記憶装置についての前記制御ファームの適用を指示する適用指示部とを備え、
前記適用指示部からの指示に応じて、前記格納部に格納された前記制御ファームが前記適用対象の記憶装置に適用されることを特徴とするディスクアレイ装置。
【請求項2】
前記適用対象の記憶装置と前記制御部との間に複数のアクセス経路を備え、
前記適用指示部は、前記上位装置からのアクセス経路とは異なるアクセス経路を用いて、前記適用対象の記憶装置に前記制御ファームの適用を指示することを特徴とする請求項1に記載のディスクアレイ装置。
【請求項3】
前記ディスクアレイ装置の運用中に交換された記憶装置の制御ファーム情報を取得する取得部と、
前記交換された記憶装置から取得された制御ファーム情報と、前記格納部に格納される制御ファームの制御ファーム情報とを比較する比較部とをさらに備え、
前記適用指示部は、前記比較部による比較結果に基づいて記憶装置に対する制御ファームの適用を指示することを特徴とする請求項1または2に記載のディスクアレイ装置。
【請求項4】
前記比較結果が、前記交換された記憶装置の制御ファームが前記格納部に格納される制御ファームよりも古い場合は、前記適用指示部は、前記交換された記憶装置に対して、前記格納部に格納されている制御ファームの適用を指示することを特徴とする請求項3に記載のディスクアレイ装置。
【請求項5】
前記比較結果が、前記交換された記憶装置の制御ファームが前記格納部に格納される制御ファームよりも新しい場合は、前記交換された記憶装置の制御ファームを前記格納部に格納する格納処理部をさらに備えたことを特徴とする請求項3または4に記載のディスクアレイ装置。
【請求項6】
前記適用指示部は、前記格納処理部によって前記格納部に格納された制御ファームの適用を、当該制御ファームよりも古い制御ファームが稼働している記憶装置に対して指示することを特徴とする請求項5に記載のディスクアレイ装置。
【請求項7】
上位装置から送信されたデータを記憶する複数の記憶装置を備えたディスクアレイ装置における前記記憶装置への制御ファーム適用方法であって、
前記記憶装置に適用される制御ファームを格納部に格納する格納ステップと、
前記制御ファームの適用対象となる記憶装置に対するアクセス状況を監視する監視ステップと、
前記監視ステップにおける監視結果に基づいて、前記適用対象の記憶装置についての前記制御ファームの適用を指示する適用指示ステップと、
前記適用指示ステップにおける指示に応じて、前記格納ステップにおいて格納された前記制御ファームを前記適用対象の記憶装置に適用する適用ステップとを備えたことを特徴とする制御ファーム適用方法。
【請求項8】
上位装置から送信されたデータを記憶する複数の記憶装置を有するディスクアレイ装置における前記記憶装置の制御ファームの適用を制御する制御ファーム適用制御部であって、
前記記憶装置に適用される制御ファームを格納する格納部と、
前記制御ファームの適用対象となる記憶装置に対するアクセス状況を監視する監視部と、
前記監視結果に基づいて、前記適用対象の記憶装置についての前記制御ファームの適用を指示する適用指示部とを備えたことを特徴とする制御ファーム適用制御部。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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