ディスクドライブ
【課題】記録ディスクの引き込み完了を検出するアームに加える2方向の力を簡単な構成により作り出す。
【解決手段】トリガープレート46が後部位置P1に位置するときには、イジェクトアーム41の左側端部に形成された押動制御部44がトリガープレート46のトリガーピン47と接している。このとき、イジェクトアーム41を反時計回りに回動させると、押動制御部44がトリガーピン47を押し、トリガープレート46が前方向に移動し、ばね49が伸びる。したがって、ばね49により、イジェクトアーム41を時計回りに回動させるような引っ張り力が作り出される。一方、トリガープレート46がピニオン66により前部位置P3まで前進すると、押動制御部44とトリガーピン47とが離れ、ばね49が伸び、イジェクトアーム41を反時計回りに回動させるような引っ張り力が作り出される。
【解決手段】トリガープレート46が後部位置P1に位置するときには、イジェクトアーム41の左側端部に形成された押動制御部44がトリガープレート46のトリガーピン47と接している。このとき、イジェクトアーム41を反時計回りに回動させると、押動制御部44がトリガーピン47を押し、トリガープレート46が前方向に移動し、ばね49が伸びる。したがって、ばね49により、イジェクトアーム41を時計回りに回動させるような引っ張り力が作り出される。一方、トリガープレート46がピニオン66により前部位置P3まで前進すると、押動制御部44とトリガーピン47とが離れ、ばね49が伸び、イジェクトアーム41を反時計回りに回動させるような引っ張り力が作り出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばDVDドライブ、CD(Compact Disc)ドライブなどのディスクドライブに関する。
【背景技術】
【0002】
DVD、CD、ブルーレイディスク、磁気ディスクなどの記録ディスクに対し、情報の読み取りまたは記録を行うディスクドライブは、ディスクプレーヤ、ディスクレコーダ、オーディオシステム、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステムなど様々な装置に用いられている。
【0003】
ディスクドライブには、一般的な光ディスクドライブのように、記録ディスクを着脱することができるタイプと、一般的なハードディスクドライブのように、記録ディスクを着脱することができないタイプがある。さらに、記録ディスクを着脱することができるタイプのディスクドライブには、記録ディスクの着脱方式に関し、スロットイン方式、ドロアー方式、トレー方式などがある。
【0004】
スロットイン方式のディスクドライブの中には、ローディング時にはローディングアームを用いて記録ディスクをディスクドライブ内へ引き込み、イジェクト時には、イジェクトアームを用いて記録ディスクをディスクドライブの外側に向けて押し出す構造を備えたものがある。
【0005】
このようなタイプのディスクドライブのローディング時の動作は例えば次の通りである。ユーザーが記録ディスクをディスクスロットに挿入すると、記録ディスクの周縁が各ローディングアームの先端部に設けられたローラーに接触し、これによりローディングアームが押され、ローディングアームがわずかに回動する。これをきっかけにモーターが始動し、ローラーが回転を始める。そして、ローラーの回転により、記録ディスクがディスクドライブ内に引き込まれる。記録ディスクが引き込まれるに従って、ローディングアームがさらに回動し、ローディングアームが開いていく。記録ディスクが引き込み完了位置に近づくと、ディスクドライブの奥(内部後ろ側)に設けられたイジェクトアームの先端部に記録ディスクが接触し、これによりイジェクトアームが押され、イジェクトアームが回動する。記録ディスクが引き込み完了位置、すなわちターンテーブル上のクランプ位置に到達すると、イジェクトアームが所定角度回動し、これにより記録ディスクが引き込み完了位置に到達したことが検出される。この検出に基づいて記録ディスクがクランプされる。そして、クランプ動作完了時に、ローディングアームおよびイジェクトアームが記録ディスクの周縁から離れる。この後、モーターが停止し、ローラーの回転が止まる。これにより、記録ディスクはターンテーブル上で高速回転可能な状態になる。
【0006】
また、このようなタイプのディスクドライブのイジェクト動作は、例えば次の通りである。ディスクドライブ内にクランプされた記録ディスクをイジェクト(排出)する旨の指示が発せられると、モーターが始動し、ローラーが回転を始める。そして、クランプが解除され、イジェクトアームとローディングアームが記録ディスクの周縁に接触する。さらに、イジェクトアームが記録ディスクをディスクスロットに向けて押し出す。そして、ローラーの回転により、記録ディスクがディスクスロットを通じてディスクドライブの外側に向けて搬送される。記録ディスクが搬送されるに従って、ローディングアームが回動し、ローディングアームが閉じていく。記録ディスクがディスクスロット近傍の適切な停止位置に到達すると、モーターが停止し、ローラーの回転が止まる。これにより、記録ディスクは、ディスクスロット近傍の適切な位置に停止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、イジェクトアームは、ローディング時には、一端側を記録ディスクの後ろ側周縁に接触させることにより記録ディスクの引き込み完了を検出し、クランプ時には、一端側を記録ディスクの後ろ側周縁から離し、記録ディスクがターンテーブル上で高速回転可能な状態を作り出す。
【0008】
したがって、ローディング時には、イジェクトアームの一端側を記録ディスクの後ろ側周縁に接触させるため、イジェクトアームの一端側が前進する方向にイジェクトアームが回動するようにイジェクトアームに力を加えることが望ましい。
【0009】
一方、クランプ時には、イジェクトアームの一端側を記録ディスクの後ろ側周縁から離すために、イジェクトアームの一端側が後退する方向にイジェクトアームが回動するようにイジェクトアームに力を加えることが望ましい。
【0010】
すなわち、イジェクトアームに加える力の方向は、ローディング時とクランプ時とで逆である。
【0011】
イジェクトアームへのこのような力の付与は、ばねを用いて行うことが多い。イジェクトアームに力を加える方向がローディング時とクランプ時とで逆であるとすれば、複数のばねを用いて、これらのばねによる付勢をローディング時とクランプ時とで切り替えるなどといった複雑な構造を採用しなければならないおそれがある。
【0012】
ディスクドライブの構造が複雑化すると、部品点数の削減、ディスクドライブの小型化、薄型化、軽量化あるいは製造コストの削減が困難になるおそれがある。
【0013】
本発明は上記に例示したような問題点に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、記録ディスクの引き込み完了を検出するアームに加える2方向の力を簡単な構成により作り出すことができるディスクドライブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために請求項1に記載のディスクドライブは、記録ディスクに対して情報の読み取りまたは記録を行うディスクドライブであって、基板と、前記基板に支軸を介して回動可能に支持され、前記支軸から左右方向一方側に伸張し、ローディング時には前記記録ディスクの後ろ側周縁に接触することにより前記記録ディスクの引き込み完了を検出する第1端部と、前記支軸から左右方向他方側に伸張する第2端部と、前記支軸と前記第2端部との間に形成されたばね接続部とを備えたアームと、前記基板に前後方向に移動可能に支持され、後部位置から中間位置を通過して前部位置に至るまで前方向に移動する移動部材と、前記アームの第2端部に設けられ、前記アームの回動により生じる前記第2端部の前進により、前記移動部材を前記後部位置から中間位置まで押し動かす押動制御部と、前記押動制御部により前記中間位置まで押し動かされた前記移動部材を前記中間位置から前記前部位置まで搬送する搬送機構と、一端側が前記アームのばね接続部に接続され、他端側が前記移動部材に接続され、前記移動部材が前方向に移動したときに、前記アームのばね接続部を引っ張るばねとを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
(ディスクドライブの全体的な構成および動作)
図1は、本発明のディスクドライブの実施形態を示している。図1中のディスクドライブ10は、例えばDVD、CD、ブルーレイディスクなどの記録ディスクに対し、情報の読み取りまたは記録を行う装置である。ディスクドライブ10は、記録ディスクを着脱することができるタイプであり、また、記録ディスクの着脱方式についてスロットイン方式を採用している。
【0017】
ディスクドライブ10は、互いに直径の異なる複数種類の記録ディスクに対して情報の読み取りまたは記録を行うことができる。例えば、直径が8cmの記録ディスク1(図2参照)と直径が12cmの記録ディスク2(図7参照)との双方に対して情報の読み取りまたは記録を行うことができる。
【0018】
図1に示すように、ディスクドライブ10の外殻は、シャーシ11およびフロントカバー12により構成されている。
【0019】
シャーシ11は例えば金属材料により形成され、底板を有し、必要に応じて側板、天井板を有している。
【0020】
フロントカバー12は例えば樹脂材料により形成されている。フロントカバー12にはディスクスロット13が形成されている。ディスクスロット13は、記録ディスクのローディングおよびイジェクトを行うときに記録ディスクを通過させる溝である。
【0021】
なお、以下の説明では、図1中の矢示X方向を左右方向といい、矢示Y方向を前後方向といい、矢示Z方向を上下方向という。
【0022】
図2は、ディスクドライブ10の内部を示している。図2に示すように、ディスクドライブ10は、一対のローディングアーム21、21、ラックプレート31、セレクトプレート37、イジェクトアーム41、トリガープレート46、第1シフトバー51、第2シフトバー55、トラバースメカ61、モーター65、ピニオン66、スイッチユニット69および制御回路75などを備えている。
【0023】
ローディングアーム21、21は、ディスクドライブ10前側のディスクスロット13近傍の位置に左右対称に配置されている。各ローディングアーム21は、支軸22を介してシャーシ11上に回動可能に支持されている。各ローディングアーム21は例えば樹脂材料または金属材料により形成されている。
【0024】
各ローディングアーム21の先端部上面にはローラー23が回転可能に取り付けられている。ローラー23はモーター65により回転する。左側のローラー23は記録ディスクの左側周縁と接触する。右側のローラー23は記録ディスクの右側周縁と接触する。
【0025】
ローディングアーム21、21は、ローラー23、23を介して記録ディスクを狭持し、記録ディスクの搬送を行う。ローディングアーム21、21は、記録ディスクの前進または後退に従って回動し、これによりローディングアーム21、21の先端側が開閉する。
【0026】
各ローディングアーム21の軸部下面にはギア24が固定されている。左側のギア24はピニオン25を介してラックプレート31の左側のラック部31Aに噛み合っている。右側のギア24はラックプレート31の右側のラック部31Bに直接噛み合っている。これらのギア24、ピニオン25およびラック部31A、31Bは、各ローディングアーム21の回動をラックプレート31の左右方向の移動に変換する。具体的には、各ローディングアーム21が開くときの各ローディングアーム21の回動をラックプレート31の左方向の移動に変換し、各ローディングアーム21が閉じるときの各ローディングアーム21の回動をラックプレート31の右方向の移動に変換する。
【0027】
ラックプレート31は、ディスクドライブ10前側のディスクスロット13近傍に位置し、シャーシ11とローディングアーム21、21との間に配置されている。ラックプレート31は、シャーシ11に左右方向に移動可能に支持されている。ラックプレート31は例えば金属材料により形成されている。ラックプレート31には一対のラック部31A、31Bが形成されている。
【0028】
また、ラックプレート31の右側後部にはスイッチングエッジ32が形成されている。スイッチングエッジ32は左右方向に直線状に伸張している。ラックプレート31の左右方向の移動によりスイッチングエッジ32が左右方向に移動すると、スイッチングエッジ32と第1スイッチ71の切り替えレバーとの接触の有無が変わり、これにより第1スイッチ71のオン、オフが切り替わる。また、ラックプレート31の左右方向の移動によりスイッチングエッジ32が左右方向に移動すると、スイッチングエッジ32と第2スイッチ72の切り替えレバーとの接触の有無が変わり、これにより第2スイッチ72のオン、オフが切り替わる。
【0029】
また、ラックプレート31の左側後部にはセレクトカム溝33が形成されている。セレクトカム溝33内にはセレクトプレート37のセレクトピン38が挿入されている。また、ラックプレート31の左側後部には2個の退避制御溝、すなわち第1退避制御溝34および第2退避制御溝35が形成されている。ラックプレート31が左方向に移動し、かつ第1シフトバー51が前方向に移動したときに、第1シフトバー51の退避制御ピン53が退避制御溝34、35のいずれかに進入する。
【0030】
セレクトプレート37は、ディスクドライブ10左側に配置されている。セレクトプレート37は、シャーシ11に固定されたモーターブランケット(図示せず)に前後方向に移動可能に支持されている。これにより、セレクトプレート37はシャーシ11に対し前後方向に移動可能である。セレクトプレート37は例えば金属材料により形成されている。ディスクドライブ10の左側には、いくつかの部材が上下方向に重なり合っている。セレクトプレート37は、概ね、ラックプレート31、トリガープレート46および第2シフトバー55の下方に位置し、ピニオン66の上方に位置する。
【0031】
セレクトプレート37の前側上面にはセレクトピン38が設けられている。セレクトピン38の一端側は上向きに伸び、ラックプレート31のセレクトカム溝33に挿入され、他端側はセレクトプレート37に固定されている。セレクトピン38およびセレクトカム溝33は、ラックプレート31の左右方向の移動をセレクトプレート37の前後方向の移動に変換する。具体的には、セレクトピン38およびセレクトカム溝33は、ラックプレート31の左方向の移動をセレクトプレート37の後ろ方向の移動に変換し、ラックプレート31の右方向の移動をセレクトプレート37の前方向の移動に変換する。
【0032】
また、セレクトプレート37の後ろ側上面には、イジェクトアーム41の回動を規制するストッパー39が設けられている。ストッパー39の上端側は上向きに伸び、下端側はセレクトプレート37に形成された貫通溝91(図12参照)内を通過して、図示しないモーターブランケットに固定されている。
【0033】
イジェクトアーム41は、ローディング時には一端側が記録ディスクの後ろ側周縁に接触することにより記録ディスクの引き込み完了を検出し、イジェクト時には一端側が記録ディスクの後ろ側周縁を押すことにより記録ディスクを前方向に移動させる。イジェクトアーム41は、セレクトプレート37の後部上面上に回動可能に支持されている。イジェクトアーム41は例えば金属材料または樹脂材料により形成されている。イジェクトアーム41は支軸42を中心に回動する。イジェクトアーム41の支軸42はセレクトプレート37の前後方向の移動に伴って前後方向に移動する。イジェクトアーム41の一端側上面には接触部材43が取り付けられている。接触部材43は記録ディスクの周縁と接触する。
【0034】
また、イジェクトアーム41の他端側には押動制御部44が形成されている。押動制御部44は、イジェクトアーム41が後ろ方向に回動すると前方向に移動し、トリガープレート46のトリガーピン47を押し、これによりトリガープレート46を前方向に押し動かす。
【0035】
トリガープレート46は、セレクトプレート37の後部上方に位置し、シャーシ11に固定されたモーターブランケット(図示せず)に前後方向に移動可能に取り付けられている。トリガープレート46は例えば金属材料により形成されている。トリガープレート46は、セレクトプレート37上方でセレクトプレート37に対して前後方向に移動することができる。また、トリガープレート46は、セレクトプレート37に支軸42を介して回動可能に取り付けられたイジェクトアーム41とコイルばね49を介して接続されている。このため、トリガープレート46はセレクトプレート37の前後方向の移動に伴って、イジェクトアーム41といっしょに前後方向に移動する。
【0036】
トリガープレート46は、セレクトプレート37およびイジェクトアーム41の上方に覆い被さるように配置されている。もっとも、トリガープレート46の前側右縁部に形成されたラック部46Aは、トリガープレート46からセレクトプレート37の右縁近傍を降りてセレクトプレート37の下方に潜り込んでいる。ラック部46Aは、トリガープレート46が前進したときに、セレクトプレート37の下方に配置されたピニオン66と噛み合う。
【0037】
トリガープレート46の後ろ側下面にはトリガーピン47が設けられている。トリガーピン47の一端側は下向きに伸び、他端側はトリガープレート46の下面に固定されている。トリガーピン47の一端側は、イジェクトアーム41の押動制御部44と接触可能な位置まで伸びている。
【0038】
また、トリガープレート46の前側右縁部には第1伝達ピン48が設けられている。伝達ピン48の一端側は右方向に伸び、第1シフトバー51の伝達溝51Aに挿入されている。伝達ピン48の他端側はトリガープレート46の右縁部に固定されている。
【0039】
イジェクトアーム41とトリガープレート46との間にはコイルばね49が取り付けられている。コイルばね49は、イジェクトアーム41の他端側を前方向に引っ張っている。
【0040】
第1シフトバー51は、シャーシ11上に前後方向に移動可能に支持されている。シフトバー51は例えば樹脂材料により形成され、例えば金属プレートであるラックプレート31やセレクトプレート37よりも肉厚である。
【0041】
第1シフトバー51の左側側面には伝達溝51Aが形成されている。伝達溝51Aは、前後方向にシャーシの底板に対しほぼ平行に伸張している。伝達溝51Aにはトリガープレート46の伝達ピン48が挿入されている。また、シフトバー51の前側上面には第2伝達ピン52が設けられている。伝達ピン52の一端側は上方に伸び、第2シフトバー55の伝達スロット55Aに挿入されており、他端側はシフトバー51の上面に固定されている。また、第1シフトバー51の前側上面には退避制御ピン53が設けられている。退避制御ピン53の一端側はラックプレート31の退避制御溝34、35と接触可能な位置まで上方に伸び、他端側はシフトバー51の上面に固定されている。退避制御ピン53は、ラックプレート31が左方向に移動し、かつ第1シフトバー51が前方向に移動したときに、ラックプレート31の退避制御溝34、35のいずれかに進入する。退避制御ピン53および退避制御溝34、35は、クランプ時に、ローディングの過程で左方向に移動したラックプレート31をさらに左方向に移動させる。
【0042】
第2シフトバー55は、シャーシ11上に左右方向に移動可能に支持されている。シフトバー55は例えば樹脂材料により形成され、例えば金属プレートであるラックプレート31やセレクトプレート37よりも肉厚である。
【0043】
第2シフトバー55の左側端部には伝達スロット55Aが形成されている。伝達スロット55Aには第1シフトバー51の第2伝達ピン52が挿入されている。また、第2シフトバー55の後ろ側側面には昇降溝55Bが形成されている。昇降溝55Bは、シフトバー55の左右方向の移動によりトラバースメカ61を昇降させるためのカム溝であり、右端が低位置にあり、左端が高位置にある。昇降溝55Bにはトラバースメカ61に取り付けられた昇降ピン64が挿入されている。
【0044】
また、第2シフトバー55の右側端部にはスイッチングスティック56が形成されている。スイッチングスティック56は左右方向に直線状に伸張している。シフトバー55の左右方向の移動によりスイッチングスティック56が左右方向に移動すると、スイッチングスティック56と第3スイッチ73の切り替えレバーとの接触の有無が変わり、これにより第3スイッチ73のオン、オフが切り替わる。
【0045】
トラバースメカ61には、ターンテーブル62および光ピックアップ63などが設けられている。モーター65は、ピニオン66を回転駆動すると共に、各ローディングアーム21のローラー23を回転駆動する。ピニオン66は、セレクトプレート37の下方に配置されている。上述したようにセレクトプレート37およびトリガープレート46は前後方向に移動するが、ピニオン66の軸は不動である。ピニオン66は、クランプ動作時にモーター65の動力をトリガープレート46に伝達し、第2シフトバー55、第1シフトバー51、トラバースメカ61などを移動させる。
【0046】
なお、トリガープレート46、第1シフトバー51、第2シフトバー55、昇降ピン64、モーター65、ピニオン66、ターンテーブル62、ターンテーブル62に対向するようにターンテーブル62の上方に設けられたクランパー(図示せず)などによりクランプ機構が構成されている。
【0047】
スイッチユニット69は、ディスクドライブ10の右側に配置されている。スイッチユニット69はスイッチ基板70、第1スイッチ71、第2スイッチ72、第3スイッチ73および配線を備えている。スイッチ71ないし73および配線は、スイッチ基板70上に設けられている。
【0048】
各スイッチ71、72、73には切り替えレバーが設けられている。切り替えレバーを押し込むとスイッチがオンになる。切り替えレバーを離すと切り替えレバーが自動的に起きあがり、スイッチがオフになる。第1スイッチ71および第2スイッチ72の切り替えレバーは、ラックプレート31のスイッチングエッジ32が接触することにより押し込まれる。すなわち、第1スイッチ71および第2スイッチ72は、スイッチングエッジ32との接触の有無により、オン、オフが切り替わる。一方、第3スイッチ73の切り替えレバーは、第2シフトバー55のスイッチングスティック56が接触することにより押し込まれる。すなわち、第3スイッチ73は、スイッチングスティック56との接触の有無により、オン、オフが切り替わる。
【0049】
制御回路75は、スイッチ71ないし73のオン・オフ状態などに基づいて、ローディング時、クランプ時およびイジェクト時におけるモーター65の駆動を制御する。具体的には、制御回路75は、スイッチ71ないし73からそれぞれ出力される出力信号を受け取る。そして、制御回路75は、モーター65を駆動するための駆動信号をモーター65に出力する。
【0050】
さらに、制御回路75には、ディスク識別回路76が含まれている。ディスク識別回路76は、記録ディスクの位置がクランプ位置であるときの第2スイッチ72のオン・オフ状態を用いて、この記録ディスクの種類を識別する。ディスク識別回路76は、記録ディスクの種類の識別結果を示す識別信号を出力する。この識別信号は制御回路75においてモーター65の駆動制御に用いられる。
【0051】
直径8cmの記録ディスク1がディスクドライブ10に挿入されたとき、ディスクドライブ10は例えば次のように動作する。
【0052】
図3に示すように、記録ディスク1がディスクドライブ10に挿入されると、記録ディスク1の周縁が各ローディングアーム21のローラー23に接触し、各ローディングアーム21を後ろ方向に押す。これにより、各ローディングアーム21が開く。各ローディングアーム21が開くと、ギア24、ピニオン25およびラック部31A、31Bの噛合により、ラックプレート31が左方向に移動する。ラックプレート31が移動すると、スイッチングエッジ32が第1スイッチ71の切り替えレバーから離れ、第1スイッチ71がオンからオフに切り替わる。これに応じて制御回路75はモーター65の駆動を開始させる。これにより、各ローディングアーム21のローラー23が回転を始め、ローラー23の回転により記録ディスク1がディスクドライブ10の内部へ引き込まれる。
【0053】
記録ディスク1が引き込まれ、記録ディスク1が後ろ方向に搬送されるにしたがって、各ローディングアーム21がさらに開き、ラックプレート31が左方向にさらに移動する。やがて記録ディスク1の後ろ側周縁がイジェクトアーム41の接触部材43に接触し、イジェクトアーム41の一端側を後退させる。イジェクトアーム41の一端側が後退すると、イジェクトアーム41の他端側が前進し、イジェクトアーム41の押動制御部44がトリガーピン47を押し、トリガープレート46を前進させる。
【0054】
図4に示すように、記録ディスク1がクランプ位置まで搬送され、これによりイジェクトアーム41の一端側が所定の位置まで後退すると、押動制御部44の前進によりトリガープレート46が所定の位置まで前進する。トリガープレート46が所定の位置まで前進すると、トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合う。ピニオン66は、モーター65が駆動している間は常に回転している。トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合うと、ピニオン66の回転により、トリガープレート46がさらに前進する。すなわち、トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合った瞬間、トリガープレート46を前進させる動力源が、押動制御部44の押圧力からピニオン66の回転に切り替わる。
【0055】
図5に示すように、トリガープレート46が前進し、トリガープレート46の伝達ピン48が第1シフトバー51の伝達溝51A中のストッパー(例えば伝達溝51A前端内壁)に当たると、第1シフトバー51も前進する。第1シフトバー51が前進すると、第1シフトバー51の伝達ピン52により第2シフトバー55が右方向に移動する。第2シフトバー55が右方向に移動すると、スイッチングスティック56も右方向に移動する。これにより、スイッチングスティック56の右端が第3スイッチ73の切り替えレバーに接触し、第3スイッチ73がオフからオンに切り替わる。第3スイッチ73がオフからオンに切り替わると、制御回路75はモーター65の駆動を停止する。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転およびピニオン66の回転が止まる。
【0056】
また、第2シフトバー55が右方向に移動すると、第2シフトバー55の昇降溝55Bに挿入された昇降ピン64が持ち上がり、これに伴ってトラバースメカ61が上昇する。これにより、記録ディスク1がターンテーブル62とターンテーブル62の上方に配置されたクランパー(図示せず)との間にクランプされる。
【0057】
また、このとき、第1シフトバー51の前進により、第1シフトバー51の退避制御ピン53がラックプレート31の第1退避制御溝34に進入する。そして、退避制御ピン53が第1退避制御溝34の傾斜縁を押すことにより、ラックプレート31が左方向にさらに移動する。これにより、各ローディングアーム21がさらに開き、各ローディングアーム21のローラー23が記録ディスク1の周縁から離れ、各ローディングアーム21のローラー23と記録ディスク1の周縁との間に適切なクリアランスが確保される。
【0058】
さらに、退避制御ピン53の第1退避制御溝34への進入によりラックプレート31が左方向に移動すると、セレクトプレート37のセレクトピン38がセレクトカム溝33の左右方向中央付近に形成された傾斜溝部の一部によりわずかに後ろ方向に押され、セレクトプレート37が小さく後退する。セレクトプレート37が小さく後退すると、イジェクトアーム41の支軸42も小さく後退する。このとき、イジェクトアーム41の他端側は、トリガープレート46の前進により伸張したコイルばね49により引っ張られている。このため、イジェクトアーム41は反時計回りに回動し、イジェクトアーム41の一端側が後退し、イジェクトアーム41の接触部材43が記録ディスク1の周縁から離れる。これにより、イジェクトアーム41の接触部材43と記録ディスク1の周縁との間に適切なクリアランスが確保される。
【0059】
図5に示すように、記録ディスク1のクランプが完了し、イジェクトアーム41および各ローディングアーム21の退避が完了すると、図示しないスピンドルモーター65が駆動を開始し、ターンテーブル62が回転し、記録ディスク1が回転する。そして、光ピックアップ63により記録ディスク1に対し、情報の読み取りまたは記録が行われる。
【0060】
記録ディスク1に対する情報の読み取りまたは書き込みが終了し、記録ディスク1をイジェクトする旨の指示が与えられたときには、この指示に応じてモーター65が始動する。このときのモーター65の回転方向は、ローディング時とは逆の方向である。そして、ピニオン66が逆回転を始め、これにより、第1シフトバー51およびトリガープレート46が後退する。さらに、第2シフトバー55が左方向に移動し、スイッチングスティック56が左方向に移動し、スイッチングスティック56が第3スイッチ73の切り替えレバーから離れ、第3スイッチ73がオンからオフに切り替わる。さらに、トラバースメカ61が下降する。さらに、第1シフトバー51の退避制御ピン53がラックプレート31の第1退避制御溝34から退出し、ラックプレート31が図示しないばねの力により右方向に移動する。これにより各ローディングアーム21が閉じ、各ローディングアーム21のローラー23が記録ディスク1の周縁に接触する。さらに、トリガープレート46の後退により、イジェクトアーム41が時計回りに回動し、イジェクトアーム41の一端側が前進し、接触部材43が記録ディスク1の周縁に接触する。また、モーター65の回転開始により各ローラー23が逆回転を開始する。
【0061】
そして、記録ディスク1は、イジェクトアーム41の接触部材43により押され、さらに各ローディングアーム21のローラー23の逆回転により前方向に搬送される。
【0062】
図6に示すように、記録ディスク1が前方向に搬送されるにしたがって、各ローディングアーム21の先端側が閉じ、ラックプレート31が右方向に移動する。そして、ラックプレート31のスイッチングエッジ32が第1スイッチ71の切り替えレバーに接触し、第1スイッチ71がオフからオンに切り替わる。第1スイッチ71がオフからオンに切り替わると、制御回路75はモーター65の駆動を停止させる。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転が停止し、記録ディスク1がイジェクト完了位置に停止する。
【0063】
イジェクト完了位置は、例えば、いずれの記録ディスクにおいても、その表面面積のおよそ5分の3ないし4分の3程度に相当する部分がディスクスロット13から外に露出し、残りの部分がディスクドライブ10内に留まるような位置であることが望ましい。これにより、イジェクト時に、記録ディスクがディスクスロット13から外へ脱落するのを防止することができ、かつ、ユーザーがイジェクトされた記録ディスクを手で取り出しやすくすることができる。
【0064】
その後、イジェクト完了位置に停止している記録ディスク1をユーザーがディスクドライブ10内に再び押し込むと、これにより各ローディングアーム21が開き、ラックプレート31が左方向に移動し、第1スイッチ71がオンからオフに切り替わり、モーター65の駆動が開始される。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転が始まり、記録ディスク1がディスクドライブ10内に再び引き込まれる。
【0065】
直径12cmの記録ディスク2がディスクドライブ10に挿入されたとき、ディスクドライブ10は例えば次のように動作する。
【0066】
図7に示すように、記録ディスク2がディスクドライブ10に挿入されると、記録ディスク2の周縁が各ローディングアーム21のローラー23に接触し、各ローディングアーム21を後ろ方向に押す。これにより各ローディングアーム21が開く。各ローディングアーム21が開くと、ギア24、ピニオン25およびラック部31A、31Bの噛合により、ラックプレート31が左方向に移動する。ラックプレート31が移動すると、スイッチングエッジ32が第1スイッチ71の切り替えレバーから離れ、第1スイッチ71がオンからオフに切り替わる。これにより、制御回路75はモーター65の駆動を開始させる。これにより、各ローディングアーム21のローラー23が回転を始め、ローラー23の回転により記録ディスク2がディスクドライブ10の内部へ引き込まれる。
【0067】
図8に示すように、記録ディスク2が引き込まれ、記録ディスク2が後ろ方向に搬送されるにしたがって、ローディングアーム21がさらに開き、ラックプレート31が左方向にさらに移動する。そして、スイッチングエッジ32が第2スイッチ72の切り替えレバーから離れ、第2スイッチ72がオンからオフに切り替わる。制御回路75は、このときの第2スイッチ72の切り替わりにより動作を変更せず、それゆえ、モーター65は回転を続け、記録ディスク2の搬送が続く。
【0068】
直径12cmの記録ディスク2が搬送されるときのローディングアーム21、21の開きは、直径8cmの記録ディスク1が搬送されるときのローディングアーム21、21の開きよりも大きい。この結果、直径12cmの記録ディスク2が搬送されるときのラックプレート31の移動量は、直径8cmの記録ディスク1が搬送されるときのラックプレート31の移動量よりも大きい。このようにラックプレート31が左方向に大きく移動すると、ラックプレート31のセレクトカム溝33に挿入されているセレクトピン38が、セレクトカム溝33の左右方向中央付近に形成された傾斜溝部の全部により後ろ方向に大きく押され、セレクトプレート37が大きく後退する。これにより、イジェクトアーム41の支軸42が大きく後退し、トリガープレート46も大きく後退する。
【0069】
記録ディスク2の搬送が続くと、やがて記録ディスク2の後ろ側周縁がイジェクトアーム41の接触部材43に接触し、イジェクトアーム41の一端側を後退させる。イジェクトアーム41の一端側が後退すると、イジェクトアーム41の他端側が前進し、イジェクトアーム41の押動制御部44がトリガーピン47を押し、トリガープレート46を前進させる。
【0070】
図9に示すように、記録ディスク2がクランプ位置まで搬送され、これによりイジェクトアーム41の一端側が所定の位置まで後退すると、押動制御部44の前進によりトリガープレート46が所定の位置まで前進する。トリガープレート46が所定の位置まで前進すると、トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合う。トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合うと、ピニオン66の回転により、トリガープレート46がさらに前進する。
【0071】
図10に示すように、トリガープレート46が前進し、トリガープレート46の伝達ピン48が例えば第1シフトバー51の伝達溝51Aの前端内壁に当たると、第1シフトバー51も前進する。第1シフトバー51が前進すると、第1シフトバー51の伝達ピン52により第2シフトバー55が右方向に移動する。第2シフトバー55が右方向に移動すると、スイッチングスティック56も右方向に移動する。これにより、スイッチングスティック56の右端が第3スイッチ73の切り替えレバーに接触し、第3スイッチ73がオフからオンに切り替わる。第3スイッチ73がオフからオンに切り替わると、制御回路75はモーター65の駆動を停止する。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転およびピニオン66の回転が止まる。
【0072】
また、第2シフトバー55が右方向に移動すると、第2シフトバー55の昇降溝55Bに挿入された昇降ピン64が持ち上がり、これに伴ってトラバースメカ61が上昇する。これにより、記録ディスク2がターンテーブル62とターンテーブル62の上方に配置されたクランパー(図示せず)との間にクランプされる。
【0073】
また、このとき、第1シフトバー51の前進により、第1シフトバー51の退避制御ピン53がラックプレート31の第2退避制御溝35に進入する。そして、退避制御ピン53が第2退避制御溝35の傾斜縁を押すことにより、ラックプレート31が左方向にさらに移動する。これにより、各ローディングアーム21がさらに開き、各ローディングアーム21のローラー23が記録ディスク2の周縁から離れ、各ローディングアーム21のローラー23と記録ディスク2の周縁との間に適切なクリアランスが確保される。
【0074】
さらに、退避制御ピン53の第2退避制御溝35への進入によりラックプレート31が左方向に移動すると、セレクトプレート37のセレクトピン38が、セレクトカム溝33の右端部に形成された溝部により後ろ方向にわずかに押され、セレクトプレート37が小さく後退する。セレクトプレート37が小さく後退すると、イジェクトアーム41の支軸42も小さく後退する。このとき、イジェクトアーム41の他端側は、トリガープレート46の前進により伸張したコイルばね49により引っ張られている。このため、イジェクトアーム41は反時計回りに回動し、イジェクトアーム41の一端側が後退し、イジェクトアーム41の接触部材43が記録ディスク2の周縁から離れる。これにより、イジェクトアーム41の接触部材43と記録ディスク2の周縁との間に適切なクリアランスが確保される。
【0075】
図10に示すように、記録ディスク2のクランプが完了し、イジェクトアーム41および各ローディングアーム21の退避が完了すると、図示しないスピンドルモーター65が駆動を開始し、ターンテーブル62が回転し、記録ディスク2が回転する。そして、光ピックアップ63により記録ディスク2に対し、情報の読み取りまたは記録が行われる。
【0076】
記録ディスク2に対する情報の読み取りまたは書き込みが終了し、記録ディスク2をイジェクトする旨の指示が与えられたときには、この指示に応じてモーター65が始動する。このときのモーター65の回転方向は、ローディング時とは逆の方向である。そして、ピニオン66が逆回転を始め、これにより、第1シフトバー51およびトリガープレート46が後退する。さらに、第2シフトバー55が左方向に移動し、スイッチングスティック56が左方向に移動し、スイッチングスティック56が第3スイッチ73の切り替えレバーから離れ、第3スイッチ73がオンからオフに切り替わる。さらに、トラバースメカ61が下降する。さらに、第1シフトバー51の退避制御ピン53がラックプレート31の第2退避制御溝35から退出し、ラックプレート31が図示しないばねの力により右方向に移動する。これにより各ローディングアーム21が閉じ、各ローディングアーム21のローラー23が記録ディスク2の周縁に接触する。さらに、トリガープレート46の後退により、イジェクトアーム41が時計回りに回動し、イジェクトアーム41の一端側が前進し、接触部材43が記録ディスク2の周縁に接触する。また、モーター65の回転開始により各ローラー23が逆回転を開始する。
【0077】
そして、記録ディスク2は、イジェクトアーム41による押され、さらに各ローディングアーム21のローラー23の逆回転により前方向に搬送される。
【0078】
図11に示すように、記録ディスク2が前方向に搬送されるにしたがって、各ローディングアーム21の先端側が閉じ、ラックプレート31が右方向に移動する。そして、ラックプレート31のスイッチングエッジ32が第2スイッチ72の切り替えレバーに接触し、第2スイッチ72がオフからオンに切り替わる。第2スイッチ72がオフからオンに切り替わると、制御回路75はモーター65の駆動を停止させる。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転が停止し、記録ディスク2がイジェクト完了位置に停止する。
【0079】
その後、イジェクト完了位置に停止している記録ディスク2をユーザーがディスクドライブ10内に再び押し込むと、これにより各ローディングアーム21が開き、ラックプレート31が左方向に移動し、第2スイッチ72がオンからオフに切り替わり、モーター65の駆動が開始される。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転により、記録ディスク2がディスクドライブ10内に再び引き込まれる。
【0080】
(イジェクトアームへの力の付与)
図12は、3場面でのイジェクトアーム41の状態を示している。すなわち、図12中の左側は、記録ディスクがディスクドライブ10に挿入されていないときのイジェクトアーム41の状態を示している。図12中の中央は、例えば記録ディスク2が引き込み完了位置(クランプ位置)まで搬送されたときのイジェクトアーム41の状態を示している。図12中の右側は、クランプ時にイジェクトアーム41が記録ディスク2の周縁から離れたときのイジェクトアーム41の状態を示している。
【0081】
図12に示すように、イジェクトアーム41は、セレクトプレート37に支軸42を介して回動可能に支持されている。イジェクトアーム41の一端部は支軸42から右側に伸張している。イジェクトアーム41の一端部には接触部材43が取り付けられている。ローディング時において、イジェクトアーム41は、接触部材43を記録ディスクの後ろ側周縁に接触させることにより記録ディスクの引き込み完了を検出する。
【0082】
イジェクトアーム41の他端部は支軸42から左側に伸張している。イジェクトアーム41の他端部には押動制御部44が形成されている。イジェクトアーム41が反時計回りに回動してイジェクトアーム41の他端部が前進すると、押動制御部44はトリガープレート46のトリガーピン47を押し、トリガープレート46を後部位置P1から中間位置P2まで押し動かす。
【0083】
また、イジェクトアーム41の支軸42と他端部との間にはばね接続部81が形成されている。
【0084】
トリガープレート46は、シャーシ11に固定されたモーターブランケット(図示せず)に前後方向に移動可能に取り付けられている。トリガープレート46は、セレクトプレート37に対し、後部位置P1から中間位置P2を通過して前部位置P3に至るまで前方向に移動することができる。
【0085】
また、トリガープレート46は、トリガープレート46が後部位置P1から中間位置P2に存在するまでの間、押動制御部44と接するトリガーピン47を備えている。
【0086】
また、トリガープレート46は、トリガープレート46が前方向に移動して中間位置P2に到達したときに、ピニオン66と噛み合うラック部46Aを備えている。
【0087】
モーター65およびピニオン66は、押動制御部44により中間位置P2まで押し動かされたトリガープレート46を中間位置P2から前部位置P3まで搬送する。
【0088】
コイルばね49は、その一端側がイジェクトアーム41のばね接続部81に接続され、他端側がトリガープレート46のばね接続部82に接続されている。コイルばね49は、トリガープレート46が前方向に移動したときに、イジェクトアーム41のばね接続部81を前方向に引っ張る。
【0089】
図12左側に示すように、記録ディスクがディスクドライブ10に挿入されていないときには、コイルばね49により、イジェクトアーム41には、時計回り方向D1に回動するような力が加えられている。これにより、イジェクトアーム41の一端部の接触部材43は大きく前進しており、イジェクトアーム41の他端部の押動制御部44は大きく後退している。
【0090】
コイルばね49によりイジェクトアーム41にこのような力が付与されるのは、コイルばね49の端部が、イジェクトアーム41の支軸42と他端部(押動制御部44)とのほぼ中間位置に形成されたばね接続部81に接続されているからである。すなわち、イジェクトアーム41が反時計回りに回動すると、押動制御部44が前進し、同時にばね接続部81も前進する。さらに、押動制御部44の前進によりトリガープレート46が前進する。押動制御部44と支軸42との間の距離は、ばね接続部81と支軸42との間の距離よりも長いので、イジェクトアーム41が反時計回りに回動したときの押動制御部44の前進量は、ばね接続部81の前進量よりも多い。さらに、トリガープレート46は押動制御部44の前進量と同じ量前進するので、トリガープレート46の前進量は、ばね接続部81の前進量よりも多い。この結果、イジェクトアーム41が反時計回りに回動すると、コイルばね49が伸びる。コイルばね49が伸びると、コイルばね49により、トリガープレート46を後ろ方向に引き戻そうとする力が生じる。そして、トリガープレート46を後ろ方向に引き戻そうとする力は、トリガーピン47と押動制御部44との接触により、押動制御部44を後ろ方向に戻そうとする力となる。そして、この力は、トリガープレート41を時計回り方向D1に回動させる力となる。
【0091】
記録ディスク2がディスクドライブ10に挿入され、ローディングが開始されても、記録ディスク2が引き込み完了位置に到達しておらず、トリガープレート46が中間位置P2に到達しておらず、トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66とまだ噛み合っていない間は、イジェクトアーム41には、コイルばね49により、時計回り方向D1に回動するような力が加えられる。これにより、記録ディスク2がディスクドライブ10に挿入され、記録ディスク2の後ろ側周縁がイジェクトアーム41の接触部材43に接触してから、記録ディスク2が引き込み完了位置に到達するまでの間、イジェクトアーム41の接触部材43は、記録ディスク2の後ろ側周縁に、コイルばね49が作り出したD1方向の力をもって接触する。
【0092】
図12中央に示すように、記録ディスク2が引き込み完了位置まで搬送されると、記録ディスク2によりイジェクトアーム41の接触部材43が後ろ方向に押され、イジェクトアーム41がコイルばね49の付勢力に抗して反時計回りに回動する。これにより、押動制御部44がトリガーピン47を押し、トリガープレート46が中間位置P2まで前進する。トリガープレート46が中間位置P2まで前進すると、トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合う。このとき、ピニオン66はモーター65により回転している。ピニオン66の回転により、トリガープレート46が前部位置P3に向けて前進する。これにより、トリガーピン47が押動制御部44から離れる。この結果、イジェクトアーム41のばね接続部81がコイルばね49により前方向に引っ張られる。それゆえ、イジェクトアーム41には、コイルばね49により、反時計回り方向D2の力が与えられる。
【0093】
コイルばね49により反時計回り方向D2の力が与えられると、図12右側に示すように、イジェクトアーム41が反時計回り方向に回動する。そして、この回動は、イジェクトアーム41の他端側がストッパー39に接することにより止められる。この結果、イジェクトアーム41の接触部材43が記録ディスク2の後ろ側周縁から離れ、接触部材43と記録ディスク2の後ろ側周縁との間に適切なクリアランスが確保される。
【0094】
なお、ストッパー39は、上端側が上向きに伸び、下端側がセレクトプレート37に形成された貫通溝91を介して、図示しないモーターブランケットに固定されている。このため、イジェクトアームの一端側(接触部材43)の後退幅D8は、セレクトプレート37の後退幅D7よりも大きく、記録ディスク周辺に十分なクリアランスを与えることができる。
【0095】
なお、図12を用いて説明したイジェクトアーム41の状態および動作は、記録ディスク1がディスクドライブ10に挿入されたときでもほぼ同様である。
【0096】
以上説明した通り、ディスクドライブ10によれば、ローディング時にイジェクトアーム41に加えるべき力と、クランプ時にイジェクトアーム41に加えるべき力とが、互いに逆方向であるのにもかかわらず、これらの力を一本のコイルばね49により作り出すことができる。これにより、ディスクドライブ10の構造を簡単化することができる。したがって、ディスクドライブ20の部品点数を削減することができ、ディスクドライブ10の小型化、薄型化、軽量化および製造コストの削減を実現することができる。
【0097】
なお、シャーシ11が基板の具体例であり、セレクトプレート37が支持板の具体例であり、イジェクトアーム41がアームの具体例であり、トリガープレート46が移動部材の具体例であり、モーター65およびピニオン66が搬送機構の具体例である。
【0098】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うディスクドライブもまた本発明の技術思想に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明のディスクドライブの実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1中のディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図3】小径の記録ディスクが挿入されたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図4】小径の記録ディスクがクランプ位置に搬送されたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図5】小径の記録ディスクがクランプされたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図6】小径の記録ディスクがイジェクト完了位置で停止したときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図7】大径の記録ディスクが挿入されたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図8】大径の記録ディスクの搬送途中におけるディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図9】大径の記録ディスクがクランプ位置に搬送されたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図10】大径の記録ディスクがクランプされたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図11】大径の記録ディスクがイジェクト完了位置で停止したときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図12】イジェクトアームの3つの状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0100】
10 ディスクドライブ
37 セレクトプレート
41 イジェクトアーム
42 支軸
43 接触部材
44 押動制御部
46 トリガープレート
47 トリガーピン
49 コイルばね
65 モーター
66 ピニオン
81 ばね接続部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばDVDドライブ、CD(Compact Disc)ドライブなどのディスクドライブに関する。
【背景技術】
【0002】
DVD、CD、ブルーレイディスク、磁気ディスクなどの記録ディスクに対し、情報の読み取りまたは記録を行うディスクドライブは、ディスクプレーヤ、ディスクレコーダ、オーディオシステム、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステムなど様々な装置に用いられている。
【0003】
ディスクドライブには、一般的な光ディスクドライブのように、記録ディスクを着脱することができるタイプと、一般的なハードディスクドライブのように、記録ディスクを着脱することができないタイプがある。さらに、記録ディスクを着脱することができるタイプのディスクドライブには、記録ディスクの着脱方式に関し、スロットイン方式、ドロアー方式、トレー方式などがある。
【0004】
スロットイン方式のディスクドライブの中には、ローディング時にはローディングアームを用いて記録ディスクをディスクドライブ内へ引き込み、イジェクト時には、イジェクトアームを用いて記録ディスクをディスクドライブの外側に向けて押し出す構造を備えたものがある。
【0005】
このようなタイプのディスクドライブのローディング時の動作は例えば次の通りである。ユーザーが記録ディスクをディスクスロットに挿入すると、記録ディスクの周縁が各ローディングアームの先端部に設けられたローラーに接触し、これによりローディングアームが押され、ローディングアームがわずかに回動する。これをきっかけにモーターが始動し、ローラーが回転を始める。そして、ローラーの回転により、記録ディスクがディスクドライブ内に引き込まれる。記録ディスクが引き込まれるに従って、ローディングアームがさらに回動し、ローディングアームが開いていく。記録ディスクが引き込み完了位置に近づくと、ディスクドライブの奥(内部後ろ側)に設けられたイジェクトアームの先端部に記録ディスクが接触し、これによりイジェクトアームが押され、イジェクトアームが回動する。記録ディスクが引き込み完了位置、すなわちターンテーブル上のクランプ位置に到達すると、イジェクトアームが所定角度回動し、これにより記録ディスクが引き込み完了位置に到達したことが検出される。この検出に基づいて記録ディスクがクランプされる。そして、クランプ動作完了時に、ローディングアームおよびイジェクトアームが記録ディスクの周縁から離れる。この後、モーターが停止し、ローラーの回転が止まる。これにより、記録ディスクはターンテーブル上で高速回転可能な状態になる。
【0006】
また、このようなタイプのディスクドライブのイジェクト動作は、例えば次の通りである。ディスクドライブ内にクランプされた記録ディスクをイジェクト(排出)する旨の指示が発せられると、モーターが始動し、ローラーが回転を始める。そして、クランプが解除され、イジェクトアームとローディングアームが記録ディスクの周縁に接触する。さらに、イジェクトアームが記録ディスクをディスクスロットに向けて押し出す。そして、ローラーの回転により、記録ディスクがディスクスロットを通じてディスクドライブの外側に向けて搬送される。記録ディスクが搬送されるに従って、ローディングアームが回動し、ローディングアームが閉じていく。記録ディスクがディスクスロット近傍の適切な停止位置に到達すると、モーターが停止し、ローラーの回転が止まる。これにより、記録ディスクは、ディスクスロット近傍の適切な位置に停止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、イジェクトアームは、ローディング時には、一端側を記録ディスクの後ろ側周縁に接触させることにより記録ディスクの引き込み完了を検出し、クランプ時には、一端側を記録ディスクの後ろ側周縁から離し、記録ディスクがターンテーブル上で高速回転可能な状態を作り出す。
【0008】
したがって、ローディング時には、イジェクトアームの一端側を記録ディスクの後ろ側周縁に接触させるため、イジェクトアームの一端側が前進する方向にイジェクトアームが回動するようにイジェクトアームに力を加えることが望ましい。
【0009】
一方、クランプ時には、イジェクトアームの一端側を記録ディスクの後ろ側周縁から離すために、イジェクトアームの一端側が後退する方向にイジェクトアームが回動するようにイジェクトアームに力を加えることが望ましい。
【0010】
すなわち、イジェクトアームに加える力の方向は、ローディング時とクランプ時とで逆である。
【0011】
イジェクトアームへのこのような力の付与は、ばねを用いて行うことが多い。イジェクトアームに力を加える方向がローディング時とクランプ時とで逆であるとすれば、複数のばねを用いて、これらのばねによる付勢をローディング時とクランプ時とで切り替えるなどといった複雑な構造を採用しなければならないおそれがある。
【0012】
ディスクドライブの構造が複雑化すると、部品点数の削減、ディスクドライブの小型化、薄型化、軽量化あるいは製造コストの削減が困難になるおそれがある。
【0013】
本発明は上記に例示したような問題点に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、記録ディスクの引き込み完了を検出するアームに加える2方向の力を簡単な構成により作り出すことができるディスクドライブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために請求項1に記載のディスクドライブは、記録ディスクに対して情報の読み取りまたは記録を行うディスクドライブであって、基板と、前記基板に支軸を介して回動可能に支持され、前記支軸から左右方向一方側に伸張し、ローディング時には前記記録ディスクの後ろ側周縁に接触することにより前記記録ディスクの引き込み完了を検出する第1端部と、前記支軸から左右方向他方側に伸張する第2端部と、前記支軸と前記第2端部との間に形成されたばね接続部とを備えたアームと、前記基板に前後方向に移動可能に支持され、後部位置から中間位置を通過して前部位置に至るまで前方向に移動する移動部材と、前記アームの第2端部に設けられ、前記アームの回動により生じる前記第2端部の前進により、前記移動部材を前記後部位置から中間位置まで押し動かす押動制御部と、前記押動制御部により前記中間位置まで押し動かされた前記移動部材を前記中間位置から前記前部位置まで搬送する搬送機構と、一端側が前記アームのばね接続部に接続され、他端側が前記移動部材に接続され、前記移動部材が前方向に移動したときに、前記アームのばね接続部を引っ張るばねとを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
(ディスクドライブの全体的な構成および動作)
図1は、本発明のディスクドライブの実施形態を示している。図1中のディスクドライブ10は、例えばDVD、CD、ブルーレイディスクなどの記録ディスクに対し、情報の読み取りまたは記録を行う装置である。ディスクドライブ10は、記録ディスクを着脱することができるタイプであり、また、記録ディスクの着脱方式についてスロットイン方式を採用している。
【0017】
ディスクドライブ10は、互いに直径の異なる複数種類の記録ディスクに対して情報の読み取りまたは記録を行うことができる。例えば、直径が8cmの記録ディスク1(図2参照)と直径が12cmの記録ディスク2(図7参照)との双方に対して情報の読み取りまたは記録を行うことができる。
【0018】
図1に示すように、ディスクドライブ10の外殻は、シャーシ11およびフロントカバー12により構成されている。
【0019】
シャーシ11は例えば金属材料により形成され、底板を有し、必要に応じて側板、天井板を有している。
【0020】
フロントカバー12は例えば樹脂材料により形成されている。フロントカバー12にはディスクスロット13が形成されている。ディスクスロット13は、記録ディスクのローディングおよびイジェクトを行うときに記録ディスクを通過させる溝である。
【0021】
なお、以下の説明では、図1中の矢示X方向を左右方向といい、矢示Y方向を前後方向といい、矢示Z方向を上下方向という。
【0022】
図2は、ディスクドライブ10の内部を示している。図2に示すように、ディスクドライブ10は、一対のローディングアーム21、21、ラックプレート31、セレクトプレート37、イジェクトアーム41、トリガープレート46、第1シフトバー51、第2シフトバー55、トラバースメカ61、モーター65、ピニオン66、スイッチユニット69および制御回路75などを備えている。
【0023】
ローディングアーム21、21は、ディスクドライブ10前側のディスクスロット13近傍の位置に左右対称に配置されている。各ローディングアーム21は、支軸22を介してシャーシ11上に回動可能に支持されている。各ローディングアーム21は例えば樹脂材料または金属材料により形成されている。
【0024】
各ローディングアーム21の先端部上面にはローラー23が回転可能に取り付けられている。ローラー23はモーター65により回転する。左側のローラー23は記録ディスクの左側周縁と接触する。右側のローラー23は記録ディスクの右側周縁と接触する。
【0025】
ローディングアーム21、21は、ローラー23、23を介して記録ディスクを狭持し、記録ディスクの搬送を行う。ローディングアーム21、21は、記録ディスクの前進または後退に従って回動し、これによりローディングアーム21、21の先端側が開閉する。
【0026】
各ローディングアーム21の軸部下面にはギア24が固定されている。左側のギア24はピニオン25を介してラックプレート31の左側のラック部31Aに噛み合っている。右側のギア24はラックプレート31の右側のラック部31Bに直接噛み合っている。これらのギア24、ピニオン25およびラック部31A、31Bは、各ローディングアーム21の回動をラックプレート31の左右方向の移動に変換する。具体的には、各ローディングアーム21が開くときの各ローディングアーム21の回動をラックプレート31の左方向の移動に変換し、各ローディングアーム21が閉じるときの各ローディングアーム21の回動をラックプレート31の右方向の移動に変換する。
【0027】
ラックプレート31は、ディスクドライブ10前側のディスクスロット13近傍に位置し、シャーシ11とローディングアーム21、21との間に配置されている。ラックプレート31は、シャーシ11に左右方向に移動可能に支持されている。ラックプレート31は例えば金属材料により形成されている。ラックプレート31には一対のラック部31A、31Bが形成されている。
【0028】
また、ラックプレート31の右側後部にはスイッチングエッジ32が形成されている。スイッチングエッジ32は左右方向に直線状に伸張している。ラックプレート31の左右方向の移動によりスイッチングエッジ32が左右方向に移動すると、スイッチングエッジ32と第1スイッチ71の切り替えレバーとの接触の有無が変わり、これにより第1スイッチ71のオン、オフが切り替わる。また、ラックプレート31の左右方向の移動によりスイッチングエッジ32が左右方向に移動すると、スイッチングエッジ32と第2スイッチ72の切り替えレバーとの接触の有無が変わり、これにより第2スイッチ72のオン、オフが切り替わる。
【0029】
また、ラックプレート31の左側後部にはセレクトカム溝33が形成されている。セレクトカム溝33内にはセレクトプレート37のセレクトピン38が挿入されている。また、ラックプレート31の左側後部には2個の退避制御溝、すなわち第1退避制御溝34および第2退避制御溝35が形成されている。ラックプレート31が左方向に移動し、かつ第1シフトバー51が前方向に移動したときに、第1シフトバー51の退避制御ピン53が退避制御溝34、35のいずれかに進入する。
【0030】
セレクトプレート37は、ディスクドライブ10左側に配置されている。セレクトプレート37は、シャーシ11に固定されたモーターブランケット(図示せず)に前後方向に移動可能に支持されている。これにより、セレクトプレート37はシャーシ11に対し前後方向に移動可能である。セレクトプレート37は例えば金属材料により形成されている。ディスクドライブ10の左側には、いくつかの部材が上下方向に重なり合っている。セレクトプレート37は、概ね、ラックプレート31、トリガープレート46および第2シフトバー55の下方に位置し、ピニオン66の上方に位置する。
【0031】
セレクトプレート37の前側上面にはセレクトピン38が設けられている。セレクトピン38の一端側は上向きに伸び、ラックプレート31のセレクトカム溝33に挿入され、他端側はセレクトプレート37に固定されている。セレクトピン38およびセレクトカム溝33は、ラックプレート31の左右方向の移動をセレクトプレート37の前後方向の移動に変換する。具体的には、セレクトピン38およびセレクトカム溝33は、ラックプレート31の左方向の移動をセレクトプレート37の後ろ方向の移動に変換し、ラックプレート31の右方向の移動をセレクトプレート37の前方向の移動に変換する。
【0032】
また、セレクトプレート37の後ろ側上面には、イジェクトアーム41の回動を規制するストッパー39が設けられている。ストッパー39の上端側は上向きに伸び、下端側はセレクトプレート37に形成された貫通溝91(図12参照)内を通過して、図示しないモーターブランケットに固定されている。
【0033】
イジェクトアーム41は、ローディング時には一端側が記録ディスクの後ろ側周縁に接触することにより記録ディスクの引き込み完了を検出し、イジェクト時には一端側が記録ディスクの後ろ側周縁を押すことにより記録ディスクを前方向に移動させる。イジェクトアーム41は、セレクトプレート37の後部上面上に回動可能に支持されている。イジェクトアーム41は例えば金属材料または樹脂材料により形成されている。イジェクトアーム41は支軸42を中心に回動する。イジェクトアーム41の支軸42はセレクトプレート37の前後方向の移動に伴って前後方向に移動する。イジェクトアーム41の一端側上面には接触部材43が取り付けられている。接触部材43は記録ディスクの周縁と接触する。
【0034】
また、イジェクトアーム41の他端側には押動制御部44が形成されている。押動制御部44は、イジェクトアーム41が後ろ方向に回動すると前方向に移動し、トリガープレート46のトリガーピン47を押し、これによりトリガープレート46を前方向に押し動かす。
【0035】
トリガープレート46は、セレクトプレート37の後部上方に位置し、シャーシ11に固定されたモーターブランケット(図示せず)に前後方向に移動可能に取り付けられている。トリガープレート46は例えば金属材料により形成されている。トリガープレート46は、セレクトプレート37上方でセレクトプレート37に対して前後方向に移動することができる。また、トリガープレート46は、セレクトプレート37に支軸42を介して回動可能に取り付けられたイジェクトアーム41とコイルばね49を介して接続されている。このため、トリガープレート46はセレクトプレート37の前後方向の移動に伴って、イジェクトアーム41といっしょに前後方向に移動する。
【0036】
トリガープレート46は、セレクトプレート37およびイジェクトアーム41の上方に覆い被さるように配置されている。もっとも、トリガープレート46の前側右縁部に形成されたラック部46Aは、トリガープレート46からセレクトプレート37の右縁近傍を降りてセレクトプレート37の下方に潜り込んでいる。ラック部46Aは、トリガープレート46が前進したときに、セレクトプレート37の下方に配置されたピニオン66と噛み合う。
【0037】
トリガープレート46の後ろ側下面にはトリガーピン47が設けられている。トリガーピン47の一端側は下向きに伸び、他端側はトリガープレート46の下面に固定されている。トリガーピン47の一端側は、イジェクトアーム41の押動制御部44と接触可能な位置まで伸びている。
【0038】
また、トリガープレート46の前側右縁部には第1伝達ピン48が設けられている。伝達ピン48の一端側は右方向に伸び、第1シフトバー51の伝達溝51Aに挿入されている。伝達ピン48の他端側はトリガープレート46の右縁部に固定されている。
【0039】
イジェクトアーム41とトリガープレート46との間にはコイルばね49が取り付けられている。コイルばね49は、イジェクトアーム41の他端側を前方向に引っ張っている。
【0040】
第1シフトバー51は、シャーシ11上に前後方向に移動可能に支持されている。シフトバー51は例えば樹脂材料により形成され、例えば金属プレートであるラックプレート31やセレクトプレート37よりも肉厚である。
【0041】
第1シフトバー51の左側側面には伝達溝51Aが形成されている。伝達溝51Aは、前後方向にシャーシの底板に対しほぼ平行に伸張している。伝達溝51Aにはトリガープレート46の伝達ピン48が挿入されている。また、シフトバー51の前側上面には第2伝達ピン52が設けられている。伝達ピン52の一端側は上方に伸び、第2シフトバー55の伝達スロット55Aに挿入されており、他端側はシフトバー51の上面に固定されている。また、第1シフトバー51の前側上面には退避制御ピン53が設けられている。退避制御ピン53の一端側はラックプレート31の退避制御溝34、35と接触可能な位置まで上方に伸び、他端側はシフトバー51の上面に固定されている。退避制御ピン53は、ラックプレート31が左方向に移動し、かつ第1シフトバー51が前方向に移動したときに、ラックプレート31の退避制御溝34、35のいずれかに進入する。退避制御ピン53および退避制御溝34、35は、クランプ時に、ローディングの過程で左方向に移動したラックプレート31をさらに左方向に移動させる。
【0042】
第2シフトバー55は、シャーシ11上に左右方向に移動可能に支持されている。シフトバー55は例えば樹脂材料により形成され、例えば金属プレートであるラックプレート31やセレクトプレート37よりも肉厚である。
【0043】
第2シフトバー55の左側端部には伝達スロット55Aが形成されている。伝達スロット55Aには第1シフトバー51の第2伝達ピン52が挿入されている。また、第2シフトバー55の後ろ側側面には昇降溝55Bが形成されている。昇降溝55Bは、シフトバー55の左右方向の移動によりトラバースメカ61を昇降させるためのカム溝であり、右端が低位置にあり、左端が高位置にある。昇降溝55Bにはトラバースメカ61に取り付けられた昇降ピン64が挿入されている。
【0044】
また、第2シフトバー55の右側端部にはスイッチングスティック56が形成されている。スイッチングスティック56は左右方向に直線状に伸張している。シフトバー55の左右方向の移動によりスイッチングスティック56が左右方向に移動すると、スイッチングスティック56と第3スイッチ73の切り替えレバーとの接触の有無が変わり、これにより第3スイッチ73のオン、オフが切り替わる。
【0045】
トラバースメカ61には、ターンテーブル62および光ピックアップ63などが設けられている。モーター65は、ピニオン66を回転駆動すると共に、各ローディングアーム21のローラー23を回転駆動する。ピニオン66は、セレクトプレート37の下方に配置されている。上述したようにセレクトプレート37およびトリガープレート46は前後方向に移動するが、ピニオン66の軸は不動である。ピニオン66は、クランプ動作時にモーター65の動力をトリガープレート46に伝達し、第2シフトバー55、第1シフトバー51、トラバースメカ61などを移動させる。
【0046】
なお、トリガープレート46、第1シフトバー51、第2シフトバー55、昇降ピン64、モーター65、ピニオン66、ターンテーブル62、ターンテーブル62に対向するようにターンテーブル62の上方に設けられたクランパー(図示せず)などによりクランプ機構が構成されている。
【0047】
スイッチユニット69は、ディスクドライブ10の右側に配置されている。スイッチユニット69はスイッチ基板70、第1スイッチ71、第2スイッチ72、第3スイッチ73および配線を備えている。スイッチ71ないし73および配線は、スイッチ基板70上に設けられている。
【0048】
各スイッチ71、72、73には切り替えレバーが設けられている。切り替えレバーを押し込むとスイッチがオンになる。切り替えレバーを離すと切り替えレバーが自動的に起きあがり、スイッチがオフになる。第1スイッチ71および第2スイッチ72の切り替えレバーは、ラックプレート31のスイッチングエッジ32が接触することにより押し込まれる。すなわち、第1スイッチ71および第2スイッチ72は、スイッチングエッジ32との接触の有無により、オン、オフが切り替わる。一方、第3スイッチ73の切り替えレバーは、第2シフトバー55のスイッチングスティック56が接触することにより押し込まれる。すなわち、第3スイッチ73は、スイッチングスティック56との接触の有無により、オン、オフが切り替わる。
【0049】
制御回路75は、スイッチ71ないし73のオン・オフ状態などに基づいて、ローディング時、クランプ時およびイジェクト時におけるモーター65の駆動を制御する。具体的には、制御回路75は、スイッチ71ないし73からそれぞれ出力される出力信号を受け取る。そして、制御回路75は、モーター65を駆動するための駆動信号をモーター65に出力する。
【0050】
さらに、制御回路75には、ディスク識別回路76が含まれている。ディスク識別回路76は、記録ディスクの位置がクランプ位置であるときの第2スイッチ72のオン・オフ状態を用いて、この記録ディスクの種類を識別する。ディスク識別回路76は、記録ディスクの種類の識別結果を示す識別信号を出力する。この識別信号は制御回路75においてモーター65の駆動制御に用いられる。
【0051】
直径8cmの記録ディスク1がディスクドライブ10に挿入されたとき、ディスクドライブ10は例えば次のように動作する。
【0052】
図3に示すように、記録ディスク1がディスクドライブ10に挿入されると、記録ディスク1の周縁が各ローディングアーム21のローラー23に接触し、各ローディングアーム21を後ろ方向に押す。これにより、各ローディングアーム21が開く。各ローディングアーム21が開くと、ギア24、ピニオン25およびラック部31A、31Bの噛合により、ラックプレート31が左方向に移動する。ラックプレート31が移動すると、スイッチングエッジ32が第1スイッチ71の切り替えレバーから離れ、第1スイッチ71がオンからオフに切り替わる。これに応じて制御回路75はモーター65の駆動を開始させる。これにより、各ローディングアーム21のローラー23が回転を始め、ローラー23の回転により記録ディスク1がディスクドライブ10の内部へ引き込まれる。
【0053】
記録ディスク1が引き込まれ、記録ディスク1が後ろ方向に搬送されるにしたがって、各ローディングアーム21がさらに開き、ラックプレート31が左方向にさらに移動する。やがて記録ディスク1の後ろ側周縁がイジェクトアーム41の接触部材43に接触し、イジェクトアーム41の一端側を後退させる。イジェクトアーム41の一端側が後退すると、イジェクトアーム41の他端側が前進し、イジェクトアーム41の押動制御部44がトリガーピン47を押し、トリガープレート46を前進させる。
【0054】
図4に示すように、記録ディスク1がクランプ位置まで搬送され、これによりイジェクトアーム41の一端側が所定の位置まで後退すると、押動制御部44の前進によりトリガープレート46が所定の位置まで前進する。トリガープレート46が所定の位置まで前進すると、トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合う。ピニオン66は、モーター65が駆動している間は常に回転している。トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合うと、ピニオン66の回転により、トリガープレート46がさらに前進する。すなわち、トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合った瞬間、トリガープレート46を前進させる動力源が、押動制御部44の押圧力からピニオン66の回転に切り替わる。
【0055】
図5に示すように、トリガープレート46が前進し、トリガープレート46の伝達ピン48が第1シフトバー51の伝達溝51A中のストッパー(例えば伝達溝51A前端内壁)に当たると、第1シフトバー51も前進する。第1シフトバー51が前進すると、第1シフトバー51の伝達ピン52により第2シフトバー55が右方向に移動する。第2シフトバー55が右方向に移動すると、スイッチングスティック56も右方向に移動する。これにより、スイッチングスティック56の右端が第3スイッチ73の切り替えレバーに接触し、第3スイッチ73がオフからオンに切り替わる。第3スイッチ73がオフからオンに切り替わると、制御回路75はモーター65の駆動を停止する。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転およびピニオン66の回転が止まる。
【0056】
また、第2シフトバー55が右方向に移動すると、第2シフトバー55の昇降溝55Bに挿入された昇降ピン64が持ち上がり、これに伴ってトラバースメカ61が上昇する。これにより、記録ディスク1がターンテーブル62とターンテーブル62の上方に配置されたクランパー(図示せず)との間にクランプされる。
【0057】
また、このとき、第1シフトバー51の前進により、第1シフトバー51の退避制御ピン53がラックプレート31の第1退避制御溝34に進入する。そして、退避制御ピン53が第1退避制御溝34の傾斜縁を押すことにより、ラックプレート31が左方向にさらに移動する。これにより、各ローディングアーム21がさらに開き、各ローディングアーム21のローラー23が記録ディスク1の周縁から離れ、各ローディングアーム21のローラー23と記録ディスク1の周縁との間に適切なクリアランスが確保される。
【0058】
さらに、退避制御ピン53の第1退避制御溝34への進入によりラックプレート31が左方向に移動すると、セレクトプレート37のセレクトピン38がセレクトカム溝33の左右方向中央付近に形成された傾斜溝部の一部によりわずかに後ろ方向に押され、セレクトプレート37が小さく後退する。セレクトプレート37が小さく後退すると、イジェクトアーム41の支軸42も小さく後退する。このとき、イジェクトアーム41の他端側は、トリガープレート46の前進により伸張したコイルばね49により引っ張られている。このため、イジェクトアーム41は反時計回りに回動し、イジェクトアーム41の一端側が後退し、イジェクトアーム41の接触部材43が記録ディスク1の周縁から離れる。これにより、イジェクトアーム41の接触部材43と記録ディスク1の周縁との間に適切なクリアランスが確保される。
【0059】
図5に示すように、記録ディスク1のクランプが完了し、イジェクトアーム41および各ローディングアーム21の退避が完了すると、図示しないスピンドルモーター65が駆動を開始し、ターンテーブル62が回転し、記録ディスク1が回転する。そして、光ピックアップ63により記録ディスク1に対し、情報の読み取りまたは記録が行われる。
【0060】
記録ディスク1に対する情報の読み取りまたは書き込みが終了し、記録ディスク1をイジェクトする旨の指示が与えられたときには、この指示に応じてモーター65が始動する。このときのモーター65の回転方向は、ローディング時とは逆の方向である。そして、ピニオン66が逆回転を始め、これにより、第1シフトバー51およびトリガープレート46が後退する。さらに、第2シフトバー55が左方向に移動し、スイッチングスティック56が左方向に移動し、スイッチングスティック56が第3スイッチ73の切り替えレバーから離れ、第3スイッチ73がオンからオフに切り替わる。さらに、トラバースメカ61が下降する。さらに、第1シフトバー51の退避制御ピン53がラックプレート31の第1退避制御溝34から退出し、ラックプレート31が図示しないばねの力により右方向に移動する。これにより各ローディングアーム21が閉じ、各ローディングアーム21のローラー23が記録ディスク1の周縁に接触する。さらに、トリガープレート46の後退により、イジェクトアーム41が時計回りに回動し、イジェクトアーム41の一端側が前進し、接触部材43が記録ディスク1の周縁に接触する。また、モーター65の回転開始により各ローラー23が逆回転を開始する。
【0061】
そして、記録ディスク1は、イジェクトアーム41の接触部材43により押され、さらに各ローディングアーム21のローラー23の逆回転により前方向に搬送される。
【0062】
図6に示すように、記録ディスク1が前方向に搬送されるにしたがって、各ローディングアーム21の先端側が閉じ、ラックプレート31が右方向に移動する。そして、ラックプレート31のスイッチングエッジ32が第1スイッチ71の切り替えレバーに接触し、第1スイッチ71がオフからオンに切り替わる。第1スイッチ71がオフからオンに切り替わると、制御回路75はモーター65の駆動を停止させる。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転が停止し、記録ディスク1がイジェクト完了位置に停止する。
【0063】
イジェクト完了位置は、例えば、いずれの記録ディスクにおいても、その表面面積のおよそ5分の3ないし4分の3程度に相当する部分がディスクスロット13から外に露出し、残りの部分がディスクドライブ10内に留まるような位置であることが望ましい。これにより、イジェクト時に、記録ディスクがディスクスロット13から外へ脱落するのを防止することができ、かつ、ユーザーがイジェクトされた記録ディスクを手で取り出しやすくすることができる。
【0064】
その後、イジェクト完了位置に停止している記録ディスク1をユーザーがディスクドライブ10内に再び押し込むと、これにより各ローディングアーム21が開き、ラックプレート31が左方向に移動し、第1スイッチ71がオンからオフに切り替わり、モーター65の駆動が開始される。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転が始まり、記録ディスク1がディスクドライブ10内に再び引き込まれる。
【0065】
直径12cmの記録ディスク2がディスクドライブ10に挿入されたとき、ディスクドライブ10は例えば次のように動作する。
【0066】
図7に示すように、記録ディスク2がディスクドライブ10に挿入されると、記録ディスク2の周縁が各ローディングアーム21のローラー23に接触し、各ローディングアーム21を後ろ方向に押す。これにより各ローディングアーム21が開く。各ローディングアーム21が開くと、ギア24、ピニオン25およびラック部31A、31Bの噛合により、ラックプレート31が左方向に移動する。ラックプレート31が移動すると、スイッチングエッジ32が第1スイッチ71の切り替えレバーから離れ、第1スイッチ71がオンからオフに切り替わる。これにより、制御回路75はモーター65の駆動を開始させる。これにより、各ローディングアーム21のローラー23が回転を始め、ローラー23の回転により記録ディスク2がディスクドライブ10の内部へ引き込まれる。
【0067】
図8に示すように、記録ディスク2が引き込まれ、記録ディスク2が後ろ方向に搬送されるにしたがって、ローディングアーム21がさらに開き、ラックプレート31が左方向にさらに移動する。そして、スイッチングエッジ32が第2スイッチ72の切り替えレバーから離れ、第2スイッチ72がオンからオフに切り替わる。制御回路75は、このときの第2スイッチ72の切り替わりにより動作を変更せず、それゆえ、モーター65は回転を続け、記録ディスク2の搬送が続く。
【0068】
直径12cmの記録ディスク2が搬送されるときのローディングアーム21、21の開きは、直径8cmの記録ディスク1が搬送されるときのローディングアーム21、21の開きよりも大きい。この結果、直径12cmの記録ディスク2が搬送されるときのラックプレート31の移動量は、直径8cmの記録ディスク1が搬送されるときのラックプレート31の移動量よりも大きい。このようにラックプレート31が左方向に大きく移動すると、ラックプレート31のセレクトカム溝33に挿入されているセレクトピン38が、セレクトカム溝33の左右方向中央付近に形成された傾斜溝部の全部により後ろ方向に大きく押され、セレクトプレート37が大きく後退する。これにより、イジェクトアーム41の支軸42が大きく後退し、トリガープレート46も大きく後退する。
【0069】
記録ディスク2の搬送が続くと、やがて記録ディスク2の後ろ側周縁がイジェクトアーム41の接触部材43に接触し、イジェクトアーム41の一端側を後退させる。イジェクトアーム41の一端側が後退すると、イジェクトアーム41の他端側が前進し、イジェクトアーム41の押動制御部44がトリガーピン47を押し、トリガープレート46を前進させる。
【0070】
図9に示すように、記録ディスク2がクランプ位置まで搬送され、これによりイジェクトアーム41の一端側が所定の位置まで後退すると、押動制御部44の前進によりトリガープレート46が所定の位置まで前進する。トリガープレート46が所定の位置まで前進すると、トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合う。トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合うと、ピニオン66の回転により、トリガープレート46がさらに前進する。
【0071】
図10に示すように、トリガープレート46が前進し、トリガープレート46の伝達ピン48が例えば第1シフトバー51の伝達溝51Aの前端内壁に当たると、第1シフトバー51も前進する。第1シフトバー51が前進すると、第1シフトバー51の伝達ピン52により第2シフトバー55が右方向に移動する。第2シフトバー55が右方向に移動すると、スイッチングスティック56も右方向に移動する。これにより、スイッチングスティック56の右端が第3スイッチ73の切り替えレバーに接触し、第3スイッチ73がオフからオンに切り替わる。第3スイッチ73がオフからオンに切り替わると、制御回路75はモーター65の駆動を停止する。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転およびピニオン66の回転が止まる。
【0072】
また、第2シフトバー55が右方向に移動すると、第2シフトバー55の昇降溝55Bに挿入された昇降ピン64が持ち上がり、これに伴ってトラバースメカ61が上昇する。これにより、記録ディスク2がターンテーブル62とターンテーブル62の上方に配置されたクランパー(図示せず)との間にクランプされる。
【0073】
また、このとき、第1シフトバー51の前進により、第1シフトバー51の退避制御ピン53がラックプレート31の第2退避制御溝35に進入する。そして、退避制御ピン53が第2退避制御溝35の傾斜縁を押すことにより、ラックプレート31が左方向にさらに移動する。これにより、各ローディングアーム21がさらに開き、各ローディングアーム21のローラー23が記録ディスク2の周縁から離れ、各ローディングアーム21のローラー23と記録ディスク2の周縁との間に適切なクリアランスが確保される。
【0074】
さらに、退避制御ピン53の第2退避制御溝35への進入によりラックプレート31が左方向に移動すると、セレクトプレート37のセレクトピン38が、セレクトカム溝33の右端部に形成された溝部により後ろ方向にわずかに押され、セレクトプレート37が小さく後退する。セレクトプレート37が小さく後退すると、イジェクトアーム41の支軸42も小さく後退する。このとき、イジェクトアーム41の他端側は、トリガープレート46の前進により伸張したコイルばね49により引っ張られている。このため、イジェクトアーム41は反時計回りに回動し、イジェクトアーム41の一端側が後退し、イジェクトアーム41の接触部材43が記録ディスク2の周縁から離れる。これにより、イジェクトアーム41の接触部材43と記録ディスク2の周縁との間に適切なクリアランスが確保される。
【0075】
図10に示すように、記録ディスク2のクランプが完了し、イジェクトアーム41および各ローディングアーム21の退避が完了すると、図示しないスピンドルモーター65が駆動を開始し、ターンテーブル62が回転し、記録ディスク2が回転する。そして、光ピックアップ63により記録ディスク2に対し、情報の読み取りまたは記録が行われる。
【0076】
記録ディスク2に対する情報の読み取りまたは書き込みが終了し、記録ディスク2をイジェクトする旨の指示が与えられたときには、この指示に応じてモーター65が始動する。このときのモーター65の回転方向は、ローディング時とは逆の方向である。そして、ピニオン66が逆回転を始め、これにより、第1シフトバー51およびトリガープレート46が後退する。さらに、第2シフトバー55が左方向に移動し、スイッチングスティック56が左方向に移動し、スイッチングスティック56が第3スイッチ73の切り替えレバーから離れ、第3スイッチ73がオンからオフに切り替わる。さらに、トラバースメカ61が下降する。さらに、第1シフトバー51の退避制御ピン53がラックプレート31の第2退避制御溝35から退出し、ラックプレート31が図示しないばねの力により右方向に移動する。これにより各ローディングアーム21が閉じ、各ローディングアーム21のローラー23が記録ディスク2の周縁に接触する。さらに、トリガープレート46の後退により、イジェクトアーム41が時計回りに回動し、イジェクトアーム41の一端側が前進し、接触部材43が記録ディスク2の周縁に接触する。また、モーター65の回転開始により各ローラー23が逆回転を開始する。
【0077】
そして、記録ディスク2は、イジェクトアーム41による押され、さらに各ローディングアーム21のローラー23の逆回転により前方向に搬送される。
【0078】
図11に示すように、記録ディスク2が前方向に搬送されるにしたがって、各ローディングアーム21の先端側が閉じ、ラックプレート31が右方向に移動する。そして、ラックプレート31のスイッチングエッジ32が第2スイッチ72の切り替えレバーに接触し、第2スイッチ72がオフからオンに切り替わる。第2スイッチ72がオフからオンに切り替わると、制御回路75はモーター65の駆動を停止させる。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転が停止し、記録ディスク2がイジェクト完了位置に停止する。
【0079】
その後、イジェクト完了位置に停止している記録ディスク2をユーザーがディスクドライブ10内に再び押し込むと、これにより各ローディングアーム21が開き、ラックプレート31が左方向に移動し、第2スイッチ72がオンからオフに切り替わり、モーター65の駆動が開始される。これにより、各ローディングアーム21のローラー23の回転により、記録ディスク2がディスクドライブ10内に再び引き込まれる。
【0080】
(イジェクトアームへの力の付与)
図12は、3場面でのイジェクトアーム41の状態を示している。すなわち、図12中の左側は、記録ディスクがディスクドライブ10に挿入されていないときのイジェクトアーム41の状態を示している。図12中の中央は、例えば記録ディスク2が引き込み完了位置(クランプ位置)まで搬送されたときのイジェクトアーム41の状態を示している。図12中の右側は、クランプ時にイジェクトアーム41が記録ディスク2の周縁から離れたときのイジェクトアーム41の状態を示している。
【0081】
図12に示すように、イジェクトアーム41は、セレクトプレート37に支軸42を介して回動可能に支持されている。イジェクトアーム41の一端部は支軸42から右側に伸張している。イジェクトアーム41の一端部には接触部材43が取り付けられている。ローディング時において、イジェクトアーム41は、接触部材43を記録ディスクの後ろ側周縁に接触させることにより記録ディスクの引き込み完了を検出する。
【0082】
イジェクトアーム41の他端部は支軸42から左側に伸張している。イジェクトアーム41の他端部には押動制御部44が形成されている。イジェクトアーム41が反時計回りに回動してイジェクトアーム41の他端部が前進すると、押動制御部44はトリガープレート46のトリガーピン47を押し、トリガープレート46を後部位置P1から中間位置P2まで押し動かす。
【0083】
また、イジェクトアーム41の支軸42と他端部との間にはばね接続部81が形成されている。
【0084】
トリガープレート46は、シャーシ11に固定されたモーターブランケット(図示せず)に前後方向に移動可能に取り付けられている。トリガープレート46は、セレクトプレート37に対し、後部位置P1から中間位置P2を通過して前部位置P3に至るまで前方向に移動することができる。
【0085】
また、トリガープレート46は、トリガープレート46が後部位置P1から中間位置P2に存在するまでの間、押動制御部44と接するトリガーピン47を備えている。
【0086】
また、トリガープレート46は、トリガープレート46が前方向に移動して中間位置P2に到達したときに、ピニオン66と噛み合うラック部46Aを備えている。
【0087】
モーター65およびピニオン66は、押動制御部44により中間位置P2まで押し動かされたトリガープレート46を中間位置P2から前部位置P3まで搬送する。
【0088】
コイルばね49は、その一端側がイジェクトアーム41のばね接続部81に接続され、他端側がトリガープレート46のばね接続部82に接続されている。コイルばね49は、トリガープレート46が前方向に移動したときに、イジェクトアーム41のばね接続部81を前方向に引っ張る。
【0089】
図12左側に示すように、記録ディスクがディスクドライブ10に挿入されていないときには、コイルばね49により、イジェクトアーム41には、時計回り方向D1に回動するような力が加えられている。これにより、イジェクトアーム41の一端部の接触部材43は大きく前進しており、イジェクトアーム41の他端部の押動制御部44は大きく後退している。
【0090】
コイルばね49によりイジェクトアーム41にこのような力が付与されるのは、コイルばね49の端部が、イジェクトアーム41の支軸42と他端部(押動制御部44)とのほぼ中間位置に形成されたばね接続部81に接続されているからである。すなわち、イジェクトアーム41が反時計回りに回動すると、押動制御部44が前進し、同時にばね接続部81も前進する。さらに、押動制御部44の前進によりトリガープレート46が前進する。押動制御部44と支軸42との間の距離は、ばね接続部81と支軸42との間の距離よりも長いので、イジェクトアーム41が反時計回りに回動したときの押動制御部44の前進量は、ばね接続部81の前進量よりも多い。さらに、トリガープレート46は押動制御部44の前進量と同じ量前進するので、トリガープレート46の前進量は、ばね接続部81の前進量よりも多い。この結果、イジェクトアーム41が反時計回りに回動すると、コイルばね49が伸びる。コイルばね49が伸びると、コイルばね49により、トリガープレート46を後ろ方向に引き戻そうとする力が生じる。そして、トリガープレート46を後ろ方向に引き戻そうとする力は、トリガーピン47と押動制御部44との接触により、押動制御部44を後ろ方向に戻そうとする力となる。そして、この力は、トリガープレート41を時計回り方向D1に回動させる力となる。
【0091】
記録ディスク2がディスクドライブ10に挿入され、ローディングが開始されても、記録ディスク2が引き込み完了位置に到達しておらず、トリガープレート46が中間位置P2に到達しておらず、トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66とまだ噛み合っていない間は、イジェクトアーム41には、コイルばね49により、時計回り方向D1に回動するような力が加えられる。これにより、記録ディスク2がディスクドライブ10に挿入され、記録ディスク2の後ろ側周縁がイジェクトアーム41の接触部材43に接触してから、記録ディスク2が引き込み完了位置に到達するまでの間、イジェクトアーム41の接触部材43は、記録ディスク2の後ろ側周縁に、コイルばね49が作り出したD1方向の力をもって接触する。
【0092】
図12中央に示すように、記録ディスク2が引き込み完了位置まで搬送されると、記録ディスク2によりイジェクトアーム41の接触部材43が後ろ方向に押され、イジェクトアーム41がコイルばね49の付勢力に抗して反時計回りに回動する。これにより、押動制御部44がトリガーピン47を押し、トリガープレート46が中間位置P2まで前進する。トリガープレート46が中間位置P2まで前進すると、トリガープレート46のラック部46Aがピニオン66と噛み合う。このとき、ピニオン66はモーター65により回転している。ピニオン66の回転により、トリガープレート46が前部位置P3に向けて前進する。これにより、トリガーピン47が押動制御部44から離れる。この結果、イジェクトアーム41のばね接続部81がコイルばね49により前方向に引っ張られる。それゆえ、イジェクトアーム41には、コイルばね49により、反時計回り方向D2の力が与えられる。
【0093】
コイルばね49により反時計回り方向D2の力が与えられると、図12右側に示すように、イジェクトアーム41が反時計回り方向に回動する。そして、この回動は、イジェクトアーム41の他端側がストッパー39に接することにより止められる。この結果、イジェクトアーム41の接触部材43が記録ディスク2の後ろ側周縁から離れ、接触部材43と記録ディスク2の後ろ側周縁との間に適切なクリアランスが確保される。
【0094】
なお、ストッパー39は、上端側が上向きに伸び、下端側がセレクトプレート37に形成された貫通溝91を介して、図示しないモーターブランケットに固定されている。このため、イジェクトアームの一端側(接触部材43)の後退幅D8は、セレクトプレート37の後退幅D7よりも大きく、記録ディスク周辺に十分なクリアランスを与えることができる。
【0095】
なお、図12を用いて説明したイジェクトアーム41の状態および動作は、記録ディスク1がディスクドライブ10に挿入されたときでもほぼ同様である。
【0096】
以上説明した通り、ディスクドライブ10によれば、ローディング時にイジェクトアーム41に加えるべき力と、クランプ時にイジェクトアーム41に加えるべき力とが、互いに逆方向であるのにもかかわらず、これらの力を一本のコイルばね49により作り出すことができる。これにより、ディスクドライブ10の構造を簡単化することができる。したがって、ディスクドライブ20の部品点数を削減することができ、ディスクドライブ10の小型化、薄型化、軽量化および製造コストの削減を実現することができる。
【0097】
なお、シャーシ11が基板の具体例であり、セレクトプレート37が支持板の具体例であり、イジェクトアーム41がアームの具体例であり、トリガープレート46が移動部材の具体例であり、モーター65およびピニオン66が搬送機構の具体例である。
【0098】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うディスクドライブもまた本発明の技術思想に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明のディスクドライブの実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1中のディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図3】小径の記録ディスクが挿入されたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図4】小径の記録ディスクがクランプ位置に搬送されたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図5】小径の記録ディスクがクランプされたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図6】小径の記録ディスクがイジェクト完了位置で停止したときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図7】大径の記録ディスクが挿入されたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図8】大径の記録ディスクの搬送途中におけるディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図9】大径の記録ディスクがクランプ位置に搬送されたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図10】大径の記録ディスクがクランプされたときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図11】大径の記録ディスクがイジェクト完了位置で停止したときのディスクドライブの内部を示す平面図である。
【図12】イジェクトアームの3つの状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0100】
10 ディスクドライブ
37 セレクトプレート
41 イジェクトアーム
42 支軸
43 接触部材
44 押動制御部
46 トリガープレート
47 トリガーピン
49 コイルばね
65 モーター
66 ピニオン
81 ばね接続部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ディスクに対して情報の読み取りまたは記録を行うディスクドライブであって、
基板と、
前記基板に支軸を介して回動可能に支持され、前記支軸から左右方向一方側に伸張し、ローディング時には前記記録ディスクの後ろ側周縁に接触することにより前記記録ディスクの引き込み完了を検出する第1端部と、前記支軸から左右方向他方側に伸張する第2端部と、前記支軸と前記第2端部との間に形成されたばね接続部とを備えたアームと、
前記基板に前後方向に移動可能に支持され、後部位置から中間位置を通過して前部位置に至るまで前方向に移動する移動部材と、
前記アームの第2端部に設けられ、前記アームの回動により生じる前記第2端部の前進により、前記移動部材を前記後部位置から中間位置まで押し動かす押動制御部と、
前記押動制御部により前記中間位置まで押し動かされた前記移動部材を前記中間位置から前記前部位置まで搬送する搬送機構と、
一端側が前記アームのばね接続部に接続され、他端側が前記移動部材に接続され、前記移動部材が前方向に移動したときに、前記アームのばね接続部を引っ張るばねとを備えていることを特徴とするディスクドライブ。
【請求項2】
前記移動部材は、前記移動部材が前記後部位置から前記中間位置に存在するまでの間、前記押動制御部と接するピンを備えていることを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ。
【請求項3】
前記搬送機構は、前記中間位置に配置されたピニオンと、前記ピニオンを回転させるモーターとを備え、
前記移動部材は、前記移動部材が前方向に移動して前記中間位置に到達したときに、ピニオンと噛み合うラック部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ。
【請求項4】
前記アームは、前記基板に対して前後方向に移動可能に支持された支持板上に支軸を介して回動可能に支持され、
前記支持板が前後方向に移動し、これに伴って前記アームが前後方向に移動すると、前記ばねによる前記アームと前記移動部材との間の接続により、前記移動部材も前記アームといっしょに前後方向に移動することを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ。
【請求項1】
記録ディスクに対して情報の読み取りまたは記録を行うディスクドライブであって、
基板と、
前記基板に支軸を介して回動可能に支持され、前記支軸から左右方向一方側に伸張し、ローディング時には前記記録ディスクの後ろ側周縁に接触することにより前記記録ディスクの引き込み完了を検出する第1端部と、前記支軸から左右方向他方側に伸張する第2端部と、前記支軸と前記第2端部との間に形成されたばね接続部とを備えたアームと、
前記基板に前後方向に移動可能に支持され、後部位置から中間位置を通過して前部位置に至るまで前方向に移動する移動部材と、
前記アームの第2端部に設けられ、前記アームの回動により生じる前記第2端部の前進により、前記移動部材を前記後部位置から中間位置まで押し動かす押動制御部と、
前記押動制御部により前記中間位置まで押し動かされた前記移動部材を前記中間位置から前記前部位置まで搬送する搬送機構と、
一端側が前記アームのばね接続部に接続され、他端側が前記移動部材に接続され、前記移動部材が前方向に移動したときに、前記アームのばね接続部を引っ張るばねとを備えていることを特徴とするディスクドライブ。
【請求項2】
前記移動部材は、前記移動部材が前記後部位置から前記中間位置に存在するまでの間、前記押動制御部と接するピンを備えていることを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ。
【請求項3】
前記搬送機構は、前記中間位置に配置されたピニオンと、前記ピニオンを回転させるモーターとを備え、
前記移動部材は、前記移動部材が前方向に移動して前記中間位置に到達したときに、ピニオンと噛み合うラック部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ。
【請求項4】
前記アームは、前記基板に対して前後方向に移動可能に支持された支持板上に支軸を介して回動可能に支持され、
前記支持板が前後方向に移動し、これに伴って前記アームが前後方向に移動すると、前記ばねによる前記アームと前記移動部材との間の接続により、前記移動部材も前記アームといっしょに前後方向に移動することを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−102939(P2007−102939A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−292412(P2005−292412)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
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