説明

ディスクブレーキのブレーキ液冷却機構

【課題】 小型でキャリパーに組み込みやすく、故障しない堅牢な構造で、ブレーキ液を効率よく冷却する機構を実現する。
【解決手段】 キャリパー11内のブレーキ液パイプ14を囲む冷却液流路14bとしてラセン溝22を設ける。キャリパー11にはラセン溝22の入口22aと出口22bに合わせて冷却液23の導入口16と排出口17を設ける。冷却液23は冷却液の循環ポンプ18で加圧されて導入口16から入り、ラセン溝22を流れながら摩擦熱で熱くなったブレーキ液24を冷却し、排出口17から出る。冷却液23は排出口17から出たのち熱交換器20で冷却されて循環ポンプ18に戻る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車のブレーキに関し、特にディスクブレーキのブレーキ液の冷却機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクブレーキは車輪と共に回転するブレーキディスクをキャリパー内のブレーキパッドで挟んで制動する。このときブレーキディスクとブレーキパッドの摩擦熱によりブレーキパッドやブレーキ液が加熱される。ブレーキパッドの表面が溶融すると制動が不可能になる(フェード現象)。またブレーキ液が沸騰するとブレーキ加圧が不可能になる(ベーパーロック現象)。このためブレーキパッドとブレーキ液を冷却する工夫が必要である。本発明は特に後者のブレーキ液を冷却する技術に関する。
【0003】
特許文献1にはブレーキディスクで発生した空気の流れを中空のピストン内部を通し、空冷によりピストンの温度を下げる構造が記載されている。
【0004】
特許文献2にはキャリパー内のブレーキ液溜まりにヒートパイプを組み込み、ヒートパイプによりブレーキ液の温度を下げる構造が記載されている。
【0005】
特許文献3にはキャリパー内に冷却水の流路を組み込み、冷却水によりキャリパーの温度を下げる構造が記載されている。
【0006】
特許文献4、特許文献5にはブレーキホースの中間にブレーキ液の冷却機構を設け、冷却機構を経由してブレーキ液を循環させ、ブレーキ液の温度を下げる構造が記載されている。
【特許文献1】特開2004−332875号公報
【特許文献2】実開昭57−147437号公報
【特許文献3】実開昭60−184445号公報
【特許文献4】特開平6−199212号公報
【特許文献5】特開昭63−172029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の構造はブレーキパッド裏面を冷却するのには有効であると思われるが、ブレーキ液の冷却は難しいと思われる。また空気の流れによる冷却は熱容量が小さく熱伝導も悪いので冷却効率は低いと思われる。
【0008】
特許文献2の構造はブレーキ液を冷却するのに有効であると思われるが、ヒートパイプはある程度の太さが必要なので狭いディスクブレーキ内部に組み込むのは難しいと思われる。
【0009】
特許文献3の構造はキャリパー自体を冷却するのには有効であると思われるがブレーキ液の冷却は難しいと思われる。
【0010】
特許文献4、特許文献5の構造はブレーキ液を冷却するのに有効であると思われるがブレーキ液を循環させるのにワンウエイバルブを使用しなければならない。ブレーキ液系統は急激な圧力変化が不規則に発生するのでワンウエイバルブの故障や誤動作が懸念される。
【0011】
上記のような状況であるため、小型でディスクブレーキに組み込みやすく、故障しない堅牢な構造で、ブレーキ液を効率よく冷却する機構が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構は、キャリパー内にブレーキ液流路を備え、前記ブレーキ液で伝達される圧力によりシリンダー内のピストンを駆動し、前記ピストンと結合したブレーキパッドでブレーキディスクの回転を制動するディスクブレーキにおいて、冷却液で前記ブレーキ液を冷却するため、前記キャリパー内の前記ブレーキ液流路を囲む冷却液流路を備え、前記冷却液は、循環ポンプ、前記冷却液流路、熱交換器を循環して前記ブレーキ液を冷却することを特徴とする。
【0013】
ブレーキ液流路を囲む位置に冷却液流路を備えた構造は、ブレーキ液をブレーキ液流路のすぐ外側からブレーキ液流路の全周を囲んで冷却するので熱抵抗が小さく冷却効率がよい。冷却液による冷却は空冷に比べ熱容量が大きく熱伝導がよいので冷却効率がよい。冷却液の循環ポンプ、冷却液流路、熱交換器はブレーキ液の配管回路と独立しており、ブレーキ液の圧力が直接かかることはないので圧力変動がなく故障しにくい。
【0014】
請求項2に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構は、請求項1記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、前記キャリパーは、前記シリンダーに連通するブレーキ液パイプ挿入孔を備え、中空円筒形状で中空部がブレーキ液流路であるブレーキ液パイプが前記ブレーキ液パイプ挿入孔に挿入固定され、前記ブレーキ液パイプの外面と前記ブレーキ液パイプ挿入孔の内面との間隙を前記冷却液流路としたことを特徴とする。
【0015】
キャリパーのブレーキ液パイプ挿入孔にブレーキ液パイプを挿入し、ブレーキ液パイプの外面とブレーキ液パイプ挿入孔の内面との間隙を冷却液流路とした構造は小型なので容易にキャリパーに組み込むことができる。また単純な構造なので堅牢である。そして製造も容易なので実用的である。
【0016】
請求項3に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構は、請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、前記ブレーキ液パイプは外周にラセン溝を備え、前記ラセン溝を前記冷却液流路としたことを特徴とする。
【0017】
中空円筒のブレーキ液パイプの外周を切削しラセン溝を形成して冷却液流路とし、キャリパーにブレーキ液パイプ外径と同一径の円筒形のブレーキ液パイプ挿入孔を穿孔し、ブレーキ液パイプ挿入孔にブレーキ液パイプを挿入固定する製法は実用的である。冷却液流路がラセン溝であるので、冷却液は逆流したり乱流になったりしないでスムーズに流れることができる。
【0018】
請求項4に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構は、請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、前記ブレーキ液パイプ挿入孔は内周にラセン溝を備え、前記ラセン溝を前記冷却液流路としたことを特徴とする。
【0019】
ブレーキ液パイプを中空円筒とし、キャリパーにブレーキ液パイプ外径と同一径の円筒形のブレーキ液パイプ挿入孔を穿孔し、その内周を切削しラセン溝を形成して冷却液流路とし、ブレーキ液パイプ挿入孔にブレーキ液パイプを挿入固定する製法は実用的である。特にブレーキ液パイプが薄肉パイプでラセン溝を形成することが困難な場合、ブレーキ液パイプ挿入孔側にラセン溝を形成することは実用上意味がある。
【0020】
請求項5に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構は、請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、前記ブレーキ液パイプは外周にラセン溝を備え、前記ブレーキ液パイプ挿入孔は内周にラセン溝を備え、前記ブレーキ液パイプ外周のラセン溝と前記ブレーキ液パイプ挿入孔内周のラセン溝はピッチが同一で、合わせて一体化したラセン溝を形成し、前記一体化したラセン溝を前記冷却液流路としたことを特徴とする。
【0021】
中空円筒のブレーキ液パイプの外周を切削してラセン溝を形成し、キャリパーにブレーキ液パイプ外径と同一径の円筒形のブレーキ液パイプ挿入孔を穿孔し、その内周を切削してブレーキ液パイプの外周のラセン溝と同一ピッチのラセン溝を形成し、ブレーキ液パイプ挿入孔にブレーキ液パイプを挿入固定して双方のラセン溝を合わせて一体化したラセン溝とし、一体化したラセン溝を冷却液流路とする製法は実用的である。ブレーキ液パイプ挿入孔とブレーキ液パイプのどちらか一方だけにラセン溝を設けるよりラセン溝の断面積を大きくすることができるので冷却液を多量に流すことができる。
【0022】
請求項6に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構は、請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、前記ブレーキ液パイプは外周に円筒溝を備え、前記円筒溝を前記冷却液流路としたことを特徴とする。
【0023】
円筒溝とは2個の同軸円筒の、外側の円筒の内周と内側の円筒の外周に挟まれた部分の形状である溝を意味する。中空円筒のブレーキ液パイプの外周を切削し円筒溝を形成して冷却液流路とし、キャリパーにブレーキ液パイプ外径と同一径の円筒形のブレーキ液パイプ挿入孔を穿孔し、ブレーキ液パイプ挿入孔にブレーキ液パイプを挿入固定する製法は実用的である。円筒溝はラセン溝に比べ断面積が大きいので冷却液を多量に流すことができ、冷却液の圧力損失が少ないので循環ポンプの能力が小さくてもよい。
【0024】
請求項7に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構は、請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、前記ブレーキ液パイプ挿入孔は内周に円筒溝を備え、前記円筒溝を前記冷却液流路としたことを特徴とする。
【0025】
ブレーキ液パイプを中空円筒とし、キャリパーにブレーキ液パイプ外径と同一径の円筒形のブレーキ液パイプ挿入孔を穿孔し、その内周を切削し円筒溝を形成して冷却液流路とし、ブレーキ液パイプ挿入孔にブレーキ液パイプを挿入固定する製法は実用的である。特にブレーキ液パイプが薄肉パイプで円筒溝を形成することが困難な場合、ブレーキ液パイプ挿入孔側に円筒溝を形成することは実用上意味がある。
【0026】
請求項8に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構は、請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、前記ブレーキ液パイプは外周に円筒溝を備え、前記ブレーキ液パイプ挿入孔は内周に円筒溝を備え、前記ブレーキ液パイプ外周の円筒溝と前記ブレーキ液パイプ挿入孔内周の円筒溝は軸方向の長さが同一で、合わせて一体化した円筒溝を形成し、前記一体化した円筒溝を前記冷却液流路としたことを特徴とする。
【0027】
中空円筒のブレーキ液パイプの外周を切削して円筒溝を形成し、キャリパーにブレーキ液パイプ外径と同一径の円筒形のブレーキ液パイプ挿入孔を穿孔し、その内周を切削して軸方向がブレーキ液パイプ外周の円筒溝と同一長さの円筒溝を形成し、ブレーキ液パイプ挿入孔にブレーキ液パイプを挿入固定して双方の円筒溝を合わせて一体化した円筒溝となし、一体化した円筒溝を冷却液流路とする製法は実用的である。ブレーキ液パイプ挿入孔とブレーキ液パイプのどちらか一方だけに円筒溝を設けるより円筒溝の断面積を大きくすることができる。一体化した円筒溝は断面積が非常に大きいので冷却液を非常に多量に流すことができ、冷却液の圧力損失が非常に少ないので循環ポンプの能力が非常に小さくてもよい。
【0028】
請求項9に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構は、請求項2から8に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構のいずれか一において、前記ブレーキ液パイプの中空部は、前記冷却液流路に囲まれたブレーキ液貯留部の前記ブレーキ液パイプの中心軸に垂直な断面積が、前記ピストンに近い部分の断面積より大きいことを特徴とする。
【0029】
キャリパー内のブレーキ液パイプ中空部の冷却液流路に囲まれた部分をブレーキ液を冷却して貯蔵しておくことからブレーキ液貯留部と呼ぶことにする。ブレーキ液貯留部のブレーキ液パイプの中心軸に垂直な断面積は、その先端のピストンに近い部分より大きくしてある。そのためブレーキ液貯留部はブレーキ液を多量に貯蔵することができる。これによりブレーキを使用していないときに多量のブレーキ液をブレーキ液貯留部に冷却しながら貯蔵しておくことができる。ブレーキ液貯留部に冷却されたブレーキ液が多量にあるためブレーキを使用したときのブレーキ液の温度上昇を押さえることができる。
【0030】
請求項10に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構は、キャリパー内にブレーキ液流路を備え、前記ブレーキ液で伝達される圧力によりシリンダー内のピストンを駆動し、前記ピストンと結合したブレーキパッドでブレーキディスクの回転を制動するディスクブレーキにおいて、冷却液で前記ブレーキ液を冷却するため、前記キャリパー内の前記ブレーキ液流路を囲む冷却液流路を備え、さらに前記ブレーキ液流路を囲む冷却液流路とつながり前記キャリパー内部を通る冷却液流路を備え、前記冷却液は、循環ポンプ、前記ブレーキ液流路を囲む冷却液流路、前記キャリパー内部を通る冷却液流路、熱交換器を循環して前記ブレーキ液と前記キャリパーを冷却することを特徴とする。
【0031】
冷却液流路をブレーキ液パイプを囲む位置だけでなくキャリパー内部にも設けることにより、ブレーキ液パイプの中のブレーキ液に加えてキャリパー全体も冷却することができる。これによりキャリパーにはめこまれたピストンとそれに取り付けられたブレーキパッドも同時に冷却することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構は、ブレーキ液と冷却液との間で熱交換する部分が小型でキャリパーに組み込みやすく、故障しない堅牢な構造である。また空冷でなく冷却液を用いるためブレーキ液を効率よく冷却することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10である。キャリパー11の中央溝(図示しない)にブレーキディスク12の外周部がはまり、ブレーキパッド(図示しない)と一定の間隙を保って回転する。キャリパー11には片側に4個、両側で4対のシリンダー13aとピストン13bが備えられている。ブレーキパッド(図示しない)はピストン13bの表面に取り付けられている。運転者がブレーキペダル(図示しない)を踏むとマスターシリンダー(図示しない)内のブレーキ液が加圧される。その圧力はキャリパー11内のブレーキ液パイプ14をとおしてシリンダー13a内のピストン13bに伝達される。このときピストン13bの移動した分、ブレーキ液はブレーキ液パイプ14の中を流れる。4対のピストン13bのブレーキ液は配管15でつながっているので4対のピストン13bに同時にブレーキ液の圧力が加わる。それにより4対のピストン13bはブレーキディスク12を挟む方向に同時に移動する。そして4対のブレーキパッドがブレーキディスク12を挟んでその回転を制動する。キャリパー11にはブレーキ液を冷却するための冷却液の導入口16と排出口17が備えられている。冷却液は冷却液の循環ポンプ18で加圧され、キャリパー11外の冷却液配管19を通り、導入口16からキャリパー11内に入る。そしてキャリパー11内でブレーキ液パイプ14の周囲の冷却液流路14bを通りながらブレーキ液を冷却し、排出口17から出て熱交換器20に入る。熱交換器20は冷却液配管19の周囲に放熱フィンを備えた空冷式のものでもよいし、エンジンのラジエターを利用した水冷式のものでもよい。冷却液は熱交換器20で冷却されて循環ポンプ18に戻り再び導入口16に向かう。ブレーキ液パイプ14は細長い中空円筒であり、キャリパー11に穿孔したブレーキ液パイプ挿入孔11bにピストン13bの近くまで挿入されている。ブレーキ液パイプ挿入孔11bはシリンダー13aに連通している。ブレーキ液パイプ14の周囲の冷却液流路14bの形状は本発明の主要部なので図3以降で詳しく説明する。
【0034】
図2は本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10のキャリパー11である。キャリパー11の中央溝11aにブレーキディスク12がはまりブレーキパッド(図示しない)と一定の間隙を保って回転する。キャリパー11には片側に4個、両側で4対のシリンダー13aとピストン13bが備えられている。ブレーキパッド(図示しない)はピストン13bの表面に取り付けられている。キャリパー11にはブレーキ液を冷却するため冷却液の導入口16、排出口17が備えられている。
【0035】
図3に本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10の主要部であるブレーキ液冷却部(第一例)21を示す。中空円筒のブレーキ液パイプ14の外周を研削してブレーキ液パイプ14に巻き付くようにラセン溝22を形成した。ブレーキ液パイプ14の外径と同一径の円筒形のブレーキ液パイプ挿入孔11bをキャリパー11に穿孔した。ブレーキ液パイプ挿入孔11bはシリンダー13aに通じている。そしてブレーキ液パイプ14をブレーキ液パイプ挿入孔11bに挿入し、先端のネジ14dで固定した。ブレーキ液パイプ挿入孔11bとブレーキ液パイプ14はラセン溝22を除き隙間のないはめ合い構造なので、ラセン溝22が冷却液流路14bとなる。ブレーキ液パイプ14の先端はピストン13bの近くに達している。ブレーキ液パイプ14の中空部をブレーキ液24が通り、ブレーキ圧力がピストン13bに伝わる。キャリパー11にはラセン溝22の入口22aと出口22bに合わせて冷却液23の導入口16と排出口17を設けた。冷却液23としては防錆剤と不凍液を加えた水が適当である。冷却液23は循環ポンプ18で加圧されて導入口16からキャリパー11内部に入り、ブレーキ液パイプ14を囲むラセン溝22を流れながらブレーキ液24を冷却する。図中、矢印23a、23bは冷却液23の流れる方向を示す。熱くなった冷却液23は排出口17から出たのち熱交換器20で冷却されて循環ポンプ18に戻る。すなわち冷却液23は循環ポンプ18、冷却液流路14b(ラセン溝22)、熱交換器20を循環しながらブレーキ液24の冷却をおこなう。
【0036】
ブレーキ液パイプ14の中空部のうち、ラセン溝22に囲まれた部分(図3で破線で囲まれた部分)をブレーキ液貯留部25とよぶことにする。ブレーキ液貯留部25のブレーキ液パイプ14の中心軸14cに垂直な断面積は、ピストン13bに近い部分14aの断面積より大きい。そのためブレーキ液貯留部25の、中心軸14cに沿った単位長さあたりのブレーキ液24容量はピストン13bに近い先端部14aに比べて大きい。この結果、ブレーキを使用していないときにブレーキ液貯留部25に多量のブレーキ液24を冷却して貯蔵しておくことができる。冷却されたブレーキ液24が多量に貯蔵してあるため、ブレーキを使用したときブレーキ液24の温度上昇を押さえることができる。
【0037】
図4に本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10の主要部であるブレーキ液冷却部(第二例)26を示す。中空円筒のブレーキ液パイプ14の外径と同一径のブレーキ液パイプ挿入孔11bをキャリパー11に穿孔した。ブレーキ液パイプ挿入孔11bはシリンダー13aに通じている。ブレーキ液パイプ挿入孔11bの内周を研削してブレーキ液パイプ14に巻き付くようにラセン溝27を形成した。ブレーキ液パイプ14をブレーキ液パイプ挿入孔11bに挿入しネジ14dで固定した。ブレーキ液パイプ挿入孔11bとブレーキ液パイプ14はラセン溝27を除き隙間のないはめ合い構造なので、ラセン溝27が冷却液流路14bとなる。冷却液23の導入口16と排出口17を設けることは図3のブレーキ液冷却部21と同様である。図3のブレーキ液冷却部21ではブレーキ液パイプ14側にラセン溝22を設けたが、図4のブレーキ液冷却部26ではブレーキ液パイプ挿入孔11b側にラセン溝27を設けた。ブレーキ液パイプ14が薄肉パイプで図3のようなラセン溝22を設けることが困難な場合、ブレーキ液パイプ挿入孔11b側にラセン溝27を設けることにより図3のブレーキ液冷却部21と同様のブレーキ液冷却効果が得られる。
【0038】
図5に本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10の主要部であるブレーキ液冷却部(第三例)28を示す。中空円筒のブレーキ液パイプ14の外周を研削してブレーキ液パイプ14に巻き付くようにラセン溝を形成した。ブレーキ液パイプ14の外径と同一径のブレーキ液パイプ挿入孔11bをキャリパー11に穿孔した。ブレーキ液パイプ挿入孔11bはシリンダー13aに通じている。ブレーキ液パイプ挿入孔11bの内周を研削してブレーキ液パイプ14に巻き付くようにラセン溝を形成した。ブレーキ液パイプ挿入孔11bの内周のラセン溝とブレーキ液パイプ14の外周のラセン溝はピッチを等しくした。ブレーキ液パイプ14をブレーキ液パイプ挿入孔11bに挿入しネジ14dで固定した。このとき双方のラセン溝の位置が一致するようにした。この結果ブレーキ液パイプ14側のラセン溝とブレーキ液パイプ挿入孔11b側のラセン溝が一体化してラセン溝29となった。このようにすればブレーキ液パイプ挿入孔11bとブレーキ液パイプ14のどちらか一方だけにラセン溝を設けるよりラセン溝の断面積を大きくすることができる。ブレーキ液パイプ挿入孔11bとブレーキ液パイプ14はラセン溝29を除き隙間のないはめ合い構造なのでラセン溝29が冷却液流路14bとなる。冷却液23の導入口16と排出口17を設けることは図3のブレーキ液冷却部21と同様である。図5のブレーキ液冷却部28のラセン溝29は断面積が大きいので冷却液23を多量に流すことができる。
【0039】
図6に本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10の主要部であるブレーキ液冷却部(第四例)30を示す。中空円筒のブレーキ液パイプ14の外周を研削してブレーキ液パイプ14を囲む円筒溝31を形成した。ブレーキ液パイプ14の外径と同一径のブレーキ液パイプ挿入孔11bをキャリパー11に穿孔した。ブレーキ液パイプ挿入孔11bはシリンダー13aに通じている。ブレーキ液パイプ14をブレーキ液パイプ挿入孔11bに挿入しネジ14dで固定した。ブレーキ液パイプ挿入孔11bとブレーキ液パイプ14は円筒溝31を除き隙間のないはめ合い構造なので円筒溝31が冷却液流路14bとなる。冷却液23の導入口16と排出口17を円筒溝の一端31aと他端31bに合わせて設けることは図3のブレーキ液冷却部21と同様である。図6のブレーキ液冷却部30の円筒溝31はラセン溝に比べ断面積が大きいので冷却液23を多量に流すことができ、ラセン溝に比べて冷却液23の圧力損失が少ないので循環ポンプ18の能力が小さくてもよい。
【0040】
図7に本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10の主要部であるブレーキ液冷却部(第五例)32を示す。中空円筒のブレーキ液パイプ14と外径が同一径のブレーキ液パイプ挿入孔11bをキャリパー11に穿孔した。ブレーキ液パイプ挿入孔11bはシリンダー13aに通じている。ブレーキ液パイプ挿入孔11bの内周を研削してブレーキ液パイプ14を囲む円筒溝33を形成した。ブレーキ液パイプ14をブレーキ液パイプ挿入孔11bに挿入しネジ14dで固定した。ブレーキ液パイプ挿入孔11bとブレーキ液パイプ14は円筒溝33を除き隙間のないはめ合い構造なので円筒溝33が冷却液流路14bとなる。冷却液23の導入口16と排出口17を円筒溝の一端33aと他端33bに合わせて設けることは図3のブレーキ液冷却部21と同様である。ブレーキ液パイプ14が薄肉パイプのため、それを研削して図6のような円筒溝31を設けることが困難な場合、ブレーキ液パイプ挿入孔11b側に円筒溝33を設けることにより同様のブレーキ液冷却効果が得られる。
【0041】
図8に本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10の主要部であるブレーキ液冷却部(第六例)34を示す。中空円筒製のブレーキ液パイプ14の外周を研削してブレーキ液パイプ14を囲む円筒溝を形成した。ブレーキ液パイプ14の外径と同一径のブレーキ液パイプ挿入孔11bをキャリパー11に穿孔した。ブレーキ液パイプ挿入孔11bはシリンダー13aに通じている。ブレーキ液パイプ挿入孔11bの内周を研削してブレーキ液パイプ14を囲む円筒溝を形成した。ブレーキ液パイプ14の外周の円筒溝とブレーキ液パイプ挿入孔11bの内周の円筒溝は軸方向の長さが等しくなるようにした。ブレーキ液パイプ14をブレーキ液パイプ挿入孔11bに挿入しネジ14dで固定した。このとき双方の円筒溝の端が一致するようにした。この結果ブレーキ液パイプ14側の円筒溝とブレーキ液パイプ挿入孔11b側の円筒溝が一体化して円筒溝35となった。キャリパー11とブレーキ液パイプ14は円筒溝35を除き隙間のないはめ合い構造なので円筒溝35が冷却液流路14bとなる。冷却液23の導入口16と排出口17を円筒溝の一端35aと他端35bに合わせて設けることは図3のブレーキ液冷却部21と同様である。図8のブレーキ液冷却部34の円筒溝35は断面積が非常に大きいので冷却液23を非常に多量に流すことができ、冷却液23の圧力損失が非常に少ないので循環ポンプ18の能力が非常に小さくてもよい。
【0042】
ブレーキ液パイプ14周囲の冷却液流路14bの形状は上述のラセン溝や円筒溝に限らず、ブレーキ液24と冷却液23との間で熱交換ができ、冷却液23が導入口16から排出口17に向かってスムーズに流れる形状であればよい。
【0043】
以上説明した、ブレーキ液パイプ14を囲むようにブレーキ液24を冷却するための冷却液流路14b(ラセン溝や円筒溝)を設けた構造は小型なので容易にキャリパー11に組み込むことができる。また単純な構造なので堅牢である。この構造はブレーキ液パイプ14のすぐ外側からブレーキ液24を冷却するので熱抵抗が小さく冷却効率がよい。冷却液23は空気に比べ熱容量が大きく熱伝導がよいので空冷より冷却効率がよい。冷却液の循環ポンプ18、冷却液流路14b、熱交換器20、それらを結ぶ冷却液配管19はブレーキ液24の配管回路と独立しているためブレーキ液24の圧力が直接かかることはない。したがって圧力変動がないので故障しにくい。
【0044】
図9は本発明の第二実施形態のブレーキ液冷却機構40である。冷却液は循環ポンプ18で加圧され、キャリパー11外の冷却液配管19を通り、導入口16からキャリパー11内に入る。そしてキャリパー11内でブレーキ液パイプ14を囲むラセン溝または円筒溝などの冷却液流路14bを通りながらブレーキ液を冷却する。ブレーキ液パイプ14を囲む冷却液流路14bの詳細は第一実施形態のブレーキ液冷却機構10と同様である。冷却液は引き続きキャリパー11内部に設けられた冷却液流路41を通りながらキャリパー11を冷却し、排出口17から出て熱交換器20に入る。冷却液は熱交換器20で冷却されて循環ポンプ18に戻り再び導入口16に向かう。このようにして冷却液は、循環ポンプ18、ブレーキ液パイプ14を囲む冷却液流路14b、キャリパー11内の冷却液流路41、熱交換器20を循環しながらブレーキ液とキャリパー11の両方の冷却をおこなう。
【0045】
第一実施形態のブレーキ液冷却機構10ではブレーキ液パイプ14の中のブレーキ液24を主として冷却するが、第二実施形態のブレーキ液冷却機構40ではブレーキ液パイプ14の中のブレーキ液24に加えてキャリパー11も冷却する。第二実施形態のブレーキ液冷却機構40ではキャリパー11も冷却することにより、ピストン13bとそれに取り付けられたブレーキパッドも同時に冷却することができる。そのためベーパーロック現象に加えフェード現象も防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構はブレーキ液を効率よく冷却できるので、過酷なブレーキ使用状態においてもブレーキ液の沸騰によるベーパーロック現象を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10の説明図
【図2】本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10のキャリパー11の斜視図
【図3】本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10のブレーキ液冷却部21の断面図
【図4】本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10のブレーキ液冷却部26の断面図
【図5】本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10のブレーキ液冷却部28の断面図
【図6】本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10のブレーキ液冷却部30の断面図
【図7】本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10のブレーキ液冷却部32の断面図
【図8】本発明の第一実施形態のブレーキ液冷却機構10のブレーキ液冷却部34の断面図
【図9】本発明の第二実施形態のブレーキ液冷却機構40の説明図
【符号の説明】
【0048】
10 ブレーキ液冷却機構
11 キャリパー
11a キャリパーの中央溝
11b ブレーキ液パイプ挿入孔
12 ブレーキディスク
13a シリンダー
13b ピストン
14 ブレーキ液パイプ
14a ブレーキ液パイプの先端部
14b 冷却液流路
14c ブレーキ液パイプの中心軸
14d ブレーキ液パイプの先端ネジ
15 ブレーキ液の配管
16 冷却液の導入口
17 冷却液の排出口
18 冷却液の循環ポンプ
19 冷却液配管
20 冷却液の熱交換器
21 ブレーキ液冷却部
22 ラセン溝
22a ラセン溝の入口
22b ラセン溝の出口
23 冷却液
23a、23b 冷却液の流れる方向
24 ブレーキ液
25 ブレーキ液貯留部
26 ブレーキ液冷却部
27 ラセン溝
28 ブレーキ液冷却部
29 ラセン溝
30 ブレーキ液冷却部
31 円筒溝
31a 円筒溝の一端
31b 円筒溝の他端
32 ブレーキ液冷却部
33 円筒溝
33a 円筒溝の一端
33b 円筒溝の他端
34 ブレーキ液冷却部
35 円筒溝
35a 円筒溝の一端
35b 円筒溝の他端
40 ブレーキ液冷却機構
41 冷却液流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリパー内にブレーキ液流路を備え、前記ブレーキ液で伝達される圧力によりシリンダー内のピストンを駆動し、前記ピストンと結合したブレーキパッドでブレーキディスクの回転を制動するディスクブレーキにおいて、
冷却液で前記ブレーキ液を冷却するため、前記キャリパー内の前記ブレーキ液流路を囲む冷却液流路を備え、
前記冷却液は、循環ポンプ、前記冷却液流路、熱交換器を循環して前記ブレーキ液を冷却することを特徴とするディスクブレーキのブレーキ液冷却機構。
【請求項2】
請求項1記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、
前記キャリパーは、前記シリンダーに連通するブレーキ液パイプ挿入孔を備え、
中空円筒形状で中空部がブレーキ液流路であるブレーキ液パイプが前記ブレーキ液パイプ挿入孔に挿入固定され、
前記ブレーキ液パイプの外面と前記ブレーキ液パイプ挿入孔の内面との間隙を前記冷却液流路としたことを特徴とするディスクブレーキのブレーキ液冷却機構。
【請求項3】
請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、
前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、
前記ブレーキ液パイプは外周にラセン溝を備え、
前記ラセン溝を前記冷却液流路としたことを特徴とするディスクブレーキのブレーキ液冷却機構。
【請求項4】
請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、
前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、
前記ブレーキ液パイプ挿入孔は内周にラセン溝を備え、
前記ラセン溝を前記冷却液流路としたことを特徴とするディスクブレーキのブレーキ液冷却機構。
【請求項5】
請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、
前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、
前記ブレーキ液パイプは外周にラセン溝を備え、
前記ブレーキ液パイプ挿入孔は内周にラセン溝を備え、
前記ブレーキ液パイプ外周のラセン溝と前記ブレーキ液パイプ挿入孔内周のラセン溝はピッチが同一で、合わせて一体化したラセン溝を形成し、
前記一体化したラセン溝を前記冷却液流路としたことを特徴とするディスクブレーキのブレーキ液冷却機構。
【請求項6】
請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、
前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、
前記ブレーキ液パイプは外周に円筒溝を備え、
前記円筒溝を前記冷却液流路としたことを特徴とするディスクブレーキのブレーキ液冷却機構。
【請求項7】
請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、
前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、
前記ブレーキ液パイプ挿入孔は内周に円筒溝を備え、
前記円筒溝を前記冷却液流路としたことを特徴とするディスクブレーキのブレーキ液冷却機構。
【請求項8】
請求項2記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構において、
前記ブレーキ液パイプ挿入孔は円筒形で、その内径は前記ブレーキ液パイプの外径と同一径であり、
前記ブレーキ液パイプは外周に円筒溝を備え、
前記ブレーキ液パイプ挿入孔は内周に円筒溝を備え、
前記ブレーキ液パイプ外周の円筒溝と前記ブレーキ液パイプ挿入孔内周の円筒溝は軸方向の長さが同一で、合わせて一体化した円筒溝を形成し、
前記一体化した円筒溝を前記冷却液流路としたことを特徴とするディスクブレーキのブレーキ液冷却機構。
【請求項9】
請求項2から8に記載のディスクブレーキのブレーキ液冷却機構のいずれか一において、前記ブレーキ液パイプの中空部は、前記冷却液流路に囲まれたブレーキ液貯留部の前記ブレーキ液パイプの中心軸に垂直な断面積が、前記ピストンに近い部分の断面積より大きいことを特徴とするディスクブレーキのブレーキ液冷却機構。
【請求項10】
キャリパー内にブレーキ液流路を備え、前記ブレーキ液で伝達される圧力によりシリンダー内のピストンを駆動し、前記ピストンと結合したブレーキパッドでブレーキディスクの回転を制動するディスクブレーキにおいて、
冷却液で前記ブレーキ液を冷却するため、前記キャリパー内の前記ブレーキ液流路を囲む冷却液流路を備え、
さらに前記ブレーキ液流路を囲む冷却液流路とつながり前記キャリパー内部を通る冷却液流路を備え、
前記冷却液は、循環ポンプ、前記ブレーキ液流路を囲む冷却液流路、前記キャリパー内部を通る冷却液流路、熱交換器を循環して前記ブレーキ液と前記キャリパーを冷却することを特徴とするディスクブレーキのブレーキ液冷却機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−89162(P2008−89162A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274072(P2006−274072)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(304057900)有限会社ソフィア企画 (2)
【Fターム(参考)】