説明

ディスクブレーキ装置用パッドクリップ

【課題】パッドクリップの装着が完全に成されているか否かの確認が容易で、装着未完状態でのパッドの組付けを防止することのできるディスクブレーキ装置用パッドクリップを提供する。
【解決手段】上記課題を解決するためのパッドクリップは、上部片18と下部片26、並び荷連結片24、及び上部片18並びに連結片24に対して幅方向に併設される押さえ爪20を有し、押さえ爪20は、サポート凸部に形成された凹溝の壁面に先端を当接させるフック状の先端20aと連結片24に併設された基端部、及び先端20aと前記基端部とを繋ぐ可撓部20bとから成り、押さえ爪20は前記サポートに対する装着が完了した場合には、先端20aが前記凹溝に嵌ることで可撓部20bが連結片24に沿う形態を採り、前記サポートに対する装着が未完の場合には、可撓部20bが連結片24よりも前記凸部からパッドの組付け位置へせり出すことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクブレーキ装置用パッドクリップに係り、特にサポートに形成された凸部を挟持するタイプのパッドクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスクブレーキ装置用パッドクリップは従来から知られており、サポート等のトルク受け部に凸部を形成し、これを挟持するタイプのものや、トルク受け部に凹部を形成し、この凹部に拡開保持されるタイプのものが知られている。このようにしてトルク受け部に対する保持力を得ているパッドクリップは、いずれのタイプであっても、トルク受け部からの脱落防止、トルク受け部に対する密着性の向上という点が課題とされてきていた。
【0003】
このような課題に対する1つの提案として、パッドクリップの拡開保持部に爪を形成し、この爪をトルク受け部に形成された凸部に設けた溝に引っ掛けるという構成が知られている。このような溝と爪を利用したパッドクリップの抜け止めに関しては、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
【特許文献1】実開昭59−67635号公報
【特許文献2】特開平8−226470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に開示されているようなパッドクリップは、爪を溝に引っ掛けて抜け止めを図るため、確かに高い抜け止め効果を発揮することができると考えられる。
しかし、上記のような構成のパッドクリップは、爪が拡開保持部の内側に設けられているため、パッドクリップの装着が完全に成されているか否か、すなわち爪が適切に溝に引っ掛かっているか否かの確認がし辛く、また、装着が完全に成されていない場合であってもパッドの組付けができてしまうという問題があった。
【0005】
パッドクリップの装着が不完全なままパッドの組付けが成された場合、パッドの挙動が大きくなって摩擦安定性がなくなり、ノイズが生ずるといった不具合が起こる。
そこで本発明では、上記のような問題を解決し、パッドクリップの装着が完全に成されているか否かの確認が容易で、装着未完状態でのパッドの組付けを防止することのできるディスクブレーキ装置用パッドクリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するための本発明に係るディスクブレーキ装置用パッドクリップは、ディスクブレーキ装置のサポートに形成された凸部に凹溝を形成し、前記凹溝を利用して前記凸部を挟持する挟持部を有するパッドクリップであって、前記挟持部は、上部片と下部片、前記上部片と前記下部片とを連結する連結片と、前記上部片及び前記連結片に対して幅方向に併設される押さえ爪とを有し、前記押さえ爪は、前記凹溝の壁面に先端を当接させる先端部と前記連結片に併設された基端部、及び前記先端部と前記基端部とを繋ぐ可撓部とから成り、前記押さえ爪は前記サポートに対する装着が完了した場合には、前記先端部が前記凹溝に嵌ることで前記可撓部が前記連結片に沿う形態を採り、前記サポートに対する装着が未完の場合には、前記可撓部が前記連結片よりも前記凸部からパッド組付け位置へとせり出していることを特徴とする。
【0007】
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップでは、前記先端部をフック状とすることが望ましい。このような構成とすることで、凹溝の壁面への当接、引っかかりを確実に行うことが可能となるからである。
【0008】
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップでは、前記押さえ爪は、前記連結片を基準とする板幅方向において、前記ディスクブレーキ装置におけるロータの配置方向と逆側に設けるようにすると良い。このような構成とすることで、パッドクリップの装着が未完の場合には、新品のパッドを組付ける場合であっても、そのプレッシャプレートが押さえ爪に干渉することとなり、パッドクリップの装着不良を知ることが可能となる。よって、パッドクリップの装着が未完のまま新品のパッドが組付けられることを防止することができる。
【0009】
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップでは、前記可撓部の板幅を、前記先端部の板幅よりも狭くすると良い。可撓み部の板幅を狭くすることにより当該部分の剛性が低下して撓みやすくなる。このため、パッドクリップの装着不良の発見が容易となる。
【発明の効果】
【0010】
上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置用パッドクリップによれば、パッドクリップの装着が完全に成されているか否かの確認が容易となる。またパッドクリップが装着未完の状態でパッドが組付けられることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明のディスクブレーキ装置用パッドクリップの実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず、図2、図3を参照して、本実施形態に係るパッドクリップを取り付けるサポートについて説明する。なお、図2において、図2(A)はパッドクリップを取り付ける前の状態を示すサポートの斜視図であり、図2(B)はパッドクリップを取り付けた状態を示すサポートの斜視図である。また、図3は、サポートにおけるトルク受け部の形態を示す部分拡大図である。
【0012】
本実施形態に係るパッドクリップ10を取り付けるサポート50は、複数のトルク受け部と、当該複数のトルク受け部を連結するためのフレーム(ブリッジ・ロータパス)とより成る。トルク受け部は、ロータの回入側(図2においては左側とする)と回出側(図2においては右側とする)、およびロータのインナ側とアウタ側にそれぞれ設けられる。インナ側トルク受け部52a,52bとアウタ側トルク受け部52c,52dとはそれぞれ、ロータパス部54を介して一体化されている。また、ロータ(不図示)の回入側に設けられるインナ側トルク受け部52aとロータの回出側(図3においては右側とする)に設けられるインナ側トルク受け部52bとは、インナブリッジ56により連結されており、ロータの回入側に設けられるアウタ側トルク受け部52cとロータの回出側に設けられるアウタ側トルク受け部52dとは、アウタブリッジ58により連結されている。
【0013】
このような構成のサポート50は、キャリパ浮動型のディスクブレーキ装置に用いられるものであり、ロータパス部54には、キャリパを摺動可能に取り付けるためのスライドピンを挿入する穴60が形成されている。また、インナブリッジ56には、サポートを車両等に固定するためのボルトを螺合させる雌ネジ孔62が形成されている。
【0014】
サポート50におけるトルク受け部52(インナ側トルク受け部52a,52b、アウタ側トルク受け部52c,52d)には、凸部70とトルク受け面78が形成されている。凸部70は、サポートを正面視した際の形状をほぼ矩形としており、その上面72と下面76を詳細を後述するパッドクリップ10における挟持部16a,16bによって挟持される。図2、図3に示すトルク受け部52における凸部70は、その上面72に、トルク受け部52の幅方向(サポート50を正面視した場合の厚み方向)、すなわち図示しないロータの軸方向に沿って、凹溝74が形成されている。凹溝74は、凸部70基端側に形成されており、サポート50を正面視した場合凸部70は、先端側が太くなるような形状となる。凸部70の先端側を太くすることで、挟持部16(16a,16b)によって挟持した際に、パッドクリップ10の脱落防止効果を発揮することができるようになるからである。
【0015】
凹溝74は、ブローチ加工やフライス加工といった機械加工で形成され、基端側上面、すなわち凹溝74の底面と先端側上面72を繋ぐ凹溝74の壁面74aが垂直に形成されている。
トルク受け面78は、パッド80(図7参照)における耳部82(図7参照)を収容し、耳部側面が当接する部位であり、上述した凸部70の下側に設けられる。
【0016】
上記のような構成のサポート50は、図2に示す例の場合、鋳造により外形形成をし、凸部70やトルク受け面78を機械加工により切削されることで完成する。このような構成とすることで、複雑な形状形成(デザイン性も含む)と、必要な寸法出しとを容易に行うことが可能となる。
【0017】
次に、図1、図4、図5、図6、図7等を参照して、本発明のパッドクリップに係る実施形態について説明する。なお、図1は、実施形態に係るパッドクリップの形態を示す斜視図である。また、図4はパッドクリップをサポートに取り付けた状態を示す部分拡大斜視図である。また、図5は、サポートに対するパッドクリップの取り付け状態が完了した状態を示す正面図であり、図6は取り付けが未完の状態を示す正面図である。また、図7は、サポートに取り付けたパッドクリップに対してパッドを組付けた状態を示す正面図である。
【0018】
本実施形態に係るパッドクリップ10は、インナ側に設けられるトルク受け部52a,52bと、アウタ側に設けられるトルク受け部52c,52dとのそれぞれに配置される2つの脚部14a,14bが、ブリッジ部12によって一体化された形態としている。なお当然に、インナ側、アウタ側を別体としても構わない。構成部材としては、ステンレス板や、防錆処理を施した鉄板などであれば良く、平板状に切り出された構成部材を折り曲げ形成することによって形作られている。
【0019】
それぞれの脚部14a,14bは、脚部基端部15a,15bと、挟持部16a,16b、およびパッド保持部32a,32bから成る。脚部基端部15(15a,15b)は、ブリッジ部12と挟持部16(16a,16b)の間に位置する板片である。挟持部16は、上述したサポート50におけるトルク受け部52に形成された凸部70を挟持して、パッドクリップ10の抜け止め、密着性保持を図るための部位である。具体的には、脚部基端部に接続される上部片18と凸部70の下面76に当接される下部片26、並びに上部片18と下部片26とを連結する連結片24、及び上部片18と連結片24に対して幅方向に併設され、凸部70の上面72に当接する押さえ爪20とを有する。
【0020】
本実施形態に係るパッドクリップ10が装着されるトルク受け部52は上述したように、凸部70の上面72に凹溝74を有する。上記押さえ爪20はトルク受け部52への取り付けが完了した状態では、凹溝74の底面74bと壁面74aに付勢することとなる。
【0021】
ここで、本実施形態に係る押さえ爪20は、脚部基端部15(15a,15b)の一部を切り欠くことで形成している。具体的には、切り出した脚部基端部15の一部を上部片18の基端部後方へ引き回した後に下部片26側へ折り曲げ、好ましくはその後に先端20aを連結片24側へ向け、いわゆるフック形状を形成するようにしている。この構成を換言すると、切り出した脚部基端部15の一部を、上部片18の基端部側延長線上へ倒し込み、その先端20aを上部片18と下部片26との間に配置することで押さえ爪20が形成される。押さえ爪20は、その基端部を連結片24に設け、フック形状部を有する先端20aとの間に可撓部20bを有する。なお可撓部20bは図1に示すように、パッドクリップ10のフリー状態において、円周方向で内側(パッド側)に少し屈曲して(せり出して)いても良い。
このような構成とすることで、限られた面積の部材から、上部片18と連結片24、及び押さえ爪20のそれぞれを切り出すことが可能となるため、板取性を良好にすることができる。
【0022】
また、実施形態に係るパッドクリップの押さえ爪20は、取り付け状態が未完の場合、図7に破線で示すようにパッド80の配置位置側、すなわち凸部70から離間する方向へ可撓部20bがせり出すこととなる。このため、上記のような構成とすることにより、パッドクリップ10の取り付けが未完の場合には、パッド80を装着する際にパッド80を構成するプレッシャプレート84が押さえ爪20に干渉することとなる。よって、パッドクリップ10の取り付けを行う作業者は、パッド80を取り付ける際にパッドクリップ10の装着状態(取り付け状態)が適切でない事に気づくことができ、パッドクリップ10の取り付けが未完のままパッド80の組付けが成される虞が無くなる。
【0023】
また、押さえ爪20はフック状に形成されているため、トルク受け部52へのパッドクリップ10の取り付けが完了した場合には、その先端20aが凸部70の上面72に形成された凹溝74の底面74bと壁面74aに当接することとなる。そして、押さえ爪20の先端20aが凹溝74の壁面74aに当接した場合には、当該押さえ爪20が楔として作用し、パッドクリップ10の抜け止めを図ることとなる。つまり押さえ爪20は、凸部70の上面72(凹溝74の底面74b)を上方向から押圧して挟持する作用と、凹溝74の壁面74aへ先端20aを当接させて抜け止めを図るといった2つの作用を奏することとなるのである。
【0024】
またこのような構成の押さえ爪20において好ましくは、図1に示すように、可撓部20bの板幅Wを、先端20aの板幅Wよりも狭くすると良い。このような構成とすることにより撓み易さが増し、パッドクリップ10の装着不良の発見をし易くなるからである。
【0025】
挟持部16の構成を上記のようにすることで、凸部70の上面72(実際には凹溝74の底面74b)に接触する部位は、押さえ爪20の先端20a側のみとなる。このため、凸部70を挟持する際に凸部70に接触する部位が減ることとなり、形状形成時に寸法の精度出しが必要となる箇所が減る。したがって、形状形成を簡易に行うことができる箇所が増え、製造コストを削減することができる。また、精度出しされた少ない接点で凸部70の挟持を行うことにより、パッドクリップ装着時の姿勢の安定化を図ることができる。
【0026】
また、押さえ爪20を上記のような構成とした場合、フック形状部を持ち上げることで先端20aを凹溝74から持ち上げることができるため、パッドクリップ10をサポート50から容易に取り外すことができる。このため、従来より爪部を有するパッドクリップが指摘されていた爪部の剛性の高さに起因する装着性(取り付け性)の悪さを解消することができ、優れた着脱性を実現することができる。
【0027】
また、パッド保持部32は、サポート50に装着されるパッド80(図7参照)における耳部82(図7参照)を保持するための部位である。パッド保持部32は、挟持部16における下部押さえ片26と、下部押さえ片26と対向して設けられるパッド保持片36、および下部押さえ片26とパッド保持片36を連結するトルク受け片34とより構成される。トルク受け片34は、上述した下部押さえ片26との成す角が鋭角の範囲内となるように形成される。このため、パッドクリップ10をサポート10におけるトルク受け部52へ取り付けた際には、トルク受け部52におけるトルク受け面78からは、離間する方向へ延設する形態を採ることとなる(例えば図5、図6参照)。また、パッド保持片36は、トルク受け片34に対して、パッド80の配置方向へほぼ直角に設けられる。このため、下部押さえ片26とパッド保持片36との間に形成される空間は、入口側が狭く、トルク受け片34に近づくほど広くなるような形態を採ることとなる。なお、トルク受け片34近傍における下部押さえ片26とパッド保持片36との間隔は、パッド80における耳部82の幅(高さ)と一致させることが望ましい。
【0028】
このような構成とすることで、パッド保持片36は、パッド80の耳部82下面へ付勢することとなり、パッド80を安定して保持することが可能となる。また、パッド80の耳部82を挿入する際に、下部押さえ片26とパッド保持片36との隙間を拡開させることで、トルク受け片34には反りが生ずることとなる。このため、トルク受け片34は、トルク受け部52との間で、バネ作用を生じさせることができ、パッド80がトルク受け部52におけるトルク受け面78に衝突する際の衝撃を和らげることも可能となる。
【0029】
上記のような特徴を持つパッドクリップ10は、押さえ爪20の先端20aへと延びるフック形状部の傾斜面と、下部押さえ片26とトルク受け片34との間の円弧状の折り曲げ部分を導入のきっかけとして、押さえ爪20の先端20aを凸部70の上面72に、下部押さえ片26を凸部70の下面76にそれぞれ摺動させ、パッドクリップ10の挟持部16をトルク受け部52の凸部70へと押し込むことにより取り付けられる。
【0030】
挟持部16を構成する押さえ爪20の先端20aと下部押さえ片26は、それぞれ凸部70の上面72と下面76に付勢しているため、押さえ爪20の先端20aが上面72における凹溝74へ達すると、押さえ爪20の先端20aは凹溝74の底面74bへ付勢することとなる。押さえ爪20の先端20aが凹溝74へ落ち込むと、押さえ爪20の先端20aは凹溝74の壁面74aに当接し、トルク受け部52の凸部70へ押し込んだパッドクリップ10がトルク受け部52から離間する方向へ戻らないように、楔としての働きを奏することとなる。この時、パッドクリップ10の押し込みが不十分である場合、すなわち取り付けが未完である場合、押さえ爪20の先端20aが凹溝74に落ち込まず、可撓部20bが凸部70から離間する方向、すなわちパッド80の組付け位置へせり出した状態となり、押さえ爪20はパッド80の組付けの妨げとなる。このため、パッドクリップ10の取り付け状態が未完のままパッド80が組付けられる虞が無い。
【0031】
なお、上記実施形態では、上部片18は、凸部70の上面72には接触しない形態であるように示していた。しかしながら本実施形態に係るパッドクリップ10は、上部片18が凸部70の上面72に接触し、上面72に付勢するような形態のものも含めても良い。
【0032】
形状形成における精度出しは困難となるが、凸部70に対する付勢箇所(挟持箇所)が増えることにより、パッドクリップ10の抜け止め効果を向上させることができる。このため、結果としてパッドクリップの取り付け状態の安定性も保つことができるからである。
【0033】
また、本実施形態に係るパッドクリップ10は、図8に示すような形態としても良い。すなわち、可撓部20bに切欠孔20cを形成し、可撓部20bの絶対的な板幅を狭くするのである。このような構成とすることで、可撓部20bの剛性が低下し、可撓部20bが撓みやすくなる。よって、パッドクリップ10の取り付け状態が未完であることを検知し易くすることができる。なお、可撓部20bの板幅を狭めるにあたっては、単純に押さえ爪20と上部片18または連結片24との板幅の割合を変えるようにしても良い。この場合、押さえ爪20を構成する可撓部20bの板幅が、上部片18、または連結片24の板幅よりも狭くなるように設定すると良い。
【0034】
また、上記実施形態では押さえ爪20の先端20aはフック状であると示していた。しかしながら先端20aは、凹溝74の壁面74aに当接可能な形態であれば良く、例えば図9に示すようなカギ状としても良い。すなわち、押さえ爪20における先端20aの形状は、凹溝74に引っ掛かりを持つ形状であれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施形態に係るパッドクリップの構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係るパッドクリップを取り付けるサポートの構成を示す斜視図である。
【図3】サポートにおけるトルク受け部の部分拡大図である。
【図4】サポートに対してパッドクリップを取り付けた状態を示す部分拡大斜視図である。
【図5】トルク受け部に対してパッドクリップを適正に取り付けた状態を示す図である。
【図6】トルク受け部に対するパッドクリップの取り付け状態が不適切(未完)である状態を示す図である。
【図7】トルク受け部に取り付けたパッドクリップにパッドを組付けた状態を示す図である。
【図8】実施形態に係るパッドクリップの応用形態を示す斜視図である。
【図9】押さえ爪の先端形状をカギ状としたパッドクリップの形態を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
10………パッドクリップ、12………ブリッジ部、14(14a,14b)………脚部、15(15a,15b)………脚部基端部、16(16a,16b)………挟持部、18………上部片、20………押さえ爪、20a………先端、20b………可撓部、24………連結片、26………下部片、32(32a,32b)………パッド保持部、34………トルク受け面、36………パッド保持片、50………サポート、52(52a〜52d)………トルク受け部、54………ロータパス部、56………インナブリッジ、58………アウタブリッジ、70………凸部、72………上面、74………凹溝、74a………壁面、74b………底面、76………下面、78………トルク受け部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクブレーキ装置のサポートに形成された凸部に凹溝を形成し、前記凹溝を利用して前記凸部を挟持する挟持部を有するパッドクリップであって、
前記挟持部は、上部片と下部片、前記上部片と前記下部片とを連結する連結片と、前記上部片及び前記連結片に対して幅方向に併設される押さえ爪とを有し、
前記押さえ爪は、前記凹溝の壁面に先端を当接させる先端部と前記連結片に併設された基端部、及び前記先端部と前記基端部とを繋ぐ可撓部とから成り、
前記押さえ爪は前記サポートに対する装着が完了した場合には、前記先端部が前記凹溝に嵌ることで前記可撓部が前記連結片に沿う形態を採り、前記サポートに対する装着が未完の場合には、前記可撓部が前記連結片よりも前記凸部からパッド組付け位置へとせり出していることを特徴とするディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
【請求項2】
前記先端部をフック状としたことを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
【請求項3】
前記押さえ爪は、前記連結片を基準とする板幅方向において、前記ディスクブレーキ装置におけるロータの配置方向と逆側に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。
【請求項4】
前記可撓部の板幅を、前記先端部の板幅よりも狭くしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載のディスクブレーキ装置用パッドクリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−107001(P2010−107001A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281687(P2008−281687)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【Fターム(参考)】