説明

ディスクプレーヤ装置

【課題】 本発明は、ダンパーの取り付けを簡単且つ確実に行えるスロットイン方式のディスクプレーヤ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、プレーヤ本体部20内にディスク再生部を有するフローティングシャーシ21を複数のダンパー40により弾性支持したディスクプレーヤ装置において、前記本体部20の上部には上部ケース200aが、前記本体部20の下部には下部ケース200bがそれぞれ取り付けられ、前記本体部20にダンパー40の外枠部が取り付けられ、前記下部ケース200に前記ダンパー40の外枠部と係合する係合部211が設けられ、この係合部211に前記ダンパー40の外枠部が嵌め込まれていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等のディスクを再生及び/又は記録するディスクプレーヤ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CD、DVD等のディスクを再生及び/又は記録するディスクプレーヤ装置には、ディスクを搬送ローラとディスクガイドローラとの間に挟み込んで、搬送ローラの回転運動により、ディスクの搬送を行うスロットイン方式のディスク搬送機構を有するディスクプレーヤ装置がある。このスロットイン方式のディスクプレーヤ装置は、カーオーディオ等に良く用いられている。
【0003】
スロットイン方式のディスクプレーヤ装置は、ケースの内部にターンテーブルや光学ピックアップを備えたディスク再生部と、ローディングローラによってディスクプレーヤ内へのディスクの搬入搬出を行うディスクローディング機構と、ターンテーブル上にディスクを装着するディスククランプ機構等を備えている。
【0004】
特に、車載用のディスクプレーヤ装置の場合、再生時における音飛びを防ぐために、ケースとその内部に設けられたディスク再生部とは、別部材によって構成され、両者をダンパーやスプリングといった弾性部材によって浮いたフローティング状態とすることにより、車両の走行時の振動がケース等から内部のディスク再生部に伝わることがないように工夫されている。
【0005】
また、かかるディスクプレーヤ装置は、ディスクローディング機構におけるローラをディスクに圧着させてディスクの搬入搬出を行う際に、ディスク差込口とディスク再生部とを位置決めするため、ディスク再生部をケース側に固定するロック機構が設けられている。
【0006】
このようなダンパーやスプリングといった弾性部材を備えたディスクプレーヤ装置において、部品点数を削減して簡易な構成によって、製造コストを節約できるディスクプレーヤ装置のフローティングロック機構も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−331997報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記した従来のダンパーやスプリングといった弾性部材を備えたディスクプレーヤ装置においては、フローティングロックを簡易な構成にすることは開示されているが、ダンパーのケースへの取り付け方法については考慮されていない。ダンパーをケースに位置決め良く取り付けないとダンパーが脱落する虞がある。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題点を解決するためになされたものにして、ダンパーの取り付けを簡単且つ確実に行えるスロットイン方式のディスクプレーヤ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、プレーヤ本体部内にディスク再生部を有するフローティングシャーシを複数のダンパーにより弾性支持したディスクプレーヤ装置において、前記本体部の上部には上部ケースが、前記本体部の下部には下部ケースがそれぞれ取り付けられ、前記本体部にダンパーの外枠部が取り付けられ、前記下部ケースに前記ダンパーの外枠部と係合する係合部が設けられ、この係合部に前記ダンパーの外枠部が嵌め込まれていることを特徴とする。
【0010】
前記ダンパーの外枠には、前記係合部に嵌め込まれる段部を設けるとよい。
【発明の効果】
【0011】
上記したように、本発明は、ダンパーを本体部と下ケースの係合部とで固定するので、ダンパー部材を確実に装置に固定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について、図1から図14に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態において、特に断りが無い限り、先端側とは、ディスク差込口12と反対の本体ケース20の奥側を指し、後端側とは、ディスク差込口12側を指すものとする。
【0013】
図1は、本発明のディスクプレーヤ装置の構成を示す分解斜視図である。このディスクプレーヤ装置10は、DVD(Digital Versatile Disc)等のディスク11(図7、図8参照)を再生するものである。しかしながら、このディスクプレーヤ装置10において、再生するディスク11(記録媒体)はDVDには限られず、例えばCD(Compact Disc)等の他の記録媒体でも良い。
【0014】
この図1に示すように、ディスクプレーヤ装置は、内部に設けられる各種部品及び挿入されたディスク11を覆うケース体としての本体ケース20、この本体ケース20の上部と下部にそれぞれ取り付けられる上部ケース200a、下部ケース200bを有している。この本体ケース20の内部には、シャーシ体としてのフローティングシャーシ21が設けられている。
【0015】
フローティングシャーシ21は、該本体ケース20に対してディスク11の挿入時に所定量だけ沈み込むように、該本体ケース20に対してダンパーを介して弾性支持される。また、フローティングシャーシ21には、図示はしないが、この装置の制御、信号処理当を行うためのマイクロコンピュータなどのICを搭載したプリント基板が取り付けられると共に、光ピックアップ(300)がディスクの径方向に移動自在に取り付けられ、ディスクに対してアクセスが行われる。
【0016】
図2は、ディスクの挿入を待機している状態の本体ケース部分を示す斜視図であり、構成部品を見やすくするために、本体ケースの一部を省略している。図3は、ディスクの挿入を待機している状態の本体ケース部分を示す平面図である。図4は、第1のスライダ部分を示す側面図、図5は第2のスライダ部分を示す側面図、図6はフローティングシャーシ部分を示す平面図である。
【0017】
これら図に示すように、フローティングシャーシ21は、本体ケース20のシャーシ本体20aの内周側に沿って設けられている。ディスク11が挿入される方向と平行なフローティングシャーシ21の側辺部と本体ケース20のシャーシ本体20aとの間には、図3、図4、図5に示される、第1のスライダ50及び第2のスライダ60等が設けられている。
【0018】
図2、図3に示すように、このフローティングシャーシ21には、クランパーアーム22が回動支点23を介して回動自在に支持されている。かかる回動支点23にクランパーアーム22を係止させるため、クランパーアーム22には、回動支点23の軸に係合する穴部が設けられ、これら穴部と回動支点23の軸とがそれぞれ係止される。
【0019】
クランパーアーム22には、バネ22sが取り付けられ(図6参照)、クランパーアーム22は回動支点23を中心として、ターンテーブル14方向に付勢されている。
【0020】
また、クランパーアーム22には、ディスク11をターンテーブル14に対して圧接させるための磁性体からなるクランパー27が設けられている。このクランパー27を磁石が取り付けられたターンテーブル14に圧接し、バネによる付勢力とターンテーブル14に設けた磁石の磁力により。クランパー27とターンテーブル11間に挿入されたディスク11がターンテーブル14上に圧接保持された状態となる。そして、この圧接状態でターンテーブル14がターンテーブルモータ(図示せず)によって回転駆動されると、ディスク11及びこのディスク11を圧接しているクランパー27が回転駆動され、ディスク11の記録/再生が行える状態となる。
【0021】
また、クランパーアーム22には、舌片24が設けられ、後述するように、ディスク11の挿入、排出時等には第1のスライダ50に設けられたカム507と舌片24が当接し、クランパー27をターンテーブル14からバネ22sの付勢力に抗して離間させるように構成されている。
【0022】
更に、クランパーアーム22は、ディスクが挿入されたときにディスクと当接する扇形の作動片220が揺動自在に取り付けられている。この作動片220の先端部には、ディスクが挿入された際に、後述する第1のスライダ50のラックギア部材502の突起502aと当接するピン221が設けられている。又、図示はしないが、作動片220のフローティングシャーシ21aと対向する面には突起が設けられ、ディスクがフローティングシャーシ21aの再生位置に至るまでクランパー27をディスクから離間させるように構成されている。そして、ディスクが再生位置になるまで作動片220はディスクの一部に押され、作動片220はディスクから待避するように揺動する。そして、ディスクが所定の位置に達すると、クランパー27の離間を解除するべく、フローティングシャーシ21aの所定の位置には上記した突起が挿入される穴部(図示しない)が設けられている。
【0023】
エジェクト時には、クランパー27をターンテーブル14から離間させるために、第1のスライダ50のカム507がクランパーアーム22の舌片24を押し上げる。ディスク11排出するために、後述するように、下ローラ部材(搬送ローラ)70が図中上方向へ上昇し、ディスク11に当接し、続いて、上ローラ(ガイドローラ)80が図中下方向へ下降し、ディスク11に当接して、下ローラ部材70と上ローラ80とにより、ディスク11が挟まれる。このように、ディスク11に、まず、下ローラ部材70が当接し、続いて上ローラ80が当接する際に、ディスク11の先端側がクランプアーム22に当接し、その当接の際に衝撃音などが発生する虞がある。このため、この実施形態においては、衝撃を緩和するために、先端部が板バネで構成された緩衝部材230がクランパーアーム22に形成されている。この緩衝部材230の先端部は、エジェクト時に、ディスク11の先端部が図中上方向に揺動した時に、ディスク11表面と当接し、クランプアーム22へのディスク11の当接を抑制する。この緩衝部材230により、エジェクト時のディスク11の衝撃が緩和され、衝撃音が発生する虞はなくなる。
【0024】
フローティングシャーシ21には、第1のスライダ50及び第2のスライダ60が、このフローティングシャーシ21に対してスライド移動自在にシャーシ本体20aに支持されている。
【0025】
第1のスライダ50は、図2、図3、図4に示すように、フローティングシャーシ21におけるディスクの挿入、取り出し方向に平行にシャーシ本体20aの一方の側方側に取り付けられる。第1のスライダ50は、スライダ本体501とこのスライダ本体501に摺動自在に取り付けられたラックギア部材502とを備える。
【0026】
尚、図4において、(a)は、ディスクの挿入を待機している状態における第1のスライダ50の状態を、(b)は、ディスクの記録/再生の状態における第1のスライダ50の状態を示している。
【0027】
図4に示すように、スライダ本体501には、フローティングシャーシ21aを支持するための係合溝50c、50dが設けられ、フローティングシャーシ21aに設けられた係合凸部21c、21d(図6参照)と係合溝50c、50dがディスクの挿入、取り出し時に係合し、フローティングシャーシ21aの一端側はスライダ本体501に支持されるように構成されている。
【0028】
また、ディスクの記録/再生時は、図4(b)に示すように、スライダ本体501がディスク差込口12側へ移動し、フローティングシャーシ21aに設けられた係合凸部21c、21dと係合溝50c、50dの係合は解除され、フローティングシャーシ21は後述するダンパーにより、支持される。
【0029】
そして、第1のスライダ50のスライダ本体501のディスク差込口12側には、後述する下ローラ部材(搬送ローラ)70の一端部と係合するガイド溝504が設けられ、このガイド溝504は、図4に示すように、段差がある水平部504a、504bとこの両水平部504a、504bとを繋ぐ斜行部504cとで構成されている。同図(a)に示すように、下ローラ部材70の一端部が水平部504aに位置するときには、下ローラ部材70はディスクと当接する位置にある。また、ディスクが挿入され、同図(b)に示すように、第1のスライダ50がシャーシ本体20aに対してディスク差込口12側にスライドすると、下ローラ部材70の一端は、斜行部504cを経て水平部504bの位置になる。このガイド溝504に沿った下ローラ部材70の移動により、下ローラ部材70は、図中下方向に移動し、ディスクから離間し待避する位置まで図中下方向に移動される。
【0030】
第1のスライダ50のスライダ本体501とシャーシ本体20aとの間には付勢バネ508が取り付けられ、この付勢バネ508により、第1のスライダ50がディスク差込口12とは反対側、即ち、図中矢印A方向に付勢されている。また、スライダ本体501とラックギア部材502との間には付勢バネ506が取り付けられ、この付勢バネ506により、ラックギア部材502も図中矢印A方向に付勢されている。
【0031】
前述したように、ディスクの挿入により、作動片220が揺動し、ラックギア部材502の突起502aと作動片が220のピン221が当接することにより、付勢バネ506に抗してラックギア503aがシャーシ本体20aに取り付けられたギア503と噛み合う。このギア503は後述するように、ディスク挿入のための駆動力伝達手段と従動する手段により回転駆動され、このギア503とラックギア503aにより、第1スライダ50がディスク差込口12側に移動する。ラックギア部材502はラックギア503aとギア503が噛み合い、ギア503の駆動によりラックギア502aが移動することにより、ラックギア部材502の一部がスライダ本体501とが当接してスライダ本体501を押してスライダ本体501が付勢バネ508に抗してディスク差込口12側に移動させる。そして、スライダ本体501が記録/再生位置になると、図示しないエジェクトボタンと連動したエジョクトピンにより、記録/再生位置でスライダ本体501はロックされるように構成されている。また、エジェクトボタンが押されると、エジェクトピンのロックは解除され、第1のスライダ50は、付勢バネ508の付勢力により、図4(b)の状態から同(a)の状態に戻る。
【0032】
一方、第2のスライダ60は、図2、図3、図5に示すように、フローティングシャーシ21におけるディスクの挿入、取り出し方向と平行にシャーシ本体20aの他方の側方側に取り付けられる。第2のスライダ60には、フローティングシャーシ21aを支持するための係合溝60c、60dが設けられ、フローティングシャーシ21aに設けられた係合凸部21e、21fと係合溝60e、60fがディスクの挿入、取り出し時に係合し、フローティングシャーシ21aの他端側は第2のスライダ60に支持される。
【0033】
また、ディスクの記録/再生時は、図5(b)に示すように、第2のスライダ60がディスク差込口12側へ移動し、フローティングシャーシ21aに設けられた係合凸部21e、21fと係合溝60e、60fの係合は解除され、フローティングシャーシ21は後述するダンパーにより、支持される。
【0034】
このように、フローティングシャーシ21aは、一端側が第1のスライダ50、他端側が第2のスライダ60で支持される。
【0035】
また、第2のスライダ60のディスク差込口12側には、下ローラ部材70を支持する下ローラプレート700の先端部に設けたピン701と係合するガイド溝604が設けられ、このガイド溝604は、下ローラプレート700の揺動に応じて第2のスライダ60を第1のスライダ50と同様にスライドするように、そのガイド溝604が形成されている。
【0036】
下ローラプレート700はシャーシ本体20aに揺動自在に取り付けられ、フローティングシャーシ21a側に下ローラ部材70が回転自在に取り付けられる。図5に示すように、第2のスライダ60側には、シャーシ本体20aに設けた穴に下ローラプレート700のピン701が係合される。第1のスライダ50側はシャーシ本体20aに取り付けた支持板(図示しない)に下ローラプレート700を支持する部材のピンが係合されている。
【0037】
また、第1のスライダ50、第2のスライダ60のディスク差込口12側の先端部には、後述する上ローラ(ディスクガイドローラ)80を上下動させるためのカム部505、605が設けられている。このカム部505、605の下方部に上ローラ81の支持部材810のカムフォロワ部が位置する時、即ち、ディスク挿入時には、上ローラ80はディスクに当接する。また、ディスク再生時には、第1のスライダ50、第2のスライダ60がディスク差込口12側にスライドし、カム部505、605の上方部505aに上ローラ80の支持部材810のカムフォロワ部が位置し、上ローラ80はディスクから離間する。上ローラ80の支持部材810のカムフォロワ部と、カム部505、605の当接により、上ローラ80は、図中上方向に移動され、ディスク11から離間する。第1のスライダ50、第2のスライダ60のディスク差込口12側の先端部付近に設けられたカム溝504と、カム部505、605は、ディスク11の挿入時には、ディスク11が所定位置に位置した後、第1のスライダ50、第2のスライダ60のディスク差込口12側方向の移動に伴い、まず下ローラ部材70が移動を開始し、ディスク11から下ローラ部材70が離れた後に、上ローラ80の移動が開始するようにそのカム形状が形成されている。更に、カム溝504は、上方部505aに上ローラ80の支持部材810のカムフォロワ部が位置し、上ローラ80の移動が停止した後も下ローラ部材70が後僅かに斜行部504cに沿って下方向に移動し、水平部504bに至るように形成されている。
【0038】
また、ディスク11をエジェクトするときには、ロックが解除され、図4(b)、図5(b)の状態から、付勢バネ508の付勢力により、図4(a)、図5(b)の状態に復帰し、下ローラ部材70及び上ローラ80は、ディスク11を挟み込むが、上記したカム溝504と、カム部505、605の形状により、下ローラ部材(搬送ローラ)70が図中上方向へ上昇し、ディスク11に当接し、続いて、上ローラ(ガイドローラ)80が図中下方向へ下降し、ディスク11に当接して、下ローラ部材70と上ローラ80とにより、ディスク11を挟む。
【0039】
上述したように、ディスク差込口12部分に設けられる下ローラ部材70と上ローラ80は、ディスクの出入時には、両者はディスクに当接し、再生時には両者はディスク11から離間するように構成されている。
【0040】
図7は、ディスク差込口にディスクを挿入し、ディスクを搬送している状態の上下ローラ部分を示す平面図、図8は同側面図、図9はディスク差込口の上ローラ部分を示す平面図である。
【0041】
図2、図4、図5、図7に示すように、ディスク差込口12部分に設けられる上下ローラ70、80は、それぞれ支持部材により、シャーシ本体20aに揺動自在に取り付けられる。即ち、上ローラ80は、例えば、SUS301で構成され、図に示すように、ローラ支持部材810のフローティングシャーシ21a側の先端部に回動自在に支持される。このローラ支持部材810は、強度を確保するために、例えば、ガラス無機フィラーを60%混入したPPS部材で構成され、第2のスライダ60側のディスク差込口12側にピン811が設けられ、このピン811がシャーシ本体20aに設けた穴に係合される。そして、第1のスライダ50側にはシャーシ本体20aと所定の間隔を設けて支持壁20eが設けられ、この支持壁に20eに設けられた穴にローラ支持部材810に設けたピン812が係合される。両ピン811、812をそれぞれ該当する穴と係合させることにより、ローラ支持部材810は、シャーシ本体20aに対して揺動自在に取り付けられる。
【0042】
ローラ支持部材810の上ローラ80を支持する近傍には、第1のスライダ50側にカムフォロワ部813が延出して形成され、第2のスライダ60側にカムフォロワ部814が延出して形成されている。そして、カムフォロワ部813、814はそれぞれカム部505、605に当接し、第1、第2のスライダ50、60のスライドの動きに応じて、ローラ支持部材810が揺動し、上ローラ80をディスク11に当接、又はディスク11から離間させる。
【0043】
図7、図9に示すように、上記したローラ支持部材810は、上部ケース200aに取り付けられた例えばSUS301からなる板バネ210が当接し、この板バネ210により、ディスク方向に上ローラ80が付勢される。この板バネ210は、上ケース200aをシャーシ本体20aに取り付けると板バネ210の両端部211がローラ支持部材810の両端にそれぞれ当接するよう上ケース200aに固定されている。このように、予め上部ケース200aに所定形状の板バネを固定することで、上部ケース200aをシャーシ本体20aに取り付けることで、上ローラ80に所定の押圧力が与えることが容易行える。さらに、板バネ210でローラ支持部材810の両端部抑え、ローラ支持部材810を介して上ローラ80に押圧力を与えるので、上ローラ80を直接コイルバネ等で付勢するより、上ローラ80に満遍なく押圧力が与えられ、ディスクの横幅方向に均一な力が与えられ、ディスクの斜行などが抑制され、搬送がスムーズに行える。
【0044】
更に、図9に示すように、この板バネ210には、上ローラ80がディスクから離間したときに上ローラ80と当接する板バネ部212が設けられており、ディスク再生時に上ローラ80が振動するのを抑制している。
【0045】
図8に示すように、下ローラ部材70は、SUS301からなるローラ軸70aにシリコンゴムからなるゴムローラ70bが取り付けられ、ディスクの記録面に傷を付けることなく当接する。ディスク搬送時には、上記上ローラ80と下ローラ部材70とにより、ディスクを挟持し、上ローラ80を押圧する板バネ210により、ディスクに所定の押圧力が付与される。下ローラ部材70は、板金からなる下ローラプレート700に回転自在に支持され、ローラ軸70aの一方端には、駆動モータ300からの回転力を伝達し、下ローラ部材70を回転するためのギア30cが取り付けられている。
【0046】
下ローラプレート700の第2のスライダ60側には、前述したように、第2のスライダ60のガイド溝604と係合するピン701を有するプレート支持部材700aが取り付けられている。このプレート支持部材700aには、シャーシ本体20aに設けた穴(図示せず)に係合するピン(図示せず)が設けられている。また、第1のスライダ50側には設けられた支持壁に20eに設けられた穴(図示せず)に下ローラプレート700に設けたピン(図示せず)される。このように、シャーシ本体20aと支持壁20eとの間で下ローラプレート700が揺動自在に取り付けられる。
【0047】
下ローラプレート700は、前述したように、第1のスライダ部50のスライド移動に応じて、ディスクから離間又はディスクへ当接する方向へ移動する。そして、この下ローラプレート700の移動に応じて、第2のスライダ60も移動する。
【0048】
図に示すように、下ローラプレート700には、後述するように、駆動モータ300を停止させるためのスイッチ片711が設けられ、第1のスライダ50のガイド溝504に沿った下ローラ部材70の移動により、下ローラ部材70がディスクと当接する位置から待避する位置まで移動されると、スイッチ片711がプリント基板に取り付けられたスイッチと当接するように構成されており、スイッチ片711がスイッチを押すことにより、駆動モータが停止し、第1のスライダ部50の移動が停止される。
【0049】
図に示すように、駆動モータ300の駆動ギア(図示せず)は、ギア30aと噛み合い、このギア30aはギアシャフト30のギア30bと噛み合うように構成されている。駆動モータ300の駆動により、ギアシャフト30が回転する。ギアシャフト30には、ローラ軸70aに取り付けられたギア30cと噛み合うギア30dとギア503と噛み合うギア30eが設けられている。そして、駆動モータ300からの駆動力がこれらギアシャフト30と各ギアを介して伝達され、下ローラ部材70の回転駆動、第1のスライダ50の移動が行われる。
【0050】
前述したように、フローティングシャーシ21は、本体ケース20に対してディスク11の挿入時に所定量だけ沈み込むように、本体ケース20に対してダンパーを介して弾性支持される。この実施形態においては、図に示すように、3つのダンパー40によりフローティングシャーシ21を支持している。
【0051】
図10は、本発明のディスクプレーヤ装置の背面図、図11は図10のA−A線断面図、図12は図10のB−B線断面図、図13は本発明のディスクプレーヤ装置に用いられるダンパーを示し、(a)は平面図、(b)は背面図である。
【0052】
図10ないし図12に示すように、フローティングシャーシ21には、ダンパー40の支持穴46に挿入される支持ピン21hが設けられている。ダンパー40は、ポリプロピレンよりなる外枠41にエラストマーよりなるダンパー部42とからなり、ダンパー部42内にはシリコンオイルが充填されている。更に、フローティングシャーシ21とダンパー外枠41との間には圧縮ばね44が介挿される。
【0053】
ダンパー外枠41は、図12に示すように、平面視において、円形に形成された本体部41aとこの本体部に連接されたシャーシ本体20a取り付け用のピン44と差込片45とが設けられている。シャーシ本体20aのダンパー40を取り付ける位置には、穴部20hと20iが設けられており、穴部20iに差込片45を差し込み、穴部20hにピン44を差し込むことにより、シャーシ本体20aの所定の箇所にダンパー40が取り付けられる。
【0054】
また、ダンパー外枠41の下ケース200bに面する側には、下ケース200bとの係合を確保するための段部41bが本体部41aに設けられている。下ケース200bには、ダンパーの外枠41が係合される係合部211が設けられており、係合部211の対向する側辺211a間の寸法は、ダンパー外枠41の段部41b間の寸法に対して締まり嵌めの状態で取り付けられるように形成されている。この結果、シャーシ本体20aに下ケース210を取り付けた際、係合部211と本体部41aの段部41bの係合により、ダンパー40の固定強度が向上する。
【0055】
また、この実施形態においては、ローラ支持部材810にディスク検出用のセンサ820、821が設けられている。この実施形態においては、外径12cmのディスクをローディングし、外径8cmのディスクはローディングしないように構成している。このため、センサ810がオンすると、ローディングを開始するが、センサ820がオンして所定時間以内にセンサ821がオンしない場合には、駆動モータ300を逆回転し、ディスクを排出する。また、センサ821のオン時間が所定時間よりも短い場合も駆動モータ300を逆回転してディスクを排出するように構成している。勿論、外径12cm、8cmの2つのディスクをローディングできるように構成することもできる。
【0056】
以下、この実施形態の動作につき説明する。
【0057】
図2に示すディスクが挿入前の状態から、図7に示すように、ディスク11が差し込まれると、センサ820、821により、ディスク11が挿入されたことを検知して駆動モータ300が駆動する。駆動モータ300の駆動により、ギアシャフト30が回転し、駆動モータ300からの駆動力がこれらギアシャフト30と各ギアを介して伝達され、下ローラ部材70が回転する。そして、上ローラ80と下ローラ部材70とにより挟持されたディスク11は、上ローラ80を押圧する板バネ210により、所定の押圧力が付与される。そして、下ローラ部材70の回転により、ディスク11がクランパー27に向かってディスクプレーヤ装置の先端の方に搬送される。このとき、第1のスライダ50、第2のスライダ60は、図4(a)、図5(a)の状態に保たれているので、図2に示すように、クランパーアーム22の舌片24がカム507と当接し、クランパー27をターンテーブル14からバネ22sの付勢力に抗して離間している。
【0058】
下ローラ部材70の回転により、ディスク11が装置内部に搬入されて行くと、クランパーアーム22に設けられた作動片220にディスク11の先端が当接する。ディスク11の挿入につれてディスク11と当接する作動片220が揺動し、ディスク11が再生位置になるまで作動片220はディスクの一部に押され、作動片220はディスクから待避するように揺動する。そして、ディスク11が所定の再生位置に達すると、作動片220の先端部の突起221が第1のスライダ50のラックギア部材502の突起502aと当接し、ラックギア部材502をディスク差込口12方向へ移動させ、ラックギア503aとギア503とが噛み合い、駆動モータ300の駆動力で第1のスライダ50を移動させる動作に入る。
【0059】
図14は、第1のスライダ50の移動動作を開始する状態を、図15は第1のスライダが少し移動した状態、図16は、クランパーアーム22がディスク側に移動し、ディスクをクランプした状態をそれぞれ示す斜視図である。なお、これら図においては、ディスクは省略している。
【0060】
ラックギア503aとギア503とが噛み合うと、駆動モータ300の駆動力がギアシャフト30を介してギア503に伝達され、ラックギア503aが移動し、第1のスライダ50がディスク差込口12側へ移動して行く。第1のスライダ50が移動し、クランパーアーム22の舌片24がカム部507から外れると、バネ22sの付勢力により、クランパーアーム22はディスク11側に移動し、クランパー27を磁石が取り付けられたターンテーブル14に圧接し、バネによる付勢力とターンテーブル14に設けた磁石の磁力により、クランパー27とターンテーブル11間に挿入されたディスク11をターンテーブル14上に圧接保持する。
【0061】
また、第1のスライダ50の移動により、ガイド溝504に沿って下ローラプレート700が下がり、下ローラ部材70をディスク11から離間させる。ディスク11がクランパー27に保持されたときには、下ローラ部材70はディスク11から離間している。更に、駆動モータ300により、第1のスライダ50の移動は続くが、下ローラ部材70はディスク11と離間しているので、ディスク11にスリップなどを生じさせず、傷の発生を防止している。また、下ローラ部材70がディスク11から離間したときには、下ローラ部材70のギア30cとギアシャフト30のギア30dの噛合が解除される。この結果、下ローラ部材70の回転が停止する。そして、カム部505、605の上方部505aに上ローラ80の支持部材810のカムフォロワ部が位置し、上ローラ80はディスク11から離間する。
【0062】
更に、図17、図18に示すように、駆動モータ300の駆動により、第1のスライダ50は移動し、ディスク差込口12側にスライドすると、下ローラ部材70の一端は、斜行部504cを経て水平部504bの位置になる。このガイド溝504に沿った下ローラ部材70の移動により、下ローラ部材70はディスクから離間し待避する位置まで移動するとともに、下ローラプレート700は下方に下がる。下ローラプレート700の移動に伴い第2のスライダ60側もガイド溝604に従ってディスク差込側12に移動する。
【0063】
そして、図19、図20に示す記録再生位置まで、第1、第2のスライダ50、60が移動すると、フローティングシャーシ21aに設けられた係合凸部21c、21d、21e、21fと第1のスライダ50の係合溝50c、50d及び第2のスライダ60の係合溝60e、60fの係合はそれぞれ解除され、フローティングシャーシ21aに設けられた係合凸部21c、21dと係合溝50c、50dの係合は解除され、フローティングシャーシ21はダンパー40により支持される。また、ローラ支持部材810に設けられたカムフォロワ部813、814はそれぞれカム部505、605に当接し、ローラ支持部材810が上方に移動し、上ローラ80がディスク11から離間させる。
【0064】
また、下ローラ部材70がディスクと当接する位置から待避する位置まで移動されると、スイッチ片711がプリント基板に取り付けられたスイッチと当接し、スイッチ片711がスイッチを押すことにより、駆動モータ300が停止し、第1のスライダ部50の移動が停止されて、記録/再生状態となる。前述したように、スライダ本体501が記録/再生位置になると、図示しないエジェクトボタンと連動したエジョクトピンにより、記録/再生位置でスライダ本体501はロックされる。
【0065】
一方、ディスク11を排出するために、エジェクトボタンが押されると、エジェクトピンのロックは解除され、第1のスライダ50は、付勢バネ508の付勢力により、図4(b)、図5(b)の状態から図4(a)、図5(a)の状態に戻り、この第1,田2のスライダ50,60の移動に伴い上記したカム溝504と、カム部505、605の形状により、下ローラ部材(搬送ローラ)70が図中上方向へ上昇し、ディスク11に当接し、続いて、上ローラ(ガイドローラ)80が図中下方向へ下降し、ディスク11に当接して、ディスク11を挟み、図2に示す状態に戻る。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明のディスクプレーヤ装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明のディスクプレーヤ装置において、ディスクの挿入を待機している状態の本体ケース部分を示す斜視図である。
【図3】本発明のディスクプレーヤ装置において、ディスクの挿入を待機している状態の本体ケース部分を示す平面図である。
【図4】本発明のディスクプレーヤ装置において、第1のスライダ部分を示す側面図である。
【図5】本発明のディスクプレーヤ装置において、第2のスライダ部分を示す側面図である。
【図6】本発明のディスクプレーヤ装置において、フローティングシャーシ部分を示す平面図である。
【図7】本発明のディスクプレーヤ装置において、ディスク差込口にディスクを挿入し、ディスクを搬送している状態の上下ローラ部分を示す平面図である。
【図8】本発明のディスクプレーヤ装置において、ディスク差込口にディスクを挿入し、ディスクを搬送している状態の上下ローラ部分を示す同側面図である。
【図9】本発明のディスクプレーヤ装置におけるディスク差込口の上ローラ部分を示す平面図である。
【図10】本発明のディスクプレーヤ装置の背面図である。
【図11】図10のA−A線断面図である。
【図12】図10のB−B線断面図である。
【図13】本発明のディスクプレーヤ装置に用いられるダンパーを示し、(a)は平面図、(b)は背面図である。
【図14】本発明のディスクプレーヤ装置において、第1のスライダの移動動作を開始する状態を示す斜視図である。
【図15】本発明のディスクプレーヤ装置において、第1のスライダが少し移動した状態を示す斜視図である。
【図16】本発明のディスクプレーヤ装置において、クランパーアームがディスク側に移動し、ディスクをクランプした状態を示す斜視図である。
【図17】本発明のディスクプレーヤ装置において、クランパーアームがディスク側に移動してから更に第1のスライダが移動した状態を示す斜視図である。
【図18】本発明のディスクプレーヤ装置において、クランパーアームがディスク側に移動してから更に第1のスライダが移動した状態を示す斜視図である。
【図19】本発明のディスクプレーヤ装置において、記録/再生位置状態を示す斜視図である。
【図20】本発明のディスクプレーヤ装置において、記録/再生位置状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0067】
11 ディスク
12 ディスク差込口
14 ターンテーブル
20 本体ケース
20a シャーシ本体
21 フローティングシャーシ
22 クランパーアーム
27 クランパー
40 ダンパー
50 第1のスライダ
60 第2のスライダ
70 下ローラ部材(搬送ローラ)
80 上ローラ(ディスクガイドローラ)
200a 上部ケース
200b 下部ケース
210 板バネ
230 緩衝部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤ本体部内にディスク再生部を有するフローティングシャーシを複数のダンパーにより弾性支持したディスクプレーヤ装置において、前記本体部の上部には上部ケースが、前記本体部の下部には下部ケースがそれぞれ取り付けられ、前記本体部にダンパーの外枠部が取り付けられ、前記下部ケースに前記ダンパーの外枠部と係合する係合部が設けられ、この係合部に前記ダンパーの外枠部が嵌め込まれていることを特徴とするディスクプレーヤ装置。
【請求項2】
前記ダンパーの外枠には、前記係合部に嵌め込まれる段部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のディスクプレーヤ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−79658(P2006−79658A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−259359(P2004−259359)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】