説明

ディスクプレーヤ

【課題】カートリッジホルダを操作する機構の強度を向上する。
【解決手段】前方側に位置してディスクカートリッジが挿入保持されるカートリッジホルダ4を設け、カートリッジホルダ4の後方側に対応する位置に位置されてメカシャーシ1に設けられた支軸に中央部が回動可能に支持され、先端部がメカシャーシ1に対するカートリッジホルダ4の接近及び離間する方向に動作されるように、カートリッジホルダ4に係合された左右の回動アーム部58,59及びこれら左右の回動アーム部58,59の後端側が連結されて移動操作機構の後方側に位置する連結部56,57,145,146からなるコ字状の回動フレーム7とを有し、回動フレーム7の連結部が移動操作機構により操作されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクカートリッジが挿入保持されるカートリッジホルダを移動操作してディスクカートリッジの再生部に対する装脱を行うようにしたディスクプレーヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスクや光磁気ディスクの如き情報信号の記録媒体となる記録ディスクが用いられている。このような記録ディスクに対する情報信号の記録又は再生を行うディスクプレーヤが用いられている。このようなディスクプレーヤには、記録ディスクを収納したディスクカートリッジをローディングするためのディスクローディング装置が設けられている。
【0003】
このディスクローディング装置は、前方側より挿入されたディスクカートリッジを保持するカートリッジホルダを備えている。このカートリッジホルダは、挿入保持されるディスクカートリッジに対応した大きさの筐体として形成され、少なくとも下面部及び前面部が開放されている。このカートリッジホルダは、前面部がディスクカートリッジが挿入操作される側となされ、下面部がディスクカートリッジをディスクプレーヤの光学ピックアップ装置等を有する再生部に臨ませる側とされている。
【0004】
また、ディスクローディング装置に設けられるカートリッジホルダは、ディスクプレーヤ内で水平方向及び上下方向に移動可能に支持されている。すなわち、カートリッジホルダは、ディスクローディング装置の前方側に位置し上昇された状態において、ディスクカートリッジの挿入及び取り出し操作が行われる。そして、カートリッジホルダは、ディスクカートリッジが挿入されると、後方側に移動操作され、ディスクプレーヤの上方位置に至る。次に、このカートリッジホルダは、下降操作されて、保持しているディスクカートリッジを再生部に装着させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、記録ディスクを収納したディスクカートリッジをカセットホルダを用いてプレーヤ内の再生位置にローディングするためにカートリッジホルダを用いるディスクプレーヤにおいては、ディスクカートリッジが挿入保持されたカートリッジホルダを安定した状態で、メカシャーシに設けた再生部に近接又は離間させることができ、さらに、カートリッジホルダを移動操作する機構の強度が十分に保証されることが望ましい。
【0006】
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、ディスクカートリッジを挿入保持したカートリッジホルダの安定した回動動作を実現し、確実にディスクカートリッジの再生部への装脱を行い得るディスクプレーヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述したような目的を達成するために提案される本発明は、前方側に位置してディスクカートリッジが挿入保持されるカートリッジホルダを設け、上記カートリッジホルダの下部側に位置して上記ディスクカートリッジに収納された記録ディスクの再生部を設けてなるメカシャーシと、上記再生部の後方側に位置して配置された駆動モータを有する移動操作機構と、上記カートリッジホルダの後方側に対応する位置に位置されて上記メカシャーシに設けられた支軸に中央部が回動可能に支持され、先端部が上記メカシャーシに対する上記カートリッジホルダの接近及び離間する方向に動作されるように、上記カートリッジホルダに係合された左右の回動アーム部及びこれら左右の回動アーム部の後端側が連結されて上記移動操作機構の後方側に位置する連結部からなるコ字状の回動フレームとを有し、上記回動フレームの連結部が上記移動操作機構により操作されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るディスクプレーヤは、コ字状の回動フレームの移動操作機構への連結部が移動操作されることにより操作されることにより、上記回動フレームの回動操作が行われ、左右の回動アーム部により支持されたカートリッジホルダの再生部に対する近接又は離間が行われる。このように、コ字状の回動フレームを用いることにより、カートリッジホルダを回動操作する部分及び強度を向上できる。さらに、回動フレームは、左右の回動アームによりカートリッジホルダを支持するようしているので、これら回動アームを長くでき、小さな力でカートリッジホルダの移動操作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の具体的な実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0010】
この例は、本発明を、光磁気ディスクや光ディスク等のディスクを記録媒体に用いる記録及び/又は再生装置であるディスクプレーヤを構成するディスクローディング装置に適用した例である。
【0011】
以下、次の順序で説明する。
[1]ディスクカートリッジ
[2]ディスクローディング装置
(2−1)メインフレーム及びメカシャーシ
(2−2)カートリッジホルダ
(2−3)移動操作機構
[3]ディスクローディング装置の動作
(3−1)初期状態
(3−2)ディスクカートリッジの挿入操作
(3−3)ディスクカートリッジの搬入動作
(3−4)ディスクカートリッジのチャッキング動作
(3−5)ディスクカートリッジのチャッキング解除動作
(3−6)ディスクカートリッジの排出動作
[4]他の実施例
[1]ディスクカートリッジ
このディスクプレーヤに情報記録媒体として用いられる光磁気ディスクは、直径を64mmとするポリカーボネイトの如き透明合成樹脂材料よりなるディスク基板に、磁性材料からなる信号記録層を被着して形成されている。この信号記録層は、集光されたレーザビームの照射等の手段により局所的にいわゆるキュリー温度以上に加熱され、この加熱された部分に外部磁界が印加されることにより、情報信号の書き込みが行われる。このように書き込まれた情報信号は、信号記録層にレーザビームを照射し、このレーザビームの反射光束を検出することにより読み出される。
【0012】
また、光ディスクは、光磁気ディスクのディスク基板と同様のディスク基板に、アルミニウムの如き金属材料よりなる反射層を形成して構成されている。この光ディスクは、ディスク基板に、射出成形等の手段により微細なピット列を形成して情報信号が記録されている。この光ディスクに記録されている情報信号は、ピット列にレーザビームを照射し、このレーザビームの反射光束を検出することにより読み出される。
【0013】
そして、光磁気ディスク及び光ディスクは、図22及至図25に示すように、カートリッジ205,216に回転可能に収納されて、ディスクカートリッジを構成している。光磁気ディスクを収納した記録再生型のディスクカートリッジ220を構成するカートリッジ205は、一辺の長さを光磁気ディスクの直径に対応した矩形状の平面部を有する薄い筐体状に形成されている。このカートリッジ205は、図22に示すように、上面側に、光磁気ディスクの信号記録面の一部を外方に臨ませるための磁気ヘッド用開口部223が設けられている。このカートリッジ205は、図24に示すように、下面側の磁気ヘッド用開口部223に対向する位置に光学ピックアップ用開口部222が設けられ、この下面側の中央部分にチャッキング用開口部213が設けられている。この記録再生型のディスクカートリッジ220は、ディスクプレーヤに対して、図22及び図24中矢印Cで示す前方に挿入されて装着される。
【0014】
記録再生型のディスクカートリッジ220のカートリッジ205において、磁気ヘッド用開口部223及び光学ピックアップ用開口部222は、シャッタ部材206によって開閉される。シャッタ部材206は、これら開口部223,222に対応した大きさを有する一対のシャッタ板と、これらシャッタ板の一端側を連結する連結部とを有し、合成樹脂材料又は金属材料により一体に形成されている。このシャッタ部材206は、連結部をカートリッジ205の一側部に形成された支持溝207に、図22及び図24中矢印Z方向に摺動可能に支持されている。すなわち、シャッタ部材206は、カートリッジ205の一側部に沿って後方にスライドされることにより各開口部223,222を開放し、後方側より前方にスライドされて初期位置に復帰されると各シャッタ板により各開口部223,222を閉塞する。
【0015】
そして、光ディスクを収納した再生専用型のディスクカートリッジ221を構成するカートリッジ216は、一辺の長さが光ディスクの直径に対応した矩形状の平面部を有する薄い筐体状に形成されている。このカートリッジ216は、図23に示すように、上面側には開口部が形成されていない。このカートリッジ216は、図25に示すように、下面側に光学ピックアップ用開口部222を有し、この下面側の中央部分にチャッキング用開口部213が形成されている。この再生専用型のディスクカートリッジ221は、ディスクプレーヤに対して、図23及び図25中矢印C方向の前方に挿入されて装着される。
【0016】
再生専用型のディスクカートリッジ221のカートリッジ216において、光学ピックアップ用開口部222は、シャッタ部材217によって開閉される。このシャッタ部材217は、光学ピックアップ用開口部222に対応したシャッタ板と、このシャッタ板の一端側に設けられた支持部とを有し、合成樹脂材料又は金属材料により一体に形成されている。このシャッタ部材217は、支持部をカートリッジ216の一側部に形成された支持溝207に支持させて図23及び図25中矢印Z方向に摺動可能に支持されている。すなわち、シャッタ部材217は、カートリッジ216の一側部に沿って後方にスライドされることにより光学ピックアップ用開口部222を開放し、後方側より前方にスライドされて初期位置に復帰されるとシャッタ板により光学ピックアップ用開口部222を閉塞する。
【0017】
各シャッタ部材206,217には、連結部又は支持部の中央位置に、側方に向けて、シャッタ閉蓋孔208が開設されている。このシャッタ閉蓋孔208は、ディスクプレーヤにおいて各シャッタ部材206,217を閉蓋操作するための部材が係合するためのものである。
【0018】
光磁気ディスク及び光ディスクの中心部には、円形のチャッキング孔204が開設されている。このチャッキング孔204は、上面側より、チャッキングプレート202により閉塞されている。このチャッキングプレート202は、鉄やステンレスの如き、磁性を有する金属材料により、チャッキング孔204に対応した直径を有する円盤状に形成されている。これらチャッキング孔204及びチャッキングプレート202は、チャッキング用開口部213を介して、各カートリッジ205,216の外方に臨んでいる。
【0019】
そして、各カートリッジ205,216の下面側には、対をなす前方側及び後方側位置決め穴209,210が形成されている。前方側位置決め穴209は、光学ピックアップ用開口部222の前方側の平面部の縁部近傍に位置し、長径方向を前後方向とした長円形に形成されている。また、後方側位置決め穴210は、光学ピックアップ用開口部222の後方側の平面部の縁部近傍に位置して円形に形成されている。
【0020】
また、各カートリッジ205,216の下面側の後方側の他側の縁部近傍には、複数の識別用穴224が形成されている。これら識別用穴224は、これらカートリッジ205,216が収納しているディスクの種別や状態、例えば情報信号の記録が可能か否かを識別するためのものである。記録再生型ディスクカートリッジ220のカートリッジ205内には、識別用穴224に対応して、後側面部にセーブノッチ214が設けられている。このセーブノッチ214は、移動操作されることにより、識別用穴224のうちの一の内部に進退し、この識別用穴224の深さを変えて、情報信号の記録可否の識別状態を切り換える。
【0021】
さらに、これら各カートリッジ205,216の下面側の前方側に位置する両側の縁部には、一対の被係合凹部212,212が形成されている。また、カートリッジ205,216の他側には、支持溝207に対向するようにして挿入ガイド溝225が形成されている。
【0022】
記録再生型のディスクカートリッジ220のカートリッジ205には、下面側の前方側縁部に、光磁気ディスク識別凹部211が形成されている。また、再生専用型のディスクカートリッジ221のカートリッジ216には、下面側の前方側縁部に、光ディスクディスク識別凹部218が形成されている。これら光磁気ディスク識別凹部211と光ディスク識別凹部218とは、互いに下面側よりの深さが異なっており、この深さの違いにより、収納されているディスクが光磁気ディスクか光ディスクかを識別できるようになされている。
【0023】
[2]ディスクローディング装置
(2−1)メインフレーム及びメカシャーシ
本発明が適用されたディスクローディング装置は、図1及び図2に示すように、メインフレーム2を備えている。このメインフレーム2は、金属板の如き材料により、底板部及びこの底板部の両側より屈曲形成された左右一対の側壁部37,38とを有しいる。このメインフレーム2には、各側壁部37,38の上縁部間に亘って天板3が取り付けられている。この天板3は、平板状に形成され、各隅部にネジ孔123が形成されている。天板3は、各ネジ孔123に挿通された止めネジ122が各側壁部37,38の上縁部に設けられたネジ止め片39,40,41,42のネジ孔に螺合されることにより、メインフレーム2に取り付けられる。各ネジ止め用片39,40,41,42は、各側壁部37,38の上縁部に設けられた突片が互いに対向する内側に向かって水平となるように屈曲されてている。
【0024】
そして、メインフレーム2の各側壁部37,38間には、メカシャーシ1が配設されている。このメカシャーシ1は、平板状に形成され、左側の側縁部に、側方に向かって突設された前後一対の支軸15,16を有し、右側の側縁部の略々中央に側方に向かって突設された支軸17を有している。これら支軸15,16,17には、振動吸収部材であるダンパ部材18,19、20が嵌装されている。これらダンパ部材18,19,20は、ブチルゴムの如き可撓性を有する材料により円筒状に形成されている。これらダンパ部材18,19,20は、側壁部37,38に形成された切り欠き部34,35,36に嵌合されている。これら切り欠き部34,35,36は、上方側に開放されており、天板3の両側縁部より垂下された舌片部125,125,125により、それぞれ上方側を閉塞されている。すなわち、各ダンパ部材18,19,20は、各切り欠き部34,35,36の内縁部及び各舌片部125,125,125の下端部によって、外周面部が保持されている。メカシャーシ1は、各ダンパ部材18,19,20を介して、メインフレーム2に対し、いわゆるフローティング支持されている。メカシャーシ1は、いわゆるフローティング支持されていることにより、メインフレーム2に外方より伝幡する振動や衝撃が伝幡されないようにされている。
【0025】
メカシャーシ1上には、光磁気ディスク又は光ディスクよりの情報信号の読み出しを行う記録再生部が配設されている。この再生部は、ディスクテーブル12及び光学ピックアップ装置13を有している。
【0026】
ディスクテーブル12は、メカシャーシ1の下面部に取り付けられたスピンドルモータのメカシャーシ1の上面側に突出された駆動軸に取り付けられている。このディスクテーブル12は、円盤状に形成され、チャッキング用開口部213を介して各カートリッジ205,216内に進入して、各ディスクのチャッキング孔204に嵌合するように形成されている。このディスクテーブル12は、チャッキング孔204に嵌合すると、ディスクを位置決めして保持する。
【0027】
光学ピックアップ装置13は、半導体レーザの如き光源、この光源の発する光束を導いてディスク上に集光させるための光学デバイス、及びディスクよりの反射光束を検出するための光検出器等を有し、ディスクテーブル12に保持されたディスクよりの情報信号の読み出しを行う。この光学ピックアップ装置13は、メカシャーシ1上を、ディスクテーブル12に対し接離する方向に移動可能とされている。
【0028】
また、メカシャーシ1上には、一対の位置決めピン8,9及び一対の高さ決め突起10,11が突設されている。各位置決めピン8,9は、上端側がテーパ状に縮径されたピンであって、前方側及び後方側位置決め穴209,210に嵌合して、カートリッジ205,216のメカシャーシ1に対する位置決めを行う。各高さ決め突起10,11は、カートリッジ205,216の下面部に先端部を当接させて、カートリッジ205,216のメカシャーシ1に対する高さ位置を決定する。
【0029】
この記録再生部においては、カートリッジ205,216が各位置決めピン8,9及び各高さ決め突起10,11により位置決めされ、光磁気ディスク又は光ディスクがディスクテーブル12に保持されることにより、これらディスクは、カートリッジ205,216内において回転操作される。そして、光学ピックアップ装置13は、カートリッジ205,216内で回転操作されるディスクよりの情報信号の読み出しを行う。
【0030】
(2−2)カートリッジホルダ
メカシャーシ1の上方側には、カートリッジホルダ4が配設されている。このカートリッジホルダ4は、カートリッジ205,216の平面部の大きさに対応した平板状に形成され、メカシャーシ1に対して、回動フレーム7を介して支持されている。回動フレーム7は、一対の平行なアーム部58,59とこれらアーム部58,59の後端部間を連結させる後板部60とを有し、全体でコ字状に形成されている。この回動フレーム7は、金属板の如き材料により一体に形成されている。回動アーム7は、各アーム部58,59の中途部をメカシャーシ1の両側に側方に向けて突設された一対の支軸24,25に支持することによって、これら支軸24,25を中心にして回動可能に支持されている。すなわち、これらアーム部58,59の前端側には、支持凹部54,55が形成されている。これら支持凹部54,55には、カートリッジホルダ4の両側の略々中央に側方に向けて突設された支持突起98,99が嵌合されている。そして、回動フレーム7は、各支軸24,25を中心に回動されることにより、カートリッジホルダ4を、メカシャーシ1に対して接離する上下方向に移動操作する。
【0031】
回動フレーム7は、各アーム部58,59の前端側に形成されたバネ係止部50,51とメカシャーシ1の側方部の略々中央に設けられたバネ係止片23,23との間にそれぞれ対応して張架された一対の引っ張りコイルバネ52,53により、図1中矢印E方向のカートリッジホルダ4を降下させてメカシャーシ1に接近させる方向に回動付勢されている。
【0032】
また、メカシャーシ1の両側には、回動フレーム7の各アーム部58,59の前端部側に位置して、一対のロックアーム44,44が回動可能に取り付けられている。これらロックアーム44,44は、中央部に支持孔45,45を有し、これら支持孔45,45にメカシャーシ1の両側より側方に向けて突設された一対の支軸21,22を挿通させている。これらロックアーム44,44は、後端側に係合溝46,46を有しており、この係合溝46,46をカートリッジホルダ4の支持突起98,99に係合させている。そして、これらロックアーム44,44の前端側は、メインフレーム2に当接されるための当接部とされている。
【0033】
このディスクローディング装置においては、回動フレーム7がカートリッジホルダ4をメカシャーシ1より離間する図6中矢印P方向に移動させたときには、図6に示すように、カートリッジホルダ4が天板3に当接し、各ロックアーム44,44の当接部がメインフレーム2の底面部に当接し、さらに、回動フレーム7の後板部60の下縁側の当接部151がメインフレーム2の底面部の後縁側に設けられた当接支持部43に当接される。このとき、メカシャーシ1は、各ダンパ部材18,19,20が変形することによるメインフレーム2に対する移動が阻止される。
【0034】
そして、このディスクローディング装置においては、回動フレーム7がカートリッジホルダ4をメカシャーシ1に接近する図7中矢印S方向に移動させたときには、図7に示すように、カートリッジホルダ4が天板3より離間し、各ロックアーム44,44の当接部がメインフレーム2の底面部より離間し、さらに、回動フレーム7の当接部151が当接支持部43より離間する。このとき、メカシャーシ1は、各ダンパ部材18,19,20が変形することによるメインフレーム2に対する移動が可能となっている。
【0035】
カートリッジホルダ4は、両側部分が、下方側に鈎状に屈曲して形成されてカートリッジ保持部89,90を構成している。このカートリッジ保持部89,90は、図1中矢印C方向に前方側よりディスクカートリッジ220,221が挿入操作されると、このディスクカートリッジ220,221の両側部分を保持する。このとき、ディスクカートリッジ220,221は、カートリッジホルダ4に対して、前後方向に移動可能とされて保持されている。
【0036】
カートリッジホルダ4は、このカートリッジホルダ4の天板部とディスクカートリッジ220,221の平面部とが重なる位置までディスクカートリッジ220,221が挿入操作され、回動フレーム7によりメカシャーシ1側に移動されると、このディスクカートリッジ220,221をメカシャーシ1上の再生部に装着させる。このカートリッジホルダ4は、天板部の四隅に、下方側に突出された押さえ突起94,95,96,97を有している。カートリッジホルダ4は、各押さえ突起94,95,96,97をカートリッジ205,216の四隅に当接させて、一対の引っ張りコイルバネ52,53の付勢力により、ディスクカートリッジ220,221をメカシャーシ1側に押圧支持する。
【0037】
また、カートリッジホルダ4には、ディスクカートリッジ220,221のシャッタ部材206,217の開閉を行う機構が設けられている。すなわち、カートリッジ保持部90内には、シャッタ開放操作部材としてのシャッタ開放操作爪105が内方側に向けて突設されている。このシャッタ開放操作爪105は、このカートリッジホルダ4に対してディスクカートリッジ220,221が挿入されると、支持溝207内にカートリッジ205,216の前端側より進入し、シャッタ部材206,217の前端部に当接して、このシャッタ部材206,217のカートリッジホルダ4に対する移動を規制することにより、ディスクカートリッジ220,221に対しシャッタ部材206,217を相対移動させ、磁気ヘッド用開口部223、光学ピックアップ用開口部222を開放する。
【0038】
そして、カートリッジホルダ4の外側の側面には、シャッタ閉蓋部材であるシャッタ閉蓋バネ100が、止めビス104,104により取り付けられている。このシャッタ閉蓋バネ100は、一端側がカートリッジホルダ4の内側に湾曲された係合部102とされている。この係合部102は、カートリッジホルダ4の側部に設けられた開口部103を介して、カートリッジホルダ4内に進入している。この係合部102は、カートリッジホルダ4に対してディスクカートリッジ220,221が挿入されると、シャッタ部材206,217のシャッタ閉蓋孔208に係合する。この係合部102は、ディスクカートリッジ220,221がカートリッジホルダ4の前方側に排出されるとき、シャッタ部材206,217のカートリッジホルダ4に対する移動を停止させることにより、ディスクカートリッジ220,221に対しシャッタ部材206,217を相対移動させ、磁気ヘッド用開口部223、光学ピックアップ用開口部222を閉塞する。
【0039】
そして、カートリッジホルダ4の下面部には、カートリッジ移動板5が前後方向に移動可能に取り付けられている。このカートリッジ移動板5は、カートリッジホルダ4の幅とほぼ同様の幅を有する平板状に形成されており、上面部に係合ピン108,109,110が設けられている。このカートリッジ移動板5は、各係合ピン108,109,110をカートリッジホルダ4に形成された一対のガイド孔91,92に挿通係合させ、このカートリッジホルダ4に対して前後方向に移動に支持されている。一対のガイド孔91,92は、係合ピン108,109,110の移動をガイドする孔であって互いに平行とされて前後方向に亘って形成され、一方のガイド孔91に一つの係合ピン108が挿通係合され、他方のガイド孔92に二つの係合ピン109,110が挿通係合される。このカートリッジ移動板5は、カートリッジホルダ4にディスクカートリッジ220,221が挿入操作されるとき、カートリッジホルダ4の天板部とディスクカートリッジ220,221との間に位置される。
【0040】
カートリッジ移動板5の後縁側は、下方側に屈曲されて後壁部139を形成するとともに、さらに後方側に鈎状に屈曲されて被係合溝111を形成している。後壁部139は、カートリッジホルダ4にディスクカートリッジ220,221が挿入操作されたとき、このディスクカートリッジ220,221の前端部が当接され、このディスクカートリッジ220,221の位置決めを行うものである。被係合溝111は、後述するローディングアーム83の係合部87が接離可能に挿入係合する部分である。
【0041】
そして、カートリッジ移動板5とカートリッジホルダ4とに係合して、トーションバネ107が設けられている。このトーションバネ107は、一方のアーム部をカートリッジホルダ4の上面部にガイド孔92の中央部の近傍に位置して突設されたバネ係止片93に係止させ、他方のアーム部をカートリッジ移動板5の上面部に突設されてガイド孔92を介して上方側に突出されたバネ係止片144に係止されている。このトーションバネ107は、各バネ係止片93,144間を離間させる方向の弾性力を有している。したがって、トーションバネ107は、カートリッジ移動板5が、各バネ係止片93,144間が最も接近するカートリッジホルダ4の中央位置よりも前方側に位置しているときには、カートリッジ移動板5を、図1、図2中矢印A方向の前方に移動付勢する。また、トーションバネ107は、カートリッジ移動板5が、カートリッジホルダ4の中央位置よりも後方側に位置しているときには、カートリッジ移動板5を図1、図4中矢印B方向の後方に移動付勢する。
【0042】
カートリッジ移動板5の下面側には、図1及び図18に示すように、このカートリッジ移動板5に対して回動可能とされて、保持板であるホールド板6が取り付けられている。この保持板としてのホールド板6は、カートリッジ移動板5と同様の大きさを有する平板状に形成されており、後縁側部分118,121を介してカートリッジ移動板5の後縁側部分に対して回動可能に支持されている。このホールド板6は、初期状態においてカートリッジ移動板5に対してディスクカートリッジ220,221の厚みに対応する距離を隔て、図19及び図20に示すように、カートリッジホルダ4にディスクカートリッジ220,221が挿入操作されたとき、このディスクカートリッジ220,221の下方側に位置する。このホールド板6は、カートリッジ移動板5より離間する下方に回動可能であるとともに、捻りコイルバネ115により、カートリッジ移動板5に接近する方向の図18中矢印D方向に回動付勢されて初期位置に位置決めされている。
【0043】
ホールド板6は、両端側部分の上面部に、一対の保持突起117,117が形成されている。これら保持突起117,117は、ホールド板6上にディスクカートリッジ220,221が挿入されると、図20に示すように、カートリッジ205,216の下面側に形成された一対の被係合凹部212,212に係合する。ホールド板6は、このように、各保持突起117,117を各被係合凹部212,212に係合させたときには、初期位置に復帰してディスクカートリッジ220,221を保持している。
【0044】
カートリッジ移動板5及びホールド板6は、カートリッジホルダ4の前方側に位置している状態で、ディスクカートリッジ220,221を保持し、このカートリッジホルダ4の後方側に移動されることにより、保持しているディスクカートリッジ220,221をカートリッジホルダ4内に、すなわち、メカシャーシ1上となる位置に移動する。また、カートリッジ移動板5及びホールド板6は、カートリッジホルダ4の後方側でディスクカートリッジ220,221を保持しているときに、カートリッジホルダ4の前方側に移動することにより、ディスクカートリッジ220,221をカートリッジホルダ4より排出する。
【0045】
ホールド板6には、支軸118より後方側に位置して、誤挿入阻止爪119が設けられている。この誤挿入阻止爪119は、後端部の上縁側が鋭角な角部を有する当接部140とされている。この当接部140は、カートリッジ移動板5がカートリッジホルダ4の前方側に位置しているときに、このカートリッジホルダ4の天板部に形成された当接用透孔106に対応する位置となる。この誤挿入阻止爪119は、ホールド板6が初期位置にあるときには、図20中に矢印Wで示すように、カートリッジホルダ4の天板部に接触することなく当接用透孔106の下方を通過する。
【0046】
そして、誤挿入阻止爪119は、図21に示すように、ホールド板6が、ディスクカートリッジ220,221の誤挿入により、図21中矢印U方向の下方側に回動されているときには、当接部140を当接用透孔106内に進入させる。このように当接部140が当接用透孔106内に進入しているときには、カートリッジ移動板5を後方側に移動させようとしても、当接部140が当接用透孔106の後縁部に当接するため、カートリッジ移動板5は後方側に移動されない。
【0047】
なお、ディスクカートリッジ220,221の誤挿入とは、図21に示すように、各被係合凹部212,212の設けられた下面側を上方側に位置させて挿入してしまうことや、カートリッジ205,216の側面や後面側を前方側として挿入してしまうことである。
【0048】
(2−3)移動操作機構
そして、メカシャーシ1の後方側部分には、ディスクカートリッジ220,221のメカシャーシ1上までの搬入及びディスクカートリッジ220,221のメカシャーシ1上よりの排出を行う、すなわち、カートリッジ移動板5を移動操作するための移動操作機構が配設されている。
【0049】
この移動操作機構は、図1、図2及び図8に示すように、メカシャーシ1の後方部に配設された回転駆動手段となるモータ64を備えている。このモータ64の駆動軸には、ウォームギヤ65が取り付けられている。ウォームギヤ65は、メカシャーシ1に植設された支軸30により回転可能に支持されたウォームホイール69に噛合している。ウォームホイール69には、平ギヤである第1の伝達ギヤ70が同軸に一体的に形成されている。この第1の伝達ギヤ70は、メカシャーシ1に植設された支軸29により回転可能に支持された平ギヤである第2の伝達ギヤ71に噛合している。
【0050】
第2の伝達ギヤ71を支持する支軸29には、図17に示すように、回動アーム136の基端側部分が回動可能に取り付けられている。すなわち、回動アーム136は、基端側に設けられた支持孔138に支軸29を挿通させている。この回動アーム136と第2の伝達ギヤ71との間には、摩擦部材137が介在配設されている。すなわち、回動アーム136は、第2の伝達ギヤ71の回転方向に追従する方向に回動操作される。第2の伝達ギヤ71が図8及び図17中矢印X方向に回転すると、回動アーム136は、図8及び図17中矢印X方向に回動される。また、第2の伝達ギヤ71が図8及び図17中矢印Y方向に回転すると、回動アーム136は、図8及び図17中矢印Y方向に回動される。
【0051】
回動アーム136の先端側には、支軸73を介して、本発明を構成する伝達ギヤである第3の伝達ギヤ72が回転可能に取り付けられている。この第3の伝達ギヤ72は、第2の伝達ギヤ71に噛合している。
【0052】
そして、メカシャーシ1上には、このメカシャーシ1に植設された支軸27を介して、ローディング動作伝達部材となるカムギヤ61が回転可能に取り付けられている。このカムギヤ61は、図14に示すように、支軸27が嵌合する支持孔129に対して同軸である第1のギヤ部であるギヤ部127及びフランジ部131を有して一体的に形成されている。ギヤ部127は、所定の角度範囲に亘る第1の欠歯部130を有している。また、フランジ部131は、所定角度範囲に亘る欠損部を有している。フランジ部131のギヤ部127に臨む下面部には、第1の係合部となる第1の係合溝部128が形成されている。この第1の係合溝部128は、支持孔129回りの円弧状に形成され、欠損部の一方側の部分がこの欠損部に向けて開放され、該欠損部の他方側の部分が閉塞端とされている。
【0053】
カムギヤ61のギヤ部127には、メカシャーシ1に植設された支軸28を介して、第4の伝達ギヤ63が噛合している。この第4の伝達ギヤ63には、回動アーム136が図8及至図13中矢印Y方向に回動されたときに、第3の伝達ギヤ72が噛合する。第3の伝達ギヤ72が第4の伝達ギヤ63に噛合している状態においては、第1の係合溝部128には、図8及至図10に示すように、第3の伝達ギヤ72を支持している支軸73の先端側が係合する。
【0054】
カムギヤ61は、第1の付勢部材となる図示しない捻りコイルバネにより、第1の係合溝部128に係合している支軸73がこの第1の係合溝部128の上記欠損部への開放端部より抜け出す方向の図1、図2及び図8中に矢印G方向に回動付勢されている。
【0055】
カムギヤ61は、上面側の主面部に、操作ピン62が設けられている。この操作ピン62は、メカシャーシ1上に回動可能に支持された第1のアーム部材であり搬入アームを構成する扇形状板79に設けられたカムスリット81に挿通されている。この扇形状板79は、扇の要に相当する位置に支持孔80を有し、この支持孔80に、メカシャーシ1上に植設された支柱20aの先端側に支軸26を挿通させて、回動可能に支持されている。カムスリット81は、支持孔80の近傍部より、扇の周縁の近傍部に亘って直線状に形成されている。また、扇形状板79は、ガイドスリット82を有している。このガイドスリット82は、支持孔80回りに円弧状に形成されている。この扇形状板79は、カムギヤ61が回動することにより、操作ピン62を介して回動操作される。
【0056】
また、支軸26には、第2のアーム部材であり搬入アームを構成するローディングアーム83の基端側が回動可能に取り付けられている。このローディングアーム83の基端側には、支軸26が挿通される支持孔84が形成されている。このローディングアーム83の中途部には、扇形状板79のガイドスリット82に挿通係合されるガイドピン86が設けられている。このローディングアーム83は、扇形状板79に対して、支持孔80回りのガイドスリット82の角度範囲に亘って回動可能である。このローディングアーム83の先端側には、被係合溝111に接離可能に係合する係合部87が設けられている。そして、このローディングアーム83は、このローディングアーム83と扇形状板79とに各アーム部を係止させた捻りコイルバネであるリミッタバネ88により、扇形状板79に対して係合部87を前方側に振り出す方向の図1及び図2中矢印F方向に回動付勢されている。
【0057】
ローディングアーム83の基端側には、メカシャーシ1上に配設された第1の検出スイッチ77を操作するためのスイッチ操作突起85が設けられている。このスイッチ操作突起85は、上記ローディングアーム83が係合部87を後方側となす方向の図3中の矢印J及び図4中の矢印L方向に回動されたときに、第1の検出スイッチ77を操作する。
【0058】
そして、メカシャーシ1上には、チャッキング動作伝達部材となるスライダ74が配設されている。このスライダ74は、図15及び図16に示すように、棒状の部材として形成されており、一対の支持スリット75,76を有している。このスライダ74は、各支持スリット75,76に、メカシャーシ1上に植設された一対の支軸31,32を挿通係合させることにより横方向に移動可能となっている。このスライダ74には、回動アーム136が図8及至図13中矢印X方向に回動されたとき、第3の伝達ギヤ72が噛合する第2のギヤ部であるラックギヤ部134が設けられている。このスライダ74は、ラックギヤ部134の延長上に、第2の欠歯部135を有している。さらに、スライダ74は、ラックギヤ部134に沿って庇部を有し、この庇部のラックギヤ部134に臨む下面部に、第2の係合部となる第2の係合溝部133が形成されている。この第2の係合溝部133は、ラックギヤ部134に平行な直線状に形成され、カムギヤ61に臨む一方側が開放され他方側が閉塞端となされている。
【0059】
第3の伝達ギヤ72がラックギヤ部134に噛合している状態においては、第2の係合溝部133には、図11及至図13に示すように、第3の伝達ギヤ72を支持している支軸73の先端側が係合する。
【0060】
スライダ74は、このスライダ74に設けられたバネ係止部132とメカシャーシ1上に突設されたバネ係止部33との間に張架された第2の付勢部材となる引っ張りコイルバネ126により、上記第2の係合溝部133に係合している支軸73がこの第2の係合溝部133の開放端部より抜け出す方向、すなわち、ラックギヤ部134を第2の欠歯部135の側に移動させる方向の図1、図2及び図8中に矢印H方向に移動付勢されている。
【0061】
スライダ74は、後面部を、回動フレーム7の後板部60の前面部に対向させている。このスライダ74の後面部には、一対の水平なカム突状部145,146が設けられている。これらカム突状145,146は、スライダ74が引っ張りコイルバネ126の付勢力により移動された初期状態においては、後板部60の前面部に植設された一対の倣いピン56,57の上方に位置してこれら倣いピン56,57を下方側に押し下げている。すなわち、スライダ74は、初期位置においては、回動フレーム7を後板部60がメカシャーシ1側に移動する方向の図6中矢印O方向に回動させている。
【0062】
各カム突状145,146は、スライダ74が引っ張りコイルバネ126の付勢力に抗して、図5中矢印N方向にに移動操作されると、各倣いピン56,57に摺接しつつ、これら倣いピン56,57の上方位置より退避する。すると、回動フレーム7は、一対の引っ張りコイルバネ52,53の付勢力により、後板部60をメカシャーシ1より離間させカートリッジホルダ4をメカシャーシ1側に移動させる方向の図7中矢印R方向に回動させる。
【0063】
また、スライダ74が引っ張りコイルバネ126の付勢力に抗して一方側に移動操作されると、図5に示すように、メカシャーシ1上に配設された第2の検出スイッチ78が、このスライダ74により操作される。
【0064】
そして、スライダ74が引っ張りコイルバネ126の付勢力に抗して一方側に移動操作されたとき、各カム突状145,146は、ラックギヤ部134に対する第2の欠歯部135の側に相当する側である他方側の端部を各倣いピン56,57に対向させている。これらカム突状145,146は、他方側の端部が下方側に臨んだテーパ部147,148となされている。したがって、スライダ74が他方側に移動されて初期位置に復帰されるときには、各カム突状145,146は、各倣いピン56,57に各テーパ部147,148を摺接させつつ、これら倣いピン56,57の上方側に進入して、これら倣いピン56,57を下方側に移動させる。
[3]ディスクローディング装置の動作
(3−1)初期状態
上述のように構成された本発明に係るディスクローディング装置は、初期状態において、図2、図6、図8及び図18に示すように、カートリッジホルダ4は上方側に位置されて天板3に当接されている。回動フレーム7は、当接部151を当接支持部43に当接させている。各ロックアーム44,44は、当接部をメインフレーム2の底面部の当接部150に当接させている。カートリッジ移動板5は、カートリッジホルダ4の前方側に位置し、トーションバネ107により、図2中矢印A方向の前方側に付勢されている。ホールド板6は、図18中矢印D方向の上方側に付勢され、カートリッジ移動板5との間の距離をディスクカートリッジ220,221の厚みに相当する距離としている。ローディングアーム83は、係合部87を被係合溝111内に進入させている。扇形状板79は、カムギヤ61により前方側に回動されている。第1及び第2の検出スイッチ77,78は、操作されていない。
【0065】
カムギヤ61は、捻りコイルバネにより、図8中矢印G方向に回動付勢され、第1の欠歯部130に臨むギヤ部127の端部を第4の伝達ギヤ63に圧接させている。支軸73は、第1の係合溝部128に係合しており、第3の伝達ギヤ72を第4の伝達ギヤ63に噛合させている。スライダ74は、引っ張りコイルバネ126により図8中矢印H方向に移動付勢されている。
【0066】
(3−2)ディスクカートリッジの挿入操作
カートリッジ移動板5とホールド板6との間にディスクカートリッジ220,221が挿入操作されると、図19に示すように、まず、ホールド板6が下方側に回動される。そして、図20に示すように、ディスクカートリッジ220,221が前端部を後壁部139に当接させるまで挿入されると、各被係合凹部212,212に各保持突起117,117が係合し、ホールド板6は初期位置に復帰する。
【0067】
そして、ディスクカートリッジ220,221が後方側に押圧操作されると、カートリッジ移動板5は、図3に示すように、トーションバネ107を変位させつつ後方側に移動され、リミッタバネ88を変位させつつローディングアーム83を回動させる。このローディングアーム83の回動により、スイッチ操作突起85を介して、第1の検出スイッチ77が操作される。
【0068】
(3−3)ディスクカートリッジの搬入動作
第1の検出スイッチ77が操作されることにより、モータ64の回転駆動が開始され、カムギヤ61が捻りコイルバネにより付勢されている図9中矢印X方向に回転操作される。このとき、回動アーム136は、第3の伝達ギヤ72を第4の伝達ギヤ63より離間させる方向の図9中矢印X方向に回動付勢されているが、支軸73が第1の係合溝部128に係合していることにより回動が規制されている。
【0069】
ローディングアーム83は、扇形状板79を介して、カムギヤ61により後方側に回動操作され、カートリッジ移動板5を後方側に移動操作する。
【0070】
このようにカートリッジ移動板5が後方側に移動操作されてディスクカートリッジ220,221が後方側に移送されるとき、シャッタ部材206,217は、前端部にシャッタ開放操作爪105が当接され、また、シャッタ閉蓋孔208に、シャッタ閉蓋バネ100の係合部102が係合される。この状態でディスクカートリッジ220,221が後方側に移送されることにより、シャッタ部材206,217は、前端部にシャッタ開放操作爪105を当接させた位置で停止されているため開蓋操作される。
【0071】
カートリッジ移動板5は、図4に示すように、カートリッジホルダ4の後方側位置まで移動操作されると、トーションバネ107の付勢力を受けて図4中矢印B方向の後方側に移動されるとともに、ディスクカートリッジ220,221をメカシャーシ1上に位置させている。このように、カートリッジ移動板5がカートリッジホルダ4の後方位置に移動されたとき、カムギヤ61は、図10に示すように、支軸73の近傍に第1の係合溝部128の欠損部への開放端部を位置させている。
【0072】
そして、カムギヤ61がさらに回転されると、回動アーム136は、図11に示すように、支軸73がカムギヤ61の欠損部に至り第1の係合溝部128より開放されるため、第2の伝達ギヤ71に追従して、図11中矢印X方向に回動され、第3の伝達ギヤ72をスライダ74のラックギヤ部134に噛合させる。
【0073】
(3−4)ディスクカートリッジのチャッキング動作
モータ64は、カートリッジ移動板5が後方側に移動された後、さらに回転駆動し、スライダ74を、引っ張りコイルバネ126の付勢力に抗して図11及び図12中矢印X方向に移動させる。このとき、支軸73は、第2の係合溝部133に係合されており、第3の伝達ギヤ72のラックギヤ部134よりの離間を阻止している。
【0074】
スライダ74が引っ張りコイルバネ126の付勢力に抗して移動すると、カートリッジホルダ4は、回動フレーム7が図7中矢印R方向へ回動することにより、図7中矢印S方向に移動して天板3より離間する。この回動フレーム7は、当接部151を当接支持部43より離間させる。各ロックアーム44,44は、当接部をメインフレーム2の当接部150より離間させる。このとき、メカシャーシ1は、フロート支持された状態となる。また、このとき、ローディングアーム83の係合部87が被係合溝111より抜け出され、ローディングアーム83とカートリッジ移動板5との係合が解除される。
【0075】
そして、スライダ74は、図13及び図5に示すように、第2の欠歯部135を第3の伝達ギヤ72に対向させる位置に至ると、第2の検出スイッチ78を操作する。この第2の検出スイッチ78が操作されることにより、モータ64は停止される。スライダ74は、引っ張りコイルバネ126の付勢力により、第2の欠歯部135に臨むラックギヤ部134の端部を第3の伝達ギヤ72に圧接させている。このとき、カートリッジホルダ4に保持されたディスクカートリッジ220,221は、メカシャーシ1上に位置決めされて装着されており、ディスクテーブル12及び光学ピックアップ装置13を有する再生部により情報信号の読み出しが可能な状態となる。
【0076】
(3−5)ディスクカートリッジのチャッキング解除動作
上述のように、ディスクカートリッジ220,221が装着された状態において、イジェクト動作を指示する操作がなされると、モータ64は、上述したようなディスクローディング動作時の逆の方向に回転駆動する。スライダ74は、引っ張りコイルバネ126の付勢力により第2の欠歯部135に臨むラックギヤ部134の端部を第3の伝達ギヤ72に圧接させているので、この第3の伝達ギヤ72が回転操作されることにより、この第3の伝達ギヤ72にラックギヤ部134を噛合させ、引っ張りコイルバネ126の付勢力を受けて図13及び図12中矢印Y方向に移動操作される。スライダ74は、移動操作されることにより、第2の検出スイッチ78に対する操作を解除する。このとき、支軸73は、第2の係合溝部133に係合されており、第3の伝達ギヤ72のラックギヤ部134よりの離間を阻止している。
【0077】
そして、スライダ74が移動されると、カートリッジホルダ4は、回動フレーム7が図6中矢印O方向へ回動することにより、図6中矢印P方向に移動して天板3に当接される。この回動フレーム7は、当接部151を当接支持部43に当接させる。各ロックアーム44,44は、当接部をメインフレーム2の当接部150に当接させる。このとき、メカシャーシ1は、フロート支持による移動が規制された状態となる。このとき、ローディングアーム83の係合部87が被係合溝111に係合し、ローディングアーム83とカートリッジ移動板5とが係合される。
【0078】
このように、カートリッジホルダ4が天板3に当接されたとき、支軸73は、図11に示すように、スライダ74が移動されることにより第2の係合溝部133の開放端部に位置するようになる。すると、回動アーム136は、図10に示すように、第2の伝達ギヤ71に追従して、図10中矢印Y2で示すように、第3の伝達ギヤ72を第4の伝達ギヤ63に噛合させる位置に回動される。
【0079】
(3−6)ディスクカートリッジの排出動作
第3の伝達ギヤ72が第4の伝達ギヤ63に噛合した状態でモータ64が回転駆動することにより、カムギヤ61は、支軸73を第1の係合溝部128内に進入させる図10及び図9中矢印Y方向に回転操作される。回動アーム136は、支軸73が第1の係合溝部128に係合していることにより回動が規制されている。
【0080】
カムギヤ61の回転により、ローディングアーム83は、図2に示すように、扇形状板79が回動されることによって、係合部87を前方側となす方向に回動され、カートリッジ移動板5を前方側に移動させる。
【0081】
このようにカートリッジ移動板5が前方側に移動操作されてディスクカートリッジ220,221が前方側に移送されるとき、シャッタ部材206,217は、シャッタ閉蓋孔208にシャッタ閉蓋バネ100の係合部102が係合されることにより、シャッタ閉蓋孔208に係合部102を係合させた位置で停止されるため閉蓋操作が行われる。このシャッタ閉蓋バネ100の係合部102は、シャッタ部材206,217が閉蓋位置に移動された後、さらに、ディスクカートリッジ220,221が前方側に移送されることにより、シャッタ閉蓋バネ100の弾性変位によって、シャッタ閉蓋孔208より抜き取られる。
【0082】
ローディングアーム83は、カートリッジ移動板5を、カートリッジホルダ4に対する前方側まで移動させる。このとき、トーションバネ107は、カートリッジ移動板5を、図2中矢印A方向の前方側に移動させる。なお、扇形状板79が回動されるときに、ディスクカートリッジ220,221の前方側への排出が外力により阻止されてローディングアーム83の回動が規制された場合には、図3に示すように、リミッタバネ88が変位することにより、扇形状板79の回動が阻害されることを防止する。そして、ローディングアーム83が初期位置まで回動されることにより、スイッチ操作突起85による第1の検出スイッチ77に対する操作が解除される。
【0083】
そして、カムギヤ61は、図8に示すように、捻りコイルバネの付勢力により第1の欠歯部130に臨むギヤ部127の端部を第4の伝達ギヤ63に圧接させた状態にて停止される。このとき、支軸73は、第1の係合溝部128に係合しており、第3の伝達ギヤ72を第4の伝達ギヤ63に噛合させている。スライダ74は、引っ張りコイルバネ126により付勢される方向の図8中矢印H方向に移動されている。
【0084】
ディスクカートリッジ220,221は、図20に示すように、カートリッジ移動板5とホールド板6との間に、前端部を後壁部139に当接させるまで挿入されており、各被係合凹部212,212に各保持突起117,117を係合させている。そして、このディスクカートリッジ220,221を後方側に引き抜くと、図19に示すように、このディスクカートリッジ220,221は、ホールド板6が下方側に回動させつつ、カートリッジ移動板5とホールド板6との間より抜き取られる。
【0085】
このようにして、イジェクト動作を完了したディスクローディング装置は、上記初期状態に復帰する。
【0086】
[4]他の実施例
本発明に係るディスクローディング装置においては、カムギヤ61は、ラックギヤ部と欠歯部とを有しスライド可能に支持された直線状のスライダに代えてもよい。また、スライダ74は、円弧状のギヤ部と欠歯部とを有する回動可能なカムギヤに代えてもよい。
【0087】
また、本発明に係るディスクローディング装置においては、図26及び図27に示すように、ホールド板6は、下面部にロック突起141を有するものとしてもよい。このロック突起141は、ホールド板6が初期位置にあるとき、すなわち、ディスクカートリッジ220,221が図26に示すように正しく挿入操作されているか、あるいは、ディスクカートリッジ220,221が挿入操作されていないときには、カートリッジ移動板5が後方側に移動されたとき、カートリッジホルダ4の底板部152に対して、図26中矢印dで示すような所定の距離を隔てて後方側に移動される。
【0088】
そして、ディスクカートリッジ220,221が誤挿入されて、ホールド板6が、図27中矢印U方向の下方側に回動されているときには、ロック突起141は、カートリッジ移動板5が、図27中矢印W方向の後方側に移動されようとすると、底板部152の前端縁部に当接してカートリッジ移動板5の移動を阻止する。
【0089】
そして、本発明に係るディスクローディング装置においては、図28及び図29に示すように、各ロックアーム44,44は、係合溝部143を有するものとしてもよい。この係合溝部143は、回動フレーム7が、カートリッジホルダ4を上記天板3に当接させる方向の図29中矢印O方向にに回動され、ロックアーム44が、回動フレーム7に追従して図29中矢印Q方向に回動されると、メインフレーム2に植設された係合ピン142に係合する。このとき、メカシャーシ1のメインフレーム2に対する移動が阻止される。
【0090】
そして、この係合溝部143は、回動フレーム7が、カートリッジホルダ4を天板3より離間させる図28中矢印R方向に回動され、ロックアーム44が、回動フレーム7に追従して図28中矢印T方向に回動されると係合ピン142に対する係合を解除する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】ディスクプレーヤに用いられる本発明に係るディスクローディング装置を示す分解斜視図である。
【図2】ディスクローディング装置を示す平面図である。
【図3】ディスクカートリッジが挿入される状態を示すディスクローディング装置の平面図である。
【図4】ディスクカートリッジをカートリッジホルダに挿入保持させた状態を示すディスクローディング装置の平面図である。
【図5】ディスクカートリッジが再生部に位置決め装着された状態を示すディスクローディング装置の平面図である。
【図6】ディスクカートリッジが再生部から離間された状態を示すディスクローディング装置の側面図である。
【図7】ディスクカートリッジが再生部に位置決め装着された状態を示すディスクローディング装置の側面図である。
【図8】ディスクローディング装置のローディング動作伝達部材及びチャッキング動作伝達部材示す平面図である。
【図9】ローディング動作伝達部材及び上記チャッキング動作伝達部材のディスク搬入操作を開始した状態、又は、ディスク排出操作の途中の状態を示す平面図である。
【図10】ローディング動作伝達部材及びチャッキング動作伝達部材のディスク搬入操作が完了した状態、又は、ディスク排出操作が開始された状態を示す平面図である。
【図11】ローディング動作伝達部材及びチャッキング動作伝達部材のディスク搬入操作の完了後ディスクチャッキング操作を開始する状態、又は、ディスクチャッキング解除操作を完了した状態を示す平面図である。
【図12】ローディング動作伝達部材及びチャッキング動作伝達部材のディスクチャッキング操作を開始した状態、又は、ディスクチャッキング解除操作の途中の状態を示す平面図である。
【図13】ローディング動作伝達部材及びチャッキング動作伝達部材のディスクチャッキング操作を完了した状態を示す平面図である。
【図14】ローディング動作伝達部材を下面側より見た斜視図である。
【図15】チャッキング動作伝達部材を示す斜視図である。
【図16】チャッキング動作伝達部材を下面側より見た斜視図である。
【図17】ローディング動作伝達部材及びチャッキング動作伝達部材を選択的に移動操作するための回動アーム及び伝達ギヤの構成を下面側より見た斜視図である。
【図18】ディスクカートリッジが挿入保持されるカートリッジホルダを示す縦断面図である。
【図19】カートリッジホルダにディスクカートリッジが挿入される途中の状態を示す縦断面図である。
【図20】カートリッジホルダにディスクカートリッジを挿入した状態を示す縦断面図である。
【図21】カートリッジホルダへディスクカートリッジが誤った方向で挿入操作された状態を示す縦断面図である。
【図22】ディスクローディング装置によりローディングされる記録再生型のディスクカートリッジを示す斜視図である。
【図23】ディスクローディング装置によりローディングされる再生専用型のディスクカートリッジを示す斜視図である。
【図24】記録再生型のディスクカートリッジの下面側を示す斜視図である。
【図25】再生専用型のディスクカートリッジの下面側を示す斜視図である。
【図26】本発明に用いられるカートリッジホルダの他の例であって、ディスクカートリッジが挿入された状態を示す縦断面図である。
【図27】図26に示すカートリッジホルダにおいてディスクカートリッジが誤った方向で挿入操作された状態を示す縦断面図である。
【図28】本発明に係るディスクローディング装置に用いられるロックアームの他の例を示す要部側面図である。
【図29】図28に示すロックがメカシャーシの移動を阻止している状態を示す要部側面図である。
【符号の説明】
【0092】
1 メカシャーシ、4 カートリッジホルダ、5 カートリッジ移動板、12 ディスクテーブル、13 光学ピックアップ装置、56,57 倣いピン、61 カムギヤ、64 モータ、74 スライダ、145,146 カム突状、220 記録再生型のディスクカートリッジ、221 再生専用型のディスクカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方側に位置してディスクカートリッジが挿入保持されるカートリッジホルダを設け、上記カートリッジホルダの下部側に位置して上記ディスクカートリッジに収納された記録ディスクの再生部を設けてなるメカシャーシと、
上記再生部の後方側に位置して配置された駆動モータを有する移動操作機構と、
上記カートリッジホルダの後方側に対応する位置に位置されて上記メカシャーシに設けられた支軸に中央部が回動可能に支持され、先端部が上記メカシャーシに対する上記カートリッジホルダの接近及び離間する方向に動作されるように、上記カートリッジホルダに係合された左右の回動アーム部及びこれら左右の回動アーム部の後端側が連結されて上記移動操作機構の後方側に位置する連結部からなるコ字状の回動フレームとを有し、
上記回動フレームの連結部が上記移動操作機構により操作されるようにしたディスクプレーヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−120313(P2006−120313A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−351338(P2005−351338)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【分割の表示】特願2005−8955(P2005−8955)の分割
【原出願日】平成5年12月22日(1993.12.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】