説明

ディスクローディング装置およびディスク装置

【課題】排出中の光ディスクとディスクストッパとの衝突を防止し、衝突痕の発生を防止する。
【解決手段】ディスクローディング装置は、光ディスクを搬送可能な搬送機構と、光ディスクの外縁に当接して挿入・排出方向に移動可能なディスクストッパ15と、ディスクストッパを光ディスクの直径に応じた所定の位置に規制する回動可能なストッパアーム16と、光ディスクの外縁に当接し、光ディスクの直径に応じた位置でストッパアームの回動を規制する回動可能なディスクセレクタ8と、ディスクストッパまたはストッパアームを初期位置に向けて付勢する付勢部材とを備える。光ディスクの排出時には、光ディスクが、挿入時に光ディスクの外縁がディスクストッパとの当接を開始した位置の近傍まで少なくとも排出されたときに、ディスクセレクタがストッパアームの回動規制を解除し、ストッパアームおよびディスクストッパの初期位置への復帰を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置において、例えばコンパクト・ディスク(CD)やディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)等の情報記録媒体としての光ディスクを直接収納または排出するディスクローディング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光ディスクを直接的に収納または排出するスロットイン方式のディスク装置が知られている。このようなディスク装置では、直径の異なる光ディスク(例えば12cm、8cm等)に対応するため、ディスクストッパと呼ばれる光ディスクの位置決め部材が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ディスクストッパは、光ディスクの挿入・排出方向に往復移動可能に構成されている。光ディスクがディスク装置内に収納される際には、光ディスクの直径に応じてディスクストッパが所定の位置まで移動し、当該所定の位置で移動を停止することにより光ディスクの挿入・排出方向の位置決めを行う。光ディスクの位置決めが完了した後、ディスクストッパは、光ディスクの回転を妨げないように、光ディスクから離間する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2955116号(段落0014〜0024参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のディスク装置は、光ディスクの収納時には、光ディスクがディスクストッパに当接して一体的に移動するが、光ディスクの排出時には、光ディスクの移動に対して遅れてディスクストッパが移動を開始するため、ディスクストッパが初期位置に復帰する前に光ディスクの外縁に勢い良く衝突する場合がある。そのため、光ディスクの収納動作、排出動作を繰り返すと、光ディスクの外縁に凹状の衝突痕が生じ、光ディスクの損傷を招くこととなる。また、ディスクストッパ側にも凹状の衝突痕が生じるため、収納動作、排出動作の繰り返し回数が多くなるにつれて凹状の衝突痕が大きくなり、光ディスクの停止位置が製造当初の位置からずれる場合がある。その結果、例えば光ディスクをターンテーブルに圧着するクランプ動作を正常に行うことができない等の動作不良を起こす場合がある。
【0006】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、光ディスクの排出時において、光ディスクとディスクストッパとの衝突を防止し、これにより光ディスクの外縁またはディスクストッパの衝突痕の発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るディスクローディング装置は、直径の異なる複数種類の光ディスクを、ディスク装置に対する挿入・排出方向に搬送可能な搬送機構と、搬送される光ディスクの外縁に当接し、挿入・排出方向に移動可能なディスクストッパと、ディスクストッパを、光ディスクの直径に応じた所定の位置に規制する回動可能なストッパアームと、搬送される光ディスクの外縁に当接し、光ディスクの直径に応じた位置でストッパアームの回動を規制する回動可能なディスクセレクタと、ディスクストッパまたはストッパアームをそれぞれの初期位置に向けて付勢する付勢部材とを備える。光ディスクの挿入時には、ディスクセレクタが光ディスクの外縁に当接されて回動することによりストッパアームの回動規制を解除し、さらにディスクストッパが光ディスクの外縁に当接されて移動することにより、ストッパアームが回動して、その位置でディスクセレクタによる回動規制がなされる。光ディスクの排出時には、光ディスクが、挿入時に光ディスクの外縁がディスクストッパとの当接を開始した位置の近傍まで少なくとも排出されたときに、ディスクセレクタがストッパアームの回動規制を解除し、ストッパアームおよびディスクストッパの初期位置への復帰を可能にする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光ディスクの排出時に、光ディスクが、挿入時に光ディスクの外縁がディスクストッパとの当接を開始した位置の近傍まで少なくとも搬送されてから、ストッパアームおよびディスクストッパが初期位置に復帰するため、排出動作中に光ディスクの外縁にディスクストッパが衝突することを防止することができる。これにより、光ディスクの外縁またはディスクストッパにおける衝突痕の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置を備えたディスク装置の斜視図であり、光ディスクが収納されている途中または排出された状態を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置を備えたディスク装置の斜視図であり、光ディスクが収納された状態を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるカバーシャーシと、このカバーシャーシに取り付けられた構成部品を下方から見た斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1におけるクランパアームと、このクランパアームに取り付けられた構成部品を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1におけるストッパアームの構成を示す平面図である。
【図6】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置を含むディスク装置の分解斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置を含むディスク装置を、図6とは異なる方向から見た分解斜視図である。
【図8A】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク収納動作を示す斜視図であり、光ディスクの収納動作の開始直後の状態を示す図である。
【図8B】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク収納動作を示す平面図であり、光ディスクの収納動作の開始直後の状態を示す図である。
【図9A】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク収納動作を示す斜視図であり、光ディスクの外縁がディスクストッパの当接ピンに当接した状態を示す図である。
【図9B】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク収納動作を示す平面図であり、光ディスクの外縁がディスクストッパの当接ピンに当接した状態を示す図である。
【図10A】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク収納動作を示す斜視図であり、ディスクセレクタがストッパアームの第2の溝部に係合した状態を示す図である。
【図10B】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク収納動作を示す斜視図であり、ディスクセレクタがストッパアームの第2の溝部に係合した状態を示す図である。
【図11A】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク収納動作を示す斜視図であり、スライダトリガがディスクセレクタと共に−Y方向に移動し、スライダと一体的に移動を開始する状態を示す図である。
【図11B】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク収納動作を示す平面図であり、スライダトリガがディスクセレクタと共に−Y方向に移動し、スライダと一体的に移動を開始する状態を示す図である。
【図12A】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク収納動作を示す斜視図であり、スライダが−Y方向の移動範囲の終端まで移動した状態を示す図である。
【図12B】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク収納動作を示す平面図であり、スライダが−Y方向の移動範囲の終端まで移動した状態を示す図である。
【図13A】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク排出動作を示す斜視図であり、スライダが初期位置に復帰し、光ディスクのクランプが解除され、搬送ローラにより光ディスクが排出を開始した直後の状態を示す図である。
【図13B】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク排出動作を示す平面図であり、スライダが初期位置に復帰し、光ディスクのクランプが解除され、搬送ローラにより光ディスクが排出を開始した直後の状態を示す図である。
【図14A】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク排出動作を示す斜視図であり、スライダトリガとディスクセレクタが初期位置に復帰した状態を示す図である。
【図14B】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク排出動作を示す平面図であり、スライダトリガとディスクセレクタが初期位置に復帰した状態を示す図である。
【図15A】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク排出動作を示す斜視図であり、ディスクセレクタによるストッパアームの回動規制が解除され、ディスクストッパが初期位置へ復帰可能になる状態を示す図である。
【図15B】本発明の実施の形態1におけるディスクローディング装置のディスク排出動作を示す平面図であり、ディスクセレクタによるストッパアームの回動規制が解除され、ディスクストッパが初期位置へ復帰可能になる状態を示す図である。
【図16】比較例のディスクローディング装置おけるストッパアームの構成を示す平面図である。
【図17】本発明の実施の形態2におけるストッパアームの構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るディスクローディング装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1および図2は、本発明の実施の形態1におけるローラ式スロットイン機構を採用したディスクローディング装置を示す斜視図である。図1は、光ディスクの収納動作の途中または排出動作が完了した状態を示し、図2は光ディスクが収納された状態を示す。
【0012】
以下の説明では、光ディスクの挿入・排出方向に平行な方向をY方向とし、光ディスクの挿入方向(収納方向)を+Y方向、排出方向を−Y方向とする。光ディスクの主面と平行な面内で上記Y方向と直交する方向をX方向とし、+Y方向に向いて右側を+X方向、左側を−X方向とする。また、光ディスクの主面に直交する方向をZ方向とし、光ディスクのレーベル面側を+Z方向、反対側(記録再生面側)を−Z方向とする。
【0013】
<ディスクローディング装置の全体構成>
図1および図2に示すように、ディスク装置1は、メインシャーシ11と、その上蓋であるカバーシャーシ9とで構成される基体10を有している。この基体10の1つの側面(−Y方向端面)には、光ディスク200を収納、排出するためのスロット状のディスク出入口SLが形成されている。
【0014】
ディスク出入口SLは、X方向の長辺とZ方向の短辺とを有する矩形状の開口部である。このディスク出入口SLは、メインシャーシ11に設けられたコの字状の開口部11h(図2)と、カバーシャーシ9を構成する板状部材の端部を曲げ加工した端面(曲げ端面)9hとにより周囲を規定されている。カバーシャーシ9の裏面において、ディスク出入口SLよりも内側には、挿入される光ディスク200の外縁と接触し、後述する搬送ローラ23との間で光ディスク200を保持するディスクガイド20(図3)が配設されている。
【0015】
<光ディスクの直径判別および位置決めのための構成>
光ディスク200の直径判別および位置決めのための構成について、さらに図3〜図5を参照して説明する。図3は、カバーシャーシ9およびこのカバーシャーシ9に取り付けられた各構成部品を、カバーシャーシ9の裏面側から見た斜視図である。光ディスク200の直径判別および位置決めのために必要な構成部品は、ほぼカバーシャーシ9に取り付けられている。
【0016】
図1および図2に示すように、カバーシャーシ9の上面(+Z側の面)には、挿入される光ディスク200の直径を判別するためのディスクセレクタ8が配置されている。ディスクセレクタ8は、Y方向に延在する長尺形状を有し、略中央部に回動軸としてのボス部8cを有している。ボス部8cは、カバーシャーシ9に形成されたY方向に長い長穴部9c(図3)に係合している。これにより、ディスクセレクタ8はボス部8cを中心に回動可能に支持されている。また、ボス部8cは長穴部9c内においてY方向に移動可能であり、これによりディスクセレクタ8はY方向に所定距離(例えば4mm程度)移動可能に支持されている。
【0017】
ディスクセレクタ8の−Y方向の端部には、光ディスク200の外縁と当接可能な当接ピン8aが−Z方向に立設されている。ディスクセレクタ8の+Y方向の端部には、後述するストッパアーム16の溝部16b,16cと選択的に係合する係合ピン8bが−Z方向に立設されている。また、ディスクセレクタ8は、カバーシャーシ9に設けられたスプリング103によって、上面視で反時計回り方向、言い換えると、当接ピン8aが光ディスク200と当接する方向(すなわち、係合ピン8bが、後述するストッパアーム16の溝部16b,16cと係合する方向)に回動するよう付勢されている。ディスクセレクタ8は、また、後述するスプリング104によって+Y方向に付勢されている。スプリング104の付勢力により、ディスクセレクタ8のY方向における移動範囲において、最も+Y方向の位置が初期位置となる。
【0018】
図3に示すように、カバーシャーシ9の−Z側には、クランパアーム12が取り付けられている。クランパアーム12は、その+Y方向の端部近傍において、カバーシャーシ9に設けられたX方向の回動軸9a,9bにより回動可能に支持されている。また、クランパアーム12は、カバーシャーシ9に設けられたスプリング101(図1)により、−Y方向の端部が+Z方向に回動する方向に付勢されている。クランパアーム12の−X方向の側部にはカムピン12dが立設されており、このカムピン12dは、後述するスライダ18のカム部18bに係合している。カムピン12dとカム部18bとの係合により、クランパアーム12は回動軸9a,9bを中心として回動する。光ディスク200の収納動作が完了した状態では、クランパアーム12は水平面(XY面)と平行な姿勢になり、それ以外の状態では水平面に対して傾斜した姿勢に制御される。
【0019】
図4は、クランパアーム12と、このクランパアーム12に取り付けられた各構成部品を示す分解斜視図である。クランパアーム12には、上クランパ13、下クランパ14、ディスクストッパ15およびストッパアーム16が保持されている。
【0020】
上クランパ13および下クランパ14は、クランパアーム12の−Y方向の先端部近傍に配置され、光ディスク200を後述するターンテーブル52(図7)との間で圧着保持するものである。上クランパ13と下クランパ14との間には、図示しないマグネットが保持されている。クランパアーム12のX方向における略中央には、Y方向に延在するガイド溝12bが形成されている。
【0021】
ディスクストッパ15は、X方向に長い長尺形状を有しており、そのX方向の略中央には、+Z方向に突出するボス部15cと、その+Y側に隣接する突起であるガイド部15dとが設けられている。ディスクストッパ15は、ボス部15cおよびガイド部15dがクランパアーム12のガイド溝12bに係合することで、Y方向に移動可能に案内されている。また、ディスクストッパ15は、その長手方向(X方向)両端に、光ディスク200の外縁と当接可能な一対の当接ピン15a(図3)を有しており、当該当接ピン15aよりもX方向内側に、光ディスク200の外縁と当接可能な一対の当接ピン15b,15b(図3)を有している。内側の一対の当接ピン15b,15bは、通常時において、光ディスク200に当接するものである。一方、外側の一対の当接ピン15aは、小径の光ディスク200がディスク出入口SLに対して片寄せされて挿入されて場合に、その光ディスク200を内側の一対の当接ピン15b,15bに向けて案内するものである。
【0022】
図3に示すように、ストッパアーム16は、ディスクストッパ15と共に光ディスク200の停止位置を規制するものであり、長尺形状を有し、その長手方向略中央部に円形の穴部16gを有している。この穴部16gに、クランパアーム12に立設された支持ピン12aが係合することにより、ストッパアーム16は回動可能に保持されている。ストッパアーム16は、その長手方向一端の近傍に、長穴(溝)状の係合部16aを有しており、この係合部16aがディスクストッパ15のボス部15c(ガイド溝12bを+Z方向に貫通している)と係合している。ディスクストッパ15がガイド溝12bに沿ってY方向に移動すると、その直進移動が、ボス部15cと係合部16aとの係合により、ストッパアーム16の穴部16g(支持ピン12a)を中心とした回動に変換される。
【0023】
図5は、ストッパアーム16の形状を示す平面図である。ストッパアーム16において係合部16aが形成された側と反対側の端部には、穴部160が形成されている。この穴部160の−Y方向の端部近傍および+Y方向の端部近傍には、それぞれ、上述したディスクセレクタ8の係合ピン8bと係合可能な第1の溝部16bおよび第2の溝部16cが形成されている。また、第1の溝部16bと第2の溝部16cとの間には、ストッパアーム16の回動中心C(穴部16gの中心)と同軸の円弧Rに対し、第1の溝部16bから第2の溝部16cに向かって、回動中心Cからの距離が減少する方向に延在する第1の斜面16dと、この第1の斜面16dの終端部から第2の溝部16cにかけて、回動中心Cからの距離が増加する方向に延在する第2の斜面16eとが形成されている。第1の斜面16dおよび第2の斜面16eは、略V字状に連続して形成されている。ここでは、第1の斜面16dは曲線状に形成されているが、これにより、ディスクセレクタ8の係合ピン8bが第2の斜面16eに到達するまでのストッパアーム16の回動負荷を均一にする作用効果が得られる。
【0024】
ストッパアーム16の第1の溝部16bには、直径(外径)8cmの小径の光ディスク200が挿入された場合に、ディスクセレクタ8の係合ピン8bが係合する。また、ストッパアーム16の第2の溝部16cには、直径12cmの大径の光ディスク200が挿入された場合に、ディスクセレクタ8の係合ピン8bが係合する。この選択は、後述するようにディスクセレクタ8の当接ピン8aが光ディスク200の外縁に当接して回動することにより行われる。
【0025】
このようにディスクセレクタ8の係合ピン8bをストッパアーム16の第1の溝部16bまたは第2の溝部16cとを係合させる理由は、異なる直径の光ディスク200をそれぞれの直径に応じた所定の位置で停止させ、ディスクセレクタ8を−Y方向に移動させてクランプ動作に移行するためである。ディスクセレクタ8の係合ピン8bが、ストッパアーム16の第1の溝部16bまたは第2の溝部16cと係合した状態で、ストッパアーム16が−Y方向に移動すると、上述したボス8cが長穴部9c(図3)内で移動することにより、ディスクセレクタ8が−Y方向に所定距離だけ移動する。
【0026】
図1に示すように、ストッパアーム16は、クランパアーム12に設けられたスプリング(付勢部材)102により、穴部16gを中心とした所定の回動方向(上面視で時計回り方向)に付勢されている。この回動方向は、(図4に示した係合部16aとボス部15cとの係合により)ディスクストッパ15が−Y方向に移動する方向である。クランパアーム12上には、上クランパ13に隣接するように、ディスクストッパ15が−Y方向に移動した際に当接するクッションプレート17が形成されている。ディスクストッパ15に形成された当て面15e(図4)が、クッションプレート17に当接することにより、ディスクストッパ15の初期位置が決定される。
【0027】
図3に示すように、ディスクガイド20は、後述する搬送ローラ23との間で光ディスク200を圧着保持し、光ディスク200を案内するものである。このディスクガイド200は、X方向中心を挟んで両側(+X側および−X側)に、傾斜面20a,20c,20eと傾斜面20b,20d,20fとを有している。傾斜面20a,20c,20eと、傾斜面20b,20d,20fとは、X方向中心を挟んでそれぞれ対称に形成されている。より具体的には、傾斜面20a,20c,20eと、傾斜面20b,20d,20fとは、X方向中心から離れるほど−Z方向の突出量が大きくなるような傾斜を有している。この傾斜により、光ディスク200の搬送時において、光ディスク200の外縁が傾斜面20a〜20fと接触(摺動)し、光ディスク200の主面とディスクガイド20とが接触することがない。これにより、光ディスク200の搬送時に、光ディスク200の主面に擦り傷が発生するのを防止している。
【0028】
<光ディスクの搬送とクランプ動作のための構成>
次に、図6、図7、図8A、図8B、図9Aおよび図9Bを用いて、光ディスク200の搬送とクランプ動作のための構成について説明する。図6は、ディスク装置1を左前方から見た分解斜視図である。図7は、ディスク装置1を右前方から見た分解斜視図である。図8Aおよび図8Bは、光ディスク200の収納動作を開始した直後の状態を示す斜視図および平面図である。
【0029】
図8Aに示すように、メインシャーシ11において、ディスク出入口SLの近傍には、ローラアーム21が取り付けられている。ローラアーム21は、X方向に長く、長手方向の両端に設けられた一対の支持ピン21aをX方向の回動軸として、メインシャーシ11に回動可能に取り付けられている。ローラアーム21の回動側の先端の長手方向両端には、プラスチックで形成された一対のベアリング22が取り付けられている。このベアリング22には、軸方向をX方向とするシャフト60が回動可能に取り付けられており、このシャフト60には、例えばゴムローラからなる一対の搬送ローラ23が軸方向に並んで取り付けられている。
【0030】
ローラアーム21は、また、図示しないスプリングにより、搬送ローラ23がディスクガイド20との間で光ディスク200を圧着する方向に付勢されている。シャフト60の近傍には、ローラアーム21の−X側の端部から更に−X方向に延在する当接ピン21bが設けられている。この当接ピン21bは、後述するスライダ18に当接するものである。スライダ18と当接ピン21bとの当接により、ローラアーム21が支持ピン21aを中心として回動し、搬送ローラ23による光ディスク200の圧着および圧着の解除が行われる。
【0031】
一対の搬送ローラ23は、それぞれが一対のベアリング22の間隔をほぼ2分する長さを有している。各搬送ローラ23は、環状(ドーナツ状)の断面を有し、各ベアリング22から遠ざかるにつれて(シャフト60の長手方向中心に近づくにつれて)外径が減少する略円筒形状を有している。搬送ローラ23の内径はシャフト60の外径よりも僅かに大きく構成されているが、シャフト60と一体的に回転する。
【0032】
シャフト60の軸方向(X方向)一端部には、平歯車で構成されるローラギア24が圧入により取り付けられている。ローラギア24は、後述する第2のギア29に係合して回転し、ローラギア24と共にシャフト60および搬送ローラ23が回転する。これにより、搬送ローラ23とディスクガイド20との間で光ディスクを圧着保持した状態で、搬送ローラ23が回転して光ディスク200を挿入方向または排出方向に搬送する。
【0033】
メインシャーシ11の−X方向の側壁近傍には、スライダ18が取り付けられている。スライダ18は、Y方向に長い長尺形状を有し、Y方向に所定距離(15mm程度)往復移動可能に支持されている。スライダ18の−Y方向の端面には、上述したローラアーム21の当接ピン21bに当接して−Z方向に付勢する斜面18aが形成されている。また、スライダ18の+Y方向の端面近傍には、クランパアーム12のカムピン12dと係合する階段状のカム部(カム溝)18bが形成されている。また、スライダ18は、−Y方向の端部近傍に、長穴を有しており、この長穴の一部にY方向に沿ってラック18cが形成されている。
【0034】
スライダ18は、図示しないスプリングにより+Y方向に付勢されている。スライダ18が動作範囲の最も+Y側に位置するときには、カムピン12dとカム部18bとの係合により、クランパアーム12は水平面に対して傾斜した姿勢に保たれる。これにより、クランパアーム12の回動先端に保持された下クランパ14と、搬送される光ディスク200との隙間が確保される。一方、スライダ18が移動範囲の最も−Y側に位置するときには、カムピン12dとカム部18bとの係合により、クランパアーム12は水平面に対して平行な姿勢に保たれる。この状態で、クランパアーム12に搭載されたクランパ13および下クランパ14は、両者の間に保持されたマグネット(図示せず)により、光ディスク200を後述するターンテーブル52に圧着する。
【0035】
図7に示すように、スライダ18には、Y方向に長い長尺部材であるスライダトリガ19が、Y方向に相対的に所定距離(例えば4mm程度)往復動可能に取り付けられている。スライダトリガ19は、その−Y側に、Y方向に長いラック19aを有している。スライダトリガ19がスライダ18に対する相対移動範囲の−Y方向の終端にあるときに、スライダトリガ19のラック19aはスライダ18のラック18cと同じ位相になる。また、スライダトリガ19の+Y方向の端部近傍(ラック19aと反対側の端部近傍)には、+X方向に突出する突起部19bが形成されている。この突起部19bは、図8Aに示すように、ディスクセレクタ8に形成されたL字曲げ部8dの側端面と当接している。同じく図8Bに示すように、スライドトリガ19の突起部19bの近傍に形成されたフック部19cと、ディスクセレクタ8に形成されたフック部8eとの間にスプリング104が張架されており、スライドトリガ19とディスクセレクタ8とがY方向に所定距離(例えば4mm程度)一体的に移動できるよう構成されている。なお、スプリング101〜104は、他の図面では必要に応じて省略されている。
【0036】
スライダトリガ19の初期位置は、ディスクセレクタ8の初期位置によって決定される。この初期位置は、スライダトリガ19がスライダ18に対して相対移動可能な4mm程度の移動範囲において最も+Y側の位置である。従って、スライダトリガ19は、初期位置から+Y方向に移動することはできない。一方、スライダトリガ19は、初期位置から−Y方向に移動することは可能であり、ディスクセレクタ8と一体的に4mm程度移動すると、その後はスライダ18と一体的に15mm程度する。
【0037】
<駆動機構の構成>
次に、駆動機構の構成を説明する。図6に示すように、メインシャーシ11において、ローラギア24の近傍には、駆動機構を搭載したモータベース25が取り付けられている。モータベース25には、駆動源であるモータ26とギア列とが取り付けられている。モータ26の回転軸には、ウオームギア27が一体的に取り付けられている。このウオームギア27は、搬送ローラ23の回転軸と平行な(モータベース25に一体的に設けられた)回転軸に取り付けられた第1のギア28と係合している。第1のギア28は、その軸方向にハスバ歯車と平歯車とを有して構成されており、ハスバ歯車の部分がウオームギア26に係合している。一方、第1のギア26の平歯車の部分には、第1のギア28の回転軸と平行な回転軸に取り付けられた第2のギア29の大歯車部が係合している。
【0038】
第2のギア29は、その軸方向に小歯車部と大歯車部とを有して構成され、いずれも平歯車からなる。第2のギア29の小歯車部は、スライダ18のラック18cおよびスライダトリガ19のラック19aが所定の移動範囲にあるときにこれらと係合する。また、第2のギア29の大歯車部は、第1のギア28の平歯車部とは常時係合しており、ローラギア24が所定の移動範囲にあるときにローラギア24とも係合する。すなわち、搬送ローラ23が光ディスク200を搬送するときには、第2のギア29の大歯車部とローラギア24とが係合するが、光ディスク200の搬送を完了してクランプ動作に移行する際には、ローラアーム21がスライダ18の斜面18aに付勢されて回動するため、第2のギア29の大歯車部とローラギア24との係合が解除される。
【0039】
<トラバースユニットの構成>
次に、光ディスク200に信号を記録し、または光ディスク200の信号を再生する光ピックアップ53を含むトラバースユニット51の構成について、図6および図7を参照して説明する。トラバースユニット51は、メインシャーシ11にネジ止めにより取り付けられている。トラバースユニット51には、光ディスク200を載置して回転させるターンテーブル52と、このターンテーブル52を回転駆動するスピンドルモータ53と、レーザを用いて光ディスク200に信号を記録し、または光ディスク200の信号を再生する光ピックアップ53が保持されている。光ピックアップ53は、光ピックアップ駆動機構51aにより、光ディスク200の半径方向に移動する。
【0040】
ターンテーブル52の中央部には、光ディスク200の中心孔をターンテーブル52に同軸に載置するためのテーパ面を有する凸部52aが形成されている。凸部52aの先端には、上クランパ13および下クランパ14に保持されるマグネット(図示せず)との間で吸引力を発生させるための吸引板(図示せず)が配置されている。上クランパ13および下クランパ14がターンテーブル52に近接すると、この吸引力により、光ディスク200は下クランパ15とターンテーブル52との間で圧着保持される。
【0041】
<光ディスクの検知のための構成>
次に、光ディスク200の挿入および排出を検知するための構成について、図6および図7を参照して説明する。ディスクガイド20の下面(−Z側の面)に対向するように、かつ、搬送ローラ23の−Y側の近傍に、ディスク挿入検知手段31を構成するフォトダイオード31aとフォトトランジスタ31bとが配置されている。フォトダイオード31aおよびフォトトランジスタ31bは、X方向に一定間隔を開けて配置されており、ディスクガイド20には、フォトダイオード31aから出射された光を反射し、フォトトランジスタ31bに向けて出射するプリズム33が取り付けられている。光ディスク200が搬送ローラ23の位置まで挿入されていない状態では、フォトダイオード31aから出射された光がプリズム33で反射され、フォトトランジスタ31bに入射する。これに対し、光ディスク200が搬送ローラ23の位置まで挿入されている状態では、フォトダイオード31aから出射された光が光ディスク200に遮られるため、フォトトランジスタ31bには入射しない。これにより、挿入口から搬送ローラ23までの区間における光ディスク200の有無を検知することができる。
【0042】
また、ディスク挿入検知手段31の+Y側に隣接して、ディスク排出検知手段32を構成するフォトダイオード32aおよびフォトトランジスタ32bが配置されている。フォトダイオード32aおよびフォトトランジスタ32bは、X方向に一定間隔を開けて、搬送ローラ23に対して+Y側の近傍に配置されている。ディスクガイド20には、フォトダイオード32aから出射された光を反射し、フォトトランジスタ32bに向けて出射するプリズム34が取り付けられている。光ディスク200の排出時において、光ディスク200の+Y方向の端部が搬送ローラ23に達するまでは、フォトダイオード32aから出射された光が光ディスク200に遮られるため、フォトトランジスタ32bには入射しない。これに対し、排出される光ディスク200の+Y方向の端部が搬送ローラ23上を通過すると、フォトダイオード32aから出射された光がプリズム34で反射され、フォトトランジスタ32bに入射する。これにより、光ディスク200が搬送ローラ23により完全に排出される直前の状態(かつ、光ディスク200が搬送ローラ23とディスクガイド20の間で保持されている状態)を検知することができる。
【0043】
なお、上述したディスク挿入検知手段31およびディスク排出検知手段32は、ローラアーム21の下方(−Z方向)に配置された共通の基板30に取り付けられている。また、ローラアーム21には、ディスク挿入検知手段31およびディスク排出検知手段32の各光路を遮らない位置に開口部が設けられている。
【0044】
<ディスクローディング装置による光ディスクの収納動作>
上記のように構成されたディスクローディング装置において、直径12cmの大径の光ディスク200がターンテーブル52に装着され、光ディスク200に信号が記録され、または光ディスク200の信号が再生されるまでの動作を、図8A〜図12Bを参照して説明する。
【0045】
図8Aおよび図8Bは、光ディスク200の収納動作の開始直後の状態を示す斜視図および平面図である。ユーザにより光ディスク200がディスク出入口SLに挿入され、ディスク挿入検出手段31(図6、図7)により光ディスク200の挿入が検知されると、図示しない制御部がモータ26を駆動して一定方向に回転させ、これによりウオームギア27、第1のギア28および第2のギア29が常時回転する。このとき、ローラギア24は、第2のギア29の大歯車部に係合しており、シャフト60と共に搬送ローラ23が回転する。その結果、光ディスク200は、搬送ローラ23とディスクガイド20との間で圧着保持された状態で、+Y方向に搬送される。
【0046】
図9Aおよび図9Bは、光ディスク200が、その外縁がディスクストッパ15の一対の当接ピン15b(図3)に当接する位置まで挿入された状態を示す斜視図および平面図である。+Y方向に搬送される光ディスク200の外縁がディスクセレクタ8の当接ピン8aに当接すると、当接ピン8aが光ディスク200の外縁により−X方向に付勢されることになるため、ディスクセレクタ8はボス部8cを中心に上面視で時計回り方向に回動する。これにより、ディスクセレクタ8の係合ピン8bが、ストッパアーム16の第1の溝部16b(図5)から抜け出し、係合ピン8bと第1の溝部16bとの係合が解除される。これにより、ストッパアーム16は、上面視で反時計回り方向に回動可能となり、ディスクストッパ15は+Y方向に移動可能となる。
【0047】
図10Aおよび図10Bは、ディスクセレクタ8の係合ピン8bがストッパアーム16の第2の溝部16cに係合した状態を示す斜視図および平面図である。モータ26が回転を続け、光ディスク200がさらに+Y方向に搬送され、光ディスク200に付勢されてディスクストッパ15が+Y方向に移動すると、ボス部15cと係合部16aとの係合により、ディスクストッパ15に連動してストッパアーム16が上面視で反時計回り方向に回動し、図10Aおよび図10Bに示すように、ディスクセレクタ8の係合ピン8bがストッパアーム16の第2の溝部16cと係合する。
【0048】
図11Aおよび図11Bは、スライダトリガ19がディスクセレクタ8と共に−Y方向に移動し、スライダ18と一体的に移動を開始する状態を示す斜視図および平面図である。ディスクセレクタ8の係合ピン8bがストッパアーム16の第2の溝部16cと係合した状態から、光ディスク200が僅かに+Y方向に搬送されると、ストッパアーム16の回動がディスクセレクタ8の−Y方向の直進移動(ボス8cが、図3に示した長穴部9c内を移動することによる)に変換される。ディスクセレクタ8とスライダトリガ19は、スプリング104(図8B)の作用により一体的に移動し、−Y方向に4mm程度移動する。この動作が完了した時点で、ディスクセレクタ8は移動範囲の−Y方向の終端に達しており、従ってディスクストッパ15とストッパアーム16はこれ以上動作することができない。また、光ディスク200はターンテーブル52を+Y方向に僅かに超えた位置で停止させられている。この状態で、スライダトリガ19のラック19aは、第2のギア29の小歯車部に係合する。また、スライダトリガ19は、スライダ18に対する相対移動可能な範囲(4mm)の−Y方向の終端に達しているため、これ以降はスライダトリガ19とスライダ18とが一体的に−Y方向に移動し、その移動開始直後に、スライダ18のラック18c(スライダトリガ19のラック19aと同位相)も第2のギア29の小歯車部に係合する。
【0049】
図12Aおよび図12Bは、スライダ18およびスライダトリガ19が−Y方向の終端まで移動した状態を示す斜視図および平面図である。モータ26がさらに回転を続けると、スライダ18およびスライダトリガ19は、ラック18c,19aと第2のギア29の小歯車部との係合により、一体的に−Y方向に15mm程度移動する。このとき、スライダ18の斜面18aがローラアーム21の当接ピン21bに当接して−Z方向に付勢するため、ローラアーム21が支持ピン21aを中心として回動し、搬送ローラ23が−Z方向に移動する。これにより、搬送ローラ23による光ディスク200の圧着保持が解除され、また、ローラギア24と第2のギア29の大歯車部との係合も解除される。
【0050】
さらに、クランパアーム12のカムピン12dとスライダ18のカム部18bとの係合により、クランパアーム12が回動軸9a(図3)を中心として揺動し、クランパアーム12が水平面(XY面)に対して平行な姿勢となる。上述した搬送ローラ23の−Z方向への移動(下降)に伴い、光ディスク200も下降し、ターンテーブル52の凸部52aのテーパ面に案内されて僅かに−Y方向に移動し、クランパアーム12に搭載された下クランパ14とターンテーブル52との間で圧着保持される。このときの光ディスク200の僅かな−Y方向の移動により、光ディスク200とディスクストッパ15の当接ピン15bの間に隙間が確保され、光ディスク200はディスクストッパ15に接触せずに回転することが可能になる。
【0051】
上述したスライダ18およびスライダトリガ19の−Y方向の移動により、スライダトリガ19とディスクセレクタ8との間に張架されたスプリング104は大きく変位し、そのバネ力(付勢力)はスプリング102およびスプリング103のバネ力を大きく上回る。これにより、ディスクセレクタ8は−Y方向に付勢され、ディスクストッパ15はストッパアーム16を介して+Y方向に付勢される。言い換えると、ディスクストッパ15、ストッパアーム16及びディスクセレクタ8がそれぞれの初期位置に戻ることが防止される。従って、振動などにより光ディスク200の外縁とディスクストッパ15の当接ピン15bとが接触することが防止される。
【0052】
スライダ18がその移動範囲の−Y方向の終端に達すると、図示しない終端検知手段がこれを検知し、図示しない制御部はモータ26の回転を停止し、光ディスク200のディスク装置1内への収納動作が完了する。そののち、スピンドルモータ53により光ディスク200が回転し、光ピックアップ54により信号の記録動作または再生動作が開始される。
【0053】
<ディスク装置による光ディスクの排出動作>
次に、光ディスク200をディスク装置外に排出する動作を、図13A〜図15Bを参照して説明する。図13Aおよび図13Bは、光ディスク200の収納動作とは反対方向にモータ26が回転し、スライダ18およびスライダトリガ19が一体的に+Y方向に15mm程度駆動された状態を示す斜視図および平面図である。図13Aおよび図13Bに示した時点では、スライダトリガ19のラック19aは第2のギア29の小歯車部と係合しているが、スライダ18のラック18cと第2のギア29の小歯車部との係合は解除され、スライダ18の初期位置への復帰が完了する。また、スライダ18が初期位置に復帰する際、そのカム部18bとクランパアーム12のカムピン12dとの係合により、クランパアーム12が回動軸9a(図3)を中心として回動し、水平面に対して傾斜した姿勢となる。これにより、下クランパ14が+Z方向に移動し、下クランパ14とターンテーブル52による光ディスク200の圧着が解除される。また、スライダ18の斜面18aによるローラアーム21のピン21dの押し下げが解除されるため、ローラアーム21がピン21aを中心として上方に回動し、搬送ローラ23が+Z方向に移動して光ディスク200をターンテーブル52から持ち上げ、ディスクガイド20との間で圧着保持する。さらに、搬送ローラ23のシャフト60のローラギア24が、第2のギア29の大歯車部と係合する。この時点より、光ディスク200のディスク装置1外への搬送が開始される。
【0054】
図14Aおよび図14Bは、スライダトリガ19とディスクセレクタ8が初期位置に復帰した状態を示す斜視図および平面図である。モータ26がさらに回転を続けると、搬送ローラ23の回転により光ディスク200が−Y方向に搬送される。その一方で、スライダトリガ19とディスクセレクタ8は、ラック19aと第2のギア29の小歯車部との係合により、一体的に+Y方向に4mm程度駆動される。この時点で、第2のギア29の小歯車部とスライダトリガ19のラック19aの係合が解除され、スライダトリガ19の初期位置への復帰が完了する。
【0055】
モータ26がさらに回転を続けると、光ディスク200の外縁がディスクセレクタ8の当接ピン8aに当接して−X方向に付勢し、ディスクセレクタ8はボス部8cを中心に上面視で時計回り方向に回動する。ディスクセレクタ8の回動により、ディスクセレクタ8の係合ピン8bとストッパアーム16の第2の溝部16cとの係合が解除される。但し、ディスクストッパ15およびストッパアーム16はスプリング102により初期位置に向けて付勢されているが、この時点では、後述するように初期位置に復帰しない。
【0056】
図15Aおよび図15Bは、ディスクセレクタ8によるストッパアーム16の回動規制が解除され、ディスクストッパ15が初期位置へ復帰可能になる状態を示す斜視図および平面図である。光ディスク200がディスクセレクタ8の当接ピン8aをさらに−X方向に付勢し、ディスクセレクタ8がさらに上面視で時計回り方向に回動すると、ディスクセレクタ8の係合ピン8bは、ストッパアーム16の第1の斜面16dと第2の斜面16eとの境界B(頂点部)に達する。ディスクセレクタ8のピン8bがこの境界Bを超えて第2の斜面16d側に達した時に、ディスクストッパ15およびストッパアーム16は初期位置に復帰可能な状態となる。
【0057】
本実施の形態では、光ディスク200が、挿入時にその外縁がディスクストッパ15の当接ピン15bとの当接を開始した位置の近傍まで排出された時点(あるいは、さらに+Y方向に排出された時点)で、ディスクセレクタ8の係合ピン8bが第1の斜面16dと第2の斜面16eとの境界Bに達するように構成されている。言い換えると、図15Aおよび図15Bに示すように、ディスクストッパ15およびストッパアーム16が初期位置に復帰する直前の状態では、光ディスク200は、挿入時にその外縁がディスクストッパ15の当接ピン15bとの当接を開始した位置の近傍まで搬送されている。従って、この状態からディスクストッパ15およびストッパアーム16が初期位置に復帰しても、ディスクストッパ15が光ディスク200に当接することがない。そのため、光ディスク200をディスク装置1外に排出する動作中に、光ディスク200の外縁にディスクストッパ15の当接ピン15bが衝突することがない。
【0058】
ここで、本実施の形態に対する比較例としてのディスクローディング装置において、ディスクストッパ15およびストッパアーム16が初期位置に復帰する動作を説明する。図16は、比較例としてのディスクローディング装置に用いられているストッパアーム216を示す平面図である。なお、比較例のディスクローディング装置は、ストッパアーム216の構成を除き、本実施の形態のディスクローディング装置と同じ構成を有している。ストッパアーム216は、第1の溝部16bと第2の溝部16cとの間の面216dが、ストッパアーム216の回動中心C(穴部16gの中心)と同心の円弧Rをなしている。この場合、ディスクセレクタ8の係合ピン8bとストッパアーム16の第2の溝部16cとの係合が解除された時点で、ディスクストッパ15およびストッパアーム16は初期位置に復帰可能となり、スプリング102(図8A等)のバネ力によって初期位置に復帰する。一方、この時点で、光ディスク200は、挿入時にその外縁がディスクストッパ15の当接ピン15bとの当接を開始した位置の近傍まで搬送されていない。その結果、光ディスク200がディスク装置1外に排出される動作中に、光ディスク200の外縁にディスクストッパ15の当接ピン15bが衝突することになる。
【0059】
これに対し、本実施の形態では、図5を参照して説明したように、ストッパアーム16の第1の溝部16bと第2の溝部16cとの間に、第1の溝部16bから第2の溝部16cに向かって、ストッパアーム16の回動中心C(穴部16gの中心)からの距離が減少する方向に延在する第1の斜面16dと、この第1の斜面16dの終端部から第2の溝部16cにかけて、回動中心からの距離が増加する方向に延在する第2の斜面16eとがV字状に連続して形成されている。さらに、ディスクセレクタ8を上面視で反時計回り方向に付勢するスプリング103(図8A等)の付勢力は、ストッパアーム16を初期位置に向けて付勢するスプリング102(図8A等)の付勢力よりも強く設定されている。そのため、ディスクセレクタ8の係合ピン8bが第2の溝部16bから抜け出しても、係合ピン8bが第1の斜面16dと第2の斜面16eとの境界Bを通過するまでは、ディスクストッパ15およびストッパアーム16が初期位置に復帰可能とならない。ディスクセレクタ8の係合ピン8bが、第1の斜面16dと第1の斜面16eとの境界Bを通過して初めて、ディスクストッパ15およびストッパアーム16が初期位置に復帰可能となり、スプリング102の付勢力によって初期位置に復帰する。そのため、ストッパアーム16およびディスクストッパ15がディスク200の外延に衝突することがない。ディスクストッパ15およびストッパアーム16の初期位置への復帰に伴い、ディスクセレクタ8の係合ピン8bは、ストッパアーム16の第1の溝部16bに係合する。
【0060】
ディスクストッパ15およびストッパアーム16の初期位置への復帰動作は、ディスクストッパ15の当て面15eがクランパアーム12上のクッションプレート17に当接することにより完了する。クッションプレート17は、樹脂で形成されており、ディスクストッパ15との衝突音は小さく抑えられる。
【0061】
ディスクストッパ15およびストッパアーム16の初期位置への復帰動作が完了した後、光ディスク200は更に−Y方向に搬送され、ディスク排出検知手段32により光ディスク200の排出が検知されると、制御部がモータ26の回転を停止し、これにより光ディスクの排出動作が完了する。なお、この状態は図8の状態とほぼ同様である。
【0062】
以上は、直径12cmの大径の光ディスク200の収納動作および排出動作について説明したが、直径8cmの小径の光ディスク200の場合も、ほぼ同様に収納動作および排出動作が行われる。但し、小径の光ディスク200の収納動作時には、光ディスク200の外縁がディスクセレクタ8の当接ピン8aに当接しないため、ディスクセレクタ8は回動せず、ディスクセレクタ8の係合ピン8bがアームストッパ16の第1の溝部16bに係合した状態が保たれる。この状態で、挿入された光ディスク200がディスクストッパ15に当接すると、ディスクセレクタ8は(ボス8cが図3に示した長穴部9c内を移動することにより)+Y方向に移動し、上述したようにスライダ18及びスライダトリガ19を介して、光ディスク200のクランプ動作への移行が行われる。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態では、大径の光ディスク200の排出時に、光ディスク200が、挿入時にその外縁がディスクストッパ15との当接を開始した位置の近傍まで少なくとも排出されたときに、ストッパアーム16およびディスクストッパ15が初期位置に復帰可能となるため、ストッパアーム16およびディスクストッパ15がディスク200の外延に衝突することがない。これにより、排出動作中に光ディスク200の外縁にディスクストッパ15が衝突することを防止することができ、光ディスクの外縁またはディスクストッパ15における衝突痕の発生を防止することができる。
【0064】
また、光ディスク200の収納動作、排出動作を繰り返しても、ディスクストッパ15側に衝突痕が生じることがないため、ディスクストッパ15により規定される光ディスクの停止位置を長期間に亘って正確に保つことができる。従って、ディスクローディング装置および光ディスク装置の長寿命化に資することができる。
【0065】
特に、ストッパアーム16の第1の溝部16bと第2の溝部16cとの間に、第1の溝部16bから第2の溝部16cに向かって、ストッパアーム16の回動中心からの距離が減少する方向に延在する第1の斜面16dと、この第1の斜面16dの終端から第2の溝部16cに向かって、回動中心からの距離が増加する方向に延在する第2の斜面16eとがV字状に連続的に形成され、ディスクセレクタ8の係合ピン8bがストッパアーム16の第1の斜面16dと第2の斜面16eとの境界Bを超えることで、ストッパアーム16およびディスクストッパ15の初期位置への復帰が可能になるようにしたので、簡単な構成で、光ディスク200とディスクストッパ15との衝突を防止することができる。
【0066】
また、光ディスク200の収納動作時には、ディスクセレクタ8が光ディスク200の外縁に当接されて回動することによりストッパアーム16の回動規制を解除し、さらにディスクストッパ15が光ディスク200の外縁に当接されて移動することにより、ストッパアーム16が回動し、その回動した位置でディスクセレクタ8によるストッパアーム16の回動規制がなされるようにしたため、簡単な構成で、光ディスク200の直径に応じたディスクストッパ15の位置の切り替えを行うことができる。
【0067】
さらに、ディスクセレクタ8の係合ピン8bがストッパアーム16の第1の溝部16bまたは第2の溝部16cに係合した状態で、ストッパアーム16が僅かに回動することにより、ディスクセレクタ8が僅かにY方向に直進移動し、光ディスク200をターンテーブル52との間で保持するクランプ動作への移行が行われるため、光ディスク200の搬送とクランプ動作とを共通の駆動源で行う構成を実現することができる。
【0068】
実施の形態2.
図17は、本発明の実施の形態2に係るディスクローディング装置のストッパアーム116を示す平面図である。実施の形態2に係るディスクローディング装置のストッパアーム116では、第1の溝部16bと第2の溝部116cとの間に、ストッパアーム116の回動中心Cと同軸の円弧Rに対し、第1の溝部16bから第2の溝部116cに向かって半径が減少する方向に延在する斜面16dが形成されている。また、第2の溝部116cの深さは、光ディスク200が、挿入時にその外縁がディスクストッパ15の当接ピン15bとの当接を開始した位置の近傍まで少なくとも排出された時点で、第2の溝部116cと係合ピン8bとの係合が解除される深さに設定されている。
【0069】
従って、ディスクセレクタ8の係合ピン8bと第1の溝部16bとの係合が解除されたときには、既に、光ディスク200は、挿入時にその外縁がディスクストッパ15の当接ピン15bとの当接を開始した位置の近傍まで搬送されている。そのため、ディスクストッパ15およびストッパアーム116が初期位置に復帰しても、光ディスク200の外縁に衝突することはない。すなわち、光ディスク200がディスク装置1外に排出される動作中に、光ディスク200の外縁にディスクストッパ15の当接ピン15bが衝突することを防止できる。他の構成および動作は、実施の形態1で説明したとおりである。また、小径の光ディスク200の収納動作および排出動作についても、実施の形態1で説明したとおりである。
【0070】
この実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、光ディスク200が、挿入時にその外縁がディスクストッパ15との当接を開始した位置の近傍まで排出されたときに、ストッパアーム16およびディスクストッパ15が初期位置に復帰可能となるため、ストッパアーム16およびディスクストッパ15がディスク200の外延に衝突することを防止できる。これにより、光ディスクの外縁またはディスクストッパ15における衝突痕の発生を防止することができる。
【0071】
なお、実施の形態1,2で説明したストッパアーム16は、光ディスク200の外縁とディスクストッパ15との衝突を防止するという共通の効果を奏するが、ディスクストッパ15が初期位置に復帰する直前の位置が互いに異なる。すなわち、実施の形態1のアームストッパ16を用いた場合、ディスクストッパ15およびストッパアーム16が初期位置に復帰する直前の状態で、ディスクストッパ15およびストッパアーム16は記録再生時のそれぞれの位置からある程度移動している(すなわち、ディスクセレクタ8の係合ピン8bが、ストッパアーム16の第2の溝部16cから境界Bまで移動している)。そのため、初期位置までの距離が小さく、スプリング102のバネ力も小さくて済むことから、復帰動作におけるディスクストッパ15とクッションプレート17の衝突速度を低減することができる。従って、実施の形態1のストッパアーム16を用いた方が、この復帰動作の際に生じる衝突音を抑制することができる。
【0072】
なお、上述した実施の形態1,2では、8cmおよび12cmの直径の光ディスク200を用いた場合について説明したが、他の直径の光ディスクを用いてもよいことは言うまでもない。また、光ディスク200としては、例えばコンパクト・ディスクやディジタル・バーサタイル・ディスクの他、種々の光ディスクを用いることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 ディスク装置、 8 ディスクセレクタ、 8a 当接ピン、 8b 係合ピン、 8c ボス、 12 クランパアーム、 15 ディスクストッパ、 15b 当接ピン、 16 ストッパアーム、 16b 第1の溝部、 16c 第2の溝部、 16d 第1の斜面、 16e 第2の斜面、 18 スライダ、 19 スライダトリガ、 20 ディスクガイド、 21 ローラアーム、 23 搬送ローラ、 26 モータ、 53 ターンテーブル、 101,102,103,104 スプリング、 200 光ディスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直径の異なる複数種類の光ディスクを、ディスク装置に対する挿入・排出方向に搬送可能な搬送機構と、
搬送される前記光ディスクの外縁に当接し、前記挿入・排出方向に移動可能なディスクストッパと、
前記ディスクストッパを、前記光ディスクの直径に応じた所定の位置に規制する回動可能なストッパアームと、
搬送される前記光ディスクの外縁に当接し、前記光ディスクの直径に応じた位置で前記ストッパアームの回動を規制する回動可能なディスクセレクタと、
前記ディスクストッパまたは前記ストッパアームをそれぞれの初期位置に向けて付勢する付勢部材と
を備え、
前記光ディスクの挿入時には、前記ディスクセレクタが前記光ディスクの外縁に当接されて回動することにより前記ストッパアームの回動規制を解除し、さらに前記ディスクストッパが前記光ディスクの外縁に当接されて移動することにより、前記ストッパアームが回動して、その位置で前記ディスクセレクタによる回動規制がなされ、
前記光ディスクの排出時には、前記光ディスクが、挿入時に前記光ディスクの外縁が前記ディスクストッパとの当接を開始した位置の近傍まで少なくとも排出されたときに、前記ディスクセレクタが前記ストッパアームの回動規制を解除し、前記ストッパアームおよび前記ディスクストッパの初期位置への復帰を可能にすること
を特徴とするディスクローディング装置。
【請求項2】
前記ストッパアームは、小径の前記光ディスクの位置決め用の第1の溝部と、大径の前記光ディスクの位置決め用の第2の溝部とを有し、
前記ストッパアームの前記第1の溝部と前記第2の溝部との間に、前記第1の溝部から前記第2の溝部に向かって、前記ストッパアームの回動中心からの距離が減少する方向に延在する第1の斜面と、この第1の斜面の終端から前記第2の溝部に向かって、前記ストッパアームの回動中心からの距離が増加する方向に延在する第2の斜面とが連続的に形成され、
前記ディスクセレクタは、前記第1の溝部または前記第2の溝部に選択的に係合する係合部を有し、
大径の前記光ディスクの排出時には、前記光ディスクが、挿入時に前記光ディスクの外縁が前記ディスクストッパとの当接を開始した位置の近傍まで少なくとも排出されたときに、前記ディスクセレクタの前記係合部が前記第1の斜面と前記第2の斜面との境界に達し、これにより前記ディスクセレクタによる前記ストッパアームの回動規制が解除され、前記ストッパアームおよび前記ディスクストッパの初期位置への復帰が可能となること
を特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
【請求項3】
前記ストッパアームは、小径の前記光ディスクの位置決め用の第1の溝部と、大径の前記光ディスクの位置決め用の第2の溝部とを有し、
前記ディスクセレクタは、前記第1の溝部または前記第2の溝部に選択的に係合する係合部を有し、
大径の前記光ディスクの排出時には、前記光ディスクが、挿入時に前記光ディスクの外縁が前記ディスクストッパとの当接を開始した位置の近傍まで少なくとも排出されたときに、前記第2の溝部と前記係合部との係合が解除され、これにより前記ディスクセレクタによる前記ストッパアームの回動規制が解除され、前記ストッパアームおよび前記ディスクストッパの初期位置への復帰が可能となること
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
【請求項4】
前記ディスクセレクタは、前記挿入・排出方向に直進移動可能であり、
前記ディスクセレクタが前記ストッパアームの回動を規制した状態で、前記ストッパアームが所定量回動することにより、前記ディスクセレクタが前記挿入・排出方向に直進移動することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のディスクローディング装置。
【請求項5】
前記ディスクセレクタの前記挿入・排出方向の直進移動により、前記光ディスクをターンテーブルとの間で保持するクランパ機構の動作が開始されることを特徴とする請求項4に記載のディスクローディング装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載のディスクローディング装置を備えたディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−218645(P2010−218645A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65740(P2009−65740)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】