ディスク保持装置
【課題】ディスク保持装置のカバーを自動機械で外す。
【解決手段】ハードドライブディスクを入れるためのディスク保持装置10が、ベース16と、ベースに対して支持されるカセットと、カセット14の上を覆って支持されるカバー18とを含む。ベースは第1ロック面40を含む。カバーは、カバーの端部38,42の近くにラッチアーム32a,32bを含む。ラッチアームは第2ロック面44を有し、ベースとカバーとを共に固定するために第1ロック面は第2ロック面に受け止められる。第1ロック面と第2ロック面の少なくとも一方は、ディスク保持装置を開けるためにベースとカバーとを分離できるように、ロック面のロックを解除するためにカセットの内部に向かって内側方向に移動可能である。
【解決手段】ハードドライブディスクを入れるためのディスク保持装置10が、ベース16と、ベースに対して支持されるカセットと、カセット14の上を覆って支持されるカバー18とを含む。ベースは第1ロック面40を含む。カバーは、カバーの端部38,42の近くにラッチアーム32a,32bを含む。ラッチアームは第2ロック面44を有し、ベースとカバーとを共に固定するために第1ロック面は第2ロック面に受け止められる。第1ロック面と第2ロック面の少なくとも一方は、ディスク保持装置を開けるためにベースとカバーとを分離できるように、ロック面のロックを解除するためにカセットの内部に向かって内側方向に移動可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してディスク保持装置に関するものであり、より詳細には、ディスク保持装置のロック機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハードドライブディスクは一般的に、ある場所で製造されてディスク保持装置に入れられ、その後別の場所への配送のためにコンテナに配置される。ディスク保持装置は、最終的にコンテナから取り出され、製造工程での分配中にハードドライブディスクを格納するのに使用される。ハードドライブディスクは、通常の製造サイクルにおけるすべての段階で保護されなければならない。
【0003】
ディスクを入れ、配送し、分配するために、様々なディスク保持装置が開発されている。典型的なディスク保持装置は、カセット部分と、カバーと、装置を閉じた状態にロックするラッチとを含む。周知のように、ハードドライブディスクは、カセット部分内部にある複数のスロット内に入れられる。米国特許第6,902,059号に一例が示されている。その他のディスク保持装置も知られている。
【0004】
製造工程中、内部に格納されたハードドライブディスクにアクセスするために、頻繁にディスク保持装置のカセット部分からカバーを取り外すことが必要である。ディスク保持装置のカバーをロック解除して取り外すのに、しばしば自動機械が利用される。この結果を達成するために、そして既知のディスク保持装置のラッチアームにおけるロックのデザインのせいで、自動機械は、カバーをロック解除して取り外すのに、ラッチアームに、ディスク保持装置の内部から離れる方向へ外向きの引張り力をかけることにより、ラッチアームを操作する必要がある。自動機械によって加えられる操作は、比較的多くの場合に、ラッチアームのロックを解除できない可能性がある。不都合なことに、これは、生産効率の低下およびディスク保持装置に関する製造業者からの苦情増大の原因になることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、分配工程で使用される自動機械との改善された相互作用を実現する、ディスク保持装置をロックするための改良された配置が必要である。本発明は、その必要性を満たす改良されたラッチアームを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ハードドライブディスクを入れるためのディスク保持装置が、ベースと、ベースに対して支持されるカセットと、カセットの上を覆って支持されるカバーとを含む。ベースは第1ロック面を含む。カバーは、カバーの端部の近くにラッチアームを含む。ラッチアームは第2ロック面を有し、ベースとカバーとを共に固定するために第1ロック面は第2ロック面に受け止められる。第1ロック面と第2ロック面の少なくとも一方は、ディスク保持装置を開けるためにベースとカバーとを分離できるように、ロック面のロックを解除するためにカセットの内部に向かって内側方向に移動可能である。
【0007】
一実施例において、第1ロック面はステム上の突出タブの一部である。このような一実施例における第2ロック面は、ラッチアーム上のスロットの近くにある面である。タブは、ベースとカバーとを共に固定するために少なくとも部分的にスロット内に入れられる。
【0008】
本発明の様々な特徴と利点は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。詳細な説明に添付する図面は、以下のように簡単に説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に従って設計されたラッチアームを含むディスク保持装置を概略的に示す。
【図2】図1のディスク保持装置のためのカバーの側面図である。
【図3】図1のディスク保持装置を組立状態で示す。
【図4】第2の例示的なディスク保持装置を示す。
【図5】図4に示す第2の例示的なディスク保持装置の組立図を示す。
【図6】図4に示すディスク保持装置の例示的なロック面の構成の正面図を示す。
【図7】図4に示すディスク保持装置の別の例示的なロック面の構成の正面図を示す。
【図8】図4に示すディスク保持装置のさらに別の例示的なロック面の構成の正面図を示す。
【図9】図4に示すディスク保持装置のさらに別の例示的なロック面の構成の正面図を示す。
【図10】図10Aおよび図10Bは、例示的なディスク保持装置のロックを解除するための工程を概略的に示す。
【図11】本発明の実施形態に従って設計された別の例示的なディスク保持装置を示す。
【図12】図11の例示的なディスク保持装置のロックを解除するための工程を概略的に示す。
【図13】別の例示的な実施形態の選択した部分を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、複数のディスク12を収容する例示的なディスク保持装置10を概略的に示す。例示的なディスク保持装置10は、カセット部分14と、例示的なベース部分16と、例示的なカバー18とを含む。カセット部分14は、複数のディスク12を安全に入れるための内部28を形成するように構成された、2つの側壁20,22と2つの端壁24、26とを含む。側壁20、22は、互いに概ね平行に位置合わせされ、複数のディスク12間の接触を最小限に抑え且つ複数のディスク12にサポートを提供するように設計され、それらを互いに離間した状態で且つディスク保持装置10内で概ね安定した位置に保持する。ディスク12は、カセット部分14の側壁20,22に形成された複数のスロット30に入れられる。
【0011】
対向する端壁24,26の少なくとも一方がチャネル34を含む。一実施例においては、両方の端壁24,26がチャネル34を含む。図示の実施例において、チャネル34は概ねU字形状である。チャネル34は、カセット部分14に入れたときのハードドライブディスク12へのアクセスのために、少なくとも1つの端壁24,26に設けられる。
【0012】
図示の実施例において、ベース部分16は、例えば、締まり嵌めを用いて、カセット部分14の片側に固定される。別の実施例において、ベース部分16は、カセット部分14と一体化した単一部品として形成される。カバー18は、ベース部分16から見てカセット部分14の反対側に対して支持される。カバー18は、ベース部分16に向かって延び且つ選択的にベース部分16のロック面36に固定される、ディスク保持装置10をロックするためのラッチアーム32を含む。一実施例において、カバー18は2つのラッチアーム32を含み、カバー18の各端部に1つのラッチアーム32が配置される。
【0013】
図1および図2は、カバー18の一端38の近くに配置されたラッチアーム32Aを示す。ラッチアーム32Aは、カバー18から横方向に(すなわち、ベース部分16に向かって)延びている。ラッチアーム32Aの第1面40が、端部38の反対側にあるカバー18の端部42の方を概ね向いている。ラッチアーム32Aは、第1面40の反対側を向いている第2面44を含む。言い換えれば、第2面44は、カバー18の端部42から離れる方を向いている。
【0014】
例示的なラッチアーム32は、カバー18から離れるように第2面44から突出するロッキングタブ46を含む。一実施例において、ロッキングタブ46は、ラッチアーム32の遠位端に配置される。ラッチアームはまた、リフティングレッジ48と、少なくとも1つのフィンガーグリップ50とを備える。リフティングレッジ48は、下記のようにカバー18の自動取り外しを支援することができる。開示した実施例において、2つのフィンガーグリップ50は、ラッチアーム32に含まれる。フィンガーグリップ50は、ユーザーが手動でディスク保持装置10に対して相対的にカバー18を操作するの支援することができる。
【0015】
一実施例において、リフティングレッジ48と少なくとも1つのフィンガーグリップ50は、ロッキングタブ46と実質的に同じ方向に延びている。例示的なリフティングレッジ48は、フィンガーグリップ50とロッキングタブ46との間でラッチアーム32の第2面44に配置される。ロッキングタブ46とリフティングレッジ48とフィンガーグリップ50の各々は、ラッチアーム32の第2面44から離れるように横方向に突出している。横方向は、例えば、ディスク保持装置10の内部28から見て外方に向いている。ディスク保持装置10の内部28から見て外方に向いているロッキングタブ46のような特徴を備えたラッチアーム32を有することは、以前のデザインと正反対である。例示的な実施形態は、ディスク保持装置10と製造工程中にラッチアーム32を操作するのに使用される自動機械との間の改善された相互作用を容易にする。
【0016】
例示的なベース部分16は、一方の端壁53の近くにロック面36を有する。一実施例において、端壁53は、支持と剛性を提供するためにロック面36に隣接するアーム部分58を含む。ロック面36は、2つのアーム部分58の間に延びている。端壁53とロック面36との間に溝60が存在する。例えば、図3に示すようにカバー18とカセット部分14とベース16を組み立てると、ラッチアーム32の少なくとも一部が溝60を貫通して入れられる。
【0017】
ラッチアーム32の2つのフィンガーグリップ50の間に、溝52が形成されている。面44上にある溝52は、1つには、装置10の内部に向かってラッチアームの第1面40から延びるボス54を設けるために存在する。ボス54は、カバー18がカセット部分14に支持されてロックされたときにディスク保持装置10をシールするように、選択的に端壁24、26のチャネル34に係合する(例えば、図3を参照)。
【0018】
組み立てたディスク保持装置10を図3に示す。この実施例において、カバー18はロック位置でディスク保持装置10に固定される。ラッチアーム32は、少なくとも一部がベース部分16の溝60を通って延びている。ロッキングタブ46は、少なくとも一部がロック面36に当接する。ロッキングタブ46は、ラッチアーム32の一部が溝60を通って移動すると、ベース部分16のロック面36に受け止められる。図2から最もよく分かるように、ロッキングタブ46は、溝60を通してタブを挿入するのを容易にする傾斜面62を有する。ロッキングタブ46はまた、ベース部分16のロック面36と接するロック面64を有する。
【0019】
図4−8は、複数のディスク12を収容する別の例示的なディスク保持装置80を概略的に示す。ディスク保持装置80は、カセット部分82と、ベース部分84と、カバー86とを含む。カセット部分82は、例示的なディスク保持装置10のカセット部分14と実質的に類似している。しかし、ベース部分84およびカバー86は、ディスク保持装置10の例示的なベース部分16および例示的なカバー18とは異なるユニークな特徴を含む。
【0020】
この実施例において、カバー86は、ディスク保持装置80をロックするためのラッチアーム87を有する端壁88を含み、端壁88は、ベース部分84に向かって延び且つベース部分84のロック面90に選択的に固定される。一実施例において、カバー86は2つの端壁88を含み、カバー86の各端部に1つのラッチアーム87が配置される。
【0021】
図4および図5は、カバー86から横方向に且つベース部分84に向かって延びている端壁88を示す。例示的な端壁88は、チャネル係合部分91と、カバー86から離れる(すなわち、ディスク保持装置80の内部から離れる)方向にラッチアーム87から突出するロッキングタブ85とを含む。ロッキングタブ85は、一実施例において、ラッチアーム87の遠位端89に隣接して配置される。チャネル係合部分91は、1つには、ラッチアーム87からディスク保持装置80の内部に向かって延びるボス93を設けるために存在する。ボス93は、カバー86がカセット部分82に支持されてロックされたときにカセット部分82の端壁88のチャネル95と選択的に係合する(例えば、図5を参照)。
【0022】
一実施例において、ラッチアーム87のロッキングタブ85は、離間し且つ遠位端89に隣接するラッチアーム87の両縁に配置された2つの係合面92を含む。当然のことながら、ディスク保持装置80の係合面92の実際の数と位置は、ベース部分84のロック面90の設計を含む特定の設計パラメータに応じて変化する。例えば、ラッチアーム87は、図1に示した構成に類似した1つの係合面92のみを含んでもよい。
【0023】
ラッチアーム87はまた、リフティングレッジ98を含む。リフティングレッジ98は、この実施例において、ラッチアーム87の係合面92から、カバー86を含むディスク保持装置80の端部に向かう方向にずれている。リフティングレッジ98は、以下でより詳細に説明するように、カバー86の自動または手動の取り外しを支援することができる。
【0024】
一実施例において、リフティングレッジ98は、ラッチアーム87から係合面92と同じ方向に(すなわち、ラッチアーム87の外面から横方向に)突出する。リフティングレッジ98は、一実施例において、2つのレッジ部分102の間に配置された湾曲部分100を含む。湾曲部分100は、例えば、以下でさらに述べるように、ロック面90の対応する中央部分104によく似ている。
【0025】
カバー86を所定の位置にロックすると、ラッチアーム87の係合面92とリフティングレッジ98との間に操作面106が露出する。ディスク保持80の内部から見て外方に向いている係合面92のような特徴を備えたラッチアーム87を有することは、以前のデザインと正反対である。例示的な実施形態は、ディスク保持装置80と製造工程中にラッチアーム87を操作するのに使用される人の指かまたは自動機械との間の改善された相互作用を容易にする。
【0026】
例示的なベース部分84は、一方の端壁108の近くにロック面90を含む。一実施例において、ベース部分84は、支持と剛性を提供するためにロック面90に隣接するアーム110を含む。ロック面90は、アーム110の間に延びている。各アーム110は、カバー86に向かって伸びる第1部分112と、少なくとも部分的にラッチアーム87を間に挟むように、ディスク保持装置80の内部から離れて係合面92と同様の方向に突出する第2部分114とを含む。端壁108とロック面90との間に溝116が存在し、アーム110の第2面114の間に延びている。ディスク保持装置80がロック位置に組み立てられると、ラッチアーム87の少なくとも一部が、溝116を貫通して入れられる(図5参照)。アーム110の第2部分114は、ラッチアーム87を部分的に間に挟み、配送中のラッチアーム87が不用意に外れること等を防ぐ。
【0027】
一実施例において、ロック面90の中央部分104は、アーム110の間で水平方向に(すなわち、真っ直ぐ横に)延びている(図9参照)。別の実施例において、ロック面90はフランジ97間に配置された「中断された」中央部分104を含む。「中断された」は、面全体にわたって真っ直ぐではなく、代わりに、中央部分104において構成または形状が変化するロック面を表すことを意図している。一実施例において、中央部分104は湾曲し、リフティングレッジ98の湾曲部分100によく似ている(図6参照)。しかしながら、中央部分104は他の形状及び構成を有することができることを当業者は理解するであろう。例えば、中央部分104は、全体として矩形でもよい(図7参照)。さらに別の実施例において、ロック面90のフランジ97は、中央部分104を除いている(すなわち、フランジ97は中央部分104によってつながれていない)(図8参照)。
【0028】
湾曲した中央部分104(図6)は、ディスク保持装置80の底端部に向かう方向に延びている。一実施例において、操作面106は人の指の形状によく似ている。例示的な中央部分104は操作面106を露出した状態のままにし、操作面106の接触点を、ディスク保持装置80の底端部118に向かってより大きく移動することを可能にする。これにより、ディスク保持装置80を開けるべくラッチアーム87を操作するのに必要とされる力が減らされるように、改良されたてこ装置が提供される。
【0029】
ロッキングタブ85の係合面92は、例えば、図6に示すように、ディスク保持装置80を組み立てるときにカバー86をベース部分84に取り付けるために、ロック面90のフランジ97に当接する。操作面106は、係合面92に隣接する領域においてロック面90の中央部分104により遮られていない。
【0030】
この実施例における係合面92は、図6に示すように、ラッチアーム87の遠位端89から第1距離D1だけずれている。ロック面90の中央部分104は、ラッチアーム87の遠位端89から第2距離D2だけずれている。一実施例において、第1距離D1は第2距離D2よりも大きい(図6参照)。この配置は、操作面106をディスク保持装置80の底端部118の方へ露出させる特徴を含む。
【0031】
図10Aは、ラッチアーム32にディスク保持装置10の内部28に向かう方向に力Fを加えることによりカバー18のラッチアーム32を操作する機械70を概略的に示す。本実施例は、ディスク保持装置10に関して説明されているが、第2の例示的なディスク保持装置80のラッチアーム87を操作するのにも同様のプロセスが当てはまる。図示の実施例において、力Fは、リフティングレッジ48より下にある面44(或いは、第2の例示的なディスク保持装置80の操作面106)に加えられる。例示的な機械70は、力Fを加えるように面44に接触するアーム72を有する。アーム72は、ロッキングタブ46が溝60と位置合わせされるように、ロック面64をロック面36から離すのに十分な距離を移動する。ラッチアーム32の弾性は、装置10を閉じた状態にしておくためにロック面36および64が協働するように、ロッキングタブ46を、カセット部14の内部28から離れる方へ付勢する。力Fは、その付勢に打ち勝つのに十分である。ラッチアーム32への力Fを維持しながら、アーム72は、図10Bに示すように、ディスク保持装置10からカバー18を取り外すために開方向D2に移動する。図示の実施例において、第2方向D2は、力Fの方向に対して横方向である。リフティングレッジ48(またはディスク保持装置80のリフティングレッジ98)は、アーム72がベース部分16とカセット14からカバー18を持ち上げるのを補助することができる。
【0032】
別の実施例において、ラッチアーム32とカバー18は、カバー18を取り外すために手動で操作される。例えば、必要に応じてカバーを操作するために、個々の人が面44を押し、フィンガーグリップ50を使用することができる。さらに別の実施例において、例示的なディスク保持装置80のラッチアーム87を解放するために、個々の人が操作面106を押すことができる。
【0033】
図示の実施例は、例えば、より簡単なラッチアームのロック解除方法を実現するために、製造機械または人の手とディスク保持装置との間の相互作用を改善する様々な特徴を含む。図示の実施例は、改良されたラッチアームとベース部分の特徴との組み合わせを含む。例えば、例示的なディスク保持装置10の溝60内におけるラッチアーム32の位置は、ラッチアームがベースの外側端からベースに係合させられた以前の配置に比べてより高い安全性をもたらす。別の実施例において、例示的なディスク保持装置80のラッチアーム87とロック面90の改良されたデザインにより、ラッチアーム上の接触点はより下の方にあり、ラッチアーム87を解放するのにあまり力が必要とされないように改良されたてこ装置が提供される。本明細書の利益を得る当業者は、それらの特定の状況におけるニーズを満たすために、ロッキングタブを有するラッチアーム、ロック面を備えたベース部分、リフティングレッジ、またはフィンガーグリップ、或いは、これらの機能の任意の組み合わせを利用することができる。
【0034】
図11は、別の例示的なディスク保持装置200を示す。この実施例は、ベース202と、カセット204と、カバー206とを含む。一方の側(図面によると下側)に沿ったカセット204の一部分が、ベース202の内部208に入れられる。カバー206は、カセット204の反対側(図面によると上側)に支持される。カバー206がベース202にそれらの間にあるカセット204と共に固定されると、カセット204の内部にあるスロット210に保持されたディスクまたはウェハの汚染を防止するように装置の内部が密封される。
【0035】
この実施例は、カバー206をベース202に固定するための協働ロック面を含む。ベース202は第1ロック面212を含み、第1ロック面212はカバー206上にある第2ロック面214と係合する。例示されたベース202は、ステム218上にタブ216を含む。第1ロック面212はタブ216上にある。第2ロック面214は、カバー206のラッチアーム222にあるスロット220の一方の縁に沿った面である。装置200の3つの部品が適切に位置合わせされ、互いに支持されると、タブ216は、第1ロック面212が第2ロック面214に受け止められるように、少なくとも部分的にスロット220に入れられる。ロック面がその位置で互いに接触しているとき、カバー206はベース202から分離されることができず、カセット204はそれらの間にしっかりととどまっている。
【0036】
図12を参照すると、第1ロック面212は、第2ロック面214と係合するロック位置で示されている。装置234が、概略的に矢印238で示すようにステム218に力を与えるムーバ236を含む。ムーバ236は、タブ216とステム218の一部分とをカセット204の内部に向かって付勢する。この実施例におけるステム218は、機械234によって加えられる力または個人によって加えられる手動力がない限り、図11のステム218と同じ向きである図12に実線で示す位置にステム218がとどまるように、少なくとも部分的に可撓性及び弾性がある。
【0037】
図12に仮想線で示すように、ムーバ236がタブ216の十分な移動を引き起こすと、第1ロック面212は装置をロック解除するように第2ロック面214から離れ、カセット204に含まれる任意のディスクまたはウェハへのアクセスを提供するべくカセット204の内部を露出するために、カバー206がベース202から分離されることが可能になる。図示の実施例は、カバー206とベース202との分離を容易にするためにステム218上に保持面240を含む。この実施例において、保持面240は隆起した面である。他の保持面の構成が他の実施例に含まれる。保持面240は、ステム218の面を中断し、ベース202をカバー206から分離しているときにベースの移動に抵抗するかまたは移動を引き起こす能力をもたらす。
【0038】
この実施例におけるムーバ236は、同図から理解できるように、第1ロック面212と保持面240との間でステム218の面に接触する。カバー206をベース202から離れる方に移動させる(例えば、カバーを上方に移動させるか、またはベースを下方に移動させる)とき、それらを分離しているときにカバー206が移動するのと同じ方向にベース202が移動するのを防ぐために、或いは、ベース202をカバーから離れる方に移動させるのを容易にするために(例えば、ムーバ236が図面によれば下方に移動する場合)、ムーバ236は面240に接触することができる。
【0039】
図11および図12の実施例における1つの特徴は、タブ216の動きが、装置のロックを解除するためにカセット206の内部に向かって内側方向に生じることである。その動きの間、タブ216とステム218の一部は、カセット206の端壁252と側部サポート254との間の凹部250に入れられる。これにより、装置200の外側の覆い内で利用可能な空間を利用するので、ロック解除および取り扱い工程中に装置200の任意の部分を操作するのにその覆いの外側にクリアランスを必要としない。
【0040】
図11および図12の実施例のもう1つの特徴は、カバー206がラッチアーム222の縁に沿ってチャネル224を有することである。縁壁226および228がチャネル224の側面をもたらす。縁壁226および228は、容器200を閉じたときカセット204の相補的な部分230と重なる。カセット204とカバー206とを接合すると、カセット204の相補的な部分230は、少なくとも部分的にチャネル224に入れられる。この配置は、カセット204の内部と周辺環境との間に曲がりくねった経路を提供し、経路が、外部の汚染物質が容器に入って容器内のディスクの表面に接触するのを防ぐ働きをする。この特徴は、この実施例の容器内のディスクまたはウェハの完全性にさらなる安全性を追加する。
【0041】
図13は、カセット204の内部に向かって内側方向にタブ216が突出する、別の例示的な配置を示す。第1ロック面212はタブ216上にある。第2ロック面214は、スロット220の一方の側にある。この実施例において、ラッチアーム22は、カバー206がベース202に固定されるとき、ステム218の内側で受け止められ、ラッチアーム222がステム218の外側で受け止められる図11および図12の実施例と異なっている。この実施例において、ラッチアーム222は、第1ロック面および第2ロック面を解放し、カバー206をベース202からロック解除するように内側に移動可能である。
【0042】
以上の説明は、例示として解釈されるものとし、決して限定的な意味ではないものとする。当業者の労働者には、特定の変更が本発明の範囲内にあることが分かるであろう。こうした理由から、本発明の真の範囲および内容を決定するために、以下の特許請求の範囲を検討すべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してディスク保持装置に関するものであり、より詳細には、ディスク保持装置のロック機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハードドライブディスクは一般的に、ある場所で製造されてディスク保持装置に入れられ、その後別の場所への配送のためにコンテナに配置される。ディスク保持装置は、最終的にコンテナから取り出され、製造工程での分配中にハードドライブディスクを格納するのに使用される。ハードドライブディスクは、通常の製造サイクルにおけるすべての段階で保護されなければならない。
【0003】
ディスクを入れ、配送し、分配するために、様々なディスク保持装置が開発されている。典型的なディスク保持装置は、カセット部分と、カバーと、装置を閉じた状態にロックするラッチとを含む。周知のように、ハードドライブディスクは、カセット部分内部にある複数のスロット内に入れられる。米国特許第6,902,059号に一例が示されている。その他のディスク保持装置も知られている。
【0004】
製造工程中、内部に格納されたハードドライブディスクにアクセスするために、頻繁にディスク保持装置のカセット部分からカバーを取り外すことが必要である。ディスク保持装置のカバーをロック解除して取り外すのに、しばしば自動機械が利用される。この結果を達成するために、そして既知のディスク保持装置のラッチアームにおけるロックのデザインのせいで、自動機械は、カバーをロック解除して取り外すのに、ラッチアームに、ディスク保持装置の内部から離れる方向へ外向きの引張り力をかけることにより、ラッチアームを操作する必要がある。自動機械によって加えられる操作は、比較的多くの場合に、ラッチアームのロックを解除できない可能性がある。不都合なことに、これは、生産効率の低下およびディスク保持装置に関する製造業者からの苦情増大の原因になることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、分配工程で使用される自動機械との改善された相互作用を実現する、ディスク保持装置をロックするための改良された配置が必要である。本発明は、その必要性を満たす改良されたラッチアームを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ハードドライブディスクを入れるためのディスク保持装置が、ベースと、ベースに対して支持されるカセットと、カセットの上を覆って支持されるカバーとを含む。ベースは第1ロック面を含む。カバーは、カバーの端部の近くにラッチアームを含む。ラッチアームは第2ロック面を有し、ベースとカバーとを共に固定するために第1ロック面は第2ロック面に受け止められる。第1ロック面と第2ロック面の少なくとも一方は、ディスク保持装置を開けるためにベースとカバーとを分離できるように、ロック面のロックを解除するためにカセットの内部に向かって内側方向に移動可能である。
【0007】
一実施例において、第1ロック面はステム上の突出タブの一部である。このような一実施例における第2ロック面は、ラッチアーム上のスロットの近くにある面である。タブは、ベースとカバーとを共に固定するために少なくとも部分的にスロット内に入れられる。
【0008】
本発明の様々な特徴と利点は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。詳細な説明に添付する図面は、以下のように簡単に説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に従って設計されたラッチアームを含むディスク保持装置を概略的に示す。
【図2】図1のディスク保持装置のためのカバーの側面図である。
【図3】図1のディスク保持装置を組立状態で示す。
【図4】第2の例示的なディスク保持装置を示す。
【図5】図4に示す第2の例示的なディスク保持装置の組立図を示す。
【図6】図4に示すディスク保持装置の例示的なロック面の構成の正面図を示す。
【図7】図4に示すディスク保持装置の別の例示的なロック面の構成の正面図を示す。
【図8】図4に示すディスク保持装置のさらに別の例示的なロック面の構成の正面図を示す。
【図9】図4に示すディスク保持装置のさらに別の例示的なロック面の構成の正面図を示す。
【図10】図10Aおよび図10Bは、例示的なディスク保持装置のロックを解除するための工程を概略的に示す。
【図11】本発明の実施形態に従って設計された別の例示的なディスク保持装置を示す。
【図12】図11の例示的なディスク保持装置のロックを解除するための工程を概略的に示す。
【図13】別の例示的な実施形態の選択した部分を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、複数のディスク12を収容する例示的なディスク保持装置10を概略的に示す。例示的なディスク保持装置10は、カセット部分14と、例示的なベース部分16と、例示的なカバー18とを含む。カセット部分14は、複数のディスク12を安全に入れるための内部28を形成するように構成された、2つの側壁20,22と2つの端壁24、26とを含む。側壁20、22は、互いに概ね平行に位置合わせされ、複数のディスク12間の接触を最小限に抑え且つ複数のディスク12にサポートを提供するように設計され、それらを互いに離間した状態で且つディスク保持装置10内で概ね安定した位置に保持する。ディスク12は、カセット部分14の側壁20,22に形成された複数のスロット30に入れられる。
【0011】
対向する端壁24,26の少なくとも一方がチャネル34を含む。一実施例においては、両方の端壁24,26がチャネル34を含む。図示の実施例において、チャネル34は概ねU字形状である。チャネル34は、カセット部分14に入れたときのハードドライブディスク12へのアクセスのために、少なくとも1つの端壁24,26に設けられる。
【0012】
図示の実施例において、ベース部分16は、例えば、締まり嵌めを用いて、カセット部分14の片側に固定される。別の実施例において、ベース部分16は、カセット部分14と一体化した単一部品として形成される。カバー18は、ベース部分16から見てカセット部分14の反対側に対して支持される。カバー18は、ベース部分16に向かって延び且つ選択的にベース部分16のロック面36に固定される、ディスク保持装置10をロックするためのラッチアーム32を含む。一実施例において、カバー18は2つのラッチアーム32を含み、カバー18の各端部に1つのラッチアーム32が配置される。
【0013】
図1および図2は、カバー18の一端38の近くに配置されたラッチアーム32Aを示す。ラッチアーム32Aは、カバー18から横方向に(すなわち、ベース部分16に向かって)延びている。ラッチアーム32Aの第1面40が、端部38の反対側にあるカバー18の端部42の方を概ね向いている。ラッチアーム32Aは、第1面40の反対側を向いている第2面44を含む。言い換えれば、第2面44は、カバー18の端部42から離れる方を向いている。
【0014】
例示的なラッチアーム32は、カバー18から離れるように第2面44から突出するロッキングタブ46を含む。一実施例において、ロッキングタブ46は、ラッチアーム32の遠位端に配置される。ラッチアームはまた、リフティングレッジ48と、少なくとも1つのフィンガーグリップ50とを備える。リフティングレッジ48は、下記のようにカバー18の自動取り外しを支援することができる。開示した実施例において、2つのフィンガーグリップ50は、ラッチアーム32に含まれる。フィンガーグリップ50は、ユーザーが手動でディスク保持装置10に対して相対的にカバー18を操作するの支援することができる。
【0015】
一実施例において、リフティングレッジ48と少なくとも1つのフィンガーグリップ50は、ロッキングタブ46と実質的に同じ方向に延びている。例示的なリフティングレッジ48は、フィンガーグリップ50とロッキングタブ46との間でラッチアーム32の第2面44に配置される。ロッキングタブ46とリフティングレッジ48とフィンガーグリップ50の各々は、ラッチアーム32の第2面44から離れるように横方向に突出している。横方向は、例えば、ディスク保持装置10の内部28から見て外方に向いている。ディスク保持装置10の内部28から見て外方に向いているロッキングタブ46のような特徴を備えたラッチアーム32を有することは、以前のデザインと正反対である。例示的な実施形態は、ディスク保持装置10と製造工程中にラッチアーム32を操作するのに使用される自動機械との間の改善された相互作用を容易にする。
【0016】
例示的なベース部分16は、一方の端壁53の近くにロック面36を有する。一実施例において、端壁53は、支持と剛性を提供するためにロック面36に隣接するアーム部分58を含む。ロック面36は、2つのアーム部分58の間に延びている。端壁53とロック面36との間に溝60が存在する。例えば、図3に示すようにカバー18とカセット部分14とベース16を組み立てると、ラッチアーム32の少なくとも一部が溝60を貫通して入れられる。
【0017】
ラッチアーム32の2つのフィンガーグリップ50の間に、溝52が形成されている。面44上にある溝52は、1つには、装置10の内部に向かってラッチアームの第1面40から延びるボス54を設けるために存在する。ボス54は、カバー18がカセット部分14に支持されてロックされたときにディスク保持装置10をシールするように、選択的に端壁24、26のチャネル34に係合する(例えば、図3を参照)。
【0018】
組み立てたディスク保持装置10を図3に示す。この実施例において、カバー18はロック位置でディスク保持装置10に固定される。ラッチアーム32は、少なくとも一部がベース部分16の溝60を通って延びている。ロッキングタブ46は、少なくとも一部がロック面36に当接する。ロッキングタブ46は、ラッチアーム32の一部が溝60を通って移動すると、ベース部分16のロック面36に受け止められる。図2から最もよく分かるように、ロッキングタブ46は、溝60を通してタブを挿入するのを容易にする傾斜面62を有する。ロッキングタブ46はまた、ベース部分16のロック面36と接するロック面64を有する。
【0019】
図4−8は、複数のディスク12を収容する別の例示的なディスク保持装置80を概略的に示す。ディスク保持装置80は、カセット部分82と、ベース部分84と、カバー86とを含む。カセット部分82は、例示的なディスク保持装置10のカセット部分14と実質的に類似している。しかし、ベース部分84およびカバー86は、ディスク保持装置10の例示的なベース部分16および例示的なカバー18とは異なるユニークな特徴を含む。
【0020】
この実施例において、カバー86は、ディスク保持装置80をロックするためのラッチアーム87を有する端壁88を含み、端壁88は、ベース部分84に向かって延び且つベース部分84のロック面90に選択的に固定される。一実施例において、カバー86は2つの端壁88を含み、カバー86の各端部に1つのラッチアーム87が配置される。
【0021】
図4および図5は、カバー86から横方向に且つベース部分84に向かって延びている端壁88を示す。例示的な端壁88は、チャネル係合部分91と、カバー86から離れる(すなわち、ディスク保持装置80の内部から離れる)方向にラッチアーム87から突出するロッキングタブ85とを含む。ロッキングタブ85は、一実施例において、ラッチアーム87の遠位端89に隣接して配置される。チャネル係合部分91は、1つには、ラッチアーム87からディスク保持装置80の内部に向かって延びるボス93を設けるために存在する。ボス93は、カバー86がカセット部分82に支持されてロックされたときにカセット部分82の端壁88のチャネル95と選択的に係合する(例えば、図5を参照)。
【0022】
一実施例において、ラッチアーム87のロッキングタブ85は、離間し且つ遠位端89に隣接するラッチアーム87の両縁に配置された2つの係合面92を含む。当然のことながら、ディスク保持装置80の係合面92の実際の数と位置は、ベース部分84のロック面90の設計を含む特定の設計パラメータに応じて変化する。例えば、ラッチアーム87は、図1に示した構成に類似した1つの係合面92のみを含んでもよい。
【0023】
ラッチアーム87はまた、リフティングレッジ98を含む。リフティングレッジ98は、この実施例において、ラッチアーム87の係合面92から、カバー86を含むディスク保持装置80の端部に向かう方向にずれている。リフティングレッジ98は、以下でより詳細に説明するように、カバー86の自動または手動の取り外しを支援することができる。
【0024】
一実施例において、リフティングレッジ98は、ラッチアーム87から係合面92と同じ方向に(すなわち、ラッチアーム87の外面から横方向に)突出する。リフティングレッジ98は、一実施例において、2つのレッジ部分102の間に配置された湾曲部分100を含む。湾曲部分100は、例えば、以下でさらに述べるように、ロック面90の対応する中央部分104によく似ている。
【0025】
カバー86を所定の位置にロックすると、ラッチアーム87の係合面92とリフティングレッジ98との間に操作面106が露出する。ディスク保持80の内部から見て外方に向いている係合面92のような特徴を備えたラッチアーム87を有することは、以前のデザインと正反対である。例示的な実施形態は、ディスク保持装置80と製造工程中にラッチアーム87を操作するのに使用される人の指かまたは自動機械との間の改善された相互作用を容易にする。
【0026】
例示的なベース部分84は、一方の端壁108の近くにロック面90を含む。一実施例において、ベース部分84は、支持と剛性を提供するためにロック面90に隣接するアーム110を含む。ロック面90は、アーム110の間に延びている。各アーム110は、カバー86に向かって伸びる第1部分112と、少なくとも部分的にラッチアーム87を間に挟むように、ディスク保持装置80の内部から離れて係合面92と同様の方向に突出する第2部分114とを含む。端壁108とロック面90との間に溝116が存在し、アーム110の第2面114の間に延びている。ディスク保持装置80がロック位置に組み立てられると、ラッチアーム87の少なくとも一部が、溝116を貫通して入れられる(図5参照)。アーム110の第2部分114は、ラッチアーム87を部分的に間に挟み、配送中のラッチアーム87が不用意に外れること等を防ぐ。
【0027】
一実施例において、ロック面90の中央部分104は、アーム110の間で水平方向に(すなわち、真っ直ぐ横に)延びている(図9参照)。別の実施例において、ロック面90はフランジ97間に配置された「中断された」中央部分104を含む。「中断された」は、面全体にわたって真っ直ぐではなく、代わりに、中央部分104において構成または形状が変化するロック面を表すことを意図している。一実施例において、中央部分104は湾曲し、リフティングレッジ98の湾曲部分100によく似ている(図6参照)。しかしながら、中央部分104は他の形状及び構成を有することができることを当業者は理解するであろう。例えば、中央部分104は、全体として矩形でもよい(図7参照)。さらに別の実施例において、ロック面90のフランジ97は、中央部分104を除いている(すなわち、フランジ97は中央部分104によってつながれていない)(図8参照)。
【0028】
湾曲した中央部分104(図6)は、ディスク保持装置80の底端部に向かう方向に延びている。一実施例において、操作面106は人の指の形状によく似ている。例示的な中央部分104は操作面106を露出した状態のままにし、操作面106の接触点を、ディスク保持装置80の底端部118に向かってより大きく移動することを可能にする。これにより、ディスク保持装置80を開けるべくラッチアーム87を操作するのに必要とされる力が減らされるように、改良されたてこ装置が提供される。
【0029】
ロッキングタブ85の係合面92は、例えば、図6に示すように、ディスク保持装置80を組み立てるときにカバー86をベース部分84に取り付けるために、ロック面90のフランジ97に当接する。操作面106は、係合面92に隣接する領域においてロック面90の中央部分104により遮られていない。
【0030】
この実施例における係合面92は、図6に示すように、ラッチアーム87の遠位端89から第1距離D1だけずれている。ロック面90の中央部分104は、ラッチアーム87の遠位端89から第2距離D2だけずれている。一実施例において、第1距離D1は第2距離D2よりも大きい(図6参照)。この配置は、操作面106をディスク保持装置80の底端部118の方へ露出させる特徴を含む。
【0031】
図10Aは、ラッチアーム32にディスク保持装置10の内部28に向かう方向に力Fを加えることによりカバー18のラッチアーム32を操作する機械70を概略的に示す。本実施例は、ディスク保持装置10に関して説明されているが、第2の例示的なディスク保持装置80のラッチアーム87を操作するのにも同様のプロセスが当てはまる。図示の実施例において、力Fは、リフティングレッジ48より下にある面44(或いは、第2の例示的なディスク保持装置80の操作面106)に加えられる。例示的な機械70は、力Fを加えるように面44に接触するアーム72を有する。アーム72は、ロッキングタブ46が溝60と位置合わせされるように、ロック面64をロック面36から離すのに十分な距離を移動する。ラッチアーム32の弾性は、装置10を閉じた状態にしておくためにロック面36および64が協働するように、ロッキングタブ46を、カセット部14の内部28から離れる方へ付勢する。力Fは、その付勢に打ち勝つのに十分である。ラッチアーム32への力Fを維持しながら、アーム72は、図10Bに示すように、ディスク保持装置10からカバー18を取り外すために開方向D2に移動する。図示の実施例において、第2方向D2は、力Fの方向に対して横方向である。リフティングレッジ48(またはディスク保持装置80のリフティングレッジ98)は、アーム72がベース部分16とカセット14からカバー18を持ち上げるのを補助することができる。
【0032】
別の実施例において、ラッチアーム32とカバー18は、カバー18を取り外すために手動で操作される。例えば、必要に応じてカバーを操作するために、個々の人が面44を押し、フィンガーグリップ50を使用することができる。さらに別の実施例において、例示的なディスク保持装置80のラッチアーム87を解放するために、個々の人が操作面106を押すことができる。
【0033】
図示の実施例は、例えば、より簡単なラッチアームのロック解除方法を実現するために、製造機械または人の手とディスク保持装置との間の相互作用を改善する様々な特徴を含む。図示の実施例は、改良されたラッチアームとベース部分の特徴との組み合わせを含む。例えば、例示的なディスク保持装置10の溝60内におけるラッチアーム32の位置は、ラッチアームがベースの外側端からベースに係合させられた以前の配置に比べてより高い安全性をもたらす。別の実施例において、例示的なディスク保持装置80のラッチアーム87とロック面90の改良されたデザインにより、ラッチアーム上の接触点はより下の方にあり、ラッチアーム87を解放するのにあまり力が必要とされないように改良されたてこ装置が提供される。本明細書の利益を得る当業者は、それらの特定の状況におけるニーズを満たすために、ロッキングタブを有するラッチアーム、ロック面を備えたベース部分、リフティングレッジ、またはフィンガーグリップ、或いは、これらの機能の任意の組み合わせを利用することができる。
【0034】
図11は、別の例示的なディスク保持装置200を示す。この実施例は、ベース202と、カセット204と、カバー206とを含む。一方の側(図面によると下側)に沿ったカセット204の一部分が、ベース202の内部208に入れられる。カバー206は、カセット204の反対側(図面によると上側)に支持される。カバー206がベース202にそれらの間にあるカセット204と共に固定されると、カセット204の内部にあるスロット210に保持されたディスクまたはウェハの汚染を防止するように装置の内部が密封される。
【0035】
この実施例は、カバー206をベース202に固定するための協働ロック面を含む。ベース202は第1ロック面212を含み、第1ロック面212はカバー206上にある第2ロック面214と係合する。例示されたベース202は、ステム218上にタブ216を含む。第1ロック面212はタブ216上にある。第2ロック面214は、カバー206のラッチアーム222にあるスロット220の一方の縁に沿った面である。装置200の3つの部品が適切に位置合わせされ、互いに支持されると、タブ216は、第1ロック面212が第2ロック面214に受け止められるように、少なくとも部分的にスロット220に入れられる。ロック面がその位置で互いに接触しているとき、カバー206はベース202から分離されることができず、カセット204はそれらの間にしっかりととどまっている。
【0036】
図12を参照すると、第1ロック面212は、第2ロック面214と係合するロック位置で示されている。装置234が、概略的に矢印238で示すようにステム218に力を与えるムーバ236を含む。ムーバ236は、タブ216とステム218の一部分とをカセット204の内部に向かって付勢する。この実施例におけるステム218は、機械234によって加えられる力または個人によって加えられる手動力がない限り、図11のステム218と同じ向きである図12に実線で示す位置にステム218がとどまるように、少なくとも部分的に可撓性及び弾性がある。
【0037】
図12に仮想線で示すように、ムーバ236がタブ216の十分な移動を引き起こすと、第1ロック面212は装置をロック解除するように第2ロック面214から離れ、カセット204に含まれる任意のディスクまたはウェハへのアクセスを提供するべくカセット204の内部を露出するために、カバー206がベース202から分離されることが可能になる。図示の実施例は、カバー206とベース202との分離を容易にするためにステム218上に保持面240を含む。この実施例において、保持面240は隆起した面である。他の保持面の構成が他の実施例に含まれる。保持面240は、ステム218の面を中断し、ベース202をカバー206から分離しているときにベースの移動に抵抗するかまたは移動を引き起こす能力をもたらす。
【0038】
この実施例におけるムーバ236は、同図から理解できるように、第1ロック面212と保持面240との間でステム218の面に接触する。カバー206をベース202から離れる方に移動させる(例えば、カバーを上方に移動させるか、またはベースを下方に移動させる)とき、それらを分離しているときにカバー206が移動するのと同じ方向にベース202が移動するのを防ぐために、或いは、ベース202をカバーから離れる方に移動させるのを容易にするために(例えば、ムーバ236が図面によれば下方に移動する場合)、ムーバ236は面240に接触することができる。
【0039】
図11および図12の実施例における1つの特徴は、タブ216の動きが、装置のロックを解除するためにカセット206の内部に向かって内側方向に生じることである。その動きの間、タブ216とステム218の一部は、カセット206の端壁252と側部サポート254との間の凹部250に入れられる。これにより、装置200の外側の覆い内で利用可能な空間を利用するので、ロック解除および取り扱い工程中に装置200の任意の部分を操作するのにその覆いの外側にクリアランスを必要としない。
【0040】
図11および図12の実施例のもう1つの特徴は、カバー206がラッチアーム222の縁に沿ってチャネル224を有することである。縁壁226および228がチャネル224の側面をもたらす。縁壁226および228は、容器200を閉じたときカセット204の相補的な部分230と重なる。カセット204とカバー206とを接合すると、カセット204の相補的な部分230は、少なくとも部分的にチャネル224に入れられる。この配置は、カセット204の内部と周辺環境との間に曲がりくねった経路を提供し、経路が、外部の汚染物質が容器に入って容器内のディスクの表面に接触するのを防ぐ働きをする。この特徴は、この実施例の容器内のディスクまたはウェハの完全性にさらなる安全性を追加する。
【0041】
図13は、カセット204の内部に向かって内側方向にタブ216が突出する、別の例示的な配置を示す。第1ロック面212はタブ216上にある。第2ロック面214は、スロット220の一方の側にある。この実施例において、ラッチアーム22は、カバー206がベース202に固定されるとき、ステム218の内側で受け止められ、ラッチアーム222がステム218の外側で受け止められる図11および図12の実施例と異なっている。この実施例において、ラッチアーム222は、第1ロック面および第2ロック面を解放し、カバー206をベース202からロック解除するように内側に移動可能である。
【0042】
以上の説明は、例示として解釈されるものとし、決して限定的な意味ではないものとする。当業者の労働者には、特定の変更が本発明の範囲内にあることが分かるであろう。こうした理由から、本発明の真の範囲および内容を決定するために、以下の特許請求の範囲を検討すべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクの保持装置であって、
第1ロック面を含むベースと、
前記ベースに対して支持されるカセットと、
少なくとも部分的に前記カセットの上を覆って支持されるカバーと
を備え、
前記カバーは、前記カバーの端部の近くにラッチアームを含み、
前記ラッチアームは第2のロック面を有し、前記ベースと前記カバーとを共に固定するために前記第1ロック面が前記第2のロック面に受け止められ、
前記第1ロック面と前記第2ロック面の少なくとも一方は、前記ディスク保持装置を開けるために前記ベースと前記カバーとを分離できるように、前記ロック面のロックを解除するために前記カセットの内部に向かって内側方向に移動可能である装置。
【請求項2】
前記ベースは、前記ベースの端部の近くにステムを含み、
前記第1ロック面は、前記ステム上のタブにあり、
前記第2ロック面は、前記ラッチアームのスロットの近くにあり、
前記タブは、前記ベースと前記カバーとを共に固定するために少なくとも部分的に前記スロット内に入れられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記タブは、前記カセットの前記内部から離れる外側方向を向いており、前記ステムは前記ロック面のロックを解除するために内側に移動可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記タブは、前記カセットの前記内部に向かって内側方向を向いており、前記ラッチアームは、前記ロック面のロックを解除するために内側に移動可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記ステム上に前記第1ロック面から離間して保持面を含み、前記保持面は前記ステムの面を中断する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記保持面は、前記カセットの前記内部から離れて外側に向かう方向に突出する隆起した面を前記ステム上に備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ラッチアームはチャネルを備え、
前記カセットは、少なくとも部分的に前記チャネルに入れられる相補的部分を備え、前記チャネルと前記相補的部分とは前記カセットの内部と周辺環境との間に曲がりくねった経路を設ける、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記カセットは前記カセットの端部に凹部を備え、前記第1ロック面と前記第2ロック面とをロック解除するために前記ステムが内側方向に移動したとき、前記ステムの一部が前記凹部内に入れられる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ベースと前記カバーは、前記カセット部分とは異なる部品を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ベースは、前記ベースの端部の近くにスロットを含み、
前記第1ロック面は前記スロットの近くにあり、
前記第2ロック面は前記ラッチアーム上のタブにあり、
前記タブは、前記カバーと前記ベースとを共に固定するために少なくとも部分的に前記スロットに入れられる、請求項1に記載の装置。
【請求項1】
ディスクの保持装置であって、
第1ロック面を含むベースと、
前記ベースに対して支持されるカセットと、
少なくとも部分的に前記カセットの上を覆って支持されるカバーと
を備え、
前記カバーは、前記カバーの端部の近くにラッチアームを含み、
前記ラッチアームは第2のロック面を有し、前記ベースと前記カバーとを共に固定するために前記第1ロック面が前記第2のロック面に受け止められ、
前記第1ロック面と前記第2ロック面の少なくとも一方は、前記ディスク保持装置を開けるために前記ベースと前記カバーとを分離できるように、前記ロック面のロックを解除するために前記カセットの内部に向かって内側方向に移動可能である装置。
【請求項2】
前記ベースは、前記ベースの端部の近くにステムを含み、
前記第1ロック面は、前記ステム上のタブにあり、
前記第2ロック面は、前記ラッチアームのスロットの近くにあり、
前記タブは、前記ベースと前記カバーとを共に固定するために少なくとも部分的に前記スロット内に入れられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記タブは、前記カセットの前記内部から離れる外側方向を向いており、前記ステムは前記ロック面のロックを解除するために内側に移動可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記タブは、前記カセットの前記内部に向かって内側方向を向いており、前記ラッチアームは、前記ロック面のロックを解除するために内側に移動可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記ステム上に前記第1ロック面から離間して保持面を含み、前記保持面は前記ステムの面を中断する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記保持面は、前記カセットの前記内部から離れて外側に向かう方向に突出する隆起した面を前記ステム上に備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ラッチアームはチャネルを備え、
前記カセットは、少なくとも部分的に前記チャネルに入れられる相補的部分を備え、前記チャネルと前記相補的部分とは前記カセットの内部と周辺環境との間に曲がりくねった経路を設ける、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記カセットは前記カセットの端部に凹部を備え、前記第1ロック面と前記第2ロック面とをロック解除するために前記ステムが内側方向に移動したとき、前記ステムの一部が前記凹部内に入れられる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ベースと前記カバーは、前記カセット部分とは異なる部品を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ベースは、前記ベースの端部の近くにスロットを含み、
前記第1ロック面は前記スロットの近くにあり、
前記第2ロック面は前記ラッチアーム上のタブにあり、
前記タブは、前記カバーと前記ベースとを共に固定するために少なくとも部分的に前記スロットに入れられる、請求項1に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−197116(P2012−197116A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−191722(P2011−191722)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(503324276)イー.パック インターナショナル インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191722(P2011−191722)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(503324276)イー.パック インターナショナル インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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