ディスク再生装置及びディスク再生方法
【課題】識別ファイル数を選択可能とし、またバックグランド識別を可能とするディスク再生装置及びディスク再生方法を提供する。
【解決手段】ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、ディスク媒体から再生可能なファイルを識別する識別部と、識別部で識別するファイル数をユーザによって設定可能なファイル数設定部と、ファイル情報を記憶可能な記憶部と、識別部で識別したファイルの情報を記憶部に記憶するとともに、記憶したファイル情報を読み出すメモリコントローラと、記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生する再生処理部とを備え、ディスク媒体のファイルを設定されたファイル数だけ識別して再生処理する。
【解決手段】ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、ディスク媒体から再生可能なファイルを識別する識別部と、識別部で識別するファイル数をユーザによって設定可能なファイル数設定部と、ファイル情報を記憶可能な記憶部と、識別部で識別したファイルの情報を記憶部に記憶するとともに、記憶したファイル情報を読み出すメモリコントローラと、記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生する再生処理部とを備え、ディスク媒体のファイルを設定されたファイル数だけ識別して再生処理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク再生装置に係り、特に複数のファイルが記憶された光ディスクの再生装置及び再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CDプレーヤ、DVDプレーヤ等のディスク再生装置は、圧縮Audio、圧縮Videoの再生機能を有するものが多い。圧縮Audio系としては、MP3、WMA、AAC等の音声圧縮技術が知られており、圧縮Video系としては、DivX等の動画圧縮技術が知られている。また記録型DVDの普及が進み、圧縮Audioや圧縮VideoのファイルをDVDに保存し利用するケースも増加している。
【0003】
光ディスクに保存可能な最大ファイル数は、DVD(片面2層)で約2000曲、CDで約180曲程度である。またディスク再生装置(ディスクプレーヤ)が識別できる最大ファイル数は、プレーヤの機種ごとに異なり固定である。基本的にはプレーヤが識別可能な最大ファイル数は、搭載しているRAM容量に依存し、例えば99〜4096ファイルである。
【0004】
したがって、従来のディスク再生装置では、ディスクに大量にファイルが記録されていても、プレーヤが対応しているファイル数までしか識別・再生することができない。例えば、ディスクの後半のファイル識別を打ち切って直ぐに再生を開始したい場合もあれば、多少時間を要してもディスク終端付近のファイルまで識別・再生したい場合もあるが、識別ファイル数は固定で変更ができない。またプレーヤの初期起動時は、再生開始時間の短縮を優先し、識別ファイルを絞って再生したいというニーズがあっても、それができないという不具合もある。
【0005】
一方、車載用のディスク再生装置では、ディスクプレーヤを単体で実装することは稀であり、ラジオチューナ、テレビチューナ、HDDプレーヤ等と一緒に混在した複合製品となることが多い。したがって、ディスクの再生を一旦中断し、他の機器(例えばラジオ)を視聴しているときに、ディスクに記録された残りのファイルを識別処理する、所謂バックグランド識別を行うようにすればよいが、現状ではバックグランド識別ができないという不具合がある。このため、ディスクの再生を一旦中断し、再生を復帰する場合にはファイル識別処理に時間がかかるため、速やかに復帰再生することができなかった。
【0006】
一般に、CD−R、CD−RWにおいては、容量が小さいので上記した不具合は問題とならなかったが、DVD−R,DVD−RWでは、最大2000曲程度の情報が保存可能であるため、ファイルの識別処理に時間がかかるため、プレーヤの初期起動時や再生復帰時に大きな影響がでる。
【0007】
特許文献1には、電源投入からコンテンツの再生までの所要時間を短縮するため、優先度の高い(仕様頻度の高い)順に圧縮状態のデコードプログラムを読み出すようにしたコンテンツ再生装置が記載されている。
【0008】
また特許文献2には、ディスクチェンジャにおいて、再生できないデータが記録されたディスクが挿入されていないかを短時間にチェックするため、選択再生したディスクのファイルシステムデータを解析し、解析中に再生可能ファイルを検出したときにはその解析を中断し、ディスクチェック結果を出力して次のディスクのチェックを行う例が記載されている。
【0009】
しかしながら、これら特許文献1,2に記載の例であっても、識別ファイル数は固定であり変更ができない。また複合製品において、ディスクの再生を一旦中断し、他の機器の視聴時にディスクに記録された残りのファイルをバックグランド識別するための具体策も記載されておらず、バックグランド識別ができないという不具合がある。
【特許文献1】特開2005−124136号公報
【特許文献2】特開2006−302413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のディスク再生装置では、ファイル数の増大に伴ってファイルの識別処理に時間がかかり、また識別ファイル数は固定で変更ができないため識別ファイルを絞って再生することができなかった。またディスクの非再生時にファイルをバックグランド識別することもできないという欠点があった。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みて、識別ファイル数を選択可能とし、かつバックグランド識別を可能として速やかな再生復帰を可能とするディスク再生装置及びディスク再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の本発明は、ディスク媒体に記録された複数ファイルの情報を再生可能なディスク再生装置であって、前記ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別する識別部と、前記識別部で識別するファイル数をユーザによって設定可能なファイル数設定部と、ファイル情報を記憶可能な記憶部と、前記識別部で識別したファイルの情報を前記記憶部に記憶するとともに、記憶したファイル情報を読み出すメモリコントローラと、前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生する再生処理部と、を具備し、前記ディスク媒体のファイルを前記ファイル数設定部で設定されたファイル数だけ識別して再生処理することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5記載の本発明は、複数のソース機器に接続され、ホストからの指示に応じて再生処理を実行可能なディスク再生装置であって、ディスク媒体に記録されたファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別する識別部と、ファイル情報を記憶可能な記憶部と、前記識別部で識別したファイルの情報を前記記憶部に記憶するとともに、記憶したファイル情報を読み出すメモリコントローラと、前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生する再生処理部と、前記ソース機器のいずれかが選択されたときに前記識別部により前記ディスク媒体のファイルを解析してバックグランド識別を行うバックグランド処理部と、を具備し、再生復帰時に前記バックグランド識別による解析情報を利用してファイル情報を再生することを特徴とする。
【0014】
また、請求項10記載の本発明は、ディスク媒体に記録された複数ファイルの情報を再生可能なディスク再生方法であって、前記ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体からユーザによって予め設定されたファイル数のファイルを解析して、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別し、前記識別したファイルの情報を記憶部に記憶し、前記記憶したファイル情報を読み出しデコードして再生することを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項14記載の本発明は、複数のソース機器に接続され、ホストからの指示に応じて再生処理を実行可能なディスク再生方法であって、ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体のファイルを解析して、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別し、前記識別部で識別したファイルの情報を記憶部に記憶し、前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生するとともに、前記ソース機器のいずれかが選択されたときに前記ディスク媒体のファイルを解析してバックグランド識別を行い、再生復帰時に前記バックグランド識別による解析情報を利用してファイル情報を再生することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のディスク再生装置では、識別ファイル数を選択可能とし、ユーザの希望にあった再生を実現することができる。またバックグランド識別を可能として速やかな再生復帰を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明のディスク再生装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の一実施形態に係るディスク再生装置100の全体構成を示すブロック図である。図1において、11はディスク型記録媒体である光ディスクである。以下、光ディスクを単にディスク11と呼び、ディスク再生装置100をディスクプレーヤ100と呼ぶ場合もある。
【0019】
ディスク11は、スピンドルモータ12によって一定の線速度で回転される。ディスク11からの情報の読み取りは、光ピックアップ13によって行われ、ディスク11にレーザ光を照射し、その反射光によってディスク11に記録されている情報を読み出す。
【0020】
光ピックアップ13は、送りモータ14によってディスク11の半径方向に移動制御され、再生位置を決定する。15はサーボ制御部であり、後述するシステムコントローラ22から供給される制御信号に応じて、スピンドルモータ12の回転を制御するとともに、光ピックアップ13のトラッキング制御、フォーカス制御、及び送りモータ14の駆動制御を行う。
【0021】
16はRFアンプであり、光ピックアップ13によって読み出した情報に対応するRF信号を増幅して次段に伝達する。又、このRFアンプ16は、RF信号からフォーカス制御用の信号及びトラッキング制御用の信号を分離して、これらの制御信号をサーボ制御部15に送る。
【0022】
サーボ制御部15は、フォーカス制御用の信号に基づいて光ピックアップ13のアクチュエータ(図示せず)を制御し、光ビームがディスク11上に常時ジャストフォーカスとなるように制御する。また、トラッキング制御用の信号に基づいてアクチュエーを制御し、光ピックアップ13のトラッキング方向の移動を制御する。これにより、データの再生を正確に行うようにしている。
【0023】
17は、デジタル信号処理回路であり、RFアンプ16から出力されたRF信号をデジタル化し、デジタル化された信号の復調処理と誤り訂正処理等を行い、メモリコントローラ18に入力する。また、後述するISO9660フォーマットのボリューム記述子、パステーブル、ディレクトリを復調してシステムコントローラ22に入力する。
【0024】
メモリコントローラ18には、SDRAM等のメモリ(記憶部)19が接続されており、例えばMP3による圧縮音楽データ等のファイル情報をメモリ19に読み書き自在に一時記憶する。メモリ19は、SPM(Shock Proof Memory)として機能し、メモリコントローラ18は、圧縮データ(ファイル情報)をメモリ19に高速に書込み、書き込みと並行してメモリ19から通常速度で連続的に読み出す。
【0025】
メモリコントローラ18は、メモリ19のデータが設定量以上になるとシステムコントロー22にデータフルを通知すると共に、読み出しは継続しながら一時的に書き込みを停止する。その後、データの読み出しによりメモリ19に一定量の空きが生じると、システムコントローラ22へ通知し、デジタル信号処理部17から入力されるデータの書き込みを再開する。
【0026】
メモリコントローラ18によりメモリ19から読み出されたファイル情報は、デコーダ20に供給され、デコーダ20では、例えばMP3圧縮音楽データを伸長して非圧縮の通常の音楽データに変換する。デコーダ20からのデータは出力部21に供給され、アナログに変換して出力される。アナログ出力は、外部に設けたオーディオアンプ(図示せずに)に供給される。尚、デコーダ20と出力部21は、再生処理部を構成する。
【0027】
また、22はシステムコントローラであり、サーボ制御部15、デジタル信号処理部、メモリコントローラ18等の制御を行う。システムコントローラ22は、ファイルシステム解析部221を含み、ディスクデータの記録構造 (ファイル構造)を解析する機能を有し、ファイルの識別を行う識別部を構成する。
【0028】
またシステムコントローラ22には、表示部23及び操作部24が接続されている。操作部24は、再生キー、リピートキー、スキャンキー等の各種の操作キーのほかに、ファイル数を選択する選択キー241を備えている。
【0029】
次に本発明のディスク再生装置の動作について説明するが、その前にディスクデータの記録構造 (ファイル構造)を説明する。
【0030】
図2に示すように、光ディスク11のデータの記録領域は、リードインエリアからリードアウトエリアまでを1つのセッションと呼び、セッションにはMP3やWNA等の圧縮音楽データを記録することができる。リードインエリアからリードアウトエリアまでのデータ記録領域は、図2に示されるようなボリューム構造を有している。このボリューム構造は、ISO9660等で規定されており、ISO9660に準拠したボリューム構造は、光ディスクのリードインエリア31からリードアウトエリア35までであり、階層構造のボリューム管理情報領域とファイル領域から構成されている。
【0031】
ボリューム管理情報領域には、システムエリア32及びボリューム管理情報エリア33が割り付けられている。システムエリア32は、内容は規定されていないが、例えば、光ディスクに記録するデータを編集する編集者の為に設けられ、編集者の意図に応じた光ディスク装置の駆動を実現する為のシステムプログラムが必要に応じ格納される。
【0032】
また、ボリューム管理情報エリア33には、ミュージックファイル等のファイルを管理する情報、すなわち、全てのファイルの記録位置(先頭位置及び末尾位置)、ファイルの記録容量及びファイル名等が格納されている。
【0033】
ファイル領域34には、例えば、ファイル番号0からファイル番号99までのファイルが配置され、ファイル番号0のファイル(0)エリアにはディスク情報ファイルが割り付けられ、ファイル番号1からファイル番号99までのファイル(1〜99)エリアに、ミュージックファイル等が割り付けられている。
【0034】
また、ボリューム管理情報エリア33には、基本ボリューム記述子(PVD:Primary Volume Descriptor)が記述されたエリア36と、ボリューム記述子集合終端子(VDT:Volume Descriptor Terminal)が記述されたエリア37と、パステーブルレコードが記述されたエリア38、及びディレクトリレコードが記述されたエリア39が配置されている。
【0035】
基本ボリューム記述子36には、光ディスクのボリューム空間を記述し、ボリュームの属性、ルートディレクトリ(Root Directory)の位置、パステーブル群の位置及びボリューム集合中のボリューム数を指定する情報が記述され、この記述情報によりパステーブル及びディレクトリ等がアクセスされる。
【0036】
ボリューム記述子集合終端子(VDT)37には、記録されたボリューム記述子の集合が終了する記述子等が記述される。パステーブルレコード38には、各ディレクトリの位置とその階層構造に関する情報が記述され、この記述によりファイルを効率的に取り扱うためにディレクトリの階層の深い所に配置されたファイルも検索することが可能となる。
【0037】
また、ディレクトリレコード39には、各ファイルの記録位置(先頭位置及び末尾位置)、ファイルの記録容量及びファイル名等、ファイルの位置及び大きさ等に関するディレクトリ情報が記述されている。このディレクトリレコード38では、ディレクトリもファイルとして取り扱われ、ルートディレクトリ、ファイル番号0に相当するディスク情報ファイルのディレクトリ、ファイル番号1番以降のファイルに相当するミュージックファイル等のディレクトリなどに関する情報も記述されている。このディレクトリレコードの内容は、ディレクトリ内の各ファイルに対して設定され、ファイルの数だけ記述されている。
【0038】
図3は、ISO9660のボリューム構成図であり、図3(a)で示すように、データエリアは、ボリューム記述子、パステーブル、ディレクトリ、データで構成され、ボリューム記述子は、基本ボリューム記述子、副ボリューム記述子、ボリューム区画記述子等で構成されている。
基本ボリューム記述子は、図3(b)に示すように、ボリューム識別子や論理ブロック長、ファイル構造(図4参照)を特定するパステーブルの大きさ、パステーブルの位置等を含んでいる。
【0039】
パステーブルは、図3(c)に示すように、フォルダを構成するディレクトリ(ファイル等)のレコード位置を示すエクステント位置、親ディレクトリの番号、ディレクトリ識別子(フォルダ名)等を含み、ルートディレクトリを親ディレクトリとするディレクトリのパステーブルが複数連続的に記録される。
【0040】
ディレクトリレコードは、図3(d)に示すようにファイル開始位置を示すエクステント位置、ファイルのデータ長、記録日付及び時刻(ファイル作成日時)、ファイル識別子等を含み、ディレクトリ(フォルダ)に属する複数のファイルのディレクトリレコードが連続的に記録される。
図4は、ファイル構造例であり、ルートディレクトリは複数のディレクトリ(フォルダ:MP3 Tool、MP3 Sound…)で構成され、フォルダ:MP3 Sound は、サブフォルダ:ANGELLA、BY-Products、Big Time…で構成され、サブフォルダ:BY-Productsは、「I Just Lost Love.mp3」と「Step in Last Dance Together.mp3 」で構成されている。
【0041】
またフォルダ:MP3 Toolは、複数のMP3ファイル(File1、File2)によって構成され、他のフォルダもいくつかのMP3ファイルで構成されている。このファイル構造は、前述の基本ボリューム記述子、パステーブル、ディレクトリを解析することにより求めることができ、ファイルシステム解析部221によって解析される。
【0042】
図5は、ファイルの読み出し処理の一例を示す説明図である。
【0043】
光ディスク11に記録されているファイルを読み出す場合、先ず、システムを起動し、セッションのデータ先頭より基本ボリューム記述子を読み込み、先頭データのボリューム記述子が「1」CD001であることを確認する。次にパステーブルレコードを読み出し、続いて、ファイルのディレクトリレコードを読み出す。ディレクトリレコードから、ファイル名、ファイルの位置情報、ファイルの記録容量等のディレクトリ情報を読み出し、メモリ19に記録する。
【0044】
次に、全ファイルのディレクトリレコードの読み出しが終了したかを判断し、終了していない場合は、引き続きファイルのディレクトリレコードの読み出しを行い、終了している場合には、読み出すファイルを決定し、メモリ19に記録されているディレクトリ情報から、読み出すファイル(実データ)が記録されているアドレスにアクセスしファイルを読み出す。1つのファイルの読み出しが終了した後は、引き続き読み出しファイルを決定し、同様の処理を繰り返す。
【0045】
このようにしてファイルの読み出しが行われるが、ディスクプレーヤ100にディスク11を挿入し、再生が開始されるまでのプロセスを示すと、概略的に図6で表わすことができる。
【0046】
図6において、41はディスク11を挿入してプレーヤ内に装填されまでのローディング処理を示し、機構的な制御が行われる。次の処理42ではファイルの識別処理が行われる。実際にはディスク11を回転してデータを読み取り、ファイル(フォルダ)の解析が行われ、識別が正しく行われたファイル(フォルダ)のみが再生対象となる。つまりファイルの解析結果をもとに再生可能なファイルが識別される。処理43は、再生の処理ステップであり、識別処理によって識別した対象ファイル(フオルダ)のデータを読み込み、再生を開始する。
【0047】
ところで、ファイル識別処理42ではファイル構成を解析してファイルの識別を行うが、ディスク11に記録されたファイル数とファイルの識別に要する時間は、ファイル数が増加するにしたがって識別時間も長くなる傾向にある。
【0048】
図7は、ファイル数と識別時間の関係を測定したデータの一例を示す図である。図7においては、ファイル数、フロントエンド部(F/E部)での処理時間、バックエンド部(B/E部)での処理時間、合計処理時間を行方向に表し、ファイル数を列方向に表したものである。尚、フロントエンド部(F/E部)での処理時間とは、光ピックアップ13のサーボ調整等を行ってディスクにアクセスするまでの時間であり、バックエンド部(B/E部)での処理時間とはファイルの解析(識別)に要する時間である。
【0049】
図7から分かるように、フロントエンド部(F/E部)での処理時間は、ファイル数に関係なく大体近似している。一方、バックエンド部(B/E部)での処理(ファイル解析)に要する時間は、ファイル数が増加するにしたがって増加している。つまり、ユーザの視点からみると、ディスクを早く再生開始しようとすれば再生対象となるファイル数を減らす必要があり、再生したいファイル数を増やしたい場合は、再生開始までの時間が長くなる。
【0050】
一方、従来ではディスクプレーヤの識別ファイル数は、固定であるため、再生形態が一義的に決まってしまい、ユーザが希望する再生形態で再生できない。例えばディスクの後半のファイル識別は打ち切ってでも直ぐに再生したい場合や、多少時間がかかってもディスクの終端のファイルまで識別して再生したい場合も起こり得る。またプレーヤの初期起動時は再生開始時間を短縮し、識別ファイル数を絞り、残りのファイルの識別は後で追加識別するという要求もあり得る。本発明は、このような要求を実現するディスク再生装置を提供するものであり、以下に具体的に説明する。
【0051】
本発明では、再生開始に際して、ユーザが識別ファイル数を選択できるようにした点に特徴がある。即ち、図1で示すように操作部24にはファイル数を選択するための選択キー241、アップ/ダウンボタン242及びエンターキー243が設けられている。またディスク再生装置100は、メモリ19として最大ファイル数(例えば4096個)を識別可能な容量のSDRAMを使用している。
【0052】
ユーザが選択キー241を押すと、図8で示すように表示部23には、予め設定された識別ファイル数が、例えば、50,100,500,1000,2000,4000のように表示される。次にユーザがアップ/ダウンボタン242を操作することで、表示された識別ファイル数の中から希望するファイル数が選択され、その後エンターキー243を押すことで識別ファイル数が決定される。或いは、表示部23をタッチパネル形式とし、いずれかの希望するファイル数を押すことで識別ファイル数を選択するようにしてもよい。尚、操作部24と表示部23は、識別するファイル数を設定するためのファイル数設定部を構成する。
【0053】
これにより、システムコントローラ22は、ディスク11に記録された情報からユーザが設定した識別ファイル数だけファイルの識別を実行する。したがって、ディスクの後半のファイル識別は打ち切ってでも直ぐに再生したい場合は、例えばファイル数として50や100を選択すればよい。こうして起動時の再生開始までの時間を短縮することが可能になる。
【0054】
また、多少時間がかかってもディスクの終端のファイルまで識別して再生したい場合は、ファイル数4000を選択すればよい。こうして、起動時の再生開始時間は多少遅れるがディスクのほぼ全体のファイルを再生することができる。尚、識別ファイル数(50,100,500,1000,2000,4000)は一例を示したものであり、この数に限定されるものではない。
【0055】
また、起動時の再生開始時間を短縮したような場合、識別ファイル数が制限されるため、残りのファイルを識別して再生したいという要求も当然起こり得る。そこで本発明では、ファイルの識別処理時に解析したファイル名情報(アクセスしたアドレス情報やファイルの通し番号等)をメモリ19に保存しておき、ユーザが継続再生を希望する場合は、メモリ19に保存したファイル名情報をもとに前回識別したファイル以降のファイルを識別して再生を継続できるようにしている。
【0056】
即ち、システムコントローラ22は、ディスク11に記録された情報からユーザが設定した識別ファイル数だけファイルの識別を実行して再生するが、識別したファイル名を順次メモリ19に保存し、最後に識別したファイル名を更新しながらメモリ19に保存する。
【0057】
また、操作部24には継続再生ボタン244が設けられ、継続再生ボタン244が押された場合は、選択したファイル数の識別処理が終了したあと、継続して次のファイルを識別して再生を行う。
【0058】
例えば、再生起動時に少ない識別ファイル数を選択(例えばファイル数100を選択)した場合、選択したファイル数の再生終了時に継続再生ボタン244が押されると、システムコントローラ22は、前回識別したファイル以降のファイル(101個目のファイル)から順次に識別して次の100個のファイルを識別・再生する。
【0059】
或いは、ユーザが継続再生ボタン244を押した場合は、前回識別したファイル以降のファイルから最終のファイルまで順次に識別して再生するようにしても良い。こうして継続再生を実行することができる。
【0060】
図9は、以上の動作を説明するフローチャートである。図9において、ステップS1はファイルの識別と再生の開始ステップであり、ステップS2は、識別ファイル数の設定ステップである。ユーザがファイルの識別数を設定したい場合は、選択キー241が押され、図8で示すように表示部23に予め設定された識別ファイル数が表示され、ユーザがいずれかのファイル数を設定する。またユーザがファイルの識別数を設定しない場合は、非設定となる。
【0061】
次のステップS3では、識別ファイル数の設定が行われた否かが判別され、非設定の場合はステップS4に進み、ディスクに記録された情報から順次にファイルを識別し再生処理を行う。ステップS5では全てのファイルについて識別と再生が行われたか否かを判断し、否であればステップS4に戻って識別と再生処理を行う。全てのファイルについて識別と再生が終了するとステップS12で終了する。
【0062】
一方、ステップS3において識別ファイル数が設定されている場合は、ステップS6に移行し、ディスクに記録された情報から順次にファイルを識別し再生処理を行う。ステップS7では全てのファイルについて識別と再生が行われたか否かを判断し、否であればステップS8において設定されたファイル数のファイルを識別・再生したか否かを判断する。設定されたファイル数に満たない場合はステップS6に戻り、識別・再生処理が実行される。尚ステップS6,S7,S8のループで順次に識別・再生処理が実行されている段階において、ステップS7で全てのファイルが識別・再生された場合は、ステップS12に移行し、終了する。
【0063】
またステップS8において、設定したファイル数のファイルが識別・再生された場合は、ステップS9において、識別した最新のファイル名情報をメモリ19に保存し、設定したファイル数の識別・再生を終了する。そしてステップS10においてユーザから継続再生の指示がない場合はステップS12で処理を終了する。この場合、継続再生を希望するか否かのメッセージを表示部23に表示するようにしてもよい。
【0064】
一方、ステップS10で継続再生の指示があった場合は、ステップS11において、メモリ19に記録されたファイル名情報を読み出し、ステップS6において読み出したファイル名情報をもとに次のファイルをから順次に識別・再生処理を実行する。以降、ステップS7,S8,S9,S10,S11,S6のループで処理を繰り返すことで、設定したファイル数ずつ順次に継続再生を行う。尚、上記のループのステップS7において全てのファイルが識別・再生された場合は、ステップS12に移行し、終了する。
【0065】
こうして、ユーザの希望に応じて継続再生を実行することができ、ファイルを分割して識別・再生することができる。尚、継続再生を行う場合、残りのファイルについて識別・再生するファイル数を改めて設定し直すようにしてもよい。
【実施例2】
【0066】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。一般に、車載用機器ではディスクプレーヤ以外に他のソース機器、例えばラジオチューナ、テレビチューナ、HDDプレーヤ等を搭載しており、ユーザはいずれかのソース機器を選択して各種のソース機器からの情報を再生するようにしている。
【0067】
ファイル数の多いディスクの場合、ファイルの識別・再生に時間がかかることは前述した通りである。一方、複数機器を備えた場合、ディスクプレーヤ以外の機器を選択することも多々ある。
【0068】
そこで、ディスクプレーヤ以外の機器が選択され他のソース機器が動作している間にディスク11からの情報を読出し、残りのファイルについて識別処理を実行すれば、次にディスクプレーヤ100が選択されて再復帰したときに追加ファイルの識別・再生処理を素早く実行することができる。このように、他の機器が選択されてディスクプレーヤが非再生の時に、残りのファイルの識別処理を行うことを以下の説明ではバックグランド識別と呼ぶ。
【0069】
本発明の第2の実施形態では、上記したバックグランド識別に関するものであり、図10を参照して説明する。
【0070】
図10において、100はディスクプレーヤであり、図1の構成と同様のものである。ディスクプレーヤ100は、インターフェース25を介してバスライン101に接続されている。バスライン101にはホスト200が接続されており、ディスクプレーヤ100はホスト200からのコマンドを、インターフェース25を介してシステムコントローラ22に送ったり、ディスクプレーヤ100のデータをホスト200に送るようにしている。
【0071】
またバスライン101には、ラジオチューナ300、テレビチューナ400、HDDプレーヤ500等が接続されており、ホスト200はユーザの指示に応答してディスクプレーヤ100、ラジオチューナ300、テレビチューナ400、HDDプレーヤ500のいずれかを選択してソース切り替えを行い、任意の機器を動作させる。
【0072】
またホスト200は、ディスクプレーヤ100以外の機器を選択しディスクプレーヤ100が非再生の時に、必要に応じてディスクプレーヤ100に対してバックグランド識別を実行させるようにしている。
【0073】
バックグランド識別は、ディスクプレーヤ100の非再生時に行われるが、ユーザの不定期なソース切り替えに対処するため、以下のようなバックグランド識別を行うようにしている。
【0074】
バックグランド識別処理では、ファイルの解析結果をメモリ19の保存領域に保存するが、その保存領域を2つに区分して使用している(以下の説明では、保存領域A、保存領域Bと呼ぶ)。またバックグランド識別を行う毎に、ファイルの解析結果(解析情報)を保存領域Aと保存領域Bに交互に振り分けて保存するようにしている。
【0075】
そしてソース切り替えによってディスクプレーヤ100が選択されて再生復帰した場合に、前回保存した解析結果を用いてファイルの再生を開始するようにしている。また次にバックグランド識別を行う場合は、前回の識別結果を破棄せずに識別処理を開始し、新たなバックグランド識別が正常に終了した時点で前回の識別結果を破棄するようにしている。
【0076】
尚、バックグランド識別は、ホスト200からの指示に応答して行われものであり、このときシステムコントローラ22、メモリコントローラ18、メモリ19は、ファイルを解析してバックグランド識別を行うバックグランド処理部を構成する。
【0077】
図11は、バックグランド処理部の動作を示すフローチャートである。尚、図11において19はメモリ19(SDRAM)の構成を示しており、ファイル解析した際のディスクのアドレス情報を記憶するアドレス情報領域190と、ファイルの解析結果を保存する領域191,192(保存領域A,保存領域B)を有している。
【0078】
図11において、ステップS21はバックグランド識別処理の開始ステップであり、ステップS22では、ファイルの解析結果をもとにディスク11のアクセスすべきアドレス情報を取得する。次のステップS23では、前回の解析結果が保存された保存領域が保存領域Aか否かを判断する。
【0079】
判断の結果、前回の解析結果が保存領域Aに保存されている場合は、ステップS24に進み、次にファイル解析した結果の保存先を保存領域Bとして指定する。次のステップS25では追加の識別処理を行い、ステップS26ではアドレス情報をアドレス情報領域190に保存し、ファイルの解析結果を保存領域192(B)に保存し、ステップS30でバックグランド識別処理を終了する。
【0080】
一方、ステップS23で、前回の解析結果が保存領域Bに保存されていると判断した場合は、ステップS27に進み、次にファイル解析した結果の保存先を保存領域Aとして指定する。次のステップS28では追加の識別処理を行い、ステップS29ではアドレス情報をアドレス情報領域190に保存し、ファイルの解析結果を保存領域191(A)に保存し、ステップS30でバックグランド識別処理を終了する。こうして、バックグランド識別が行われると、その都度ファイルの解析結果が保存領域Aと保存領域Bに交互に保存される。
【0081】
図12は、ディスクプレーヤ100以外の機器が選択されていた状態から、ディスクプレーヤ100が選択され、再生復帰した場合の動作を示すフローチャートである。再生復帰時には、アドレス情報をもとに保存領域A又は保存領域Bから最新の解析結果を読み出して再生処理を行うが、再生復帰のタイミングによっては、バックグランド識別中の場合もあり、その場合は識別処理を中断することもある。
【0082】
即ち、図12において、ステップS31は再生復帰処理の開始ステップであり、ステップS32では、ディスクプレーヤ100がバックグランド識別中か否かの判断を行う。バックグランド識別中であった場合はステップS33において識別処理を中断し、次のステップS34ではバックグランド識別する前のアドレス情報と解析結果を取得し、ステップS35で再生処理を実行し、ステップS38で処理を終了する。
【0083】
一方、ステップS32において、再生復帰時に既にバックグランド識別を終了していると判断した場合は、ステップS36に進み、最新の解析結果をもとにディスクのアドレス情報を取得し、ステップS37で再生処理を実行し、ステップS38で処理を終了する。
【0084】
こうして本発明の第2の実施形態では、バックグランド識別の結果を保存領域Aと保存領域Bに交互に保存し、常に前回の解析結果をいずれか一方の保存領域に保存することにより、ソース切り替えが短期間に行われて再生復帰した場合でも旧解析結果を用いて速やかに再生処理を行うことができる。
【0085】
以上述べたように、本発明のディスク再生装置では、圧縮技術の普及に伴ってディスクの記録容量が増大した場合でも、再生開始時間の短縮を優先するか、再生対象ファイル数を優先するかといった選択が可能となり、ユーザが希望するモードで再生することができる。またディスクプレーヤ以外の他の機器を選択しているときにバックグランド識別を行うことで速やかに再生復帰することができる。
【0086】
尚、以上の説明では、圧縮Audioデータを記録したディスクの再生について説明したが、圧縮Videoデータを記録したディスクを再生する場合にも適用することができる。また以上の説明に限定されることなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスク再生装置の構成を示すブロック図。
【図2】ディスクデータのファイル構造を説明する図。
【図3】ディスクのボリューム構成を示す説明図。
【図4】ディスクのファイル構造例を示す図。
【図5】ファイルの読み出し処理の一例を示す説明図。
【図6】ディスクの再生開始までのプロセスを示す説明図。
【図7】ディスクのファイル数と識別時間の関係を示す図。
【図8】本発明の一実施形態における識別ファイル数の設定手順を示す説明図。
【図9】本発明の一実施形態におけるファイルの再生処理を示すフローチャート。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るディスク再生装置の構成を示すブロック図。
【図11】第2の実施形態におけるバックグランド処理部の動作を示すフローチャート。
【図12】第2の実施形態におけるファイルの再生処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0088】
11…ディスク
12…スピンドルモータ
13…光ピックアップ
14…送りモータ
15…サーボ制御部
16…RFアンプ
17…デジタル信号処理部
18…メモリコントローラ
19…記憶部(SDRAM)
20…デコーダ
21…出力部
22…システムコントローラ
221…ファイルシステム解析部
23…表示部
24…操作部
25…インターフェース
100…ディスク再生装置(ディスクプレーヤ)
200,300,400,500…ソース機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク再生装置に係り、特に複数のファイルが記憶された光ディスクの再生装置及び再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CDプレーヤ、DVDプレーヤ等のディスク再生装置は、圧縮Audio、圧縮Videoの再生機能を有するものが多い。圧縮Audio系としては、MP3、WMA、AAC等の音声圧縮技術が知られており、圧縮Video系としては、DivX等の動画圧縮技術が知られている。また記録型DVDの普及が進み、圧縮Audioや圧縮VideoのファイルをDVDに保存し利用するケースも増加している。
【0003】
光ディスクに保存可能な最大ファイル数は、DVD(片面2層)で約2000曲、CDで約180曲程度である。またディスク再生装置(ディスクプレーヤ)が識別できる最大ファイル数は、プレーヤの機種ごとに異なり固定である。基本的にはプレーヤが識別可能な最大ファイル数は、搭載しているRAM容量に依存し、例えば99〜4096ファイルである。
【0004】
したがって、従来のディスク再生装置では、ディスクに大量にファイルが記録されていても、プレーヤが対応しているファイル数までしか識別・再生することができない。例えば、ディスクの後半のファイル識別を打ち切って直ぐに再生を開始したい場合もあれば、多少時間を要してもディスク終端付近のファイルまで識別・再生したい場合もあるが、識別ファイル数は固定で変更ができない。またプレーヤの初期起動時は、再生開始時間の短縮を優先し、識別ファイルを絞って再生したいというニーズがあっても、それができないという不具合もある。
【0005】
一方、車載用のディスク再生装置では、ディスクプレーヤを単体で実装することは稀であり、ラジオチューナ、テレビチューナ、HDDプレーヤ等と一緒に混在した複合製品となることが多い。したがって、ディスクの再生を一旦中断し、他の機器(例えばラジオ)を視聴しているときに、ディスクに記録された残りのファイルを識別処理する、所謂バックグランド識別を行うようにすればよいが、現状ではバックグランド識別ができないという不具合がある。このため、ディスクの再生を一旦中断し、再生を復帰する場合にはファイル識別処理に時間がかかるため、速やかに復帰再生することができなかった。
【0006】
一般に、CD−R、CD−RWにおいては、容量が小さいので上記した不具合は問題とならなかったが、DVD−R,DVD−RWでは、最大2000曲程度の情報が保存可能であるため、ファイルの識別処理に時間がかかるため、プレーヤの初期起動時や再生復帰時に大きな影響がでる。
【0007】
特許文献1には、電源投入からコンテンツの再生までの所要時間を短縮するため、優先度の高い(仕様頻度の高い)順に圧縮状態のデコードプログラムを読み出すようにしたコンテンツ再生装置が記載されている。
【0008】
また特許文献2には、ディスクチェンジャにおいて、再生できないデータが記録されたディスクが挿入されていないかを短時間にチェックするため、選択再生したディスクのファイルシステムデータを解析し、解析中に再生可能ファイルを検出したときにはその解析を中断し、ディスクチェック結果を出力して次のディスクのチェックを行う例が記載されている。
【0009】
しかしながら、これら特許文献1,2に記載の例であっても、識別ファイル数は固定であり変更ができない。また複合製品において、ディスクの再生を一旦中断し、他の機器の視聴時にディスクに記録された残りのファイルをバックグランド識別するための具体策も記載されておらず、バックグランド識別ができないという不具合がある。
【特許文献1】特開2005−124136号公報
【特許文献2】特開2006−302413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のディスク再生装置では、ファイル数の増大に伴ってファイルの識別処理に時間がかかり、また識別ファイル数は固定で変更ができないため識別ファイルを絞って再生することができなかった。またディスクの非再生時にファイルをバックグランド識別することもできないという欠点があった。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みて、識別ファイル数を選択可能とし、かつバックグランド識別を可能として速やかな再生復帰を可能とするディスク再生装置及びディスク再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の本発明は、ディスク媒体に記録された複数ファイルの情報を再生可能なディスク再生装置であって、前記ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別する識別部と、前記識別部で識別するファイル数をユーザによって設定可能なファイル数設定部と、ファイル情報を記憶可能な記憶部と、前記識別部で識別したファイルの情報を前記記憶部に記憶するとともに、記憶したファイル情報を読み出すメモリコントローラと、前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生する再生処理部と、を具備し、前記ディスク媒体のファイルを前記ファイル数設定部で設定されたファイル数だけ識別して再生処理することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5記載の本発明は、複数のソース機器に接続され、ホストからの指示に応じて再生処理を実行可能なディスク再生装置であって、ディスク媒体に記録されたファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別する識別部と、ファイル情報を記憶可能な記憶部と、前記識別部で識別したファイルの情報を前記記憶部に記憶するとともに、記憶したファイル情報を読み出すメモリコントローラと、前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生する再生処理部と、前記ソース機器のいずれかが選択されたときに前記識別部により前記ディスク媒体のファイルを解析してバックグランド識別を行うバックグランド処理部と、を具備し、再生復帰時に前記バックグランド識別による解析情報を利用してファイル情報を再生することを特徴とする。
【0014】
また、請求項10記載の本発明は、ディスク媒体に記録された複数ファイルの情報を再生可能なディスク再生方法であって、前記ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体からユーザによって予め設定されたファイル数のファイルを解析して、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別し、前記識別したファイルの情報を記憶部に記憶し、前記記憶したファイル情報を読み出しデコードして再生することを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項14記載の本発明は、複数のソース機器に接続され、ホストからの指示に応じて再生処理を実行可能なディスク再生方法であって、ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体のファイルを解析して、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別し、前記識別部で識別したファイルの情報を記憶部に記憶し、前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生するとともに、前記ソース機器のいずれかが選択されたときに前記ディスク媒体のファイルを解析してバックグランド識別を行い、再生復帰時に前記バックグランド識別による解析情報を利用してファイル情報を再生することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のディスク再生装置では、識別ファイル数を選択可能とし、ユーザの希望にあった再生を実現することができる。またバックグランド識別を可能として速やかな再生復帰を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明のディスク再生装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の一実施形態に係るディスク再生装置100の全体構成を示すブロック図である。図1において、11はディスク型記録媒体である光ディスクである。以下、光ディスクを単にディスク11と呼び、ディスク再生装置100をディスクプレーヤ100と呼ぶ場合もある。
【0019】
ディスク11は、スピンドルモータ12によって一定の線速度で回転される。ディスク11からの情報の読み取りは、光ピックアップ13によって行われ、ディスク11にレーザ光を照射し、その反射光によってディスク11に記録されている情報を読み出す。
【0020】
光ピックアップ13は、送りモータ14によってディスク11の半径方向に移動制御され、再生位置を決定する。15はサーボ制御部であり、後述するシステムコントローラ22から供給される制御信号に応じて、スピンドルモータ12の回転を制御するとともに、光ピックアップ13のトラッキング制御、フォーカス制御、及び送りモータ14の駆動制御を行う。
【0021】
16はRFアンプであり、光ピックアップ13によって読み出した情報に対応するRF信号を増幅して次段に伝達する。又、このRFアンプ16は、RF信号からフォーカス制御用の信号及びトラッキング制御用の信号を分離して、これらの制御信号をサーボ制御部15に送る。
【0022】
サーボ制御部15は、フォーカス制御用の信号に基づいて光ピックアップ13のアクチュエータ(図示せず)を制御し、光ビームがディスク11上に常時ジャストフォーカスとなるように制御する。また、トラッキング制御用の信号に基づいてアクチュエーを制御し、光ピックアップ13のトラッキング方向の移動を制御する。これにより、データの再生を正確に行うようにしている。
【0023】
17は、デジタル信号処理回路であり、RFアンプ16から出力されたRF信号をデジタル化し、デジタル化された信号の復調処理と誤り訂正処理等を行い、メモリコントローラ18に入力する。また、後述するISO9660フォーマットのボリューム記述子、パステーブル、ディレクトリを復調してシステムコントローラ22に入力する。
【0024】
メモリコントローラ18には、SDRAM等のメモリ(記憶部)19が接続されており、例えばMP3による圧縮音楽データ等のファイル情報をメモリ19に読み書き自在に一時記憶する。メモリ19は、SPM(Shock Proof Memory)として機能し、メモリコントローラ18は、圧縮データ(ファイル情報)をメモリ19に高速に書込み、書き込みと並行してメモリ19から通常速度で連続的に読み出す。
【0025】
メモリコントローラ18は、メモリ19のデータが設定量以上になるとシステムコントロー22にデータフルを通知すると共に、読み出しは継続しながら一時的に書き込みを停止する。その後、データの読み出しによりメモリ19に一定量の空きが生じると、システムコントローラ22へ通知し、デジタル信号処理部17から入力されるデータの書き込みを再開する。
【0026】
メモリコントローラ18によりメモリ19から読み出されたファイル情報は、デコーダ20に供給され、デコーダ20では、例えばMP3圧縮音楽データを伸長して非圧縮の通常の音楽データに変換する。デコーダ20からのデータは出力部21に供給され、アナログに変換して出力される。アナログ出力は、外部に設けたオーディオアンプ(図示せずに)に供給される。尚、デコーダ20と出力部21は、再生処理部を構成する。
【0027】
また、22はシステムコントローラであり、サーボ制御部15、デジタル信号処理部、メモリコントローラ18等の制御を行う。システムコントローラ22は、ファイルシステム解析部221を含み、ディスクデータの記録構造 (ファイル構造)を解析する機能を有し、ファイルの識別を行う識別部を構成する。
【0028】
またシステムコントローラ22には、表示部23及び操作部24が接続されている。操作部24は、再生キー、リピートキー、スキャンキー等の各種の操作キーのほかに、ファイル数を選択する選択キー241を備えている。
【0029】
次に本発明のディスク再生装置の動作について説明するが、その前にディスクデータの記録構造 (ファイル構造)を説明する。
【0030】
図2に示すように、光ディスク11のデータの記録領域は、リードインエリアからリードアウトエリアまでを1つのセッションと呼び、セッションにはMP3やWNA等の圧縮音楽データを記録することができる。リードインエリアからリードアウトエリアまでのデータ記録領域は、図2に示されるようなボリューム構造を有している。このボリューム構造は、ISO9660等で規定されており、ISO9660に準拠したボリューム構造は、光ディスクのリードインエリア31からリードアウトエリア35までであり、階層構造のボリューム管理情報領域とファイル領域から構成されている。
【0031】
ボリューム管理情報領域には、システムエリア32及びボリューム管理情報エリア33が割り付けられている。システムエリア32は、内容は規定されていないが、例えば、光ディスクに記録するデータを編集する編集者の為に設けられ、編集者の意図に応じた光ディスク装置の駆動を実現する為のシステムプログラムが必要に応じ格納される。
【0032】
また、ボリューム管理情報エリア33には、ミュージックファイル等のファイルを管理する情報、すなわち、全てのファイルの記録位置(先頭位置及び末尾位置)、ファイルの記録容量及びファイル名等が格納されている。
【0033】
ファイル領域34には、例えば、ファイル番号0からファイル番号99までのファイルが配置され、ファイル番号0のファイル(0)エリアにはディスク情報ファイルが割り付けられ、ファイル番号1からファイル番号99までのファイル(1〜99)エリアに、ミュージックファイル等が割り付けられている。
【0034】
また、ボリューム管理情報エリア33には、基本ボリューム記述子(PVD:Primary Volume Descriptor)が記述されたエリア36と、ボリューム記述子集合終端子(VDT:Volume Descriptor Terminal)が記述されたエリア37と、パステーブルレコードが記述されたエリア38、及びディレクトリレコードが記述されたエリア39が配置されている。
【0035】
基本ボリューム記述子36には、光ディスクのボリューム空間を記述し、ボリュームの属性、ルートディレクトリ(Root Directory)の位置、パステーブル群の位置及びボリューム集合中のボリューム数を指定する情報が記述され、この記述情報によりパステーブル及びディレクトリ等がアクセスされる。
【0036】
ボリューム記述子集合終端子(VDT)37には、記録されたボリューム記述子の集合が終了する記述子等が記述される。パステーブルレコード38には、各ディレクトリの位置とその階層構造に関する情報が記述され、この記述によりファイルを効率的に取り扱うためにディレクトリの階層の深い所に配置されたファイルも検索することが可能となる。
【0037】
また、ディレクトリレコード39には、各ファイルの記録位置(先頭位置及び末尾位置)、ファイルの記録容量及びファイル名等、ファイルの位置及び大きさ等に関するディレクトリ情報が記述されている。このディレクトリレコード38では、ディレクトリもファイルとして取り扱われ、ルートディレクトリ、ファイル番号0に相当するディスク情報ファイルのディレクトリ、ファイル番号1番以降のファイルに相当するミュージックファイル等のディレクトリなどに関する情報も記述されている。このディレクトリレコードの内容は、ディレクトリ内の各ファイルに対して設定され、ファイルの数だけ記述されている。
【0038】
図3は、ISO9660のボリューム構成図であり、図3(a)で示すように、データエリアは、ボリューム記述子、パステーブル、ディレクトリ、データで構成され、ボリューム記述子は、基本ボリューム記述子、副ボリューム記述子、ボリューム区画記述子等で構成されている。
基本ボリューム記述子は、図3(b)に示すように、ボリューム識別子や論理ブロック長、ファイル構造(図4参照)を特定するパステーブルの大きさ、パステーブルの位置等を含んでいる。
【0039】
パステーブルは、図3(c)に示すように、フォルダを構成するディレクトリ(ファイル等)のレコード位置を示すエクステント位置、親ディレクトリの番号、ディレクトリ識別子(フォルダ名)等を含み、ルートディレクトリを親ディレクトリとするディレクトリのパステーブルが複数連続的に記録される。
【0040】
ディレクトリレコードは、図3(d)に示すようにファイル開始位置を示すエクステント位置、ファイルのデータ長、記録日付及び時刻(ファイル作成日時)、ファイル識別子等を含み、ディレクトリ(フォルダ)に属する複数のファイルのディレクトリレコードが連続的に記録される。
図4は、ファイル構造例であり、ルートディレクトリは複数のディレクトリ(フォルダ:MP3 Tool、MP3 Sound…)で構成され、フォルダ:MP3 Sound は、サブフォルダ:ANGELLA、BY-Products、Big Time…で構成され、サブフォルダ:BY-Productsは、「I Just Lost Love.mp3」と「Step in Last Dance Together.mp3 」で構成されている。
【0041】
またフォルダ:MP3 Toolは、複数のMP3ファイル(File1、File2)によって構成され、他のフォルダもいくつかのMP3ファイルで構成されている。このファイル構造は、前述の基本ボリューム記述子、パステーブル、ディレクトリを解析することにより求めることができ、ファイルシステム解析部221によって解析される。
【0042】
図5は、ファイルの読み出し処理の一例を示す説明図である。
【0043】
光ディスク11に記録されているファイルを読み出す場合、先ず、システムを起動し、セッションのデータ先頭より基本ボリューム記述子を読み込み、先頭データのボリューム記述子が「1」CD001であることを確認する。次にパステーブルレコードを読み出し、続いて、ファイルのディレクトリレコードを読み出す。ディレクトリレコードから、ファイル名、ファイルの位置情報、ファイルの記録容量等のディレクトリ情報を読み出し、メモリ19に記録する。
【0044】
次に、全ファイルのディレクトリレコードの読み出しが終了したかを判断し、終了していない場合は、引き続きファイルのディレクトリレコードの読み出しを行い、終了している場合には、読み出すファイルを決定し、メモリ19に記録されているディレクトリ情報から、読み出すファイル(実データ)が記録されているアドレスにアクセスしファイルを読み出す。1つのファイルの読み出しが終了した後は、引き続き読み出しファイルを決定し、同様の処理を繰り返す。
【0045】
このようにしてファイルの読み出しが行われるが、ディスクプレーヤ100にディスク11を挿入し、再生が開始されるまでのプロセスを示すと、概略的に図6で表わすことができる。
【0046】
図6において、41はディスク11を挿入してプレーヤ内に装填されまでのローディング処理を示し、機構的な制御が行われる。次の処理42ではファイルの識別処理が行われる。実際にはディスク11を回転してデータを読み取り、ファイル(フォルダ)の解析が行われ、識別が正しく行われたファイル(フォルダ)のみが再生対象となる。つまりファイルの解析結果をもとに再生可能なファイルが識別される。処理43は、再生の処理ステップであり、識別処理によって識別した対象ファイル(フオルダ)のデータを読み込み、再生を開始する。
【0047】
ところで、ファイル識別処理42ではファイル構成を解析してファイルの識別を行うが、ディスク11に記録されたファイル数とファイルの識別に要する時間は、ファイル数が増加するにしたがって識別時間も長くなる傾向にある。
【0048】
図7は、ファイル数と識別時間の関係を測定したデータの一例を示す図である。図7においては、ファイル数、フロントエンド部(F/E部)での処理時間、バックエンド部(B/E部)での処理時間、合計処理時間を行方向に表し、ファイル数を列方向に表したものである。尚、フロントエンド部(F/E部)での処理時間とは、光ピックアップ13のサーボ調整等を行ってディスクにアクセスするまでの時間であり、バックエンド部(B/E部)での処理時間とはファイルの解析(識別)に要する時間である。
【0049】
図7から分かるように、フロントエンド部(F/E部)での処理時間は、ファイル数に関係なく大体近似している。一方、バックエンド部(B/E部)での処理(ファイル解析)に要する時間は、ファイル数が増加するにしたがって増加している。つまり、ユーザの視点からみると、ディスクを早く再生開始しようとすれば再生対象となるファイル数を減らす必要があり、再生したいファイル数を増やしたい場合は、再生開始までの時間が長くなる。
【0050】
一方、従来ではディスクプレーヤの識別ファイル数は、固定であるため、再生形態が一義的に決まってしまい、ユーザが希望する再生形態で再生できない。例えばディスクの後半のファイル識別は打ち切ってでも直ぐに再生したい場合や、多少時間がかかってもディスクの終端のファイルまで識別して再生したい場合も起こり得る。またプレーヤの初期起動時は再生開始時間を短縮し、識別ファイル数を絞り、残りのファイルの識別は後で追加識別するという要求もあり得る。本発明は、このような要求を実現するディスク再生装置を提供するものであり、以下に具体的に説明する。
【0051】
本発明では、再生開始に際して、ユーザが識別ファイル数を選択できるようにした点に特徴がある。即ち、図1で示すように操作部24にはファイル数を選択するための選択キー241、アップ/ダウンボタン242及びエンターキー243が設けられている。またディスク再生装置100は、メモリ19として最大ファイル数(例えば4096個)を識別可能な容量のSDRAMを使用している。
【0052】
ユーザが選択キー241を押すと、図8で示すように表示部23には、予め設定された識別ファイル数が、例えば、50,100,500,1000,2000,4000のように表示される。次にユーザがアップ/ダウンボタン242を操作することで、表示された識別ファイル数の中から希望するファイル数が選択され、その後エンターキー243を押すことで識別ファイル数が決定される。或いは、表示部23をタッチパネル形式とし、いずれかの希望するファイル数を押すことで識別ファイル数を選択するようにしてもよい。尚、操作部24と表示部23は、識別するファイル数を設定するためのファイル数設定部を構成する。
【0053】
これにより、システムコントローラ22は、ディスク11に記録された情報からユーザが設定した識別ファイル数だけファイルの識別を実行する。したがって、ディスクの後半のファイル識別は打ち切ってでも直ぐに再生したい場合は、例えばファイル数として50や100を選択すればよい。こうして起動時の再生開始までの時間を短縮することが可能になる。
【0054】
また、多少時間がかかってもディスクの終端のファイルまで識別して再生したい場合は、ファイル数4000を選択すればよい。こうして、起動時の再生開始時間は多少遅れるがディスクのほぼ全体のファイルを再生することができる。尚、識別ファイル数(50,100,500,1000,2000,4000)は一例を示したものであり、この数に限定されるものではない。
【0055】
また、起動時の再生開始時間を短縮したような場合、識別ファイル数が制限されるため、残りのファイルを識別して再生したいという要求も当然起こり得る。そこで本発明では、ファイルの識別処理時に解析したファイル名情報(アクセスしたアドレス情報やファイルの通し番号等)をメモリ19に保存しておき、ユーザが継続再生を希望する場合は、メモリ19に保存したファイル名情報をもとに前回識別したファイル以降のファイルを識別して再生を継続できるようにしている。
【0056】
即ち、システムコントローラ22は、ディスク11に記録された情報からユーザが設定した識別ファイル数だけファイルの識別を実行して再生するが、識別したファイル名を順次メモリ19に保存し、最後に識別したファイル名を更新しながらメモリ19に保存する。
【0057】
また、操作部24には継続再生ボタン244が設けられ、継続再生ボタン244が押された場合は、選択したファイル数の識別処理が終了したあと、継続して次のファイルを識別して再生を行う。
【0058】
例えば、再生起動時に少ない識別ファイル数を選択(例えばファイル数100を選択)した場合、選択したファイル数の再生終了時に継続再生ボタン244が押されると、システムコントローラ22は、前回識別したファイル以降のファイル(101個目のファイル)から順次に識別して次の100個のファイルを識別・再生する。
【0059】
或いは、ユーザが継続再生ボタン244を押した場合は、前回識別したファイル以降のファイルから最終のファイルまで順次に識別して再生するようにしても良い。こうして継続再生を実行することができる。
【0060】
図9は、以上の動作を説明するフローチャートである。図9において、ステップS1はファイルの識別と再生の開始ステップであり、ステップS2は、識別ファイル数の設定ステップである。ユーザがファイルの識別数を設定したい場合は、選択キー241が押され、図8で示すように表示部23に予め設定された識別ファイル数が表示され、ユーザがいずれかのファイル数を設定する。またユーザがファイルの識別数を設定しない場合は、非設定となる。
【0061】
次のステップS3では、識別ファイル数の設定が行われた否かが判別され、非設定の場合はステップS4に進み、ディスクに記録された情報から順次にファイルを識別し再生処理を行う。ステップS5では全てのファイルについて識別と再生が行われたか否かを判断し、否であればステップS4に戻って識別と再生処理を行う。全てのファイルについて識別と再生が終了するとステップS12で終了する。
【0062】
一方、ステップS3において識別ファイル数が設定されている場合は、ステップS6に移行し、ディスクに記録された情報から順次にファイルを識別し再生処理を行う。ステップS7では全てのファイルについて識別と再生が行われたか否かを判断し、否であればステップS8において設定されたファイル数のファイルを識別・再生したか否かを判断する。設定されたファイル数に満たない場合はステップS6に戻り、識別・再生処理が実行される。尚ステップS6,S7,S8のループで順次に識別・再生処理が実行されている段階において、ステップS7で全てのファイルが識別・再生された場合は、ステップS12に移行し、終了する。
【0063】
またステップS8において、設定したファイル数のファイルが識別・再生された場合は、ステップS9において、識別した最新のファイル名情報をメモリ19に保存し、設定したファイル数の識別・再生を終了する。そしてステップS10においてユーザから継続再生の指示がない場合はステップS12で処理を終了する。この場合、継続再生を希望するか否かのメッセージを表示部23に表示するようにしてもよい。
【0064】
一方、ステップS10で継続再生の指示があった場合は、ステップS11において、メモリ19に記録されたファイル名情報を読み出し、ステップS6において読み出したファイル名情報をもとに次のファイルをから順次に識別・再生処理を実行する。以降、ステップS7,S8,S9,S10,S11,S6のループで処理を繰り返すことで、設定したファイル数ずつ順次に継続再生を行う。尚、上記のループのステップS7において全てのファイルが識別・再生された場合は、ステップS12に移行し、終了する。
【0065】
こうして、ユーザの希望に応じて継続再生を実行することができ、ファイルを分割して識別・再生することができる。尚、継続再生を行う場合、残りのファイルについて識別・再生するファイル数を改めて設定し直すようにしてもよい。
【実施例2】
【0066】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。一般に、車載用機器ではディスクプレーヤ以外に他のソース機器、例えばラジオチューナ、テレビチューナ、HDDプレーヤ等を搭載しており、ユーザはいずれかのソース機器を選択して各種のソース機器からの情報を再生するようにしている。
【0067】
ファイル数の多いディスクの場合、ファイルの識別・再生に時間がかかることは前述した通りである。一方、複数機器を備えた場合、ディスクプレーヤ以外の機器を選択することも多々ある。
【0068】
そこで、ディスクプレーヤ以外の機器が選択され他のソース機器が動作している間にディスク11からの情報を読出し、残りのファイルについて識別処理を実行すれば、次にディスクプレーヤ100が選択されて再復帰したときに追加ファイルの識別・再生処理を素早く実行することができる。このように、他の機器が選択されてディスクプレーヤが非再生の時に、残りのファイルの識別処理を行うことを以下の説明ではバックグランド識別と呼ぶ。
【0069】
本発明の第2の実施形態では、上記したバックグランド識別に関するものであり、図10を参照して説明する。
【0070】
図10において、100はディスクプレーヤであり、図1の構成と同様のものである。ディスクプレーヤ100は、インターフェース25を介してバスライン101に接続されている。バスライン101にはホスト200が接続されており、ディスクプレーヤ100はホスト200からのコマンドを、インターフェース25を介してシステムコントローラ22に送ったり、ディスクプレーヤ100のデータをホスト200に送るようにしている。
【0071】
またバスライン101には、ラジオチューナ300、テレビチューナ400、HDDプレーヤ500等が接続されており、ホスト200はユーザの指示に応答してディスクプレーヤ100、ラジオチューナ300、テレビチューナ400、HDDプレーヤ500のいずれかを選択してソース切り替えを行い、任意の機器を動作させる。
【0072】
またホスト200は、ディスクプレーヤ100以外の機器を選択しディスクプレーヤ100が非再生の時に、必要に応じてディスクプレーヤ100に対してバックグランド識別を実行させるようにしている。
【0073】
バックグランド識別は、ディスクプレーヤ100の非再生時に行われるが、ユーザの不定期なソース切り替えに対処するため、以下のようなバックグランド識別を行うようにしている。
【0074】
バックグランド識別処理では、ファイルの解析結果をメモリ19の保存領域に保存するが、その保存領域を2つに区分して使用している(以下の説明では、保存領域A、保存領域Bと呼ぶ)。またバックグランド識別を行う毎に、ファイルの解析結果(解析情報)を保存領域Aと保存領域Bに交互に振り分けて保存するようにしている。
【0075】
そしてソース切り替えによってディスクプレーヤ100が選択されて再生復帰した場合に、前回保存した解析結果を用いてファイルの再生を開始するようにしている。また次にバックグランド識別を行う場合は、前回の識別結果を破棄せずに識別処理を開始し、新たなバックグランド識別が正常に終了した時点で前回の識別結果を破棄するようにしている。
【0076】
尚、バックグランド識別は、ホスト200からの指示に応答して行われものであり、このときシステムコントローラ22、メモリコントローラ18、メモリ19は、ファイルを解析してバックグランド識別を行うバックグランド処理部を構成する。
【0077】
図11は、バックグランド処理部の動作を示すフローチャートである。尚、図11において19はメモリ19(SDRAM)の構成を示しており、ファイル解析した際のディスクのアドレス情報を記憶するアドレス情報領域190と、ファイルの解析結果を保存する領域191,192(保存領域A,保存領域B)を有している。
【0078】
図11において、ステップS21はバックグランド識別処理の開始ステップであり、ステップS22では、ファイルの解析結果をもとにディスク11のアクセスすべきアドレス情報を取得する。次のステップS23では、前回の解析結果が保存された保存領域が保存領域Aか否かを判断する。
【0079】
判断の結果、前回の解析結果が保存領域Aに保存されている場合は、ステップS24に進み、次にファイル解析した結果の保存先を保存領域Bとして指定する。次のステップS25では追加の識別処理を行い、ステップS26ではアドレス情報をアドレス情報領域190に保存し、ファイルの解析結果を保存領域192(B)に保存し、ステップS30でバックグランド識別処理を終了する。
【0080】
一方、ステップS23で、前回の解析結果が保存領域Bに保存されていると判断した場合は、ステップS27に進み、次にファイル解析した結果の保存先を保存領域Aとして指定する。次のステップS28では追加の識別処理を行い、ステップS29ではアドレス情報をアドレス情報領域190に保存し、ファイルの解析結果を保存領域191(A)に保存し、ステップS30でバックグランド識別処理を終了する。こうして、バックグランド識別が行われると、その都度ファイルの解析結果が保存領域Aと保存領域Bに交互に保存される。
【0081】
図12は、ディスクプレーヤ100以外の機器が選択されていた状態から、ディスクプレーヤ100が選択され、再生復帰した場合の動作を示すフローチャートである。再生復帰時には、アドレス情報をもとに保存領域A又は保存領域Bから最新の解析結果を読み出して再生処理を行うが、再生復帰のタイミングによっては、バックグランド識別中の場合もあり、その場合は識別処理を中断することもある。
【0082】
即ち、図12において、ステップS31は再生復帰処理の開始ステップであり、ステップS32では、ディスクプレーヤ100がバックグランド識別中か否かの判断を行う。バックグランド識別中であった場合はステップS33において識別処理を中断し、次のステップS34ではバックグランド識別する前のアドレス情報と解析結果を取得し、ステップS35で再生処理を実行し、ステップS38で処理を終了する。
【0083】
一方、ステップS32において、再生復帰時に既にバックグランド識別を終了していると判断した場合は、ステップS36に進み、最新の解析結果をもとにディスクのアドレス情報を取得し、ステップS37で再生処理を実行し、ステップS38で処理を終了する。
【0084】
こうして本発明の第2の実施形態では、バックグランド識別の結果を保存領域Aと保存領域Bに交互に保存し、常に前回の解析結果をいずれか一方の保存領域に保存することにより、ソース切り替えが短期間に行われて再生復帰した場合でも旧解析結果を用いて速やかに再生処理を行うことができる。
【0085】
以上述べたように、本発明のディスク再生装置では、圧縮技術の普及に伴ってディスクの記録容量が増大した場合でも、再生開始時間の短縮を優先するか、再生対象ファイル数を優先するかといった選択が可能となり、ユーザが希望するモードで再生することができる。またディスクプレーヤ以外の他の機器を選択しているときにバックグランド識別を行うことで速やかに再生復帰することができる。
【0086】
尚、以上の説明では、圧縮Audioデータを記録したディスクの再生について説明したが、圧縮Videoデータを記録したディスクを再生する場合にも適用することができる。また以上の説明に限定されることなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスク再生装置の構成を示すブロック図。
【図2】ディスクデータのファイル構造を説明する図。
【図3】ディスクのボリューム構成を示す説明図。
【図4】ディスクのファイル構造例を示す図。
【図5】ファイルの読み出し処理の一例を示す説明図。
【図6】ディスクの再生開始までのプロセスを示す説明図。
【図7】ディスクのファイル数と識別時間の関係を示す図。
【図8】本発明の一実施形態における識別ファイル数の設定手順を示す説明図。
【図9】本発明の一実施形態におけるファイルの再生処理を示すフローチャート。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るディスク再生装置の構成を示すブロック図。
【図11】第2の実施形態におけるバックグランド処理部の動作を示すフローチャート。
【図12】第2の実施形態におけるファイルの再生処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0088】
11…ディスク
12…スピンドルモータ
13…光ピックアップ
14…送りモータ
15…サーボ制御部
16…RFアンプ
17…デジタル信号処理部
18…メモリコントローラ
19…記憶部(SDRAM)
20…デコーダ
21…出力部
22…システムコントローラ
221…ファイルシステム解析部
23…表示部
24…操作部
25…インターフェース
100…ディスク再生装置(ディスクプレーヤ)
200,300,400,500…ソース機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク媒体に記録された複数ファイルの情報を再生可能なディスク再生装置であって、
前記ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別する識別部と、
前記識別部で識別するファイル数をユーザによって設定可能なファイル数設定部と、
ファイル情報を記憶可能な記憶部と、
前記識別部で識別したファイルの情報を前記記憶部に記憶するとともに、記憶したファイル情報を読み出すメモリコントローラと、
前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生する再生処理部と、を具備し、
前記ディスク媒体のファイルを前記ファイル数設定部で設定されたファイル数だけ識別して再生処理することを特徴とするディスク再生装置。
【請求項2】
前記ファイル数設定部は、予め設定された複数の識別ファイル数を表示する表示手段と、前記表示された複数の識別ファイル数からいずれか1つの識別ファイル数を選択する選択手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のディスク再生装置。
【請求項3】
前記メモリコントローラは、前記識別部で解析したファイル名情報を前記記憶部に保存し、
前記識別部は、再識別の指示があったときに前記記憶部に保存したファイル名情報をもとに、残余のファイルの識別処理を継続して実行可能にしたことを特徴とする請求項1記載のディスク再生装置。
【請求項4】
前記ファイル名情報は、データが記録されたアドレス情報及び解析したファイルの通し番号情報を含むことを特徴とする請求項3記載のディスク再生装置。
【請求項5】
複数のソース機器に接続され、ホストからの指示に応じて再生処理を実行可能なディスク再生装置であって、
ディスク媒体に記録されたファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別する識別部と、
ファイル情報を記憶可能な記憶部と、
前記識別部で識別したファイルの情報を前記記憶部に記憶するとともに、記憶したファイル情報を読み出すメモリコントローラと、
前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生する再生処理部と、
前記ソース機器のいずれかが選択されたときに前記識別部により前記ディスク媒体のファイルを解析してバックグランド識別を行うバックグランド処理部と、
を具備し、
再生復帰時に前記バックグランド識別による解析情報を利用してファイル情報を再生することを特徴とするディスク再生装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記バックグランド識別による解析情報を保存する第1、第2の保存領域を有し、
前記バックグランド処理部は、バックグランド識別を行う毎に解析情報を前記第1、第2の保存領域に交互に保存することを特徴とする請求項5記載のディスク再生装置。
【請求項7】
前記バックグランド処理部は、前記再生復帰時に前記第1、第2の保存領域に保存された解析情報のうち最新の解析情報を読み出すことを特徴とする請求項6記載のディスク再生装置。
【請求項8】
前記バックグランド処理部は、前記第1、第2の保存領域の一方に解析情報が保存されている状態で新たなバックグランド識別が開始されたときは、他方の保存領域に新たな解析情報を保存するとともに、新たなバックグランド識別が終了した時点で前記一方の保存領域に保存された解析情報を破棄することを特徴とする請求項6記載のディスク再生装置。
【請求項9】
前記バックグランド処理部は、前記バックグランド識別の実行中に再生復帰が指示されたときに、前記バックグランド識別を中断し、
中断以前に前記第1,第2の保存領域に保存された解析情報をもとにファイル情報の再生処理を行うことを特徴とする請求項6記載のディスク再生装置。
【請求項10】
ディスク媒体に記録された複数ファイルの情報を再生可能なディスク再生方法であって、
前記ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、
前記ディスク媒体からユーザによって予め設定されたファイル数のファイルを解析して、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別し、
前記識別したファイルの情報を記憶部に記憶し、
前記記憶したファイル情報を読み出しデコードして再生することを特徴とするディスク再生方法。
【請求項11】
前記ファイル数の設定は、予め設定された複数の識別ファイル数を表示手段に表示し、前記表示された複数の識別ファイル数からいずれか1つの識別ファイル数を選択して行うことを特徴とする請求項10記載のディスク再生方法。
【請求項12】
前記ファイルシステム解析部で解析したファイル名情報を前記記憶部に保存し、再識別の指示があったときに前記記憶部に保存したファイル名情報をもとに、残余のファイルの識別処理を継続して実行し、前記ディスク媒体のファイルを分割して継続再生することを特徴とする請求項10記載のディスク再生方法。
【請求項13】
前記ファイル名情報は、データが記録されたアドレス情報及び解析したファイルの通し番号情報を含むことを特徴とする請求項12記載のディスク再生方法。
【請求項14】
複数のソース機器に接続され、ホストからの指示に応じて再生処理を実行可能なディスク再生方法であって、
ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、
前記ディスク媒体のファイルを解析して、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別し、
前記識別部で識別したファイルの情報を記憶部に記憶し、
前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生するとともに、
前記ソース機器のいずれかが選択されたときに前記ディスク媒体のファイルを解析してバックグランド識別を行い、
再生復帰時に前記バックグランド識別による解析情報を利用してファイル情報を再生することを特徴とするディスク再生方法。
【請求項15】
前記記憶部は、前記バックグランド識別による解析情報を保存する第1、第2の保存領域を有し、
前記バックグランド識別を行うごとに解析情報を前記第1、第2の保存領域に交互に保存することを特徴とする請求項14記載のディスク再生方法。
【請求項16】
前記再生復帰時に前記第1、第2の保存領域に保存された解析情報のうち最新の解析情報を読み出すことを特徴とする請求項15記載のディスク再生方法。
【請求項17】
前記第1、第2の保存領域の一方に解析情報が保存されている状態で新たなバックグランド識別が開始されたときは、他方の保存領域に新たな解析情報を保存するとともに、
新たなバックグランド識別が終了した時点で前記一方の保存領域に保存された解析情報を破棄することを特徴とする請求項15記載のディスク再生方法。
【請求項18】
前記バックグランド識別の実行中に再生復帰が指示されたときに、前記バックグランド識別を中断し、
中断以前に前記第1,第2の保存領域に保存された解析情報をもとにファイル情報の再生処理を行うことを特徴とする請求項15記載のディスク再生方法。
【請求項1】
ディスク媒体に記録された複数ファイルの情報を再生可能なディスク再生装置であって、
前記ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別する識別部と、
前記識別部で識別するファイル数をユーザによって設定可能なファイル数設定部と、
ファイル情報を記憶可能な記憶部と、
前記識別部で識別したファイルの情報を前記記憶部に記憶するとともに、記憶したファイル情報を読み出すメモリコントローラと、
前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生する再生処理部と、を具備し、
前記ディスク媒体のファイルを前記ファイル数設定部で設定されたファイル数だけ識別して再生処理することを特徴とするディスク再生装置。
【請求項2】
前記ファイル数設定部は、予め設定された複数の識別ファイル数を表示する表示手段と、前記表示された複数の識別ファイル数からいずれか1つの識別ファイル数を選択する選択手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のディスク再生装置。
【請求項3】
前記メモリコントローラは、前記識別部で解析したファイル名情報を前記記憶部に保存し、
前記識別部は、再識別の指示があったときに前記記憶部に保存したファイル名情報をもとに、残余のファイルの識別処理を継続して実行可能にしたことを特徴とする請求項1記載のディスク再生装置。
【請求項4】
前記ファイル名情報は、データが記録されたアドレス情報及び解析したファイルの通し番号情報を含むことを特徴とする請求項3記載のディスク再生装置。
【請求項5】
複数のソース機器に接続され、ホストからの指示に応じて再生処理を実行可能なディスク再生装置であって、
ディスク媒体に記録されたファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別する識別部と、
ファイル情報を記憶可能な記憶部と、
前記識別部で識別したファイルの情報を前記記憶部に記憶するとともに、記憶したファイル情報を読み出すメモリコントローラと、
前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生する再生処理部と、
前記ソース機器のいずれかが選択されたときに前記識別部により前記ディスク媒体のファイルを解析してバックグランド識別を行うバックグランド処理部と、
を具備し、
再生復帰時に前記バックグランド識別による解析情報を利用してファイル情報を再生することを特徴とするディスク再生装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記バックグランド識別による解析情報を保存する第1、第2の保存領域を有し、
前記バックグランド処理部は、バックグランド識別を行う毎に解析情報を前記第1、第2の保存領域に交互に保存することを特徴とする請求項5記載のディスク再生装置。
【請求項7】
前記バックグランド処理部は、前記再生復帰時に前記第1、第2の保存領域に保存された解析情報のうち最新の解析情報を読み出すことを特徴とする請求項6記載のディスク再生装置。
【請求項8】
前記バックグランド処理部は、前記第1、第2の保存領域の一方に解析情報が保存されている状態で新たなバックグランド識別が開始されたときは、他方の保存領域に新たな解析情報を保存するとともに、新たなバックグランド識別が終了した時点で前記一方の保存領域に保存された解析情報を破棄することを特徴とする請求項6記載のディスク再生装置。
【請求項9】
前記バックグランド処理部は、前記バックグランド識別の実行中に再生復帰が指示されたときに、前記バックグランド識別を中断し、
中断以前に前記第1,第2の保存領域に保存された解析情報をもとにファイル情報の再生処理を行うことを特徴とする請求項6記載のディスク再生装置。
【請求項10】
ディスク媒体に記録された複数ファイルの情報を再生可能なディスク再生方法であって、
前記ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、
前記ディスク媒体からユーザによって予め設定されたファイル数のファイルを解析して、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別し、
前記識別したファイルの情報を記憶部に記憶し、
前記記憶したファイル情報を読み出しデコードして再生することを特徴とするディスク再生方法。
【請求項11】
前記ファイル数の設定は、予め設定された複数の識別ファイル数を表示手段に表示し、前記表示された複数の識別ファイル数からいずれか1つの識別ファイル数を選択して行うことを特徴とする請求項10記載のディスク再生方法。
【請求項12】
前記ファイルシステム解析部で解析したファイル名情報を前記記憶部に保存し、再識別の指示があったときに前記記憶部に保存したファイル名情報をもとに、残余のファイルの識別処理を継続して実行し、前記ディスク媒体のファイルを分割して継続再生することを特徴とする請求項10記載のディスク再生方法。
【請求項13】
前記ファイル名情報は、データが記録されたアドレス情報及び解析したファイルの通し番号情報を含むことを特徴とする請求項12記載のディスク再生方法。
【請求項14】
複数のソース機器に接続され、ホストからの指示に応じて再生処理を実行可能なディスク再生方法であって、
ディスク媒体のファイルを解析するファイルシステム解析部を含み、
前記ディスク媒体のファイルを解析して、前記ディスク媒体から再生可能なファイルを識別し、
前記識別部で識別したファイルの情報を記憶部に記憶し、
前記記憶部から読み出したファイル情報をデコードして再生するとともに、
前記ソース機器のいずれかが選択されたときに前記ディスク媒体のファイルを解析してバックグランド識別を行い、
再生復帰時に前記バックグランド識別による解析情報を利用してファイル情報を再生することを特徴とするディスク再生方法。
【請求項15】
前記記憶部は、前記バックグランド識別による解析情報を保存する第1、第2の保存領域を有し、
前記バックグランド識別を行うごとに解析情報を前記第1、第2の保存領域に交互に保存することを特徴とする請求項14記載のディスク再生方法。
【請求項16】
前記再生復帰時に前記第1、第2の保存領域に保存された解析情報のうち最新の解析情報を読み出すことを特徴とする請求項15記載のディスク再生方法。
【請求項17】
前記第1、第2の保存領域の一方に解析情報が保存されている状態で新たなバックグランド識別が開始されたときは、他方の保存領域に新たな解析情報を保存するとともに、
新たなバックグランド識別が終了した時点で前記一方の保存領域に保存された解析情報を破棄することを特徴とする請求項15記載のディスク再生方法。
【請求項18】
前記バックグランド識別の実行中に再生復帰が指示されたときに、前記バックグランド識別を中断し、
中断以前に前記第1,第2の保存領域に保存された解析情報をもとにファイル情報の再生処理を行うことを特徴とする請求項15記載のディスク再生方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−271949(P2009−271949A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118582(P2008−118582)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(504113008)東芝アルパイン・オートモティブテクノロジー株式会社 (110)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(504113008)東芝アルパイン・オートモティブテクノロジー株式会社 (110)
【Fターム(参考)】
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