説明

ディスク回転制御方法、及びビデオカメラ

【課題】
本発明は、光ディスク装置を内蔵するビデオカメラにおいて、撮影中にディスクにデータを記録する際に、ディスクが回転することによって発生する振動を抑えた上で、かつ、ディスク装置が消費する電力を低減させ、かつ、リアルタイム記録を成立させた上で、ディスクに記録されるデータの品質を損なうことのないディスクの回転制御方法、及びこれを用いたビデオカメラを提供することを課題とする。
【解決手段】
ビデオカメラにおいてディスク装置を間欠的に駆動させるとともに、ディスクの回転数、及びディスクの回転数を切り替えるタイミングを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置搭載のビデオカメラにおけるディスクの回転制御に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
ディスク装置では、ディスクが回転することにより振動や騒音が発生する。この振動や騒音は、静粛性を要求されるビデオカメラでは特に問題となる。ディスク装置において、ディスクが回転することにより生じる振動の問題を回避する方法の一例が、下記特許文献に記載されている。
【0003】
特許文献1には、段落[0015]の課題を解決するための手段に、「ディスク記録媒体が第1の回転速度で回転している状態で、ディスク識別手段によってディスク記録媒体が偏芯ディスクまたは偏重心ディスクであると識別されるとき、上記設定値を第1の回転速度より遅い第2の回転速度に変更する」との記載がある。
【0004】
また、特許文献2には、段落[0004]の課題を解決するための手段に、「ディスク固有の振動が発生する所定の回転数でディスクが回転しないように制御することでディスク振動が発生せず、記録もしくは再生動作を安定した状態で行なえるようにする」との記載がある。
【0005】
【特許文献1】特開平10−92090号公報
【特許文献2】特開2001−60357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、光ディスク装置を内蔵するビデオカメラにおいて、撮影中にディスクにデータを記録する際に、ディスクが回転することによって発生する振動がビデオカメラの操作者に伝わること抑え、かつ、ディスク装置が消費する電力を低減させ、さらに、リアルタイム記録を成立させた上で、ディスクに記録されるデータの品質を損なうことのないディスクの回転制御方法、及びこれを用いたビデオカメラを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、特許請求の範囲に記載の発明により達成される。ビデオカメラにおいてディスク装置を間欠的に駆動させるとともに、ディスクの回転数、及びディスクの回転数を切り替えるタイミングを制御する。
【発明の効果】
【0008】
光ディスク装置を内蔵するビデオカメラにおいて、ユーザにとって使い勝手の良いビデオカメラを得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ビデオカメラなどの携帯機器向けのディスク装置は、電力供給が可能な時間が限られたバッテリにて駆動されることから如何に消費電力を低くするかが課題となる。また、直接、手に持って使用されることから、ディスクの回転に伴い発生する振動を、ディスクへのデータの記録に支障を来たさない程度に抑制することは勿論のことであるが、操作者に伝わらない、あるいは、操作者に許容される程度となるよう抑える必要があり、これも課題である。
【0010】
一つ目の課題である消費電力を低くするには、ディスクへのデータの記録を間欠的に行なう間欠記録が有効である。間欠記録では、ディスクに記録すべきデータを一時的にメモリに蓄積し、メモリに蓄積されるデータが、ディスクへの記録開始する目安となる所定量に到達したところで、メモリへ入力されるデータの転送レートを上回る速度でディスクに記録し、メモリに蓄積されるデータが、ディスクへの記録を停止する目安となる所定量にまで減少したところで記録を停止する。
【0011】
このようにディスクに記録すべきデータをパケットに区切り、一つのパケットを記録する間は連続して記録を行ない、一つのパケットの記録が完了すると次に記録すべきパケットがメモリに蓄積されるまでの間は記録を休止するという動作が繰り返される。ディスクにデータを記録している間においても、メモリへのデータ入力を継続して行なえば、ディスクにはデータが間欠的に記録されるにもかかわらず、ディスクへ記録すべきデータの受け取りは連続的に行なうことができ、リアルタイム記録を実現することが可能となる。
【0012】
そして、間欠記録の記録を休止している期間においてディスク装置を、ディスクの回転を停止する、レーザーの発光を停止する、電気回路への電力供給を停止する、などを実施する省電力モードに移行させておけば、ディスク装置が消費する電力を低くすることができる。また、ディスクへの記録速度が速ければ早いほど、一つのパケットを記録するために必要な時間が短くなることから、結果、ディスク装置が省電力モードにある期間が長くなり、より消費電力を低くすることができる。
【0013】
二つ目の課題であるディスクが回転することに伴い発生する振動を抑制するには、ディスクの回転数を下げることが有効である。ディスクの回転数が低ければ低いほどディスクが回転することに伴い発生する振動を低くすることができる。しかしながら、ディスクの回転数を下げると、同時にディスクへのデータの記録速度も下がる。そのため、上記の間欠記録では、一つのパケットを記録することに時間を要することとなり、その結果、ディスク装置を省電力モードに置いておくことの出来る時間が減少し、電力の消費を効率よく抑制することができなくなる。
【0014】
また、間欠記録を行ないながらも、ディスクに記録するデータを連続して受け付けるリアルタイム記録を成立させるためには、ディスクへのデータの記録速度が、少なくともメモリへのデータ入力速度を上回る必要があることから、振動を抑制するという観点のみではディスクの回転数を下げることはできない。
【0015】
本発明は、上記問題を図2に示す本発明による第一のディスク回転制御方法によって解決する。図2は、横軸をディスクの半径、左縦軸をディスクの回転数、右縦軸をディスクへのデータの記録速度としたグラフであり、以下、半径24mmから半径38mmのディスク領域を対象として本発明による制御方法の説明を進める。
【0016】
図2に201をもって示す回転数にてディスクを回すことで線速度が一定となるCLV(Constant Linear Velocity)制御が実施され、図2に202をもって示す記録速度が得られる。また、図2に203もって示す回転数にてディスクを回転させることで、同じくCLV制御が実施され、図2に204もって示す記録速度が得られる。本発明による制御方法を、記録可能な速度が2倍速のBD(Blu−ray Disc)の記録において適用する場合について説明する。
【0017】
この場合は、記録速度202が1.6倍速となるよう回転数201を設定する。また、記録速度204が2倍速となるよう回転数203を設定する。その上で、半径205までは、記録速度202にて記録を行ない、半径205以降は記録速度204にて記録を行なう。半径205まで、ディスクの記録可能速度より低い1.6速度にて記録行なうことによってディスクの回転数を低く抑え、ディスクが回転することに伴い発生する振動を抑えることができる。
【0018】
そして、半径205以降は、ディスクの記録可能速度である2倍速の記録速度であっても、ディスクの回転数は、半径205以前の領域と同様に低くできるため、ディスクの回転に伴い発生する振動が問題にはならない。また、半径205以降は、記録速度が2倍速となり、半径205以前の1.6倍速にて記録を行なう領域より一つのパケットの記録時間が短くなることから、ディスク装置を省電力モードに置いておくことができる期間をより長くすることができ、効果的な省電力化が可能である。
【0019】
また、本発明は、同問題を解決する方法として、図3に示す第二のディスク回転制御方法も提供する。図3は、横軸をディスクの半径、左縦軸をディスクの回転数、右縦軸をディスクへのデータの記録速度としたグラフであり、以下、半径24mmから半径38mmのディスク領域を対象として本発明による制御方法の説明を進める。
【0020】
図3に301をもって示す回転数にてディスクを回すと、角速度が一定となるCAV(Constant Angular Velocity)制御が実施され、図3に302をもって示す記録速度が得られる。本制御方法は、ディスクの外周へ向かう程、ディスクへのデータの記録速度が高まるため、ディスク外周に向かうほど、一つのパケットの記録時間が短くなり、ディスク装置を省電力モードに置いておくことができる期間をより長くすることができるので、より効果的にディスク装置が消費する電力を低減することができる。
【0021】
ただ、例えば、記録可能な速度が2倍速のBDでは、ディスクの回転数は、振動が問題とならない範囲であっても、2倍速を超える速度での記録は記録品質を確保することが困難になることから、図3に示すようなディスク内周からディスク外周に向けて記録速度が上がり続けるという記録が不可能な場合がある。
【0022】
そこで、本発明は、上記問題を解決するための第三の制御方法として、図4に示すディスク回転制御方法を提供する。図4は、横軸をディスクの半径、左縦軸をディスクの回転数、右縦軸をディスクへのデータの記録速度としたグラフであり、以下、半径24mmから半径38mmのディスク領域を対象として本発明による制御方法の説明を進める。
【0023】
図4に401もって示す回転数にてディスクを回転させることで角速度が一定のCAV(Constant Angular Verocity)制御が実施され、図4に402をもって示す記録速度が得られる。また、図4に403をもって示す回転数にてディスクを回転させることで、線速度が一定となるCLV制御が実施され、図4に404もって示す記録速度が得られる。
【0024】
本方法を、記録可能な速度が2倍速のBDの記録においてに適用すると、図4の401を、図4の402の記録速度が1.6倍速から始まり図4に405をもって示す半径にて2倍速となるような回転数とし、図4の403を、図4の404の記録速度が2倍速となるような回転数とする。そして、半径405までのディスク領域では記録速度402にて記録を行ない、半径405以降のディスク領域では記録速度404にて記録を行なう。
【0025】
これによって全面に亘って、ディスクの回転数が3200rpm以下というディスクの回転に伴い発生する振動が問題とならない範囲とした上で、ディスク装置が消費する電力を効果的に低減することが可能である。
【0026】
ただ、図2、及び図4に示した制御方法では、ディスクの回転制御を切り替えた場合に、一時的にディスクの回転が乱れ、この間の記録品質が劣化することが懸念される。また、回転の乱れが記録品質に影響すること回避するために、記録を一旦中断し、ディスクの回転制御を切り替えた後、記録を再開するというやり方では、リアルタイム性を損なってしまう。
【0027】
そこで本発明は、間欠記録において、記録中にディスクの回転制御を切り替えるディスクの半径に到達しても、間欠記録におけるパケット一つ分の記録し終えるまではディスクの回転制御を切り替えることをせず、次のパケットを記録し始めるその直前に回転制御を切り替えるようにする。または、パケットの記録を開始する前に、パケットの記録中に、ディスクの回転制御を切り替える半径に到達することが予測される場合は、ディスクの回転制御の切り替えを済ませた上でパケットの記録を開始するようにする。この制御方法を、図2、及び図4を用いて説明する。
【0028】
図2に206をもって示すディスク半径から、図2に207をもって示すディスク半径の直前まで、間欠記録において一つのパケットを記録する場合について説明する。半径206から記録速度202にて記録を開始すると、途中、回転制御の切り替え位置である半径205に到達する。本来であればこの半径から記録速度を204へと切り替えるところであるが、一つのパケットの記録が完了していないので、本発明の制御方法に従いそのまま記録速度202のまま半径207の直前まで記録を継続する。その後、半径207以降のディスク領域にてパケットを記録する際は、記録速度204にて記録を行なう。
【0029】
また、図4に406をもって示すディスク半径から、図2に407をもって示すディスク半径の直前まで、一つのパケットを記録する場合については、半径406から記録速度402にて記録を開始する際に、パケットのデータサイズから、記録を行なっている途中に、回転制御の切り替え位置である半径405に到達することが分かる。このような場合は、通常であれば、記録速度402を適用する領域ではあるが、記録速度を、予め404をもって示す記録速度に切り替えた上で、半径406からパケットを記録する。
【0030】
以上、図2、及び図4を用いて説明したように記録状態を避けてディスクの回転制御を切り替えを行なえば、回転制御を切り替えによるディスクの回転の乱れが記録品質に影響を及ぼすことはない。また、ディスクの回転制御が記録処理の妨げることはないので、リアルタイム記録にも適した制御方法である。
【0031】
なお、言うまでもないが、上記例において、ディスクへのデータを間欠的に記録を行ないながらも、ディスクに記録すべきデータを連続的に受け付けるリアルタイム記録を実現するためには、ディスクへのデータの記録速度が、少なくともメモリへのデータ入力速度を上回る必要があることから、常時、メモリへのデータ入力速度がディスクへのデータの記録速度を超えることのないことを前提としている。
【0032】
では、以下に、本発明を実施するための一形態について説明する。
図1は、光ディスク装置を内蔵したビデオカメラの構成を示す。図1において101をもって示す破線で囲った部分が撮像装置であり、図1において116もって示す破線で囲った部分がディスク装置である。
【0033】
図1に示す撮像装置101は、102をもって示すレンズユニット、103をもって示す撮像センサー、104をもって示す映像入力処理手段、105をもって示すマイク、106をもって示す音声入力処理手段、107をもって示す圧縮・伸張処理手段、108をもって示す映像出力処理手段、109をもって示す映像表示モニタ、110をもって示す音声出力処理手段、111をもって示すスピーカ、112をもって示すカメラ制御手段、113をもって示すレンズユニットドライバ、114をもって示すカメラ操作手段、115をもって示すディスク装置インタフェース、以上によって構成される。
【0034】
図1に示すディスク装置116は、117をもって示すディスク(ディスクはディスク装置116から取り外し可能)、118をもって示すスピンドルモータ、119をもって示す光ピックアップ、120をもって示すアナログ信号処理手段、121をもって示すデジタル信号処理手段、122をもって示すバッファメモリ、123をもって示すカメラインタフェース、124をもって示すコースモータ、125をもって示すサーボ手段、126をもって示すディスク装置制御手段、127をもって示すディスク蓋開閉センサー(ディスク蓋は図示せず)、以上によって構成される。
【0035】
ビデオカメラにディスクが入れられ、ディスクを覆うための蓋が閉じられると、ディスク装置は、ディスク蓋開閉センサー127を通じてドライブ制御手段126はディスクの挿入を検知し、ディスクの認識処理を実行する。ディスクの認識をするために、ドライブ制御手段126は、サーボ手段125に指令を送り、スピンドルモータ118の回転と、光ピックアップ119からの再生パワーでレーザー発光を実行させる。ディスクにレーザー光線が照射されると、その反射光が光ピック119において電気信号に変換され、さらにその電気信号がアナログ信号処理手段120に送られフォーカシング及びトラッキングなどのサーボ制御に必要な誤差信号が生成される。
【0036】
アナログ信号処理手段120において生成された誤差信号が、サーボ手段125に送られると、サーボ手段125においてフォーカシング、トラッキングといったサーボ制御が可能になり、ディスク装置116ではディスクからのデータの読み出しが可能な状態となり、ディスクを認識出来るようになる。
【0037】
ディスク装置116において、ディスクの認識処理が完了すると、ドライブ制御手段126はカメラインタフェース123を通じて撮像装置101に起動処理が完了したことを伝える。撮像装置101は、ディスク装置116からの起動完了を受けて、ディスク装置116を通じて光ディスク117からデータを読み出した上で、使用可能なディスクであると判断すると、撮影動作可能な状態になる。そして、ユーザーから撮影の要求があるまで、撮像装置101では、ディスク装置116に対して省電力モードに移行するよう要求する。
【0038】
撮像装置101から省電力モードへの移行要求を受けたディスク装置116は、ドライブ制御手段126の制御の下、光ピックアップ119からのレーザー発光の停止、スピンドルモータ118の停止他、各処理手段への電源供給、クロック供給を停止し、省電力モードに移行する。
【0039】
その後、ユーザーのカメラ操作手段114の操作によって撮影が開始されると、カメラ制御手段112はカメラ操作手段114を通じて撮影の開始を要求されたことを知り、レンズユニットドライバ113によって駆動されるレンズユニット102を介して映像の取り込みを開始する。取り込まれた映像は、撮像センサー103おいて電気信号に変換され、映像入力処理手段104において映像信号に変換される。同時にマイク105を介して音声が取り込まれ、取り込まれた音声は音声入力処理手段106において音声信号に変換される。
【0040】
映像入力処理手段104にて生成された映像信号、及び音声入力処理手段にて生成された音声信号は圧縮・伸張処理手段107にて圧縮処理が施され後、一時的に蓄積される。カメラ制御手段112は、圧縮・伸張処理手段107に蓄積されるデータ量を監視し、その量がディスク装置へのデータ転送開始すべき所定量に到達すると、ドライブインタフェース115を介して、記録を要求するコマンドと、データを記録する位置情報であるアドレスとをディスク装置116に送る。
【0041】
これを受けたディスク装置116では、ドライブ制御手段126の制御の下、省電力モードから復帰し、ディスクへのデータの記録が可能な状態に遷移する。続いて、撮像装置101の圧縮・伸張処理手段107に蓄積されていたデータを、カメラインタフェース123を介して受け取り、一時的にバッファメモリ122に蓄積する。
【0042】
ドライブ制御手段126は、バッファメモリに記録すデータを一時的に格納している間に撮像装置101から指示された位置情報に基づき、光ピックアップ119の移動先と、スピンドルモータ118の回転数及び回転制御方法を決定し、サーボ手段125に指示を出す。
【0043】
サーボ手段125は、ドライブ制御手段126の指示を受け、光ピックアップ119を、コースモータ124を駆動することによって光ピックアップ119を記録指定位置の前方に移動させるとともに、スピンドルモータ118を指定の回転制御方法の下、指定の回転数にて回転させる。
【0044】
これと同時に、ドライブ制御手段126は、デジタル信号処理手段121に対して撮像装置101が指定するディスク上のアドレスにデータを記録するよう指示する。指示を受けたデジタル信号処理手段121は、バッファメモリ122に蓄積されたデータに対してエラー訂正符号を付加、さらに変調処理を施し、光ピックアップ119及びアナログ信号処理手段を介して得られるアドレス信号を通じてドライブ制御手段126から指示されたアドレスを検知すると、変調処理済みのデータが光ピックアップ119に送られる。
【0045】
これにより、光ピックアップ119からは変調されたデータに基づく発光パターンのレーザービームが記録レベルにてディスク117に照射され、ディスクにデータが記録される。
【0046】
撮像装置101は、圧縮・伸張処理手段107から間欠記録における一回分の記録データ量をディスク装置116に送ると、ディスク装置116へのデータ転送を停止し、再びディスク装置116に省電力モードに移行するよう要求する。ディスク装置116では、撮像装置101から送られたデータを全てディスクに記録した後、撮像装置101の要求に従い、再び省電力モードへと移行する。
【0047】
以上の動作を繰り返すことで、ディスク装置116において、ディスクへの間欠的なデータの記録が行なわる。ディスクへデータの記録を行なわない期間においては、省電力モードへ遷移するため、ディスク装置116における電力の消費を抑制することが可能である。
【0048】
また、記録中のディスクの回転数は、本発明によるディスク回転制御方法が適用されるため、常にディスクの回転に伴う振動が問題になることはなく、記録中に回転制御方法を切り替えることはない為、ディスクの回転が乱れ、記録品質を損なうことはない。
【0049】
さらに、ディスク装置116におけるディスクへ記録するデータ・ビット・レートが、撮像装置101にて取り込まれる映像情報のデータ・ビット・レートを上回っていることが前提であるが、ディスク装置116にデータが送られている期間においても、撮像装置101において、映像の取り込み、信号の変換、信号の圧縮、データの蓄積といった一連の処理は引き続き行なうことで、ディスクのへのデータの記録は間欠的に行なわれても、リアルタイム記録が実現される。
【0050】
また、ディスクへのデータを記録している最中に、ディスクの回転制御を切り替えるために記録を中断するといったことをすることがないので、リアルタイム性を損なうこともない。
【0051】
本発明の実施例によれば、光ディスク装置を内蔵するビデオカメラにおいて、撮影中にディスクにデータを記録する際に、ディスクが回転することによって発生する振動が抑えられ、かつ、ディスク装置が消費する電力が低減される。また、リアルタイム記録が成立され、ディスクに記録されるデータの品質を損なうことのないビデオカメラを得られる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明によるビデオカメラの構成図。
【図2】本発明による第一のディスク回転制御方法。
【図3】本発明による第二のディスク回転制御方法。
【図4】本発明による第三のディスク回転制御方法。
【符号の説明】
【0053】
101… 撮像装置、 102… レンズユニット、 103… 撮像センサー、
104… 映像入力処理手段、 105… マイク、 106… 音声入力処理手段、
107… 圧縮・伸張処理手段、 108… 映像出力処理手段、
109… 映像表示モニタ、 110… 音声出力処理手段、 111… スピーカ、
112… カメラ制御手段、 113… レンズユニットドライバ、
114… カメラ操作手段、 115… ディスク装置インタフェース、
116… ディスク装置、 117… ディスク、 118… スピンドルモータ、
119… 光ピックアップ、 120… アナログ信号処理手段、
121… デジタル信号処理手段、 122… バッファメモリ、
123… カメラインタフェース、 124… コースモータ、
125… サーボ手段、 126… ディスク装置制御手段、
127… ディスク蓋開閉センサー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオカメラであって、
ディスク装置と、撮影したデータを一時的に蓄積するメモリを備え、
前記メモリのデータ量が所定量に達するまでの期間において、前記ディスク装置を省電力モードに置き、
前記メモリのデータ量が所定量に達すると、前記メモリの所定量のデータをディスク装置のディスクに記録させ、
前記ディスク装置が所定量のデータを記録すると、再び前記メモリのデータ量が所定量に達するまでの間、前記ディスク装置を省電力モードに置く、
という動作を繰り返す間欠記録を撮影中に実施し、
ディスクにデータを記録する際に、データを記録するディスク領域に応じて、ディスクの回転数、及び回転制御方法の切り替えが実施されることを特徴とするビデオカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のビデオカメラであって、
間欠記録におけるディスクへのデータの記録を行なっていない期間を利用して、ディスクの回転数、及び回転制御方法の切り替えが実施されることを特徴とするビデオカメラ。
【請求項3】
請求項1に記載のビデオカメラであって、
ディスクにデータを記録する際に、データを記録するディスク領域に応じて、ディスクにデータを記録する速度を切り替えることでディスク装置を省電力モードに置く時間を調整することを特徴とするビデオカメラ。
【請求項4】
ビデオカメラに内蔵され、ビデオカメラによって間欠的に駆動されるディスク装置におけるディスクの回転制御方法であって、
ディスクにデータを記録する際に、データを記録するディスク領域に応じて、ディスクの回転数、及び回転制御方法の切り替えることを特徴とするディスク回転制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載のディスク回転制御方法であって、
間欠記録におけるディスクへのデータの記録を行なっていない期間を利用して、ディスクの回転数、及び回転制御方法の切り替えることを特徴とするディスク回転制御方法。
【請求項6】
請求項4に記載のディスク回転制御方法であって、
ディスクにデータを記録する際に、データを記録するディスク領域に応じて、ディスクにデータを記録する速度を切り替えることでディスク装置がデータの記録に要する時間を調整することを特徴とするディスク回転制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−293563(P2008−293563A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136124(P2007−136124)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】