説明

ディスク装置、ディスク排出方法、および、プログラム

【課題】バリなどを有するために排出しづらいディスクを速やかに排出する。
【解決手段】ターンテーブル150には、ディスクの回転位置において当該ディスクが装着される。回転部11は、ターンテーブル150を回転させる。移動部12は、回転位置とターンテーブル150が格納される格納位置との間で、ターンテーブル150の回転軸に沿ってターンテーブル150を移動させる。搬送部13は、ディスクを保持した状態で、当該ディスクを、回転位置と当該ディスクが挿入される挿入口との間で、回転軸と直交する面に沿って搬送する。制御部14は、ディスクを排出する場合、当該ディスクを保持するように搬送部13を制御した後、ターンテーブル150が回転するように回転部11を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置、ディスク排出方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などのディスクを再生することが可能なディスク装置が知られている。このようなディスク装置は、挿入口からディスクが挿入されると、ディスクを所定の回転位置まで搬送し、この回転位置においてディスクのセンターホールにターンテーブルのセンターホールガイドを挿入することによりディスクをターンテーブルに装着させて、ディスクを再生可能な状態とする。
【0003】
一方、ディスク装置は、ディスクの排出指示を受け付けると、ディスクのセンターホールからターンテーブルのセンターホールガイドを引き抜くことによりディスクをターンテーブルから引き離し、回転位置にあるディスクを挿入口まで搬送する。
【0004】
ここで、ディスクのセンターホールのエッジにバリなどがあると、ディスクのセンターホールがターンテーブルのセンターホールガイドに引っ掛かり、ディスクが正常に排出されないことがある。このような問題を解決するための技術は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1には、ディスクの引っ掛かりが検知された場合、ディスクをターンテーブルに装着し直し、ディスクが装着されたターンテーブルを所定の角度だけ回転させてから再度の搬送を試みるディスク排出方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−235261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたディスク排出方法においては、引っ掛かりが発生した場合、ディスクが排出されるまでに非常に長い時間がかかってしまう。また、特許文献1に開示されたディスク排出方法においては、ディスクのセンターホールのエッジの全体にバリがある場合、正常にディスクを排出することができない可能性がある。また、特許文献1に開示されたディスク排出方法においては、引っ掛かりが強いと、ディスクを回転位置に戻すことができない場合もあった。このため、センターホールのエッジにバリなどの引っ掛かり要因があるディスクについても、速やかでより確実なディスクの排出を実現することが可能なディスク装置が望まれている。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、バリなどを有するために排出しづらいディスクを速やかでより確実に排出するのに好適なディスク装置、ディスク排出方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るディスク装置は、
ディスクの回転位置において当該ディスクが装着されるターンテーブルと、
前記ターンテーブルを回転させる回転部と、
前記回転位置と前記ターンテーブルが格納される格納位置との間で、前記ターンテーブルの回転軸に沿って前記ターンテーブルを移動させる移動部と、
前記ディスクを保持した状態で、当該ディスクを、前記回転位置と当該ディスクが挿入される挿入口との間で、前記回転軸と直交する面に沿って搬送する搬送部と、
前記ディスクを排出する場合、当該ディスクを保持するように前記搬送部を制御するとともに、前記ターンテーブルが前記回転位置から前記格納位置に移動するように前記移動部を制御し、その後、当該ディスクが当該回転位置から前記挿入口まで搬送されるように前記搬送部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、当該ディスクを保持するように前記搬送部を制御した後、前記ターンテーブルが回転するように前記回転部を制御する、
ことを特徴とする。
【0009】
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、当該ディスクが前記回転位置から前記挿入口まで搬送されるように前記搬送部を制御している間に、前記ターンテーブルが回転するように前記回転部を制御してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、前記ターンテーブルが前記回転位置から前記格納位置に移動するように前記移動部を制御している間に、当該ターンテーブルが回転するように前記回転部を制御してもよい。
【0011】
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、前記ターンテーブルが正方向と逆方向との両方で回転するように前記回転部を制御してもよい。
【0012】
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、前記ターンテーブルが回転と停止とを繰り返すように前記回転部を制御してもよい。
【0013】
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、前記ターンテーブルが所定の時間だけ回転するように前記回転部を制御してもよい。
【0014】
前記ディスクが正常に排出されたことを検知する検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、当該ディスクの排出処理が開始されてから前記検知部により当該ディスクが正常に排出されたことが検知されずに所定の時間が経過したことに応答して、前記ターンテーブルが回転するように前記回転部を制御してもよい。
【0015】
前記ディスクが正常に排出されたことを検知する検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、前記検知部により当該ディスクが正常に排出されたことが検知されたことに応答して、前記ターンテーブルが回転を終了するように前記回転部を制御してもよい。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るディスク排出方法は、
ディスクの回転位置において当該ディスクが装着されるターンテーブルを回転させる回転工程と、
前記回転位置と前記ターンテーブルが格納される格納位置との間で、前記ターンテーブルの回転軸に沿って前記ターンテーブルを移動させる移動工程と、
前記ディスクを保持した状態で、当該ディスクを、前記回転位置と当該ディスクが挿入される挿入口との間で、前記回転軸と直交する面に沿って搬送する搬送工程と、を備え、
前記ディスクを排出する場合、前記搬送工程によって、前記ディスクが保持された状態で、前記回転工程によって、前記ターンテーブルを回転させる、
ことを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
ディスクの回転位置において当該ディスクが装着されるターンテーブルと、前記ターンテーブルを回転させる回転部と、前記回転位置と前記ターンテーブルが格納される格納位置との間で、前記ターンテーブルの回転軸に沿って前記ターンテーブルを移動させる移動部と、前記ディスクを保持した状態で、当該ディスクを、前記回転位置と当該ディスクが挿入される挿入口との間で、前記回転軸と直交する面に沿って搬送する搬送部と、を有するコンピュータを、
前記ディスクを排出する場合、当該ディスクを保持するように前記搬送部を制御するとともに、前記ターンテーブルが前記回転位置から前記格納位置に移動するように前記移動部を制御し、その後、当該ディスクが当該回転位置から前記挿入口まで搬送されるように前記搬送部を制御する制御部として機能させ、
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、当該ディスクを保持するように前記搬送部を制御した後、前記ターンテーブルが回転するように前記回転部を制御する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、バリなどを有するために排出しづらいディスクを速やかでより確実に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係るディスク装置の物理的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るディスク装置の機能を説明するためのブロック図である。
【図3】(A)は、ディスクがターンテーブルにより支持されている様子を表す図である。(B)は、ディスクが搬送ローラにより保持されている様子を表す図である。(C)は、ディスクがセンターホールガイドに引っ掛かっている様子を表す図である。(D)は、ディスクがセンターホールガイドに引っ掛かったまま搬送ローラにより搬送されようとしている様子を表す図である。
【図4】(A)は、ディスクをセンターホールガイドから引き離すためにターンテーブルが回転している様子を表す図である。(B)は、ターンテーブルの回転によりディスクがセンターホールガイドから引き離された様子を表す図である。(C)は、ディスクが搬送ローラにより搬送されている様子を表す図である。
【図5】(A)は、ディスク保持駆動信号の信号レベルを示すタイミングチャートである。(B)は、ターンテーブル駆動信号の信号レベルを示すタイミングチャートである。(C)は、イジェクト駆動信号の信号レベルを示すタイミングチャートである。(D)は、スピンドルモータ駆動信号の信号レベルを示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係るディスク装置が実行するディスク排出処理を示すフローチャートである。
【図7】(A)は、ディスクがターンテーブルにより支持されている様子を表す図である。(B)は、ディスクが搬送ローラにより保持されている様子を表す図である。(C)は、ディスクがセンターホールガイドに引っ掛かっている様子を表す図である。(D)は、ディスクをセンターホールガイドから引き離すためにターンテーブルが回転している様子を表す図である。
【図8】(A)は、ターンテーブルの回転によりディスクがセンターホールガイドから引き離された様子を表す図である。(B)は、ディスクが搬送ローラにより搬送され始めた様子を表す図である。(C)は、ディスクが搬送ローラにより搬送されている様子を表す図である。
【図9】(A)は、ディスク保持駆動信号の信号レベルを示すタイミングチャートである。(B)は、ターンテーブル駆動信号の信号レベルを示すタイミングチャートである。(C)は、イジェクト駆動信号の信号レベルを示すタイミングチャートである。(D)は、スピンドルモータ駆動信号の信号レベルを示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係るディスク装置が実行するディスク排出処理を示すフローチャートである。
【図11】(A)は、スピンドルモータ駆動信号の信号レベルがパルス状に変化する様子を示す図である。(B)は、スピンドルモータ駆動信号の信号レベルが負である様子を示す図である。(C)は、スピンドルモータ駆動信号の信号レベルが正負で変化する様子を示す図である。
【図12】(A)は、ディスクが3点支持の外径搬送により搬送されている様子を示す図である。(B)は、ディスクがバネによる2点支持の外径搬送により搬送されている様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るディスク装置について説明する。
【0021】
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、本実施形態に係るディスク装置の物理的な構成について説明する。なお、図1には、ディスク装置の構成のうち、ディスク排出処理に関して重要な構成のみを示している。
【0022】
図1に示すように、ディスク装置100は、排出制御部110と、ローラ移動モータ121と、イジェクトモータ122と、テーブル昇降モータ123と、スピンドルモータ124と、搬送ローラ130と、ターンテーブル150と、イジェクトボタン160と、RTC(Real Time Clock)170と、近接センサ180と、を備える。
【0023】
排出制御部110は、ディスクの排出処理などを実行する。具体的には、排出制御部110は、イジェクトボタン160により受け付けられたユーザからのディスクの排出指示に応答して、ローラ移動モータ121、イジェクトモータ122、テーブル昇降モータ123、スピンドルモータ124などに各種の駆動信号を送信することにより、搬送ローラ130やターンテーブル150の動作を制御する。また、排出制御部110は、これらの制御の際、RTC170や近接センサ180から供給される信号を適宜参照する。
【0024】
排出制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、を備える。排出制御部110が備えるこれらの構成要素は、図示しないバスにより相互に接続される。
【0025】
CPU111は、ディスクの排出処理のためのプログラムを実行する。なお、CPU111は、ROM112に格納されているプログラムに従って動作し、RAM113をワークエリアとして使用する。
【0026】
ROM112には、ディスクの排出処理を実行するためのプログラムやデータが記憶される。
【0027】
RAM113は、CPU111のワークエリアとして機能する。つまり、CPU111は、RAM113にプログラムやデータを一時的に書き込み、これらのプログラムやデータを適宜参照する。
【0028】
ローラ移動モータ121は、排出制御部110から供給されたディスク保持駆動信号に従って、搬送ローラ130の位置を移動させる。ディスク保持駆動信号は、どのような信号であってもよい。本実施形態では、ディスク保持駆動信号は、Hレベル(例えば、5V)と、Lレベル(例えば、0V)と、の何れかの信号レベルを有するディジタル信号であるものとする。また、ローラ移動モータ121は、供給されたディスク保持駆動信号がHレベルである場合、搬送ローラ130にディスク140を狭持させ(保持させ)、供給されたディスク保持駆動信号がLレベルである場合、搬送ローラ130にディスク140を狭持させる(保持させない)ように、搬送ローラ130の位置を移動するものとする。
【0029】
イジェクトモータ122は、排出制御部110から供給されたイジェクトモータ駆動信号に従って、搬送ローラ130をディスク140が排出される方向に回転させる。イジェクトモータ駆動信号は、どのような信号であってもよい。本実施形態では、イジェクトモータ駆動信号は、Hレベル(例えば、5V)と、Lレベル(例えば、0V)と、の何れかの信号レベルを有するディジタル信号であるものとする。また、イジェクトモータ122は、供給されたイジェクトモータ駆動信号がHレベルである場合、ディスク140が排出される方向に搬送ローラ130に回転させ、供給されたイジェクトモータ駆動信号がLレベルである場合、搬送ローラ130を回転させない(停止させる)ものとする。
【0030】
テーブル昇降モータ123は、排出制御部110から供給されたテーブルダウン駆動信号に従って、ターンテーブル150を回転軸に沿って、ディスク140から遠ざかる方向に移動させる。なお、センターホールガイド151やスピンドルモータ124は、ターンテーブル150と一体に形成されているため、ターンテーブル150とともに移動する。テーブルダウン駆動信号は、どのような信号であってもよい。本実施形態では、テーブルダウン駆動信号は、Hレベル(例えば、5V)と、Lレベル(例えば、0V)と、の何れかの信号レベルを有するディジタル信号であるものとする。また、テーブル昇降モータ123は、供給されたテーブルダウン駆動信号がHレベルである場合、ターンテーブル150をディスク140から遠ざかる方向に移動させ、供給されたテーブルダウン駆動信号がLレベルである場合、ターンテーブル150を移動させない(停止させる)ものとする。
【0031】
スピンドルモータ124は、排出制御部110から供給されたスピンドルモータ駆動信号に従って、ターンテーブル150を所定の方向(例えば、時計回り方向)に回転させる。スピンドルモータ駆動信号は、どのような信号であってもよい。本実施形態では、スピンドルモータ駆動信号は、Hレベル(例えば、5V)と、Lレベル(例えば、0V)と、の何れかの信号レベルを有するディジタル信号であるものとする。また、スピンドルモータ124は、供給されたスピンドルモータ駆動信号がHレベルである場合、ターンテーブル150を回転させ、供給されたスピンドルモータ駆動信号がLレベルである場合、ターンテーブル150を回転させない(停止させる)ものとする。
【0032】
搬送ローラ130は、ローラ移動モータ121が動作することによって、ディスク140を保持する位置とディスク140を保持しない位置との間で移動する。ディスク140のイジェクト時、搬送ローラ130は、ディスク140を保持した状態で回転することにより、ディスク140を、ディスク140の回転位置からディスク140の挿入口まで搬送する。搬送ローラ130は、イジェクトモータ122が動作することによって回転する。なお、ディスク140が、挿入口から挿入された場合、搬送ローラ130は、ディスク140の排出持と反対方向に回転することにより、ディスク140を挿入口から回転位置まで搬送するが、本実施形態では説明を省略する。ここで、ディスク140の回転位置は、センターホールガイド151がディスク140のセンターホール141に挿入されてディスク140が回転する位置である。ディスク140の回転位置は、ディスク140の挿入位置から、ディスク140の回転軸に直交する面に沿って移動した位置である。
【0033】
図4においてディスク140は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などである。ディスク140は、薄型であり、略円形である。ディスク140の中央部には、センターホール141が形成されている。ここで、センターホールガイド151の半径は、センターホール141の半径とほぼ同じ大きさになるように調整される。これにより、センターホールガイド151をセンターホール141に挿嵌することが可能となる。つまり、センターホール141にセンターホールガイド151が挿入されると、センターホール141を形成するディスク140の内周面とセンターホールガイド151の外周面とが密着し、ディスク140とセンターホールガイド151とが嵌合する。これにより、ディスク140がターンテーブル150に固定(装着)される。ここで、センターホール141の縁にバリやよごれがある場合、もしくは、センターホールガイド151の外周部にバリやよごれがある場合、センターホールガイド151をセンターホール141から引き抜く際、センターホールガイド151がセンターホール141の縁に引っ掛かるという問題が生ずることがある。本実施形態に係るディスク装置100は、このような問題を解決する。
【0034】
ターンテーブル150は、ディスク140を所定の方向に回転させるためのテーブルである。ターンテーブル150は、センターホールガイド151ならびにスピンドルモータ124と一体となって形成されている。ここで、センターホールガイド151がディスク140のセンターホール141に挿入されている状態でターンテーブル150が回転すると、ターンテーブル150とともにディスク140が回転する。
【0035】
なお、ターンテーブル150は、テーブル昇降モータ123が動作することによって、ディスク140の回転位置(ターンテーブル150の回転位置)とターンテーブル150の格納位置との間で移動する。ディスク140のイジェクト時、ターンテーブル150は、ディスク140の回転位置からターンテーブル150の格納位置に向かって移動する。ここで、ディスク140の回転位置は、センターホールガイド151がディスク140のセンターホール141に挿入されているときのターンテーブル150の位置である。一方、ターンテーブル150の格納位置は、ディスク140の回転位置から、ディスク140から遠ざかる方向に回転軸に沿って移動した位置である。なお、なお、ディスク140が、挿入口から挿入された場合、ターンテーブル150は、ターンテーブル150の格納位置からディスク140の回転位置まで移動するが、本実施形態では説明を省略する。
【0036】
また、ターンテーブル150は、スピンドルモータ124が動作することによって回転する。なお、ディスク140がセンターホールガイド151に装着されている状態で、ターンテーブル150が回転すると、ターンテーブル150とともにディスク140も回転する。また、ディスク140のセンターホール141の縁がセンターホールガイド151に引っ掛かっているときにターンテーブル150が回転すると、振動が発生し、ディスク140がセンターホールガイド151から外れることが期待される。
【0037】
イジェクトボタン160は、ユーザからイジェクト操作、つまり、ディスク140をディスク装置100から取り出すための指示操作を受け付ける。イジェクトボタン160は、ユーザによる押圧操作を受けると、押圧操作が発生した旨の信号を排出制御部110に送信する。
【0038】
RTC170は、計時用のデバイスであり、時刻を表す信号を排出制御部110に供給する。一方、排出制御部110は、RTC170から供給された信号に基づいて、種々の時間を計測する。
【0039】
近接センサ180は、ディスク140が排出されたことを検知し、検知結果を示す信号を排出制御部110に送信する。例えば、近接センサ180は、ディスク装置100の、ディスク140の挿入口の近傍に設置される。そして、近接センサ180は、近接センサ180の近傍をディスク140が通過したことを検知すると、ディスク140が排出された旨を示す信号を排出制御部110に送信する。
【0040】
次に、図2を参照して、ディスク装置100が備える機能について説明する。
【0041】
図2に示すように、ディスク装置100は、ターンテーブル150、回転部11、移動部12、搬送部13、制御部14、計時部15、検知部16、を備える。
【0042】
ターンテーブル150は、ディスク140の回転位置において当該ディスクが装着され、この状態でディスク140を回転させる。
【0043】
回転部11は、ターンテーブル150を回転させる。回転部11は、例えば、スピンドルモータ124などにより構成される。
【0044】
移動部12は、回転位置とターンテーブル150が格納される格納位置との間で、ターンテーブル150の回転軸に沿ってターンテーブル150を移動させる。移動部12は、例えば、テーブル昇降モータ123などにより構成される。
【0045】
搬送部13は、ディスク140を保持した状態で、ディスク140を、回転位置とディスク140が挿入される挿入口との間で、回転軸と直交する面に沿って搬送する。なお、ディスク140がターンテーブル150により水平方向に固定される場合、ディスク140は、水平方向に搬送され、回転軸は鉛直方向に伸びることになる。搬送部13は、例えば、ローラ移動モータ121、イジェクトモータ122、搬送ローラ130などにより構成される。
【0046】
制御部14は、ディスク140を排出する場合、当該ディスク140を保持するように搬送部13を制御するとともに、ターンテーブル150が回転位置から格納位置に移動するように移動部12を制御し、その後、当該ディスク140が当該回転位置から挿入口まで搬送されるように搬送部13を制御する。
【0047】
ここで、制御部14は、ディスク140を排出する場合、当該ディスク140を保持するように搬送部13を制御した後、ターンテーブル150が回転するように回転部11を制御する。制御部14は、例えば、排出制御部110により構成される。
【0048】
計時部15は、現在時刻を計時する。計時部15は、例えば、RTC170により構成される。
【0049】
検知部16は、ディスク140が正常に排出されたことを検知する。検知部16は、例えば、近接センサ180により構成される。
【0050】
次に、図3(A)〜(D)、図4(A)〜(C)を参照して、ディスク装置100からディスク140をスムーズに排出するために、ディスク装置100が実行する動作を説明する。
【0051】
まず、イジェクトボタン160がユーザによって押圧されたとき、ディスク装置100の状態が図3(A)に示す状態であるものとする。図3(A)は、ディスク140がターンテーブル150に装着されており(ディスク140のセンターホール141にセンターホールガイド151が挿入されており)、ターンテーブル150が回転しておらず、搬送ローラ130によりディスク140が保持されていない状態を示している。
【0052】
ここで、イジェクトボタン160が押圧されたことが検知されると、ディスク装置100は、図3(A)に示す状態から図3(B)に示す状態に移行する。つまり、図3(B)に示すように、ディスク装置100は、搬送ローラ130によりディスク140が保持された状態となる。
【0053】
次に、ディスク装置100は、図3(B)に示す状態から図3(C)に示す状態に移行する。つまり、図3(C)に示すように、ディスク装置100は、ターンテーブル150など(つまり、スピンドルモータ124、ターンテーブル150、センターホールガイド151)がディスク140の回転位置からターンテーブル150の格納位置まで移動した状態となる。なお、図3(C)には、ディスク140のセンターホール141の縁にバリなどがあるために、ディスク140のセンターホール141の縁がセンターホールガイド151に引っ掛かり、センターホールガイド151からディスク140が外れていない状態を示している。
【0054】
その後、ディスク装置100は、図3(C)に示す状態から図3(D)に示す状態に移行する。つまり、図3(D)に示すように、ディスク装置100は、ディスク140を回転位置から挿入口まで搬送するために、搬送ローラ130を回転させてディスク140を排出しようとするものの、ディスク140のセンターホール141の縁がセンターホールガイド151に引っ掛かっているために、ディスク140を排出できない状態となる。
【0055】
ここで、ディスク装置100は、図3(D)に示す状態から図4(A)に示す状態に移行する。つまり、図4(A)に示すように、ディスク装置100は、センターホールガイド151からディスク140を外すために、ターンテーブル150が回転した状態となる。
【0056】
すると、ディスク装置100は、図4(A)に示す状態から図4(B)に示す状態に移行する。つまり、図4(B)に示すように、ディスク装置100は、ターンテーブル150が回転し、ディスク140とセンターホールガイド151との間で振動が発生したために、センターホールガイド151からディスク140が外れた状態となる。
【0057】
しばらくすると、ディスク装置100は、図4(B)に示す状態から図4(C)に示す状態に移行する。つまり、図4(C)に示すように、ディスク装置100は、搬送ローラ130の回転によりディスク140が挿入口まで搬送された状態となる。なお、図4(C)には、近接センサ180により、ディスク140が挿入口の近傍まで搬送されたことが検知されている様子も示している。
【0058】
ここで、図5(A)〜(D)を参照して、ディスク140の排出指示がなされてからディスク140が排出されるまでの間に排出制御部110により出力される信号について説明する。
【0059】
まず、排出制御部110は、排出指示を検知すると、ディスク保持駆動信号をLレベルからHレベルとする(t11)。すると、図3(B)に示すように、ローラ移動モータ121が駆動されて、搬送ローラ130がディスク140を狭持する位置に移動する。
【0060】
その後、排出制御部110は、テーブルダウン駆動信号をLレベルからHレベルとする(t12)。すると、図3(C)に示すように、テーブル昇降モータ123が駆動されて、ターンテーブル150が回転位置から格納位置に向かって移動する。
【0061】
排出制御部110は、テーブルダウン駆動信号をLレベルからHレベルに変化させた後、所定の時間(以下「下降時間」という。)経過したと判別すると、テーブルダウン駆動信号をHレベルからLレベルに戻す(t13)。
【0062】
そして、排出制御部110は、イジェクトモータ駆動信号をLレベルからHレベルとする(t14)。すると、図3(D)に示すように、イジェクトモータ122が駆動されて、搬送ローラ130が回転する。ただし、ディスク140のセンターホール141の縁がセンターホールガイド151に引っ掛かっている場合、ディスク140は移動しない。
【0063】
ここで、排出制御部110は、スピンドルモータ駆動信号をLレベルからHレベルとする(t15)。すると、図4(A)に示すように、スピンドルモータ124が駆動されて、ターンテーブル150などが回転する。ここで、ターンテーブル150が回転すると、ディスク140とセンターホールガイド151との間で振動が発生する。この振動により、図4(B)に示すように、センターホールガイド151からディスク140が外れる。
【0064】
なお、t15からt16の間は、2つのモータが同時に駆動しているため、引っ掛かり部分に振動が発生しやすい状態になる。また、ディスク140は、搬送ローラ130により保持されている状態であるため、ターンテーブル150が回転しても、ディスク140は回転しない。ディスク140が回転しないため、引っ掛かり部分に振動が発生する。
【0065】
排出制御部110は、スピンドルモータ駆動信号をLレベルからHレベルに変化させた後、所定の時間(以下「回転時間」という。)経過したと判別すると、スピンドルモータ駆動信号をHレベルからLレベルに戻す(t16)。
【0066】
その後、排出制御部110は、近接センサ180などからの信号によりディスク140が正常に排出されたことが検知するとイジェクトモータ駆動信号をHレベルからLレベルに戻す(t17)。
【0067】
次に、図6に示すフローチャートを用いて、ディスク装置100が実行するディスク排出処理について説明する。ディスク装置100は、イジェクトボタン160が押圧されたことを検知すると、ディスク排出処理を実行する。
【0068】
まず、排出制御部110は、ターンテーブル150の回転を停止する(ステップS101)。具体的には、排出制御部110は、スピンドルモータ124に供給するスピンドルモータ駆動信号の信号レベルをLレベルとする。
【0069】
排出制御部110は、ステップS101の処理を終了すると、ディスク140を保持する(ステップS102)。具体的には、排出制御部110は、ローラ移動モータ121に供給するディスク保持駆動信号の信号レベルをHレベルとする。
【0070】
排出制御部110は、ステップS102の処理を終了すると、ターンテーブル150の下降を開始する(ステップS103)。具体的には、排出制御部110は、テーブル昇降モータ123に供給するテーブルダウン駆動信号の信号レベルをHレベルとする。なお、排出制御部110は、ターンテーブル150の下降を開始した時刻をRTC170から取得しておく。取得された時刻は、例えば、RAM113に記憶される。
【0071】
排出制御部110は、ステップS103の処理を終了すると、下降時間が経過したか否かを判別する(ステップS104)。具体的には、排出制御部110は、RAM113に記憶されているターンテーブル150の下降開始時刻とRTC170から取得される時刻との時間差が下降時間を超えているか否かを判別する。
【0072】
排出制御部110は、下降時間が経過していないと判別すると(ステップS104:NO)、ステップS104に処理を戻し、再度、下降時間が経過しているか否かを判別する。
【0073】
一方、排出制御部110は、下降時間が経過したと判別すると(ステップS104:YES)、ターンテーブル150の下降を終了する(ステップS105)。具体的には、排出制御部110は、テーブル昇降モータ123に供給するテーブルダウン駆動信号の信号レベルをLレベルに戻す。
【0074】
排出制御部110は、ステップS105の処理を終了すると、ディスク140の搬送を開始する(ステップS106)。具体的には、排出制御部110は、イジェクトモータ122に供給するイジェクトモータ駆動信号の信号レベルをHレベルとする。なお、排出制御部110は、搬送ローラ130によるディスク140の搬送を開始した時刻をRTC170から取得しておく。取得された時刻は、例えば、RAM113に記憶される。
【0075】
排出制御部110は、ステップS106の処理を終了すると、ターンテーブル150の回転を開始する(ステップS107)。具体的には、排出制御部110は、スピンドルモータ124に供給するスピンドルモータ駆動信号の信号レベルをHレベルとする。なお、排出制御部110は、ターンテーブル150の回転を開始した時刻をRTC170から取得しておく。取得された時刻は、例えば、RAM113に記憶される。
【0076】
排出制御部110は、ステップS107の処理を終了すると、回転時間が経過したか否かを判別する(ステップS108)。具体的には、排出制御部110は、RAM113に記憶されているターンテーブル150の回転開始時刻とRTC170から取得される時刻との時間差が回転時間を超えているか否かを判別する。
【0077】
排出制御部110は、回転時間が経過していないと判別すると(ステップS108:NO)、ステップS108に処理を戻し、再度、回転時間が経過しているか否かを判別する。
【0078】
一方、排出制御部110は、回転時間が経過したと判別すると(ステップS108:YES)、ターンテーブル150の回転を終了する(ステップS109)。具体的には、排出制御部110は、スピンドルモータ124に供給するスピンドルモータ駆動信号の信号レベルをLレベルに戻す。
【0079】
排出制御部110は、ステップS109の処理を終了すると、ディスク140の排出が検知されたか否かを判別する(ステップS110)。具体的には、排出制御部110は、近接センサ180から供給される信号が、ディスク140が排出されたことを示しているか否かを判別する。なお、近接センサ180は、例えば、挿入口の近傍にディスク140が搬送されたことを検知した場合にHレベルのディジタル信号を排出制御部110に供給し、挿入口の近傍にディスク140が搬送されていない場合にLレベルのディジタル信号を排出制御部110に供給する。
【0080】
排出制御部110は、ディスク140の排出が検知されていないと判別すると(ステップS110:NO)、ステップS110に処理を戻し、再度、ディスク140の排出が検知されたか否かを判別する。
【0081】
一方、排出制御部110は、ディスク140の排出が検知されたと判別すると(ステップS110:YES)、ディスク140の搬送を終了する(ステップS111)。具体的には、排出制御部110は、イジェクトモータ122に供給するイジェクトモータ駆動信号の信号レベルをLレベルに戻す。
【0082】
排出制御部110は、ステップS111の処理を終了すると、ディスク排出処理を終了する。
【0083】
本実施形態に係るディスク装置100によれば、ディスク140を搬送しようとしているときに、ディスク140がセンターホールガイド151に引っ掛かっている場合でも、ターンテーブル150の回転により発生する振動により、ディスク140をセンターホールガイド151から外して、排出することができる。
【0084】
なお、ディスク140に搬送方向の力が加わっている状態において、ターンテーブル150が回転することで、引っ掛かり部分に振動が発生し易くなることが期待できる。
【0085】
なお、ディスク140がセンターホールガイド151に引っ掛かる要因としては、種々のものが考えられる。まず、センターホール141の内径とセンターホールガイド151の外径とが差が極めて小さいこと(クリアランスが小さいこと)が引っ掛かりを引きやすくしている。また、ディスク140のセンターホール141の縁にバリや傷がある場合の他、当該縁に埃などが付着している場合が考えられる。あるいは、センターホールガイド151の外周部にバリや傷がある場合、当該外周部に埃などが付着している場合もある。
【0086】
さらに、センターホール141の中心がディスク140の中心からずれている場合(偏心している場合)、センターホール141の縁がゆがんでいる場合も、引っ掛かりの原因となりうる。さらに、センターホールガイド151に、偏心やゆがみがある場合も、引っ掛かりの原因となりうる。
【0087】
いずれの場合も、ターンテーブル150を回転させて、ディスク140に振動を発生させたり、ディスク140とセンターホールガイド151との摩擦力を変化させたりすることにより、引っ掛かりを解除することが期待できる。
【0088】
(第2実施形態)
第1実施形態では、ディスク140の搬送中に、ターンテーブル150を回転させる例を示した。しかし、本発明において、ターンテーブル150を回転させるタイミングは、これに限られない。本実施形態では、ターンテーブル150の下降中に、ターンテーブル150を回転させる例を示す。なお、ディスク装置100の基本的な構成は、第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の構成、動作については、適宜、説明を省略する。
【0089】
まず、図7(A)〜(D)、図8(A)〜(C)を参照して、ディスク装置100からディスク140をスムーズに排出するために、ディスク装置100が実行する動作を説明する。
【0090】
まず、イジェクトボタン160がユーザによって押圧されたとき、ディスク装置100の状態が図7(A)に示す状態であるものとする。図7(A)は、ディスク140がターンテーブル150に装着されており(ディスク140のセンターホール141にセンターホールガイド151が挿入されており)、ターンテーブル150が回転しておらず、搬送ローラ130によりディスク140が保持されていない状態を示している。
【0091】
ここで、イジェクトボタン160が押圧されたことが検知されると、ディスク装置100は、図7(A)に示す状態から図7(B)に示す状態に移行する。つまり、図7(B)に示すように、ディスク装置100は、搬送ローラ130によりディスク140が保持された状態となる。
【0092】
次に、ディスク装置100は、図7(B)に示す状態から図7(C)に示す状態に移行する。つまり、図7(C)に示すように、ディスク装置100は、ターンテーブル150など(つまり、スピンドルモータ124、ターンテーブル150、センターホールガイド151)がディスク140の回転位置からターンテーブル150の格納位置まで移動した状態となる。なお、図7(C)には、ディスク140のセンターホール141の縁にバリなどがあるために、ディスク140のセンターホール141の縁がセンターホールガイド151に引っ掛かり、センターホールガイド151からディスク140が外れていない状態を示している。
【0093】
ここで、ディスク装置100は、図7(C)に示す状態から図7(D)に示す状態に移行する。つまり、図7(D)に示すように、ディスク装置100は、ディスク140をターンテーブル150から外すために、スピンドルモータ124が回転した状態となる。
【0094】
すると、ディスク装置100は、図7(D)に示す状態から図8(A)に示す状態に移行する。つまり、図8(A)に示すように、ディスク装置100は、ディスク140とセンターホールガイド151との間で振動が発生したために、センターホールガイド151からディスク140が外れた状態となる。
【0095】
その後、ディスク装置100は、図8(A)に示す状態から図8(B)に示す状態に移行する。つまり、図8(B)に示すように、ディスク装置100は、搬送ローラ130が回転し、ディスク140の搬送が開始された状態となる。
【0096】
しばらくすると、ディスク装置100は、図8(B)に示す状態から図8(C)に示す状態に移行する。つまり、図8(C)に示すように、ディスク装置100は、搬送ローラ130の回転によりディスク140が挿入口まで搬送された状態となる。なお、図8(C)には、近接センサ180により、ディスク140が挿入口の近傍まで搬送されたことが検知されている様子も示している。
【0097】
ここで、図9(A)〜(D)を参照して、ディスク140の排出指示がなされてからディスク140が排出されるまでの間に排出制御部110により出力される信号について説明する。
【0098】
まず、排出制御部110は、排出指示を検知すると、ディスク保持駆動信号をLレベルからHレベルとする(t21)。すると、図9(B)に示すように、ローラ移動モータ121が駆動されて、搬送ローラ130がディスク140を狭持する位置に移動する。
【0099】
その後、排出制御部110は、テーブルダウン駆動信号をLレベルからHレベルとする(t22)。すると、図9(C)に示すように、テーブル昇降モータ123が駆動されて、ターンテーブル150が回転位置から格納位置に向かって移動する。
【0100】
ここで、排出制御部110は、スピンドルモータ駆動信号をLレベルからHレベルとする(t23)。すると、図7(D)に示すように、スピンドルモータ124が駆動されて、ターンテーブル150などが回転する。ここで、ターンテーブル150が回転すると、ディスク140とセンターホールガイド151との間で振動が発生する。この振動により、図8(A)に示すように、センターホールガイド151からディスク140が外れる。
【0101】
排出制御部110は、テーブルダウン駆動信号をLレベルからHレベルに変化させた後、下降時間経過したと判別すると、テーブルダウン駆動信号をHレベルからLレベルに戻す(t24)。
【0102】
なお、t23からt24の間は、2つのモータが同時に駆動しているため、引っ掛かり部分に振動が発生しやすい状態になる。また、ディスク140は、搬送ローラ130により保持されている状態であるため、ターンテーブル150が回転しても、ディスク140は回転しない。ディスク140が回転しないため、引っ掛かり部分に振動が発生する。
【0103】
また、排出制御部110は、スピンドルモータ駆動信号をLレベルからHレベルに変化させた後、回転時間経過したと判別すると、スピンドルモータ駆動信号をHレベルからLレベルに戻す(t25)。
【0104】
そして、排出制御部110は、イジェクトモータ駆動信号をLレベルからHレベルとする(t26)。すると、図8(B)に示すように、イジェクトモータ122が駆動されて、搬送ローラ130が回転する。
【0105】
その後、排出制御部110は、図8(C)に示すように、近接センサ180などからの信号によりディスク140が正常に排出されたことが検知すると、イジェクトモータ駆動信号をHレベルからLレベルに戻す(t27)。
【0106】
次に、図10に示すフローチャートを用いて、ディスク装置100が実行するディスク排出処理について説明する。ディスク装置100は、イジェクトボタン160が押圧されたことを検知すると、ディスク排出処理を実行する。
【0107】
まず、排出制御部110は、ターンテーブル150の回転を停止する(ステップS201)。具体的には、排出制御部110は、スピンドルモータ124に供給するスピンドルモータ駆動信号の信号レベルをLレベルとする。
【0108】
排出制御部110は、ステップS201の処理を終了すると、ディスク140を保持する(ステップS202)。具体的には、排出制御部110は、ローラ移動モータ121に供給するディスク保持駆動信号の信号レベルをHレベルとする。
【0109】
排出制御部110は、ステップS202の処理を終了すると、ターンテーブル150の下降を開始する(ステップS203)。具体的には、排出制御部110は、テーブル昇降モータ123に供給するテーブルダウン駆動信号の信号レベルをHレベルとする。なお、排出制御部110は、ターンテーブル150の下降を開始した時刻をRTC170から取得しておく。取得された時刻は、例えば、RAM113に記憶される。
【0110】
排出制御部110は、ステップS203の処理を終了すると、ターンテーブル150の回転を開始する(ステップS204)。具体的には、排出制御部110は、スピンドルモータ124に供給するスピンドルモータ駆動信号の信号レベルをHレベルとする。なお、排出制御部110は、ターンテーブル150の回転を開始した時刻をRTC170から取得しておく。取得された時刻は、例えば、RAM113に記憶される。
【0111】
排出制御部110は、ステップS204の処理を終了すると、下降時間が経過したか否かを判別する(ステップS205)。具体的には、排出制御部110は、RAM113に記憶されているターンテーブル150の下降開始時刻とRTC170から取得される時刻との時間差が下降時間を超えているか否かを判別する。
【0112】
排出制御部110は、下降時間が経過していないと判別すると(ステップS205:NO)、ステップS205に処理を戻し、再度、下降時間が経過しているか否かを判別する。
【0113】
一方、排出制御部110は、下降時間が経過したと判別すると(ステップS205:YES)、ターンテーブル150の下降を終了する(ステップS206)。具体的には、排出制御部110は、テーブル昇降モータ123に供給するテーブルダウン駆動信号の信号レベルをLレベルに戻す。
【0114】
排出制御部110は、ステップS206の処理を終了すると、回転時間が経過したか否かを判別する(ステップS207)。具体的には、排出制御部110は、RAM113に記憶されているターンテーブル150の回転開始時刻とRTC170から取得される時刻との時間差が回転時間を超えているか否かを判別する。
【0115】
排出制御部110は、回転時間が経過していないと判別すると(ステップS207:NO)、ステップS207に処理を戻し、再度、回転時間が経過しているか否かを判別する。
【0116】
一方、排出制御部110は、回転時間が経過したと判別すると(ステップS207:YES)、ターンテーブル150の回転を終了する(ステップS208)。具体的には、排出制御部110は、スピンドルモータ124に供給するスピンドルモータ駆動信号の信号レベルをLレベルに戻す。
【0117】
排出制御部110は、ステップS208の処理を終了すると、ディスク140の搬送を開始する(ステップS209)。具体的には、排出制御部110は、イジェクトモータ122に供給するイジェクトモータ駆動信号の信号レベルをHレベルとする。なお、排出制御部110は、搬送ローラ130によるディスク140の搬送を開始した時刻をRTC170から取得しておく。取得された時刻は、例えば、RAM113に記憶される。
【0118】
排出制御部110は、ステップS209の処理を終了すると、ディスク140の排出が検知されたか否かを判別する(ステップS210)。具体的には、排出制御部110は、近接センサ180から供給される信号が、ディスク140が排出されたことを示しているか否かを判別する。なお、近接センサ180は、例えば、挿入口の近傍にディスク140が搬送されたことを検知した場合にHレベルのディジタル信号を排出制御部110に供給し、挿入口の近傍にディスク140が搬送されていない場合にLレベルのディジタル信号を排出制御部110に供給する。
【0119】
排出制御部110は、ディスク140の排出が検知されていないと判別すると(ステップS210:NO)、ステップS210に処理を戻し、再度、ディスク140の排出が検知されたか否かを判別する。
【0120】
一方、排出制御部110は、ディスク140の排出が検知されたと判別すると(ステップS210:YES)、ディスク140の搬送を終了する(ステップS211)。具体的には、排出制御部110は、イジェクトモータ122に供給するイジェクトモータ駆動信号の信号レベルをLレベルに戻す。
【0121】
排出制御部110は、ステップS211の処理を終了すると、ディスク排出処理を終了する。
【0122】
本実施形態に係るディスク装置100によれば、ディスク140のセンターホール141の縁にバリなどがある場合でも、ターンテーブル150の回転により発生する振動により、ディスク140がセンターホールガイド151に引っ掛かることが抑制され、ディスク140の排出が速やかに実行される。
【0123】
なお、ディスク140にディスク面に直交する方向の力が加わっている状態において、ターンテーブル150が回転することで、引っ掛かり部分に振動が発生し易くなることが期待できる。
【0124】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に開示したものに限られない。
【0125】
第1、2実施形態では、スピンドルモータ駆動信号が所定の期間Hレベルとなるパルス状の信号である例を示した。しかし、スピンドルモータ駆動信号は、この例に限られない。
【0126】
例えば、図11(A)に示すように、スピンドルモータ駆動信号は、所定の期間、HレベルとLレベルとを繰り返すパルス状の信号であってもよい。かかる構成によれば、ターンテーブル150が回転と停止を繰り返すため、摩擦力の変化などにより、ディスク140がターンテーブル150から外れやすくなる。
【0127】
あるいは、スピンドルモータ駆動信号は、正回転と逆回転とを指示する信号であってもよい。ここで、正回転は、ディスク140を再生する際に、ターンテーブル150を回転させる方向であり、逆回転は、正回転とは逆周りの回転とする。また、スピンドルモータ駆動信号は、+5Vで正回転を指示し、−5Vで逆回転を指示し、0Vで回転しないことを指示する信号とする。
【0128】
ここで、例えば、図11(B)に示すように、スピンドルモータ駆動信号は、所定の期間、−5Vとなるパルス状の信号であってもよい。この場合、所定の期間ターンテーブル150が逆回転することになるため、正回転では外しづらい引っ掛かりを外すことができる。
【0129】
あるいは、図11(C)に示すように、スピンドルモータ駆動信号は、所定の期間において、+5Vと−5Vとの双方のパルスを出力する信号であってもよいこの場合、正回転では外しづらい引っ掛かりと、逆回転では外しづらい引っ掛かりと、の双方を外すことができる。さらに、スピンドルモータ駆動信号は、正負のパルスを繰り返す信号であってもよい。
【0130】
第1、2の実施形態では、ディスク140をローラ搬送により搬送する例を示した。しかし、本発明は、ディスク140を外径搬送する場合にも適用可能である。
【0131】
例えば、図12(A)に示すように、ディスク140の外径を3つの搬送用支持部材131で支持して、ディスク140を排出する場合にも、本発明を適用することができる。このような搬送方式の場合でも、ディスク140が反った状態で、センターホールガイド151に引っ掛かることがあるからである。なお、この搬送方式では、この搬送用支持部材131をモータ、プーリ、ガイドなどにより、回転位置から挿入口に向かって移動させることにより、ディスク140を排出する。
【0132】
また、図12(B)に示すように、それぞれがバネ133によって固定された2つの搬送ローラ132によってディスク140を外径搬送する場合にも本発明を適用可能である。
【0133】
第1実施形態では、搬送ローラ130によるディスク140の搬送中に、ターンテーブル150を回転させる例を示し、第2実施形態では、ターンテーブル150の下降中に、ターンテーブル150を回転させる例を示した。しかし、ターンテーブル150を回転させるタイミングはこれらの例に限られない。例えば、ターンテーブル150が下降した後、搬送ローラ130によりディスク140が搬送される前に、ターンテーブル150を回転させてもよい。あるいは、ターンテーブル150の下降中と、搬送ローラ130によるディスク140の搬送中と、にまたがって、ターンテーブル150を回転させてもよい。
【0134】
また、第1、2実施形態では、あらかじめ定められた回転時間、ターンテーブル150を回転させる例を示した。しかし、ターンテーブル150の回転を開始するタイミングと終了するタイミングとは適宜調整が可能である。例えば、搬送ローラ130がディスク140の排出のための回転を開始してから所定の時間が経過しても、近接センサ180によりディスク140の排出が確認されない場合に、ターンテーブル150の回転を開始するようにしてもよい。また、近接センサ180によりディスク140の排出が確認された場合、直ちに、ターンテーブル150の回転を停止するようにしてもよい。
【0135】
なお、本発明に係るディスク装置は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いても実現可能である。例えば、コンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read−Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶して配布し、これをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行するディスク装置を構成しても良い。
【0136】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを記憶しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【符号の説明】
【0137】
11 回転部
12 移動部
13 搬送部
14 制御部
15 計時部
16 検知部
100 ディスク装置
110 排出制御部
111 CPU
112 ROM
113 RAM
121 ローラ移動モータ
122 イジェクトモータ
123 テーブル昇降モータ
124 スピンドルモータ
130、132 搬送ローラ
131 搬送用支持部材
133 バネ
140 ディスク
141 センターホール
150 ターンテーブル
151 センターホールガイド
160 イジェクトボタン
170 RTC
180 近接センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクの回転位置において当該ディスクが装着されるターンテーブルと、
前記ターンテーブルを回転させる回転部と、
前記回転位置と前記ターンテーブルが格納される格納位置との間で、前記ターンテーブルの回転軸に沿って前記ターンテーブルを移動させる移動部と、
前記ディスクを保持した状態で、当該ディスクを、前記回転位置と当該ディスクが挿入される挿入口との間で、前記回転軸と直交する面に沿って搬送する搬送部と、
前記ディスクを排出する場合、当該ディスクを保持するように前記搬送部を制御するとともに、前記ターンテーブルが前記回転位置から前記格納位置に移動するように前記移動部を制御し、その後、当該ディスクが当該回転位置から前記挿入口まで搬送されるように前記搬送部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、当該ディスクを保持するように前記搬送部を制御した後、前記ターンテーブルが回転するように前記回転部を制御する、
ことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、当該ディスクが前記回転位置から前記挿入口まで搬送されるように前記搬送部を制御している間に、前記ターンテーブルが回転するように前記回転部を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、前記ターンテーブルが前記回転位置から前記格納位置に移動するように前記移動部を制御している間に、当該ターンテーブルが回転するように前記回転部を制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、前記ターンテーブルが正方向と逆方向との両方で回転するように前記回転部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のディスク装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、前記ターンテーブルが回転と停止とを繰り返すように前記回転部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のディスク装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、前記ターンテーブルが所定の時間だけ回転するように前記回転部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のディスク装置。
【請求項7】
前記ディスクが正常に排出されたことを検知する検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、当該ディスクの排出処理が開始されてから前記検知部により当該ディスクが正常に排出されたことが検知されずに所定の時間が経過したことに応答して、前記ターンテーブルが回転するように前記回転部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のディスク装置。
【請求項8】
前記ディスクが正常に排出されたことを検知する検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、前記検知部により当該ディスクが正常に排出されたことが検知されたことに応答して、前記ターンテーブルが回転を終了するように前記回転部を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のディスク装置。
【請求項9】
ディスクの回転位置において当該ディスクが装着されるターンテーブルを回転させる回転工程と、
前記回転位置と前記ターンテーブルが格納される格納位置との間で、前記ターンテーブルの回転軸に沿って前記ターンテーブルを移動させる移動工程と、
前記ディスクを保持した状態で、当該ディスクを、前記回転位置と当該ディスクが挿入される挿入口との間で、前記回転軸と直交する面に沿って搬送する搬送工程と、を備え、
前記ディスクを排出する場合、前記搬送工程によって、前記ディスクが保持された状態で、前記回転工程によって、前記ターンテーブルを回転させる、
ことを特徴とするディスク排出方法。
【請求項10】
ディスクの回転位置において当該ディスクが装着されるターンテーブルと、前記ターンテーブルを回転させる回転部と、前記回転位置と前記ターンテーブルが格納される格納位置との間で、前記ターンテーブルの回転軸に沿って前記ターンテーブルを移動させる移動部と、前記ディスクを保持した状態で、当該ディスクを、前記回転位置と当該ディスクが挿入される挿入口との間で、前記回転軸と直交する面に沿って搬送する搬送部と、を有するコンピュータを、
前記ディスクを排出する場合、当該ディスクを保持するように前記搬送部を制御するとともに、前記ターンテーブルが前記回転位置から前記格納位置に移動するように前記移動部を制御し、その後、当該ディスクが当該回転位置から前記挿入口まで搬送されるように前記搬送部を制御する制御部として機能させ、
前記制御部は、前記ディスクを排出する場合、当該ディスクを保持するように前記搬送部を制御した後、前記ターンテーブルが回転するように前記回転部を制御する、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−113778(P2012−113778A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260654(P2010−260654)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】