説明

ディスク装置

【課題】 ディスクトレイを後退位置に停止させる際の衝突音を軽減する。
【解決手段】 囲構体1にスライド可能に取り付けたディスクトレイ3の出退動作を、囲構体1に設けたピニオン51とディスクトレイ3に設けられたラック55とでなるピニオン・ラック機構5によって行われせる。ディスクトレイ3の後退動作によって当り面41が受面21との係合位置に到達する直前位置に移動したときに、ピニオン51の噛合い歯52を、ラック55の相隣接する噛合い歯56の相互間の谷部57を埋めているPOM樹脂に係止させることにより、POM樹脂によって衝撃を吸収させると共に、ピニオン51の回転を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置、特に、囲構体の外部に引き出されたディスクトレイが停止するときの衝突音を軽減させるための対策を講じたディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVDプレーヤなどのディスク装置では、ディスク記録面に対する記録/再生処理に必要な光ピックアップなどの要素を搭載したシャーシとしての囲構体に、その囲構体の内部と外部との間でディスクを搬入するためディスクトレイがスライド可能に取り付けられていると共に、囲構体の外部に引き出された上記ディスクトレイの後退位置を規制する後退位置規制手段を備えている。
【0003】
従来、上記後退位置規制手段として電気的な制御方法を採用したものがあった。このものは、ディスクトレイが後退位置の直前位置まで引き出されたことをスイッチによって検出し、その検出信号によってディスクトレイを後退させるための駆動源としてのモータの回転を停止させるというものであった。また、このものでは、ディスクトレイが適正な後退位置よりもさらに引き出されてしまうという事態を防ぐために、ディスクトレイに設けた係合爪を囲構体に設けた受片に係止させるという安全対策も講じられていた。
【0004】
これに対し、後退位置規制手段としての上記のような電気的な制御方法を採用することに代え、機械的に動作するストッパ機構だけを採用することによって上記スイッチを省略することが試みられた。このストッパ機構Aの要部を図4に概略平面図で示してある。
【0005】
同図のストッパ機構Aは、囲構体1に設けられた受片2の受面21と、ディスクトレイ3側に設けられた係合爪4の当り面41とによって構成されている。このストッパ機構Aを採用したディスク装置では、駆動源としての上記モータの回転によってディスクトレイ3が後退方向aに引き出されたときには、係合爪4の当り面41が受片2の受面21に係合することによりディスクトレイ3の後退動作が停止してそのディスクトレイ3の後退位置が規制され、その後にモータの回転が所定の制御工程を経て停止する。なお、図4において、5はピニオン・ラック機構であり、ピニオン51が囲構体1の定位置に取り付けられ、ラック55がディスクトレイ3の裏面に設けられている。
【0006】
一方、従来より、トレイのクローズ時の衝撃を吸収する機能を備えたディスク装置が提案されている(たとえば特許文献1参照)。また、ラックギヤと作動ギヤとの噛合を円滑に行わせるために、ラックギヤをその背部から弾性的に押圧しておく技術も知られている(たとえば特許文献2参照)。
【0007】
このうち、特許文献1に記載されているものは、複数のコンパクトディスクの中から任意のコンパクトディスクを選択して再生するディスクオートチェンジャーなどのディスク装置において、クローズ時にトレイがメカシャーシに衝突したときの衝撃を小さくするため、メカシャーシの後端部にゴムでなるクッション材を取り付けたり、そのクッション材に代えて、トレイの移動タイミングを決定するメインギヤの上面に弾性変形可能なクッション部を設け、トレイ下面の当接部がクッション部を押して弾性変形させたりするものである。また、この特許文献1は、メインギヤを弾性変形可能な樹脂としてのポリアセタール樹脂で成形することが記載されている。
【特許文献1】特開平7−272373号公報
【特許文献2】特開平8−17168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、後退位置規制手段として上記した電気的な制御方法を採用したものでは、部材同士の衝突を伴わずにディスクトレイを後退位置で停止させることができるので、部材同士の衝突音が問題になることは少ない。また、そのものでは、仮に、安全対策として設けられているディスクトレイ側の係合爪が囲構体側の受片に衝突した場合でも、その衝突はディスクトレイの減速下で起こるために衝突音のレベルはきわめて低くなってその衝突音や衝撃が問題になることは少ない。
【0009】
しかしながら、図4で説明したストッパ機構Aを採用したものでは、ディスクトレイ3が事前に減速することなく係合爪4の当り面41が受片2の受面21に衝突してディスクトレイ3が後退位置に停止するので、その衝突音が大きくなり衝突時の衝撃も大きくなってそれらの衝突音や衝撃がディスク装置自体の動作品位上の問題となる可能性がある。
【0010】
この点に関し、上掲の特許文献1は、トレイのクローズ時の衝撃緩和を図る技術であるに過ぎず、図4で説明したディスクトレイ3の後退動作の完了時の衝突音や衝撃を問題にしているものではない。また、特許文献1は、ゴムでなるクッション材や弾性変形可能なクッション部にトレイの一部を衝突させるものであるので、衝突後のクッション材又はクッション部の元の形状への復帰動作によってトレイが押し戻され、トレイのクローズ位置を正確に規定することに困難が伴うと考えられる。
【0011】
本発明は以上の状況に鑑み、図4で説明したピニオン・ラック機構5に工夫を講じることによって、ディスクトレイが後退位置(オープン位置)に達したときの部材同士の衝突音が大幅に軽減され、しかも、ディスクトレイの後退位置を正確に規定することができるようになるディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るディスク装置は、囲構体にスライド可能に取り付けられてその囲構体の内部と外部との間で出退してディスクを搬入出するディスクトレイを備え、そのディスクトレイの出退動作が、囲構体に設けられたピニオンとディスクトレイに設けられたラックとでなるピニオン・ラック機構によって行われるようになっていると共に、囲構体の外部に引き出された上記ディスクトレイの後退位置を規制するストッパ機構を備え、そのストッパ機構が、囲構体及びディスクトレイのうちの一方側に具備された受面と他方側に設けられてその受面に係合することによってディスクトレイの後退位置を規制する当り面とを備えている。そして、上記ディスクトレイの後退動作によって上記当り面が上記受面との係合位置に到達する直前位置に移動したときに、上記ピニオンの噛合い歯に係止してそのピニオンの回転を停止させることにより、そのピニオンによるラックの送り作用を停止させるピニオン係止手段を付加してある。
【0013】
この構成であれば、ディスクトレイが後退動作を行う工程では、当り面が受面に係合する前に、ピニオンの噛合い歯がピニオン係止手段に係止してそのピニオンの回転が停止し、ピニオンによるラックの送り作用が停止する。そのため、ディスクトレイの後退位置が、ピニオンの噛合い歯がピニオン係止手段に係止したときの位置に正確に規定される。しかも、ピニオンの噛合い歯がピニオン係止手段に係止する動作は、ピニオンの回転に伴うその噛合い歯の回転運動を介して行われ、図4を参照して説明したような動作、すなわちディスクトレイ3が後退するときの直線運動を介して係合爪4の当り面41が受片2の受面21に正面から衝突するような動作を伴わないので、ピニオンの噛合い歯がピニオン係止手段に係止するときの衝撃は小さくなり、衝突音の周波数や音圧も小さくなるので、衝突音が顕著に軽減され、あるいは、衝突音が無視できる程度に小さくなる。
【0014】
本発明では、上記ピニオン係止手段が、ピニオンの噛合い歯との係止に伴う衝撃を吸収し得る弾性を備えた樹脂材でなるという構成を採用することが可能であり、その場合には、上記ピニオン係止手段がディスクトレイの定位置に設けられていることが望ましい。特に、上記ピニオン係止手段が、上記ラックの相隣接する噛合い歯の相互間の谷部を埋める上記樹脂材でなることが望ましい。この構成を採用すると、ピニオンの噛合い歯がピニオン係止手段に係止したときに樹脂材がその弾性によって撓み変形した後に元の形状に復元するとしても、樹脂材の量はラックの相隣接する噛合い歯の相互間の谷部を埋める程度のごく少量であるために撓み変形幅も微少であり、復元幅も微少になって、ピニオンが押し戻されてラックと共にディスクトレイが後退位置から位置ずれということはならない。
【0015】
上記樹脂材にはPOM樹脂を好適に用いることができる。POM樹脂は、化学名ポリオキシメチレン樹脂を省略した呼称であり、一般的にはポリアセタール、アセタール樹脂などと呼ばれる熱可塑性樹脂である。そして、このPOM樹脂の代表格としてジュラコンがあり、ジュラコンは主として歯車などの機械要素部品の成形に利用されている。また、POM樹脂は、広範囲の温度条件下で高い弾性率と弾性回復性、耐クリープ性、耐疲労性を発揮することから、ピニオンの噛合い歯が係止したときの衝突音の発生を抑制する樹脂材として最適であると云える。
【0016】
本発明に係るディスク装置では、囲構体にスライド可能に取り付けられてその囲構体の内部と外部との間で出退してディスクを搬入出するディスクトレイを備え、そのディスクトレイの出退動作が、囲構体に設けられたピニオンとディスクトレイに設けられたラックとでなるピニオン・ラック機構によって行われるようになっていると共に、囲構体の外部に引き出された上記ディスクトレイの後退位置を規制するストッパ機構を備え、そのストッパ機構が、囲構体及びディスクトレイのうちの一方側に具備された受面と他方側に設けられてその受面に係合することによってディスクの後退位置を規制する当り面とを備えているディスク装置において、上記ディスクトレイの後退動作によって上記当り面が上記受面との係合位置に到達する直前位置に移動したときに、上記ピニオンの噛合い歯に係止してそのピニオンの回転を停止させることにより、そのピニオンによるラックの送り作用を停止させるピニオン係止手段を付加し、上記ピニオン係止手段が、上記ラックの相隣接する噛合い歯の相互間の谷部を埋めてピニオンの噛合い歯との係止に伴う衝撃を吸収し得る弾性を備えたPOM樹脂でなり、かつ、上記ピニオンがPOM樹脂の成形体でなる、という構成を採用することが可能であり、これによると、ピニオン係止手段としての樹脂材とそれに係止されるピニオンの噛合い歯との両方がPOM樹脂であることによって、係止時の衝撃が著しく緩和されて衝突音がほとんど発生しなくなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るディスク装置では、ピニオンの噛合い歯を樹脂材、特に好ましくはラックのラック歯の相互間の谷部分を埋めるPOM樹脂により係止させることによってディスクトレイの後退位置を規定するので、衝撃がPOM樹脂により良好に吸収されて衝突音が顕著に軽減され、あるいは、衝突音が無視できる程度に軽減されるにもかかわらず、ディスクトレイの後退位置が正確に規定されるようになる。そのため、ディスク装置の動作品位が向上してユーザにとっての使い勝手が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明に係るディスク装置の概略構成を示した一部破断平面図、図2は要部の構成を示した概略平面図、図3は図2の要部をさらに拡大した概略平面図である。
【0019】
図1のように、このディスク装置では、シャーシとしての樹脂製の囲構体1に、仮想線で示したディスクトレイ3が出退可能に取り付けられている。囲構体1には、ディスク記録面に対する記録/再生処理に必要な要素、たとえば光ピックアップやその制御基板、ターンテーブルとその駆動源としてのモータ、ディスクトレイ3を出退させるための駆動源となるモータなど(いずれも不図示)が搭載されている。ディスクトレイ3の出退動作は、囲構体1に設けられたトレイギヤとしてのピニオン51とディスクトレイ3に設けられたまっすぐなラック55とでなるピニオン・ラック機構5によって行われるようになっていて、ピニオン51の回転がディスクトレイ3の裏面のラック55に伝達されて直線運動に変換され、ディスクトレイ3が囲構体1に対して出退される。また、囲構体1の外部に引き出されたディスクトレイ3にディスク(不図示)を載架させてそのディスクトレイ3を囲構体1の内部に引き込ませることによって、ディスクが記録/再生のために定められたセット位置に搬入されるのに対し、ディスクトレイ3を囲構体1の外部に引き出すことによってディスクが上記セット位置から搬出される。
【0020】
このディスク装置では、機械的に動作するストッパ機構Aが備わっている。このストッパ機構Aは、囲構体1の外部に引き出されたディスクトレイ3が囲構体1から引き抜かれてしまうことを防ぐ作用を発揮するものであって、図1に示したように、囲構体1側に設けられた受片2の受面21と、ディスクトレイ3側に設けられた係合爪4の当り面41とを備えている。言い換えると、図4を参照して説明したストッパ機構Aによるディスクトレイ3の後退位置を規制する機能を消失させることにより、そのストッパ機構Aを、ディスクトレイ3が囲構体1から引き抜かれてしまうことを防ぐことに用いたものである。
【0021】
図2又は図3のように、この実施形態のディスク装置では、ピニオン係止手段6を付加してあり、このピニオン係止手段6が、ディスクトレイ3の矢印a方向の後退動作によって係合爪4の当り面41が受片2の受面21との係合位置に到達する直前位置に移動したときに、ピニオン51の1つの噛合い歯52に係止してそのピニオン51の回転を停止させ、それによってピニオン51によるラック55の送り作用を停止させるようになっている。ピニオン係止手段6が、ラック55の相隣接する噛合い歯56,56の相互間の谷部57を埋めてピニオン51の噛合い歯52との係止に伴う衝撃を吸収し得る弾性を備えた樹脂材、具体的にはPOM樹脂でなる。加えて、ピニオン5もPOM樹脂の成形体でなる。
【0022】
以上の構成において、図2又は図3の矢印aのように、ピニオン51が回転してラック55に送り力が付与されることによりディスクトレイ3が囲構体1から引き出されてきたときには、係合爪4の当り面41に受片2の受面21に係合する直前に、ピニオン51の1つの噛合い歯52がPOM樹脂でなるピニオン係止手段6に係止してそのピニオン51の回転が停止し、ピニオン51によるラック55の送り作用が停止する。そのため、ディスクトレイ3の後退位置が、ピニオン51の噛合い歯52がピニオン係止手段6に係止したときの位置に正確に規定される。そして、このときには、上記した当り面41と受面21とが離れているため、当り面41が受面21に衝突することに伴う衝突音は発生する余地がない。また、ピニオン51の噛合い歯52がピニオン係止手段6に係止する動作は、ピニオン51の回転に伴うその噛合い歯52の回転運動を介して行われるので、その係止動作に伴う衝撃は小さくなり、衝突音の周波数や音圧も小さくなって、衝突音が顕著に軽減され、あるいは、衝突音が無視できる程度に小さくなる。
【0023】
特に、この実施形態では、ピニオン係止手段6が、広範囲の温度条件下で高い弾性率と弾性回復性、耐クリープ性、耐疲労性を発揮する樹脂材として知られているPOM樹脂によって形成されているので、ピニオン51の噛合い歯52がピニオン係止手段6によって係止されたときの衝撃がPOM樹脂によって効率よく吸収され、しかも、ディスクトレイ3が頻繁に繰り返し出退されても、POM樹脂による衝撃吸収作用が長期に亘って損なわれなくなってその耐用性が向上する。加えて、ピニオン51自体もPOM樹脂で成形されているために、上記衝突音が著しく緩和されて衝突音がほとんど発生しなくなる。
【0024】
なお、ピニオン係止手段6にピニオン51の噛合い歯52が係止するときには、噛合い歯52がピニオン係止手段6に噛み込まないようにして、ディスクトレイ3の引込み動作が円滑に開始されるようにしておくことが要求される。噛合い歯52がピニオン係止手段6に噛み込まないようにするには、ラック55の噛合い歯56,56の相互間の谷部57を埋めるPOM樹脂の樹脂層表面61の高さを適切に定めればよい。
【0025】
なお、説明を理解しやすくすることを意図して、図1〜図4において同一又は相応する部分には同一符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係るディスク装置の概略構成を示した一部破断平面図である。
【図2】要部の構成を示した概略平面図である。
【図3】図2の要部をさらに拡大した概略平面図である。
【図4】参照例であるディスク装置のストッパ機構の要部の概略平面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 囲構体
3 ディスクトレイ
5 ピニオン・ラック機構
6 ピニオン係止手段
21 受面
41 当り面
51 ピニオン
52 ピニオンの噛合い歯
55 ラック
56 ラックの噛合い歯
57 谷部
A ストッパ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
囲構体にスライド可能に取り付けられてその囲構体の内部と外部との間で出退してディスクを搬入出するディスクトレイを備え、そのディスクトレイの出退動作が、囲構体に設けられたピニオンとディスクトレイに設けられたラックとでなるピニオン・ラック機構によって行われるようになっていると共に、囲構体の外部に引き出された上記ディスクトレイの後退位置を規制するストッパ機構を備え、そのストッパ機構が、囲構体及びディスクトレイのうちの一方側に具備された受面と他方側に設けられてその受面に係合することによってディスクの後退位置を規制する当り面とを備えているディスク装置において、
上記ディスクトレイの後退動作によって上記当り面が上記受面との係合位置に到達する直前位置に移動したときに、上記ピニオンの噛合い歯に係止してそのピニオンの回転を停止させることにより、そのピニオンによるラックの送り作用を停止させるピニオン係止手段を付加することによって、上記ストッパ機構によるディスクトレイの後退位置を規制する機能を消失させ、
上記ピニオン係止手段が、上記ラックの相隣接する噛合い歯の相互間の谷部を埋めてピニオンの噛合い歯との係止に伴う衝撃を吸収し得る弾性を備えたPOM樹脂でなり、かつ、上記ピニオンがPOM樹脂の成形体でなることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
囲構体にスライド可能に取り付けられてその囲構体の内部と外部との間で出退してディスクを搬入出するディスクトレイを備え、そのディスクトレイの出退動作が、囲構体に設けられたピニオンとディスクトレイに設けられたラックとでなるピニオン・ラック機構によって行われるようになっていると共に、囲構体の外部に引き出された上記ディスクトレイの後退位置を規制するストッパ機構を備え、そのストッパ機構が、囲構体及びディスクトレイのうちの一方側に具備された受面と他方側に設けられてその受面に係合することによってディスクトレイの後退位置を規制する当り面とを備えているディスク装置において、
上記ディスクトレイの後退動作によって上記当り面が上記受面との係合位置に到達する直前位置に移動したときに、上記ピニオンの噛合い歯に係止してそのピニオンの回転を停止させることにより、そのピニオンによるラックの送り作用を停止させるピニオン係止手段を付加することによって、上記ストッパ機構によるディスクの後退位置を規制する機能を消失させたことを特徴とするディスク装置。
【請求項3】
上記ピニオン係止手段が、ピニオンの噛合い歯との係止に伴う衝撃を吸収し得る弾性を備えた樹脂材でなる請求項2に記載したディスク装置。
【請求項4】
上記ピニオン係止手段がディスクトレイの定位置に設けられている請求項3に記載したディスク装置。
【請求項5】
上記ピニオン係止手段が、上記ラックの相隣接する噛合い歯の相互間の谷部を埋める上記樹脂材でなる請求項3又は請求項4に記載したディスク装置。
【請求項6】
上記樹脂材がPOM樹脂である請求項5に記載したディスク装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−179070(P2006−179070A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369956(P2004−369956)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】