説明

ディスク装置

【課題】 移送ローラの回転力を利用して、筐体内の片寄った位置にある回転駆動部または支持体へ、ディスクを確実に供給することができ、また筐体内の機構の配置を効率化して小型化を可能とした「ディスク装置」を提供する。
【解決手段】 筐体2の前面7に、ディスクDを挿入する挿入口23が開口している。筐体2内では、挿入中心線Oaに対してX1側に偏った位置に複数枚の支持体21が重ねて配置され、またターンテーブル82の中心もX1側に偏って位置している。ディスクDが挿入口23から挿入されると、このディスクDが移送ローラ112,113に挟持され、この移送ローラ112,113で移送されながら、移送ユニット17が反時計方向へ回動する。このとき、移送ユニット17に設けられた押圧案内部材121の付勢力によりディスクDがX1方向へ押圧されて、ディスクDが支持体21またはターンテーブル82に確実に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に形成された挿入口から挿入されたディスクが、移送ローラの回転力によって筐体内に搬入される、いわゆるスロットインタイプのディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用のインダッシュタイプのディスク収納型ディスク装置は、いわゆる1DINまたは2DINサイズを基準とした大きさの筐体を有し、この筐体の前面にスリット状の挿入口が形成されている。
【0003】
挿入口から1枚ずつ挿入されたディスクは、筐体内に設けられた移送手段によって、筐体内に位置する回転駆動部(ターンテーブル)に向けて移送され、ディスクの中心穴が回転駆動部にクランプされる。
【0004】
筐体内に複数枚のディスクが収納されるディスク収納型ディスク装置では、筐体内に複数の支持体が重ねられて設けられ、いずれかの支持体が選択されて選択位置に設置される。挿入口から挿入されたディスクは、移送手段によって筐体内へ移送され、選択位置にある前記支持体に保持される。ディスク回転部が、選択位置にある支持体とその支持体との間に入り込むと、支持体に支持されていたディスクの中心穴が回転駆動部にクランプされて回転駆動される。
【0005】
この種のスロットインタイプのディスク装置では、前記移送手段によって筐体内に移送されたディスクが回転駆動部にクランプされた後、または移送されたディスクが支持体に保持された後に、移送手段をディスクの外周から離れる位置へ退避させた状態で、ディスクを回転駆動し、あるいは移送手段を退避させた状態で、支持体を昇降させて支持体の選択動作を行うことが必要である。
【0006】
以下の特許文献1および特許文献2に記載のディスク装置には、筐体内の左右の一方の側に、奥行き方向に並ぶ多数のローラを有する搬送手段が設けられ、他方の側に案内部材が設けられている。挿入口から挿入されたディスクは、その周縁部が搬送手段と案内部材とで挟持され、複数の前記ローラの回転により、ディスクが筐体内方へ送られる。
【0007】
特許文献3に記載のディスク装置では、ディスクを挟持する一対の搬送ローラが、その軸方向の一端に位置する支持軸を支点として回動自在に支持されている。搬送ローラが筐体の前面の内側に位置するときに、挿入口から挿入されたディスクが一対の搬送ローラで挟持され、その後に、搬送ローラが自転しながら、この搬送ローラが筐体の内方へ向けて回動動作し、搬送ローラの自転と回動動作とによって、ディスクが筐体内に搬入される。
【特許文献1】特開2003−217223号公報
【特許文献2】特開2003−141809号公報
【特許文献3】特開2001−101745号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1と特許文献2に記載のディスク装置は、多数のローラを有する搬送手段と案内部材とが、挿入口の内側から筐体の内方へ向かって延びているため、搬送手段と案内部材が長い構造であり、筐体内の広いスペースを占有することになる。またディスクが回転駆動部にクランプされたときに、搬送手段と案内部材をその間隔が広がる方向へ移動させて、ディスクの外周縁から離すことが必要であるため、搬送手段と案内部材の退避動作のためのスペースも比較的広く必要となる。
【0009】
特許文献3に記載のディスク装置は、一対の搬送ローラを駆動するためのモータが、搬送ローラと一緒に回動する構造であるが、ディスクの搬入方向が、筐体の前面に直交する方向である。このように、搬送ローラの回動方向と、希望すべきディスクの搬入方向とが異なる向きであるため、ディスクを回転駆動部などに確実に移送するのが困難である。
【0010】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、筐体の前面と直交する向きに挿入されたディスクを、回動動作する移送ユニットを用いて、ディスク駆動部または支持体に確実に供給でき、また筐体の奥行き寸法も小さくすることが可能なディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の本発明は、前面に挿入口を有する筐体内に、ディスクを回転させる回転駆動部と、挿入口から挿入されたディスクを回転駆動部に移送する移送ユニットとが設けられたディスク装置において、
前記挿入口を開口幅方向に二分し筐体の前面と直交して延びる仮想線を挿入中心線としたときに、回転駆動部の回転中心が、前記挿入中心線から第1の側へ離れた位置に配置され、
前記移送ユニットには、移送ローラと、この移送ローラとでディスクを挟持する挟持部とが設けられ、移送ユニットは、挿入中心線から前記第1の側に離れて位置する支点軸を中心として回動自在に支持され、
移送ユニットを、移送ローラの軸方向が筐体の前面に沿う待機位置から、移送ローラが回転駆動部に接近する移送動作位置へ向けて回動させる移送ユニット回動手段が設けられており、
移送ユニットの前記第1の側と逆側である第2の側に、筐体内方に突出する押圧案内部材が回動自在に支持されているとともに、この押圧案内部材は、第1の側に向く方向へ弾性付勢されており、
移送ローラと挟持部とで挟持されて筐体内に向けて移送されるディスクの外周縁が、押圧案内部材に当接して、この押圧案内部材によって第1の側への押圧されることを特徴とするものである。
【0012】
第2の本発明は、前面に挿入口を有する筐体内に、ディスクを支持可能でディスクの厚み方向に重なるように配置された複数の支持体と、いずれかの支持体を選択位置に移動させるとともに選択位置の支持体とこれに隣接する支持体との間隔を広げる支持体選択手段と、前記間隔内に入り込んで選択位置の支持体に支持されたディスクを駆動可能な回転駆動部と、挿入口から挿入されたディスクを選択位置の支持体へ向けて移送する移送ユニットとが設けられたディスク装置において、
前記挿入口を開口幅方向に二分し筐体の前面と直交して延びる仮想線を挿入中心線としたときに、支持体に支持されたディスクの中心が、前記挿入中心線から第1の側へ離れた位置に配置され、
前記移送ユニットには、移送ローラと、この移送ローラとでディスクを挟持する挟持部とが設けられ、移送ユニットは、挿入中心線から前記第1の側に離れて位置する支点軸を中心として回動自在に支持され、
移送ユニットを、移送ローラの軸方向が筐体の前面に沿う待機位置から、移送ローラが支持体に接近する移送動作位置へ向けて回動させる移送ユニット回動手段が設けられており、
移送ユニットの前記第1の側と逆側である第2の側に、筐体内方に突出する押圧案内部材が回動自在に支持されているとともに、この押圧案内部材は、第1の側に向く方向へ弾性付勢されており、
移送ローラと挟持部とで挟持されて筐体内に向けて移送されるディスクの外周縁が、押圧案内部材に当接して、この押圧案内部材によって第1の側へ押圧されることを特徴とするものである。
【0013】
第1と第2の本発明では、挿入口から挿入されたディスクが、移送ローラと挟持部とで挟持されるとともに、移送ユニットが筐体の内方へ向けて回動することにより、ディスクが回転駆動部あるいは支持体に送り込まれる。ディスクが供給される回転駆動部の中心または支持体に支持されるディスクの中心が第1の側に片寄って位置しているが、移送ローラと挟持部とで挟持されて筐体内に搬入されるディスクが、押圧案内部材によって、回転駆動部または支持体が配置されている第1の側へ押圧されるため、ディスクが回転駆動部または支持体に向けて確実に移送されるようになる。
【0014】
第1と第2の本発明では、ディスク駆動領域またはディスクの設置領域が挿入中心線に対して第1の側に片寄っているため、筐体内では、第1の側のスペースを広く利用できるようになり、筐体内の機構の配置効率が良くなり、筐体そのものを小型化することも可能になる。
【0015】
また、本発明では、移送ローラと挟持部とで挟持されたディスクが筐体内に所定距離だけ移送された後に、ディスクが押圧案内部材に当接することが好ましい。
【0016】
上記構造では、挿入口からディスクを挿入中心線に沿って挿入した直後に、押圧案内部材がディスクの外周縁に当たらないため、手でディスクを挿入するときに抵抗を感じることがなくなる。また、ディスクが移送ローラと挟持部とで所定距離(好ましくはディスクの直径の1/3以上、さらに好ましくは1/2以上)搬入されて、移送ローラと挟持部とでディスクがしっかり挟持された後に、押圧案内部材がディスクの外周縁に当接する。よって、ディスクが搬入されていく当初の時点で、ディスクに第1の側への押圧力が過剰に作用して、ディスクが第1の側へ過剰に位置ずれするなどの不都合が生じ難くなる。
【0017】
また、本発明は、前記押圧案内部材は、初期姿勢で、移送ローラの軸方向に対して第1の側へ直角未満の角度で規制されており、ディスクの外周縁が当たったときに、押圧案内部材が、前記初期姿勢から第2の側に向けて回動するものとして構成できる。
【0018】
押圧案内部材が初期姿勢で前記の角度で配置されていると、押圧案内部材が、移送ユニットの回動領域内に収まるようになる。押圧案内部材が移送ユニットの回動領域から突出することがないため、移送ユニットの回動領域の外に各部材を配置でき、筐体内の部品の配置効率を向上させることができる。
【0019】
また、本発明は、前記押圧案内部材の、ディスクの外周縁に対向する対向内面には、筐体の内方に延びる案内溝が形成されていることが好ましい。
【0020】
案内溝内にディスクの外周縁が入り込むことにより、押圧案内部材でディスクを第1の側へ向けて確実に案内できるようになる。
【0021】
なお、本発明は、移送ユニットが待機位置から移送動作位置へ向けて回動するときに、同時に移送ローラが、ディスクを筐体内へ移送する搬入方向へ回転させられるものである。
【0022】
また、ディスクを挿入口から搬出するときには、移送ユニットが移送動作位置から待機位置へ復帰するとともに、同時に移送ローラが、ディスクを挿入口に搬出する搬出方向へ回転させられるものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、筐体内のディスク設置位置が、挿入中心線から第1の側に片寄って位置し、移送ユニットの移送ローラと挟持部とで挟持されて移送されるディスクが、移送ユニットの回動動作によって第1の側へ向けられるため、ディスクが回転駆動部または支持体に向けて確実に移送されるようになる。また、ディスクが移送される途中で押圧案内部材により第1の側へ押されるため、ディスクが誤って第2の側へ外れるようなことがなく、ディスクが回転駆動部または支持体に確実に移送されるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は本発明の1実施の形態のディスク収納型ディスク装置の全体構造を示す分解斜視図である。図2はディスク収納型ディスク装置を筐体の前面から見た正面図であり、(A)は主に筐体内の移送ユニットを示し、(B)は主に支持体と支持体選択手段および駆動ユニットを示すものである。図3ないし図5は筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図、図6と図7は、駆動ユニットとその支持ベースを示す動作別の平面図である。図8(A)(B)は、駆動ユニットの支持ベースの拘束状態と拘束解除状態を示すものであり、(A)は図6のVIII矢視の側面図、(B)は図7のVIII矢視の側面図である。図9と図10は、第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図である。図11は、第3の動力伝達部を示すものであり、移送ユニットの回動支点の構造を示す分解斜視図である。図12ないし図15は、ディスク収納型ディスク装置の全体の動作を順に示す平面図である。
【0025】
図1に示すディスク収納型ディスク装置1は、箱型の筐体2を有している。図1において、この筐体2の基準方向は、Z1側が下側、Z2側が上側、X1側が第1の側、X2側が第2の側、Y1側が手前側、Y2側が奥側である。またX1−X2方向が横方向、Y1−Y2方向が奥行き方向である。
【0026】
筐体2は、下側から上側に向けて、下部筐体3、中間筐体4および上部筐体5が順に重ねられて組み立てられている。下部筐体3は筐体2の底面6を有し、中間筐体4は、筐体2の前面7と右側面8を有している。上部筐体5は、筐体2の左側面9と後面10および天井面11を有している。
【0027】
下部筐体3の底面6の上面には、第1の動力伝達部12が設けられている。第1の動力伝達部12の上には、ユニット支持ベース13が支持され、このユニット支持ベース13の上に、駆動ユニット14が搭載されている。中間筐体4の上部には、底面6と平行な機構ベース15が設けられ、この機構ベース15の上に、第2の動力伝達部16が設けられている。中間筐体4では、前記機構ベース15の下側で且つ前面7の内側に、移送ユニット17が設けられている。この移送ユニット17の第1の側(X1側)の端部と、前記下部筐体3の底面6との間に、第3の動力伝達部19が設けられている。この第3の動力伝達部19は、ローラ駆動手段として機能している。
【0028】
上部筐体5では、左側面9と後面10および天井面11で囲まれた領域がディスク収納領域20となっており、このディスク収納領域20には、それぞれがディスクDを支持可能な複数の支持体21が設けられている。この実施の形態では、支持体21が6枚設けられており、支持体21は厚み方向に重ねられて配置されている。上部筐体5には、支持体選択手段22が設けられており、この支持体選択手段22の動作により、6枚の支持体21のいずれかが選択されて図2(B)に示す選択位置(a)に移動させられるとともに、選択された支持体21とその下に隣接する支持体21との間隔が広げられる。
【0029】
前記ディスクDは、直径が12cmであり、例えばCD(コンパクト・ディスク)、CD−ROM、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)などである。
【0030】
図1および図2(A)(B)に示すように、筐体2の前面7には、挿入口23が開口している。この挿入口23はスリット状であり、上下方向の幅寸法がディスクDの厚み寸法よりもわずかに大きく、横方向の開口幅寸法が、ディスクDの直径よりもわずかに広い。
【0031】
図2(A)に示すように、前記移送ユニット17は、挿入口23と同じ高さ位置にあり、挿入口23から挿入されたディスクDが、移送ユニット17によって前記ディスク収納領域20に向けて移送される。図2(B)に示すように、複数枚の前記支持体21のうちの、選択位置(a)に至った支持体21は、挿入口23と同じ高さ位置となり、挿入口23から挿入されたディスクDは、前記移送ユニット17で移送されて、選択位置(a)の支持体21に供給されて支持される。
【0032】
図12は、筐体2を天井面11側から見た平面図であり、挿入口23の幅寸法をWで示している。挿入口23の幅寸法Wを二分し且つ前面7と直交して筐体2の内方に延びる仮想線を挿入中心線Oaとしている。図12に示すように、ディスク収納領域20の支持体21に支持されているディスクDの中心D0は、挿入中心線Oaから第1の側(X1側)へ距離δだけ離れた位置にある。前記距離δは、ディスクDの直径の1/10以上である。
【0033】
図12では、駆動ユニット14が退避位置にあるが、このときの駆動ユニット14は、挿入中心線Oaから第2の側(X2側)に離れた位置で、右側面8のすぐ内側に位置している。また、駆動ユニット14は支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れた位置にある。図12では、移送ユニット17が待機位置にあるが、このときの移送ユニット17は、前面7のすぐ内側で且つ支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れた位置にある。
【0034】
図2(A)(B)に示すように、駆動ユニット14と移送ユニット17は、上下方向に重なる高さ位置にある。図14に示すように、駆動ユニット14は筐体2内において時計方向へ回動し、移送ユニット17は反時計方向へ回動するが、駆動ユニット14が回動する領域と、移送ユニット17が回動する領域は、平面で見たときに一部が重なるようになっている。ディスク収納領域20、駆動ユニット14および移送ユニット17をこのように配置することにより、筐体2の内部スペースを効率よく使用できる。筐体2内では、手前側に移送ユニット17が、奥側にディスク収納領域20が設けられた配置であるため、筐体2の奥行き寸法を可能な限り短くできる。この実施の形態では、筐体2の奥行き寸法(Y1−Y2方向の寸法)が、いわゆる1DINサイズ未満である。
【0035】
図1に示す中間筐体4の機構ベース15は、駆動ユニット14および移送ユニット17よりも上方に位置しているが、この機構ベース15の筐体2の内方(図示X1方向)に向けられた内縁15aは、ディスク収納領域20の支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れている。よって、図2(B)に示すように、ディスク収納領域20の最上部に位置している支持体21は、筐体2の天井面11の内側直近まで上昇することが可能となっている。
【0036】
図3ないし図5を参照して、筐体2の底面6上に設けられた前記第1の動力伝達部12の構造を説明する。
【0037】
図1に示すように、前記下部筐体3の前方には前方折曲げ片3aが底面6から垂直に折り曲げられている。同様に、後方には後方折曲げ片3bが、第2の側には右側折曲げ片3cが、底面6から垂直に折り曲げられている。
【0038】
図3に示すように、前記第1の動力伝達部12では、底面6上に、Y1−Y2方向へ直線的に移動するスライダ31と、このスライダ31を移動させるラック部材32とが設けられている。底面6上の手前側には第1のモータM1が固定されており、この第1のモータM1の出力軸にはウォーム歯車33が固定されている。第1のモータM1の回転動力は、減速歯車34,35,36を介してピニオン歯車37に伝達される。このピニオン歯車37が、前記ラック部材32の歯と噛み合っている。
【0039】
スライダ31の上には、切換レバー38が設けられている。切換レバー38の奥側(Y2側)の端部は、軸39によってスライダ31に回動自在に支持されている。切換レバー38の手前側(Y1側)の端部には、上方に向けて切換駆動ピン41が突出している。切換レバー38には、切換駆動ピン41と同軸で下方へ延びる姿勢制御ピンが設けられており、この姿勢制御ピンが底面6に形成された図示しないカム穴内に挿入されている。スライダ31と共に切換レバー38がY1方向へ移動するときに、前記カム穴の形状に伴なって切換レバー38が回動動作できるようになっている。
【0040】
底面6上にはロック切換え部材42が設けられている。このロック切換え部材42は、平面形状が円弧状の部分を有する金属板であり、2箇所に円弧状の摺動長穴42a,42aが形成されている。図1にも示すように、底面6上には案内ピン43,43が突出し、それぞれの案内ピン43が摺動長穴42a内に挿入されている。前記摺動長穴42a,42aが前記案内ピン43,43を摺動することにより、ロック切換え部材42が、円弧軌跡に沿って筐体2の奥側である(b)方向と、筐体2の手前側である(c)方向とへ摺動できるようになっている。
【0041】
底面6上には、連結回動レバー44が回動自在に支持されている。ロック切換え部材42にはその幅方向に延びる連結長穴42bが形成され、連結回動レバー44の先部に設けられた連結ピン45が、前記連結長穴42b内に挿入されている。図5に示すように、連結回動レバー44は、ラック部材32のY1方向への移動力によって反時計方向へ回動させられ、この連結回動レバー44の回動力によって、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動させられる。
【0042】
ロック切換え部材42の奥側の端部には、切換え長穴42cが形成されている。底面6の奥側には、軸51によって回動自在に支持された伝達部材52が設けられている。この伝達部材52の手前側の端部には連結ピン53が固定され、この連結ピン53が前記切換え長穴42c内に挿入されている。図1にも示すように、後方折曲げ片3bの内側にはロック部材54が設けられている。このロック部材54は板状であり、後方折曲げ片3bの内側においてX1−X2方向へ直線的に移動できるように支持されている。図3に示すように、ロック部材54には、その下縁から底面6に沿う方向へ折り曲げられた折曲げ片54aが設けられ、この折曲げ片54aに長穴54bが形成されている。前記伝達部材52の奥側の端部には、連結ピン55が固定されており、この連結ピン55が長穴54b内に挿入されている。
【0043】
ロック切換え部材42が図4の位置から(c)方向へ移動するときに、切換え長穴42cによって伝達部材52が反時計方向へ回動させられ、これによってロック部材54がX1方向へ移動させられる。
【0044】
図1に示すように、前記ロック部材54には、ロック制御穴56が開口している。このロック制御穴56は、X1側において底面6に接近する位置に形成されている拘束部56aと、この拘束部56aよりも上側に位置している持ち上げ部56bと、前記拘束部56aと持ち上げ部56bとを連続させる傾斜部56cとを有している。さらに前記持ち上げ部56bのX2側の端部には、比較的大きな円形の逃げ穴56dが形成されている。
【0045】
下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側にもロック部材61が設けられている。このロック部材61は、図2(B)に図示されている。ロック部材61はロック切換え部材42に連結されており、前方折曲げ片3aの内側でX1−X2方向へ摺動自在に支持されている。図1と図3および図4に示すように、ロック切換え部材42が(b)方向へ移動しているときには、図2(B)に示すように、ロック部材61がX2側に位置しており、ロック切換え部材42が図4の位置から(c)方向へ移動して図5の位置へ至る間に、その移動力によって、ロック部材61がX1方向へ移動させられる。
【0046】
図2(B)に示すように、ロック部材61には、一対のロック制御穴62が開口している。それぞれのロック制御穴62には、X1側において底面6に接近する位置に形成されている拘束部62aと、この拘束部62aよりも上側に位置している持ち上げ部62bと、拘束部62aと持ち上げ部62bとを連続させる傾斜部62cとを有している。さらに前記持ち上げ部62bのX2側の端部には、比較的大きな円形の逃げ穴62dが形成されている。
【0047】
図1、図3および図8(A)に示すように、前記ロック切換え部材42には、連結回動レバー44との連結点の近傍に、ロック切換え部材42の一部を上方へ向けて折り返した中間拘束部63が設けられている。図8(A)に示すように、中間拘束部63の上面は、当接面63aであり、この当接面63aのY1側には、Y1方向に向かうにしたがって底面6に向けて直線状にまたは曲線状に下降する形状の傾斜部63bが形成されている。
【0048】
前記第1の動力伝達部12の動作を説明すると、図3に示すように、ラック部材32が奥側(Y2側)へ移動しているときには、スライダ31と切換レバー38がY2側に位置しており、このとき、ロック切換え部材42は(b)方向へ移動している。そして、図1に示すロック部材54および図2(B)に示すロック部材61は、共にX2側へ移動している。
【0049】
第1のモータM1の動力によって、ラック部材32が図3の位置から図示Y1方向へ移動させられて図4に示す位置に至る間に、スライダ31および切換レバー38がラック部材32と一緒に図示Y1方向へ移動し、その最終行程において、切換レバー38がやや時計方向へ回動させられる。ただし、ラック部材32が図3の位置から図4の位置に至る間、ロック切換え部材42は(b)方向に移動した位置で停止しており、(c)方向へは移動しない。
【0050】
ラック部材32が図4の位置からさらにY1方向へ移動して図5の位置へ至るときに、スライダ31が底面6に形成された図示しないカム穴で拘束され、ラック部材32のみがスライダ31から分離されてY1方向へ移動する。ラック部材32が、図4の位置から図5の位置まで移動させられる間に、連結回動レバー44が反時計方向へ回動させられ、ロック切換え部材42が(c)方向へ摺動させられる。そして、伝達部材52が反時計方向へ回動させられて、後方折曲げ片3bの内側に設けられたロック部材54がX1方向へ移動させられ、さらに前方折曲げ片3aの内側に設けられたロック部材61が図2(B)の位置からX1方向へ移動させられる。
【0051】
ロック切換え部材42が図5の位置に至る直前に、ラック部材32の移動力によって切換レバー38が図4の位置からわずかにY1方向へ移動させられ、切換レバー38に設けられた制御ピンが、底面6に形成されたカム穴で制御され、図5に示すように、切換レバー38が時計方向へ大きく回動させられる。
【0052】
図1に示すユニット支持ベース13は、金属板を折り曲げて形成したものである。このユニット支持ベース13の手前には前方折曲げ片13aが設けられ、この前方折曲げ片13aは、下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側に平行に設置される。ユニット支持ベース13には後方折曲げ片13bが形成されており、この後方折曲げ片13bが、下部筐体3の後方折曲げ片3bの内側に平行に設置される。また、ユニット支持ベース13の側部折曲げ片13cは、下部筐体3の右側折曲げ片3cの内側に平行に設置される。
【0053】
図6と図7にも示すように、ユニット支持ベース13の内縁13dは凹状の円弧形状であり、内縁13dは、図1に示すディスク収納領域20の支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れた位置にある。そして、支持体選択手段22によって各支持体21が上下に移動させられる間に、ユニット支持ベース13がディスクDの外周縁に当たらないようになっている。
【0054】
図1および図6,図7に示すように、下部筐体3の底面6上の3箇所には,弾性支持部材であるダンパー71,72,73が固定されている。このダンパー71,72,73は、ゴムなどの可撓性の袋体の内部に、オイルなどの液体または気体が封入されているものである。あるいは前記袋体と共に圧縮コイルスプリングが組み合わされているものである。
【0055】
図6と図7に示すように、ユニット支持ベース13の底面の3箇所には支持軸74,75および76が下方に向けて垂直に固定されており、支持軸74は前記ダンパー71に支持され、支持軸75はダンパー72に支持され、支持軸76はダンパー73に支持されている。ユニット支持ベース13は、各ダンパー71,72および73によって、底面6上で弾性支持可能となっている。
【0056】
ユニット支持ベース13の後方折曲げ片13bにはY2方向へ突出する1本の拘束軸77が設けられており、この拘束軸77が、図1に示したロック部材54のロック制御穴56内に挿入されている。ユニット支持ベース13の前方折曲げ片13aには、Y1方向へ突出する一対の拘束軸78,78が設けられており、それぞれの拘束軸78は、図2(B)に示すロック部材61のロック制御穴62内に挿入されている。
【0057】
図6および図7に示すように、駆動ユニット14は、細長い駆動ベース81を有しており、駆動ベース81には、手前側(Y1側)の端部に回転駆動部が設けられている。この回転駆動部は、駆動ベース81に支持されたスピンドルモータと、このスピンドルモータの回転軸82aに固定されたターンテーブル82とを有している。駆動ベース81には光ヘッド83が設けられている。この光ヘッド83の上面には対物レンズ83aが設けられている。駆動ベース81にはスレッド機構が設けられ、このスレッド機構により、光ヘッド83はターンテーブル82に接近する位置から、ターンテーブル82から離れる方向へ向けて移動させられる。このとき、光ヘッド83の対物レンズ83aは、ターンテーブル82にクランプされたディスクDの半径方向に移動できるようになっている。
【0058】
ユニット支持ベース13の奥側(Y2側)には、支持軸84が上向きに垂直に突出しており、駆動ベース81が前記支持軸84に支持されて、駆動ユニット14がX−Y平面に沿って回動自在となっている。駆動ユニット14の回動範囲は、図6に示す退避位置から、図7に示す介入位置までである。図6に示すように、駆動ユニット14が退避位置にあるとき、前記ターンテーブル82が筐体2の前面7側に位置し、駆動ベース81の側辺が、筐体2の右側面8の直近でこの右側面8と平行に位置している。そして、退避位置にある駆動ユニット14は、ディスク収納領域20の支持体21に支持されるディスクDの外周縁からわずかに離れている。
【0059】
図7に示すように、駆動ユニット14が介入位置へ回動すると、ターンテーブル82が、ディスク収納領域20の内部へ移行する。この介入位置では、ターンテーブル82の回転中心が、選択位置(a)に移動している支持体21に支持されたディスクDの中心穴と上下方向において一致する。
【0060】
図6と図7に示すように、ユニット支持ベース13には、前記支持軸84を中心とする所定の半径の円弧状に形成された円弧案内部13eが設けられている。この円弧案内部13eは、ユニット支持ベース13を貫通する円弧長穴である。駆動ベース81には下向きに突出する駆動軸88が固定されており、この駆動軸88が前記円弧案内部13e内に上方から下方へ挿入されている。
【0061】
図6と図7さらに図8(A)(B)に示すように、ユニット支持ベース13の下面には駆動スライダ85が設けられ、この駆動スライダ85は、Y1−Y2方向へ摺動自在に支持されている。駆動スライダ85のY2側の端部には駆動凹部85aが設けられ、前記駆動軸88がこの駆動凹部85a内に挿入されている。
【0062】
前記駆動スライダ85には、駆動穴86が形成されており、この駆動穴86内に、図1と図3に示す第1の動力伝達部12に設けられた切換レバー38から突出する切換駆動ピン41が挿入されている。駆動穴86は、X1−X2方向に延びる細長い駆動部86aと、この駆動部86aのX1側の端部に設けられた逃げ部86bとを有している。前記駆動部86aは、切換駆動ピン41を拘束できる幅寸法で形成されており、前記逃げ部86bは、切換駆動ピン41よりも十分に大きい直径寸法で形成されている。
【0063】
前記駆動スライダ85は合成樹脂製であり、図8(A)(B)に示すように、この駆動スライダ85の下面には、可動拘束部87が一体に突出形成されている。この可動拘束部87の下面には、当接面87aおよびY2方向に向かうにしたがって、上方へ向けて直線状または曲面状に変化する傾斜部87bが設けられている。図6および図8(A)に示すように、駆動スライダ85がY2側へ移動しているときには、可動拘束部87の当接面87aと、前記ロック切換え部材42に設けられた中間拘束部63の当接面63aとが互いに当接し、ユニット支持ベース13が下方から支持されている。
【0064】
第1の動力伝達部12に設けられたラック部材32が、図3の位置からY1方向へ移動して図4の位置に至る間、図6と図7に示すように、ラック部材32と共にY1方向へ移動する切換駆動ピン41が、駆動穴86の駆動部86a内に位置し、切換駆動ピン41から駆動スライダ85にY1方向への移動力が伝達される。よって、駆動スライダ85は、図6の位置からY1方向へ移動して図7に示す位置へ至り、この間に駆動スライダ85に設けられた駆動凹部85aによって駆動軸88がY1方向へ押され、駆動ユニット14が、図6に示す退避位置から図7に示す介入位置へ回動させられる。また、駆動スライダ85が、図6の位置からY1方向へ移動する直後に、図8(B)に示すように、駆動スライダ85に設けられた可動拘束部87が、中間拘束部63から外れる。
【0065】
ラック部材32が図4の位置からさらにY1方向へ移動して図5に至る間は、前述のようにスライダ31と切換レバー38が移動せず、駆動ユニット14は図7に示す介入位置に維持される。そして、ラック部材32が図5に示す位置まで移動すると、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動し、このとき図5に示すように、切換レバー38が時計方向へ大きく回動するため、図7に示すように、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41が、駆動スライダ85の駆動穴86の逃げ部86b内に入り込み、切換駆動ピン41と駆動スライダ85との係合が解除される。
【0066】
この実施の形態では、前記切換レバー38および駆動スライダ85で、駆動ユニット14を回動させる駆動ユニット回動手段が構成されている。
【0067】
次に、図9と図10を参照して、中間筐体4に設けられた第2の動力伝達部16の構造を説明する。
【0068】
第2の動力伝達部16では、中間筐体4の機構ベース15の上に、円弧形状の切換え部材91が設けられている。切換え部材91には、円弧軌跡に沿って延びる一対の案内長穴91a,91aが形成されている。機構ベース15上には一対の案内軸92,92が上向きに突出して固定されており、それぞれの案内軸92が前記案内長穴91a内に挿入されている。この支持機構により、切換え部材91は円弧軌跡に沿って(d)方向および(e)方向へ摺動自在に案内されている。また、切換え部材91の外周側の縁部には円弧軌跡に沿ってラック歯91bが形成されている。
【0069】
機構ベース15上には、第2のモータM2が設けられている。この第2のモータM2の回転軸にはウォーム歯車93が固定されている。機構ベース15上には出力歯車94が設けられ、この出力歯車94が前記ウォーム歯車93に常に噛み合っている。
【0070】
第2のモータM2の回転動力は、前記出力歯車94から歯車95,96を経てピニオン歯車97に減速して伝達される。前記ピニオン歯車97が、前記切換え部材91のラック歯91bと常に噛み合っている。また、前記出力歯車94の側方には、切換え歯車98が設けられている。この切換え歯車98は、第2のモータM2の動力を、図1に示す支持体選択手段22に伝達させるためのものである。機構ベース15上には、この切換え歯車98を、出力歯車94との噛み合い位置に移動させ、また出力歯車94との噛み合いを解除する位置へ移動させる切換え手段が設けられている。この切換え手段は、第1のモータM1の動力によって動作させられる。あるいはこの切換え手段が第1のモータM1や第2のモータM2とは別個のモータで駆動されてもよい。
【0071】
図2(B)に示すように、上部筐体5には、前記支持体選択手段22に回転動力を伝達するための伝達歯車99が回転自在に設けられており、図9と図10に示すように、この伝達歯車99が、前記切換え歯車98と噛み合うことが可能となっている。
【0072】
図1および図9と図10に示すように、機構ベース15の下には前記移送ユニット17が設けられている。図2(A)および図11に示すように、移送ユニット17は、X1−X2方向へ向けて細長く延びる金属製のユニット枠100を有している。ユニット枠100は、上面101と下面102および支点側の側面103と自由端側の側面104を有し、ユニット枠100の内部はY1−Y2方向に貫通している。ユニット枠100の内部には、低摩擦係数の合成樹脂で形成された摺動部材105が設けられている。この摺動部材105は、ユニット枠100の上面101の内面に沿って延びる挟持部106と、支点側の側面103の内側に位置する側部案内部107と、自由端側の側面104の内側に位置する側部案内部108とを有している。側部案内部107と側部案内部108との対向間隔は、ディスクDの直径よりも広く、また図2(A)に示すように、挿入口23の開口幅寸法とほぼ同じか、それよりもやや広く形成されている。
【0073】
図11および図2(A)に示すように、移送ユニット17では、ユニット枠100内にローラ軸111が設けられている。このローラ軸111は、ユニット枠100の上面101と平行に延び、その両端は前記支点側の側面103と自由端側の側面104に回動自在に支持されている。図2(A)および図12にも示されるように、前記ローラ軸111の外周に合成ゴムや天然ゴムなどの摩擦係数の高い材料で形成された第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113が設けられている。この移送ローラ112と移送ローラ113は、軸方向に間隔を空けて配置されている。移送ユニット17が図12,図13および図15に示す待機位置にあるとき、移送ローラ112と移送ローラ113は、筐体2の前面7とほぼ平行で、且つ挿入中心線Oaから左右に等距離離れた位置に配置されている。
【0074】
第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113との中間に位置する中間部114は、ディスクDに対して実質的に移送力を与えない部分であり、両移送ローラ112,113と一体で且つ両移送ローラ112,113よりも小径に形成されているか、またはローラ軸111が直接に露出している。
【0075】
図2(A)および図11に示すように、第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113は、前記摺動部材105の挟持部106に対向している。移送ローラ112,113と挟持部106の少なくとも一方がばねで付勢されて、移送ローラ112,113と挟持部106とが互いに弾性的に圧接されている。よって、移送ローラ112と挟持部106、および移送ローラ113と挟持部106とでディスクDを挟持可能である。なお、この圧接状態では、中間部114と挟持部106との隙間が、ディスクDの厚み寸法よりも広くなっており、中間部114と挟持部106との間でディスクDが挟持されることはない。
【0076】
第1の移送ローラ112および第2の移送ローラ113は、ローラ軸111の外周に接着することなくローラ軸111の外周に回転自在に挿通されている。ディスクDに対する挟持圧が移送ローラ112,113に作用しているときには、移送ローラ112,113とローラ軸111との摩擦力が増大して、ローラ軸111と移送ローラ112,113が一体となって回転する。また、挟持中のディスクDが人の指で掴まれたときのように、移送されるディスクDに大きな抵抗力が与えられると、移送ローラ112,113に対してローラ軸111がスリップ回転できるように構成されている。
【0077】
なお、この実施の形態では、挟持部106が低摩擦係数の合成樹脂材料で形成されているが、この挟持部106が、自由に回転できるローラであってもよい。
【0078】
図12ないし図15に示すように、移送ユニット17の自由端側には、押圧案内部材121が設けられている。この押圧案内部材121は、長尺状で且つ直線的に延びるものであり、基部は上下方向に延びる軸122を介して移送ユニット17に回動自在に支持されている。押圧案内部材121は、図示しないトーションばねなどの付勢部材によって反時計方向へ付勢されている。また付勢力を受けている押圧案内部材121は、図12,図13および図15に示す初期姿勢(g)において、それ以上反時計方向へ回動しないように規制されている。この規制は、ユニット枠100にストッパを設けることにより行われている。
【0079】
押圧案内部材121の対向側面121aには、この対向側面121aに沿って長手方向に延びる案内溝123が形成されている。この案内溝123は、前記移送ローラ112,113と、挟持部106との圧接境界線と同じ高さに位置している。案内溝123は、押圧案内部材121の幅方向に所定の深さを有し、且つ溝の上下方向の開口幅寸法は、ディスクDの厚み寸法よりもやや広くなっている。この案内溝123は、前記対向側面121aのほぼ全長にわたって形成されている。
【0080】
図13に示すように、挿入口23から挿入されたディスクDが、移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されて筐体2内に向けて搬入されるときに、最初は押圧案内部材121がディスクDの外周縁に当たらない。ディスクDがその直径の1/3以上送り込まれたとき、好ましくはディスクDが直径の1/2以上移送されて、図14に示すように、ディスクDの中心D0が、ほぼ移送ユニット17の中間部114に至った後に、押圧案内部材121の案内溝123内にディスクDの外周縁が入り込む。その後に、ディスクDの外周縁によって、押圧案内部材121が時計方向へ回動させられて、図14に示す拡開位置(h)まで押し広げられる。このとき押圧案内部材121からディスクDに対して第1の側(X1側)に向けて押圧力が作用するようになっている。
【0081】
このように、ディスクDが移送ローラ112,113で所定距離移送されて、移送ローラ112,113と挟持部106とでディスクDがしっかり保持された後に、押圧案内部材121によってディスクDが第1の側へ押圧されるため、移送中のディスクDが第1の側へ向けて不用意に位置ずれするのを防止できる。
【0082】
あるいは、移送ユニット17が、図14に示す移送動作位置まで回動した後に、移送ローラ112,113で移送されるディスクDの外周縁が押圧案内部材121に当たるように設定してもよい。このように構成すると、移送ユニット17が、図13に示す待機位置から図14に示す移送動作位置へ回動する途中で、ディスクDが押圧案内部材121で押されることがなく、移送ユニット17が回動している途中で、ディスクDが第1の側に位置ずれするのを防止できる。そして、移送ユニット17が図14に示す移送動作位置へ至った後に、ディスクDの第2の側への移動が押圧案内部材121で抑制されるため、ディスクDが支持体21に確実に保持されるようになる。
【0083】
移送ユニット17は、X1側の端部を支点として、図9に示す待機位置から図10に示す移送動作位置に向けて回動できるようになっている。図9に示す待機位置では、図12に示すように、ユニット枠100が、筐体2の前面7の内側に位置し、ローラ軸111がほぼX1−X2方向へ延びている。また待機位置にある移送ユニット17は、ユニット枠100が、ディスク収納領域20の支持体21に支持されているディスクDの外周縁からわずかに離れており、さらに押圧案内部材121の先端も前記ディスクDの外周縁からわずかに離れている。
【0084】
図14に示すように、移送ユニット17が第1の側(X1側)を支点として反時計方向へ回動して移送動作位置に至ると、移送ローラ112,113の回転力によって、ディスクDが支持体21に向けて移送される。このとき、ディスクDの周縁部で押圧案内部材121が拡開位置(h)まで押し開かれる。
【0085】
図1と図2(A)および図11に示すように、移送ユニット17の回動支点となる支点軸131は、下部筐体3の底面6において、上方へ垂直に延びるように固定されている。図11に示すように、移送ユニット17には、X1側の端部にローラ軸111と直交する方向に延びる軸受部125が設けられており、この軸受部125が前記支点軸131に回動自在に支持されている。図13などに示すように、この支点軸131と軸受部125は、移送ユニット17で移送されるディスクDの外周から離れた位置に設置されている。
【0086】
図9と図10に示す第2の動力伝達部16では、中間筐体4の機構ベース15のX1側に円弧状の案内穴15bが開口し、X2側にも円弧状の案内穴15cが開口している。案内穴15bと案内穴15cは、共に前記支点軸131を曲率中心とした円弧軌跡に沿って延びている。
【0087】
移送ユニット17のユニット枠100の上面101では、支点軸131に近い位置に上方へ垂直に延びる案内軸132が固定され、支点軸131から離れた自由端側には、同じく上方へ垂直に延びる駆動軸133が固定されている。図9と図10に示すように、案内軸132は前記案内穴15b内に下から上方に向けて挿通され、駆動軸133も案内穴15c内に下から上方に向けて挿通されている。駆動軸133の先端は機構ベース15の上方へ突出しており、機構ベース15の上において、駆動軸133に回動リング134が回動自在に設けられている。
【0088】
機構ベース15の上には、駆動レバー135が設けられている。この駆動レバー135の基部は、軸136を介して機構ベース15に回動自在に支持されている。駆動レバー135には、駆動長穴135aが開口しており、前記駆動軸133の外周に設けられた前記回動リング134が、この駆動長穴135aの内部に挿入されている。
【0089】
機構ベース15上に設けられている前記切換え部材91には、ユニット制御長穴137が開口している。前記駆動レバー135の上面には伝達軸138が垂直に突出しており、この伝達軸138が、ユニット制御長穴137に下から上方へ向けて挿入されている。
【0090】
前記ユニット制御長穴137には、非作用部137aが形成されている。この非作用部137aは円弧軌跡に沿って形成されているが、この円弧軌跡の曲率中心は、切換え部材91が(d)−(e)方向へ摺動するときの円弧軌跡の曲率中心に一致している。したがって、図9に示すように、伝達軸138が非作用部137a内に位置しているときに、切換え部材91が(d)−(e)方向へ摺動しても、その移動力が伝達軸138に作用しない。また、非作用部137aの曲率中心と、駆動レバー135の回転中心である軸136は同じ位置に存在していない。そのため、伝達軸138が非作用部137a内に位置し、切換え部材91が(d)−(e)方向へ摺動するときに、駆動レバー135は、図9に示すように、時計方向へ回動した状態に保持され、移送ユニット17は待機位置に停止した状態に維持される。
【0091】
前記ユニット制御長穴137では、前記非作用部137aのY1側に連続して駆動傾斜部137bが設けられ、さらにそのY1側の端部に保持部137cが形成されている。保持部137cは、非作用部137aよりも、切換え部材91の摺動軌跡の曲率中心に近い側に位置している。
【0092】
したがって、切換え部材91が、図9の位置からさらに(e)方向へ摺動して図10の位置に至る間に、伝達軸138が駆動傾斜部137bに移行し、この駆動傾斜部137bによって伝達軸138が反時計方向へ移動させられ、駆動レバー135が反時計方向へ回動させられる。その結果、図10に示すように、移送ユニット17が、支点軸131を支点として反時計方向へ回動し、移送動作位置に至る。図10に示す移送動作位置では、駆動軸133が案内穴15cのY2側端部に位置し、伝達軸138がユニット制御長穴137の保持部137cに保持されるため、移送ユニット17は移送動作位置で拘束されるようになる。
【0093】
この実施の形態では、切換え部材91に設けられたユニット制御長穴137および駆動レバー135とで、移送ユニット回動手段が構成されている。
【0094】
次に、下部筐体3の底面6に設けられた第3の動力伝達部19の構造を説明する。
図6と図11に示すように、底面6に固定された前記支点軸131の下方には、一体ギヤ141が回転自在に支持されている。この一体ギヤ141は、上方部分が垂直ウォーム歯車141aであり、下方部分が下部歯車141bである。図6に示すように、筐体2の底面6には、中間歯車142が回転自在に設けられ、この中間歯車142が前記下部歯車141bに噛み合っている。底面6には第3のモータM3が設けられており、その回転軸に固定されたウォーム歯車143が、前記中間歯車142と噛み合っている。
【0095】
図11に示すように、移送ユニット17では、ローラ軸111の一端が、ユニット枠100の支点側の側面103から外方へ突出しており、側面103から突出したローラ軸111の端部に平歯車であるローラ歯車144が固定されている。前記側面103には、軸145が固定され、この軸145に一体ギヤ146が回転自在に支持されている。この一体ギヤ146は、小径平歯車146aと大径平歯車146bとが一体化されたものであり、小径平歯車146aが前記ローラ歯車144と噛み合っている。
【0096】
ユニット枠100の下面102には、下方に突出する支持片102aが一体に折り曲げ形成されており、この支持片102aに軸148が固定されている。この軸148はローラ軸111と平行に延びている。軸148には一体ギヤ147が回転自在に支持されている。一体ギヤ147は、平歯車147aとウォームホイール147bとが一体化されたものである。この平歯車147aが、前記大径平歯車146bと噛み合っている。
【0097】
移送ユニット17に設けられた軸受部125が、支点軸131に回動自在に挿通された状態で、前記ウォームホイール147bとウォーム歯車141aとが噛み合う。前記第3のモータM3の回転動力は、中間歯車142から下部歯車141bおよびウォーム歯車141aに伝達され、さらにウォーム歯車141aからウォームホイール147bに伝達される。その動力は、平歯車147aから一体ギヤ146の大径平歯車146bに伝達され、さらに小径平歯車146aからローラ歯車144に伝達される。
【0098】
下部筐体3側に設けられた第3のモータM3の回転動力が、支点軸131と同軸に回転する一体ギヤ141を介してローラ歯車144に伝達されるため、移送ユニット17を、支点軸131を支点として待機位置から移送動作位置へ回動させる動作と独立させて、ローラ軸111を駆動することができる。このディスク収納型ディスク装置1は、移送ユニット17を待機位置から移送動作位置へ回動させる移送ユニット回動手段と、移送ローラ112,113を回転させるローラ駆動手段とが別個に設けられ、互いに独立して動作できるようになっている。
【0099】
次に、上部筐体5に設けられているディスク収納領域20および支持体選択手段22の構造について説明する。
【0100】
図1、図2(B)および図12に示すように、上部筐体5の天井面11には、互いに平行に下方へ向けて延びる3本の選択軸151が回転自在に支持されている。それぞれの選択軸151の外周には、選択溝152が形成されている。図2(B)に示すように、選択溝152はスパイラル状に形成されている。選択軸151の上方は密ピッチ部152aで下方も密ピッチ部152bとなっている。密ピッチ部152a,152bでは、選択溝152が短ピッチで形成され、それぞれの密ピッチ部152a,152bでは、選択溝152が少なくとも5周(5ピッチ)以上形成されている。選択溝152の中間部は疎ピッチ部152cであり、この疎ピッチ部152cでは、両密ピッチ部152a,152bの間で、選択溝152が1ピッチ分だけ形成されている。
【0101】
支持体21は上下方向に重ねられて6枚設けられており、それぞれの支持体21の3箇所には挿通穴21aが開口している。それぞれの挿通穴21aは、前記選択軸151の外周に挿通されるが、この挿通穴21aには、選択溝152に摺動自在に掛止される突状の掛止部が設けられている。6枚の支持体21のそれぞれの前記掛止部は、選択溝152の隣接する5ピッチのそれぞれのピッチに掛止されるように配置されている。よって、選択軸151が反時計方向へ回転すると、支持体21が選択軸151に沿って1枚ずつ下向きに送られ、選択軸151が時計方向へ回転すると支持体21が選択軸151に沿って1枚ずつ上向きに送られる。そして、疎ピッチ部152cに掛止されているいずれかの支持体21が図2(B)に示す選択位置(a)に至り、選択位置(a)にある支持体21と、その下の密ピッチ部152bに位置する支持体21との間に駆動ユニット14が入り込める上下方向の間隔が空けられる。
【0102】
3本の前記選択軸151は、互いに同期して回転させられる。その機構としてそれぞれの選択軸151の上端には、薄い小歯車(図示せず)が一体に固定されている。また上部筐体5の天井面11の下面には大径の薄いリング状歯車が回転自在に設けられ、このリング状歯車に、全ての前記小歯車が噛み合っている。
【0103】
図2(B)に示すように、上部筐体5の天井面11の下面には回転軸99aが回転自在に支持されている。この回転軸99aの下端には、前記伝達歯車99が固定されており、この伝達歯車99が、図9に示す第2の動力伝達部16の切換え歯車98と噛み合うことが可能となっている。回転軸99aの上端には、薄型歯車99bが固定されており、この薄型歯車99bが、前記リング状歯車に噛み合っている。すなわち、6枚の支持体21のいずれかを選択位置(a)へ移動させる選択動作は、第2の動力伝達部16に設けられた第2のモータM2を駆動し、その動力を、切換え歯車98から伝達歯車99に伝達し、さらに前記リング状歯車を回転させることにより行われる。
【0104】
なお、本実施の形態では、上記のように、スパイラル状の選択溝152を有する3本の選択軸151により支持体選択手段22を構成しているが、支持体選択手段22は、各支持体21の側縁にピンを突設し、筐体5の左側面9や後面10の内側に摺動自在に配設したプレートに複数のカム溝を形成して、支持体21の前記ピンを前記カム溝により昇降させる機構などから構成されたものであってもよい。
【0105】
図13にも示すように、それぞれの支持体21の内縁21bは凹曲線形状であり、駆動ユニット14が介入位置に回動したときに、内縁21bはターンテーブル82と重ならない位置にある。図13に示すように、駆動ユニット14は、X2側で且つY2側の端に位置する支持軸84を支点として時計方向へ回動して介入位置に至るが、その回動動作を妨げないように、前記3本の選択軸151は次のように配置されている。位置(j)と(k)にある2本の選択軸151は、筐体2の後面10に接近した位置に配置され、位置(j)と(k)の2本の選択軸151の中心を通る仮想線Obは、ほぼ後面10と平行に配置されている。また位置(k)と(m)にある2本の選択軸151は、筐体2の左側面9の内側に接近して配置されている。
【0106】
したがって、支持体21の内縁21bの凹曲線を二分する位置に延びる法線Ocは、Y1方向とX2方向との中間方向に向けられている。
【0107】
それぞれの支持体21は薄い金属板で形成されており、図12と図13などに示すように、その下面には保持爪155,156,157が設けられており、支持体21の下面に供給されたディスクDの外周部は、支持体21と、それぞれの保持爪155,156,157との間で保持される。それぞれの保持爪155,156,157は、前記選択軸151に挿通される挿通穴21aの近傍に設けられており、保持爪155,156,157は、挿通穴21aの外周を基準として回動自在に設けられている。また、筐体2の後面10および左側面9の内側には、支持体21の昇降移動位置に応じて、それぞれの保持爪155,156,157を回動させる爪制御手段(図示せず)が設けられている。
【0108】
次に、上記ディスク収納型ディスク装置1の全体動作について説明する。
(ディスク挿入待機モード)
このディスク収納型ディスク装置1では、ディスクDの挿入を待機するホームポジションが、図13に示すように、駆動ユニット14がディスク収納領域20内に介入する介入位置にあり、移送ユニット17は、筐体2の前面7の内側に沿う待機位置にある。
【0109】
前面7の前方に位置する操作部あるいはリモートコントローラを使用して、複数の支持体21のうちのいずれかを指定する操作を行うと、図12に示すように、駆動ユニット14が筐体2の右側面8の内側に沿う退避位置に移動する。なお、ディスクDの挿入を待機するホームポジションが図12に示す状態に設定されるものであってもよい。
【0110】
図12に示すモードでの移送ユニット17は、移送ローラ112,113が前面7と平行な状態よりもわずかに反時計方向へ回動させられており、移送ユニット17の自由端側の先部に設けられた掛止突起161が、駆動ユニット14の自由端側の先端面に形成された凹部または穴内に嵌合している。よって、それぞれ片持ち状態である駆動ユニット14と移送ユニット17のがたつきの発生が防止できる。例えば、ディスク収納型ディスク装置1を輸送しまたは保管しているときに、前記のように駆動ユニット14と移送ユニット17とを掛止させておくことで、振動や衝撃によって駆動ユニット14や移送ユニット17が他の部材に衝突するのを防止でき、各ユニットの機構を保護できるようになる。
【0111】
また、このディスク収納型ディスク装置1が自動車に搭載されたときで、且つディスクを駆動していないホームポジションを図12の状態に設定しておくと、車体の振動によって、駆動ユニット14と移送ユニット17のそれぞれの自由端ががたつくのを防止することができ、機構の損傷の防止のみならず、機構のがたつき音が発生するのを抑制できる。
【0112】
図12に示すモードは次のようにして設定される。
第1の動力伝達部12に設けられた第1のモータM1によって、ラック部材32が図3に示すようにY2側へ移動させられ、このラック部材32と共にスライダ31と切換レバー38がY2方向へ移動させられている。図6に示すように、この切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41によって、ユニット支持ベース13に設けられた駆動スライダ85がY2方向へ移動させられている。この駆動スライダ85の駆動凹部85aによって、駆動軸88がY2方向へ移動させられ、駆動ユニット14が反時計方向へ回動させられて、駆動ユニット14は、ディスク収納領域20に保持されているディスクDの外周縁から離れた退避位置に設定される。
【0113】
このとき、図3に示すように、ロック切換え部材42は(b)方向へ移動して停止しているため、伝達部材52は時計方向へ回動させられており、後方折曲げ片3bの内側に位置しているロック部材54はX2方向へ移動させられている。同様に、下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側にしているロック部材61も図2(B)に示すようにX2側に移動させられている。
【0114】
ユニット支持ベース13の後方に設けられた拘束軸77は、図1に示すロック部材54に形成されたロック制御穴56の拘束部56a内に保持され、ユニット支持ベース13の前方に設けられた拘束軸78,78は、図2(B)に示すように、ロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の拘束部62a,62a内に保持されている。前記拘束部56aと拘束部62a,62aは、筐体2の底面6に近い側に位置しているため、ユニット支持ベース13は、底面6に接近する位置で拘束され、このとき各ダンパー71,72,73は、ユニット支持ベース13によって、底面6に向けて押しつぶされるように変形させられている。
【0115】
図12に示すモードでは、駆動スライダ85がY2側へ移動して停止し、ロック切換え部材42が(b)方向へ移動して停止しているため、図8(A)に示すように、ロック切換え部材42に設けられた中間拘束部63の当接面63aと、駆動スライダ85に設けられた可動拘束部87の当接面87aとが当接している。前記のようにユニット支持ベース13は底面6に接近する状態で拘束されているため、前記可動拘束部87の当接面87aが、中間拘束部63の当接面63aに軽く押し付けられている。
【0116】
図12に示すように、このディスク収納型ディスク装置1は、筐体2の奥行き寸法を短くできるように、支持体21を有するディスク収納領域20が、筐体2の後面10に接近する位置に配置され、筐体2の前面7とディスク収納領域20との間の領域は、移送ユニット17のみを配置できるように狭く設定されている。そのため、ユニット支持ベース13は、ディスク収納領域20に保持されるディスクDの外周縁に当たらないように、筐体2の前面7の内側に沿って延びる前方部分13Aと、筐体2内の右側の領域に位置する右側部分13Bを有する平面がL字形状である。また、前方部分13Aは、Y1−Y2方向の奥行き幅寸法が短くなっている。
【0117】
ユニット支持ベース13は、前方部分の2箇所に設けられた拘束軸78,78と、右側部分13Bの後端に設けられた1本の拘束軸77が、前記ロック部材54とロック部材61とで拘束されているが、拘束軸78,78と拘束軸77との間では、ユニット支持ベース13の剛性が低くなっている。さらに、右側部分13Bには駆動ユニット14が搭載されているため、拘束軸78,78と拘束軸77との間に、ユニット支持ベース13の荷重が常に上方から作用している。
【0118】
しかし、図6および図12に示すように、駆動ユニット14が退避位置にあるときには、図8(A)に示すように、ユニット支持ベース13の中間部分が、中間拘束部63と可動拘束部87との当接によって下側から支持されている。そのため駆動ユニット14が載置されているユニット支持ベース13に過大な応力が作用するのを防止でき、ユニット支持ベース13が底面6に向けて突状に変形することなどを防止できる。
【0119】
図12に示すモードでは、図9に示す第2の動力伝達部16において、駆動レバー135に設けられた伝達軸138が、切換え部材91に形成されたユニット制御長穴137の非作用部137a内に位置している。そのため、駆動レバー135は時計方向へ回動した状態に保持され、駆動軸133が案内穴15cのY1側の端部に位置しているため、移送ユニット17は時計方向へ回動して、ディスク収納領域20内のディスクDの外周縁から外れた待機位置に停止している。
【0120】
(支持体選択動作)
筐体2の前面7の前方に設けられた操作部またはリモートコントローラを操作して、ディスク収納領域20内に6枚設けられた支持体21のいずれかを選択すると支持体選択動作に移行する。
【0121】
この支持体選択動作は、図12に示すように、駆動ユニット14が退避位置にあり、且つ移送ユニット17が待機位置にある状態で、図9に示す第2のモータM2を動作させることによって行われる。第2のモータM2を動作させると、ピニオン歯車97が回転し、ラック歯91bに動力が伝達されて、切換え部材91が、(d)方向または(e)方向は摺動させられる。ただし、切換え部材91の動作範囲は、駆動レバー135に設けられた伝達軸138が、ユニット制御長穴137の非作用部137a内に位置している範囲に限られる。すなわち、駆動レバー135が時計方向へ回動した状態を維持し、移送ユニット17が待機位置から動かないように設定された状態で、支持体選択動作が行われる。
【0122】
支持体選択動作に移行するときには、図示しない切換え手段によって、図9に示すように、前記切換え歯車98が、出力歯車94および伝達歯車99の双方に噛み合う状態に設定される。第2のモータM2の動力は、出力歯車94から切換え歯車98を経て図2に示す伝達歯車99に伝達され、上部筐体5の天井面11に設けられたリング状歯車(図示せず)が回転させられて、支持体選択手段22に設けられた3本の選択軸151が互いに同期して回転する。
【0123】
選択軸151が反時計方向へ回転すると、支持体21は、スパイラル状の選択溝152によって、1枚ずつ下方へ送られ、選択軸151が時計方向へ回転すると、支持体21が1枚ずつ上方へ送られる。選択すべき支持体21が、選択溝152の疎ピッチ部152cに移動し、図2(B)に示す選択位置(a)に至ると、第2のモータM2が停止し、各選択軸151の回転が停止する。このとき、選択溝152の疎ピッチ部152cによって、選択位置(a)で停止している支持体21と、その下に隣接する支持体21との間隔が大きく空けられる。
【0124】
なお、選択すべき支持体21が選択位置(a)に至ったか否かは、前記リング状歯車の回転位相を検出手段で検出することで制御でき、あるいは図9に示す切換え部材91の(d)−(e)方向の移動位置を検出手段で検出することで制御できる。これら検出手段の検出出力は、図示しないCPUなどの制御手段で認識される。
【0125】
(ディスク搬入動作)
選択された支持体21が前記選択位置(a)に移行して停止すると、制御手段が、図2に示す第1のモータM1に始動指令を与え、第1のモータM1が始動する。第1のモータM1の動力によって、ラック部材32が図3の位置からY1方向へ移動させられて、図4に示す位置へ移動した時点で第1のモータM1が停止する。
【0126】
ラック部材32が図3から図4の位置へ移動するときに、ラック部材32と共に、スライダ31と切換レバー38がY1方向へ移動し、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41によって、駆動スライダ85が図7に示す位置まで移動させられ、この駆動スライダ85によって、駆動ユニット14が時計方向へ回動させられ、この駆動ユニット14が選択位置(a)にある支持体21とその下に位置する支持体21との中間の位置に介入して停止する。図13に示すように、このときの駆動ユニット14の停止位置は、ターンテーブル82の回転中心が、支持体21に支持されるべきディスクDの中心と一致する位置である。
【0127】
ラック部材32は、図4の位置で停止するため、この時点では、ロック切換え部材42は(b)方向へ移動した状態で停止しており、ロック部材54とロック部材61はX2側に移動した状態を維持する。よって、ユニット支持ベース13の後方に設けられた拘束軸77は、図1に示すロック部材54に形成されたロック制御穴56の拘束部56a内に保持されたままであり、ユニット支持ベース13の前方に設けられた拘束軸78,78も、図2(B)に示すように、ロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の拘束部62a,62aで保持されたままである。
【0128】
ただし、駆動スライダ85がY1方向へ移動するため、図8(B)に示すように、駆動スライダ85の下面に設けられた可動拘束部87は、ロック切換え部材42に設けられた中間拘束部63から外れる。
【0129】
図13の状態で挿入口23からディスクDが挿入されると、ディスクDは、その中心D0が、挿入中心線Oaに沿うようにして筐体2内に入り込む。ディスクDの挿入側先端は、移送ユニット17に設けられた移送ローラの中間部114と挟持部106との間に入り込むため、ディスクDの先部が抵抗を受けることなく挿入口23から筐体2の内部に挿入される。
【0130】
挿入口23からディスクDが挿入されたことが、図示しない検出部材で検出されると、図6に示す第3のモータM3が始動する。この第3のモータM3の回転力は、ウォーム歯車143から中間歯車142に伝達され、さらに図11に示す一体ギヤ141の下部歯車141bに伝達される。さらに、支点軸131と同軸に設けられたウォーム歯車141aから、移送ユニット17に設けられたウォームホイール147bに動力が伝達され、この動力は、平歯車147aと一体ギヤ146を介してローラ歯車144に伝達される。このときのローラ歯車144の回転方向は反時計方向であり、ローラ軸111がディスク搬入方向へ回転させられる。
【0131】
挿入口23から挿入されたディスクDの先端の両側部が、第1の移送ローラ112と挟持部106との間、および第2の移送ローラ113と挟持部106との間に入り込むと、移送ローラ112,113の回転力がディスクDに伝達されて、ディスクDはその中心D0が挿入中心線Oaに沿うようにして筐体2内に移送される。ディスクDが筐体2内に所定距離(例えば、ディスクの半径のほぼ1/2程度)搬入されたことが図示しない検出手段で検出されると、それまで図13に示す待機位置にあった移送ユニット17を図14に示す移送動作位置へ回動させる動作が開始される。
【0132】
移送ユニット17を移送動作位置へ回動させる動作は、第3のモータM3を動作させ続け、移送ローラ112,113の搬入方向への回転を継続させながら行われる。このとき、図10に示すように、前記切換え手段によって、切換え歯車98を出力歯車94との噛み合いが外れる位置へ移動させ、第2のモータM2の動力が伝達歯車99に伝達されないように切換えられる。
【0133】
そして、第2のモータM2によって、切換え部材91を、図9の位置から(e)方向へ摺動させて、図10に示す位置まで移動させる。切換え部材91が(e)方向へ移動するときに、ユニット制御長穴137の駆動傾斜部137bによって、伝達軸138が反時計方向へ移動させられ、駆動レバー135が反時計方向へ回動させられる。この駆動レバー135によって、移送ユニット17は、支点軸131を中心として反時計方向へ回動し、図14に示す移送動作位置に至る。
【0134】
図14に示すように、移送ローラ112,113が搬入方向へ回転しながら、移送ユニット17が移送動作位置に向けて回動するときに、筐体2内に移送されるディスクDの外周縁が、押圧案内部材121の案内溝123内に入り込み、押圧案内部材121が拡開位置(h)まで押し広げられ、この押圧案内部材121の回動付勢力により、ディスクDは常に第1の側(X1側)に押し付けられる。
【0135】
図13と図14に示すように、ディスクDが搬入されるとき、選択位置(a)にある支持体21では、第2の側(X2側)に位置している保持爪155と、中間に位置している保持爪156とが、ディスクDを挟持できる位置へ回動しているが、第1の側に位置している保持爪157は、時計方向へ回動しディスクDを挟持しない位置に退避している。
【0136】
ディスク支持体21は第1の側に位置し、且つ移送ユニット17は、移送ローラ112,113でディスクDを移送しながら、自らが反時計方向へ回動するため、ディスクDの搬送中心線が、支持体21に向けられるようになる。そのため、第1の側に位置する支持体21に対して、ディスクDが確実に送り込まれるようになる。ディスクDは押圧案内部材121によってX1側へ押し付けられながら搬入され、その押し付け方向に対向する保持爪157がディスクDに対して抵抗を与えないように退避しているため、ディスクDは、確実に保持爪155と保持爪166とで保持できる位置へ供給され、ディスクDの外周部が、支持体21と保持爪155との間、および支持体21と保持爪156との間で挟持されるようになる。
【0137】
ディスクDが選択位置(a)にある支持体21に保持されると、図10に示す第2のモータM2が逆転方向へ動作し、切換え部材91が(d)方向へ摺動させられる。よって、駆動レバー135が時計方向へ回動させられ、移送ユニット17が時計方向へ回動し始める。このとき、図6に示す第3のモータM3の動作を継続させ、移送ローラ112,113の搬入方向への回転を継続する。
【0138】
移送ユニット17が図14に示す移送動作位置から時計方向へ回動するときに、ディスクDは、移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されたままであるが、移送ローラ112,113が搬入方向へ回転し続けるために、ディスクDに対して支持体21から引き出す方向への力が作用することなく、移送ユニット17が図15に示す待機位置へ復帰できるようになる。
【0139】
このとき、移送ユニット17が時計方向へ回動するときの速度よりも、移送ローラ112,113の表面の周速度をわずかに大きく設定することが好ましい。このように設定すると、移送ユニット17が時計方向へ回動するときに、移送ローラ112,113の周速度と移送ユニット17の回動速度との差によって、ディスクDが保持爪155と156に押し付けられるようになり、ディスクDが選択位置(a)にある支持体21から抜け出るのを防止できる。
【0140】
また、移送ユニット17に設けられた移送ローラ112と113は、軸方向に間隔を開けて配置されており、図14に示すように、移送ユニット17が移送動作位置に位置しているときに、移送ローラ112,113とディスクDとの接触部の長さ寸法が短くなっている。よって、図14に示す状態から移送ユニット17が時計方向へ回動するときに、移送ローラ112,113が直ちにディスクDから離れるようになる。よって、前記速度差によって移送ローラ112,113でディスクDが保持爪155と156に押し付けられる動作が短時間となり、保持爪155,156に過大な負荷を与えたり、移送ローラ112,113の回転によってディスクDを傷つけるなどの問題が生じ難くなる。
【0141】
(ディスク駆動動作)
移送ユニット17が図15に示す待機位置へ復帰した後に、選択位置(a)にある支持体21に供給されたディスクDを、そのまま駆動するときには、次の動作が行われる。
【0142】
ディスク駆動に移行するときには、第1の動力伝達部12に設けられた第1のモータM1によって、ラック部材32が、図4に示す位置からY1方向へ駆動され図5に示す位置へ移動させられる。このとき、スライダ31と切換レバー38がY1方向へ動くことなく、駆動ユニット14が図15に示す介入位置に設定されたまま、ラック部材32のY1方向への移動力によって、連結回動レバー44が反時計方向へ回動させられ、ロック切換え部材42が(c)方向へ摺動させられる。その結果、筐体2のY2側では、伝達部材52が反時計方向へ回動してロック部材54がX1方向へ移動させられ、図2(B)に示す筐体2の前方では、ロック部材61がX1方向へ移動させられる。
【0143】
図1に示すロック部材54と、図2(B)に示すロック部材61がX1方向へ移動する過程で、ユニット支持ベース13に設けられた拘束軸77が、ロック部材54に形成されたロック制御穴56の持ち上げ部56bに導かれ、同時に拘束軸78,78が、ロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の持ち上げ部62b,62bに導かれる。よって、ユニット支持ベース13が底面6から離れるように持ち上げられ、ユニット支持ベース13に支持されている駆動ユニット14も持ち上げられる。そして、駆動ユニット14に設けられたターンテーブル82が、選択位置(a)にある支持体21に支持されたディスクDの中心穴内に下から入り込むようになる。このとき、図示しないクランプ機構が動作し、ディスクDの中心穴がターンテーブル82にクランプされる。
【0144】
さらに、ロック部材54がX1方向へ移動し、ロック部材61がX1方向へ移動すると、拘束軸77がロック制御穴56の逃げ穴56d内に導かれ、拘束軸78,78が、ロック制御穴62,62の逃げ穴62d,62d内に導かれて、ロック部材54,61による拘束軸77と78,78に対する拘束が解除される。さらに、図5に示すように切換レバー38がさらに時計方向へ回動するため、図7に示すように、切換駆動ピン41が、駆動スライダ85に形成された駆動穴86の逃げ部86b内に移動する。よって、ユニット支持ベース13は、拘束力を受けず、ダンパー71,72,73によって弾性支持された状態となる。
【0145】
さらに、図15に示すように、選択位置(a)にある支持体21では、全ての保持爪155,156,157が退避方向へ回動して、ディスクDから離れ、支持体21がディスクDを拘束しないようになる。このように、ユニット支持ベース13が弾性支持され、ディスクDが支持体21から開放された状態で、ターンテーブル82が回転してディスクDが回転駆動され、光ヘッド83によって記録情報の再生動作または記録動作が行われる。
【0146】
(ディスク駆動後の動作)
駆動ユニット14での駆動が完了したディスクをディスク収納領域20内に収納するときには、第1の動力伝達部12の第1のモータM1を始動して、ラック部材32を、図5の位置から図4の位置まで復帰させ、ロック切換え部材42を(b)方向へ移動させて、前記ロック部材54とロック部材61をX2方向へ移動させる。この過程で、拘束軸77が図1に示すロック制御穴56の持ち上げ部56bに保持され、拘束軸78,78が図2(B)に示すロック制御穴62,62の持ち上げ部62b,62bに拘束されるため、ユニット支持ベース13と駆動ユニット14が持ち上げられる。
【0147】
よって、ターンテーブル82にクランプされているディスクDが、選択位置(a)にある支持体21の下面に押し付けられる。このとき、支持体21に設けられた全ての保持爪155,156,157が回動して、保持爪155,156,167と支持体21の下面とでディスクDの外周部が保持される。そして、ターンテーブル82とディスクDとのクランプが解除されて、ディスクDが支持体21に完全に保持された状態となる。
【0148】
(ディスク排出動作)
このディスク収納型ディスク装置1では、図15に示す状態で駆動ユニット14での駆動が完了したディスクDを、そのまま挿入口23から排出することができる。あるいは、いずれかの支持体21を選択し、選択された支持体21に保持されているディスクDを排出することができる。排出するディスクDを保持した支持体21を選択する動作は、前述の支持体選択動作と同じであり、図12に示すように、駆動ユニット14を退避位置へ移動させ、移送ユニット17を待機位置へ移動させた状態で、選択軸151を回転させ、排出しようとするディスクを保持した支持体21を選択位置(a)へ移動させる。
【0149】
支持体21に支持されているディスクDを排出させる動作は、第1の動力伝達部12において、ラック部材32を図4に示す位置へ移動させ、図15に示すように、駆動ユニット14を介入位置へ移動させた状態で行われる。ディスクの排出動作(および搬入動作)では、駆動ユニット14のターンテーブル82が、ディスクDの下側に位置し、ディスクが不用意に下方へ移動しないようにガイド部材として機能できるようになる。
【0150】
ディスク排出動作では、図10に示すように、切換え部材91を(e)方向へ移動させ、移送ユニット17を待機位置から移送動作位置へ移動させる。このとき、第3のモータM3を始動して、移送ローラ112,113を搬出方向へ回転させながら、移送ユニット17を反時計方向へ回動させる。したがって、移送ユニット17が移送動作位置へ回動するときに、支持体21に支持されているディスクのY1側の端部が、移送ローラ112,113と挟持部106との間にスムースに挟持される。
【0151】
その後に、移送ローラ112,113の搬出方向への回転を継続させながら、移送ユニット17を図14に示す移送動作位置から図13および図15に示す待機位置へ回動させる。よって、ディスクDは、移送ローラ112,113の移送力と、移送ユニット17の時計方向への回動力によって挿入口23から外部へ排出される。
【0152】
なお、図15に示すように、駆動ユニット14での駆動が完了したディスクDを排出するときには、ディスクDがターンテーブル82にクランプされている状態で、前記のように、移送ユニット17が待機位置から移送動作位置へ回動して、移送ローラ112,113と挟持部106とでディスクが挟持される。ディスク挟持直後に、ターンテーブル82によるディスクDのクランプが解除され、さらに移送ユニット17が待機位置へ回動することにより、ディスクDが挿入口23から排出される。
【0153】
なお、前記実施の形態では、ディスク搬入動作として、図14に示すように、移送ユニット17が移送動作位置へ移動して、ディスクDが選択位置にある支持体21に供給されて、ディスクDが支持体21に保持されるものとして説明したが、移送ローラ112,113でディスクDを移送しながら移送ユニット17が図14に示す移動動作位置へ回動した時点で、移送されるディスクがターンテーブル82でクランプされるように構成することも可能である。
【0154】
この場合も、押圧案内部材121がディスクDを第1の側へ押圧するため、移送中のディスクDが第2の側へ位置ずれすることなく、ディスクDの中心が、ターンテーブル82に確実に位置決めされるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明の1実施の形態のディスク収納型ディスク装置の全体構造を示す分解斜視図である。
【図2】ディスク収納型ディスク装置を筐体の前面から見た正面図であり、(A)は主に筐体内の移送ユニットを示し、(B)は主に支持体と支持体選択手段および駆動ユニットを示す。
【図3】筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、支持体選択動作モードを示す。
【図4】筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、駆動ユニットが介入位置へ回動した状態を示す。
【図5】筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、ディスク駆動モードを示す。
【図6】駆動ユニットとその支持ベースを示す動作別の平面図であり、駆動ユニットが退避位置にある状態を示す。
【図7】駆動ユニットとその支持ベースを示す動作別の平面図であり、駆動ユニットが介入位置へ回動した状態を示す。
【図8】駆動ユニットの支持ベースの拘束状態と拘束解除状態を示すものであり、(A)は図6のVIII矢視の側面図で、ユニット支持ベースの拘束状態、(B)は図7のVIII矢視の側面図で、ユニット支持ベースの拘束解除状態である。
【図9】第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、支持体選択動作モードを示す。
【図10】第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、移送ユニットが移送動作位置へ回動した状態を示す。
【図11】第3の動力伝達部(ローラ駆動手段)を示すものであり、移送ユニットの回動支点の構造を示す分解斜視図である。
【図12】ディスク収納型ディスク装置の全体の動作を順に示す平面図であり、支持体選択動作を示す。
【図13】ディスク収納型ディスク装置の全体の動作を順に示す平面図であり、ディスク搬入動作を示す。
【図14】ディスク収納型ディスク装置の全体の動作を順に示す平面図であり、ディスクが筐体内に移送されて押圧案内部材で押圧された状態を示す。
【図15】ディスク収納型ディスク装置の全体の動作を順に示す平面図であり、ディスク駆動モードを示す。
【符号の説明】
【0156】
1 ディスク収納型ディスク装置
2 筐体
3 下部筐体
4 中間筐体
5 上部筐体
6 底面
7 前面
8 右側面
9 左側面
10 後面
11 天井面
12 第1の動力伝達部
13 ユニット支持ベース
14 駆動ユニット
15 機構ベース
16 第2の動力伝達部
17 移送ユニット
19 第3の動力伝達部
20 ディスク収納領域
21 支持体
22 支持体選択手段
23 挿入口
32 ラック部材
38 切換レバー
41 切換駆動ピン
42 ロック切換え部材
54,61 ロック部材
56,62 ロック制御穴
63 中間拘束部
71,72,73 ダンパー
77,78 拘束軸
81 駆動ベース
82 ターンテーブル(回転駆動部)
83 光ヘッド
84 支持軸
85 駆動スライダ
85a 駆動凹部
87 可動拘束部
91 切換え部材
106 挟持部
112,113 移送ローラ
114 中間部
121 押圧案内部材
123 案内溝
131 支点軸
135 駆動レバー
151 選択軸
152 選択溝
155,156,157 保持爪
161 掛止突起
D ディスク
M1 第1のモータ
M2 第2のモータ
M3 第3のモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に挿入口を有する筐体内に、ディスクを回転させる回転駆動部と、挿入口から挿入されたディスクを回転駆動部に移送する移送ユニットとが設けられたディスク装置において、
前記挿入口を開口幅方向に二分し筐体の前面と直交して延びる仮想線を挿入中心線としたときに、回転駆動部の回転中心が、前記挿入中心線から第1の側へ離れた位置に配置され、
前記移送ユニットには、移送ローラと、この移送ローラとでディスクを挟持する挟持部とが設けられ、移送ユニットは、挿入中心線から前記第1の側に離れて位置する支点軸を中心として回動自在に支持され、
移送ユニットを、移送ローラの軸方向が筐体の前面に沿う待機位置から、移送ローラが回転駆動部に接近する移送動作位置へ向けて回動させる移送ユニット回動手段が設けられており、
移送ユニットの前記第1の側と逆側である第2の側に、筐体内方に突出する押圧案内部材が回動自在に支持されているとともに、この押圧案内部材は、第1の側に向く方向へ弾性付勢されており、
移送ローラと挟持部とで挟持されて筐体内に向けて移送されるディスクの外周縁が、押圧案内部材に当接して、この押圧案内部材によって第1の側への押圧されることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前面に挿入口を有する筐体内に、ディスクを支持可能でディスクの厚み方向に重なるように配置された複数の支持体と、いずれかの支持体を選択位置に移動させるとともに選択位置の支持体とこれに隣接する支持体との間隔を広げる支持体選択手段と、前記間隔内に入り込んで選択位置の支持体に支持されたディスクを駆動可能な回転駆動部と、挿入口から挿入されたディスクを選択位置の支持体へ向けて移送する移送ユニットとが設けられたディスク装置において、
前記挿入口を開口幅方向に二分し筐体の前面と直交して延びる仮想線を挿入中心線としたときに、支持体に支持されたディスクの中心が、前記挿入中心線から第1の側へ離れた位置に配置され、
前記移送ユニットには、移送ローラと、この移送ローラとでディスクを挟持する挟持部とが設けられ、移送ユニットは、挿入中心線から前記第1の側に離れて位置する支点軸を中心として回動自在に支持され、
移送ユニットを、移送ローラの軸方向が筐体の前面に沿う待機位置から、移送ローラが支持体に接近する移送動作位置へ向けて回動させる移送ユニット回動手段が設けられており、
移送ユニットの前記第1の側と逆側である第2の側に、筐体内方に突出する押圧案内部材が回動自在に支持されているとともに、この押圧案内部材は、第1の側に向く方向へ弾性付勢されており、
移送ローラと挟持部とで挟持されて筐体内に向けて移送されるディスクの外周縁が、押圧案内部材に当接して、この押圧案内部材によって第1の側へ押圧されることを特徴とするディスク装置。
【請求項3】
移送ローラと挟持部とで挟持されたディスクが筐体内に所定距離だけ移送された後に、ディスクが押圧案内部材に当接する請求項1または2記載のディスク装置。
【請求項4】
前記押圧案内部材は、初期姿勢で、移送ローラの軸方向に対して第1の側へ直角未満の角度で規制されており、ディスクの外周縁が当たったときに、押圧案内部材が前記初期姿勢から第2の側に向けて回動する請求項1ないし3のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項5】
前記押圧案内部材の、ディスクの外周縁に対向する対向内面には、筐体の内方に延びる案内溝が形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項6】
移送ユニットが待機位置から移送動作位置へ向けて回動するときに、同時に移送ローラが、ディスクを筐体内へ移送する搬入方向へ回転させられる請求項1ないし5のいずれかに記載のディスク装置。
【請求項7】
ディスクを挿入口から搬出するときには、移送ユニットが移送動作位置から待機位置へ復帰するとともに、同時に移送ローラが、ディスクを挿入口に搬出する搬出方向へ回転させられる請求項1ないし6のいずれかに記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−269010(P2006−269010A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−88193(P2005−88193)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】