説明

ディスク装置

【課題】光源から発生する光の量を測定して、光量が予め設定した光量範囲から逸脱した場合、所定の信号を出力することが可能なディスク装置を提供する。
【解決手段】光量測定手段は、駆動電流I1、I2に対応付けて、夫々光源が発生した光の量P1、P2を測定する。光量測定手段により測定された光量P1、P2は、夫々駆動電流−光量特性に基づいて予め設定した光量範囲PL1〜PH1、PL2〜PH2を逸脱しているか否か判定される。光量P1、P2が夫々光量範囲PL1〜PH1、PL2〜PH2を逸脱していると判定された場合、所定の信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源の異常を検出する手段を備えたディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク装置の動作が異常状態になった場合、その旨をユーザに知らせる必要がある。そのため、ディスク装置の動作が異常であるか否か検出する手法が種々知られている。特許文献1には、シークモータの駆動電流が予め設定された基準値を超えた場合、異常信号を発生するディスク装置の異常検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−3174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のディスク装置の異常検出装置は、シークモータの駆動電流に基づく異常を検出するものであって、光源の異常を検出するものではない。光源の劣化、損傷等は、遅かれ早かれほとんどの光源に生じるため、光源から発生する光の量を測定して、光源の劣化、破損等による致命的な異常がある旨をユーザに知らせるディスク装置は、極めて有用である。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、光源から発生する光の量を測定して、光量が予め設定した光量範囲から逸脱した場合、所定の信号を出力することが可能なディスク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るディスク装置は、駆動電流の供給により光を発生する光源を備え、該光源が発生する光をディスクに照射して、情報の記録又は再生を行うディスク装置において、所定の駆動電流値に対応付けて、前記光源が発生する光の量を測定する光量測定手段と、該光量測定手段により測定された光量が、所定の光量範囲を逸脱しているか否か判定する光量判定手段と、該光量判定手段により光量が前記光量範囲を逸脱していると判定された場合、所定の信号を出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るディスク装置は、前記駆動電流値及び前記光量測定手段により測定された光量から、駆動電流値の変化に対する光量の変化の比を算出する比算出手段を備え、該比算出手段により算出された比が、所定の比範囲を逸脱しているか否か判定する比判定手段と、該比判定手段により比が前記比範囲を逸脱していると判定された場合、所定の信号を出力する手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るディスク装置は、コンテンツデータを受け付けるデータ受付手段と、該データ受付手段が受け付けたコンテンツデータを記録する記録手段とを備え、該記録手段は、前記光量判定手段により光量が前記光量範囲を逸脱していると判定された場合、又は前記比判定手段により比が前記比範囲を逸脱していると判定された場合、コンテンツデータを記録するようにしてあることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るディスク装置は、前記比算出手段により算出された比が、前記比範囲の下限値及び該比範囲内の所定値の間にある場合、第二の信号を出力する手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るディスク装置は、前記光量測定手段により測定された光量が、前記光量範囲の下限値及び該光量範囲内の所定値の間にある場合、第二の信号を出力する手段を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るディスク装置は、前記光源は、複数の波長域の光を発生可能にしてあり、前記光量測定手段は、一つの波長域の光の量を測定するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明のディスク装置にあっては、駆動電流の供給により光を発生する光源を備えている。光量測定手段は、所定の駆動電流値に対応付けて、光源が発生する光の量を測定する。光量判定手段は、光量測定手段により測定された光量が所定の光量範囲を逸脱しているか否か判定する。光量判定手段が、光量測定手段により測定された光量は所定の光量範囲を逸脱していると判定した場合、所定の信号が出力される。
【0013】
本発明のディスク装置にあっては、所定の駆動電流値及び光量測定手段により測定された光量から、駆動電流値の変化に対する光量の変化の比を算出する比算出手段を備えている。比判定手段は、比算出手段により算出された比が所定の比範囲を逸脱しているか否か判定する。比判定手段が、比算出手段により算出された比は所定の比範囲を逸脱していると判定した場合、所定の信号が出力される。
【0014】
本発明のディスク装置にあっては、コンテンツデータを受け付け、受け付けたコンテンツデータを記録する記録手段を備えている。光量測定手段により測定された光量が所定の光量範囲を逸脱していると判定された場合、又は比算出手段により算出された比が所定の比範囲を逸脱していると判定された場合、記録手段は受け付けたコンテンツデータを記録する。
【0015】
本発明のディスク装置にあっては、比算出手段により算出された比が所定の比範囲の下限値及びこの比範囲内の所定値の間にある場合、第二の信号が出力される。
【0016】
本発明のディスク装置にあっては、光量測定手段により測定された光量が所定の光量範囲の下限値及びこの光量範囲内の所定値の間にある場合、第二の信号が出力される。
【0017】
本発明のディスク装置にあっては、光源は複数の波長域の光を発生することができる。光量測定手段により、一つの波長域の光の量が測定される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光源から発生する光の量を測定して、光量が予め設定した光量範囲から逸脱した場合、所定の信号を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施の形態1に係るディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るディスク装置の構成を模式的に示す説明図である。
【図3】半導体レーザの劣化に伴う駆動電流−光量特性の変化を示す説明図である。
【図4】実施の形態1において制御部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1において制御部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】光量測定前の初期処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2に係る半導体レーザの異常検出を示す説明図である。
【図8】実施の形態2において制御部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3に係る半導体レーザの異常検出を示す説明図である。
【図10】実施の形態3に係る半導体レーザの異常検出の他例を示す説明図である。
【図11】実施の形態3において制御部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態4に係る光ピックアップの光学系の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明をその実施の形態に係る図面に基づいて説明する。
実施の形態1
実施の形態1は、駆動電流に対応する半導体レーザの光量が、予め定めた正常な光量の範囲から逸脱している場合、ユーザにサービスステーションに連絡する必要がある旨のエラーメッセージを表示する形態に関する。
【0021】
図1は、実施の形態1に係るディスク装置1の構成を示すブロック図である。図2は、実施の形態1に係るディスク装置1の構成を模式的に示す説明図である。ディスク装置1は、レコーダ、プレーヤ等のコンテンツ記録再生装置に内蔵されている。このコンテンツ記録再生装置はテレビと接続されている。また、ディスク装置1は、テレビに内蔵されていてもよい。
ディスク装置1は、制御部2、通信部3、光ピックアップ4、駆動モータ5、ディスク回転部6及び放送記録部7を含んで構成される。
【0022】
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータからなり、ディスク装置1の各構成部を制御する。ROMは、制御部2が実行するプログラム及びプログラムで使用するデータを記録している。RAMは、制御部2が実行するプログラムのための作業変数を記録する。
【0023】
通信部3は、ディスクDに記録する情報の記録信号、ディスクDから読み取った情報の再生信号、放送記録部7に記録されるテレビ放送データ等を、ディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置との間で入出力する。また、通信部3は、制御部2が半導体レーザ42に異常があると判断した場合、エラー信号をディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置に出力する。さらに、通信部3は、ディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置がインターネットと接続されている場合、インターネット経由の映像データを受け付けることができる。
【0024】
光ピックアップ4は、ディスクDにレーザ光を照射し、ディスクDに情報を記録する。あるいは、光ピックアップ4は、ディスクDからの反射光を受光して、ディスクDに記録されている情報を再生する。
光ピックアップ4は、レーザ駆動回路41、半導体レーザ42、受光部43及び対物レンズOを含んで構成される。
【0025】
レーザ駆動回路41は、制御部2からの指示により半導体レーザ42に供給する駆動電流を制御し、半導体レーザ42にレーザ光を発生させる。レーザ駆動回路41は、記録時に、通信部3が受け付けた記録信号に応じた駆動電流を半導体レーザ42に供給する。レーザ駆動回路41は、再生時には、半導体レーザ42に一定光量のレーザ光を発生させる。
レーザ駆動回路41は、駆動電流の検出も行い、検出結果を制御部2へ出力する。
【0026】
半導体レーザ42から照射されたレーザ光は、対物レンズOによりディスクDの記録面に集光される。ディスクDで反射された反射光は、受光部43に入射する。
受光部43は、フォトダイオードにより構成され、ディスクDで反射された反射光を電気信号に光電変換し、通信部3へ出力する。また、受光部43は、半導体レーザ42から照射されたレーザ光の一部を入射し、その光量の測定も行う。この光量の測定は、反射光の光量ではなく、半導体レーザ42から照射されたレーザ光の光量を直接測定する。受光部43は、光量の測定結果を制御部2へ出力する。
【0027】
駆動モータ5は、光ピックアップ4を案内レールRに沿ってディスクDの径方向に移動させる。
ディスク回転部6は、ディスクDを挟持するクランパ、ターンテーブル、ディスクDを回転させるスピンドルモータ等を含んで構成される。
【0028】
放送記録部7は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。制御部2は、ディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置に備えられたテレビチューナから放送記録部7に、テレビ放送データを記録する。あるいは、制御部2は、ディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置に接続されたテレビのテレビチューナから放送記録部7に、テレビ放送データを記録する。
【0029】
次に、実施の形態1に係るディスク装置の動作について説明する。
図3は、半導体レーザ42の劣化に伴う駆動電流−光量特性の変化を示す説明図である。Ithは、半導体レーザ42がレーザ発振を起こす閾値電流である。半導体レーザ42の光量は閾値電流を境として急激に増大し、図3の駆動電流−光量特性(電流−光出力特性又はI−P特性)は、Ithで折れ曲がった折れ線状になる。図3では、半導体レーザ42が正常な場合を実線で、半導体レーザ42が異常な場合を一点鎖線で示している。半導体レーザ42が劣化した場合、又は半導体レーザ42の寿命が近づいている場合、半導体レーザ42の駆動電流−光量特性は変化する。そのため、半導体レーザ42に供給される駆動電流は同一であっても、半導体レーザ42から照射されるレーザ光の光量は低下する。
また、駆動電流−光量特性から予想される光量よりも遙かに大きな光量が得られる場合も、半導体レーザ42は異常状態にある。
【0030】
まず、準備として、閾値電流より大きい駆動電流I1、I2を決めておく。また、駆動電流I1、I2で半導体レーザ42を駆動した場合、測定される光量P1、P2が正常とされる範囲を夫々上下限値によりPL1〜PH1、PL2〜PH2として決めておく。これらI1、I2、PL1〜PH1、PL2〜PH2は、予め制御部2のROMに記録しておく。
【0031】
ディスク装置1の電源がオンされた場合、制御部2は受光部43に光量P1、P2を測定させ、光量P1がPL1〜PH1の範囲にあり、かつ光量P2がPL2〜PH2の範囲にある場合、半導体レーザ42は正常であり、それ以外の場合、半導体レーザ42は異常であると判断する。制御部2は、半導体レーザ42が正常であると判断した場合、ディスク装置1を立ち上げる通常動作を行う。一方、制御部2は、半導体レーザ42が異常であると判断した場合、ディスク装置1を立ち上げる通常動作に移行せず、通信部3を介して、サービスステーションに連絡する必要がある旨のエラーメッセージを表示するためのエラー信号をディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置に出力する。
【0032】
ディスク装置1を内蔵するコンテンツ記録再生装置が表示部を有する場合、エラー信号を受け付けた当該コンテンツ記録再生装置は、表示部にディスク装置1の修理、交換等を行うサービスステーションに連絡する必要がある旨のエラーメッセージを表示する。あるいは、エラー信号を受け付けた当該コンテンツ記録再生装置がスピーカを有する場合、スピーカからエラーメッセージの音声を出力してもよい。
ディスク装置1を内蔵するコンテンツ記録再生装置が表示部を有しない場合、エラーメッセージは当該コンテンツ記録再生装置が接続されたテレビの表示部に表示してもよい。
【0033】
また、制御部2は、半導体レーザ42が異常であると判断した場合、ユーザが希望するとき、テレビ放送データを放送記録部7に記録する。そこで、制御部2は、半導体レーザ42が異常であると判断した場合、通信部3を介して、テレビ放送データを放送記録部7に記録するか否か選択をするための画面情報を、ディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置に出力する。ディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置の表示部又は当該コンテンツ記録再生装置が接続されているテレビの表示部に、テレビ放送データを放送記録部7に記録するか否か選択可能な画面が表示される。ユーザが、コンテンツ記録再生装置の操作部又はリモートコントローラ等により、テレビ放送データを放送記録部7に記録することを選択した場合、その情報は通信部3を介して、制御部2に出力される。テレビ放送データを放送記録部7に記録することをユーザが選択したことの情報を受け付けた制御部2は、以後テレビ放送データをディスクDではなく、放送記録部7に記録するように設定する。
【0034】
次に、実施の形態1において制御部2が実行する処理を説明する。図4及び図5は、実施の形態1において制御部2が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
制御部2は、初期処理を実行する(ステップS401)。この初期処理については、後述する。制御部2は、駆動電流I1で半導体レーザ42を駆動する(ステップS402)。制御部2は、駆動電流I1における光量P1を測定し、測定した光量P1をRAMに記録する(ステップS403)。制御部2は、駆動電流I2で半導体レーザ42を駆動する(ステップS404)。制御部2は、駆動電流I2における光量P2を測定し、測定した光量P2をRAMに記録する(ステップS405)。
【0035】
制御部2は、RAMから光量P1、P2を、ROMからPL1〜PH1、PL2〜PH2を読み出し、PL1<P1<PH1かつPL2<P2<PH2か否か判断する(ステップS406)。制御部2は、PL1<P1<PH1かつPL2<P2<PH2であると判断した場合(ステップS406:YES)、ディスク装置1を立ち上げる通常動作を行い(ステップS407)、処理を終える。制御部2は、PL1<P1<PH1かつPL2<P2<PH2でないと判断した場合(ステップS406:NO)、ディスク装置1を立ち上げる通常動作を行わずに、エラーメッセージを表示するためのエラー信号をディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置に出力する(ステップS408)。
ディスク装置1からエラー信号を受け付けたコンテンツ記録再生装置は、その表示部にサービスステーションに連絡する必要がある旨のエラーメッセージを表示する。
【0036】
制御部2は、テレビ放送データを放送記録部7に記録するか否か選択可能な画面情報を、ディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置に出力する(ステップS409)。制御部2は、ディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置から、テレビ放送データを放送記録部7に記録することをユーザが選択したことの情報を受け付けたか否か判断する(ステップS410)。制御部2は、テレビ放送データを放送記録部7に記録することをユーザが選択したことの情報を受け付けた場合(ステップS410:YES)、テレビ放送データを放送記録部7に記録する旨のフラグを、放送記録部7に記録し(ステップS411)、処理を終える。制御部2は、テレビ放送データを放送記録部7に記録することをユーザが選択したことの情報を受け付けない場合(ステップS410:NO)、何もせず処理を終える。
以後、制御部2は、放送記録部7にフラグが記録されているか否か判断して、テレビ放送データを放送記録部7に記録するか否かの処理を切り分ける。
【0037】
図6は、光量測定前の初期処理の手順を示すフローチャートである。
ディスク装置内部にディスクDが装着されている場合、そのまま光量P1、P2を測定するとき、レーザ光がディスクDの記録面に記録されている情報を消去してしまうおそれがある。そこで、制御部2は光量の測定を開始する前に、次の初期処理を実行する。
【0038】
制御部2は、ディスク装置1の電源がオンされた場合、ディスクDがディスク装置1に装着されているか否か判断する(ステップS61)。制御部2は、ディスクDがディスク装置1に装着されていないと判断した場合(ステップS61:NO)、処理を終える。制御部2は、ディスクDがディスク装置1に装着されていると判断した場合(ステップS61:YES)、駆動モータ5を制御して光ピックアップ4を移動することにより、レーザ光の照射位置をディスクDの外へ移動する(ステップS62)。制御部2は、レーザ光の照射位置がディスクDの外にあるか否か判断する(ステップS63)。制御部2は、レーザ光の照射位置がディスクDの外にないと判断した場合(ステップS63:NO)、ステップS62へ処理を戻す。制御部2は、レーザ光の照射位置がディスクDの外にあると判断した場合(ステップS63:YES)、処理を終える。
上記の初期処理の実行により、光量P1、P2を測定する場合、レーザ光がディスクDの記録面に記録されている情報を消去してしまうおそれを回避することができる。
なお、上記の初期処理を実行する代わりに、レーザ光のフォーカスをぼかす処理を実行してもよい。
【0039】
実施の形態1に係るディスク装置1によれば、予め決めた駆動電流に対応する光量を測定し、その値が予め正常と設定した光量の範囲から逸脱しているか否か判断することにより、半導体レーザ42の致命的な劣化又は破損の有無がわかる。
「録画できません」、「再生できません」等、ディスク装置1が異常である旨の表示を受けても、ユーザとしてはその表示がディスク装置1の修理、交換等を行うサービスステーションに連絡する必要がある異常なのか、それとも必要のない異常なのかわからない。
しかし、駆動電流−光量特性から劣化又は破損を被っていると判断できる半導体レーザ42は異常状態にあるため、サービスステーションに連絡する旨をユーザに表示することにより、ユーザはディスク装置1の修理、交換等の次の対応を取ることができ、安心感を得ることができる。
【0040】
実施の形態1に係るディスク装置1によれば、半導体レーザ42に致命的な劣化又は破損が見つかった場合、エラーメッセージの表示の他に、テレビ放送データを放送記録部7に記録することができる。そのため、ディスク装置1の交換等までの間、録画したいテレビ番組が放送されても録画できないという不利益は生じない。
【0041】
実施の形態1に係るディスク装置では、テレビ放送データを放送記録部に記録した。しかし、放送記録部が記録するデータは、テレビ放送データに限らず、インターネット経由で受け付け可能な映像データ、外部の再生装置が再生した映像データ等、一般的なコンテンツデータであってもよい。例えば、半導体レーザに致命的な劣化又は破損が見つかった場合、ディスク装置はディスクのダビングができなくなるが、外部のディスク装置が再生したディスクの再生データを、通信部を介して受け付け、受け付けた再生データをいったん放送記録部に記録してもよい。これにより、後に放送記録部から再生データを読み出し、読み出したデータを正常なディスク装置を用いてディスクに記録することができる。
【0042】
実施の形態1に係るディスク装置では、半導体レーザの駆動電流−光量特性を測定するために、P1及びP2の2つの光量を測定した。しかし、光量の測定数は2つに限られるものではなく、1つ又は3つ以上であってもよい。例えば、光量P2だけを測定し、PL2<P2<PH2を満たす場合、半導体レーザは異常であると判断する。
光量の測定数が多いほど、半導体レーザの劣化等の判断結果の信頼性は向上するが、その分測定時間が長くなり、ディスク装置の操作性が悪くなる。そのため、光量測定は2つ程度が好適である。
【0043】
ディスク装置の操作性を悪くしないために、ディスク装置の電源がオンされたとき、毎回光量測定を行うのではなく、ディスク装置が駆動される所定回数毎に光量測定を行う、又は所定期間毎に光量測定を行う形態であってもよい。そのためには、ディスク装置の駆動回数又は駆動時間を記録する記録手段を備えればよい。
ディスク装置が製造されてから日が短い場合、半導体レーザの劣化は進行していない。そのため、ディスク装置が製造されてから所定期間経過するまで光量測定を行わず、半導体レーザの劣化が生じると予想される時期に近づいてきたとき、毎回光量測定を行うように切り替える実施形態であってもよい。そのためには、半導体レーザの劣化が生じると予想される期間を従来の半導体レーザの寿命予測方法から求め、ROM等に記録しておけばよい。あるいは、半導体レーザの劣化は温度と強い相関があるため、半導体レーザの温度を測定する手段を設け、ディスク装置が駆動される毎に予め設定した半導体レーザの寿命を測定した温度で補正する実施形態であってもよい。
半導体レーザの寿命を考慮して光量測定の頻度を変化させることにより、必要以上に光量測定をすることがなくなり、ディスク装置の操作性を向上させることができる。
【0044】
半導体レーザは、瞬間的にレーザ発振不能に至る破局的故障を起こす場合がある。このような突然劣化に備えるためには、ディスク装置が駆動されるたびに毎回、光量測定を行うことが望ましい。しかし、一方でその分測定に時間がかかる。そこで、上記に挙げた様々な光量測定のパターンをユーザが設定できる形態であってもよい。そのためには、制御部のROM等に光量測定のパターンを選択できる画面情報を記録しておき、ディスク装置が内蔵されたコンテンツ記録再生装置の表示部にその画面を表示する。その画面を通してユーザは光量測定のパターンを選択する。制御部はユーザが選択したパターンの光量測定を受け付け、実行する。
これにより、ユーザは光量測定をカスタマイズすることができ、ディスク装置の操作性が向上する。
【0045】
実施の形態1に係るディスク装置では、PL1<P1<PH1かつPL2<P2<PH2を半導体レーザの異常判定条件とした。すなわち、駆動電流が小さい場合及び大きい場合の両者において、測定される光量が予め正常と設定した光量の範囲を逸脱したときに、半導体レーザは異常であると判断した。しかし、PL1<P1<PH1又はPL2<P2<PH2を半導体レーザの異常判定条件としてもよい。すなわち、測定された光量の一つでも正常と設定した範囲を逸脱した場合、半導体レーザは異常であると判断する。
【0046】
実施の形態2
実施の形態2は、半導体レーザ42に係る駆動電流値の変化に対する光量の変化の比が、予め定めた正常な範囲から逸脱している場合、ユーザにサービスステーションに連絡する必要がある旨のエラーメッセージを表示する形態に関する。駆動電流値の変化に対する光量の変化の比は、図3の駆動電流−光量特性における直線の傾きのことであり、半導体レーザ42の劣化はこの傾きの低下として現れる。以下、駆動電流値の変化に対する光量の変化の比を傾きと呼ぶ。
【0047】
図7は、実施の形態2に係る半導体レーザ42の異常検出を示す説明図である。準備として、正常とされる傾きの範囲ΔL〜ΔHを決めておく。ここで、Δは傾きを示す。また、閾値電流Ithより大きい駆動電流I1、I2を決めておく。I1、I2、ΔL〜ΔHは、予め制御部2のROMに記録しておく。
傾きが正常より大きい場合も、半導体レーザ42は異常な状態にあるため、ここではΔHも決めておく。
【0048】
ディスク装置1の電源がオンされた場合、制御部2は受光部43に駆動電流I1、I2に夫々対応する光量P1、P2を測定させ、傾き(P2−P1)/(I2−I1)を算出する。算出した傾きがΔL〜ΔHの範囲にある場合、半導体レーザ42は正常であり、それ以外の場合、半導体レーザ42は異常であると判断する。制御部2は、半導体レーザ42が正常であると判断した場合、ディスク装置1を立ち上げる通常動作を行う。一方、制御部2は、半導体レーザ42が異常であると判断した場合、ディスク装置1を立ち上げる通常動作に移行せず、通信部3を介して、エラー信号をディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置に出力する。エラー信号を受け付けた当該コンテンツ記録再生装置は、表示部にディスク装置1の修理、交換等を行うサービスステーションに連絡する必要がある旨のエラーメッセージを表示する。
【0049】
次に、実施の形態2において制御部2が実行する処理を説明する。
図8は、実施の形態2において制御部2が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
制御部2は、初期処理を実行する(ステップS81)。この初期処理は、図6に示した処理と同じである。制御部2は、駆動電流I1で半導体レーザ42を駆動する(ステップS82)。制御部2は、駆動電流I1における光量P1を測定し、RAMに記録する(ステップS83)。制御部2は、駆動電流I2で半導体レーザ42を駆動する(ステップS84)。制御部2は、駆動電流I2における光量P2を測定し、RAMに記録する(ステップS85)。
【0050】
制御部2は、ROMから駆動電流I1、I2を、RAMから光量P1、P2を読み出し、傾き(P2−P1)/(I2−I1)を算出する(ステップS86)。制御部2は、ROMからΔL、ΔHを読み出し、ΔL<傾き<ΔHか否か判断する(ステップS87)。制御部2は、ΔL<傾き<ΔHであると判断した場合(ステップS87:YES)、ディスク装置1を立ち上げる通常動作を行い(ステップS88)、処理を終える。制御部2は、ΔL<傾き<ΔHでないと判断した場合(ステップS87:NO)、ディスク装置1を立ち上げる通常動作を行わずに、エラーメッセージを表示するためのエラー信号をディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置に出力し(ステップS89)、処理を終える。
ディスク装置1からエラー信号を受け付けた当該コンテンツ記録再生装置は、その表示部にサービスステーションに連絡する必要がある旨のエラーメッセージを表示する。
【0051】
実施の形態2に係るディスク装置1によれば、予め決めた駆動電流に対応する光量を測定し、傾きを算出する。算出した傾きが予め正常と設定した傾きの範囲から逸脱しているか否か判断することにより、半導体レーザ42の致命的な劣化又は破損の有無がわかる。
傾きが正常範囲から逸脱した場合、ディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置の表示部には、サービスステーションに連絡する必要がある旨のエラーメッセージが表示されるため、ユーザにとって今後の対処法がわかりやすい。
【0052】
実施の形態2に係るディスク装置では、傾きを算出するために、P1及びP2の2つの光量を測定した。しかし、光量の測定数は2つに限られるものではなく、3つ以上であってもよい。例えば、予め設定した駆動電流I1、I2、I3に夫々対応する3つの光量P1、P2、P3を測定し、最小二乗法により近似直線を求め、その近似直線の傾きを算出する。あるいは、予め設定した駆動電流I1、I2、I3に夫々対応する3つの光量P1、P2、P3を測定し、最小二乗法により近似曲線を求め、その近似曲線の式を微分し、その近似曲線の接線の傾きを算出する。光量の測定数が多いほど、半導体レーザの劣化等の判断結果の信頼性は向上する。
【0053】
実施の形態2は以上の如き構成にしてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0054】
実施の形態3
実施の形態3は、半導体レーザ42の寿命の残りが短くなった場合、その旨を知らせる予告メッセージを表示する形態に関する。具体的には、半導体レーザ42の光量が実施の形態1で予め定めた正常な範囲にあるものの、光量がこの正常範囲の下限値に近い場合、ディスク装置1の交換時期が近づいている旨を表示する。また、同様に実施の形態3は、半導体レーザ42の傾きが実施の形態2で予め定めた正常な範囲にあるものの、傾きがこの正常範囲の下限値に近い場合、ディスク装置1の交換時期が近づいている旨の予告メッセージを表示する。
【0055】
図9は、実施の形態3に係る半導体レーザ42の異常検出を示す説明図である。準備として、閾値電流Ithより大きい駆動電流I2を決めておく。また、駆動電流I2に対応して測定される光量P2の正常範囲の下限値PL2に近い所定の光量PLL2を決めておく。光量PLL2は、光量の正常範囲の中央値(メジアン)及び下限値PL2の間の値をとる。光量PLL2は、光量の正常範囲の上下限値の平均値及び下限値PL2の間の値でもよい。
なお、上記の光量P2の代わりに、実施の形態1で扱ったP1を用いて半導体レーザ42の異常検出を行ってもよい。ただし、半導体レーザ42の駆動電流−光量特性から、駆動電流が大きいほど光量は大きいため、大きな駆動電流で照射されるレーザ光を利用した方が半導体レーザ42の異常検出の精度は高くなる。
【0056】
図10は、実施の形態3に係る半導体レーザ42の異常検出の他例を示す説明図である。準備として、閾値電流Ithより大きい駆動電流I1、I2を決めておく。また、傾きとして正常範囲の下限値ΔLに近い所定の傾きΔLLを決めておく。傾きΔLLは、傾きの正常範囲の中央値及び下限値ΔLの間の値をとる。傾きΔLLは、傾きの正常範囲の上下限値の平均値及び下限値ΔLの間の値でもよい。
I1、I2、PL2、PLL2、ΔL、ΔLLは、予め制御部2のROMに記録しておく。
【0057】
ディスク装置1の電源がオンされた場合、制御部2は受光部43に駆動電流I1、I2に夫々対応する光量P1、P2を測定させる。また、制御部2は、傾き(P2−P1)/(I2−I1)を算出する。
測定した光量P2がPL2〜PLL2の範囲にない場合、半導体レーザ42は正常であり、それ以外の場合、半導体レーザ42は予告が必要であると判断する。あるいは、算出した傾き(P2−P1)/(I2−I1)がΔL〜ΔLLの範囲にない場合、半導体レーザ42は正常であり、それ以外の場合、半導体レーザ42は予告が必要であると判断する。
【0058】
制御部2は、半導体レーザ42が正常であると判断した場合、ディスク装置1を立ち上げる通常動作を行う。一方、制御部2は、予告が必要であると判断した場合、通信部3を介して、予告信号をディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置に出力する。予告信号を受け付けた当該コンテンツ記録再生装置は、ディスク装置1の交換時期が近づいている旨の予告メッセージを表示する。
【0059】
次に、実施の形態3において制御部2が実行する処理を説明する。
図11は、実施の形態3において制御部2が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
制御部2は、初期処理を実行する(ステップS111)。この初期処理は、図6に示した処理と同じである。制御部2は、駆動電流I1で半導体レーザ42を駆動する(ステップS112)。制御部2は、駆動電流I1における光量P1を測定し、RAMに記録する(ステップS113)。制御部2は、駆動電流I2で半導体レーザ42を駆動する(ステップS114)。制御部2は、駆動電流I2における光量P2を測定し、RAMに記録する(ステップS115)。
【0060】
制御部2は、ROMから駆動電流I1、I2を、RAMから光量P1、P2を読み出し、傾き(P2−P1)/(I2−I1)を算出する(ステップS116)。制御部2は、ROMからPL2、PLL2、ΔL、ΔLLを読み出し、PL2<P2<PLL2又はΔL<傾き<ΔLLか否か判断する(ステップS117)。制御部2は、PL2<P2<PLL2でなく、かつΔL<傾き<ΔLLでないと判断した場合(ステップS117:NO)、ディスク装置1を立ち上げる通常動作を行い(ステップS118)、処理を終える。制御部2は、PL2<P2<PLL2又はΔL<傾き<ΔLLであると判断した場合(ステップS117:YES)、ディスク装置1を立ち上げる通常動作を行わずに、予告メッセージを表示するための予告信号をディスク装置1が内蔵されたコンテンツ記録再生装置に出力し(ステップS119)、処理を終える。
ディスク装置1から予告信号を受け付けた当該コンテンツ記録再生装置は、その表示部にディスク装置1の交換時期が近づいている旨の予告メッセージを表示する。
【0061】
実施の形態3に係るディスク装置1によれば、半導体レーザ42の光量P2が正常範囲の下限値PL2に近づいている場合、ディスク装置1の交換時期が近づいている旨の予告メッセージを表示する。また、同様に傾きが正常範囲の下限値ΔLに近づいている場合も、ディスク装置1の交換時期が近づいている旨の予告メッセージを表示する。これにより、ユーザは半導体レーザ42の寿命が尽きる前に、サービスステーションに連絡してディスク装置1を交換することができる。
半導体レーザ42の寿命が尽きた後に、突然ディスク装置1が駆動しないことを告げられた場合、ユーザはディスク装置1の交換が完了するまで、コンテンツデータを録画再生することができない。しかし、実施の形態3に係るディスク装置1によれば、ディスク装置1が正常に駆動する状態で、事前に予告メッセージが表示されるため、ディスク装置1に対する予測可能性が生じる。そのため、ユーザはディスク装置1を交換する計画を前もって立てることができ、快適な録画再生環境を維持することができる。
【0062】
実施の形態3に係るディスク装置では、PL2<P2<PLL2又はΔL<傾き<ΔLLの条件に従って、予告メッセージを表示した。予め定められたPLL2、又はΔLLは1つであるため、予告メッセージは1種類であった。しかし、多段階の予告メッセージを表示する形態であってもよい。
例えば、測定した光量に基づいて予告メッセージを表示する場合、PL2〜PLL2の間に境界値PLMを設ける。光量P2がPLM〜PLL2の間にある場合、半導体レーザの劣化が始まっている旨を表示し、光量P2がPL2〜PLMの間にある場合、半導体レーザの劣化がかなり進行し、もうすぐ寿命が尽きる旨を表示する。PL2〜PLL2の間に設ける境界値は、さらに多くしてもよい。
多段階の予告メッセージが表示されることにより、ユーザは半導体レーザの劣化状況をより細かく把握することができ、警告レベルに応じてユーザはサービスステーションへの連絡時期を選択することができる。
【0063】
実施の形態3は以上の如き構成にしてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0064】
実施の形態4
実施の形態4は、光ピックアップ4内に、BD(Blu-ray Disc)用レーザ、DVD(Digital Versatile Disk)用レーザ、CD(Compact Disc)用レーザ等、発生するレーザ光の波長が異なる、複数の半導体レーザが内蔵されている場合、1個の半導体レーザについてのみ、実施の形態1〜3に係る半導体レーザ42の異常検出を行う形態に関する。
【0065】
図12は、実施の形態4に係る光ピックアップ4の光学系の構成例を示す説明図である。光ピックアップ4は、BD、DVD及びCDについて記録再生が可能な3波長光ピックアップである。光ピックアップ4は、レーザ駆動回路41、半導体レーザ42、受光部43及び対物レンズOを含んで構成される。
【0066】
レーザ駆動回路41、受光部43、対物レンズOは、夫々3波長互換対応であり、各1個である。一方、光ピックアップ4は、独立した3個のCD用レーザ42a、DVD用レーザ42b、BD用レーザ42cを備えている。なお、光ピックアップ4は、1個の半導体レーザ42からなる3波長1レーザを備えていてもよい。
【0067】
実施の形態4に係る光ピックアップ4を搭載したディスク装置1により、実施の形態1〜3に係る半導体レーザ42の異常検出を行う場合、半導体レーザ42の個数だけ異常検出を繰り返すとき、それだけ時間がかかる。そこで、実施の形態4では、異常検出時間を短縮するために、CD用レーザ42a、DVD用レーザ42b、BD用レーザ42cの内、1個の半導体レーザ42についてのみ、光量測定による異常検出を行う。
【0068】
異常検出対象の半導体レーザ42は、毎回同一のもの(例えば、BD用レーザ42c)に特定してもよいし、ディスク装置1が駆動されるたびに変更してもよい。
後者の場合、異常検出を行った半導体レーザ42の種類を記録する記録手段をディスク装置1に設置する。予め異常検出を行う半導体レーザ42の順序を決めておくと共に、異常検出を行ったとき、異常検出を行った半導体レーザ42の種類を記録手段に記録する。ディスク装置1の電源がオンされたとき、記録手段から前回に異常検出を行った半導体レーザ42の種類を読み出し、予め決めた異常検出を行う半導体レーザ42の順序に従って、今回異常検出を行う半導体レーザ42を決定する。そして、決定した半導体レーザ42の異常検出を実行する。
【0069】
実施の形態4に係るディスク装置1によれば、ディスク装置1の電源がオンされたとき、複数の半導体レーザ42の内、1個の半導体レーザ42についてのみ、光量測定による異常検出が行われる。そのため、全ての半導体レーザ42の異常検出を行う場合に比べて、より短時間でディスク装置1を立ち上げる通常動作に移行することができる。
複数の半導体レーザ42が同時に破損する確率は低いため、1個の半導体レーザ42についてのみ異常検出を行うことは妥当である。短時間で半導体レーザ42の異常検出を終了させることにより、ディスク装置1の操作性を悪くすることなく、ユーザはサービスステーションに連絡する必要がある旨のエラーメッセージ又はディスク装置1の交換時期が近づいている旨の予告メッセージの提示を受けることが可能となる。
【0070】
実施の形態4は以上の如き構成にしてあり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0071】
実施の形態1乃至4は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 ディスク装置
2 制御部
3 通信部
4 光ピックアップ
41 レーザ駆動回路
42 半導体レーザ
42a CD用レーザ
42b DVD用レーザ
42c BD用レーザ
43 受光部
7 放送記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動電流の供給により光を発生する光源
を備え、
該光源が発生する光をディスクに照射して、情報の記録又は再生を行うディスク装置において、
所定の駆動電流値に対応付けて、前記光源が発生する光の量を測定する光量測定手段と、
該光量測定手段により測定された光量が、所定の光量範囲を逸脱しているか否か判定する光量判定手段と、
該光量判定手段により光量が前記光量範囲を逸脱していると判定された場合、所定の信号を出力する手段と
を備える
ことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記駆動電流値及び前記光量測定手段により測定された光量から、駆動電流値の変化に対する光量の変化の比を算出する比算出手段
を備え、
該比算出手段により算出された比が、所定の比範囲を逸脱しているか否か判定する比判定手段と、
該比判定手段により比が前記比範囲を逸脱していると判定された場合、所定の信号を出力する手段と
を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
コンテンツデータを受け付けるデータ受付手段と、
該データ受付手段が受け付けたコンテンツデータを記録する記録手段と
を備え、
該記録手段は、
前記光量判定手段により光量が前記光量範囲を逸脱していると判定された場合、又は前記比判定手段により比が前記比範囲を逸脱していると判定された場合、コンテンツデータを記録するようにしてある
ことを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記比算出手段により算出された比が、前記比範囲の下限値及び該比範囲内の所定値の間にある場合、第二の信号を出力する手段
を備える
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のディスク装置。
【請求項5】
前記光量測定手段により測定された光量が、前記光量範囲の下限値及び該光量範囲内の所定値の間にある場合、第二の信号を出力する手段
を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のディスク装置。
【請求項6】
前記光源は、複数の波長域の光を発生可能にしてあり、
前記光量測定手段は、一つの波長域の光の量を測定するようにしてある
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−103163(P2011−103163A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258211(P2009−258211)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】