説明

ディスク装置

【課題】設備費及び工数の削減によるコストダウンを図る。
【解決手段】ボトムシャーシと蓋板1Bとからなるローダーシャーシ1を有し、ボトムシャーシにターンテーブルと光ピックアップとが配置され、蓋板1Bの中央開口部1aの内周縁からローダーシャーシ1内に向けて折り曲げた一対の支持板65に枢支軸7が突設され、クランパを一定範囲内移動可能に取り付けた可動枠8の両側縁から折り曲げた側板8aに枢支孔66が貫設され、各枢支孔66を各枢支軸7に嵌合させることにより、可動枠8が蓋板1Bの中央開口部1a内に回動可能に配置されており、枢支軸7が、円柱状軸本体69と、軸本体69の基端面に同心状に一体突設したタップタイト70とを有し、その軸本体69の先端面に操作凹部71が形成されており、操作凹部71に係合する工具を操作してタップタイト70を支持板65の支持孔50にねじ込むようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばDiscスロットイン機構方式のBlu−ray Disc式ディス
ク装置(レコーダまたはプレーヤ)に関し、特に、設備費及び工数の削減によるコストダ
ウンを図るようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
図6〜図8はDiscスロットイン機構方式のBlu−ray Disc式ディスク装
置を示すものであって、図6は直径8cmの小形ディスクDa(及び12cmの大形ディ
スクDb)のスロットイン状態を示すディスク装置の平面図、図7(a)は同中央縦断面
図、図7(b)は同側部縦断面図、図8(a)は同クランプ状態の中央縦断面図、図8(
b)は同状態の側部縦断面図である。
【0003】
図6及び図7において、前記ディスク装置は、ボトムシャーシ1Aと、該ボトムシャー
シ1Aに被せた蓋板1Bとからなるローダーシャーシ1を有し、該ローダーシャーシ1の
前面にディスクDa,Dbをスロットインa及びスロットアウトbするためのディスク挿
入口2が形成され、ボトムシャーシ1Aにターンテーブル3付きスピンドルモータ4とガ
イド軸5に沿って移動可能な光ピックアップ6とが配置され、蓋板1Bの中央開口部1a
内に配置されて該蓋板1Bに枢支軸7を中心に矢印c,d方向に回動可能に枢支された可
動枠8が設けられ、ターンテーブル3に対向してクランパ9が可動枠8に一定範囲内移動
可能に取り付けられ、該可動枠8を矢印c方向に引っ張るばね10が設けられている。
【0004】
前記可動枠8に長孔11がスロットインa方向に沿って貫設され、その可動枠8の裏面
側で長孔11にスライド可能に係合するスライド枠12が設けられ、該スライド枠12に
ディスク位置決め片12aが一体突設されている。
【0005】
前記可動枠8の表面側に連結レバー14が支軸15を中心にe,f方向に回動可能に配
置され、該連結レバー14の一端に貫設した長孔状連結孔16をスライド枠12に一体突
設した連結片12bに回動可能に嵌合させることにより、連結レバー14とスライド枠1
2とが連動連結されている。
【0006】
前記連結レバー14の他端に支軸15を中心にして円弧状ロック孔17が貫設され、該
ロック孔17の外周側縁の両端に一対のロック溝17a,17bが凹設され、連結レバー
14を矢印f方向に引っ張るばね18が設けられている。
【0007】
前記蓋板1Bの表面側にロックレバー20が支軸21を中心に矢印g,h方向に回動可
能に配置され、該ロックレバー20の一端に突設したロックピン22がロック孔17から
いずれか一方のロック溝17a(または17b)に嵌入され、そのロックレバー20の他
端に突設したロック解除ピン23が蓋板1Bの貫通孔24を通ってディスク挿入口2内に
挿通され、ロックレバー20を矢印h方向に引っ張るばね25が設けられている。
【0008】
図6及び図7(b)に示すように、前記ローダーシャーシ1内の一側縁に沿ってスライ
ドカム27が矢印a,b方向にスライド可能に配置され、該スライドカム27の基端側に
貫設したカム溝28aと、可動枠8の一側縁に突設されてカム溝28aに嵌入するカムピ
ン28bとからなるカム機構28が設けられている。
【0009】
図7(b)に示すように、スライドカム27の先端側に貫設した長孔30の内側縁にカ
ムラック31が形成され、該カムラック31に噛合して駆動モータ(図示せず)により正
逆駆動される駆動ピニオン32が設けられている。
【0010】
図6及び図7に示すように、前記ディスク挿入口2に接近して蓋板1Bの裏面にガイド
板34が配置されると共に、該ガイド板34に対向してボトムシャーシ1A側に揺動フラ
ップ35が設けられており、該揺動フラップ35は、板金からなり、矢印a,b方向とは
直交する方向に延びて枢支軸36を中心に矢印i,j方向に揺動可能なフラップ本体35
aを有し、該フラップ本体35aの基端側にガイドローラ37が回転可能に配置され、該
ガイドローラ37をガイド板34に向けて矢印i方向に付勢するばね38が設けられ、ガ
イドローラ37の一端に従動歯車39が固着されており、図7(a)(b)に示すように
、ばね38によりフラップ本体35aの基端側を押し上げてガイドローラ37を持ち上げ
たときに従動歯車39が駆動歯車40(図6参照)に噛合される。
【0011】
図6〜図8に示すように、フラップ本体35aの一側縁から折り曲げた側板35bに係
合ピン42が一体突設され、該係合ピン42に対向して前記スライドカム27の先端縁角
部の切除して傾斜面43が形成されており、該スライドカム27を矢印b方向にスライド
させて傾斜面43で係合ピン42をばね38に抗して押し下げることにより、揺動フラッ
プ35が矢印j方向に押し下げられ、フラップ本体35aの先端縁に一体突設したガード
板35cによりディスク挿入口2が塞がれる〔図8(a)参照〕。
【0012】
図6及び図7は小形ディスクDaのスロットインa状態を示すものであって、カム機構
28により可動枠8が枢支軸7回りで矢印c方向に回動され、クランパ9が持ち上げられ
ている。また、揺動フラップ35がばね38により矢印i方向に回動されており、ガイド
ローラ37がガイド板34に接近または当接され、該ガイドローラ37の従動歯車39が
駆動歯車40に噛合されている。
【0013】
更に、ばね18により連結レバー14が矢印f方向に引っ張られてロックピン22が一
方のロック溝17aに嵌入され、スライド枠12がターンテーブル3に接近した前段位置
Aでロックされている。
【0014】
この状態で、小形ディスクDaをディスク挿入口2内にスロットインaすると、該小形
ディスクDaがガイドローラ37とガイド板34とで挟まれ、その小形ディスクDaを検
知する検知信号に基づいて駆動モータ(図示せず)を駆動することにより、駆動歯車40
及び従動歯車39を介してガイドローラ37が正転され、小形ディスクDaがディスク位
置決め片12aに当たるまで送り込まれて前段位置Aでターンテーブル3と同心状に位置
決めされる。
【0015】
続いて、図8に示すように、小形ディスクDaが前段位置Aに達したことを検知する検
知信号に基づいて駆動モータ(図示せず)を駆動することにより駆動ピニオン32及びカ
ムラック31を介してスライドカム27を矢印b方向にスライドさせ、該スライドカム2
7の傾斜面43により係合ピン42を押し下げ、該係合ピン42がスライドカム27の下
縁に当接されることにより、揺動フラップ35がばね38に抗して矢印j方向に回動され
、ガイドローラ37が小形ディスクDaから離間され,従動歯車39が駆動歯車40から
離間される。
【0016】
スライドカム27を矢印b方向にスライドさせることにより、カム機構28を介して可
動枠8が矢印d方向に回動されることにより、クランパ9とターンテーブル3とで小形デ
ィスクDaがクランプされ〔図8(a)参照〕、その小形ディスクDaからディスク位置
決め片12aがわずかな間隔をおいて離間される。その後、スピンドルモータ4によりタ
ーンテーブル3を介して小形ディスクDaが高速回転され、光ピックアップ6によりその
小形ディスクDaに記録されている情報を読み取る。
【0017】
小形ディスクDaをスロットアウトbする場合は、上記とはほぼ逆の手順で行われるの
で、その説明を省略する。
【0018】
図6に二点鎖線で示すように、大形ディスクDbをディスク挿入口2内にスロットイン
aすると、その大形ディスクDbの外周縁がロック解除ピン23に押し付けられてロック
レバー20を矢印g方向に回動させ、ロックピン22が一方のロック溝17aから離脱さ
れ、スライド枠12のロックが解除される。続いて、スロットインaした大形ディスクD
bによりディスク位置決め片12aが押されてスライド枠12が前段位置Aから後段位置
Bまでスライドされ、それに連動して連結レバー14が矢印e方向に回動され、ロックピ
ン22が他方のロック溝17bに嵌入され、スライド枠12が後段位置Bでロックされ、
ディスク位置決め片12aにより大形ディスクDbがターンテーブル3と同心状態に位置
決めされる。以後は、小形ディスクDaの場合と同様の手順で、大形ディスクDbがクラ
ンプされ、光ピックアップ6によりその大形ディスクDbに記録されている情報を読み取
る。
【0019】
従来、図9及び図10に示す可動枠8を回動可能に支持する枢支軸7や、図11及び図
12に示す揺動フラップ35を回動可能に支持する枢支軸36は、円柱状軸本体53と、
該軸本体53の基端面に同心状に一体突設したその軸本体53よりも小径の円柱状突起部
54とからなっている。なお、55は軸本体53の外周面に形成した環状溝であって、そ
の環状溝55にカットワッシャを必要に応じて嵌合させる。
【0020】
図9(a)(b)及び図10に示すように、蓋板1Bの中央開口部1aの内周縁からロ
ーダーシャーシ1内に向けて折り曲げた一対の支持板65に、突起部54の外径r1より
も若干大きい内径r2(r1<r2)の円形支持孔50が貫設されており、その支持孔5
0に枢支軸7の突起部54をカシメて固着している。
【0021】
前記各枢支軸7に対応して、可動枠8の両側縁から折り曲げた側板8aに枢支孔66が
貫設されており、該各枢支孔66を各枢支軸7に嵌合させることにより、その各枢支軸7
を中心に可動枠8が矢印c,d方向に回動可能に枢支されている。
【0022】
図11(a)(b)及び図12に示すように、揺動フラップ35の両側縁から折り曲げ
た一対の支持板65に、突起部54の外径r1よりも若干大きい内径r2(r1<r2)
の円形支持孔50が貫設されており、その支持孔50に枢支軸36の突起部54をカシメ
て固着している。
【0023】
前記各枢支軸36に対応して、ボトムシャーシ1Aに軸受凹部67が形成されており、
その各軸受凹部67に枢支軸36を嵌合させることにより、その枢支軸36を中心に揺動
フラップ35が矢印i,j方向に揺動可能に枢支されている。
【0024】
枢支軸7,36の取付手順を説明すると、図13(a)に示すように、突起部54を支
持孔50に挿入し、図13(b)に示すように、カシメ機で加圧Pすることにより、突起
部54をカシメて支持孔50に固着し、軸本体53の軸心Oが支持板65に対して垂直状
態になるように起立させる。関連する技術として特許文献1に記載したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開2009−54208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
上記従来の構成では、図13(b)に示すように、カシメ機による加圧Pを正確に行う
必要があるが、支持孔50の内径r2が突起部54の外径r1よりも若干大径(r1<r
2)であることから、その加圧Pの際に、軸本体53が傾くことがあり、その傾きによっ
て、支持孔50の軸心Oaから軸本体53の軸心Oがわずかの角度α分ずれるおそれがあ
り、これでは可動枠8及び揺動フラップ35の動作を円滑に行うことができなくなる。
【0027】
上記のように軸本体53が傾いたままカシメられた場合には、枢支軸7と蓋板1B(及
び枢支軸36と揺動フラップ35)を廃棄するしかなく、再使用は不可能であるから、コ
ストアップになる。
【0028】
本発明は、上記従来の欠点に鑑み、設備費及び工数の削減によるコストダウンを図るよ
うにしたディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ボトムシャーシと、該ボトムシャ
ーシに被せた蓋板とからなるローダーシャーシを有し、前記ボトムシャーシにターンテー
ブルと光ピックアップとが配置され、前記蓋板の中央開口部の内周縁からローダーシャー
シ内に向けて折り曲げた一対の支持板に枢支軸が突設され、クランパを一定範囲内移動可
能に取り付けた可動枠の両側縁から折り曲げた側板に枢支孔が貫設され、該各枢支孔を各
枢支軸に嵌合させることにより、可動枠が蓋板の中央開口部内に回動可能に配置されてお
り、可動枠を介してクランパが持ち上げられた状態で、ディスクをローダーシャーシ内に
スロットインさせてターンテーブルと同心状に位置決めし、可動枠を回動させてクランパ
とターンテーブルとでディスクをクランプするようにしたディスク装置において、前記枢
支軸が、円柱状軸本体と、該軸本体の基端面に同心状に一体突設したタップタイトとを有
し、その軸本体の先端面に操作凹部が形成されており、該操作凹部に係合する工具を操作
してタップタイトを前記支持板の支持孔にねじ込むようにしたことを特徴としている。
【0030】
請求項2に記載の発明は、ボトムシャーシと、該ボトムシャーシに被せた蓋板とからな
るローダーシャーシを有し、前記ボトムシャーシにターンテーブルと光ピックアップとが
配置され、ローダーシャーシのディスク挿入口に接近して蓋板の裏面にガイド板が配置さ
れると共に、該ガイド板に対向して揺動フラップが設けられ、該揺動フラップがフラップ
本体を有し、該フラップ本体の両側縁から折り曲げた支持板に突設した一対の枢支軸をボ
トムシャーシの軸受凹部に係合させることにより、揺動フラップが枢支軸を中心に揺動可
能に枢支され、前記フラップ本体の基端側にガイドローラが回転可能に配置されており、
揺動フラップの基端側を押し上げてガイドローラをガイド板に接近または当接させた状態
でディスク挿入口にディスクをスロットインすると、そのディスクが回転するガイドロー
ラによりローダーシャーシ内に引き込まれるようにしたディスク装置において、前記枢支
軸が、円柱状軸本体と、該軸本体の基端面に同心状に一体突設したタップタイトとを有し
、その軸本体の先端面に操作凹部が形成されており、該操作凹部に係合する工具を操作し
てタップタイトを前記支持板の支持孔にねじ込むようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0031】
請求項1に記載の発明によれば、枢支軸の操作凹部に係合する工具を操作してタップタ
イトをローダーシャーシ用蓋板の一対の支持板の支持孔にねじ込むだけで、その一対の支
持板に枢支軸を固着することができると共に、前記工具の操作手段として安価な電動ドラ
イバーを利用でき、高価なカシメ機が不要であり、工程数も少ないから、コストダウンを
図ることができる。
【0032】
また、枢支軸のタップタイトを蓋板の支持孔にねじ込んだときに、該枢支軸が傾いた場
合には、そのねじ込みを解除し、再度、タップタイトのねじ込みを行うことにより、その
傾きを解消して枢支軸を所定通りに起立させることができ、その枢支軸及び蓋板を従来の
ように廃棄することなく再使用することができ、この点でもコストダウンを図ることがで
きる。
【0033】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様に、枢支軸の取付用工具
の操作手段として安価な電動ドライバーを利用でき、高価なカシメ機が不要であり、工程
数も少ないから、コストダウンを図ることができると共に、枢支軸が傾いた場合には、そ
のねじ込みを解除し、再度、タップタイトのねじ込みを行うことにより、その傾きを解消
して枢支軸を所定通りに起立させることができ、その枢支軸及び揺動フラップを従来のよ
うに廃棄することなく再使用することができ、この点でもコストダウンを図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】(a)は本発明の実施の一形態であるディスク装置の要部の分解斜視図、(b)は同要部の他の分解斜視図である。
【図2】(a)は可動枠付近の拡大縦断面図、(b)はA−A矢視図である。
【図3】(a)〜(c)は同取付手順を示す説明図である。
【図4】(a)は揺動フラップ付近の分解斜視図、(b)は同要部の他の分解図である。
【図5】(a)は同揺動フラップ付近の拡大縦断面図、(b)はB−B矢視図である。
【図6】スロットイン状態を示すディスク装置の平面図である。
【図7】(a)は同中央縦断面図、(b)は同側部縦断面図である。
【図8】(a)は同クランプ状態の中央縦断面図、(b)は同状態の側部縦断面図である。
【図9】(a)は従来の可動枠付近の分解斜視図、(b)は同要部の他の分解斜視図である。
【図10】同可動枠付近の拡大縦断面図である。
【図11】(a)は従来の揺動フラップ付近の分解斜視図、(b)は同要部の他の分解図である。
【図12】同揺動フラップ付近の拡大縦断面図である。
【図13】(a)(b)は同取付手順を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1〜図5は本発明の実施の一形態であるディスク装置を示すものであり、これはDi
scスロットイン機構方式のBlu−ray Disc式のレコーダ(またはプレーヤ)
であって、可動枠8を回動可能に枢支する枢支軸7が、円柱状軸本体69と、該軸本体6
9の基端面に同心状に一体突設したタップタイト70とを有し、軸本体69の先端面に操
作凹部71が形成されている。上記以外の構成は図6〜図8に示す構成とほぼ同じである
から、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】
前記タップタイト70は、図2(b)に示すように、横断面が丸みをおびた三角形に形
成された雄ねじからなり、外周面に3つの角部70aを有し、図1(b)に示すように、
その外径r1が蓋板1Bの一対の支持板65に貫設した支持孔50の内径r2よりも若干
大きく設定されており(r1>r2)、該タップタイト70の各角部70aで支持孔50
の内周面にねじ溝を強制的に形成して強固にねじ込むことができ、各角部70aがねじ溝
に引っ掛かることにより、ねじ込んだタップタイト70が緩まない。
【0037】
前記操作凹部71は、図1(b)に示すように、六角孔形や十字孔形などの多角孔形に
形成されている。
【0038】
前記枢支軸7の取付手順を説明すると、図3(a)に示すように、電動ドライバーなど
で操作される多角形棒状工具62を枢支軸7の操作凹部71に係合させ、図3(b)に示
すように、タップタイト70を支持板65の支持孔50にねじ込む。
【0039】
上記タップタイト70をねじ込んだときに、軸本体69が傾いて、支持孔50の軸心O
aから軸本体69の軸心Oがわずかの角度α分ずれた場合には、ねじ込みを解除し、再度
、タップタイト70のねじ込みを行って、図3(c)に示すように、軸本体69の軸心O
が支持板65に対して垂直状態になるように起立させる。
【0040】
上記構成によれば、枢支軸7の操作凹部71に係合する工具62を操作してタップタイ
ト70をローダーシャーシ用蓋板1Bの一対の支持板65の支持孔50にねじ込むだけで
、その一対の支持板65に枢支軸7を固着することができると共に、前記工具62の操作
手段として安価な電動ドライバーを利用でき、高価なカシメ機が不要であり、工程数も少
ないから、コストダウンを図ることができる。
【0041】
また、枢支軸7のタップタイト70を蓋板1Bの支持孔50にねじ込んだときに、該枢
支軸7が傾いた場合には、そのねじ込みを解除し、再度、タップタイト70のねじ込みを
行うことにより、その傾きを解消して枢支軸7を所定通りに起立させることができ、その
枢支軸7及び蓋板1Bを従来のように廃棄することなく再使用することができ、この点で
もコストダウンを図ることができる。
【0042】
図4及び図5に示すように、揺動フラップ35を枢支する枢支軸36についても、円柱
状軸本体69と、該軸本体69の基端面に同心状に一体突設したタップタイト70とを有
し、その軸本体69の先端面に操作凹部71が形成されており、図3に示す取付手順に基
づいて、タップタイト70を揺動フラップ35の一対の支持板65の支持孔50にねじ込
み、その枢支軸36を支持板65に固着する。
【0043】
上記構成によれば、枢支軸36の取付用工具の操作手段として安価な電動ドライバーを
利用でき、高価なカシメ機が不要であり、工程数も少ないから、コストダウンを図ること
ができると共に、枢支軸36が傾いた場合には、そのねじ込みを解除し、再度、タップタ
イト70のねじ込みを行うことにより、その傾きを解消して枢支軸36を所定通りに起立
させることができ、その枢支軸36及び揺動フラップ35を従来のように廃棄することな
く再使用することができ、この点でもコストダウンを図ることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ローダーシャーシ
1A ボトムシャーシ
1B 蓋板
1a 蓋板の中央開口部
2 ディスク挿入口
3 ターンテーブル
6 光ピックアップ
8 可動枠
9 クランパ
35 揺動フラップ
37 ガイドローラ
60 支持孔
65 支持板
66 枢支孔
69 軸本体
70 タップタイト
71 操作凹部
Da,Db ディスク
a スロットイン
b スロットアウト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトムシャーシと、該ボトムシャーシに被せた蓋板とからなるローダーシャーシを有し
、前記ボトムシャーシにターンテーブルと光ピックアップとが配置され、前記蓋板の中央
開口部の内周縁からローダーシャーシ内に向けて折り曲げた一対の支持板に枢支軸が突設
され、クランパを一定範囲内移動可能に取り付けた可動枠の両側縁から折り曲げた側板に
枢支孔が貫設され、該各枢支孔を各枢支軸に嵌合させることにより、可動枠が蓋板の中央
開口部内に回動可能に配置されており、可動枠を介してクランパが持ち上げられた状態で
、ディスクをローダーシャーシ内にスロットインさせてターンテーブルと同心状に位置決
めし、可動枠を回動させてクランパとターンテーブルとでディスクをクランプするように
したディスク装置において、前記枢支軸が、円柱状軸本体と、該軸本体の基端面に同心状
に一体突設したタップタイトとを有し、その軸本体の先端面に操作凹部が形成されており
、該操作凹部に係合する工具を操作してタップタイトを前記支持板の支持孔にねじ込むよ
うにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
ボトムシャーシと、該ボトムシャーシに被せた蓋板とからなるローダーシャーシを有し
、前記ボトムシャーシにターンテーブルと光ピックアップとが配置され、ローダーシャー
シのディスク挿入口に接近して蓋板の裏面にガイド板が配置されると共に、該ガイド板に
対向して揺動フラップが設けられ、該揺動フラップがフラップ本体を有し、該フラップ本
体の両側縁から折り曲げた支持板に突設した一対の枢支軸をボトムシャーシの軸受凹部に
係合させることにより、揺動フラップが枢支軸を中心に揺動可能に枢支され、前記フラッ
プ本体の基端側にガイドローラが回転可能に配置されており、揺動フラップの基端側を押
し上げてガイドローラをガイド板に接近または当接させた状態でディスク挿入口にディス
クをスロットインすると、そのディスクが回転するガイドローラによりローダーシャーシ
内に引き込まれるようにしたディスク装置において、前記枢支軸が、円柱状軸本体と、該
軸本体の基端面に同心状に一体突設したタップタイトとを有し、その軸本体の先端面に操
作凹部が形成されており、該操作凹部に係合する工具を操作してタップタイトを前記支持
板の支持孔にねじ込むようにしたことを特徴とするディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−221527(P2012−221527A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85763(P2011−85763)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】