説明

ディスプレイを照明するための二重膜光ガイド

【課題】複数の埋設表面フィーチャを備えたフロント光ガイドパネルを提供する。
【解決手段】フロント光パネルは、フロント光パネルの一方の側に配置されている人工光源から、フロント光ガイドの背面に配置されているディスプレイエレメントのアレイに一様な照明を引き渡し、かつ、光ガイドパネルを通って伝搬する周辺照明からの照明のオプションを許容するように構成されている。表面埋設表面レリーフフィーチャによって光ガイドパネル内に空気ポケットが生成される。光ガイドの側面に入射した光は、空気ポケットの一方の空気/光材料ガイド界面に衝突するまで光ガイドを通って伝搬する。光は、次に、大きい角度で内部全反射して方向転換し、ディスプレイエレメントのアレイの前面に配置された射出面から射出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にLCDディスプレイなどのフロントリットディスプレイに関し、詳細にはフロントリットディスプレイのための光ガイドの二重膜構成に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)には、微小機械エレメント、アクチュエータおよび電子工学が含まれている。微小機械エレメントは、付着プロセス、エッチングプロセスおよび/または基板および/または付着した材料層の一部をエッチ除去し、あるいは層を追加して電気デバイスおよび電気機械デバイスを形成する他の微小機械加工プロセスを使用して生成することができる。あるタイプのMEMSデバイスは、分岐干渉変調器と呼ばれている。本明細書において使用されているように、分岐干渉変調器または分岐干渉光変調器という用語は、光干渉の原理を使用して光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを意味している。特定の実施形態では、分岐干渉変調器は、一対の導電プレートを備えることができ、そのうちの一方または両方の全体または一部を透明および/または反射性にすることができる。また、適切な電気信号を印加することによってこれらの導電プレートを相対移動させることができる。特定の実施形態では、一方のプレートは、基板の上に付着した固定層を備えることができ、また、もう一方のプレートは、エアギャップによって固定層から分離された金属膜を備えることができる。本明細書においてより詳細に説明されているように、一方のプレートのもう一方のプレートと関連する部分は、分岐干渉変調器に入射する光の光干渉を変化させることができる。このようなデバイスは広範囲にわたるアプリケーションを有しており、当分野においては、これらのタイプのデバイスの特性を利用および/または修正することが有利であり、それによりそれらの特徴を利用して既存の製品を改良することができ、また、未だ開発されていない新しい製品を生成することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書において説明されている様々な実施形態は、ディスプレイエレメントのアレイ全体に光を分配するための光ガイドを備えている。光ガイドは、光ガイドの中を伝搬する光をディスプレイエレメントのアレイに向けるための表面レリーフフィーチャを備えることができる。この表面レリーフフィーチャは、光を反射するファセットを備えることができる。ファセットは、これらのファセットを保護するために光ガイド内に埋め込まれている。他の実施形態も同じく開示されている。
【0004】
本発明の一実施形態は、頂部表面および底部表面を有する上部部分と、頂部表面および底部表面を有する下部部分とを備えた光ガイドを備えている。上部部分の底部表面は輪郭が付けられている。下部部分の頂部表面も同じく輪郭が付けられている。上部部分は、上部部分の輪郭が付けられた底部表面と下部部分の輪郭が付けられた頂部表面が上部部分と下部部分の間に空胴を形成するように下部部分の上に配置されている。
【0005】
本発明の他の実施形態は、頂部表面および底部表面を有するカバー層と、頂部表面および底部表面を有する膜であって、その頂部表面に輪郭が付けられた膜と、頂部表面および底部表面を有する光ガイドプレートとを備えた光ガイドを備えている。カバー層は、カバー層の底部表面と膜の輪郭が付けられた頂部表面がカバー層と膜の間に空胴を形成するように膜の上に配置されている。膜は、カバー層と光ガイドプレートの間に配置されている。
【0006】
本発明の他の実施形態は、平らな表面を有するカバー層と、第1および第2の表面を有する膜と、平らな頂部表面および平らな底部表面を有する光ガイドプレートとを備えた光ガイドを備えている。膜の第1の表面は複数の凹状表面レリーフフィーチャを備えており、膜の第2の表面は平らである。膜は、平らな第2の表面と光ガイドプレートが隣接し、かつ、前記第1の表面の凹状表面レリーフフィーチャが光ガイドプレートの反対側に面するように光ガイドプレートの上に配置されている。カバー層は、カバー層の平らな表面と膜の凹状表面フィーチャがカバー層と膜の間に空胴を形成するように膜に隣接して配置されている。
【0007】
本発明の他の実施形態は、光を誘導するための第1の手段と、光を誘導するための第2の手段とを備えた光ガイドを備えている。第1および第2の光誘導手段は、第1および第2の光誘導手段を一体に整合させるための手段を個々に有している。第1および第2の両方の光誘導手段のための整合手段は、第1および第2の光誘導手段が一体に整合するように輪郭が付けられている。それらの間に光を反射させるための手段が形成されている。
【0008】
本発明の他の実施形態は、光を誘導するための第1の手段と、光を誘導するための第2の手段と、該第2の光誘導手段を覆うための手段とを備えた光ガイドを備えている。第2の光誘導手段を覆うための手段は、第2の光誘導手段が該第2の光誘導手段を覆うための手段と第1の光誘導手段の間に位置するように配置されている。第2の光誘導手段および該第2の光誘導手段を覆うための手段は、第2の光誘導手段および該第2の光誘導手段を覆うための手段を一体に整合させるための手段を個々に有している。第2の光誘導手段のための整合手段は、第2の光誘導手段および該第2の光誘導手段を覆うための手段が一体に整合すると、光を反射させるための手段がそれらの間に形成されるように輪郭が付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の分岐干渉変調器の可動反射層が弛緩位置に位置し、第2の分岐干渉変調器の可動反射層が駆動位置に位置している分岐干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を示す等角図である。
【図2】3×3分岐干渉変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の分岐干渉変調器の一例示的実施形態の可動ミラー位置対印加電圧を示す線図である。
【図4】分岐干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用することができる一組の行電圧および列電圧を示す図である。
【図5A】図2の3×3分岐干渉変調器ディスプレイ内の表示データの一例示的フレームを示す図である。
【図5B】図5Aのフレームを書き込むために使用することができる行信号および列信号のための一例示的タイミング図である。
【図6A】複数の分岐干渉変調器を備えた視覚ディスプレイデバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の分岐干渉変調器を備えた視覚ディスプレイデバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】分岐干渉変調器の一代替実施形態の断面図である。
【図7C】分岐干渉変調器の他の代替実施形態の断面図である。
【図7D】分岐干渉変調器のさらに他の代替実施形態の断面図である。
【図7E】分岐干渉変調器の追加代替実施形態の断面図である。
【図8】線形光源およびフロント光ガイドパネルを備えたフラットパネルディスプレイに使用するためのフロント光ガイドユニットを示す図である。
【図9】反射型ディスプレイパネル、表面フィーチャが埋め込まれた二重膜フロント光ガイドパネルおよび光源を備えたフロントリットディスプレイを示す図である。
【図10】図9の二重膜光ガイドの頂部膜および底部膜を示す図である。
【図11】ディスプレイパネルから図9の光ガイドを通って伝搬する光線を示す図である。
【図12】周辺光から光ガイドを通ってディスプレイパネルへ伝搬する光線を示す図である。
【図13】表面フィーチャ間の距離が光ガイドの長さに沿って変化するフロント光ガイドの一代替実施形態を示す図である。
【図14】表面フィーチャが埋め込まれたフロント光ガイドの一代替実施形態を示す図である。
【図15】反射型ディスプレイパネル、表面フィーチャが埋め込まれたフロント光ガイドパネルおよび光源を備えたフロントリットディスプレイの一代替実施形態を示す図である。
【図16】表面フィーチャが埋め込まれたフロント光ガイドの一代替実施形態を示す図である。
【図17】図16のフロント光ガイドの埋設表面フィーチャのうちの1つに入射する光線を示す図である。
【図18】反射コーティングが施された表面フィーチャが埋め込まれたフロント光ガイドの一代替実施形態を示す図である。
【図19】多重ファセット化埋設表面フィーチャを示すフロント光ガイドの一代替実施形態の一部を示す詳細図である。
【図20】湾曲したファセットを備えた埋設表面フィーチャを示すフロント光ガイドの一代替実施形態の一部を示す詳細図である。
【図21】反射型ディスプレイパネルおよび表面フィーチャが埋め込まれたフロント光ガイドパネルを備えたフロントリットディスプレイであって、埋設表面フィーチャが光ガイドパネルと対向する膜の面に配置されたフロントリットディスプレイの一代替実施形態を示す図である。
【図22】図21のフロントリットディスプレイと同様のフロントリットディスプレイであって、埋設表面フィーチャが垂直壁を有するフロントリットディスプレイの一代替実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態を対象にしたものである。しかしながら、本発明は、多くの異なる方法で具体化することができる。以下の説明には図面が参照されており、同様の部品は、すべての図面を通して同様の数表示を使用して示されている。
【0011】
本明細書において説明されている様々な実施形態では、縁照明フロント光ガイドパネルは、複数の埋設表面フィーチャを備えている。埋設表面レリーフフィーチャは、光ガイドパネル内に空気ポケットなどの充填可能ギャップすなわち空胴を形成することができる。光ガイドの縁に注入された光は、空気ポケットの一方の空気/光ガイド材料界面に衝突するまで光ガイドを通って伝搬する。この光は、次に、大きい角度で内部全反射して方向転換し、ディスプレイパネルの前面に配置された射出面から射出する。空気ポケットを生成するために、一対のガイド部分は、輪郭が付けられた、互いに接触している表面を有している。本明細書においては他の実施形態も同じく開示されている。
【0012】
以下の説明から明らかなように、これらの実施形態は、動作中のイメージ(たとえばビデオ)であれ、固定イメージ(たとえば静止画像)であれ、また、テキストイメージであれ、描画イメージであれ、いずれにせよイメージを表示するように構成された任意のデバイスの中で実施することができる。より詳細には、これらの実施形態は、それらに限定されないが、移動電話、無線デバイス、パーソナルデータアシスタント(PDA)、ハンドヘルドコンピュータまたはポータブルコンピュータ、GPSレシーバ/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、時計、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、オートディスプレイ(たとえば走行距離計ディスプレイ、等々)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(たとえば車両内のリアビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子ビルボードまたはサイン、プロジェクタ、建築構造、梱包および美感構造(たとえば一片の宝石上へのイメージの表示)などの様々な電子デバイスの中で、あるいはこれらの電子デバイスと関連して実施することができることが企図されている。
【0013】
たとえば分岐干渉変調MEMSデバイス、LCD、等々などのディスプレイデバイスは、ディスプレイエレメントのアレイを目で見るための適切なレベルに照明するように構成された光源を備えることができる。ディスプレイエレメントのアレイ全体に光を分配するために、この光源と組み合わせて、光源の近傍のディスプレイエレメントのアレイに光ガイドを結合することができる。光ガイドは、ディスプレイエレメントの裏面のたとえばバックライト、あるいはディスプレイエレメントの前面のたとえばフロントライトなどのディスプレイエレメントに対して様々な配向で配置することができる。本明細書において説明されているシステムおよび方法では、フロント光ガイドパネルは、人工光源からディスプレイエレメントのアレイに一様な照明を引き渡し、かつ、ディスプレイエレメント内における反射層を介した周辺照明からの照明のオプションを許容するために、ディスプレイエレメントのアレイの前面に配置されている。
【0014】
図1は、分岐干渉MEMSディスプレイエレメントを備えた一分岐干渉変調器ディスプレイ実施形態を示したものである。これらのデバイスの場合、ピクセルは、明るい状態にあるか、あるいは暗い状態にあるかのいずれかである。明るい(「オン」または「開」)状態では、ディスプレイエレメントは、入射する可視光の大部分を使用者に向かって反射する。暗い(「オフ」または「閉」)状態にある場合、ディスプレイエレメントは、入射する可視光を使用者に向かってほとんど反射しない。「オン」状態および「オフ」状態における光反射率特性は、実施形態に応じて反転させることができる。MEMSピクセルは、選択された色を主として反射するように構成することができるため、黒および白に加えてカラー表示することができる。
【0015】
図1は、視覚ディスプレイの一連のピクセルのうちの2つの隣接するピクセルを等角図で示したもので、ピクセルはそれぞれMEMS分岐干渉変調器を備えている。いくつかの実施形態では、分岐干渉変調器ディスプレイは、これらの分岐干渉変調器の行/列アレイを備えている。分岐干渉変調器は、それぞれ、互いに可変で、かつ、制御可能な距離を隔てて配置された一対の反射層を備えており、少なくとも1つの可変寸法を備えた共鳴光学ギャップを形成している。一実施形態では、これらの反射層のうちの一方をこれらの2つの位置と位置の間で移動させることができる。本明細書においては弛緩位置と呼ばれている第1の位置には、可動反射層が固定部分反射層から比較的大きい距離を隔てて配置される。本明細書においては駆動位置と呼ばれている第2の位置には、可動反射層が部分反射層により緊密に隣接して配置される。これらの2つの層で反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて強め合って、あるいは弱め合って干渉し、ピクセル毎に総合反射状態または非反射状態のいずれかを生成する。
【0016】
ピクセルアレイのうちの図1に示されている部分には、隣接する2つの分岐干渉変調器12aおよび12bが含まれている。左側の分岐干渉変調器12aには、部分反射層を備えた光学スタック16aから所定の距離を隔てた弛緩位置に可動反射層14aが示されている。右側の分岐干渉変調器12bには、光学スタック16bに隣接する駆動位置に可動反射層14bが示されている。
【0017】
本明細書において参照されている光学スタック16aおよび16b(集合的に光学スタック16と呼ばれている)は、通常、インジウムスズ酸化物(ITO)などの電極層を含むことができる複数の合成層、クロムなどの部分反射層および透明誘電体を備えている。したがって光学スタック16は、導電性であり、部分的に透明であり、かつ、部分的に反射型であり、たとえば上で挙げた層のうちの1つまたは複数の層を透明基板20の上に付着させることによって製造することができる。部分反射層は、様々な金属、半導体および誘電体などの部分的に反射型である様々な材料から形成することができる。部分反射層は、1つまたは複数の材料層で形成することができ、これらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せで形成することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、光学スタック16の層が平行条片にパターン化されており、以下でさらに説明するように、ディスプレイデバイスの中に行電極を形成することができる。可動反射層14a、14bは、ポスト18およびポスト18とポスト18の間に付着された介在犠牲材料の頂部に付着された1つまたは複数の付着金属層(行電極16a、16bに対して直角をなしている)の一連の平行条片として形成することができる。犠牲材料がエッチ除去されると、画定されたギャップ19によって可動反射層14a、14bが光学スタック16a、16bから分離される。反射層14にはアルミニウムなどの高度に導電性で、かつ、反射型である材料を使用することができ、また、これらの条片は、ディスプレイデバイスの中に列電極を形成することができる。
【0019】
電圧が印加されていない場合、図1のピクセル12aによって示されているように、ギャップ19は、可動反射層14aと光学スタック16aの間に留まり、可動反射層14aは、機械的に弛緩した状態にある。しかしながら、選択された行および列に電位差が印加されると、対応するピクセルの行電極と列電極の交点に形成されるコンデンサが充電されるようになり、静電力によって電極が一体に引っ張られる。電圧が十分に高い場合、可動反射層14が変形し、光学スタック16に向かって強制される。光学スタック16内の誘電体層(この図には示されていない)は、図1の右側のピクセル12bによって示されているように、短絡を防止し、層14と16の間の分離距離を制御することができる。この挙動は、印加される電位差の極性には無関係に同じである。この方法の場合、反射型ピクセル状態対非反射型ピクセル状態を制御することができる行/列駆動は、多くの点で、従来のLCD技術および他のディスプレイ技術に使用されている行/列駆動に類似している。
【0020】
図2ないし5Bは、分岐干渉変調器のアレイをディスプレイアプリケーションに使用するための一例示的プロセスおよびシステムを示したものである。
【0021】
図2は、本発明の態様を組み込むことができる電子デバイスの一実施形態をシステムブロック図で示したものである。この例示的実施形態では、電子デバイスは、ARM、Pentium(登録商標)、Pentium(登録商標) II、Pentium(登録商標) III、Pentium(登録商標) IV、Pentium(登録商標)Pro、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)などの任意の汎用シングルチップまたはマルチチップマイクロプロセッサであっても、あるいはディジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラまたはプログラム可能ゲートアレイなどの任意の専用マイクロプロセッサであってもよいプロセッサ21を備えている。プロセッサ21は、当分野における慣習に従って、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成することができる。プロセッサは、オペレーティングシステムの実行に加えて、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラムまたは他の任意のソフトウェアアプリケーションを始めとする1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成することができる。
【0022】
一実施形態では、プロセッサ21は、また、アレイドライバ22と通信するように構成されている。一実施形態では、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイすなわちパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24および列ドライバ回路26を備えている。図1に示されているアレイの断面は、線1−1によって図2に示されている。MEMS分岐干渉変調器の場合、行/列駆動プロトコルには、図3に示されているこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用することができる。可動層を弛緩状態から駆動状態に変形させるためには、場合によってはたとえば10ボルトの電位差が必要である。しかしながら、電圧がその値から低くなっても、可動層は、電圧が10ボルト未満に降下した時点のその状態を維持する。図3の例示的実施形態の場合、可動層は、電圧が2ボルト未満に降下するまで完全に弛緩しない。したがって、図3に示されている実施例の場合、約3Vないし7Vの印加電圧の窓が存在しており、その中では、デバイスは、弛緩状態または駆動状態のいずれかで安定している。これは、本明細書においては、「ヒステリシス窓」または「安定窓」と呼ばれている。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイの場合、行/列駆動プロトコルは、行をストローブしている間、ストローブされた行の中の駆動すべきピクセルに約10ボルトの電圧差が印加され、また、弛緩させるべきピクセルにゼロボルトに近い電圧差が印加されるように設計することができる。ストローブが終了すると、たとえどのような状態であっても、行ストローブによってそれらが置かれたその状態を維持するよう、約5ボルトの定常状態電圧差がピクセルに印加される。書込みが終了すると、この実施例では3〜7ボルトである「安定窓」内の電位差が個々のピクセルに印加される。この特徴が、図1に示されているピクセル設計を、駆動状態であれ、あるいは弛緩状態であれ、同じ印加電圧条件の下で既存の状態で安定したものにしている。分岐干渉変調器の個々のピクセルは、駆動状態であれ、あるいは弛緩状態であれ、本質的には、固定反射層および移動反射層によって形成されるコンデンサであるため、ヒステリシス窓内の電圧で、電力散逸をほとんど伴うことなくこの安定状態を保持することができる。印加される電位が一定である場合、本質的にはピクセルには電流は流れない。
【0023】
典型的なアプリケーションの場合、第1の行の中の所望のセットの駆動ピクセルに従ってそのセットの列電極を表明することによってディスプレイフレームを生成することができる。次に、行1電極に行パルスが印加され、表明された列ラインに対応するピクセルが駆動される。次に、第2の行の中の所望のセットの駆動ピクセルに対応するよう、表明されたセットの列電極が変更される。次に、行2電極にパルスが印加され、表明された列電極に従って行2の中の該当するピクセルが駆動される。行1ピクセルは、行2パルスの影響を受けることはなく、行1パルスの間に設定された状態を維持する。連続するすべての行に対して逐次方式でこれを繰り返すことによってフレームを生成することができる。通常、フレームは、新しい表示データを使用して、1秒当たりいくつかの所望のフレーム数でこのプロセスを連続的に繰り返すことによってリフレッシュおよび/または更新される。ピクセルアレイの行電極および列電極を駆動し、それによりディスプレイフレームを生成するための広範囲にわたる様々なプロトコルも同じく良く知られており、本発明と共に使用することができる。
【0024】
図4、5Aおよび5Bは、図2の3×3アレイ上にディスプレイフレームを生成するための可能駆動プロトコルの1つを示したものである。図4には、図3のヒステリシス曲線を示すピクセルのために使用することができる列電圧レベルおよび行電圧レベルの可能セットが示されている。図4の実施形態の場合、ピクセルを駆動するためには、該当する列を−Vbiasに設定し、かつ、該当する行を+ΔVに設定する必要がある。−Vbiasおよび+ΔVは、それぞれ−5ボルトおよび+5ボルトに対応している。ピクセルの弛緩は、該当する列を+Vbiasに設定し、かつ、該当する行を同じ+ΔVに設定して、ピクセルの両端間にゼロボルトの電位差を生成することによって達成される。これらの行のうち、行電圧がゼロボルトに保持されている場合、その行のピクセルは、列が+Vbiasであれ、あるいは−Vbiasであれ、それには無関係に、それらの最初の状態が何であれ安定である。また、同じく図4に示されているように、上で説明した極性とは逆の極性の電圧を使用することも可能であり、その場合、たとえばピクセルを駆動するためには、該当する列を+Vbiasに設定し、かつ、該当する行を−ΔVに設定しなければならないことになることは明らかであろう。この実施形態の場合、ピクセルの開放は、該当する列を−Vbiasに設定し、かつ、該当する行を同じ−ΔVに設定して、ピクセルの両端間にゼロボルトの電位差を生成することによって達成される。
【0025】
図5Bは、図2の3×3アレイに印加される、図5Aに示されているディスプレイ構造が得られることになる一連の行信号および列信号のタイミング図を示したもので、駆動されるピクセルは非反射型である。図5Aに示されているフレームを書き込む前のピクセルの状態は任意であり、この実施例では、すべての行が0ボルトに設定され、また、すべての列が+5ボルトに設定されている。このような印加電圧を使用することにより、すべてのピクセルがそれらの既存の駆動状態または弛緩状態で安定である。
【0026】
図5Aのフレームでは、ピクセル(1、1)、(1、2)、(2、2)、(3、2)および(3、3)が駆動されている。これを達成するために、行1のための「ライン時間」の間、列1および2が−5ボルトに設定され、また、列3が+5ボルトに設定される。すべてのピクセルが3〜7ボルトの安定窓内に留まっているため、この設定によっては、どのピクセルの状態も全く変化しない。次に、0ボルトから5ボルトまで立上り、次にゼロに戻るパルスで行1がストローブされる。これにより(1、1)ピクセルおよび(1、2)ピクセルが駆動され、(1、3)ピクセルが弛緩する。アレイ内の他のピクセルは全く影響されない。必要に応じて行2を設定するために、列2が−5ボルトに設定され、また、列1および3が+5ボルトに設定される。次に、行2に印加される同じストローブによってピクセル(2、2)が駆動され、ピクセル(2、1)およびピクセル(2、3)が弛緩する。この場合も、アレイの他のピクセルは全く影響されない。行3も、列2および3を−5ボルトに設定し、また、列1を+5ボルトに設定することによって同様に設定される。行3ストローブによって、図5Aに示されているように行3ピクセルが設定される。フレームの書込みが終了すると、行電位がゼロになり、また、列電位は、+5ボルトまたは−5ボルトのいずれかを維持することができ、それにより図5Aの構造でディスプレイが安定する。数十個または数百個の行および列のアレイにも同じ手順を使用することができることは理解されよう。また、行駆動および列駆動を実行するために使用される電圧のタイミング、シーケンスおよびレベルは、上でその概要を示した一般原理の範囲内で広範囲にわたって変更することができ、上記実施例は単なる例示的なものにすぎず、任意の駆動電圧方式を本明細書において説明されているシステムおよび方法と共に使用することができることについても理解されよう。
【0027】
図6Aおよび6Bは、ディスプレイデバイス40の一実施形態をシステムブロック図で示したものである。ディスプレイデバイス40は、たとえばセルラすなわち移動電話であってもよい。しかしながら、ディスプレイデバイス40の同じコンポーネントまたはその若干異なる変形形態も、テレビジョンおよび携帯型メディアプレーヤなどの様々なタイプのディスプレイデバイスの実例である。
【0028】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力デバイス48およびマイクロホン46を備えている。ハウジング41は、通常、当業者に良く知られている、射出成形および真空成形を始めとする任意の様々な製造プロセスを使用して形成される。また、ハウジング41は、それらに限定されないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴムおよびセラミックまたはそれらの組合せを始めとする様々な材料から構築することも可能である。一実施形態では、ハウジング41は、色が異なる他の取外し可能部分または異なるロゴ、ピクチャあるいはシンボルを含んだ他の取外し可能部分と交換することができる取外し可能部分(図示せず)を備えている。
【0029】
例示的ディスプレイデバイス40のディスプレイ30は、本明細書において説明されている双安定ディスプレイを始めとする任意の様々なディスプレイであってもよい。他の実施形態では、ディスプレイ30は、上で説明した、プラズマ、EL、OLED、STN LCDまたはTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、または当業者に良く知られているCRTあるいは他の真空管デバイスなどの非フラットパネルディスプレイを備えている。しかしながら、ディスプレイ30は、この実施形態の説明を目的として、本明細書において説明されている分岐干渉変調器ディスプレイを備えている。
【0030】
図6Bは、例示的ディスプレイデバイス40の一実施形態のコンポーネントの概要を示したものである。図に示されている例示的ディスプレイデバイス40はハウジング41を備えており、その中に少なくとも部分的に密閉された追加コンポーネントを備えることができる。たとえば、一実施形態では、例示的ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を備えたネットワークインタフェース27を備えている。トランシーバ47は、条件付けハードウェア52に接続されているプロセッサ21に接続されている。条件付けハードウェア52は、信号を条件付ける(たとえば信号をフィルタリングする)ように構成することができる。条件付けハードウェア52は、スピーカ45およびマイクロホン46に接続されている。また、プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29に接続されている。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28およびアレイドライバ22に結合されている。アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合されている。電源50は、特定の例示的ディスプレイデバイス40設計に必要なすべてのコンポーネントに電力を提供している。
【0031】
ネットワークインタフェース27は、アンテナ43およびトランシーバ47を備えており、したがってこの例示的ディスプレイデバイス40は、ネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができる。また、一実施形態では、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21の要求事項を軽減するためのいくつかの処理機能を有することも可能である。アンテナ43は、当業者に知られている、信号を送受信するための任意のアンテナである。一実施形態では、アンテナは、IEEE 802.11(a)、(b)または(g)を含むIEEE 802.11規格に従ってRF信号を送受信している。他の実施形態では、アンテナは、BLUETOOTH(登録商標)規格に従ってRF信号を送受信している。セルラ電話の場合、アンテナは、CDMA、GSM(登録商標)、AMPSまたは無線セル電話ネットワーク内での通信に使用される他の知られている信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、プロセッサ21が受け取り、かつ、さらに操作することができるよう、アンテナ43から受け取った信号を予備処理している。また、トランシーバ47は、アンテナ43を介して例示的ディスプレイデバイス40から送信することができるよう、プロセッサ21から受け取った信号を処理している。
【0032】
代替実施形態では、トランシーバ47をレシーバに置き換えることができる。さらに他の代替実施形態では、ネットワークインタフェース27を、プロセッサ21に送信されるイメージデータを記憶し、あるいは生成することができるイメージソースに置き換えることができる。イメージソースは、たとえば、ディジタルビデオディスク(DVD)またはイメージデータを含んだハードディスクドライブあるいはイメージデータを生成するソフトウェアモジュールであってもよい。
【0033】
プロセッサ21は、通常、例示的ディスプレイデバイス40の動作を総合的に制御している。プロセッサ21は、ネットワークインタフェース27またはイメージソースから圧縮イメージデータなどのデータを受け取り、受け取ったデータを生イメージデータに処理し、あるいは容易に生イメージデータに処理することができるフォーマットに処理している。プロセッサ21は、次に、処理したデータをドライバコントローラ29に送信し、あるいは記憶するためにフレームバッファ28に送信する。生データは、一般に、イメージ内の個々の位置におけるイメージ特性を識別する情報と呼ばれている。たとえば、このようなイメージ特性は、色、飽和およびグレースケールレベルを含むことができる。
【0034】
一実施形態では、プロセッサ21は、例示的ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPUまたは論理ユニットを備えている。条件付けハードウェア52は、通常、信号をスピーカ45に送信し、また、マイクロホン46から信号を受信するための増幅器およびフィルタを備えている。条件付けハードウェア52は、例示的ディスプレイデバイス40内の離散コンポーネントであってもよく、あるいはプロセッサ21または他のコンポーネント内に組み込むことも可能である。
【0035】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成される生イメージデータをプロセッサ21から直接受け取るか、あるいはフレームバッファ28から受け取り、受け取った生イメージデータをアレイドライバ22に高速転送するために適切に書式変更している。詳細には、ドライバコントローラ29は、ディスプレイアレイ30全体を走査するのに適した時間順序を有するよう、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに生イメージデータを書式変更している。ドライバコントローラ29は、次に、フォーマット化された情報をアレイドライバ22に送信する。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に結合されているが、このようなコントローラは、多くの方法で実施することができる。それらは、ハードウェアとしてプロセッサ21の中に埋め込むことも、ソフトウェアとしてプロセッサ21の中に埋め込むことも、あるいはハードウェアの中にアレイドライバ22と共に完全に統合することも可能である。
【0036】
通常、アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマット化された情報を受け取ってビデオデータを並列波形セットに書式変更しており、この並列波形セットがディスプレイのx−yマトリックスのピクセルからの数百、場合によっては数千に及ぶリード線に、1秒当たり多数回にわたって印加される。
【0037】
一実施形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22およびディスプレイアレイ30は、本明細書において説明されているあらゆるタイプのディスプレイに適している。たとえば、一実施形態では、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(たとえば分岐干渉変調器コントローラ)である。他の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(たとえば分岐干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と共に統合されている。このような実施形態は、セルラ電話、時計および他の微小面積ディスプレイなどの高度に集積化されたシステムではごく当たり前である。さらに他の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(たとえば分岐干渉変調器のアレイを備えたディスプレイ)である。
【0038】
入力デバイス48は、使用者による例示的ディスプレイデバイス40の動作の制御を可能にしている。一実施形態では、入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、タッチセンシティブスクリーンまたは圧力感応膜あるいは熱感応膜を備えている。一実施形態では、マイクロホン46は、例示的ディスプレイデバイス40のための入力デバイスである。マイクロホン46を使用してデバイスにデータを入力する場合、例示的ディスプレイデバイス40の動作を制御するための音声コマンドを使用者が提供することができる。
【0039】
電源50は、当分野で良く知られている様々なエネルギー蓄積デバイスを備えることができる。たとえば、一実施形態では、電源50は、ニッケルカドミウム電池またはリチウムイオン電池などの蓄電池である。他の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源、コンデンサまたはプラスチック太陽電池および太陽電池ペイントを始めとする太陽電池である。他の実施形態では、電源50は、壁付きコンセントから電力を受け取るように構成されている。
【0040】
いくつかの実施形態では、制御プログラム可能性は、上で説明したように、電子ディスプレイシステム内の複数の場所に配置することができるドライバコントローラ内に存在している。いくつかの実施形態では、制御プログラム可能性は、アレイドライバ22内に存在している。上で説明した最適化は、任意の数のハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアコンポーネントの中で、様々な構成で実施することができることは当業者には認識されよう。
【0041】
上で説明した原理に従って動作する分岐干渉変調器の構造の細部は、広範囲に変更することができる。たとえば図7A〜7Eは、可動反射層14およびその支持構造の5つの異なる実施形態を示したものである。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、直角に展開しているサポート18の上に金属材料14の条片が付着されている。図7Bでは、可動反射層14は、サポートの隅のテザー32のみに取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14は、可撓性金属から構成することができる変形可能層34から懸垂されている。変形可能層34は、その周囲が基板20に直接または間接的に接続されている。これらの接続は、本明細書においては、サポートポストと呼ばれている。図7Dに示されている実施形態は、サポートポストプラグ42を有しており、その上に変形可能層34が載っている。可動反射層14は、図7A〜7Cに示されているように、ギャップの上方に懸垂された状態を維持しているが、変形可能層34は、この変形可能層34と光学スタック16の間の孔を充填することによってサポートポストを形成していない。その代わりに、サポートポストプラグ42を形成するために使用される平坦化材料でサポートポストが形成されている。図7Eに示されている実施形態は、図7Dに示されている実施形態に基づいているが、図7A〜7Cに示されているいずれの実施形態、ならびに図には示されていない追加実施形態と共に動作するように適合させることも可能である。図7Eに示されている実施形態では、金属または他の導電材料の追加層を使用してバス構造44が形成されている。そのため、分岐干渉変調器の背面に沿って信号を経路化することができ、したがって、さもなければ基板20の上に形成しなければならないことになる多くの電極が除去される。
【0042】
図7に示されている実施形態などの実施形態では、分岐干渉変調器は、イメージが透明基板20の前面側から観察され、その反対側に変調器が配置される直視デバイスとして機能している。これらの実施形態では、反射層14は、反射層の基板20とは反対側の、変形可能層34を含む側の分岐干渉変調器部分を光学的に遮蔽している。したがって、画像品質に悪影響を及ぼすことなく遮蔽領域を構成し、かつ、動作させることができる。このような遮蔽が、アドレス指定およびそのアドレス指定によって生じる運動などの変調器の電気機械特性から変調器の光学特性を分離する能力を提供する図7Eのバス構造44を可能にしている。この分離可能な変調器アーキテクチャにより、変調器の電気機械的な面および光学的な面のために使用される構造設計および材料を選択することができ、かつ、互いに独立して機能させることができる。さらに、図7C〜7Eに示されている実施形態は、変形可能層34によって実行される反射層14の光学特性と機械特性の分離によって得られる追加利点を有している。この追加利点により、反射層14のために使用される構造設計および材料を光学特性に対して最適化することができ、また、変形可能層34のために使用される構造設計および材料を所望の機械特性に対して最適化することができる。
【0043】
ディスプレイ技術では、人工照明を使用してディスプレイを目に見えるようにすることができる。そのために、蛍光管またはLEDなどの光源から薄いスラブ形光ガイド中に光が捕獲され、ディスプレイに引き渡される。「バックライティング」または「フロントライティング」によって照明を提供することができる。
【0044】
フラットパネルディスプレイは、通常、ディスプレイパネルの背面に一様な照明を引き渡すために、線形光源からの光の方向を変える光ガイドスラブによって「バックリット」される(しばしば「バックライト」と呼ばれている)。光ガイドパネルの縁に沿って注入された光は、光ガイドパネル内を誘導され、光ガイドパネルの背面または前面に配置されているエクストラクタフィーチャを使用して光ガイドパネル内の光の伝搬を崩壊させ、それにより光をディスプレイに向けてパネルの前面全体に一様に放出することができる。
【0045】
別法としては、ディスプレイパネルの観察側から一様な照明を引き渡すフロント光ガイドによってフラットパネル反射型ディスプレイを「フロントリット」することも可能である。このようなディスプレイは、周辺光を反射させることも可能であり、したがってウェルリット周辺光条件の下でそれらの輝度を大きくすることができる。フロントライトを利用することができるのは、いくつかの構成におけるローライト周辺条件の場合のみである。
【0046】
図8に示されているフロントリットシステムでは、蛍光管、LEDまたはLEDアレイあるいはLEDによって照明されるライトバーなどの線形光源2からの光が、ディスプレイパネル4の前面に配置された薄いスラブ形光ガイドパネル1003に注入される。
【0047】
光ガイドに注入された光5は、光ガイド1003の長さに沿って誘導される。光5は、ディスプレイパネルに一様な照明を提供するために、光ガイド1003の厚さを通して伝搬し、射出面1031から射出するよう、約90度の大きい角度で方向転換される。光の方向転換は、複数の方向転換フィーチャを含んだ表面レリーフ構造によって達成することができる。
【0048】
図8に関連して上で説明したように、光入射表面1033に入射した光ビーム5は、フロント光ガイド3を通って、内部全反射によって光ガイド1003の反対側の面に向かって伝搬する。観察面1032には、さらに、観察面1032の幅に沿ったパターンで配列されたプリズム微細構造1040などの複数の光方向転換構造が含まれている。プリズム微細構造1040は、ファセット/空気界面で光が反射し、大きい角度で光が方向転換するように互いに角度が付けられた複数の方向転換ファセット1042および1044を備えることができる。複数の対の隣接するファセット1042および1044は、たとえば、1つの浅く、かつ、長いファセットと、はるかに短く、かつ、傾斜がより急峻なファセットとを備えることができる。図8に示されているように、光が第1の浅いファセットに衝突し、次に、第2のより急峻なファセットに連続的に衝突すると、ファセット/空気界面の両方で内部全反射が生じ、大きい角度で光が方向転換する。この経路に沿った光は、次に、射出面から隣接するディスプレイパネルに向かって光ガイドから抽出される。したがって、これらの構造1040のうちの1つに遭遇した光ビーム5は、拡散反射または鏡面反射し、そのほとんどが射出面1031から放出される。多重内部反射によって光ガイドプレート3内の光の混合が強化され、それにより、より一様な光が光射出面1031全体から射出する。
【0049】
これらのプリズム表面レリーフフィーチャは、エンボス、射出成形鋳造または他の技法などによって光ガイドの表面に製造されるか、あるいは平らな光ガイドの表面に取り付けられることになる薄膜中に製造されるかのいずれかである。特定の設計では、光ガイドの頂部表面、つまり光射出面とは反対側の露出表面にプリズム表面レリーフ構造が配置されている。したがって周辺条件から保護されない場合、方向転換ファセットは、ほこり、水または他の汚染物質によって容易に汚染される。たとえばほこりが存在していると、ファセット界面部分の内部全反射が破壊され、プリズム微細構造の光方向転換性能が低下することがある。また、このようなプリズム微細構造の谷間にトラップされたごみまたは粒子汚染物質は、観察者の目に光を直接散乱させることになり、したがって表示コントラストが小さくなる。
【0050】
したがって、ディスプレイを製造している間、およびディスプレイの使用寿命の間、プリズム表面レリーフ構造を保護することが有利である。これは大きな問題であり、この技術の広範囲にわたるアプリケーションを制限している。製造中、クリーンルーム設備を使用して表面レリーフの汚染を防止することができるが、この手法の場合、製造コストが増加する。また、デバイスを使用している間、密閉されたカバープレートを使用してプリズム表面を保護することも可能である。しかしながら、これが寄与するのは光ガイドの厚さに対してであり、製造が複雑になる。したがって、場合によっては、性能を改善し、製造を単純にし、かつ/またはコストを低減することができる他の設計が望ましい。
【0051】
図9は、線形光源2およびフロント光ガイドパネルまたはプレート103(LGP)を備えたフロントリットディスプレイの一実施例を示したものである。この線形光源2は、たとえば、冷陰極蛍光管(CCFL)ランプ、LED、OLED、LEDまたはLEDアレイによって照明されるライトバー、蛍光管または他の適切な任意の線形光源を備えることができる。この光源2は、線形光源2からの光が光ガイドプレート103の光入射表面133に入射するよう、フロント光ガイドプレート103の縁と平行に整列している。
【0052】
フロント光ガイド103は、線形光源2からの光の方向を変え、かつ、射出面の平らな表面に光を一様に再分配することができる実質的に光学的に透過型の材料からなっている。光ガイド103は、光入射表面133、光入射表面に直角の光射出面131、および光射出面131とは反対側の観察面132を備えている。
【0053】
線形光源2からの光5は、光ガイドプレート103の光入射表面133に入射し、以下でより詳細に説明するように、光ガイドプレート103の長さLに沿って伝搬し、光ガイドプレート103の前面132と背面131の間で反射し、光ガイドプレート103内のフィーチャによってその方向を転換し、光射出面131を介して光ガイドプレート103から射出し、ディスプレイパネル4に向かって伝搬する。
【0054】
特定の実施形態では、フロント光ガイド103は、互いに平行をなしている射出面131および観察面132を備えた長方形のプレートつまりシートを備えている。一実施形態では、フロント光ガイド103は、光射出面131および観察面132が互いに角度が付けられたくさび形プレートを備えることができる。他の実施形態では、光射出面131および観察面132の一部が互いに角度が付けられ、他の部分が互いに平行をなしている。他の実施形態では、光射出面131および観察面132は互いに平行ではなく、たとえば観察面132は、鋸歯パターン(図示せず)を有することができる。
【0055】
特定の実施形態では、フロント光ガイドは、上部部分および下部部分からなっていてもよく、上部部分および下部部分は、それぞれ、輪郭が付けられた対向する表面が上部部分と下部部分の間に埋め込まれた複数の方向転換フィーチャを生成するように一体に結合される輪郭付き表面を有している。たとえば、図9に示されているように、フロント光ガイド103は、光ガイド103の光方向転換フィーチャ140が重合体膜136および138の2つの隣接する面に形成され、したがって結果として得られる光ガイドパネル103の中に埋め込まれるように一体に結合された2つの重合体膜136および138からなっていてもよい。
【0056】
図10により詳細に示されているように、光ガイド103は、底部膜136(観察者から遠い方に配置されている)および頂部膜138(観察者に近い方に配置されている)を備えている。底部膜136は、結果として得られる光ガイドプレートの射出面131を形成している平らな表面、およびその反対側に構造化された、膜136の幅全体にわたって間隔を隔てて配置された複数の表面レリーフフィーチャ140aを備えた表面135を有している。同様に、頂部膜138も、結果として得られる光ガイド103の観察面132を形成している平らな表面、およびその反対側に構造化された、膜138の幅全体にわたって間隔を隔てて配置された複数の表面レリーフフィーチャ140bを備えた表面137を備えている。光ガイドプレート103は、2つの膜136および138を、表面フィーチャ140aおよび140bが結果として得られる膜103の中に埋め込まれ、それにより外部の損傷または汚染から保護されるよう、それらの構造化された面135および137を互いに対向させて一体に結合することによって生成することができる。図に示されている実施形態では、膜136および138は、膜136および138の構造化された面135および137の各々が整列して一体に結合されると、表面レリーフフィーチャ140aおよび140bが、光ガイドプレート103の長さ全体にわたって間隔を隔てて配置された一連の充填可能ギャップすなわち空胴150(図9参照)を形成するように光学的に結合される。しかしながら、代替実施形態では、互いに対向する表面フィーチャ140aおよびbは、頂部膜138および底部膜136の表面137および135に沿って必ずしも等間隔で配置する必要はなく、その代わりに、たとえば異なる光方向転換効果を光ガイドプレートの長さに沿って提供するために故意にオフセットさせることも可能である。
【0057】
一実施形態では、頂部膜138および底部膜136は、これらの膜が結合されると、それらが光学的に1つの光ガイドになって1つの膜のように動作し、それらの間に光学的な界面が存在せず、かつ、複数の空胴がその中に埋め込まれるよう、同じ屈折率を有している。使用中、誘導された、複数のファセットのうちの1つと埋め込まれた空気ポケットとの間の界面に衝突した光は、その界面で優先的に内部全反射し、それによりたとえば75°〜90°の間の大きい角度で方向転換することになる。特定の実施形態では、空胴に充填材を充填し、光ガイドプレートに機械的な安定性および強度を提供することができる。充填材は、ファセット/空胴界面における内部全反射が依然として生じることを保証するために、光ガイド材料の屈折率とは異なる屈折率を有することができる。
【0058】
したがって空胴は空であってもよい。上で説明したように、これらの空胴は、材料で充填することも可能である。空胴という用語は、その体積が空であり、たとえば空気またはガスが充填されている状態、あるいはその体積が、異なる光学特性、たとえば屈折率などを有する光学的に透過型の材料などの材料で充填されている状態のいずれかを説明するために使用されている。
【0059】
また、たとえば射出面全体に所望の角度で一様に光を分配するために、入射面に入射する誘導光と広範囲にわたって相互作用し、かつ、抽出効率が高くなるか、あるいは抽出効率が最大化されるように、表面フィーチャ140aおよび140bの形状およびサイズ、延いては結果として得られる空胴150(図9参照)の形状およびサイズを選択することも可能である。したがって表面フィーチャ140aおよび140bは、側面つまり一般的には射出面131に対して平行である入射面133から注入された光を大きい角度で方向転換させ、かつ、射出面131から放出させるために適した任意の形状を備えることができる。それと同時に、表面フィーチャ140aおよび140bは、観察面132に入射する、観察面132に対して実質的に直角の周辺光などの光を光ガイドプレート103および比較的影響されない表面フィーチャを介して透過させ、かつ、射出面に対して実質的に直角の角度で射出面131から放出させる形状にすることも可能である。たとえば、表面フィーチャは、2つの隣接する対称ファセットを個々に備えた複数の反復プリズム微細構造を備えることができる。別法としては、表面フィーチャは、膜に対して異なる傾斜角を有する2つの隣接するファセットを個々に備えた複数の反復プリズム微細構造を備えることができる。他の構成も可能である。
【0060】
一実施形態では、表面フィーチャ140aおよび140bは、観察者に目立たないよう、十分に小さい。特定の実施形態では、表面フィーチャ140aおよび140bは、膜136および138の長さL全体にわたって全く同じにすることができ、たとえば、上で説明したように同じ角配向、形状または寸法を反復することができる。別法としては、表面フィーチャ140aおよびbの形状、角配向および/またはサイズを膜136および138の長さ全体にわたって変化させることも可能である。
【0061】
特定の実施形態では、表面フィーチャ140aを表面フィーチャ140bの対向するミラーにすることができ、別法としては、表面フィーチャ140aの形状を表面フィーチャ140bに対して相補形状にし、一方を少なくとも部分的にもう一方の中に適合させることも可能である。互いに対向している頂部膜138および底部膜136の表面フィーチャ140bおよび140aは、一体に結合されると、これらの2つの膜の間に埋め込まれた複数の対称空胴150を生成することができる。別法としては、互いに対向している頂部膜138および底部膜136の表面フィーチャ140bおよび140aは、これらの膜の間に埋め込まれた非対称空胴を生成することも可能である。特定の実施形態では、このような非対称空胴を設計することにより、ファセット/空気界面の長さを短くし、延いては、光線が界面に衝突する際に生じる有害なフレネル反射を抑制することができる。表面フィーチャ140aおよび140bを結合することによって空胴が生成されるため、より複雑な方向転換フィーチャを生成することができる。たとえば再入可能構造を生成することができ、いずれの膜にも再入可能な性質は形成されないが、その代わりに頂部膜138および底部膜136の表面フィーチャ140bおよび140aを結合する際に生成される。
【0062】
たとえば、図10に詳細に示されている実例実施形態では、底部膜136上の表面フィーチャ140aは、構造化された表面135の長さ全体にわたって間隔を隔てて配置され、かつ、複数の平らなスペーサ143によって分離された複数の交互マイクロプリズム142を備えている。マイクロプリズム142は、マイクロプリズム142の先端に入射した光線5がプリズムに入射し、引き続いてマイクロプリズム/空気界面で内部反射し、それにより大きい角度で方向転換し、光線6として光ガイド103の射出面131から射出するように互いに角度が付けられた隣接するファセットで形成されている。頂部膜138上の表面フィーチャ140bは、構造化された表面137の長さ全体にわたって間隔を隔てて配置された複数の溝144を備えている。溝144は、膜138の長さ全体にわたって内部全反射した内部全反射(TIR)光線、ならびに溝144に入射した、TIRに近い角度を有する光線が、溝144の幅全体にわたって直線的に屈折するように互いに角度が付けられた隣接する表面を備えている。したがって、図9に示されているように、膜136および138が結合されて光ガイドプレート103が形成されると、表面フィーチャ140aおよび140bが協同して、光ガイドプレート103の長さに沿って間隔を隔てて配置された埋設空胴150を形成する。これらの空胴150によってマイクロプリズム142の表面に空気/光ガイド材料界面が生成され、それによりマイクロプリズム142の先端を通って移動する光が大きい角度で方向転換し、したがって入射面133に入射した光線5が再分配され、かつ、方向転換され、光6として射出面131からディスプレイ4に向かって放出される。
【0063】
使用中、図8、10〜11に示されているように、線形光源2からの光線5がフロント光ガイドプレート103に注入されると、光線5は、内部全反射(TIR)によって光ガイドプレート103を通って伝搬する。内部全反射(TIR)は、ガラスなどの屈折率がより大きい媒体から空気などの屈折率がより小さい媒体へ移動する光が、媒体境界で光が反射する角度で媒体境界に入射する光学現象である。これらの光線が光ガイドプレートを通って誘導されると、最終的には表面フィーチャ140aのマイクロプリズム142のファセットに衝突することになる。空胴150によって形成される空気/光ガイド材料界面における空気と光ガイド材料の間の屈折率の差のため、光線5は、大きい角度で方向転換して光ガイドプレート103の光射出面131から放出される。光ガイドプレート103の光射出面131から放出された光線6は、エアギャップを横切って伝搬し、ディスプレイパネル4、たとえば分岐干渉変調器ディスプレイパネルに入射し、そこで光線が変調され、反射して光ガイドの光射出面131に向かって戻る。図11に示されているように、ディスプレイパネル4からの変調光線7は、光ガイドプレート103の光射出面131に入射する。これらの光線7は、光ガイドプレート103を通って伝搬し、観察面132から射出する。したがって使用者はこの光線7を見ることができる。したがって、様々な実施形態では、表面フィーチャ140aおよび140b、延いては空胴150は、光射出面131に直角またはほぼ直角に近い角度で入射する光が、大きな妨害または逸脱を伴うことなく、光ガイドプレート103および空胴150を通って伝搬するように形状化されている。
【0064】
図12に示されているように、周辺光のレベルが十分に高い場合、ディスプレイパネル4を照明するための線形光源2からの追加照明は必ずしも必要ではない。ここでは、直角またはほぼ直角に近い角度で観察面132に入射する周辺光線8も、同様に、大きな妨害を伴うことなく、光ガイドプレート103および空胴150を通って伝搬している。周辺光線8は、次に、光射出面131から放出され、上で説明したようにエアギャップを横切ってディスプレイ4まで伝搬する。したがって光ガイドプレート103は、光入射面に入射する誘導光と広範囲にわたって相互作用し、かつ、それと同時に、射出面および観察面に入射する非誘導光をほとんど妨害しない機能を提供している。さらに、光ガイドプレート103は、表面フィーチャを2つの膜の間に埋め込むことによって光方向転換フィーチャを損傷または汚染から保護している。
【0065】
特定の実施形態では、表面フィーチャ140aおよびbのサイズ、形状、間隔または他の特性を光ガイドプレート103の長さL全体にわたって変化させることができ、それによりたとえば光射出面131の長さ全体にわたって一様な光抽出を得ることができる。図13に示されているように、対応する表面フィーチャ140aおよび140bの対と対の間の距離が光ガイドプレートの幅全体にわたって50ミクロンから450ミクロンまで変化している特定の光ガイドパネル103(図9〜12に示されているような)が示されている。たとえば、図に示されている実施形態では、表面フィーチャ140aと140bの間の間隔は、光源2からの距離が長くなるほど短くなっている。たとえば、光源2に最も近い光ガイドプレート103の領域Aでは、表面フィーチャ140aおよび140bの対と対の間の間隔は約450ミクロンであり、中間の領域Bでは、表面フィーチャ140aおよび140bの対と対の間の間隔は約150ミクロンである。また、最も遠い領域Cでは、表面フィーチャ140aおよび140bの対と対の間の間隔は約50ミクロンである。表面フィーチャ140aおよび140bの対と対の間の距離を短くすることによって、光源2から最も遠い光ガイドプレート103の領域の抽出効率を高くしている。この抽出効率は、光ガイド103のより遠くの領域に実際に到達する光束の減少を平衡させており、したがって光射出面131の表面全体により一様に射出することができる。別法としては、上で説明したように光ガイドプレート103の観察面132を射出面131に対して角度を付け、それによりくさび形の光ガイドプレート103を形成することも可能であり、これにより、同じく光源2から最も遠い光ガイドプレートの領域の抽出効率を高くすることができる。
【0066】
光ガイド103は、底部膜136の上のマイクロプリズム142または図10に示されている頂部膜138の上のファセット化された溝144などの設計された表面レリーフを備えた膜136および138をインプリントすることによって製造することができる。これらの表面レリーフフィーチャは、エンボス、射出成形または当分野で知られている他の適切な任意の技法によって生成することができる。頂部膜および底部膜の上に表面フィーチャが成形されると、これらの膜を整列させ、かつ、一体に結合して光ガイドプレート103を生成することができる。これらの膜は、たとえば適切な任意の接着剤を使用した積層によって一体に結合することができる。適切な接着剤には、たとえば感圧性接着剤、熱硬化性接着剤、UVまたは電子ビーム硬化性接着剤あるいは適切な光学特性および機械特性を有する他の任意の接着剤がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、これらの膜を積層する場合、表面フィーチャと表面フィーチャの間の空の空胴が接着材料で充填され、これらの空胴の光方向転換特性が破壊される可能性がないよう、注意しなければならない。いくつかの実施形態では、これらの膜の厚さは約70〜80ミクロンの間であるが、表面フィーチャの深さは、約7ミクロンないし8ミクロンの間にすぎない。したがって、注意を怠ると、これらの膜を結合するために圧力を印加する際に、頂部膜および底部膜を結合するために使用される積層接着剤が表面フィーチャによって生成される空の空胴の中ににじみ出るか、あるいは滲出して、これらの空の空胴が充填されることがある。このような状況は、頂部膜と底部膜の間に加えられる積層材料の厚さを制御し、接着剤が過剰になることを防止することによって回避することができる。別法としては、これらの2つの膜を結合するためにこれらの2つの膜に極端な圧力を印加する必要がないよう、光反応性接着剤を使用することも、UV光によって硬化させることも可能である。別法としては、これらの2つの膜の間に薄い金属コーティングを加え、次に、RFエネルギーを使用して硬化させることも可能である。特定の実施形態では、膜に表面レリーフフィーチャがインプリントされる前に積層材料を加えることができる。個々の膜に表面フィーチャをインプリントする場合、表面フィーチャから積層材料が除去されるため、したがってこれらの2つの膜を結合する際に、空の空胴に滲出する過剰材料は一切存在していない。特定の実施形態では、上で説明したように、屈折率が光ガイド材料の屈折率より小さい充填材で空の空胴を充填することができる。この充填材は、充填材が、空胴中への積層材料のあらゆる滲出および充填を防止するための追加機能をもたらすよう、積層に先立って加えることができる。
【0067】
他の手法も可能である。代替実施形態では、光ガイド中に埋め込まれた方向転換フィーチャは、平らな膜に積層された、輪郭が付けられた単一の膜によって生成することができる。たとえば、図14〜15に示されているように、光ガイド203は、プラスチック光ガイドまたはガラス光ガイドなどの光ガイドプレート223の平らな頂部表面に積層された、輪郭が付けられた単一の膜238を備えることができる。図に示されている実施形態では、膜238の輪郭が付けられた表面は、平らな表面よりもディスプレイパネルから離れている。ここでは、方向転換ファセットは、膜238の輪郭が付けられた表面に平らなプラスチックカバー層260を加えることによって保護することができる。たとえば、膜238は、アクリル、ポリカーボネート、ZEONEX(登録商標)または当分野で知られている他の適切な任意のプラスチックなどのプラスチック膜を備えることができる。膜238には、エンボス、射出成形または他の適切な任意の技術によって生成される反復表面レリーフ構造をインプリントすることができる。表面レリーフフィーチャ240は、対称であっても、非対称であってもよい複数のファセット242および244を備えることができる。膜238は、次に、エンボス膜238が事実上光ガイドプレート223の一部になるよう、光ガイドプレート223の頂部表面に取り付けるか、あるいは積層することができる。屈折率整合接着剤を使用することができる。インプリントされた表面レリーフフィーチャ240は、膜238の頂部露出表面として残される。カバー層260は、次に、膜238の露出表面に取り付けられるか、あるいは積層される。上で説明したように、膜238およびカバー層260の両方の屈折率が類似している場合、表面レリーフフィーチャ240は、事実上、複合(単一ユニタリ)光ガイド203の中に埋設される。
【0068】
図15に示されているように、表面レリーフフィーチャ240とカバー層260の間に、上で説明した空胴と同様の空胴(たとえば空気ポケット)250が生成されている。使用中、光源2からの複数の光線5が光入射表面233で光ガイド203に入射し、光ガイド203と周囲の空気との間の界面における光線の内部全反射によって光ガイドの長さに沿って誘導される。光線5が複数の埋設空胴250のうちの1つによって生成される光ガイド材料/空気界面に内部全反射のための臨界角より大きい角度で衝突すると、光線5も同様に内部全反射することになる。しかしながら、表面レリーフフィーチャ240のファセット242および244によって生成される空気/光ガイド材料界面の角度のため、内部全反射した光は、大きい角度、一般的には90度以上の角度で方向転換し、次に、光射出面231を介して光ガイド203からディスプレイパネル4に向かって射出することになる。
【0069】
図16の横断面図に示されているような特定の実施形態では、表面レリーフフィーチャ340は、光ガイド303内の空胴(たとえば空気ポケット)350が非対称形状を有するように構成することができる。詳細には、図に示されているように、光源2に近い方の側と光源2から遠い方の側とは異なっている。たとえば2つのファセット342および344の急峻度は異なっている。図16では、表面レリーフフィーチャ340は2つの隣接するファセット342および344を備えており、第1のファセット342は、短く、かつ、急峻なファセットであり、第2のファセット344は垂直ファセットである。空胴350のこの非対称形状により、光ガイド材料/空気界面の長さが短くなり、したがって光が界面に衝突する際に生じる有害なフレネル反射が抑制される。これらのファセットは、他の角度を有することも可能であり、また、異なる形状にすることも可能である。
【0070】
埋設表面レリーフフィーチャの他の利点は、空胴350によって形成される埋設空気/光ガイド材料界面を使用することにより、側光源2からの光5がより効率的に中継されることである。たとえば図17に示されているように、約30°の半角を有する円錐内に含まれている光線5が光ガイド303を通って伝搬し、空胴350で光ガイド材料/空気界面に衝突すると、上で説明したように光の一部6が内部全反射によって下に向かって方向転換し、また、光の一部7が界面を通って空胴350中に屈折する。ここでは、光7は、垂直ファセット344で空気/光ガイド材料界面に衝突するまで空胴350を通って伝搬することになる。光7は、次に、この界面で屈折し、それによりある程度平行化されて光ガイド材料中に戻る。この光が次に光ガイドの表面で空気/光ガイド材料界面に衝突すると、光7は、内部全反射して光ガイド内に留まることになる。それとは逆に、表面レリーフフィーチャが2つの埋設光ガイド−空気界面を備えた空胴を備えていない場合、表面レリーフフィーチャの光ガイド材料/空気界面で内部全反射しない光は、すべて界面を通って屈折し、光ガイドから射出することになる。したがって、屈折した光の一部が光ガイドから射出することを防止するべく空胴を埋め込み、第2の空気/光ガイド材料界面を提供することによって光ガイドの効率が改善される。
【0071】
代替実施形態では、図18に示されているように、方向転換ファセット242および244は、銀または他の適切な任意の金属コーティングなどの反射コーティング280でコーティングすることができる。また、反射コーティング280を使用した場合、光ガイド材料/空気界面を通って既に屈折していることになるあらゆる光を、内部全反射による方向転換ではなく、この反射コーティングによってディスプレイパネルに向けて下方に反射させることができるため、光ガイドの効率を改善することができる。特定の実施形態では、上で説明したように、空胴250にも充填材を充填することができ、構造に機械的な安定性および強度を提供することができる。特定の実施形態では、反射コーティングを加える代わりに、充填材を反射型にすることができる。
【0072】
方向転換ファセット242および244は、表面フィーチャ240によって生成される光ガイド材料/空気界面で光を大きい角度で方向転換させるために適した任意の形状にすることができる。さらに、上で説明したように、ファセットのサイズ、形状、間隔または他の特性を変化させることにより、光ガイド203の長さ全体にわたって一様な光抽出を得ることができる。特定の実施形態では、図19に示されているように、表面レリーフフィーチャ240は、図15に示されている単一ファセット化表面242および244の代わりに、複数の多重ファセット化表面442および444を備えることができる。多重ファセット化表面は、入射する光が方向転換する角度範囲を広くすることができ、したがって、図19に示されているように、隣接する表面フィーチャ240によって方向転換した光がディスプレイパネル4で重畳する確率が高くなり、延いてはディスプレイパネル4に入射する光の一様性が改善される。これは、方向転換した光線が広がることができる距離Dが短くなるよう、ディスプレイパネル4および埋設表面レリーフフィーチャ240が緊密に間隔を隔てている場合にとりわけ有利である。たとえば、図19に示されているように、多重ファセット化された方向転換表面442に異なる高さで衝突する光線15は、光線15が方向転換表面に衝突する角度に応じた異なる角度で内部全反射して方向転換することになる。
【0073】
代替実施形態では、図20に示されているように、方向転換表面542および544は、別法として、湾曲した単一の表面を備えることができる。この湾曲した表面542および544は、入射した光が方向転換ファセット542および544に衝突する位置に応じて空気/光ガイド材料界面の界面角度を変化させることによって、上で説明した利点と同じ利点を提供することができる。そのため、延いては光が内部全反射する角度範囲が広くなり、したがって隣接する表面フィーチャ240によって反射した光がディスプレイパネル4に衝突する際に重畳する確率が高くなり、延いてはディスプレイパネル4に入射する光の一様性が改善される。
【0074】
代替実施形態では、図21に示されているように、複合光ガイド603は、第1の平らな表面および輪郭が付けられた、膜の第1の面の長さ全体にわたって展開している凹状表面レリーフフィーチャ640を備えた第2の表面を有する膜638と、平らな頂部表面および底部表面を有するプラスチックまたはガラス製の光ガイドプレート623とを備えることができる。膜638は、膜638の平らな表面と光ガイドの平らな底部表面が隣接し、膜638が事実上光ガイドプレート623の一部になるよう、光ガイドプレート623の底部表面に取り付けるか、あるいは積層することができる。
【0075】
膜638の輪郭が付けられた表面は、凹状表面レリーフフィーチャ640が、膜638の同じく光ガイドプレート623とは反対側に面している露出表面に留まるよう、光ガイドプレート623とは反対側に面してしいる。特定の実施形態では、膜638の輪郭が付けられた表面に平らなプラスチックカバー層660を加え、膜638とカバー層660の間に表面フィーチャを埋め込むことによって凹状表面フィーチャ640を保護することができる。上で説明したように、膜638およびカバー層660の両方の屈折率が類似している場合、表面レリーフフィーチャ640は、事実上、複合光ガイド603の中に埋設される。別法としては、膜638とディスプレイエレメントのアレイの間に凹状表面フィーチャが埋め込まれるよう、ディスプレイエレメントのアレイに膜638の凹状表面を直接取り付けるか、あるいは積層することも可能である。凹状表面レリーフフィーチャ640は、対称であっても、非対称であってもよい複数の隣接するファセットを備えることができる。図に示されている実施形態では、凹状表面レリーフフィーチャ640は、同じ傾きを有する傾斜側壁すなわちファセット642および644を備えているが、これらの傾斜は、実施形態に応じて異なる傾斜にすることができる。これらの傾斜側壁642および644は、膜638中における空胴650の深さが深くなるにつれて空胴650の幅が広くなるように傾斜が付けられている。同様に、ディスプレイエレメント4に最も近い個々のファセット642および644の縁は、ディスプレイから最も遠い個々のファセット642および644の縁よりも互いに接近している。
【0076】
特定の実施形態では、図21に示されているように、表面レリーフフィーチャ640は、光ガイド603を通って伝搬する誘導光が空気/光ガイド材料界面で内部全反射するように形状化し、かつ、サイズ化することができる。使用中、光源2からの複数の光線5が光入射表面633で光ガイド603に入射し、光ガイド603と周囲の空気との間の界面における光線の内部全反射によって光ガイドの長さに沿って誘導される。光線5が複数の埋設空胴(たとえば空気ポケット)650のうちの1つによって生成される空気/光ガイド材料界面に内部全反射のための臨界角より大きい角度で衝突すると、光線5は、ファセット642で内部全反射することになる。表面レリーフフィーチャ640のファセット642および644によって生成される空気/光ガイド材料界面の角度のため、内部全反射した光は、大きい角度、一般的には90度以上の角度(光射出面631に対して)で方向転換し、次に、光射出面631を介して光ガイド603からディスプレイエレメント4のアレイに向かって射出することになる。
【0077】
代替実施形態では、図22に示されているように、表面レリーフフィーチャ740は、光ガイド703を通って伝搬する誘導光が、空気/光ガイド材料界面における光線の屈折によってディスプレイエレメントのアレイに向かって方向転換するように形状化し、かつ、サイズ化することができる。表面レリーフフィーチャ740とカバー層760の間に、上で説明した空胴と同様の空胴(たとえば空気ポケット)750が生成されている。図に示されている実施形態では、表面レリーフフィーチャ740は、垂直側壁すなわちファセット742および744を備えているが、これらの傾斜は、実施形態に応じて異なる傾斜にすることができる。
【0078】
使用中、光源2からの光線5が光入射表面733で光ガイド703に入射し、光ガイド703と周囲の空気との間の界面における光線の内部全反射によって光ガイドの長さに沿って誘導される。光線5が複数の埋設空胴750のうちの1つによって生成される空気/光ガイド材料界面に衝突すると、光ガイドと空気の間の屈折率の変化によって光線5が屈折することになる。表面レリーフフィーチャ740のファセット742によって生成される空気/光ガイド材料界面の角度のため、光射出面731を介して光ガイド703から射出するように光が湾曲し、ディスプレイエレメント4のアレイに向かって導かれる。
【0079】
広範囲にわたる他の様々な変形形態も可能である。構造フィーチャを追加し、除去し、再配列し、あるいは再配置することができる。異なる構造フィーチャを代用することも可能である。コンポーネントのタイプ、配置および構成は、別様にすることができる。コンポーネントは、追加または除去することができる。同様に処理ステップも追加または除去あるいは再配列が可能である。また、いくつかの実施形態はプレートとして記述されているが、これらの実施形態は、さもなければ膜またはシートを備えることも可能である。また、本明細書において使用されている膜および層という用語には、膜スタックおよび多層が含まれている。これらの実施形態は、分岐干渉ディスプレイのコンテキストの中で説明されているが、反射技術、透過技術および半透過技術のうちの任意の技術のための室内照明およびディスプレイ照明を始めとするあらゆる有向照明解決法にこの技術を適用することができることは当業者には認識されよう。
【0080】
以上の詳細な説明は、様々な実施形態に適用された本発明の新規な特徴を図に示し、説明し、かつ、指摘したものであるが、上で説明したデバイスまたはプロセスの形態および細部に、本発明の精神から逸脱することなく、様々な省略、置換および変更を当業者によって加えることができることは理解されよう。また、上でも言及したように、特定の専門用語の使用は、それが本発明の特定の特徴または態様を記述している場合、その専門用語が、本明細書において、その専門用語と関連している本発明の特徴または態様の何らかの特定の特性を包含するように限定するべく定義し直されていることを暗に意味するものと解釈してはならないことに留意されたい。本発明の範囲は、以上の説明によってではなく、特許請求の範囲の各請求項によって示されている。これらの請求項の等価物の意味および範囲に包含されるすべての変更は、特許請求の範囲に包含されるものとする。
【0081】
[他の実施形態]
開示される特定の実施形態は、頂部表面および底部表面を有する上部部分と、頂部表面および底部表面を有する下部部分とを備えた光ガイドを備えている。下部部分の頂部表面には輪郭が付けられており、また、上部部分の底部表面にも輪郭が付けられている。上部部分は、上部部分の輪郭が付けられた底部表面および下部部分の輪郭が付けられた頂部表面が上部部分と下部部分の間に空胴を形成するように下部部分の上に配置されている。これらの部分のうちの少なくとも1つは、突出部を形成する輪郭を有しており、また、他の部分のうちの少なくとも1つは、凹所を形成する輪郭を有している。突出部の形状および凹所の形状は同じ形状ではなく、突出部は凹所の中に突出している。
【0082】
いくつかの実施形態では、上部部分および下部部分は、輪郭が付けられた、表面レリーフフィーチャがインプリントされた表面を有する膜を備えている。表面レリーフフィーチャは、複数の細長いマイクロプリズムを備えることができる。これらのマイクロプリズムは、それぞれ、互いに角度が付けられた少なくとも2つの隣接するファセットを備えることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの隣接するファセットは、膜に対して異なる傾斜角を有している。いくつかの実施形態では、傾斜角は、膜の長さに沿って変化している。2つの隣接するファセットは、湾曲した表面を備えることができる。マイクロプリズムは、それぞれ多重ファセット化された2つの面を備えることができる。いくつかの実施形態では、表面レリーフフィーチャ間の距離は、50ミクロンから450ミクロンの範囲に及んでいる。いくつかの実施形態では、隣接する表面レリーフフィーチャ間の距離は、膜の長さに沿って変化している。いくつかの実施形態では、上部部分および下部部分は、光を注入することができる縁を備えており、隣接する表面レリーフフィーチャ間の距離は、縁からの距離が長くなるにつれて短くなっている。いくつかの実施形態では、光ガイドは、光を注入し、かつ、空胴で光ガイドから散乱させることができる縁を備えている。いくつかの実施形態では、空胴は空気ポケットを備えている。空気ポケットは非対称であってもよい。空胴には充填材を充填することができる。いくつかの実施形態では、光ガイドは、光を注入することができる縁を備えており、さらに、縁に隣接して配置された光源を備えている。光源からの光は、空胴表面によって下部部分の底部表面から散乱させることができる。いくつかの実施形態では、上部部分の輪郭が付けられた底部表面および下部部分の輪郭が付けられた頂部表面は、複数の細長い溝を備えている。これらの溝は傾斜した平らな表面を備えることができる。上部部分の底部表面のこれらの溝のうちの少なくともいくつかは同じ形状を有することができる。下部部分の頂部表面のこれらの溝のうちの少なくともいくつかは同じ形状を有することができる。いくつかの実施形態では、これらの溝は非対称である。これらの溝と溝の間の距離は、膜の長さ全体にわたって変化させることができる。いくつかの実施形態では、これらの溝と溝の間の距離は、50ミクロンから450ミクロンの範囲に及んでいる。いくつかの実施形態では、上部部分の頂部表面と下部部分の底部表面は平行である。上部部分の頂部表面の第1の部分と下部部分の底部表面の第1の部分は、必ずしも平行でなくてもよい。いくつかの実施形態では、上部部分の頂部表面の第2の部分と下部部分の底部表面の第2の部分は平行である。いくつかの実施形態では、上部部分の頂部表面と下部部分の底部表面は平行ではない。
【0083】
いくつかの実施形態では、デバイスは、さらに、ディスプレイエレメントのアレイおよびディスプレイエレメントと電気通信しているプロセッサを備えることができる。プロセッサは、イメージデータを処理するように構成することができ、また、メモリ素子は、プロセッサと電気通信することができる。いくつかの実施形態では、このデバイスは、さらに、ディスプレイエレメントに少なくとも1つの信号を送信するように構成されたドライバ回路を備えている。デバイスは、さらに、ドライバ回路にイメージデータの少なくとも一部を送信するように構成されたコントローラを備えることができる。デバイスは、さらに、プロセッサにイメージデータを送信するように構成されたイメージソースモジュールを備えることができる。イメージソースモジュールは、レシーバ、トランシーバおよびトランスミッタのうちの少なくとも1つを備えることができる。いくつかの実施形態は、さらに、入力データを受け取り、かつ、受け取った入力データをプロセッサに通信するように構成された入力デバイスを備えている。
【0084】
本発明の他の実施形態は、頂部表面および底部表面を有するカバー層と、頂部表面および底部表面を有する膜とを備えた光ガイドを備えており、膜の頂部表面には輪郭が付けられ、また、光ガイドプレートは、頂部表面および底部表面を有している。カバー層は、カバー層の底部表面および膜の輪郭が付けられた頂部表面がカバー層と膜の間に空胴を形成するように膜の上に配置されている。膜は、カバー層と光ガイドプレートの間に配置されている。膜は、カバー層、光ガイドプレートおよび膜の中を誘導された光が、カバー層、光ガイドプレートまたは膜の中をもはや誘導されないよう空胴で内部全反射するようにカバー層と光ガイドプレートの間に配置されている。いくつかの実施形態では、膜は、複数の表面レリーフフィーチャがインプリントされた頂部表面を備えている。複数の表面レリーフフィーチャは、細長いマイクロプリズムを備えることができる。複数の表面レリーフフィーチャは、互いに角度が付けられた少なくとも2つの隣接するファセットを備えることができる。隣接するファセットは、膜に対して異なる傾斜角を有することができる。いくつかの実施形態では、傾斜角は、膜の長さに沿って変化している。いくつかの実施形態では、2つの隣接するファセットは、湾曲した表面を備えている。マイクロプリズムは、多重ファセット化された隣接する面を備えることができる。いくつかの実施形態では、ファセットは、その上に反射コーティングを有している。いくつかの実施形態では、表面レリーフフィーチャ間の距離は、50ミクロンから450ミクロンの範囲に及んでいる。表面レリーフフィーチャ間の距離は、膜の幅に沿って変化させることができる。膜は、光を注入することができる縁を備えることができ、表面レリーフフィーチャ間の距離は、縁からの距離が長くなるにつれて短くなっている。いくつかの実施形態では、光ガイドは、光を注入することができる縁を備えており、注入された光は、空胴で光ガイドから散乱させることができる。空胴は空気ポケットを備えることができる。空気ポケットは非対称であってもよい。空胴には充填材が充填されている。いくつかの実施形態では、充填材は反射型である。光ガイドは、光を注入することができる縁を備えることができ、さらに、縁に隣接して配置された光源を備えている。いくつかの実施形態では、光ガイドおよびカバー層は同じ屈折率を有している。いくつかの実施形態では、光ガイドプレートは、ディスプレイエレメントのアレイの上に配置されており、したがって光ガイドプレートは、カバー層よりもディスプレイエレメントの方に近くなっている。カバー層は、ディスプレイエレメントのアレイの上に、光ガイドプレートよりディスプレイエレメントの近くに配置することができる。カバー層は、ディスプレイエレメントのアレイを備えることができる。いくつかの実施形態では、カバー層の頂部表面と光ガイドプレートの底部表面は平行である。カバー層の頂部表面の第1の部分と光ガイドプレートの底部表面の第1の部分は、必ずしも平行でなくてもよい。いくつかの実施形態では、カバー層の頂部表面の第2の部分と光ガイドプレートの底部表面の第2の部分を平行にすることができる。カバー層の頂部表面と光ガイドプレートの底部表面は、必ずしも平行でなくてもよい。
【0085】
本発明の他の実施形態は、平らな表面を有するカバー層と、第1および第2の表面を有する膜と、平らな頂部表面および底部表面を有する光ガイドプレートとを備えた光ガイドを備えている。膜の第1の表面は、複数の凹状表面レリーフフィーチャを備えており、膜の第2の表面は平らである。膜は、平らな第2の表面と光ガイドプレートが隣接し、第1の表面の凹状表面レリーフフィーチャが光ガイドプレートの反対側に面するように光ガイドプレートの上に配置されている。カバー層は、カバー層の平らな表面および膜の凹状表面フィーチャがカバー層と膜の間に空胴を形成するように膜に隣接して配置されている。カバー層、光ガイドプレートおよび膜の中を誘導された光は、光が、カバー層、光ガイドプレートまたは膜の中をもはや誘導されないよう、空胴で内部全反射させることができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、複数の凹状表面フィーチャは、細長いマイクロプリズムを備えている。複数の凹状表面レリーフフィーチャは、互いに角度が付けられた少なくとも2つの隣接するファセットを備えることができる。少なくとも2つの隣接するファセットは、互いに異なる傾斜角を有することができる。いくつかの実施形態では、複数の凹状表面レリーフフィーチャは、2つの垂直ファセットを備えている。2つの隣接するファセットは、湾曲した表面を備えることができる。マイクロプリズムは、多重ファセット化された隣接する面を備えることができる。いくつかの実施形態では、複数の凹状表面フィーチャは、その上に反射コーティングを有している。いくつかの実施形態では、空胴は空気ポケットを備えている。空胴には充填材を充填することができる。充填材は反射型であってもよい。いくつかの実施形態では、膜は、光ガイドプレートの平らな頂部表面に配置されている。膜は、光ガイドプレートの平らな底部表面に配置することができる。いくつかの実施形態では、カバー層は、ディスプレイエレメントのアレイの上に配置されている。カバー層は、ディスプレイエレメントのアレイを備えることができる。カバー層は、平らな頂部表面および底部表面を有する膜を備えることができる。いくつかの実施形態では、膜、カバー層および光ガイドプレートは同じ屈折率を有している。光ガイドは、光を注入することができる縁を備えることができる。注入された光は、空胴で光ガイドから散乱させることができる。いくつかの実施形態では、複数の凹状表面レリーフフィーチャは、縁を介して注入された光が空胴で屈折するように互いに角度が付けられた少なくとも2つの隣接するファセットを備えている。複数の凹状表面レリーフフィーチャは、縁を介して注入された光が空胴で内部全反射して方向転換するように互いに角度が付けられた少なくとも2つの隣接するファセットを備えることができる。カバー層は、さらに、平らな表面の反対側に配置された観察面を備えることができる。いくつかの実施形態では、観察面は平らである。いくつかの実施形態では、観察面は平らではない。
【0087】
他の実施形態によれば、光を誘導するための第1の手段と、光を誘導するための第2の手段とを備えた光ガイドが開示される。第1および第2の光誘導手段は、それぞれ、第1および第2の光誘導手段を一体に整合させるための手段を有している。第1および第2の光誘導手段の両方のための整合手段は、第1および第2の光誘導手段が一体に整合するように輪郭が付けられている。それらの間に光を反射させるための手段が形成されている。第1および第2の光誘導手段のうちの一方の整合手段の輪郭は突出部を備えている。第1および第2の光誘導手段のうちのもう一方の整合手段の輪郭は凹所を備えている。突出部の形状および凹所の形状は同じ形状ではなく、突出部は凹所の中に突出している。
【0088】
いくつかの実施形態では、第1の光誘導手段は、光ガイドの上部部分を備えており、第2の光誘導手段は、光ガイドの下部部分を備えている。第1の光誘導手段の整合手段は、上部部分の底部表面を備えることができ、第2の光誘導手段の整合手段は、下部部分の頂部表面を備えることができる。反射手段は光空胴を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の誘導手段は、頂部表面および底部表面を備えている。いくつかの実施形態では、第2の誘導手段は、頂部表面および底部表面を備えており、第1の誘導手段の底部表面と第2の誘導手段の頂部表面は隣接して配置されている。いくつかの実施形態では、光を反射させる手段は、光ガイドの中を伝搬する光を第2の誘導手段の底部表面に向けて方向転換させるように構成されている。第1および第2の誘導手段は、それぞれ、輪郭が付けられた、表面レリーフフィーチャを備えた表面を有する1つまたは複数の膜を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1の誘導手段の底部表面および第2の誘導手段の頂部表面は、複数の細長い溝を備えている。いくつかの実施形態では、これらの溝は、傾斜した平らな表面を備えている。いくつかの実施形態では、第1の誘導手段の底部表面のこれらの溝のうちの1つまたは複数が同じ形状を有しているか、あるいは第2の誘導手段の頂部表面のこれらの溝のうちの1つまたは複数が同じ形状を有している。いくつかの実施形態では、これらの溝は非対称である。いくつかの実施形態では、これらの溝と溝の間の距離は、第1の誘導手段または第2の誘導手段の長さ全体にわたって変化している。いくつかの実施形態では、これらの溝と溝の間の距離は、約50ミクロンないし約450ミクロンである。いくつかの実施形態では、第1の誘導手段の頂部表面と第2の誘導手段の底部表面は平行である。いくつかの実施形態では、第1の誘導手段の頂部表面と第2の誘導手段の底部表面は平行ではない。いくつかの実施形態では、表面レリーフフィーチャは、複数の細長いマイクロプリズムを備えている。いくつかの実施形態では、マイクロプリズムは、それぞれ、互いに角度が付けられた少なくとも2つの隣接するファセットを備えている。いくつかの実施形態では、マイクロプリズムは湾曲した表面を備えている。いくつかの実施形態では、マイクロプリズムは、それぞれ多重ファセット化された2つの面を備えている。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの隣接するファセットは、膜のうちの少なくとも1つの平らな表面に対して異なる傾斜角を有している。いくつかの実施形態では、マイクロプリズムの傾斜角は、膜のうちの少なくとも1つの長さに沿って変化している。いくつかの実施形態では、反射手段と反射手段の間の距離は、約50ミクロンと約450ミクロンの間である。いくつかの実施形態では、隣接する反射手段と反射手段の間の距離が変化している。いくつかの実施形態では、いずれの特許請求項においても、第1および第2の誘導手段は、光を光ガイドに入射させるように構成された縁を備えている。いくつかの実施形態では、さらに、縁に隣接して配置された光源を備えている。いくつかの実施形態では、隣接する反射手段と反射手段の間の距離は、縁からの距離が長くなるにつれて短くなっている。いくつかの実施形態では、光を反射させる手段は、空気ポケットを備えた空胴を備えている。いくつかの実施形態では、空気ポケットは非対称である。いくつかの実施形態では、光を反射させる手段は、充填材を含有した空胴を備えている。いくつかの実施形態では、デバイスは、さらに、ディスプレイエレメントのアレイ、ディスプレイエレメントと電気通信している、イメージデータを処理するように構成されたプロセッサ、およびプロセッサと電気通信しているメモリ素子を備えている。デバイスは、さらに、ディスプレイエレメントに少なくとも1つの信号を送信するように構成されたドライバ回路を備えることができる。いくつかの実施形態では、さらに、ドライバ回路にイメージデータの少なくとも一部を送信するように構成されたコントローラを備えている。いくつかの実施形態では、さらに、プロセッサにイメージデータを送信するように構成されたイメージソースモジュールを備えている。いくつかの実施形態では、イメージソースモジュールは、レシーバ、トランシーバおよびトランスミッタのうちの少なくとも1つを備えている。いくつかの実施形態では、さらに、入力データを受け取り、かつ、受け取った入力データをプロセッサに通信するように構成された入力デバイスを備えている。いくつかの実施形態によれば、光を誘導するための第1の手段と、光を誘導するための第2の手段と、第2の光誘導手段を覆うための手段とを備えた光ガイドが開示される。覆うための手段は、カバー手段と第1の光誘導手段の間に第2の光誘導手段が位置するように配置することができる。第2の光誘導手段およびカバー手段は、それぞれ、第2の光誘導手段およびカバー手段を一体に整合させるための手段を有することができる。第2の光誘導手段のための整合手段には、第2の光誘導手段およびカバー手段が一体に整合されると、それらの間に光を反射させるための手段を形成することができるように輪郭を付けることができる。カバー手段、第1の光誘導手段および第2の光誘導手段は、カバー手段、第1の光誘導手段および第2の光誘導手段の中を誘導された光が、もはやカバー手段、第1の光誘導手段または第2の光誘導手段の中を誘導されないよう、反射手段で内部全反射するように配置することができる。いくつかの実施形態では、第1の光誘導手段は光ガイドプレートを備えている。いくつかの実施形態では、第2の光誘導手段は膜を備えている。いくつかの実施形態では、カバー手段はカバー層を備えている。いくつかの実施形態では、第2の光誘導手段のための整合手段は、膜の上に表面を備えており、また、カバー手段のための整合手段は、カバー層の上に表面を備えている。いくつかの実施形態では、反射手段は光空胴を備えている。いくつかの実施形態では、カバー手段は、カバー頂部表面およびカバー底部表面を備えており、第1の誘導手段は、第1の頂部表面および第1の底部表面を備えており、また、第2の誘導手段は、第2の頂部表面および第2の底部表面を備えている。いくつかの実施形態では、カバー手段の頂部表面と第2の誘導手段の底部表面は平行である。いくつかの実施形態では、カバー頂部表面と第2の底部表面は隣接して配置されており、第2の底部表面に輪郭が付けられている。また、第1の底部表面と第2の頂部表面は隣接して配置されている。いくつかの実施形態では、カバー底部表面と第2の頂部表面は隣接して配置されており、第2の頂部表面に輪郭が付けられている。また、第2の底部表面と第1の頂部表面は隣接して配置されている。いくつかの実施形態では、カバー頂部表面の一部と第2の底部表面の一部は平行ではない。いくつかの実施形態では、第2の誘導手段は、複数の表面レリーフフィーチャがインプリントされた頂部表面を備えている。いくつかの実施形態では、複数の表面レリーフフィーチャは、細長いマイクロプリズムを備えている。いくつかの実施形態では、複数の表面レリーフフィーチャは、互いに角度が付けられた複数の隣接するファセットを備えている。いくつかの実施形態では、マイクロプリズムは、多重ファセット化された隣接する面を備えている。いくつかの実施形態では、複数の隣接するファセットは、第2の誘導手段に対して異なる傾斜角を有している。いくつかの実施形態では、複数の隣接するファセットは、湾曲した表面を備えている。いくつかの実施形態では、傾斜角は、第2の誘導手段の長さに沿って変化している。いくつかの実施形態では、反射手段は、その上に反射コーティングを有するファセットを備えている。いくつかの実施形態では、反射手段と反射手段の間の距離は、約50ミクロンと約450ミクロンの間である。いくつかの実施形態では、反射手段と反射手段の間の距離は、第2の誘導手段に沿って変化している。いくつかの実施形態では、第1または第2の誘導手段は、光を注入することができる縁を備えており、反射手段と反射手段の間の距離は、縁からの距離が長くなるにつれて短くなっている。いくつかの実施形態では、反射手段は空気ポケットを備えている。いくつかの実施形態では、反射手段は非対称である。いくつかの実施形態では、反射手段は、充填材が充填された空胴を備えている。いくつかの実施形態では、充填材は反射型である。いくつかの実施形態では、さらに、第1または第2の誘導手段の縁に隣接して配置された光源を備えており、縁は、光源から光ガイドの中へ光を受け取るように構成されている。いくつかの実施形態では、第2の誘導手段、第1の誘導手段およびカバー手段は、実質的に同じ屈折率を有している。いくつかの実施形態では、第1の誘導手段は、ディスプレイエレメントのアレイに隣接して配置されており、第1の誘導手段は、カバー手段よりもディスプレイエレメントの近くに配置されている。いくつかの実施形態では、第2の誘導手段は、複数の凹状表面レリーフフィーチャを備えている。いくつかの実施形態では、複数の凹状表面レリーフフィーチャのうちの1つまたは複数は、2つの垂直ファセットを備えている。いくつかの実施形態では、複数の凹状表面レリーフフィーチャのうちの1つまたは複数は、光ガイドの中を伝搬する光が凹状表面レリーフフィーチャで屈折するように互いに角度が付けられた少なくとも2つの隣接するファセットを備えている。いくつかの実施形態では、複数の凹状表面レリーフフィーチャは、光ガイドの中を伝搬する光が表面レリーフフィーチャでの内部全反射によって方向転換するように互いに角度が付けられた少なくとも2つの隣接するファセットを備えている。いくつかの実施形態では、デバイスは、さらに、ディスプレイエレメントのアレイ、ディスプレイエレメントと電気通信している、イメージデータを処理するように構成されたプロセッサ、およびプロセッサと電気通信しているメモリ素子を備えている。いくつかの実施形態では、光ガイドは、さらに、ディスプレイエレメントに少なくとも1つの信号を送信するように構成されたドライバ回路を備えている。いくつかの実施形態では、光ガイドは、さらに、ドライバ回路にイメージデータの少なくとも一部を送信するように構成されたコントローラを備えている。いくつかの実施形態では、光ガイドは、さらに、プロセッサにイメージデータを送信するように構成されたイメージソースモジュールを備えている。いくつかの実施形態では、イメージソースモジュールは、レシーバ、トランシーバおよびトランスミッタのうちの少なくとも1つを備えている。いくつかの実施形態では、光ガイドは、さらに、入力データを受け取り、かつ、受け取った入力データをプロセッサに通信するように構成された入力デバイスを備えている。
【0089】
また、光ガイドを製造する方法であって、輪郭が付けられた第1の表面を第1の光誘導手段の底部表面に形成するステップと、輪郭が付けられた第2の表面を第2の光誘導手段の頂部表面に形成するステップと、第1の誘導手段と第2の誘導手段の間に1つまたは複数の光空胴を形成するために、第1の誘導手段の輪郭が付けられた第1の表面および第2の誘導手段の輪郭が付けられた第2の表面を接続するステップとを含み、輪郭が付けられた第1および第2の表面のうちの一方が突出部を備え、輪郭が付けられた第1および第2の表面のうちのもう一方が凹所を備え、突出部の形状および凹所の形状が同じ形状ではなく、突出部が凹所の中に突出している方法が開示される。
【0090】
いくつかの実施形態では、第1および第2の誘導手段の光ガイドを製造するステップには、膜を形成するステップが含まれている。いくつかの実施形態では、光ガイドを製造する方法には、さらに、1つまたは複数の光空胴に充填材を充填するステップが含まれている。いくつかの実施形態では、表面レリーフフィーチャはマイクロプリズムを備えている。いくつかの実施形態では、光ガイドを製造する方法における第1および第2の表面レリーフフィーチャを形成するステップには、頂部表面および底部表面をエンボスするステップが含まれている。いくつかの実施形態では、第1および第2の表面レリーフフィーチャを形成するステップには、射出成形によって頂部表面および底部表面を形成するステップが含まれている。いくつかの実施形態では、充填材は、第1の誘導手段または第2の誘導手段の材料の屈折率とは異なる屈折率を有している。
【0091】
また、光ガイドを製造する方法であって、第1の光誘導手段を提供するステップと、第2の光誘導手段を提供するステップと、カバーを配置するステップであって、カバーと第2の誘導手段の間に反射手段が形成されるように、また、カバーと第1の誘導手段の間に第2の誘導手段が位置するように第2の誘導手段の上にカバーを配置するステップと、カバー、第1の誘導手段および第2の誘導手段を配置するステップであって、カバー、第1の誘導手段および第2の誘導手段の中を誘導された光が、もはやカバー、第1の誘導手段または第2の誘導手段の中を誘導されないよう、反射手段で内部全反射するように配置するステップとを含む方法が開示される。
【0092】
いくつかの実施形態では、第1の誘導手段は、頂部表面および底部表面を備えており、第2の誘導手段は、第2の誘導手段の底部表面と第1の誘導手段の頂部表面が隣接するように頂部表面および底部表面を備えており、第2の誘導手段の頂部表面に輪郭が付けられ、カバーが第2の誘導手段の輪郭が付けられた頂部表面に配置され、反射手段は、光ガイドを通って伝搬する光の少なくとも一部を第1の誘導手段の底部表面に向かって方向転換させるように構成されている。いくつかの実施形態では、第1および第2の誘導手段は膜を備えている。いくつかの実施形態では、反射手段は、1つまたは複数の光空胴を備えている。いくつかの実施形態では、この方法には、さらに、1つまたは複数の光空胴に充填材を充填するステップが含まれている。いくつかの実施形態では、第2の誘導手段の輪郭が付けられた頂部表面は表面レリーフフィーチャを備えている。いくつかの実施形態では、この方法には、さらに、第2の誘導手段の頂部表面をエンボスすることによって表面レリーフフィーチャを形成するステップが含まれている。いくつかの実施形態では、この方法には、さらに、射出成形によって第2の誘導手段の頂部表面に表面レリーフフィーチャを形成するステップが含まれている。いくつかの実施形態では、光源は、光ガイドプレート、カバー層および膜の縁に沿って配置されている。いくつかの実施形態では、照明のための手段は、第1の誘導手段、カバー手段および第2の誘導手段に沿って配置されている。いくつかの実施形態では、照明のための手段は、第1の誘導手段、カバー手段および第2の誘導手段に沿って配置されている。いくつかの実施形態では、膜および光ガイドプレートは、屈折率整合接着剤を使用して結合されている。いくつかの実施形態では、第1および第2の誘導手段は、屈折率整合接着剤を使用して結合されている。いくつかの実施形態では、第1および第2の誘導手段は、屈折率整合接着剤を使用して結合されている。いくつかの実施形態では、空胴は、ディスプレイの中に光を導いている。いくつかの実施形態では、反射手段は、表示のための手段の中に光を導いている。
【符号の説明】
【0093】
2 線形光源
3 フロント光ガイド(光ガイドプレート)
4 ディスプレイパネル(ディスプレイ、ディスプレイエレメント)
5、6 光ガイドに注入された光(光ビーム、線形光源からの光、光線、光)
7 変調光線(光)
8 周辺光線
12a、12b 分岐干渉変調器
14、14a、14b 可動反射層(金属材料の条片)
15 多重ファセット化された方向転換表面に異なる高さで衝突する光線
16、16a、16b 光学スタック(行電極)
18 ポスト(サポート)
19 ギャップ
20 基板
21 プロセッサ(システムプロセッサ)
22 アレイドライバ
24 行ドライバ回路
26 列ドライバ回路
27 ネットワークインタフェース
28 フレームバッファ
29 ドライバコントローラ
30 パネル(ディスプレイ、ディスプレイアレイ)
32 テザー
34 変形可能層
40 ディスプレイデバイス
41 ハウジング
42 サポートポストプラグ
43 アンテナ
44 バス構造
45 スピーカ
46 マイクロホン
47 トランシーバ
48 入力デバイス
50 電源
52 条件付けハードウェア
103、203、223、303、603、623、703 フロント光ガイドパネルまたはプレート(フロント光ガイド、光ガイド、光ガイドパネル、光ガイドプレート)
131、231、631、731、1031 光射出面(射出面、光ガイドプレートの背面)
132、1032 観察面(光ガイドプレートの前面)
133、233、633、733、1033 光入射表面
135、137 構造化された表面
136 重合体膜(底部膜)
138 重合体膜(頂部膜)
140 光方向転換フィーチャ
140a、140b、240、340、640、740 表面レリーフフィーチャ(表面フィーチャ)
142 マイクロプリズム
143 スペーサ
144 溝
150、250、350、650、750 空胴
238、638 膜(エンボス膜)
242、244、342、344、642、644、742、744、1042、1044 ファセット(方向転換ファセット、単一ファセット化表面、傾斜側壁)
260、660、760 カバー層
280 反射コーティング
442、444 多重ファセット化表面(多重ファセット化された方向転換表面)
542、544 方向転換表面(湾曲した表面、方向転換ファセット)
1003 薄いスラブ形光ガイドパネル(光ガイド)
1040 プリズム微細構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂部表面および底部表面を有する上部部分であって、前記上部部分の前記底部表面に輪郭が付けられた上部部分と、
頂部表面および底部表面を有する下部部分であって、前記下部部分の前記頂部表面に輪郭が付けられた下部部分と
を備えた光ガイドであって、
前記上部部分の前記底部表面と前記下部部分の前記頂部表面の一方の輪郭が突出部を含み、前記上部部分の前記底部表面と前記下部部分の前記頂部表面のもう一方の輪郭が凹所を含み、前記突出部が前記凹所の中に突出しており、
前記上部部分は、前記上部部分の輪郭が付けられた底部表面および前記下部部分の輪郭が付けられた頂部表面が前記上部部分と前記下部部分の間に空胴を形成するように前記下部部分の上に配置されている、光ガイド。
【請求項2】
前記上部部分の輪郭が付けられた底部表面および前記下部部分の輪郭が付けられた頂部表面は、前記上部部分と前記下部部分の間の実質的に隣接する空胴の複数の組を形成する、請求項1に記載の光ガイド。
【請求項3】
実質的に隣接する空胴の各組が、断面視において、共通の頂点において結合される、請求項2に記載の光ガイド。
【請求項4】
実質的に隣接する空胴の各組が、前記上部部分の前記頂部表面に垂直な軸に対して実質的に対称である、請求項3に記載の光ガイド。
【請求項5】
実質的に隣接する空胴の各組が、断面視において三角形の形状を有する、請求項3に記載の光ガイド。
【請求項6】
前記上部部分及び前記下部部分の少なくとも一方が膜を含み、前記膜は、表面レリーフフィーチャがインプリントされた、輪郭が付けられた表面を有する、請求項1に記載の光ガイド。
【請求項7】
前記表面レリーフフィーチャが反射コーティングでコーティングされる、請求項6に記載の光ガイド。
【請求項8】
実質的に隣接する空胴の各組が、前記上部部分内に広がっている第1の表面レリーフフィーチャと、前記下部部分内に広がっている第2の表面レリーフフィーチャとから形成され、前記上部部分の前記底部表面の輪郭が凹部を含み、前記下部部分の前記頂部表面の輪郭が突出部を含み、前記第1の表面レリーフフィーチャが凹部を規定し、前記第2の表面レリーフフィーチャが突出部を規定し
前記第1の表面レリーフフィーチャが第1の角度をなす2つの隣接するファセットを含み、
前記第2の表面レリーフフィーチャが2つの組の隣接するファセットを含む、
請求項6に記載の光ガイド。
【請求項9】
前記第2の表面レリーフフィーチャが、前記第1の角度より小さい第2の角度をなす隣接するファセットの第1の組と、前記第1の角度より小さい第3の角度をなすファセットの第2の組とを含む、請求項8に記載の光ガイド。
【請求項10】
ファセットの前記第1の組の第1のファセットは、ファセットの前記第2の組の第2のファセットとエッジを共有する、請求項9に記載の光ガイド。
【請求項11】
隣接する表面レリーフフィーチャの間の距離は、膜の長さにわたって変化する、請求項6に記載の光ガイド。
【請求項12】
前記上部部分及び前記下部部分はそれを通って光が入射できる端部を含み、隣接する表面レリーフフィーチャの間の距離は、前記端部からの距離が増加するに従って増加する、請求項11に記載の光ガイド。
【請求項13】
前記光ガイドはそれを通って光が入射できる端部を含み、入射した光は前記空洞において前記光ガイドから散乱される、請求項1に記載の光ガイド。
【請求項14】
前記空胴が空気ポケットを含む、請求項1に記載の光ガイド。
【請求項15】
前記空胴が、前記空洞の表面からの反射を提供するよう構成された材料を含む、請求項1に記載の光ガイド。
【請求項16】
前記光ガイドはそれを通って光が入射できる端部を含み、前記端部に隣接して配置された光源をさらに有する、請求項1に記載の光ガイド。
【請求項17】
前記空洞は、前記光源からの光を、前記下部部分の前記底部表面から散乱させるよう構成される、請求項16に記載の光ガイド。
【請求項18】
前記突出部と前記凹部とは、非同一の形状を有する、請求項1に記載の光ガイド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図7E】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図9】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2013−11904(P2013−11904A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−204275(P2012−204275)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【分割の表示】特願2010−506419(P2010−506419)の分割
【原出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】