ディスポーザブル真空バッグを有する保存システム
【解決手段】本発明は保存装置を有する保存システムを提供するもので、周囲の一部が密封され、保存空間22の開口18を形成する少なくとも1つのポリマーシート16と、雄雌形状体21が選択的に係合して保存空間22の開口18を密封する再密封可能な閉じ部20と、保存空間22に入れられた食品との偶発的接触に適したコーキング組成物99と、ポリマーシート16に配備された真空バルブアッセンブリ30と、真空バルブアッセンブリ30に隣接して配備された隔離構造体70と、真空バルブアッセンブリ30に接続可能な可搬式真空ポンプアッセンブリ40と、可搬式ポンプアッセンブリ(40)に接続された液体分離器90と、を具えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の記載>
この出願は、2004年7月23日に出願された米国仮出願第60/590,858号、2004年8月19日に出願された米国仮出願第60/602,685号及び2004年9月15日に出願された米国仮出願第60/609,920号の利益を主張し、これら出願は参照を以てその全体が本願に組み込まれる。
【0002】
<発明の分野>
本発明は、可撓性で、安価で、脱気可能な保存装置(evacuable storage device)に関し、該保存装置内に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適した密閉構造体に沿って配備されたコーキング化合物を含む再密封可能な開口を選択的に有している。本発明はまた、真空保存装置及び真空保存用システムに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば消費者用保存バッグのように密封可能な保存装置は、一般的には、限定するものではないが、例えば食品等を貯蔵するのに用いられる。これらの装置は、一般的には、薄い可撓性材料から作られたバッグ本体を有し、再密封可能な閉じ部を含んでいる。これらの装置は安価で使用容易であるが、保存される物品と一緒に多量の空気が入り込む。空気は食品と反応すると品質を損なうので、食品が入れられた保存装置の中に空気が存在することは好ましくない。また、保存バッグが氷点下環境に置かれるとき、典型的には冷凍室の中で「冷凍焼け(freezer burn)」が起こり、食品の劣化を招くことがある。冷凍焼けは、食品から水分が分離して起こり、典型的には食品の表面で凍る。保存装置に進入した空気を保存装置から実質的に取り除くと、保存装置のバッグは食品に密着するように保持され、冷凍焼けは減少する。その結果、食品から分離する水分は少なくなる。このため、可撓性保存装置を密封する前に、可撓性保存装置を脱気することが行われている。しかしながら、これまでのシステムでは、再密封可能な開口を保存装置に設けたものはなかった。
【0004】
可撓性の保存バッグを脱気する従来のシステムは、典型的には、真空ユニットを有する大きな装置と、プラスチックのシートどうしを接合できるように構成された熱シーラーとを含んでいる。使用者は、典型的には、プラスチックのロールから所定長さのプラスチックをカットし、熱シーラーを用いて、プラスチックから開口を有するバッグを形成する。物品が開口を通じてバッグの中へ入れられた後、真空ユニットを用いてバッグの中の略全部の空気が除去され、バッグが密封される。これらのシステムでは、一度だけ使用可能なバッグ又は袋(pouch)が作られる。再使用性は選択肢にないので、材料コストは高い。大型の装置は可搬式ではないので、バッグを形成する行為は時間がかかる。
【0005】
可搬式真空装置と、選択的に、再密封可能で脱気可能な可撓性保存装置を利用した真空保存装置に対する要請がある。再密封可能な閉じ部を有する密閉体システムは、例えば、プラスチックバッグに用いられるインターロッキング式のものが知られている。しかしながら、再密封可能な閉じ部では、典型的には、シーリング構造の係合が完全に行われることは殆どなく、形成されたシールに隙間が残る。さらに、再密封可能な装置の両端をシールして再密封可能な装置を作るとき、閉じ部の係合部が曲がることがあり、閉じ部に非密封領域が形成されることもある。再密封可能な閉じ部にこのような問題があると、再密封可能な閉じ部を用いたバッグは気密にならないことがある。このため、再密封可能な閉じ部を用いたバッグが、例えば、脱気されるときに圧力差が生じて、バッグの内部と外部との間で特定ガスの分圧に差が生ずると、ガスは閉じ部を通り、密封されたパッケージの中へ進入したり、パッケージから出て行く。このようにして、ガス、例えば空気は、密封されたバッグの中へ進入したり、例えば水蒸気が、密封されたバッグから漏出することがある。これが特に問題となるのは、バッグの内部圧力が周囲空気の圧力と異なるとき、例えば、バッグが真空下にあるとき、又はバッグに周囲環境に存在するガスとは異なる分圧のガスが含まれているときである。
【0006】
それゆえ、シーリング装置に圧力差があっても、流体が透過し難いシーリング構造を有する、可撓性で再密封可能な保存装置が要請されている。また、可搬式真空ポンプで操作可能な構造のバルブを有し、安価で、可撓性で、再使用可能に予め作られた保存装置が要請されている。さらにまた、取り込まれる空気量が少ない再密封可能な閉じ部、物品の適合性を維持できる可撓性バッグ壁、及び、真空ポンプと共に用いられたときに酸素、空気、透過、細菌、かびその他の汚染源が進入又は透過し難い気密シールが要請されている。また、食品貯蔵用可撓性パッケージを脱気するのに有用な可搬式真空ポンプが要請されている。
【発明の開示】
【0007】
<発明の概要>
本発明はこれらの要請等に応えるものであり、真空システムの一態様では、(a)吸引部を有する真空ポンプと、(b)前記真空ポンプの吸引部と流体伝達が行なわれる真空導管であって、(i)気体/液体分離手段と、(ii)内部にコーキング組成物を選択的に含む少なくとも1つの真空バルブと、(iii)選択的に、隔離構造体と、(iv)選択的に、1又は複数のクイック接続手段とを具える真空導管と、(d)真空導管と流体流通可能な内部空間を形成する脱気可能なパッケージと、(d)選択的に、脱気可能なパッケージの開口を画定する再密封可能な閉じ部と、を含んでいる。望ましい幾つかの実施例では、真空ポンプは可搬式である。
【0008】
一実施例において、真空システムは、1つのアッセンブリの中に、真空ポンプ、液体分離手段、及びクイック接続手段の一部で終端する真空導管の一部が含まれるキットである。第2のアッセンブリでは、真空導管の追加の一部に、クイック接続手段の協同作用部、真空バルブ、脱気可能なパッケージ及び選択的に隔離構造体を具えている。幾つかの好ましい実施例では、真空ポンプアッセンブリは、ブレークアパート型(break-apart form)のものが用いられ、システムの一部は、真空導管の一部(例えば、液体/気体分離器)と一体に組み立てられた真空ポンプを具えており、クイック接続手段で終端し、真空導管の残部には、脱気可能な保存パッケージ(例えば、真空導管の残部に配備された協同作用するクイック接続手段を有する真空バルブ)が一体に配備され、また、可撓性パッケージ及び選択的に隔離構造体と一体に配備される。
【0009】
一実施例において、隔離構造体は、プラスチックシートにエンボスが形成され、チャンネル部と突出部を有している。一実施例において、隔離構造体は、脱気可能なパッケージの内部に配置され、真空導管及び真空バルブと流体接続するチャンネル部と、パッケージによって形成された内部空間の近傍に突出部とを有している。
【0010】
本発明の他の態様では、内部空間を画定する脱気可能な保存パッケージと、前記内部空間に流体接続された真空バルブと、選択的に設けられ、真空バルブと流体接続された隔離構造体と、選択的に設けられ、少なくとも1組の係合部を具え、パッケージの内部空間への開口を構成する再密封可能な閉じ部とを提供するものである。
【0011】
幾つかの実施例において、本発明の保存パッケージの開口を画定する再密封可能な閉じ部は、少なくとも一対の対向する係合部を具えており、前記係合部の少なくとも1つには低密度シーリング材を含む閉じ部の一部が連繋されて、閉じ部の連繋された係合部と高度に密着する領域が閉じ部に形成され、閉じ部の端部が密封されたとき、ギャップ無しのシールが確実に形成される。幾つかの実施例において、シーリング材は、係合部の一方又は両方の一部に設けられる。幾つかの実施例において、シーリング材は、閉じ部のフランジの一部又は幹部の一部を含んでいる。幾つかの実施例において、シーリング材は、係合部の長さ全体に設けられる。幾つかの実施例において、シーリング材は、係合部の選択された部分、例えば係合部の一方又は両方の周辺部に設けられる。幾つかの実施例において、閉じ部のシーリング材は、ASTM D-1505-03「密度勾配技術によるプラスチック密度の標準試験方法」、Book of Standards Volume 08.01 (2005)に基づいて測定したときの値が0.925g/cm3以下のポリオレフィン材から作られる。幾つかの実施例において、再密封可能な閉じ部はコーキング組成物と共に用いられる。本発明の一実施例において、コーキング組成物は、係合部と係合部の間の1又は複数の空間に充満するので、密封され、減圧下におかれたとき、周囲空気の保存装置への侵入は低減する。
【0012】
幾つかの実施例において、コーキング組成物は、係合する閉じ部に近接して施され、閉じ部が係合したとき、閉じ部に存在するあらゆる空隙に侵入することができる。
【0013】
幾つかの実施例において、コーキング組成物は、食品との少なくとも偶発的接触に対して適した混合物を含んでいる。幾つかの実施例において、コーキング組成物は、食品の保存及びパッケージングに適した温度範囲で化学的安定性を維持する。
【0014】
一実施例において、コーキング組成物は、第1の雄形状体(male profile)及び/又は第1の雌形状体(female profile)に配置される。一実施例において、コーキング組成物は、閉じ部の係合部に近接する1又は複数の位置に配置され、係合部によって形成されたシール、例えば、閉じ部のクラッシュ領域の端部に形成されたシールにおけるギャップに侵入可能であり、閉じ部の係合部の上、又は係合部と係合部の間に沿う連続ビードが形成される。
【0015】
本発明の他の実施例において、第1組の係合部の近傍に平行に配備された少なくとも第2組の係合部を具えている。複数対の係合部を有する一実施例において、係合部と係合部の間に配備されたシーリング材に加えて、コーキング組成物のビード(コーキング化合物のビードと称することもある)を、実質的に並列組の係合部を分離する空間内に配置されることができる。
【0016】
一実施例において、コーキング組成物は、食品のパッケージング及び保存に適した温度範囲に亘って分解することなく完全性(integrity)を維持できる成分を含んでいる。食品のパッケージング及び保存に適した温度は、一般的には、約−10°F乃至約+160°Fの範囲である。一実施例において、コーキング組成物は、液体シリコーンと充填材(例えば、ヒュームドシリカ)を含み、その割合は、米国潤滑グリース協会(NGLI)標準によるグリースちょう度番号で約2である。一実施例において、コーキング組成物は、大豆接着剤を含んでおり、例えば、商標名DuPont(E.I. du Pont de Nemours and Company)が商標名ProCoteで販売する大豆ポリマーが挙げられる。他の実施例において、コーキング組成物は、Cargill Industrial Oils & Lubricantsにより販売される大豆油を含んでいる。一実施例において、コーキング組成物は、2種類の反応性成分を含んでおり、各成分は、閉じ部の異なる部位に施され、閉じ部の係合部が係合すると、2つの成分は混合され、反応生成物は、係合部によって形成される少なくとも1つの空間に侵入することができる。
【0017】
<望ましい実施例の詳細な説明>
本発明について、添付の図面を参照してより詳細に説明する。添付の図面中、同じ要素及び/又は対応する要素については同じ引用符号を用いる。
本発明の一実施例において、真空システムは、可搬性真空ポンプと、脱気可能なパッケージ(evacuable package)とを含んでおり、該パッケージは真空導管(vacuum conduit)に連通する。脱気可能パッケージは、選択的に、隔離構造体(stand-off structure)と、コーキング組成物(caulking composition)が収容される再密封可能な閉じ部(resealable closure)とを含んでいる。
一実施例において、再密封可能な閉じ部は、インターロッキング部(interlocking profiles)を有しており、該インターロッキング部には、再密封可能な閉じ部にガス透過抵抗性シールを形成するためのコーキング組成物が施される。真空導管は、可搬ポンプと、脱気可能バッグの保存空間とを連通するように配備され、少なくとも1つのバルブアッセンブリを具え、仕切となる隔離構造体が選択的に配備される。
一実施例において、隔離構造体は、脱気可能なパッケージの保存空間の中にトラップされた空気を実質的に排除するための手段を提供する。インターロッキング部の各態様、コーキング組成物、真空バルブアッセンブリ及び真空ポンプについて、詳細に説明する。
【0018】
図1は、可撓性で、再密封可能な保存装置(10)を示しており、該装置は、脱気可能なパッケージ(脱気可能なバッグと称することもある)(14)の形状に加工された可撓性材料(12)を含んでいる。可撓性材料(12)は、好ましくは、ポリオレフィン等のプラスチックシート(16)である。シート(16)は、好ましくは、矩形である。一実施例において、シート(16)は折り畳まれ、2つの側部(15)は周辺部に隣接して密封され、保存空間(22)に通じる開口(18)が形成される。このようにして、バッグ(14)の周囲は実質的に密封される。本発明の他の実施例では、脱気可能なバッグ(14)の周囲全体が熱シールされる。
【0019】
本発明の一実施例において、脱気可能なパッケージ(14)は、内側シーラント層と、バリア/強度層とを含む複層バッグである。内側シーラント層は、LDPE(低密度ポリエチレン)又はLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)であってよく、バリア/強度層は、ナイロン、PP(ポリプロピレン)又はPET(ポリエステル)であってよい。この明細書で、ポリエチレンに関して用いられる「低密度(low density)」は、ASTM D-15005-03に規定される0.925g/cm3以下の密度の材料を表し、エチレンビニルアセテート(EVA)の添加によって調節可能である。複層バッグの他の例及び複層バッグの形成方法は、1979年8月29日出願の米国特許第4267960号「肉又は同様な製品の真空包装用バッグ」に記載されており、引用を以て本願への記載加入とする。
【0020】
本発明の実施例において、脱気可能なバッグ(14)は、保存空間に通じる開口(18)を有しており、バッグの開口(18)は、再密封可能な閉じ部(20)を含んでいる。再密封可能な閉じ部(20)は、一組のインターロッキング部を含んでいる。一実施例において、インターロッキング部(21)は、開口(18)を密封できるように構成され、弾性を有し、選択的に係合する雄雌形状体(21)(さねはぎ(tongue-and-groove)型閉じ部)を含むことができる。なお、インターロッキング部は、当該分野で数多くの幾何学的形状が知られており。これらは本発明に用いることができる。
【0021】
図2を参照すると、一実施例において、閉じ部の選択的係合部(インターロッキング部と称されることもある)(21)は、対向する可撓性の2つのフランジ(パネルと称されることもある)、つまり、第1フランジ(50)と第2フランジ(52)を含んでおり、これらフランジに沿って設けられる。図2に示されるように、2つの可撓性パネル(50)(52)は、再密封可能閉じ部の外側に配置されたパネルの内面に凸状面(68)(69)を含むことができる。第1フランジ(50)は、バッグ(14)を横方向に延びる少なくとも1つの突起(54)を有している。第2フランジ(52)は、少なくとも2つの突起(56)(58)によって形成され、雌溝(66)を含んでいる。
【0022】
図2をさらに参照すると、複数の突起(62)(64)が、第1フランジ(50)及び第2フランジ(52)から夫々突出しており、対応する複数の雄形状体と雌溝(雌形状体と称されることもある)を形成する。突起(54)(56)(58)(62)(64)は、一般的にはポリオレフィン材料から形成され、密度は約0.925g/cm3以上であり、これらは、高溶融指数(HMI(high melt index))ポリオレフィンと称されるものが好ましい。より具体的には、突起(54)(56)(58)(62)(64)は、高溶融指数ポリエチレン材料及びエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーを含み、特に、ビニルアセテート量は約4重量%〜約12重量%である。さらにまた、相互係合部及び/又は周囲閉じ部構造は、低溶融指数又は極低密度(ULD)のポリオレフィンからなる1又は複数の特徴部を含むことができる。この明細書で用いられる「極低密度(ultra low density)」という語は、約0.925g/cm3以下を表す。なお、密度は、EVAを加えて調節できることは理解されるであろう。少なくとも1つの突起(54)(56)(58)(62)(64)は、密度約0.925g/cm3以下のポリオレフィン材のビード(66)を含むことができる。幾つかの実施例において、より柔らかい材料からなるビード(66)が、突起(54)(56)(58)(62)(64)の先端に設けられ、対向する側部(50)(52)を係合可能に構成される。より柔らかい材料のビード(66)は、以後、シーリング材料のビード(66)と称するものとする。
【0023】
前述したように、シーリング材料(66)のビードは、突起(54)(56)(58)(62)(64)よりも低密度である。閉じ部(21)が係合状態にあるとき、シーリング材料のビード(66)は低密度で従順性(compliant)を有し、閉じ部を構成する高密度で剛性の材料の形状に倣うことができるので、係合部のヘッド部が接する。より柔らかい材料が閉じ部に接すると、当たり面との整合性が向上し、パッケージの内部と周囲環境との流体交換、例えば、ガス及び外部空気のバッグ(14)への進入に対して、より効果的なシールがもたらされる。上記実施例にも拘わらず、再密封可能な閉じ部(21)及びそれに関連するインターロッキング構造は、密度及び溶融指数が異なる弾性材料から形成することができる。それゆえ、本発明の範囲に含まれる実施例では、真空及び低温度条件下での密封条件を達成できるように選択された材料の組合せを含んでいる。
【0024】
雄形状体を形成する突起は、雄ヘッド(male head)を有する形状を意味するものとして引用される。雌形状体(溝を意味することがある)を構成する突起は、溝を形成するように配置された雌ヘッドとフィレット(fillet)を有する形状を意味するものとして引用される。再密封可能な閉じ部構造(20)は、閉じ部形状と完全に係合するように構成された閉じクリップをさらに含むことができる。特に、閉じクリップは、クリップが第1の方向に沿って配置されたときはインターロッキング部が確実に係合されるように作用するが、クリップが第1の方向と対向する方向に沿って配置されるときは、係合部の係合に悪影響を及ぼさない。
【0025】
再密封可能な閉じ部(21)の構造又は相互作用の具体的構成の如何に拘わらず、本発明の再密封可能閉じ部のインターロッキング部は、好ましくはコーキング組成物(99)を含んでいる。例えば、コーキング組成物は、閉じ部(21)の第1フランジ(50)の少なくとも1つの突起(54)の上、及び/又は第2フランジ(52)の少なくとも1つの突起(56)(58)に配置されることができる。コーキング組成物(99)は、保存空間(22)に対して気密シールの形成を補助する。特に、雄形状体と雌形状体の第1及び第2フランジの突起(54)(56)(58)(62)(64)の係合中、コーキング組成物(99)が溝(60)の中に存在することにより、雄形状体と雌形状体は確実に気密シールされる。特に、コーキング組成物(99)は、閉じ部(21)の係合インターロッキング部の間に存在するボイド空間に進入できるように配置される。理論に拘束されることを望むものではないが、コーキング組成物(99)が雄形状体と雌形状体の間の隙間に進入するから、減圧状態におかれたとき、周囲環境から保存装置への進入は軽減される。
【0026】
それゆえ、再密封可能な閉じ部(20)はシーリング前に作製される。その作製は、コーキング組成物をインターロッキング部の1又は複数の部材若しくはインターロッキング部近傍の閉じ部の表面に導入することにより、又は堆積若しくは注入等の方法により行われ、インターロッキング後の係合部の間に残された初期隙間(incipient gaps)に分配される。或いはまた、閉じ部を密封する前に、コーキング組成物は、シーリング部に隙間が形成され易い領域、例えばバッグ周囲の雄雌形状体(21)の端部の近傍に配置されることができる。バッグ周囲の雄形状体及び雌形状体の部分は、クラッシュシールによって係合されるが、これが閉じ部の漏れ部となることがしばしばある。クラッシュシールにより雄形状体と雌形状体に生じるボイドは、コーキング組成物で充填され、漏れの発生が実質的に低減される。
【0027】
コーキング組成物(99)は、再密封可能な閉じ部(21)の相互係合可能な部材の間で、選択的に可逆的な気密シールを行なうことができるあらゆる材料から構成することができる。コーキング組成物(99)は、保存空間に通じる開口へ挿入される食品と少なくとも偶発的接触する場合にも適した材料である。コーキング組成物は、保存装置(10)の使用温度範囲でその化学構造を維持するものが好ましい。なお、少なくとも偶発的接触する場合にも「適した(suitable)」という語は、連邦食品医薬化粧品法(連邦規則番号標題21)における一般的に安全と認められる物質(GRAS)に適合する化合物を意味する。「少なくとも偶発的接触(at least incidental contact)」という語は、食品を保存空間に入れるとき、食品が閉じ部の開口を通るときに起こる少なくとも予期しない接触を含んでいる。コーキング組成物と食品とは直接接触しないことが好ましいが、食品とコーキング組成物との相互作用が連邦食品医薬化粧品法に適合する限り、コーキング組成物が食品と直接接触しても差し支えない。
【0028】
少なくとも食品との偶発的接触に適したコーキング組成物は、連邦食品医薬化粧品法に適合し、使用温度範囲が食品の保存及びパッケージングに適した温度範囲にある限り、米国連邦規則番号標題21§178.3570(2003年4月1日改正)における「食品との偶発的な接触が許容される潤滑剤」の材料区分に含まれる。保存装置の使用温度範囲は、保存バッグの輸送、パッケージング及び食品貯蔵(保存)における温度範囲として定められる。例えば、食品保存の温度範囲は、約−10°F〜約160°Fである。米国連邦規則番号標題21§178.3570の「食品との偶発的な接触が許容される潤滑剤」に含まれ、使用温度範囲が食品保存及びパッケージングに適したコーキング組成物の一例として、ジメチルポリシロキサンが挙げられる。他の例として、例えば、Cargill Corp.により販売される大豆ベースの油、DuPont(商標名)が商標名ProCoteで販売する大豆ポリマー等の大豆接着剤が挙げられる。
【0029】
気密シールを施すために、コーキング組成物(99)は、混和ちょう度(work penetration)が約290〜約340となるように選択されるべきである。混和ちょう度は、グリースの浸透率に関する米国潤滑グリース協会(NLGI)、及びASTM D217-97「潤滑グリースのコーン貫入標準試験法(1997)」に基づいて、60ストローク及び77°Fの条件で測定される。NLGIは、混和ちょう度によって測定されたちょう度番号によりグリースを分類する。望ましい実施例において、コーキング組成物の混和ちょう度は約290〜約340のオーダであり、NLGIちょう度番号約2に相当するグリース区分に含まれる。コーキング組成物(99)のNLGIちょう度が約2であることが好ましいが、例えば次の場合には、NLGIちょう度番号が異なるグリースを用いることができる。前記場合とは、コーキング組成物(99)が従来の注入方法を用いてコーキング組成物(99)が閉じ部(21)の中へ入れられて、閉じ部(21)の係合部に施されるときであり、また、食品容器用と同じ温度に曝されるとき、コーキング組成物(99)が閉じ部(21)の中へ入れられるときである。
【0030】
上記要件に適合するコーキング組成物(99)の一例はシリコーングリースである。シリコーングリースは非晶質で、ヒュームドシリカ(fumed silica)が濃化されたポリシロキサン基化合物である。シリコーングリースは、液体シリコーンを不活性シリカ充填材と合成することによって作られる。適当な混和ちょう度を有するシリコーングリースを生成するのに用いられる液体シリコーンの一例は、比重が約0.973のオーダで、粘度が約300センチストロークスよりも大きく、好ましくは約350センチストロークスのオーダであるポリジメチルシロキサンである。ヒュームドシリカ、不活性シリカ充填材は、鎖状の粒子形態であり、液体シリコーンに含まれると、三次元ネットワークを形成し、液体を取り込み、液体の密度を効果的に増大させる。
【0031】
シリコーングリースにより、所望の混和ちょう度及び温度範囲がもたらされ、不活性シリカ充填材と液体シリコーンとを適当な割合に選択することにより、閉じ部(21)の係合部の間で気密シールが作られる。食品保存容器に用いられたバッグの使用可能温度範囲内で、シリコーングリースの固体から液体の分離が実質的になくなるように、液体シリコーンに対する不活性シリカ充填材の割合が選択される。一般的に、液体シリコーンに対する不活性シリカ充填材の割合は、シリコーングリースの閉じ部(21)への適用を妨げないシリコーングリース粘度となるように選択される。液体シリコーンに対する不活性シリカ充填材の割合は、約30重量%よりも少ないことが好ましく、6重量%のオーダがより好ましい。
【0032】
好ましい一実施例において、シリコーングリース(99)は、ペンシルベニア州ベンサレムのClearco Products Co., Inc.製Clearco(商標)シリコーングリース(食品グレード)である。Clearco(商標)シリコーングリース(食品グレード)は、60ストロークス及び77°Fで測定された混和ちょう度が約290〜約340である。Clearco(商標)シリコーングリース(食品グレード)は、ジメチルポリシロキサン94重量%及びヒュームドシリカ6重量%を含んでおり、比重は約1.1のオーダである。Clearco(商標)シリコーングリースは、約−40°F〜約400°Fの範囲の温度で用いても化学分解を起こさないので、保存用に好適である。本発明のこの実施例では、シリコーングリース(99)は、閉じ部(21)の少なくとも1つの雄形状体と雌形状体に沿って配備され、保存装置の保存空間に挿入される食品との偶発的接触は、典型的には、貯蔵される食品に含まれる5.0ppbのシリコーングリースよりも少ない。
【0033】
本発明の他の実施例において、コーキング組成物は大豆接合材を含むことができる。前記のコーキング組成物と同様、大豆接合材は、偶発的な食品との接触に適しており、使用温度範囲も食品のパッケージング及び保存に適している。大豆接合材の一実施例は、DuPont(商標名)のPro-Cote大豆ポリマーである。一般的に、大豆接合材は、外皮を剥離した大豆から大豆油を抽出及び精製することにより調製される。抽出された材料は、天然又は球形の形態の単離された大豆蛋白質と、可溶性の低分子量砂糖とを含んでいる。抽出物は、制御されたpH環境の厳密に制御された温度で処理され、球形の天然大豆蛋白質をより小さな単位に分解され、材料は一様なポリマー画分(fractions)に断片化される。単離された蛋白質分子画分は反応性が高く、化学的に処理されて、蛋白質鎖が所望の接着特性を有するように改質される。未改質の大豆ベース油もコーキング組成物として用いられることができる。大豆ベース油及び接合材の他の源に、Cargill Industrial Oils & Lubricants製の大豆製品がある。
【0034】
コーキング組成物として数多くの反応性物質が用いられることは理解されるであろう。特に、閉じ部の係合部に係合する際に混合される材料を用いて、閉じ部の別の係合部に別の反応物質としてコートされることができる。それゆえ、閉じ部の一部が係合されるとき、混合された反応物質は合成され、反応して、その場でコーキング組成物が生成され、該組成物は、閉じ部の係合部によって形成される少なくとも1つのボイドの中へ侵入する。このようなシステムの一例は、流動性反応性液体ポリマー及び液体架橋剤を含んでおり、各々は閉じ部の別個の部分にコートされる。この例では、閉じ部が係合されると、別個の部分は接触し、ポリマーと架橋剤が混合されて、粘性の架橋ポリマーコーキング組成物が生成され、該組成物は、閉じ部の係合部によって形成される少なくとも1つのボイドの中へ侵入する。他の例として、流動性液体とゲル化剤が閉じ部の別個の部分に施され、混合されて粘性のコーキング剤が生成される。また、二成分型接着材料が施され、混合されると反応して接着材(例えば、感圧接着材)が生成される。当該分野の専門家であれば、他の種類の化学変化も明らかであろう。
【0035】
図3は、本発明の他の実施例を示しており、再密封可能な閉じ部構造は、対向する係合部を少なくとも2組含んでおり、夫々、係合部(24)(28)及び(23)(26)が選択的に係合して、保存空間(22)に通じる開口(18)を密封する。係合部の各対は、幹部(30)(34)から延びる対称ヘッド(32)(36)を有する幾何学的形状を具えている。偏心ヘッドの各々は、幹部でオフセットされることが好ましく、幹部(34)、突出部(38)及び偏心ヘッド(36)によって形成される空隙の空間の中へ相補的にはめ込まれる。「偏心ヘッド(asymmetrical head)」という語は、取り付けられる前記形状部のヘッド部の中央線から実質的にずれていることを示している。
【0036】
幹部(34)、突出部(38)及び偏心ヘッド(36)によって形成される空間は、対応する係合部(23)(24)の偏心ヘッド(32)を選択的に係合可能な形状に形成された溝を有している。幹部(34)、突出部(38)及び偏心ヘッド(36)は、対応する係合部(23)(24)を選択的に係合するための間隙を有している。突出部(38)と幹部(34)の間隔、及び突出部(38)と偏心ヘッド(36)の間隔は、前記係合部(23)(24)(26)(28)が係合するとき、偏心ヘッド(32)が偏心ヘッド(36)の方へ付勢されるように十分に狭くなっている。係合部が係合したとき、偏心ヘッド(36)の付勢位置は突出部(38)の間隔と共に、偏心ヘッド(23)(24)の幅に対応し、偏心ヘッド(23)(24)を可逆的にインターロックする溝を形成している。
【0037】
図3をさらに参照すると、再密封可能な閉じ部は、偏心ヘッド(23)(24)(26)及び/又は(28)の少なくとも1つに配置されたコーキング組成物(99)を含んでいる。コーキング組成物(99)は、偏心型ヘッド(23)(24)(26)及び/又は(28)の上に堆積又は注入され、係合部(23)(24)(26)(28)が異なる温度及び圧力条件下で係合しても気密なシールが確実に得られる。コーキング組成物(99)は、対向して形成されるインターロック部(150)の長さ全体又は一部分(例えば、バッグ周囲のインターロッキング部(150)の端部)に沿って配置されることができる。
【0038】
図4(明瞭化のために一部の引用符号の記載を省略している)に示される他の実施例において、再密封可能な閉じ部(20)は、並んだ2組のインターロッキング部(150)の間のギャップにコーキング組成物(100)のビードを含んでいる。これに用いられるコーキング組成物(100)のビードは、インターロッキング部(150)端部と接触する。望ましい実施例において、コーキング組成物(100)のビードは、並んだインターロッキング部を分離する空隙に充満し、各組のインターロッキング部の雌形状体の溝と接触し、これによりシールが形成される。本発明のさらなる実施例において、再密封可能な構造の閉じ部(20)は、並んだ2組のインターロッキング部(150)の間のギャップにコーキング組成物(100)のビードと、(23)(26)及び/又は(24)(28)のうちの少なくとも1組のインターロッキング部の間に追加のコーキング組成物(99)を含んでいる。
【0039】
図5(明瞭化のために一部の引用符号の記載を省略している)に示される他の実施例において、再密封可能な閉じ部(20)は、並んだ2組のインターロッキング部(150)の間のギャップにシーラント材(45)のビードを含んでいる。シーラント材(45)は、前述したように、閉じ部に高適合性領域をもたらすことができるように選択された高EVA及びMIポリマーの組成物である。また、シーラント材(53)(55)のビードは、各々の雄形状体(23)(24)の先端部にも施されることができる。一般的に、シーラント材は、前述したポリマー組成物か、又は、前述した低密度(ULD)ポリマーにEVAが2%以上添加された組成物を含んでいる。再密封可能な閉じ部(20)が係合したとき、シーラント材(45)(53)(55)のビードにより、係合部(23)(26)及び係合部(24)(28)は長さ方向のほぼ全体に亘って気密なバリアが確実に形成される。シーラント材(45)のビードは、図6に示されるように、1組のインターロッキング部(150)の両側に配置されることもできる。上記実施例と同様、コーキング組成物のビードは、隣接するインターロッキング部の間に施されることができるし、(23)(26)及び(24)(28)の係合部の少なくとも1組に施されることもできる。
【0040】
図7は本発明のさらに他の実施例を示しており、再密封可能な閉じ部(20)は、偏心構造体を用いた前記実施例とは異なり、独立した略対称型形状体(60)(62)(64)(66)を有する再密封可能な閉じ片によって形成される。この実施例では、下記のヘッドは幹部からずれていない。即ち、各々の対称型要素(60)(62)(64)(66)は、ヘッド(70)と幹部(72)を含んでいる。ヘッド(70)は、幹部(72)の上に略対称に形成される。対称型形状体(60)(62)(64)(66)は、各パネル(12)(14)の2つの要素に配備され、隣接する要素間のギャップが、対称型形状部(60)(62)(64)(66)の形状に対応する形状を有する空間領域を画成する間隔及び形状に形成される。この実施例は、外側要素(80)(82)をさらに含んでいる。外側要素(80)(82)は、対称型形状体(60)(62)(64)(66)の方へ延びており、対称型形状体(60)(62)(64)(66)を互いに付勢する。外側要素(80)(82)は、最も外側の2つの対称型形状体(60)(66)に対応する大きさ及び形状である。前述の実施例と同様、コーキング組成物のビードは、(60)(62)(64)(66)のうちの1又は複数の対称型形状体の間に施されることができる。前記対称型形状体は、前述したように、例えば、前記形状体を構成する材料と共にシーリング材を共押出することにより、シーラント材の領域を含めることができる。
【0041】
図7に示されるように、略対称型の独立した形状体を有する複数組のインターロッキング部を用いることができる。ここでは、コーキング化合物のビードは、2組のインターロッキング部の間に施される。コーキング化合物のビードは、独立して、又は対称型形状部と対称型形状部の間に設けたコーキング組成物と共に施されることができる。本発明は、前述した幾何学的形状に限定されるものではなく、気密に密封できるようにコーキング組成物と適合できる形状であれば、本発明の範囲内であらゆる幾何学的形状も可能であることは理解されるべきである。
【0042】
図8は本発明の一実施例を示しており、再密封可能な閉じ部(20)は、開口とクランプ手段を具えている。クランプ手段は、クリップ(170)を、脱気可能なバッグ(14)とは別個に具えており、該クリップ(170)により、バッグ(14)の開口(18)が密封される。他の実施例において、クランプ手段は、棒状体(mandrel)(171)をさらに含むことができ、バッグ(14)の開口(18)は棒状体(171)の周りで巻かれる。クリップ(170)は、棒状体の周りに巻かれたバッグ(14)の一部を押圧して、密封状態となる。
【0043】
図1を参照すると、保存装置(10)は、一端部が保存空間(22)の内部に連通した真空導管と、真空バルブアッセンブリ(30)とを含んでいる。真空バルブアッセンブリ(30)は、保存空間(22)に連通する密封可能な通路を有しており、該通路を通じて、液体及び/又は気体が引き出される。
【0044】
図9は、真空バルブアッセンブリ(30)の一実施例を示しており、平らな表面(33)に少なくとも1つの孔(37)が開設されたベース(31)と、弾性のバルブ要素(35)と、調整部材(39)とを含んでいる。ベース(31)は、脱気可能なバッグ(14)に気密に係合される。バルブ要素(35)は、ほぼ平らな形状で、前記平らな表面(33)に隣接して配備される。調整部材(39)は、ベース(31)に連結され、バルブ要素(35)を平らな表面(33)に付勢する形状に作られる。バルブ要素(35)は、孔(37)が開いた第1の位置と、孔(37)が閉じた第2の位置との間を移動できる構造に作られる。バルブ要素(35)は、通常は、第2の位置に付勢されている。ベース(31)は、定められた形状を有しており、例えば凹状ディスクであるが、この形状に限定されるものではない。ベース(31)の外側表面(41)は平坦トーラス(flat torus)状である。
【0045】
本発明の一実施例において、真空バルブアッセンブリは、2005年4月6日に出願された米国特許出願公開第11/100,301号、発明の名称「脱気可能な容器」に開示されたバルブと同じものである。バルブ要素(35)の密封性は、シーリング材及び/又はコーキング化合物(コーキング組成物と称することもある)を、バルブアッセンブリのシーリング部材に含めることによって向上する。他の実施例において、真空バルブアッセンブリ(30)は、真空バルブアッセンブリのベース(31)の内側から延びる少なくとも1つのリブ(図示せず)をさらに含むことができる。ベース(31)から延びるこのリブにより、真空作用中、バルブアッセンブリが塞がれることはない。
【0046】
図1、図10a〜10c、図11a〜11d及び図15に示されるように、保存装置(10)は、隔離構造体(70)をさらに含んでいる。隔離構造体(70)は、液体及び気体を除去するための連通路として供される。これは、好ましくは、エンボス又はカット加工により形成されたチャンネル(72)を有する膜状片(71)である。隔離構造体のチャンネル(72)は、バッグ(14)が真空状態にあるときもつぶれない構造である。チャンネル(72)の形態は、例えば、ハニカム形態(図10a)、グリッド又は部分グリッド(図10b)、一連の平行溝(図10c)又は一連のピラミッド形(図11c)が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、あらゆる形状が可能である。図15を参照すると、隔離構造体(70)のキャビティ面(85)は、バルブアッセンブリ(30)に面し、隔離構造体(70)の突出面(86)は保存空間(22)に面する。
【0047】
ハニカム構造のチャンネルは、図11aの等角図に示されており、液体及び気体を除去する連通路となるチャンネル(72)は、一連の多面体構造(100)によって画定される。図11bは隔離構造体(70)の他の実施例を示しており、液体及び気体を除去するチャンネル(72)の形態は、一連の曲線状列(curvilinear columns)(120)によって形成される。
【0048】
チャンネルとして選択される幾何学的形状の如何に拘わらず、隔離構造体(70)は、断面に一連の凹凸面を形成することにより、液体及び気体を除去する通路を形成する。一実施例において、隔離構造体は、保存装置の内部と真空システムとの間を流体接続する流体導管と一体であり、該流体導管により、保存装置は脱気される。保存装置は、真空バルブ、隔離構造体、選択的にクイック接続装置、選択的に液体/蒸気分離器及び真空ポンプの吸引部を具えている。図12aを参照すると、チャンネル(72)は、隔離構造体(70)の断面の凸面(74)と凹面(75)とで形成された領域に設けられる。隔離構造体(70)は、図12aに示されるように、一連のチャンネル(72)は一方の面にだけ設けてもよいが、図12bに示されるように、両面に設けることもできる。図11cは本発明の一実施例を示しており、隔離構造体(70)のキャビティ面(85)は、チャンネル(72)を含んでおり、突起側(86)は、複数の多面体によって形成された一連の連通路を含んでいる。
【0049】
図13a〜13d、図14及び図15に示されるように、隔離構造体(70)はバッグ(14)の内側で、バルブアッセンブリ(30)と同じ側に接合される。隔離構造体(70)は脱気可能なバッグ(14)の側に熱接合することが好ましいが、当該分野の専門家に既知の他の接合方法を用いることもできる。隔離構造体(70)は、真空バルブアッセンブリ(30)の位置に対応する位置に配置される。図13dに示されるように、単一の保存装置(10)に、複数のバルブアッセンブリ(30)と複数の隔離構造体(70)を用いることもできる。
【0050】
図13aに示されるように、隔離構造体(70)の接合は、プラスチックシート(16)の上に折り畳む前に行なうことができ、隔離構造体(70)の側縁部(73)の全体がプラスチックシート(16)に接合される。図13bは他の実施例を示しており、隔離構造体(70)の保存装置(10)への接合は、隔離構造体の側縁部(73)の選択された部分だけをプラスチックシートに接合することによって行われる。また、隔離構造体(70)の取付は保存装置の片面に限定されるものではなく、図13cに示されるように、バッグ(14)の両面を横切るように取り付けることもできる。他の実施例において、隔離構造体(70)は、図13dに示されるように、プラスチックシートの上に対角線状に配置されることもできる。図12a〜12dに示される実施例は例示であって、隔離構造体(70)が真空バルブアッセンブリ(30)と流体接続し、保存装置(10)から液体及び気体を除去できるように配置されるのであれば、他の構造も可能であり、本発明の範囲内である。
【0051】
図14は、プラスチックシート(16)が折り畳まれ、2つの側部(15)が保存空間(22)を形成する周辺部に隣接して密封された後の隔離構造体(70)の配置を示している。図示の隔離構造体(70)は、保存空間(22)内でプラスチックシート(16)の面に接合されており、隔離構造体(70)のチャンネル(72)は、プラスチックシート(16)の表面に面し、該表面に隔離構造体(70)が接合される。他の実施例において、隔離構造体(70)はその両面にチャンネル(72)を含んでおり(図12b)、隔離構造体(70)の第1の面側のチャンネルは、プラスチックシート(16)の隔離構造体(70)が接合される表面に面し、隔離構造体(70)の第2の面側のチャンネル(72)は対向するプラスチックシートに面する。
【0052】
図15は、図14に示す保存装置(10)の9−9線に沿う断面図であり、隔離構造体(70)のチャンネル(72)は、保存空間(22)から離れる方向で、真空バルブアッセンブリ(30)へ接近する方向に向いており、プラスチックシート(16)の表面に隔離構造体(70)が取り付けられる。真空を作用させる前に、バルブアッセンブリ(30)に対向する隔離構造体(70)の一部を、バルブアッセンブリ(30)から、約0.003”乃至約0.25”の距離D1を離間させることができる。
【0053】
一実施例において、真空ポンプは真空導管に取り付けられ、該真空導管は、少なくとも1つの真空バルブを含み、少なくとも1つの隔離構造体と流体通過可能に接続される。真空ポンプが作動し、真空バルブアッセンブリ(30)及び隔離構造体を通じて保存装置の内部に真空が作用すると、保存空間(22)は、収容された食品の上に崩れる。真空が作用している間、隔離構造体(70)は食品を真空バルブアッセンブリ(30)と分離するので、食品は保存空間(22)から除去される空気又は液体の流れを妨げることはなく、保存装置の壁は食品に密着する。また、真空作用により、隔離構造体(70)に対向するプラスチックシート(16)の部分は崩れて、隔離構造体(70)の隆起部の上に密着するから、残存する全ての液体及び空気は、隔離構造体(70)の凹状チャンネルから除去されることができる。真空が作用すると、バルブアッセンブリ(30)と隔離構造体(70)の対向する隆起面との離間距離D1はほぼ無くなるが、その間、隔離構造体(70)の凹状チャンネルから残存空気及び液体を除去する通路は有効に維持される。
【0054】
図1に示されるように、再密封可能な閉じ部(20)は、手で操作できることは理解されるであろう。しかしながら、図1、図16a及び16bに示されるように、再密封可能な閉じ部(20)は閉じクリップ(80)と端部クリップ(82)を含むことができる。閉じクリップ(80)は剛性のU字状部材(84)であり、少なくとも第1及び第2の面の突起(54)(56)(58)の上にぴったりと適合するように作られる。U字状部材(84)は、突起(54)(56)(58)の上を移動するとき、雄形状体の突起(54)を、他方の突起(56)(58)によって形成された溝(60)の中へ付勢するように構成される。複数の突起を有する本発明の実施例において、U字状部材(84)は複数の突起(62)(64)の上にきちんと適合するように構成され、ここで、U字状部材は、少なくとも1つの追加の突起(62)を、他の突起(64)によって形成される少なくとも1つの溝の中へ付勢する。閉じクリップ(80)により、クリップ(80)が第1の方向に沿って進むときにインターロッキング部(21)が係合し、第1の方向と反対方向に進むときはインターロッキング部(21)の係合に影響を及ぼさない。より具体的には、閉じクリップ(80)は、係合されたインターロッキング部(21)の上を移動するとき、インターロッキング部を分離しないのである。端部クリップ(82)は、再密封可能な閉じ部(20)の端部に接合され、バッグ(14)を横切るときに封鎖クリップの動きを拘束する。端部クリップの断面図が図17に示されている。
【0055】
前述の如く、再密封可能な保存装置の一実施例では、低圧側が真空導管に取り付けられた真空装置を含むシステムの一部を含んでおり、前記真空導管は、保存装置の内部に流体流通可能に接続され、前述の真空バルブを含んでいる。前記アッセンブリは、所望により、真空導管の真空ポンプと保存装置の間にクイック取外し手段を含んでおり、所望により、真空導管の真空ポンプの吸引部と保存装置の間に気体/液体分離手段を含んでいる。
【0056】
本発明に係る再密封可能な保存装置を脱気するのにあらゆる真空装置を用いることができる。しかしながら、実施例によっては、手持ち式又は可搬式の真空ポンプを用いることが好ましい。適当な可搬式装置の一例が図21に示されている。図21に示される可搬式真空ポンプアッセンブリは、図示はしないが、電源(例えば、バッテリー)、吸引部及び排気部を有する真空ポンプ、並びにモータを含んでいる。真空ポンプは、クイック接続手段により、保存装置の内部に接続された流体導管に接続されることができ、クイック接続手段の第1の部分は真空ポンプアッセンブリと一体であり、クイック接続手段の他方の部分は可撓性保存装置と一体である。この一例は、真空ポンプ(40)の接続端部(42)として、図1に示されている。図示の如く、接続端部(42)は所定の形状を有しており、例えば、凸状ディスク若しくは凹状ディスクであり、又は保存装置に連繋された流体導管の一端部を画定する真空バルブアッセンブリの外側表面の内側開口に嵌まる形状のディスクである。接続端部(42)は、真空バルブアッセンブリと係合できる形状に形成され、真空ポンプ(40)と流体流通可能な通路を形成する。このように、可搬式真空ポンプ(40)の接続端部は、クイック接続手段として機能することもできる。例えば、吸引カップのチップ(160)には、図18a及び18bに示されるように、真空作用中の吸引を維持するために、隔離構造体(161)が一体に形成されている。なお、真空バルブアッセンブリとクイック接続できる形状であれば、例えば真空チップ(接続端部(42))もクイック接続手段として用いることも本発明の範囲内であることは理解されるべきである。「クイック接続」は、別個の締結具を用いることなく、又は分離可能なシーリング部材を除去することなく、バルブアッセンブリ(30)と接続端部(42)とを密封する必要がある。真空システムを、真空ポンプの吸引部と保存装置の内部を流体伝達する流体導管に接続するのに、公知の多くの結合手段を用いられることは理解されるであろう。
【0057】
図19及び図20に示されるように、アッセンブリは、液体分離器(90)を含むこともできる。液体分離器(90)は、液体を集めることができ、気体を真空ポンプアッセンブリ(40)の吸引部に引き込むことができるように構成される。一実施例において、液体分離器(40)は、チューブ(92)、アキュムレータのハウジング(94)及びダイバータ(96)を含んでいる。チューブ(92)は、取付端部(42)とアキュムレータハウジング(94)の両方を密封できるように構成されたベース(98)をさらに含んでいる。アキュムレータハウジング(94)は、液体を収容可能なカップの如き形状である。ダイバータ(96)は、チューブ(92)の先端に係合し、チューブ(92)内の流体の軸方向の流れをアキュムレータハウジング(94)へ方向変換できるように構成される。それゆえ、組立てに際しては、取付端部(42)はチューブのベース(98)の下側に接続され、アキュムレータハウジング(94)はチューブのベース(98)の上側に接続される。ダイバータ(96)は、チューブ(92)の先端部に配備される。このようにして、取付端部(42)からアキュムレータハウジング(94)への流体通路が形成される。
【0058】
使用に際し、可搬式真空ポンプ(40)は、保存装置の内部、例えば図示の如く、真空バルブアッセンブリ(30)の外側表面に接続された真空導管に係合可能である。可搬式真空ポンプ(40)が接続され、真空バルブアッセンブリ(30)が圧力差によって作動すると、バルブ要素(35)は、前述した第1の位置へ移動し、真空導管通路は開いて、流体(気体と液体)がバッグ(14)から真空導管を通って真空ポンプの吸引部へ引き出される。流体は、液体と気体の両方であってよい。分離器が真空導管の中にあり、液体と気体が液体分離器(90)の中へ引き出されるとき、液体はダイバータ(96)に接触し、アキュムレータハウジング(94)の中へ貯められる。それゆえ、液体は気体と一緒に真空ポンプの方へ引き出されない。気体は、真空ポンプアッセンブリ(40)から真空ポンプを経て排出される。アキュムレータハウジング(94)を空にする必要があるとき、使用者はチューブ(92)とベース(98)を取り除いて、液体を真空ポンプアッセンブリ(40)から排出することができる。
【0059】
可搬式ポンプ(40)が作動すると、空気は保存空間(22)から引き出される。それゆえ、図21に示されるように、食品等の物品(1)が保存装置(10)の中へ入れられる。隔離構造体(70)は、脱気可能なバッグ(14)を形成するプラスチックシート、又はバッグ(14)内の物品をが、真空バルブアッセンブリ(30)の妨げとならないように形成される。即ち、隔離構造体(70)のチャンネル(72)は、バッグ(14)内で液体及び気体の通路を形成し、この通路を経て、液体及び気体はバルブアッセンブリ(30)に達することができる。チャンネルが隔離構造体の両面に配置された本発明の実施例では、バッグの中へ入れられた物品と接触するチャンネルにより、液体と気体は、隔離構造体(70)と、保存空間に収容された物品との間にトラップされない。
【0060】
本発明の具体的実施例を開示したが、当該分野の専門家であれば、数多くの変形及び他の実施例が可能であることは理解されるべきである。それゆえ、本発明の精神及び範囲内で行われる係るそのような変形及び実施例を全て含むことを意図していることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】保存装置の正面図である。
【図2】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図3】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図4】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図5】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図6】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図7】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図8】クランプ装置が再密封可能な閉じ部として供される本発明の一実施例の斜視図である。
【図9】真空バルブアッセンブリの分解図である。
【図10a】隔離構造体の正面図である。
【図10b】隔離構造体の正面図である。
【図10c】隔離構造体の正面図である。
【図11a】隔離構造体の斜視図である。
【図11b】隔離構造体の斜視図である。
【図11c】隔離構造体の斜視図である。
【図12a】隔離構造体の断面図である。
【図12b】隔離構造体の断面図である。
【図13a】折り畳まれていない状態の保存装置の実施例の斜視図である。
【図13b】折り畳まれていない状態の保存装置の実施例の斜視図である。
【図13c】折り畳まれていない状態の保存装置の実施例の斜視図である。
【図13d】折り畳まれていない状態の保存装置の実施例の斜視図である。
【図14】折り畳まれた状態の保存装置の実施例の斜視図である。
【図15】図14の保存装置の9−9線に沿う断面図である。
【図16a】封鎖クリップの正面図である。
【図16b】封鎖クリップの側面図である。
【図17】端部ストッパーの側面図である。
【図18a】可搬式ポンプの吸引カップのチップの斜視図である。
【図18b】図18aに示された可搬式ポンプの吸引カップのチップの側部断面図である。
【図19】液体分離器の分解断面図である。
【図20】液体分離器の分解斜視図である。
【図21】隔離構造体と真空バルブアッセンブリを含むバッグの使用状態を示す斜視図である。
【技術分野】
【0001】
<関連出願の記載>
この出願は、2004年7月23日に出願された米国仮出願第60/590,858号、2004年8月19日に出願された米国仮出願第60/602,685号及び2004年9月15日に出願された米国仮出願第60/609,920号の利益を主張し、これら出願は参照を以てその全体が本願に組み込まれる。
【0002】
<発明の分野>
本発明は、可撓性で、安価で、脱気可能な保存装置(evacuable storage device)に関し、該保存装置内に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適した密閉構造体に沿って配備されたコーキング化合物を含む再密封可能な開口を選択的に有している。本発明はまた、真空保存装置及び真空保存用システムに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば消費者用保存バッグのように密封可能な保存装置は、一般的には、限定するものではないが、例えば食品等を貯蔵するのに用いられる。これらの装置は、一般的には、薄い可撓性材料から作られたバッグ本体を有し、再密封可能な閉じ部を含んでいる。これらの装置は安価で使用容易であるが、保存される物品と一緒に多量の空気が入り込む。空気は食品と反応すると品質を損なうので、食品が入れられた保存装置の中に空気が存在することは好ましくない。また、保存バッグが氷点下環境に置かれるとき、典型的には冷凍室の中で「冷凍焼け(freezer burn)」が起こり、食品の劣化を招くことがある。冷凍焼けは、食品から水分が分離して起こり、典型的には食品の表面で凍る。保存装置に進入した空気を保存装置から実質的に取り除くと、保存装置のバッグは食品に密着するように保持され、冷凍焼けは減少する。その結果、食品から分離する水分は少なくなる。このため、可撓性保存装置を密封する前に、可撓性保存装置を脱気することが行われている。しかしながら、これまでのシステムでは、再密封可能な開口を保存装置に設けたものはなかった。
【0004】
可撓性の保存バッグを脱気する従来のシステムは、典型的には、真空ユニットを有する大きな装置と、プラスチックのシートどうしを接合できるように構成された熱シーラーとを含んでいる。使用者は、典型的には、プラスチックのロールから所定長さのプラスチックをカットし、熱シーラーを用いて、プラスチックから開口を有するバッグを形成する。物品が開口を通じてバッグの中へ入れられた後、真空ユニットを用いてバッグの中の略全部の空気が除去され、バッグが密封される。これらのシステムでは、一度だけ使用可能なバッグ又は袋(pouch)が作られる。再使用性は選択肢にないので、材料コストは高い。大型の装置は可搬式ではないので、バッグを形成する行為は時間がかかる。
【0005】
可搬式真空装置と、選択的に、再密封可能で脱気可能な可撓性保存装置を利用した真空保存装置に対する要請がある。再密封可能な閉じ部を有する密閉体システムは、例えば、プラスチックバッグに用いられるインターロッキング式のものが知られている。しかしながら、再密封可能な閉じ部では、典型的には、シーリング構造の係合が完全に行われることは殆どなく、形成されたシールに隙間が残る。さらに、再密封可能な装置の両端をシールして再密封可能な装置を作るとき、閉じ部の係合部が曲がることがあり、閉じ部に非密封領域が形成されることもある。再密封可能な閉じ部にこのような問題があると、再密封可能な閉じ部を用いたバッグは気密にならないことがある。このため、再密封可能な閉じ部を用いたバッグが、例えば、脱気されるときに圧力差が生じて、バッグの内部と外部との間で特定ガスの分圧に差が生ずると、ガスは閉じ部を通り、密封されたパッケージの中へ進入したり、パッケージから出て行く。このようにして、ガス、例えば空気は、密封されたバッグの中へ進入したり、例えば水蒸気が、密封されたバッグから漏出することがある。これが特に問題となるのは、バッグの内部圧力が周囲空気の圧力と異なるとき、例えば、バッグが真空下にあるとき、又はバッグに周囲環境に存在するガスとは異なる分圧のガスが含まれているときである。
【0006】
それゆえ、シーリング装置に圧力差があっても、流体が透過し難いシーリング構造を有する、可撓性で再密封可能な保存装置が要請されている。また、可搬式真空ポンプで操作可能な構造のバルブを有し、安価で、可撓性で、再使用可能に予め作られた保存装置が要請されている。さらにまた、取り込まれる空気量が少ない再密封可能な閉じ部、物品の適合性を維持できる可撓性バッグ壁、及び、真空ポンプと共に用いられたときに酸素、空気、透過、細菌、かびその他の汚染源が進入又は透過し難い気密シールが要請されている。また、食品貯蔵用可撓性パッケージを脱気するのに有用な可搬式真空ポンプが要請されている。
【発明の開示】
【0007】
<発明の概要>
本発明はこれらの要請等に応えるものであり、真空システムの一態様では、(a)吸引部を有する真空ポンプと、(b)前記真空ポンプの吸引部と流体伝達が行なわれる真空導管であって、(i)気体/液体分離手段と、(ii)内部にコーキング組成物を選択的に含む少なくとも1つの真空バルブと、(iii)選択的に、隔離構造体と、(iv)選択的に、1又は複数のクイック接続手段とを具える真空導管と、(d)真空導管と流体流通可能な内部空間を形成する脱気可能なパッケージと、(d)選択的に、脱気可能なパッケージの開口を画定する再密封可能な閉じ部と、を含んでいる。望ましい幾つかの実施例では、真空ポンプは可搬式である。
【0008】
一実施例において、真空システムは、1つのアッセンブリの中に、真空ポンプ、液体分離手段、及びクイック接続手段の一部で終端する真空導管の一部が含まれるキットである。第2のアッセンブリでは、真空導管の追加の一部に、クイック接続手段の協同作用部、真空バルブ、脱気可能なパッケージ及び選択的に隔離構造体を具えている。幾つかの好ましい実施例では、真空ポンプアッセンブリは、ブレークアパート型(break-apart form)のものが用いられ、システムの一部は、真空導管の一部(例えば、液体/気体分離器)と一体に組み立てられた真空ポンプを具えており、クイック接続手段で終端し、真空導管の残部には、脱気可能な保存パッケージ(例えば、真空導管の残部に配備された協同作用するクイック接続手段を有する真空バルブ)が一体に配備され、また、可撓性パッケージ及び選択的に隔離構造体と一体に配備される。
【0009】
一実施例において、隔離構造体は、プラスチックシートにエンボスが形成され、チャンネル部と突出部を有している。一実施例において、隔離構造体は、脱気可能なパッケージの内部に配置され、真空導管及び真空バルブと流体接続するチャンネル部と、パッケージによって形成された内部空間の近傍に突出部とを有している。
【0010】
本発明の他の態様では、内部空間を画定する脱気可能な保存パッケージと、前記内部空間に流体接続された真空バルブと、選択的に設けられ、真空バルブと流体接続された隔離構造体と、選択的に設けられ、少なくとも1組の係合部を具え、パッケージの内部空間への開口を構成する再密封可能な閉じ部とを提供するものである。
【0011】
幾つかの実施例において、本発明の保存パッケージの開口を画定する再密封可能な閉じ部は、少なくとも一対の対向する係合部を具えており、前記係合部の少なくとも1つには低密度シーリング材を含む閉じ部の一部が連繋されて、閉じ部の連繋された係合部と高度に密着する領域が閉じ部に形成され、閉じ部の端部が密封されたとき、ギャップ無しのシールが確実に形成される。幾つかの実施例において、シーリング材は、係合部の一方又は両方の一部に設けられる。幾つかの実施例において、シーリング材は、閉じ部のフランジの一部又は幹部の一部を含んでいる。幾つかの実施例において、シーリング材は、係合部の長さ全体に設けられる。幾つかの実施例において、シーリング材は、係合部の選択された部分、例えば係合部の一方又は両方の周辺部に設けられる。幾つかの実施例において、閉じ部のシーリング材は、ASTM D-1505-03「密度勾配技術によるプラスチック密度の標準試験方法」、Book of Standards Volume 08.01 (2005)に基づいて測定したときの値が0.925g/cm3以下のポリオレフィン材から作られる。幾つかの実施例において、再密封可能な閉じ部はコーキング組成物と共に用いられる。本発明の一実施例において、コーキング組成物は、係合部と係合部の間の1又は複数の空間に充満するので、密封され、減圧下におかれたとき、周囲空気の保存装置への侵入は低減する。
【0012】
幾つかの実施例において、コーキング組成物は、係合する閉じ部に近接して施され、閉じ部が係合したとき、閉じ部に存在するあらゆる空隙に侵入することができる。
【0013】
幾つかの実施例において、コーキング組成物は、食品との少なくとも偶発的接触に対して適した混合物を含んでいる。幾つかの実施例において、コーキング組成物は、食品の保存及びパッケージングに適した温度範囲で化学的安定性を維持する。
【0014】
一実施例において、コーキング組成物は、第1の雄形状体(male profile)及び/又は第1の雌形状体(female profile)に配置される。一実施例において、コーキング組成物は、閉じ部の係合部に近接する1又は複数の位置に配置され、係合部によって形成されたシール、例えば、閉じ部のクラッシュ領域の端部に形成されたシールにおけるギャップに侵入可能であり、閉じ部の係合部の上、又は係合部と係合部の間に沿う連続ビードが形成される。
【0015】
本発明の他の実施例において、第1組の係合部の近傍に平行に配備された少なくとも第2組の係合部を具えている。複数対の係合部を有する一実施例において、係合部と係合部の間に配備されたシーリング材に加えて、コーキング組成物のビード(コーキング化合物のビードと称することもある)を、実質的に並列組の係合部を分離する空間内に配置されることができる。
【0016】
一実施例において、コーキング組成物は、食品のパッケージング及び保存に適した温度範囲に亘って分解することなく完全性(integrity)を維持できる成分を含んでいる。食品のパッケージング及び保存に適した温度は、一般的には、約−10°F乃至約+160°Fの範囲である。一実施例において、コーキング組成物は、液体シリコーンと充填材(例えば、ヒュームドシリカ)を含み、その割合は、米国潤滑グリース協会(NGLI)標準によるグリースちょう度番号で約2である。一実施例において、コーキング組成物は、大豆接着剤を含んでおり、例えば、商標名DuPont(E.I. du Pont de Nemours and Company)が商標名ProCoteで販売する大豆ポリマーが挙げられる。他の実施例において、コーキング組成物は、Cargill Industrial Oils & Lubricantsにより販売される大豆油を含んでいる。一実施例において、コーキング組成物は、2種類の反応性成分を含んでおり、各成分は、閉じ部の異なる部位に施され、閉じ部の係合部が係合すると、2つの成分は混合され、反応生成物は、係合部によって形成される少なくとも1つの空間に侵入することができる。
【0017】
<望ましい実施例の詳細な説明>
本発明について、添付の図面を参照してより詳細に説明する。添付の図面中、同じ要素及び/又は対応する要素については同じ引用符号を用いる。
本発明の一実施例において、真空システムは、可搬性真空ポンプと、脱気可能なパッケージ(evacuable package)とを含んでおり、該パッケージは真空導管(vacuum conduit)に連通する。脱気可能パッケージは、選択的に、隔離構造体(stand-off structure)と、コーキング組成物(caulking composition)が収容される再密封可能な閉じ部(resealable closure)とを含んでいる。
一実施例において、再密封可能な閉じ部は、インターロッキング部(interlocking profiles)を有しており、該インターロッキング部には、再密封可能な閉じ部にガス透過抵抗性シールを形成するためのコーキング組成物が施される。真空導管は、可搬ポンプと、脱気可能バッグの保存空間とを連通するように配備され、少なくとも1つのバルブアッセンブリを具え、仕切となる隔離構造体が選択的に配備される。
一実施例において、隔離構造体は、脱気可能なパッケージの保存空間の中にトラップされた空気を実質的に排除するための手段を提供する。インターロッキング部の各態様、コーキング組成物、真空バルブアッセンブリ及び真空ポンプについて、詳細に説明する。
【0018】
図1は、可撓性で、再密封可能な保存装置(10)を示しており、該装置は、脱気可能なパッケージ(脱気可能なバッグと称することもある)(14)の形状に加工された可撓性材料(12)を含んでいる。可撓性材料(12)は、好ましくは、ポリオレフィン等のプラスチックシート(16)である。シート(16)は、好ましくは、矩形である。一実施例において、シート(16)は折り畳まれ、2つの側部(15)は周辺部に隣接して密封され、保存空間(22)に通じる開口(18)が形成される。このようにして、バッグ(14)の周囲は実質的に密封される。本発明の他の実施例では、脱気可能なバッグ(14)の周囲全体が熱シールされる。
【0019】
本発明の一実施例において、脱気可能なパッケージ(14)は、内側シーラント層と、バリア/強度層とを含む複層バッグである。内側シーラント層は、LDPE(低密度ポリエチレン)又はLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)であってよく、バリア/強度層は、ナイロン、PP(ポリプロピレン)又はPET(ポリエステル)であってよい。この明細書で、ポリエチレンに関して用いられる「低密度(low density)」は、ASTM D-15005-03に規定される0.925g/cm3以下の密度の材料を表し、エチレンビニルアセテート(EVA)の添加によって調節可能である。複層バッグの他の例及び複層バッグの形成方法は、1979年8月29日出願の米国特許第4267960号「肉又は同様な製品の真空包装用バッグ」に記載されており、引用を以て本願への記載加入とする。
【0020】
本発明の実施例において、脱気可能なバッグ(14)は、保存空間に通じる開口(18)を有しており、バッグの開口(18)は、再密封可能な閉じ部(20)を含んでいる。再密封可能な閉じ部(20)は、一組のインターロッキング部を含んでいる。一実施例において、インターロッキング部(21)は、開口(18)を密封できるように構成され、弾性を有し、選択的に係合する雄雌形状体(21)(さねはぎ(tongue-and-groove)型閉じ部)を含むことができる。なお、インターロッキング部は、当該分野で数多くの幾何学的形状が知られており。これらは本発明に用いることができる。
【0021】
図2を参照すると、一実施例において、閉じ部の選択的係合部(インターロッキング部と称されることもある)(21)は、対向する可撓性の2つのフランジ(パネルと称されることもある)、つまり、第1フランジ(50)と第2フランジ(52)を含んでおり、これらフランジに沿って設けられる。図2に示されるように、2つの可撓性パネル(50)(52)は、再密封可能閉じ部の外側に配置されたパネルの内面に凸状面(68)(69)を含むことができる。第1フランジ(50)は、バッグ(14)を横方向に延びる少なくとも1つの突起(54)を有している。第2フランジ(52)は、少なくとも2つの突起(56)(58)によって形成され、雌溝(66)を含んでいる。
【0022】
図2をさらに参照すると、複数の突起(62)(64)が、第1フランジ(50)及び第2フランジ(52)から夫々突出しており、対応する複数の雄形状体と雌溝(雌形状体と称されることもある)を形成する。突起(54)(56)(58)(62)(64)は、一般的にはポリオレフィン材料から形成され、密度は約0.925g/cm3以上であり、これらは、高溶融指数(HMI(high melt index))ポリオレフィンと称されるものが好ましい。より具体的には、突起(54)(56)(58)(62)(64)は、高溶融指数ポリエチレン材料及びエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーを含み、特に、ビニルアセテート量は約4重量%〜約12重量%である。さらにまた、相互係合部及び/又は周囲閉じ部構造は、低溶融指数又は極低密度(ULD)のポリオレフィンからなる1又は複数の特徴部を含むことができる。この明細書で用いられる「極低密度(ultra low density)」という語は、約0.925g/cm3以下を表す。なお、密度は、EVAを加えて調節できることは理解されるであろう。少なくとも1つの突起(54)(56)(58)(62)(64)は、密度約0.925g/cm3以下のポリオレフィン材のビード(66)を含むことができる。幾つかの実施例において、より柔らかい材料からなるビード(66)が、突起(54)(56)(58)(62)(64)の先端に設けられ、対向する側部(50)(52)を係合可能に構成される。より柔らかい材料のビード(66)は、以後、シーリング材料のビード(66)と称するものとする。
【0023】
前述したように、シーリング材料(66)のビードは、突起(54)(56)(58)(62)(64)よりも低密度である。閉じ部(21)が係合状態にあるとき、シーリング材料のビード(66)は低密度で従順性(compliant)を有し、閉じ部を構成する高密度で剛性の材料の形状に倣うことができるので、係合部のヘッド部が接する。より柔らかい材料が閉じ部に接すると、当たり面との整合性が向上し、パッケージの内部と周囲環境との流体交換、例えば、ガス及び外部空気のバッグ(14)への進入に対して、より効果的なシールがもたらされる。上記実施例にも拘わらず、再密封可能な閉じ部(21)及びそれに関連するインターロッキング構造は、密度及び溶融指数が異なる弾性材料から形成することができる。それゆえ、本発明の範囲に含まれる実施例では、真空及び低温度条件下での密封条件を達成できるように選択された材料の組合せを含んでいる。
【0024】
雄形状体を形成する突起は、雄ヘッド(male head)を有する形状を意味するものとして引用される。雌形状体(溝を意味することがある)を構成する突起は、溝を形成するように配置された雌ヘッドとフィレット(fillet)を有する形状を意味するものとして引用される。再密封可能な閉じ部構造(20)は、閉じ部形状と完全に係合するように構成された閉じクリップをさらに含むことができる。特に、閉じクリップは、クリップが第1の方向に沿って配置されたときはインターロッキング部が確実に係合されるように作用するが、クリップが第1の方向と対向する方向に沿って配置されるときは、係合部の係合に悪影響を及ぼさない。
【0025】
再密封可能な閉じ部(21)の構造又は相互作用の具体的構成の如何に拘わらず、本発明の再密封可能閉じ部のインターロッキング部は、好ましくはコーキング組成物(99)を含んでいる。例えば、コーキング組成物は、閉じ部(21)の第1フランジ(50)の少なくとも1つの突起(54)の上、及び/又は第2フランジ(52)の少なくとも1つの突起(56)(58)に配置されることができる。コーキング組成物(99)は、保存空間(22)に対して気密シールの形成を補助する。特に、雄形状体と雌形状体の第1及び第2フランジの突起(54)(56)(58)(62)(64)の係合中、コーキング組成物(99)が溝(60)の中に存在することにより、雄形状体と雌形状体は確実に気密シールされる。特に、コーキング組成物(99)は、閉じ部(21)の係合インターロッキング部の間に存在するボイド空間に進入できるように配置される。理論に拘束されることを望むものではないが、コーキング組成物(99)が雄形状体と雌形状体の間の隙間に進入するから、減圧状態におかれたとき、周囲環境から保存装置への進入は軽減される。
【0026】
それゆえ、再密封可能な閉じ部(20)はシーリング前に作製される。その作製は、コーキング組成物をインターロッキング部の1又は複数の部材若しくはインターロッキング部近傍の閉じ部の表面に導入することにより、又は堆積若しくは注入等の方法により行われ、インターロッキング後の係合部の間に残された初期隙間(incipient gaps)に分配される。或いはまた、閉じ部を密封する前に、コーキング組成物は、シーリング部に隙間が形成され易い領域、例えばバッグ周囲の雄雌形状体(21)の端部の近傍に配置されることができる。バッグ周囲の雄形状体及び雌形状体の部分は、クラッシュシールによって係合されるが、これが閉じ部の漏れ部となることがしばしばある。クラッシュシールにより雄形状体と雌形状体に生じるボイドは、コーキング組成物で充填され、漏れの発生が実質的に低減される。
【0027】
コーキング組成物(99)は、再密封可能な閉じ部(21)の相互係合可能な部材の間で、選択的に可逆的な気密シールを行なうことができるあらゆる材料から構成することができる。コーキング組成物(99)は、保存空間に通じる開口へ挿入される食品と少なくとも偶発的接触する場合にも適した材料である。コーキング組成物は、保存装置(10)の使用温度範囲でその化学構造を維持するものが好ましい。なお、少なくとも偶発的接触する場合にも「適した(suitable)」という語は、連邦食品医薬化粧品法(連邦規則番号標題21)における一般的に安全と認められる物質(GRAS)に適合する化合物を意味する。「少なくとも偶発的接触(at least incidental contact)」という語は、食品を保存空間に入れるとき、食品が閉じ部の開口を通るときに起こる少なくとも予期しない接触を含んでいる。コーキング組成物と食品とは直接接触しないことが好ましいが、食品とコーキング組成物との相互作用が連邦食品医薬化粧品法に適合する限り、コーキング組成物が食品と直接接触しても差し支えない。
【0028】
少なくとも食品との偶発的接触に適したコーキング組成物は、連邦食品医薬化粧品法に適合し、使用温度範囲が食品の保存及びパッケージングに適した温度範囲にある限り、米国連邦規則番号標題21§178.3570(2003年4月1日改正)における「食品との偶発的な接触が許容される潤滑剤」の材料区分に含まれる。保存装置の使用温度範囲は、保存バッグの輸送、パッケージング及び食品貯蔵(保存)における温度範囲として定められる。例えば、食品保存の温度範囲は、約−10°F〜約160°Fである。米国連邦規則番号標題21§178.3570の「食品との偶発的な接触が許容される潤滑剤」に含まれ、使用温度範囲が食品保存及びパッケージングに適したコーキング組成物の一例として、ジメチルポリシロキサンが挙げられる。他の例として、例えば、Cargill Corp.により販売される大豆ベースの油、DuPont(商標名)が商標名ProCoteで販売する大豆ポリマー等の大豆接着剤が挙げられる。
【0029】
気密シールを施すために、コーキング組成物(99)は、混和ちょう度(work penetration)が約290〜約340となるように選択されるべきである。混和ちょう度は、グリースの浸透率に関する米国潤滑グリース協会(NLGI)、及びASTM D217-97「潤滑グリースのコーン貫入標準試験法(1997)」に基づいて、60ストローク及び77°Fの条件で測定される。NLGIは、混和ちょう度によって測定されたちょう度番号によりグリースを分類する。望ましい実施例において、コーキング組成物の混和ちょう度は約290〜約340のオーダであり、NLGIちょう度番号約2に相当するグリース区分に含まれる。コーキング組成物(99)のNLGIちょう度が約2であることが好ましいが、例えば次の場合には、NLGIちょう度番号が異なるグリースを用いることができる。前記場合とは、コーキング組成物(99)が従来の注入方法を用いてコーキング組成物(99)が閉じ部(21)の中へ入れられて、閉じ部(21)の係合部に施されるときであり、また、食品容器用と同じ温度に曝されるとき、コーキング組成物(99)が閉じ部(21)の中へ入れられるときである。
【0030】
上記要件に適合するコーキング組成物(99)の一例はシリコーングリースである。シリコーングリースは非晶質で、ヒュームドシリカ(fumed silica)が濃化されたポリシロキサン基化合物である。シリコーングリースは、液体シリコーンを不活性シリカ充填材と合成することによって作られる。適当な混和ちょう度を有するシリコーングリースを生成するのに用いられる液体シリコーンの一例は、比重が約0.973のオーダで、粘度が約300センチストロークスよりも大きく、好ましくは約350センチストロークスのオーダであるポリジメチルシロキサンである。ヒュームドシリカ、不活性シリカ充填材は、鎖状の粒子形態であり、液体シリコーンに含まれると、三次元ネットワークを形成し、液体を取り込み、液体の密度を効果的に増大させる。
【0031】
シリコーングリースにより、所望の混和ちょう度及び温度範囲がもたらされ、不活性シリカ充填材と液体シリコーンとを適当な割合に選択することにより、閉じ部(21)の係合部の間で気密シールが作られる。食品保存容器に用いられたバッグの使用可能温度範囲内で、シリコーングリースの固体から液体の分離が実質的になくなるように、液体シリコーンに対する不活性シリカ充填材の割合が選択される。一般的に、液体シリコーンに対する不活性シリカ充填材の割合は、シリコーングリースの閉じ部(21)への適用を妨げないシリコーングリース粘度となるように選択される。液体シリコーンに対する不活性シリカ充填材の割合は、約30重量%よりも少ないことが好ましく、6重量%のオーダがより好ましい。
【0032】
好ましい一実施例において、シリコーングリース(99)は、ペンシルベニア州ベンサレムのClearco Products Co., Inc.製Clearco(商標)シリコーングリース(食品グレード)である。Clearco(商標)シリコーングリース(食品グレード)は、60ストロークス及び77°Fで測定された混和ちょう度が約290〜約340である。Clearco(商標)シリコーングリース(食品グレード)は、ジメチルポリシロキサン94重量%及びヒュームドシリカ6重量%を含んでおり、比重は約1.1のオーダである。Clearco(商標)シリコーングリースは、約−40°F〜約400°Fの範囲の温度で用いても化学分解を起こさないので、保存用に好適である。本発明のこの実施例では、シリコーングリース(99)は、閉じ部(21)の少なくとも1つの雄形状体と雌形状体に沿って配備され、保存装置の保存空間に挿入される食品との偶発的接触は、典型的には、貯蔵される食品に含まれる5.0ppbのシリコーングリースよりも少ない。
【0033】
本発明の他の実施例において、コーキング組成物は大豆接合材を含むことができる。前記のコーキング組成物と同様、大豆接合材は、偶発的な食品との接触に適しており、使用温度範囲も食品のパッケージング及び保存に適している。大豆接合材の一実施例は、DuPont(商標名)のPro-Cote大豆ポリマーである。一般的に、大豆接合材は、外皮を剥離した大豆から大豆油を抽出及び精製することにより調製される。抽出された材料は、天然又は球形の形態の単離された大豆蛋白質と、可溶性の低分子量砂糖とを含んでいる。抽出物は、制御されたpH環境の厳密に制御された温度で処理され、球形の天然大豆蛋白質をより小さな単位に分解され、材料は一様なポリマー画分(fractions)に断片化される。単離された蛋白質分子画分は反応性が高く、化学的に処理されて、蛋白質鎖が所望の接着特性を有するように改質される。未改質の大豆ベース油もコーキング組成物として用いられることができる。大豆ベース油及び接合材の他の源に、Cargill Industrial Oils & Lubricants製の大豆製品がある。
【0034】
コーキング組成物として数多くの反応性物質が用いられることは理解されるであろう。特に、閉じ部の係合部に係合する際に混合される材料を用いて、閉じ部の別の係合部に別の反応物質としてコートされることができる。それゆえ、閉じ部の一部が係合されるとき、混合された反応物質は合成され、反応して、その場でコーキング組成物が生成され、該組成物は、閉じ部の係合部によって形成される少なくとも1つのボイドの中へ侵入する。このようなシステムの一例は、流動性反応性液体ポリマー及び液体架橋剤を含んでおり、各々は閉じ部の別個の部分にコートされる。この例では、閉じ部が係合されると、別個の部分は接触し、ポリマーと架橋剤が混合されて、粘性の架橋ポリマーコーキング組成物が生成され、該組成物は、閉じ部の係合部によって形成される少なくとも1つのボイドの中へ侵入する。他の例として、流動性液体とゲル化剤が閉じ部の別個の部分に施され、混合されて粘性のコーキング剤が生成される。また、二成分型接着材料が施され、混合されると反応して接着材(例えば、感圧接着材)が生成される。当該分野の専門家であれば、他の種類の化学変化も明らかであろう。
【0035】
図3は、本発明の他の実施例を示しており、再密封可能な閉じ部構造は、対向する係合部を少なくとも2組含んでおり、夫々、係合部(24)(28)及び(23)(26)が選択的に係合して、保存空間(22)に通じる開口(18)を密封する。係合部の各対は、幹部(30)(34)から延びる対称ヘッド(32)(36)を有する幾何学的形状を具えている。偏心ヘッドの各々は、幹部でオフセットされることが好ましく、幹部(34)、突出部(38)及び偏心ヘッド(36)によって形成される空隙の空間の中へ相補的にはめ込まれる。「偏心ヘッド(asymmetrical head)」という語は、取り付けられる前記形状部のヘッド部の中央線から実質的にずれていることを示している。
【0036】
幹部(34)、突出部(38)及び偏心ヘッド(36)によって形成される空間は、対応する係合部(23)(24)の偏心ヘッド(32)を選択的に係合可能な形状に形成された溝を有している。幹部(34)、突出部(38)及び偏心ヘッド(36)は、対応する係合部(23)(24)を選択的に係合するための間隙を有している。突出部(38)と幹部(34)の間隔、及び突出部(38)と偏心ヘッド(36)の間隔は、前記係合部(23)(24)(26)(28)が係合するとき、偏心ヘッド(32)が偏心ヘッド(36)の方へ付勢されるように十分に狭くなっている。係合部が係合したとき、偏心ヘッド(36)の付勢位置は突出部(38)の間隔と共に、偏心ヘッド(23)(24)の幅に対応し、偏心ヘッド(23)(24)を可逆的にインターロックする溝を形成している。
【0037】
図3をさらに参照すると、再密封可能な閉じ部は、偏心ヘッド(23)(24)(26)及び/又は(28)の少なくとも1つに配置されたコーキング組成物(99)を含んでいる。コーキング組成物(99)は、偏心型ヘッド(23)(24)(26)及び/又は(28)の上に堆積又は注入され、係合部(23)(24)(26)(28)が異なる温度及び圧力条件下で係合しても気密なシールが確実に得られる。コーキング組成物(99)は、対向して形成されるインターロック部(150)の長さ全体又は一部分(例えば、バッグ周囲のインターロッキング部(150)の端部)に沿って配置されることができる。
【0038】
図4(明瞭化のために一部の引用符号の記載を省略している)に示される他の実施例において、再密封可能な閉じ部(20)は、並んだ2組のインターロッキング部(150)の間のギャップにコーキング組成物(100)のビードを含んでいる。これに用いられるコーキング組成物(100)のビードは、インターロッキング部(150)端部と接触する。望ましい実施例において、コーキング組成物(100)のビードは、並んだインターロッキング部を分離する空隙に充満し、各組のインターロッキング部の雌形状体の溝と接触し、これによりシールが形成される。本発明のさらなる実施例において、再密封可能な構造の閉じ部(20)は、並んだ2組のインターロッキング部(150)の間のギャップにコーキング組成物(100)のビードと、(23)(26)及び/又は(24)(28)のうちの少なくとも1組のインターロッキング部の間に追加のコーキング組成物(99)を含んでいる。
【0039】
図5(明瞭化のために一部の引用符号の記載を省略している)に示される他の実施例において、再密封可能な閉じ部(20)は、並んだ2組のインターロッキング部(150)の間のギャップにシーラント材(45)のビードを含んでいる。シーラント材(45)は、前述したように、閉じ部に高適合性領域をもたらすことができるように選択された高EVA及びMIポリマーの組成物である。また、シーラント材(53)(55)のビードは、各々の雄形状体(23)(24)の先端部にも施されることができる。一般的に、シーラント材は、前述したポリマー組成物か、又は、前述した低密度(ULD)ポリマーにEVAが2%以上添加された組成物を含んでいる。再密封可能な閉じ部(20)が係合したとき、シーラント材(45)(53)(55)のビードにより、係合部(23)(26)及び係合部(24)(28)は長さ方向のほぼ全体に亘って気密なバリアが確実に形成される。シーラント材(45)のビードは、図6に示されるように、1組のインターロッキング部(150)の両側に配置されることもできる。上記実施例と同様、コーキング組成物のビードは、隣接するインターロッキング部の間に施されることができるし、(23)(26)及び(24)(28)の係合部の少なくとも1組に施されることもできる。
【0040】
図7は本発明のさらに他の実施例を示しており、再密封可能な閉じ部(20)は、偏心構造体を用いた前記実施例とは異なり、独立した略対称型形状体(60)(62)(64)(66)を有する再密封可能な閉じ片によって形成される。この実施例では、下記のヘッドは幹部からずれていない。即ち、各々の対称型要素(60)(62)(64)(66)は、ヘッド(70)と幹部(72)を含んでいる。ヘッド(70)は、幹部(72)の上に略対称に形成される。対称型形状体(60)(62)(64)(66)は、各パネル(12)(14)の2つの要素に配備され、隣接する要素間のギャップが、対称型形状部(60)(62)(64)(66)の形状に対応する形状を有する空間領域を画成する間隔及び形状に形成される。この実施例は、外側要素(80)(82)をさらに含んでいる。外側要素(80)(82)は、対称型形状体(60)(62)(64)(66)の方へ延びており、対称型形状体(60)(62)(64)(66)を互いに付勢する。外側要素(80)(82)は、最も外側の2つの対称型形状体(60)(66)に対応する大きさ及び形状である。前述の実施例と同様、コーキング組成物のビードは、(60)(62)(64)(66)のうちの1又は複数の対称型形状体の間に施されることができる。前記対称型形状体は、前述したように、例えば、前記形状体を構成する材料と共にシーリング材を共押出することにより、シーラント材の領域を含めることができる。
【0041】
図7に示されるように、略対称型の独立した形状体を有する複数組のインターロッキング部を用いることができる。ここでは、コーキング化合物のビードは、2組のインターロッキング部の間に施される。コーキング化合物のビードは、独立して、又は対称型形状部と対称型形状部の間に設けたコーキング組成物と共に施されることができる。本発明は、前述した幾何学的形状に限定されるものではなく、気密に密封できるようにコーキング組成物と適合できる形状であれば、本発明の範囲内であらゆる幾何学的形状も可能であることは理解されるべきである。
【0042】
図8は本発明の一実施例を示しており、再密封可能な閉じ部(20)は、開口とクランプ手段を具えている。クランプ手段は、クリップ(170)を、脱気可能なバッグ(14)とは別個に具えており、該クリップ(170)により、バッグ(14)の開口(18)が密封される。他の実施例において、クランプ手段は、棒状体(mandrel)(171)をさらに含むことができ、バッグ(14)の開口(18)は棒状体(171)の周りで巻かれる。クリップ(170)は、棒状体の周りに巻かれたバッグ(14)の一部を押圧して、密封状態となる。
【0043】
図1を参照すると、保存装置(10)は、一端部が保存空間(22)の内部に連通した真空導管と、真空バルブアッセンブリ(30)とを含んでいる。真空バルブアッセンブリ(30)は、保存空間(22)に連通する密封可能な通路を有しており、該通路を通じて、液体及び/又は気体が引き出される。
【0044】
図9は、真空バルブアッセンブリ(30)の一実施例を示しており、平らな表面(33)に少なくとも1つの孔(37)が開設されたベース(31)と、弾性のバルブ要素(35)と、調整部材(39)とを含んでいる。ベース(31)は、脱気可能なバッグ(14)に気密に係合される。バルブ要素(35)は、ほぼ平らな形状で、前記平らな表面(33)に隣接して配備される。調整部材(39)は、ベース(31)に連結され、バルブ要素(35)を平らな表面(33)に付勢する形状に作られる。バルブ要素(35)は、孔(37)が開いた第1の位置と、孔(37)が閉じた第2の位置との間を移動できる構造に作られる。バルブ要素(35)は、通常は、第2の位置に付勢されている。ベース(31)は、定められた形状を有しており、例えば凹状ディスクであるが、この形状に限定されるものではない。ベース(31)の外側表面(41)は平坦トーラス(flat torus)状である。
【0045】
本発明の一実施例において、真空バルブアッセンブリは、2005年4月6日に出願された米国特許出願公開第11/100,301号、発明の名称「脱気可能な容器」に開示されたバルブと同じものである。バルブ要素(35)の密封性は、シーリング材及び/又はコーキング化合物(コーキング組成物と称することもある)を、バルブアッセンブリのシーリング部材に含めることによって向上する。他の実施例において、真空バルブアッセンブリ(30)は、真空バルブアッセンブリのベース(31)の内側から延びる少なくとも1つのリブ(図示せず)をさらに含むことができる。ベース(31)から延びるこのリブにより、真空作用中、バルブアッセンブリが塞がれることはない。
【0046】
図1、図10a〜10c、図11a〜11d及び図15に示されるように、保存装置(10)は、隔離構造体(70)をさらに含んでいる。隔離構造体(70)は、液体及び気体を除去するための連通路として供される。これは、好ましくは、エンボス又はカット加工により形成されたチャンネル(72)を有する膜状片(71)である。隔離構造体のチャンネル(72)は、バッグ(14)が真空状態にあるときもつぶれない構造である。チャンネル(72)の形態は、例えば、ハニカム形態(図10a)、グリッド又は部分グリッド(図10b)、一連の平行溝(図10c)又は一連のピラミッド形(図11c)が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、あらゆる形状が可能である。図15を参照すると、隔離構造体(70)のキャビティ面(85)は、バルブアッセンブリ(30)に面し、隔離構造体(70)の突出面(86)は保存空間(22)に面する。
【0047】
ハニカム構造のチャンネルは、図11aの等角図に示されており、液体及び気体を除去する連通路となるチャンネル(72)は、一連の多面体構造(100)によって画定される。図11bは隔離構造体(70)の他の実施例を示しており、液体及び気体を除去するチャンネル(72)の形態は、一連の曲線状列(curvilinear columns)(120)によって形成される。
【0048】
チャンネルとして選択される幾何学的形状の如何に拘わらず、隔離構造体(70)は、断面に一連の凹凸面を形成することにより、液体及び気体を除去する通路を形成する。一実施例において、隔離構造体は、保存装置の内部と真空システムとの間を流体接続する流体導管と一体であり、該流体導管により、保存装置は脱気される。保存装置は、真空バルブ、隔離構造体、選択的にクイック接続装置、選択的に液体/蒸気分離器及び真空ポンプの吸引部を具えている。図12aを参照すると、チャンネル(72)は、隔離構造体(70)の断面の凸面(74)と凹面(75)とで形成された領域に設けられる。隔離構造体(70)は、図12aに示されるように、一連のチャンネル(72)は一方の面にだけ設けてもよいが、図12bに示されるように、両面に設けることもできる。図11cは本発明の一実施例を示しており、隔離構造体(70)のキャビティ面(85)は、チャンネル(72)を含んでおり、突起側(86)は、複数の多面体によって形成された一連の連通路を含んでいる。
【0049】
図13a〜13d、図14及び図15に示されるように、隔離構造体(70)はバッグ(14)の内側で、バルブアッセンブリ(30)と同じ側に接合される。隔離構造体(70)は脱気可能なバッグ(14)の側に熱接合することが好ましいが、当該分野の専門家に既知の他の接合方法を用いることもできる。隔離構造体(70)は、真空バルブアッセンブリ(30)の位置に対応する位置に配置される。図13dに示されるように、単一の保存装置(10)に、複数のバルブアッセンブリ(30)と複数の隔離構造体(70)を用いることもできる。
【0050】
図13aに示されるように、隔離構造体(70)の接合は、プラスチックシート(16)の上に折り畳む前に行なうことができ、隔離構造体(70)の側縁部(73)の全体がプラスチックシート(16)に接合される。図13bは他の実施例を示しており、隔離構造体(70)の保存装置(10)への接合は、隔離構造体の側縁部(73)の選択された部分だけをプラスチックシートに接合することによって行われる。また、隔離構造体(70)の取付は保存装置の片面に限定されるものではなく、図13cに示されるように、バッグ(14)の両面を横切るように取り付けることもできる。他の実施例において、隔離構造体(70)は、図13dに示されるように、プラスチックシートの上に対角線状に配置されることもできる。図12a〜12dに示される実施例は例示であって、隔離構造体(70)が真空バルブアッセンブリ(30)と流体接続し、保存装置(10)から液体及び気体を除去できるように配置されるのであれば、他の構造も可能であり、本発明の範囲内である。
【0051】
図14は、プラスチックシート(16)が折り畳まれ、2つの側部(15)が保存空間(22)を形成する周辺部に隣接して密封された後の隔離構造体(70)の配置を示している。図示の隔離構造体(70)は、保存空間(22)内でプラスチックシート(16)の面に接合されており、隔離構造体(70)のチャンネル(72)は、プラスチックシート(16)の表面に面し、該表面に隔離構造体(70)が接合される。他の実施例において、隔離構造体(70)はその両面にチャンネル(72)を含んでおり(図12b)、隔離構造体(70)の第1の面側のチャンネルは、プラスチックシート(16)の隔離構造体(70)が接合される表面に面し、隔離構造体(70)の第2の面側のチャンネル(72)は対向するプラスチックシートに面する。
【0052】
図15は、図14に示す保存装置(10)の9−9線に沿う断面図であり、隔離構造体(70)のチャンネル(72)は、保存空間(22)から離れる方向で、真空バルブアッセンブリ(30)へ接近する方向に向いており、プラスチックシート(16)の表面に隔離構造体(70)が取り付けられる。真空を作用させる前に、バルブアッセンブリ(30)に対向する隔離構造体(70)の一部を、バルブアッセンブリ(30)から、約0.003”乃至約0.25”の距離D1を離間させることができる。
【0053】
一実施例において、真空ポンプは真空導管に取り付けられ、該真空導管は、少なくとも1つの真空バルブを含み、少なくとも1つの隔離構造体と流体通過可能に接続される。真空ポンプが作動し、真空バルブアッセンブリ(30)及び隔離構造体を通じて保存装置の内部に真空が作用すると、保存空間(22)は、収容された食品の上に崩れる。真空が作用している間、隔離構造体(70)は食品を真空バルブアッセンブリ(30)と分離するので、食品は保存空間(22)から除去される空気又は液体の流れを妨げることはなく、保存装置の壁は食品に密着する。また、真空作用により、隔離構造体(70)に対向するプラスチックシート(16)の部分は崩れて、隔離構造体(70)の隆起部の上に密着するから、残存する全ての液体及び空気は、隔離構造体(70)の凹状チャンネルから除去されることができる。真空が作用すると、バルブアッセンブリ(30)と隔離構造体(70)の対向する隆起面との離間距離D1はほぼ無くなるが、その間、隔離構造体(70)の凹状チャンネルから残存空気及び液体を除去する通路は有効に維持される。
【0054】
図1に示されるように、再密封可能な閉じ部(20)は、手で操作できることは理解されるであろう。しかしながら、図1、図16a及び16bに示されるように、再密封可能な閉じ部(20)は閉じクリップ(80)と端部クリップ(82)を含むことができる。閉じクリップ(80)は剛性のU字状部材(84)であり、少なくとも第1及び第2の面の突起(54)(56)(58)の上にぴったりと適合するように作られる。U字状部材(84)は、突起(54)(56)(58)の上を移動するとき、雄形状体の突起(54)を、他方の突起(56)(58)によって形成された溝(60)の中へ付勢するように構成される。複数の突起を有する本発明の実施例において、U字状部材(84)は複数の突起(62)(64)の上にきちんと適合するように構成され、ここで、U字状部材は、少なくとも1つの追加の突起(62)を、他の突起(64)によって形成される少なくとも1つの溝の中へ付勢する。閉じクリップ(80)により、クリップ(80)が第1の方向に沿って進むときにインターロッキング部(21)が係合し、第1の方向と反対方向に進むときはインターロッキング部(21)の係合に影響を及ぼさない。より具体的には、閉じクリップ(80)は、係合されたインターロッキング部(21)の上を移動するとき、インターロッキング部を分離しないのである。端部クリップ(82)は、再密封可能な閉じ部(20)の端部に接合され、バッグ(14)を横切るときに封鎖クリップの動きを拘束する。端部クリップの断面図が図17に示されている。
【0055】
前述の如く、再密封可能な保存装置の一実施例では、低圧側が真空導管に取り付けられた真空装置を含むシステムの一部を含んでおり、前記真空導管は、保存装置の内部に流体流通可能に接続され、前述の真空バルブを含んでいる。前記アッセンブリは、所望により、真空導管の真空ポンプと保存装置の間にクイック取外し手段を含んでおり、所望により、真空導管の真空ポンプの吸引部と保存装置の間に気体/液体分離手段を含んでいる。
【0056】
本発明に係る再密封可能な保存装置を脱気するのにあらゆる真空装置を用いることができる。しかしながら、実施例によっては、手持ち式又は可搬式の真空ポンプを用いることが好ましい。適当な可搬式装置の一例が図21に示されている。図21に示される可搬式真空ポンプアッセンブリは、図示はしないが、電源(例えば、バッテリー)、吸引部及び排気部を有する真空ポンプ、並びにモータを含んでいる。真空ポンプは、クイック接続手段により、保存装置の内部に接続された流体導管に接続されることができ、クイック接続手段の第1の部分は真空ポンプアッセンブリと一体であり、クイック接続手段の他方の部分は可撓性保存装置と一体である。この一例は、真空ポンプ(40)の接続端部(42)として、図1に示されている。図示の如く、接続端部(42)は所定の形状を有しており、例えば、凸状ディスク若しくは凹状ディスクであり、又は保存装置に連繋された流体導管の一端部を画定する真空バルブアッセンブリの外側表面の内側開口に嵌まる形状のディスクである。接続端部(42)は、真空バルブアッセンブリと係合できる形状に形成され、真空ポンプ(40)と流体流通可能な通路を形成する。このように、可搬式真空ポンプ(40)の接続端部は、クイック接続手段として機能することもできる。例えば、吸引カップのチップ(160)には、図18a及び18bに示されるように、真空作用中の吸引を維持するために、隔離構造体(161)が一体に形成されている。なお、真空バルブアッセンブリとクイック接続できる形状であれば、例えば真空チップ(接続端部(42))もクイック接続手段として用いることも本発明の範囲内であることは理解されるべきである。「クイック接続」は、別個の締結具を用いることなく、又は分離可能なシーリング部材を除去することなく、バルブアッセンブリ(30)と接続端部(42)とを密封する必要がある。真空システムを、真空ポンプの吸引部と保存装置の内部を流体伝達する流体導管に接続するのに、公知の多くの結合手段を用いられることは理解されるであろう。
【0057】
図19及び図20に示されるように、アッセンブリは、液体分離器(90)を含むこともできる。液体分離器(90)は、液体を集めることができ、気体を真空ポンプアッセンブリ(40)の吸引部に引き込むことができるように構成される。一実施例において、液体分離器(40)は、チューブ(92)、アキュムレータのハウジング(94)及びダイバータ(96)を含んでいる。チューブ(92)は、取付端部(42)とアキュムレータハウジング(94)の両方を密封できるように構成されたベース(98)をさらに含んでいる。アキュムレータハウジング(94)は、液体を収容可能なカップの如き形状である。ダイバータ(96)は、チューブ(92)の先端に係合し、チューブ(92)内の流体の軸方向の流れをアキュムレータハウジング(94)へ方向変換できるように構成される。それゆえ、組立てに際しては、取付端部(42)はチューブのベース(98)の下側に接続され、アキュムレータハウジング(94)はチューブのベース(98)の上側に接続される。ダイバータ(96)は、チューブ(92)の先端部に配備される。このようにして、取付端部(42)からアキュムレータハウジング(94)への流体通路が形成される。
【0058】
使用に際し、可搬式真空ポンプ(40)は、保存装置の内部、例えば図示の如く、真空バルブアッセンブリ(30)の外側表面に接続された真空導管に係合可能である。可搬式真空ポンプ(40)が接続され、真空バルブアッセンブリ(30)が圧力差によって作動すると、バルブ要素(35)は、前述した第1の位置へ移動し、真空導管通路は開いて、流体(気体と液体)がバッグ(14)から真空導管を通って真空ポンプの吸引部へ引き出される。流体は、液体と気体の両方であってよい。分離器が真空導管の中にあり、液体と気体が液体分離器(90)の中へ引き出されるとき、液体はダイバータ(96)に接触し、アキュムレータハウジング(94)の中へ貯められる。それゆえ、液体は気体と一緒に真空ポンプの方へ引き出されない。気体は、真空ポンプアッセンブリ(40)から真空ポンプを経て排出される。アキュムレータハウジング(94)を空にする必要があるとき、使用者はチューブ(92)とベース(98)を取り除いて、液体を真空ポンプアッセンブリ(40)から排出することができる。
【0059】
可搬式ポンプ(40)が作動すると、空気は保存空間(22)から引き出される。それゆえ、図21に示されるように、食品等の物品(1)が保存装置(10)の中へ入れられる。隔離構造体(70)は、脱気可能なバッグ(14)を形成するプラスチックシート、又はバッグ(14)内の物品をが、真空バルブアッセンブリ(30)の妨げとならないように形成される。即ち、隔離構造体(70)のチャンネル(72)は、バッグ(14)内で液体及び気体の通路を形成し、この通路を経て、液体及び気体はバルブアッセンブリ(30)に達することができる。チャンネルが隔離構造体の両面に配置された本発明の実施例では、バッグの中へ入れられた物品と接触するチャンネルにより、液体と気体は、隔離構造体(70)と、保存空間に収容された物品との間にトラップされない。
【0060】
本発明の具体的実施例を開示したが、当該分野の専門家であれば、数多くの変形及び他の実施例が可能であることは理解されるべきである。それゆえ、本発明の精神及び範囲内で行われる係るそのような変形及び実施例を全て含むことを意図していることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】保存装置の正面図である。
【図2】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図3】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図4】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図5】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図6】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図7】保存装置の中に入れられた食品との少なくとも偶発的接触に適したコーキング組成物を含む再密封可能な閉じ部の断面図である。
【図8】クランプ装置が再密封可能な閉じ部として供される本発明の一実施例の斜視図である。
【図9】真空バルブアッセンブリの分解図である。
【図10a】隔離構造体の正面図である。
【図10b】隔離構造体の正面図である。
【図10c】隔離構造体の正面図である。
【図11a】隔離構造体の斜視図である。
【図11b】隔離構造体の斜視図である。
【図11c】隔離構造体の斜視図である。
【図12a】隔離構造体の断面図である。
【図12b】隔離構造体の断面図である。
【図13a】折り畳まれていない状態の保存装置の実施例の斜視図である。
【図13b】折り畳まれていない状態の保存装置の実施例の斜視図である。
【図13c】折り畳まれていない状態の保存装置の実施例の斜視図である。
【図13d】折り畳まれていない状態の保存装置の実施例の斜視図である。
【図14】折り畳まれた状態の保存装置の実施例の斜視図である。
【図15】図14の保存装置の9−9線に沿う断面図である。
【図16a】封鎖クリップの正面図である。
【図16b】封鎖クリップの側面図である。
【図17】端部ストッパーの側面図である。
【図18a】可搬式ポンプの吸引カップのチップの斜視図である。
【図18b】図18aに示された可搬式ポンプの吸引カップのチップの側部断面図である。
【図19】液体分離器の分解断面図である。
【図20】液体分離器の分解斜視図である。
【図21】隔離構造体と真空バルブアッセンブリを含むバッグの使用状態を示す斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引部を有する真空ポンプと、
前記真空ポンプの吸引部と流体流通可能で、気体/液体分離手段と、内部にコーキング組成物を選択的に含む少なくとも1つの真空バルブとを具える真空導管と
真空導管と流体流通可能な内部空間を形成する脱気可能なパッケージとを具えると共に、選択的に、
前記内部空間の中に配備され、前記真空導管と流体流通可能な1又は複数の隔離構造体と、
1又は複数のクイック接続手段と、
脱気可能なパッケージの開口を構成する再密封可能な閉じ部と、を含んでいる真空システム。
【請求項2】
脱気可能なパッケージは、再密封可能な閉じ部によって形成される開口を有しており、前記再密封可能な閉じ部は、少なくとも1組のインターロッキング部と、該インターロッキング部に施されたコーキング組成物を含んでおり、前記閉じ部は、選択的に、シーリング材をさらに含んでいる請求項1の真空システム。
【請求項3】
真空ポンプは、可搬式の真空ポンプであり、真空導管は、気体/液体分離手段と真空バルブの間に配備されたクイック接続手段を具えている請求項2の真空システム。
【請求項4】
クイック接続手段の一部は真空バルブと一体である請求項3の真空システム。
【請求項5】
再密封可能な閉じ部は、閉じクリップをさらに具えており、該クリップは、第1の方向に沿う位置にあるときはインターロッキング部と係合し、第1の方向と反対側の第2の方向に沿う位置にあるときはインターロッキング部と係合解除しない構造である請求項3の真空システム。
【請求項6】
コーキング組成物は、再密封可能な閉じ部が密封状態にあるときに存在する少なくとも1つの空間に侵入することができる請求項3の真空システム。
【請求項7】
コーキング組成物は、クラッシュシール近傍の再密封可能な閉じ部の周辺部の少なくとも一部にて、1又は複数の係合部の係合面に沿って配置される請求項6の真空システム。
【請求項8】
コーキング組成物は、少なくとも食品との偶発的接触に適している請求項6の真空システム。
【請求項9】
コーキング組成物は、2種類の反応性成分を含んでおり、各成分は、閉じ部の分離部に施され、閉じ部の係合部が最初に係合したとき、反応性成分は混合されて反応生成物を生成し、該反応生成物は、閉じ部の係合部によって形成される少なくとも1つの空間に侵入する請求項6の真空システム。
【請求項10】
コーキング組成物は、食品の保存及びパッケージングに適した温度範囲で化学的安定性を維持する請求項8の真空システム。
【請求項11】
コーキング組成物の粘度は、温度が上昇するにつれて低下する請求項10の真空システム。
【請求項12】
コーキング組成物は、約−10°F乃至約+160°Fの温度範囲で分解しない請求項10の真空システム。
【請求項13】
コーキング組成物は、重量%にて、ジメチルポリシロキサン94%及びヒュームドシリカ6%を含んでいる請求項12の真空システム。
【請求項14】
コーキング組成物は、60ストローク及び約77°Fの条件で測定したときの混和ちょう度が約290〜約340である請求項12の真空システム。
【請求項15】
コーキング組成物は、大豆接着材を含んでいる請求項12の真空システム。
【請求項16】
再密封可能な閉じ部は、低密度ポリエチレン、エチレンビニルアセテートコポリマー、超低密度ポリオレフィン、及びポリオレフィンのうちの1種又は2種以上から選択されるシーリング材を含んでおり、該シーリング材の密度は、ASTM D-1505-03に基づいて測定したときの値が0.925g/cm3以下である請求項3の真空システム。
【請求項17】
再密封可能な閉じ部は、2対以上の係合部材がほぼ並列に配置されている請求項3の真空システム。
【請求項18】
クイック接続手段の一部は吸引カップチップを具えている請求項3の真空システム。
【請求項19】
凹状面及び凸状面を有するプラスチックシートを含む隔離構造体を具えており、該隔離構造体は、パッケージの内部空間に配備され、凹状面は少なくとも1つの真空バルブの近位側にあって、真空導管の一部を構成し、凸状面は少なくとも1つの真空バルブの遠位側にある請求項18の真空システム。
【請求項20】
隔離構造体は、少なくとも1つの面にエンボスが形成されており、前記エンボスは、(a)一連のチャンネル、(b)グリッド状の溝、(c)並列溝、(d)ハニカム模様の溝、(e)一連の曲線状列、(f)一連の多面体構造、のうちの1又は複数の形態である請求項18の真空システム。
【請求項21】
再密封可能な閉じ部は、分離可能なクランプ手段を具えている請求項1の真空システム。
【請求項22】
請求項1の真空システムによる使用に適した保存バッグであって、内部空間を画定する少なくとも1つのポリマーシートと、少なくとも1つの真空バルブと、該真空バルブに連繋され、真空導管の少なくとも一部を画定する少なくとも1つの隔離構造体とを具えている保存バッグ。
【請求項23】
周囲の少なくとも一部に沿って折り畳まれ、密封されて、保存空間を形成する少なくとも1つのポリマーシートと、
保存空間に対応する少なくとも1つのポリマーシートの一部に配備された少なくとも1つの真空バルブアッセンブリと、
少なくとも1つの真空バルブに近接して少なくとも1つのポリマーシートに接合された隔離構造体と、を具えており、
前記隔離構造体は、前記バルブアッセンブリに隣接する隔離構造体の一部にて、保存空間から離れる方向に面する一連のチャンネルを有しており、該チャンネルは、保存空間と真空バルブの間を流体が流通できるように、保存空間と真空バルブに連通している、請求項21の保存バッグ。
【請求項24】
請求項1の真空システムによる使用に適した保存バッグであって、
周囲の少なくとも一部に沿って折り畳まれ、密封されて、保存空間を形成する少なくとも1つのポリマーシートと、
保存空間の開口に沿って配備され、少なくとも第1組の係合部と、第1組の係合部の近傍にてほぼ平行に配備された少なくとも第2組の係合部とを具える閉じ部であって、第1組の係合部と第2組の係合部が係合したとき、シーリング材が、第1組の係合部及び第2組の係合部の少なくとも1つと相互作用する領域を有している閉じ部と、
第1組の係合部と第2組の係合部が係合したとき、第1組の係合部及び第2組の係合部の少なくとも1つによって形成される少なくとも1つの空間に侵入するように配置されたコーキング組成物のビードと、を含んでおり、
前記コーキング組成物は、食品との少なくとも偶発的接触に適しており、食品の保存及びパッケージングに適した温度範囲で化学的安定性を維持する、保存バッグ。
【請求項25】
コーキング組成物は、第1組の係合部と第2組の係合部の少なくとも1つに沿って施される請求項24の保存バッグ。
【請求項26】
コーキング組成物のビードは、第1組の係合部と第2組の係合部の間の閉じ部のフランジ部に施される請求項24の保存バッグ。
【請求項27】
少なくとも1つのポリマーシートは、内側シーラント層と外側バリア層とを具えており、内側シーラント層は、低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレンを含んでおり、外側バリア層は、ナイロン、ポリプロピレン又はポリエステルを含んでいる請求項24の保存バッグ。
【請求項28】
物品を真空密封する方法であって、
物品を、請求項2の真空システムに係る脱気可能パッケージの内部空間に収容し、前記再密封可能な閉じ部を密封し、前記真空ポンプを用いて脱気する、ことを含んでいる方法。
【請求項29】
物品を真空密封する方法であって、
物品を、請求項3の真空システムに係る脱気可能パッケージの内部空間に収容し、前記再密封可能な閉じ部を密封し、前記真空ポンプを用いて脱気する、ことを含んでいる方法。
【請求項1】
吸引部を有する真空ポンプと、
前記真空ポンプの吸引部と流体流通可能で、気体/液体分離手段と、内部にコーキング組成物を選択的に含む少なくとも1つの真空バルブとを具える真空導管と
真空導管と流体流通可能な内部空間を形成する脱気可能なパッケージとを具えると共に、選択的に、
前記内部空間の中に配備され、前記真空導管と流体流通可能な1又は複数の隔離構造体と、
1又は複数のクイック接続手段と、
脱気可能なパッケージの開口を構成する再密封可能な閉じ部と、を含んでいる真空システム。
【請求項2】
脱気可能なパッケージは、再密封可能な閉じ部によって形成される開口を有しており、前記再密封可能な閉じ部は、少なくとも1組のインターロッキング部と、該インターロッキング部に施されたコーキング組成物を含んでおり、前記閉じ部は、選択的に、シーリング材をさらに含んでいる請求項1の真空システム。
【請求項3】
真空ポンプは、可搬式の真空ポンプであり、真空導管は、気体/液体分離手段と真空バルブの間に配備されたクイック接続手段を具えている請求項2の真空システム。
【請求項4】
クイック接続手段の一部は真空バルブと一体である請求項3の真空システム。
【請求項5】
再密封可能な閉じ部は、閉じクリップをさらに具えており、該クリップは、第1の方向に沿う位置にあるときはインターロッキング部と係合し、第1の方向と反対側の第2の方向に沿う位置にあるときはインターロッキング部と係合解除しない構造である請求項3の真空システム。
【請求項6】
コーキング組成物は、再密封可能な閉じ部が密封状態にあるときに存在する少なくとも1つの空間に侵入することができる請求項3の真空システム。
【請求項7】
コーキング組成物は、クラッシュシール近傍の再密封可能な閉じ部の周辺部の少なくとも一部にて、1又は複数の係合部の係合面に沿って配置される請求項6の真空システム。
【請求項8】
コーキング組成物は、少なくとも食品との偶発的接触に適している請求項6の真空システム。
【請求項9】
コーキング組成物は、2種類の反応性成分を含んでおり、各成分は、閉じ部の分離部に施され、閉じ部の係合部が最初に係合したとき、反応性成分は混合されて反応生成物を生成し、該反応生成物は、閉じ部の係合部によって形成される少なくとも1つの空間に侵入する請求項6の真空システム。
【請求項10】
コーキング組成物は、食品の保存及びパッケージングに適した温度範囲で化学的安定性を維持する請求項8の真空システム。
【請求項11】
コーキング組成物の粘度は、温度が上昇するにつれて低下する請求項10の真空システム。
【請求項12】
コーキング組成物は、約−10°F乃至約+160°Fの温度範囲で分解しない請求項10の真空システム。
【請求項13】
コーキング組成物は、重量%にて、ジメチルポリシロキサン94%及びヒュームドシリカ6%を含んでいる請求項12の真空システム。
【請求項14】
コーキング組成物は、60ストローク及び約77°Fの条件で測定したときの混和ちょう度が約290〜約340である請求項12の真空システム。
【請求項15】
コーキング組成物は、大豆接着材を含んでいる請求項12の真空システム。
【請求項16】
再密封可能な閉じ部は、低密度ポリエチレン、エチレンビニルアセテートコポリマー、超低密度ポリオレフィン、及びポリオレフィンのうちの1種又は2種以上から選択されるシーリング材を含んでおり、該シーリング材の密度は、ASTM D-1505-03に基づいて測定したときの値が0.925g/cm3以下である請求項3の真空システム。
【請求項17】
再密封可能な閉じ部は、2対以上の係合部材がほぼ並列に配置されている請求項3の真空システム。
【請求項18】
クイック接続手段の一部は吸引カップチップを具えている請求項3の真空システム。
【請求項19】
凹状面及び凸状面を有するプラスチックシートを含む隔離構造体を具えており、該隔離構造体は、パッケージの内部空間に配備され、凹状面は少なくとも1つの真空バルブの近位側にあって、真空導管の一部を構成し、凸状面は少なくとも1つの真空バルブの遠位側にある請求項18の真空システム。
【請求項20】
隔離構造体は、少なくとも1つの面にエンボスが形成されており、前記エンボスは、(a)一連のチャンネル、(b)グリッド状の溝、(c)並列溝、(d)ハニカム模様の溝、(e)一連の曲線状列、(f)一連の多面体構造、のうちの1又は複数の形態である請求項18の真空システム。
【請求項21】
再密封可能な閉じ部は、分離可能なクランプ手段を具えている請求項1の真空システム。
【請求項22】
請求項1の真空システムによる使用に適した保存バッグであって、内部空間を画定する少なくとも1つのポリマーシートと、少なくとも1つの真空バルブと、該真空バルブに連繋され、真空導管の少なくとも一部を画定する少なくとも1つの隔離構造体とを具えている保存バッグ。
【請求項23】
周囲の少なくとも一部に沿って折り畳まれ、密封されて、保存空間を形成する少なくとも1つのポリマーシートと、
保存空間に対応する少なくとも1つのポリマーシートの一部に配備された少なくとも1つの真空バルブアッセンブリと、
少なくとも1つの真空バルブに近接して少なくとも1つのポリマーシートに接合された隔離構造体と、を具えており、
前記隔離構造体は、前記バルブアッセンブリに隣接する隔離構造体の一部にて、保存空間から離れる方向に面する一連のチャンネルを有しており、該チャンネルは、保存空間と真空バルブの間を流体が流通できるように、保存空間と真空バルブに連通している、請求項21の保存バッグ。
【請求項24】
請求項1の真空システムによる使用に適した保存バッグであって、
周囲の少なくとも一部に沿って折り畳まれ、密封されて、保存空間を形成する少なくとも1つのポリマーシートと、
保存空間の開口に沿って配備され、少なくとも第1組の係合部と、第1組の係合部の近傍にてほぼ平行に配備された少なくとも第2組の係合部とを具える閉じ部であって、第1組の係合部と第2組の係合部が係合したとき、シーリング材が、第1組の係合部及び第2組の係合部の少なくとも1つと相互作用する領域を有している閉じ部と、
第1組の係合部と第2組の係合部が係合したとき、第1組の係合部及び第2組の係合部の少なくとも1つによって形成される少なくとも1つの空間に侵入するように配置されたコーキング組成物のビードと、を含んでおり、
前記コーキング組成物は、食品との少なくとも偶発的接触に適しており、食品の保存及びパッケージングに適した温度範囲で化学的安定性を維持する、保存バッグ。
【請求項25】
コーキング組成物は、第1組の係合部と第2組の係合部の少なくとも1つに沿って施される請求項24の保存バッグ。
【請求項26】
コーキング組成物のビードは、第1組の係合部と第2組の係合部の間の閉じ部のフランジ部に施される請求項24の保存バッグ。
【請求項27】
少なくとも1つのポリマーシートは、内側シーラント層と外側バリア層とを具えており、内側シーラント層は、低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレンを含んでおり、外側バリア層は、ナイロン、ポリプロピレン又はポリエステルを含んでいる請求項24の保存バッグ。
【請求項28】
物品を真空密封する方法であって、
物品を、請求項2の真空システムに係る脱気可能パッケージの内部空間に収容し、前記再密封可能な閉じ部を密封し、前記真空ポンプを用いて脱気する、ことを含んでいる方法。
【請求項29】
物品を真空密封する方法であって、
物品を、請求項3の真空システムに係る脱気可能パッケージの内部空間に収容し、前記再密封可能な閉じ部を密封し、前記真空ポンプを用いて脱気する、ことを含んでいる方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図14】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図13c】
【図13d】
【図14】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18a】
【図18b】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2008−507457(P2008−507457A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522812(P2007−522812)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/026070
【国際公開番号】WO2006/012528
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(500277629)アルコア インコーポレイテッド (49)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/026070
【国際公開番号】WO2006/012528
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(500277629)アルコア インコーポレイテッド (49)
【Fターム(参考)】
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