説明

デジタルコンテンツプレーヤ、トークンレジストリ、及びトークンを使用するオリジナル記録媒体

【課題】権利発行を伴うアドバンストコピー、管理されたコピートークンなどを用いたデジタル著作権管理方法及びシステムを提供する。
【解決手段】デジタルコンテンツパッケージ上で権利管理操作を行うDRMエージェントは、権利管理命令により要求された権利管理操作を可能にすべきか否かを決定する。使用権をデジタルコンテンツパッケージに関連付け、デジタル権利トークンを管理し、所定の放送日を有するデジタルコンテンツパッケージを管理し、コンテンツがDRM環境間で移転された場合に使用権を保存し、コンテンツパッケージを配信することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル著作権管理(Digital Rights Management:DRM)システム及び方法に関する。より詳しくは、例えば権利発行を伴うアドバンストコピー、管理されたコピートークンなどを用いたデジタル著作権管理方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な態様のデジタル著作権管理(DRM)に対応すべく各種システムが開発されている。しかし、こうした従来のシステムの多くは、デジタル著作権管理用命令の取り扱い、使用権のデジタルコンテンツパッケージへの関連付け、デジタル著作権トークンの管理、所定の放送日時を有するデジタルコンテンツパッケージの管理、コンテンツがDRM環境間で移転された際の使用権の保護、及びコンテンツパッケージの配信に関するロバストな機構を備えていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、上記及び他の課題を解決するための方法及びシステムが求められている。上記及び他の課題は、例えば権利発行を伴うアドバンストコピー、管理されたコピートークンなどを用いたデジタル著作権管理方法及びシステムを提供する本発明の例示的実施形態によって解決される。例示的実施形態は、デジタル著作権管理用命令の取り扱い、使用権のデジタルコンテンツパッケージへの関連付け、デジタル著作権トークンの管理、所定の放送日時を有するデジタルコンテンツパッケージの管理、コンテンツがDRM環境間で移転された際の使用権の保護、及びコンテンツパッケージの配信に関するロバストな機構を提供する点で有利である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明の例示的態様において、デジタルコンテンツパッケージ上で権利管理操作を行うDRMエージェントを有するデジタルコンテンツプレーヤ(再生装置)のためのシステム、方法及びコンピュータプログラム製品が提供され、前記システム、方法及びコンピュータプログラム製品は、デジタルコンテンツプレーヤにより実行される、デジタルコンテンツパッケージに関連付けられた権利管理命令をロードし、デジタルコンテンツプレーヤ上で権利管理命令を実行し、DRMエージェントにより処理するためにデジタルコンテンツパッケージに関連付けられたサポートライセンスをロードすることを含む。DRMエージェントは、権利管理命令により要求された権利管理操作を許可すべきか否かを決定する。
【0005】
本発明の更に例示的態様において、デジタルコンテンツに使用権を付与するシステム、方法及びコンピュータプログラム製品が提供され、前記システム、方法及びコンピュータプログラム製品は、デジタルコンテンツパッケージに1セットの使用権を関連付け、オリジナル記録媒体上にデジタルコンテンツパッケージを記録し、ユーザ記録媒体上に、デジタルコンテンツパッケージの適法コピーを作製し、使用権を適法コピーと関連付けて提供することを含む。使用権は第一の規定及び第二の規定を含む。第一の規定はオリジナル記録媒体が存在する状態においてのみ提供される権利に関する。第二の規定はオリジナル記録媒体が存在しない状態又は存在する状態で提供される権利に関する。
【0006】
本発明の更に別の例示的態様において、使用権に従ってデジタルコンテンツパッケージを再生するよう構成されたデジタルコンテンツプレーヤのためのシステム、方法及びコンピュータプログラム製品が提供され、前記デジタルコンテンツプレーヤは、デジタルコンテンツパッケージをレンダリングするためのレンダリング部と、対応するトークン発行人からのトークン管理権に基づいてトークンを格納し、作製し、譲渡(移転)するためのトークンレポジトリと、デジタルコンテンツパッケージに関連付けられた使用権を解釈及び実施し、使用権が特定の識別子を備えたトークンの所有を要求する場合に、特定の識別子を備えたトークンの所有の有無を確認するようトークンレポジトリと通信するためにトークンレポジトリ及びレンダリング部に接続されたDRMエージェントと、を含む。
【0007】
本発明の更に別の例示的態様において、オリジナル記録媒体のためのシステム、方法及びコンピュータプログラム製品が提供され、オリジナル記録媒体は、所定の放送日時を有するデジタルコンテンツパッケージの記録と、デジタルコンテンツパッケージ用の1セットの使用権と、を含む。使用権は、所定の放送日時より前にデジタルコンテンツパッケージが閲覧されることを許可しない。
【0008】
本発明の更に別の例示的態様において、コンテンツがDRM環境間で移転される場合に使用権を保存するシステム、方法及びコンピュータプログラム製品が提供され、前記システム、方法及びコンピュータプログラム製品は、第一のDRM環境における実施に適した第一のセットの使用権をデジタルコンテンツパッケージに割り当て、第二のDRM環境にデジタルコンテンツパッケージを移転し、第一のセットの使用権を第二のDRM環境における実施に適した第二のセットの使用権に変換し、デジタルコンテンツパッケージに第二のセットの使用権を関連付け、第一のセットの使用権のデジタルコンテンツパッケージへの関連付けを維持する。
【0009】
本発明の更に別の例示的態様において、デジタルコンテンツパッケージを配信するためのシステム、方法及びコンピュータプログラム製品が提供され、前記システム、方法及びコンピュータプログラム製品は、1セットの使用権をデジタルコンテンツパッケージに関連付け、デジタルコンテンツパッケージの許可された変更に対し発行される権利を定義する1セットのメタ権利をデジタルコンテンツパッケージに関連付けることを含む。
【0010】
本発明の更に別の態様、特徴及び利点は、本発明を実施することを意図した最良の形態を含む多数の例示的実施形態及び実施を説明することで、以下の詳細な説明から容易に明らかとなる。更に、本発明は他の異なる実施形態とすることもでき、その詳細は本発明の精神及び範囲を逸脱しない範囲で様々なに変更可能である。従って、図面及び説明は本質的に例示的なものであり、限定的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】例示的なデジタル著作権管理(DRM)システムを示す図である。
【図2】指示を受領するための例示的フロー図である。
【図3】例示的なコンテンツを示す図である。
【図4】例示的な使用権移転(譲渡)を示す図である。
【図5】再生、コピー及び発行などの権利により管理されたアクションを処理するための例示的フロー図である。
【図6】トークンレポジトリ、トークン及びトークン識別子を含む例示的レポジトリを示す図である。
【図7】トークン権、コンテンツ及び使用権を含む例示的媒体を示す図である。
【図8】例示的なトークンファイルシステムを示す図である。
【図9】例示的なデータベースを示す図である。
【図10】例示的なトークン識別子文法を示す図である。
【図11】例示的なトークン移転(譲渡)を示す図である。
【図12】管理されたコピートークン(Managed Copy Tokens:MCT)を利用するための例示的フロー図である。
【図13】例示的DRMシステムが、条件が満たされたか否かを決定する方法を詳解した例示的フロー図である。
【図14】コンテンツ配信を詳解した例示的フロー図である。
【図15】コンテンツ配信のための更に別の例示的DRMシステムを示す図である。
【図16】従来の使用権処理を示す図である。
【図17】従来の使用権処理を示す図である。
【図18】例示的実施形態による従来の使用権処理を示す図である。
【図19】例示的実施形態による従来の使用権処理を示す図である。
【図20】例示的実施形態による従来の使用権処理を示す図である。
【図21】例示的実施形態による、変更されたコンテンツと使用権がどのように関連付けられるかを示す図である。
【図22】例示的なライセンスを示す図である。
【図23】例示的実施形態による例示的使用権要素を示す図である。
【図24】例示的実施形態による例示的使用権要素を示す図である。
【図25】例示的実施形態による例示的使用権要素を示す図である。
【図26】例示的実施形態による例示的使用権要素を示す図である。
【図27】例示的実施形態による例示的使用権要素を示す図である。
【図28】更に別の例示的DRMシステムを示す図である。
【図29】更に別の例示的DRMシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面に示される本発明の実施形態はあくまで例であり、本発明を制限する意図はない。同様の参照番号は同様の要素を示す。
【0013】
以下、図面、特に図1を参照しながら、例示的実施形態による例示的デジタル著作権管理システム100を説明する。同様の参照番号は複数の図面にまたがって同一部分又は対応部分を示す。図1において、コンテンツ(101、105)は、ディスク(101)又はネットワーク(103)を介してサーバ(104)からコンテンツ再生装置(102)に入力される。コンテンツ(300)として、オーディオ又はビデオ媒体ファイル(301、302)、実行可能コード(303、304)、権利(305、306)及びメタデータのうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。コンテンツ再生装置(102)(略して「プレーヤ」と呼ぶ)は、ハードウェアデバイス、ソフトウェア又はファームウェアとして実施できる。
【0014】
プレーヤの可能な2つの機能として、コンテンツのコピーを作製する機能及び権利を発行する機能が考慮される。プレーヤにより、上記機能のいずれか又は両方を有する。一実施形態において、プレーヤは、例えばコンテンツディスクがプレーヤのドライブに載置された直後など所定の状況下にてこれらの機能のいずれか又は両方を実行できる。別の実施形態では、プレーヤは、プレーヤにこれらのいずれか又は両方の機能を実行させるべくユーザが利用できるように、プレーヤハードウェア、リモートコントロール、及び/又は付属モニタの1個以上のボタン、又はマウス等の他のユーザインタフェース要素を有してもよい。第三の実施形態では、プレーヤは、インタラクティブ(対話的)な方法でユーザに対しコンテンツの一部を表示する別の機能を有することができ、コンテンツのインタラクティブコンポーネントにより、コンテンツのコピー作製又は権利発行のいずれかもしくは両方の機能を実行させようプレーヤを導くことができる。別の実施形態において、プレーヤは上記いずれか又は両方の機能をいつ実行するかに関する指示命令をコンテンツから読み取ることができる。更に別の実施形態では、プレーヤは、これらの各種実施形態の態様を組み合わせることが可能である。例えば、プレーヤは、いつコピーを行うかを決定するためのハードウエアボタンを有していてもよく、いつ権利を発行するか、及びどの権利を発行するかを決定するためにコンテンツの対話的機能を利用してもよい。
【0015】
本願における用語「権利管理命令」は、デジタルコンテンツへの、又はデジタルコンテンツのコピーのための権利発行などの権利管理操作のための命令を指す。前記命令は、デジタルコンテンツをいつコピーするか、デジタルコンテンツのどの部分をコピーするか、あるいはデジタルコンテンツをどこにコピーするか、に関する命令を含んでもよい。同様に、命令は、いかなる権利を発行するか、いつ発行するか、コンテンツのどの部分に権利を適用するか、誰に対して権利を発行するか、を指示してもよい。但し、このような命令はデジタルコンテンツの単なる再生は指示しない。
【0016】
本願における用語「DRMエージェント」は、デジタルコンテンツに関連付けられた使用権を識別し実施(行使)する役割を担うソフトウェア及び/又はハードウェアの集合体を指す。
【0017】
本願における用語「デジタルコンテンツパッケージ」は、ユーザに呈示されるオーディオイベント(歌やアルバム)、ビデオイベント(ホームムービーやアニメーション)、オーディオビジュアルイベント(映画、テレビ番組、ミュージックビデオなど)、デジタル画像、デジタルテキスト情報又は他の定義された量のデジタル情報、並びにこれらの一部及び組み合わせを指す。
【0018】
図2は指示の受領に関する例示的フローを示す。フローはステップ201で開始される。ステップ202で、プレーヤがコンテンツ300をロードする。ステップ203で、プレーヤは対話に関する命令303を実行する。ユーザとの対話に従い、対話命令により、プレーヤはステップ204で、定義されたAPIにより特定の命令307を用いて指示を行うための命令304を実行する。APIコール(呼び出し)に基づき、プレーヤはステップ205で指示を理解する。指示内容が権利発行であれば、プレーヤはステップ206で命令に従い権利を発行する。指示がコピー作製であれば、プレーヤはステップ207で命令に従いコピーを作製する。フローはステップ208で終了する。
【0019】
プレーヤに権利を発行できるようにするためのコンテンツの対話的機能の例示的APIは、307に「result=issue(unissuedLicense,supportingLicenses)」として示される。unissuedLicenseパラメータは、コンテンツの対話的機能がプレーヤに発行を要求している未発行ライセンスである。unissuedLicenseは、機能に直接送る(渡す)か、又はURIなどによる参照によって送ることができる。supportingLicensesパラメータは、プレーヤによるunissuedLicenseの発行を認証する、全ての発行されたライセンスである。supportingLicensesパラメータは、機能に直接送るか、又はURIなどによる参照によって送ることができる。supportingLicensesは、プレーヤにより他の規約に基づいて決定されてもよい。例えば、プレーヤは、コンテンツ又は他のソースの他の場所からsupportingLicensesを検索する方法を知ることができる。取得される戻り値は、ライセンス発行の成否及びその考えられる理由をコンテンツの対話的機能に通知するために使用される。
【0020】
権利発行(515)を行う際、プレーヤはまずその権利発行の認証の可否をチェックする(510)。このチェックはサポートライセンス(503、505、509)に対して行われる。一実施形態において、サポートライセンスは、あるコンテンツに暗号的に結合され、これらのライセンスの検証(507)するための何らかの信頼された実体(エンティティ)によって認証される使用権のファイルである、TUF(Title Usage
File)(505)内に見出される。実施形態の更に別の態様では、前記暗号的結合は、コンテンツを更にコンテンツプロバイダ識別に関連付けることでき、識別されたコンテンツプロバイダは、プレーヤが権利を発行するためのREL認証要求を行うための信頼されたルート(元)発行人としての役割を担うことができる。言い換えれば、サポートライセンスがサポートライセンスを含むTUFに関連付けられたコンテンツと関連付けて識別されたコンテンツプロバイダにより認証されたか否かを更にチェックする(507)ことができる。
【0021】
一実施形態において、一旦プレーヤが権利を発行(515)すると、プレーヤはそれらの権利を含むライセンスに署名できる。別の実施形態では、プレーヤはライセンスを安全な方法で記憶し(515)、当該ライセンスの発行を認証するか否かに関する決定を行う際にプレーヤが行った認証要求(510)などの当該ライセンスの発行に関する情報を記録することができる。記録をつけることで、プレーヤは将来の認証要求(502)(例えばコンテンツ再生又はコンテンツコピーに関する将来の認証要求)のためにREL標準(ISO/IEC 21000−5:2004)に定義されたr:issueContext及びr:issueTime特性を使用することの適否を知るために必要な情報を有する。最適化の目的で、プレーヤによって記録された情報量を減少させることができる。例えば、プレーヤは、遡及的問合せ(クエリ)を作製せず、全ての認証関連フローを時系列で扱う場合、ライセンスの発行時間を必ずしも記憶しなくてもよい。極端な場合、プレーヤは、規定された安全な方法で記憶されるライセンス(406)が全て適切に発行された場合以外に記録を付けなくてもよい。
【0022】
使用権は様々な方法でデジタルコンテンツパッケージに関係付けることができる。例えば、これら二つは同一の記録媒体に記録することで関連付けることができる。あるいは、デジタルコンテンツパッケージに関連付けられた識別コードが、関連付けられた権利に通信リンクを介してアクセスするために使用できる。
【0023】
本願における用語「適法コピー」は、管理(統制)する使用権に従って許可されるコピーを指す。なお、ハッキング、リバースエンジニアリング、又は他の無許可の方法で作製されたコピーを含むことを意味しない。
【0024】
本願における用語「オリジナル記録媒体」は、コンテンツ保有者及びその認証された代理人により配信される記録媒体を指すものとして使用する。これは、エンドユーザにより作製されたコピーを指すユーザ記録媒体と対照をなす。本発明において、ユーザ記録媒体は、コンテンツを記録可能なハードドライブ又は他の記憶媒体を備えるデジタルコンテンツプレーヤであってもよい。
【0025】
本発明により、2セットの権利又は条件が提供される。第一に、オリジナル記録媒体の存在下で許可される権利の上位集合がある。例えば、オリジナル記録媒体がHD DVDであり、当該HD DVDのコピーがユーザのHD DVDプレーヤ又はコンピュータ上で作製される場合、HD DVDがプレーヤ又はコンピュータ内に存在する場合にユーザに付与される権利は大きく、存在しない場合にはユーザに付与される権利は小さい。権利の一例として、更なるコピーの作製を行う権利が挙げられる。この権利は、プレーヤ又はコンピュータ内にオリジナルHD DVDが存在する場合においてのみ付与されてもよい。その方法では、ユーザは友人にHD DVDを貸し、友人は自分のプレーヤ又はコンピュータで記録を行うことができる。所有者にHD DVDを返却してしまうと、友人はデジタルコンテンツパッケージを閲覧することはできるが、更なるコピーを作製することはできない。別の例は、オリジナルのコピーが所与の時間ベースのウィンドウ中においてのみ閲覧されることを可能とするか、或いは、その場合に、オリジナルHD DVDがコピーとして同一のプレーヤ又はコンピュータ内に存在する場合に、HD DVDからのデジタルコンテンツパッケージのコピーが、別の、多くの場合より大きな時間ベースのウィンドウにおいて閲覧できるという、特典(プロモーション)である。
【0026】
本発明の別の実施形態では、オリジナル記録媒体上のメタ権利は、デジタルコンテンツパッケージに元来関連付けられていた権利を越える更なる権利を発行するために使用できる。これらの更なる使用権は、オリジナル記録媒体、ユーザ記録媒体及びデジタルコンテンツパッケージの任意の他のコピーにおいて、前記デジタルコンテンツパッケージと元来関連付けられていたときと同様に使用できる。メタ権利は、オリジナル使用権がデジタルコンテンツパッケージに対応付けられた後で生じるイベントに対し、元の使用権に柔軟性を提供する。例えば、メタ権利は、オリジナル記録媒体と物理的に対話する特定のデジタルコンテンツプレーヤに対して有効な使用権を発効させることを可能とする。デジタルコンテンツプレーヤのアイデンティティは事前に知ることはできないが、メタ権利は、デジタルコンテンツプレーヤが、オリジナル記録媒体が取り出された後であってもデジタルコンテンツパッケージの任意のコピーを使用できるようにするため、自らに対して使用権を発行することを可能とする。
【0027】
これらの更なる使用権を認証するためには、これらの安全性が必要である。この目的のため、デジタルコンテンツプレーヤは安全な記憶装置を備えることが可能である。一実施形態において、安全な記憶装置は、認証されたメタ権利によって動作するデジタルコンテンツプレーヤのみが記憶装置に書き込み可能であるように構成できる。別の実施形態では、安全な記憶装置は、デジタルコンテンツプレーヤが、認証されたメタ権利に従って動作する間は、自らが書き込んだ権利を読み出し可能であるように構成できる。いずれの場合も、デジタルコンテンツプレーヤが安全な記憶装置から使用権を読み出した後には、それらの使用権がデジタルコンテンツパッケージのコンテンツ保有者又は認証された代理人からメタ権利下で滞りなく発行され、認証された使用権であることが確信されることができる。
【0028】
図5は、再生、コピー及び発行などの権利により管理されるアクションの処理のための例示的フローを示す。フローはステップ501で開始される。ステップ502でアクションを実行するための要求が受け取られる。ステップ503で、以前自らが発行したライセンスを自己発行ライセンスストア(406)から収集することができる。自己発行したライセンスストアが安全である場合、ステップ504で、現時点で収集された全ライセンスが信頼性を有するものとしてマークされることができる。ステップ505で、追加のライセンスを収集することができる。自己発行したライセンスストアが安全でない場合、ライセンスをこのステップで収集できる。ライセンス発行者、他のパーティー(第三者)、及びディスクからライセンスを収集できる。ステップ506で、全てのライセンスが信頼性を有するかについて決定がなされる。全ライセンスが信頼性を有していなければ、信頼性を有さないライセンスの各々についてステップ507が実行される。確認(検証)処理は、ライセンスの保存に関するメタデータを確認すること、ライセンス上の署名を確認すること、(TUF中のコンテンツ保有者を調べることにより)コンテンツ保有者とライセンス署名者を照合すること、又はXrML2.0に定義されるアルゴリズムなどの認証アルゴリズム全体を更に実行すること、を含むことができる。ステップ507で、ライセンスが信頼性を有するとみなされた場合、ステップ508で、このライセンスが信頼性を有するものとしてマークされ、フローはステップ506に戻り、次のライセンスを処理するか、又は全ライセンスの信頼性が確認されたことを検出する。ステップ507で、ライセンスが信頼性を有さないとみなされた場合、ステップ509でライセンスは集合から削除される。フローはステップ506に戻り、次のライセンスを処理するか、又は残りの全ライセンスの信頼性が確認されたことを検出する。
【0029】
ステップ506で残りの全ライセンスが信頼性を有すると確認されると、ステップ510で、ステップ502で要求されたアクションを認証する試みがなされる。認証結果は、NO、YESあるいは条件付きの形となる。認証結果がNOである場合、要求はステップ518で否定され、次の要求がステップ502で処理される。認証結果が条件付きである場合、フローはステップ511、512及び513に移る。いずれかの条件が満たされない場合、ステップ518で要求が拒否される。全ての条件が満たされるか、又は認証結果がYESである場合、フローはステップ514に進み、要求の性質が決定される。要求が再生又はコピーである場合、ステップ517で許可が付与され、次の要求がステップ502で処理される。他方、要求が権利の発行である場合、ステップ515でライセンスが発行され、これは、署名が必要な場合にライセンスに署名することを含む。ステップ516で、ライセンスは自己発行ライセンスストア406に格納され、後にステップ503(406が安全な記憶装置を表す場合)又はステップ505(406が安全でない記憶装置を表す場合)で検索される。
【0030】
図5で説明される処理は、このような処理がどのように行なわれるかの一例を示す例示的処理である。当業者には多くの変更が可能であることが認識される。例えば、ステップは別の順序で実行でき、結果はキャッシュされることができ、処理は並行して、又はプレーヤで行われる他の処理と別途関連して実行できる。
【0031】
特定のプレーヤ、又は他の特定の装置に特有の権利をプレーヤに発行させるプレーヤの権利発行機能を利用して、コンテンツの配信及び使用のための興味深いモデルを遂行できる。例えば、ある使用法は全てのパーティー(403、404、405)に対して許可されることができ(広い権利)、別の使用法は特定のプレーヤに対して許可されることができる(406に格納された権利)。
【0032】
コンテンツ識別子を変更せずに、オリジナルの位置から他の位置にコンテンツをコピーするプレーヤのコピー機能を利用することで、コンテンツの配信及び使用のための興味深いモデルを遂行できる。例えば、ある使用法はオリジナルの位置から利用可能なコンテンツに対して許可され(403)、別の使用法は位置に関わらず同一のコンテンツに対して許可されうる(404)。
【0033】
プレーヤの権利発行及びコピー機能を組み合わせて利用することで、コンテンツの配信及び使用のためのより興味深いモデルを遂行できる。例えば、ある使用法はコンテンツの位置に関わらず全プレーヤに適用できる(404)。別の使用法は、オリジナルの位置から利用可能なコンテンツを有する全プレーヤに適用できる(403)。別の使用法は、コンテンツの位置に関わらず特定のプレーヤに適用できる(406のうちのいくつかの権利)。更に別の使用法は、オリジナルの位置から利用可能なコンテンツ有する特定のプレーヤに適用できる(406のうちのその他の権利)。次の例に、これらの使用法のうちの3つを利用するシナリオを記載する。
【0034】
実施例:
【0035】
コンテンツプロバイダ(401)は、コンテンツ(300)を読み出し専用光ディスク(101)(オリジナル位置)で利用可能にする。販売促進(特典)の目的で、2005年12月1日には、オリジナル光ディスクの有無に関わらず誰でもコンテンツを再生できる(使用権404)。光ディスクを有するあらゆる人はいつでもコンテンツを再生できる(使用権403)。消費者が友人からディスクを借りる。消費者が無料でコピーを作製することを可能にするコピー作製の提供機能(405)が存在する。当然ながら、ディスクを有していなければ(403に準ずる)、コピーは2005年12月1日にのみ再生できる(404に準ずる)。更に、コンテンツ使用ルール403により、ディスクが存在する場合に、ディスクがなくても同一プレーヤがコンテンツを最大1日間再生することを可能とする(これにより、ユーザは友人にディスクを返却し、更に1日間再生することができる)新規の使用ルール(406)の発行が許可される。
【0036】
このシナリオには5つの許諾が含まれる。
1.誰でもコンテンツのコピーを無料で作製することを可能とする許諾(405)。
2.オリジナル光ディスクの有無に関わらず誰でも2005年12月1日にコンテンツを再生することを可能とする許諾(404)。
3.ディスクが存在すれば誰でも日付に関わらずコンテンツを再生することを可能とする許諾(403)。
4.ディスクが存在する状態で、誰でも、同じプレーヤ(ディスクを有するプレーヤ)を、ディスクがなくても最大1日間再生可能なプレーヤとして指定することを可能とする許諾(403)。
5.(上記4で指定された)特定のプレーヤにおいてディスクがなくても最大1日間再生することを可能とする許諾(406)。
【0037】
第一から第四の許可は、コンテンツプロバイダによって発行され、(306で)ディスク上で輸送され、アドバンストコピーと共にコピーされることにより発行される。第五の許可は、Issue()API(307)と呼ぶコンテンツの対話的機能(303と304)の方向でプレーヤによって発行され、装置(402)上に格納される(406)。
【0038】
第一の許諾は次のライセンスで示される。
【0039】



【0040】
第二、第三、及び第四の許諾は次のライセンスで示される。
【0041】



【0042】
第五の許諾は次のライセンスで示される。
【0043】

【0044】
上述した例示的実施形態では、いつ権利発行すべきかをユーザにわかりやすい方法で決定し、コピーに対する異なる権利を認識し、プレーヤにより発行された安全なライセンスについて信頼性を確立する点で有用である。
【0045】
更に別の例示的実施形態は、仮想コピーをシミュレートするための被管理コピートークン(Managed Copy Tokens:MCT)を使用する。各MCT(603)はトークン識別子(604)を有する。トークン識別子(604、805、807)は複数のトークン(603、804、806)によって共有可能であり、従って例えばトークン識別子ABCを有する3つのMCTが存在してもよい。一例示的実施形態では、トークン識別子はトークン識別子文法で書くことができる。例示的トークン識別子文法は、トークン識別子が、トークン発行人の公開鍵(1001)と、それに続く、トークン発行人が割り当てたトークン識別素(1002)を含む文法である。このような文法は、例えば、任意のMCTに関連付けられたトークン発行人を容易に決定することを可能とする。トークン発行人は、当該MCTの作製及び移転(譲渡)を許可するライセンス(701)を発行することを認証された実体(エンティティ)である。別の例示的トークン識別子文法では、トークン識別子は、トークンが属する異なるクラスを示す様々なフィールドを含む。このような文法は、例えば、任意のMCTに関連付けられたトークンクラスを容易に決定すること、及びあるクラスからのトークンの作製、移転又は使用を可能にする権利記述を容易に構築することを可能にする。
【0046】
MCTの作製及び移転は、MCT発行人により管理される。システムは、所与のMCTのMCT発行人を決定する方法を必要とする。一例示的方法は、トークン発行人用のフィールド(1001)を有する、上記定義されたようなトークン識別子文法を使用することによる。別の方法は、MCTレジストリ(1102)を有する方法であり、この方法では、トークンレポジトリ1101がトークン識別子を有する要求1103を送信し、トークン発行人情報を有するレスポンス1104を受け取ることで、MCT発行人を調べることができる。一例において、MCT発行人は、5ドルの支払いにより、識別子「ABC」を有するMCTが、カナダ人によって作製されることを(例えば使用権701によって)許可としてもよい。10人のカナダ人が5ドルずつ支払う場合、識別子「ABC」を有して作製された10のMCTが存在することになる。11人目のカナダ人が10ドルを払えば、このカナダ人は更に2つのMCTを作製できる。この例を更に拡大して、MCT発行人が(例えば使用権701によって)他のカナダ人又はアメリカ人へトークンを移転することを認可する場合を考える。10人目のカナダ人はトークンをアメリカ人へ移転することができ、11人目のカナダ人は、トークンのうちの1つを例えば10人目のカナダ人へ移転することができる。これにより、11人のカナダ人及び1人のアメリカ人が各々1つのトークンを持つことになる。
【0047】
一般的にMCTは、トークンの無差別な作製及び移転は不可能であるか、これらがトークンの適法の作製及び移転から区別可能である、何らかの信頼されたソフトウェア又はハードウェア(602)によって作製され、移転され、管理される。デジタルコンテンツに関連する小さいサイズのMCTは、バックアップ及びリカバリ攻撃に対して防御を有するよう設計される、信頼されたソフトウェア又はハードウェアに理想的に適合する。MCTは、ファイルシステム(801)の中のファイル(802、804、806)又はデータベース(900)中のエントリなど様々な方法で表現できる。一例において、信頼されたデータベース(900)は、MCT識別子(901、902又は901のみ)用に1セット、及びMCT数(カウント)(903)用に1セットの計2セットのカラム(列)を備えたMCT表を含む。データベース(904、905、906、907)中の各行は、対応する識別子を備えたMCTの対応するカウントを表す。MCTが作製されると、カウントが増大する。MCTが移転されると、カウントは送信側で減少し、受信側で増大する。
【0048】
仮想コピーをシミュレートするために、コンテンツ(703)の使用権(702)は、適法に作製及び/又は移転された一定のMCTの所有を条件付けることができる。例えば、カナダ人が11人、アメリカ人が1人いる上記例において、電子ブック(e−book)(703)を閲覧する権利(702)がトークン識別子「ABC」を有するMCTの所有を条件付けた場合、アメリカ人と10人目及び11人目のカナダ人との間のMCTの移転は、彼らの間での関連する本発明の移転をシミュレートしたものとなる。これは、(本の物理的コピーを有する人が本を読むことができるように)MCTの所有者が電子ブックを閲覧できるためである。
【0049】
一定のMCTの所有を条件付けられたコンテンツの使用権を有することに加えて、第一のタイプのMCTの所有を条件付けられた何らかのコンテンツ使用権、第二のタイプのMCTの所有を条件付けられた同一のコンテンツへの他の使用権、更に、ある物理的媒体の所有を条件付けられた同一のコンテンツへの他の使用権、及び第一又は第二のタイプのMCT、又は媒体の条件付けがない、同一のコンテンツへの更に別の使用権を有することができる。第一のタイプのMCTのMCT作製権が第二のタイプのMCTの所有を条件付ける場合、及び第二のタイプのMCTのMCT作製権が何らかの物理的媒体の所有を条件付ける場合、そのようなライセンシングモデルはオリジナル、第一世代コピー及び第二世代コピーについての異なる権利をシミュレートする。更に、オリジナル及び第一又は第二世代の仮想コピーをいずれも有さない人に対し、コンテンツの限定的閲覧を許可することになる。
【0050】
次のライセンスは、2005年12月の間のみレポジトリ(601)で使用することが可能な12.345により識別される1コンテンツ(703)へのMCTの概念の適用を示す。コンテンツはその期間において使用するために物理的媒体(700)から利用可能である(図の要素702及び下記ライセンス#1を参照)。更に、当該期間において、識別子MCTIssuer:123CABEE(図の702及び下記ライセンス#2を参照)を有するMCTが存在する状態で使用のために利用可能である。識別子MCTIssuer:123CABEEを有するMCTは、publisher.comのウェブサイト(図の要素701及び下記ライセンス#3を参照)に設定された料金及びカウント制限を満たすようpublisher.comと通信することで、MCTレポジトリ(602)により作製されうる(図の701及び下記ライセンス#3を参照)。識別子MCTIsuser:123CABEEを有するMCTは、セキュリティレベル7以上の任意のMCTレポジトリ(602)に自由にコピーされることができる(図7の701及び下記ライセンス#4を参照)。
【0051】
ライセンス#1:
【0052】

【0053】
ライセンス#2:
【0054】



【0055】
ライセンス#3:
【0056】



【0057】
ライセンス#4:
【0058】



【0059】
MCTの上記記述は、作製後永続するMCTに関する。指定された存続期間(1004)を持って作製されるMCTを有することもできる。作製後、存続期間が経過するとMCTは破壊される。あるいは、それらの作製時(902、1003)の表示を伴うMCTを有し、これにより、MCTの存在を必要とする他のライセンスは、例えば一定の日付より新しい又は古いMCTの存在を必要とすることができる。当業者にとって明白であるように、作製領域の外に移動できない領域拘束(territory−bound)MCT(1005)などの他の変更が可能である。このような高度なMCTのクラスは様々な方法で実施できる。一例として、作製領域及び作製時を含むMCTクラスを含むMCTを識別する文法の使用が例として挙げられる。別の方法として、データベースにこの情報を格納することが挙げられる。
【0060】
図12は、MCTを利用するフローを示す。フローはステップ1201で開始される。ステップ1202で、システムは、トークン用又はコンテンツ用の使用権が到着したか否かをチェックする。到着していれば、それらはステップ1208で格納される。これ以上の使用権が到着しない場合、システムは、トークンの期限が切れているか否かをステップ1203でチェックする。期限が切れていれば、期限が切れたトークンは、ステップ1209で削除される。トークンの期限が切れていない場合、システムはユーザがトークン作製を希望しているかをステップ1204でチェックする。希望している場合、ステップ1210でそのトークンを作製するための条件が使用権から決定される。ステップ1214で、システムは、条件が満たされるか否かを判断する。条件が満たされない場合、トークンは作製されず、処理が再開される。他方、条件が満たされると、トークンがステップ1218で作製され、ステップ1219で格納される。ステップ1204でユーザがトークン作製を希望しない場合、システムはユーザがトークンのダウンロードを希望するか否かをステップ1205でチェックする。希望する場合、ステップ1211でシステムはトークンを含むトークンレポジトリへトークン要求を送り、返答を待つ。要求されたトークンがステップ1215で受け取られると、トークンはステップ1219で格納される。ステップ1205においてユーザがトークンのダウンロードを希望しない場合、システムはステップ1206で任意の他のトークンレポジトリが、ローカルトークンレポジトリからトークンを取得することを要求しているか否かをチェックする。要求している場合、ステップ1212で、システムは要求されたトークンの移転に関連する使用権及びそれらの使用権における条件を判断する。次いで、ステップ1216で、システムはそれらの条件が満たされたか否かをチェックする(図13に詳述)。条件が満たされる場合、トークンはステップ1220で要求元トークンレポジトリへ送られ、ローカルトークンレポジトリから削除される。ステップ1206で、他のシステムがローカルトークンレポジトリからトークンを取得することを希望していない場合、システムは、ユーザがいずれかのコンテンツにアクセス又は使用したいか否かをステップ1207でチェックする。使用したい場合、システムは、ステップ1213でコンテンツのアクセス又は使用に関連する使用権、及びそれらの使用権における条件を判断する。次いで、ステップ1217で、システムはそれらの条件が満たされるか否かをチェックする(図13に詳述)。満たされる場合、システムは、ステップ1221でコンテンツの要求されたアクセス又は使用を行う。
【0061】
図13は、システムが、条件が満たされるか否かをどのように判断するかについて詳述したものである。サブルーチンはステップ1301で開始される。ステップ1302、1303、1304、1305及び1306で、システムは、条件リスト中の予め定義された条件の有無をチェックする。無い場合、システムは次のタイプの条件をチェックすべく動作を続ける。有る場合、システムは特定の条件を評価する。特定の条件が満たされることが判明すると、システムは次のタイプの条件に進む。特定の条件が満たされないことが判明した場合、ステップ1311でサブルーチンは終了し、結果は「NO」となる。ステップ1312で、システムは、要求されたトークンがトークンレポジトリ中にあるか否かをチェックする。例えば、ABCのトークンを条件として再生が許可される場合、再生が行われるためにはトークンABCがトークンレポジトリに存在する必要がある。ステップ1313で、システムは、必要な物理的媒体が所有されているか否かをチェックする。このチェックを行うため、システムはドライブ中の媒体の存在を確認すべくディスクドライブと通信することができる。ステップ1314で、システムは、時間的条件が満たされたか否かをチェックする。システムは、適切に現在時刻の正確な表示を行うために安全なクロックを保持することができる。次いで、システムは、時間が特定の時間条件の前、後、あるいは別の関係にあることをこの表示が示すか否かをチェックする。ステップ1315で、システムは、領域条件が満たされるか否かをチェックする。システムは、全地球測位システム、ローカルネットワーク、あるいは各装置に関連付けられた1つの領域の最大値を有することなどによる他の手段により、領域条件のチェックを行ってもよい。装置の決定された領域が条件の中で言及された領域内にあれば、条件は満たされる。ステップ1316で、システムはセキュリティレベル必要条件をチェックする。例えば、トークンは一定のセキュリティレベルを有するレポジトリにのみ移転されてもよく、そのため、システムは何らかの証明書を用いて、要求元レポジトリのセキュリティレベルを検出し、当該条件で必要とされているレベルを満たすか、あるいは超過するかをチェックする。全ての予め定義された条件がチェックされると、フローはステップ1307に進み、システムは他の条件についてチェックを行う。他の条件が検出されない場合、サブルーチンはステップ1310で「YES」の結果で終了する。他の条件が検出された場合、システムはステップ1308で他の全ての条件を理解したことを確認する。いくつかが理解されない場合、ステップ1311でサブルーチンは結果「NO」で終了する。その逆の場合(システムが全ての他の条件を理解する場合)、システムはステップ1309で、他の全ての条件が満たされたか否かをチェックし、これに基づいてステップ1310で「YES」、あるいはステップ1311で「NO」で終了する。
【0062】
上記例示的実施形態は、仮想コピー、ファースト・セール及び異なるクラス(世代、ディスク/ノーディスクなど)のコピーに対する権利の差異を提供する点で有利である。
【0063】
本発明の別の実施形態では、物理的媒体上のコンテンツ表示の許可は同一のコンテンツの放送(ブロードキャスト)と協調される。言い換えれば、このようなコンテンツが放送形式でデビューする前に閲覧できないように、映画などのデジタルコンテンツパッケージのコピーは保護された形式(フォーマット)で配信されることができる。
【0064】
更に別の例示的実施形態は、ケーブルチャンネルとしてのUSPS(例えばUSPS(アメリカ合衆国郵便公社)を介したHBO(登録商標))のビジネスモデルに関連する。この例示的実施形態は、消費者に配信するためにコンテンツをまとめてパッケージ化する、HBO(登録商標)などのコンテンツアグリゲータ(集積者)及び他のチャンネル運営者の問題を解決する。典型的には、HBO(登録商標)はDirecTV(登録商標)やケーブル運営者などのコンテンツ配信業者と協定を結ぶ。HBO(登録商標)チャンネルは様々なコンテンツ配信業者に供給され、家庭へ送信される。
【0065】
しかし、HBO(登録商標)は、収集されたコンテンツをケーブルや衛星以外の手段によって提供できることを望む場合もある。別の手段はIP配信によりHBO(登録商標)コンテンツを供給することである。しかし、光ディスクなどの新しい配信手段によるHBO(登録商標)コンテンツを供給する別の機会も存在する。
【0066】
例示的実施形態は、HBO(登録商標)又はその他に独自の新規の配信手段を供給する、2つの新技術の組み合わせ、すなわちHD光学ディスク記憶装置及びDRM技術の組み合わせを含む。例えば、HBO(登録商標)がコンテンツを、特定月をライフサイクルとして光ディスク上にパッケージ化した場合、HBO(登録商標)は4月後半に、通常郵便で消費者に5月のディスクを郵送する。ディスクは購読モデルの一環として消費者の世帯に到着する。5月1日にディスクは再生可能となるが、例えば2005年5月より前、あるいは5月より後には再生できない。
【0067】
更に、HBO(登録商標)は、HBO(登録商標)チャンネルが同じコンテンツを提供する日と一致するように、コンテンツが再生可能である特定日を制限できる。より細かいレベルにおいて、特定の日は放送が行われる特定の時間(例えば、2005年5月16日のGMT 午前8:00、午後12:00、午後3:00など)に更に制限できる。消費者は、放送時間と同時にディスクコンテンツを読み取ることになる。
【0068】
この最後のケースが実施された場合、それは文字通りディスクからの「放送」でありえる。消費者がディスクを挿入すると、コンテンツはHBO(登録商標)による放送と同時にディスクから出力される。
【0069】
放送(例えば、Terrestrial Digital HD)によりコンテンツを受け取ることを選択した消費者は、更にこの代替的メカニズムによってチャンネルの選択肢としてHBO(登録商標)を含めることができる点で有利である。
【0070】
従って、この例示的実施形態において、HD光学ディスク記憶装置とDRM技術の組み合わせは、HBO(登録商標)又は他のものに独自の新規の配信手段を供給できる。例えば、HBO(登録商標)が、ディスクを使用する能力をトリガする意図で特別なイベントを含めて彼らのコンテンツを光ディスク上にパッケージした場合、4月後半に通常郵便で消費者にディスクを郵送する。ディスクは購読モデルの一環として消費者の世帯に到着する。イベントの発生後すぐにディスクは再生可能となるが、イベントの前には再生できない。例として、イベントは、一定の日付にディスク上のコンテンツを放送するというHBO(登録商標)の決定であってもよい。当該日時にコンテンツを利用可能とすることは、ディスク上にHBO(登録商標)のURLを提供し、イベントが知られると、このURLに接続することによりディスクをロック解除するためのコードを供給することにより遂行できる。
【0071】
更に、HBO(登録商標)は、HBO(登録商標)チャンネルが同じコンテンツを提供する日と一致するように、コンテンツを再生可能な特定日を制限できる。当然ながら、これらの日は、ディスクが配信される際には知らされず、関連するイベントはその日の決定となる。より細かいレベルにおいて、特定日は放送が行われる特定の時間(例えば、2005年5月16日のGMT 午前8:00、午後12:00、午後3:00など)に更に制限できる。消費者は、放送の時間に一致するようにディスクのコンテンツを読み取ることになる。
【0072】
この最後のケースが実施された場合、それは文字通りディスクからの「放送」でありえる。消費者がディスクを挿入すると、コンテンツはHBO(登録商標)による放送と同時にディスクから出力され、ディスクがUSPSにより配達される際には、放送時間は知られていなくてもよい。
【0073】
放送(例えば、Terrestrial Digital HD)によりコンテンツを受け取ることを選択した消費者は、この代替的なメカニズムによってチャンネルの選択肢としてHBO(登録商標)を含めることができる点で有利である。
【0074】
図14は、コンテンツ配信に含まれるステップを示す。ステップ1401でコンテンツが収集され、ステップ1402でコンテンツの公開日がスケジュールされる。1403でコンテンツが物理的媒体にパッケージされ、次いで、1404で配信される。最後に、1405でコンテンツが放送され、コンテンツは物理的媒体又は
放送から閲覧可能となる。
【0075】
図15は、本発明のこの態様の実施のためのシステムの実施形態を示す。システムは、コンテンツ1502を収集するサーバ1501を有する。スケジューラ1503はコンテンツ1502の閲覧開始に関するスケジュールを設定し、このスケジュール1509は媒体1507にコンテンツ1508と共にパッケージされる。次いで、放送スケジュール1505は、スケジュール1505に従って装置1506への放送を制御する放送サーバ1504へ送られる。
【0076】
次いで、物理的媒体は配信システム1510によって配信される。また、物理的媒体上のコンテンツの、1512及び1514などのコピーは、スケジュール1509にそれぞれ従って装置1511及び1513で再生可能である。
【0077】
スケジュール1505及び1509が同一、又は同一形態でなくてもよいことは明らかである。例えば、スケジュール1505は、放送日時又は複数の日時を含んでもよい。更に、スケジュール1505は、ネットワーク(例えばHBO(登録商標)、ESPN)、チャンネル番号及び配信システム(例えば、ケーブル、衛星、地上波など)などの配信に関する情報を含んでもよい。対照的に、スケジュール1509は、閲覧時間を設定せず、ウィンドウを設定してもよい。ウィンドウは、コンテンツが所与の日時の後にいつでも閲覧可能であるようにオープンエンドであってもよい。あるいは、設定された時間のみ閲覧できるよう、ウィンドウはクローズドであってもよい。更に、ウィンドウは複数であっても、他の構造であってもよい。更に、ウィンドウは、例えばコンテンツを閲覧可能な回数に対する制限などの他の使用権と組み合わせることができる。あるいは、別々の、又はある程度オーバーラップする閲覧用及びコピー用の別々のウィンドウが存在してもよい。他の構成は当業者に容易に明らかであろう。いずれにせよ、本発明の一実施形態は、1511及び1512などの物理的装置のエンドユーザが、スケジュール1505によって放送されるコンテンツを受け取る1506などの装置のエンドユーザと同時にコンテンツにアクセスするように、物理的媒体をエンドユーザに配布されることを可能にする、物理的媒体のためのスケジュール1509を有することである点を理解されたい。
【0078】
本発明の更なる実施形態において、第一のDRM環境に対応付けられる使用権は、コンテンツが第一のDRM環境から第二のDRM環境へ移転される時、変換(翻訳)されたものと変換されないものの両方が送信される。この際に、オリジナル使用権は、コンテンツが第一のDRM環境へ戻る場合、あるいは使用権を第三の使用権へ変換する必要がある場合に使用されるべく保存される。
【0079】
更に別の例示的実施形態はDRM特定のRELを含むリッチRELを搬送することを含む。この例示的実施形態は、固定MPEG RELライセンスが複数の異なるDRMシステムによって使用される場合、各DRMシステムはそれぞれ固有の権利記述サポート能力を有するという問題を解決する。例えば、DRMシステムはそれ自身に固有の権利記述を有する場合があり、又はMPEG RELの中でいくつかの権利サブセットのみをサポートする能力を有する場合もある。
【0080】
従来のモデルでは、RELはAからB、BからCへとコンテンツと共に送られる。各ステップでRELの変換が生じる。各変形は損失を伴う(Lossy)ため、経路及びそこで生じる変換のために、Cに対し、経路A−Cは経路A−B−Cとは異なる権利を付与する。この例示的実施形態は、特定のDRMシステムへのRELの変換を可能とするが、オリジナルソースRELを保存することにより、この問題を解決する。このモードにおいて、Aは、REL A(REL)の変換を作製するが、RELは維持する。コンテンツがBに供給される場合、権利REL及びA(REL)が送信される。次いで、可能であれば、BはREL又はA(REL)上で作動することができる。更に、Bはそれ自身の変換を行うことが可能である。これにより、BはREL、A(REL)又はB(REL)を使用することができる。
【0081】
コンテンツが次いでCに供給されると、権利REL、A(REL)及びB(REL)も供給される。明確にするため、A(REL)は、AがRELを理解するように形成されたRELである。これはAに割り当てられた権利ではない。Cは、記載された権利、REL、A(REL)又はB(REL)のうちいずれに対しても操作しうる。これらのいずれもCによって操作可能でなければ、CはC(REL)等を作製できる。
【0082】
A(REL)のBへの移転はオプションであってもよい。例えば、要求されれば、AはREL及びA(REL)を有するコンテンツの代わりに、コンテンツ及びRELを送信できる。後続の各システムは、オリジナルRELを見て、それに対し、又は以前に生じた変換に対して操作する能力を有する点で有利である。
【0083】
これらの変換の各々は損失を伴うがコンプライアントである(適合性がある)と想定される。例えば、Aが変換を行う場合、A(REL)はRELによって許可にされた使用の部分集合を記載する。A(REL)がRELを越えた使用法を記載する場合、それは特に権利の拡張を可能にする、何らかのコンプライアンスボディ(規約本体)のガイダンス又は認証の下でのみ生じうる。
【0084】
図16は従来の使用権処理を描く。1611で示されるDRM環境Aは、コンテンツ1612及び1613として示された使用権RAを有する。コンテンツが1621として示
されたDRM環境Bに移転される場合、使用権RAは、1623で示される使用権RBに変換される。一般的に、使用権が変換される場合、それはより限定的になる。
【0085】
同様に従来のシナリオを図示する図17において、コンテンツ及び使用権は1731として示されるDRM環境Aに戻される。従って、使用権はRBからRAに変換されなければならない。RBがRAより限定的である傾向が高いという事実と、変換の結果使用権がより限定的となるとすると、この変換結果は1733で示される使用権R’Aとなり、これはRAより限定的である。従って、DRM環境B1721からDRM環境Aに戻るこの第二の変換の後、結果として取得される使用権R’は必要以上に限定的である。
【0086】
図16及び図17に関連して議論された従来技術の問題を解決する本発明の一実施形態は、図18に最も単純な形で示されている。図18では、DRM環境A(1811)からのコンテンツ1812及び使用権1813は、DRM環境B(1821)に送られる。本発明のこの実施形態では、2セットの使用権がDRM環境B(1821)のコンテンツ1822と関連付けられる。一方のセットは1823として示されるオリジナル使用権RAである。他方のセットは、DRM環境B(1821)において実施されうる、1824で示される変換された使用権RBである。これにより2つの利点が与えられる。まず、コンテンツがDRM環境Aに返送される場合、必要な権利RAは、既にコンテンツに関係付けられており、図19に示されるように変換は必要ない。更に、コンテンツが第三のDRM環境に送られる場合、図20に示されるように、第三のDRM環境用の使用権は、RBからではなくオリジナルのRAから変換できる。これにより、結果として使用権が狭くなる連続的な変換に起因する使用権の不必要な制限の可能性が防止される。
【0087】
図19において、DRM環境B(1921)のコンテンツ1922は2セットの使用権、すなわちRA1923及びRB1924に関連付けられる。RB1924は、DRM環境B(1921)のためにRA1913の変換により派生した1セットの使用権である。一方、RA1923はDRM環境A1911で使用されるものと同一のセットである。従って、コンテンツがDRM環境B(1921)からDRM環境A(1931)に移転される場合、使用権RBを従来技術の図17に示されるようにR’Aに変換する必要はない。代わりに、図19に図示されるように、本発明は、DRM環境B(1921)においてコンテンツ1922に依然関連付けられている使用権RA1923が、DRM環境A(1931)へコンテンツと共に単に渡されることを示す。従って、オリジナル使用権RAのコピー及び変換された使用権RBの両方をDRM環境B(1921)のコンテンツに関連付けることにより、コンテンツ及び権利がDRM環境Aに戻る場合に、権利をDRM環境Aの使用権に変換して戻す必要はない。代わりに、オリジナルの未変換の権利が使用される。
【0088】
図20では、コンテンツ2012及び使用権2013がDRM環境A(2011)からDRM環境B(2021)に送られる。本発明の一態様に従って、DRM環境B(2021)中のコンテンツは、環境Bのために変換された使用権のセット(すなわち使用権RB2024)と、2023として示されたオリジナル使用権RAのコピーと、の両方に対応付けられる。コンテンツが第三のDRM環境C(2031)に移転される場合、変換された使用権RC2035は、DRM環境B(2021)のコンテンツ2022に対応付けられたオリジナルの使用権RAから変換できる。このように、使用権RAは、使用権RCを引き出すために1回のみ変換される必要がある。このように、使用権は、複数の変換過程によって不必要に狭くなることがない。
【0089】
本発明の別の態様が図21に示されており、これは、変更されたコンテンツに使用権が如何にして対応付けられるかを示す。使用権R2106はコンテンツ2101と関連付けられる。使用権R2106は、いかなる種類の権利がC’2103として示されるコンテンツc2101の変更バージョンに対し発行できるかを記述したメタ権利を含む。本発明のこの態様に従い、コンテンツC2101を変更して変更されたコンテンツC’2103とするために許可されたアクションA2102が行われた場合、1セットの使用権R’2104が発行され、使用権2106の権利及びメタ権利に準じてコンテンツC’と関連付けられる。
【0090】
更に別の例示的実施形態は、他の権利の行使に起因するリソースのための権利を指定する方法及びシステムを提供する。例示的実施形態では、多くの場合にリソースにおいて権利を行使した結果、新しいリソース又は生じたリソースが作製される。例えば、ドキュメントの編集により新しいドキュメントが作製されることが多く、ドキュメントから一部を抽出し別のドキュメントに挿入することで、更に新しいドキュメントが作製される結果となり、また、異なるビットレートにビデオを適応させることで、ビデオコンテンツの派生バージョンが作製される。このタイプに権利を付与(許諾)する場合、人は付与された権利を行使した結果作製される権利を指定することに関心を持つこともある。例えば、配信業者がビデオの再生権を販売する権利を有し、更にいくつかの下位ビットレートに適応して、同一の再生権をより安くはんばいする権利を有することを指定したい場合がある。
【0091】
いくつかの(0以上)リソースを入力とし、出力として他のいくつかの(0以上)リソースを生成ことが可能な処理として権利行使を検討すると、本例示的実施形態の概念は次の点に関する方法及びシステムを考案することにある。
1.作製されるリソースを識別し、それらのリソース及びそのメタデータについての制約を定量化する。
2.行使される権利が指定される時にそれらのリソースのための権利を指定する。
3.リソースが作製された後、それらの権利を発行する。
【0092】
具体的には、本例示的実施形態は以下を含む。
1.作製されるリソースを識別するために変数とその定量化を利用する。
2.行使する権利、及び行使により作製されたリソースについて権利を発行する権利を、2つの異なる関連付けられた権利として処理し、権利の行使及び発行の両方をカバーするよう、上記定義された変数の範囲を定義する。
3.上記2つの権利間(特に行使権から発行権へ)の変数により運ばれる動的情報を共有し、この情報共有は、
a.一時的共有(新しい権利の発行が新しいリソースの作製を伴う場合)及び
b.永続的共有(新しい権利の発行が新しいリソースの作製を伴わない場合)、
とすることができる。
【0093】
例示的実施形態は、他の権利の行使の結果作製されるリソースへの権利を指定する問題を解決する点で有利である。現状では、この問題への対処は煩雑である。例えば、DPRLは、入力リソースから既存の権利を継承し、既存の権利に権利を追加し又は減じることを可能とする「nextRight」メカニズムを利用する。しかし、このメカニズムは以下の点で柔軟でない。(a)2つ以上のリソースが作製され、それらが異なるセットの権利を有する場合に、適用が困難である、(b)異なるセットの権利を、権利の追加及び権利の減少の組み合わせとして指定することをサポートしない、及び(c)誰が権利を発行する権利を有するかの表示をサポートしない。
【0094】
新たに作製されたリソースに関する権利の発行は、リソース作製のための権利行使に依存してもよい。識別情報や、予め知られておらず権利行使の間にのみ利用可能になるその他のメタデータなどの動的な(従って変化する)情報を捕捉し、権利を発行する権利において使用する必要がある。現在、RELでは、変数は権利行使(例えば許諾)範囲で指定され、使用される。この例示的実施形態の新規な態様は、関連のある異なる権利(例えば、適合や発行)にまたがった動的情報の捕捉及び使用を可能にする点にある。
【0095】
従って、図22は例示的ライセンス2200を示し、キーホルダ1(K1)はリソースCを再生する権利を有し、リソースCを生じさせ、結果としてリソースC’を生じる。キーホルダ2(K2)は、生じたリソースC’を再生する権利K1を付与するライセンスを発行する権利を有する。
【0096】
例示的実施形態は、例えば、高度なアクセスコンテンツシステム(Advanced Access Content System:AACS)により提供されるものを向上させる能力を提供することより、AACSを拡大すべく使用できる点で有利である。例示的実施形態は、国際標準権利記述言語(例えばMPEG REL)を用いて、権利記述として指定される精巧な使用ルールの提供により、これを達成する。例示的使用ルールは、料金、地理的な制限、対象DRMシステム、日付、解像度、トラッキングなどの多くのパラメータを含むことができる。例示的実施形態は更に、ユーザが柔軟でタイトル毎に変化する使用法のルールによって管理されるコピーを作製し使用することを可能にする、高度な著作権を提供する。
【0097】
例示的使用法ルールはオプションのAACS使用法ルールであってもよい。例示的使用ルールを解釈しないAACSプレーヤは、通常のAACSプレーヤとして機能する。他方、AACSプレーヤが例示的使用ルールを解釈し執行すれば、コンテンツの新たな使用法を消費者に提供できる。このように、例示的実施形態は、AACSで保護されたコンテンツ用の様々なビジネスモデルを容易にする、拡張可能で柔軟なプラットフォームを提供する。
【0098】
例示的実施形態は記録可能な媒体をサポートする必要はない。更に、例示的実施形態は、AACSにサポートされたもの以外のメカニズムによる使用ルールの取得をサポートする必要はない。これらの機能のサポートはMPEG RELの自然な使用で、AACSシステムに利用可能なオプションを拡張する一方、これらの機能のサポートはさらなるアーキテクチャ上の考察を必要とする。
【0099】
例示的実施形態は以下を含んでもよい。
【0100】
インタフェースブック(Interface Book):AACS HD DVDの特定の権利記述の拡張及びプロファイル、及びAACS HD DVDプレレコード媒体及びプレーヤを有する記述を統合するメカニズムを指定する。
【0101】
権利記述ブック(Rights Expression Book):媒体及び娯楽市場における他のDRMシステム用と共に、AACS用の共通MPEG REL拡張及びプロファイルを指定する。
【0102】
プロトコルブック(Protocol Book):媒体及び娯楽市場において他のDRMシステム用と共にAACS用の、権利認証及び権利発行プロトコルなどの共通権利プロトコルを指定する。
【0103】
テクニカルコンプライアンスルール(Technical Compliance Rules):コンプライアントな(準拠した)実施に必要とされる技術的なコンプライアンス及びロバストネスルールを指定する。
【0104】
例示的ビジネスモデル(Exemplary Business Models):例示的実施形態に現在サポートされる対象ビジネスモデルを捕捉する。
【0105】
アーキテクチャ範囲及び前提(Architecture Scope and Assumptions):例示的実施形態においてサポートされることを意図したアーキテクチャ範囲、及び範囲が依存するいくつかの前提及び事項を捕捉する。
【0106】
以下の項は、範囲、引用規格、用語、定義、シンボル、略語、名前空間及び規約を含む概要をカバーする。
【0107】
引用規格は以下を含むことができる。
【0108】
ISO/IEC 21000−5:2004、情報技術−マルチメディアフレームワーク(MPEG−21)−権利記述言語
【0109】
以下のURLで入手できるXMLSCHEMA、XMLスキーマ 第1部:構造、及び第2部:データ型、W3C勧告、2001年5月2日
<http://www.w3.org/TR/2001/REC−xmlschema−1−20010502>
<http://www.w3.org/TR/2001/REC−xmlschema−2−20010502>
【0110】
『AACS HD DVD and DVD AACS Pre−recorded Book』、AACS LA、バージョン0.9、リリース候補第3版、2005年8月11日。
【0111】
用語、定義、シンボル及び略語は、ISO/IEC 21000−5:2004の条項3において与えられる。
【0112】
名前空間と規約は、下の表1に与えられた名前空間の接頭辞を除き、ISO/IEC 21000−5:2004の第4条において与えられる。
【表1】

【0113】
次の項は、MPEG RELに対するインタフェースに特有の拡張を明記する。インタフェースに特有の拡張の目標は、AACSによってのみ提供される機能性に依存する権利及び条件の記述方法を提供することにある。これらの権利と条件は共通の権利記述ブックによって可能とされた機能提供(提案)を越えて、消費者にさらなる機能提供をもたらすために使用できる。これらのさらなる提案は、将来の例示的インタフェースで一般的であるとは予想されない。このインタフェースブック(例えば被管理コピー)中の機能へのクロスインタフェース採用の可能性は、今後数か月間で評価される。また、例示的実施形態の将来のバージョンは、共通の例示的ブックにそのような機能にまでサポートを引き上げるかもしれない。
【0114】
次の項は、RELに対するAACS HD DVDプレレコード拡張のシンタックス(構文)及び意味論を明記する。後続項はこの拡張により提示された特徴の情報について簡潔な説明を示し、次いで詳細な標準の説明を示す。
【0115】
AACS HD DVDプレレコード拡張は以下の新しい条件を定義する。
DiskInDrive:権利行使のためにHD DVDの存在を要求する。
UrPtr:再生リスト中の高品質のビデオオブジェクトセット(EVOB)の特定のグループへの権利行使を制限する。
【0116】
拡張は、更に新しい条件をサポートする認証コンテキスト属性を定義する。すなわち、
evobsUrPtr():全EVOBにより共有される使用ルールポインタ
pmsn(a):HD DVDのプレレコード媒体シリアル番号
volumeId(a):HD DVDの容量(ボリューム)ID
【0117】
拡張は更に以下を定義する。
QName:被管理コピーを作製する権利を記述する(被管理コピーの詳細に関しては、AACS文献を参照)
AACSコンテンツプロバイダ識別システムを示すURI
AACS装置識別システムを識別するURI
URIテンプレート:URIを使用して、AACSディスク上のプレイリストを識別する
【0118】
更なる項は2つの新しい条件を記載し、その使用例を提供する。簡潔にするため、r:issuer要素の詳細は例では省略する。
【0119】
aacs:diskInDrive条件は、許諾された条件を行使するためにHD DVDの存在を要求する。必要なHD DVDは容量ID、シリアル番号、又はその両方により識別される。
【0120】
容量IDは、同一コンテンツを含む全てのHD DVDにおいて同一である。一方、シリアル番号は各HD DVDに一意である。この条件が容量IDを含む場合、特定のタイトルの任意のディスクが条件を満たす。この条件がシリアル番号を含む場合、1枚のディスクのみが条件を満たす。この条件が容量IDとシリアル番号の両方を含む場合、条件を満たすには、ディスクからの両方の情報が条件に指定されたものと一致する必要がある。
【0121】
この条件の使用は、ライセンスを受けたデジタルコンテンツを特定の物理的媒体に結び付ける。例えば、Big Movie Studio(プロバイダID:B188)が賞にノミネートされた映画(ビデオプレイリスト001)を含むHD DVD(コンテンツID:12345678)を、受賞者を選ぶ個人に配布すると仮定する。Big Movie Studioは、その映画のコピーがインターネット上に現れないことを保証することを望む。賞にノミネートされた映画のためのライセンスには、下の例のように、映画を再生するためにオリジナルHD DVDの存在を必要とするdiskInDrive条件を使用できる。
【0122】
例:
【0123】



【0124】
aacs:urPtr条件は、特定の使用ルールポインタを有するディスク上の高品質ビデオオブジェクトセット(EVOB)に許諾された権利の行使を制限する。
【0125】
高品質ビデオオブジェクトセット(EVOB)は、単なるオーディオビジュアル又はオーディオ情報のプログラムストリームである。EVOBはタイトル使用ファイルに格納された使用ルールセットを指す使用ルールポインタと関連付けることができる。1つの使用ルールセットが複数のEVOBに適用されるように、複数のEVOBが同一の使用ルールポインタを有することができる。
【0126】
この条件の使用により、特定の使用ルールセットが適用されるEVOBの選択により、HD DVDにプレイリストのサブセットが効果的に作製される。例えば、Big Movie Studioが映画の2つのバージョン、すなわち一般向けバージョンと親同伴(PG)指定バージョンにライセンスを付与するものの、単一のHD DVDを製造したいと仮定する。Big Movie Studioは一般向けのバージョンを含むEVOBに使用ルールセット1を適用し、他の全てのEVOBに使用ルールセット2を適用できる。各使用ルールセットは、使用ルールポインタが1であるEVOBの再生のみを可能とするurPtu条件を含むものと、urPtu条件を含まず、ポインタ値に関わらず全てのEVOBの再生を可能とするものと、の2つの許諾を有する同一ライセンスを示すことができる。例えば、第二の許諾は、親の承認をチェックするオンライン許可を必要としてもよい。
【0127】
例:
【0128】



【0129】
表2は、上記認証コンテキスト特性及びそれらが表すステートメントを指定する。特性が表の第一カラムで与えられる名称及び表2の第二カラムに与えられる値を有する場合、当該特性によって表されるステートメントは表2の第三カラムで与えられるステートメントである。
【表2】

【0130】
次の項は、AACS HD DVDプレレコード媒体に特有の要素及びタイプを含む権利記述拡張の意味(セマンティック)を明記する。
【0131】
cをaacs:DiskInDriveとする。(p、r、t、v、Σ、L、R)を認証要求とする。(g、h、e)を認証ストーリーとする。この場合、cは、以下が真である場合にのみ(p、r、t、v、Σ、L、R)及び(g、h、e)に対して満たされる。
c/aacs:volumeIdが存在し、Σ.aacs:volumeId(c/aacs:volumeIdの値)が真であり、
c/aacs:pmsnが存在し、Σ.aacs:pmsn(c/aacs:pmsnの値)が真である。
【0132】
例:
【0133】

【0134】
cをaacs:UrPtrとする。(p、r、t、v、Σ、L、R)を認証要求とする。(g、h、e)を認証ストーリーとする。この場合、c/aacs:ptrValueの値がΣ.aacs:evobsUrPtr()と等しい場合においてのみ、cは(p、r、t、v、Σ、L、R)、(g、h、e)に対して満たされる。
【0135】
例:
<aacs:urPtr>
<aacs:ptrValue>1</aacs:ptrValue>
</aacs:urPtr>
【0136】
QName aacs:managedCopyは、bpx:governedCopyのgovernanceRule属性と共に使用され、AACSコンプライアンスルールに定義される被管理コピーに関するガバナンス(管理)ルールを示す。
【0137】
例:
<bpx:governedCopy governanceRule=” aacs:
managedCopy”/>
【0138】
URI http://www.tbd.org/2005/Provider/AACS/HDDVDは、bpx:identityHolder及びbpx:identityHolderPatternのidSystem属性と共に使用され、『AACS Pre−recorded Video Book(AACSプレレコードビデオブック)』の2.4に記載される、AACS LAにより割り当てられた16ビットIDから成るコンテンツプロバイダ識別システムを示す。16ビットIDはXML内で搬送されるためにbase16でコード化されなければならない。
【0139】
例:
<bpx:identityHolder
idSystem=”http://www.tbd.org/2005/Provider/AACS/HDDVD”
>A35D</bpx:identityHolder>
【0140】
URI http://www.tbd.org/2005/Device/AACS/HDDVDは、bpx:identityHolder及びbpx:identityHolderPatternのidSystem属性と共に使用され、128ビットの装置から成る装置識別システムを示し、これは、装置に対して一意のノンスに関連する全AACSコンプライアンス及びロバストネス規則に従って生成され保持される、128ビット装置一意のノンス(『AACS Pre−recorded Book(AACSプレレコードブック)』の5.1.1を参照)からなる。128ビットIDはXML内での搬送のためにbase64でコード化されなければならない。
【0141】
例:
<bpx:identityHolder
idSystem=”http://www.tbd.org/2005/Device/AACS/HDDVD”
>ad8UJQ7jHLmR110pXdhbKQ==</bpx:identityHolder>
【0142】
URIテンプレート:
http://www.tbd.org/2005/VPLST/AACS/HDDVD/$$$$$$$$$$$$/%%%
及び
http://www.tbd.org/2005/APLST/AACS/HDDVD/$$$$$$$$$$$$/%%%
は、r:nonSecureIndirectのURI属性と共に使用され、ビデオプレイリスト又はオーディオプレイリストをそれぞれ番号%%%で識別し(HD DVD−Video Specificationを参照)、6バイトのAACSコンテンツ証明書ID$$$$$$$$$$$$(『AACS Pre−recorded Video Book』の2.4を参照)と関連付けられる。プレイリスト番号は10進コード化される。コンテンツ証明書IDは、base16でコード化される。
【0143】
例:
<r:digitalResource>
<r:nonSecureIndirect
URI=”http://www.tbd.org/2005/VPLST/AACS/HDDVD/A35D00000001/999”
/>
</r:digitalResource>
【0144】
以下の項は、定義されたタイプ及び要素のXMLシンタックス(構文)を定義するスキーマ(XMLSCHEMA)のリストを含む。
【0145】
インタフェースに特有の拡張スキーマ:
【0146】

【0147】
次の項はインタフェースに特有のプロファイルを明記する。インタフェースに特有のプロファイルの目標は、サポートの共通レベル(ベーシック及び高度)の実装を集中させることである。その結果、権利記述者は所望の機能セットについて、できるだけ広い範囲のAACS HD DVDプレレコードディスクプレーヤのセットにより処理できるライセンスを書くことが可能である。
【0148】
この項は、AACS HD DVDプレレコード媒体のための権利記述プロファイルを指定する。2つのプロファイル、すなわちベーシックプロファイルと高度プロファイルが定義される。ベーシックプロファイルは、ベーシックAACSプレーヤの能力(場合によっては使用ルールの処理能力を法とする(modulo))と同様の権利記述を許可することを意図している。高度プロファイルは、高度なAACSプレーヤにより提供される機能と機能性の面で同様の権利記述を許可することを意図している。
【0149】
ベーシックAACS HD DVDプレレコードプロファイルは、上述のAACS HD DVDプレレコード拡張(被管理コピーを除く)に加え、例示的権利記述ブックに定義された例示的権利記述プロファイルからの次の要素を含む:r:license、r:grant、r:digitalResource、r:nonSecureIndirect、r:issuer、r:allConditions、mx:play、及びbpx:identityHolder。
【0150】
ベーシックAACS HD DVDプレレコードプロファイルを示すためのQNameはaacs:basicである。
【0151】
例示的使用ルールを処理する全てのベーシックAACSプレーヤはベーシックAACS HD DVDプレレコードプロファイルを処理できなければならない。更に、このようなプレーヤは全て、プレーヤが認識しないr:forAll、r:Principal、r:Right、r:Conditionのうちいずれかを含むr:grant要素を無視し、残りのr:grant要素を処理することにより、複数のr:grant要素を含むライセンスを処理できなければならない。このようなプレーヤは、ISO/IEC 21000−5:2004に規定される他の拡張された点を利用するライセンスを処理できる必要はない。
【0152】
高度AACS HD DVDプレレコードプロファイルは、上記のAACS HD DVDプレレコード拡張に加え、例示的権利記述ブックに定義された例示的権利記述プロファイルを含む。上記のURIのうちの1つと等しい値をとることに加え、r:nonSecureIndirectのURI属性は、『AACS HD DVD and DVD
Pre−recorded Book(AACS HD DVD及びDVDプレレコードブック)』の5.2に規定されるような「AACS」ディレクトリ中の「MNGCOPY_MANIFEST.XML」ファイル中のResourceGroup要素のID属性の中で提供されるURIのうちの任意と等しい値をとってもよい。
【0153】
高度AACS HD DVDプレレコードプロファイルを示すQNameは、aacs:enhancedである。
【0154】
例示的使用ルールを処理する全ての高度なAACSプレーヤは、高度AACS HD DVDプレレコードプロファイルを処理できなくてはならない。更に、このようなプレーヤは全て、このようなプレーヤは全て、プレーヤが認識しないr:Principal、r:Right、r:Conditionのうちいずれかを含むr:grant要素を無視し、残りのr:grant要素を処理することにより、複数のr:grant要素を含むライセンスを処理できなければならない。このようなプレーヤは、ISO/IEC 21000−5:2004に規定される他の拡張された点を利用するライセンスを処理できる必要はない。
【0155】
次の項は、AACS HD DVDプレレコードディスクに関する例示的権利記述の運搬を明記する。
【0156】
ライセンスは、ライセンスの目的により2つの方法のうちいずれかによりHD DVDプレレコード媒体上で運搬される。後述するように、再生に関するライセンス(再生するためのライセンスを発行することを含む)及びコピー作製に関するライセンスを運搬する。
【0157】
再生に関するライセンスは、『AACS HD DVD and DVD Pre−recorded Book』の3.4に規定されるREL使用ルールを使用して運搬される。REL使用ルールは、適格でスキーマが有効であり、且つスキーマ中心の正規化形式(Schema Centric XML Canonicalization(スキーマ中心のXML正規化)を参照)のXMLライセンスを運搬し、或いはこれを参照する。REL使用ルールが適格でなく、スキーマ有効でなく、スキーマ中心の正規化形式を有さないXMLライセンスを運搬又は参照する場合、プレーヤの挙動は保証できず、プレーヤ特有のものとなる。ファイルが適格でなく、スキーマ有効でなく、スキーマ中心の正規化形式を有さないことをプレーヤが検出した場合、プレーヤはエラーを報告しなければならない。
【0158】
「AACS」ディレクトリに「MNGCOPY_LICENSES.XML」という名のファイルがあってもよい。コピーを作製するためのライセンスは、r:licenseGroupとすべきルート要素の子要素としてこのファイル内で運ばれる。r:licenseGroupは適格でスキーマ有効であり、スキーマ中心の正規化形式(Schema Centric XML Canonicalization(スキーマ中心のXML正規化)を参照)を有する必要がある。r:licenseGroupが適格でなく、スキーマ有効でなく、スキーマ中心の正規化形式を有さない場合、プレーヤの挙動は保証できず、プレーヤ特有のものとなる。ファイルが適格でなく、スキーマ有効でなく、スキーマ中心の正規化形式を有さないことをプレーヤが検出した場合、プレーヤはエラーを報告しなければならない。
【0159】
次の項は、再生、管理されたコピー及びハッシュチェックのAACS機能との処理関係を含む、AACS HD DVDプレレコードプレーヤによる例示的権利記述の処理を明記する。
【0160】
ライセンス及び「AACS」ディレクトリ中の「MNGCOPY_LICENSES.XML」ファイルを含むREL使用ルールは後述のように処理できる。
【0161】
下記表では、序数のカラムは、ISO/IEC 21000−5:2004の5.2に示されるような、認証要求のための7組の順序付けられたメンバーを指す。
【0162】
EVOBを再生するための表3によって構築された認証要求の認証証明がある場合、プレイリスト中の任意のEVOBが再生できる。
【表3】

【0163】
この認証要求に適用可能な条件がいずれも再生間隔の終了に基づかない場合、プレーヤは再生開始前にこの認証要求の証明の検証を行わなければならない。この認証要求に適用可能な条件のうちのいずれかが再生間隔の終了に基づく場合、再生が開始された時に認証されはじめ、再生の認証されなければ、認証停止時から60秒間以上継続しないように、プレーヤはインクリメンタルな期間ベースで、この認証要求の証明の検証を行わなければならない。
【0164】
『AACS HD DVD and DVD Pre−recorded Book』の4.3.3及び4.4.3は、コンテンツのハッシュチェック手順及び関連するタイミング制約を明記する。再生について、この手順には変更は加えられない。再生されているコンテンツが、表3に示される認証要求のリソース及び信頼ルートのメンバーにより識別されたプレイリスト及びプロバイダに対応することを確認するため、関連するタイミング制約内に、それぞれ通常のものとして処理が実行される。
【0165】
当該コピーされた、被管理コピー/アドバンストコピー/クリアコピー動作のための表4に従って構築された認証要求のための認証証明が存在する場合、「AACS」ディレクトリ中の「MNGCOPY_MANIFEST.XML」ファイルに定義されたリソースグループは被管理コピー/アドバンストコピー/クリアコピーされてもよい。
【表4】

【0166】
プレーヤは、被管理コピー/アドバンストコピー/クリアコピーの作製に先立ってこの認証要求のための証明の検証を行わなければならない。
【0167】
『AACS HD DVD and DVD Pre−recorded Book』の4.3.3項及び4.4.3項は、コンテンツのハッシュチェック手順及び関連するタイミング制約を明記する。タイミング制約は被管理コピー/アドバンストコピー/クリアコピーの作製には関係しない。手順は、被管理コピー/アドバンストコピー/クリアコピーされるコンテンツが、それぞれ表4に示される認証要求のリソース及び信頼ルートのメンバーにより識別されたリソースグループ及びプロバイダに対応することを確認するために、被管理コピー/アドバンストコピー/クリアコピーが作製される以前に行われなければならない。
【0168】
プレーヤはr:grantをライセンスに含めるための、表5に従って構築された認証要求のための認証証明が存在する場合、r:grantを、自らが発行するライセンスに含めてもよい。
【表5】

【0169】
プレーヤは、ライセンス中にr:grantを含める前にこの認証要求のための証明の検証を行わなければならない。
【0170】
次の項は、例示的コンプライアンスルールに記載される認証コンテキストにおけるインタフェース特有コンプライアンスルールを記載する。認証コンテキストは、真実(真)に基づく権利記述の意味と真実がどのように決定されるかためのコンプライアンスルールの間にリンクを形成する手段である。このインタフェースブックの構成要素に関する機能について、例示的コンプライアンスルールがAACSによって提供される仕様書を参照することは適切である。この項の目的は、例示的コンプライアンスルールが単にこの項を参照することが可能であるように、このような参照事項を全てハイライトすることにある。
【0171】
例示的実施形態は、例示的コンプライアンスルールが認証要求内での認証コンテキスト特性の使用に関する規則を含むことを想定する。
【0172】
認証コンテキスト特性には、例示的コンプライアンスルールによってそれらの使用に制約が設けられないものもある。
【0173】
認証コンテキスト特性には、それらの使用に関する全てを例示的コンプライアンスルールそのものに固定されるものもある。
【0174】
いくつかの認証コンテキスト特性は、例示的インタフェースブック中に明示的に許可されない場合使用されてはならない。
【0175】
この項は、認証コンテキスト特性の例示的インタフェースブックによって許可された使用を明記する。
【0176】
コンテキスト特性のステートメントが真である場合、プレーヤは認証要求中の認証コンテキスト中でaacs:evobsUrPtrコンテキスト特性を使用してもよい。
【0177】
aacs:pmsn及び/又はaacs:volumeIdコンテキスト特性は、これらのコンテキスト特性のステートメントが、PMSN及び容量のId値の読み取り及び検証に関する全てのAACSコンプライアンス及びロバストネスルールに従ってディスクからそれぞれの値を読み出すことにより真であると判明した場合、プレーヤは認証要求の認証コンテキスト中で使用されてもよい。
【0178】
以下の全てが真であるとき、プレーヤは、認証要求の認証コンテキストにおいて真である値を有するr:issueContext(l、p、h、σ)という名称のコンテキスト特性を使用してもよい。
1.pはbpx:IdentityHolderであり、p/@bpx:idSystemの値がhttp://www.tbd.org/2005/Provider/AACS/HDDVDである。
2.『AACS HD DVD and DVD Pre−recorded Book』の4.4.3に記載された検証は、lを含むファイル(TUF、ARF、又はMNGCOPY_LICENSES.XML)において成功した。
3.ファイル検証において使用されるコンテンツ証明書中のプロバイダIDが、pのプロバイダIDと同一である。
4.1つのみの子要素を有するl/r:issuerが存在し、その子はpに等しい。
5.hに等しいl/r:grant又はl/r:grantGroupが存在する。
6.σは空集合である。
【0179】
また、以下の全てが真であるとき、プレーヤは、認証要求の認証コンテキストにおいて真である値を有するr:issueContext(l、p、h、σ)という名称のコンテキスト特性を使用してもよい。
1.pはbpx:IdentityHolderであり、p/@bpx:idSystemの値がhttp://www.tbd.org/2005/Device/AACS/HDDVDであり、pはプレーヤを識別する。
2.1つのみの子要素を有するl/r:issuerが存在し、その子はpに等しい。
3.hに等しいl/r:grant又はl/r:grantGroupが存在する。
4.プレーヤは、第五のメンバーとしてσを使用する認証要求のための認証証明に基づき、l中にhを含む「Error!Reference source not found.」に従う例示的コンプライアンスルール−ロバストレコードを有する。
【0180】
下記が全て真である場合、プレーヤは、認証要求の認証コンテキスト中で、値iを有するr:issueTime(l及びp)という名称のコンテキスト特性を使用してもよい。
1.pはbpx:IdentityHolderであり、p/@bpx:idSystemの値がhttp://www.tbd.org/2005/Provider/AACS/HDDVDである。
2.『AACS HD DVD and DVD Pre−recorded Book』の4.4.3に記載された検証が、lを含むファイル(TUF、ARF、又はMNGCOPY_LICENSES.XML)において成功した。
3.ファイル検証において使用されるコンテンツ証明書中のプロバイダIDは、pのプロバイダIDと同一である。
4.1つのみの子要素を有するl/r:issuerが存在し、その子はpに等しい。
【0181】
iには制約が課されず、その決定はプレーヤに委ねられる。
【0182】
更に、下記が全て真である場合、プレーヤはさらに、認証要求の認証コンテキスト中で値iを有するr:issueTime(l及びp)という名称のコンテキスト特性を使用してもよい。
1.pはbpx:IdentityHolderであり、p/@bpx:idSystemの値がhttp://www.tbd.org/2005/Device/AACS/HDDVDであり、pはプレーヤを識別する。
2.1つのみの子要素を有するl/r:issuerが存在し、その子はpに等しい。
3.プレーヤは、iを発行した記載する例示的コンプライアンスルール−ロバストレコードを有する。
【0183】
iには制約が課されず、その決定はプレーヤに委ねられる。
【0184】
次の2つの関数がAACSオブジェクトに追加される。
【表6】

【0185】
次の項は、先に定義された例示的インタフェース特有の拡張及び例示的インタフェース特有のプロファイルを使用する権利記述の例を示す。
【0186】
この項は、例示的「ビジネスモデル」の項からビジネスモデルのうちの2つを記述する方法を示す。これらの例について、アドバンストコピーのためのガバナンスルールにより、コピーされているリソースグループ(リソースグループにリストされているか否かによりTUFを含むか又は除く)で定義されたファイルの正確なコピーを許可し、再生、コピー及び発行のための処理を行う権利はディスクから行った場合とほぼ同じ方法で動作すると仮定する(ただし、例えばディスクインドライブ制約は、依然としてディスクがドライブにあることを要求する)。これを、コピーされているリソースグループに定義されているファイルのコピーを依然許可するものの、これらのコピーされたファイルの使用は、関連する管理されたコピー技術に依存する、被管理コピーに関するガバナンスルールと対比する。
【0187】
消費者は、消費者が自らの携帯型ビデオプレーヤにディスクを挿入し、携帯型ビデオプレーヤ上にコンテンツのアドバンストコピーを作製することを可能にする、ディスクの機能提供(オファー)を有するAACSディスクを取得する。指定された料金により、ユーザは自らの携帯型ビデオプレーヤにディスクが存在しない状態で、アドバンストコピーからビデオプレイリスト999を再生できる。
【0188】
このシナリオには3つの許諾が含まれる。
1.消費者がアドバンストコピーを作製することを可能とする許諾。
2.料金を支払うことで、消費者が自らの携帯型ビデオプレーヤをディスクがなくてもビデオプレイリスト999を再生可能なプレーヤとして指定することを可能とする許諾。
3.この携帯型ビデオプレーヤにディスクが存在しない状態で消費者が再生ビデオプレイリスト999を再生することを可能とする許諾。
【0189】
第一の許諾はコンテンツプロバイダによって発行され、ディスク上の「MNGCOPY_LICENSES.XML」ファイル中で出荷される。第二の許諾はコンテンツプロバイダによって発行され、ディスク上のTUFの中で出荷され、アドバンストコピーと共にコピーされる。第三の許諾は、issue()APIと呼ぶアプリケーションの指示で携帯型ビデオプレーヤによって発行され、携帯型ビデオプレーヤ上に格納される。
【0190】
第一の許諾は次のライセンスで示される:
【0191】



【0192】
第二の許諾は次のライセンスで示される:
【0193】

【0194】
第三の許諾は次のライセンスで示される:
【0195】



【0196】
消費者は友人からAACSディスクを借りる。消費者が無料でアドバンストコピーを作製することを可能にするアドバンストコピー作製機能提供が存在する。オンディスク使用ルールにより、ビデオプレイリスト999はディスクが存在する場合にのみ再生できるが、ディスクが存在する場合には同一プレーヤでディスクがなくてもビデオプレイリスト999を最大1日間再生することを許可する新しい使用ルールを作製する能力がある(これにより、消費者はディスクを友人にすぐに返却し、コピーを1日間再生することができる)。
【0197】
このシナリオには4つの許諾が含まれる。
1.消費者がアドバンストコピーを作製することを可能とする許諾。
2.ディスクがある状態で消費者がビデオプレイリスト999を再生することを可能とする許諾。
3.ディスクがある状態で、消費者が同一プレーヤを最大1日間ディスクがなくてもビデオプレイリスト999を再生できるプレーヤとして指定することを可能とする許諾。
4.消費者が、自らが指定したプレーヤ上でディスクがなくても最大1日間ビデオプレイリスト999を再生することを可能とする許諾。
【0198】
第一の許諾はコンテンツプロバイダによって発行され、ディスク上の「MNGCOPY_LICENSES.XML」ファイルで出荷される。第二及び第三の許諾はコンテンツプロバイダによって発行され、ディスク上のTUFの中で出荷され、アドバンストコピーと共にコピーされる。第四の許諾は、issue()APIと呼ぶアプリケーションの指示で装置によって発行され、装置上に格納される。
【0199】
第一の許諾は次のライセンスで示される:
【0200】



【0201】
第二と第三の許諾は次のライセンスで示される:
【0202】

【0203】
第四の許諾は次のライセンスで示される:
【0204】



【0205】
次の項は、オーディオビジュアルコンテンツ上の権利を示すための様々なアプリケーションに共通のプロファイルである例示的権利記述プロファイルを明記する。例示的権利記述プロファイルは、PDAM/1 ISO/IEC 21000−5 MPEG−21 RELプロファイル(2005年8月19日)のMPEG RELベースプロファイルのサブセットを含み、例示的実施形態とインタフェースする全てのアプリケーションに共通の特徴(機能)の成文化のための要素を定義する。
【0206】
次の項は名前空間接頭語を示し、このブック全体にわたり使用される引用規格を引用する。更なる項は、例示的権利記述プロファイルに含まれる全ての要素をリストし、拡張要素の定義を規定し、様々な例示的使用シナリオを示し、それらを成文化し、拡張スキーマをリストする。
【0207】
便宜上、XML要素及びタイプ(型)を指す場合、このプロファイルは省略名前空間接頭語を使用する。名前空間URIが正確であれば、実際に使用される接頭語は重要ではない。このプロファイル中で使用される接頭語は、次の表の中で与えられる。
【表7】

【0208】
引用規格は以下を含む:
[1]ISO/IEC 21000−5:2004、情報技術−マルチメディアフレームワーク(MPEG−21)−権利記述言語
[2]PDAM/1 ISO/IEC 21000−5 MPEG−21 RELプロファイル、2005年8月19日
【0209】
下記の表は、例示的権利記述プロファイルに含まれる全要素をリストしている。r、sx、及びmx名前空間接頭語を有する要素は、MPEG RELから生じ、bpx名前空間接頭語を有する要素は次の項で定義される拡張要素である。
【表8】




【0210】
この項は、例示的実施形態にサポートされた追加の共通機能を表すMPEG REL拡張を定義する。例示的権利記述プロファイルはこの拡張から導かれる。シンタックス及び拡張要素の意味がここで提示される。拡張要素用のXMLスキーマ及びタイプもまたリストされる。
【0211】
identityHolder要素はRELCore(RELコア)に定義されたr:Principalの拡張である。これは、特定のアイデンティティのホルダであるプリンシパルを識別するものであり、任意の名前空間からの文字コンテンツ及び要素コンテンツの無制限の混合体とすることができる。オプションのidSystem属性は識別システムを示すために使用できる。図23はidentityHolderプリンシパルを示す。
【0212】
次の例はInternational Mobile Subscriber Identifierのホルダとしてのプリンシパルを指定する。
【0213】

【0214】
上記例において、bpx:identityHolderは、r:digitalResource中で指定されたリソースを再生する権利を付与される。
【0215】
pをr:IdentityHolderとすると、pは、値pにより示される識別子を有するシステム実体(エンティティ)を識別し、該識別子は属性が存在する場合にp/@r:idSystemにより識別される識別システムに属する。
【0216】
GovernedCopy要素は、リソースをコピーし、同時にコピーされたリソースに一定の権利を関連付ける権利を表す。QNameタイプのオプションの属性@governanceRuleは、いかに正確にコピーが作製されるべきか、及びコピーされたリソースにどの権利が誰によって関連付けられるべきかを決定するガバナンスルールの名称を示す。属性が指定されない場合、この権利は、リソースのビット単位での同一コピーを作製することを可能とし、結果として、この権利が指定されるr:licenceの同一コピーを、コピーされたリソースに生成する。図24はgovernedCopy権利を示す。
【0217】
更に定義されるように、2つの識別されたガバナンスルールが「bpx:advancedCopy」及び「bpx:clearCopy」として定義される。
【0218】
以下に、サンプルコードの一部を一例として示す:
【0219】

【0220】
上記例では、あらゆるプリンシパルに、ムービークリップを再生する権利、及びクリップをコピーする権利が同一ライセンスと共に付与されている。
【0221】
下記は別の例示的ライセンスである:
【0222】



【0223】
「acme:CopyOnce」と称するガバナンスルールが、リソースのビット単位での同一コピーを1度のみ形成する権利を行使し、同一の発行人により別のライセンスを発行することにより、その他の権利を同一ライセンスに関連付けることを許可すると仮定する。この場合、ライセンス中の権利bpx:governedCopyを行使することで、リソースのビット単位での同一コピー及び以下のライセンスが生成される。
【0224】

【0225】
rをbpx:GovernedCopyとする。r/@bpx:governanceRuleが存在する場合、rは、コピーを作製し、そのコピーをr/@bpx:governanceRuleにより識別されるコンプライアンスルールに関連付けるアクションを識別する。逆に、r/@bpx:governanceRuleが存在しない場合、rは、ビット単位での同一のコピーを作製し、当該コピーの認証要求の認証証拠のうちの1つの中の権利授与者におけるライセンスに等しい権利記述を当該コピーに関連付ける。
【0226】
rが認証要求の権利メンバーとして使用される場合、その認証要求のリソースメンバーが存在し、コピーされているリソースを識別しなければならない。
【0227】
SeekPermission条件及びServiceLocation要素は、関連する権利が行使される前にサーバからの許可が求められ、得られた許可がサーバと接続せずに、将来の使用のためにキャッシュすることが可能である期間を制限することを必要とする。図25はSeekPemission条件及びServiceLocation要素を示す。
【0228】
r:serviceReference要素は、bpx:seekPermission要素において使用された場合、関連する権利を行使するための許可が求められるべきサーバへの参照を記載する。bpx:serviceLocationは、サーバの位置を示すロケーションbpx:urlによりサーバを指定する。
【0229】
オプションのbpx:cacheable要素はサーバから得られた許可がキャッシュに格納できることを示すために使用される。その子要素であるbpx:periodは、削除されるべきときまでの許可がキャッシュ内に存在できる時間を示す。
【0230】
下記のうちいずれかが真である場合に限り、前記要素により指定された条件は満たされる:
1.要素bpx:cacheableが存在し、行使されるべき関連する権利を許諾する許可がキャッシュに存在する
2.要素bpx:cacheableが存在せず、許可は、行使されるべき関連する権利を許諾するサーバから取得される
【0231】
次の例において、許可が「http://www.pi.org/paymentService」においてサーバから取得される場合のみ、ビデオオブジェクトを再生する権利が行使できる。
【0232】

【0233】
cをbpx:SeekPermissionとする。(p、r、t、v、Σ、L、R)を認証要求とする。(g、h、e)を認証ストーリーとする。mをc/r:serviceReferenceとする。この場合、mが未定義の場合、あるいはΣをmによって決定された参照特定パラメータの値を含む順序付けられた組(タプル)とする場合に、下記の少なくとも1つが真である場合においてのみ、cは(p、r、t、v、Σ、L、R)及び(g、h、e)に対して満たされる。
Σ.bpx:sP(m/r:serviceDescription,ρ)が真であるか、
Σのいくつかのサブセットと等しいσについて下記が真である:
c/bpx:cacheableが存在する
Σ.bpx:sPC(m/r:serviceDescription,ρ、p、r、t、σ)が存在し、
c/bpx:cacheable/bpx:periodが存在する場合、
Σ.bpx:sPC(m/r:serviceDescription,ρ、p、r、t、σ)がc/bpx:cacheable/bpx:periodの値未満である。
【0234】
dをbpx:ServiceLocationとすると、dによって記載されるサービスの記載は、例示的プロトコルブックの「一般的な支払い及び許可プロトコルの」の項に規定されている。サービスの終了点はd/bpx:urlの値で与えられる。
【0235】
StartCondition条件要素は、関連された権利の行使の開始時に、含まれた条件をチェックすることを要求する。図26はStartCondition条件要素を示す。
【0236】
前記条件は、含まれた条件がそれに関連する権利の行使開始時に満たされる場合にのみ満たされる。
【0237】
別の条件(時間条件など)を包含するためにこの条件を用いることで、包含された条件をテストするために要求された行使がどれくらいの期間継続されるかを必ずしも知らなくても、また包含された条件を継続的にチェックしなくても(逆にチェックが要求される場合もあるが)、この条件を満たすことができる。
【0238】
例えば、下記式は、2005年内に再生が開始されれば、そのリソースを再生できることを指定する。
【0239】

【0240】
cをbpx:StartConditionとする。(p、r、t、v、Σ、L、R)を認証要求とする。(g、h、e)を認証ストーリーとする。すると、c/r:cond
itionが(p、r、t、v、Σ、L、R)及び(g、h、e)に対し満たされる場合にのみ、cは(p、r、t、i、Σ、L、R)及び(g、h、e)に対し満たされる。ここでiは時間間隔vの開始点から始まるゼロ長さの間隔である。
【0241】
OutputRegulation条件要素は、出力信号が、bpx:regulation要素のリストによって指定された規則のうちのいずれかを使用して統制されることを要求する。図27はOutputRegulation条件要素を示す。
【0242】
オプションの属性@typeOfSignalは、いずれのタイプの信号、すなわちbpx:digital、あるいはbpx:analogに規則が適用されるかを示す。この属性が存在しない場合、規則はあらゆるタイプに適用される。オプションの属性@qualityOfSignalは、bpx:HD(高品質)とbpx:SD(標準品質)のいずれの信号品質に規則が適用されるかを示す。この属性が存在しない場合、規則は信号のあらゆる品質に適用される。
【0243】
この条件は、bpx:regulationsのリストにより特定される少なくとも1つの規則が、一致したタイプ及び一致した品質を備えた出力信号を統制するために使用される場合にのみ満たされる。ここで、信号のタイプは、関連するbpx:regulationsが指定タイプを持たないか又は同一タイプを持つ場合に、規則のタイプと一致する。また、信号の品質のタイプは、関連するbpx:regulationsが指定品質を持たないか又は同一品質を有する場合に、規則のタイプと一致する。
【0244】
次の例は、制約画像(ICT:1)の形式での高精細度アナログ出力を可能にするか、又はAPSのタイプ1(APSTB:01)に従った類似保護(Analogy Protection)を有することで出力信号が統制される場合に、映画の予告編が再生可能となることを示す。
【0245】

【0246】
cをbpx:OutputRegulationとする。(p、r、t、v、Σ、L、R)を認証要求とする。(g、h、e)を認証ストーリーとする。この場合、1からΣ.bpx:oRNum()までの各整数について、下記の全てが真となるようにcの子要素c/bpx.regurationのγが存在する場合においてのみ、cは(p、r、t、v、Σ、L、R)及び(g、h、e)に対し満たされる。
γ/@bpx:typeOfSignalが存在しないか、又はその値が□.bpx:oRTOS(i)に等しく、
γ/@bpx:qualityOfSignalが存在しないか、又はその値が□.bpx:oRQOS(i)に等しく、
γ.bpx:oR(i、γの値)が真である。
【0247】
IdentityHolderPattern要素は特定の識別システムにアイデンティティホルダを制限する。これは、特定のbpx:idSystem属性とbpx:identityHolder要素とを一致させるパターンを定義する。これは、RELコアで定義されたr:PrincipalPatternAbstractの拡張である。
【0248】
埋め込まれたbpx:identityHolder要素を有するr:forAll要素は、適格なバインド(結合)が、パターン中で指定されたbpx:idSystem属性と一致するbpx:idSystem属性を備えた1セットのbpx:identityHoldersである変数の宣言を表す。
【0249】
次の例は、「authorizedDevice」と呼ばれる変数を宣言し使用する。「urn:mpeg:mpeg21:2005:01−REL−bpx−NS:imsi」と呼ばれる識別システムにより発行されるアイデンティティの任意のホルダは、指定されたコンテンツを有効に再生できる。
【0250】

【0251】
aをbpx:IdentityHolderPatternとする。xをXML文書とする。mをxに含まれているルート要素とする。qを認証要求とする。eを認証者とする。この場合と、mがbpx:IdentityHolderであり、m/@bpx:idSystemの値がa/@bpx:idSystemの値と等しい場合においてのみ、xはqとeに関してaと一致する。
【0252】
表6は、ベースプロファイル拡張、及びそれらが表すステートメントに関する認証コンテキスト特性を明記する。特性が表6の第一カラムに与えられる名称を有し、表6の第二カラムで与えられた値を有する場合、その特性によって表されるステートメントは表6の第三カラムで与えられたステートメントである。
【表9】

【0253】
適格名称(Qualified Names)には以下が含まれる。即ち、このプロファイルへのコンプライアンスを示すライセンス中で、@sx:profileComplianceの値として使用される適格名称bpx:malibu−commonである、profileCompliance QName;例示的コンプライアンスルールの「アドバンストコピー」項で指定されたコンプライアンスルールを識別する適格名称bpx:AdvancedCopyであるAdvancedCopy、及び例示的コンプライアンスルールの「クリアコピー」項で指定されたコンプライアンスルールを識別する適格名称bpx:ClearCopyであるClearCopyを含む、GovernanceRule QNames;アナログタイプの信号を識別する適格名称bpx:analogであるAnalog、及びデジタルタイプの信号を識別する適格名称bpx:digitalであるDigitalを含む、Type−of−Signal QNames;信号の標準定義品質を識別する適格名称bpx:SDであるSD、及び信号の高精細度品質を識別する適格名称bpx:HDであるHDを含む、Quality−of−Signal Qnames;適格なICT:1名称であるICT:1、及び適格なAPSTB:01名称ネームであるAPSTB:01を含む、Regulation−of−Signal QNames。
【0254】
次の項は、例示的「ビジネスモデル」からの例示的使用ケースシナリオを含み、前の項に定義されたプロファイルの適用を示す。
【0255】
消費者は、料金のために、映画館用リリースバージョン(「ベーシック」タイトル)の代わりに、ディレクター・カットバージョンを見ることができる。
【0256】



【0257】
HBO(登録商標)は、地上波のHDテレビを受信することに決めた顧客にAACSディスク購読モデルを提供する。顧客はこれらに対しケーブル/衛星を介してHBO(登録商標)が利用可能でなくてもよい。この場合、HBO(登録商標)は、顧客に対し毎月2枚のAACS SDディスク(1枚のディスク当たりの30時間のコンテンツ)を郵送する。これらのディスクは適切な数か月分のHBO(登録商標)のコンテンツを有するが、ディスクは指定された月間のみ利用可能である。
【0258】
郵送されるディスク上のライセンス例を下記に示す:
【0259】

【0260】
消費者は、特定の国に関する旅行本を取得する。本にはAACSディスクが含まれている。ディスクのベーシックタイトルは国を記載するが、当該国に滞在している間のみ再生できる強化コンテンツが存在する。
【0261】



【0262】
コンテンツがサーバ上に格納される場合、ディスクにはコンテンツに関する使用ルールはない。ダウンロードコンテンツには使用ルールが付属し、すなわち、ルールはディスク上には存在しない。
【0263】
他方、コンテンツがディスク上に格納される場合の使用ルールの例は下記のようなものである:
【0264】

【0265】
最初に公開される時、AACSディスクはペイパービュー方式ディスクであってもよい。一定の時間枠の後、消費者は、ディスクを従来の「ディスクからの再生」用ディスクに「変換する」ことを許可されてもよい。
【0266】



【0267】
消費者は新たな高解像度ディスプレイを購入する。次いで、消費者は好きな映画を借りにレンタルショップへ行く。レンタルバージョンは当年の年末まで権利を制限したため、消費者は2か月間高解像度バージョンを閲覧できない。
【0268】

【0269】
消費者は、30秒間のサウンドクリップの抽出を可能にするAACSディスクを取得する。次いで、消費者は、AACSに準拠した装置を使用して、映画から一定のオーディオセグメントを純粋なMP3フォーマットとして抽出する。その後、消費者は、呼出音としてこれらのセグメントのうちの1つを使用する。
【0270】

【0271】
WB.comで映画を登録するユーザは、ディスクから映画、壁紙、呼出音などのファイルを抽出できる。
【0272】

【0273】
固定された時間、日付のうちのどちらか又は両方:
【0274】

【0275】
オンライン認証時間に対して:
【0276】

【0277】
AC世代時間に対して:
【0278】

【0279】
Output Regulatedの例は、デジタル出力(アナログでない)でなくてはならない、或いは、HDなどの場合保護されなければならない等の例、また、bpx:outputRegulation条件要素によってカバーされる例を含む。地理的な例は、r:territory条件要素によりカバーされた例を含む。支払いの例は、bpx:seekPermission条件要素により暗黙的にカバーされた例を含む。
【0280】
MPEG REL拡張の例示的スキーマ:
【0281】



【0282】
MPEG RELコアの例示的プロファイルスキーマ:
【0283】






【0284】
MPEG REL標準拡張の例示的プロファイルスキーマ:
【0285】



【0286】
MPEG REL マルチメディア拡張の例示的プロファイルスキーマ:
【0287】

【0288】
次の項は、例示的実施形態にサポートできる対象ビジネスモデルを捕捉する。例示的実施形態の目的は、例えばWarner BrothersのHD−DVDディスクのマスタリングなどのために、1セットの仕様書及びRELライセンスを供給することにある。
【0289】
この項は、例示的Architecture Scope(アーキテクチャ範囲)及びAssumptions(仮定)の項と併せて、例示的実施形態の例示的範囲を定義する。更なる項はビジネスモデルを列挙して実施例を提供し、いくつかのビジネスモデルの一部として使用できるか又はそれを強化できる、サポートされた条件を列挙する。
【0290】
ビジネスモデルはコンテンツの場所に基づいて、4つの基本的なカテゴリに分類される:
【0291】
コンテンツがディスクに残り、ローカルシステムがディスクからのコンテンツの使用を管理するために使用される場合、それは「強化モードコンテンツ(Enhanced Mode Content)(ディスク上で使用されるコンテンツ)」であると見做される。
【0292】
コンテンツがサーバから供給され、ディスクのサポートにより使用される場合、これは「強化モードコンテンツ(ダウンロードされ、ディスクと共に使用されるコンテンツ)」と見做される。
【0293】
ローカルシステムがディスクからコンテンツをコピーする能力を認証し、コピーされたコンテンツの使用を管理するために使用される場合、「アドバンストコピーコンテンツ(Advanced Copy Content)(ディスクからコピーされたコンテンツ)」と見做される。
【0294】
コンテンツがディスク上で保護され、但し一定の条件下において更なる強制的な使用制限なしにコンテンツがディスクからリリースされる場合、「アドバンストコピーコンテンツ(ディスクからクリア(制限なし)としてコピーされるコンテンツ)」と見做される。
【0295】
モデルの「強化モードコンテンツ(ディスク上で使用されるコンテンツ)」セットにおいて、プレーヤシステムはディスク上にある状態で、コンテンツの使用を管理するために使用される。AACSは、Basic Mode Content(ベーシックモードコンテンツ)が条件なしで全てのAACSコンプライアント装置で再生可能であると命ずるため、この項はAACS Enhanced Mode Content(AACSエンハンストモードコンテンツ)を対象とする。ビジネスモデルのベーシック能力を提供することのみならず、条件の項で提供される条件の種類を重ね合わせることが意図されている。
【0296】
消費時支払い方式(Pay at the Time of Consumption)には、料金の支払いをせずには再生できない強化モードコンテンツが含まれる。
【0297】
例:
消費者は、料金のために、映画館リリースバージョン(「ベーシック」タイトル)の代わりに、ディレクターによるフィルムの短縮バージョンを見てもよい。
【0298】
例:
消費者は、コンビニエンスストアで映画ディスクの無料コピーを受け取る。ディスクは映画の全編、及び含まれた映画の予告編などを含む。ユーザが映画の全編を閲覧したければ、再生認証のための料金を支払うことになる。支払い後は、友人などにディスクを渡すことができる。
【0299】
この場合、メイン映画タイトルは「エンハンスト(強化)」のフラグが立てられ、当該映画の予告編及び条件には「ベーシック」のフラグが立てられる。
【0300】
例:
15SD(標準定義)解像度の映画がディスクで利用できる。いずれの映画も金融取引なしでは閲覧できない。
【0301】
時間リリース購読(Time Release Subscription)には、購読モデルに基づいて消費者にディスクを供給することが含まれる。これらのディスクは、適切な単位時間(例えば2006年5月)の間動作する。
【0302】
例:
HBO(登録商標)は、地上波のHDテレビを受信することに決めた顧客にAACSディスク購読モデルを提供する。顧客はこれがケーブル/衛星を介してHBO(登録商標)を利用可能でなくてもよい。この場合、HBO(登録商標)は、顧客(1枚のディスク当たりの30時間のコンテンツ)に対し毎月2枚のSDディスクを郵送する。これらのディスクは適切な数か月分のHBO(登録商標)のコンテンツを有するが、ディスクは指定された月間のみ利用可能である。
【0303】
例:
上記のように、予約月に生じる初公開日と一致させるため、コンテンツの一部のみをその月の特定日にロック解除する。例えば、Band of Brothers(バンド・オブ・ブラザーズ)のエピソード201は、HBO(登録商標)でプレミアとなった5月13日以降のみ利用可能である。
【0304】
ロックされたコンテンツは、一定条件下(例えばオンライン取引)でのみアクセスできるロックコンテンツを含む。
【0305】
例:
消費者は、特定の国に関する旅行本を取得する。本にはディスクが含まれる。ディスクのベーシックタイトルはその国を記載するが、その国にいる間のみ再生可能な強化コンテンツが存在する。
【0306】
プレ購入は、一定の日付の後においてのみ使用可能となるコンテンツを有するディスクを取得する消費者を含む。
【0307】
例:
特殊ディスクが映画の映画館公開(リリース)の間に映画館で購入可能であってもよい。これらのディスクは映画の小売りリリースまでは使用できない。これらのディスクの価格は小売りディスクと同一価格だが特別のコンテンツを含んでいてもよく、小売りディスクより低価格であってもよい。消費者は、HD DVD購入を待つのではなく映画館のリリースに出席せずにいられなくなる。
【0308】
時間リリース条件(Time Released Conditions)には、時間にわたって拡張する使用ルールが含まれる。
【0309】
例:
最初に公開される際、ディスクはペイパービュー方式ディスクであってもよい。
一定時間ウィンドウの後、消費者が、ディスクを従来の「ディスクからの再生」ディスクに「変換する」ことが可能であってもよい。
【0310】
例:
消費者は新しい高解像度ディスプレイを購入し、好きな映画を借りにレンタルショップへ行く。レンタルのバージョンは今年の年末まで権利が制限されるため、消費者は2か月の間、高解像度バージョンを閲覧できない。
【0311】
セキュリティに関しては、ディスクは実際の映画コンテンツを有していても、有していなくてもよい。ディスクは、リリース枠が近づくとダウンロードコンテンツとして映画を取得するための、販売促進及び再生リストのみを含んでもよい。
【0312】
次の強化モードコンテンツ(ダウンロードされ、ディスクと共に使用されるコンテンツ)モデルは、ディスクと共に使用するためのオンラインで入手可能な追加のコンテンツを含む。この追加コンテンツは、再生する能力に様々な条件(例えば、地理的、時間的、料金的など)を設けてもよい。
【0313】
ストリーミングコンテンツ(Streaming Content)には、ディスクと共に使用されるためにサービスから流されるオンラインコンテンツを含まれることができる。
【0314】
例:
消費者は、映画と同期された、映画俳優からの音声解説を含むオプションを有するディスクを取得する。この解説は、置換サウンドトラックではなく、それ以外の映画の部分と共に再生される付加的なトラックである。
【0315】
ダウンロードされたコンテンツ(Downloaded Content)には、配信され、ディスクと共に使用されるために格納可能なオンラインコンテンツが含まれる。
【0316】
例:
消費者は、付加的なサブタイトル材料が映画と共に使用するために入手できると識別する。消費者はサブタイトルをダウンロードし、準拠する装置上に格納するが、関連するディスクと共に使用されなければ、サブタイトルは使用できない。そこで、消費者はディスクを借り、映画再生中にサブタイトルを閲覧する。
【0317】
アドバンストコピー(AC)コンテンツ(Advanced Copy Content(ディスクからコピーされるコンテンツ))には、コピーの例示的バージョンが含まれる。ACモデルは、いかなる方法でも「AACS被管理コピー(AACS Managed Copy(MC))」を排除せず、妨害しない。ACの機能は装置作製者に対してオプションであり、AACS上に構築される。
【0318】
ACとMCの主な差異は、ACの使用は、柔軟であり、タイトル毎にスで変化する「使用ルール」によって決定される一方、MCの使用は、複数のコンテンツタイプにまたがって固定されるAACS仕様書及びコンプライアンスルールによって決定される点にある。
【0319】
ACの2つの局面を制御するよう使用ルールが指定される。第一の局面は、どのような条件下でACを作製できるかを管理するルールである。ACを作製するためのルールは非常に精巧なものとすることができ、以下を含む多くのパラメータを含むことができる:料金、地理的制限、メンバーシップ、対象DRMシステム、日付、解像度、トラッキングなど。
【0320】
第二の局面はACの実際の使用である。AC作製後、使用ルールはACの使用を管理するために関連付けられる。これらのルールも非常に精巧なものとすることができ、AC作製の認証用ルールと同様のタイプのパラメータを含むことができる。
【0321】
例:
ディスクは、メインタイトル映画を、5ドルの料金でMCを作製する許可と共に含んでもよい。消費者はAACSコンプライアンスに従いMCを作製でき、或いは...
【0322】
消費者が例示的実施形態にコンプライアントな(準拠する)装置を所有している場合、消費者は更にACに関するオファー(機能提供)を閲覧できる。このオファーは、無料でACを作製する能力を有するが、ACは受信DRMシステムに対してロックされ、再生には毎回3ドルを必要とすることを記載してもよい。
【0323】
デバイス結合(Bind to Device)には、ディスクからコピーできるが、コピー作製後は識別された装置にディスクが存在する状態においてのみ再生できるコンテンツが含まれる。
【0324】
例:
【0325】
消費者は、消費者がプレーヤの保護された記憶装置上にコンテンツのコピーを作製することを可能とするオファーを含むディスクを取得する。ACの作製はそれに関連する使用ルール(例えば料金)を有していてもよく、ACはそれに関連付けられた使用ルール(例えば、このプレーヤによってのみ再生可能)を有する。
【0326】
例:
消費者が友人からディスクを借りる。AC作製後1日間のみ使用でき、対照装置によってのみ使用できるという条件の下で、消費者がACを無料で作製することを可能にするAC作製オファーが存在する。
【0327】
超流通(Superdistribution)には、顧客とその友人の間で直接配信されることが可能なディスクコンテンツのコピーが含まれる。コンテンツの配信されたバージョンは、サーバから許諾された追加の許可又は使用ルールなしでは使用できないこともある。
【0328】
例:
消費者は友人からディスクを借りる。ディスクは、ACの作製を可能にする。AC作製は無料であってもよいが、15ドルの料金が支払われるまでACコンテンツは利用できない。料金が支払われると、ACコンテンツは、関連付けられた装置によって無期限に再生可能となる。
【0329】
例:
消費者が友人に映画のコピーを送るためにブロードバンド接続を使用する以外は上記例と同様である。この場合、AC作製オファーは作製時の対象装置が識別されるかどうかに左右されることがある。このように、消費者は、友人に映画のコピーを薦めることができ、友人はディスクを得る必要なしに、映画の代価を払うことを選択できる。
【0330】
アドバンストコピーコンテンツ(Advanced Copy Content)(ディスクからクリアへコピーされるコンテンツ)は、ディスクがクリアコンテンツ又はAACSによって保護コンテンツのいずれかを含み、AACSコンプライアンスルールが、AACSによりロック解除された後、AACSにより保護されたコンテンツの使用を管理するという前提を含む。
【0331】
これらのモデルは一定の条件が満たされ、クリア(制限なし)にリリースされるまで、AACSによってコンテンツが保護される、追加のモードを提供する。コンテンツは、他の何らかの手段(例えばゲームコピープロテクション)によって本質的に保護されるか、クリアフォーマット(例えばmp3、jpg、etc.)へリリースされるものと推定される。
【0332】
例:
ディスクは、購入用の映画館用でない材料を含む。ユーザは料金を支払い、映画と関係するXBox(登録商標)ゲームをロック解除することができる。
【0333】
例:
WB.comに映画を登録したユーザは、映画、壁紙、呼出音などのファイルをディスクからコピーできる。
【0334】
一般的に、条件は、コンプライアントシステムを動作させるために満たされなければならない、特定の状況である。使用ルールは、コンテンツがいつ、どのように再生され、別のDRMシステムに対してリリースされうるかを管理するが、これらのアクションに関する条件は特定のビジネスモデルの構築を支援する。下にいくつかの例を示す。
【0335】
強化コンテンツを再生可能とするための使用料(per use fee)条件は、ペイパービュー方式モデルを構築する。
【0336】
強化コンテンツを再生する能力に対して課された時間条件は、レンタルモデル又はプレ購入モデルの実施に使用できる。
【0337】
コピーを作製する能力に対して課される料金条件は超流通形式を実施するよう使用できる。
【0338】
コピーを使用する能力に対して課される料金条件は、異なる特色を持つ超流通を実施する。この場合、コピーの作製は無料だが、コピーの使用は料金を必要とする。
【0339】
この項は、例示的ビジネスモデルのための目標とされたタイプの条件を記載する。
【0340】
時間的制約(Time Constraint)には、何らかの時間的制約により管理されうるコンテンツを使用又は配信する能力が含まれる。
【0341】
例:
固定された時間、日付のどちらか又は両方
開始時刻
終了時刻
オンライン認証時間に対する
【0342】
AC世代時間に対する
【0343】
出力規制条件(Output Regulated)には、コンテンツが利用される際に、コンテンツを各種レンダリングデバイスに供給する際に利用できるポートの種類に制約が存在することが含まれる。
【0344】
例:
デジタル出力でなければならない(アナログはない)。
HDの場合、保護されなければならない。
【0345】
地理的条件には、一定の地理的区域に制限されることができるコンテンツの使用が含まれる。
【0346】
例:

【0347】
支払い条件には、支払いが行なわれると使用可能となるコンテンツが含まれる。
【0348】
例:
使用料(per use fee)−コンテンツの再生毎に料金が必要となる。
【0349】
定額料金−コンテンツの使用に一度だけ料金が必要である。
【0350】
次の項は、例示的実施形態のためにサポートされることを意図したアーキテクチャ範囲、及びその範囲が依存するいくつかの前提及び事項を捕捉する。例示的実施形態の目的は、例えばWarner BrothersによるHD DVDディスクのマスタリングのために、1セットの仕様書及びRELライセンスを供給することにある。
【0351】
次の項は、例示的ビジネスモデルと共に、例示的実施形態の範囲を定義する。
【0352】
アーキテクチャ範囲は、例示的ビジネスモデルに記載されたビジネスモデル、及びタイトル使用ファイル(TUF)のためのAACS Common Book(AACS共通ブック)中で指定された必要条件をサポートするものである。
【0353】
残りの項は、例示的システムコンポーネント、例示的実施形態がサポートする様々なアーキテクチャ上のシナリオを記載し、技術的コンプライアンスルールと関連する例示的実施形態をリストする。
【0354】
この項は、以下を含む例示的システムコンポーネントを記載する。
【0355】
図28:システムコンポーネントに使用されるグラフ表示を定義するキー。
【0356】
図29:ディスク、プレーヤ、コンテンツサーバ及び認証サーバの4つのシステムコンポーネントを形成するためにベーシックな例示的コンポーネントをどのように組み合わせるかを示す図である。また、この図は、4つのシステムコンポーネント間の相互作用をも示している。
【0357】
従って、図29の例示的システムコンポーネントの図2900は、図28に定義されたグラフィカル表現2800を使用し、ディスク2801、装置2802、保護コンテンツ2803、非保護コンテンツ2804、インタフェース2805、プロトコル2806、使用ルール又は権利2807、再生要素2808、範囲外指定2809、権利記述ブック範囲指定2810、インタフェースブック範囲指定2811、及びプロトコルブック範囲指定2812を含む。
【0358】
図29の例示的システム2900は、上記システムコンポーネント2801〜2812を含む。
【0359】
ディスク2801:このコンポーネントは、例示的権利記述ブック及び例示的インタフェースブックに従って書かれた使用ルールにより管理される、保護コンテンツを含むAACS HD DVDプレレコードディスク(記録可能ディスクは考慮されない)を含む。更に、例示的インタフェースブックは、保護コンテンツと使用ルールの間の結合の正確な性質を定義する。
【0360】
プレーヤ2903:このコンポーネントは、ディスク2801上でコード化された、保護コンテンツを使用し配信する権利を行使できる。
【0361】
コンテンツサーバ2901:このコンポーネントは、要求するプレーヤ2903に付随的な保護コンテンツ又はTUFを供給するサーバである。コンテンツサーバ2901からコンテンツ又はTUFをダウンロードすることによって、プレーヤ2903はディスク2801上に格納されたコンテンツ又は使用ルールに加えて、コンテンツ又は使用ルールを得ることが可能である。
【0362】
認証サーバ2902:このコンポーネントは、要求するプレーヤ2903のための権利の要求された行使を認可する。適切な認証応答の決定は、サーバ2902上に格納された使用ルール2807を解釈すること、支払いを受け取るか又は確認すること、あるいは他の認証処理を含んでもよい。認証サーバ2902上に格納された任意の使用ルール2807は、認証サーバ2902に対し帯域外で通信される。
【0363】
少数のコンテンツ及び認証サーバ2902が多くのプレーヤ2903と通信することが予測される。
【0364】
純粋にライセンスを発行する目的で別のサービスが存在する必要はない。サーバ2902とプレーヤ2903などの実体との間、又はこの逆の間でライセンスのみを送信する必要はない。
【0365】
ディスク2801上で保護コンテンツの使用権の行使するためには、
1.ユーザはプレーヤ2903にディスク2801を入れ、権利の行使を要求する。
2.プレーヤ2903は、ディスク2801上に格納された使用ルールを解釈する。保護コンテンツの使用及び配信を管理する全ての情報が、TUF又はMNGCOPY_LICENSES.XMLファイル中で明示的に指定されることができる。
3.ディスク2801上の使用ルール及び行使される権利に応じて、プレーヤ2903は、コンテンツサーバ2901、認証サーバ2902、又はこの両方と通信してもよい。プレーヤ2903が追加的な保護コンテンツ又はTUF2803を取得する必要があれば、プレーヤ2903はコンテンツサーバ2901と接続する。コンテンツサーバ2901はプレーヤ2903へ要求された保護コンテンツ又はTUF2803を送信する。プレーヤ2903とコンテンツサーバ2901の間の通信は、AACS HD DVD及びDVDプレレコードブックの「ダウンロード、ストリーミング、及びオンラインの可能化」の項に記載された方法で行われる。プレーヤ2903がオンライン認証を取得する必要があれば、プレーヤ2903は認証サーバ2902と接続する。認証サーバ2902は適切な認証応答を決定し、プレーヤ2903へ送信する。プレーヤ2903と認証サーバ2902の間の通信は例示的プロトコルブックに記載された方法で行われる。
4.要求された権利が認可される場合、プレーヤ2903は要求された行使を行う。
【0366】
使用ルールは次の方法のうちの1つで保護コンテンツに関連付けられることができる。
コピー関連の使用ルールはResourceGroupに関連付けられる。
他の使用ルールはEVOBS及び再生リストに関連付けられる。
【0367】
使用ルールは個別に署名されなくてもよいが、AACSパッケージコンテンツの一部として完全性を保護されることができる。使用ルールの発行人はコンテンツプロバイダである。完全性のための使用ルールのキーはAACS LAに属する。
【0368】
この項は、例示的実施形態にサポートされた様々な権利の行使を説明するアーキテクチャ上のシナリオを記載する。
【0369】
ユーザがディスク2801上でコード化された保護コンテンツを再生したい場合、プレーヤ2903は再生権が認可されるか否かを判断するために保護コンテンツ2803に関連付けられた使用ルールを解釈する。権利の行使は次の方法のうちの1つで認可されてもよい:
【0370】
再生権はディスク2801上でコード化された使用ルールによって認可される。
【0371】
再生権は、認証サーバ2902による認証に左右され、プレーヤ2903は必要な認証を要求する。認証サーバ2902は適切な応答(サーバ2902に格納された使用ルール2807の解釈及び/又は支払いを含んでもよい)を決定し、応答をプレーヤ2903に送信する。
【0372】
要求された再生操作は付加的な保護コンテンツ又は追加のTUFを必要とし、プレーヤ2903はコンテンツサーバ2901に必要なコンテンツを要求する。コンテンツサーバ2901は要求された保護コンテンツ又はTUF2803をプレーヤ2903に送信する。適切であれば、プレーヤ2903は再生権が認可されるか否かを判断するために、コンテンツサーバ2901から受け取ったTUFに含まれる付加的な使用ルールを解釈してもよい。
【0373】
再生権が認可される場合、プレーヤは保護コンテンツを再生する。
【0374】
被管理コピーの使用はAACS仕様書及びコンプライアンスルールによって決定される、このルールは全てのコンテンツタイプにまたがって固定とすることができる。
【0375】
AACSの被管理コピー機能に関して下記が前提とされる:
【0376】
被管理コピーの目的は、DRMシステムが、ディスク2801から、DRMシステムにより管理されるコンテンツのバージョンを受け取ることにある。
【0377】
AACSコンプライアンスルールは、被管理コピーの使用を決定し、コンプライアンスルールは、DRMシステムによる被管理コピーの無期限再生を可能にすると仮定されるが、コンプライアンスルールは被管理コピーが他のシステムへ無差別に再送信されることを防止できてもよい。
【0378】
更に、各ディスク2801は、コンプライアントなAACSシステムが、AACSで認可されたDRMシステムの一つに対し、被管理コピーを作製することを可能とする価格面及び条件で利用可能なオファーを行わなくてはならないものと仮定する。
【0379】
ユーザがディスク2801上でコード化された保護コンテンツ2803の被管理コピーを作製したい場合、プレーヤ2903は被管理コピー(著作)権が認可されるか否かを判断するために保護コンテンツ2803に関連付けられた使用ルールを解釈する。権利の行使は次の方法で認可されてもよい:
【0380】
被管理コピー権は、ディスク2801上でコード化された使用ルールによって認可される。例示的使用ルールは、認証サーバ2902へ接続することなく被管理コピー権の行使を認可するために使用できる。
【0381】
被管理コピー権は、認証サーバ2902による認証に左右され、プレーヤ2903は必要な認証を要求する。認証サーバ2902は適切な応答(サーバ2902に格納された使用ルール2807の解釈及び/又は支払いの実行を含む)を決定し、応答をプレーヤ2903に送信する。
【0382】
被管理コピー権が認可される場合、AACS仕様書及びコンプライアンスルールで指定されるように、プレーヤ2903は保護コンテンツ2803のコピーを作製し、コピーに新しい使用ルールを関連付ける。
【0383】
アドバンストコピー(著作)権はコピーの例示的バージョンである。被管理コピー権を行使する際、コピーの使用がAACS仕様書及びコンプライアンスルールによって決定され、ルールは全てのコンテンツタイプにまたがって固定できる。アドバンストコピー権を行使する際、コピーの使用は柔軟でタイトル毎に変更可能な使用ルールによって管理される。使用ルールは非常に精巧であってもよく、料金、地理的な制限、メンバーシップ、対象DRMシステム、日付、解像度、トラッキングなどを含む多くのパラメータを含むことができる。
【0384】
ユーザが保護コンテンツ2803のアドバンストコピーをディスク2802上でコード化しようとする場合、プレーヤ2903はアドバンストコピー権が認可されるか否かを判断するために保護コンテンツ2803に関連付けられた使用ルールを解釈する。権利の行使は次の方法のうちの1つで認可されてもよい:
【0385】
アドバンストコピー権はディスク2802上でコード化された使用ルールによって認可される。
【0386】
アドバンスト著作権は認証サーバ2902による認証に左右され、プレーヤ2903は必要な認証を要求する。認証サーバ2902は適切な応答(サーバ2902に格納された使用ルール2807の解釈及び/又は支払いの実行を含む)を決定し、応答をプレーヤ2903に送信する。
【0387】
アドバンストコピー権が認可される場合、プレーヤ2903は保護コンテンツ2803及び指定された使用ルールのコピーを作製する。
【0388】
ユーザがディスク2801上でコード化された保護コンテンツ2803のクリアコピーを作製したい場合、プレーヤ2903はクリアコピー(著作)権が認可されるか否かを判断するために保護コンテンツ2803に関連付けられた使用ルールを解釈する。権利の行使は次の方法のうちの1つで認可されてもよい:
【0389】
クリアコピー権がディスク2801上でコード化された使用ルールによって認可される。
【0390】
クリアコピー権は認証サーバ2902による認証に左右され、プレーヤ2903は必要な認証を要求する。認証サーバ2902は適切な応答(サーバ2902に格納された使用ルール2807の解釈及び/又は支払いの実行を含む)を決定し、応答をプレーヤ2903に送信する。
【0391】
クリアコピー権が認可される場合、プレーヤ2903は保護コンテンツ2803のクリアコピー2804を作製する。クリアコンテンツ2804は、他の何らかの手段(ゲームコピープロテクションなど)によって本質的に保護されるか、クリアフォーマット(mp3、jpgなど)へリリースされるものと推定される。
【0392】
ユーザが認可された方法(例えばあるプレーヤ2903へある権利を結びつける)で権利を拡張したい場合、プレーヤ2903は発行権が認可されるか否かを判断するために保護コンテンツ2803に関連付けられた使用ルールを解釈する。権利の行使は次の方法のうちの1つで認可されてもよい:
【0393】
発行権がディスク2801上でコード化された使用ルールによって認可される。
【0394】
発行権は認証サーバ2902による認証に左右され、プレーヤ2903は必要な認証を要求する。認証サーバ2902は適切な応答(サーバ2902に格納された使用ルール2807の解釈及び/又は支払いの実行を含む)を決定し、応答をプレーヤ2903に送信する。
【0395】
発行権が認可される場合、プレーヤ2903は他の認証で使用される新しい権利を作製する。
【0396】
ユーザが保護コンテンツ2803のアドバンストコピーを作製したい場合、プレーヤ2903は再生アドバンストコピーコンテンツ権が認可されるか否かを判断するためにコピーに関連付けられた使用ルールを解釈する。権利の行使は次の方法のうちの1つで認可されてもよい:
【0397】
再生アドバンストコピーコンテンツ権は、コピーに関連付けられた使用ルールによって認可される。
【0398】
再生アドバンストコピーコンテンツ権は、認証サーバ2902による認証に左右され、プレーヤは必要な認証を要求する。認証サーバ2902は適切な応答(サーバ2902に格納された使用ルール2807の解釈及び/又は支払いの実行を含む)を決定し、応答をプレーヤ2903に送信する。
【0399】
要求された再生アドバンストコピーコンテンツは、付加的な保護コンテンツ又は追加のTUF2803を必要し、プレーヤ2903はコンテンツサーバ2901に必要なコンテンツを要求する。コンテンツサーバ2901はプレーヤ2903へ要求された保護コンテンツ又はTUF2803を送信する。適切な場合、プレーヤ2903は再生権が認可されるか否かを判断するために、コンテンツサーバ2901から受け取られたTUFに含まれる付加的な使用ルールを解釈してもよい。
【0400】
再生アドバンストコピーコンテンツ権が認可される場合、プレーヤ2903はコピーを再生する。
【0401】
更に例示的実施形態は、コンプライアントアドバンストコピー先のリストを決定すること、適合する地理的な決定技術のリスト及びこのような技術の認証のための処理/ロバストネス基準を決定すること、適合する時間決定技術のリスト及びこのような技術の認証のための処理/ロバストネス基準を決定すること、使用ルールが尊重されているか否かを判断する権威を指定すること、このような権威がAACS LA自身でない場合、AACS LAに対して有害な装置を無効にさせる改善処理、などを含む。
【0402】
上記例示的実施形態の装置及びサブシステムの例として、例示的実施形態の処理を行うことが可能な、任意の適切なサーバ、ワークステーション、PC、ラップトップコンピュータ、PDA、インターネット家電、ハンドヘルド装置、携帯電話、無線デバイス、その他の装置が挙げられる。例示的実施形態の装置及びサブシステムは任意の適切なプロトコルを使用して相互に通信することが可能であり、1台以上のプログラムされたコンピュータシステム又は装置を使用して実施できる。
【0403】
例えばインターネットアクセス、任意の適切な形式の電話通信(例えば音声、モデムなど)、無線通信媒体などを含む1つ以上のインタフェース機構が、例示的実施形態と共に使用できる。例えば、使用される通信網又はリンクは、1つ以上の無線通信ネットワーク、移動通信ネットワーク、G3通信網、公衆交換電話網(PSTN)、パケットデータ網(PDN)、インターネット、イントラネット、及びこれらの組み合わせを含むことができる。
【0404】
例示的実施形態の装置及びサブシステムは例示目的で示され、当業者には理解されるように、例示的実施形態を実施するために使用される特定のハードウェアには多くの変更が可能である。例えば、例示的実施形態の装置及びサブシステムの1つ以上の機能は、1台以上のプログラムされたコンピュータシステム又は装置によって実施できる。
【0405】
上記及び他の変更を実行するために、単一のコンピュータシステムを例示的実施形態の装置及びサブシステムの1つ以上の専用機能を行うべくプログラムできる。他方、2台以上のプログラムされたコンピュータシステム又は装置を、例示的実施形態の装置及びサブシステムのうちのいずれか1つの代わりに用いることが可能である。従って、例示的実施形態の装置及びサブシステムのロバストネス及び性能を改善するために、所望により冗長化、重複化(レプリケーション)などの分散処理の原理及び利点も実施できる。
【0406】
例示的実施形態の装置及びサブシステムは、本願明細書中に記載された様々な処理に関する情報を格納できる。情報は、例示的実施形態の装置及びサブシステムにハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、RAMなど1つ以上のメモリに格納できる。例示的実施形態の装置及びサブシステムの1つ以上のデータベースに、本発明の例示的実施形態を実施するために使用される情報を格納できる。データベースは、本願明細書中にリストされた1つ以上のメモリ又は記憶デバイスに含まれるデータ構造(レコード、テーブル、配列、フィールド、グラフ、ツリー、リストなど)を利用して組織されうる。例示的実施形態に関して記載した処理は、例示的実施形態の装置及びサブシステムの処理によって収集及び/又は生成されたデータをデータベースに格納するための適切なデータ構造を1つ以上含むことができる。
【0407】
コンピュータやソフトウェア技術に精通した技術者には理解されるように、例示的実施形態の装置及びサブシステムの全て又は一部は、本発明の例示的実施形態の教示に従いプログラムされた1つ以上の汎用コンピュータシステム、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラなどを使用して便利に実行できる。ソフトウェア技術に精通した技術者には理解されるように、例示的実施形態の教示に基づいて適切なソフトウェアを容易に製造できる。例示的実施形態の装置及びサブシステムはワールド・ワイド・ウェブ上でも実施できる。更に、電気技術に精通した技術者には理解されるように、例示的実施形態の装置及びサブシステムは、特定用途向けICの製造により、又は従来の構成回路の適切なネットワークを相互に連結させることによって実施できる。従って、例示的実施形態はハードウェア回路及び/又はソフトウェアの任意の特定の組み合わせに限定されない。
【0408】
本発明の例示的実施形態は任意のコンピュータ可読媒体又はコンピュータ可読媒体の組み合わせに格納され、例示的実施形態の装置及びサブシステムを駆動し、例示的実施形態の装置及びサブシステムが人間のユーザと対話することを可能とするために、例示的実施形態の装置及びサブシステムを動作させるためのソフトウェアを含むことができる。このようなソフトウェアとして、デバイスドライバ、ファームウェア、オペレーティングシステム、開発ツール、アプリケーションソフトウェアなどが挙げられるが、これらに限定されない。更に、このようなコンピュータ可読媒体は、本発明を実施する際に実行される処理の全て又は一部(処理が分配される場合)を実行するための、本発明の実施形態のコンピュータプログラム製品を含むことができる。本発明の例示的実施形態のコンピュータコード装置は、任意の適切な解釈可能又は実行可能なコードメカニズムを含むことができる。コードメカニズムとして、スクリプト、解釈可能なプログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、Java(登録商標)クラス及びアプレット、実行可能なプログラム、共通オブジェクト要求ブローカアーキテクチャ(CORBA)オブジェクトなどが挙げられるが、これらに限定されない。更に、本発明の例示的実施形態の処理の一部は、改善された性能、信頼性、コストなどのために分散できる。
【0409】
上述のごとく、例示的実施形態の装置及びサブシステムは、本発明の教示に従ってプログラムされた命令を保持し、データ構造、テーブル、レコード及び/又は本願明細書に記載した他のデータを保持するためのコンピュータ可読媒体又はメモリを含むことができる。コンピュータ可読媒体は、実行するためにプロセッサに命令を提供することに参画する任意の適切な媒体を含むことができる。このような媒体は様々な形態をとることができ、例えば不揮発性媒体、揮発性媒体、伝送媒体などが挙げられるがこれらに限定されない。不揮発性媒体として、例えば光学又は磁気ディスク、光磁気ディスクが挙げられる。揮発性媒体として、例えばダイナミックメモリ等が挙げられる。伝送媒体として同軸ケーブル、銅線、光ファイバなどが挙げられる。伝送媒体は、例えば無線周波数(RF)通信や赤外線(IR)データ通信等の間に発生される音波、光波、電磁波などの形態をとることができる。コンピュータ可読媒体の共通の形式として、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の適切な磁気媒体、CD−ROM、CDRW、DVD、その他の適切な光学媒体、穿孔カード、紙テープ、光学マークシート、その他の穿孔又は光学的に認識可能な表示パターンを有する他の適切な物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、その他のコンピュータで読み取り可能な適切なメモリ・チップ又はカートリッジ、搬送波又はその他の適切なコンピュータ読み取り可能な媒体が挙げられる。
【0410】
本発明を多くの例示的実施形態及び実装を挙げて説明したが、本発明はこれらに限定されず、予測される請求の範囲内の各種変更、等価の構成を含む。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用権に従ってデジタルコンテンツパッケージを再生するよう構成されたデジタルコンテンツプレーヤであって、
デジタルコンテンツパッケージをレンダリングするためのレンダリング部と、
対応するトークン発行人からのトークン管理権に基づいてトークンを格納し、作製し、移転するためのトークンレポジトリと、
デジタルコンテンツパッケージに関連付けられた使用権を解釈及び実施し、前記使用権が特定の識別子を備えたトークンの所有を必要とする場合に、前記特定の識別子を備えたトークン所有の有無を確認すべく前記トークンレポジトリと通信するために前記トークンレポジトリ及び前記レンダリング部に接続されたDRMエージェントと、
を含むデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項2】
前記トークンレポジトリが所有するトークンは、データベース中のエントリにより表現され、各エントリはトークン識別子と、前記トークン識別子を有するトークンレポジトリが所有するトークンの数に対応するカウントとを含む、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項3】
前記トークンレポジトリが所有するトークンは、ファイルシステム中の、各々が対応するトークン識別子を有する個別のファイルによって表される、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項4】
前記トークン識別子はトークン識別子文法で書かれる、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項5】
前記トークン識別子文法は、トークン発行人の公開鍵用フィールドを含む、請求項4記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項6】
前記トークンレポジトリは、トークン識別子文法に従ってトークン識別子を解析することにより、トークンのトークン発行人を決定する、請求項5記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項7】
前記トークンレポジトリは、トークン識別子を使用して、トークンレジストリに問合せを行うことでトークンのトークン発行人を決定する、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項8】
前記トークン識別子文法は、トークン識別素のフィールドを含む、請求項4記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項9】
前記トークン識別子文法は、トークン作製時間のフィールドを含む、請求項4記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項10】
前記トークン識別子文法は、トークン領域のフィールドを含む、請求項4記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項11】
前記トークン識別子文法は、トークンの満了期間のフィールドを含む請求項4記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項12】
トークンは満了期間とともに作製されるか又は受け取られ、前記トークンレポジトリはトークンの満了に伴いトークンを破壊する、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項13】
前記トークン管理権の少なくとも1つが時間制限を指定する、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項14】
前記トークン管理権の少なくとも1つが領域制限を指定する、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項15】
前記トークン管理権の少なくとも1つが別のトークンの所有者の参加を指定する、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項16】
前記使用権の少なくとも1つが時間制限を指定する、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項17】
前記時間制限は、前記トークンに関連付けられた時間と関連する、請求項16記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項18】
前記トークンに関連付けられた時間はトークンの作製時間である、請求項17記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項19】
前記使用権の少なくとも1つは領域制限を指定する、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項20】
前記領域制限は前記トークンに関連付けられた領域に関連する、請求項19記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項21】
前記トークンに関連付けられた領域はトークンの作製領域である、請求項20記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項22】
前記使用権の少なくとも1つは、何らかの物理的媒体の所有を必要とする、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項23】
前記使用権の少なくとも1つは、トークンの所有も何らかの物理的媒体の所有も必要としない、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項24】
前記トークン管理権の少なくとも1つは、何らかの物理的媒体の所有を必要とする、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項25】
前記トークン管理権の少なくとも1つは、別のトークンの所有を必要とし、前記別のトークンの作製は少なくとも1つの他のトークン管理権に従って行われ、前記少なくとも1つの他のトークン管理権は、何らかの物理的媒体の所有を必要とする、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項26】
前記トークン管理権は必要なセキュリティレベルを指定する、請求項1記載のデジタルコンテンツプレーヤ。
【請求項27】
トークン発行人の識別を提供するためのトークンレジストリであって、
一意のトークン識別及び前記一意のトークン識別に対するトークン発行人を識別する情報のデータベースと、
デジタルコンテンツプレーヤからの一意のトークン識別に対応するトークン発行人を識別する情報の要求、及び前記トークン発行人を識別する情報をデジタルコンテンツプレーヤに中継する要求を受け取るためのネットワークインターフェースと、
前記要求を処理し、対応するトークン発行人を決定するために前記データベースに対し問合せを行い、前記ネットワークインターフェースを介して前記デジタルコンテンツプレーヤにトークン発行人を識別する情報を提供するためのプロセッサと、
を含むトークンレジストリ。
【請求項28】
対応するトークン発行人に関する情報はトークン発行人の公開鍵を含む、請求項27記載のトークンレジストリ。
【請求項29】
デジタルコンテンツパッケージの記録と、
前記デジタルコンテンツパッケージの使用のための所定のトークン識別子を有するトークンを必要とする、前記デジタルコンテンツパッケージのための1セットの使用権と、
前記所定のトークン識別子を有するトークンの発行、移転及び消費のための1セットのトークン管理権と、
を含むオリジナル記録媒体。
【請求項30】
前記所定のトークン識別子はトークン識別子文法で書かれる、請求項29記載のオリジナル記録媒体。
【請求項31】
前記トークン識別子文法は、トークン発行人の公開鍵のフィールドを含む、請求項30記載のオリジナル記録媒体。
【請求項32】
前記トークン識別子文法はトークンの作製時間のフィールドを含む、請求項30記載のオリジナル記録媒体。
【請求項33】
前記トークン識別子文法は、トークンの領域のフィールドを含む請求項30記載のオリジナル記録媒体。
【請求項34】
前記トークン識別子文法は、トークンの満了期間のフィールドを含む請求項30記載のオリジナル記録媒体。
【請求項35】
前記トークン識別子文法は、トークン識別素のフィールドを含む請求項30記載のオリジナル記録媒体。
【請求項36】
前記トークン管理権は時間制限を指定する請求項29記載のオリジナル記録媒体。
【請求項37】
前記トークン管理権は領域制限を指定する請求項29記載のオリジナル記録媒体。
【請求項38】
前記トークン管理権は、別のトークンの所有者の参加を指定する、請求項29記載のオリジナル記録媒体。
【請求項39】
前記トークン管理権は必要なセキュリティレベルを指定する、請求項29記載のオリジナル記録媒体。
【請求項40】
前記トークン管理権は、何らかの物理的媒体の参加を指定する、請求項29記載のオリジナル記録媒体。
【請求項41】
前記使用権は時間制限を指定する請求項29記載のオリジナル記録媒体。
【請求項42】
前記時間制限は前記トークンに関連付けられた時間に関連する、請求項41記載のオリジナル記録媒体。
【請求項43】
前記トークンに関連付けられた時間はトークンの作製時間である、請求項42記載のオリジナル記録媒体。
【請求項44】
前記使用権は領域制限を指定する請求項29記載のオリジナル記録媒体。
【請求項45】
前記領域制限は前記トークンに関連付けられた領域に関連する、請求項44記載のオリジナル記録媒体。
【請求項46】
前記トークンに関連付けられた領域はトークンの作製領域である、請求項45記載のオリジナル記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−133798(P2012−133798A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−37291(P2012−37291)
【出願日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【分割の表示】特願2008−533578(P2008−533578)の分割
【原出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(500470703)コンテントガード ホールディングズ インコーポレイテッド (54)
【氏名又は名称原語表記】ContentGuard Holdings, Inc.
【Fターム(参考)】