説明

デジタルマイクロミラー結像装置を有する双方向性ディスプレイシステム

ディスプレイシステムは、入口面と反対側の出口面とを備えた導波路光学パネルを有する。パネルを通して画像を投射して、出口面上に表示するために、投射器が、デジタル結像装置、例えば、デジタルマイクロミラー結像装置と協働する。結像装置は、表示位置と転向位置との反対の位置間で傾斜可能な複数のミラーのアレイを有する。表示位置は、出口面上に表示するために、投射器からの画像光ビームをパネルを通して反射させる。転向位置は、画像光ビームをパネルから離れるように転向させ、又プローブ光ビームをパネルを通して出口面に向けて反射させるために付加的に用いられる。パネル上のスポットを、例えば指を用いて覆うことによって、そこでの検出及び双方向機能の提供のために、プローブ光ビームを反射させてパネルを通して入口面に向けて戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府によって援助された研究又は開発に関する記述
本発明は、エネルギー省によって与えられた契約番号DE−AC02−98CH10886による政府支援をもってなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0002】
発明の背景
本発明は、一般には、光導波路、より詳細には、それで形成された光学パネルに関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第5,381,502号は、互いに積層された複数のリボン状光導波路を有する多平面光学ディスプレイ(POD:polyplanar optical display)を開示している。画像光は、その中での全内部反射(全反射)のために、ディスプレイの入口面を通して投射され、パネルの反対側の出口面端部においてビデオ(映像、テレビ)画像が表示される。
【0004】
米国特許第5,455,882号は、双方向(インタラクティブ)動作のために構成された別の形態のPODパネルを開示している。ビデオ画像は、積み重ねられた複数の導波路を通して外側に向けて投射される。又、双方向性光ビームを、出口面を通して入口面へと内側に向けて指向させることができ、そのスクリーン上の位置を、双方向機能を提供するために検出することができるようになっている。
【0005】
いずれの特許においても、同様に構成された光学パネルが、入口面から反対側の出口面への方向、出口面から反対側の入口面への方向のいずれの方向における光伝達(透過)も可能とする。この能力は、テレビジョン用の高解像度表示画面(ビューイングスクリーン)、コンピュータモニタ、及び所望により種々のその他のタイプの表示画面を提供するために、光学パネルを種々の用途において用いることを可能とする。
【0006】
種々の形態のディスプレイスクリーンとの双方向性を提供するために、別個の機械的なキーボードが一般的に知られている。しかしながら、機械的なキーボードは、システムのサイズ、複雑さ、及びコストを増大させる、付加的な構成部品である。
【0007】
従来のタッチスクリーンは、双方向機能のための別の方法を提供する。タッチスクリーンは、出口面に被せられる種々の形態を有していてよく、又タッチスクリーンの種々の部分を単に押すことによって双方向性を提供することができる。触れられたスポットの位置は、システムによって判定され、又タッチスクリーンを通して出口面によって表示される双方向オプションに対応する。タッチスクリーンは、独立した装置であり(即ち、出口面から分離されている)、これはシステムの複雑さ及びコストを増大させる。
【0008】
従って、実施するにあたり相当の利点を有する双方向機能を備えたディスプレイシステムを提供することが求められている。
【発明の開示】
【0009】
本発明のディスプレイシステムは、入口面と反対側の出口面とを備えた導波路光学パネルを有する。パネルを通して画像を投射して、出口面上に表示するために、投射器が、デジタルマイクロミラー結像装置と協働する。結像装置は、複数のミラーのアレイを有し、各ミラーは、表示位置と転向位置との反対の位置間で独立して傾斜可能である。表示位置は、出口面上に表示するために、投射器からの画像光ビームをパネルの入口面を通して出口面に向けて反射させる。転向位置は、画像ビームをパネルから離れるように転向させ、又プローブ光ビームを入口面を通してパネルの出口面に向けて反射させるために付加的に用いられる。パネル上のスポットを覆うことによって、そこでの検出及び双方向機能の提供のために、プローブ光ビームの一部を反射させてパネルを通して出口面から入口面に向けて戻す。
【0010】
本発明を、好ましく又典型的な実施形態に従って、その更なる目的及び利点と共に、以下の詳細な説明において添付の図面と関連して更に詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1は、本発明の典型的な一実施形態に従う双方向性ディスプレイシステム10を示す。ディスプレイシステム10は、複数のリボン状光導波路14を備えた光学ディスプレイパネル12を含む複数の構成部品の組み立て体である。各導波路14は、パネル12の横方向、即ち、水平方向の幅の全体にわたって延在する。又、複数の導波路14は、垂直方向、即ち、横断方向に互いに積み重ねられ、パネル12の高さの全体を規定する。
【0012】
光学パネル12は、例えばベリグダン(Veligdan)に対する米国特許第5,381,502号に示される、サイズを減少させる楔形などの、種々の方法にて配置された複数の導波路を有する、任意の従来の形態を有していてよい。図2に示すように、複数の導波路14は、好ましくは、実質的に同一のサイズを有し、一列に互いに垂直方向に積み重ねられる。複数の導波路14は、それらの第1の、即ち、後方の各端部が、集合的に平坦な入口面16を画成し、又それらの反対側の第2の、即ち、前方の各端部が、集合的に平坦な表示出口面18を画成する。
【0013】
図3により詳細に示すように、各導波路14は、クラッド層14bの間に配置された光学的に透明なコア14aを有する。コア14aとクラッド14bとの間の屈折率の違いによって、画像光ビーム20を、従来の方法の全反射で、個々の導波路14を通して導くことができる。図2に示すように、画像ビーム20は、図1に示される画像(又は、ビデオ画像)22として出口面18上に表示するために、入口面16上に投射される。
【0014】
図3に示すように、クラッド14bは、ディスプレイシステム10と相互作用(対話)する観察者、即ち、使用者によって観察された時の画像のコントラストを増強するために、好ましくは、暗色(例えば、黒色)である。
【0015】
図1及び図2に初めに示すように、ディスプレイシステム10の種々の構成部品は、好ましくはディスプレイ10に必要なスペースを最小化するために比較的薄型の、適当なハウジング24内に取り付けることができる。入口面16がパネル12の幅及び高さの全体にわたって延在しているので、入射画像光20を再指向(リダイレクト)させてハウジング24に必要な奥行き(深さ)を最小化するように、光結合器(ライトカプラ)26を入口面16上に付加的に設けることが望ましい。
【0016】
好ましい一実施形態では、結合器26は、パネル12の幅全体に沿って直線状で、且つ、パネル12の高さ方向に沿って垂直に離隔された複数のフレネルプリズム式微小溝(Fresnel prismatic microscopic grooves)を有する。結合器26の好ましい形態は、3M カンパニー[ミネアポリス セントポール]から商品名TRAF IIとして市販されている透過型直角フィルム(TRAF:Transmissive Right Angle Film)である。このTRAFフィルムは、画像光20を、光学パネル12の背面上に小さく鋭い角度にて投射し、次いで複数の導波路14を通して導いて出口面18から表示させるように約90度までの角度で再指向させることを可能とする。ビスカーディ(Biscardi)らに対する米国特許第6,301,417号に記載されるタイプである、その他のタイプの結合器も代わりに用いることができる。或いは、結合器26は省略することができ、画像ビームは典型的なリアプロジェクション(背面投射)方式にて入口面に直接向けることができる。
【0017】
光学パネル12は、その入口面側と出口面側との間でいずれの方向においても光が内部を伝達(透過)され得る複数の積み重ねられた光導波路を利用した、任意の適当な構成を有していてよい。図2及び図4に模式的に示すように、光学パネル12は、適当な光投射器(プロジェクタ)28と協働するようにハウジング24内に取り付けられる。この光投射器28は、任意の所望のビデオ画像22を形成するのに用いられる光を投射するための、任意の従来の構成を有する。投射器28から出る光は、好ましくは、散乱光よりはむしろビームの形態である。
【0018】
例えば、投射器28は、白色光を生成するためのランプを有していてよい。この白色光は、出口面18上に任意の所望のビデオ画像22を生成するのに用いるための適当な投射レンズを通して投射される。例えば、投射器28の内部又は外部において既知の方法にて従来のカラーホイールを回転させることによって、光ビームに色彩を加えてもよい。
【0019】
投射器28は、所望のビデオ画像をデジタル的に生成するために、デジタル結像装置(イメージングデバイス)30と協働する。任意の適当なデジタル結像装置を使用することができるが、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD:Digital Micromirror Device)結像装置30が好ましい。DMD30は、投射器28と入口面16との間に光学的に整列される結像装置であり、これは画像ビーム20を協働する投射レンズ32を通して選択的に反射させてビデオ画像を形成する。この結像装置30は、例えば、何千もの微小サイズの結像ミラー(microscopically sized image mirrors)34のアレイを有する小さな半導体光スイッチである。各ミラー34は、駆動された時に典型的には±10度の角度範囲で前後に独立して傾斜されるように、ヒンジ上に取り付けられている。駆動されていない時には、個々のマイクロミラー34は、中間の弛緩位置をとる。DMD30は、テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド[テキサス州 ダラス]から市販されている従来の装置である。これは、種々の用途のためにデジタル画像を生成する際に、デジタル光プロセスにおいて使用するためのものである。
【0020】
DMD結像装置30は、その中の何千ものマイクロミラー34の各々を独立して制御するために用いられる従来の電子的ドライバ36と協働するものとして、図4に模式的に示されている。結像装置30は、ドライバ36を介して電気的コントローラ38に動作可能に結合されている。これにより、結像装置30の動作、及びパネル12上に表示されるビデオ画像22の形成を制御できるようになっている。
【0021】
コントローラ38は、任意の適当な目的のために任意の所望のビデオ画像を表示するための適当なソフトウェアでプログラムされたデジタルマイクロプロセッサなどの、任意の従来の構成をとることができる。コントローラ38は、普通のテレビジョンビデオ画像をパネル12から表示するため、或いは典型的にはコンピュータモニタ、現金自動預け払い機(ATM)等の上に表示されるその他のビデオ画像を表示するために用いることができる。
【0022】
本開示の目的で、「外側に向かう(外側に向ける)(outbound:アウトバウンド)」なる用語は、入口面16から出口面18に向かう方向であるとして定義し、「内側に向かう(内側に向ける)(inbound:インバウンド)」なる用語は、出口面18から入口面16に向かう方向であるとして定義する。
【0023】
図5は、コントローラ38によって傾斜(ティルト)配向性が制御される複数のマイクロミラー34のうちの典型的な1つを模式的に拡大して示す。各ミラー34は、駆動されていない時の中心位置、即ち、弛緩位置から典型的には±10度である、反対(逆)側の表示位置と転向位置との間で傾斜可能である。第1の位置、即ち、表示位置は、図5中に仮想線にて示されており、この位置は、投射器28とパネル12の入口面16との間に光学的に整列されており、これにより画像ビーム20を外側に向けて入口面16内へと反射させ、出口面18上に表示させて、所望のビデオ画像を集合的に形成できるようになっている。第2の位置、即ち、転向位置は実線にて示されており、この位置は、投射器28からの画像ビーム20を入口面16から離れるように転向(方向転換、迂回)させ、ビデオ画像の暗部を生成する。
【0024】
個々のミラー34は、所望により種々の色彩の相対的に明るい部分と相対的に暗い部分とを有するビデオ画像全体の、対応するピクセルを独立して規定する。
【0025】
画像投射器28及び光学パネル12と協働するDMD30の動作は、光学パネル上に任意の所望のビデオ画像を生成するための従来のものである。実際には、個々のミラー34は、それらの表示位置と転向位置との間で高速に振動して、様々な程度の画像強度又はコントラストを有するビデオ画像を生成できるようになっている。ビデオ画像は時間的に連続して投射することもできるが、典型的な一実施形態では、ビデオ画像は、60ヘルツの画像リフレッシュ速度を有する通常のテレビの方式にて、サイクル又は時間的フレームとして投射することができる。
【0026】
本発明の著しい特徴によれば、結像装置30は、ビデオ画像を生成することとは独立して付加的に動作させることができる。これにより、新規な方法にて基本的なディスプレイシステムの利用可能な電子的構成部品を用いて、比較的単純な方法で双方向機能を提供することができる。
【0027】
より詳細には、図5には、1つの典型的な構成を模式的に示す。この構成は、双方向性の光ビーム、即ち、プローブ光ビーム40を、転向位置にあるミラー34から外側に向けて光学パネル12の入口面16内へと出口面方向に反射させるように結像装置30と光学的に整列されている。この構成では、任意の双方向作用において用いるべく使用者が出口面18の任意の部分を触れたか否かを判定するために出口面18をプロービング(調査)する1つの方法が提供される。この構成の光学パネル12は、投射される画像のための表示出口面18だけではなく、任意の所望の双方向機能のために使用することのできる一体型のタッチスクリーンをも規定する。
【0028】
図4は、個々の導波路14内の光を検出するために、光学パネル12の入口側面上に配置され、その高さ全体にわたって横断している光センサ42を模式的に示す。光センサ42は、例えば可視光及び赤外光を含む光を検出して、それに対応する相応の電気信号を生成する1つ以上のフォトダイオードなどの、任意の従来の形態を有していてよい。光センサ42は、コントローラ38に動作可能に結合されており、検出された光の指示値をそれに提供できるようになっている。
【0029】
図6は、光学パネル12への外側に向かうプローブ光ビーム40の動作をより詳細に示す。プローブ光ビーム40は出口面18上に表示される。又、使用者は、出口面18に触れて、スポット44の形態にてその一部を覆うために、例えば、指を用いることができる。指の存在は、表示されたプローブ光ビーム40の覆われた部分を、同一又は隣接する導波路を通して入口面16へと反対方向に内側に向けて反射させるために有効である。反射された内側に向かうプローブ光ビームは、次いで光センサ42によって検出されて、出口面18が触れられたことを示すことができる。又、好ましい実施形態では、反射された内側に向かうプローブ光ビームは、指が出口面18に触れた正確な2次元的位置を特定するために用いることができる。
【0030】
この能力は、図4に模式的に示すようにディスプレイシステム10を双方向操作するために有用である。結像装置30は、可視画像22を、使用者が利用できる複数の選択肢のメニューなどの適当な双方向性の形態にて投射するために用いることができる。そして、使用者は、利用可能な複数の選択肢の位置のうちのいずれかにおいて出口面18に直接触れることができ、この位置は、スポット44の種々の位置によって特定される。ビデオ画像22自体は、複数のマイクロミラー34をそれらのそれぞれの表示位置に位置付けることによって生成されるが、双方向性のフィードバックは、その複数のミラーがそれらの転向位置に位置付けられた時にもたらされることに注意されたい。現実に同時である動作は必要ないが、実用上は時間的に同時であるものとして知覚される方法にて、双方向機能を提供している間にビデオ画像をも一緒に表示することのできる種々の方法がある。
【0031】
図5に示すように、コントローラ(図示せず)は、結像装置に動作可能に結合され、個々のミラー34を表示位置と転向位置との間で選択的に位置付けるように構成されている。これにより、外側に向かう画像ビーム20から所望のビデオ画像を出口面18上に集合的に形成すると共に、少なくとも部分的に、外側に向かうプローブ光ビーム40から形成される任意の所望の空間的プローブパターンと時間的に交替させるようになっている。
【0032】
例えば、図6及び図7は、そのために特に構成されたコントローラ38の動作によって生成されたプローブ光ビームパターンの典型的な形態を示す。プローブパターンは、複数の導波路14のうちの対応する各1つの中に、出口面18の幅に対応するそれらの横方向の範囲の全体にわたって存在する外側に向かうプローブ光ビーム40と、外側に向かうプローブ光ビームを持たない中間の各導波路14との、空間的に交互の横方向のストライプ(縞)を有していてよい。この方法では、空間的に分離された複数の導波路14は、入口面16から出口面18へと外側に向かうプローブ光ビーム40をそれぞれ導くために提供される。そして、プローブ光ビーム40は、光センサ42による検出のために、光学パネルを通して入口面16へと内側に向けて戻すように、覆われたスポット44の下で使用者によって反射され得る。
【0033】
図6は、覆われたスポット44の下で1つの導波路を通して外側に向かうプローブ光ビーム40を、センサ42による検出のために隣接する各導波路を通して内側に向けて反射されたプローブと共に示す。出口面18は、外側に向かうプローブ光ビームの少なくとも一部を内側に向けて反射させるために、例えば、指、掌(又はその他の身体部分)、ペンシルイレイザー、スタイラス(針)(即ち、好ましくは先の尖っていないタイプのもの)、又は紙(例えば、バーコード読み取り目的のため)で覆う(カバーする)ことができる。カバー要素(covering element)は、出口面18に直接接触するようにしても、或いは出口面18に非常に接近して離間された反射面を提供するようにしてもよい。指/掌は半透明であるため、出口面18に接触している間に、光を散乱させ、又それによりプローブ光ビームを反射させて隣接する各導波路を通して戻しもすることができる。
【0034】
図4及び図6に示すように、コントローラ38は、外側に向かうプローブ光ビームと内側に向かうプローブ光ビームとを独立して導くために、結像装置30の複数のミラー34のうちのいくつかを転向位置に選択的に位置付けて、プローブ光ビーム40を少なくとも1つの外側に向ける導波路14を通し、且つ、隣接する内側に向ける各導波路を通さずに反射させるように、例えば適当なソフトウェアを用いて構成されている。この方法では、いくつかの導波路を、外側に向かうプローブ光ビームを投射するための専用とすることができ、その他の導波路を、出口面18の任意の部分が局部的に覆われた時に反射された内側に向かうプローブ光ビームを検出するための専用とすることができる。
【0035】
コントローラ38は、スポット44を覆った時に内側に向かうプローブ光ビームを検出するように、光センサ42に動作可能に結合されている。又、コントローラ38は、内側に向かうプローブ光ビームを、外側に向かうプローブ光ビーム、並びに、ビデオ画像を形成する外側に向かう画像ビームから識別(弁別)するようにも構成されている。これは、画像ビーム20とプローブ光ビーム40との独立した投射に拘わらず、共通の光学パネル12で空間的及び時間的な識別の両方を使用することによって達成することができる。
【0036】
例えば、結像装置30の動作は、時間的に交互に、ビデオ画像、所望のプローブパターンのいずれかを投射するように用いることができる。ビデオ画像は、双方向性の応答のための任意の所望のメニューを表示するために用いることができる。又、時間的にビデオ画像と織り交ぜて、コントローラ38を、出口面18の任意の部分を覆った時に光センサ42からの双方向性の応答を検出するように動作させることができる。
【0037】
図1、図3及び図4に模式的に示すように、光センサ42は、好ましくは、複数のフォトダイオードの直線状アレイの形態である。この直線状アレイは、入口面16の高さにわたって複数の導波路と交差し、導波路内の任意の光を検出できるようになっている。適当な光センサは、日本国のハママツ コーポレーション(Hamamatsu Corporation)から市販されている、例えば、1024個のダイオードをその中に有するモノリシック構造の(単一基板上に形成された)セルフスキャンニングフォトダイオードアレイを備えた直線状画像センサである。この典型的なセンサは、可視光から赤外(IR)光まで検出するのに有効である。又、光学パネルの高さにわたって全ての導波路と交差するように、これらのアレイを直線的な群として配置することができる。この方法では、各導波路の垂直方向、即ち、Y方向の位置が、複数のフォトダイオードのうちの対応する各1つと関係付けられていてよく、これにより任意の導波路内の光の検出を、その横断方向、即ち、垂直方向の位置Yを判定するために用いることができる。
【0038】
又、図1、図3及び図4に示すように、好ましくは、一対の実質的に同一の光センサ42が用いられ、複数のフォトダイオードの第1のアレイ(第1のフォトダイオードアレイ)は、光学パネル12の第1の側部、即ち、左の側部を横断しており、複数のフォトダイオードの第2のアレイ(第2のフォトダイオードアレイ)は、光学パネル12の反対側の第2の側部、即ち、右の側部を横断している。左側及び右側のアレイは両方とも、コントローラ38に関連付けられた従来の比較器(コンパレータ)46に動作可能に結合されている。そして、比較器46は、導波路の左側端部及び右側端部において検出された光の相対強度を比較し、左側端部と右側端部との間の対応する横方向、即ち、水平方向Xの位置を内挿できるようになっている。この方法では、出口面18の2次元的な幅及び高さにわたって何処でスポットが覆われたとしても、光センサ42を用いてその横方向Xの位置及び横断方向Yの位置を正確に判定することができる。
【0039】
パネルの出口面18を、その覆われた部分に関してプロービングする種々の形態を、結像装置30と組み合わせて用いることができる。図5は、プロービング構成がダイクロイック要素48を含む典型的な一実施形態を示す。ダイクロイック要素48は、画像ビーム20自体の赤外線(IR)成分をプローブ光ビーム40として反射させて転向位置にあるミラー34に戻し、パネルの入口内へとIRビーム40を投射するように結像装置30と光学的に整列されたダイクロイックミラーなどの、任意の従来の構成を有していてよい。
【0040】
ダイクロイックミラー48は、転向位置にあるミラー34と光学的に整列されており、又それらの間に光学的に整列された平面状の折り返しミラー(フォールディングミラー)50と協働する。この方法では、マイクロミラー34によって転向された(そらされた)投射器28からのオリジナルの光ビームは、そのIR成分を折り返しミラー50へと反射させて、転向位置にあるミラー34へと戻すために、ダイクロイック要素48へと指向させることができる。次いで、この光は、光学パネル12を通して導いて、出口面18上でIRプローブパターン内に表示するために、投射レンズ32を通して(同一の外側に向かう表示画像経路内において)反射される。
【0041】
図5に示す好ましい実施形態では、IR成分がダイクロイック要素48から反射された時に、転向された画像ビーム20の可視光成分を吸収するために、転向位置のミラー34からの同一の経路の端部において、光ダンプ52が、ダイクロイック要素48と、該ダイクロイック要素48に対して直線的に光学的に整列されている。光ダンプ52は、ビデオ画像のコントラストを増強するための黒色表面などの、任意の従来の形態を有していてよい。ビデオ画像は、複数のマイクロミラーのアレイ全体の個々のピクセルによって集合的に形成されるので、ミラーの転向された位置、即ち、表示オフ位置は、表示位置、即ち、オン位置にあるミラーから反射された画像光によって形成されるビデオ画像の相対的に明るい部分と比較して、ビデオ画像の相対的に黒色の部分を規定するために用いられる。
【0042】
出口面18の任意の部分を覆った時の双方向性のフィードバックのために出口面18をプロービングするのに赤外光を用いることは、双方向性のプロービング機能と本来のビデオ画像の表示との間の区別を実質的に増大させる。ビデオ画像は、光センサ42内での検出に供される可視光に基づいている。光センサ42の動作とプローブパターンとを同期させるためにコントローラ38を利用することによって、双方向性のフィードバック及び内側に向かうプローブ光ビームの検出を、ビデオ画像が表示される時間とは対照的に、プローブパターンが表示される区間だけに時間的に制限することができる。従って、プローブパターンは、ビデオ画像の生成から時間的に効果的に切り離すことができる。これにより、光センサは、プローブパターン生成区間の間にのみ、出口面18に触れたことを検出するために用いられる。
【0043】
図9は、図5の実施形態に類似しているが、プローブ光ビームの反射と、バックグランド、即ち、外来の(異質な)光とを識別する光センサ42の能力を更に増強するために、振幅変調又は周波数変調などの任意の適当な形態においてIRプローブ光ビーム40を変調するように、プローブ光ビームループの任意の部分において結像装置30と光学的に整列された光変調器54を更に有する本発明の別の実施形態を示す。変調器54は、IRプローブ光ビーム40を変調して、プローブ光ビームと、動作中に普通に出口面18に入るもの、又は可視光及び赤外光の両方を含む画像ビーム20自体に由来してパネル12内に見られるもののいずれかである外来の赤外光と、を区別するために、任意の従来の形態をとることができる。
【0044】
これに対して、コントローラ38は、動作中に光センサ42によって検知された時に上記の如く変調されたプローブ光ビームを検出するように構成される。この方法では、変調された内側に向かうプローブ光ビームは、光センサによって検出される他の如何なる光に対しても区別することができ、これにより覆われたスポットを正確に位置付けることができるようになっている。
【0045】
上述の図5及び図9において、画像光20のIR成分は、出口面18上に所望のIRプローブパターンを形成するために、転向位置にあるマイクロミラー34へのループ内に循環して戻される。この方法では、そうでなければ転向位置において浪費される画像ビームを、双方向性のフィードバックを検出するために出口面18をプロービングする付加的な機能のために部分的に使用することができる。
【0046】
一方、図10は、図5及び図9に示すものと同様の方法にて動作する本発明の別の実施形態を示す。この実施形態では、更に、プロービング構成は、IRプローブ光ビーム40を放射し、又IRプローブ光ビーム40を転向位置にあるミラー34から外側に向けて入口面16内へとディスプレイパネル12の出口面方向に反射させるために、転向位置にある結像装置のマイクロミラー34と光学的に整列された独立した赤外光投射器56を有する。この実施形態では、光ダンプ52は、ミラーがその転向位置に傾斜された時に画像ビーム20を吸収するために、結像装置と直接光学的に整列されている。
【0047】
図10に示す実施形態の動作は、双方向機能のためにビデオ画像とプローブパターンとを時間的に交互に表示させる上述のものと同じである。ビデオ画像は、出口面18上の選択されたスポットを覆うことで、外側に向かうプローブ光ビームの少なくとも一部をパネル内へと反射させて戻すように、任意の所望の双方向性メニューを有していてよい。そして、覆われたスポットの2次元的な位置は、戻るビームが内部を導かれる導波路の横断方向、即ち、垂直方向の位置Yを特定すると共に、左側及び右側の光センサアレイ間での戻るビームの相対強度を比較して横方向、即ち、水平方向の位置Xを判定することによって、コントローラにおいて判定することができる。上記の如く特定された出口面18上の覆われたスポットは、双方向機能の任意の所望の用途のためにコントローラ内に情報を入力するなどの、双方向機能のための任意の従来の方法において用いることができる。
【0048】
図4及び図7に示すように、コントローラ38は、個々の導波路14に対応する交互のストライプなどの、任意の所望のプローブパターンを生成するように構成することができる。別の典型的なプローブパターンが、図4と関連して図8に示されている。ここでは、コントローラ38は、双方向性の活動が望まれる出口面18の任意の部分の上を移動(走行)するドットとしてプローブ光ビーム40をラスター(走査)するように構成される。そして、プロービングドットが出口面18上の任意の覆われたスポット44の下を通過する時に、外側に向かうプローブ光ビームの少なくとも一部をスポットの下で反射させて、ドットを取り囲む1つ以上の導波路内に、内側に向かうプローブ光ビームを形成することができる。
【0049】
X、Y軸に沿って移動するドットの正確な位置は、本質的にコントローラ38において判定することができるので、覆われたスポット44の位置は、そこで光センサが内側に向かうプローブ光ビームを検出するX、Y位置として容易に判定することができる。この実施形態では、各導波路内で内側に向かうプローブ光ビームを検出するように構成された任意の単純な光センサで十分に、スポットの検出を既知の位置の移動するドットと調和、即ち、同期させることができるので、左側及び右側のセンサアレイの両方は要求されない。
【0050】
以上に開示した典型的な各実施形態は、デジタルマイクロミラー結像装置30と組み合わされた、導波路が積み重ねられた光学パネル12に双方向機能をもたらすための、種々の可能性を示している。この組み合わせを動作させる対応する方法は、図4及び図5に模式的に示されており、これは複数のマイクロミラー34をそれぞれの表示位置へと選択的に傾斜させ、投射器28からの画像光20を光学パネル12を通して反射させて、任意の所望のビデオ画像22を表示させることを含む。複数のミラー34はまた、それらのそれぞれの転向位置へと選択的に傾斜され、画像光をパネル12から離れるように転向させ、ビデオ画像をそのフレーム間で遮断する。そして、プローブ光ビーム(例えば、上述して説明したように、ダイクロイック要素48を利用することによって得られるもの)を、転向位置にあるミラーから外側に向けて光学パネル12内へと反射させることができ、これによりプローブパターンを、出口面18上に、時間的に画像フレームと交互の対応するパターンフレームとして表示させることができる。
【0051】
出口面18上の任意の適当なスポット44を覆った時に、そのスポットの位置を、上述のように1つ以上の光センサを用いて検出することができる。そして、覆われたスポット44の位置の論理的な座標及び対応するメニューを、双方向機能のための任意の従来の方法において用いることができる。
【0052】
好ましい実施形態では、ビデオ画像22とプローブ光40のパターンとは、それらの対応する独立したフレームにおいて出口面18上で時間的に交替される。例えば、ビデオ画像22は、60ヘルツで表示することができ、この時プローブパターンもまた、そうでなければブランク(空白)フレームである画像フレーム間に、60ヘルツで表示することができる。
【0053】
更に、外側に向かうプローブ光ビームと内側に向かうプローブ光ビームとは、好ましくは、隣接する導波路14を通して独立して導かれ、交互のストライプ、又は好ましくはビデオ画像を持たないバックグランドフィールド(背景視野)内を移動するドットなどの、任意の所望のプローブパターンを生成する。勿論、別法として、内側に向かうプローブ光ビーム及び外側に向かうプローブ光ビームの両方を、同一の導波路内で伝達することもできる。
【0054】
画像光20は、典型的には、可視光及びIR光の両方を含んでいるので、導波路内のプローブ光の、導波路内に見られる外来の光、即ち、他のバックグランド光に対する増強された識別性を提供するために、プローブ光ビーム40は、好ましくは、IR光のみである。この方法では、導波路内の外来の光から区別された内側に向かうIRプローブ光ビームを専ら検出するように、コントローラを光センサと共に使用することができる。双方向機能を改善するために、任意の適当な形態のプローブ光ビームの変調を用いて、導波路内へと内側に向かうプローブ光ビームの反射の検出の識別性を増強することができる。
【0055】
図5に示す典型的な実施形態では、画像光20からのIR光成分は、ダイクロイック要素48によって分離され、折り返しミラー50によって転向位置にあるマイクロミラー34へと戻されて、パネル12を通して投射されるIRプローブ光ビームを生成できるようになっている。
【0056】
図10に示す別の実施形態では、プローブ光ビーム40を転向位置にあるミラー34から光学パネル12を通して反射させて、双方向性のプロービング機能を提供するために、独立したIR光投射器56が用いられる。IR光投射器56は、好ましくは、変調されたIR光をそこから投射する。或いは、IRプローブ光ビーム40を変調するために、別個の光変調器(即ち、図9の実施形態を参照して上述した光変調器54と同様のもの)を、IRプローブ光ビーム経路において採用することができる。
【0057】
DMD結像装置30の特別の利点は、そのマイクロミラーが、数マイクロ秒以内でその表示位置と転向位置との間で迅速に切り替えられて、出口面18上に所望のビデオ画像を生成するだけではなく、その個々のピクセルの相対輝度(明度)を制御することもできるようになっていることである。マイクロミラーの切り替え(スイッチング)は、約60ヘルツにおける典型的なビデオ画像放送のリフレッシュ速度よりも数桁速い。
【0058】
従って、プローブパターンは、種々の方法にてビデオ画像と時間的及び/又は空間的に互いにかみ合うことができ、表示されるビデオ画像の高い解像度を妥協することなく、シームレス且つ不可視の双方向機能を提供できるようになっている。プローブパターンは、所望により出口面18の利用可能な表面領域の全体を用いて、ビデオ画像の交互のフレーム間のフレーム内に表示させることができる。或いは、プローブパターンは、ビデオ画像によって取り囲まれた出口面18の任意の局部的な部分に、同時に表示させることもできる。
【0059】
プローブパターンは、ビデオ画像自体を形成するために用いられるものも含む導波路によって運ばれる外来の光に対して、内側に向かうプローブ光ビームを検出するための光センサの識別能力を改善するように、好ましくは、時間的にビデオ画像とは独立して表示される。プローブ光ビームを外来の光(ビデオ画像自体を形成するために用いられるものも含む)に対して区別するためにプローブ光ビームの適当な変調を用いることによって、有効な動作のためにプローブパターンをビデオ画像と同時に表示させることができる。
【0060】
以上、本明細書では、本発明の好ましく又典型的であると思われる実施形態について説明したが、本明細書の教示から当業者には本発明のその他の変更態様が明らかである。従って、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の精神及び範囲内にあるそのような変更の全てを包含することを望む。
【0061】
従って、添付の特許請求の範囲によって規定され、又差別化される発明について特許を請求する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明の典型的な一実施形態に従う双方向性ディスプレイシステムの部分断面立面図である。
【図2】図2は、図1に示すディスプレイシステムの図1中の線2−2に沿った部分断面側方立面図である。
【図3】図3は、図1に示す光学パネルの背面の一部の図1中の線3−3にほぼ沿った部分断面拡大図である。
【図4】図4は、光学パネル上に画像を表示するためにデジタルマイクロミラー結像装置をその中に有する図1〜3に示すディスプレイシステムの概略図である。
【図5】図5は、光学パネル上に画像を表示し且つ双方向機能を提供するための図4に示す結像装置の概略図である。
【図6】図6は、図3に示す光学パネルの一部の図3中の線6−6に沿った拡大部分断面立面図である。
【図7】図7は、図6に示す光学パネルの一部の図6中の線7−7に沿った拡大正面図である。
【図8】図8は、双方向機能のための別のプローブパターンを表している図6に示す光学パネルの一部の図7と同様の拡大正面図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施形態に従う結像装置の図5と同様の概略図である。
【図10】図10は、本発明の別の実施形態に従う結像装置の図5と同様の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに積み重ねられた複数の光導波路を有し、それらの各第1の端部が入口面を画成し、それらの反対側の各端部が出口面を画成する光学パネルと、
画像光ビームを投射するための投射器と、
前記画像光ビームを前記パネルへと選択的に反射させて前記出口面上に画像を形成するために、前記投射器と前記入口面との間に光学的に整列されたデジタルマイクロミラー結像装置であって、各々が表示位置と転向位置との反対の位置間で独立して傾斜可能な複数のミラーのアレイを有し、前記表示位置では前記出口面上に表示するために前記画像光ビームを外側に向けて前記入口面内へと前記出口面方向に反射させ、前記転向位置では前記画像光ビームを前記入口面から離れるように転向させるデジタルマイクロミラー結像装置と、
前記転向位置にある前記ミラーに向けてプローブ光ビームを指向させるために前記結像装置と光学的に整列されたプローブ要素であって、該ミラーが前記プローブ光ビームを外側に向けて前記入口面内へと前記出口面方向に反射させるようになっているプローブ要素と、
前記出口面上のスポットを覆うことで前記導波路を通して前記入口面方向に内側に向かって移動する前記プローブ光ビームを検知する光センサと、
を有することを特徴とするディスプレイシステム。
【請求項2】
更に、前記結像装置に動作可能に結合されたコントローラを有し、該コントローラは、前記複数のミラーを独立して前記表示位置と前記転向位置との間で選択的に位置付けて、前記外側に向かうプローブ光ビームからのプローブパターンと時間的に交替する前記画像を前記外側に向かう画像光ビームから前記出口面上に集合的に形成するように構成されており、前記プローブパターンは、前記プローブ光ビームを外側に向けて前記出口面へと導くこと、及び該プローブ光ビームを前記覆われたスポットの下で内側に向けて前記光センサへと反射させることのそれぞれのための、隣接する各導波路を含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記複数のミラーのうちのいくつかを前記転向位置に位置付けて、前記プローブ光ビームを、少なくとも1つの外側に向ける導波路を通し、且つ、少なくとも1つの隣接する内側に向ける導波路を通さずに反射させて、前記外側に向かうプローブ光ビームと前記内側に向かうプローブビームとを独立して導くように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記スポットを覆うことで前記内側に向かうプローブ光ビームを検出するために、前記光センサに動作可能に結合されていることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記内側に向かうプローブ光ビームを、前記外側に向かうプローブ光ビーム、及び前記画像を形成する前記外側に向かう画像光ビームから識別するように、前記光センサに動作可能に結合されていることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項6】
前記光センサは、前記導波路内の光を検出するために前記複数の導波路と交差しており、又前記光センサは、前記内側に向かうプローブ光ビームが導かれている導波路を判定するために前記コントローラに動作可能に結合されていることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項7】
前記プローブ要素は、前記画像光ビームの赤外線成分を前記プローブ光ビームとして反射させて前記転向位置にある前記ミラーへと戻し、前記プローブ光ビームを前記入口面内へと反射させるために、前記結像装置と光学的に整列されたダイクロイック要素を有することを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項8】
更に、前記赤外線プローブ光ビームを反射させて前記結像装置へと戻して、前記入口面内へと反射させるために、前記ダイクロイック要素と前記結像装置との間に光学的に整列された折り返しミラーを有することを特徴とする請求項7に記載のディスプレイシステム。
【請求項9】
前記プローブ要素は更に、前記赤外線プローブ光ビームを変調して、前記コントローラが前記プローブ光ビームを前記導波路内の外来の光から区別できるようにするために、前記結像装置と光学的に整列された光変調器を有することを特徴とする請求項8に記載のディスプレイシステム。
【請求項10】
更に、前記赤外線成分が前記ダイクロイック要素から反射された時に前記画像光ビームの可視光成分を吸収するために、前記ダイクロイック要素と光学的に整列された光ダンプを有することを特徴とする請求項8に記載のディスプレイシステム。
【請求項11】
前記プローブ要素は、前記転向位置にある前記ミラーに向けて赤外線プローブ光ビームを指向させて、そこから外側に向けて前記入口面内へと反射させるために、前記結像装置と光学的に整列された赤外光投射器を有することを特徴とする請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項12】
前記プローブ要素は更に、前記赤外線プローブ光ビームを変調して、前記コントローラが前記プローブ光ビームを前記導波路内の外来の光から区別できるようにするために、前記結像装置と光学的に整列された光変調器を有することを特徴とする請求項11に記載のディスプレイシステム。
【請求項13】
更に、前記転向位置にある前記ミラーから反射された前記画像光ビームを吸収するために、前記結像装置と光学的に整列された光ダンプを有することを特徴とする請求項11に記載のディスプレイシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、前記プローブ光ビームを前記出口面上を移動するドットとしてラスターするように構成されており、又前記コントローラは、前記移動するドットを取り囲む少なくとも1つの導波路内の前記内側に向かうプローブ光ビームを前記光センサによって検出することで、前記スポットの位置を判定することを特徴とする請求項6に記載のディスプレイシステム。
【請求項15】
前記光センサは、前記導波路内の光を検出するために前記複数の導波路と交差する複数のフォトダイオードのアレイを有しており、前記コントローラは、前記スポットの下の少なくとも1つの導波路内の前記内側に向かうプローブ光ビームを前記光センサによって検出することにより、前記覆われたスポットの横断方向の位置を判定するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のディスプレイシステム。
【請求項16】
前記光センサは、前記光学パネルの1つの側部を横断している、複数のフォトダイオードの第1のアレイと、前記光学パネルの反対側の第2の側部を横断している、複数のフォトダイオードの第2のアレイと、を有し、
前記コントローラは更に、前記スポットの下の前記導波路内の前記検出された内側に向かうプローブ光ビームの前記第1及び第2のフォトダイオードアレイにおける相対強度の比較に応じて、前記覆われたスポットの横方向の位置を判定するために、前記第1及び第2のフォトダイオードアレイと動作可能に接続された比較器を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載のディスプレイシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、対応する導波路内の外側に向かうプローブ光ビームと、前記外側に向かうプローブ光ビームを持たない中間の導波路との、交互の横方向ストライプを含む前記プローブパターンを生成するように構成されていることを特徴とする請求項16に記載のディスプレイシステム。
【請求項18】
前記複数の導波路の各々は、前記パネルの幅にわたって水平に延在しており、前記複数の導波路は、前記パネルの高さ方向に沿って垂直に互いに積み重ねられていることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項19】
前記スポットを覆うことは、指、掌、ペンシルイレイザー、スタイラス及び紙から成る群から選択される少なくとも1つのカバー要素によって行われることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項20】
前記カバー要素は、前記外側に向かうプローブ光ビームの少なくとも一部を隣接する導波路内へと反射させ、これにより前記内側に向かうプローブ光ビームを提供することを特徴とする請求項19に記載のディスプレイシステム。
【請求項21】
前記カバー要素は、前記出口面に接触することを特徴とする請求項19に記載のディスプレイシステム。
【請求項22】
前記カバー要素は、前記出口面から離間していることを特徴とする請求項19に記載のディスプレイシステム。
【請求項23】
前記各導波路は、リボンの形態であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項24】
導波路が積み重ねられた光学パネルを有し、投射器からの画像光が照射されたデジタルマイクロミラー結像装置の傾斜可能な複数のミラーから反射された画像をその出口面上に表示するディスプレイシステムに双方向性を与える方法において、
前記投射器からの前記画像光を前記パネルを通して反射させて前記画像を表示するために、前記複数のミラーをそれぞれの表示位置に選択的に傾斜させること、
前記投射器からの前記画像光を前記パネルから離れるように転向させるために、前記複数のミラーをそれぞれの転向位置に選択的に傾斜させること、
前記出口面上にプローブパターンとして表示するために、プローブ光ビームを前記転向位置にある前記ミラーから外側に向けて前記光学パネル内へと反射させること、及び
前記出口面上の覆われたスポットの下の前記出口面から内側に向かう前記プローブ光ビームの少なくとも一部の反射を検出して、前記覆われたスポットの位置を判定すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
前記画像と前記プローブパターンとは、前記出口面上で時間的に交替されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記外側に向かうプローブ光ビーム及び前記内側に向かうプローブ光ビームは、隣接する各導波路を通して独立して導かれることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記投射器からの前記画像光は、可視光及び赤外光の両方を含み、前記プローブ光ビームは赤外光であることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項28】
更に、前記赤外光を前記画像光から分離すること、及び前記パネルを通して反射される前記プローブ光ビームを生成するために前記分離された赤外光を前記転向位置にある前記ミラーへと戻すこと、を含むことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記赤外光を前記画像光から分離することは、ダイクロイック要素を用いて行われることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記分離された赤外光を前記転向位置にある前記ミラーへと戻すことは、折り返しミラーを用いて行われることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
更に、前記ダイクロイック要素を用いた前記赤外光の分離の後に、光ダンプで残りの可視光を吸収することを含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項32】
更に、前記プローブ光ビームを前記パネル内の外来の光から区別するために、前記プローブ光ビームを変調することを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項33】
更に、前記プローブ光ビームのための独立した投射器からの該プローブ光ビームを、前記転向位置にある前記ミラーから反射させることを含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項34】
更に、前記プローブ光ビームを前記パネル内の外来の光から区別するために、前記プローブ光ビームを変調することを含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記複数の導波路の各々は、前記パネルの幅にわたって水平に延在しており、前記複数の導波路は、前記パネルの高さ方向に沿って垂直に互いに積み重ねられていることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記覆われたスポットは、指、掌、ペンシルイレイザー、スタイラス及び紙から成る群から選択される少なくとも1つのカバー要素によってもたらされることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項37】
更に、前記外側に向かうプローブ光ビームの少なくとも一部を前記カバー要素で隣接する導波路内へと反射させ、これにより前記内側に向かうプローブ光ビームを提供することを含むことを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記カバー要素は、前記出口面に接触することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記カバー要素は、前記出口面から離間していることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記各導波路は、リボンの形態であることを特徴とする請求項24に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−504532(P2007−504532A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524744(P2006−524744)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/027030
【国際公開番号】WO2005/022497
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(502268265)ブルックヘイブン サイエンス アソシエイツ (5)
【Fターム(参考)】